WO2020080358A1 - 使い捨て排尿具とそれを用いた排尿具セット及び使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

【課題】受尿器が袋状といった簡素な構成で取り扱い易くなり、手際よく簡易かつ迅速に排尿処理可能で、併せて安価で使い勝手のよい使い捨て排尿具を提供する。 【解決手段】男性の泌尿器２'に挿通可能で着脱可能な可撓性リング３'と、可撓性リング３'に連通状態に連結され伸縮可能に設けられ、泌尿器２'からの排尿を受ける有底筒状の受尿器４'と、受尿器４の内部に設けられて排尿を吸収する吸収体５'とを備える。受尿器４'を収縮させた状態で、泌尿器２'を可撓性リング３'から受尿器４'に挿通して、受尿器４'を使用者の身体に装着する。

Description

使い捨て排尿具とそれを用いた排尿具セット及び使い捨ておむつ

　本発明は、使い捨て排尿具とそれを用いた排尿具セット及び使い捨ておむつに関する。

　排尿処理に適用可能な排尿具として、特許文献１に記載の排尿処理具がある。この排尿処理具は、受尿器を装着ベルトで患者の身体に取付け、患者自身の泌尿器を円筒状の受尿器に挿入し、連結ホースを通じて外置きの収尿器に蓄尿している。また、使い捨て排尿袋としては、特許文献２に記載され、おむつやミニトイレに利用する排尿処理具がある。この排尿袋は、取手を有する長方形状のビニール袋と、ビニール袋の中央部に設けた開口部と、開口部の周辺に設けた粘着テープを備えている。排泄時には、粘着テープを使用者の局部（陰茎、会陰、肛門など）の外周囲（表皮面）に貼着し、開口部を通してビニール袋内に排尿および排便を受けて収容するようになっている。また、受尿器あるいは排尿袋の構造を流用した使捨てのパンツ型おむつとして特許文献３には、大人用紙おむつに男性性器収納袋を設けた構成が開示されている。

　ところで、上記のような排尿具は主に要介護者や病人を対象に使用されるものであるが、これとは全く異なる事情にて、健常者においても上記排尿具が必要となるシーンが存在する。具体的には、トイレを使用できない区間を長距離走行しなければならないドライバーや、スポーツの試合ないし冠婚葬祭式典への参加によりトイレを使用できない環境に長時間拘束される選手、審判員、司会者、あるいは僧侶などが、そうしたシーンに直面する対象者となりえる。そして、下着の内側に排尿具を仕込み、トイレ外の場所でも安心して排尿できるようにすることは、上記シーンに頻繁にさらされる従事者にとっては、大きな福音となるえるものである。

特開２００２－２２４１５２号公報 特許第５６２６５５３号公報 特開２００３－１９９７７９号公報

　しかし、特許文献１～３のいずれの排尿具の構成も、上記シーンにおける使用についての配慮がなされているとはいいがたい。まず、上記シーンでは対象者が健常者であり、スポーツや仕事遂行に伴う激しい体の動きを伴う環境での使用が想定される。この場合、最も問題となるのは、たまった尿などが使用者の動きにより排尿具の外に漏れだす不具合である。特許文献１～３の構成では、受尿器本体を形成する可撓性シートの縁部が泌尿器を収納あるいは位置させるための開口部としてそのまま使用されており、尿漏れが極めて生じやすい問題がある。また、特許文献２のように開口部周縁を使用者の泌尿器周囲の肌に接着する構成は、接着成分と肌との相性の問題があり、また接着状態から剥がしとる際に陰毛などがむしり取られ、使用者に痛みを生じさせる懸念もある。

　本発明の課題は、受尿部の開口部に泌尿器を収容ないし位置させる構造の使い捨て排尿具又は該構造を流用した使い捨ておむつにおいて、使用者の体の動きが大きい場合においても開口部周縁からの尿漏れ等を生じにくく、かつ受尿部の着脱を楽に行なうことができる使い捨て排尿具及びそれを用いた排尿具セット、及び使い捨ておむつを提供することにある。

　上記の課題を解決するために、本発明の使い捨て排尿具の第一の構成は、男性の泌尿器に挿通可能とされ、泌尿器の基端位置に着脱される弾性材料からなる可撓性リングと、可撓性素材からなり可撓性リングに連通状態に連結されるとともに、泌尿器を収容する大きさに形成され、前記泌尿器からの排尿を受ける受尿器と、受尿器の内部に設けられて排尿を吸収する吸収体とを備え、泌尿器を可撓性リングから受尿器の内側に収容しつつ挿通し、受尿器を男性の身体に装着するようにしたことを特徴とする。

　上記構成の使い捨て排尿具によると、弾性材料からなる可撓性リングを可撓性材料からなる受尿器に連結し、泌尿器を可撓性リングから受尿器の内側に収容しつつ挿通し、受尿器を男性の身体に装着する。そして、可撓性リングが泌尿器の基端位置に着脱されることで可撓性リングが身体に密着し、使用者の体の動きが大きい場合においても受尿器の開口周縁からの尿漏れ等を効果的に抑止することができる。また、可撓性リングの弾性力によって受尿器の装着を行なうため、粘着シート使用時における痛み等も生じにくく、着脱を楽に行なうことができる。

　受尿器は男性の陰茎部および陰嚢部を一括して収容可能な大きさに形成され、可撓性リングは陰茎部および陰嚢部の根元に係合するよう大きさを定めておくとよい。受尿器に陰茎部および陰嚢部を一括収容する構成とすることで、尿漏れを一層生じにくくすることができる。

　受尿器は可撓性リングに対して伸縮可能な有底筒状に形成でき、受尿器を収縮させた状態で、泌尿器を可撓性リングから受尿器に挿通するように構成できる。該構成によると、男性の泌尿器に挿通可能な可撓性リングを着脱可能に設け、受尿器で排尿を受けることができる。この構成により、排尿は有底筒状の受尿器の大きな容積で漏れることなく溜められ、排尿後に可撓性リングを受尿器と一緒に取り外すことで排尿処理を行うことができる。このため、受尿器が簡素な構成で取り扱い易くなり、手際よく簡易かつ迅速に排尿処理可能で、併せて安価で使い勝手のよいものである。

　上記本発明の使い捨て排尿具の第一においては、可撓性リングの上端の左右にそれぞれ取り付けられた左紐帯および右紐帯を設けることができる。該構成においては、さらに、左紐帯に設けられた第１接合部と、右紐帯に設けられた第２接合部と、可撓性リングの下端から延出され、先端にフック部を有する中間紐帯とを設けることができる。この場合、泌尿器を可撓性リングから受尿器に挿通した状態で、左紐帯および右紐帯を男性の腹部の回りに配置して男性の背後で第１接合部と第２接合部とを重ね合せた重合部で連結接合し、中間紐帯を男性の股下を潜らせて、フック部を腹部の背後で重合部に引っ掛けることにより、受尿器を男性の身体に装着する。これにより受尿器を男性の身体にしっかりと確実に装着させることができる。

　受尿器には、排尿を受けた後において可撓性リングの開口部分を閉塞状態で封止する粘着テープを設けることができる。これにより、排尿を受尿器に封止状態に溜めることが可能となり、排尿を溜めた受尿器をそのまま廃棄処理できて便利である。

　また、可撓性リングおよび受尿器は、男性が着用するパンツ型下着の股当て部の内側に配置可能に構成することができる。これにより、パンツ型下着を可撓性リングおよび受尿器を保持する手段として利用できる利点を生ずる。

　次に、本発明の排尿具セットの第一は、男性が着用するパンツ型下着と、上記本発明の第一にかかる使い捨て排尿具とからなり、パンツ型下着の股当て部に、泌尿器を収容した可撓性リングおよび受尿器を挿脱可能に装着する収容管部を設けたことを特徴とする。これにより、パンツ型下着の装着時に泌尿器を伸長させて受尿器に収容させた状態で収容管部内に装着させることができる。

　また、本発明の排尿具セットの第二は、男性が着用する吸収シートを有したおむつと、上記本発明の第一にかかる使い捨て排尿具とからなり、おむつの吸収シートの股当て部には使い捨て排尿具に対応する窪み部が設けられるとともに、該窪み部の内底部にスリット状の切込み開口部が形成され、使い捨て排尿具の受尿器が収縮状態で窪み部に設置され、排尿を受けて伸長した受尿器を切込み開口部からおむつの外部に突き出させるようにしたことを特徴とする。この構成によると、伸張した受尿器がパンツ型おむつ内に止まらなくなり、男性に違和感を与えず、快適な装着性を損なうことがない。

　さらに、本発明の排尿具セットの第三は、男性が着用するパンツ型おむつと、上記本発明の第一にかかる使い捨て排尿具とからなり、使い捨て排尿具の可撓性リングおよび受尿器は、男性が着用するパンツ型おむつの股当て部の内側に配置可能とされてなり、パンツ型おむつの股当て部にスリット状の切込み開口部が設けられ、排尿を受けて伸長した使い捨て排尿具の受尿器を、切込み開口部にてパンツ型おむつの外部に突き出すようにしたことを特徴とする。この構成によると、排尿を受けて伸長した受尿器が切込み開口部から外部に突き出るため、伸長した受尿器がパンツ型おむつ内に止まらなくなり、使用者に違和感を与えず、快適な装着性を損なうことがない。

　本発明の使い捨て排尿具の第二は、女性の泌尿器周囲に当接可能な弾性材料からなる可撓性リングと、可撓性リングに連通状態に連結され、矩形の上シートと矩形の下シートとを上下に配置することで袋状に構成した受尿器と、受尿器の内部に設けられて排尿を吸収する吸収体とを備え、女性が着用する女性用ショーツの股当て部に受尿器を設置し、泌尿器を可撓性リングに当接させた状態で女性の身体に装着するようにしたことを特徴とする。この構成によると、可撓性リングが女性泌尿器の周囲に着脱されることで、可撓性リングが身体に密着し、使用者の体の動きが大きい場合においても受尿器の開口周縁からの尿漏れ等を効果的に抑止することができる。また、可撓性リングの弾性力によって受尿器への密着を行なうため、粘着シート使用時における痛み等も生じにくく、排尿後に可撓性リングを受尿器と一緒に取り外すことで排尿処理を楽に行うことができる。このため、受尿器が簡素な構成で取り扱い易くなり、手際よく簡易かつ迅速に排尿処理可能で、併せて安価で使い勝手のよいものである。

　次に、本発明の使い捨ておむつは、前当て部、股当て部および後当て部を構成する外側吸収シートを備えたおむつ本体と、外側吸収シートの股当て部に積層される形で設けられるとともに、股当て部に対応する位置に開口部が形成された内側吸収シートと、開口部の開口周縁部に連通状態に設けられた弾性材料からなる可撓性リングを有するスペーサと、外側吸収シートと内側吸収シートとの重なり部の外周縁に沿う閉鎖経路に沿って、外側吸収シートと内側吸収シートとを積層方向に接合する接合部とを有し、接合部により周方向に閉鎖された外側吸収シートと内側吸収シートとの重なり部が受尿部とされ、男性の泌尿器が可撓性リングの内側に位置するようにおむつ本体を男性に装着して使用され、受尿部はスペーサが外側吸収シートと内側吸収シートとの間に形成する間隙を排尿のための排出空間とされることを特徴とする。

　上記本発明の使い捨ておむつの構成では、おむつ本体に組み込んだ受尿部の開口部に弾性材料からなる可撓性リングを設けた。可撓性リングが泌尿器の基端位置に着脱されることで可撓性リングが身体に密着し、使用者の体の動きが大きい場合においても受尿器の開口周縁からの尿漏れ等を効果的に抑止することができる。また、可撓性リングの弾性力によって受尿器の装着を行なうため、粘着シート使用時における痛み等も生じにくく、着脱を楽に行なうことができる。

　また、内側吸収シートと外側吸収シート及び接合部により袋状の受尿部が形成され、かつ、内側吸収シートと外側吸収シートとの間にスペーサによる隙間を形成したから、一度に大量の排尿が起こった場合でも、排尿を袋状の構造内に効果的に閉じ込めて外部に漏らすことがない。しかも、内側吸収シートと外側吸収シートとの両内面が広い面積となり、排尿に対する吸収面積が大きくなり、高い吸収効率で迅速に吸収することができる。

　可撓性リングは、その周方向に沿って複数の突起を所定の間隔で間欠的に立設し、突起の先端部を内側吸収シートに当接させることにより、外側吸収シートとの間に可撓性リングの厚みよりも大きな間隙を排出空間として形成することができる。これにより、おむつ本体の着用者が仰臥あるいは伏臥しても、あるいは左右に横臥しても、排便および排尿は開口部の排出空間から前後および左右に拡散し、迅速におむつ本体の全面に広く配分されて効果的に吸収される。この結果、排尿の吸収効率を大幅に向上させ、股からの脇漏れ防止に寄与することができる。可撓性リングに対し上記突起は例えば一体形成することができる。これにより、スペーサを取り扱い易くでき、紛失防止に寄与することができる。

　スペーサ（可撓性リング）は、これを着脱可能に設けることができる。おむつ本体の着用者が様々な位置を取っても、おむつ本体を着用者の位置変えに応じた形状に保持することができる。また、使用済みおむつ本体のみを廃棄することでスペーサのリサイクルを図ることができる。併せて、おむつ本体が安価で簡素な構造で済み使い勝手がよく実用的である。可撓性リングは例えばシリコーン樹脂により形成できる。また、可撓性リングを弾性ゴムにより形成してもよい。

　内側吸収シートの開口部は男性泌尿器に応じた形状とすることができる。これにより、開口部は男性泌尿器の陰茎部および陰嚢部に応じた形状となり、着用者が男性泌尿器を開口部に配置し易くなって安心して排尿することができる。

　また、スペーサの可撓性リングは、おむつ本体のうち内側吸収シートに対面する部分に対し、前当て部に下降傾斜あるいは上昇傾斜する状態に配置され、内側吸収シートが半筒状に盛り上がって着用者の陰茎部および陰嚢部を収容する格納部を形成するように構成できる。上記構成によると可撓性リングは、おむつ本体のうち内側吸収シートに対面する部分（股当て部）に対して傾斜状態に配置され、内側吸収シートが半筒状に盛り上がって着用者の陰茎および陰嚢部を収容する格納部を形成る。このため、着用に伴い、着用者の陰茎部および陰嚢部が格納部にすっぽり納まるので、格納部がウツボカズラ状の尿瓶となって、安心して排尿を行うことができる。

　スペーサの可撓性リングは、開口部の開口周縁部に固定状態に取り付けることができる。この構成によると、スペーサは固定状態の取付けとなり、使い捨ておむつを直接着用することができる便宜が得られる。他方、スペーサの可撓性リングは、開口部の開口周縁部に着脱可能に取り付けることもできる。これにより、複数の使い捨ておむつを一つずつ順繰りに使う場合、単一のスペーサを共通して使用することができて汎用性が得られる。

　次に、内側吸収シートの開口部は、おむつ使用時に着用者の臀部および泌尿器を開口部の内側に配置させるように形成することができる。これにより、使い捨ておむつを着用者の排尿と排便の双方に適用することができる。

　内側吸収シートの開口部は、例えば、着用者の臀部および泌尿器を一括して配置可能なものが１つのみ形成されるようにしてもよい。他方、該開口部は、着用者の泌尿器に対応する第１開口部と、臀部に対応する第２開口部とからなるものとしても形成できる。該構成の第１開口部と第２開口部とにより、排便と排尿とを別々の所から排出空間に流出させることができる。内側吸収シートは第１開口部よりも第２開口部を大きく形成することができる。また、内側吸収シートは第１開口部と第２開口部とは、例えば互いに連通して瓢箪型に一体化することができる。

　他方、第１開口部と第２開口部とを幅狭な連通路を介して連通させることもできるし、第１開口部と第２開口部とを互いに分離独立して形成してもよい。該構成によれば、排尿と排便との位置を容易に識別・確認できる利点が生ずる。

　また、内側吸収シートにおいて第１開口部と第２開口部の双方は、ハート型に形成することもできる。排尿および排便は尾籠なことでありながらも、上記構成によれば、第１開口部と第２開口部の形状の軽快さで尾籠性を緩和することができる。

　また、おむつ本体はパンツ型おむつとして構成してもよい。使用時におむつ本体を履くことで簡単に着用できる利点を生ずる。

図１Ａは、本発明の使い捨て排尿具の第一にかかる一実施形態を、使用者への装着形態とともに説明する図である。 図１Ｂは、図１Ａの使い捨て排尿具を伸長状態にて示す斜視図である。 図２Ａは、本発明の使い捨て排尿具の第一において、排尿具を粘着テープで封止する構成を作用とともに示す斜視図である。 図２Ｂは、歯列部と凹列部とを液密に係合可能とした撓性リングの構成例を示す図である。 図２Ｃは、図２Ｂの構成の可撓性リングを有する使い捨て排尿具を閉塞状態で示す斜視図である。 図３は、本発明の使い捨て排尿具の第一とパンツ型下着とからなる排尿具セットの一例を示す分解斜視図である。 図４Ａは、粘着テープで受尿器の開口部を封止する操作を説明する斜視図である。 図４Ｂは、図４Ａに続く斜視図である。 図４Ｃは、図４Ｂに続く斜視図である。 図４Ｄは、図４Ｃに続く斜視図である。 図５Ａは、本発明の使い捨て排尿具の第一とおむつとからなる排尿具セットの一例を作用とともに示す図である。 図５Ｂは、図５ＡのＡ－Ａ断面図である。 図６は、本発明の使い捨て排尿具の第一とパンツ型おむつとからなる排尿具セットの一例を作用とともに示す図である。 図７は、本発明の使い捨て排尿具の第二にかかる一実施形態を示す説明図である。 図８は、本発明の使い捨て排尿具の第一にかかる別実施形態を示す説明図である。 図９は、図８の使い捨て排尿具の受尿器の断面構造を示す説明図である。 図１０Ａは、図８の使い捨て排尿具の第一の使用形態を示す模式図である。 図１０Ｂは、図８の使い捨て排尿具の第二の使用形態を示す模式図である。 図１１Ａは、本発明の実施の形態７にかかる使い捨ておむつの展開図である。 図１１Ｂは、同じく組み立て状態における上面図である。 図１１Ｃは、同じくスペーサの斜視図である。 図１１Ｄは、図１１ＢのＡ１－Ａ１断面図である。 図１１Ｅは、図１１Ｂの変形例を示す図である。 図１２Ａは、本発明の実施の形態８にかかる使い捨ておむつの展開図である。 図１２Ｂは、同じく組み立て状態における上面図である。 図１２Ｃは、同じくスペーサの斜視図である。 図１２Ｄは、スペーサをおむつ本体に着脱可能に取り付けた状態で示す図１２ＢのＡ２－Ａ２断面図である。 図１３Ａは、本発明の実施の形態９にかかる使い捨ておむつの展開図である。 図１３Ｂは、同じく組み立て状態における上面図である。 図１３Ｃは、同じくスペーサの斜視図である。 図１３Ｄは、図１３ＢのＡ３－Ａ３及びＡ４－Ａ４断面図である。 図１４Ａは、本発明の実施の形態１０にかかる使い捨ておむつの展開図である。 図１４Ｂは、同じく組み立て状態における上面図である。 図１４Ｃは、同じくスペーサの斜視図である。 図１４Ｄは、図１４ＢのＡ５－Ａ５及びＡ６－Ａ６断面図である。 図１５Ａは、本発明の実施の形態１１にかかる使い捨ておむつの展開図である。 図１５Ｂは、同じく組み立て状態における上面図である。 図１５Ｃは、同じくスペーサの斜視図である。 図１５Ｄは、図１５ＢのＡ７－Ａ７及びＡ８－Ａ８断面図である。 図１６Ａは、本発明の実施の形態１２にかかる使い捨ておむつの展開図である。 図１６Ｂは、同じく組み立て状態における上面図である。 図１６Ｃは、同じくスペーサの斜視図である。 図１６Ｄは、同じく別のスペーサの斜視図である。 図１７Ａは、本発明の実施の形態１３にかかる使い捨ておむつの展開図である。 図１７Ｂは、同じく組み立て状態における上面図である。 図１７Ｃは、同じくスペーサの斜視図である。 図１７Ｄは、図１７ＢのＡ９－Ａ９断面図である。 図１８Ａは、本発明の実施の形態１４にかかる使い捨ておむつの展開図である。 図１８Ｂは、同じく組み立て状態における上面図である。 図１８Ｃは、同じくスペーサの斜視図である。 図１８Ｄは、図１８ＢのＪ１－Ｊ１断面図である。 図１９Ａは、本発明の実施の形態１５にかかる使い捨ておむつの展開図である。 図１９Ｂは、同じく組み立て状態における上面図である。 図１９Ｃは、図１９ＢのＪ２－Ｊ２断面図である。 図２０Ａは、本発明の実施の形態１６にかかる使い捨ておむつを、パンツ型おむつとして構成した例を示す展開図である。 図２０Ｂは、同じく斜視図である。

　以下、本発明の種々の実施の形態について説明する。
（実施の形態１）
　図１Ａは、本発明の使い捨て排尿具の第一にかかる実施形態を示すものである。
　該使い捨て排尿具１’は、男性の泌尿器２’（陰茎部２ａ’および陰嚢部２ｂ’）に挿通可能な可撓性リング３’が着脱可能に設けられている。可撓性リング３’は、例えばシリコーン樹脂により泌尿器２’の外周囲の大きさに応じた内径寸法を有するように形成されている。

　可撓性リング３’には、有底筒状の受尿器４’が可撓性リング３’に連通状態に連結され、可撓性リング３’に対して伸縮可能に設けられるとともに、泌尿器２’からの排尿を受ける。受尿器４’は防水性であり、例えば、天然ゴム系ラテックス（合成ゴム系ラテックスでもよい）あるいはポリウレタン系などの弾性体として、可撓性リング３’の内径に応じた開口径を有するように形成されている。具体的には、受尿器４’は陰茎部２ａ’および陰嚢部２ｂ’を一体的に覆う大きさに形成され、可撓性リング３’の内径寸法は、収縮状態にて泌尿器２’（陰茎部２ａ’＋陰嚢部２ｂ）の基端位置における外形寸法よりも小さく設定され、受尿器４’を泌尿器２’に装着した状態で２０～７０％伸長し、その弾性復帰力によって泌尿器２’の基端位置に密着するようになっている。

　受尿器４’の外周側は、受尿器４’の軸方向Ｅに沿って伸縮し易いように、緩やかに連続起伏するベローズ風に仕立てられている。受尿器４’は、その内部に排尿を吸収する吸収体５’が吸水コアとして設けられており、図１Ａに示す装着時の収縮位置Ｈ１と図１Ｂに示す排尿時の伸長位置Ｈ２との間で自在に伸縮変形する。吸収体５’は、図１Ｂに示すように、受尿器４’の内周面に沿って設けられており、該内周面に貼着状態に設けてもよい。受尿器４’は、外周側の厚み寸法が０．０１ｍｍ～０．０５ｍｍといったように極薄のため、ベローズ仕立ては要件ではなく、必要に応じて設ければよい。

　受尿器４’の材質としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール等のビニール系ポリマーやポリエステル、ポリアミドなどの縮合系ポリマーを用いることができる。また、受尿器４’の材質については、これ以外にも、天然ゴムラテックスやポリウレタンを採用可能である。さらにはこれらに代えて、ＥＰＤＭ（エチレン・プロピレン・ジエン・メチレンゴム）でもよく、あるいはポリアミド（ＰＡ）、ポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアセタール、ポリカーボネート（ＰＣ）、ポリフェニレンエーテル（ＰＰＥ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリエチレン（ＰＥ）、ポリテトラフルオロエチレン（ＰＴＦＥ）あるいはシンジオタクチックポリスチレン（ＳＰＳ）などのエンジニアリングプラスチック材料を用いてもよい。

　次に、吸収体５’は、パルプ繊維などの繊維集合体および繊維集合体に担持させた吸水性ポリマー粒子から成る。繊維集合体の繊維材料としては、よく知られているように、パルプ繊維をはじめ、レーヨン繊維、コットン繊維、酢酸セルロースなどの親水性繊維、ポリオレフィン系繊維（ポリエチレンやポリプロピレンなど）、縮合系繊維（ポリエステルやポリアミドなど）が適用可能である。

　また、吸水性ポリマー粒子としては、既存の合成樹脂材料として、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸ビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム橋架体、澱粉アクリル酸グラフト共重合体、イソブチレン無水マレイン酸共重合体、イソブチレン無水マレイン酸共重合体のケン化物、あるいはポリアスパラギン酸などから成る粒子が適用可能である。

　図１Ａに示すように、可撓性リング３’の図示上端の左右には、ともに伸縮自在の左紐帯３ａ’および右紐帯３ｂ’がそれぞれ取り付けられている。また、左紐帯３ａ’および右紐帯３ｂ’の各先端部には、第１接合部３ｃ’および第２接合部３ｄ’が設けられている。可撓性リング３’の図示下端からは、伸縮自在の中間紐帯３ｅ’が延出され、中間紐帯３ｅ’の先端にフック部３ｆ’を設けている。

　なお各接合部３ｃ’及び３ｄ’及びフック部３ｆ’はファスナー（面ファスナー）で形成することができる。また、接合部３ｃ’及び３ｄ’及びフック部３ｆ’は互いに結び合わせて結合することもできる。さらに、中間紐帯３ｅ’は省略することもできる。

　受尿器４’を使用者Ｕ（男性）の身体に装着する際には、受尿器４’を収縮位置Ｈ１に収縮させた状態で、泌尿器２’を可撓性リング３’から受尿器４’に挿通する。この状態で、左紐帯３ａ’および右紐帯３ｂ’を使用者Ｕの左右から腹部Ａｐの回りに配置し、使用者Ｕの背後で第１接合部３ｃ’と第２接合部３ｄ’とを重ね合せた重合部で連結接合する。この状態で、中間紐帯３ｅ’は、使用者Ｕの股下３ｇ’を潜らせて、フック部３ｆ’を腹部Ａｐの背後で重合部に引っ掛ける。

　なお、使用者がパンツ型下着６’をブリーフやトランクスとして着用する際には、可撓性リング３’および受尿器４’は、使用者Ｕが着用するパンツ型下着６’の股当て部６ａ’の内側に、当接状態に配置され保持される構造となる。

　図２Ａに示すように、受尿器４’には、可撓性リング３’が形成する開口部分３ｓ’に粘着テープ７’を設けることができる。排尿を受けた受尿器４’は、泌尿器２’から取り外した後、可撓性リング３’を開口部分３ｓ’が閉塞した状態で粘着テープ７’により封止（シール）できる。すなわち、可撓性リング３’の周縁部に取り付けた粘着テープ７’から剥離紙８’を剥がし取り、開口部分３ｓ’を覆うようにして粘着テープ７’を翻し、可撓性リング３’の反対部分に貼着する。これにより、排尿を受尿器４’に封止状態に溜め、排尿を溜めた受尿器４’をそのまま廃棄処理できて便利である。

　なお、図２Ｂに変形例として示すように、可撓性リング３’の内周部の半周部分に歯列部３Ａ’を設け、可撓性リング３’の内周部の他の半周部分に凹列部３Ｂ’を設けてもよい。図２Ｃに示すように、該構成では、可撓性リング３’を押圧により弾性変形させて、歯列部３Ａ’と凹列部３Ｂ’とを液密に係合させることにより、受尿器４’を封止することができる。

　上記構成によると、男性の泌尿器２’に挿通可能な可撓性リング３’を着脱可能に設け、受尿器４’で排尿を受けることができる。これにより、排尿は有底筒状の受尿器４’の大きな容積で漏れることなく溜められ、排尿後に可撓性リング３’を受尿器４’と一緒に取り外すことで排尿処理を行うことができる。このため、受尿器４’が袋状といった簡素な構成で取り扱い易くなり、手際よく簡易かつ迅速に排尿処理可能で、併せて安価で使い勝手のよいものである。

　また、可撓性リング３’および受尿器４’は、例えば使用者Ｕが着用するパンツ型下着６’の股当て部６ａ’の内側に当接して保持することができる。このため、パンツ型下着６’が可撓性リング３’および受尿器４’を保持する手段として機能する利点がある。

　上記のごとく構成された使い捨て排尿具１’は、疾病による尿失禁患者やトイレへの歩行に困難を伴う患者をはじめ、要介護の高齢者は勿論、高速道路で渋滞の自動車ドライバーや輸送トラックの長時間ドライバーの着用に好適なものである。

（実施の形態２）
　図３は、本発明の排尿具セットの第一にかかる一構成例を示すもので、男性が着用するパンツ型下着６’と、上記実施の形態１で詳述した使い捨て排尿具１’とからなる。ただし、図１Ａに示す左紐帯３ａ’、右紐帯３ｂ’、第１接合部３ｃ’、第２接合部３ｄ’、中間紐帯３ｅ’及びフック部３ｆ’等は省略されている。また、パンツ型下着６’をブリーフやトランクスとして着用する便宜のため、パンツ型下着６’の股当て部６ａ’に収容管部６ｂ’を形成している。このパンツ型下着６’を着用する際には、使い捨て排尿具１’（可撓性リング３’および受尿器４’）が収容管部６ｂ’内に挿脱可能に装着されるようになっている。このため、パンツ型下着６’の装着時に泌尿器２’を伸長させて受尿器４’に収容させた状態で収容管部６ｂ’内に装着させることができる。

　この場合も、図４Ａに示す如く、受尿器４’には図２Ａと同様の粘着テープ７Ａ’を設けることができる。排尿を受けた受尿器４’は、泌尿器２’から引出してパンツ型下着６’の外部に取出した後、可撓性リング３’をその開口部分３ｓ’が閉塞した状態で粘着テープ７Ａ’により封止（シール）する（図４Ｄ参照）。図４Ａに示すように、粘着テープ７Ａ’は、上粘着部７ｘ’と下粘着部７ｙ’とを折目線７ｖ’を境界にして剥離可能に二枚折り重ねたもので、受尿器４’の上端部片側に取り付けられている。

　排尿後に粘着テープ７Ａ’を使用する際は、図４Ｂに示すように、まず上粘着部７ｘ’を下粘着部７ｙ’から剥がす。次に、図４Ｃに示すように、剥がした上粘着部７ｘ’および下粘着部７ｙ’を上方に挙げ、図４Ｄに示すように、上粘着部７ｘ’および下粘着部７ｙ’の各接着面７ｕ’，７ｗ’で開口部分３ｓ’を覆うようにして横切らせて、上粘着部７ｘ’側を受尿器４’の他側上端部に貼着すればよい。

（実施の形態３）
　図５Ａは、本発明の排尿具セットの第二にかかる一構成例を示すもので、男性が着用する吸収シート１０ａ’を有したおむつ１０’と、実施の形態２と同様の使い捨て排尿具１’とからなる。おむつ１０’の吸収シート１０ａ’には、図５Ａに示すように、股当て部１０ｂ’に排尿具４Ａ’に対応する窪み部１０ｃ’が設けられている。窪み部１０ｃ’の内底部には、排尿具４Ａ’の径寸法Ｄ１よりも若干大きな長さＤ２のスリット状の切込み開口部１１’が形成されている。

　排尿具４Ａ’は、図５Ｂに示すように、受尿器４’を収縮させた状態で窪み部１０ｃ’内に設置され、この状態のおむつ１０’を使用者に着用させる。図５Ｂに示すように、受尿器４’は陰茎部２ａ’および陰嚢部２ｂ’を一括して収容可能な大きさに形成され、可撓性リング３’は陰茎部２ａ’および陰嚢部２ｂ’の根元に係合するよう大きさが定められている。

　上記の排尿具セットの構成によると、排尿時に排尿を受けて伸長した受尿器４’は、おむつ１０’の切込み開口部１１’を押圧により拡開させ、該切込み開口部１１’から外部に突き出すようになっている。このため、伸張した受尿器４’がおむつ１０’内に止まらなくなり、使用者に違和感を与えず、快適な装着性を損なうことがない。　

（実施の形態４）
　図６は、本発明の排尿具セットの第三にかかる一構成例を示すもので、可撓性リング３’および受尿器４’とを有する排尿具４Ａ’とパンツ型おむつ１３’とからなる。パンツ型おむつ１３’の股当て部１３ａ’には、スリット状の切込み開口部１３ｂ’を設けている。

　このため、使用者がパンツ型おむつ１３’を着用する場合、排尿時に排尿を受けて伸長した受尿器４’が切込み開口部１３ｂ’を押圧により拡開させ、拡開させた切込み開口部１３ｂ’から外部に突き出る。その結果、伸張した受尿器４’がパンツ型おむつ１３’内に止まらなくなり、使用者に違和感を与えず、快適な装着性を損なうことがない。　

（実施の形態５）
　図７は、本発明の使い捨て排尿具の第二にかかる一構成例を示すものである。図７左は該使い捨て排尿具２０’を展開形態で示すものであり、図７右は組立状態の使い捨て排尿具２０’を女性用ショーツ１２１’に適用した状態を示す。使い捨て排尿具２０’は受尿器２２’を備え、長方形状の下シート２３’と、該下シート２３’の図示左右縁（長辺縁）の折目線２３ａ’，２３ｂ’にそれぞれ隣接する形で左右に二等辺三角形シート２４’，２５’が一体化されている。

　また、下シート２３’の図示前後縁（短辺縁）の折目線２３ｃ’，２３ｄ’にそれぞれ隣接する形で前後に二等辺三角形シート２６’，２７’が一体化されている。図７左の展開状態において、長方形の下シート２３’と４つの二等辺三角形シート２４’～２７’はひし形をなし（各辺の切欠き部２４ａ’～２７ａ’側への仮想的な延長線を一点鎖線にて補っている）、ひし形の各辺の中点を連結する形で前述の折目線２３ａ’～２３ｄ’が形成されている。二等辺三角形シート２４’～２７’は折目線２３ａ’～２３ｄ’にて下シート２３’側に折り返されることにより、図７左に示すように、下シート２３’に対し上下に重なり、袋状を成す長方形の上シートとして機能する。左右の二等辺三角形シート２４’，２５’の各頂角部には、弧状の切欠き部２４ａ’，２５ａ’が形成されている。前後の二等辺三角形シート２６’，２７’の各頂角部もまた、弧状の切欠き部２６ａ’，２７ａ’を形成している。

　そして、下シート２３’の中央部に縦長の長円形を成す可撓性リング２８’が配置され、左右の二等辺三角形シート２４’，２５’を折目線２３ａ’，２３ｂ’に沿って内側に折り曲げた形で、切欠き部２４ａ’，２５ａ’が可撓性リング２８’の対応部分に接合固定されている。この際、二等辺三角形シート２４’，２５’と二等辺三角形シート２６’，２７’の対応する斜辺同士は接合部ｆ１，ｆ２，f３，ｆ４により接合固定される。

　また、前後の二等辺三角形シート２６’，２７’もまた折目線２３ｃ’，２３ｄ’に沿って内側に折り曲げられ、切欠き部２６ａ’，２７ａ’が可撓性リング２８’の対応部分に接合固定される。この際、二等辺三角形シート２６’の斜辺は、接合部ｆ５，ｆ７により二等辺三角形シート２４’、２５’の接合部ｆ３，ｆ４に接合固定され、二等辺三角形シート２７’の斜辺は、接合部ｆ６，ｆ８により二等辺三角形シート２４’、２５’の接合部ｆ１，ｆ２に接合固定される。これにより、内部に吸収体５’を収容した袋状の受尿器２２が形成される。

　可撓性リング２８’は、女性の泌尿器（図示せず）に当接可能かつ着脱可能とされており、受尿器２２’は可撓性リング２８’に連通状態に連結されている。女性用ショーツ１２１’の着用時において受尿器２２’は、女性用ショーツ１２１’の股当て部２１ａ’に設置され、泌尿器を可撓性リング２８’に当接させた状態で使用者の身体に装着される。

　上記の構成では、女性の泌尿器に当接可能な可撓性リング２８’を着脱可能に設け、排尿を袋状の受尿器２２’で受けるようにした。これにより、排尿は袋状を成す受尿器２２’の大きな容積で漏れることなく溜められ、排尿後に可撓性リング２８’を受尿器２２’と一緒に取り外すことで排尿処理を行うことができる。

　このため、受尿器２２’が簡素な構成で取り扱い易くなり、手際よく簡易かつ迅速に排尿処理可能で、併せて安価で使い勝手のよいものである。なお、袋状の受尿器２２’は長方形に限らず、円形や長円形でもよく、三角形、平行四辺形、五角形、六角形あるいは７角形や８角形を含む多角形であってもよい。また、可撓性リング２８’を省いて、受尿器２２’の可撓性リング２８’に対応した部分に、女性の泌尿器に面する開口部を設けてもよい。

　上記の使い捨て排尿具及び排尿具セットは、高速道路などで緊急に用便する必要があるときに使用する他、老人介護用に使用してもよく、とりわけ実施の形態５に示す使い捨て排尿具では、ナプキンなど女性の生理用品として使用してもよいなど、状況や環境に配慮して各種の場合に応じて適宜に使用する多用途化を図ることができる。

（実施の形態６）
　図８は、図１の使い捨て排尿具の変形例を示すものである。該使い捨て排尿具１０１の受尿器１０４は、図９に示すように、吸収材層１０５を透水性シート（内面シート１０４ａ及び外面シート１０４ｂ）で挟み込む形で密封した吸収材アセンブリシートにより袋状に形成されている。内面シート１０４ａ及び外面シート１０４ｂとの重なり合う周縁部は、熱接着剤層で形成された熱圧着部１０４ｓａにより密封される。また、内面シート１０４ａ及び外面シート１０４ｂの一方（図９で外面シート１０４ｂ）をなす通気性シートに形成された環状の側縁部を折り返す形で可撓性リング１０３を収容するリング封入部１０４ｃが形成されている。外面シート１０４ｂと吸収材層１０５との間には防水層１０４ｉが挿入される。

　通気性シートのリング封入部１０４ｃを形成する側の折り返し端縁部は自身の内面側に重ね合わされ、熱接着剤層で形成された熱圧着部１０４ｓｂにより接合される。また、リング封入部１０４ｃの周方向に沿って内面シート１０４ａ及び外面シート１０４ｂには複数のギャザー１０４ｇが形成され、それによってリング封入部１０４ｃは、可撓性リング１０３の弾性伸縮に合わせて拡径・縮径可能に形成されている。また、リング封入部１０４ｃには左紐部１０３ａおよび右紐部１０３ｂの一端がそれぞれ取り付けられている。紐部は繊維で構成してもよいし、ゴム紐などの伸縮性のある素材で構成してもよい。また、紐部を帯状に形成してもよい。さらに、紐部を受尿器１０４に対して着脱可能に構成してもよい。

　透水性シート（内面シート１０４ａ及び外面シート１０４ｂ）は、例えばポリオレフィン繊維あるいはポリエステル繊維からなる不織布にて形成できる。吸収材層１０５は綿状パルプや前述の高分子吸収剤を主体とし、ポリオレフィン不織布素材を適宜組み合わせて形成できる。また、防水層１０４ｉはポリオレフィン系樹脂フィルムにて形成できる。

　上記使い捨て排尿具１０１は、受尿器１０４を男性の泌尿器に装着し、その状態で左紐部１０３ａおよび右紐部１０３ｂを男性の背面側に巻きまわして、その他端側を互いに結合すること（例えば、結び合わせること）により使い捨て排尿具１０１を男性に装着することができる。例えば、図１０Ａに示すように、男性がブリーフＢを着用するときは、受尿器１０４は、その股当て部ＢＫの内側に当接状態に配置され保持される構造となる。また、図１０Ｂに示すように、男性がトランクスＴを着用するときは、受尿器１０４は、左右の太ももの付け根側に延出しつつ股当て部ＴＫの内側に当接保持される構造となる。

（実施の形態７）
　本発明の実施の形態７にかかる使い捨ておむつを図１１Ａ～図１１Ｄに基づき説明する。
　使い捨ておむつ１は外側吸収シートにより一体的に形成されており、図１１Ａに示すように、中央に着用者の股間領域を有するおむつ本体１ｂ、左右のフラップ１ｃ，１ｄおよび前後の腹当て部１ｅおよび背当て部１ｆを有している。左のフラップ１ｃには、例えば、縦長な半長円形の左開口部２ａが形成され、右のフラップ１ｄにも、縦長な半長円形の右開口部２ｂが形成されている。

　左のフラップ１ｃにおける左開口部２ａを除く外周縁部のうち、前端部には細帯状の第１接合部２ｃが取り付けられ、後端部には細帯状の第２接合部２ｄが取り付けられている。左開口部２ａの上端には第３接合部２ｅが取り付けられ、下端には第４接合部２ｆが取り付けられている。右のフラップ１ｄにおける右開口部２ｂを除く外周縁部のうち、前端部には細帯状の第５接合部２ｇが取り付けられ、後端部には細帯状の第６接合部２ｈが取り付けられている。右開口部２ｂの上端には第７接合部２ｉが取り付けられ、下端には第８接合部２ｊが取り付けられている。

　おむつ本体１ｂの前端部には、左右に第９接合部２ｋおよび第１０接合部２ｍが取り付けられ、おむつ本体１ｂの後端部には、左右に第１１接合部２ｎおよび第１２接合部２ｐが取り付けられている。左のフラップ１ｃを左の折目線３ａに沿っておむつ本体１ｂの内側に折り曲げ、右のフラップ１ｄを右の折目線３ｂに沿っておむつ本体１ｂの内側に折り曲げる。これにより、第１接合部２ｃが第９接合部２ｋに接合固着し、第２接合部２ｄが第１１接合部２ｎに接合固着するとともに、第５接合部２ｇが第１０接合部２ｍに接合固着し、第６接合部２ｈが第１２接合部２ｐに接合固着する。　

　各接合部２ｃ～２ｐは例えばファスナー（面ファスナー）で形成できる。また、各接合部２ｃ～２ｐは熱接着剤層とすることもでき。対応する熱接着剤層を溶融接合させることにより固着することができる（以下の実施形態においても同様）。

　また、第３接合部２ｅと第７接合部２ｉとが接合固着するとともに、第４接合部２ｆと第８接合部２ｊとが接合固着し、左開口部２ａと右開口部２ｂとが遭遇し、図１１Ｂに示す長円形の開口部４を形成する。背当て部１ｆには、左右両側から細長な連結紐帯５ａ，５ｂが横手方向延出し、着用時に腹当て部１ｅに着脱可能に連結保持されるようになっている。

　おむつ本体１ｂは、前当て部としての腹当て部１ｅ、股当て部１ｓとしての股間領域および後当て部としての背当て部１ｆを構成する外側吸収シートを備えている。内側吸収シートとしての左右のフラップ１ｃ，１ｄは、股当て部１ｓに重ね合わせるように設けられている。開口部４は、股当て部１ｓに対応するように内側吸収シート（左右のフラップ１ｃ，１ｄ）に形成され、着用時に使用者の臀部および泌尿器を内部に配置し、着用者の排尿と排便の双方に適用される。本実施形態では、開口部４は、着用者の臀部および泌尿器を一括して配置可能なものが１つのみ形成されている。

　図１１Ｄに示すように、おむつ本体１ｂの開口部４にはスペーサ６が設けられる。スペーサ６は、おむつ本体１ｂの開口部４の開口周縁部４ａに連通状態に設けられる可撓性の可撓性リング６ａを有している。図１１Ｃはスペーサ６の斜視図である。可撓性リング６ａは、周方向に沿って細ピン状の複数の突起６ｂを所定の間隔で間欠的に立設している。図１１Ｄに示すように、突起６ｂの先端部はおむつ本体１ｂの股間領域に当接している。

　図１１Ｃに示すように、可撓性リング６ａの外周側縁には、全周にわたって周溝６ｃが形成されている。図１１Ｄに示すように、周溝６ｃには、開口部４の開口周縁部４ａが嵌入されて固定状態に取り付けられている。突起６ｂの先端部がおむつ本体１ｂの股間領域に当接することで、左右のフラップ１ｃ，１ｄと外側吸収シート（おむつ本体１ｂまたは股当て部１ｓ）との間に生じた間隙が排出空間Ｓとして保持されている。なお、可撓性リング６ａは弾性材料で構成され、例えばシリコーン樹脂や、その他のゴムあるいはエラストマーで形成できる。また、可撓性リング６ａと突起６ｂとは同一材質により一体に形成されていてもよい。

　上記使い捨ておむつ１の構成においては、突起６ｂの先端部を外側吸収シート（股当て部１ｓ）に当接させて左右のフラップ１ｃ，１ｄ（内側吸収シート）と外側吸収シート（股当て部１ｓ）との間に生じた間隙を排出空間Ｓとして維持している。このため、左右のフラップ１ｃ，１ｄ（内側吸収シート）と外側吸収シートとにより袋状の構造が形成され、一度に大量の排尿が起こった場合でも、排尿を袋状の構造内に効果的に閉じ込めて外部に漏らすことがない。しかも、内側吸収シートと外側吸収シートとの両内面が広い面積となり、排尿に対する吸収面積が大きくなり、排尿を高い吸収効率で迅速に吸収処理することができる。

　このため、おむつ本体１ｂの着用者が仰臥あるいは伏臥しても、左右に横臥しても、排便および排尿は開口部４の排出空間Ｓから前後および左右に拡散し、迅速におむつ本体１ｂの全面に広く配分されて効果的に吸収される。この結果、排尿の吸収効率を大幅に向上させ、股からの脇漏れ防止に寄与することができる。併せて、おむつ本体１ｂが安価で簡素な構造で済み使い勝手がよく実用的である。また、可撓性のスペーサ６を着脱可能に設けているので、おむつ本体１ｂの着用者が様々な位置を取っても、おむつ本体１ｂを着用者の位置変えに応じた形状に保持することができる。

　また、スペーサ６は、開口部４の開口周縁部４ａに着脱可能に取り付けられている。すなわち、可撓性リング６ａを着用に応じて着脱可能にしている。これにより、複数の使い捨ておむつを一つずつ順繰りに使う場合、単一のスペーサ６を共通して使用することができて高い汎用性が得られる。さらには、可撓性リング６ａは突起６ｂと一緒に形成されたシリコーン樹脂により一体物とすることにより、スペーサ６を取り扱い易くなるとともに、紛失防止に役立てることができる。

　なお、図１１Ｅに示すように、左右のフラップ１ｃ，１ｄを一体のシート１ｃ＋１ｄとして股当て部１ｓから分離形成し、シート１ｃ＋１ｄを股当て部１ｓに積層した状態でそれらの周縁に沿って熱接着剤層からなる熱圧着部２ｈｓを形成して接合してもよい。

（実施の形態８）
 本発明の実施の形態８にかかる使い捨ておむつを図１２Ａ～図１２Ｄに基づき説明する（実施の形態７と共通する要素には同一の符号を付与して詳細な説明は略する）。上記使い捨ておむつ１の構成においては、開口部４の開口周縁部４ａに対し、剥離可能な接合部Ｆｓを取付手段として設けており、これを利用してスペーサ６の可撓性リング６ａを開口部４の開口周縁部４ａに対し着脱可能に設けるようにしている。図１２Ｃ及び図１２Ｄ（図１２ＢのＡ２－Ａ２断面）に示すように、可撓性リング６ａは実施の形態７よりも厚みが小さな肉薄枠として形成され、片面を被接合面Ｆｔとして接合部Ｆｓに接合される。また、実施の形態７の可撓性リング６ａに形成されていた周溝６ｃは省略されている。該構成では、使い捨ておむつ１の非着用時にスペーサ６（可撓性リング６ａ）を取り外しておき、着用時におむつ本体１ｂにスペーサ６を取り付けるようにすることもできる。

（実施の形態９）
 本発明の実施の形態９にかかる使い捨ておむつを図１３Ａ～図１３Ｄに基づき説明する（実施の形態７と共通する要素には同一の符号を付与して詳細な説明は略する）。上記使い捨ておむつ１の構成においては、図１３Ａ及び図１３Ｂに示すように、おむつ本体１ｂに形成する開口部４を、着用者の泌尿器に対応する第１開口部４Ａと、排便用として臀部に対応する第２開口部４Ｂとの２つ設けている。

　すなわち、第１開口部４Ａは、左右に位置する半長円状の半開口部４ｓ，４ｔ同士を対面させて構成している。また、第２開口部４Ｂは、左右に位置する半長円状の半開口部４ｕ，４ｖ同士を対面させて構成している。第１開口部４Ａと第２開口部４Ｂとは、図示上下に隣接する部分で連通し、全体形状として瓢箪形を成している。また、排便用の第２開口部４Ｂは泌尿器に対応する第１開口部４Ａよりも大きく形成されている。

　おむつ本体１ｂの左右中央には、細帯状の第１５接合部８および第１６接合部９が横方向に配列されている。左のフラップ１ｃには、第１７接合部１０が設けられ、右のフラップ１ｄには、第１８接合部１１が設けられている。左のフラップ１ｃを左の折目線３ａに沿っておむつ本体１ｂの内側に折り曲げるに伴い、第１７接合部１０が第１５接合部８に接合固定される。右のフラップ１ｄを右の折目線３ｂに沿っておむつ本体１ｂの内側に折り曲げるに伴い、第１８接合部１１が第１６接合部９に接合固定される。これに伴い、上述の如く半開口部４ｓ，４ｔ同士が対面して第１開口部４Ａを構成し、半開口部４ｕ，４ｖ同士が対面して第２開口部４Ｂを構成する。

　図１３Ｃに示すように、本実施形態で採用するスペーサ２０の可撓性リング２０ａは、第１開口部４Ａ、第２開口部４Ｂの全形状に応じた瓢箪形を成している。この可撓性リング２０ａは、第１開口部４Ａに対応する第１長円枠体２０ｂおよび第２開口部４Ｂに対応する第２長円枠体２０ｃを有し、それら第１長円枠体２０ｂと第２長円枠体２０ｃとの境界部は、連結部２０ｅ，２０ｆにより一体的に繋がれている。また、可撓性リング２０ａの外周面には周溝２０ｈが形成され、図１３Ｄ（図１３ＢのＡ３－Ａ３及びＡ４－Ａ４断面）に示すように、第１開口部４Ａ及び第２開口部４Ｂがここに係合している。

　また、図１３Ｃに示すように、スペーサ２０の可撓性リング２０ａには、周方向に沿って複数の突起２０ｇが所定の間隔で間欠的に立設されている。図１３Ｄに示すように、突起２０ｇは、可撓性リング２０ａから鉛直状態に垂下し、突起２０ｇの先端部をおむつ本体１ｂの股間領域に当接させる。これにより、左右のフラップ１ｃ、１ｄと外側吸収シート（おむつ本体１ｂあるいは股当て部１ｓ）との間に生じた間隙が排出空間Ｓとされる。

　上記実施の形態９の構成によると、開口部４を第１開口部４Ａと第２開口部４Ｂとから構成したので、第１開口部と第２開口部とが別個となり、排便と排尿とを別々の所から排出空簡Ｓに流出させることができる。

　（実施の形態１０）
 本発明の実施の形態１０にかかる使い捨ておむつを図１４Ａ～図１４Ｄに基づき説明する（実施の形態９と共通する要素には同一の符号を付与して詳細な説明は略する）。上記使い捨ておむつ１の構成においては、図１４Ａ及び図１４Ｂに示すように、おむつ本体１ｂに形成する第１開口部４Ａおよび第２開口部４Ｂの双方を円形とし、第１開口部４Ａと第２開口部４Ｂとが幅狭な連通路２１により連通している。また、左右のフラップ１ｃ，１ｄにおける第１開口部４Ａと第２開口部４Ｂとの間は、互いに所定の間隙を隔てて対面する第１直線辺部２１ａおよび第２直線辺部２１ｂとされている。

　図１４Ｃに示すように、この実施形態で採用するスペーサ２２の可撓性リング２２ａは、第１円形枠２２ｂおよび第２円形枠２２ｃを有し、第１円形枠２２ｂと第２円形枠２２ｃとが接続梁２２ｄで連結されている。図１４Ｄ（図１４ＢのＡ５－５及びＡ６－Ａ６断面）に示すように、これら円形枠２２ｂ、円形枠２２ｃおよび接続梁２２ｄには、複数の突起２２ｅを外側吸収シート（おむつ本体１ｂまたは股当て部１ｓ）に対して垂直状態に立設している。また、可撓性リング２２ａの外周面には、第１円形枠２２ｂ、第２円形枠２２ｃ及び接続梁２２ｄにまたがる形で周溝２２ｈが形成され、図１４Ｄに示すように、第１開口部４Ａ、第２開口部４Ｂ、第１直線辺部２１ａおよび第２直線辺部２１ｂがここに係合している。

　上記実施の形態１０の構成によると、第１開口部４Ａと第２開口部４Ｂとを幅狭な連通路２１を介して連通しているため、排尿と排便との位置を容易に識別・確認することができる。

（実施の形態１１）
 本発明の実施の形態１１にかかる使い捨ておむつを図１５Ａ～図１５Ｄに基づき説明する（実施の形態１０と共通する要素には同一の符号を付与して詳細な説明は略する）。上記使い捨ておむつ１の構成においては、図１５Ａ及び図１５Ｂに示すように、おむつ本体１ｂにおいて連通路２１を廃止し、第１開口部４Ａと第２開口部４Ｂとを別個独立に配置している（すなわち、第１開口部４Ａと第２開口部４Ｂとが互いに分離独立して形成されている）。

　このため、左右のフラップ１ｃ，１ｄにおける第１開口部４Ａと第２開口部４Ｂとの間には、第１９接合部２３および第２０接合部２４が取り付けられている。左のフラップ１ｃ（右のフラップ１ｄ）を左の折目線３ａ（右の折目線３ｂ）に沿って、おむつ本体１ｂの内側に折り曲げるに伴い、第１９接合部２３が第２０接合部２４に接合固定される。これに伴い、上述の如く半開口部４ｓ、４ｔ同士が対面して第１開口部４Ａを構成し、半開口部４ｕ，４ｖ同士が対面して第２開口部４Ｂを構成する。

　図１５Ｃに示すように、本実施形態で採用するスペーサ３０は、第１開口部４Ａに対応する第１可撓性リング３０ａと第２開口部４Ｂに対応する第２可撓性リング３０ｂとから成る。第１可撓性リング３０ａおよび第２可撓性リング３０ｂの双方には、複数の突起２２ｅを外側吸収シート（おむつ本体１ｂまたは股当て部１ｓ）に対して垂直状態となるよう立設している。また、各可撓性リング３０ａ，３０ｂの外周面にはそれぞれ周溝３０ｈが形成され、図１５Ｄ（図１５ＢのＡ７－Ａ７及びＡ８－Ａ８断面）に示すように、第１開口部４Ａおよび第２開口部４Ｂがここに係合している。

（実施の形態１２）
 本発明の実施の形態１２にかかる使い捨ておむつを図１６Ａ～図１６Ｄに基づき説明する（実施の形態１０または実施の形態１１と共通する要素には同一の符号を付与して詳細な説明は略する）。上記使い捨ておむつ１の構成においては、図１６Ａ及び図１６Ｂに示すように、おむつ本体１ｂに形成する第１開口部４Ａおよび第２開口部４Ｂの双方をハート型に形成したことである。左右のフラップ１ｃ，１ｄでは、弓なり状の半開口部４ｓ，４ｔ同士が対面して第１開口部４Ａを構成し、弓なり状の半開口部４ｕ，４ｖ同士が対面して第２開口部４Ｂを構成している。

　図１６Ｃに示すように、本実施形態で採用するスペーサ４０は、第１開口部４Ａに対応する第１可撓性リング４０ａと第２開口部４Ｂに対応するハート型の第２可撓性リング４０ｂとから成る。第１可撓性リング４０ａおよび第２可撓性リング４０ｂの双方には、複数の突起４２ｅを外側吸収シート（おむつ本体１ｂまたは股当て部１ｓ）に対して垂直状態に立設している。なお、第１可撓性リング４０ａと第２可撓性リング４０ｂとは、図１６Ｄに示すように、接続梁４３により一体的に連結してもよい。

　上記実施の形態１２の構成によると、第１開口部４Ａと第２開口部４Ｂの双方は、ハート型に形成されている。このため、排尿および排便は尾籠なことでありながらも、第１開口部４Ａと第２開口部４Ｂの形状の軽快さで尾籠性を緩和することができる。なお、第１開口部４Ａおよび第２開口部４Ｂの形状としては、実施の形態７～実施の形態１１に示す円形や長円形、さらには実施の形態１２のハート型に限らず、三角形、四角形、五角形、六角形あるいは七角形や八角形を含む多角形であってもよい。

（実施の形態１３）
 本発明の実施の形態１３にかかる使い捨ておむつを図１７Ａ～図１７Ｄに基づき説明する（実施の形態７と共通する要素には同一の符号を付与して詳細な説明は略する）。上記使い捨ておむつ１の構成においては、図１７Ｂに示すように、おむつ本体１ｂに形成する開口部４を男性泌尿器の形状としている。すなわち、開口部４の先端開口４Ｍを、亀頭を有する陰茎部の形状とし、後端開口４Ｎを、睾丸を有する陰嚢部の形状として全体的に鍵穴形状としている。先端開口４Ｍは、図１７Ａに示す左半分小口４ｍと右半分小口４ｎとを対面させて構成し、後端開口４Ｎは、図１７Ａに示す左半分大口４ｒと右半分大口４ｑとを対面させて構成している。図１７Ｃに示すように、本実施形態で採用するスペーサ５０の可撓性リング５０ａも開口部４に合致する鍵孔形状とされ、可撓性リング５０ａの下面に突起５０ｂを立設している。また、図１７Ｄ（図１７ＢのＡ９－Ａ９断面）に示すように、可撓性リング５０ａの外周面には周溝５０ｈが形成され、開口部４がここに係合している。

　上記実施の形態１３の構成によると、開口部４を男性泌尿器の陰茎部および陰嚢部に対応した形状としたので、着用者が男性泌尿器を開口部４に配置し易くなって安心して排尿することができる。

（実施の形態１４）
 本発明の実施の形態１４にかかる使い捨ておむつを図１８Ａ～図１８Ｄに基づき説明する（実施の形態７と共通する要素には同一の符号を付与して詳細な説明は略する）。上記使い捨ておむつ１の構成においては、図１８Ｃに示すように、スペーサをなす可撓性リング６０を、突起を省略した長円形状としている。また、図１８Ａに示すように、左のフラップ１ｃの図示上隅角部の近傍に半長円状の切欠き状の第１半開口部６０ａを設け、右のフラップ１ｄの図示上隅角部の近傍に半長円状の第２半開口部６０ｂを設けている。

　左のフラップ１ｃの左右幅寸法Ｗ１および右のフラップ１ｄの左右幅寸法Ｗ２は、ともに腹当て部１ｅから背当て部１ｆに向かって次第に増加し、左右のフラップ１ｃ、１ｄの各外側縁部は末広がりに傾斜する状態となっている。左のフラップ１ｃの左右幅寸法Ｗ１と右のフラップ１ｄの左右幅寸法Ｗ２とを足し合わせた値は、おしめ本体１ｂの中央幅寸法Ｗ３よりも所定量だけ大きく設定されている（Ｗ１＋Ｗ２＞Ｗ３）。

　そして、左のフラップ１ｃを左の折目線３ａに沿っておむつ本体１ｂの内側に折り曲げ、右のフラップ１ｄを右の折目線３ｂに沿っておむつ本体１ｂの内側に折り曲げることにより、図１８Ｂの状態となる。第１半開口部６０ａの周縁部は可撓性リング６０の半周部分に取り付けられ、第２半開口部６０ｂの周縁部は可撓性リング６０の残る半周部分に取り付けられる。第１半開口部６０ａと第２半開口部６０ｂとの各周縁部は、可撓性リング６０上で遭遇して開口部４を形成する。

　この場合、左のフラップ１ｃのうち第４接合部２ｆを有する部分が右のフラップ１ｄのうち第８接合部２ｊを有する部分の下面に重なり合って接合固着され、第２接合部２ｄは第１１接合部２ｎおよび第１２接合部２ｐの双方に接合固着される。また、第３接合部２ｅは第７接合部２ｉに接合固着される。さらに、第６接合部２ｈは第２接合部２ｄに対応する左のフラップ１ｃの表面下縁部に接合固着される。第５接合部２ｇは第１０接合部２ｍに接合固着され、第１接合部２ｃは第９接合部２ｋに接合固着される。

　図１８Ｄ（図１８ＢのＪ１－Ｊ１断面図）に示すように、周溝６０ｇを形成した可撓性リング６０は、おむつ本体１ｂのうち内側吸収シートに対面する部分（股当て部１ｓ）に対して傾斜状態（腹当て部１ｅに向かって下降傾斜する状態）に配置され、内側吸収シートが半筒状あるいは円弧状の曲面を成すように盛り上がって格納部６１を構成する。格納部６１の内部は着用者の陰茎部Ｍａおよび陰嚢部Ｍｂを収容する排出空間Ｓとされる。格納部６１には、着用者の陰茎部Ｍａのみを収容するようにしてもよいなど、着用に関しては着用者の裁量で自由な着用方法を適用することができる。

　上記実施の形態１４の構成によると、使い捨ておむつ１の着用に伴い、着用者の陰茎部Ｍａおよび陰嚢部Ｍｂが格納部６１にすっぽり納まるので、格納部６１がウツボ葛状の尿瓶となって、安心して排尿を行うことができる。なお、可撓性リング６０は陰茎部Ｍａおよび陰嚢部Ｍｂの根元に係合する大きさを有する。該可撓性リング６０は必要に応じて設ければよく、不要なときには省略してもよい。

　（実施の形態１５）
 本発明の実施の形態１５にかかる使い捨ておむつを図１９Ａ～図１９Ｄに基づき説明する（実施の形態７と共通する要素には同一の符号を付与して詳細な説明は略する）。上記使い捨ておむつ１の構成においては、図１９Ａに示すように、おむつ本体１ｂの左のフラップ１ｃの図示下隅角部の近傍に半長円状の切欠き状の第１半開口部６０ａを設け、右のフラップ１ｄの図示下隅角部の近傍に半長円状の第２半開口部６０ｂを設けている。

　また、図１９Ｃに示すように、可撓性リング６０は、おむつ本体１ｂのうち内側吸収シートに対面する部分に対して傾斜状態（腹当て部１ｅに向かって上昇傾斜する状態）に配置している。そして、実施の形態１５の構成とは逆に、左のフラップ１ｃの左右幅寸法Ｗ１および右のフラップ１ｄの左右幅寸法Ｗ２が、ともに腹当て部１ｅから背当て部１ｆに向かって次第に減少し、左右のフラップ１ｃ，１ｄの各外側縁部は末窄みに傾斜する形態となっている。

　図１９Ａにおいては、第４接合部２ｆは第８接合部２ｊに接合固着し、第２接合部２ｄが第１１接合部２ｎに接合固着し、第６接合部２ｈが第１２接合部２ｐに接合固着する。また、左のフラップ１ｃのうち第３接合部２ｅを有する部分は、右のフラップ１ｄのうち第７接合部２ｉを有する部分の下面に重なり合って接合固着する。そして、第１接合部２ｃが第９接合部２ｋと第１０接合部２ｍとの双方に接合固着し、第５接合部２ｇが第１接合部２ｃに対応する左のフラップ１ｃの表面上縁部に接合固着する。

　図１９Ｃに示すように、上記実施の形態１５の構成によると、おむつ本体１ｂの内側吸収シート（左右のフラップ１ｃ，１ｄ）が半筒状あるいは円弧状の曲面を成すように盛り上がって格納部６１を構成する。図１９Ｃ（図１９ＢのＪ２－Ｊ２断面図）に示すように、着用者は下方から可撓性リング６０を経て泌尿器を格納部６１に押し入れることで、陰茎部Ｍａおよび陰嚢部Ｍｂを格納部６１に収容することができる。なお、実施の形態１４の図１８Ｃと同様、可撓性リング６０は陰茎部Ｍａおよび陰嚢部Ｍｂの根元に係合する大きさを有する。

　　（実施の形態１６）
　本発明の実施の形態１６にかかる使い捨ておむつを図２０Ａ及び図２０Ｂに基づき説明する（実施の形態７と共通する要素には同一の符号を付与して詳細な説明は略する）。上記使い捨ておむつ１の構成においては、図２０Ａ及び図２０Ｂに示すように、おむつ本体がパンツ型おむつ５１として構成されている。当該構成によると、使用時にパンツ型おむつ５１を履くことで、使い捨ておむつ１のおむつ本体を簡単に着用することができる。このパンツ型おむつ５１は、実施の形態７に限らず、実施の形態８～実施の形態１５の使い捨ておむつ１のそれぞれに適用することができる。

　なお、図２０Ｂにおいて、前巻き腹部５１ａと背巻き胴部５１ｂとを上下に結ぶ左右両側のギャザー帯部５１ｃ，５１ｄは、着用者が大腿部を挿入するための左右の装用口５１ｅ，５１ｆとして利用される。

　上記実施の形態７～実施の形態１６にかかる使い捨ておむつ１は、スペーサにより排出空間を設けたので、排尿および排便が大量になっても、袋状になったおむつ本体により、一度に大量の排尿が起こった場合でも、袋状構造により排尿を閉じ込めて外部に漏らすことがない。しかも、内側吸収シートと外側吸収シートとの両内面が広い面積となり、排尿に対する吸収面積が大きくなり、排尿を高い吸収効率で迅速に吸収処理することができる。そして、高速道路などで緊急に用便する必要があるときに使用する他、老人介護用、あるいはナップキンなど女性の生理用品として使用してもよいなど、状況や環境に配慮して各種の場合に応じて適宜に使用する多用途化を図ることができる。

　１’　使い捨て排尿具
　３’　可撓性リング　
　４’　受尿器
　４Ａ’　排尿具
　６’　パンツ型下着
　７’　粘着テープ
　２３’　下シート
　２４’，２５’　左右の二等辺三角形シート（上シート）
　２６’，２７’　前後の二等辺三角形シート（上シート）
　１　使い捨ておむつ
　１ｂ　おむつ本体　
　１ｃ　左のフラップ（内側吸収シート）
　１ｄ　右のフラップ（内側吸収シート）
　１ｅ　腹当て部（前当て部）
　１ｆ　背当て部（後当て部）
　１ｓ　股当て部
　２ａ　左開口部
　２ｂ　右開口部
　３ａ　左の折目線
　３ｂ　右の折目線
　４　開口部
　４ａ　開口縁部
　６　スペーサ
　６ａ　可撓性リング
　６ｂ　突起
　Ｈ１　収縮位置
　Ｈ２　伸長位置
　Ｕ　　使用者
 

 

Claims (20)

1. 　男性の泌尿器に挿通可能とされ、前記泌尿器の基端位置に着脱される弾性材料からなる可撓性リングと、
   　可撓性素材からなり前記可撓性リングに連通状態に連結されるとともに、前記泌尿器を収容する大きさに形成され、前記泌尿器からの排尿を受ける受尿器と、
   　前記受尿器の内部に設けられて前記排尿を吸収する吸収体とを備え、
   　前記泌尿器を前記可撓性リングから前記受尿器の内側に収容しつつ挿通し、前記受尿器を前記男性の身体に装着するようにしたことを特徴とする使い捨て排尿具。
2. 　前記受尿器は前記男性の陰茎部および陰嚢部を一括して収容可能な大きさに形成され、前記可撓性リングは前記陰茎部および前記陰嚢部の根元に係合するよう大きさが定められている請求項１記載の使い捨て排尿具。
3. 　前記受尿器は前記可撓性リングに対して伸縮可能な有底筒状に形成され、前記受尿器を収縮させた状態で、前記泌尿器を前記可撓性リングから前記受尿器に挿通するようにしたことを特徴とする請求項１又は２記載の使い捨て排尿具。
4. 　前記可撓性リングの上端の左右にそれぞれ取り付けられた左紐帯および右紐帯とを備える請求項１ないし３のいずれか１項に記載の使い捨て排尿具。
5. 　前記左紐帯に設けられた第１接合部と、
   　前記右紐帯に設けられた第２接合部と、
   　前記可撓性リングの下端から延出され、先端にフック部を有する中間紐帯とを備え、
   　前記泌尿器を前記可撓性リングから前記受尿器に挿通した状態で、前記左紐帯および前記右紐帯を前記男性の腹部の回りに配置して前記男性の背後で前記第１接合部と前記第２接合部とを重ね合せた重合部で連結接合し、前記中間紐帯を前記男性の股下を潜らせて、前記フック部を前記腹部の前記背後で前記重合部に引っ掛けることにより、前記受尿器を前記男性の前記身体に装着するようにした請求項４に記載の使い捨て排尿具。
6. 　前記受尿器には、前記排尿を受けた後において前記可撓性リングの開口部分を閉塞状態で封止する粘着テープが設けられている請求項１ないし請求項５のいずれか１項に記載の使い捨て排尿具。
7. 　前記可撓性リングおよび前記受尿器は、前記男性が着用するパンツ型下着の股当て部の内側に配置可能とされてなる請求項１ないし請求項６のいずれか１項に記載の使い捨て排尿具。
8. 　男性が着用するパンツ型下着と、請求項１に記載の使い捨て排尿具とからなり、
   　前記パンツ型下着の股当て部に、前記泌尿器を収容した前記可撓性リングおよび前記受尿器を挿脱可能に装着する収容管部を設けたことを特徴とする排尿具セット。
9. 　男性が着用する吸収シートを有したおむつと、請求項１記載の使い捨て排尿具とからなり、
   　前記おむつの前記吸収シートの股当て部には前記使い捨て排尿具に対応する窪み部が設けられるとともに、該窪み部の内底部にスリット状の切込み開口部が形成され、
   　前記使い捨て排尿具の前記受尿器が収縮状態で前記窪み部に設置され、排尿を受けて伸長した前記受尿器を前記切込み開口部から前記おむつの外部に突き出させるようにしたことを特徴とする排尿具セット。
10. 　男性が着用するパンツ型おむつと、請求項１記載の使い捨て排尿具とからなり、
    　前記使い捨て排尿具の前記可撓性リングおよび前記受尿器は、前記男性が着用するパンツ型おむつの股当て部の内側に配置可能とされてなり、
    　前記パンツ型おむつの股当て部にスリット状の切込み開口部が設けられ、前記排尿を受けて伸長した前記使い捨て排尿具の前記受尿器を、前記切込み開口部にて前記パンツ型おむつの外部に突き出すようにしたことを特徴とする排尿具セット。
11. 　女性の泌尿器周囲に当接可能な弾性材料からなる可撓性リングと、
    　前記可撓性リングに連通状態に連結され、矩形の上シートと矩形の下シートとを上下に配置することで袋状に構成した受尿器と、
    　前記受尿器の内部に設けられて排尿を吸収する吸収体とを備え、
    　前記女性が着用する女性用ショーツの股当て部に前記受尿器を設置し、前記泌尿器を前記可撓性リングに当接させた状態で前記女性の身体に装着するようにしたことを特徴とする使い捨て排尿具。
12. 　前当て部、股当て部および後当て部を構成する外側吸収シートを備えたおむつ本体と、
    　前記外側吸収シートの前記股当て部に積層される形で設けられるとともに、前記股当て部に対応する位置に開口部が形成された内側吸収シートと、
    　前記開口部の開口周縁部に連通状態に設けられた弾性材料からなる可撓性リングを有するスペーサと、
    　前記外側吸収シートと前記内側吸収シートとの重なり部の外周縁に沿う閉鎖経路に沿って、前記外側吸収シートと前記内側吸収シートとを積層方向に接合する接合部とを有し、
    　前記接合部により周方向に閉鎖された前記外側吸収シートと前記内側吸収シートとの重なり部が受尿部とされ、男性の泌尿器が前記可撓性リングの内側に位置するように前記おむつ本体を前記男性に装着して使用され、前記受尿部は前記スペーサが前記外側吸収シートと前記内側吸収シートとの間に形成する間隙を排尿のための排出空間とされることを特徴とする使捨ておむつ。
13. 　前記スペーサの前記可撓性リングには、その周方向に沿って複数の突起を所定の間隔で間欠的に立設されてなり、前記突起の先端部を前記内側吸収シートに当接させることにより前記外側吸収シートとの間に前記可撓性リングの厚みよりも大きな間隙が前記排出空間として形成される請求項１２に記載の使い捨ておむつ。
14. 　前記内側吸収シートの前記開口部及び前記可撓性リングは男性泌尿器に対応する形状に形成されている請求項１２又は請求項１３記載の使い捨ておむつ。
15. 　前記スペーサの前記可撓性リングは、前記おむつ本体のうち前記内側吸収シートに対面する部分に対し、前記前当て部に向かって下降傾斜あるいは上昇傾斜する状態に配置され、前記受尿部において前記内側吸収シートが半筒状に盛り上がって着用者の陰茎部および陰嚢部を収容する格納部を形成している請求項１２ないし請求項１４のいずれか１項に記載の使い捨ておむつ。
16. 　前記可撓性リングがシリコーン樹脂により形成されている請求項１２ないし請求項１５のいずれか１項に記載の使い捨ておむつ。
17. 　前記可撓性リングが弾性ゴムにより形成されている請求項１２ないし請求項１５のいずれか１項に記載の使い捨ておむつ。
18. 　前記可撓性リングは前記陰茎部および前記陰嚢部の根元に係合する大きさを有する請求項１２ないし請求項１７のいずれか１項に記載の使い捨ておむつ。
19. 　前記内側吸収シートの前記開口部は、おむつ使用時に着用者の臀部および泌尿器を前記開口部の内側に配置させる大きさに形成されている請求項１２ないし請求項１８のいずれか１項に記載の使い捨ておむつ。
20. 　前記おむつ本体をパンツ型おむつとして構成したことを特徴とする請求項１２ないし請求項１９のいずれか１項に記載の使い捨ておむつ

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