JP2004275196A - 簡易トイレ - Google Patents
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Abstract
【課題】排泄時に、安定的かつ確実に使用でき、しかも、手袋等を別途、用意しなくても頗る衛生的に使用できる簡易トイレを提供すること。
【解決手段】不透水性の袋体2の胴部の内面にシート状の水分吸収体3を固定した。排泄時には、袋体2を裏返して吸収体3の吸収面を袋体2の胴部に露出させ、裏返した袋体2内へ手を差し入れて吸収体3で排泄物を受ける。その後、再び袋体2を裏返して吸収体3と共に排泄物を袋体2に収容する。
【選択図】 図1
【解決手段】不透水性の袋体2の胴部の内面にシート状の水分吸収体3を固定した。排泄時には、袋体2を裏返して吸収体3の吸収面を袋体2の胴部に露出させ、裏返した袋体2内へ手を差し入れて吸収体3で排泄物を受ける。その後、再び袋体2を裏返して吸収体3と共に排泄物を袋体2に収容する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、簡易トイレ、より詳しくは、排泄時に極めて手軽に使用することができる簡易トイレに関するものであり、例えば、自動車等による移動時、登山等の野外活動時、地震等の天災地変時、または医療、介護時の簡易トイレとして好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、トイレ以外の場所で排泄行為を行なう場合、一般的に、尿瓶、おまる等を使用する。しかし、これら尿瓶、おまる等は嵩張って持ち運びに不便であり、ドライブ等に持ち出すには適当でない。しかも、使用後に尿瓶、おまる等を洗浄するのが面倒であり、また、排泄物をそのまま廃棄する場所が見つからなくて困るという難点もある。
【0003】
そこで、従来、水分吸収体を収容した使い捨ての排尿袋が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、袋体の袋口部から直接、袋内へ排尿し、その後、袋口部を封止して袋ごと廃棄処分するものであり、持ち運びに嵩張ることもなく手軽に利用することができる。
【0004】
しかしながら、この袋タイプの簡易トイレは、不安定な袋体の袋口部を手で開いた状態に保持しながら、そのまま排泄器官にあてがう必要があり、素手で取り扱うには衛生的でなかった。しかも、排泄中ばかりでなく、排泄後に袋体を排泄器官から外して袋口部を封止する際にも、排泄物が手に付着するおそれがあり、介護人等の他人が排尿袋を扱う場合は勿論のこと、排泄行為者が自ら排尿袋を利用する場合、排尿袋を取り扱う者の衛生を保つには、別途、手袋等を用意しなければならなかった。
【0005】
【特許文献1】
登録実用新案第3025713号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の袋タイプの簡易トイレに上記のような問題があったことに鑑みて為されたもので、安定的かつ確実に使用でき、しかも、手袋等を別途、用意しなくても頗る衛生的に使用できる簡易トイレを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の簡易トイレは、不透水性の袋体と、該袋体の胴部内面に固定され、水分を吸収するシート状吸収体とから成り、排泄時に該袋体を裏返して該吸収体の吸収面を該袋体の胴部に露出させて使用することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の簡易トイレは、前記袋体が手のひらを開いたときの幅と略同じ幅を有する平袋から成ることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の簡易トイレは、前記袋体の袋口部に、該袋体を密封する封止手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の簡易トイレは、前記吸収体の吸収面側に襞が設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の簡易トイレは、前記吸収体の吸収面側の縁部に粘着部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の簡易トイレは、前記粘着部に剥離ライナが貼設されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の簡易トイレは、前記吸収体が前記袋体の袋口部側で該吸収体の縁部同士が直接重なるように吸収面を内側にして二つ折りされていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1及び図2に示すように、本実施形態の簡易トイレ1は、不透水性の袋体2と、この袋体2の胴部の内面に固定された、水分を吸収するシート状の吸収体3とから構成されている。図2は図1のA−A線断面図である。
【0015】
袋体2は、予め筒状に成形された不透明、不透水性の合成樹脂フィルムの一端をヒートシールして袋底部21を形成し、他端側を袋口部22とした平袋形状に構成されており、この袋体2の袋口部22には、封止手段として周知のファスナ23が設けられている。即ち、袋口部22の内面には、ファスナ23の嵌合凸部と嵌合凹部とが対向して配設されており、これらを互いに嵌合することによって袋口部22を開閉自在に気密、液密状態に密封できるようになっている。また、袋体2内に差し入れた手で袋体2を容易に扱うことができるように、袋体2の幅を、手のひらを開いたときの幅と略同じにしている。なお、本明細書では袋体2の袋口部22から袋底部21に亘る方向を袋体の長さ方向とし、この袋体の長さ方向と直交する方向を袋体の幅方向としている。
【0016】
シート状の吸収体3は、図2に示すように、透水性を有する合成樹脂製の不織布から成る袋31と、この袋31内に収容された、わた状物、高分子吸収ポリマー及び消臭剤を混合した吸収材32とから構成されており、全体に柔軟性を有している。高分子吸収ポリマーは、自重の20倍以上の液体を吸収して保持し得る保持性能を有し、ゲル化する粒子状のものが好ましく、例えば、デンプン−アクリル酸塩グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル酸塩重合体などが好ましい。袋31内にはその他、中和剤、抗菌剤等を収容しても良い。また、この吸収体3は、排泄物の水分を吸収し保持できれば足り、吸収体3自体を単に例えば脱脂綿、紙等で構成することも可能である。
【0017】
かかるシート状の吸収体3の裏側の全面が、上記袋体2の胴部内面に接着固定されており、袋体2を裏返したとき、図3に示すように、吸収体3の表側の吸収面が袋体2の胴部に露出する。この吸収体3の吸収面には、不織布から成る複数の襞33が設けられている。これら襞33は、その先端縁を吸収面の中央へ向けた状態で対を成して配設されており、袋体の幅方向に沿って二対四本の襞33が配設され(図2参照)、袋体の長さ方向に沿って一対二本の襞33が配設されている。これら襞33により吸収体3の吸収面中央で受ける排泄物の横漏れを防止する。
【0018】
また、図4に示すように、吸収体3の吸収面側の三方の縁部には、粘着部34が設けられている。即ち、袋体2の長さ方向に沿う吸収体3の両側の側縁部(以下、単に吸収体3の側縁部と称す。)と吸収体3の袋底部21側の縁部(以下、吸収体3の前縁部と称す。)とにそれぞれ帯状の粘着部34が設けられており、そして、吸収体3の袋口部22側の縁部(以下、吸収体3の後縁部と称す。)には粘着部を設けていない。
【0019】
これら三方の粘着部34の粘着面には、それぞれ剥離ライナ35が貼設されている。この剥離ライナ35は、トイレ携帯時における粘着部34と袋体2の内面との付着を防ぐものであるが、必ずしも剥離ライナ35を貼設する必要はない。この場合、例えば、袋体2の内面に剥離層を形成したり、袋体2を粘着部34が剥がれ易い材質で構成することが好ましい。
【0020】
以下、本実施形態の簡易トイレの使用手順について説明する。
【0021】
まず、袋体2内に吸収体3が密封収容されて携帯状態にある簡易トイレ1を用意し(図1参照)、ファスナ23を開いて袋口部22を開口する。そして、この袋口部22を外側へ折り返すようにして袋体2全体を完全に裏返すことによって袋体2の胴部に吸収体3を露出させる(図3参照)。
【0022】
次いで、図4に示すように、吸収体3を上へ向けた状態で袋体2の袋口部22から手Hを差し入れ、手のひらで吸収体3を支える。この際、吸収体3の中央部を窪ませるように支えると使い勝手が良い。そして、他方の手で吸収体3の剥離ライナ35を剥がして各粘着部34の粘着面を露出させる。
【0023】
そして、このまま簡易トイレ1を股間へ運び、吸収体3を排泄器官に近接させて粘着部34を排泄器官の周囲に付着させる。この状態で排泄行為を行ない、図5に示すように、排泄物Eを吸収体3で受け、排泄物Eの水分を吸収体3で吸収し保持する。この際、複数の襞33によって排泄物Eの横漏れが防止される。
【0024】
排泄終了後、粘着部34を剥がして吸収体3を排泄器官から離し、手Hで吸収体3を保持しながら、他方の手で袋体2の袋口部22を外側へ折り返して再び袋体2を完全に裏返すことにより排泄物Eと共に吸収体3を袋体2内に収容する。そして、封止手段のファスナ23で袋口部22を密封して、その後、簡易トイレごと排泄物を廃棄処理するのである。
【0025】
このように、本実施形態の簡易トイレ1は、裏返した袋体2の中へ手Hを完全に差し入れた状態で、袋体2の外側の吸収体3を排泄器官に近接させ、そのまま排泄物Eを受けることができるので、手Hが排泄器官と直接、接触したり、排泄物Eが手Hに付着するおそれもなく、別途、手袋等を用意しなくても頗る衛生的に使用することができる。
【0026】
しかも、吸収体3が袋体2に固定されているので、袋体2内に手Hを差し入れている限り、吸収体3がずれたり落下したりすることもない。したがって、排泄時に、安定的かつ確実に吸収体3で排泄物Eを受けることができ、さらに、排泄後にも、簡単かつ確実に袋体2を裏返して吸収体3を袋体2内に収容することができる。更にまた、吸収体3が袋体2の胴部に固定されているので、袋体2内に差し入れた手Hだけで吸収体3を把持することも可能であり、したがって、吸収体3を積極的に把持しながら袋体2を裏返すようにすれば、より簡単かつ確実に吸収体3を袋体2内に収容することができる。
【0027】
また、本実施形態の簡易トイレ1は、袋体2が手のひらを開いたときの幅と略同じ幅を有する平袋で構成しているので、袋体2内に差し入れた手Hによる袋体2及び吸収体3の取り扱い性を向上させることができる。
【0028】
更にまた、本実施形態の簡易トイレ1は、シート状吸収体3の吸収面側の縁部に粘着部34を設けているので、排泄時に吸収体3を排泄器官の周囲に付着させて、より確実に排泄物Eを吸収体3で受けることができ、排泄行為者にとっても安心して排泄行為を行うことができる。また、吸収体3が袋体2に固定されているので、袋体2内に差し入れた手Hを排泄器官から離すだけで、他方の素手を用いることなく簡単に排泄器官の周囲から粘着部34を剥がすことができ、この点でも衛生的である。なお、例えば、男性が小便をする場合等においては、必ずしも粘着部34を排泄器官の周囲に付着させる必要はなく、この場合、使用時に剥離ライナ35を剥離しなくても良い。
【0029】
更にまた、本実施形態の簡易トイレ1は、袋口部22を適宜に密封し開口することができるファスナ23を設けているので、排泄物Eと共に吸収体3を収容した袋体2を極めて簡単に密封することができ、封止作業時においても手に排泄物が付着するおそれがない。また、袋体2を不透水性の合成樹脂フィルムで構成しているので、排泄物を収容した袋体2が液漏れすることはない。また、袋体2を不透明の合成樹脂フィルムで構成しているので、袋体2に収容した排泄物等を隠蔽することができる。
【0030】
更にまた、本実施形態の簡易トイレ1は、使用前の携帯時には、吸収体3が袋体2内に密封収容されているので、吸収体3の衛生を保つことができ、また、吸収体3の高分子吸収ポリマーが携帯時に吸湿してしまい、その吸水性能の低下を来すこともない。同様、消臭剤、中和剤等の各性能が低下することもない。
【0031】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明に係る簡易トイレは、その他の形態でも実施し得るものである。
【0032】
例えば、上記実施形態では、シート状吸収体3の裏側の全面を袋体2の胴部に接着固定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、吸収体3の裏面を部分的に袋体2の胴部に接着固定しても良い。例えば、図6に示すように、吸収体3の裏側の周縁部41だけを袋体2に固定したり、図7に示すように、吸収体3の裏側の中央部42だけを袋体2に固定したり、図8に示すように、吸収体3の裏側の前縁部43及び後縁部44だけを袋体2に固定したり、図9に示すように、吸収体3の裏側の角部45及び中央部46だけを袋体2に固定したりしても良い。袋体2の裏返し易さや、袋体2内に差し入れた手Hによる吸収体3の取り扱い易さ等を考慮して種々の設計変更が可能である。
【0033】
また、図10〜図12に示す簡易トイレ5のように、吸収体3の表面(吸収面)において吸収体の側縁部にだけ粘着部36及び剥離ライナ37を配設し、そして、図11に示すように、吸収体3の裏面において吸収体の前縁部側の約半分の領域47だけを袋体2に接着固定するようにしても良い。この簡易トイレ5の場合、図12に示すように袋体2を裏返して吸収体3を袋体2の胴部に露出させ、剥離ライナ37を剥離した後、図13に示すように、吸収体3の後縁部を起こして前縁部に重ねるよう二つ折りして各粘着部36を自身に粘着させれば、図14に示すように、吸収体3を袋状にすることができ、特に男性の小便Fを受けるのに適した簡易トイレを提供することが可能となる。
【0034】
勿論、この簡易トイレ5は、図12に示すように、剥離ライナ37を剥がした後、吸収体3を二つ折りすることなく、そのまま粘着部36を排泄器官の周囲に付着させて排泄物を受けることも可能である。このように簡易トイレ5は、性別或いは便の大小を問わず、汎用的に使用することができる。
【0035】
なお、この簡易トイレ5の吸収体3を二つ折りする際、図15に示すように、吸収体3の後縁部と前縁部とをずらして略J字状に折曲げるようにしても良い。このことで、吸収体3の重なり合っていない前縁部6側で露出する粘着部36を排泄器官の周囲に付着させることも可能となり、更にはこの前縁部6を排泄時のガイドとして利用でき、より安定的な排泄が可能となる。
【0036】
また、この簡易トイレ5は、上述したように、吸収体3の裏面の前縁部側だけを袋体2に接着固定しているが、図16に示すように、さらに吸収体3の裏面の後縁部側に粘着部7を設け、この吸収体3の後縁部側を袋体2に剥離可能に粘着固定しても良い。この粘着部7によって、排泄物をシート状態で受ける吸収体3の安定性を向上させることができる。吸収体3を袋状にする場合には、粘着部7を袋体2から剥がして吸収体3を二つ折りすれば良い。なお、この粘着部を袋体2の胴部の方に設けて吸収体3の後縁部側を袋体2に粘着固定しても良い。
【0037】
更にまた、図17に示す簡易トイレ8のように、吸収体3の表面(吸収面)において吸収体の前縁部にだけ粘着部38及び剥離ライナ39を配設し、吸収体3の裏面全体を袋体2の胴部に接着固定するようにしても良い。この簡易トイレ8の場合、図17に示すように、袋体2を裏返して吸収体3を袋体2の胴部に露出させ、剥離ライナ39を剥離した後、図18に示すように、吸収体3の前縁部を二つ折りして粘着部38を自身に粘着させれば、この吸収体3の前縁部分を袋状にすることができ、排泄物をより確実に受けることが可能となる。
【0038】
なお、この簡易トイレ8においても、吸収体3の前縁部を二つ折りせず、シート状態で排泄物を受けることもでき、汎用的に使用することができる。また、吸収体3の前縁部だけでなく後縁部にも粘着部を設け、これら吸収体3の前縁部及び後縁部を二つ折りして使用しても良い。
【0039】
更にまた、図19に示す簡易トイレ9のように、吸収体3が袋体2に密封収容されて使用前の携帯状態にあるとき、吸収体3が袋体2内でその吸収面を内側にして二つ折りされていても良い。即ち、簡易トイレ9は、吸収体3の後縁部の裏面と中央部の裏面とがそれぞれ接着部91によって袋体2の胴部内面に接着固定されており、袋口部22側で吸収体3の縁部同士が、袋体2が介在することなく直接、重なり合うように吸収面を内側にして吸収体3が二つ折りされている。そして更に、袋体2の袋底部21が袋口部22側へ折り返されて粘着部94によって着脱自在に粘着固定されている。符号92で指示するものは、二つ折りされた吸収体3の他方の縁部の裏面に設けられた粘着部であり、この粘着部92の粘着面には剥離ライナ93が貼設されている。この剥離ライナ93によって粘着部92と袋体2の内面との付着を防いでいる。
【0040】
この簡易トイレ9の場合、吸収体3及び袋体2がそれぞれ二つ折りされているので、頗るコンパクトになり、その携帯性を向上させることができる。また、図20に示すように、ファスナ23を開いて袋口部22を開口すれば、そのまま男性の小便Fを受けることも可能である。この場合、袋口部22に吸収体3の吸収面が存在するので、排泄器官が袋体2に接触して不快感を覚えることもない。
【0041】
勿論、この簡易トイレ9は、図19に示す携帯状態から、袋体2及び吸収体3をそれぞれ伸ばせば、上述した実施形態(図2〜図5参照)と同様に、袋体2を裏返して袋体胴部に露出させた吸収体3で排泄物を受けることができる。即ち、図21に示すように、袋底部21の粘着部94を袋口部22から剥がして袋体2を伸ばし、そして、剥離ライナ93を剥離して粘着部92の粘着面を露出させた後、二つ折りされた吸収体3を伸ばして、粘着部92を袋体2の袋底部21の内面に粘着させれば、吸収体3の裏面を全体的に袋体2の胴部内面に固定することができる。その後、袋体2を裏返せば、袋体2の胴部に吸収体3を露出させることができ、裏返した袋体2の中へ手を差し入れて吸収体3で排泄物を受けることができるのである。
【0042】
以上、本発明の実施変形例について、図面に基いて種々説明したが、本発明に係る簡易トイレは、図示したものに限定されず、その他の態様でも実施し得るものである。
【0043】
例えば、上記実施例では、袋体2を筒状の合成樹脂フィルムの一端をヒートシールして構成しているが、勿論これに限定されるものではなく、例えば二枚の合成樹脂シートを重ね合せ、各シートの周縁部のうちの三方を互いにヒートシールして袋状に構成しても良く、また、一枚の合成樹脂シートを二つ折りしてその重なり合った側縁部をヒートシールして袋状に構成しても良い。また、袋体2の胴部にエンボス加工等により滑り止めのために凹凸を形成しても良い。また、袋体は、その袋底部が線状になった平袋形状に限定されるものではなく、例えば、長円形状の底部を備えた袋として構成しても良く、また、液体排泄物を含んだ際の吸収体の膨張分、或いは固形排泄物の体積増加分を受け入れるための空間を予め確保するために、吸収体固定部分だけを外側へ膨らませるように袋体の胴部を立体成形して袋体を構成しても良い。
【0044】
また、上記実施例では、袋口部22の封止手段としてファスナ23を設けているが、封止手段として袋口部22の内側に粘着部を設け、この粘着部で袋口部22を開閉可能に封止しても良く、また、袋口部22を閉じ状態で折り返し、この折り返し端部に粘着テープを貼着して封止しても良い。また、袋口部22自体を結ぶことによって袋口部22を封止しても良い。
【0045】
また、上記実施例では何れも、吸収体3の吸収面側に粘着部を設け、この粘着部の粘着面に剥離ライナを貼設しているが、必ずしも粘着部を吸収体3の吸収面側に設ける必要はない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内で当業者の知識に基づき、種々の改良、変更、修正を加えた態様で実施し得るものである。
【0046】
また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良く、また、一体に構成されている発明特定事項を複数の部材から構成しても、複数の部材から構成されている発明特定事項を一体に構成した形態で実施しても良い。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る簡易トイレによれば、裏返した袋体の中へ手を完全に差し入れた状態で、袋体の外側に露出した吸収体を排泄器官に近接させて排泄物を受けることができるので、手が排泄器官と接触したり、排泄物が手に付着するおそれもなく、別途、手袋等を用意しなくても頗る衛生的に使用することができる。
【0048】
しかも、吸収体が袋体に固定されているので、袋体内に手を差し入れている限り、吸収体がずれたり落下したりすることもない。したがって、排泄時に、安定的かつ確実に吸収体で排泄物を受けることができ、さらに、排泄後にも、簡単かつ確実に袋体を裏返して吸収体を袋体内に収容することができる。更にまた、吸収体が袋体の胴部に固定されているので、袋体内に差し入れた手だけで吸収体を把持することも可能であり、したがって、吸収体を積極的に把持しながら袋体を裏返せば、より簡単かつ確実に吸収体を袋体内に収容することができる。
【0049】
更にまた、吸収体の吸収面側の縁部に粘着部を設けた簡易トイレによれば、排泄時に吸収体を排泄器官の周囲に付着させて、より確実に排泄物を吸収体で受けることができるので、排泄行為者にとっても安心して排泄行為を行うことができる。また、この粘着部を利用して吸収体を袋状にすることもでき、このことによっても排泄物をより確実に受けることができる。
【0050】
更にまた、吸収体が袋体内で二つ折りされた簡易トイレによれば、頗るコンパクトにすることができ、その携帯性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る簡易トイレの携帯状態の全体斜視図である。
【図2】図1のA−A線における簡易トイレの断面図である。
【図3】同簡易トイレの使用手順を説明する斜視図である。
【図4】同簡易トイレの使用手順を説明する斜視図である。
【図5】同簡易トイレの使用手順を説明する斜視図である。
【図6】本発明に係る変形例の簡易トイレの吸収体の裏面図である。
【図7】本発明に係る他の変形例の簡易トイレの吸収体の裏面図である。
【図8】本発明に係る更に他の変形例の簡易トイレの吸収体の裏面図である。
【図9】本発明に係る更に他の変形例の簡易トイレの吸収体の裏面図である。
【図10】本発明に係る更に他の変形例の簡易トイレの使用状態の斜視図である。
【図11】同簡易トイレの吸収体の裏面図である。
【図12】同簡易トイレの使用手順を説明する斜視図である。
【図13】同簡易トイレの使用手順を説明する斜視図である。
【図14】同簡易トイレの使用手順を説明する斜視図である。
【図15】同簡易トイレの他の使用状態を説明する斜視図である。
【図16】発明に係る更に他の変形例の簡易トイレの使用状態の斜視図である。
【図17】発明に係る更に他の変形例の簡易トイレの使用状態の平面図である。
【図18】同簡易トイレの使用状態の平面図である。
【図19】発明に係る更に他の変形例の簡易トイレの携帯状態の断面図である。
【図20】同簡易トイレの他の使用例を説明する断面図である。
【図21】同簡易トイレの使用手順を説明する断面図である。
【符号の説明】
1、5、8、9 簡易トイレ
2 袋体
21 袋底部
22 袋口部
23 ファスナ(封止手段)
3 吸収体
33 襞
34、36、38 粘着部
35、37、39 剥離ライナ
E、F 排泄物
H 手
【発明の属する技術分野】
本発明は、簡易トイレ、より詳しくは、排泄時に極めて手軽に使用することができる簡易トイレに関するものであり、例えば、自動車等による移動時、登山等の野外活動時、地震等の天災地変時、または医療、介護時の簡易トイレとして好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、トイレ以外の場所で排泄行為を行なう場合、一般的に、尿瓶、おまる等を使用する。しかし、これら尿瓶、おまる等は嵩張って持ち運びに不便であり、ドライブ等に持ち出すには適当でない。しかも、使用後に尿瓶、おまる等を洗浄するのが面倒であり、また、排泄物をそのまま廃棄する場所が見つからなくて困るという難点もある。
【0003】
そこで、従来、水分吸収体を収容した使い捨ての排尿袋が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これは、袋体の袋口部から直接、袋内へ排尿し、その後、袋口部を封止して袋ごと廃棄処分するものであり、持ち運びに嵩張ることもなく手軽に利用することができる。
【0004】
しかしながら、この袋タイプの簡易トイレは、不安定な袋体の袋口部を手で開いた状態に保持しながら、そのまま排泄器官にあてがう必要があり、素手で取り扱うには衛生的でなかった。しかも、排泄中ばかりでなく、排泄後に袋体を排泄器官から外して袋口部を封止する際にも、排泄物が手に付着するおそれがあり、介護人等の他人が排尿袋を扱う場合は勿論のこと、排泄行為者が自ら排尿袋を利用する場合、排尿袋を取り扱う者の衛生を保つには、別途、手袋等を用意しなければならなかった。
【0005】
【特許文献1】
登録実用新案第3025713号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の袋タイプの簡易トイレに上記のような問題があったことに鑑みて為されたもので、安定的かつ確実に使用でき、しかも、手袋等を別途、用意しなくても頗る衛生的に使用できる簡易トイレを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の簡易トイレは、不透水性の袋体と、該袋体の胴部内面に固定され、水分を吸収するシート状吸収体とから成り、排泄時に該袋体を裏返して該吸収体の吸収面を該袋体の胴部に露出させて使用することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の簡易トイレは、前記袋体が手のひらを開いたときの幅と略同じ幅を有する平袋から成ることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の簡易トイレは、前記袋体の袋口部に、該袋体を密封する封止手段を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の簡易トイレは、前記吸収体の吸収面側に襞が設けられていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の簡易トイレは、前記吸収体の吸収面側の縁部に粘着部が設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の簡易トイレは、前記粘着部に剥離ライナが貼設されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の簡易トイレは、前記吸収体が前記袋体の袋口部側で該吸収体の縁部同士が直接重なるように吸収面を内側にして二つ折りされていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1及び図2に示すように、本実施形態の簡易トイレ1は、不透水性の袋体2と、この袋体2の胴部の内面に固定された、水分を吸収するシート状の吸収体3とから構成されている。図2は図1のA−A線断面図である。
【0015】
袋体2は、予め筒状に成形された不透明、不透水性の合成樹脂フィルムの一端をヒートシールして袋底部21を形成し、他端側を袋口部22とした平袋形状に構成されており、この袋体2の袋口部22には、封止手段として周知のファスナ23が設けられている。即ち、袋口部22の内面には、ファスナ23の嵌合凸部と嵌合凹部とが対向して配設されており、これらを互いに嵌合することによって袋口部22を開閉自在に気密、液密状態に密封できるようになっている。また、袋体2内に差し入れた手で袋体2を容易に扱うことができるように、袋体2の幅を、手のひらを開いたときの幅と略同じにしている。なお、本明細書では袋体2の袋口部22から袋底部21に亘る方向を袋体の長さ方向とし、この袋体の長さ方向と直交する方向を袋体の幅方向としている。
【0016】
シート状の吸収体3は、図2に示すように、透水性を有する合成樹脂製の不織布から成る袋31と、この袋31内に収容された、わた状物、高分子吸収ポリマー及び消臭剤を混合した吸収材32とから構成されており、全体に柔軟性を有している。高分子吸収ポリマーは、自重の20倍以上の液体を吸収して保持し得る保持性能を有し、ゲル化する粒子状のものが好ましく、例えば、デンプン−アクリル酸塩グラフト共重合体、デンプン−アクリロニトリル酸塩重合体などが好ましい。袋31内にはその他、中和剤、抗菌剤等を収容しても良い。また、この吸収体3は、排泄物の水分を吸収し保持できれば足り、吸収体3自体を単に例えば脱脂綿、紙等で構成することも可能である。
【0017】
かかるシート状の吸収体3の裏側の全面が、上記袋体2の胴部内面に接着固定されており、袋体2を裏返したとき、図3に示すように、吸収体3の表側の吸収面が袋体2の胴部に露出する。この吸収体3の吸収面には、不織布から成る複数の襞33が設けられている。これら襞33は、その先端縁を吸収面の中央へ向けた状態で対を成して配設されており、袋体の幅方向に沿って二対四本の襞33が配設され(図2参照)、袋体の長さ方向に沿って一対二本の襞33が配設されている。これら襞33により吸収体3の吸収面中央で受ける排泄物の横漏れを防止する。
【0018】
また、図4に示すように、吸収体3の吸収面側の三方の縁部には、粘着部34が設けられている。即ち、袋体2の長さ方向に沿う吸収体3の両側の側縁部(以下、単に吸収体3の側縁部と称す。)と吸収体3の袋底部21側の縁部(以下、吸収体3の前縁部と称す。)とにそれぞれ帯状の粘着部34が設けられており、そして、吸収体3の袋口部22側の縁部(以下、吸収体3の後縁部と称す。)には粘着部を設けていない。
【0019】
これら三方の粘着部34の粘着面には、それぞれ剥離ライナ35が貼設されている。この剥離ライナ35は、トイレ携帯時における粘着部34と袋体2の内面との付着を防ぐものであるが、必ずしも剥離ライナ35を貼設する必要はない。この場合、例えば、袋体2の内面に剥離層を形成したり、袋体2を粘着部34が剥がれ易い材質で構成することが好ましい。
【0020】
以下、本実施形態の簡易トイレの使用手順について説明する。
【0021】
まず、袋体2内に吸収体3が密封収容されて携帯状態にある簡易トイレ1を用意し(図1参照)、ファスナ23を開いて袋口部22を開口する。そして、この袋口部22を外側へ折り返すようにして袋体2全体を完全に裏返すことによって袋体2の胴部に吸収体3を露出させる(図3参照)。
【0022】
次いで、図4に示すように、吸収体3を上へ向けた状態で袋体2の袋口部22から手Hを差し入れ、手のひらで吸収体3を支える。この際、吸収体3の中央部を窪ませるように支えると使い勝手が良い。そして、他方の手で吸収体3の剥離ライナ35を剥がして各粘着部34の粘着面を露出させる。
【0023】
そして、このまま簡易トイレ1を股間へ運び、吸収体3を排泄器官に近接させて粘着部34を排泄器官の周囲に付着させる。この状態で排泄行為を行ない、図5に示すように、排泄物Eを吸収体3で受け、排泄物Eの水分を吸収体3で吸収し保持する。この際、複数の襞33によって排泄物Eの横漏れが防止される。
【0024】
排泄終了後、粘着部34を剥がして吸収体3を排泄器官から離し、手Hで吸収体3を保持しながら、他方の手で袋体2の袋口部22を外側へ折り返して再び袋体2を完全に裏返すことにより排泄物Eと共に吸収体3を袋体2内に収容する。そして、封止手段のファスナ23で袋口部22を密封して、その後、簡易トイレごと排泄物を廃棄処理するのである。
【0025】
このように、本実施形態の簡易トイレ1は、裏返した袋体2の中へ手Hを完全に差し入れた状態で、袋体2の外側の吸収体3を排泄器官に近接させ、そのまま排泄物Eを受けることができるので、手Hが排泄器官と直接、接触したり、排泄物Eが手Hに付着するおそれもなく、別途、手袋等を用意しなくても頗る衛生的に使用することができる。
【0026】
しかも、吸収体3が袋体2に固定されているので、袋体2内に手Hを差し入れている限り、吸収体3がずれたり落下したりすることもない。したがって、排泄時に、安定的かつ確実に吸収体3で排泄物Eを受けることができ、さらに、排泄後にも、簡単かつ確実に袋体2を裏返して吸収体3を袋体2内に収容することができる。更にまた、吸収体3が袋体2の胴部に固定されているので、袋体2内に差し入れた手Hだけで吸収体3を把持することも可能であり、したがって、吸収体3を積極的に把持しながら袋体2を裏返すようにすれば、より簡単かつ確実に吸収体3を袋体2内に収容することができる。
【0027】
また、本実施形態の簡易トイレ1は、袋体2が手のひらを開いたときの幅と略同じ幅を有する平袋で構成しているので、袋体2内に差し入れた手Hによる袋体2及び吸収体3の取り扱い性を向上させることができる。
【0028】
更にまた、本実施形態の簡易トイレ1は、シート状吸収体3の吸収面側の縁部に粘着部34を設けているので、排泄時に吸収体3を排泄器官の周囲に付着させて、より確実に排泄物Eを吸収体3で受けることができ、排泄行為者にとっても安心して排泄行為を行うことができる。また、吸収体3が袋体2に固定されているので、袋体2内に差し入れた手Hを排泄器官から離すだけで、他方の素手を用いることなく簡単に排泄器官の周囲から粘着部34を剥がすことができ、この点でも衛生的である。なお、例えば、男性が小便をする場合等においては、必ずしも粘着部34を排泄器官の周囲に付着させる必要はなく、この場合、使用時に剥離ライナ35を剥離しなくても良い。
【0029】
更にまた、本実施形態の簡易トイレ1は、袋口部22を適宜に密封し開口することができるファスナ23を設けているので、排泄物Eと共に吸収体3を収容した袋体2を極めて簡単に密封することができ、封止作業時においても手に排泄物が付着するおそれがない。また、袋体2を不透水性の合成樹脂フィルムで構成しているので、排泄物を収容した袋体2が液漏れすることはない。また、袋体2を不透明の合成樹脂フィルムで構成しているので、袋体2に収容した排泄物等を隠蔽することができる。
【0030】
更にまた、本実施形態の簡易トイレ1は、使用前の携帯時には、吸収体3が袋体2内に密封収容されているので、吸収体3の衛生を保つことができ、また、吸収体3の高分子吸収ポリマーが携帯時に吸湿してしまい、その吸水性能の低下を来すこともない。同様、消臭剤、中和剤等の各性能が低下することもない。
【0031】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明に係る簡易トイレは、その他の形態でも実施し得るものである。
【0032】
例えば、上記実施形態では、シート状吸収体3の裏側の全面を袋体2の胴部に接着固定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、吸収体3の裏面を部分的に袋体2の胴部に接着固定しても良い。例えば、図6に示すように、吸収体3の裏側の周縁部41だけを袋体2に固定したり、図7に示すように、吸収体3の裏側の中央部42だけを袋体2に固定したり、図8に示すように、吸収体3の裏側の前縁部43及び後縁部44だけを袋体2に固定したり、図9に示すように、吸収体3の裏側の角部45及び中央部46だけを袋体2に固定したりしても良い。袋体2の裏返し易さや、袋体2内に差し入れた手Hによる吸収体3の取り扱い易さ等を考慮して種々の設計変更が可能である。
【0033】
また、図10〜図12に示す簡易トイレ5のように、吸収体3の表面(吸収面)において吸収体の側縁部にだけ粘着部36及び剥離ライナ37を配設し、そして、図11に示すように、吸収体3の裏面において吸収体の前縁部側の約半分の領域47だけを袋体2に接着固定するようにしても良い。この簡易トイレ5の場合、図12に示すように袋体2を裏返して吸収体3を袋体2の胴部に露出させ、剥離ライナ37を剥離した後、図13に示すように、吸収体3の後縁部を起こして前縁部に重ねるよう二つ折りして各粘着部36を自身に粘着させれば、図14に示すように、吸収体3を袋状にすることができ、特に男性の小便Fを受けるのに適した簡易トイレを提供することが可能となる。
【0034】
勿論、この簡易トイレ5は、図12に示すように、剥離ライナ37を剥がした後、吸収体3を二つ折りすることなく、そのまま粘着部36を排泄器官の周囲に付着させて排泄物を受けることも可能である。このように簡易トイレ5は、性別或いは便の大小を問わず、汎用的に使用することができる。
【0035】
なお、この簡易トイレ5の吸収体3を二つ折りする際、図15に示すように、吸収体3の後縁部と前縁部とをずらして略J字状に折曲げるようにしても良い。このことで、吸収体3の重なり合っていない前縁部6側で露出する粘着部36を排泄器官の周囲に付着させることも可能となり、更にはこの前縁部6を排泄時のガイドとして利用でき、より安定的な排泄が可能となる。
【0036】
また、この簡易トイレ5は、上述したように、吸収体3の裏面の前縁部側だけを袋体2に接着固定しているが、図16に示すように、さらに吸収体3の裏面の後縁部側に粘着部7を設け、この吸収体3の後縁部側を袋体2に剥離可能に粘着固定しても良い。この粘着部7によって、排泄物をシート状態で受ける吸収体3の安定性を向上させることができる。吸収体3を袋状にする場合には、粘着部7を袋体2から剥がして吸収体3を二つ折りすれば良い。なお、この粘着部を袋体2の胴部の方に設けて吸収体3の後縁部側を袋体2に粘着固定しても良い。
【0037】
更にまた、図17に示す簡易トイレ8のように、吸収体3の表面(吸収面)において吸収体の前縁部にだけ粘着部38及び剥離ライナ39を配設し、吸収体3の裏面全体を袋体2の胴部に接着固定するようにしても良い。この簡易トイレ8の場合、図17に示すように、袋体2を裏返して吸収体3を袋体2の胴部に露出させ、剥離ライナ39を剥離した後、図18に示すように、吸収体3の前縁部を二つ折りして粘着部38を自身に粘着させれば、この吸収体3の前縁部分を袋状にすることができ、排泄物をより確実に受けることが可能となる。
【0038】
なお、この簡易トイレ8においても、吸収体3の前縁部を二つ折りせず、シート状態で排泄物を受けることもでき、汎用的に使用することができる。また、吸収体3の前縁部だけでなく後縁部にも粘着部を設け、これら吸収体3の前縁部及び後縁部を二つ折りして使用しても良い。
【0039】
更にまた、図19に示す簡易トイレ9のように、吸収体3が袋体2に密封収容されて使用前の携帯状態にあるとき、吸収体3が袋体2内でその吸収面を内側にして二つ折りされていても良い。即ち、簡易トイレ9は、吸収体3の後縁部の裏面と中央部の裏面とがそれぞれ接着部91によって袋体2の胴部内面に接着固定されており、袋口部22側で吸収体3の縁部同士が、袋体2が介在することなく直接、重なり合うように吸収面を内側にして吸収体3が二つ折りされている。そして更に、袋体2の袋底部21が袋口部22側へ折り返されて粘着部94によって着脱自在に粘着固定されている。符号92で指示するものは、二つ折りされた吸収体3の他方の縁部の裏面に設けられた粘着部であり、この粘着部92の粘着面には剥離ライナ93が貼設されている。この剥離ライナ93によって粘着部92と袋体2の内面との付着を防いでいる。
【0040】
この簡易トイレ9の場合、吸収体3及び袋体2がそれぞれ二つ折りされているので、頗るコンパクトになり、その携帯性を向上させることができる。また、図20に示すように、ファスナ23を開いて袋口部22を開口すれば、そのまま男性の小便Fを受けることも可能である。この場合、袋口部22に吸収体3の吸収面が存在するので、排泄器官が袋体2に接触して不快感を覚えることもない。
【0041】
勿論、この簡易トイレ9は、図19に示す携帯状態から、袋体2及び吸収体3をそれぞれ伸ばせば、上述した実施形態(図2〜図5参照)と同様に、袋体2を裏返して袋体胴部に露出させた吸収体3で排泄物を受けることができる。即ち、図21に示すように、袋底部21の粘着部94を袋口部22から剥がして袋体2を伸ばし、そして、剥離ライナ93を剥離して粘着部92の粘着面を露出させた後、二つ折りされた吸収体3を伸ばして、粘着部92を袋体2の袋底部21の内面に粘着させれば、吸収体3の裏面を全体的に袋体2の胴部内面に固定することができる。その後、袋体2を裏返せば、袋体2の胴部に吸収体3を露出させることができ、裏返した袋体2の中へ手を差し入れて吸収体3で排泄物を受けることができるのである。
【0042】
以上、本発明の実施変形例について、図面に基いて種々説明したが、本発明に係る簡易トイレは、図示したものに限定されず、その他の態様でも実施し得るものである。
【0043】
例えば、上記実施例では、袋体2を筒状の合成樹脂フィルムの一端をヒートシールして構成しているが、勿論これに限定されるものではなく、例えば二枚の合成樹脂シートを重ね合せ、各シートの周縁部のうちの三方を互いにヒートシールして袋状に構成しても良く、また、一枚の合成樹脂シートを二つ折りしてその重なり合った側縁部をヒートシールして袋状に構成しても良い。また、袋体2の胴部にエンボス加工等により滑り止めのために凹凸を形成しても良い。また、袋体は、その袋底部が線状になった平袋形状に限定されるものではなく、例えば、長円形状の底部を備えた袋として構成しても良く、また、液体排泄物を含んだ際の吸収体の膨張分、或いは固形排泄物の体積増加分を受け入れるための空間を予め確保するために、吸収体固定部分だけを外側へ膨らませるように袋体の胴部を立体成形して袋体を構成しても良い。
【0044】
また、上記実施例では、袋口部22の封止手段としてファスナ23を設けているが、封止手段として袋口部22の内側に粘着部を設け、この粘着部で袋口部22を開閉可能に封止しても良く、また、袋口部22を閉じ状態で折り返し、この折り返し端部に粘着テープを貼着して封止しても良い。また、袋口部22自体を結ぶことによって袋口部22を封止しても良い。
【0045】
また、上記実施例では何れも、吸収体3の吸収面側に粘着部を設け、この粘着部の粘着面に剥離ライナを貼設しているが、必ずしも粘着部を吸収体3の吸収面側に設ける必要はない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内で当業者の知識に基づき、種々の改良、変更、修正を加えた態様で実施し得るものである。
【0046】
また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、何れかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良く、また、一体に構成されている発明特定事項を複数の部材から構成しても、複数の部材から構成されている発明特定事項を一体に構成した形態で実施しても良い。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る簡易トイレによれば、裏返した袋体の中へ手を完全に差し入れた状態で、袋体の外側に露出した吸収体を排泄器官に近接させて排泄物を受けることができるので、手が排泄器官と接触したり、排泄物が手に付着するおそれもなく、別途、手袋等を用意しなくても頗る衛生的に使用することができる。
【0048】
しかも、吸収体が袋体に固定されているので、袋体内に手を差し入れている限り、吸収体がずれたり落下したりすることもない。したがって、排泄時に、安定的かつ確実に吸収体で排泄物を受けることができ、さらに、排泄後にも、簡単かつ確実に袋体を裏返して吸収体を袋体内に収容することができる。更にまた、吸収体が袋体の胴部に固定されているので、袋体内に差し入れた手だけで吸収体を把持することも可能であり、したがって、吸収体を積極的に把持しながら袋体を裏返せば、より簡単かつ確実に吸収体を袋体内に収容することができる。
【0049】
更にまた、吸収体の吸収面側の縁部に粘着部を設けた簡易トイレによれば、排泄時に吸収体を排泄器官の周囲に付着させて、より確実に排泄物を吸収体で受けることができるので、排泄行為者にとっても安心して排泄行為を行うことができる。また、この粘着部を利用して吸収体を袋状にすることもでき、このことによっても排泄物をより確実に受けることができる。
【0050】
更にまた、吸収体が袋体内で二つ折りされた簡易トイレによれば、頗るコンパクトにすることができ、その携帯性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る簡易トイレの携帯状態の全体斜視図である。
【図2】図1のA−A線における簡易トイレの断面図である。
【図3】同簡易トイレの使用手順を説明する斜視図である。
【図4】同簡易トイレの使用手順を説明する斜視図である。
【図5】同簡易トイレの使用手順を説明する斜視図である。
【図6】本発明に係る変形例の簡易トイレの吸収体の裏面図である。
【図7】本発明に係る他の変形例の簡易トイレの吸収体の裏面図である。
【図8】本発明に係る更に他の変形例の簡易トイレの吸収体の裏面図である。
【図9】本発明に係る更に他の変形例の簡易トイレの吸収体の裏面図である。
【図10】本発明に係る更に他の変形例の簡易トイレの使用状態の斜視図である。
【図11】同簡易トイレの吸収体の裏面図である。
【図12】同簡易トイレの使用手順を説明する斜視図である。
【図13】同簡易トイレの使用手順を説明する斜視図である。
【図14】同簡易トイレの使用手順を説明する斜視図である。
【図15】同簡易トイレの他の使用状態を説明する斜視図である。
【図16】発明に係る更に他の変形例の簡易トイレの使用状態の斜視図である。
【図17】発明に係る更に他の変形例の簡易トイレの使用状態の平面図である。
【図18】同簡易トイレの使用状態の平面図である。
【図19】発明に係る更に他の変形例の簡易トイレの携帯状態の断面図である。
【図20】同簡易トイレの他の使用例を説明する断面図である。
【図21】同簡易トイレの使用手順を説明する断面図である。
【符号の説明】
1、5、8、9 簡易トイレ
2 袋体
21 袋底部
22 袋口部
23 ファスナ(封止手段)
3 吸収体
33 襞
34、36、38 粘着部
35、37、39 剥離ライナ
E、F 排泄物
H 手
Claims (7)
- 不透水性の袋体と、該袋体の胴部内面に固定され、水分を吸収するシート状吸収体とから成り、排泄時に該袋体を裏返して該吸収体の吸収面を該袋体の胴部に露出させて使用することを特徴とした簡易トイレ。
- 前記袋体が、手のひらを開いたときの幅と略同じ幅を有する平袋から成る請求項1記載の簡易トイレ。
- 前記袋体の袋口部に、該袋体を密封する封止手段を備えている請求項1または請求項2記載の簡易トイレ。
- 前記吸収体の吸収面側に襞が設けられている請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の簡易トイレ。
- 前記吸収体の吸収面側の縁部に粘着部が設けられている請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の簡易トイレ。
- 前記粘着部に剥離ライナが貼設されている請求項5記載の簡易トイレ。
- 前記吸収体が、前記袋体の袋口部側で該吸収体の縁部同士が直接重なるように吸収面を内側にして二つ折りされている請求項1乃至請求項6記載の簡易トイレ。
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2003
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