JP2004276551A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】記録ヘッドと、吸着手段を有するプラテン部と、該記録ヘッドより記録媒体の搬送方向の下流側にインクを乾燥させる手段を有する定着部とを有し、前記定着部において、記録媒体の搬送方向の幅が少なくとも、記録媒体の搬送方向における最上流のインク吐出口と最下流のインク吐出口との間の寸法より大きいことを特徴とするインクジェット記録装置。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録媒体の記録面にインク滴を着弾することにより記録を行なうインクジェット記録装置が、プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像記録装置或いは画像形成装置として一般に広く普及している。インクジェット記録方法は記録媒体にインク滴を吐出して着弾させるため、紙などの記録媒体にはインク液がしみ込むことによりコックリングと呼ばれる現象が生じ、この現象により記録品位を低下させてしまうことが起こる。インクジェットヘッドが移動する主走査機構と主走査方向とほぼ垂直に記録媒体を移動させる副走査機構とを備えたシリアル型プリンタでは、従来からコックリング(記録媒体の吸水により、記録場媒体が膨張変形する)が問題となっている。そこで特許文献1は、記録媒体を排出する部材にリブを設けることによりコックリングの影響を記録面方向へ逃がすことにより、記録媒体のヘッド方向の変位を抑制しコックリングの影響のない高品位の記録を可能にすることを記載している。特許文献2では、フルラインヘッドを固定し、プリント媒体を搬送する方式におけるコックリングの発生から成長に至る各要素の相関関係を検討し、時間経過に伴うコックリング高さなどに関連付けた設計方法が提案されている。また、高精度に記録媒体を搬送するために吸着搬送を備えた場合、例えば特許文献3のように静電吸着の強い領域と弱い領域を交互に複数分散して有する静電吸着手段により効果的にコックリングを抑制している例が提案されている。また、インクジェットヘッドが長尺化し記録速度が速くなると、記録媒体に付着したインクを定着させたり乾燥させることが必要となり、これらの定着加熱式定着手段を有する従来例として、定着装置が主走査方向に並設されて、それぞれが独立駆動可能な複数の定着器に分割し、ヘッドの移動に対応させて切り替えるシリアル記録装置や、自然乾燥時間を一律にすることにより画像を安定させる技術(特許文献4)、定着加熱部と記録部の間に断熱部を介在して記録部を保護する技術(特許文献5)などがある。
【0003】
インクジェット記録装置は、一般にインクを吐出する吐出口が搬送される記録媒体と対向するように形成されているインクジェットヘッドを具備している。近年、インクジェットプリンタの高解像度化、高速記録化に伴い、インクジェットヘッドは吐出口が高密度に配列され、かつ吐出口の数が多くなり長尺化の傾向にある。このように高密度に配列され、長尺化されたヘッドを用いた場合、従来に比べ記録媒体自体の浮きなどが記録に影響を及ぼすため確実に高精度で記録媒体を搬送する手段が必要となる。その手段の一つとして吸着を用いた搬送方法は有用な手段である。
しかし、吸着を用いた搬送方法においては、特許文献1のように記録媒体を排出する部材にリブを設けることによりコックリングの影響を記録媒体裏面方向へ逃がすことが出来なくなるため、コックリング自体を抑制することが課題となっている。
【0004】
そこで、前記のように、特許文献2ではフルラインヘッドを固定し、プリント媒体を搬送する方式における最適な設計方法が提案されているが、コックリング自体を抑制するものでないため、画像が高濃度な場合など高精度な記録を行なえない。また、特許文献3のように静電吸着の強い領域と弱い領域を交互に複数分散して有する静電吸着手段によりコックリング自体を抑制する技術について見ると、記録媒体の膨潤による変形は時間経過により成長するものであり、記録媒体の膨潤自体を抑制していないため、画像が高濃度の場合などはコックリングを抑制することは困難である。コックリング自体を抑制するには記録媒体の膨潤変形の時間経過による成長自体を止め抑制することが必要である。
【0005】
また、インクジェットヘッドは吐出口が高密度に配列され、かつ吐出口の数が多くなり長尺化になるに伴い記録速度は速くなるため、連続印刷時などに先に印刷した用紙のインクが定着する前に後から印刷した用紙が重なり、先に印刷した印刷面を汚したり、印刷、排紙した直後の用紙の印刷面に他のものが接触することにより印刷面を汚すなどの不具合が生じる。
【0006】
これらを解決するために、加熱式定着手段を有する特許文献4や5などインクの記録媒体への定着手段が提案されている。しかし、これらの発明は吸着手段を用いた搬送機構を有するインクジェット記録装置ではなく、吸着手段を用いた搬送機構のコックリング問題に関するものではない。特許文献6では吸着手段を用いた搬送機構に加熱式定着手段を有するが、吸着手段を用いた場合に発生するコックリング対策に対して無策であり、ヘッドの長尺化に伴うインク乾燥に対して十分に好適な形態とはいえない。
【0007】
【特許文献1】
特開平6−115068号公報(第1頁左下欄第6〜末行目)
【特許文献2】
特開2002−154200号公報(第1頁左下欄第6〜末行目)
【特許文献3】
特開平7−133035号公報
【特許文献4】
特開2000−238250号公報(第2頁第1欄第2〜12行目、請求項1)
【特許文献5】
特開2000−272104号公報(特許請求の範囲)
【特許文献6】
特開2001−63019号公報(第2頁第1欄第7〜11行目、請求項2、第3頁第4欄段落[0016])
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、長尺の記録ヘッドに適した、高精度で記録媒体の搬送が可能でかつコックリングを抑制し、更にはインク乾燥を促進することにより高画質で高速印刷が可能なインクジェット記録装置の好適な形態を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の(1)「記録ヘッドと、吸着手段を有するプラテン部と、該記録ヘッドより記録媒体の搬送方向の下流側にインクを乾燥させる手段を有する定着部とを有し、前記定着部において、記録媒体の搬送方向の幅が少なくとも、記録媒体の搬送方向における最上流のインク吐出口と最下流のインク吐出口との間の寸法より大きいことを特徴とするインクジェット記録装置」、(2)「前記定着部における記録媒体の搬送方向の下流側の定着部端は、該記録ヘッドにおける最下流側の吐出口から下流側へ少なくとも最上流のインク吐出口と最下流のインク吐出口との間の寸法以上離れたところに位置し、記録媒体の搬送方向の上流側の定着部端は下流側端の吐出口から少なくとも最上流のインク吐出口と最下流のインク吐出口との間の寸法未満離れたところに位置することを特徴とする前記第(1)項に記載のインクジェット記録装置」、(3)「前記記録ヘッドはインク吐出口が記録媒体の搬送方向に並び、記録媒体の搬送方向における最上流のインク吐出口と最下流のインク吐出口との間の寸法が30mm以上であることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載のインクジェット記録装置」、(4)「前記インクを乾燥させる手段がヒータを用いた加熱手段であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項の何れかに記載のインクジェット記録装置」、(5)「前記インクを乾燥させる手段に少なくともインクジェット記録装置の駆動時の発熱が利用されていることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項の何れかに記載のインクジェット記録装置」により達成される。
【0010】
即ち、本発明に係るインクジェット記録装置は、
記録ヘッドと、吸着手段を有するプラテン部と、該記録ヘッドより記録媒体の搬送方向の下流側にインクを乾燥させる手段を有する乾燥部とを有し、定着部において、記録媒体の搬送方向の幅が少なくとも、記録媒体の搬送方向における最上流のインク吐出口と最下流のインク吐出口との間の寸法より大きい構成としたため、記録ヘッドの長尺化に適した高精度で記録媒体の搬送が可能で、かつ記録媒体の膨潤が抑制されコックリングが抑制されるとともに記録媒体上の未乾燥インクの乾燥が可能となる。
さらに、定着部における記録媒体の搬送方向の下流側の定着部端は該記録ヘッドにおける最下流側の吐出口から下流側へ少なくとも最上流のインク吐出口と最下流のインク吐出口との間の寸法以上離れたところに位置し、記録媒体の搬送方向の上流側の定着部端は下流側端の吐出口から少なくとも最上流のインク吐出口と最下流のインク吐出口との間の寸法未満離れたところに位置する構成とすることにより、主走査による記録直後のインクを短時間で均一に乾燥できるため、コックリングやインク乾燥不足による不具合に対する信頼性を向上できる。
前記記録ヘッドはインク吐出口が記録媒体の搬送方向に並び、記録媒体の搬送方向における最上流のインク吐出口と最下流のインク吐出口との間の寸法が30mm以上を有する構成とすることにより、高速で印写が可能となり、また、吸着部と定着部の付帯によるインクジェット記録装置の製造コストアップが必要以上でない(オーバースペックとならない)だけの機能アップ(高速記録、高信頼性)が可能で、高精度に記録媒体を搬送できる吸着搬送を用いた際に問題となるコックリングを抑え、安定した高速印写が可能となる。
さらに、インクを乾燥させる手段に加熱ヒータを用いることにより、乾燥時に記録画像の乱れなどを起こすことなく安定してインクを効率良く乾燥させることが可能となる。
さらに、前記インクを乾燥させる手段に少なくともインクジェット記録装置の駆動時の発熱が利用されていることにより、定着機能の効率化を図ることが出来、インクジェット記録装置の消費電力を抑えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
インクジェット記録装置の一例について図1及び図2に基づき説明する。なお、図1は同記録装置の斜視説明図、図2は同記録装置の機構部の側面説明図である。
このインクジェット記録装置は、図1、2に示されるように、記録装置本体(81)の内部に主走査方向に移動可能なキャリッジ(93)、キャリッジ(93)に搭載した記録ヘッド(94)、記録ヘッド(94)へインクを供給するインクカートリッジ(95)等で構成される印字機構部(82)等を収納し、装置本体(81)の下方部には前方側から多数枚の用紙(83)を積載可能な給紙カセット(或いは給紙トレイでもよい)(84)を抜き差し自在に装着することができ、また、用紙(83)を手差しで給紙するための手差しトレイ(85)を開倒することができ、給紙カセット(84)或いは手差しトレイ(85)から給送される用紙(83)を取り込み印字機構部(82)の箇所に搬送し、印字機構部(82)によって所要の画像を記録した後、後面側に装着された排紙トレイ(86)に排紙する。
【0012】
印字機構部(82)は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材である主ガイドロッド(91)と従ガイドロッド(92)とでキャリッジ(93)を主走査方向に摺動自在に保持し、このキャリッジ(93)にはイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する本発明に係るインクジェットヘッドからなるヘッド(94)を複数のインク吐出口(ノズル)を主走査方向と交差する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。またキャリッジ(93)にはヘッド(94)に各色のインクを供給するための各インクカートリッジ(95)を交換可能に装着している。
【0013】
インクカートリッジ(95)は上方に大気と連通する大気口、下方にはインクジェットヘッドへインクを供給する供給口を、内部にはインクが充填された多孔質体を有しており、多孔質体の毛管力によりインクジェットヘッドへ供給されるインクをわずかな負圧に維持している。また、記録ヘッドとしてここでは各色のヘッド(94)を用いているが、各色のインク滴を吐出するノズルを有する1個のヘッドでもよい。
ここで、キャリッジ(93)は後方側(用紙搬送方向下流側)を主ガイドロッド(91)に摺動自在に嵌装し、前方側(用紙搬送方向上流側)を従ガイドロッド(92)に摺動自在に載置している。そして、このキャリッジ(93)を主走査方向に移動走査するため、主走査モータ(97)で回転駆動される駆動プーリ(98)と従動プーリ(99)との間にタイミングベルト(100)を張装し、このタイミングベルト(100)をキャリッジ(93)に固定しており、主走査モーター(97)の正逆回転によりキャリッジ(93)が往復駆動される。
【0014】
一方、給紙カセット(84)にセットした用紙(83)をヘッド(94)の下方側に搬送するために、給紙カセット(84)から用紙(83)を分離給装する給紙ローラ(101)及びフリクションパッド(102)と、用紙(83)を案内するガイド部材(103)と、給紙された用紙(83)を反転させて搬送する搬送ローラ(104)と、この搬送ローラ(104)の周面に押し付けられる搬送コロ(105)及び搬送ローラ(104)からの用紙(83)の送り出し角度を規定する先端コロ(106)とを設けている。搬送ローラ(104)は副走査モータ(107)によってギヤ列を介して回転駆動される。
【0015】
そして、キャリッジ(93)の主走査方向の移動範囲に対応して搬送ローラ(104)から送り出された用紙(83)を記録ヘッド(94)の下方側で案内する用紙ガイド部材である印写受け部材(109)を設けている。印写受け部材(109)は静電気力により用紙を吸着する搬送ベルト(122)を有しており、印写受け部材(109)上の用紙(83)はこのベルト上にしっかりと吸着されたまま搬送されることになる。ここでは吸着手段として静電気力を利用したが、空気の負圧を利用しても良く、また、磁性をもつ記録媒体などには電磁力などを用いても良い。なお、空気の負圧を利用した手段としては排気ファンやポンプなどにより吸着孔からエアの吸引を行なうことにより記録媒体を吸着させるが、吸着安定性や装置の小型簡易化の面でインクジェット記録装置に用いる吸着搬送手段としては静電気力を利用した手段がより好ましい。記録ヘッド(94)の用紙搬送方向下流側にはインクを乾燥、定着させる手段として加熱ヒータを備える加熱部(120)がある。記録ヘッド(94)により記録された用紙(83)は定着部(121)上で加熱部(120)の輻射熱によりインクの乾燥が行なわれ、用紙(83)の膨潤が抑制される。これによりコックリングが抑制され印写受け部材(109)上で安定した高精度の記録を可能にしていると同時にインクの定着も行なわれるため高速での連続印写も可能となる。なお、定着部(121)に加熱手段を設けて記録媒体の反記録面からインクを乾燥させてやっても良い。ここでは乾燥手段に加熱ヒータを用いたが、この他にインクを乾燥させる手段としてはファンなどを用いた送風やマイクロ波を用いたもの、及びこれらのうち複数を併用したものなどがある。しかし短時間での乾燥効果が不十分であったり消費電力が極大になるといった問題があり、本実施例のように加熱ヒータを主に用いることが好ましい。
【0016】
この印写受け部材(109)の用紙搬送方向下流側には、用紙(83)を排紙方向へ送り出すために回転駆動される搬送コロ(111)、拍車(112)を設け、さらに用紙(83)を排紙トレイ(86)に送り出す排紙ローラ(113)及び拍車(114)と、排紙経路を形成するガイド部材(115),(116)とを配設している。
【0017】
記録時には、キャリッジ(93)を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド(94)を駆動することにより、停止している用紙(83)にインクを吐出して記録し、用紙(83)を所定量搬送後次の行の記録を行なう。記録終了信号または、用紙(83)の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了させ用紙(83)を排紙する。
【0018】
また、キャリッジ(93)の移動方向右端側の記録領域を外れた位置には、ヘッド(94)の吐出不良を回復するための回復装置(117)を配置している。回復装置(117)はキャップ手段と、これに吸収されたインクを該キャップ手段から吸引し去る吸引手段と、ノズル面のインクを拭き取るクリーニング手段を有している。キャリッジ(93)は印字待機中にはこの回復装置(117)側の所定位置(ホームポジション)に移動し、そこでキャッピング手段によりヘッド(94)吐出口部を湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出することにより、全ての吐出口のインク粘度を一定にし、安定した吐出性能を維持する。
【0019】
吐出不良が発生した場合等には、キャッピング手段でヘッド(94)の吐出口(ノズル)を密封し、チューブを通して吸引手段で吐出口からインクとともに気泡等を吸い出し、吐出口面に付着したインクやゴミ等はクリーニング手段により除去され吐出不良が回復される。また、吸引されたインクは、本体下部に設置された廃インク溜(不図示)に排出され、廃インク溜内部のインク吸収体に吸収保持される。
【0020】
ここで、記録ヘッド、印写受け部材(109)、吸着ベルト(122)を有する吸着搬送部、定着部(121)などを含む記録部と定着部の拡大図を図3、図4に示す。
ここで、図3(b)のように記録ヘッド(94)は副走査方向に千鳥状に隣接して並ぶ2列の吐出口が形成されている構造であり、記録媒体の搬送方向における最上流のインク吐出口と最下流のインク吐出口との間の寸法を(L)(ここで、Lは実際に記録に使用される吐出口の両端の距離を示し、記録に使用されないダミーの吐出口などがある場合はこれに含めない)とすると、図3に示す定着部幅(W)は(L)よりも大きい構成となっている。これが小さいと、記録媒体に付着したインクの乾燥むらが出来、記録画像の品質の低下を招いてしまう。
【0021】
(実施例2)
また、他の1具体例として、図4のように定着部(121)における記録媒体の搬送方向の下流側の定着部端(b)は該記録ヘッドにおける最下流側の吐出口から下流側へ距離(L)以上離れたところに位置し、記録媒体の搬送方向の上流側の定着部端(a)は下流側端の吐出口から少なくとも距離(L)未満離れたところに位置する構成とすることが好ましい。記録直後の用紙(83)上のインクを短時間で均一に乾燥できるため、コックリングやインク乾燥不足による不具合に対する信頼性を向上できる。
【0022】
また、図3(b)のように記録ヘッドは(L)が30mm以上が好ましい。吸着手段や定着手段をインクジェット記録装置に備える場合、製造コストの増加につながるが、(L)が30mm未満の場合は、記録媒体の搬送の精度に対する許容も厳しくなく、コックリングの影響も小さいため定着手段を用いてこれを抑制する効果も小さい。また、高精度に記録媒体を搬送するための吸着手段はを30mm以上とすることにより、一般的に使用頻度の高いA4サイズの用紙を吐出口の密度と同等のドット密度の画像で記録する場合、一桁回数の主走査の高速印写が可能となる、近年、プリンタに求められる解像度は高く、記録は600dpi以上の解像度(ドット密度)を満たすことが望まれており吐出口の密度は23/mm以上にすることにより1回の主走査(高速)で高解像度の画像記録が可能となる。
以下、本発明の他の実施例について、図5に従って説明する。
【0023】
(実施例3)
インクジェット記録装置は、ヘッドやボードやモータなどの発熱により装置内の温度が上昇することが知られている。本発明では、図5のように、排気ダクト(130)が形成され排気ファン(131)により装置内の空気が(132)から排気される構成となっている。このため、装置内の空気は図5の矢印の方向に流れ、記録された記録媒体(83)のインクに温風が接触することとなり、インクの乾燥を促進させることが出来る。また、別途定着手段として加熱ヒータなどを備えた場合でもヒータの消費電力を低く抑えることが可能となる。なお、本発明で重要なのは、インクジェット記録装置においてインクの定着を目的としない発熱作用を、コックリング抑制やインクの乾燥に有効利用することであって、排気ダクトやファンなどの機構や構成などは本実施例に限定されるものではない。
【0024】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明から明らかなように、本発明により、記録ヘッドの長尺化に適した高精度で記録媒体の搬送が可能で、かつインクを乾燥させる手段を有する定着部により記録媒体のインクによる膨潤が抑制されコックリングが抑制されるとともに記録媒体上の未乾燥インクの乾燥が促進され連続で高速印刷が可能となる。
また、本発明により、短時間で均一に乾燥できるため、コックリング問題に対する信頼性が高くなる。またインクの乾燥不足に対する信頼性も高くなり、消費電力を抑えられる効果も有し、また、高速で印写が可能となり、また、吸着部と定着部の付帯によるインクジェット記録装置の製造コストアップが必要以上でない(オーバースペックとならない)だけの機能アップ(高速記録、高信頼性)が可能で、高精度に記録媒体を搬送できる吸着搬送を用いた際に問題となるコックリングを抑えられ、安定した高速印写を可能にし、また、安定してインクを効率良く乾燥させることが可能となり、また、インクジェット記録装置においてインクの定着専用の機構でない機構からの発熱を、インクの定着に有効利用することにより、消費電力を小さく出来るという極めて優れた効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置の概略斜視説明図である。
【図2】本発明に係るインクジェット記録装置の機構部の側面説明図である。
【図3】本発明における記録部と定着部の拡大図を示した図である。
【図4】本発明における記録部と定着部の拡大図を示した図である。
【図5】本発明における実施例の構成を示した装置の図である。
【符号の説明】
81 記録装置本体
82 印字機構部
83 用紙
84 給紙カセット
85 手差しトレイ
86 排紙トレイ
91 主ガイドロッド
92 従ガイドロッド
93 キャリッジ
94 インクジェットヘッド
95 インクカートリッジ
97 主走査モータ
98 駆動プーリ
99 従動プーリ
100 タイミングベルト
101 給紙ローラ
102 フリクションパッド
103 ガイド部材
104 搬送ローラ
105 搬送コロ
106 先端コロ
107 副走査モータ
109 印写受け部材
111 搬送 コロ
112 拍車
113 排紙ローラ
114 拍車
115 ガイド部材
116 ガイド部材
117 回復装置
120 加熱手段(ヒータ)
121 定着部
122 静電搬送ベルト
130 排気ダクト
131 排気ファン
132 装置内の空気
a 定着部端
b 定着部端
L 最上流のインク吐出口と最下流のインク吐出口
W 定着部幅
Claims (5)
- 記録ヘッドと、吸着手段を有するプラテン部と、該記録ヘッドより記録媒体の搬送方向の下流側にインクを乾燥させる手段を有する定着部とを有し、前記定着部において、記録媒体の搬送方向の幅が少なくとも、記録媒体の搬送方向における最上流のインク吐出口と最下流のインク吐出口との間の寸法より大きいことを特徴とするインクジェット記録装置。
- 前記定着部における記録媒体の搬送方向の下流側の定着部端は、該記録ヘッドにおける最下流側の吐出口から下流側へ少なくとも最上流のインク吐出口と最下流のインク吐出口との間の寸法以上離れたところに位置し、記録媒体の搬送方向の上流側の定着部端は下流側端の吐出口から少なくとも最上流のインク吐出口と最下流のインク吐出口との間の寸法未満離れたところに位置することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録ヘッドはインク吐出口が記録媒体の搬送方向に並び、記録媒体の搬送方向における最上流のインク吐出口と最下流のインク吐出口との間の寸法が30mm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インクを乾燥させる手段がヒータを用いた加熱手段であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記インクを乾燥させる手段に少なくともインクジェット記録装置の駆動時の発熱が利用されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のインクジェット記録装置。
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US9550375B2 (en) | 2014-10-22 | 2017-01-24 | Ricoh Company, Ltd. | Inkjet image forming apparatus |
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