JP2004276036A - スラグ再生フラックス - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶接スラグを回収して粉砕することによりスラグ原料粉を得、これをボンドフラックス原料粉に70質量%以下添加する。粒子径300μm以上のものが5質量%以下となるように結合剤を使用して造粒する。CO2含有量は2乃至10質量%である。スラグ原料粉の粒子径が75μm以下のものの割合(%)をa、スラグ原料粉の粒子径が75μmを超えるものの割合(%)をb、ボンドフラックス原料粉の粒子径が75μm以下のものの割合(%)をc、ボンドフラックス原料粉の粒子径が75μmを超えるものの割合(%)をd、CO2の含有量をeとしたとき、15a+3b+5c+d≦(−561/e)+831を満足する。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はサブマージアーク溶接用ボンドフラックスの溶接スラグを回収して、これを再利用するために、予め成分配合したボンドフラックス原料粉からなる別添原料粉に添加して得たスラグ再生フラックスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の急激な産業廃棄物量の増加及び新規産業廃棄物処理場の建設が容易でないという社会情勢により、産業廃棄物処理場不足が懸念されている。従って、産業廃棄物排出量の抑制は今日の大きな課題となっている。従来、溶接スラグは、産業廃棄物として廃棄されてきたが、前述のような社会情勢及び資源の有効活用を考慮し、スラグの再生利用が検討されている。
【0003】
例えば、特開昭57−181796号公報(特許文献1)には、スラグと未使用フラックスの混合比率を規定して再生利用する方法が提案されている。しかし、これは溶融型フラックスに関するもので、粉砕したスラグに対して当初のフラックスと同一成分範囲のフラックスを単純添加するものであり、本発明のように、ボンドフラックスのスラグ再生フラックスとは全く異なる。
【0004】
また、特開昭63−188493号公報(特許文献2)には、スラグに対し予め成分調整した溶解原料を添加し、新製品と全く同品質のフラックスを提供する方法が提案されている。しかし、これは予め成分配合した溶解原料にスラグを原料として添加し、溶解再生を図るものであり、本発明のように、ボンドフラックスのスラグ再生フラックスとは全く異なるものである。
【0005】
特開平11−188496号公報(特許文献3)には、スラグ添加量及び粒子径を規定した耐吸湿性に優れた焼成型フラックスが提案されている。しかし、これは焼成温度が650℃以上の所謂高温焼結フラックスであり、フラックス中にCO2を含まない。本発明のようなボンドフラックスは。通常、焼成温度が440乃至570℃であり、フラックス中にCO2を含む(CaCO3及びMgCO3等の炭酸塩として含まれる)ものである。本発明はこの種のボンドフラックのスラグ再生フラックスに関する技術である。
【0006】
また、特開昭51−21537号公報(特許文献4)には、スラグに対し予め成分調整した原料を添加し、焼成型フラックスとすることが記載されている。しかし、この公報には、原料の粒度及びスラグ添加量等の具体的な製造条件が記載されておらず、場合によっては良好な溶接部が得られないことも想定される。
【0007】
【特許文献1】
特開昭57−181796号公報
【特許文献2】
特開昭63−188493号公報
【特許文献3】
特開平11−188496号公報
【特許文献4】
特開昭51−21537号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、スラグの再生利用に関して種々の提案がなされているが、フラックス中にCO2を含むようなボンドフラックスのスラグ再生利用に関する報告例はない。一般に、ボンドフラックスは、フラックス中に合金成分及び炭酸塩を含み、それらは溶接中のスラグメタル反応による溶接金属の脱酸、合金成分添加及びCO2の発生により大気中の窒素から溶融池を保護する。このようなボンドフラックスのスラグを原料の一部に使用するには、別添原料として新たなスラグ形成剤、合金成分及び炭酸塩を添加する必要がある。
【0009】
そこで、本発明者等は新たなスラグ形成剤、合金成分及び炭酸塩を添加し、スラグ再生フラックスを試作した。しかし、フラックス水分量が多く、拡散性水素量も多くなり、実用性に乏しかった。一方、高温で焼成すれば、合金元素の酸化又は炭酸塩の分解等が起こり、目的とする性能が得られない。
【0010】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、サブマージアーク溶接後に発生したボンドフラックスの溶接スラグの再生利用を図り、溶接作業性、拡散性水素量抑制効果及び機械的性能が優れたスラグ再生フラックスを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明においては、サブマージアーク溶接に使用したボンドフラックスの溶接スラグを回収し、これを粉砕してスラグ原料粉を得る。そして、予め成分配合したボンドフラックス原料粉に、前記スラグ原料粉を、ボンドフラックス原料粉とスラグ原料粉との合計質量に対して前記スラグ原料粉が70質量%以下になるように添加する。また、その全原料粒度構成において、粒子径300μm以上のものが5質量%以下となるように結合剤を使用して造粒する。更に、全量中のCO2含有量が2乃至10質量%である。そして、全量中に含まれる前記スラグ原料粉の粒子径が75μm以下のものの割合(%)をa、全量中に含まれる前記スラグ原料粉の粒子径が75μmを超えるものの割合(%)をb、全量中に含まれる前記ボンドフラックス原料粉の粒子径が75μm以下のものの割合(%)をc、全量中に含まれる前記ボンドフラックス原料粉の粒子径が75μmを超えるものの割合(%)をd、全量中のCO2の含有量をeとしたとき、15a+3b+5c+d≦(−561/e)+831を満足する。
【0012】
前記結合剤において、20℃における粘度が250mPa秒以下の結合剤を用いることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳細に説明する。本発明においては、先ず、サブマージアーク溶接に使用したボンドフラックスの溶接スラグを回収し、これを粉砕してスラグ原料粉を得る。そして、予め成分配合したボンドフラックス原料粉に、前記スラグ原料粉を、ボンドフラックス原料粉とスラグ原料粉との合計質量に対して前記スラグ原料粉が70質量%以下になるように添加する。また、その全原料粒度構成において、粒子径300μm以上のものが5質量%以下となるように結合剤を使用して造粒する。
【0014】
前述のとおり、ボンドフラックスはフラックス原料粉を混合し、水ガラス等の結合剤を用いて造粒した後、440乃至570℃程度で焼成し、製造されるものである。そこで、工業生産を目的として造粒性を考慮した場合、原料粉、即ちスラグの粒度構成は重要である。本発明者等は回収したスラグを粉砕し、種々の粒度構成のもとで造粒性を確認した結果、粒子径が300μm以上の割合が5%を超えるものを用いると造粒性が劣化する。従って、スラグの粒子径は300μm以下が好ましい。
【0015】
図1は、実際の溶接施工において回収したスラグを示す模式図である。ボンドフラックスが完全に溶融した後、凝固した完全溶融凝固スラグ3の上に、溶接熱により半溶融状態となった半溶融スラグ2が形成され、この半溶融スラグ2の上に、未溶融フラックス1が付着している。実際の溶接施工においては、通常散布されたフラックスは吸引装置で回収されるが、未溶融フラックス1は吸引しきれずに、半溶融スラグ2の上部に付着したままである。
【0016】
実用上これらを分別することは困難であり、未溶融フラックス1及び半溶融スラグ2が混入した状態でも、スラグの再利用を図る必要がある。しかし、未溶融フラックス1及び半溶融スラグ2が含まれるスラグ原料粉の水分量は完全溶融凝固スラグ3と比較して高い。下記表1は未溶融フラックス1及び半溶融スラグ2を含む原料粉と、完全溶融凝固スラグ3の原料粉の水分量の割合を示す。従って、未溶融フラックス1又は半溶融スラグ2を含むスラグを原料として用いると、全てが新品のボンドフラックス原料である場合に比べて、原料水分量が多くなり、スラグ再生フラックス中の水分量が多くなる。そして、フラックス水分量に比例して拡散性水素量が高くなる傾向にあり、低温割れ感受性が高くなってしまう。高温で焼成すれば、合金元素の酸化及び炭酸塩の分解等が起こり、目的とする性能が得られない。
【0017】
【表1】
【0018】
本発明者等は焼成温度を440乃至570℃程度に維持したまま拡散性水素量を低減する方法について鋭意検討した結果、フラックス原料の粒度を特定の範囲にすることが効果的であることを見出した。即ち、スラグ原料粉の粒度と別添原料の粒度を細かく規定することが有効である。前述のとおり、スラグには未溶融フラックス1又は半溶融スラグ2が含まれるため、水分量が多い。これは、図2(a)に示すように、未溶融フラックス1及び半溶融スラグ2の一粒は更に細粒の原料からなっているのに対して、図2(b)に示すように、完全溶融凝固スラグ3及び別添原料は一粒からなり、同じ粒子径でも表面積が大きいため、未溶融フラックス1及び半溶融スラグ2に水分が多く吸着し易いことと、半溶融スラグ2中の原料粉が溶接熱により化学反応し、水和物がつくられたことによるものと推察される。
【0019】
そこで、スラグ回収時に、未溶融フラックス1が含まれる割合が50%になることを想定し、スラグ中に未溶融フラックス1が50%含まれるものをスラグ原料として用いることに関して検討を行った。このスラグ原料粉の粒度及び別添原料の粒度、更にはフラックス中のCO2含有量を調整し、フラックス水分量及び拡散性水素量を測定する。
【0020】
その結果、フラックス原料粉を構成するスラグ原料粉及び別添原料粉の粒度を夫々75μm以下と75μmを超えるものに区別し、その割合とフラックス水分量との関係式を導き出した結果、下記数式1で表されるαは、図3に示すように、フラックス水分量とほぼ等しいことが明らかとなった。図3は、下記数式1で表される値αとフラックス水分量との関係を示す。この図3に示すように、α≒フラックス水分量が成り立つ。
【0021】
【数1】
α=15a+3b+5c+d
但し、
a:フラックス原料粉(全量)中に含まれるスラグ原料粉の粒子径が75μm以下のものの割合(%)、
b:フラックス原料粉(全量)中に含まれるスラグ原料粉の粒子径が75μmを超えるものの割合(%)、
c:フラックス原料粉(全量)中に含まれる別添原料粉の粒子径が75μm以下のものの割合(%)、
d:フラックス原料粉(全量)中に含まれる別添原料粉の粒子径が75μmを超えるものの割合(%)
【0022】
更に、図4は、数式1で与えられる値αと拡散性水素量Hとの関係を示す。この図4に示すように、値αが同じでも拡散性水素量Hの値は異なる。CO2含有率が高いほど拡散性水素量Hが低い値を示す傾向にあり、各実測値とCO2含有量との関係を整理した結果、下記数式2を導き出した。図4において、αと拡散性水素量Hとの間には、直線関係があり、数式2中のCは、この直線をα=0に外挿したときの拡散性水素量である。このCはフラックス中のCO2量により変化し、下記数式3により表される。
【0023】
【数2】
H=(9/1000)×α+C
【0024】
【数3】
C=(5.05/e)−0.475
但し、e:フラックス原料粉(全量)中に含まれるCO2含有量(2%以上)
【0025】
なお、この数式3、ひいては数式2はフラックス中に含まれるCO2含有量が2%以上の場合に成り立ち、2%未満の場合には数式2の計算値と実際の拡散性水素量Hとの間には相関関係は認められない。図4のCO2含有量2%未満のプロットに示すとおり、計算値αの値が低くなっても拡散性水素量の低減の程度は、フラックス中のCO2含有量が2%以上のものと比較して穏やかである。この理由としては、フラックスに含まれるCO2は大気中の窒素及び水分から溶融池を保護する役目をしており、CO2含有量によりシールド効果に差が出るためである。即ち、CO2含有量が2%未満の場合、CO2ガスによるシールド効果が不足して大気中の窒素及び水分が侵入し易くなり、拡散性水素量が増加したものと考えられる。従って、数式3及び4が有効となる場合のフラックス中に含まれるCO2含有量は2%以上である。
【0026】
以上の知見から明らかなように、拡散性水素量の低減には、スラグ原料の粒度及び別添原料の粒度構成、更には、スラグ再生フラックスの全原料粒度構成と、フラックス中に含まれるCO2含有量を規制することが有効である。そして、本発明においては、拡散性水素量が7ml/100gを超えるフラックスを、低温割れが発生する虞があり、実用性が乏しいフラックスであると定め、この拡散性水素量Hを7ml/100g以下に規制するための条件を求めた。つまり、数式2により求まる値Hを7以下とするための条件として、αは下記数式4を満足する必要がある。なお、この数式4は、数式2に数式3のCを代入し、更に、数式1のαを代入し、H≦7として計算されたものである。
【数4】
α=15a+3b+5c+d≦(−561/e)+831
【0027】
このスラグ原料の粒度及び別添原料の粒度構成及びフラックス中に含まれるCO2含有量を上記数式4を満足するように規定することにより、拡散性水素量を7ml/100g以下とすることができる。
【0028】
なお、限定式中のe、即ちフラックス中に含まれるCO2含有量は、シールド効果を考慮して2%以上としたが、一方でCO2含有量が10%を超えると、溶吹上げがひどく、ポックマークも発生し、溶接作業性が劣化するため、CO2含有量は2乃至10%の範囲とする。CO2源となる炭酸塩としては、CaCO3及びMgCO3等があり、その種類を問わない。
【0029】
本発明において、スラグ原料粉の添加量はリサイクル性を考えると、より多く添加できるほうが好ましいことは当然である。下限は特に限定されないが、通常のスラグ発生率とスラグ回収率を考慮すると、スラグ原料粉の添加量は別添原料との合計量に対して30質量%以上が好ましい。要求される溶接作業性及び機械的性能を考慮すると、スラグ再生フラックスには、必要なスラグ形成剤、合金成分及びガス発生剤等を添加する必要があり、これらの分を差し引いて、スラグ原料粉の割合の上限については、70%とする。
【0030】
フラックス原料の粒度及び結合剤の粘度は造粒性を左右する重要な因子である。スラグ再生フラックスは従来のフラックス原料よりも粗い粒子径を使用しており、造粒性が劣る傾向にある。これは、スラグを機械粉砕して原料としているため、表面が平坦になり、表面積も小さく、粒になり難いものと考えられる。結合剤の粘度が高すぎると、原料の粒子間に結合剤が十分にわたり難くなり、造粒性が低化する傾向にある。従って、20℃における粘度が250mPa秒以下の結合剤を用いることが好ましい。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例の効果について、本発明の範囲から外れる比較例と比較して説明する。先ず、全原料粒度構成において、粒子径300μm以上のものが無い条件で試験を行った。下記表2に示す組成のフラックスを下記表3及び図5に示す溶接条件、開先形状及び電極配置で溶接した。そして、スラグを回収し、粉砕して、スラグ再生フラックスを作製した。下記表4乃至表6は、実施例及び比較例の原料粒度を示す。なお、結合剤の粘度はいずれも200mPa秒であり造粒性は良好であった。いずれのフラックスも化学成分はMgO、SiO、CaO、CaF2、Al2O3、TiO2が夫々表2に示す成分と±3%の誤差の範囲内であった。このスラグ再生フラックスを、同様に、表3及び図5に示す溶接条件で溶接し、溶接作業性を判断した。また、拡散性水素試験はJIS規格におけるZ3118に準拠して実施した。表4乃至表6の測定値は3本の平均値である。なお、図5において、Ext.はトーチからのワイヤ突き出し長さを示す。
【0032】
なお、フラックス水分量の測定は、三菱化学製の質量適定式水分測定装置CA−06型を用い、抽出温度は750℃、抽出ガスはO2で測定した。フラックスのCO2含有量は堀場製作所製のEM1Aを用い、燃焼赤外線吸収法にて測定した。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
【表5】
【0037】
【表6】
【0038】
表4乃至表6中のフラックスNo.1乃至19が本発明例であり、No.20乃至42が比較例である。なお、※はポックマークが発生したことを表す。本発明例のフラックスNo.1乃至19ではαが(−561/e)+831以下であって、数式4を満足するので、拡散性水素量は7ミリリットル/100g以下であった。また、溶接作業性も良好であった。一方、比較例のフラックスNo.20、22、23、25、27、33、34及び37では、フラックス中のCO2含有量が2%未満であり、拡散性水素量は7ミリリットル/100gを超えた。比較例フラックスNo.21、24及び26においては、フラックス中のCO2含有率が10%を超えており、溶接時の吹上げが大きくなり、更にはポックマークが発生した。比較例フラックスNo.28、29、30、32、35、36、38、39、40及び42はα値が(−561/e)+831の値を超えており、拡散性水素量も7ミリリットル/100gを超えた。比較例フラックスNo.31及び41はαの値が(−561/e)+831の値を超え、フラックス中のCO2含有率も10%を超えているので、拡散性水素量は7ミリリットル/100gを超え、溶接時の吹上げが大きくなり、更にはポックマークが発生した。
【0039】
表7及び表8はスラグ再生フラックスの造粒性を示す。表7及び表8のフラックスNo.A−1乃至A−15が本発明の実施例、フラックスNo.A−16乃至A−19が比較例である。なお、※1はポックマークが発生したことを表す。実施例No.A−1乃至A−15は、スラグ原料粉の粒子径300μm以上の割合が5%以下であり、造粒性は良好であった。一方、比較例No.A−16乃至A−18は、スラグ原料粉の粒子径300μm以上の割合が5%を超えており、造粒性が低い。なお、実施例A−10乃至A−12は結合剤中の粘度が250mPaを超えるものであるため、実施例A−1乃至A−9よりも、若干造粒性が低い。比較例No.A−19はスラグ添加量が70%を超えており、別添原料の割合が少なく、脱酸剤が不足してポックマークが発生した。
【0040】
なお、造粒性の判定は、歩留が50%未満のものを×、50乃至70%のものを○、70%以上のものを◎とした。歩留は、造粒から焼成した後、篩にかけ10×48メッシュサイズとしたものを製品とし(製品の質量)/(投入したフラックスの原料及び結合剤の質量)×100=歩留(%)で計算した。
【0041】
【表7】
【0042】
【表8】
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、サブマージアーク溶接後に発生したボンドフラックスの溶接スラグの再生利用が可能になり、溶接作業性、拡散性水素量抑制及び機械的性能が優れたスラグ再生フラックスを得ることができるという効果を奏し、産業廃棄物の有効利用に多大の貢献をなす。
【図面の簡単な説明】
【図1】回収したスラグの形状を示す模式図である。
【図2】フラックス粒子を示す模式図である。
【図3】計算式αとフラックス水分量の関係を示すグラフ図である。
【図4】計算式αと拡散性水素量との関係を示すグラフ図である。
【図5】開先形状及び電極配置を示す模式図である。
【符号の説明】
1;未溶融フラックス
2;半溶融スラグ
3;完全溶融凝固スラグ
Claims (2)
- サブマージアーク溶接に使用したボンドフラックスの溶接スラグを回収し、これを粉砕して得たスラグ原料粉を、予め成分配合したボンドフラックス原料粉(以下、これを別添原料粉という)に、合計質量に対して前記スラグ原料粉が70質量%以下になるように添加し、その全原料粒度構成において粒子径300μm以上のものが5質量%以下となるように結合剤を使用して造粒したものであり、全量中のCO2含有量が2乃至10質量%であると共に、全量中に含まれる前記スラグ原料粉の粒子径が75μm以下のものの割合(%)をa、全量中に含まれる前記スラグ原料粉の粒子径が75μmを超えるものの割合(%)をb、全量中に含まれる前記別添原料粉の粒子径が75μm以下のものの割合(%)をc、全量中に含まれる前記別添原料粉の粒子径が75μmを超えるものの割合(%)をd、全量中のCO2の含有量をeとしたとき、15a+3b+5c+d≦(−561/e)+831を満足することを特徴とするスラグ再生フラックス。
- 20℃における粘度が250mPa秒以下の結合剤を用いることを特徴とする請求項1に記載のサブマージアーク溶接用ボンドフラックスのスラグ再生フラックス。
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