JP2004274989A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 モータに接続されたインバータなどの電力供給回路を位置センサからの位置信号に基づいて制御する装置において、実際の位置偏差よりも大きな位置偏差が算出された場合にモータの振動が助長されることを防止する。
【解決手段】 本発明に係るモータ制御装置において、制御回路1は、前記位置信号に基づいて電動モータの位置を算出する位置演算回路18、位置指令値θ*と前記算出された位置θとの位置偏差εを算出する位置偏差算出回路11、及び前記算出された位置偏差εに制御ゲインを用いた演算処理を施して速度指令値ω*を算出する位置制御回路12を具えている。該位置制御回路12は、電動モータの駆動時に、前記算出された位置偏差εやモータの速度に基づいて前記制御ゲインを調整する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電動モータに接続されたインバータ等の電力供給回路をホール素子等の位置センサからの位置信号に基づいて制御するモータ制御装置に関するものである。
従来より、位置センサとしてロータリエンコーダを具えたモータ制御装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
一方、出願人は、位置センサとしてホール素子を具えたモータ制御装置を特許出願中である(特許文献2参照)。
図18は、位置センサとしてホール素子を具えた従来のモータ制御装置の全体構成を表わしており、商用電源(6)からの交流電力が、整流回路(7)によって一旦、直流電力に変換された後、インバータ(70)によって交流電力に変換され、該交流電力が電動モータ(8)に供給されて、モータの駆動が行なわれる。
電動モータ(8)には、その回転軸を中心とする円周上に、ホール素子からなる位置センサ(80)が120度の位相差で3箇所に配備されており、これら3つの位置センサ(80)(80)(80)から得られる3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)がPWM制御回路(9)に供給され、該PWM制御回路(9)によってインバータ(70)が制御されている。
図19は、上記PWM制御回路(9)の具体的な構成を表わしており、前記位置センサから得られる3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)は、速度演算回路(96)に供給されると共に、位置演算回路(97)に供給される。速度演算回路(96)では、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいてモータの回転数ωが検出され、その結果が速度偏差算出回路(93)に供給される。一方、位置演算回路(97)では、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいてモータの回転角度θが算出され、算出された回転角度θは、位置偏差算出回路(91)及びPWM信号生成回路(95)に供給される。
位置偏差算出回路(91)では、モータの目標回転角度を表わす位置指令値θ*から前記回転角度θを減算する処理が実行され、これによって得られる位置偏差εpが位置制御回路(92)に供給される。位置制御回路(92)では、位置偏差εpに基づいて、下記数1から、モータの目標回転速度を表わす速度指令値ω*が算出される。
(数1)
ω*=(Kp+Ki/s)・εp
Kp、Ki:定数
この様にして算出された速度指令値ω*は、速度偏差算出回路(93)に供給される。速度偏差算出回路(93)では、前記速度指令値ω*から前記回転数ωを減算する処理が実行され、これによって得られる速度偏差εvが速度制御回路(94)に供給される。速度制御回路(94)では、速度偏差εvに基づいて電圧振幅指令値Vaが算出され、算出された電圧振幅指令値VaはPWM信号生成回路(95)に供給される。
PWM信号生成回路(95)では、前記電圧振幅指令値Vaと前記回転角度θとに基づいて、電動モータのU相についての電圧指令信号が算出され、このU相の電圧指令信号に対して120°、240°の位相差を与えることによりV相の電圧指令信号及びW相の電圧指令信号が作成された後、これら3相の電圧指令信号に基づいてU相、V相、W相についてのPWM信号が作成される。
この様にして作成されたU相、V相、W相のPWM信号は、図18に示すインバータ(70)に供給されて、インバータ(70)がPWM制御される。この結果、電動モータ(8)が駆動されることになる。
特開2001−22446号公報 特願2001−232954
しかしながら、上記従来のモータ制御装置においては、3つの位置センサから得られる3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)は、図20(a)に示す如く、互いに120度の位相差を有しており、これら3つの位置信号に基づいて算出されるモータの回転角度は、同図(b)に示す如く30度、90度、150度・・・と60度の大きな刻み幅で階段状に変化するため、後述の問題があった。
例えば位置指令値θ*が0度であってモータが図21に実線で示す如く小さな角度幅で振動している場合であっても、同図に一点鎖線で示す如く60度の大きな刻み幅で矩形波状に変化する回転角度θが算出されることになる。このため、位置偏差算出回路(91)により算出される位置偏差εpの変動が実際の位置偏差の変動よりも大きくなり、これによって、電動モータの振動が大きくなる。
この様に、従来のモータ制御装置においては、算出される回転角度θの刻み幅が粗いために位置偏差算出回路(91)により算出される位置偏差の変動が実際の位置偏差の変動よりも大きくなる場合があり、この場合に電動モータの振動が助長される問題があった。
そこで本発明の目的は、実際の位置偏差よりも大きな位置偏差が算出された場合に電動モータの振動が助長されることを防止することが出来るモータ制御装置を提供することである。
本発明に係る第1のモータ制御装置は、電動モータに直流或いは交流の電力を供給する電力供給回路と、該電動モータの可動部の位置と一定の位相関係を有する矩形波からなる位置信号を出力する位置センサと、該位置センサから得られる位置信号に基づいて前記電力供給回路を制御する制御回路とを具えている。そして、該制御回路は、
前記位置信号に基づいて、電動モータの可動部の位置を導出する位置導出手段と、
電動モータの可動部の目標位置を表わす位置指令値と前記導出された位置との位置偏差を算出する位置偏差算出手段と、
前記算出された位置偏差に制御ゲインを用いた演算処理を施して制御値を算出する位置制御手段と、
前記算出された制御値に基づいて制御信号を作成し、該制御信号を電力供給回路に供給する信号処理手段
とを具え、前記位置制御手段は、電動モータの駆動時に制御ゲインを調整するゲイン調整手段を具えている。
上記本発明に係る第1のモータ制御装置は、回転型モータやリニアモータの制御装置に実施される。
例えば回転型モータの制御装置に実施した場合には、先ず、位置偏差算出手段によって、電動モータの目標回転角度を表わす位置指令値と位置導出手段により導出された回転角度との位置偏差が算出され、その後、位置制御手段によって、該位置偏差に制御ゲインを用いた演算処理が施されて制御値が算出される。ここで、位置偏差算出手段によって算出される位置偏差の絶対値が小さいときや電動モータの回転速度が低いときには、その位置偏差と実際の位置偏差との間に生じる誤差が位置制御に与える悪影響は大きいため、制御ゲインは小さな値に設定される。制御ゲインは、例えば位置偏差、電動モータの回転速度、或いは位置偏差と電動モータに対する印加電圧の大きさに応じて調整される。
その後、上述の如く算出された制御値に基づいて、モータの回転角度を目標回転角度に追従させるための制御信号が作成され、該制御信号が電圧供給回路に供給されて、電動モータの回転角度が制御される。
上記モータ制御装置においては、算出された位置偏差の絶対値が小さいときやモータの回転速度が低いときに、制御ゲインを小さな値に設定することによって制御値の変動が抑えられる。これによって、実際の位置偏差よりも大きな位置偏差が算出された場合にモータの振動が助長されることを防止することが出来る。
本発明に係る第2のモータ制御装置は、電動モータに直流或いは交流の電力を供給する電力供給回路と、該電動モータの可動部の位置と一定の位相関係を有する矩形波からなる位置信号を出力する位置センサと、該位置センサから得られる位置信号に基づいて前記電力供給回路を制御する制御回路とを具えている。そして、該制御回路は、
前記位置信号に基づいて、電動モータの可動部の位置を導出する位置導出手段と、
電動モータの可動部の目標位置を表わす位置指令値と前記導出された位置との位置偏差を算出する位置偏差算出手段と、
入出力関係に入力値に拘わらず出力値を一定値に維持する不感帯を設けて、前記算出された位置偏差を入力値として該入力値を出力値に変換する不感帯処理手段と、
不感帯処理手段から出力される位置偏差に基づいて制御値を算出する位置制御手段と、
前記算出された制御値に基づいて制御信号を作成し、該制御信号を電力供給回路に供給する信号処理手段
とを具えている。
上記本発明に係る第2のモータ制御装置は、回転型モータやリニアモータの制御装置に実施される。
例えば回転型モータに実施した場合には、先ず、位置偏差算出手段によって、電動モータの目標回転角度を表わす位置指令値と位置導出手段により導出された回転角度との位置偏差が算出され、該位置偏差は不感帯処理手段に入力される。不感帯の範囲は、例えば零を中心値とする範囲に設定されており、不感帯処理手段に入力された位置偏差は、不感帯の範囲内の値であってその絶対値が小さい場合には一定値に変換されて出力される。
この様にして不感帯処理手段から出力される位置偏差に基づいて制御値が算出される。その後、該制御値に基づいてモータの回転角度を目標回転角度に追従させるための制御信号が作成され、該制御信号が電力供給回路に供給されて、電動モータの回転角度が制御される。
上記モータ制御装置においては、不感帯処理手段に入力された位置偏差が不感帯の範囲内である場合に、その出力値を一定値に維持することによって制御値が一定値に維持される。これによって、実際の位置偏差よりも大きな位置偏差が算出された場合にモータの振動が助長されることを防止することが出来る。
本発明に係る第3のモータ制御装置は、電動モータに直流或いは交流の電力を供給する電力供給回路と、該電動モータの可動部の位置と一定の位相関係を有する矩形波からなる位置信号を出力する位置センサと、該位置センサから得られる位置信号に基づいて前記電力供給回路を制御する制御回路とを具えている。そして、該制御回路は、
前記位置信号に基づいて、電動モータの可動部の位置を導出する位置導出手段と、
電動モータの可動部の目標位置を表わす位置指令値と前記導出された位置との位置偏差を算出する位置偏差算出手段と、
前記算出された位置偏差に基づいて制御値を算出する位置制御手段と、
入出力関係に入力値に拘わらず出力値を一定値に維持する不感帯を設けて、前記算出された制御値を入力値として該入力値を出力値に変換する不感帯処理手段と、
不感帯処理手段から出力される制御値に基づいて制御信号を作成し、該制御信号を電力供給回路に供給する信号処理手段
とを具えている。
上記本発明に係る第3のモータ制御装置は、回転型モータやリニアモータの制御装置に実施される。
例えば回転型モータに実施した場合には、先ず、位置偏差算出手段によって、電動モータの目標回転角度を表わす位置指令値と位置導出手段により導出された回転角度との位置偏差が算出された後、位置制御手段によって、該位置偏差に基づいて制御値が算出され、該制御値は不感帯処理手段に入力される。制御値は、例えば電圧振幅指令値であって、不感帯の範囲は、電動モータに負荷がかかっていない場合には零を中心値とする範囲に設定される一方、電動モータに負荷がかかっている場合には零以外の値を中心値とする範囲に設定される。この様に不感帯の範囲が零以外の値を中心値とする範囲に設定される理由は、電動モータに負荷がかかっている状態では、モータの低速回転時においても電動モータに電圧を印加する必要があり、零以外の値をとる電圧振幅指令値が算出されるからである。中心値は、例えば、前記制御手段によって算出された制御値に基づいて算出される。
上述の如く不感帯処理手段に入力された制御値は、不感帯の範囲内の値である場合には一定値に変換されて出力される。この様にして不感帯処理手段から出力される制御値に基づいて、モータの回転角度を目標回転角度に追従させるための制御信号が作成され、該制御信号が電力供給回路に供給されて、電動モータの回転角度が制御される。
上記モータ制御装置においては、不感帯処理手段に入力された制御値が不感帯の範囲内の値である場合に出力値を一定値に維持することによって、実際の位置偏差よりも大きな位置偏差が算出された場合に電動モータの振動が助長されることを防止することが出来る。
本発明に係る第4のモータ制御装置は、電動モータに直流或いは交流の電力を供給する電力供給回路と、該電動モータの可動部の位置と一定の位相関係を有する矩形波からなる位置信号を出力する位置センサと、該位置センサから得られる位置信号に基づいて前記電力供給回路を制御する制御回路とを具えている。そして、該制御回路は、
前記位置信号に基づいて、電動モータの可動部の位置を導出する位置導出手段と、
前記位置信号に基づいて、電動モータの可動部の速度を導出する速度導出手段と、
電動モータの可動部の目標位置を表わす位置指令値と前記導出された位置との位置偏差を算出する位置偏差算出手段と、
前記算出された位置偏差に基づいて、電動モータの可動部の目標速度を表わす速度指令値を算出する位置制御手段と、
前記算出された速度指令値と前記導出された速度との速度偏差を算出する速度偏差算出手段と、
前記算出された速度偏差に制御ゲインを用いた演算処理を施して制御値を算出する速度制御手段と、
前記算出された制御値に基づいて制御信号を作成し、該制御信号を電力供給回路に供給する信号処理手段
とを具え、前記速度制御手段は、電動モータの駆動時に制御ゲインを調整するゲイン調整手段を具えている。
上記本発明に係る第4のモータ制御装置は、回転型モータやリニアモータの制御装置に実施される。
例えば回転型モータに実施した場合には、先ず、位置偏差算出手段によって、電動モータの目標回転角度を表わす位置指令値と位置導出手段により導出された回転角度との位置偏差が算出され、その後、位置制御手段によって、該位置偏差に基づいて、電動モータの目標回転速度を表わす速度指令値が算出される。更に、速度偏差算出手段によって、速度指令値と速度導出手段により導出された回転速度との速度偏差が算出され、その後、速度制御手段によって、該速度偏差に制御ゲインを用いた演算処理が施されて制御値が算出される。ここで、位置偏差算出手段によって算出される位置偏差の絶対値が小さいときや電動モータの回転速度が低いときには、その位置偏差と実際の位置偏差との間に生じる誤差が位置制御に与える悪影響は大きいため、制御ゲインは小さな値に設定される。制御ゲインは、例えば位置偏差、電動モータの回転速度、速度指令値、或いは位置偏差と電動モータの印加電圧の大きさに応じて調整される。
その後、上述の如く算出された制御値に基づいて、モータの回転角度を目標回転角度に追従させると共にモータの回転速度を目標回転速度に追従させるための制御信号が作成され、該制御信号が電力供給回路に供給されて、電動モータの回転角度及び回転速度が制御される。
上記モータ制御装置においては、算出された位置偏差の絶対値が小さいときやモータの回転速度が低いときに、制御ゲインを小さな値に設定することによって制御値の変動が抑えられる。これによって、実際の位置偏差よりも大きな位置偏差が算出された場合にモータの振動が助長されることを防止することが出来る。
本発明に係る第5のモータ制御装置は、電動モータに直流或いは交流の電力を供給する電力供給回路と、該電動モータの可動部の位置と一定の位相関係を有する矩形波からなる位置信号を出力する位置センサと、該位置センサから得られる位置信号に基づいて前記電力供給回路を制御する制御回路とを具えている。そして、該制御回路は、
前記位置信号に基づいて、電動モータの可動部の位置を導出する位置導出手段と、
前記位置信号に基づいて、電動モータの可動部の速度を導出する速度導出手段と、
電動モータの可動部の目標位置を表わす位置指令値と前記導出された位置との位置偏差を算出する位置偏差算出手段と、
前記算出された位置偏差に基づいて、電動モータの可動部の目標速度を表わす速度指令値を算出する位置制御手段と、
前記算出された速度指令値と前記導出された速度との速度偏差を算出する速度偏差算出手段と、
入出力関係に入力値に拘わらず出力値を一定値に維持する不感帯を設けて、前記算出された速度偏差を入力値として該入力値を出力値に変換する不感帯処理手段と、
不感帯処理手段から出力される速度偏差に基づいて制御値を算出する速度制御手段と、
前記算出された制御値に基づいて制御信号を作成し、該制御信号を電力供給回路に供給する信号処理手段
とを具えている。
上記本発明に係る第5のモータ制御装置は、回転型モータやリニアモータの制御装置に実施される。
例えば回転型モータに実施した場合には、先ず、位置偏差算出手段によって、電動モータの目標回転角度を表わす位置指令値と位置導出手段により導出された回転角度との位置偏差が算出された後、位置制御手段によって、該位置偏差に基づいて、電動モータの目標回転速度を表わす速度指令値が算出される。その後、速度偏差算出手段によって、速度指令値と速度導出手段により導出された回転速度との速度偏差が算出され、該速度偏差は不感帯処理手段に入力される。不感帯の範囲は、例えば零を中心値とする範囲に設定されており、不感帯処理手段に入力された速度偏差は、不感帯の範囲内の値であってその絶対値が小さい場合には一定値に変換されて出力する。
この様にして不感帯処理手段から出力される速度偏差に基づいて制御値が算出される。その後、該制御値に基づいて、モータの回転角度を目標回転角度に追従させると共にモータの回転速度を目標回転速度に追従させるための制御信号が作成され、該制御信号が電力供給回路に供給されて、電動モータの回転角度及び回転速度が制御される。
上記モータ制御装置においては、不感帯処理手段に入力された速度偏差が不感帯の範囲内である場合に、その出力値を一定値に維持することによって制御値が一定値に維持される。これによって、実際の位置偏差よりも大きな位置偏差が算出された場合にモータの振動が助長されることを防止することが出来る。
本発明に係る第6のモータ制御装置は、電動モータに直流或いは交流の電力を供給する電力供給回路と、該電動モータの可動部の位置と一定の位相関係を有する矩形波からなる位置信号を出力する位置センサと、該位置センサから得られる位置信号に基づいて前記電力供給回路を制御する制御回路とを具えている。そして、該制御回路は、
前記位置信号に基づいて、電動モータの可動部の位置を導出する位置導出手段と、
電動モータを流れる電流の大きさを検出する電流検出手段と、
電動モータの可動部の目標位置を表わす位置指令値と前記導出された位置との位置偏差を算出する位置偏差算出手段と、
前記算出された位置偏差に基づいて、電動モータを流れる電流の目標値を表わす電流指令値を算出する制御手段と、
前記算出された電流指令値と前記検出された電流値との電流偏差を算出する電流偏差算出手段と、
前記算出された電流偏差に制御ゲインを用いた演算処理を施して制御値を算出する電流制御手段と、
前記算出された制御値に基づいて制御信号を作成し、該制御信号を電力供給回路に供給する信号処理手段
とを具え、前記電流制御手段は、電動モータの駆動時に制御ゲインを調整するゲイン調整手段を具えている。
上記本発明に係る第6のモータ制御装置は、回転型モータやリニアモータの制御装置に実施される。
例えば回転型モータに実施した場合には、先ず、位置偏差算出手段によって、電動モータの目標回転角度を表わす位置指令値と位置導出手段により導出された回転角度との位置偏差が算出され、その後、制御手段によって、該位置偏差に基づいて、電動モータを流れる電流の目標値を表わす電流指令値を算出する。更に、電流偏差算出手段によって、該電流指令値と電流検出手段により検出された電流値との電流偏差が算出され、その後、電流制御手段によって、該電流偏差に制御ゲインを用いた演算処理が施されて制御値が算出される。ここで、位置偏差算出手段によって算出される位置偏差の絶対値が小さいときや電動モータの回転速度が低いときには、その位置偏差と実際の位置偏差との間に生じる誤差が位置制御に与える悪影響は大きいため、制御ゲインは小さな値に設定される。制御ゲインは、例えば位置偏差、電動モータの回転速度、速度指令値、或いは位置偏差と電動モータの印加電圧の大きさに応じて調整される。
その後、上述の如く算出された制御値に基づいて、モータの回転角度を目標回転角度に追従させると共にモータを流れる電流の大きさを目標電流値に追従させるための制御信号が作成され、該制御信号が電力供給回路に供給されて、電動モータの回転角度と電動モータを流れる電流の大きさが制御される。
上記モータ制御装置においては、算出された位置偏差の絶対値が小さいときやモータの回転速度が低いときに、制御ゲインを小さな値に設定することによって制御値の変動が抑えられる。これによって、実際の位置偏差よりも大きな位置偏差が算出された場合にモータの振動が助長されることを防止することが出来る。
本発明に係る第7のモータ制御装置は、電動モータに直流或いは交流の電力を供給する電力供給回路と、該電動モータの可動部の位置と一定の位相関係を有する矩形波からなる位置信号を出力する位置センサと、該位置センサから得られる位置信号に基づいて前記電力供給回路を制御する制御回路とを具えている。そして、該制御回路は、
前記位置信号に基づいて、電動モータの可動部の位置を導出する位置導出手段と、
電動モータを流れる電流の大きさを検出する電流検出手段と、
電動モータの可動部の目標位置を表わす位置指令値と前記導出された位置との位置偏差を算出する位置偏差算出手段と、
前記算出された位置偏差に基づいて、電動モータを流れる電流の目標値を表わす電流指令値を算出する制御手段と、
前記算出された電流指令値と前記検出された電流値との偏差を算出する電流偏差算出手段と、
入出力関係に入力値に拘わらず出力値を一定値に維持する不感帯を設けて、前記算出された電流偏差を入力値として該入力値を出力値に変換する不感帯処理手段と、
不感帯処理手段から出力される電流偏差に基づいて制御値を算出する電流制御手段と、
前記算出された制御値に基づいて制御信号を作成し、該制御信号を電力供給回路に供給する信号処理手段
とを具えている。
上記本発明に係る第7のモータ制御装置は、回転型モータやリニアモータの制御装置に実施される。
例えば回転型モータに実施した場合には、先ず、位置偏差算出手段によって、電動モータの目標回転角度を表わす位置指令値と位置導出手段により導出された回転角度との位置偏差が算出された後、制御手段によって、該位置偏差に基づいて、電動モータを流れる電流の目標値を表わす電流指令値が算出される。その後、電流偏差算出手段によって、電流指令値と電流検出手段により検出された電流値との電流偏差が算出され、該電流偏差は不感帯処理手段に入力される。不感帯の範囲は、例えば零を中心値とする範囲に設定されており、不感帯処理手段に入力された電流偏差は、不感帯の範囲内の値であってその絶対値が小さい場合には一定値に変換されて出力される。
この様にして不感帯処理手段から出力される電流偏差に基づいて制御値が算出される。その後、該制御値に基づいて、モータの回転角度を目標回転角度に追従させると共にモータを流れる電流の大きさを目標電流値に追従させるための制御信号が作成され、該制御信号が電力供給回路に供給されて、電動モータの回転角度と電動モータを流れる電流の大きさが制御される。
上記モータ制御装置においては、不感帯処理手段に入力された電流偏差が不感帯の範囲内である場合に、その出力値を一定値に維持することによって制御値が一定値に維持される。これによって、実際の位置偏差よりも大きな位置偏差が算出された場合にモータの振動が助長されることを防止することが出来る。
本発明に係るモータ制御装置によれば、実際の位置偏差よりも大きな位置偏差が算出された場合に電動モータの振動が助長されることを防止することが出来る。
以下、本発明を回転型の交流モータの制御装置に実施した形態につき、5つの実施例に基づいて具体的に説明する。
第1実施例
本発明に係るモータ制御装置の全体構成は、PWM制御回路を除いて、図18に示す従来のモータ制御装置と同一であって、電動モータ(8)の円周上に配備された位置センサ(80)から得られる3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)がPWM制御回路に供給され、該PWM制御回路によってインバータ(70)が制御されている。
図1は、本実施例のPWM制御回路(1)の構成を表わしており、前記位置センサから得られる3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)は、速度演算回路(17)に供給されると共に、位置演算回路(18)に供給される。速度演算回路(17)では、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいてモータの回転数ωが検出され、その結果が速度偏差算出回路(14)に供給される。一方、位置演算回路(18)では、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいてモータの回転角度θが算出され、その結果が位置偏差算出回路(11)及びPWM信号生成回路(16)に供給される。
位置偏差算出回路(11)では、モータの目標回転角度を表わす位置指令値θ*から前記回転角度θを減算する処理が実行され、これによって得られる位置偏差εpが位置制御回路(12)に供給される。
位置制御回路(12)では、前記位置偏差εpに基づいて、下記数2からモータの目標回転速度を表わす速度指令値ω*が算出される。
(数2)
ω*=α1・(Kp+Ki/s)・εp
Kp、Ki:定数
図2は、位置偏差εpと上記数2の係数α1との関係を表わしている。上記数2の定数Kp、Kiは、位置偏差εpの絶対値が大きいときに安定した応答が得られることとなる値に設定されているため、図示の如く、係数α1は位置偏差εpの絶対値が大きい場合に1に設定される。これに対し、位置偏差εpの絶対値が小さい場合には、係数α1は1よりも小さな値に設定される。この様に位置偏差εpの絶対値が小さい場合に係数α1が絶対値の大きい場合に比べて小さな値に設定される理由は、該位置偏差εpと実際の位置偏差との間に生じる誤差が位置制御に与える悪影響が大きいからである。
図1に示す位置制御回路(12)には、位置偏差εpと係数α1の上記関係を表わすテーブルが格納されており、該回路(12)では、先ず、そのテーブルに基づいて位置偏差εpに応じた係数α1が導出される。尚、位置偏差εpと係数α1との関係を表わす関数式を位置制御回路(12)に格納しておき、該関数式に基づいて、位置偏差εpから係数α1を算出する構成を採用することも可能である。
その後、導出された係数α1と位置偏差εpとに基づいて、上記数2から速度指令値ω*が算出される。
上述の如く算出された速度指令値ω*は、不感帯処理回路(13)に供給される。不感帯処理回路(13)では、入出力関係に零を中心値とする一定幅の不感帯を設けて、入力された速度指令値ω*を新たな速度指令値ω*′に変換して出力する処理が行なわれる。
図3は、不感帯処理回路(13)に入力される速度指令値ω*と不感帯処理回路(13)から出力される新たな速度指令値ω*′との関係を表わしており、図示の如く、入力された速度指令値ω*が不感帯の範囲内の値であってその絶対値が小さい場合には、零の値が新たな速度指令値ω*′として出力される。
図4は、上記不感帯処理回路(13)によって実行される不感帯処理手続きを表わしており、先ずステップS1では、入力された速度指令値ω*が不感帯の範囲内の値であるか否かが判断され、速度指令値ω*が不感帯の範囲内の値である場合には、ステップS2にて零の値が新たな速度指令値ω*′として出力される。
これに対し、速度指令値ω*が不感帯の範囲内の値ではない場合には、ステップS3にて、速度指令値ω*は正の値であるか否かが判断される。速度指令値ω*が正の値である場合には、ステップS4にて、速度指令値ω*から図3に示す不感帯範囲の上限値ωmaxを減算して得られる値が新たな速度指令値ω*′として出力される。一方、速度指令値ω*が負の値である場合には、ステップS5にて、速度指令値ω*に不感帯範囲の上限値ωmaxを加算して得られる値が新たな速度指令値ω*′として出力される。
図1に示す不感帯処理回路(13)から出力された速度指令値ω*′は、速度偏差算出回路(14)に供給される。速度偏差算出回路(14)では、該速度指令値ω*′から前記回転数ωを減算する処理が実行され、これによって得られる速度偏差εvが速度制御回路(15)に供給される。速度制御回路(15)では、速度偏差εvに基づいて電圧振幅指令値Vaが算出され、算出された電圧振幅指令値VaはPWM信号生成回路(16)に供給される。
PWM信号生成回路(16)では、前記電圧振幅指令値Va及び前記回転角度θに基づいて、電動モータのU相についての電圧指令信号が算出され、このU相の電圧指令信号に対して電気角で120°、240°の位相差を与えることによりV相の電圧指令信号及びW相の電圧指令信号が作成された後、これら3相の電圧指令信号に基づいて、U相、V相、W相についてのPWM信号が作成される。
この様にして作成されたU相、V相、W相のPWM信号は、図18に示すインバータ(70)に供給されて、インバータ(70)がPWM制御される。この結果、電動モータ(8)が駆動されることになる。
本実施例のモータ制御装置においては、位置偏差εpの絶対値が小さい場合に、上記数2の係数α1を1よりも小さな値に設定することによって速度指令値ω*の変動が抑えられると共に、位置制御回路(12)から出力される速度指令値ω*の絶対値が小さい場合に、不感帯処理回路(13)から出力される速度指令値ω*′が零に維持される。これによって、速度制御回路(15)によって算出される電圧振幅指令値Vaの変動を抑えることが出来、位置偏差算出回路(11)により実際の位置偏差よりも大きな位置偏差εが算出された場合に電動モータの振動が助長されることを防止することが出来る。
尚、本実施例の位置制御回路(12)は、位置偏差εpから上記係数α1を導出しているが、電動モータの回転数ω、前回の電圧振幅指令値算出処理によって得られた電圧振幅指令値Va、或いは前回の電圧指令信号作成処理によって得られた電圧指令信号のパルス幅から係数α1を導出することも可能である。
又、上記位置制御回路(12)に代えて、係数α1を一定値に維持する位置制御回路を採用することも可能である。
更に、不感帯処理回路(13)を省略することも可能である。
第2実施例
図5は、本実施例のPWM制御回路(2)の具体的な構成を表わしており、位置センサから得られる3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)は、速度演算回路(26)に供給されると共に、位置演算回路(27)に供給される。速度演算回路(26)では、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいてモータの回転数ωが検出され、その結果が速度偏差算出回路(23)に供給される。一方、位置演算回路(27)では、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいてモータの回転角度θが算出され、その結果が位置偏差算出回路(21)及びPWM信号生成回路(25)に供給される。
位置偏差算出回路(21)では、モータの目標回転角度θ*から前記回転角度θを減算する処理が実行され、これによって得られる位置偏差εpが位置制御回路(22)に供給される。
位置制御回路(22)では、前記位置偏差εpと後述の如く速度制御回路(24)から供給される電圧振幅指令値Vaとに基づいて、上記数2からモータの目標回転速度を表わす速度指令値ω*が算出される。
図6は、位置偏差εpと電圧振幅指令値Vaと係数α1との関係を表わしている。上記数2の定数Kp、Kiは、位置偏差εpの絶対値が大きいときに安定した応答が得られることとなる値に設定されているため、図示の如く、係数α1は位置偏差εpの絶対値が大きい場合には1に設定される。これに対し、位置偏差εpの絶対値が小さい場合には1よりも小さな値に設定される。そして、位置偏差εpの絶対値が零或いはその近傍値である場合には、係数α1は一定値に維持される。
又、電圧振幅指令値Vaの絶対値が小さい場合には、係数α1は、電圧振幅指令値Vaの絶対値が大きい場合に比べて大きな値に設定される。この様に電圧振幅指令値Vaの絶対値が小さい場合に係数α1が大きな値に設定される理由は、次のように考えられる。即ち、図7に示す如く、電圧振幅指令値Vaの絶対値が零或いはその近傍値であって小さい場合には、モータに駆動電圧を印加するICの出力電圧Vは、電圧振幅指令値Vaに拘わらず零となる(以下、ICの出力電圧が零となる電圧振幅指令値の範囲を零出力範囲という)。従って、速度制御回路(24)から得られた電圧振幅指令値Vaの絶対値が小さい場合には、その後に得られる電圧振幅指令値Vaが零出力範囲を超える様、上記係数α1を大きな値に設定する必要があるのに対し、速度制御回路(24)から得られた電圧振幅指令値Vaの絶対値が大きい場合には、上記係数α1を大きな値に設定する必要はない。このため、電圧振幅指令値Vaの絶対値が小さい場合には、係数α1は、電圧振幅指令値Vaの絶対値が大きい場合に比べて大きな値に設定されると考えられる。
図5に示す位置制御回路(22)には、位置偏差εpと電圧振幅指令値Vaと係数α1の上記関係を表わすテーブルが格納されており、該回路(22)では、先ず、そのテーブルに基づいて位置偏差εp及び電圧振幅指令値Vaに応じた係数α1が導出される。尚、位置偏差εpと電圧振幅指令値Vaと係数α1との関係を表わす関数式を位置制御回路(22)に格納しておき、該関数式に基づいて、位置偏差εp及び電圧振幅指令値Vaから係数α1を算出する構成を採用することも可能である。
その後、導出された係数α1と位置偏差εpとに基づいて、上記数2から速度指令値ω*が算出される。
上述の如く算出された速度指令値ω*は、速度偏差算出回路(23)に供給される。速度偏差算出回路(23)では、前記速度指令値ω*から前記回転数ωを減算する処理が実行され、これによって得られる速度偏差εvが速度制御回路(24)に供給される。速度制御回路(24)では、速度偏差εvに基づいて電圧振幅指令値Vaが算出され、算出された電圧振幅指令値VaはPWM信号生成回路(25)及び前記位置制御回路(22)に供給される。位置制御回路(22)に供給された電圧振幅指令値Vaは、次の係数α1の導出処理に供される。
PWM信号生成回路(25)では、前記電圧振幅指令値Va及び前記回転角度θに基づいて、電動モータのU相についての電圧指令信号が算出され、このU相の電圧指令信号に対して電気角で120°、240°の位相差を与えることによりV相の電圧指令信号及びW相の電圧指令信号が作成された後、これら3相の電圧指令信号に基づいて、U相、V相、W相についてのPWM信号が作成される。
この様にして作成されたU相、V相、W相のPWM信号は、図18に示すインバータ(70)に供給されて、インバータ(70)がPWM制御される。この結果、電動モータ(8)が駆動されることになる。
本実施例のモータ制御装置においては、位置偏差εpの絶対値が小さい場合に、上記数2の係数α1を1よりも小さな値に設定することによって速度指令値ω*の変動が抑えられる。これによって、速度制御回路(24)によって算出される電圧振幅指令値Vaの変動を抑えることが出来、位置偏差算出回路(21)により実際の位置偏差よりも大きな位置偏差εpが算出された場合に電動モータの振動が助長されることを防止することが出来る。
第3実施例
図8は、本実施例のPWM制御回路(3)の具体的な構成を表わしており、位置センサから得られる3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)は、速度演算回路(36)に供給されると共に、位置演算回路(37)に供給される。速度演算回路(36)では、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいてモータの回転数ωが検出され、その結果が速度偏差算出回路(33)に供給される。一方、位置演算回路(37)では、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいてモータの回転角度θが算出され、その結果が位置偏差算出回路(31)及びPWM信号生成回路(35)に供給される。
位置偏差算出回路(31)では、モータの目標回転角度θ*から前記回転角度θを減算する処理が実行され、これによって得られる位置偏差εpが位置制御回路(32)及び速度制御回路(34)に供給される。
位置制御回路(32)では、前記位置偏差εpに基づいて、上記数1からモータの目標回転速度を表わす速度指令値ω*が算出され、算出された速度指令値ω*は、速度偏差算出回路(33)に供給される。速度偏差算出回路(33)では、前記速度指令値ω*から前記回転数ωを減算する処理が実行され、これによって得られる速度偏差εvが速度制御回路(34)に供給される。
速度制御回路(34)では、速度偏差εvに基づいて、下記数3から電圧振幅指令値Vaが算出される。
(数3)
Va=α2・(Kp+Ki/s)・εv
Kp、Ki:定数
図9は、位置偏差εpと上記数3の係数α2との関係を表わしている。上記数3の定数Kp、Kiは、位置偏差εpの絶対値が大きいときに安定した応答が得られることとなる値に設定されているため、係数α2は、位置偏差εpの絶対値が大きい場合には1に設定される。これに対し、位置偏差εpの絶対値が小さい場合には、係数α2は1よりも小さな値に設定される。そして、位置偏差εpの絶対値が零或いはその近傍値である場合には、係数α2は一定値に維持される。
図8に示す速度制御回路(34)には、位置偏差εpと係数α2の上記関係を表わすテーブルが格納されており、該回路(34)では、先ず、そのテーブルに基づいて位置偏差εpに応じた係数α2が導出される。
その後、導出された位置係数α2と速度偏差εvとに基づいて、上記数3から電圧振幅指令値Vaが算出される。
上述の如く算出された電圧振幅指令値Vaは、PWM信号生成回路(35)に供給される。
PWM信号生成回路(35)では、前記電圧振幅指令値Va及び前記回転角度θに基づいて、電動モータのU相についての電圧指令信号が算出され、このU相の電圧指令信号に対して電気角で120°、240°の位相差を与えることによりV相の電圧指令信号及びW相の電圧指令信号が作成された後、これら3相の電圧指令信号に基づいて、U相、V相、W相についてのPWM信号が作成される。
この様にして作成されたU相、V相、W相のPWM信号は、図18に示すインバータ(70)に供給されて、インバータ(70)がPWM制御される。この結果、電動モータ(8)が駆動されることになる。
本実施例のモータ制御装置においては、位置偏差εpの絶対値が小さい場合に、上記数3の係数α2を1よりも小さな値に設定することによって電圧振幅指令値Vaの変動が抑えられる。これによって、位置偏差算出回路(31)により実際の位置偏差よりも大きな位置偏差εpが算出された場合に電動モータの振動が助長されることを防止することが出来る。
尚、本実施例の速度制御回路(34)は、位置偏差εpから上記係数α2を導出しているが、電動モータの回転数ω、速度指令値ω*、前回の電圧振幅指令値算出処理によって得られた電圧振幅指令値Va、或いは前回の電圧指令信号作成処理によって得られた電圧指令信号のパルス幅から係数α2を導出することも可能である。又、第2実施例と同様に、位置偏差εp及び前回の電圧振幅指令値算出処理によって得られた電圧振幅指令値Vaから係数α2を導出することも可能である。
又、上記速度制御回路(34)に代えて、係数α2を一定値に維持する速度制御回路を採用すると共に、該速度制御回路の後段に第1実施例と同様の不感帯処理回路を設けることも可能である。
更に、速度制御回路(34)の後段に、第1実施例と同様の不感帯処理回路を設けることも可能である。
第4実施例
図10は、本実施例のPWM制御回路(4)の具体的な構成を表わしており、位置センサから得られる3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)は、速度演算回路(47)に供給されると共に、位置演算回路(48)に供給される。速度演算回路(47)では、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいてモータの回転数ωが検出され、その結果が速度偏差算出回路(43)に供給される。一方、位置演算回路(48)では、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいてモータの回転角度θが算出され、算出された回転角度θは、位置偏差算出回路(41)及びPWM信号生成回路(46)に供給される。
位置偏差算出回路(41)では、モータの目標回転角度を表わす位置指令値θ*から前記回転角度θを減算する処理が実行され、これによって得られる位置偏差εpが位置制御回路(42)に供給される。位置制御回路(42)では、位置偏差εpに基づいて、上記数1からモータの目標回転速度を表わす速度指令値ω*が算出され、算出された速度指令値ω*は、速度偏差算出回路(43)に供給される。
速度偏差算出回路(43)では、前記速度指令値ω*から前記回転数ωを減算する処理が実行され、これによって得られる速度偏差εvは速度制御回路(44)に供給される。速度制御回路(44)では、速度偏差εvに基づいて電圧振幅指令値Vaが算出され、該電圧振幅指令値Vaは不感帯処理回路(45)に供給される。不感帯処理回路(45)では、入出力関係に後述の如く算出される定常値Vaoを中心値とする一定幅の不感帯を設けて、入力された電圧振幅指令値Vaを新たな電圧振幅指令値Va′に変換して出力する処理が行なわれる。
図12は、不感帯処理回路(45)に入力される電圧振幅指令値Vaと不感帯処理回路(45)から出力される電圧振幅指令値Va′の関係を表わしており、図示の如く、入力された電圧振幅指令値Vaが定常値Vaoを中心値とする不感帯の範囲内の値である場合には、定常値Vaoが新たな電圧振幅指令値Va′として出力される。ここで、定常値Vaoは、電動モータに負荷がかかっていない場合には零となり、電動モータに負荷がかかっている場合には零以外の値となる。この様に定常値Vaoが零以外の値となる理由は、電動モータに負荷がかかっている状態では、モータの低速回転時においても電動モータに電圧を印加する必要があり、零以外の値をとる電圧振幅指令値Vaが算出されるからである。
上記不感帯処理回路(45)から出力された電圧振幅指令値Va′は、図10に示すPWM信号生成回路(46)に供給される。PWM信号生成回路(46)では、該電圧振幅指令値Va′及び前記回転角度θに基づいて電動モータのU相についての電圧指令信号が算出され、このU相の電圧指令信号に対して120°、240°の位相差を与えることによりV相の電圧指令信号及びW相の電圧指令信号が作成された後、これら3相の電圧指令信号に基づいて、U相、V相、W相についてのPWM信号が作成される。
この様にして作成されたU相、V相、W相のPWM信号は、図18に示すインバータ(70)に供給されて、インバータ(70)がPWM制御される。この結果、電動モータ(8)が駆動されることになる。
図11は、上記不感帯処理回路(45)の具体的な構成を表わしている。不感帯処理回路(45)は、フィルタ回路(450)、減算器(451)、演算処理回路(452)及び加算器(453)から構成されており、上述の如く速度制御回路(44)から得られる電圧振幅指令値Vaは、フィルタ回路(450)、減算器(451)及び演算処理回路(452)に供給される。
フィルタ回路(450)では、後述のフィルタ処理が実行されて図12に示す不感帯範囲の定常値Vaoが算出され、該定常値Vaoは、減算器(451)に供給されると共に加算器(453)に供給される。
減算器(451)では、前記電圧振幅指令値Vaから前記定常値Vaoを減算する処理が実行され、その減算結果(Va−Vao)が演算処理回路(452)に供給される。演算処理回路(452)では、入力値(Va−Vao)と出力値Va"との入出力関係に零を中心値とする一定幅の不感帯を設けて、入力値(Va−Vao)を出力値Va"に変換する処理が行なわれる。
図13は、演算処理回路(452)の入力値(Va−Vao)と出力値Va"との関係を表わしており、図示の如く、入力値(Va−Vao)が不感帯の範囲内の値である場合には、出力値Va"が零に維持される。
演算処理回路(452)の出力値Va"は加算器(453)に供給される。加算器(453)では、該出力値Va"に前記定常値Vaoを加算する処理が実行され、これによって得られる電圧振幅指令値Va′が図10に示すPWM信号生成回路(46)に供給される。
上記フィルタ回路(450)は、減算器(450a)、乗算器(450b)、加算器(450c)及びフィードバックレジスタ(450d)から構成されている。
上述の如く速度制御回路(44)から得られる電圧振幅指令値Vaは、減算器(450a)に供給され、減算器(450a)では、該電圧振幅指令値Vaから後述の如くフィードバックレジスタ(450d)から得られる定常値Vaoが減算され、その結果が乗算器(450b)に供給される。乗算器(450b)では、前記減算結果にゲイン定数K(0<K<1)が乗算され、その結果が加算器(450c)に供給される。加算器(450c)では、フィードバックレジスタ(450d)から得られる定常値Vaoに乗算器(450b)から供給された値が加算される。この様にして得られた定常値Vaoは、上述の減算器(451)及び加算器(453)に供給されると共に、フィードバックレジスタ(450d)に供給され、該レジスタ(450d)に一旦格納された後、フィルタ回路(450)を構成する減算器(450a)及び加算器(450c)に供給される。
尚、加算器(450c)から出力される定常値Vao(t)は、前回の出力値をVao(t−1)として、下記数4によって表わすことが出来る。
(数4)
Vao(t)=Vao(t−1)+K・{Va(t)−Vao(t−1)}
図14は、上記不感帯処理回路(45)によって実行される不感帯処理手続きを表わしている。
図示の如く、先ずステップS11にて定常値Vaoが算出され、ステップS12では、速度制御回路(44)から供給された電圧振幅指令値Vaから前記定常値Vaoを減算して得られる値(Va−Vao)に基づいて、該電圧振幅指令値Vaが不感帯の範囲内の値であるか否かが判断される。電圧振幅指令値Vaが不感帯の範囲内の値である場合には、ステップS13にて、演算処理回路(452)から零の値が出力される。
これに対し、電圧振幅指令値Vaが不感帯の範囲内の値ではない場合には、ステップS15にて、電圧振幅指令値Vaは正の値であるか否かが判断される。電圧振幅指令値Vaが正の値である場合には、ステップS16にて、電圧振幅指令値Vaから図8に示す不感帯範囲の上限値Vamaxを減算して得られる値が演算処理回路(452)から出力される。一方、電圧振幅指令値Vaが負の値である場合には、ステップS17にて、電圧振幅指令値Vaに不感帯範囲の上限値Vamaxを加算して得られる値が演算処理回路(452)から出力される。
最後にステップS14では、上述の如く演算処理回路(452)から出力された値に定常値Vaoを加算して得られる電圧振幅指令値Va′が加算器(453)から出力される。
この様にして、速度制御回路(44)から入力された電圧振幅指令値Vaが、図12に示す関係に従って新たな電圧振幅指令値Va′に変換されることになる。
本実施例のモータ制御装置においては、速度制御回路(44)によって算出された電圧振幅指令値Vaが定常値Vaoを中心値とする不感帯の範囲内の値である場合に、不感帯処理回路(45)から出力される電圧振幅指令値Va′を定常値Vaoに設定することによって電圧振幅指令値Va′の変動が抑えられる。これによって、位置偏差算出回路(41)により実際の位置偏差よりも大きな位置偏差εpが算出された場合に電動モータの振動が助長されることを防止することが出来る。
第5実施例
本実施例のモータ制御装置は、電動モータを流れる電流の大きさを制御することが可能であって、電動モータには、モータを流れる電流の大きさを検出するための電流センサが設けられている。
図15は、本実施例のPWM制御回路(5)の具体的な構成を表わしており、位置センサから得られる3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)は、速度演算回路(58)に供給されると共に、位置演算回路(59)に供給される。速度演算回路(58)では、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいてモータの回転数ωが検出され、その結果が速度偏差算出回路(53)に供給される。一方、位置演算回路(59)では、3つの位置信号(Hu、Hv、Hw)に基づいてモータの回転角度θが算出され、その結果が位置偏差算出回路(51)及びPWM信号生成回路(57)に供給される。
位置偏差算出回路(51)では、モータの目標回転角度θ*から前記回転角度θを減算する処理が実行され、これによって得られる位置偏差εpが位置制御回路(52)及び電流制御回路(56)に供給される。
位置制御回路(52)では、前記位置偏差εpに基づいて、上記数1からモータの目標回転速度を表わす速度指令値ω*が算出され、算出された速度指令値ω*は、速度偏差算出回路(53)に供給される。速度偏差算出回路(53)では、前記速度指令値ω*から前記回転数ωを減算する処理が実行され、これによって得られる速度偏差εvが速度制御回路(54)に供給される。
速度制御回路(54)では、速度偏差εvに基づいて、モータを流れる電流の目標値を表わす電流指令値I*が算出され、算出された電流指令値I*は電流偏差算出回路(55)に供給される。又、上述の電流センサから得られる電流値Iは、電流偏差算出回路(55)に供給され、電流偏差算出回路(55)では、前記電流指令値I*から電流値Iを減算する処理が実行され、これによって得られる電流偏差εiが電流制御回路(56)に供給される。
電流制御回路(56)では、前記電流偏差εi及び前記位置偏差εpに基づいて、下記数5から電圧振幅指令値Vaが算出される。
(数5)
Va=α3・(Kp+Ki/s)・εi
Kp、Ki:定数
電流制御回路(56)には、位置偏差εpと上記数5の係数α3との関係を表わすテーブルが格納されており、該回路(56)では、先ず、そのテーブルに基づいて位置偏差εpに応じた係数α3が導出される。上記数5の定数Kp、Kiは、位置偏差εpの絶対値が大きいときに安定した応答が得られることとなる値に設定されているため、係数α3は、位置偏差εpの絶対値が大きい場合には1に設定される。これに対し、位置偏差εpの絶対値が小さい場合には1よりも小さな値に設定される。そして、位置偏差εpの絶対値が零或いはその近傍値である場合には、係数α3は一定値に維持される。
その後、この様にして導出された位置係数α3と速度偏差εvとに基づいて、上記数5から電圧振幅指令値Vaが算出される。
上述の如く算出された電圧振幅指令値Vaは、PWM信号生成回路(57)に供給される。
PWM信号生成回路(57)では、前記電圧振幅指令値Va及び前記回転角度θに基づいて、電動モータのU相についての電圧指令信号が算出され、このU相の電圧指令信号に対して電気角で120°、240°の位相差を与えることによりV相の電圧指令信号及びW相の電圧指令信号が作成された後、これら3相の電圧指令信号に基づいて、U相、V相、W相についてのPWM信号が作成される。
この様にして作成されたU相、V相、W相のPWM信号は、図18に示すインバータ(70)に供給されて、インバータ(70)がPWM制御される。この結果、電動モータ(8)が駆動されることになる。
本実施例のモータ制御装置においては、位置偏差εpの絶対値が小さい場合に、上記数5の係数α3を1よりも小さな値に設定することによって電圧振幅指令値Vaの変動が抑えられる。これによって、位置偏差算出回路(51)により実際の位置偏差よりも大きな位置偏差εpが算出された場合に電動モータの振動が助長されることを防止することが出来る。
尚、本実施例の電流制御回路(56)は、位置偏差εpから上記係数α3を導出しているが、電動モータの回転数ω、速度指令値ω*、電流偏差εi、前回の電圧振幅指令値算出処理によって得られた電圧振幅指令値Va、或いは前回の電圧指令信号作成処理によって得られた電圧指令信号のパルス幅から係数α3を導出することも可能である。又、第2実施例と同様に、位置偏差εp及び前回の電圧振幅指令値算出処理によって得られた電圧振幅指令値Vaから係数α3を導出することも可能である。
又、上記電流制御回路(56)に代えて、係数α3を一定値に維持する電流制御回路を採用すると共に、該電流制御回路の後段に第1実施例と同様の不感帯処理回路を設けることも可能である。
更に、電流制御回路(56)の後段に、第1実施例と同様の不感帯処理回路を設けることも可能である。
更に又、上記5つの実施例においては、本発明を交流モータの制御装置に実施しているが、直流モータの制御装置に実施することも可能である。
図16は、直流モータの制御装置の全体構成を表わしており、商用電源(6)からの交流電力が、整流回路(7)によって直流電力に変換され、該直流電力がブリッジ回路(71)を経て直流モータ(81)に供給され、モータの駆動が行なわれる。
直流モータ(81)には、ホール素子からなる3つの位置センサを具えた位置検出器(82)が取り付けられており、該位置検出器(82)から得られる3つの位置信号がPWM制御回路(10)に供給され、該PWM制御回路(10)によってブリッジ回路(71)が制御される。尚、PWM制御回路(10)の構成としては、上述の交流モータのPWM制御回路と同一の構成を採用することが可能である。
又、上記5つの実施例においては、本発明を回転型モータの制御装置に実施しているが、図17に示す如き可動子(84)と固定子(85)からなるリニアモータ(83)の制御装置に実施することも可能である。可動子(84)には、ホール素子からなる3つの位置センサ(86)(86)(86)を具えた位置検出器(87)が取り付けられる。
第1実施例のPWM制御回路の構成を表わすブロック図である。 位置偏差εpと係数α1との関係を表わすグラフである。 上記PWM制御回路の不感帯処理回路の入力値と出力値の関係を表わすグラフである。 上記不感帯処理回路によって実行される手続きを表わすフローチャートである。 第2実施例のPWM制御回路の構成を表わすブロック図である。 位置偏差εpと電圧振幅指令値Vaと係数α1との関係を表わすグラフである。 電圧振幅指令値Vaとモータ駆動用ICの出力電圧値Vとの関係を表わすグラフである。 第3実施例のPWM制御回路の構成を表わすブロック図である。 位置偏差εpと係数α2との関係を表わすグラフである。 第4実施例のPWM制御回路の構成を表わすブロック図である。 上記PWM制御回路の不感帯処理回路の具体的構成を表わすブロック図である。 上記不感帯処理回路の入力値と出力値の関係を表わすグラフである。 上記不感帯処理回路の演算処理回路の入力値と出力値の関係を表わすグラフである。 上記不感帯処理回路によって実行される手続きを表わすフローチャートである。 第5実施例のPWM制御回路の構成を表わすブロック図である。 直流モータのモータ制御装置の全体構成を表わすブロック図である。 リニアモータの構造を示す概略図である。 交流モータのモータ制御装置の全体構成を表わすブロック図である。 従来のPWM制御回路の構成を表わすブロック図である。 3つの位置信号と位置演算回路の出力信号の変化を表わす波形図である。 電動モータの回転角度と位置演算回路の出力信号の変化を表わす波形図である。
符号の説明
(1) PWM制御回路
(11) 位置偏差算出回路
(12) 位置制御回路
(13) 不感帯処理回路
(14) 速度偏差算出回路
(15) 速度制御回路
(16) PWM信号生成回路
(17) 速度演算回路
(18) 位置演算回路

Claims (19)

  1. 電動モータに直流或いは交流の電力を供給する電力供給回路と、該電動モータの可動部の位置と一定の位相関係を有する矩形波からなる位置信号を出力する位置センサと、該位置センサから得られる位置信号に基づいて前記電力供給回路を制御する制御回路とを具えたモータ制御装置において、前記制御回路は、
    前記位置信号に基づいて、電動モータの可動部の位置を導出する位置導出手段と、
    電動モータの可動部の目標位置を表わす位置指令値と前記導出された位置との位置偏差を算出する位置偏差算出手段と、
    前記算出された位置偏差に制御ゲインを用いた演算処理を施して制御値を算出する位置制御手段と、
    前記算出された制御値に基づいて制御信号を作成し、該制御信号を電力供給回路に供給する信号処理手段
    とを具え、前記位置制御手段は、電動モータの駆動時に制御ゲインを調整するゲイン調整手段を具えていることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記ゲイン調整手段は、前記算出された位置偏差に応じて制御ゲインを調整する請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記制御値は電圧振幅指令値であって、前記位置制御手段は制御値の算出処理を繰り返し、ゲイン調整手段は、前記算出された位置偏差と前回の制御値算出処理によって算出した制御値とに応じて制御ゲインを調整する請求項1に記載のモータ制御装置。
  4. 前記制御回路は、前記位置信号に基づいて電動モータの可動部の速度を導出する速度導出手段を具え、前記ゲイン調整手段は、前記導出された速度に応じて制御ゲインを調整する請求項1に記載のモータ制御装置。
  5. 電動モータに直流或いは交流の電力を供給する電力供給回路と、該電動モータの可動部の位置と一定の位相関係を有する矩形波からなる位置信号を出力する位置センサと、該位置センサから得られる位置信号に基づいて前記電力供給回路を制御する制御回路とを具えたモータ制御装置において、前記制御回路は、
    前記位置信号に基づいて、電動モータの可動部の位置を導出する位置導出手段と、
    電動モータの可動部の目標位置を表わす位置指令値と前記導出された位置との位置偏差を算出する位置偏差算出手段と、
    入出力関係に入力値に拘わらず出力値を一定値に維持する不感帯を設けて、前記算出された位置偏差を入力値として該入力値を出力値に変換する不感帯処理手段と、
    不感帯処理手段から出力される位置偏差に基づいて制御値を算出する位置制御手段と、
    前記算出された制御値に基づいて制御信号を作成し、該制御信号を電力供給回路に供給する信号処理手段
    とを具えていることを特徴とするモータ制御装置。
  6. 電動モータに直流或いは交流の電力を供給する電力供給回路と、該電動モータの可動部の位置と一定の位相関係を有する矩形波からなる位置信号を出力する位置センサと、該位置センサから得られる位置信号に基づいて前記電力供給回路を制御する制御回路とを具えたモータ制御装置において、前記制御回路は、
    前記位置信号に基づいて、電動モータの可動部の位置を導出する位置導出手段と、
    電動モータの可動部の目標位置を表わす位置指令値と前記導出された位置との位置偏差を算出する位置偏差算出手段と、
    前記算出された位置偏差に基づいて制御値を算出する位置制御手段と、
    入出力関係に入力値に拘わらず出力値を一定値に維持する不感帯を設けて、前記算出された制御値を入力値として該入力値を出力値に変換する不感帯処理手段と、
    不感帯処理手段から出力される制御値に基づいて制御信号を作成し、該制御信号を電力供給回路に供給する信号処理手段
    とを具えていることを特徴とするモータ制御装置。
  7. 前記制御値は電圧振幅指令値であって、前記不感帯処理手段は、前記算出された制御値に基づいて、不感帯の中心値を算出する中心値算出手段と、不感帯の範囲を、前記中心値算出手段の算出値を中心値とする範囲に設定する不感帯設定手段とを具えている請求項6に記載のモータ制御装置。
  8. 電動モータに直流或いは交流の電力を供給する電力供給回路と、該電動モータの可動部の位置と一定の位相関係を有する矩形波からなる位置信号を出力する位置センサと、該位置センサから得られる位置信号に基づいて前記電力供給回路を制御する制御回路とを具えたモータ制御装置において、前記制御回路は、
    前記位置信号に基づいて、電動モータの可動部の位置を導出する位置導出手段と、
    前記位置信号に基づいて、電動モータの可動部の速度を導出する速度導出手段と、
    電動モータの可動部の目標位置を表わす位置指令値と前記導出された位置との位置偏差を算出する位置偏差算出手段と、
    前記算出された位置偏差に基づいて、電動モータの可動部の目標速度を表わす速度指令値を算出する位置制御手段と、
    前記算出された速度指令値と前記導出された速度との速度偏差を算出する速度偏差算出手段と、
    前記算出された速度偏差に制御ゲインを用いた演算処理を施して制御値を算出する速度制御手段と、
    前記算出された制御値に基づいて制御信号を作成し、該制御信号を電力供給回路に供給する信号処理手段
    とを具え、前記速度制御手段は、電動モータの駆動時に制御ゲインを調整するゲイン調整手段を具えていることを特徴とするモータ制御装置。
  9. 前記ゲイン調整手段は、前記算出された位置偏差に応じて制御ゲインを調整する請求項8に記載のモータ制御装置。
  10. 前記制御値は電圧振幅指令値であって、前記速度制御手段は制御値の算出処理を繰り返し、ゲイン調整手段は、前記算出された位置偏差と前回の制御値算出処理によって算出した制御値とに応じて制御ゲインを調整する請求項8に記載のモータ制御装置。
  11. 前記ゲイン調整手段は、前記導出された速度に応じて制御ゲインを調整する請求項8に記載のモータ制御装置。
  12. 前記ゲイン調整手段は、前記算出された速度指令値に応じて制御ゲインを調整する請求項8に記載のモータ制御装置。
  13. 電動モータに直流或いは交流の電力を供給する電力供給回路と、該電動モータの可動部の位置と一定の位相関係を有する矩形波からなる位置信号を出力する位置センサと、該位置センサから得られる位置信号に基づいて前記電力供給回路を制御する制御回路とを具えたモータ制御装置において、前記制御回路は、
    前記位置信号に基づいて、電動モータの可動部の位置を導出する位置導出手段と、
    前記位置信号に基づいて、電動モータの可動部の速度を導出する速度導出手段と、
    電動モータの可動部の目標位置を表わす位置指令値と前記導出された位置との位置偏差を算出する位置偏差算出手段と、
    前記算出された位置偏差に基づいて、電動モータの可動部の目標速度を表わす速度指令値を算出する位置制御手段と、
    前記算出された速度指令値と前記導出された速度との速度偏差を算出する速度偏差算出手段と、
    入出力関係に入力値に拘わらず出力値を一定値に維持する不感帯を設けて、前記算出された速度偏差を入力値として該入力値を出力値に変換する不感帯処理手段と、
    不感帯処理手段から出力される速度偏差に基づいて制御値を算出する速度制御手段と、
    前記算出された制御値に基づいて制御信号を作成し、該制御信号を電力供給回路に供給する信号処理手段
    とを具えていることを特徴とするモータ制御装置。
  14. 電動モータに直流或いは交流の電力を供給する電力供給回路と、該電動モータの可動部の位置と一定の位相関係を有する矩形波からなる位置信号を出力する位置センサと、該位置センサから得られる位置信号に基づいて前記電力供給回路を制御する制御回路とを具えたモータ制御装置において、前記制御回路は、
    前記位置信号に基づいて、電動モータの可動部の位置を導出する位置導出手段と、
    電動モータを流れる電流の大きさを検出する電流検出手段と、
    電動モータの可動部の目標位置を表わす位置指令値と前記導出された位置との位置偏差を算出する位置偏差算出手段と、
    前記算出された位置偏差に基づいて、電動モータを流れる電流の目標値を表わす電流指令値を算出する制御手段と、
    前記算出された電流指令値と前記検出された電流値との電流偏差を算出する電流偏差算出手段と、
    前記算出された電流偏差に制御ゲインを用いた演算処理を施して制御値を算出する電流制御手段と、
    前記算出された制御値に基づいて制御信号を作成し、該制御信号を電力供給回路に供給する信号処理手段
    とを具え、前記電流制御手段は、電動モータの駆動時に制御ゲインを調整するゲイン調整手段を具えていることを特徴とするモータ制御装置。
  15. 前記ゲイン調整手段は、前記算出された位置偏差に応じて制御ゲインを調整する請求項14に記載のモータ制御装置。
  16. 前記制御値は電圧振幅指令値であって、前記電流制御手段は制御値の算出処理を繰り返し、ゲイン調整手段は、前記算出された位置偏差と前回の制御値算出処理によって算出した制御値とに応じて制御ゲインを調整する請求項14に記載のモータ制御装置。
  17. 前記制御回路は、前記位置信号に基づいて電動モータの可動部の速度を導出する速度導出手段を具え、前記ゲイン調整手段は、前記導出された速度に応じて制御ゲインを調整する請求項14に記載のモータ制御装置。
  18. 前記制御回路は、前記位置信号に基づいて電動モータの可動部の速度を導出する速度導出手段を具え、前記制御手段は、
    前記算出された位置偏差に基づいて、電動モータの可動部の目標速度を表わす速度指令値を算出する位置制御手段と、
    前記算出された速度指令値と前記導出された速度との速度偏差を算出する速度偏差算出手段と、
    前記算出された速度偏差に基づいて電流指令値を算出する速度制御手段
    とを具え、前記ゲイン調整手段は、前記算出された速度指令値に応じて制御ゲインを調整する請求項14に記載のモータ制御装置。
  19. 電動モータに直流或いは交流の電力を供給する電力供給回路と、該電動モータの可動部の位置と一定の位相関係を有する矩形波からなる位置信号を出力する位置センサと、該位置センサから得られる位置信号に基づいて前記電力供給回路を制御する制御回路とを具えたモータ制御装置において、前記制御回路は、
    前記位置信号に基づいて、電動モータの可動部の位置を導出する位置導出手段と、
    電動モータを流れる電流の大きさを検出する電流検出手段と、
    電動モータの可動部の目標位置を表わす位置指令値と前記導出された位置との位置偏差を算出する位置偏差算出手段と、
    前記算出された位置偏差に基づいて、電動モータを流れる電流の目標値を表わす電流指令値を算出する制御手段と、
    前記算出された電流指令値と前記検出された電流値との偏差を算出する電流偏差算出手段と、
    入出力関係に入力値に拘わらず出力値を一定値に維持する不感帯を設けて、前記算出された電流偏差を入力値として該入力値を出力値に変換する不感帯処理手段と、
    不感帯処理手段から出力される電流偏差に基づいて制御値を算出する電流制御手段と、
    前記算出された制御値に基づいて制御信号を作成し、該制御信号を電力供給回路に供給する信号処理手段
    とを具えていることを特徴とするモータ制御装置。
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