JP2004276919A - 液体取出し及びガス除去装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加圧気体を用いた液体収納容器からの液体の取出しを容易に行うことができると共に、液体収納容器の液面上の所望でない気体を容易に除去することを可能とする液体取出しもしくはガス除去装置を提供する。
【解決手段】液体収納容器11の液体取出孔11aに下端が固定されている筒状本体2と、筒状本体2内に挿通され、先端が液体収納容器11内の液体に延ばされている液体取出管7と、液体取出管7を筒状本体2の小径部2bに気密的に固定している取出管固定部材6とを備え、筒状本体2の側面に貫通孔2dが設けられており、貫通孔2dから加圧気体を注入し得るように構成されている、液体取出しもしくはガス除去装置1。
【選択図】 図1
【解決手段】液体収納容器11の液体取出孔11aに下端が固定されている筒状本体2と、筒状本体2内に挿通され、先端が液体収納容器11内の液体に延ばされている液体取出管7と、液体取出管7を筒状本体2の小径部2bに気密的に固定している取出管固定部材6とを備え、筒状本体2の側面に貫通孔2dが設けられており、貫通孔2dから加圧気体を注入し得るように構成されている、液体取出しもしくはガス除去装置1。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばドラム缶のような液体収納容器から液体を取出し、あるいは該液体収納容器の液面上に存在している気体を除去するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々のオイルまたは試薬等は、ドラム缶のような液体収納容器に収納されている。この種の液体収納容器では、天板に液体取出孔及び気孔が設けられている。液体の取出しに際しては、気孔に加圧気体注入管が気密的に接続され、他方、液体取出孔に液体取出管が接続される。そして、加圧気体注入管から加圧気体、例えば加圧された空気もしくは窒素などが液体収納容器の上面の空間に供給され、その加圧力によって、液体取出管からの液体の取出しが行われる。
このような液体取出し装置は、例えば、下記の特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−192097
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の液体取出管を用いた液体収納容器からの液体の取出しに際しては、気孔から加圧された空気や窒素を供給するために、気孔にこれらの気体を注入するための加圧気体注入管を連結しなければならなかった。すなわち、液体取出管を液体取出孔に気密的に取付ける作業と、気孔に加圧気体注入管を気密的に取付ける作業の2つの作業を行わねばならなかった。従って、液体の取出しに際しての作業が煩雑であった。
【0005】
他方、この種の液体収納容器では、収納されている液体によっては、液面の上方に有害なガスが貯留することがあり、このガスは環境衛生上除去されねばならない。従来、このようなガスの除去に際しては、気孔にガスを吸引除去するためのチューブを接続し、他方、液体取出孔を開放するという煩雑な作業が強いられていた。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、液体収納容器から加圧された気体を用いて液体を取出すに際しての作業性を著しく軽減することができ、かつ液面に貯留しているガスを極めて簡単に除去することを可能とする液体取出しもしくはガス除去装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液体が収納されており、取出孔が天板に設けられている液体収納容器から液体を取出すためもしくは該収納容器内の気体を除去するための装置であって、下端が前記液体収納容器の取出孔に取付けられるように構成されており、側面に貫通孔を有し、上端に相対的径が小さな小径部が設けられている筒状本体を備え、前記筒状本体の小径部の外周面に雄ねじが形成されており、前記筒状本体内に挿通されており、下端が液体収納容器内に延ばされ、上端が筒状本体の上端よりも外側に導かれている液体取出管と、前記筒状本体上端の小径部の雄ねじに螺着されるように外周面に雌ねじ部が形成されている取出管固定部材とをさらに備え、前記取出管固定部材を前記筒状本体の小径部に螺着することにより、前記液体取出管が筒状本体に気密的に固定される、液体取出しもしくはガス除去装置である。
【0008】
本発明に係る液体取出しもしくはガス除去装置のある特定の局面では、前記小径部の上端に弾性リングが配置されており、前記取出管固定部材を前記筒状本体の小径部に螺着した際に該弾性リングの径が小さくなり、弾性リングが液体取出管の外周側面に密着される。
【0009】
本発明に係る液体取出しもしくはガス除去装置のさらに他の特定の局面では、前記小径部の上端面が、下方に行くにつれて内側に位置する環状傾斜面とされており、前記取出管固定部材を螺着した際に、前記弾性リングが前記環状傾斜面に沿って筒状本体の軸方向内側に移動される。
【0010】
本発明に係る液体取出しもしくはガス除去装置のさらに別の特定の局面では、前記液体収納容器の取出孔に雌ねじ部が形成されており、前記筒状本体の下端近傍において外周面に液体収納容器の雌ねじ部にねじ込まれる雄ねじ部が形成されている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る液体取出しもしくはガス除去装置を液体収納容器に固定した構造を示す縦断面図であり、図2は液体取出しもしくはガス除去装置の要部を示す斜視図であり、図3は液体収納容器に液体取出しもしくはガス除去装置が固定されている状態を示す斜視図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、本発明に係る液体取出しもしくはガス除去装置1は、筒状本体2を有する。筒状本体2は略円筒状の相対的に径の大きな大径部2aと、相対的に径の小さな円筒状の小径部2bとを有する。小径部2bは、大径部2aの上端から上方に延びるように構成されている。筒状本体2は、例えば合成樹脂またはステンレスなどの適宜の保形性材料で構成されている。
【0014】
上記大径部2aの下端には、外周側面に雄ねじ部2cが形成されている。雄ねじ部2cは、液体収納容器11の液体取出孔11aの内周面に設けられた雌ねじ部に螺着されるように構成されている。また、雄ねじ部2cの下端には弾性リング3が固定されている。弾性リング3は、液体収納容器11の取出孔11aに液体取出しもしくはガス除去装置1を固定した際に、取出孔11aと筒状本体2の外周面との間を気密シールするために設けられている。
【0015】
筒状本体2の中間高さ位置においては、大径部2aの側面に貫通孔2dが形成されている。貫通孔2dは、液体の取出しに際して、加圧された気体を供給するために設けられている。本実施形態では、貫通孔2dが設けられている部分に筒状本体2の側方に延びる筒状突出部2eが形成されている。筒状突出部2eの内部が上記貫通孔2dに連ねられている。筒状突出部2eの内周面には、雌ねじ部2fが形成されている。雌ねじ部2fは、加圧された気体を供給するチューブの先端に設けられたねじ部を気密的に固定するために設けられている。
【0016】
他方、筒状本体2の小径部2bの外周面には雄ねじ部2gが形成されている。また、小径部2bの上端には、内側に行くにつれてその位置が下方に移動する環状傾斜面2hが設けられている。環状傾斜面2h上に、弾性リング5が配置されている。弾性リング5は、例えば合成ゴムや天然ゴムにより構成されている。
【0017】
小径部2bには、取出管固定部材6が取付けられる。取出管固定部材6は、略円筒状の形状を有し、内周面に雌ねじ部6aを有する。雌ねじ部6aは小径部2bの雄ねじ部2gに噛み合うように構成されており、該雄ねじ部2gと雌ねじ部6aとにより、取出管固定部材6が小径部2bに螺着されるように個性されている。この場合、小径部2bの上端には環状傾斜面2hが形成されているので、取出管固定部材6を回転させ、取出管固定部材6を下方に移動させるに従って、弾性リング5が環状傾斜面2hに沿って軸方向内側に移動し、最終的に弾性リング5が液体取出管7の外周面に気密的に圧接されるように構成されている。液体取出管7は筒状本体2内を挿通されている。
【0018】
上記環状傾斜2h及び弾性リング5は、取出管固定部材6を小径部2bに螺着した状態で、液体取出管7を筒状本体2に気密固定するように作用する。
液体取出管7は、硬質塩化ビニル樹脂やポリプロピレンなどの保形性を有する樹脂により構成されている。もっとも、液体取出管7は、ステンレスなどの金属により構成されていてもよい。
【0019】
液体取出管7の下端は、液体収納容器11内の液体内に延ばされるように構成されている。他方、液体取出管7の上端は、液体を排出するノズルに接続されている。必要に応じて、吸引ポンプが液体取出管6に接続されていてもよい。
【0020】
次に、上記液体取出しもしくはガス除去装置1の使用方法を説明する。
液体収納容器11は、特に限定されないが、例えば市販のドラム缶などにより構成されている。この種の液体収納容器11では、内周面に雌ねじが構成された液体取出孔11aと、加圧気体注入用の気孔11b(図3参照)とが設けられているのが普通である。
【0021】
通常、上記液体取出孔11a及び気孔11bには、キャップが取付けられ、閉栓されている。図3では、気孔11bは、キャップ12により閉栓されている。液体の取出しに際しては、液体取出しもしくはガス除去装置1の筒状本体2と取出管固定部材6と、液体取出管7とは分離された状態で用意される。先ず、液体取出孔11aのキャップ(図示せず)を取り外し、筒状本体2を液体取出孔11aにねじ込み固定する。
【0022】
しかる後、液体取出管7に取出管固定部材6を外挿しておき、液体取出管7の先端を筒状本体2内に挿入し、液体取出管7の下端を内部の液体内に導く。この状態で、取出管固定部材6を回転し、取出管固定部材6を小径部2bに螺着する。取出管固定部材6が回転するに従って、弾性リング5が下方及び筒状本体2の軸方向内側に移動し、最終的に液体取出管7の外周側面に気密的に圧接される。従って、液体取出管7が、筒状本体2及び管固定部材6からなる構造に固定される。弾性リング5が液体取出管6の外周側面に圧接されるため、圧接されている部分が気密シールされる。
【0023】
しかる後、筒状本体2の筒状突出部2eに加圧気体を注入するための加圧気体注入管をねじ込み、加圧気体を筒状本体2を経て、液体収納容器11内に注入する。加圧気体が液体収納容器11内の液面を押し、その結果、内部の液体が液体取出管7内を通り、液体取出管7から外部に供給される。
【0024】
上記のように、本実施形態の液体取出し及びガス除去装置では、加圧気体を利用した液体の取出しに際し、液体取出孔11aに設けられていたキャップを取り外し、該液体取出孔11aのみを用いて液体の取出しを行うことができる。すなわち、気孔11b側のキャップ12を取り外すことなく、液体の取出しを行うことができる。従って、液体収納容器11からの液体の取出しに際しての作業性を大幅に高めることが可能となる。
【0025】
また、本実施形態の液体取出し及びガス除去装置1を用いれば、液体収納容器11内の液面の上方に貯留されている、所望でないガスを容易に除去することも可能である。ガスの除去に際しては、上記のように液体取出しもしくはガス除去装置1を液体収納容器11に取付ける。但し、液体取出管7は用いない。もっとも、液体取出管7をその下端が液面に達しないように筒状本体2に固定してもよい。この状態で、上記筒状突出部2eにガス吸引チューブを接続することにより、液体収納容器11内の液面上のガスを容易に除去することができる。
【0026】
また、液体収納容器11内の液体を気泡により攪拌し、所望でないガスをより確実に液面上の空間に集めて回収することも可能である。すなわち、上記液体取出しもしくはガス除去装置1を液体収納容器11に上記実施形態と同様にして取付け、但し液体取出管7から窒素などの不活性ガスもしくは空気を液体収納容器11内の液体内に吹き込む。その結果、気泡が発生し、気泡により液体収納容器11内の液体が攪拌される。従って、該気泡と共に、所望でないガスが収納されている液体の液面の上方に集められることになる。このようにして集められた所望でない気体を、筒状突出部2eに吸引チューブを接続し、吸引することにより、所望でないガスをより一層確実に除去することができる。
【0027】
上記実施形態では、筒状本体2は略円筒状の形状を有してしたが、雄ねじ部2cが設けられている部分の上方部分については、角筒状などの他の形状とされていてもよい。
【0028】
また、貫通孔2dに連なるように筒状突出部2eが設けられていたが、貫通孔2dに加圧気体注入ノズルやチューブを気密的に取付け得る限り、筒状突出部2eは必ずしも設けられずともよい。
【0029】
さらに、上記実施形態では、環状傾斜面2h及び弾性リング5の組み合わせにより、かつ管固定部材6を用いた操作により、液体取出管7が筒状本体2及び管固定部材6からなる構造に気密的に固定されていたが、他の気密固定構造を用いて液体取出管7を筒状本体2に気密的に固定してもよい。例えば、小径部2bの内面に気密シール性弾性材料層を設け、該弾性材料層と液体取出管7とが弾性接触することにより気密シールが果たされてもよい。この場合には、管固定部材6を回転させるに従って、小径部2bの内周面が液体取出管7の外周面に向かって移動するように、小径部2bの内周面に下方に行くに従って筒状本体2の軸方向中心に位置する筒状傾斜面を構成し、該筒状傾斜面上に上記弾性材料層を設ければよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明に係る液体取出し及びガス除去装置装置では、上記筒状本体、管固定部材及び液体取出管からなり、液体収納容器の液体取出孔にこれらをセットするだけで、筒状本体の貫通孔から加圧された気体を圧入し、液体収納容器内の液体を液体取出管から取出すことができる。従って、液体収納容器の気孔側における作業を省略することができるので、加圧された気体を用いた液体収納容器からの液体の取出しに際しての作業性を大幅に高めることが可能となる。また、液体収納容器に接触する作業が低減されるので、内部の液体による作業者の汚染等も生じ難い。
【0031】
しかも、液体収納容器内の所望でないガスの除去も容易に行い得る。本発明に係る液体取出し及びガス除去装置では、上記液体取出管を取替えるだけで、取出すべき液体が変更された場合でも容易に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る液体取出し及びガス除去装置が液体収納容器に取付けられている構造の縦断面図。
【図2】本発明の一実施形態に係る液体取出し及びガス除去装置の筒状本体と管固定部材とを組み合わせた状態を示す斜視図。
【図3】本発明に係る液体取出し及びガス除去装置が液体収納容器に取り付けられた状態を示す外観斜視図。
【符号の説明】
1…液体取出し及びガス除去装置
2…筒状本体
2a…大径部
2b…小径部
2c…雄ねじ部
2d…貫通孔
2e…筒状突出部
2f…雌ねじ部
2g…雄ねじ部
2h…環状傾斜面
3…弾性リング
5…弾性リング
6…管固定部材
6a…雌ねじ部
7…液体取出管
11…液体収納容器
11a…取出孔
11b…気孔
12…キャップ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばドラム缶のような液体収納容器から液体を取出し、あるいは該液体収納容器の液面上に存在している気体を除去するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、種々のオイルまたは試薬等は、ドラム缶のような液体収納容器に収納されている。この種の液体収納容器では、天板に液体取出孔及び気孔が設けられている。液体の取出しに際しては、気孔に加圧気体注入管が気密的に接続され、他方、液体取出孔に液体取出管が接続される。そして、加圧気体注入管から加圧気体、例えば加圧された空気もしくは窒素などが液体収納容器の上面の空間に供給され、その加圧力によって、液体取出管からの液体の取出しが行われる。
このような液体取出し装置は、例えば、下記の特許文献1に開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−192097
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の液体取出管を用いた液体収納容器からの液体の取出しに際しては、気孔から加圧された空気や窒素を供給するために、気孔にこれらの気体を注入するための加圧気体注入管を連結しなければならなかった。すなわち、液体取出管を液体取出孔に気密的に取付ける作業と、気孔に加圧気体注入管を気密的に取付ける作業の2つの作業を行わねばならなかった。従って、液体の取出しに際しての作業が煩雑であった。
【0005】
他方、この種の液体収納容器では、収納されている液体によっては、液面の上方に有害なガスが貯留することがあり、このガスは環境衛生上除去されねばならない。従来、このようなガスの除去に際しては、気孔にガスを吸引除去するためのチューブを接続し、他方、液体取出孔を開放するという煩雑な作業が強いられていた。
【0006】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、液体収納容器から加圧された気体を用いて液体を取出すに際しての作業性を著しく軽減することができ、かつ液面に貯留しているガスを極めて簡単に除去することを可能とする液体取出しもしくはガス除去装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、液体が収納されており、取出孔が天板に設けられている液体収納容器から液体を取出すためもしくは該収納容器内の気体を除去するための装置であって、下端が前記液体収納容器の取出孔に取付けられるように構成されており、側面に貫通孔を有し、上端に相対的径が小さな小径部が設けられている筒状本体を備え、前記筒状本体の小径部の外周面に雄ねじが形成されており、前記筒状本体内に挿通されており、下端が液体収納容器内に延ばされ、上端が筒状本体の上端よりも外側に導かれている液体取出管と、前記筒状本体上端の小径部の雄ねじに螺着されるように外周面に雌ねじ部が形成されている取出管固定部材とをさらに備え、前記取出管固定部材を前記筒状本体の小径部に螺着することにより、前記液体取出管が筒状本体に気密的に固定される、液体取出しもしくはガス除去装置である。
【0008】
本発明に係る液体取出しもしくはガス除去装置のある特定の局面では、前記小径部の上端に弾性リングが配置されており、前記取出管固定部材を前記筒状本体の小径部に螺着した際に該弾性リングの径が小さくなり、弾性リングが液体取出管の外周側面に密着される。
【0009】
本発明に係る液体取出しもしくはガス除去装置のさらに他の特定の局面では、前記小径部の上端面が、下方に行くにつれて内側に位置する環状傾斜面とされており、前記取出管固定部材を螺着した際に、前記弾性リングが前記環状傾斜面に沿って筒状本体の軸方向内側に移動される。
【0010】
本発明に係る液体取出しもしくはガス除去装置のさらに別の特定の局面では、前記液体収納容器の取出孔に雌ねじ部が形成されており、前記筒状本体の下端近傍において外周面に液体収納容器の雌ねじ部にねじ込まれる雄ねじ部が形成されている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る液体取出しもしくはガス除去装置を液体収納容器に固定した構造を示す縦断面図であり、図2は液体取出しもしくはガス除去装置の要部を示す斜視図であり、図3は液体収納容器に液体取出しもしくはガス除去装置が固定されている状態を示す斜視図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、本発明に係る液体取出しもしくはガス除去装置1は、筒状本体2を有する。筒状本体2は略円筒状の相対的に径の大きな大径部2aと、相対的に径の小さな円筒状の小径部2bとを有する。小径部2bは、大径部2aの上端から上方に延びるように構成されている。筒状本体2は、例えば合成樹脂またはステンレスなどの適宜の保形性材料で構成されている。
【0014】
上記大径部2aの下端には、外周側面に雄ねじ部2cが形成されている。雄ねじ部2cは、液体収納容器11の液体取出孔11aの内周面に設けられた雌ねじ部に螺着されるように構成されている。また、雄ねじ部2cの下端には弾性リング3が固定されている。弾性リング3は、液体収納容器11の取出孔11aに液体取出しもしくはガス除去装置1を固定した際に、取出孔11aと筒状本体2の外周面との間を気密シールするために設けられている。
【0015】
筒状本体2の中間高さ位置においては、大径部2aの側面に貫通孔2dが形成されている。貫通孔2dは、液体の取出しに際して、加圧された気体を供給するために設けられている。本実施形態では、貫通孔2dが設けられている部分に筒状本体2の側方に延びる筒状突出部2eが形成されている。筒状突出部2eの内部が上記貫通孔2dに連ねられている。筒状突出部2eの内周面には、雌ねじ部2fが形成されている。雌ねじ部2fは、加圧された気体を供給するチューブの先端に設けられたねじ部を気密的に固定するために設けられている。
【0016】
他方、筒状本体2の小径部2bの外周面には雄ねじ部2gが形成されている。また、小径部2bの上端には、内側に行くにつれてその位置が下方に移動する環状傾斜面2hが設けられている。環状傾斜面2h上に、弾性リング5が配置されている。弾性リング5は、例えば合成ゴムや天然ゴムにより構成されている。
【0017】
小径部2bには、取出管固定部材6が取付けられる。取出管固定部材6は、略円筒状の形状を有し、内周面に雌ねじ部6aを有する。雌ねじ部6aは小径部2bの雄ねじ部2gに噛み合うように構成されており、該雄ねじ部2gと雌ねじ部6aとにより、取出管固定部材6が小径部2bに螺着されるように個性されている。この場合、小径部2bの上端には環状傾斜面2hが形成されているので、取出管固定部材6を回転させ、取出管固定部材6を下方に移動させるに従って、弾性リング5が環状傾斜面2hに沿って軸方向内側に移動し、最終的に弾性リング5が液体取出管7の外周面に気密的に圧接されるように構成されている。液体取出管7は筒状本体2内を挿通されている。
【0018】
上記環状傾斜2h及び弾性リング5は、取出管固定部材6を小径部2bに螺着した状態で、液体取出管7を筒状本体2に気密固定するように作用する。
液体取出管7は、硬質塩化ビニル樹脂やポリプロピレンなどの保形性を有する樹脂により構成されている。もっとも、液体取出管7は、ステンレスなどの金属により構成されていてもよい。
【0019】
液体取出管7の下端は、液体収納容器11内の液体内に延ばされるように構成されている。他方、液体取出管7の上端は、液体を排出するノズルに接続されている。必要に応じて、吸引ポンプが液体取出管6に接続されていてもよい。
【0020】
次に、上記液体取出しもしくはガス除去装置1の使用方法を説明する。
液体収納容器11は、特に限定されないが、例えば市販のドラム缶などにより構成されている。この種の液体収納容器11では、内周面に雌ねじが構成された液体取出孔11aと、加圧気体注入用の気孔11b(図3参照)とが設けられているのが普通である。
【0021】
通常、上記液体取出孔11a及び気孔11bには、キャップが取付けられ、閉栓されている。図3では、気孔11bは、キャップ12により閉栓されている。液体の取出しに際しては、液体取出しもしくはガス除去装置1の筒状本体2と取出管固定部材6と、液体取出管7とは分離された状態で用意される。先ず、液体取出孔11aのキャップ(図示せず)を取り外し、筒状本体2を液体取出孔11aにねじ込み固定する。
【0022】
しかる後、液体取出管7に取出管固定部材6を外挿しておき、液体取出管7の先端を筒状本体2内に挿入し、液体取出管7の下端を内部の液体内に導く。この状態で、取出管固定部材6を回転し、取出管固定部材6を小径部2bに螺着する。取出管固定部材6が回転するに従って、弾性リング5が下方及び筒状本体2の軸方向内側に移動し、最終的に液体取出管7の外周側面に気密的に圧接される。従って、液体取出管7が、筒状本体2及び管固定部材6からなる構造に固定される。弾性リング5が液体取出管6の外周側面に圧接されるため、圧接されている部分が気密シールされる。
【0023】
しかる後、筒状本体2の筒状突出部2eに加圧気体を注入するための加圧気体注入管をねじ込み、加圧気体を筒状本体2を経て、液体収納容器11内に注入する。加圧気体が液体収納容器11内の液面を押し、その結果、内部の液体が液体取出管7内を通り、液体取出管7から外部に供給される。
【0024】
上記のように、本実施形態の液体取出し及びガス除去装置では、加圧気体を利用した液体の取出しに際し、液体取出孔11aに設けられていたキャップを取り外し、該液体取出孔11aのみを用いて液体の取出しを行うことができる。すなわち、気孔11b側のキャップ12を取り外すことなく、液体の取出しを行うことができる。従って、液体収納容器11からの液体の取出しに際しての作業性を大幅に高めることが可能となる。
【0025】
また、本実施形態の液体取出し及びガス除去装置1を用いれば、液体収納容器11内の液面の上方に貯留されている、所望でないガスを容易に除去することも可能である。ガスの除去に際しては、上記のように液体取出しもしくはガス除去装置1を液体収納容器11に取付ける。但し、液体取出管7は用いない。もっとも、液体取出管7をその下端が液面に達しないように筒状本体2に固定してもよい。この状態で、上記筒状突出部2eにガス吸引チューブを接続することにより、液体収納容器11内の液面上のガスを容易に除去することができる。
【0026】
また、液体収納容器11内の液体を気泡により攪拌し、所望でないガスをより確実に液面上の空間に集めて回収することも可能である。すなわち、上記液体取出しもしくはガス除去装置1を液体収納容器11に上記実施形態と同様にして取付け、但し液体取出管7から窒素などの不活性ガスもしくは空気を液体収納容器11内の液体内に吹き込む。その結果、気泡が発生し、気泡により液体収納容器11内の液体が攪拌される。従って、該気泡と共に、所望でないガスが収納されている液体の液面の上方に集められることになる。このようにして集められた所望でない気体を、筒状突出部2eに吸引チューブを接続し、吸引することにより、所望でないガスをより一層確実に除去することができる。
【0027】
上記実施形態では、筒状本体2は略円筒状の形状を有してしたが、雄ねじ部2cが設けられている部分の上方部分については、角筒状などの他の形状とされていてもよい。
【0028】
また、貫通孔2dに連なるように筒状突出部2eが設けられていたが、貫通孔2dに加圧気体注入ノズルやチューブを気密的に取付け得る限り、筒状突出部2eは必ずしも設けられずともよい。
【0029】
さらに、上記実施形態では、環状傾斜面2h及び弾性リング5の組み合わせにより、かつ管固定部材6を用いた操作により、液体取出管7が筒状本体2及び管固定部材6からなる構造に気密的に固定されていたが、他の気密固定構造を用いて液体取出管7を筒状本体2に気密的に固定してもよい。例えば、小径部2bの内面に気密シール性弾性材料層を設け、該弾性材料層と液体取出管7とが弾性接触することにより気密シールが果たされてもよい。この場合には、管固定部材6を回転させるに従って、小径部2bの内周面が液体取出管7の外周面に向かって移動するように、小径部2bの内周面に下方に行くに従って筒状本体2の軸方向中心に位置する筒状傾斜面を構成し、該筒状傾斜面上に上記弾性材料層を設ければよい。
【0030】
【発明の効果】
本発明に係る液体取出し及びガス除去装置装置では、上記筒状本体、管固定部材及び液体取出管からなり、液体収納容器の液体取出孔にこれらをセットするだけで、筒状本体の貫通孔から加圧された気体を圧入し、液体収納容器内の液体を液体取出管から取出すことができる。従って、液体収納容器の気孔側における作業を省略することができるので、加圧された気体を用いた液体収納容器からの液体の取出しに際しての作業性を大幅に高めることが可能となる。また、液体収納容器に接触する作業が低減されるので、内部の液体による作業者の汚染等も生じ難い。
【0031】
しかも、液体収納容器内の所望でないガスの除去も容易に行い得る。本発明に係る液体取出し及びガス除去装置では、上記液体取出管を取替えるだけで、取出すべき液体が変更された場合でも容易に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る液体取出し及びガス除去装置が液体収納容器に取付けられている構造の縦断面図。
【図2】本発明の一実施形態に係る液体取出し及びガス除去装置の筒状本体と管固定部材とを組み合わせた状態を示す斜視図。
【図3】本発明に係る液体取出し及びガス除去装置が液体収納容器に取り付けられた状態を示す外観斜視図。
【符号の説明】
1…液体取出し及びガス除去装置
2…筒状本体
2a…大径部
2b…小径部
2c…雄ねじ部
2d…貫通孔
2e…筒状突出部
2f…雌ねじ部
2g…雄ねじ部
2h…環状傾斜面
3…弾性リング
5…弾性リング
6…管固定部材
6a…雌ねじ部
7…液体取出管
11…液体収納容器
11a…取出孔
11b…気孔
12…キャップ
Claims (4)
- 液体が収納されており、取出孔が天板に設けられている液体収納容器から液体を取出すためもしくは該収納容器内の気体を除去するための装置であって、
下端が前記液体収納容器の取出孔に取付けられるように構成されており、側面に貫通孔を有し、上端に相対的径が小さな小径部が設けられている筒状本体を備え、
前記筒状本体の小径部の外周面に雄ねじが形成されており、
前記筒状本体内に挿通されており、下端が液体収納容器内に延ばされ、上端が筒状本体の上端よりも外側に導かれている液体取出管と、
前記筒状本体上端の小径部の雄ねじに螺着されるように外周面に雌ねじ部が形成されている取出管固定部材とをさらに備え、
前記取出管固定部材を前記筒状本体の小径部に螺着することにより、前記液体取出管が筒状本体に気密的に固定される、液体取出しもしくはガス除去装置。 - 前記小径部の上端に弾性リングが配置されており、前記取出管固定部材を前記筒状本体の小径部に螺着した際に該弾性リングの径が小さくなり、弾性リングが液体取出管の外周側面に密着される、請求項1に記載の液体取出しもしくはガス除去装置。
- 前記小径部の上端面が、下方に行くにつれて内側に位置する環状傾斜面とされており、前記取出管固定部材を螺着した際に、前記弾性リングが前記環状傾斜面に沿って筒状本体の軸方向内側に移動される、請求項2に記載の液体取出しもしくはガス除去装置。
- 前記液体収納容器の取出孔に雌ねじ部が形成されており、前記筒状本体の下端近傍において外周面に液体収納容器の雌ねじ部にねじ込まれる雄ねじ部が形成されている、請求項1〜4のいずれかに記載の液体取出しもしくはガス除去装置。
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---|---|---|---|
JP2003067002A JP2004276919A (ja) | 2003-03-12 | 2003-03-12 | 液体取出し及びガス除去装置 |
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ID=33284750
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JP (1) | JP2004276919A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008100714A (ja) * | 2006-10-18 | 2008-05-01 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | ディスペンサ |
JP2008537717A (ja) * | 2005-04-08 | 2008-09-25 | インテグリス・インコーポレーテッド | ドラムキャップ通気装置 |
JP2011025104A (ja) * | 2009-07-21 | 2011-02-10 | Air Liquide Japan Ltd | 液体材料容器、液体材料供給装置、及び、液体材料の供給方法 |
JP2011126606A (ja) * | 2011-03-16 | 2011-06-30 | Tokyo Ohka Kogyo Co Ltd | 液体薬品用ペール缶 |
-
2003
- 2003-03-12 JP JP2003067002A patent/JP2004276919A/ja active Pending
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