JP2004276078A - 金属材料の部分強化方法およびその装置 - Google Patents

金属材料の部分強化方法およびその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、成形性の良好な相対的に低い強度(硬さ、降伏強度)の金属材料について、その強化必要部分のみをプレス加工で部分強化する部分強化方法とその装置とを提案することである。
【解決手段】本発明の金属材料の部分強化方法は、金属材料の被強化部位の表裏面に材料の塑性流動による塑性ひずみを付与して凹凸面を形成する第1プレス工程と、形成された凹凸面にさらに塑性流動による塑性ひずみを付与して平面を形成する第2プレス工程とを有することを特徴とする。
また、第2プレス工程ではプレス方向へ静水圧を負荷すると同時に平面方向へ剪断力を付与して平面を形成することもできる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は金属材料の一部分を強化する金属材料の部分強化方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に成形品の材料選定に当たっては、必要強度の最大値を満足する硬さや降伏強度を有する材料を選定したり、あるいは、プレス成形後に熱処理を施して成形品全体の強度を向上させることのできる熱処理材料を考慮することがある。
【0003】
しかし、最も強度が要求される部位の強度に合わせて材料を選定すると、全体としてはプレス成形性が低下して場合によっては成形不可能となることもある。さらに、高強度材料は一般的に高価であり、必要部位以外の部位では、厚さが本来必要とされる厚さよりも厚くて不経済である。一方、プレス成形後に熱処理を施して強度アップを図る方法では、熱処理工程が増加するために設備と工程が増加し、コストアップ要因となる。
【0004】
また、極めて限られた部分を強化する方法として、プレス成形後に強化要求部位にショットブラスト加工を施して部分強化する方法が行われている。さらに、鋼板製のプレス成形品に対して部分的に溶射を行って溶射皮膜を形成し、必要部分の板厚を増加させる方法(特許文献1)や、強化必要部位を他の部位よりも高温に加熱し、また急冷することにより強化する方法(特許文献2)なども開示されている。
【0005】
ところで、車両の軽量化要求によって各部材の薄肉化や材料の軽量化(アルミ化)等が進んでいる。例えば、従来は鋼板の成形品であったサスペンションメンバーやボディーの骨格部材などについてもアルミ化による軽量化が図られている。
【0006】
しかし、アルミニウムは鋼材に比べて硬さが低いために、アルミニウム合金で成形されたサスペンションメンバーのロアアームやアッパーアームが取り付く部位では、走行時にブッシュが取り付け面内で摺動するために摺動面が摩耗する可能性がある。このため、ブッシュのサイズを大きくして限界面圧を低減させたり、アルミニウム合金の中でもできるだけ強度の高い合金を使用するといった対策がとられている。しかし、これらの方法ではコストが上昇したり、成形性が低下するといった問題が生じている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−3427号公報
【特許文献2】
特開2002−241835号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような事情に鑑みてなされたもので、本発明の課題は、成形性の良好な相対的に低い強度(硬さ、降伏強度)の金属材料について、その強化必要部分のみをプレス加工で強化する部分強化方法とその装置とを提案することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の金属材料の部分強化方法は、金属材料の被強化部位の表裏面に材料の塑性流動による塑性ひずみを付与して凹凸面を形成する第1プレス工程と、形成された凹凸面にさらに塑性流動による塑性ひずみを付与して平面を形成する第2プレス工程とを有することを特徴とする。
【0010】
また、第2プレス工程ではプレス方向へ静水圧を負荷すると同時に平面方向へ剪断力を付与して平面を形成することもできる。
【0011】
前記金属材料はアルミニウム合金であることが好ましく、その厚さは2〜10mmであることが望ましい。
【0012】
第1プレス工程のプレス形状はポンチの軸心を中心とする同心円状の凹凸であり、そのピッチは金属材料の厚さの1〜6倍で、同心円状の凹凸の断面形状は半径が金属材料の厚さの1〜6倍の円弧であることが望ましい。
【0013】
また、第1プレス工程のプレス形状はポンチの軸心を中心とする放射線状の凹凸であることもできる。プレス形状が放射線状である場合には、放射線形状の隣り合う稜線部のなす角度をθとして、この角度θが10〜30゜であることが好ましく、金属材料の一面に形成される放射線形状の稜線部と反対面に形成される稜線部とのなす角度は30゜以下であることが望ましい。
【0014】
本発明の金属材料の部分強化装置は、金属材料のプレス成形装置であって、金属材料を挟持してプレスするポンチと、このポンチをポンチの軸心周りに回転させる回転手段とを有することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
(部分強化方法)
本発明の金属材料の部分強化方法は、金属材料の被強化部分の表裏面に該材料の塑性流動による塑性ひずみを付与して凹凸面を形成する第1プレス工程と、該凹凸面にさらに塑性流動による塑性ひずみを付与して平面を形成する第2プレス工程とを有することを特徴とする。
【0016】
まず、第1プレス工程として部分強化が必要な被強化部分に、例えば図1に示すような断面形状を有するポンチを用いて上下から加工を行い、金属材料の表面と裏面とにそれぞれ塑性流動を発生させて塑性ひずみを付与して金属材料に凹凸を面を形成する。
【0017】
次に、図2に示す第2プレス工程の第1の方法では、加工面が平坦なポンチを用いて第1プレス工程で形成された凹凸面に、矢印Aのプレス方向の静水圧を負荷してを再び平滑面に戻す。この工程でも材料の塑性流動が発生して、さらに材料表面にひずみが付加されるので被強化部位は周辺部位に比べて極めて高い硬度を有することができる。
【0018】
また、第2プレス工程の第2の方法では、プレス方向へ静水圧を負荷する(矢印A)と同時に図2の矢印Bのように上下のポンチを互いに逆方向へ回転させることにより、被強化部位に剪断力をも付与して平面を形成することができる。
【0019】
本発明の対象となる金属材料は加工硬化が認められる材料であれば特に限定はない。自動車の車両や産業機器などに使用される炭素鋼や合金鋼などの鉄系や、アルミニウム系、マグネシウム系、銅系などの材料を使用することができる。
【0020】
また、金属材料の形状は成形加工用の板状材料が好ましく、その厚さは2〜10mmであることが望ましい。材料の厚さが2mm未満では曲げおよび曲げ戻しによる加工硬化が支配的なために均一な強化が得られない、また、10mmを越えると設備的な制約もあり現実的ではない。より好ましくは3〜6mmである。
【0021】
特にアルミニウム系材料としては、車両のサスペンションメンバーなどに用いられる板状の材料を例示することができる。この場合には比較的強度も高く、また、加工硬化特性にも優れた5000系(JIS H4000)の材料を好適に使用することができる。被強化部位の硬さは材料の部分強化後の降伏応力に比例するので耐限界座面圧を向上させるためには、加工硬化量を大きくすることが望ましい。図10にA5454Pの加工硬化特性の一例を示す。
【0022】
第1プレス工程で金属材料の被強化部分に形成する凹凸形状の形状は特に限定はないが、被強化部分の全体にわたってムラなく強化することを考慮すると図3に示す同心円形状を例示することができる。このような同心円形状は図6のような断面形状のポンチによって成形することができる。ここで、Pは上型ポンチの同心円のピッチ,Rは山の円弧半径,Rは谷の円弧半径である。同様にPは下型ポンチの同心円のピッチ、Rは山の円弧半径、Rは谷の円弧半径である。上型ポンチと下型ポンチの形状は同一である必要はないが、同心円のピッチ(P、P)は金属材料の厚さの1〜6倍であることが望ましい。同心円のピッチが金属材料の厚さ未満では第2プレス工程での加工圧力が大きくなりすぎることがあるので適当ではない。一方、厚さの6倍を越えると十分な加工硬化を与えることができない。
【0023】
また、第1プレス工程で加工する際の同心円の円弧半径であるR〜Rは金属材料の厚さの1〜6倍であることが望ましい。円弧半径が金属材料の厚さ未満では、第2プレス工程での加工圧力が大きくなりすぎることがあるので適当ではない。一方、厚さの6倍を越えると十分な加工硬化を与えることができないので適当ではない。
【0024】
このように、P,PやR〜Rといったポンチのプレス形状は、加工後の部分強化部位の必要強化量(必要硬さ)に応じて適宜選択することができる。つまり、第1プレスによって形成される凹凸面は、被強化部の表面形状と裏面形状とが一致する必要はなく適宜選択することができる。例えば、凹凸のピッチを表面は粗く裏面は細かくしてもよく、また、凹凸の深さを表面側と裏面側とで変化させてもよい。このようにプレス形状の組み合わせを変化させることにより金属材料に剪断によるひずみのみならず圧縮変形をも加えた複雑な塑性流動によるひずみをも付与することが可能となり、第2プレス工程でより大きな加工硬化を得ることができる。
【0025】
また、第1プレス工程で金属材料の被強化部分に形成する凹凸形状の形状は図4に示すようなポンチの軸心を中心とする放射線形状であることもできる。図4の放射線は図5のポンチの斜視図に示すようにポンチ形状の稜線部であり、この稜線で代表される凸部は、ポンチの中心から外周部に向かって広がる扇状であることが望ましい。ここで、隣り合う稜線のなす角度θは10〜30゜であることが望ましい。θが10゜未満では第2プレス工程での加工圧力が大きくなりすぎることがあるので適当ではない。また、30゜を越えると十分な加工硬化が得られないので適当ではない。
【0026】
この形状の場合には上下のポンチで同一の形状としてもよく、図7のように上下の放射線状の稜線を角度δだけずらして成形することが望ましい。このように形状は同じでも稜線の位置をわずかにずらして成形することにより被強化部位に剪断応力による塑性ひずみのみならず圧縮変形をも加えた複雑な塑性流動を発生させることができ、その後に引き続いて施される第2プレス工程によってさらに大きな加工硬化による硬度上昇を得ることができる。ここで、稜線のずれ角度δは30゜未満であることが望ましい。
【0027】
放射線状の第1プレス形状は、第2プレス工程で加圧と同時にポンチを回転させる第2の方法を施す場合には特に好ましい形状である。
【0028】
なお、第1プレスによるプレス形状は、以上の同心円形状や放射線形状に限定されるものではなく、例えば、渦巻き形状や、また、被強化部位が円形でない場合には単純な波形状などでも問題はない。また、同心円の断面形状も図6に示す円弧状に限定されるものではなく台形や多角形等その他の形状であっても差し支えない。さらに、例えば、上型ポンチの形状を同心円形状とし、下型ポンチの形状を放射線形状とするなど、上下のポンチで全く異なる形状の組み合わせとすることもできる。
【0029】
さらに、被強化部位への強化が1回(第1プレス+第2プレス)で不十分な場合には、同一部位に2回以上強化を施すことも可能である。
【0030】
本発明の金属材料の部分強化方法は、金属材料を成形部材とする成形工程に組み込むことで、全体の工程数を増やさずに必要箇所に部分強化を施すことができる。例えば、金属材料をブランキングする打ち抜き工程に本発明の第1プレス工程を組み込んで、ブランキングと同時に被強化部位の両面に凹凸面を形成し、次に、成形工程に本発明の第2プレス工程を組み込んで、成形部材本体の成形と同時に被強化部位の凹凸面を平面化する方法などを採用することができる。
(部分強化装置)
上記のように本発明の金属材料の部分強化方法は、同心円状または放射線状などの部分強化に適した形状のポンチを用意して通常の成形プレスで第1プレス工程を実施し、さらに、ポンチのみを平坦面のポンチに交換して第2プレス工程を実施して、金属材料の限定された部分のみを加工硬化する方法である。従って、この第1の方法では第1プレス工程および第2プレス工程ともに、部分強化装置としては通常の成形プレスで対応することができる。
【0031】
しかし、本発明の第2プレス工程の第2の方法においては、プレス方向へ静水圧を負荷すると同時にプレス方向に垂直な方向に剪断力を付与して平面を形成する方法であり、通常の成形プレスでは対応できない。
【0032】
以下本発明の第2プレス工程の第2の方法を実施する部分強化装置について説明する。すなわち、本発明の部分強化装置は、金属材料のプレス成形装置であって、金属材料を挟持してプレスするポンチと該ポンチをポンチの軸心周りに回転させる回転手段とを有することを特徴とする。
【0033】
本発明の部分強化装置の一実施の形態の要部模式図を図8および図9に示した。図8は、第2プレス工程の下型の要部平面模式図であり、図9は上下金型の要部側面模式図である。
【0034】
図8で1は金型ホルダであり、2は下型のポンチである。3はポンチの台部2aと嵌合してポンチをポンチの軸心周りに回転させる回転部材である。回転部材3は両端を係合部材4,4’でシリンダ5および5’と係合し、シリンダヘッド5a、5a’の伸縮に従ってポンチの軸心周りに回転自在に取り付けられている。つまり、図示しない油圧などの加圧装置によってシリンダ5,および5’が駆動されると各シリンダヘッドが突出して、回転部材3は点線で示す回転部材3’の位置へ回動し、ポンチもまた同様に回動する。ここで、シリンダ5、5’と、係合部材4,4’と回転部材3と、さらに、図示しない加圧装置とを含めて回転手段と呼ぶ。
【0035】
金属材料の被強化部位を図9の上下のポンチ2,2’の間6に挟持し矢印A、A’方向にプレス荷重をかけると同時に、上下の回転手段3を作動して、上型ポンチ2を矢印B方向に、また、下型ポンチ2’を矢印B’方向に回転させることにより金属材料の被強化部位の両面に水平方向の剪断力を与えることができる。このとき、材料とポンチの間には、鉱物油などの潤滑剤を塗布することが望ましい。このように、材料面に平行な剪断ひずみを付加することにより相対的に低い力で第2プレス工程の第1の方法と同様の効果を得ることができる。
【0036】
【試験例】
供試材として厚さ3.5mmのアルミニウム合金板(JIS H4000 A5454P−H112)を用い、供試材面上の直径40mmの範囲のみに部分強化処理を施した。
【0037】
第1プレス工程のポンチ形状は図3の同心円形状とし、図6のポンチ断面のそれぞれの寸法は、上型ポンチではP=10mm,R=5mm,R=mm5であり、下型ポンチではP=8mm,R=4mm,R=4mmであった。プレス条件は、圧力を800MPaとし、加圧時間は1秒とした。第1プレス工程後の部分強化部の平面視を図11に示す。
【0038】
第2プレス工程では、プレス面が平面のポンチを用いて第1プレス工程で形成された同心円形状部を挟持して加圧し、同心円面を平滑面とした。プレス条件は、第1プレス工程と同様の圧力:800MPa、加圧時間:1秒とし、平面方向の剪断ひずみは付与しなかった。
【0039】
第2プレス工程終了後の部分強化部の平面視を図12に示した。なお、第2プレス工程後の部分強化部の厚さは約3mmであった。
【0040】
第2プレス工程後の部分強化部の硬さを測定した。硬さ測定用試料の採取方法を図13に示した。測定は図14に示すように供試材の圧延方向に沿った部分強化部の断面で測定し、部分強化部の表面から0.1mmおよび0.5mmの深さでビッカース硬さ(荷重50g)を測定した。測定ピッチは2mmとし、各深さで部分強化部の中心から外周へ向かって11点の値を得た。結果を図15に示す。
【0041】
図15で●は部分強化部の上表面から0.1mmの深さの硬さ分布を示し、○は0.5mm深さの硬さ分布を示す。また、▲は部分強化部の下表面から0.1mmの深さの硬さ分布を示し、△は0.5mm深さの硬さ分布を示す。
【0042】
本供試材の部分強化前の硬さは、HV60〜68であった。しかし、部分強化後はどの測定位置においてもHV84以上であり半径方向で多少のバラツキはあるものの、両表面からの深さによる差は認められなかった。
【0043】
本供試材はサスペンションメンバー用の材料であり、アッパーアームやロアアームのブッシュとの摺動面を想定したものである。この部分での限界座面圧を約150N/mm2と仮定すると、本発明の部分強化方法によって得られたHV84以上である摺動面は、限界座面圧を十分に満足しており、成形性とともに所望の成形材料を得ることができた。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、ポンチを替えて2工程のプレス加工により金属材料の必要な部分のみを強化することができる。従って、高強度材料を使用することなく部分強化できるので材料コストの低減に寄与する。また、成形部材の成形工程中に本発明の部分強化工程を組み込むことによって生産性を低下させることなく品質を向上させることができる。特に、車両のアッパーアームやロアアームのブッシュと摺動するサスペンションメンバーなどの部分強化に好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1プレス工程のポンチと金属材料との関係を示す模式図である。
【図2】第2プレス工程のポンチと金属材料との関係を示す模式図である。
【図3】第1プレス工程のポンチの頭部形状の一例を示す模式図である。
【図4】第1プレス工程のポンチの頭部形状の他の例を示す模式図である。
【図5】図4のポンチ形状の概略を示す斜視図である。
【図6】第1プレス工程のポンチの断面形状を示す模式図である。
【図7】第1プレス工程の放射線形状の上下ポンチをセットした一例を示す模式図である。
【図8】第2プレス工程でポンチに剪断ひずみを付与する回転手段を有する部分強化装置の下型平面要部模式図である。
【図9】第2プレス工程でポンチに剪断ひずみを付与する回転手段を有する部分強化装置の側面要部模式図である。
【図10】アルミニウム合金(JISH4000A5454P)の加工硬化特性の一例を示す図である。
【図11】第1プレス工程終了後の部分強化部の平面視を示す図である。
【図12】第2プレス工程終了後の部分強化部の平面視を示す図である。
【図13】部分強化部の硬度測定サンプルの採取位置を示す図である。
【図14】部分強化部の硬度測定位置を示す図である。
【図15】部分強化部の中心からの距離による硬さの変化を示す図である。
【符号の説明】
1:型ホルダー 2、2’:ポンチ 3:回転部材 4、4’:係合部材 5、5’:シリンダ A:プレス方向 B、B’:ポンチ回転方向

Claims (11)

  1. 金属材料の被強化部位の表裏面に該材料の塑性流動による塑性ひずみを付与して凹凸面を形成する第1プレス工程と、該凹凸面にさらに塑性流動による塑性ひずみを付与して平面を形成する第2プレス工程と、を有することを特徴とする金属材料の部分強化方法。
  2. 前記第2プレス工程はプレス方向へ静水圧を負荷すると同時に平面方向へ剪断力を付与して平面を形成する工程である請求項1に記載の金属材料の部分強化方法。
  3. 前記金属材料はアルミニウム合金である請求項1または2に記載の金属材料の部分強化方法。
  4. 前記金属材料の厚さは2〜10mmである請求項1〜3のいずれかに記載の金属材料の部分強化方法。
  5. 前記第1プレス工程のプレス形状はポンチの軸心を中心とする同心円状の凹凸である請求項1〜4のいずれかに記載の金属材料の部分強化方法。
  6. 前記同心円のピッチは前記金属材料の厚さの1〜6倍である請求項5に記載の金属材料の部分強化方法。
  7. 前記同心円状の凹凸の断面形状は半径が前記金属材料の厚さの1〜6倍の円弧である請求項5または6に記載の金属材料の部分強化方法。
  8. 前記第1プレス工程のプレス形状はポンチの軸心を中心とする放射線状の凹凸である請求項1〜4のいずれかに記載の金属材料の部分強化方法。
  9. 前記放射線形状の隣り合う稜線部のなす角度が10〜30゜である請求項8に記載の金属材料の部分強化方法。
  10. 前記金属材料の一面に形成される前記放射線形状の稜線部と反対面に形成される該稜線部とのなす角度が30゜以下である請求項8または9に記載の金属材料の部分強化方法。
  11. 金属材料のプレス成形装置であって、
    該金属材料を挟持してプレスするポンチと、
    該ポンチを該ポンチの軸心周りに回転させる回転手段と、を有することを特徴とする金属材料の部分強化装置。
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