JP2004278171A - 遮音パネル - Google Patents

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正浩 伊賀
Shuji Tsurishima
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Abstract

【課題】高速道路の路肩部において、道路の長さ方向に所定間隔毎に立設している支柱間に張設する遮音パネルであって、遮音板の四方端部に枠材を装着してこの遮音パネルを組み立てる作業が簡単且つ確実に行えると共に枠材に対する遮音板の固定が強固に行え、ボルト等が外部に露出させることのない体裁のよい外観を呈するようにする。
【解決手段】上下横枠材1、2と両側縦枠材3、4とからなる矩形状枠の内周面に設けている挿入溝5に厚さが該挿入溝5の溝幅より薄い遮音板4の四方端部が挿入されていると共に、この端部と挿入溝5の溝壁との間の隙間に押縁材6を圧入して介在させることにより、ボルトを使用することなく遮音板4の端部を矩形状枠の挿入溝5に強固に固定した構造としている。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速道路の路肩や側壁に設置して、走行する自動車等の騒音を遮断するための遮音パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、高速道路を走行する自動車からの騒音が道路周辺の住宅等に伝わるのを防止するために、さらには道路側からの投物が路肩から落下するのを防止するために、道路の路肩部に道路に沿って遮音パネルを張りめぐらすことが行われている。このような遮音パネルとしては、上下横枠材と両側縦枠材とによって矩形状枠を形成し、この矩形状枠に遮音板を嵌め込んで、該遮音板の上端部を上側横枠材に複数個のボルトにより固着していると共に該遮音板の両側端部と下端部とを押し縁材によって両側縦枠材と下側横枠材とにおける受け部に押しつけてこれらの押し縁材と受け部とにより遮音板の両側端部と下端部とを挟着した状態にして該押し縁部をボルトにより両側縦枠材と下側横枠材とに固定した構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−151418号公報(第3頁、第3図、第4図)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような遮音パネルの構造によれば、遮音板の上端部を上側横枠材に複数個のボルトによって固着しているために、遮音板の上端部と上側横枠材とに予めボルト挿通孔とボルト取付孔を同じ間隔毎にそれぞれ設けておかなければならず、その加工に手間を要すると共に、遮音板の取付時には該遮音板に設けているボルト挿通孔を上側横枠材に設けているボルト取付孔に合致させたのちボルト・ナットによる固定作業を行わなければならず、遮音パネルの組立てが煩雑化して施工費も高くなる。
【0005】
さらに、遮音板の両側端部や下端部の固定は、その両側端部と下端部とを両側縦枠材と下側横枠材とに形成している受け部上に載せた状態にしてその上に押し縁材を配設し、この押し縁材を遮音板に面している両側縦枠材や下側横枠材の内周壁面にボルトによって固定することにより行われているために、遮音板の取付作業に一層手間と労力を要すると共に、多数本のボルト頭が外部に露出して外観を損なうという問題点がある。
【0006】
本発明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、遮音板を上下横枠材や両側縦枠材にボルトによって直接、固定することなく、従って、遮音板にボルト挿通孔などを設けることなく、上下横枠材と両側縦枠材とによって形成される矩形状枠に該遮音板を簡単且つ確実に固定し得るようにして遮音パネルの組立作業の簡素化を図ることができ、また、体裁のよい外観を呈する遮音パネルを提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の遮音パネルは、請求項1に記載したように、上下横枠材と両側縦枠材とによって形成された矩形状枠に遮音板を張設してなる遮音パネルにおいて、上記上下横枠材と両側縦枠材は、内方に向かって突設している前後突条枠部とこれらの前後突条枠部の対向面間で形成された遮音板の端部を受け入れる挿入溝とを備えてなり、この挿入溝の溝幅が遮音板の厚みよりも幅広く形成されていて該挿入溝に挿入した遮音板の端部と挿入溝の溝壁との間の隙間に押縁材を差し込むことによって、遮音板を上記矩形状枠にボルトを使用することなく張設した構造としている。
【0008】
このように構成した遮音パネルにおいて、請求項2に係る発明は上記押縁材の形状に関するものであって、この押縁材は、挿入溝に挿入されている遮音板の端部と挿入溝の溝壁との間で形成された隙間に挿嵌する前側板片と、この前側板片の端部から該前側板片が挿嵌している側の突条枠部の頂面側に向かって後方に屈折して該頂面を被覆する頂部側板片と、この頂部側板片から上記突条枠部の後側壁面部に向かって屈折している後側縁片とからなることを特徴とする。
【0009】
さらに、請求項3に係る発明は、上記押縁材によって被覆されている突条枠部に、該突条枠部の頂部と後側壁面部との連設角部を全長に亘って切除して頂部と後側壁面部とを遊離させていると共に後側壁面部の先端部に押縁材の後側板片の端部を係止させる係止溝を形成していることを特徴とし、請求項4に係る発明は、上記挿入溝に挿入した遮音板の端部と挿入溝の溝壁との間の隙間に押縁材の前側板片と共に挿入溝に介入する板状パッキンを設けている構造としている。
【0010】
また、請求項5に係る発明は、支柱に対する上記遮音パネルの取付部の構造であって、上記矩形状枠における両側縦枠材において、押縁材を設けていない突条枠部に該突条枠部の前側壁面部を延長する方向に一定幅のボルト固定用板部を一体に設け、このボルト固定用板部を支柱の後面に重ね合わせてボルトにより固着するように構成していると共に、上記ボルト固定用板部の端部に内向き係止溝を形成している一方、上記押縁材を設けている突条枠部の後側壁面部を延長する方向に小幅の突出片を一体に設け、上記内向き係止溝に横断面L字状のカバー部材の一端部を係脱自在に係止させていると共にこのカバー部材の他端部を上記突出片に重ね合わせてビスにより取り外し可能に固着していることを特徴とする。
【0011】
【作用】
上下横枠材と両側縦枠材とによって遮音パネルの矩形状枠を組立てる時には、例えば、上下横枠材の対向面に全長に亘って設けている挿入溝に遮音板の上下端部をそれぞれ挿入すると共に両側縦枠材の対向面に全長に亘って設けている挿入溝に該遮音板の両側端部をそれぞれ挿入した状態にして上下横枠材と両側縦枠材との対向端部同士を接合、一体化することより、遮音板の四方周縁部に矩形状枠を額縁状に装着してなる遮音パネルを構成する。
【0012】
矩形状枠を構成する上記上下横枠材と両側枠材材とに設けている上記挿入溝の溝幅は遮音板の遮音板の厚みよりも幅広く形成されてあり、従って、この挿入溝に遮音板の端部を挿入すると、該端部と挿入溝の溝壁との対向面間に隙間が形成される。従って、この隙間に板状の押縁材を差し込んで介入させることにより、遮音板の端部を挿入溝内に固定する。さらに、上記挿入溝の深さは従来から知られている遮音パネルの矩形状枠に設けられた溝よりも深く形成されている。
【0013】
従って、遮音板の四方端部を矩形状枠の四方の挿入溝に挿入して押縁材により固定してなる遮音パネルを、道路の側部に一定間隔毎に立設している支柱間に取付けて遮音壁を構成した場合、この遮音板に自動車等が衝突した際には、遮音板が屈曲変形するが、挿入溝の深さが極めて深いため、遮音板をボルトにより矩形状枠に固着しなくてもその四方端部が矩形状枠から抜け出る虞れは殆どなく、衝撃力を弾力的に受止することができる。
【0014】
さらに、上記のように、遮音板をボルトにより矩形状枠に直接、固定するのではなく、該矩形状枠を構成する上下横枠材と両側枠材とに設けている挿入溝に遮音板の四方端部を挿入した状態にして遮音板の端部と挿入溝の溝壁との間に生じる隙間に押縁材を打ち込むように差し込んで固定するものであるから、何等の熟練を要することなく、遮音パネルを簡単且つ確実に組立てることができ、組立作業の簡素化を図ることができる。その上、遮音板の端部やこの端部を受止する枠材部分にボルト挿入孔やボルト取付孔を設けておく必要がないので、遮音板や枠材の加工が容易となり、コストの低減を図ることができると共に、ボルト頭が外部に露出していない体裁のよい外観を呈する遮音パネルを組み立てることができる。
【0015】
また、押縁材を遮音板の端部と挿入溝の溝壁との間に生じている隙間に差し込む際にパッキンと共に挿入することによって、遮音板を上下横枠材と両側縦枠材とで構成された矩形状枠にガタ付かないように固定させることができ、さらに、押縁材として請求項2に記載したように、上記隙間に挿嵌する前側板片と、この前側板片の端部から該前側板片が挿嵌している側の突条枠部の頂部側に向かって後方に屈折して該頂面を被覆する頂部側板片と、この頂部側板片から上記突条枠部の後側壁面部に向かって屈折している後側板片とから形成しておくことにより、その前側板片を上記隙間に差し込む際に、頂部側板片の頂面を押圧することにより前側板片を隙間に容易に且つ密着状態で介在させることができ、遮音板の固定作業が円滑且つ確実に行える。
【0016】
さらにまた、上下横枠材と両側縦枠材とにおいて、押縁材により被覆される側の突条枠部の頂部と後側壁面部との連設角部を全長に亘って切除しておくことによって、挿入溝の溝壁を形成している後側壁面部が溝幅を拡縮させる方向に弾性的に撓み変形が可能となり、挿入溝に対する押縁材の挿入作業が容易となる。なお、押縁材は矩形状枠と同一材料、例えばアルミニウム材からなり、上記遮音板は透光性を有するホリカーボネート又はアクリル樹脂板から形成されている。
【0017】
このように構成している遮音パネルにおいて、道路の側部に一定間隔毎に立設している支柱に対する取付部の構造としては、例えば、請求項6に記載したように、その矩形状枠における両側縦枠材において、押縁材を設けていない突条枠部に該突条枠部の前側壁面部を延長する方向に一定幅のボルト固定用板部を一体に設けていると共にこのボルト固定用板部の端部に内向き係止溝を形成している一方、上記押縁材を設けている突条枠部の後側壁面部を延長する方向に小幅の突出片を一体に設け、さらに、上記内向き係止溝に横断面L字状のカバー部材の一端部を係脱自在に係止させていると共にこのカバー部材の他端部を上記突出片に重ね合わせてビスにより取り外し可能に固着してなる構造としている。
【0018】
従って、この遮音パネルを隣接する支柱間に張設する場合、遮音パネルの両側縦枠材に取付けているカバー部材を取り外すことによって、このカバー部材によって隠蔽されていたボルト固定用板部の後面を全面的に露出させ、この状態にして両側縦枠材の該ボルト固定用板部の前面を隣接する支柱の後面に当てがい、予め、これらのボルト固定用板部と支柱とに長さ方向に一定間隔毎に設けているボルト挿通孔を合致させて、ボルト・ナットで螺締することにより支柱間に遮音パネルを張設、固定する。
【0019】
しかるのち、ボルト固定用板部の外側端に形成している内向き係止溝にカバー部材の一端部に形成している外向き突条を係止させ、内向き係止溝を支点としてカバー部材を内側方に回動させて該カバー部材の他端部を縦枠材の支持枠部の後面外側端から延長方向にに突設している突出片上に重ね合わせる。次いで、この突片部にカバー部材の他端部をビス止めすれば、簡単且つ確実に装着することができる。また、ビスを外すことによってカバー部材を容易に取り外すことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に本発明の具体的な実施の形態を図面について説明すると、図1において、遮音パネルAは、一定長さと厚みを有する上下横枠材1、2と両側縦枠材3、3とを矩形状に組み合わせて固定してなる矩形状枠に矩形状の遮音板4を張設してなるものであり、上下横枠材1、2及び両側縦枠材3、3はアルミニウム、又はアルミ合金製の中空フレーム材からなる一方、遮音板4はポリカーボネートやアクリル樹脂板等の透光性と遮音性を有する樹脂板から形成されている。なお、遮音パネルAは後述する支柱Bに面する側を前面(正面)として説明する。
【0021】
上記矩形状枠における両側縦枠材3、3は図2に示すように、同一形状、同一構造に形成されてあり、遮音板4の両側端部をそれぞれ支持する支持枠部3Aと、この支持枠部3Aの前面側に該前面を外側方に延長する方向、即ち、該支持枠部3Aの厚み方向に対して直角する外側方に向かって突設している一定幅を有するボルト固定用板部3Bとから構成されている。
【0022】
支持枠部3Aは、幅方向を前後方向に向け且つ縦枠材3の前後面間の厚みに等しい幅を有する基板部3A1 と、この基板部3A1 の内側面前後部に内側方に向かって突設している横断面中空矩形状の前後突条枠部3A2 、3A3 とからなり、この支持枠部3Aにおける前後突条枠部3A2 、3A3 の前後対向面間に上記遮音板4の両側端部をそれぞれ挿入させる挿入溝5を形成している。
【0023】
この挿入溝5の溝幅は上記遮音板4の厚みよりも広い幅に形成されてあり、遮音板4の端部を挿入し易くしてある。その結果、対向する両側縦枠材3、3におけるこれらの挿入溝5、5に遮音板4の両側端部をそれぞれ挿入した時に、該遮音板4の端部と挿入溝5の溝壁との対向面間に一定幅の隙間8が形成されるので、この隙間8にアルミニウム、又はアルミ合金製の押縁材6を押し込むことによって介在させ、遮音板4の端部を挿入溝5に密着するように構成している。さらに、挿入溝5の深さは、従来から知られているボルト止めされる遮音パネルの矩形状枠に設けられた溝より深く、遮音板4の厚みの5〜8倍に形成されている。このように挿入溝5の深さが深いために、遮音板4が熱収縮により縮んでも、また自動車が衝突しても、遮音板4の端部が挿入溝5から抜けるのを防止することができる。
【0024】
また、上記両側縦枠材3、3における支持枠部3Aの後側の中空支持部3A3 は、基板部3A1 の内側面における中央部の後側寄り部分から内側方に向かって突出して上記挿入溝5の溝壁を形成している前側壁面部31と、この前側壁面部31の突出端から後方に向かって屈折している一定幅の頂部32と、上記基板部3A1 の内側面における後端から内側方に向かって突出している後側壁面部33とからなり、この後側壁面部33と上記頂部32とをそれぞれ一体に連続させた構造としておいてもよいが、この実施の形態においては、頂部32と後側壁面部33との連設角部が全長に亘って切除34されていて、後側壁面部33を前側壁面部31よりもその突出幅を短く形成してあり、この後側壁面部33の先端部に押縁材6の後述する後板片6cの先端部を嵌入、係止させる係止溝35を形成している。
【0025】
上記押縁材6は、上記挿入溝5の後側の溝壁を形成している壁面部、即ち、後側の突条枠部3A3 における前側壁面部31と挿入溝5に挿入された遮音板4の端部との間の上記隙間8に挿嵌して遮音板4の端部を挿入溝5に密着、固定するための前側板片6aと、この前側板片6aの内側端に後方に向かって略直角に屈折して後側突条枠部3A3 における上記頂部32に当接した状態で該頂部32を被覆する頂部側板片6bと、この頂部側板片6bから後側突条枠部3A3 における上記後側壁面部33に向かって略直角に屈曲してその先端部を該後側壁面部33の突出端部に形成している上記係止溝35に嵌入、支持させる後側板片6cとから形成されている。
【0026】
なお、上記隙間8に対するこの押縁材6の前側板片6aの押し込みによって挿入溝5に挿入した遮音板4の端部を密着、固定したのち、後側突条枠部3A3 における上記頂部32に当接している頂部側板片6bを、後側突条枠部3A3 の長さ方向に一定間隔毎にこの後側突条枠部3A3 にビス10によって固定している。
【0027】
また、挿入溝5に挿入している遮音板4の端部を押縁材6の前側板片6aのみの差し込みによって挿入溝5に固定しているが、図3に示すように押縁材6の前側板片6aと共にゴム材よりなる板状のパッキン11を隙間8に介入させることにより遮音板4の端部を挿入溝5に一層密着させて固定してもよい。このように、押縁材6の前側板片6aと共にパッキン11を隙間8内に介在させると、遮音板4がパッキン11により押縁材6及び挿入溝5の溝壁に密着するため、風等により遮音板4が揺れてもガタ付くことがなく、音が発生することがない。
【0028】
一方、両側縦枠材3、3における上記支持枠部3Aの基板部3A1 の前端縁から外側方に直角に屈折して前側突条枠部3A2 の前側壁面を延長する突出している上記ボルト固定用板部3Bには、その幅方向の中央部に長さ方向に所定間隔毎に複数個のボルト取付孔12が設けられていると共に、該ボルト固定用板部3Bの突出端部の後面側に内側に向かって開口している内向き係止溝13が全長に亘って設けられている。
【0029】
さらに、上記支持枠部3Aの基板部3A1 の後端縁から外側方に直角に屈折して後側突条枠部3A3 の後側壁面部33を延長する方向に小幅の突出片14を突設してあり、この突出片14と上記内向き係止溝13間に横断面L字状のカバー部材7を取り外し自在に装着してこのカバー部材7によって上記ボルト固定用板部3Bの後面を全面的に被覆している。
【0030】
即ち、カバー部材7は上記支持枠部3Aの基板部3A1 の前後幅に略等しい前後幅を有する外側板部7aとこの外側板部7aに直角に連設して上記ボルト固定用板部3Bに対して平行に対向する一定幅を有する後側板部7bとからなり、上記外側板部7aの先端(前端)に外向き突起7cを形成していてこの外向き突起7cを上記内向き係止溝13に係止させていると共に、後側板部7bの突出端部を上記突出片14に重ね合わせてビス15により取り外し可能に固着している。
【0031】
なお、上記ボルト固定用板部3Bの内側端部において、上記支持枠部3Aの基板部3A1 の前端部を内側方に向かって横断面L字状に屈折させることにより、この屈折部とボルト固定用板部3Bの内側端部との間で凹部16を形成している。この凹部16は、遮音パネルAを後述するように支柱B、B間に取付ける際に、支柱Bにボルト固定用板部3Bを重ね合わせて該ボルト固定用板部3Bの後面側からボルト取付孔12を通じて支柱Bに設けているボルト挿通孔bにボルト17を挿入した時に、該ボルト17の座金が大径であってもその座金の外周部を挿入させて使用可能にしているものである。
【0032】
次に、このように構成している両側縦枠材3、3と共に遮音パネルAの矩形状枠を形成している上記上下横枠材1、2の構造について説明する。これらの上下横枠材1、2は、図4に示すように互いに同一大きさ、同一形状を有していて上側横枠材1に設けている挿入溝5Aを下向きし、下側横枠材2に設けている挿入溝5Bを上向きにした状態で配設される。
【0033】
上側横枠材1は、上記両側縦枠材3、3の前後幅に等しい幅を有する上面板部1Aの下面前後部に下方に向かって上記両側縦枠材3、3と同様に断面中空矩形状の前後突条枠部1B、1Cを突設してなり、これらの前後突条枠部1B、1Cの前後対向面間に上記遮音板4の上端部を挿入させる挿入溝5Aを形成している。
【0034】
この挿入溝5Aの溝幅及び溝の深さは上記両側縦枠材3、3に設けている挿入溝5と同じであり、該挿入溝5Aに遮音板4の上端部を挿入した時に該遮音板4の上端部と挿入溝5Aの溝壁との対向面間に一定幅の隙間8Aが形成されて、この隙間8Aにアルミニウム、又はアルミ合金製の押縁材6Aを押し込むことによって介在させ、遮音板4の上端部を挿入溝5Aに固定するように構成している。また、押縁材6Aと共に板状のパッキンを挿入溝5Aの全長に亘って介在させたい時は、挿入溝5Aの溝幅をやや大きくして両者が挿入できるようにしておく。
【0035】
上記前後突条枠部1B、1Cにおける後側の突条枠部1Cは、上面板部1Aの下面における中央部の後側寄り部分から下方に向かって突出して上記挿入溝5Aの溝壁を形成している前側壁面部1C1 と、この前側壁面部1C1 の突出下端から後方に向かって斜め上方に屈折している一定幅の頂部1C2 と、上記上面板部1Aの後端から下方に向かって突出している後側壁面部1C3 とからなり、この後側壁面部1C3 と上記頂部1C2 とをそれぞれ一体に連続させた構造としておいてもよいが、この実施の形態においては、頂部1C2 と後側壁面部1C3 との連設角部が全長に亘って切除1C4 されていて、後側壁面部1C3 を前側壁面部1C1 よりもその突出幅を短く形成してあり、この後側壁面部1C3 の先端部に押縁材6Aの後述する後板片6A1 の先端部を嵌入、係止させる係止溝1C5 を形成している。
【0036】
同様に、下側横枠材2は、上記両側縦枠材3、3の前後幅に等しい幅を有する下面板部2Aの上面前後部に上方に向かって上記上側横枠材1の前後突条枠部1B、1Cと同一形状を有する断面中空矩形状の前後突条枠部2B、2Cを突設してなり、これらの前後突条枠部2B、2Cの前後対向面間に上記遮音板4の下端部を挿入させる挿入溝5Bを形成している。
【0037】
この挿入溝5Bの溝幅及び溝の深さは、上記両側縦枠材3、3に設けている挿入溝5や上側横枠材1に設けている挿入溝5Aと同じであり、該挿入溝5Bに遮音板4の下端部を挿入した時に該遮音板4の下端部と挿入溝5Bの溝壁との対向面間に一定幅の隙間8Bが形成されて、この隙間8Bにアルミニウム、又はアルミ合金製の押縁材6Bを押し込むことによって介在させ、遮音板4の上端部を挿入溝5Bに固定するように構成している。
【0038】
さらに、上記前後突条枠部2B、2Cにおける後側の突条枠部2Cは、下面板部2Aの上面における中央部の後側寄り部分から上方に向かって突出して上記挿入溝5Bの溝壁を形成している前側壁面部2C1 と、この前側壁面部2C1 の突出上端から後方に向かって斜め下方に屈折している一定幅の頂部2C2 と、上記下面板部2Aの後端から上方に向かって突出している後側壁面部2C3 とからなり、この後側壁面部2C3 と上記頂部2C2 とをそれぞれ一体に連続させた構造としておいてもよいが、この実施の形態においては、上側の横枠材1における後側突条枠部1Cと同様に、頂部2C2 と後側壁面部2C3 との連設角部が全長に亘って切除2C4 されていて、後側壁面部2C3 を前側壁面部2C1 よりもその突出幅を短く形成してあり、この後側壁面部2C3 の先端部に押縁材6Bの後述する後板片6B1 の先端部を嵌入、係止させる係止溝2C5 を形成している。
【0039】
上記押縁材6A、6Bは、上記上下横枠材1、2における挿入溝5A、5Bの後側の溝壁を形成している壁面部、即ち、後側の突条枠部1C、2Cにおける前側壁面部1C1、2C1 と上下挿入溝5A、5Bにそれぞれ挿入された遮音板4の上下端部との間の上記隙間8A、8Bにそれぞれ挿嵌して遮音板4の上下端部を挿入溝5A、5Bにそれぞれ密着、固定するための前側板片6A1 、6B1 と、これらの前側板片6A1 、6B1 の内端から後方に屈折してそれぞれ上記頂部1C2 、2C2 を被覆する頂部側板片6A2 、6B2 と、これらの頂板片6A2 、6B2 から後側突条枠部1B、1Cにおける上記後側壁面部1C3 、2C3 に向かってそれぞれ上下方向に屈曲してその先端部を該これらの後側壁面部1C3 、2C3 の突出端部に形成している上記係止溝1C5 、2C5 にそれぞれ嵌入、支持させる後側板片6A3 、6B3 とから形成されている。
【0040】
上記のように構成した上下横枠材1、2と両側縦枠材3、3とを矩形状の遮音板4の四方端部に額縁状に取付けて遮音パネルAを組み立てるには、遮音板4の上下端に上下横枠材1、2を沿わせてそれぞれの挿入溝5A、5Bに遮音板4の上下端部を挿入させると共に、遮音板4の両側端に両側縦枠材3、3を沿わせて対向する挿入溝5、5に遮音板4の両側端部を挿入させ、しかるのち、上下横枠材1、2と両側縦枠材3、3との直角に連なる対向端面を接合させてビス等により一体に連結する。なお、組立てはその他種々の工程を取り得ることはいうまでもない。
【0041】
次いで、遮音板4の四方端部を挿入している上記挿入溝5、5A、5Bにおいて、遮音板4の挿入端部の後面と後側突条枠部3A3 、1B、1Cの前側壁面部31、1C1 、2C1 との間の隙間8、8A、8Bにそれぞれ押縁材6、6A、6Bの前側板片6a、6A1 、6B1 を差し込んで圧入することにより遮音板4を密着、固定する。なお、この四方の挿入溝に対する遮音板4の四方端部の固定作業は全て同じであるので、一方の縦枠材3の挿入溝5に対する遮音板4の対向端部の固定作業を説明してその他についてはその説明を省略する。
【0042】
まず、縦枠材3の挿入溝5近傍部における遮音板4の側端部の後面上に押縁材6の前側板片6aを重ね合わせた状態にしてこの押縁材6の頂部側板片6bの頂面を挿入溝5側に向かって押し進めることにより、前側板片6aの先端部を遮音板4の挿入端部の後面と後側突条枠部3A3 の前側壁面部31との間の隙間8に差し込む。この際、隙間8に対する前側板片6aの差し込みが容易に行えるようにするため、該前側板片6aの少なくとも先端部を予め先細の楔形状に形成しておく。
【0043】
隙間8に対する押縁材6の前側板片6aの差し込みによって、該前側板片6aの先端部における前後両面が遮音板4の端部後面と後側突条枠部3A3 の前側壁面部31とに接すると、押縁材6の頂部側板片6bの頂面を更に押圧して該押縁材6の前側板片6aを隙間8に圧入し、遮音板4の端部前面を前側突条枠部3A2 の後面に密着させることによって遮音板4をガタ付きがないように固定するものである。
【0044】
この際、押縁材6の前側板片6aが後側板片6cよりも頂部側板片6bからの突出長が長く、且つ縦枠材3の後側突条枠部3A3 における頂部32と後側壁面部33とが分離されていて押縁材6の後側板片6cの先端部が後側壁面部33の突出端部の係止溝35に係止するまでは上記頂部32と一体の前側板片6aが支持枠部3Aの基板部3A1 の内側面中央部を支点として前後方向に弾性的に撓むことができるので、隙間8に対する押縁材6の挿入が容易に且つ確実に行うことができる。
【0045】
そして、押縁材6の頂部側板片6bが上記後側突条枠部3A3 の頂部32の頂面に当接すると、前側板片6aの先端が挿入溝5の溝底近傍部に達していると共に後側板片6cの先端部が後側壁面部33の突出端部の係止溝35に係止した状態となる。この状態にして押縁材6の頂部側板片6bをビス10によって後側突条枠部3A3 の頂部32に固定し、押縁材6が隙間8から不測に抜け出るのを防止すると共に挿入溝5内に挿入している遮音板4の端部を、前後突条枠部3A2 、3A3 の対向面間で押縁材6の前側板片6aを介して強固に挟着、固定した状態に保持するものである。後側突条枠部3A3 の前側壁面部31は、押縁材6の後側板片6cが係止溝35に係止することで撓むことがなくなり、遮音板4の端部を強く押し付ける。なお、押縁材6の頂部側板片6bから後側突条枠部3A3 の頂部32に対するビス10の螺合は、アルミニウム材からなるこれらの頂部側板片6bと頂部32に該ビス10により螺子を切りながら行うものである。
【0046】
また、挿入溝5に対する遮音板4の挿入端部の固定は、上記隙間8に押縁材6のみを差し込み、押圧することによって行っているが、挿入溝5の溝幅をやや大きくして図3に示すように、上記押縁材6と共に板状のゴム製パッキン11を挿入溝5の全長に亘って介在させることにより行ってもよい。この場合には、パッキン11の厚み方向の弾性圧縮作用によって上記隙間8への押縁材6の差し込みによる介入作業が円滑に行えると共に、パッキン11の弾圧力によって遮音板4の端部を挿入溝5内に一層強固に密着させておくことができるものである。
【0047】
このような遮音板4の端部の固定作業を他方の縦枠材3の挿入溝5、及び、上下横枠材1、2の挿入溝5A、5Bに対しても同様に行って遮音板4の四方端部に上下横枠材1、2と両側縦枠材3、3とからなる矩形状枠を額縁状に固着した遮音パネルAを組み立てる。
【0048】
次に、この遮音パネルAを高速道路端等に沿って一定間隔毎に立設している支柱B、B・・・における隣接する支柱B、B間に施工する手順を説明する。支柱Bは図1に示すように、一定幅を有するウエブB1の前後両端にフランジB2、B2を一体に設けてなるH形鋼からなり、各支柱Bにおける後側フランジB2の両側フランジ部には、遮音パネルAの両側縦枠材3、3におけるボルト固定用板部3B、3Bに設けているボルト取付孔12、12と長さ方向に同一間隔毎にボルト挿通孔bが設けられている。
【0049】
そして、まず、遮音パネルAにおける両側縦枠材3、3のボルト固定用板部3B、3Bの後面を被覆しているカバー部材7、7を取り外しておき、この状態で遮音パネルAの両側縦枠材3、3のボルト固定用板部3B、3Bを隣接する支柱B、Bの後側フランジB2、B2における対向するフランジ部の後面に道路側から当てがって、該ボルト固定用板部3B、3Bにそれぞれ穿設している各ボルト取付孔12をフランジ部に穿設している各ボルト挿通孔bに合致させ、ボルト固定用板部3B、3Bの後面側からボルト17を各ボルト取付孔12からボルト挿通孔bに挿通してフランジ部の前面に配設しているナット体18に螺締することにより、支柱B、Bの後側フランジB2、B2における対向するフランジ部間に遮音パネルAを張設、固定し、しかるのち、両側のボルト固定用板部3B、3B上にカバー部材7、7を取付けてボルト17を隠蔽する。
【0050】
なお、上記ナット体18はU字状のクリップ(図示せず)の一端部に取付けられてあり、このクリップを支柱Bのフランジ部に差し込んで該フランジ部を挟着すると共にナット体18の螺子孔をフランジ部のボルト挿通孔bに合致させている。
【0051】
このように、各隣接する支柱B、Bの後側フランジB2、B2における対向するフランジ部間に遮音パネルAを張設、固定する作業を支柱Bの長さ方向に複数枚の遮音パネルAが積み重なるように順次行って遮音壁を構築するものである。
【0052】
図5は、本発明の別な遮音パネルA’の実施の形態を示すもので、上記遮音パネルAにおける上側横枠材1の挿入溝5Aに対する遮音板4の上端部の固定手段が異なるものである。即ち、押縁材6A’と共に遮音板4の挿入溝5A内での固定をより一層強固に行うために、遮音板4をボルト21によって上側横枠材1に固定しているものである。この場合、遮音板4は上述したように押縁材6A’と前側突条枠部1Bの後面とによって一定の挟圧力でもって固定されているので、従来のボルトのみによる固定とは異なって、少ないボルト数でもって遮音板4を強固に固定することができる。
【0053】
詳しくは、上側横枠材1の前後突条枠部1B、1Cにおける挿入溝5Aの両側溝壁を形成している対向面に同一水平軸線上で対向するボルト固定タップ孔22、ボルト挿通孔23を前後突条枠部1B、1Cの長さ方向に所定間隔毎に数箇所、設けておくと共に、遮音板4の上端部にこれらのボルト固定タップ孔、ボルト挿通孔22、23と合致する部分にボルト挿通孔24を設けておく。なお、ボルト固定タップ孔22に代えてポップナット(ポップリベット・ファスナー株式会社製のナットの商標名)などを取付けていてもよい。遮音板4の上端部を挿入溝5Aに挿入したのち、押縁材6A’の前側板片6A1 を遮音板4と後側突条枠部1Cとの間の隙間8Aに差し込む前に、後側突条枠部1Cにおける頂部1C2 と後側壁面部1C3 間の切除部1C4 を通じてボルト21を後側突条枠部1Cの中央内部に挿入し、後側突条枠部1Cの上記ボルト挿通孔23から遮音板4のボルト挿通孔24を通して前側突条枠部1Bのボルト固定タップ孔22に螺通させた状態にする。
【0054】
しかるのち、上記隙間8Aに押縁材6A’の前側板片6A1 を差し込み、その頂部側板片6A2 の頂面を押圧等することによって隙間8Aに圧入して該頂部側板片6A2 を後側突条枠部1Cにおける頂部1C2 上に当接、受止させると共に後側板片6A3 の先端部を後側壁面部1C3 の突出端部の係止溝1C5 に係止させる。なお、押縁材6A’の前側板片6A1 には、図6に示すように、上記ボルト21の取付箇所に相当する部分に突出端から下端部に向かってボルト21の径よりも幅広いU字状の切欠部25を設けてあり、この切欠部25に上記ボルト21を挿通させた状態に取付ける。
【0055】
また、ボルト21を後側突条枠部1Cの上記ボルト挿通孔23から遮音板4のボルト挿通孔24を通じて前側突条枠部1Bのボルト固定タップ孔22に螺通させる時に、板状のパッキン11’ を遮音板4の表面に重ね合わせておき、ボルト21を該パッキン11’ に設けている挿通孔(図示せず)を通じて挿通させながらボルト固定タップ孔22に螺通させれば、隙間8Aにパッキン11’ を配設することができる。
【0056】
いずれにしても、ボルト21を後側突条枠部1C内を通じて前側突条枠部1Bのボルト固定タップ孔22に螺合させる時に、遮音板4の上端部前面を前側突条枠部1Bの後面に当接させた状態にしてナット24による固定作業を行うものであり、こうすることによって、遮音板4の上端部後面と後側突条枠部1Cの前側壁面部1C1 との間に所定の隙間8Aを設けることができる。なお、押縁材6Aとボルト21とによる遮音板4の固定は、図7に示すように、予め、遮音板4の上端部にボルト21’ によって押縁材6Aとパッキン11’ とを取付けておき、これを上記隙間8Aに挿入してもよい。
【0057】
【発明の効果】
以上のように本発明の遮音パネルは、請求項1に記載したように、上下横枠材と両側縦枠材とによって形成された矩形状枠に遮音板を張設してなる遮音パネルにおいて、上記上下横枠材と両側縦枠材は、内方に向かって突設している前後突条枠部とこれらの前後突条枠部の対向面間で形成された遮音板の端部を受け入れる挿入溝とを備えてなり、この挿入溝の溝幅が遮音板の厚みよりも幅広く形成されていて該挿入溝に挿入した遮音板の端部と挿入溝の溝壁との間の隙間に押縁材を差し込むことによって遮音板を密着するように構成しているので、何等の熟練を要することなく遮音パネルを能率よく且つ確実に組み立てることができると共にボルトを使用することなく遮音板の端部を枠材の挿入溝内に固定させることができるので、遮音板の端部やこの端部を受止する枠材部分にボルト挿入孔やボルト取付孔を設けておく必要がなく、従って、遮音板や枠材の加工が容易となり、コストの低減を図ることができると共にボルト頭が外部に露出していない体裁のよい外観を呈する遮音パネルを組み立てることができる。
【0058】
また、請求項2に係る発明によれば、上記押縁材を、上記隙間に挿嵌する前側板片と、この前側板片の端部から該前側板片が挿嵌している側の突条枠部の頂部側に向かって後方に屈折して該頂面を被覆する頂部側板片と、この頂部側板片から上記突条枠部の後側壁面部に向かって屈折している後側板片とから形成しているので、その前側板片を上記隙間に圧入状態に差し込む際に、頂部側板片の頂面を押圧することにより前側板片を隙間に容易に介在させることができ、遮音板の固定作業が円滑且つ確実に行える。
【0059】
さらに、上記押縁材によって被覆されている突条枠部は、請求項3に記載したように、その頂部と後側壁面部との連設角部を全長に亘って切除していると共に後側壁面部の先端部に押縁材の後側板片の端部を係止させる係止溝を形成しているので、挿入溝の溝壁を形成している後側壁面部が溝幅を拡縮させる方向に弾性的に撓み変形が可能となり、挿入溝に挿入した遮音板の端部と該後側壁面部間の隙間に対する押縁材の挿入作業が容易と行えると共に、押縁材をその隙間に楔状に差し込むことができて後側壁面部33の弾性復元力と共に遮音板の端部を強固に固定することができる。
【0060】
その上、請求項4に係る発明によれば、挿入溝に挿入した遮音板の端部と挿入溝の溝壁との間の隙間に、押縁材の前側板片と共に挿入溝に介入する板状パッキンを設けているので、このパッキンの厚み方向の弾性圧縮作用によって上記隙間への押縁材の差し込みによる介入作業が円滑に行えると共に、パッキンの弾圧力によって遮音板の端部を挿入溝内に一層強固に固定させておくことができ、このパッキンの介在と共に上記挿入溝の深さを深く形成して該遮音板の端部を該挿入溝の溝深く挿入しておくことによって、道路際等に遮音壁として施工したこの遮音パネルの遮音板に自動車が衝突して、該遮音板が断面く字状に屈曲変形しても、その四方端部が挿入溝から抜け出るのを防止しながら、衝撃力を弾性的に且つ強固に受止することができる。
【0061】
また、請求項5に係る発明によれば、上記両側縦枠材において、押縁材を設けていない突条枠部に該突条枠部の前側壁面部を延長する方向に一定幅のボルト固定用板部を一体に設け、このボルト固定用板部を支柱の後面に重ね合わせてボルトにより固着するように構成していると共に、上記ボルト固定用板部の端部に内向き係止溝を形成している一方、上記押縁材を設けている突条枠部の後側壁面部を延長する方向に小幅の突出片を一体に設け、上記内向き係止溝に横断面L字状のカバー部材の一端部を係脱自在に係止させていると共にこのカバー部材の他端部を上記突出片に重ね合わせてビスにより取り外し可能に固着しているので、支柱間にこの遮音パネルを張設する場合、カバー部材を取り外せばボルト固定用板部を全面的に露出させることができ、この状態にして支柱の後面に該ボルト固定用板部を当てがうことにより、このボルト固定用板部の後面側から支柱に対してボルトによる遮音パネルの固定作業が能率よく且つ強固に行うことができる。
【0062】
さらに、支柱間に遮音パネルの張設、固定後に、上記カバー部材を装着することによって、遮音パネルを支柱に固定している上記ボルトが完全に隠蔽されると共に外部からはカバー部材があたかも遮音パネルの両側縦枠材の一部である外観を呈し、悪戯等による遮音パネルの取り外しを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】遮音パネルを正面側から見た状態の簡略斜視図、
【図2】支柱間に取付けた状態の一部を省略した遮音パネルの横断面図、
【図3】挿入溝の隙間に押縁材と共にパッキンを介在させている状態の横断面図、
【図4】遮音パネルの一部を省略する縦断側面図、
【図5】遮音パネルの別な実施の形態を示す一部を省略した縦断側面図、
【図6】押縁材の簡略斜視図、
【図7】遮音板に予め押縁材を固定した状態の縦断側面徒。
【符号の説明】
A 遮音パネル
1、2 上下横枠材
3、3 両側縦枠材
3A2 、1B、2B 前側突条枠部
3A3 、1C 2C 後側突条枠部
4 遮音板
5、5A、5B 挿入溝
6、6A、6B 押縁材
6a、6A1 、6B1 前側板片
6b 6A2 、6B2 頂部側板片
6c 6A3 、6B3 後側板片

Claims (5)

  1. 上下横枠材と両側縦枠材とによって形成された矩形状枠に遮音板を張設してなる遮音パネルにおいて、上記上下横枠材と両側縦枠材は、内方に向かって突設している前後突条枠部とこれらの前後突条枠部の対向面間で形成された遮音板の端部を受け入れる挿入溝とを備えてなり、この挿入溝の溝幅が遮音板の厚みよりも幅広く形成されていて該挿入溝に挿入した遮音板の端部と挿入溝の溝壁との間の隙間に押縁材を差し込むことによって、遮音板を上記矩形状枠にボルトを使用することなく張設していることを特徴とする遮音パネル。
  2. 押縁材は、挿入溝に挿入されている遮音板の端部と挿入溝の溝壁との間で形成された隙間に挿嵌する前側板片と、この前側板片の端部から該前側板片が挿嵌している側の突条枠部の頂面側に向かって後方に屈折して該頂面を被覆する頂部側板片と、この頂部側板片から上記突条枠部の後側壁面部に向かって屈折している後側縁片とからなることを特徴とする請求項1に記載の遮音パネル。
  3. 押縁材によって被覆されている突条枠部は、その頂部と後側壁面部との連設角部を全長に亘って切除していると共に後側壁面部の先端部に押縁材の後側板片の端部を係止させる係止溝を形成していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遮音パネル。
  4. 挿入溝に挿入した遮音板の端部と挿入溝の溝壁との間の隙間に押縁材の前側板片と共に挿入溝に介入する板状パッキンを設けていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の遮音パネル。
  5. 両側縦枠材において、押縁材を設けていない突条枠部に該突条枠部の前側壁面部を延長する方向に一定幅のボルト固定用板部を一体に設け、このボルト固定用板部を支柱の後面に重ね合わせてボルトにより固着するように構成していると共に、上記ボルト固定用板部の端部に内向き係止溝を形成している一方、上記押縁材を設けている突条枠部の後側壁面部を延長する方向に小幅の突出片を一体に設け、上記内向き係止溝に横断面L字状のカバー部材の一端部を係脱自在に係止させていると共にこのカバー部材の他端部を上記突出片に重ね合わせてビスにより取り外し可能に固着していることを特徴とする請求項1に記載の遮音パネル。
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