JP2004273765A - 電歪アクチュエータおよび流体噴射装置 - Google Patents

電歪アクチュエータおよび流体噴射装置 Download PDF

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Shuji Yonekubo
周二 米窪
Hitoshi Yamada
仁志 山田
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Abstract

【課題】本発明は、電歪アクチュエータおよび流体噴射装置に関し、厳しい環境に置かれた場合でも雰囲気内における水分等の影響を受けないようにして、環境特性を向上させることを目的とする。
【解決手段】振動板31の一面側に圧電素子32を設けて、その圧電素子32の電場に応じた変形により振動板31の駆動面31aを変位させる記録ヘッド16に搭載されるアクチュエータユニット30であって、振動板31の一面側に圧電素子32の収容空間34を画成するフレキシブル回路板33を設けるとともに、そのフレキシブル回路板33の注入口33aからゲル状フッ素エラストマー36を注入して圧電素子32の露出表面の全面を覆う。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電歪アクチュエータおよび流体噴射装置に関し、詳しくは、環境特性に優れるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液状流体を供給する圧力室に電歪アクチュエータにより圧力変動を起こさせて、その圧力室に開口するノズルから滴状流体を吐出させ噴射する流体噴射装置が知られている。このような流体噴射装置は、例えば、インクジェット記録装置に記録ヘッドとして搭載されており、インク(流体)を圧力室に供給してノズルからインク滴として吐出・噴射させることにより記録紙に文字等の画像形成をする(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この種の流体噴射装置は、例えば、図12に示すように、供給されるインクを貯留する圧力室1を画成するとともにその圧力室1内を外部に連通させるノズル1aを形成されたインクユニット2と、たわみ振動により圧力室1内に圧力変動を生じさせてインク滴Iをノズル1aから吐出・噴射させるアクチュエータユニット3とを備えている。
【0004】
アクチュエータユニット3は、圧力室1の一面を画成する振動板4と、その振動板4の圧力室1の反対側に接合されている圧電素子5と、この圧電素子5を収容する空間を画成するともに圧電素子5の駆動信号を生成する回路を形成されているフレキシブル回路板6とを備えている。
【0005】
圧電素子5は、平板形状に形成された圧電体5aと、この圧電体5aと振動板4との間に形成された下部電極5bと、圧電体5aの外面に形成された上部電極5cとにより構成されており、フレキシブル回路板6からの駆動信号(電圧信号)を下部電極5bと上部電極5cとの間に印加されて電場を掛けられたときに、圧電体5aが横方向に伸縮しようとする。
【0006】
このとき、アクチュエータユニット3としては、圧電素子5の振動板4に固定されていない上面側だけが伸縮することになり、あたかもバイメタルのように、振動板4と共に撓んで変位することにより、圧力室1の容積を変化させることができる。例えば、圧電素子32は、収縮方向に駆動電圧を印加されたときには、振動板4と共に下方に撓んで圧力室1を狭くする方向に変位して圧縮方向の圧力変動を発生させることにより、その圧力室1内に圧力上昇を生じさせてノズル1aからインク滴Iを吐出・噴射させることができる。なお、圧電素子5への電圧の印加方向を逆向きにすることにより、圧電素子5は圧力室1内を減圧してインクを補給する。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−211129号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の流体噴射装置にあっては、アクチュエータユニット3の圧電素子5が振動時にフレキシブル回路板6に接触しないように、その圧電素子5の上面側に十分な空間7を確保するように不図示の支持部材にそのフレキシブル回路板6を支持させている。
【0009】
このフレキシブル回路板6は、圧電素子5を覆うカバーとしても機能して、圧電素子5の表面に異物が付着することを防止するが、完全に外気との接触を遮断することは難しく、仮に、空間7を密閉したとしてもその空間7内には空気が残存していることから、その空間7内の雰囲気における水分等の影響をまったく受けないようにするのは困難であった。
【0010】
すなわち、圧電素子5の表面に、異物、特にClやBr等のハロゲンを含む化合物が付着した場合には、周囲雰囲気の水分の影響と電圧印加の影響によって、金属が正電圧側から負電圧側に移行する現象、いわゆるマイグレーションが発生してしまうことがある。このマイグレーションが圧電素子5の表面などに発生すると、圧電体5aから電極5b、5cが剥離するおそれがあるとともに、次のような問題が発生する。
【0011】
圧電素子5は、一種のコンデンサであるため、圧電素子5自体や回路中の漏れ電流等の影響により、図13(a)に示すように、駆動信号S1と駆動信号S2との間で、中間電圧Vmが徐々に降下する現象が生じる。このため、降下した中間電圧Vmを元に戻すために、図13(b)に示すように、一定のタイミングtで電位を強制的に戻す信号を与えることが行われている。そして、この圧電素子5が高い湿気に曝されると、結露等が起こって上部電極5cと下部電極5bとの間の抵抗値が低下して中間電圧Vmの降下が激しくなる。さらに、圧電素子5の電極5a、5b付近にClやBr等のハロゲンを含む化合物などの異物が付着してマイグレーションが発生すると、より顕著に電圧降下してしまう。
【0012】
このような状態で、中間電圧Vmを戻す信号を与えると、図13(c)に示すように、電位が戻る時の電圧上昇が大きくなり、インクIを噴射させるための駆動信号S1、S2とは別に圧電素子5が大きく変位して、インク滴を吐出してしまうという誤作動が生じる。
【0013】
このような水分やハロゲンなどは、一般の大気中にも大量に含まれて浮遊しており、それが圧電素子5に触れて付着するのをできるだけ少なくするには、フレキシブル回路板6を圧電素子5にできるだけ近接させる必要がある。
【0014】
しかしながら、フレキシブル回路板6が圧電素子5に近接すると、装置本体の動作により振動などが生じる場合には、フレキシブル回路板6がばたついて圧電素子5に接触するおそれが生じる。フレキシブル回路板6が圧電素子5に接触するとスムーズな振動を妨げられたり、最悪の場合には破損を生じさせてしまうおそれもある。また、近年の装置の高機能・低価格・小型化に伴って、低電圧駆動可能に圧電素子5を薄型にすると、破損し易くなる。さらに、前記支持部材を導電材料により作製して圧電素子5およびフレキシブル回路板6を導通接続する場合があるが、その導通材料で圧電素子5とフレキブル回路板6との間隔を広くするにも限界がある。
【0015】
このことから、本願出願人は、上記特許文献1において、圧電素子5をシリコンオイルなどの液状またはゲル状の絶縁性物質で覆って、空間7内の雰囲気との接触を遮断することを提案している。
【0016】
この特許文献1に記載の発明によっては、ある程度の効果を得ることができるが、近年の耐環境性能の要求は益々高まってきており、例えば、船舶輸送を想定した温度60℃−湿度80%という環境内に5日間放置した後に、厳しい使用環境を考慮した温度27℃−湿度80%という環境下で連続駆動(インクジェット記録装置の連続印字)させる試験を行っても、異常が発生しないことが求められている。
【0017】
そこで、本発明は、厳しい環境に置かれた場合でも雰囲気内における水分等の影響を受けないようにして、環境特性に優れる電歪アクチュエータおよび流体噴射装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する電歪アクチュエータの第1の発明は、振動板の一面側に圧電素子を設けて、該圧電素子の電場に応じた変形により該振動板の他面側を駆動面として変位させる電歪アクチュエータであって、前記圧電素子の露出表面をゲル状フッ素エラストマーにより覆ったことを特徴とするものである。
【0019】
この発明では、圧電素子は、露出する表面(振動板との接合部分外の露出部分)をゲル状フッ素エラストマーにより覆われる。このゲル状フッ素エラストマーは、シリコンオイルなどと比較して透湿性が低い。したがって、従来よりも、周囲の雰囲気中の水分などを圧電素子まで通してしまうことを極力小さくすることができ、圧電素子の圧電体や電極が水分等により浸食などされてしまうことを防止することができる。そして、圧電素子の振動による応力による影響との相乗効果で圧電体から電極が剥離することを効果的に防止することができる。したがって、圧電体の抵抗値低下や電極の剥離を防止することができ、環境特性を向上させることができる。
【0020】
上記課題を解決する電歪アクチュエータの第2の発明は、上記第1の発明の特定事項に加え、前記振動板の一面側に、圧電素子を収容するための収容空間として、外気に連通する開放空間または外気から遮断する密閉空間を画成する収容部材を設けたことを特徴とするものである。
【0021】
この発明では、圧電素子は、開放空間や密閉空間内に収納される。したがって、圧電素子を覆うゲル状フッ素エラストマーと共に圧電素子を外部の緩衝から保護することができ、信頼性を向上させることができる。
【0022】
ここで、圧電素子は、密閉空間内に収容することにより、その密閉空間内と外気との循環をなくすことができ、環境特性をより向上させることができる。また、圧電素子をゲル状フッ素エラストマーで覆う工程の前に乾燥工程を入れることにより、圧電素子とゲル状フッ素エラストマーとの間やその近傍に残存する水分等を少なくすることができ、環境特性をさらに向上させることができる。
【0023】
上記課題を解決する電歪アクチュエータの第3の発明は、上記第1または2の発明の特定事項に加え、前記ゲル状フッ素エラストマーは、次の一般式
【化2】
Figure 2004273765
で表されて繰り返し単位を有することを特徴とするものである。
【0024】
この発明では、圧電素子は、上記一般式のゲル状フッ素エラストマーにより覆われる。このゲル状フッ素エラストマーは、シリコンオイルなどと比較して、透湿性を7/90などと大きく低減することができる。したがって、ゲル状フッ素エラストマーの中でも、最適な状態に圧電素子を維持することができ、圧電体の抵抗値低下や電極の剥離をより効果的に防止して、環境特性を向上させることができる。
【0025】
上記課題を解決する電歪アクチュエータの第4の発明は、上記第1から3のいずれかの発明の特定事項に加え、前記振動板の一面側の収容部材により画成される密閉空間内に、ゲル状フッ素エラストマーを充満させたことを特徴とするものである。
【0026】
この発明では、開放空間または密閉空間内はゲル状フッ素エラストマーが充満されて、圧電素子の周囲は厚めのゲル状フッ素エラストマーにより覆われる。したがって、圧電素子をより快適な状態に維持することができ、圧電体の抵抗値低下や電極の剥離をより効果的に防止して、環境特性を向上させることができる。ここで、圧電素子は、密閉空間内に収容することにより、外気の浸入をなくすことができ、環境特性をより向上させることができる。
【0027】
上記課題を解決する電歪アクチュエータの第5の発明は、上記第1から4のいずれかの発明の特定事項に加え、前記圧電素子は、電場に応じて変形する圧電体を振動板に接合する第1圧電体層および該第1圧電体層に接合する第2圧電体層に分割した積層構造にするとともに、当該圧電体に掛ける電場の発生用電極を第1、第2圧電体層間に形成する駆動電極、第1圧電体層と振動板との間に形成されて該駆動電極に対面する第1共通電極、および、第2圧電体層の外面で駆動電極に対面する第2共通電極により構成し、第1、第2共通電極と駆動電極との間に駆動電圧を印加する構成にしたことを特徴とするものである。
【0028】
この発明では、振動板側から第1共通電極、第1圧電体層、駆動電極、第2圧電体層、第2共通電極と積層する微細構造に圧電素子を作製する場合にも、微細構造であるために形成され易い隙間などにもゲル状フッ素エラストマーを入り込ませることができる。したがって、ゲル状フッ素エラストマーを採用することによるメリットを得ることができ、微細であるがゆえに影響の大きい浸食や電極剥離などを効果的に防止することができる。
【0029】
上記課題を解決する電歪アクチュエータの第6の発明は、上記第1から5のいずれかの発明の特定事項に加え、前記第1圧電体層と振動板との間に形成される隙間にゲル状フッ素エラストマーを充填したことを特徴とするものである。
【0030】
この発明では、第1圧電体層と振動板との間に形成される隙間にもゲル状フッ素エラストマーが充填されて、周囲の雰囲気中の水分などによる影響を極力小さくすることができ、また、圧電素子の振動による応力による影響との相乗効果で電極が剥離することを効果的に防止することができる。したがって、積層構造の圧電素子においても圧電体の抵抗値低下や電極の剥離を防止することができ、環境特性を向上させることができる。
【0031】
上記課題を解決する流体噴射装置の発明は、上記第1から6のいずれかの電歪アクチュエータを備えて、前記振動板の駆動面と共に流体を供給する空間を画成して該振動板の変位により圧力変動を生じさせる圧力室を形成する圧力室形成部材と、該圧力室形成部材の外面に開口して圧力室内の流体を該圧力室内の圧力変動に応じて噴射するノズルとを設けられたことを特徴とするものである。
【0032】
この発明では、上記の電歪アクチュエータによる効果を得ることができ、過酷な環境負荷が加えられても、異常なく駆動することができる。したがって、環境特性を向上させることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に基づいて説明する。図1〜図5は本発明に係る電歪アクチュエータおよび液体噴射装置の第1実施形態を適用したインクジェット記録装置の一例を示す図である。
【0034】
図1において、インクジェット記録装置10は、3原色のカラー用インクおよびブラックインクを並列させたインクカートリッジ11をキャリッジ12にセットするようになっており、そのキャリッジ12は、ガイド13により主走査方向に案内させつつモータ14の駆動力をベルト15により伝達して往復運動させる。また、インクジェット記録装置10は、キャリッジ12下面の記録ヘッド(液体噴射装置)16に形成されている図2に示すノズル22aからインクカートリッジ11内の各色のインクを吐出(噴射)させる。
【0035】
このインクジェット記録装置10は、キャリッジ12の移動する主走査方向に延在するプラテン17上に記録紙Pを給紙するとともに、印刷データに応じた各色インクを記録ヘッド16のノズル22aから選択的に吐出・噴射させることにより、その記録紙Pの記録面に文字などの画像を形成する。
【0036】
記録ヘッド16は、図2に示すように、ノズル22aの開口するノズルプレート22を備えてインクIの流路として機能する圧力室21を複数画成されているインクユニット20と、ノズルプレート22と共に圧力室21を画成する振動板31の一面側(圧力室21の背面側)に圧電素子32を接合されているアクチュエータユニット(電歪アクチュエータ)30とを備えている。
【0037】
この記録ヘッド16は、圧電素子32をたわみ振動させて振動板31の圧力室21側の駆動面31aを変位させることにより圧力室21の圧力発生室21a内に圧力変動を生じさせるようになっており、その圧力発生室21a内を圧力上昇させることにより圧力室21内のインクIをノズル22aからインク滴として吐出・噴射させる。
【0038】
インクユニット20は、圧力発生室21aに加えて、キャリッジ12のインクカートリッジ11に連通してインクIの供給を受けるインク貯留室23と、ノズル22aから吐出・噴射させるインクIを待機させるノズル連通口24と、振動板31の駆動面31aの変位を直接受ける圧力発生室21aにインク貯留室23およびノズル連通口24を連通させる第1、第2インク流路25、26とを備えて圧力室21が形成されている。
【0039】
このインクユニット20は、インク貯留室23と第1インク流路25との間にオリフィス27が形成されており、圧電素子32のたわみ振動により振動板31が変位して圧力発生室21a内に圧力変動を生じさせたときに、その圧力発生室21a内のインクIが第1インク流路25からインク貯留室23へと逆流してしまうことや、ノズル22aからノズル連通口24内などに外気が進入してしまうことを制限している。
【0040】
なお、インクユニット20は、ノズルプレート22および振動板31の間で液密に貼り合わされる基板部材(圧力室形成部材)28a〜28dに貫通空間を形成することにより、基板部材28aによりインク貯留室23およびノズル連通口24を、基板部材28bによりオリフィス27および第2インク流路26を、基板部材28cにより第1、第2インク流路25、26を、基板部材28dにより圧力発生室21aを画成させている。特に、オリフィス26は、インク貯留室23側を第1インク流路25よりも大面積で開口するように基板部材28bを穿孔してオリフィス形状に形成されている。また、ノズル22aは、オリフィス27と同様に、ノズル連通口24側をインクIの吐出方向の外部よりも大面積で開口するようにノズルプレート22を穿孔してオリフィス形状に形成されている。
【0041】
ここで、基板部材28a〜28dや振動板31は、アルミナや酸化ジルコニウム等のセラミックスで作製されており、例えば、圧力発生室21aなどの必要な貫通空間を形成したグリーンシート(未焼成のシート材)を準備して焼成することにより一体化されている。そして、圧電素子32は、例えばジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料によって作製されており、圧力発生室21aよりも幅狭で長めとなるように細長ブロック形状に形成されてその両端部に掛かる(越える)ように振動板31の一面側に接合されている。
【0042】
アクチュエータユニット30は、振動板31および圧電素子32に加えて、その圧電素子32に送出する駆動信号を生成するフレキシブル回路板33と、図2における上方(振動板31の反対側)に十分な間隔を確保するようにフレキシブル回路板(収容部材)33を振動板31の両端部で支持して圧電素子32を収容可能な空間34を画成するとともにこのフレキシブル回路板33から圧電素子32に駆動信号を伝送可能に導通接続する支持端子35とを備えている。
【0043】
このアクチュエータユニット30は、振動板31が基板部材28dに貼り付けられて圧電素子32を収容する空間34の圧力室21側を液密に塞がれる一方、上方はフレキシブル回路板33が圧電素子32を覆うカバーとして機能して異物が無制限に空間34内に進入してくることを制限している。
【0044】
ここで、本実施形態の圧電素子32は、従来技術と同様に、平板形状の圧電体32aと、この圧電体32aおよび振動板31間の下部電極32bと、圧電体32a外面を覆って支持端子35を介してフレキシブル回路板33に導通する上部電極32cとにより構成されている。この圧電素子32は、通常、下部電極32bまたは上部電極32cの一方を接地電位に調整して、フレキシブル回路板33の駆動信号(電圧信号)が電極32b、32c間に印加されて圧電体32aに電場を掛けられたときに、その圧電体32aがその電場の強さと向きに応じて横方向に伸縮しようとすることにより、振動板31に固定されていない側が伸縮してバイメタルのようにその振動板31と共に圧力室21側に撓んで変位する。
【0045】
すなわち、圧電素子32は、電極32b、32c間への駆動電圧の印加方向やその電位差に応じて圧電体32aを電場と直交する方向に収縮させることができ、圧力発生室21aの容積を少なくするように振動板31を変形させることができる。また、この圧電素子32は、電極32b、32c間への電圧印加方向を逆向きにすることにより、圧電体32aは電界と直交する方向に伸長して圧力発生室21aの容積を増やすように振動板31を変形させる。
【0046】
この結果、アクチュエータユニット30は、電極32b、32c間の電圧印加に応じて圧力発生室21aを狭くして圧縮方向の圧力変動を発生させることにより、圧力上昇させたインクIを振動板31の反対側のノズルプレート22のノズル22aからインク滴として吐出・噴射させる。この後に、アクチュエータユニット30は、電極32b、32c間の電圧印加を逆向きにされて圧力室21内が減圧されたときに、オリフィス27が圧力発生室21a内のインクIの逆流を制限することによってノズル22aから外気が進入することを防止しつつインクカートリッジ11からインク貯留室23にインクIを吸引・補給する。なお、このアクチュエータユニット30は、図2には2組のみ記載するが、図3に示すように、圧力発生室21aや圧電素子32などを複数列配列してノズル22aをノズルプレート22に並列させている。
【0047】
そして、アクチュエータユニット30は、圧電素子32の収容空間34を画成するフレキシブル回路板33がその空間34内に異物が無制限に進入してくることを制限するが、さらに、外気との接触を完全に遮断するために、フレキシブル回路板33に開口する注入口33aから絶縁性物質36を注入して圧電素子32の外面が露出しないように覆っている。この絶縁性物質36は、上記特許文献1においては、シリコンオイルなどを採用するが、本実施形態では、ゲル状のフッ素エラストマー、例えば、次の一般式
【化3】
Figure 2004273765
で表されて繰り返し単位を有するゲル状のフッ素エラストマー36を採用して、空間34(開放空間)内の雰囲気との接触を遮断する。ここで、本実施形態では、ゲル状フッ素エラストマー36の最適なものとして、信越化学工業株式会社製ポッティングゲル用 SHIN−ETSU SIFEL8000シリーズ SIFEL8070A/Bを採用する。このゲル状フッ素エラストマー36は、収容空間34内に注入した後には、例えば、60℃−16時間で加熱硬化させる。
【0048】
なお、注入口33aは、フレキシブル回路板33の複数箇所に適宜の数で形成することにより、圧電素子32の収容空間34内にゲル状フッ素エラストマー36を注入する作業時に、他の注入口33aから内部の空気を容易に逃がすことができ、圧電素子32との間に気泡が残存し難くすることができるとともに、後述するように、この収容空間34内にゲル状フッ素エラストマー36を充満させる際にも、その内部に気泡が残り難くすることができる。また、この注入口33aは、図2に図示するように、圧電素子32間に形成することにより、圧電素子32およびフレキシブル回路板33の間隔の広い箇所から狭い隙間に向かう際に毛細管現象によりゲル状フッ素エラストマー36を行き亘らせることができ、圧電素子32の外面を確実に覆って収容空間34内の雰囲気との接触を遮断することができる。
【0049】
ここで、ゲル状フッ素エラストマー36は、温度60℃−湿度0%で乾燥させた後に、温度60℃−湿度80%に設定した高温高湿槽に投入・放置して湿潤試験を行ったところ、図4に示すように、ゲル状フッ素エラストマー36内に埋め込んだ測定端子までは、湿度70%までの透湿に制限される結果であった。これは、ゲル状フッ素エラストマー36は、シリコン系のゲル(フルオロシリコン)と比較すると、透湿性能(g/m・24hr)が7/90に低減されていることに起因するものと考えられる。
【0050】
そこで、温度27℃−湿度80%という環境下でインクジェット記録装置10を連続駆動させる印字耐久テストを行った。このテストでは、温度60℃−湿度0%で乾燥させた後に、圧電素子32の収容空間34内に、ゲル状フッ素エラストマー36を注入したアクチュエータユニット30、シリコンゲルを注入したアクチュエータユニット、何も注入しないアクチュエータユニットで試験を行ったところ、図5に示すような結果であった。
【0051】
詳細には、何も注入しないアクチュエータユニットでは、印字耐久テストで正常な特性を維持することはできなかったが、シリコンゲルを注入したアクチュエータユニットとゲル状フッ素エラストマー36を注入したアクチュエータユニット30では、何らの特性劣化も認められなかった。さらに、シリコンゲルを注入したアクチュエータユニットでは特性劣化の可能性のある、温度60℃−湿度80%−5日という環境内への放置後に印字耐久テストを行っても、ゲル状フッ素エラストマー36を注入したアクチュエータユニット30では、何らの特性劣化も認められなかった。
【0052】
すなわち、アクチュエータユニット30は、圧電素子32の表面に、収容空間34内の水分や、ClやBr等のハロゲンを含む化合物などの異物が浸透して付着することを効果的に制限することができ、上述従来技術で説明するような湿気の浸透や、いわゆるマイグレーションが発生して、図13(c)に示すように、インクIを噴射させるための駆動信号S1、S2とは別に圧電素子32が大きく振動してインク滴を吐出させてしまうという誤作動を確実に防止することができる。
【0053】
さらに、圧電素子32は、ジルコン酸チタン酸鉛(PZT)からなる圧電体32aが振動板31とは焼結体として一体にならないために、駆動時に圧電体32aの両端部と振動板31との間に応力集中が生じやすく、湿気の浸透などがあると、下部電極32bが圧電体32aから剥離するなどの影響が現れ易いが、この発生も抑えることができ、駆動特性が劣化することを未然に防止することができる。
【0054】
なお、本実施形態では、負電圧側の電極材料をAuとし、正電圧側の電極材料をPtとしており、AuはAg等と比べて比較的マイグレーションが発生し難い材料ではあるにも拘わらず、ClやBr等のハロゲンイオンと水分との相互作用により、マイグレーションが発生してしまうことがあるが、これも効果的に防止することができる。
【0055】
この結果、アクチュエータユニット30は、例えば、船舶輸送による耐久性を想定した温度60℃−湿度80%−5日という環境内に放置した後に、厳しい使用環境を考慮した温度27℃−湿度80%という環境下で連続駆動させる場合でも異常が発生しないという環境性能を備えることができる。
【0056】
そして、ゲル状フッ素エラストマー36は、シリコン系のゲル(フルオロシリコン)と同様に、振動等が加わっても圧電素子32とフレキシブル回路板33の隙間から流出せずにクッション効果を得ることができ、その圧電素子32の振動を妨げることなく、フレキシブル回路板33が直接接触してしまうことを防止しつつ圧電素子32の破損等を確実に防止することができる。
【0057】
ここで、ゲル状フッ素エラストマー36は、圧電素子32とフレキシブル回路板33との接触を有効に防止するとともに、圧電素子32を湿気や異物から確実に遮断するためには、厚み1μmから10mmの間の状態で存在させるのが好ましい。特に、ゲル状フッ素エラストマー36の厚みとしてより好適な上限値としては1mm程度で、下限値としては10μmであり、最適なのは100μmから500μm程度の厚さである。例えば、圧電素子32の厚みが10μm、インクIを吐出するときの変形量が、約0.1μmの圧電素子32を用いる場合には、少なくともゲル状フッ素エラストマー36の厚みは、圧電素子32の厚みの10分の1以上、変形量の10倍以上あれば、圧電振動子6の振動をほとんど阻害することがない。
【0058】
なお、ゲル状フッ素エラストマー36の厚みが非常に薄い、例えば、厚み0.1μm程度の場合には、圧電素子32がフレキシブル回路板33と接触してしまったときに、そのフレキシブル回路板33の剛性の影響を受けて、圧電素子32の振動を阻害してしまう。また、ゲル状フッ素エラストマー36の厚みが厚い場合、例えば、厚み20mm以上、圧電振動子6の厚みの300倍を超える厚み、もしくは、変形量の300000倍を超える厚みであるような場合には、その重さの影響により、圧電素子32の動きが鈍くなってしまう。このことから、上記条件となるようにゲル状フッ素エラストマー36を注入するのが好ましい。
【0059】
さらに、ゲル状フッ素エラストマー36は、上記耐久テストで行ったように、収容空間34内に注入して圧電素子32を覆う前工程において、その圧電素子32に付着する水分や、接合するための接着剤に親和する水分を飛ばすために乾燥させた後に、空間34内に注入するのが好ましい。
【0060】
このように本実施形態においては、振動板31とフレキシブル回路板33とにより画成される収容空間34内の圧電素子32をゲル状フッ素エラストマー36により覆うので、従来技術のシリコン系の絶縁性物質と同様に、圧電素子32の振動を妨げることなく、フレキシブル回路板33が圧電素子32に直接接触することを確実に防止することができるのに加えて、収容空間34内の水分等が浸透することをより効果的に制限することができる。
【0061】
このことから、圧電素子32の電極32b、32c間の抵抗値低下を少なくして、中間電位Vmを戻すための信号により圧電素子32が振動してしまうことをなくして、インクIが誤って吐出される誤作動を防止することができる。
【0062】
この結果、厳しい環境に置かれた場合でも収容空間34を含む外部の雰囲気による影響を受けないようにすることができ、環境特性に優れるインクジェット記録装置10を提供することができる。
【0063】
ここで、本実施形態の他の態様としては、図6に示すように、ゲル状フッ素エラストマー36が圧電素子32とフレキシブル回路板33との隙間に充填されるように空間34内に注入して充満させる。この場合には、圧電素子32とフレキシブル回路板33との接触や水分の浸透などをより有効に防止することができ、さらにインクジェット記録装置10を動作させることによる振動等が加わるときでも、フレキシブル回路板33がばたついてしまうことを抑制することができる。
【0064】
また、圧電素子32とフレキシブル回路板33との間の収容空間34は、注入口33aからゲル状フッ素エラストマー36を注入した後に、その注入口33aを塞いで密閉空間としてもよい。この場合には、外部の雰囲気が収容空間34内に進入することを確実に制限することができ、ゲル状フッ素エラストマー36に与える影響を少なくして、より信頼性高く水分の浸透などによる影響をより効果的に防止することができる。
【0065】
次に、図7〜図11は本発明に係る電歪アクチュエータおよび液体噴射装置の第2実施形態を適用したインクジェット記録装置の一例を示す図である。なお、本実施形態では、上述実施形態と略同様に構成されているので、同様な構成には同一の符号を付して特徴部分を説明する。
【0066】
図7において、アクチュエータユニット40は、振動板31の一面側(駆動面31aの背面側)に圧電素子42を接合されており、圧電素子42は、第1、第2圧電体層43a、43bと、駆動電極44と、第1、第2共通電極45a、45bとが積層構造に作製されている。
【0067】
第1、第2圧電体層43a、43bは、上述実施形態と同様に、例えばジルコン酸チタン酸鉛(PZT)を主成分とする圧電材料を、圧力発生室21aよりも幅狭で長めとなるように細長ブロック形状に作製されており、第1圧電体層43aは振動板31に接合して、第2圧電体層43bはその第1圧電体層43aに接合するように分割した積層構造にされて、圧力発生室21aの両端部に掛かる(越える)ように振動板31の一面側に接合されている。
【0068】
駆動電極44は、第1、第2圧電体層43a、43bの間に形成されており、図8に示すように、圧力発生室21aの長手方向の一端側に形成されている個別端子部47に個々に接続されている。第1共通電極45aは、第1圧電体層43aと振動板31との間に形成されて駆動電極44に対面する一方、第2共通電極45bは、第2圧電体層43bの外面に形成されて駆動電極44に対面するように形成されており、この第1、第2共通電極45a、45bは、圧力発生室21aの長手方向の他端側に形成されて、例えば、接地電位に調整される共通端子部48に共通接続されている。
【0069】
この圧電素子42は、これら駆動電極44および第1、第2共通電極45a、45bの間に、フレキシブル回路板33から支持端子35を介して駆動電圧を印加されるようになっており、第1、第2圧電体層43a、43bを伸縮させる電場が掛けられて、振動板31の反対側をバイメタルのように伸縮させることにより、その振動板31と共に圧力発生室21a内に圧力変動を生じさせる。
【0070】
この結果、アクチュエータユニット40は、上述実施形態と同様に、圧力室21内のインクIをノズル22aからインク滴として吐出・噴射させるとともに、インクカートリッジ11からインク貯留室23にインクIを吸引・補給することができる。
【0071】
ただし、このアクチュエータユニット40は、第1、第2共通電極45a、45bを接地電位などと一定の電位で共通にされているので、第1、第2圧電体層43a、43bは、分極方向を反対向きに設定されている。
【0072】
すなわち、圧電素子42は、駆動電極44および第1共通電極45aの間と、駆動電極44および第2共通電極45bの間とでは、駆動信号の印加方向を逆向きにして反対の電場を生じさせることにより、第1、第2圧電体層43a、43bの伸縮方向を揃えて、その電場の強さに応じて振動板31を大きく変位させることができる。
【0073】
ここで、圧電素子42は、図9に短尺の幅方向の縦断面図で示すように(図2、図6は長尺方向の縦断面図である)、第1圧電体層43aが第1共通電極45aの全幅を越えて覆うように形成するとともに、第2圧電体層43bが駆動電極44の全幅を越えて覆うように形成されており、駆動電極44と第1共通電極45aは電気的絶縁物の第1、第2圧電体層43a、43b内に互いに離隔する状態で埋設されている。このため、駆動電極44と第1、第2共通電極45a、45bは、短絡してしまうことがない構成になっている。また、これらの各電極44、45a、45bを構成する材料としては、例えば、金属単体や合金に加えて、電気絶縁性セラミックスと金属との混合物等の各種導体を選択可能であるが、焼成温度において変質等の不具合が生じないことが要求されることから、本実施形態においても、第2共通電極45bにはAuを用い、駆動電極44および第1共通電極45aにはPtを用いている。
【0074】
ところで、アクチュエータユニット40は、記録ヘッド16の高速記録のために、より多くのインク滴Iを短時間で吐出させたいときには、圧電素子42を高周波駆動させる。しかしながら、単にその高周波数駆動に耐え得るように圧電素子等の剛性を高めて、また、その圧電素子42に印加する駆動電圧を高くするのでは、高品質な振動特性(インクIの吐出品質)に調整・維持することは難しい。しかるに、アクチュエータユニット40の圧電素子42は、振動板31を効率よく変位させることができることから、第1、第2圧電体層43a、43b全体を極端に厚くすることなく、また、駆動電圧を極端に大きくする必要がない。
【0075】
そして、このアクチュエータユニット40は、フレキシブル回路板33の注入口33aから圧電素子32の外面が露出しないようにゲル状フッ素エラストマー36を注入して覆うことにより、振動板31と第1圧電体層43aとの間に形成される隙間Sにもゲル状フッ素エラストマー36が充填されて(これは、上述第1実施形態においても同様である)、圧電素子32の収容空間34内の雰囲気との接触を完全に遮断している。これにより、図10および図11に示すように、積層微細構造で両端部領域WL、WRを徐々に薄くされている場合でも、駆動時の応力集中の影響や水分の浸透などにより、第1共通電極45aが第1圧電体層43aから剥離して駆動特性が劣化することを未然に防止することができる。
【0076】
なお、このゲル状フッ素エラストマー36は、圧電素子32の収容空間34内に充満するように注入してもよく、また、この圧電素子32の収容空間34は、ゲル状フッ素エラストマー36の注入後に、フレキシブル回路板33の注入口33aを塞いで密閉空間としてもよい。
【0077】
このように本実施形態においても、上述実施形態と同様の作用効果を得ることができ、圧電素子42とフレキシブル回路板33との接触や水分の浸透などを有効に防止することができる。したがって、圧電素子42を採用する記録ヘッド16でも、環境特性に優れるインクジェット記録装置10にすることができる。
【0078】
さらに、本実施形態では、インクジェット記録装置10の記録ヘッド16に適用する一例を説明するが、これに限るものではなく、液晶噴射ヘッドや色材噴射ヘッドなどの他の液体噴射ヘッド、あるいは、マイクロポンプ、発音体(スピーカ等)などの各種装置に用いられる電歪アクチュエータ、および、圧電素子にも同様に適用することができる。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、振動板に接合する圧電素子をゲル状フッ素エラストマーにより覆うので、従来採用していたシリコンオイルなどよりも、より効果的に水分の浸透などを抑えることができ、周囲の雰囲気中の水分などの浸透による抵抗値低下や電極剥離等を防止することができる。
【0080】
そして、一般式
【化4】
Figure 2004273765
で表されるゲル状フッ素エラストマーを採用することにより、また、圧電素子の収容空間を密閉空間としたり、その収容空間をゲル状フッ素エラストマーで充満させることにより、水分の浸透などを極力抑えて圧電素子をより快適な状態に維持することができる。
【0081】
この結果、厳しい環境に置かれた場合でも雰囲気内における水分等の影響を受けない、環境特性に優れる電歪アクチュエータおよび流体噴射装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電歪アクチュエータおよび液体噴射装置の第1実施形態を適用したインクジェット記録装置の一例を示す図であり、その記録部を示す斜視図である。
【図2】その電歪アクチュエータを備える液体噴射装置を示す縦断面図である。
【図3】その配列を示す平面図である。
【図4】その特性試験結果示すグラフである。
【図5】その特性試験結果示す表である。
【図6】その他の態様を示す縦断面図である。
【図7】本発明に係る電歪アクチュエータおよび液体噴射装置の第1実施形態を適用したインクジェット記録装置の一例を示す図であり、その電歪アクチュエータの要部構成を示す縦断面図である。
【図8】その要部構成を示す平面図である。
【図9】その要部構成を示す縦断面図である。
【図10】その要部構成の一部を示す縦断面図である。
【図11】その要部構成の一部を示す縦断面図である。
【図12】その従来技術の要部構成を示す縦断面図である。
【図13】その従来技術における課題を説明する信号波形図である。
【符号の説明】
10 インクジェット記録装置
11 インクカートリッジ
12 キャリッジ
16 記録ヘッド
20 インクユニット
21 圧力室
21a 圧力発生室
22 ノズルプレート
22a ノズル
28a〜28d 基板部材
30 アクチュエータユニット
31 振動板
31a 駆動面
32、42 圧電素子
32a 圧電体
32b 下部電極
32c 上部電極
33 フレキシブル回路板
33a 注入口
34 収容空間
36 ゲル状フッ素エラストマー
40 アクチュエータユニット
43a、43b 圧電体層
44 駆動電極
45a、45b 電極
47 個別端子部
48 共通端子部

Claims (7)

  1. 振動板の一面側に圧電素子を設けて、該圧電素子の電場に応じた変形により該振動板の他面側を駆動面として変位させる電歪アクチュエータであって、
    前記圧電素子の露出表面をゲル状フッ素エラストマーにより覆ったことを特徴とする電歪アクチュエータ。
  2. 前記振動板の一面側に、圧電素子を収容するための収容空間として、外気に連通する開放空間または外気から遮断する密閉空間を画成する収容部材を設けたことを特徴とする請求項1に記載の電歪アクチュエータ。
  3. 前記ゲル状フッ素エラストマーは、次の一般式
    Figure 2004273765
    で表されて繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1または2に記載の電歪アクチュエータ。
  4. 前記振動板の一面側の収容部材により画成される開放空間または密閉空間内に、ゲル状フッ素エラストマーを充満させたことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電歪アクチュエータ。
  5. 前記圧電素子は、電場に応じて変形する圧電体を振動板に接合する第1圧電体層および該第1圧電体層に接合する第2圧電体層に分割した積層構造にするとともに、当該圧電体に掛ける電場の発生用電極を第1、第2圧電体層間に形成する駆動電極、第1圧電体層と振動板との間に形成されて該駆動電極に対面する第1共通電極、および、第2圧電体層の外面で駆動電極に対面する第2共通電極により構成し、
    第1、第2共通電極と駆動電極との間に駆動電圧を印加する構成にしたことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電歪アクチュエータ。
  6. 前記第1圧電体層と振動板との間に形成される隙間にゲル状フッ素エラストマーを充填したことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電歪アクチュエータ。
  7. 上記請求項1から6のいずれかに記載の電歪アクチュエータを備えて、
    前記振動板の駆動面と共に流体を供給する空間を画成して該振動板の変位により圧力変動を生じさせる圧力室を形成する圧力室形成部材と、該圧力室形成部材の外面に開口して圧力室内の流体を該圧力室内の圧力変動に応じて噴射するノズルとを設けられたことを特徴とする流体噴射装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009202383A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Mimaki Engineering Co Ltd インクパック
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US8465128B2 (en) 2009-09-30 2013-06-18 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid discharge apparatus and image forming apparatus

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