JP2004273942A - 電気二重キャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】低比表面積活性炭を含む電極を用いて構成される電気二重キャパシタの耐久性を従来に比して向上させることを目的としている。
【解決手段】分極性電極である活性炭の細孔容積と非水系電解液濃度との積を0.25〜1.25mmol/gの範囲とし、2.5V以上の電圧で使用する。
【選択図】 図5

Description

【0001】
本発明は、電気二重キャパシタに係り、とくに、耐久性に優れた電気二重キャパシタの開発技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気二重キャパシタは、例えば、自動車の駆動系パワーアシスト等に使用されており、種々の技術が提案されている。例えば、電気二重キャパシタ用非水系電解液としては、一般に、四級アンモニウム塩等の固体塩を極性溶媒に溶解して調整されるが、粘度、導電率およびコスト等を考慮して0.5〜2.5mol/Lの濃度のものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、高濃度の電解液では導電率が低下することから、濃度2mol/L以下の電解液が望ましいとされている。さらに、近年では、低比表面積の活性炭とその作成法が種々報告されており、例えば、濃度2.0mol/Lの電解液を適用する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
また、比表面積500〜2800m/gの活性炭に対し、0.5〜3.0mol/L程度の非水系電解液を適用する技術も開示されている(例えば、特許文献3参照)。この技術においては、従来の非水系キャパシタにおいて溶媒と電解質塩とを溶解して得られる電解液の最大濃度は3.0mol/Lとされている。さらに、塩化ビニル系樹脂を焼成してアルカリ賦活した低比表面積の活性炭とその作成法に関する技術が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−33249号公報
【特許文献2】
特開2002−43193号公報
【特許文献3】
特開平11−222732号公報
【特許文献4】
特開平09−275042号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献4に記載された活性炭について検討したところ、低比表面積の活性炭を電極とした電気二重キャパシタに適した電解液については知られておらず、またこの活性炭と従来使用されている電解液とを組み合わせて製作した電気二重キャパシタについては、その使用時に溶媒の分解や電解質イオンの炭素内へのインターカレーションが生ずるため、電気二重キャパシタについての十分な耐久性が得られないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決すべく提案されたものであり、低比表面積活性炭を使用した電極を用いて構成される電気二重キャパシタについて、使用時の溶媒の分解や電解質イオンの炭素内へのインターカレーションを防止して、耐久性を向上させることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、低比表面積の活性炭を用いた電気二重キャパシタの耐久性を向上させるためには、溶媒の分解や電解質イオンの炭素内へのインターカレーションを防止すべく、活性炭細孔内のイオン密度、換言すれば、活性炭1g中に取り込むことができるイオン量を高めることが必要であり、ひいては活性炭の細孔容積と電解液濃度との積の適正化を図ることが必要であるとの知見を得た。すなわち、活性炭の細孔構造を示す物性としては、比表面積、細孔容積、細孔分布等が挙げられるが、それらの中でも、細孔容積が活性炭細孔内のイオン密度にとくに影響を及ぼし、さらにはこの細孔容積と電解液濃度との積がイオン密度に深く関係することが判明した。その理由は以下のとおりである。
【0008】
高容量の活性炭電極では、炭素電極の静電容量(F/cm)が高くなると、充電の際の分極緩和時に、細孔が少ないために細孔中に存在し得るイオン量が限られてしまい、十分なイオン密度を確保することが困難である。このため、十分なイオン密度を確保するためには、細孔容積と電解液濃度との少なくとも一方を高める必要がある。以上の見解により、本発明者らは、とくに、活性炭の細孔容積と電解液濃度との積の適正化を図ることが、上記イオン密度を高め、ひいては電気二重キャパシタの耐久性を向上させるとの結論に至った。
【0009】
以下に、本発明の電気二重キャパシタにおいて優れた耐久性が実現される原理について具体的に説明する。電極に使用する活性炭の比表面積や細孔容積を小さくすると、これに伴い静電容量が増大する。このため、非水系電解液系キャパシタでは、2.0V以上の充電を行うと炭素電極の分極に対して溶液側には電荷をバランスできる電解質イオンの絶対量が不足し、活性炭細孔内ではイオン密度の上昇が必要になる。これにより、活性炭が電解質を吸収して活性炭自身の膨張が起こり、さらには電極等が膨張する。この膨張を拘束する構造の電気二重キャパシタでは、活性炭細孔内のイオン濃度上昇が抑制されるため、イオンの絶対量が不足する。よって、溶媒の分解や電解質イオンの炭素内へのインターカレーションが起こり、このため、電気二重キャパシタの耐久性が低下するという問題が生じる。
【0010】
本発明においてこのような問題を解決するためには、電解液中の溶媒量を減らし、イオン濃度を高めて、単位体積当たりの高イオン密度の電解液を細孔内に供給することが必要であり、これにより、静電容量の低下を抑制することができる。例えば、細孔容積0.25cm/g、比表面積550m/g、静電容量密度37F/cmの活性炭では電解質濃度を2.5mol/L以上とすることで容量保持率が70%以上となって耐久性が良好となる。一方、電解質濃度を2.5mol/L未満とすると容量維持率が70%未満となって蓄電デバイスとして好適な耐久性を確保することができない。なお、上記容量保持率とは、電気二重キャパシタの初期の静電容量に対する、一定時間の定電圧印加後の静電容量の割合をいう。
【0011】
以上のような知見に基づき、本発明は、分極性電極である活性炭の細孔容積と非水系電解液濃度との積が0.25〜1.25mmol/gの範囲であり、2.5V以上の電圧で使用することを特徴としている。このように、活性炭の細孔容積と非水系電解液濃度との積の適正化を図ることにより、上記イオン密度を高めることができ、使用時の溶媒の分解を防止するとともに、上記電解質イオンの炭素内へのインターカレーションを防止して、容量保持率を向上させることで電気二重キャパシタの耐久性を向上させることができる。なお、このような電気二重キャパシタにおいては、例えば、上記細孔容積が0.1〜0.25cm/gの範囲であり、かつ比表面積が550m/g以下の範囲である活性炭を用いた電極と、2.5mol/L以上の範囲の濃度である非水系電解液とを使用することができる。
【0012】
【実施例】
以下に、本発明の電気二重キャパシタを図面を参照して説明する。
1.活性炭の作成
低細孔容積の活性炭は、易黒鉛化性の炭素材を水酸化カリウムによるアルカリ賦活により調整した。炭素原料の例としては、メソフェーズピッチが好適であるが、とくに、石油、炭素系の蒸留ピッチ、また化学合成ピッチ、PVCピッチ等が好ましい。具体的な各活性炭の作成法は、炭素材のアルカリ賦活法による方法を用い、比表面積550m/g以下の活性炭A,Bと、比表面積600m/g以上の活性炭C,D,E,Fとをそれぞれ作成し、細孔容積の異なる6種類の活性炭を調整した。活性炭粒子は、いずれも平均粒径20〜25μmに調整した。
【0013】
2.活性炭の物性の測定
各活性炭A〜Fの細孔容積および比表面積の測定は、窒素ガス吸着法を用い、島津製作所社製ASAP2010標準型を用いて測定した。細孔分布の解析は、分析ソフトウェアV2.0を用いた。測定に用いた活性炭は、300℃で約6時間真空脱気し、重量が0.1gにて測定を行った。比表面積は、BET値を用い、細孔容積は相対圧0.98時で測定した。これらの結果を表1に記載するとともに、活性炭Aの細孔分布を図1に示す。
【0014】
【表1】
Figure 2004273942
【0015】
活性炭Aは、表1から明らかなように全細孔容積が0.11cm/gであり、また図1から明らかなようにBJH法により求めた2nm以上の累積細孔容積は、0.025cm/gであることから、全細孔容積に対する2nm未満の細孔容積の比は、(0.11cm/g−0.025cm/g)/0.11cm/g×100=77.2%となり、活性炭Aは細孔径が2nm未満のミクロポアが主体の細孔分布であることが判る。
【0016】
3.ボタン型電気二重キャパシタによる性能測定
表1の静電容量(F/cm)の評価は、φ20mm×0.15mmの電極、70μmのセパレータ、および電解液として1.8mol/LのTEMABF4/PCを用いて二極式により行った。
【0017】
具体的には、各活性炭と、カーボンブラック(導電フィラ)およびポリテトラフルオロエチレンと、PTFE(結着剤)とを90:5:5となるように秤量し、次いで、この秤量物を混練し、その後混練物を用いて圧延を行うことによって、電極の成形密度を0.8〜1.0g/cm、厚さを150μmとした電極シートを作製した。
【0018】
そして、上記電極シートから直径20mmの2枚の分極性電極を切り出し、これら2枚の分極性電極にφ25mm×0.35mmのガラス繊維製セパレータを挟み込み、一対のボタン型電気二重キャパシタを作製した。電解液としては、1.8mol/Lのトリエチルメチルアンモニウム・テトラフルオロボーレイトのプロピレンカーボネート溶液を用いた。充放電試験は、2.7Vまで90分間の定電流定電圧充電を行い、90分間の定電流放電を5mA/cmの電流密度で0Vまで行い、エネルギー換算法にて、シート電極体積当たりの活性炭の静電容量(F/cm)を求めた。その結果を表1に併記する。
【0019】
4.キャパシタセルの作成
筒型または円筒型をなす電気二重キャパシタは、φ40×125mmのアルミニウム製容器と電極捲廻体と注入された電解液とを有する。シート状電極は、アルミ箔よりなる帯状集電体両面に、それぞれ導電性接着剤を用いて貼付して、正極・負極の各電極体を形成し、セパレータとともに重ね合わせて捲廻し、素子を作成した。この素子をアルミニウムケースの外周部に隙間ができないように挿入し、端子部を溶接した後、内部に電解液を注入、含浸して、電気二重キャパシタを得た。ここで、アルミニウムケースの内容積に対するシート状電極の容積率は57.5%であった。捲廻型の素子構造は、電極幅、電極長さの調整で任意の大きさの素子が簡単に作成でき、また捲廻強度を高めることで、素子内の電極の圧密化が可能であり、活性炭充填率の向上を図ることができる。
【0020】
これに対し、スタック型の素子は、電極体を積み重ねることにより作成でき、立方体、直方体のセルを作成することができる。このため、複数のセルを接続して構成されるキャパシタモジュールの体積効率を捲廻型に比して向上させることができる。なお、素子の封入に用いられるケースはとくに限定されないが、充放電による体積変化が1%以下であるものが好ましく、Al,Ti,Mg,Fe,Cr,Ni,Mn,Ca,Zrのうちの少なくとも一種からなる材料を使用することができる。
【0021】
5.電解液
各円筒型キャパシタセルには、濃度の異なる電解液を用いた。電解液としては、3.2mol/LのEMIBF4/PC、2.7mol/LのEMIBF4/PC、1.8mol/LのEMIBF4/PC、1.8mol/LのTEMABF4/PC、および0.8mol/LのTEMABF4/PCを用いた。EMIBF4(エチルメチルイミダゾリウム・テトラフルオロボーレイト)については、U.S.PAT.5827602(1998)、J.Electrochem.Soc.,144,3392(1997)等に記載されている方法で合成してプロピレンカーボネイトにより各濃度に調整して用いた。
【0022】
本発明で用いられる電解液は、電解質、溶媒を限定するものではなく、高濃度溶液が得られる電解質と溶媒との組み合わせが望ましい。例えば、電解質としては、四級アンモニウムカチオンとして、トリメチルエチルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム、またピリロジウムカチオンとして、ジメチルピロリジウム、メチルエチルピロリジウム、ジエチルピロリジウム、さらには、イオン性液体として、アルキルイミダゾリウム類が挙げられる。また、溶媒は、プロピレンカーボネイト、エチレンカーボネイト等の環状カーボネイト類と、さらには、ハロゲン類、フッ素等の置換基を含んだカーボネイト誘導体、またアセトニトリルが挙げられる。誘電率が小さい鎖状カーボネイト類、例えば、ジメチルカーボネイト、エチルメチルカーボネイト、ジエチルカーボネイトは、イオン性液体に溶媒として加えることができる。また、溶媒は、単独で用いることも、また混合溶液として用いることもできる。なお、本実施例では、1価のカチオンを用いたが、イオン密度を高めるために、DADACO(BF4)2(1.4ジアゾニアビシクロ[2,2,2]オクタン)等の2価のカチオンを用いた電解質も有効である。
【0023】
6.セルの性能および耐久性の評価
キャパシタセルは、2.7Vにて定電圧印加を24時間行った後、静電容量を測定し、これを初期性能とした。次いで、45℃高温槽内で2.7Vの定電圧印加を1000時間行った後の静電容量を測定し、これを耐久性能とした。最後に初期性能と耐久性能とから容量保持率を求めた。また、0.8mol/Lの電解液を用いると、いずれの活性炭においても、2.7Vまで電圧が達しなかったため耐久性評価は行わなかった。なお、性能測定は全て25℃で行った。以上の結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
Figure 2004273942
【0025】
本実施例では、電解質として、複数のカチオン、すなわちEMIBF4(エチルメチルイミダゾリウム・テトラフルオロボレート)およびTEMABF4(トリエチルメチルアンモニウム・テトラフルオロボレート)を用いているが、電気二重キャパシタの充電過程は、界面の分極による蓄電によるものであって非ファラデー過程であるため、電気二重キャパシタの安定性は、溶媒および塩自身が反応しないものであれば、それらの種類には依存しない。図2は、表1に示した各活性炭A〜Fを用いたそれぞれの場合について、濃度1.8mol/Lの異なるカチオン(EMIBF4/PCおよびTEMABF4/PC)の電解液を使用した場合の、容量保持率と活性炭の細孔容積との関係を示すグラフである。図2によれば、各活性炭A〜Fのいずれにおいても、1000時間後の耐久性に差はみられない。
【0026】
次に、図3は、表1に示した各活性炭A〜Fを用いたそれぞれの場合について、モル濃度の異なるEMIBF4/PCの電解液を使用した場合の、容量保持率と活性炭の細孔容積との関係を示すグラフである。図3によれば、いずれの活性炭A〜Fにおいても、容量保持率がモル濃度に大きく依存していることが判る。
【0027】
以上、表2、ならびに図2および図3によれば、同濃度の電解液を使用していれば、いずれの活性炭A〜Fを使用した場合にも、活性炭の比表面積や細孔容積が比較的小さい領域では、高い容量保持率すなわち優れた耐久性が実現できないことが判る。しかしながら、比表面積や細孔容積の増大は、静電容量が低下するため好ましくない。比表面積の増大により静電容量が低下する理由は以下のとおりである。比表面積の増大は、炭素質材の内部が賦活によって消失して多孔質化する過程でみられる。しかしながら、内部炭素が消費される際には、電気二重キャパシタに有効な炭素のエッジ面も減少して容量が低下するので、これを防止するためには高容量化を図ることが必要である。そこで検討するに、高容量化には活性炭比表面積を550m/g以下とすることが必要であり、その範囲で細孔容積をできるだけ多くするには、図1の活性炭Aの細孔分布図で示したように、活性炭に均一なミクロポアを持たせることが肝要である。
【0028】
一方、図4は、表1に示した各活性炭A〜Fを用いたそれぞれの場合についての、容量保持率と各種電解液のモル濃度との関係を示すグラフである。図4によれば、同一の活性炭であれば、電解液が高濃度であるほど、容量保持率がたかく、すなわち耐久性が高くなることが判る。この結果、耐久性は、電解質濃度に依存するといえる。したがって、比表面積を550m/g以下とした場合にも、電解質濃度を2.5mol/L以上とすることで、十分な耐久性が得られる。
【0029】
さらに、活性炭の細孔容積と電解液のモル濃度との積を活性炭細孔内のイオン密度と定義する。このイオン密度は、上述したように「活性炭1gが取り込むことができるイオン量」に相応する物性値であり、このイオン密度を向上させれば、耐久性をより優れたものとすることができる。表1に示した各活性炭A〜F中の容量保持率と活性炭細孔内のイオン密度との関係を図5に示す。
【0030】
図5に示すように、上記のように定義したイオン密度を指標として用いた場合には、容量保持率と活性炭細孔内のイオン密度との関係は、活性炭種に関係なく原点を通る曲線となることが判る。同図からイオン密度を0.25mmol/gに設定すると、45℃高温槽内で2.7Vの定電圧印加を1000時間行った後の容量保持率は50%以上であり、電気二重キャパシタとしてはとくに実用的であった。例えば、活性炭Aの場合には細孔容積が0.11cm/gであり、2.27mol/L以上の電解液を用いるとイオン密度が0.25mmol/g以上となる。また、図5によれば、イオン密度が1.25mmol/g以上では、容量保持率ひいては耐久性は向上せず、しかもモル濃度が増大すると、電解液の粘度上昇による含浸性の低下や抵抗上昇等が発生するため、イオン密度は1.25mmol/L以下とすることが好ましい。よって、イオン密度の好適範囲は、0.25〜1.25mmol/gであることが確認された。なお、本発明の電気二重キャパシタでは、2.0V以上の電圧で活性炭にイオンが吸収され、分極性電極として機能するようになるため、定格電圧は2.5V以上の印加電圧で使用することが好ましい。
【0031】
以上に本発明の実施例を示したが、とくに優れた耐久性が実現されるのは、容積当たりのエネルギー密度(wh/L)を高めるべく、セル内に電極体を高密度に充填した場合である。セルの内容積に対して電極体の容積率が低い場合、すなわちセパレータ等の容積比が大きくなる場合には、活性炭自身の膨張できる空間的余裕があり、活性炭の膨張、つまり電極体の膨張により、活性炭の細孔内のイオン量を増大させることができ、これにより耐久性を維持することができる。したがって、セル内の容積に対し、電極体の充填率が小さいときにはより低い電解液濃度でも優れた耐久性を実現することができる。しかしながら、セル内容積に対し、電極体の容積比を低下させることは、セルのエネルギー密度が低下するため、少なくとも電極の充填率が50%以上の構成が好ましい。なお、本発明では、上述したとおり、低細孔容積の活性炭と電解質濃度との関係が重要であり、電解質の種類や非水系溶媒の種類は問われない。高濃度の電解液の調整には、実施例にあるような常温溶融塩を用いた高濃度の電解液が好適である。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、細孔内のイオン密度を高める構成により電気二重キャパシタの優れた耐久性を実現することができる。よって、本発明は、例えば、自動車の駆動系パワーアシスト等に好適な電気二重キャパシタを提供することができる点で有望である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の活性炭Aの細孔分布を示すグラフである。
【図2】表1に示した各活性炭A〜Fを用いたそれぞれの場合について、濃度1.8mol/Lの異なるカチオン(EMIBF4/PCおよびTEMABF4/PC)の電解液を使用した場合の、容量保持率と活性炭の細孔容積との関係を示すグラフである。
【図3】表1に示した各活性炭A〜Fを用いたそれぞれの場合について、モル濃度の異なるカチオン(EMIBF4/PC)の電解液を使用した場合の、容量保持率と活性炭の細孔容積との関係を示すグラフである。
【図4】表1に示した各活性炭A〜Fを用いたそれぞれの場合についての、容量保持率と各種電解液のモル濃度との関係を示すグラフである。
【図5】表1に示した各活性炭A〜F中の容量保持率と活性炭細孔内のイオン密度との関係を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 分極性電極である活性炭の細孔容積と非水系電解液濃度との積が0.25〜1.25mmol/gの範囲であり、2.5V以上の電圧で使用することを特徴とする電気二重キャパシタ。
  2. 前記細孔容積が0.1〜0.25cm/gの範囲であり、かつ比表面積が550m/g以下の範囲である活性炭を用いた電極と、2.5mol/L以上の範囲の濃度である非水系電解液とを使用することを特徴とする請求項1に記載の電気二重キャパシタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010200476A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Ishihara Sangyo Kaisha Ltd 蓄電デバイスの使用方法

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