JP2004275866A - 白金族元素の乾式回収法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】白金族元素を含有する物質と金属銅または酸化銅の少なくとも1種をフラックス成分および還元剤と共に加熱溶融し,白金族元素を吸収した溶融メタルを溶融酸化物から分離し,分離された溶融メタルから白金族元素を回収する白金族元素の乾式回収法において,前記の加熱溶融のあと,溶融メタルを溶融酸化物から分離する前に,1200〜1500℃の温度に少なくとも5時間以上保持する静置工程を設けたことを特徴とする白金族元素の乾式回収法である。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は白金族元素を含有する物質,たとえば使用済みの石油化学系触媒,自動車排ガス浄化用廃触媒,使用済みの電子基板やリードフレーム等から白金族元素を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来,自動車排ガス浄化用廃触媒等の白金族元素含有物質から白金族元素を回収する方法として,王水などの酸に酸化剤を加えた溶液で白金族元素を抽出する方法や,硫酸等を用いて担体材料を溶かし,未溶解の白金族元素と分離する方法等が知られているが,これらの湿式法では白金族元素の抽出率が悪かったり,担体材料を溶かすのに多量の酸を必要とし,回収率やコストの点で問題があって実用的ではなかった。
【0003】
湿式法に変えて,乾式による白金族元素の回収法が特許文献1に記載されている。この乾式方法では自動車排ガス浄化用廃触媒等に含まれる白金族元素を溶融銅に吸収させ,これを濃縮することで高収率,低コストで白金族元素を回収する画期的な方法である。特許文献2には特許文献1の方法をさらに改良した白金族元素の乾式回収法が記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平4−317423号公報
【特許文献2】特開2000−248322号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1や2の方法は,高い回収率で低コストで且つ短時間で白金族元素(プラチナグループメタルズ:これを以下「PGM」と略称することがある)を回収できる点で,湿式法に比べて優れているが,とりわけ,PGM中のRhの回収率が湿式法と比べて高くなる点で有利な特徴がある。
【0006】
しかし,電気炉でこの乾式法を実施する場合,すなわち,PGM含有物質(自動車排ガス浄化用廃触媒等)と銅または酸化銅をフラックス成分および還元剤との共存下で電気炉中で加熱溶融し,該物質中のPGMを溶融金属銅中に吸収させる場合に,次のような課題が存在した。すなわち,溶融金属銅中にPGMを吸収させるさいに,その上層に存在する電気炉スラグ層中にもPGMが多少なりとも同伴することであり,このため,電気炉スラグを排出したときにPGMも系外に流出する結果となり,これがPGMの回収率を下げる要因となっていたことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明者らは鋭意研究した結果,電気炉中のスラグに残存するPGMを溶融金属銅に移行させるには,スラグ層と溶融メタル層とを所定の温度で静置させ,PGMをスラグ層からメタル層に自然に流下させる環境を作ってやることが肝要であることがわかった。通常の金属製錬ではスラグとメタル層との接触機会を増やす(炉内容物を流動させる)ことが肝要なことが多いが,PGMをスラグ層から取り出すにはそのような流動は逆効果となり,炉内容物をスラグ層とメタル層に分離した状態で静置することが肝要となる。とくにこの静置は,1200〜1500℃の温度に少なくとも5時間以上保持することが望ましく,これによって,スラグ層に残存するPGM例えばPt,Pd,Rh等の殆ど全てを,メタル層に移行できることがわかった。
【0008】
したがって,本発明によれば,白金族元素を含有する物質と金属銅または酸化銅の少なくとも1種をフラックス成分および還元剤と共に加熱溶融し,白金族元素を吸収した溶融メタルを溶融酸化物から分離し,分離された溶融メタルから白金族元素を回収する白金族元素の乾式回収法において,前記の加熱溶融のあと,溶融メタルを溶融酸化物から分離する前に,1200〜1500℃の温度に少なくとも5時間以上保持する静置工程を設けたことを特徴とする白金族元素の乾式回収法を提供する。ここで「静置」とは,電気炉で加熱溶融する場合には,炉内への各種原料の装入等を中断し,スラグとメタルを融体となった状態で静かに放置させ,白金族元素を溶融メタル中にできるだけ吸収させるための処置を意味しているが,既に融解しているスラグを所定の温度に保温するための通電は行ってもよい。
【0009】
そのさい,加熱溶融する金属銅または酸化銅は径0.1mm以上10mm未満の粒状物のものを使用し,また,白金族を含有する物質(自動車排ガス浄化用廃触媒など)としても,その50wt%以上が10mm未満の径をもつ粒状物であるものを使用するのが好ましく,これによってPGMの回収率が一層向上する。
【0010】
また,分離された溶融メタル層から白金族元素を回収するには,該溶融メタルに酸素含有気体を導入して酸化物層を形成させると共に白金族元素が濃縮された溶融メタル層を生成させ,該酸化物の層から白金族元素が濃縮された溶融メタル層を分離するのがよい。とくに溶融メタルに酸素含有気体を導入するには,該溶融メタルの温度を1100℃〜1600℃に維持しながら行うのがよい。ここで得られる酸化物は,白金族元素含有物質とともに加熱溶融するための酸化銅の一部または全部に使用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明でいう白金族元素を含有する物質(PGM含有物質)とは,例えばプラチナ,パラジウム等を含有する使用済み石油化学系触媒,プラチナ,パラジウムさらにはロジウム等を含有する使用済みの自動車排ガス浄化用触媒や,それらの触媒の製造工程から得られるロットアウト品やスクラップなど,さらにはパラジウム等を含有する使用済みの電子基板,デンタル部品,リードフレーム等も含まれる。
【0012】
本発明においては,これらのPGM含有物質に,フラックス成分(例えばシリカ,酸化カルシウム,炭酸カルシウム等),還元剤および銅源材料(銅または酸化銅)を適切な比率で混合して電気炉に装入する。フラックス成分の混合比は,PGM含有物質の組成によっても異なるが,加熱溶融後のガラス状の酸化物(電気炉スラグ)の組成が,Al2O3 :20〜40wt%,SiO2:25〜35wt%,CaO:20〜30wt%となるように配合することが好ましい。
【0013】
還元剤は酸化銅を金属銅に還元することを主目的として使用される。還元剤としては代表的にはコークスを使用するが,貴金属やPGMを含有する卑金属類を使用することも可能であり,この場合には,卑金属中の貴金属やPGMも同時に回収することができる。樹脂,活性炭なども還元剤として使用可能である。銅源材料はPGMを溶かし込む媒体として使用されるが,金属銅のほかに酸化銅も使用することができる。
【0014】
これらの装入原料を用いた電気炉操業ではまず装入原料を加熱溶融(メルトダウン)する。加熱溶融の温度は1200℃〜1700℃,好ましくは1300℃〜1550℃である。1200℃未満ではスラグの溶融が完全とはならず粘性も高まってPGMの回収率が下がる。しかし1700℃を越えるとエネルギーの浪費はもちろん電気炉の炉体の破損を招く要因となるので好ましくない。このメルトダウンによって,PGM含有物質の殆どを占めているPGMの担体材料(アルミナ他の酸化物)はガラス状の溶融スラグとなって浮遊し,酸化銅はコークス等により還元されて金属銅となり,比重差によりスラグ中を沈降して溶融した金属銅の層(メタル溶湯)を形成する。
【0015】
この金属銅がスラグ中を沈降する過程でPGMが金属銅に吸収されるが,このときのPGMの金属銅への回収率は,メルトダウン後の材料温度および静置時間によって変動し,さらには,炉内に投入する金属銅または酸化銅の粒径,炉内に投入するPGM含有物質の粒径等によって変動することがわかった。
【0016】
メルトダウン後,スラグと金属溶湯を分離するまでを静置工程と呼ぶと,この静置工程の温度を1200〜1500℃の範囲とし,この状態で5時間以上で静置しておくことが好ましい。1200℃未満では静置時間を長くしてもPGMの回収率は十分ではなく,逆に1500℃を越えた場合にはPGMの回収率が低下することもある。1200〜1500℃の温度に少なくとも5時間静置することによりPGMの殆どが回収されるが,あまり静置時間が長くしても回収率の向上傾向は飽和に達する。このために例えば約5〜10時間程度の静置時間を取って静置工程を終えるのが,熱経済でもある。
【0017】
電気炉に装入する金属銅または酸化銅については,その径が0.1mm以上10mm未満であることが好ましく,PGM含有物質についてもその50wt%が10mm未満の径を有することが好ましい。このような粒状物として装入するとPGMの回収率が向上する。
【0018】
このようにして,本発明によると,静置工程を適切に管理し,また装入原料を粒状物として混合して炉に装入すると,金属銅が殆んどである電気炉内のメタル溶湯中に高い回収率でPGMを取り込むことができる。この理由はついては明確ではないが,次のように考えることができる。
【0019】
PGM含有物質の殆どを占めている担体材料(アルミナ等の酸化物)がフラックスとともに溶融された時点で適度な粘性を有するスラグとして分散されるが,そこに,装入された金属銅または還元剤によって還元された金属銅もスラグ中に分散され,とくに,粒状物として混合された場合にはその分散が良好となり,スラグ中に分散浮遊しているPGMを吸収し,自重で下層の金属銅中に沈降し金属銅層に吸収される。この現象はメルトダウンから開始するが,その後の静置時の温度が低いと(例えば1200℃未満では)スラグの粘性が大きくなって,その中に存在するPGMも金属銅も運動量が少なくなり,そのまま浮遊状態を続けることになる。一方,静置時の温度が高すぎると(例えば1500℃を越えると)加熱エネルギーが必要以上に消費される結果となり不経済である。
【0020】
このように考えると,静置工程では,適正な粘性を有し且つPGMが全体的に分散したスラグ中に,溶融した金属銅がスラグ中に適正に分散された状態で且つゆっくりした速度でしかも適正な運動量をもって沈降することが肝要であることになる。分散状態を良好にするには,装入原料を粒状化して混合しておくことが必要となり,粘性を適正にするにはフチックス成分の添加量と成分の調整,並びに温度管理が肝要となる。そして,この静置には,溶融した金属銅の実質的に全てががスラグ中を沈降し終えるに十分な時間を与えることが必要となり,もはや酸化銅の還元が進行せず且つ溶融した金属銅が沈降し終えれば,PGMは下層のメタル溶湯には吸収されなくなる。この条件を満たす本発明法によれば,PGMが高い回収率でメタル溶湯に吸収させることができる。
【0021】
静置工程を終えたら,炉内のスラグは一部を残したまま,大半は炉外に流出させて廃棄すればよい。操業時間を短縮したい場合には,電気炉を並列に2基用意し,第1の電気炉で静置状態としている間に第2の電気炉に原料装入と加熱溶融を行い,両者を交互に実施すればよい。また,加熱溶融した炉内物を,別の静置炉に移して,ここで静置工程を実施することもできる。
【0022】
静置工程を終えたあとの,スラグと分離されたPGM含有のメタル溶湯は,この溶湯中のPGMをさらに濃縮するために,この溶湯を部分的に酸化処理して酸化物を除去する処理を行うのが好ましい。この酸化処理は該溶湯に酸素含有ガスを導入することができる酸化炉を用いて行うことができる。
【0023】
酸化炉では,炉内に装入した該溶湯に酸素含有ガスを導入することにより,金属銅の一部が酸化された酸化物(酸化銅が殆ど)を形成し,この酸化物の層を該溶湯の上に比重差で浮遊させ,PGMが濃縮した金属銅の層(メタル溶湯)と分離するのがよい。この酸化処理は材料温度が1100℃〜1600℃好ましくは1200℃〜1500℃に維持されるように,酸素ガスまたは酸素含有ガスを導入して実施する。1100℃未満では酸化速度が低く,逆に1600℃を越すと炉体の破損が生じる。
【0024】
未酸化のPGMが濃縮された金属銅を主成分とするメタル溶湯の上に,酸化銅を主体とする酸化物の層が適度に形成されたら,酸化炉を傾けてこの酸化物を炉外に流出させる。この酸化物を銅の酸化物が殆どであるが,僅かなPGMが同伴する可能性もあり,この酸化物は電気炉への銅源材料として再利用することができる。再利用にあたって,前記のようにその径が0.1mm以上10mm未満であることが好ましいが,このような粒状物を得るには,酸化炉から該酸化物を排出するときに,急水冷して水滓化すれよい。水滓は必要に応じて乾燥さらには必要な粒度に篩分けて電気炉装入用原料の一部として利用する。
【0025】
酸化炉から該酸化物を排出させたあと,その減量分を,電気炉からPGM含有溶湯を補給し,再び酸化処理を繰り返し,酸化物を形成させると共にメタル溶湯中にPGMをさらに濃縮させることができる。これによると,メタル溶湯中のPGMの含有量を10〜77wt%にまで高めることが可能である。酸化炉からPGM含有のメタル溶湯を取り出したあとは,これを冷却固化し,高濃度で含有しているPGMをメタル分(殆どが銅である)から分離する次工程に送り,PGMを回収する。
【0026】
【実施例】
〔実施例1〕
平均でPt約1200ppm,Pd約300ppm,Rh約90ppm含有した自動車排ガス浄化用廃触媒(平均でAl2O3 約38.5wt%,SiO2約39.6wt%,MgO約12.5wt%含有する)を10mm以下に破砕した。この粒状の廃触媒1000kgに,フラックス成分としてのCaO500kgとSiO2100kg,還元剤としてのコークス30kg,および酸化銅(0.1mm以上10mm以下の粒状物が約80wt%)300kgを混合し,電気炉に装入した。
【0027】
この装入物を電気炉内で約1500℃で加熱溶融した。メルトダウンのあと,材料温度が約1400℃に保たれるように通電しながら静置し,1時間ごとに上層のスラグの一部を電気炉の側面より流出させ,冷却固化させた。この操作をメルトダウン後20時間まで行い,各時間ごとに採集されたスラグ中のPGMを分析した。その分析結果を表1に示した。
【0028】
表1の結果から,この保持温度では静置時間が5時間以内では相当量のPt,PdおよびRhがスラグに残存するが,5時間を越えると非常に少なくなり,ほぼ8時間程度でその傾向はほぼ停止することがわかる。
【0029】
〔実施例2〕
保持温度を1200℃,静置時間を5時間とした以外は,実施例1を繰り返した。実施例1と同様にスラグ中のPGMを分析したところ,表1に示したようにPt:0.9ppm,Pd:0.2ppm,Rh:0.1ppm以下であった。
【0030】
〔実施例3〕
保持温度を1300℃,静置時間を5時間とした以外は,実施例1を繰り返した。実施例1と同様にスラグ中のPGMを分析したところ,表1に示したようにPt:0.7ppm,Pd:0.1ppm,Rh:0.1ppm以下であった。
【0031】
〔比較例1〕
保持温度を1100℃,静置時間を5時間とした以外は,実施例1を繰り返した。実施例1と同様にスラグ中のPGMを分析したところ,表1に示したようにPt:2.5ppm,Pd:0.9ppm,Rh:0.2ppmであり,保持温度が1200℃未満ではPGMをスラグから十分にメタル中に移行できなかった。
【0032】
〔比較例2〕
保持温度を1550℃,静置時間を5時間とした以外は,実施例1を繰り返した。実施例1と同様にスラグ中のPGMを分析したところ,表1に示したようにPt:1.5ppm,Pd:0.4ppm,Rh:0.1ppmであり,保持温度が1500℃を越えてもPGMをスラグから十分にメタル中に移行できなかった。
【0033】
【表1】
【0034】
〔実施例4〕
実施例1と同様に処理して1400℃で8時間静置した段階で,電気炉から溶融メタルをタッピングし,これを加熱された酸化炉内に導いた。該酸化炉内の溶融メタルに対し,酸素濃度40%の酸化富化空気を溶湯表面に吹付け,溶湯の表面にほぼ1cm厚みの酸化物層が形成された時点で,炉を傾けてその酸化物の層を炉から排出し,大量の水が流れる水槽中に投入した。その後,再び炉を元にもどして同様の酸素富化空気を溶湯表面に吹付け,酸化物の層がほぼ1cm厚みに達したところで,それを水槽中に投入する操作を繰り返した。この水冷により粒径が10mm以下の水砕が形成された。このものは,電気炉装入用原料の一部としての酸化銅として使用することができるものである。
【0035】
酸化物の層を炉外に排出したあとの酸化炉内の溶融メタルに対し,電気炉側において実施例2に相当する処理を終えた溶融メタルを追加し,この合湯の表面に前記同様の酸素富化空気を吹付けた。そして,酸化物層の厚みがほぼ1cmに達した時点で酸化炉外に排出する操作を2回繰り返した。処理後の溶湯全量を酸化炉から排出して冷却固化したところ,約10.5kgの金属銅が得られ,この金属銅中のPGMの含有量は,Pt:約22wt%,Pd:約5.5wt%,Rh:約1.5wt%であった。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によると,自動車排ガス浄化用廃触媒などの白金族元素含有の物質から白金族元素を乾式処理によって高い収率で回収することができ,廃資源から経済的有利に有価金属を採集することができる。
Claims (6)
- 白金族元素を含有する物質と金属銅または酸化銅の少なくとも1種をフラックス成分および還元剤と共に加熱溶融し,白金族元素を吸収した溶融メタルを溶融酸化物から分離し,分離された溶融メタルから白金族元素を回収する白金族元素の乾式回収法において,前記の加熱溶融のあと,溶融メタルを溶融酸化物から分離する前に,1200〜1500℃の温度に少なくとも5時間以上保持する静置工程を設けたことを特徴とする白金族元素の乾式回収法。
- 金属銅または酸化銅は径0.1mm以上10mm未満の粒状物である請求項1に記載の白金族元素の乾式回収法。
- 白金族を含有する物質は,その50wt%以上が10mm未満の径をもつ粒状物である請求項1または2に記載の白金族元素の乾式回収法。
- 分離された溶融メタル層から白金族元素を回収するのは,該溶融メタルに酸素含有気体を導入して酸化物層を形成させると共に白金族元素が濃縮された溶融メタル層を生成させ,該酸化物の層から白金族元素が濃縮された溶融メタル層を分離する方法からなる請求項1ないし3に記載の白金族元素の乾式回収法。
- 溶融メタルに酸素含有気体を導入するには,該溶融メタルの温度を1100℃〜1600℃に維持しながら行う請求項4に記載の白金族元素の乾式回収方法。
- 請求項4において形成した酸化物層を,白金族元素を含有する物質とともに加熱溶融するための酸化銅の一部または全部に使用する請求項4または5に記載の白金族元素の乾式回収方法。
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