JP2004276001A - トリクリロロエチレン・テトラクロロエチレン等の有機塩素化合物を地中又は地上で水素を化学反応で発生させ、接触還元触媒としてラネーニッケル触媒を用い、完全脱塩素化する方法。 - Google Patents
トリクリロロエチレン・テトラクロロエチレン等の有機塩素化合物を地中又は地上で水素を化学反応で発生させ、接触還元触媒としてラネーニッケル触媒を用い、完全脱塩素化する方法。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の有機塩素化合物の無害化を地中又は地上にて確実に行うこと。
【解決手段】トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の有機塩素化合物を地中にて化学反応により水素を発生させ、接触還元触媒としてラネーニッケルを用いて脱塩素化を図る。
【選択図】 図1
【解決手段】トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の有機塩素化合物を地中にて化学反応により水素を発生させ、接触還元触媒としてラネーニッケルを用いて脱塩素化を図る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、地中又は地上で土中及び地下水に含まれるトリクロロエチレン・テトラクロロエチレン等の有毒有機塩素化合物から塩素を離脱させる解決手段で環境汚染対策技術に属する。
【0002】
【従来の技術】
有毒有機塩素化合物は大気・水・土壌等を汚染し、環境汚染の立場から分解が重要視されている。これらの有機塩素化合物の排出抑制および万一排水した場合の分解技術の研究が進められているが、現在までのところ明快な方法が得られていない。従来の有機塩素化合物の脱塩素化による汚染対策技術は、プラント処理では高温・高圧処理(特開平75−192648、特表平9−501863、特開平7−328596)が主流であり、現地処理では特異的バクテリアによる分解処理(特表平9−508854)が主流である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の高温・高圧処理は排気ガスの冷却による二次化合物の特定が難しく、反応時間及びコストに問題を残す。又、微生物を用いる分解方法では種々の有害有機化合物に特異的に働く為、複合の有害有機化合物に汚染されている場合、バクテリアの種類を替えねばならないため、時間・コスト及び複雑となる上、分解率も悪い。又、化学的処理法では触媒を用いて水素バブリングを行う水素化方式もあるが、反応完了までバブリングを行う必要があり、処理能力に欠けコストがかかる上に、高圧水素ガスを使用する為、安全管理に注意する必要がある。
【0004】
地下水を汚染しているトリクロロエチレン・テトラクロロエチレン等の有毒有機塩素化合物の現地処理では有機化合物を大気中に蒸発させる方法が多く、大気汚染を引き起こす。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、常温でトリクロロエチレン・テトラクロロエチレン等の有毒有機塩素化合物を含む水性媒質に汚染された土・地下水を注入工法・深層攪拌工法・浅層攪拌工法・高圧噴射攪拌工法等を用いて、原位置にて汚染土壌中にラネーニッケル触媒及び水素発生金属及びアルカリ水溶液もしくは酸性水溶液を注入もしくは攪拌・噴射攪拌して地中又は地上で水素と接触還元を図り、塩素イオンを離脱させ分解する。地下水のみを地上で処理する場合は、ウェルポイント工法・デープウェル工法等の排水工法により地上に排水し、排出水中にラネーニッケル触媒及び水素発生金属及びアルカリ水溶液もしくは酸性水溶液を投入し攪拌しながら分解する。
【0006】
アルカリ水溶液(水酸化ナトリウム溶液、水酸化カルシウム溶液等)を使用して水素を発生させる場合は水素発生金属としてアルミニウム又はスズを用いる。
【0007】
酸性水溶液(希硫酸・希塩酸等)を使用して水素を発生させる場合は水素発生金属としてマグネシウム、アルミニウム、鉄、ニッケル、スズを用いる。
【0008】
アルミニウムは両性金属であり、アルカリ水溶液・酸性水溶液何れでも水素を発生することから、アルミニウムを使用することが好ましい。又、水素により接触還元を図る場合は、塩基性を用いるのが好ましい。
【0009】
分解処理反応確認後、地下水のpH濃度を確認し、pHが5.8〜8.6の範囲を越える場合は、pH調整をおこなう。(pHが5.8未満の場合、アルカリ水溶液を注入する。pHが8.6を越える場合は酸性水溶液を注入する。)
【0010】
【化1】接触還元
(式中Rはアルカン、アルケン、アルキン、芳香族などの炭化水素。Hは水素。Xはハロゲン元素。触媒はラネーニッケル。)
【0011】
【化2】反応式(水素発生)
2Al+2NaOH+6H2O→Na[Al(OH)4]+3H2
(式、Na[Al(OH)4]はアルミン酸ナトリウム。)
【図面の簡単な説明】
【図1】深層混合攪拌工法により、有害有機塩素化合物に汚染された土壌を攪拌又は噴射攪拌しながら地盤内で反応、分解を示す側面図である。
【図2】高圧噴射攪拌工法により、有害有機塩素化合物に汚染された土壌を噴射・攪拌しながら地盤内で反応、分解を示す側面図である。
【図3】注入工法により、有害有機塩素化合物に汚染された土壌中に注入しながら地盤内で反応、分解を示す側面図である。
【図4】浅層混合攪拌工法により、有害有機塩素化合物に汚染された土壌を攪拌又は噴射攪拌しながら地盤内で反応、分解を示す側面図である。
【発明の属する分野】
本発明は、地中又は地上で土中及び地下水に含まれるトリクロロエチレン・テトラクロロエチレン等の有毒有機塩素化合物から塩素を離脱させる解決手段で環境汚染対策技術に属する。
【0002】
【従来の技術】
有毒有機塩素化合物は大気・水・土壌等を汚染し、環境汚染の立場から分解が重要視されている。これらの有機塩素化合物の排出抑制および万一排水した場合の分解技術の研究が進められているが、現在までのところ明快な方法が得られていない。従来の有機塩素化合物の脱塩素化による汚染対策技術は、プラント処理では高温・高圧処理(特開平75−192648、特表平9−501863、特開平7−328596)が主流であり、現地処理では特異的バクテリアによる分解処理(特表平9−508854)が主流である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の高温・高圧処理は排気ガスの冷却による二次化合物の特定が難しく、反応時間及びコストに問題を残す。又、微生物を用いる分解方法では種々の有害有機化合物に特異的に働く為、複合の有害有機化合物に汚染されている場合、バクテリアの種類を替えねばならないため、時間・コスト及び複雑となる上、分解率も悪い。又、化学的処理法では触媒を用いて水素バブリングを行う水素化方式もあるが、反応完了までバブリングを行う必要があり、処理能力に欠けコストがかかる上に、高圧水素ガスを使用する為、安全管理に注意する必要がある。
【0004】
地下水を汚染しているトリクロロエチレン・テトラクロロエチレン等の有毒有機塩素化合物の現地処理では有機化合物を大気中に蒸発させる方法が多く、大気汚染を引き起こす。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、常温でトリクロロエチレン・テトラクロロエチレン等の有毒有機塩素化合物を含む水性媒質に汚染された土・地下水を注入工法・深層攪拌工法・浅層攪拌工法・高圧噴射攪拌工法等を用いて、原位置にて汚染土壌中にラネーニッケル触媒及び水素発生金属及びアルカリ水溶液もしくは酸性水溶液を注入もしくは攪拌・噴射攪拌して地中又は地上で水素と接触還元を図り、塩素イオンを離脱させ分解する。地下水のみを地上で処理する場合は、ウェルポイント工法・デープウェル工法等の排水工法により地上に排水し、排出水中にラネーニッケル触媒及び水素発生金属及びアルカリ水溶液もしくは酸性水溶液を投入し攪拌しながら分解する。
【0006】
アルカリ水溶液(水酸化ナトリウム溶液、水酸化カルシウム溶液等)を使用して水素を発生させる場合は水素発生金属としてアルミニウム又はスズを用いる。
【0007】
酸性水溶液(希硫酸・希塩酸等)を使用して水素を発生させる場合は水素発生金属としてマグネシウム、アルミニウム、鉄、ニッケル、スズを用いる。
【0008】
アルミニウムは両性金属であり、アルカリ水溶液・酸性水溶液何れでも水素を発生することから、アルミニウムを使用することが好ましい。又、水素により接触還元を図る場合は、塩基性を用いるのが好ましい。
【0009】
分解処理反応確認後、地下水のpH濃度を確認し、pHが5.8〜8.6の範囲を越える場合は、pH調整をおこなう。(pHが5.8未満の場合、アルカリ水溶液を注入する。pHが8.6を越える場合は酸性水溶液を注入する。)
【0010】
【化1】接触還元
(式中Rはアルカン、アルケン、アルキン、芳香族などの炭化水素。Hは水素。Xはハロゲン元素。触媒はラネーニッケル。)
【0011】
【化2】反応式(水素発生)
2Al+2NaOH+6H2O→Na[Al(OH)4]+3H2
(式、Na[Al(OH)4]はアルミン酸ナトリウム。)
【図面の簡単な説明】
【図1】深層混合攪拌工法により、有害有機塩素化合物に汚染された土壌を攪拌又は噴射攪拌しながら地盤内で反応、分解を示す側面図である。
【図2】高圧噴射攪拌工法により、有害有機塩素化合物に汚染された土壌を噴射・攪拌しながら地盤内で反応、分解を示す側面図である。
【図3】注入工法により、有害有機塩素化合物に汚染された土壌中に注入しながら地盤内で反応、分解を示す側面図である。
【図4】浅層混合攪拌工法により、有害有機塩素化合物に汚染された土壌を攪拌又は噴射攪拌しながら地盤内で反応、分解を示す側面図である。
Claims (3)
- トリクロロエチレン・テトラクロロエチレン等の有毒有機塩素化合物を含む水性媒質に汚染された土壌・地下水を、触媒(ラネーニッケル)及びアルカリ水溶液(水酸化ナトリウム溶液、水酸化カルシウム溶液等)及び塩基での水素発生金属(アルミニウム、スズ等)を混合攪拌又は注入し、汚染土壌中で水素を発生させ、塩素イオンの離脱を図り分解する。
- トリクロロエチレン・テトラクロロエチレン等の有毒有機塩素化合物を含む水性媒質に汚染された土壌・地下水を、触媒(ラネーニッケル)及び酸性水溶液(希硫酸・希塩酸等)及び酸基での水素発生金属(マグネシウム、アルミニウム、鉄、ニッケル、スズ等)を混合攪拌又は注入し、汚染土壌中で水素を発生させ、塩素イオンの離脱を図り分解する。
- トリクロロエチレン・テトラクロロエチレン等の有毒有機塩素化合物を含む水性媒質に汚染された地下水・土壌を地上に排出し、【請求項1】又は【請求項2】の材料を用いて混合攪拌しながら地上で塩素イオンの離脱を図り分解する。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003110890A JP2004276001A (ja) | 2003-03-12 | 2003-03-12 | トリクリロロエチレン・テトラクロロエチレン等の有機塩素化合物を地中又は地上で水素を化学反応で発生させ、接触還元触媒としてラネーニッケル触媒を用い、完全脱塩素化する方法。 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003110890A JP2004276001A (ja) | 2003-03-12 | 2003-03-12 | トリクリロロエチレン・テトラクロロエチレン等の有機塩素化合物を地中又は地上で水素を化学反応で発生させ、接触還元触媒としてラネーニッケル触媒を用い、完全脱塩素化する方法。 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004276001A true JP2004276001A (ja) | 2004-10-07 |
Family
ID=33295977
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003110890A Pending JP2004276001A (ja) | 2003-03-12 | 2003-03-12 | トリクリロロエチレン・テトラクロロエチレン等の有機塩素化合物を地中又は地上で水素を化学反応で発生させ、接触還元触媒としてラネーニッケル触媒を用い、完全脱塩素化する方法。 |
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JP (1) | JP2004276001A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011027740A (ja) * | 2009-07-22 | 2011-02-10 | Xavis Co Ltd | X線検査装置 |
CN103601280A (zh) * | 2013-12-04 | 2014-02-26 | 中国环境科学研究院 | 一种用于地下水中有机污染物修复装置和方法 |
CN103613199A (zh) * | 2013-12-04 | 2014-03-05 | 中国环境科学研究院 | 一种氨氮污染地下水的修复装置 |
-
2003
- 2003-03-12 JP JP2003110890A patent/JP2004276001A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011027740A (ja) * | 2009-07-22 | 2011-02-10 | Xavis Co Ltd | X線検査装置 |
CN103601280A (zh) * | 2013-12-04 | 2014-02-26 | 中国环境科学研究院 | 一种用于地下水中有机污染物修复装置和方法 |
CN103613199A (zh) * | 2013-12-04 | 2014-03-05 | 中国环境科学研究院 | 一种氨氮污染地下水的修复装置 |
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