JP2004276136A - 切削工具用締結ボルト - Google Patents

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Abstract

【課題】切削液の流路及び吐出孔を有し、その吐出孔から吐出される切削液を切れ刃へ確実に供給することができる切削工具用締結ボルトを提供すること。
【解決手段】締結ボルト1が締結されると、ボルト内流路4の上端がアーバー10の切削液流路16と連通される一方、吐出孔6aが遮蔽板7と正面フライスカッター20の底面部との対向面間に形成された空間(流路)を指向する位置に配置される。よって、切削加工時の回転遠心力により吐出孔6aから噴出された切削液は、空間(流路)内を正面フライスカッター20の外径方向(矢印A方向)へ強制的に案内され、正面フライスカッター20の底面部表面に沿った方向(矢印B方向)へ向けて進行される。その結果、スローアウェイチップ25への切削液の供給を確実に行うことができる。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削工具用締結ボルトに関し、特に、切削液の流路および吐出孔を有し、その吐出孔から吐出される切削液を切れ刃へ確実に供給することができる切削工具用締結ボルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属材料の平面切削は、複数のスローアウェイチップを有するフライスカッタを使用して、正面フライス加工により行われるのが一般的である。従来より、このフライスカッタには、スローアウェイチップの切れ刃を潤滑・冷却すると共に切り屑を排出するべく、その切れ刃へ切削液を供給可能に構成されたものがある。
【0003】
例えば、特開平8−39387号公報には、スローアウェイチップの取り付け座面に開口する切削液供給孔をカッタ本体(切削工具本体)に貫設して、アーバー側から供給される切削液をその切削液供給孔(切削液流路)を介してスローアウェイチップの切れ刃に供給し得るように構成されたフライスカッタが記載されている。また、登録実用新案第3016266号公報にも、スローアウェイチップに向かう切削液供給孔をカータ本体に貫設して、切削液を切れ刃へ供給し得るように構成されたフライスカッタが記載されている(特許文献1及び2)。
【0004】
【特許文献1】特開平8−39387号公報(段落[0009]、第2図)
【特許文献2】登録実用新案第3016266号公報(段落[0005]、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スローアウェイチップの切れ刃に切削液を供給する方法として、上述したように、カッタ本体(切削工具本体)に切削液供給孔を貫設する方法を採用した場合には、その切削液供給孔の加工に極めて手間がかかるため、加工時間が嵩み、その分、加工コストが増大するという問題点があった。また、いわゆる乾式切削の要請もあり、その場合には、切削液供給孔が貫設されていないカッタ本体を別途用意しておく必要があり、ユーザーの負担が増大するという問題点があった。
【0006】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、切削液の流路および吐出孔を有し、その吐出孔から吐出される切削液を切れ刃へ確実に供給することができる切削工具用締結ボルトを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために、請求項1記載の切削工具用締結ボルトは、アーバーの略軸中心に螺合され、そのアーバーの下端側へ取り付けられる切削工具本体を締結するために使用されるものであり、前記アーバーに螺合された場合にそのアーバーの切削液流路に連通され1又は複数の吐出孔を有するボルト内流路と、前記アーバーに締結された切削工具本体の下端面と所定間隔を隔てつつその切削工具本体の外径方向へ向けて延設される遮蔽部材とを備え、前記ボルト内流路の吐出孔は、前記遮蔽部材の回転軌跡と前記切削工具本体の下端面との対向面間に形成される空間を指向して開口されている。
【0008】
この請求項1記載の切削工具用締結ボルトによれば、かかる切削工具用締結ボルトがアーバーの略軸中心に螺合されると、そのアーバーの下端側に取り付けられた切削工具本体が締結される。この場合には、切削工具用締結ボルトのボルト内流路がアーバーの切削液流路に連結されるので、その切削液流路からボルト内流路へ切削液が流入されると、その切削液がボルト内流路の吐出孔から吐出される。その結果、切削液が切れ刃に供給される。
【0009】
ここで、吐出孔は、遮蔽部材の回転軌跡と切削工具本体の下端面との対向面間に形成される空間を指向して開口されているので、その空間内へ切削加工時の回転遠心力により吐出孔から噴出された切削液は、遮蔽板と切削工具本体の下端面とに案内され切削工具本体の外径方向へ向けて流動される。その結果、切れ刃への切削液の供給が確実化される。
【0010】
請求項2記載の切削工具用締結ボルトは、請求項1記載の切削工具用締結ボルトにおいて、前記遮蔽部材は、軸方向視において前記ボルト内流路の吐出孔に対応する位置に少なくとも設けられている。
【0011】
請求項3記載の切削工具用締結ボルトは、請求項1又は2記載の切削工具用締結ボルトにおいて、前記遮蔽部材の少なくとも一部は、その回転軌跡が前記吐出孔からの切削液の吐出方向に沿った仮想線と交差する位置まで前記切削工具本体の外径方向へ向けて延設されている。
【0012】
請求項4記載の切削工具用締結ボルトは、請求項1から3のいずれかに記載の切削工具用締結ボルトにおいて、前記遮蔽部材が前記切削工具本体の外径方向へ向けて延設される延設長さは、前記吐出孔が開口される切削工具本体の外周面から少なくとも5mm以上の長さとされている。
【0013】
【発明の効果】請求項1記載の切削工具用締結ボルトによれば、アーバーの切削液流路に連通され1又は複数の吐出孔を有するボルト内流路を備えているので、そのボルト内流路内へアーバーの切削液流路から流入された切削液を吐出孔から吐出して切れ刃に供給することができるという効果がある。よって、従来の切削工具のように、切削工具本体に切削液流路を貫設加工する必要がなく、その結果、その切削工具本体の切削液流路と連通させるためにアーバーの切削液流路を複雑な経路で貫設加工する必要もないので、手間のかかる加工を不要とすることができ、その分、加工コストの低減を図ることができるという効果がある。
【0014】
また、切削工具本体に切削液流路を貫設する必要がないので、本発明の切削工具用締結ボルトとボルト内流路を有しない通常のボルトとを適宜使い分けることにより、1の切削工具本体(及びアーバー)で湿式および乾式の両切削加工を行うことができるという効果がある。よって、締結ボルトを変更するだけで切削仕様(湿式および乾式)を変更することができるので、従来の切削工具のように、乾式切削用に切削工具本体を別途用意しておく必要がなく、また、仕様の変更も簡便化されるので、ユーザーの負担を低減しつつその使い勝手の向上を図ることができるという効果がある。
【0015】
更に、本発明の切削工具用締結ボルトは、切削工具本体の外径方向へ向けて延設される遮蔽部材を備えており、ボルト内流路の吐出孔は、その遮蔽部材の回転軌跡と切削工具本体の下端面との対向面間に形成される空間を指向して開口されている。よって、吐出孔から切削加工時の回転遠心力により切削液が噴出された場合には、かかる切削液の流動方向を遮蔽部材の回転軌跡と切削工具本体の下端面とによって切削工具本体の外径方向へ案内することができるので、切削液が四方八方に飛散することを抑制して、切れ刃への切削液の供給を確実に行うことができるという効果がある。
【0016】
請求項2記載の切削工具用締結ボルトによれば、請求項1記載の切削工具用締結ボルトの奏する効果に加え、遮蔽部材は、軸方向視においてボルト内流路の吐出孔に対応する位置に少なくとも設けられているので、例えば、切削速度(主軸回転速度)が低速とされる場合でも、吐出孔から吐出される切削液を遮蔽部材によって切削工具本体の外径方向へ確実に案内して、切れ刃への切削液の供給をより確実に行うことができるという効果がある。
【0017】
請求項3記載の切削工具用締結ボルトによれば、請求項1又は2に記載の切削工具用締結ボルトの奏する効果に加え、遮蔽部材の少なくとも一部は、その回転軌跡が吐出孔からの切削液の吐出方向に沿った仮想線と交差する位置まで切削工具本体の外径方向へ向けて延設されているので、その吐出孔から吐出される切削液を遮蔽部材によって切削工具本体の外径方向へ確実に案内して、切れ刃への切削液の供給をより確実に行うことができるという効果がある。
【0018】
請求項4記載の切削工具用締結ボルトによれば、請求項1から3のいずれかに記載の切削工具用締結ボルトの奏する効果に加え、遮蔽部材は、吐出孔が開口される切削工具本体の外周面からその外径方向へ向けて少なくとも5mm以上の長さだけ延設されているので、例えば、吐出孔からの切削液の吐出方向に沿った仮想線の下降傾斜角度(傾斜部材方向への傾斜角度)が大きくされた場合でも、その吐出孔から吐出される切削液を遮蔽部材によって切削工具本体の外径方向へ確実に案内して、切れ刃への切削液の供給をより確実に行うことができるという効果がある。
【0019】
その結果、ボルト内流路を下降傾斜させて貫設することができるので、その分、六角レンチ等の工具を挿通するための六角穴の凹設スペースをボルト内流路の下方に確保することができると共に、吐出孔を遮蔽部材と切削工具本体の底面部との対向面間に形成される空間へ向けて開口させ、切削液を切削工具本体に遮られることなく吐出することができるので、切れ刃への切削液の供給を円滑に行うことができるという効果がある。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施例における締結ボルト1を示す図であり、図1(a)は、締結ボルト1の正面図であり、図1(b)は、締結ボルト1の底面図である。なお、図1では、おねじ部2のねじ山(ねじ溝)の図示を省略しており、他の図においても同様である。
【0021】
本実施例の締結ボルト1は、アーバー10(図2参照)の下端側に取り付けられた正面フライスカッター20(図3参照)を締結するために使用される締結用のボルトである。この締結ボルト1には、切削液の流路(ボルト内流路4)が貫設されており、その流路の終端(吐出孔6a)から切削液を吐出可能に構成されている。そのため、かかる締結ボルト1を使用した場合には、通常の正面フライスカッター20、即ち、切削液の流路が貫設されていない工具であっても、そのスローアウェイチップ25へ切削液を供給して、湿式切削を行うことができる(図4参照)。
【0022】
締結ボルト1は、締結用のボルトに適した金属材料(例えば、SUSやSCMなど)から構成された六角穴付きボルトであり、おねじ部2、本体部3、ボルト内流路4、遮蔽板7などを主に備えて構成されている。おねじ部2は、アーバー10のめねじ部15(図2参照)に螺合される部位であり、図1(a)に示すように、本体部3の上端面側(図1(a)上側)に突設されている。なお、おねじ部2のねじの呼びは、本実施例では、M12×1.75とされている。
【0023】
本体部3は、おねじ部2と略同心の略円柱状体に形成されており、おねじ部2がアーバー10のめねじ部15に螺合された場合には、その上端面(図1上側面)が正面フライスカッター20の底面部を押圧するように構成されている(図4参照)。正面フライスカッター20は、後述するように、この押圧によってアーバー10に押し付けられて締結される。
【0024】
なお、本体部3の高さ(図1(a)上下高さ)寸法は、後述する遮蔽板7と正面フライスカッター20の底面部との対向面間に所定の隙間(空間)が形成されるように設定されている(図4参照)。この対向面間隔は、略2mm以上、かつ、略6mm以下の範囲(但し、締結ボルト1の底面部が加工面に接触しない範囲)とすることが好ましく、本実施例では、その対向面間隔が略4mmとなるように、本体部3の高さが設定されている。
【0025】
おねじ部2及び本体部3には、図1(a),(b)に示すように、ボルト内流路4が貫設されている。ボルト内流路4は、アーバー10の切削液流路16から供給される切削液の流路を形成するための貫通通路であり、主流路5と、分岐流路6とを備えて構成されている。
【0026】
主流路5は、アーバー10から供給される切削液が流下する流路であり、図1(a)に示すように、おねじ部2の略軸心に沿って凹設されている。主流路5は、その上端(図1(a)上側)がおねじ部2の上端面の略中心部に開口して形成されているので、おねじ部2をアーバー10のめねじ部15(図2参照)に螺合することにより、かかる開口部を介して、アーバー10の切削液流路16に連通可能に構成されている(図4参照)。このように、おねじ部2の上端面に主流路5を開口させることにより、後述するように、アーバー10の切削液流路16を1本の直線経路で貫設することができるので(図2参照)、従来のアーバーのような複雑な経路での貫設加工を不要とすることができる。
【0027】
一方、分岐流路6は、主流路5から供給される切削液を正面フライスカッター20のスローアウェイチップ25へ吐出するための流路であり(図4参照)、図1(a)に示すように、主流路5の終端から分岐しつつ本体部3の外周面へ向けて下降傾斜して形成されている。分岐流路6の終端は、本体3の外周面に開口されており、切削液は、この開口部(以下、「吐出孔」と称す。)6aから正面フライスカッター20の底面側に吐出される(図4参照)。
【0028】
本実施例の分岐流路6は、図1(b)に示すように、主流路5の終端から5本が分岐されており、これら各分岐流路6は、本体部3の周方向略等間隔(即ち、略72°間隔)に配設されている。但し、ボルト内流路5を分岐流路6によって分岐させる必要は必ずしもなく、分岐流路6を1本のみとすることは当然可能である。
【0029】
なお、本実施例では、主流路5の流路径が直径略5mmとされており、分岐流路6の流路径が直径略2mmとされている。また、分岐流路6の下降傾斜角度は、締結ボルト1(おねじ部2)の軸心方向(図1(a)上下方向)に垂直な面に対して、略20°とされている。
【0030】
このように、分岐流路6を下降傾斜して形成することにより、後述する六角穴8を凹設するためのスペースを主流路5の下方に確保して、その六角穴を六角レンチと嵌合させるに十分な深さで凹設することができると共に、正面フライスカッター20の締結時には(図4参照)、吐出孔6aを後述する傾斜板7と正面フライスカッター20の底面部との対向面間へ向けて開口させ、切削液を正面フライスカッター20に遮られることなく吐出することができるので、スローアウェイチップ25への切削液の供給を円滑に行うことができる。
【0031】
本体部3の下端部には、図1(a),(b)に示すように、その外径方向へ向けて略フランジ状に延設された遮蔽板7が配設されている。この遮蔽板7は、締結ボルト1がアーバー10に螺合された場合に、正面フライスカッター20の下端面と所定間隔を隔てつつ対向して配置されるように構成されており(図4参照)、その結果、この遮蔽板7と正面フライスカッター20の底面部との対向面間には、切削液の通路となる空間(流路)が形成される。
【0032】
よって、切削加工時の回転遠心力により吐出孔6aから切削液が噴出された場合には、かかる切削液の進行方向を遮蔽板7により形成される空間(流路)に沿って正面フライスカッター20の外径方向へ強制的に案内することができるので、切削液が四方八方に飛散することを抑制して、かかる切削液をスローアウェイチップ25の切れ刃へ確実に供給することができる(図4参照)。
【0033】
なお、遮蔽板7の直径は、略35mm以上とすることが好ましく、本実施例では、略55mmとされている。また、遮蔽板7が本体部3の外周面(即ち、吐出孔6aの開口面)から延設される延設長さは、略5mm以上とすることが好ましく、本実施例では、略11mmとされている。
【0034】
本体部3の底面部には、六角レンチを挿通可能な六角穴8が凹設されており、締結ボルト1は、この六角穴8を利用して、アーバー10へ螺合される。
【0035】
次いで、図2を参照して、アーバー10について説明する。図2(a)は、アーバー10の正面図であり、図2(b)は、アーバー10の下面図である。なお、図2では、めねじ部2のねじ山(ねじ溝)の図示を省略しており、他の図においても同様である。
【0036】
アーバー10は、後述する正面フライスカッター20(図3参照)を保持しつつ自動工具交換装置付きマシニングセンタ(以下、「MC」と称す。)等の工作機械(図示せず)に装着されるもの(ツールシャンク)であり、シャンク部11と、フランジ部12と、ピン13と、位置決めボス14とを主に備えて構成されている。なお、本実施例のアーバー10は、主軸テーパBT30番タイプのMCに対応するべく、シャンク部11及びフランジ部12の主要部がJIS−B6339の規格寸法(呼び番号:BT30)に準じて構成されている。
【0037】
シャンク部11は、図2(a)に示すように、所定のテーパ面(テーパ角度7/24)に形成されると共に、その先端側(図2(a)上側)には、プルスタッド(図示せず)が螺着されている。MCへの装着時には、このプルスタッドが引っ張られることにより、シャンク部11がMCの主軸テーパ穴に挿入され、互いのテーパ面同士が強固に密着される。なお、プルスタッドには、貫通穴が貫設されており、その貫通穴を介して、後述する切削液流路16とMCの流路とを連通可能に構成されている。
【0038】
フランジ部12は、シャンク部11の下端側(図2(a)下側)に連設されており、係止部12aと、キー溝12bとを主に備えている。係止部12aは、自動工具交換装置のマガジン内への収納時や工具交換アームによる工具交換時に掴持される部位であり、図2(a)に示すように、フランジ部12の周方向に沿って略溝状に凹設されている。キー溝12bは、MCから突出されるキーを受け入れてアーバー10を周方向に固定するための部位であり、図2(b)に示すように、2カ所に対向して刻設されている。
【0039】
フランジ部12の下端面12cは、後述する正面フライスカッター20の上端面22a(図3参照)との合わせ面となる部位であり、この合わせ面(下端面12c)には、図2(a),(b)に示すように、複数(本実施例では、3本)のピン13が周方向略等間隔に打ち込まれている。これら各ピン13は、正面フライスカッター20を周方向へ固定するための部材であり、正面フライスカッター20の上端面22aに凹設される受入穴23(図3参照)に嵌め込まれる。
【0040】
また、フランジ部12の下端面12cには、図2(a)に示すように、その略中心部に位置決めボス14が突設されている。この位置決めボス14は、正面フライスカッター20の上端面22aに凹設される位置決め穴23(図3参照)に嵌め込まれるものであり、その内周には、図2(b)に示すように、めねじ部15が螺刻されている。このめねじ部15には、上述したように、締結ボルト1のおねじ部2が螺合され、かかる螺合により、正面フライスカッター20(図3参照)がアーバー10に締結される。
【0041】
なお、アーバー10(シャンク部11及びフランジ部12)には、図2(a),(b)に示すように、その略軸心を通過する位置に切削液流路16が貫設されている。この切削液流路16は、MCから供給される切削液の流路を形成するための貫通穴であり、その上端側は、上述したプルスタッドの貫通穴を介して、MCの流路と連通可能に構成され、下端側は、上述しためねじ部15を介して、締結ボルト1のボルト内流路4に連通可能に構成されている。その結果、MCから供給された切削液は、アーバー10の切削液流路16を介して、締結ボルト1のボルト内流路4に流下される。
【0042】
このように、アーバー10は、従来のアーバーのように、正面フライスカッターに貫設された切削液流路と連通させるべく、複雑な経路形状で切削液流路を貫設加工して、その切削液流路を正面フライスカッターとの合わせ面まで取り回す必要がなく、図2(a),(b)に示すように、1本の切削液流路16を略軸中心に沿って貫設するだけで良いため、手間のかかる加工を不要として、その分、加工コストを低減することができる。
【0043】
次に、図3を参照して、正面フライスカッター20について説明する。図3(a)は、正面フライスカッター20の上面図であり、図3(b)は、図3(a)のIIIb−IIIb線における正面フライスカッター20の断面図である。
【0044】
正面フライスカッター20は、アーバー10を介してMCの回転力が伝達され、主に、アルミ部品等の面加工を行う用途に用いられる鋼製の工具であり、本体21と、台座22と、受入穴23と、位置決め穴24とを主に備えて構成されている。
【0045】
本体21は、正面フライスカッター20の骨格をなす部材であり、図3(a)、(b)に示すように、その縁端部には、5枚のスローアウェイチップ25が着脱可能に取着されている。これら各スローアウェイチップ25には、締結ボルト1の吐出孔6aから吐出された切削液が供給される(図4参照)。なお、本実施例の正面フライスカッター20は、そのカッター直径が略125mmとされている。
【0046】
本体21の上端側(図3(b)上側)には、台座22が略円筒状に形成されている。この台座22の上端面22aは、上述したアーバー10のフランジ部12の下端面12c(図2参照)との合わせ面となる部位であり、この合わせ面(上端面22a)には、図3(a),(b)に示すように、上述したピン13(図2参照)を受け入れるための受入穴23(本実施例では、3カ所)が凹設されている。また、上端面22aの略中心部には、図3(a),(b)に示すように、上述したアーバー10の位置決めボス14(図2参照)が嵌め込まれる位置決め穴24が凹設されている。
【0047】
次に、図4を参照して、締結ボルト1を使用して、アーバー10へ正面フライスカッター20を締結する締結方法、及び、その締結後の各部品の接続状態について説明する。図4は、アーバー10へ正面フライスカッター20が締結ボルト1により締結された状態を示す部分断面正面図である。
【0048】
締結に際しては、まず、アーバー10の下端面12cと正面フライスカッター20の上端面22aとを合わせ面として、図4に示すように、正面フライスカッター20をアーバー10の下端側に取り付ける。この場合には、アーバー10の位置決めボス14及びピン13を正面フライスカッター20の位置決め穴24及び受入穴23にそれぞれ嵌め込む。
【0049】
次いで、締結ボルト1を正面フライスカッター20の下端側から挿入し、その締結ボルト1のおねじ部2をアーバー10のめねじ部15に螺合する。その結果、図4に示すように、ピン13と受入穴23との係合により正面フライスカッター20を周方向に固定(回り止め)しつつ、その正面フライスカッター20をアーバー10に締結することができる。
【0050】
このように、締結ボルト1によって、アーバー10へ正面フライスカッター20が締結されると、締結ボルト1のボルト内流路4は、図4に示すように、その上端がアーバー10の切削液流路16と連通され、また、締結ボルト1の遮蔽板7と正面フライスカッター20の底面部(下端面)との対向面間には、上述したように、切削液の通路となる空間(流路)が形成される。そして、ボルト内流路4の吐出孔6aは、この空間(流路)を指向して開口する位置に配置される。
【0051】
よって、切削加工時の回転遠心力により吐出孔6aから切削液が噴出されると、その切削液は、図4に示すように、その進行方向が遮蔽板7と正面フライスカッター20の底面部との対向面間に形成される空間(流路)により正面フライスカッター20の外径方向(矢印A方向)へ強制的に案内され、その正面フライスカッター20の底面部表面に沿った方向(矢印B方向)へ向けて進行される。その結果、切削加工時には、吐出された切削液が四方八方に飛散することを抑制して、スローアウェイチップ25の切れ刃への切削液の供給を確実に行うことができる。
【0052】
次に、本発明の締結ボルト1を使用した切削試験の結果を説明する。この切削試験は、締結ボルト1(ボルト内流路4及び遮蔽板7)による切削液の供給性能を確認するべく、切削速度と加工面の表面粗さとの関係を測定する試験である。
【0053】
切削試験の詳細諸元は、使用機械:縦型マシニングセンタ、切削速度:500m/min〜4000m/min、主軸回転速度:1273rpm〜10200rpm、一刃当たりの送り量:0.09mm/刃、切り込み深さ:0.5mm、切削幅:80mm、テーブル送り速度:573mm/min〜4590mm/min、被削材:JIS−A5052、切削液:水溶性切削油剤である。
【0054】
また、切削試験には、3種類の切削工具を使用した。これら各切削工具を構成する部品(アーバー、正面フライスカッター及び締結ボルト)の材質や寸法等は、本実施例で説明したものと略同一とされているが、切削液流路の有無、及び、その切削液流路の貫設位置がそれぞれ異なっている。
【0055】
具体的には、第1の切削工具(以下、「従来品A」と称す。)は、通常の締結ボルト(即ち、上述したボルト内流路4及び遮蔽板7を有しない締結ボルト)を使用して、本実施例で説明した正面フライスカッター20をアーバー10へ締結した切削工具である。即ち、従来品Aは、図4に示す切削工具において、締結ボルト1を通常の締結ボルトに変更したものであり、いわゆる乾式切削用の切削工具である。
【0056】
第2の切削工具(以下、「従来品B」と称す。)は、従来品Aと同様に、通常の締結ボルトを使用して、正面フライスカッターをアーバーへ締結した切削工具であるが、この正面フライスカッターの本体には、切削液流路が貫設されており、いわゆる湿式切削用の切削工具である。この切削液流路の終端は、スローアウェイチップの近傍に開口されており、その開口部からスローアウェイチップの切れ刃へ向けて切削液を直接的に供給可能に構成されている(上述した特許文献1及び2を参照)。
【0057】
第3の切削工具(以下、「発明品C」と称す。)は、本実施例で説明した切削工具(締結ボルト1、アーバー10及び正面フライスカッター20)である(図4参照)。
【0058】
図5は、従来品A、従来品B及び本発明品Cについて、切削速度Vと表面粗さRyとの関係を示した図である。図5中、横軸31は切削速度Vを示しており、縦軸32は、加工面の表面粗さRyを示している。又、折れ線33(四角記号)は、従来品Aのグラフであり、折れ線34(丸記号)は、従来品Bのグラフであり、そして、折れ線35(三角記号)は、本発明品Cのグラフである。なお、図5中の各測定値は、加工面3カ所で測定した値の3点平均値である。
【0059】
測定結果を比較すると、図5中の各折れ線33〜35が示すように、従来品A、従来品B及び発明品Cは、一刃当たりの送り量を一定とする試験条件に起因して、それぞれ切削速度V(即ち、主軸回転速度)の高速化に伴って、表面粗さRyの値が漸次減少しており、また、その表面粗さRyの値は、湿式切削の場合(従来品B及び発明品C)が乾式切削の場合(従来品A)よりも相対的に小さな値を示している。これは、切削液による潤滑・冷却効果、及び、切り屑の排出効果によるものと考えられる。
【0060】
ここで、切削速度Vの値がV=1000m/min以下の範囲では、図5中の折れ線34,35が示すように、従来品Bと発明品Cとの間に大きな差異はなく、表面粗さRyの値がそれぞれ略同等の値を示している。よって、この切削速度域では、従来品Bと発明品Cとの切削性能が略同等、即ち、切削液を切れ刃へ供給する供給性能が略同等であることが確認される。
【0061】
しかし、従来品Bは、切削速度Vの値がV=1000m/minを超えると、図5の折れ線34が示すように、切削速度Vの値が上昇した場合でもその表面粗さRyの値がほとんど減少していない。これは、従来品Bでは、切削速度Vの高速化に伴って、吐出された切削液が四散してしまうためである。そのため、切削速度Vの値がV=4000m/minに達した場合には、切削液が切れ刃にほとんど供給されなくなり、乾式切削と略同条件下での切削となる結果、その表面粗さRyの値が従来品A(乾式切削)の場合と略同等の値を示すこととなる。
【0062】
一方、発明品Cは、切削速度Vの値がV=1000m/minを超えた場合でも、図5の折れ線35が示すように、切削速度Vの高速化に伴って表面粗さRyの値が順調に減少されており、この傾向は、切削速度Vの値がV=4000m/minに達するまで継続されている。これにより、発明品Cは、上述したように、切削液の進行方向を遮蔽板7によって強制的に案内して、その切削液の四散を抑制することにより、スローアウェイチップ25の切れ刃へ切削液を確実に供給することができると共に、この切削液の供給性能は、切削速度Vが高速化された場合でも、継続して発揮されることが確認された。
【0063】
次に、従来品A、従来品B及び発明品Cを使用して行った耐久試験の結果について説明する。この耐久試験は、各切削工具の切刃に所定の逃げ面最大摩耗幅が生じるまでの切削距離を測定する試験である。なお、耐久試験の詳細諸元は、被削材:JIS−SUS630、一刃当たりの送り量:0.1mm/刃、試験打ち切り逃げ面最大摩耗幅VB:0.15mmであり、その他の諸元については、上述した切削試験に同じである。
【0064】
図6は、耐久試験の結果を従来品A、従来品B及び発明品Cについて示した図である。図6中、横軸41は耐久試験を行った測定品名を示しており、縦軸42は耐久試験において被削材を切削した切削距離Yを示している。また、縦棒43は従来品Aのグラフであり、縦棒44は従来品Bのグラフであり、そして、縦棒45は、本発明品Cのグラフである。
【0065】
耐久試験結果を比較すると、図6に示すように、切削距離Yの値は、切削液による冷却・潤滑効果や切り屑の排出効果に起因して、湿式切削の場合(従来品B及び発明品C)の場合が乾式切削の場合(従来品A)よりも優れた値を示しているが、その中でも発明品Cの切削距離Y(Y=20m)は、従来品Bの切削距離Y(Y=10m)の略2倍程度の値を示している。これにより、発明品Cは、従来品Bと比較して、スローアウェイチップ25の切れ刃へ切削液の供給がより効率的に行われていることが確認された。
【0066】
次に、図7を参照して第2実施例について説明する。第1実施例の締結ボルト1では、遮蔽板7が正面視略円形に構成されたのに対し、第2実施例の締結ボルト101では、遮蔽板107の外周端の複数箇所に張出部107bが張り出して構成されている。なお、前記した第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0067】
図7は、第2実施例における締結ボルト101を示す図であり、図7(a)は、締結ボルト101の正面図であり、図7(b)は、締結ボルト101の底面図である。
【0068】
遮蔽板107は、図7(a),(b)に示すように、正面視略円形の円盤部107aと、その円盤部107aの外周端から外径方向へ張り出して形成される張出部107aとを備えて構成されている。張出部107aは、遮蔽板107全体としての回転軌跡径を拡大して、その回転軌跡の外終端を吐出孔6aからの切削液の吐出方向に沿った仮想線(即ち、分岐流路6の貫設方向に沿った仮想線)と交差する位置よりも外方へ延長するための部材であり、図7(b)に示すように、円盤部107aの外周部の複数箇所(本実施例では、5カ所)に形成されている。
【0069】
よって、切削加工時には、この張出部107aの張り出し長さ分だけ、遮蔽板107全体としての回転軌跡が大きくなり、その回転軌跡と正面フライスカッター20の底面部との対向面間に形成される空間(流路)長を外径方向へ延長することができるので、その分、正面フライスカッター20外径方向への切削液の案内効果をより高めることができ、スローアウェイチップ25の切れ刃へ切削液をより確実に供給することができる。
【0070】
本実施例の各張出部107aは、図7(b)に示すように、遮蔽板107の周方向略等間隔(即ち、略72°間隔)に配設されており、その周方向配設位置は、分岐流路6(吐出孔6a)の配設位置と重ならないように構成されている。これにより、各張出部107aの隣接間に形成される凹部から本体部3へ向けてドリル等を挿通することができるので、張出部107aにより遮蔽板107の回転軌跡径を拡大した場合でも、分岐流路6の貫設加工を遮蔽板107側(即ち、図7(a)の下側)から本体部3へ向けて行うことができる。よって、遮蔽板107と反対側から分岐流路6の貫設加工を行って、吐出孔6aと反対側の開口部を止栓するといった煩雑な加工をする必要がない。
【0071】
なお、第2実施例では、円盤部107aの直径が略55mmとされており、張出部107aが円盤部107aの外周端から張り出す張り出し量は、略5mmとされている。よって、本実施例では、張出部107aを含めた遮蔽板107全体としての回転軌跡径は、直径略65mmとされている。
【0072】
次に、図8(a)を参照して第3実施例について説明する。第1実施例の締結ボルト1では、遮蔽板7の案内面が略水平に構成されたのに対し、第3実施例の締結ボルト201では、遮蔽板207の案内面が下降傾斜して構成されている。なお、前記した第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0073】
図8(a)は、第3実施例における締結ボルト201を示す図であり、その締結ボルト201により正面フライスカッター220がアーバー210へ締結された状態を示している。
【0074】
遮蔽板207は、第1実施例と同様に、正面視略円形に構成されており、この遮蔽板207の肉厚は、図8(a)に示すように、外径方向を指向して略テーパ状に収縮して構成されている。その結果、遮蔽板207の案内面(図8(a)上側面)は、吐出孔6aからの切削液の吐出方向に沿った仮想線(即ち、分岐流路6の貫設方向に沿った仮想線)と略平行とされている。
【0075】
このように構成することにより、切削加工時の回転遠心力により吐出孔6aから切削液が噴出された場合には、かかる切削液を遮蔽板207の案内面に沿う方向(矢印C方向)へ向かって円滑に案内することができるので、例えば、図8(a)に示すように、正面フライスカッター220のカッター直径が小径の場合には、そのスローアウェイチップ25への切削液の供給を効率的に行うことができる。
【0076】
次に、図8(b)を参照して第4実施例について説明する。第4実施例の締結ボルト301は、張出部307bが円盤部307aに対して上方へ跳ね上げられて構成されている。なお、前記した第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0077】
図8(b)は、第4実施例における締結ボルト301を示す図であり、その締結ボルト301により正面フライスカッター320がアーバー310へ締結された状態を示している。
【0078】
第4実施例における遮蔽板307は、円盤部307aと張出部307bとを備え、張出部307bが円盤部207aの外周端の複数箇所から外径方向へ張り出して形成されている(図7の第2実施例参照)。そして、この張出部307bは、図8(b)に示すように、円盤部307aから正面フライスカッター320の底面側へ向けて跳ね上げられた状態に形成されている。
【0079】
その結果、切削加工時の回転遠心力により吐出孔6aから切削液が噴出された場合には、かかる切削液を張出部307bの回転軌跡上に衝突させることにより、その進行方向を正面フライスカッター320の底面側へ強制的に案内して、正面フライスカッター320の底面部表面に沿わせつつ進行させることができるので、切削液が四方八方に飛散することを抑制して、かかる切削液をスローアウェイチップ25の切れ刃へ確実に供給することができる。
【0080】
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
【0081】
上記各実施例では、正面フライスカッター20,120,220,320とアーバー10,110,210,310との周方向への固定(回り止め)方法として、ピン13及び受入穴23を使用する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるわけではなく、かかる周方向への固定を、例えば、キーとキー溝との係合により達成するように構成することは当然可能である。
【0082】
また、上記各実施例の締結ボルト1,101,201,301では、遮蔽板7,107,207,307(第2及び第3実施例では、円盤部107a,307a)が正面視略円形に構成される場合を説明したが、必ずしもこれに限られるわけではなく、例えば、遮蔽板7,107,207,307を所定幅を有する複数の板状体(即ち、第2及び第4実施例における張出部107b,307bに相当する部材)から構成し、この板状体を本体部3の外周から直接張り出させることは当然可能である。
【0083】
この場合には、各板状体の張り出し位置を軸方向視において吐出孔6aの開口位置と対応させることが好ましい。これにより、例えば、切削速度(主軸回転速度)が低速とされる場合でも、切れ刃への切削液の供給をより確実に行うことができる。
【0084】
更に、第1実施例では、遮蔽板7の外終端が吐出孔6aからの切削液の吐出方向に沿った仮想線(即ち、分岐流路6の貫設方向に沿った仮想線)と交差する位置よりも内方(軸心側)に位置する場合を説明したが、必ずしもこれに限られるわけではなく、その外終端をかかる仮想線と交差する位置よりも外方へ延長するべく、遮蔽板7の外径を拡径して構成することは当然可能である。
【0085】
この場合において、分岐流路6の貫設加工は、遮蔽板7側(図1(a)下側)から本体部3へ向けて行っても良く、或いは、遮蔽板7と反対側(図1(a)上側)から行っても良い。前者の場合には、遮蔽板7も同時にドリル等の工具を貫通させつつ分岐流路6の貫設加工を行えば良く、後者の場合には、吐出孔6aと反対側の開口部を止栓処理すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における締結ボルトを示す図であり、(a)は締結ボルトの正面図であり、(b)は締結ボルトの底面図である。
【図2】(a)はアーバーの正面図であり、(b)はアーバーの下面図である。
【図3】(a)は正面フライスカッターの上面図であり、(b)は図3(a)のIIIb−IIIb線における正面フライスカッターの断面図である。
【図4】アーバーに正面フライスカッターが締結された状態を示す部分断面正面図である。
【図5】切削速度と表面粗さとの関係を示した図である。
【図6】耐久試験の結果を示した図である。
【図7】第2実施例における締結ボルトを示す図であり、(a)は締結ボルトの正面図であり、(b)は締結ボルトの底面図である。
【図8】(a)は第3実施例における締結ボルトを示す図であり、(b)は第4実施例における締結ボルトを示す図である。
【符号の説明】
1,101,201,301 締結ボルト(切削工具用締結ボルト)
4 ボルト内流路
5 主流路(ボルト内流路の一部)
6 分岐流路(ボルト内流路の一部)
6a 吐出孔
7,107,207,307 遮蔽板(遮蔽部材)
107a,307a 円盤部(遮蔽部材の一部)
107b,307b 張出部(遮蔽部材の一部)
10,110,210,310 アーバー
15 めねじ部(切削液流路の一部)
16 切削液流路
20,120,220,320 正面フライスカッター(切削工具本体)
25 スローアウェイチップ

Claims (4)

  1. アーバーの略軸中心に螺合され、そのアーバーの下端側へ取り付けられる切削工具本体を締結するために使用される切削工具用締結ボルトにおいて、
    前記アーバーに螺合された場合にそのアーバーの切削液流路に連通され1又は複数の吐出孔を有するボルト内流路と、前記アーバーに締結された切削工具本体の下端面と所定間隔を隔てつつその切削工具本体の外径方向へ向けて延設される遮蔽部材とを備え、
    前記ボルト内流路の吐出孔は、前記遮蔽部材の回転軌跡と前記切削工具本体の下端面との対向面間に形成される空間を指向して開口されていることを特徴とする締結ボルト。
  2. 前記遮蔽部材は、軸方向視において前記ボルト内流路の吐出孔に対応する位置に少なくとも設けられていることを特徴とする請求項1記載の切削工具用締結ボルト。
  3. 前記遮蔽部材の少なくとも一部は、その回転軌跡が前記吐出孔からの切削液の吐出方向に沿った仮想線と交差する位置まで前記切削工具本体の外径方向へ向けて延設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の切削工具用締結ボルト。
  4. 前記遮蔽部材が前記切削工具本体の外径方向へ向けて延設される延設長さは、前記吐出孔が開口される切削工具本体の外周面から少なくとも5mm以上の長さとされていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の切削工具用締結ボルト。
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