JP2004277143A - クレーン吊荷の制振方法 - Google Patents

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Takayuki Yasuma
孝之 安間
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Abstract

【課題】クレーンの作動及び外力によって起こる吊荷の直線状或いは円状の振動に対し簡単な装置構成と完全なフィードフォワードによる制御手法によって短時間に制振できるようにする。
【解決手段】吊荷6を吊り上げる吊索4の吊点Aから吊荷6までの吊下げ長さLを計測して吊荷6の固有周期を求め、吊荷6の直線振動の発生時に、吊点Aを吊荷6の振動方向に沿い微小ストロークで往復移動させ、この往復移動を吊下げ長さLに応じた吊荷6の固有周期より大きい周期で行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクレーン吊荷の制振方法に関し、更に詳しくは、クレーンの作動或いは外力によって吊荷が直線状或いは円状に振動した際に、吊荷の振動を簡略な方法によって短時間に制振できるようにしたクレーン吊荷の制振方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
トロリーから吊索によって吊荷を吊り上げて走行する天井クレーンのようなクレーンでは、トロリーの発進加速時または停止減速時に吊荷が吊索の長さに応じた周期でトロリーの移動方向に振り子状に振動する問題があり、吊荷が振動すると荷降ろしのための所要時間が長くなって作業能率が低下し、また吊荷が地上側の物体と衝突する等の問題が生じる。
【0003】
従って、このような吊荷の振動を防止するために従来から種々の制振方法及び制振装置が提案されている。従来から提案されている最も一般的な制振方法は、吊荷を吊っている吊索の振れ角を検出するようにした振れ角検出装置を設け、この振れ角検出装置で検出した吊索の振れ角が小さくなるようにクレーンの吊点の移動速度をコントロールする方法である。前記振れ角検出装置としては、例えば加速度センサを吊フックに設けたり、或いは吊索の振れ角を直接検出する角度検出器をクレーン本体に設けている。
【0004】
しかし、前記した加速度センサは一般にジャイロ装置を内蔵していて比較的高価であるために適用し難く、更に、クレーンの吊フックのように衝突等が考えられる場所に精密構造を有する加速度センサを適用することは故障等の問題から好ましくない。また、角度検出器を用いて吊索の振れ角を検出する方法では、吊索の小さな振れ角を精度良く検出することが困難であり、そのために高い精度での制振ができないという問題がある。
【0005】
また、上記した従来の制振方法は、フィードバック制御が一般的であリ、このようなフィードバック制御では高い精度で確実に制振することは難しく、そのために吊荷の振動が停止するまでに時間が掛り荷降ろしに時間を要していた。
【0006】
こうした問題に対処する方法として、クレーン吊荷の振れ周期(振れ角速度)は振り子の原理から吊荷を吊り下げている吊索の長さのみに依存するので、停止状態から本来の定速速度に到るまでの加速期間中においてクレーンを一旦定速移動させ、これにより吊荷はクレーン本体に先行してそれ以降の定速移動の間にはある周期で荷振れを生じるが、クレーン本体が定速移動に遷移した直後の吊荷がクレーン本体に対して逆行方向へ振れた時点において、クレーン本体をその時点の移動速度及び吊荷の吊下げ長さに対応した加速度で再度加速することにより、荷振れの振幅を吸収する(打ち消す)ようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−219482号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1は、フィードフォワード制御によって制振するものであるが、加速期間中にクレーンを一旦定速移動させ、クレーン本体が定速移動に遷移した直後の吊荷がクレーン本体に対して逆行方向へ振れた時点において、クレーン本体のその時点の移動速度及び吊下げ長さに対応した加速度で吊荷を再度加速する方法であるが、速度の制御が複雑であり再加速を行うタイミングが非常に難しく、よって高い精度での確実な制振が難しいという問題がある。
【0009】
また、上記天井クレーンにおいては、吊荷はトロリーの走行方向と平行な方向の前後に直線振動することになるが、ジブの旋回及び起伏を行うようにしているジブクレーン等においては、ジブの旋回を停止する際に吊荷が慣性によって旋回方向の前後に振動することと、遠心力によって半径方向外方に振り出された吊荷が半径方向内方に戻る半径方向の振動とが合成されて円振動を生じることになる。しかし、従来ではこのような円振動を効果的に制振できる方法はなかった。また、上記したクレーン作業に伴って生じる吊荷の振動以外に、風等の外力によっても吊荷は振動するが、このような外力による振動を制振する方法もなかった。
【0010】
本発明は上述した実情に鑑みてなしたものであり、クレーンの作業及び外力によって起こる吊荷の直線状或いは円状の振動に対し、簡単な装置構成を用いた方法によって効果的な制振を可能にして短時間で荷降ろしができるようにしたクレーン吊荷の制振方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、吊荷を吊り上げる吊索の吊点から吊荷までの吊下げ長さを計測して吊荷の固有周期を求め、吊荷の直線振動の発生時に、前記吊点を吊荷の振動方向に沿い微小ストロークで直線往復移動させ、この直線往復移動を前記吊下げ長さに応じた吊荷の固有周期より大きい周期で行うことを特徴とするクレーン吊荷の制振方法、に係るものである。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記吊点を直線往復移動させる周期が、吊荷の固有周期に対して約3倍であることを特徴とする請求項1に記載のクレーン吊荷の制振方法、に係るものである。
【0013】
請求項3に記載の発明は、吊荷を吊り上げる吊索の吊点から吊荷までの吊下げ長さを計測して吊荷の固有周期を求め、吊荷の円振動の発生時に、前記吊点を微小半径で円形往復移動させ、この円形往復移動を前記吊下げ長さに応じた吊荷の固有周期より大きい周期で行うことを特徴とするクレーン吊荷の制振方法、に係るものである。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記吊点を円形往復移動させる周期が、吊荷の固有周期に対して約3倍であることを特徴とする請求項3に記載のクレーン吊荷の制振方法、に係るものである。
【0015】
請求項5に記載の発明は、前記吊索の吊点から吊荷までの吊下げ長さは、吊索の吊点と吊荷の接地面との間の吊点高さ距離を予め求めておき、吊索に掛かる荷重を検出してその検出荷重が空荷時より大きい設定荷重を超えたことにより吊荷の地切りを検出し、この地切りを検出した時点を巻取り原点として吊索の巻取り長さを検出し、この巻取り長さを前記吊点高さ距離から減算することにより測定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のクレーン吊荷の制振方法、に係るものである。
【0016】
上記手段では以下のように作用する。
【0017】
吊荷の直線振動または円振動に対し、吊荷の吊下げ長さに基づく固有周期より大きい周期、好ましくは約3倍の周期で吊点を直線往復移動または円形往復移動させることにより、完全なフィードフォワード制御で制振することができ、従って簡略な装置構成を用いた方法にて吊荷の直線振動または円振動を短時間で確実に制振することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は本発明のクレーン吊荷の制振方法を天井クレーンに適用した場合の形態を示す側面図であり、レール1上を走行するトロリ2にはウインチ3が設けてあり、該ウインチ3から巻出した吊索4の下端には吊フック5が備えてあり、吊荷6に玉掛けしたワイヤロープ7に前記吊フック5を掛けて吊荷6を吊上げ、トロリ2を走行させることにより吊荷6を搬送するようにしている。
【0020】
上記天井クレーンにおいて、トロリ2上に該トロリ2の走行方向にスライドが可能なスライド台8を設け、該スライド台8上に前記ウインチ3を載置する。更に、前記トロリ2上にはシリンダ等のアクチュエータ9を設けて該アクチュエータの駆動ロッド9aを前記スライド台8に連結し、前記アクチュエータ9の駆動によって前記スライド台8を介しウインチ3をトロリ2の走行方向に所定の微小ストロークで直線往復移動できるようにしている。
【0021】
図1中、10は任意の場所(図1ではトロリ2上)に設置した駆動制御器であり、該駆動制御器10には、任意の方法によって求めた吊下げ長さLが入力されており、駆動制御器10は、吊下げ長さLに基づいて吊荷6の固有周期を演算し、この固有周期に基づく制御信号11を前記アクチュエータ9に出力して、図2に示すようにスライド台8を所定の微小ストロークSでしかも所定の速度(周期)で直線往復移動させるようにしている。
【0022】
このとき、アクチュエータ9によるスライド台8の直線往復移動は、前記吊荷6の固有周期より速い速度(周期)で行い、且つこの直線往復移動は所定の設定時間だけ行うようにする。また、このスライド台8を直線往復移動させるストロークSは大きい方が制振効果を高めることができるが、大きな移動ストロークSを早い速度で直線往復移動させることは装置構成上及びエネルギー上の問題があるので、この点を考慮して例えば数センチメートルから数十センチメートルの微小ストロークSで直線往復移動させる。尚、駆動制御器10は、トロリ2の走行に伴って発生する吊荷6の振動に基づいてアクチュエータ9の伸縮駆動を自動制御するようにしてもよく、また、駆動制御器10に備えた手動部12を操作したときのみにアクチュエータ9の伸縮駆動が自動制御されるようにしてもよい。
【0023】
尚、前記吊荷6の固有周期を求めるための吊下げ長さLを測定する方法としては従来から用いられている種々の方法を用いることができる。また、例えば特願2003−35041号に示した吊下げ長さ測定方法を用いることができる。特願2003−35041号では、吊フック5に荷重検出装置13を設けると共に、ウインチ3に巻取り長さ検出装置14を設けており、天井クレーンの吊点Aと地面等の接地面Bとの間の吊点高さ距離Hは予め分かっていることから吊下げ長さLを測定するようにしている。
【0024】
即ち、図1のごとく吊荷6の底面が接地面Bに接した破線の状態から、ウインチ3を駆動して吊索4を巻取って実線のように吊荷6を吊り上げると、荷重検出装置13による荷重検出信号が設定荷重を超えたことによって地切り(吊荷6の底面が接地面Bから離れること)が検出され、この地切りの検出以後に巻取り長さ検出装置14が検出する巻取り長さと同じ距離だけ吊荷6は吊上げられるので、前記吊点高さ距離Hから前記巻取り長さを減算することによって、吊点Aから吊荷6の底面までの吊下げ長さLを正確に測定することができる。このように吊下げ長さLを正確に測定することにより、種々変化する吊下げ長さLに対応した吊荷6の固有周期Tc(s)(図2)を常に正確に求めることができる。
【0025】
次に、上記図1、図2に示した形態例の作用を説明する。
【0026】
図2に示す如く、トロリ2の走行によって吊荷6がトロリ2の走行方向に直線振動する場合の制振について実験装置を用いて試験を実施した。この実験装置は、吊点に上端を取付けた糸の下端に重りを取り付け、重りを直線振動させたときに、その振動方向に沿って糸の吊点を微量ストロークで直線往復移動させ、このときの往復移動周期を種々変更し、重りの直線振動が有効に制振される直線往復移動の周期を測定した。このとき、糸の吊下げ長さLを20cm、40cm、60cm、80cm、100cm、150cmに夫々変化させて上記と同様の試験を実施した。その試験結果を図3に示した。図3中、Tc(s)は糸の吊下げ長さLに応じて求めた計算固有周期、Tm(s)は実測固有周期であり、実測固有周期Tm(s)は計算固有周期Tc(s)と略一致している。Td(s)は重りに実際に加えた往復移動周期であり、Td/Tcは計算固有周期Tc(s)に対する実際に付加した往復移動周期Td(s)の倍率を表わす。
【0027】
図3において、計算固有周期Tc(s)より大きい往復移動周期Td(s)で吊点を直線往復移動すると、重りの直線振動が効果的に制振されることが判明した。また、前記倍率Td/Tcを大きくすると制振効果が高められることが判明したが、早い速度で吊点を直線往復移動させることは装置構成上及びエネルギー上に問題があるので、倍率Td/Tcが小さくしかも制振効果が高い往復移動周期Td(s)について調査したところ、計算固有周期Tc(s)に対して約3倍の往復移動周期Td(s)とすることが有効であった。
【0028】
図4は、前記図1、図2に示した形態における制振制御のフローチャートである。
【0029】
接地面Bに設置されている吊荷6は、ウインチ3にて吊索4を巻き取ることにより吊上げられるが、このとき、荷重検出装置13が吊荷6の荷重を検出しており、荷重検出装置13の荷重検出信号が空荷時より大きい設定荷重を超えたことにより吊荷6の地切りが検出され、この地切りが検出されるとこの時を巻取り原点として巻取り長さ検出装置14により巻取り長さが検出され、この巻取り長さが吊点高さ距離Hから減算されることによって吊下げ長さLが測定される(ステップS1)。吊下げ長さLは表示装置等に表示することができ、吊下げ長さLが所定値になったことにより吊荷6の吊上げは停止する。
【0030】
更に、駆動制御器10は上記吊下げ長さLに基づいた吊荷6の固有周期Tc(s)を演算し、更に、例えばこの固有周期Tc(s)を約3倍した往復移動周期Td(s)を演算する(ステップS2)。
【0031】
続いて、往復振動の加振時間tを設定し(ステップS3)、この加振時間tがtになるまで制御を行い(ステップS4)、設定加振時間tが終了することによって直線往復移動を停止する(ステップS5)。
【0032】
上記したように、吊下げ長さLが変化しても、その吊下げ長さLから求められる吊荷6の固有周期Tc(s)より大きい周期、好ましくは約3倍の周期で吊荷6の振動方向に沿い吊点Aを直線往復移動させることにより、吊荷6の直線振動を短時間で効果的に制振することができる。更に、吊点Aを直線往復移動させる上記制振方法は完全なフィードフォワード制御であるため、制御が非常にシンプルであり、且つ従来のような精密な振れ角検出装置等が不要であるために装置構成も簡素化できる。
【0033】
図5、図6は、本発明のクレーン吊荷の制振方法をジブクレーンに適用した場合の形態を示したものであり、伸縮するジブ23が旋回台24に起伏自在に備えられており、ジブ23は旋回と起伏と伸縮とを行うようになっている。そして、ジブ23先端の吊点Aから吊り下げられた吊索4によって吊荷6を吊り上げるようにしている。
【0034】
上記ジブクレーンでは、吊荷6を吊上げてジブ23を旋回した後旋回を停止すると、吊荷6が慣性によって旋回方向の前後に振動することと、遠心力によって半径方向外方に振り出された吊荷6が半径方向内方に戻る半径方向の振動とが合成されて円振動を生じる。
【0035】
この円振動を制振するためには、図6に示すように吊点Aを微小半径の円形軌跡27になるように円形往復移動させる。この円形往復移動は、ジブ23の微小旋回とジブ23の伸縮とを同時に往復で行うか、或いはジブ23の微小旋回とジブ23の起伏とを同時に往復で行うか、またはこれらを組合わせて行うことで達成できる。また、ジブ23の先端に揺動台を設けて該揺動台に設けた吊点Aを所要の半径で揺動させることによって回転移動させるようにしてもよい。吊点Aを円形往復移動させるには、例えば図1に示したような駆動制御器10を備えておき、円振動の発生時に手動部12を操作することによって吊点Aの円形往復移動を自動的に行わせることができる。
【0036】
前記吊荷6の円振動の固有周期Tc(s)は、図1、図2の形態で示した吊荷6の直線振動の固有周期Tc(s)とほぼ同じであり、従って、吊点Aを円形往復移動させる周期も、吊下げ長さLから求められる吊荷6の固有周期Tc(s)より大きい周期、好ましくは約3倍の周期とすることによって、吊荷6の円振動を短時間で効果的に制振することができる。
【0037】
前記ジブクレーンにおける吊荷6の固有周期を求めるための吊下げ長さLを測定する方法としては、従来から用いられている種々の方法を用いることができる。また、例えば特願2003−35041号に示した吊下げ長さ測定方法を用いることができる。特願2003−35041号では、ジブクレーンは、伸縮するジブ23の長さとジブ23の起伏角度αとから、吊点Aと地面等の接地面Bとの間の吊点高さ距離Hを予め求めることができるので、ジブ23の伸縮を検出する検出器25とジブ23の起伏角度αを検出する検出器26を設けて吊点高さ距離Hを測定する。更に、前記図1、図2の形態で説明した方法と同様に荷重検出装置13による荷重検出信号から地切りを検出し、この地切り検出時以後の図示しない巻上げウインチによる巻取り長さを検出し、その巻取り長さを吊点高さ距離Hから減算することにより吊下げ長さLを測定する。
【0038】
上記したように、吊点Aを円形往復移動させる制振も完全なフィードフォワード制御であるため、制御が非常にシンプルであり、且つ従来のような精密な振れ角検出装置等が不要であるために装置構成も簡素化できる。
【0039】
また、吊荷6は風等の外力によって振動することがあるが、外力によって吊荷6の直線振動が発生した場合には、例えば図1に示したような駆動制御器10の手動部12を操作してその振動方向に沿って吊点Aを直線往復移動させることにより制振することができる。また、外力によって吊荷6の円振動が発生した場合には、同様に手動部12を操作して吊点Aを円形往復移動させることによって制振することができる。
【0040】
上記したように、本発明のクレーン吊荷の制振方法では、吊荷6の吊下げ長さLから吊荷6の直線振動及び円振動の固有周期を求めて、その固有周期より大きい周期、好ましくは約3倍の周期で吊点Aを直線往復移動または円形往復移動させることによって制振するようにしたので、従来のように吊荷の振動を直接検出してその振動をなくすように吊点の移動速度を制御するフィードバック制御に対して、完全なフィードフォワード制御による制振が可能となり、よって簡略な装置構成と簡略な制御方法とによって、吊荷の直線振動及び円振動を短時間で確実に制振することができる。
【0041】
尚、本発明は上記形態例にのみ限定されるものではなく、吊点の移動方法には限定されないこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ること、等は勿論である。
【0042】
【発明の効果】
本発明のクレーン吊荷の制振方法によれば、吊荷の直線振動または円振動に対し、吊荷の吊下げ長さに基づく固有周期より大きい周期、好ましくは約3倍の周期で吊点を直線往復移動または円形往復移動させることにより、完全なフィードフォワード制御で制振することができ、従って簡略な装置構成を用いた方法にて吊荷の直線振動または円振動を短時間で確実に制振できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーン吊荷の制振方法を実施する天井クレーンの一例を示した側面図である。
【図2】図1の天井クレーンの作用を示す側面図である。
【図3】実験装置による試験結果を示す線図である。
【図4】本発明における制御方法の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明のクレーン吊荷の制振方法を実施するジブクレーンの一例を示した斜側面図である。
【図6】円振動と円形往復移動の関係を示す斜視線図である。
【符号の説明】
4 吊索
6 吊荷
11 巻取り長さ検出装置
13 荷重検出装置
14 巻取り長さ検出装置
A 吊点
B 接地面
H 吊点高さ距離
L 吊下げ長さ
Tc 固有周期
S 微小ストローク

Claims (5)

  1. 吊荷を吊り上げる吊索の吊点から吊荷までの吊下げ長さを計測して吊荷の固有周期を求め、吊荷の直線振動の発生時に、前記吊点を吊荷の振動方向に沿い微小ストロークで直線往復移動させ、この直線往復移動を前記吊下げ長さに応じた吊荷の固有周期より大きい周期で行うことを特徴とするクレーン吊荷の制振方法。
  2. 前記吊点を直線往復移動させる周期が、吊荷の固有周期に対して約3倍であることを特徴とする請求項1に記載のクレーン吊荷の制振方法。
  3. 吊荷を吊り上げる吊索の吊点から吊荷までの吊下げ長さを計測して吊荷の固有周期を求め、吊荷の円振動の発生時に、前記吊点を微小半径で円形往復移動させ、この円形往復移動を前記吊下げ長さに応じた吊荷の固有周期より大きい周期で行うことを特徴とするクレーン吊荷の制振方法。
  4. 前記吊点を円形往復移動させる周期が、吊荷の固有周期に対して約3倍であることを特徴とする請求項3に記載のクレーン吊荷の制振方法。
  5. 前記吊索の吊点から吊荷までの吊下げ長さは、吊索の吊点と吊荷の接地面との間の吊点高さ距離を予め求めておき、吊索に掛かる荷重を検出してその検出荷重が空荷時より大きい設定荷重を超えたことにより吊荷の地切りを検出し、この地切りを検出した時点を巻取り原点として吊索の巻取り長さを検出し、この巻取り長さを前記吊点高さ距離から減算することにより測定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のクレーン吊荷の制振方法。
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KR101057096B1 (ko) 2008-07-25 2011-08-16 (주) 세아 가상모드를 이용한 입력성형 제어장치 및 그 방법

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