JP7467201B2 - モータ制御装置 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に記載された走査型電子顕微鏡は、以下のように構成されている。すなわち、試料上を電子ビームで走査し、試料上の観察視野内の拡大像をCRTディスプレイに表示する。試料が載置されるステージは、マイクロステップ駆動方式で制御されているパルスモータに回転される送りねじを介して駆動される。試料の代わりに基準ウエハを載置して、ステージを反転させて移動させることにより、バックラッシュ量及び送りねじのピッチ誤差を求めてメモリに格納しておき、ステージを駆動する際にステージ制御手段がそれらの補正を行う。
また、特許文献2に記載された走査型電子顕微鏡は、試料移動時と停止時にモータへの供給電流を同じないし、供給電流の差を20%以下とすることによりモータの熱量変化を小さくすることで、試料ステージの温度をコントロールして観察時の試料ドリフトを低減することを特徴とする。
本発明は、応答性を低下させることなく、対象物を見失わないように位置決めすることができるモータ制御装置を提供することを目的とする。
ここで、前記変更部は、前記所定時間が経過したときに前記位置偏差を前記所定値以下の値に変更した後、予め定められた継続時間が経過するまで当該位置偏差を前記所定値以下の値に維持しても良い。
また、前記所定値以下の値は、0であっても良い。
また、前記モータに供給する目標電流と、当該モータに供給される実電流との差が0となるように、フィードバック制御を行う駆動制御部をさらに備え、前記駆動制御部は、前記偏差算出部が算出した前記位置偏差の絶対値が予め定められた基準値以下である場合には、当該位置偏差の絶対値が当該基準値より大きい場合よりも、前記フィードバック制御のゲインを小さくしても良い。
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態に係る走査型電子顕微鏡の概略構成の一例を示す図である。
図2は、第1の実施形態に係る走査型電子顕微鏡の試料移動ステージの概略構成の一例を示す図である。
図3は、図2のIII方向に見た図である。
本実施の形態に係る走査型電子顕微鏡50(以下、単に「顕微鏡50」と称する場合もある。)は、特許文献2に記載された走査型電子顕微鏡に対して、xテーブル33を移動させるxモータ41と、yテーブル43を移動させるyモータ61と、これらのモータの駆動を制御する制御装置100とが異なる。以下、主に、特許文献2に記載された走査型電子顕微鏡と異なる点について説明する。
上述したようにして、試料Sは、x,y,z方向に移動させられ、また、回転させられ、傾斜させられる。
上述した、xモータ41、yモータ61及びrモータ73は、3相のACサーボモータであることを例示することができる。
そして、顕微鏡50は、これらxモータ41、yモータ61及びrモータ73の駆動を制御する制御装置100を備えている。制御装置100が、xモータ41、yモータ61及びrモータ73を制御する態様は同じであるので、以下では、xモータ41、yモータ61及びrモータ73を、「モータ110」と称し、モータ110を制御する態様について説明する。
制御装置100は、CPU、ROM、RAM、EEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory)等からなる算術論理演算回路である。
そして、制御装置100は、モータ110に供給する目標電流を設定する目標電流設定部120と、目標電流設定部120が設定した目標電流に基づいてフィードバック制御などを行う制御部130と、を備えている。目標電流設定部120の機能構成は、図4に示し、制御部130の機能構成は、図5に示している。
d軸目標電流設定部122は、d軸目標電流Idtを0に設定する。
q軸目標電流設定部121及び目標電流設定部120が有するその他の構成要素については後で詳述する。
また、制御部130は、モータ110に実際に流れる実電流に応じた値を出力するモータ電流検出部133と、このモータ電流検出部133によって検出された電流をd-q座標系の電流に変換する3相2軸変換部135と、を有している。
また、制御部130は、エンコーダ等の回転角センサ111からのモータ回転角度信号θsに基づいて、実際のモータ110の回転角度であるモータ回転角度θdを算出するモータ回転角度算出部136を有している。
モータ回転角度算出部136は、モータ110に設けられた回転角センサ111からのモータ回転角度信号θsに基づいてモータ回転角度θdを算出する。
2軸3相変換部151は、予め定められた式及びモータ回転角度算出部136にて算出されたモータ回転角度θdに基づいて、d軸目標電圧Vdt及びq軸目標電圧Vqtを、U相目標電圧Vut、V相目標電圧Vvt及びW相目標電圧Vwtに変換する。つまり、2軸3相変換部151は、電流制御アンプ142d及び電流制御アンプ142qから出力された、言い換えればフィードバック制御された値と、モータ回転角度θdとに基づいてモータ110に印加する印加電圧を決定する。
目標電流設定部120は、観察対象物である試料Sの目標位置と、試料Sの実際の位置との位置偏差Δpを算出する偏差算出部123を有している。位置偏差Δpは、顕微鏡50のオペレータが操作する、例えばトラックボールの操作に基づく位置指令の指令パルスを加算するとともに、回転角センサ111からのフィードバックパルスを減算することにより得た溜まりパルス値であることを例示することができる。かかる場合、位置偏差Δpがプラスである場合には、試料Sの実際の位置が目標位置に到達していないことを示し、位置偏差Δpがマイナスである場合には、試料Sの実際の位置が目標位置を追い越したことを示す。
また、q軸目標電流設定部121は、位置制御アンプ125から出力された目標回転速度ωtから、モータ回転速度算出部124で算出されたモータ回転速度ωdを減算する速度減算部126を有している。
また、q軸目標電流設定部121は、速度減算部126にて算出された偏差(ωt-ωd)が0となるようにq軸目標電流Iqtを出力する速度制御アンプ127を有している。
変更部129は、位置指令速度算出部128が算出した位置指令速度Vptが0ではない状態から0となったか否かを判断する(S601)。位置指令速度Vptが0となった場合(S601でYes)、変更部129は、位置偏差Δpが0となったか否かを判断する(S602)。位置偏差Δpが0となっていない場合(S602でNo)、位置偏差Δpが0となるまで待機する。他方、位置偏差Δpが0となった場合(S602でYes)、変更部129は、時間を計測開始する(S603)。
以上のように構成された制御装置100においては、位置指令速度Vptが0となり、かつ、位置偏差Δpが0となってから所定時間t1が経過したときに位置偏差Δpが0に変更されるので、位置偏差Δpが0に変更されたときの位置で止まり易くなる。それゆえ、当初の目標位置に対するオーバーシュートを修正しようと振動することが抑制される。その結果、操作者が操作を止めたところで試料Sが止まり易くなり、試料Sが揺れることが抑制される。言い換えれば、制御装置100でなければ、試料Sが止まるまで振動してギクシャクした動きになるが、制御装置100によれば、操作者の操作に合わせて試料Sが止まり易くなる。なお。試料Sが止まる位置は当初の目標位置ではないが、操作者が試料を見失わない範囲に止まるため、試料Sが振動しながら当初の目標位置に止まるよりは良い。また、制御装置100によれば、位置制御アンプ125、速度制御アンプ127、電流制御アンプ142d、及び、電流制御アンプ142qのゲインを小さくすることなく、ステージ(試料S)の位置決めを行うので、ゲインを小さくする場合と比べて、応答性が低下しないようにすることができる。
図8は、第2の実施形態に係る制御装置200のブロック図の一例を示す図である。
第2の実施形態に係る制御装置200は、第1の実施形態に係る制御装置100に対して、制御部130の駆動制御部131に相当する、制御部230の駆動制御部231が異なる。以下、第1の実施形態と異なる点について説明する。第1の実施形態と第2の実施形態とで、同じものについては同じ符号を用い、その詳細な説明は省略する。
変化部240は、偏差算出部123が算出した位置偏差Δpに応じて、電流ゲインKを変化させる。例えば、図9に示すように、変化部240は、電流ゲインKを、位置偏差Δpの絶対値が予め定められた第1基準値P1以下である場合には、予め定められた第1ゲインK1に設定し、位置偏差Δpの絶対値が予め定められた第2基準値P2以上である場合には、第1ゲインK1よりも大きな値に定められた第2ゲインK2に設定する。また、変化部240は、位置偏差Δpの絶対値が第1基準値P1よりも大きく第2基準値P2よりも小さい場合には、電流ゲインKを、位置偏差Δpの絶対値が小さくなるのに応じて、第2ゲインK2から第1ゲインK1まで徐々に小さい値となるように設定する。なお、第1基準値P1は溜まりパルス値が5パルス、第2基準値P2は溜まりパルス値が10パルスであることを例示することができる。また、第1ゲインK1は第2ゲインK2の1/2であることを例示することができる。
Claims (4)
- モータを駆動させて対象物を移動させるべき指令速度を算出する速度算出部と、
前記対象物の目標位置と当該対象物の実際の位置との位置偏差を算出する偏差算出部と、
前記速度算出部が算出した前記指令速度が0となり、かつ、前記偏差算出部が算出した前記位置偏差が0となった後、前記対象物が前記目標位置に対してオーバーシュートしながら予め定められた所定時間が経過したときに、当該位置偏差を所定値以下の値に変更するとともに、予め定められた継続時間が経過するまで当該位置偏差を当該所定値以下の値に維持する変更部と、
を備えるモータ制御装置。 - 前記所定時間は、前記対象物が前記目標位置に到達してから前記モータが前記オーバーシュートを修正しようと振動し始めるまでの時間である
請求項1に記載のモータ制御装置。 - 前記所定値以下の値は、0である
請求項1又は2に記載のモータ制御装置。 - 前記モータに供給する目標電流と、当該モータに供給される実電流との差が0となるように、フィードバック制御を行う駆動制御部をさらに備え、
前記駆動制御部は、前記偏差算出部が算出した前記位置偏差の絶対値が予め定められた基準値以下である場合には、当該位置偏差の絶対値が当該基準値より大きい場合よりも、前記フィードバック制御のゲインを小さくする
請求項1~3の何れか一つに記載のモータ制御装置。
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