JP2004273974A - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】サセプタ周囲における金属膜の形成に起因する処理パワーのリークを低減することにより、効率的な処理性能を確保するとともに、サセプタ表面の電磁気的構成の変動を抑制することにより、処理プロセスの安定化を図る。
【解決手段】本発明のプラズマ処理装置100は、内部にプラズマを形成可能な処理チャンバ110と、処理チャンバの内部に配置されたサセプタ120とを有し、サセプタには高周波電力が供給される電極121が設けられ、サセプタにおける被処理体の支持範囲の周囲において被処理体の表面と並置されるように配置された露出表面を備え、電極と絶縁された導電性部材127が設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマ処理装置に係り、特に、プラズマにより被処理体をエッチングするプラズマエッチング装置として構成する場合に好適な装置構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、半導体集積回路の製造工程では、半導体ウエハ等の基板に対し、成膜工程やパターニング工程等の複数の処理工程を順次行うことにより、所望の素子構造を備えた回路が形成される。このような各種の処理工程が行われる過程においては、たとえば、プラズマを用いてエッチングを行うプラズマエッチング装置や、プラズマを用いて各種の成膜を行うプラズマ成膜装置などが知られている。
【0003】
図5には、従来のプラズマ処理装置の一例として、誘導結合プラズマ(ICP:Induction Coupled Plasma)処理装置の構成例を示す。このプラズマ処理装置(プラズマエッチング装置)200は、処理チャンバ210と、処理チャンバ210の内部に配置されたサセプタ220と、処理チャンバ210にプラズマ生成ガスを供給するガス供給系240とを有する。処理チャンバ210は、上記サセプタ220を収容する処理部を構成する処理容器211と、プラズマを生成するためのプラズマ形成部を構成するベルジャー212とを備えている。ベルジャー212の外側には、高周波電源251及び整合器252から電力供給を受ける誘導コイル213が設置されている。また、上記ガス供給系240から供給されるプラズマ生成ガスを処理チャンバ210内に導入するガス導入部214が設けられる。さらに、処理チャンバ210の内部は、排気管216に接続された図示しない排気装置によって所定圧力まで減圧される。
【0004】
サセプタ220は、高周波電源253及び整合器254に接続された電極221と、この電極221を被覆するアルミナなどの誘電体222と、静電チャックを構成する直流電源255に接続された補助電極223と、サセプタ220の上部に石英等で構成される絶縁体からなるフォーカスリング227と、サセプタ220の側面の外周を絶縁する石英等の絶縁体225と、この絶縁体225の外側を覆い、接地された導電性カバー226とを有する。サセプタ220の誘電体222上には被処理体であるウエハWが載置される。
【0005】
ガス供給系240から供給されたプラズマ生成ガスは、ガス導入部214から処理チャンバ210内に導入され、高周波電源251より整合器252を介して誘電コイル213に高周波電力を供給することによって形成される誘導電磁界によってプラズマ化される。一方、サセプタ220の電極221には高周波電位が供給されるため、自己バイアス電圧が発生し、このバイアス電圧によってプラズマ中のArイオンが加速され、ウエハW上の非常に薄いシリコン酸化膜などがエッチングされる。
【0006】
ところで、上記のようなプラズマエッチング装置としては、以下の特許文献1及び2に記載されたものが知られている。また、同種の装置としては、特許文献3に記載されたものも知られている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−237486号公報
【特許文献2】
特開2002−246370号公報
【特許文献3】
特開平5−335283号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のプラズマエッチング装置200によって銅、アルミニウムなどの金属表面に形成される金属酸化物をエッチングすると、ウエハWから除去された金属が飛散し、ウエハWの周囲にある絶縁体からなるフォーカスリング227の上面227aに被着されて金属膜が形成される場合がある。この金属膜が形成されると、ウエハWと、接地された導電性カバー226との間に上記の金属膜を介した放電経路が形成され、金属膜上に帯電した電荷が導電性カバー226へ電流として流れるため、電極221に供給された高周波電力パワーのロスによる自己バイアスの低下や放電経路での異常放電によって、処理効率が低下したり、処理の均一性が阻害されたりすると言う問題点がある。
【0009】
また、上記の金属膜が形成されることによってサセプタ220の表面の電磁気的構成に大きな変化が生ずるので、サセプタ220上のプラズマ状態も経時的に変化し、これによって処理プロセスの再現性が悪化するという問題点もある。
【0010】
更に、サセプタの外周のフォーカスリング227に導電性の金属膜が形成されるので、結果的に下部電極が基板より大きい面積となった状態と実質的に同等の状況になるため、自己バイアスが低下して、エッチングレートが低下し、処理状態の均一性も悪くなる。
【0011】
そこで本発明は上記課題を解決するものであり、サセプタ周囲における金属膜の形成に起因する電流のリークを低減することにより、効率的な処理性能を確保するとともに、サセプタ表面の電磁気的構成の変動を抑制することにより、処理プロセスの安定化を図り、その再現性を向上させることにある。また、金属の付着に起因する下部電極の面積の変化を防止することで、均一性を向上できる構成を実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために本発明が講じた手段は、内部にプラズマを形成可能な処理チャンバと、該処理チャンバの内部に配置されたサセプタとを有し、該サセプタには高周波電力が供給される電極が設けられ、前記サセプタに支持された前記被処理体が前記プラズマにより処理されるプラズマ処理装置において、前記サセプタにおける前記被処理体の支持範囲の周囲(たとえば外周部)において前記被処理体の表面と並置される露出表面を備え、前記電極と絶縁された導電性部材が設けられていることを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、導電性部材が被処理体の周囲において被処理体の表面と並置される露出表面を備えていることにより、処理中に導電性部材の露出表面に金属膜が被着されても、被処理体の周囲における電極面積が変化せず、電磁気的環境が変動しにくくなることから、サセプタの電極に供給される高周波電力のリークが生じにくくなるため、効率的に処理を行うことができるとともに、プラズマによる処理態様を安定化させることができるため、処理の再現性を向上させることができる。
【0014】
本発明において、前記サセプタの外周部には、前記電極に対して絶縁されているとともに所定電位に接続された導電性カバーが設けられ、前記導電性部材と前記導電性カバーとが絶縁されていることが好ましい。所定の電位に接続された(たとえば接地された)導電性カバーを設けることにより、導電性部材を介して導電性カバーへ流れる電流が低減され、電極に印加された高周波電力のロスによる自己バイアスの低下を抑制することができ、上記高周波電力を有効に処理に用いることができ効率的に処理を実施することが可能になるとともに、導電性部材と導電性カバーとが実質的に放電経路を絶縁しているため、上記電流をリークさせることもない。
【0015】
本発明において、前記導電性部材と前記導電性カバーとの間のインピーダンスは、前記電極と前記導電性カバーとの間のインピーダンスよりも大きいことが好ましい。このように、導電性部材と導電性カバーとの間のインピーダンスが電極と導電性カバーとの間のインピーダンスより大きいと、導電性部材からの接地への電流の流れを低減することが可能になり、基板の外周に導電性部材を配置しても実質的に電極と導電性カバーとの間のインピーダンスがほとんど変化しないように構成できるため、電流のリークを抑制できる。
【0016】
本発明において、前記処理チャンバは、前記サセプタを収容する処理部と、プラズマを形成可能なプラズマ形成部とを有し、前記プラズマ形成部は絶縁体壁により画成され、前記絶縁体壁の外側に配置され前記絶縁体壁の内側に誘導電磁界を形成する誘導電磁界形成手段とを有することが好ましい。これによれば、プラズマ密度が高いために処理効率が良好で、バイアス電圧が低く被処理体へのダメージが少ない誘導結合プラズマによる処理が可能になる。
【0017】
なお、上記各手段においては、前記絶縁体壁の内部へプラズマ生成ガスを導入するガス導入手段と、前記処理チャンバの内部を減圧する減圧手段とをさらに設けることが好ましい。
【0018】
本発明は、被処理体が導電膜である場合に特に効果的である。この場合の処理としては、導電膜の表面に形成された酸化膜を除去する処理が挙げられる。たとえば、金属Cu,Si,Ti,TiN,TiSi,W,Ta,TaN,WSi,poly−Siなどの表面上の酸化膜が例示される。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態のプラズマ処理装置100の構成を模式的に示す概略構成断面図である。このプラズマ処理装置100は、処理チャンバ110を有し、この処理チャンバ110内にサセプタ120が配置されている。処理チャンバ110には、ガス供給系140からプラズマ生成ガスが導入されるとともに、処理チャンバ110の底部中央に形成した排気口111cに排気室111Bが設けられ、排気室111Bの側壁に設けた排気管116を介した排気手段によって減圧可能に構成されている。
【0020】
処理チャンバ110は、その下方にサセプタ120を収容するアルミニウム又はその合金その他の金属などの導電体で構成された処理容器111と、この処理容器111の上部に配置されたガラス又はセラミック(Al、AlN)などの絶縁体で構成されたベルジャー112とで構成されている。処理容器111は処理部を構成し、上方のベルジャー112はプラズマ形成部を構成する。ベルジャー112の外側には誘導コイル113が配置される。この誘導コイル113には、高周波電源151から整合器152を介してたとえば450kHzなどの高周波電力が供給されることにより、ベルジャー112の内部に誘導電磁界を形成する。処理容器111及び誘導コイル113は接地されている。
【0021】
処理容器111とベルジャー112との間には、環状のガス導入部114がOリング等のシール材で気密に形成されている。このガス導入部114は、ガス供給系140から供給されたプラズマ生成ガスを処理チャンバ110の内部に導入する。ガス供給系140は、ガス源141(たとえばArガスの供給源),142(たとえばHガスの供給源)から放出される処理ガスをバルブ及び流量計を介して上記ガス導入部114に供給する。ガス導入部114は、処理チャンバ110の周囲に等間隔に複数のガス導入口を有し、ベルジャー112の中心に向けて均一にプラズマ生成ガスを放出する。
【0022】
上記処理容器111の側壁には開口111aが設けられ、この開口111aを開閉するゲートバルブ115が設けられている。このゲートバルブ115は、被処理体(ウエハW)を処理チャンバ110に対して出し入れする場合に用いる。また、排気管116は、図示しない真空ポンプなどの排気装置に接続され、これによって、処理チャンバ110の内部を所定の真空度(圧力)、例えば0.1mTorr〜1.0Torr、に減圧することができるようになっている。
【0023】
ベルジャー112の上部には、下部電極と対向する、接地された導電性の、例えばアルミニウムにアルマイト処理された上部電極117が配置されている。この上部電極117は、サセプタ120に設けられる下部電極の対向電極として働き、プラズマPの点火時の不具合を回避するとともにプラズマPの点火を容易にする役割を有する。この上部電極117は、例えば樹脂等で構成された緩衝部材を介してベルジャーを押さえて割れないように固定する。
【0024】
サセプタ120には下部電極121が設けられている。この下部電極121には、高周波電源153からたとえば13.56MHzの高周波電力が整合器154を介して供給され、ウエハにバイアス電位を印加するようになっている。また、下部電極121内には熱媒体を流通するための媒体流通路121aが設けられている。これによって、サセプタ120上の被処理体(ウエハ)Wを加熱したり冷却したりすることで基板温度を例えば−20〜100℃に制御可能になる。サセプタ120には上記媒体流通路121aに限らず、任意の温度制御手段を設けてもよい。たとえば、サセプタ120に抵抗加熱式のヒータを内蔵してもよい。
【0025】
下部電極121は、アルミナなどの誘電体122によって覆われ、絶縁された状態となっている。この誘電体122はサセプタ120の支持表面を構成し、この支持表面により上記の被処理体を支持する。また、この誘電体122の内部には補助電極123が下部電極121と絶縁された状態で配置されている。この補助電極123には、直流電源155から下部電極121内に絶縁して配置した配線を介して直流高電圧が印加される。誘電体122と補助電極123とは静電チャックを構成し、下部電極上に形成される。そして、上記直流高電圧が補助電極123に印加されることによって被処理体Wが静電力により吸着保持されるようになっている。
【0026】
下部電極121の外周及び下面には石英などで構成される絶縁体125が配置されている。また、この絶縁体125の外周を覆うように、アルミニウムなどの導電体で構成された導電性カバー126が排気室111Bの底部に気密に配置されている。この導電性カバー126は、下部電極121に高周波電力が印加された際に処理容器111、排気室111Bとの間の排気空間内でプラズマが形成されないように、導電性カバー126に誘導電磁界が形成されて電荷が帯電しても電荷が導電性カバー126から接地電位に流れるようにしているので、プラズマが生成されずに、効率的且つ安定的に処理プロセスが行われるようにするためのものである。
【0027】
サセプタ120の上部外縁には、リング状の導電性部材(導電性リング)127が配置されている。この導電性部材127は、サセプタ120上に被処理体Wを載置したときに、被処理体Wの表面と並置される露出表面を有するものである。導電性部材127は誘電体122により上記電極121に対して絶縁されているとともに、上記絶縁体125により、或いは、十分な間隙により、上記導電性カバー126に対しても絶縁されている。実際には、導電性部材127はその周囲にある電位が供給された全ての部材に対して絶縁されている。換言すれば、導電性部材127は特定の電位が供給されていない状態となっている。
【0028】
導電性部材127は環状に構成され、被処理体Wを周囲から完全に取り巻くように構成されていることが好ましい。また、導電性部材127は、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼などの金属や、低抵抗シリコン基板などの導電性を有する各種材料で構成される。好ましくは、導電体が剥離してパーティクル等が生じにくいチタン又はその合金で構成されたもの、或いは、これらのチタン又はその合金でコーティングがなされたものである。
【0029】
処理チャンバ120の外側には、電動モータや流体圧シリンダ等で構成される駆動源131が配置され、この駆動源131が駆動部材132を介して複数の支持ピン133を昇降動作させる用に構成されている。支持ピン133が上昇すると、被処理体Wはサセプタ120の支持表面から離間し、上方に持ち上げられる。これらの支持ピン133は、サセプタ120に対して被処理体Wを供給する場合、及び、サセプタ120から被処理体Wを取り外す場合に、被処理体Wを上昇させる。
【0030】
図2は、本実施形態のプラズマ処理装置100の主要部の構成を模式的に示す概略構成図である。このプラズマ処理装置100は、処理容器111の上方を覆うように接続されたシールボックス119が形成され、その内部に上記ベルジャー112及び誘導コイル113が収容された構造となっている。このシールボックス119は、プラズマの発光(紫外線等)や電磁界を遮断する機能を有するものであり、接地された状態となっている。また、上部電極117はシールボックス119の上部の部材118に支持されている。
【0031】
以上説明した構成を有するプラズマ処理装置100においては、ガス供給系140からプラズマ生成ガス(たとえばArガスとHガスとを混合した混合ガス)がガス導入部114を介して処理チャンバ110内に導入されるとともに、排気室111B及び排気管116を介して処理チャンバ110の内部が所定圧力(真空度)、例えば0.1mTorr〜1.0Torrに減圧される。この状態で、誘導コイル113に高周波電力、例えば100〜1000Wを印加すると、処理チャンバ110のプラズマ形成部(ベルジャー112の内部)の被処理体上のプラズマ領域Pが形成される。
【0032】
ここで、サセプタ120の電極121に高周波電力が供給されると、自己バイアス電圧が発生し、この自己バイアス電圧によってプラズマP中のイオンが加速され、被処理体Wの表面に衝突し、エッチングが行われる。
【0033】
このプラズマ処理装置100において、被処理体Wの表面上にある金属や金属酸化物、たとえば、金属Cu,Si,Ti,TiN,TiSi,W,Ta,TaN,WSi,poly−Siなどの表面上の酸化膜などをエッチングすると、被処理体Wから金属が周囲に飛散し、周囲に金属膜を形成する場合があることは前述したとおりである。しかしながら、本実施形態においては、サセプタ120の上部外縁に導電性部材127が配置され、この導電性部材127は被処理体Wの表面と並置された露出表面を有することにより、上述の金属膜は主に導電性部材127の露出表面上に形成される。
【0034】
図3は、上記の金属膜Mが形成された様子を示す拡大部分断面図である。金属膜Mは、被処理体Wの外周側にあるサセプタ120の上に配置する導電性部材127の露出表面が存在しているため、金属膜Mの多くは導電性部材127の露出表面上に形成される。このため、金属膜Mが形成された場合でも、導電性部材127と導電性カバー126との間の放電経路を充分絶縁する空間128が形成されているため、サセプタ120の外周部の電磁気的環境にほとんど変化は生じない。また、導電性部材127は周囲の部材に対して十分に絶縁されているため、導電性部材127を介して電極121に供給された高周波電力による電流の流れが生じないので、自己バイアスがドリフトして、装置の処理パワーを浪費してしまうことも少ない。すなわち、本実施形態では、導電性部材127を最初から配置しているため、導電性部材127の存在に対する電磁気的配慮がなされており、上記金属膜が形成されても電磁気的状況はほとんど変化しないので、従来構造のような放電経路の形成や異常放電が問題となることはほとんどない。
【0035】
上記の電磁気的配慮の一つは、導電性部材127と導電性カバー126との間の絶縁性に関するものである。本実施形態において導電性カバー126が従来構造と何ら変わりなければ、導電性部材127を配置したことによって電極121に印加された電力パワーのリークが却って大きくなり、効率的且つ安定的に処理を行うことができなくなる。このため、本実施形態では、導電性カバー126と導電性部材127との空間128を介した距離Sを十分に確保している。
【0036】
特に、本実施形態では、間に誘電体を挟んだ下部電極121と導電性カバー126との間のインピーダンスZ1に対して、間に誘電体を挟んだ導電性部材127と導電性カバー126との間のインピーダンスZ2が大きくなるように構成してある。これらのインピーダンス値は下部電極121に印加される高周波の周波数を基準とする。このようにすることにより、電極121に印加された高周波電力による電流が導電性部材127を介して流れるのを低減する(実質的になくす)ことができる。換言すれば、導電性部材127を設けたことによる電極121と導電性カバー126との間のインピーダンスの変化がほとんどなくなることにより、放電経路がほとんど形成されなくなる。
【0037】
なお、導電性カバー126と導電性部材127との絶縁抵抗(インピーダンス)を十分に確保する方法としては、上記のように両者間の空間128を介した距離Sを確保する方法の他に、この空間128に絶縁体(誘電体)を配置し、その誘電率や形状を設計する方法もある。たとえば、図示点線で示す空間128内に誘電体を配置することによって、両者間に配置された絶縁物質(絶縁体125(これも誘電体である。)と空間128に配置された絶縁体で構成される。)の実質的な誘電率が変化し、当該絶縁物質の形状も変化したことになる。したがって、上記のように空間128に絶縁体を配置することにより、両者間のインピーダンスを変化させることができるから、Z1に対してZ2が大きくなるように設計することも可能になる。このようにすれば、放電経路は形成されず、安定して処理することができる。
【0038】
また、本実施形態では、サセプタ120の上部外縁に導電性部材127を配置し、この導電性部材127の露出表面が被処理体Wの表面と並置されるように構成することにより、サセプタ120の電極121の表面積を実質的に増大させている。すなわち、電極121の換算半径(対象物の面積と等しい面積を有する仮想円の半径)をD1とし、導電性部材127の外縁形状に相当する換算半径をD2とした場合に、電極121の表面積がπ・(D1)であるのに対して、導電性部材127を有する本実施形態のサセプタ120に関しては、電極121の表面積がπ・(D2)になった場合と同様の電磁気的環境が提供される。
【0039】
図4は、プラズマ処理装置において、サセプタ120の電極面積をA1,A2とし、自己バイアス電圧をV1,V2としたときのサセプタ120の等価回路を簡略化して示すものである。ここで、電極面積A1=π・(D1)であり、電極面積A2=π(D2)であって、A1<A2となっている。この場合、電極面積と自己バイアス電圧との間には以下の関係が成り立つ。
(V2/V1)=(A1/A2) …(1)
【0040】
すなわち、上記のようにA1<A2であればV1>>V2となり、電極面積が増加すると自己バイアス電圧は急激に減少する。したがって、導電性部材127が配置されていない場合(すなわち従来構造の場合)には、図4(a)に示す装置の初期状態から、処理が進み上記のように金属膜Mが被着することによってサセプタの実効的な電極面積が増大していくため、次第に自己バイアス電圧が低下して処理状態が変化していく。これに対して、本実施形態の場合には、当初から導電性部材127の存在によって図4(b)に示す状態となっていて、しかも、処理が進んで金属膜Mが被着されても実効的な電極面積はほとんど変化しないため、自己バイアス電圧もほとんど変化せず、安定した処理を行うことができる。
【0041】
なお、本実施形態では、導電性部材127をサセプタ120に対して着脱自在に構成しておくことによって、導電性部材127を容易に交換することが可能になるから、装置のメンテナンスを簡単に行うことが可能になる。
【0042】
以上説明した実施形態では、プラズマエッチング装置について説明したが、本発明は、プラズマ成膜装置やプラズマアッシング装置などについても同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマ処理装置の概略構成を模式的に示す概略構成断面図。
【図2】プラズマ処理装置の主要部の構成を模式的に示す概略構成図。
【図3】サセプタ外周部の構造を模式的に示す拡大部分断面図。
【図4】プラズマ処理装置のプラズマと下部電極との間の等価回路を示す回路図。
【図5】従来のプラズマ処理装置の構成を示す概略構成断面図。
【符号の説明】
100…プラズマ処理装置、110…処理チャンバ、111…処理容器、112…ベルジャー、113…誘導コイル、114…ガス導入部、120…サセプタ、121…下部電極、122…誘電体、123…補助電極、125…絶縁体、126…導電体カバー、127…導電性部材

Claims (5)

  1. 内部にプラズマを形成可能な処理チャンバと、該処理チャンバの内部に配置されたサセプタとを有し、該サセプタには高周波電力が供給される電極が設けられ、前記サセプタに支持された前記被処理体が前記プラズマにより処理されるプラズマ処理装置において、
    前記サセプタにおける前記被処理体の支持範囲の周囲において前記被処理体の表面と並置される露出表面を備え、前記電極に絶縁された導電性部材が設けられていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記サセプタの外周部には、前記電極に対して絶縁されているとともに所定電位に接続され導電性カバーが設けられ、前記導電性部材と前記導電性カバーとが絶縁されていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記導電性部材と前記導電性カバーとの間のインピーダンスは、前記電極と前記導電性カバーとの間のインピーダンスよりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記処理チャンバは、前記サセプタを収容する処理部と、プラズマを形成可能なプラズマ形成部とを有し、
    前記プラズマ形成部は絶縁体壁により画成され、前記絶縁体壁の外側に配置され前記絶縁体壁の内側に誘導電磁界を形成する誘導電磁界形成手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
  5. 前記被処理体は導電膜であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のプラズマ処理装置。
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