JP2004272182A - 画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】セーフライト性及びエッチング特性に優れる画像形成方法を提供する。
【解決手段】支持体の表面にアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性組成物よりなる感光性層が形成された画像形成材料の該感光性層を青紫半導体レーザーまたは近赤外レーザー光源により走査露光し、次いでアルカリ現像液により現像処理して画像を現出させる画像形成方法において、支持体の表面剥離強度が600g/cm未満であることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】支持体の表面にアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性組成物よりなる感光性層が形成された画像形成材料の該感光性層を青紫半導体レーザーまたは近赤外レーザー光源により走査露光し、次いでアルカリ現像液により現像処理して画像を現出させる画像形成方法において、支持体の表面剥離強度が600g/cm未満であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性平板印刷版、簡易校正印刷用プルーフ、配線盤やレーザーグラビア製版用銅エッチングレジスト、フラットディスプレイ製造用レジスト、カラーフィルター用レジスト、LSI製造用フォトレジスト等に使用される、主として近赤外領域及び青紫領域の光に対する光熱変換物質を含有する感光性組成物からなる画像形成材料を用いた画像形成方法に関し、特に、半導体レーザーやYAGレーザー等による直接製版に好適な画像形成材料を用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プリント配線基板、プラズマディスプレイ用配線板、液晶ディスプレイ用配線板、大規模集積回路、薄型トランジスタ、半導体パッケージ等の微細電子回路の形成には、例えば、被加工基板上に感光性レジスト材層を有し、必要に応じてその上に保護層を有する画像形成材のその感光性レジスト材層を、マスクフィルムを通して紫外線照射して露光した後、マスクフィルムを剥離し、更に保護層を有する場合にはその保護層を剥離し、露光部と非露光部の現像液に対する溶解性の差を利用して現像してパターンを形成し、このパターン層をマスクとして被加工基板をエッチング加工等することにより、被加工基板に回路パターンを形成するリソグラフィー法が広く用いられている。
【0003】
更に、近年、露光光源にレーザー光を用いることにより、マスクフィルムを用いずに、コンピューター等のデジタル情報から直接画像を形成するレーザー直接描画法が、生産性のみならず、解像性や位置精度等の向上も図れることから注目されるに到り、それに伴い、リソグラフィー法においてもレーザー光の利用が盛んに研究されている。
【0004】
一方、レーザー光は、紫外から赤外までの種々の光源が知られているが、画像露光に利用できるレーザー光としては、出力、安定性、感光能力、及びコスト等の点から、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムネオンレーザー、YAGレーザー、及び半導体レーザー等の可視から赤外領域の光を発するものが有力視されており、例えば、波長488nmのアルゴンイオンレーザー、波長532nmのFD−YAGレーザーを用いたリソグラフィー法は既に実用化に到っている。
【0005】
しかしながら、このような可視レーザー光を用いた画像形成法は、黄色灯下でのセーフライト性に劣り、赤色灯照明のような暗室環境下での作業が必要であるという制約があり、これに対して、近年のレーザー技術の著しい進歩により、黄色灯照明のような明室環境下での作業が可能な、青紫色領域で安定的に発振できる半導体レーザーが利用できるようになったものの、その出力が他の可視レーザーに比して低いこともあって、感光性レジスト材の感度が必ずしも十分とは言えず、直接描画法においてはもとよりリソグラフィー法においても実用化できるレベルには達していないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたものであって、従って、本発明は、近赤外又は青紫色領域のレーザー光に対して高感度であると共に、黄色灯下でのセーフライト性やエッチング特性に優れる画像形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題について鋭意検討した結果、支持体の表面剥離強度が、セーフライト性やエッチング特性に影響を与えることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、支持体の表面にアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性組成物よりなる感光性層が形成された画像形成材料の該感光性層を青紫半導体レーザーまたは近赤外レーザー光源により走査露光し、次いでアルカリ現像液により現像処理して画像を現出させる画像形成方法において、支持体の表面剥離強度が600g/cm未満であることを特徴とする画像形成方法、及び同画像形成方法において、支持体の相対表面剥離強度が0.5以上6以下であることを特徴とする画像形成方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
<支持体>
本発明で使用できる支持体は、感光性組成物からなる感光性層を近赤外レーザー又は青紫色レーザー光により露光し現像処理することによって形成されたパターン層をマスクとしてエッチング加工等することにより、その表面に回路パターンが形成されるものであり、銅、アルミニウム、金、銀、クロム、亜鉛、錫、鉛、ニッケル等の金属板そのものであってもよいが、通常、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、弗素樹脂等の熱可塑性樹脂等の樹脂、紙、ガラス、及び、アルミナ、シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機物、又は、ガラス布基材エポキシ樹脂、ガラス不織布基材エポキシ樹脂、紙基材エポキシ樹脂、紙基材フェノール樹脂等の複合材料等からなり、その厚さが0.02〜10mm程度の絶縁性支持体であっても良く、またその表面に、前記金属或いは酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウムドープ酸化錫等の金属酸化物等の金属箔を加熱、圧着ラミネートするか、金属をスパッタリング、蒸着、メッキする等の方法により、その厚さが1〜100μm程度の導電層を形成した金属張積層板が、好ましく用いられる。中でも、支持体表面が銅又はガラスであるものが好ましい。
【0009】
本発明においては、支持体として、後述の実施例に記載されているガムテープ剥離強度測定方法にて求められた該支持体からガムテープを剥離するときのガムテープ剥離強度(以下、剥離強度(A)という場合がある。)が600g/cm未満であること、及び/又は使用するガムテープの種類によらず同測定方法にて測定した該支持体の剥離強度F1を同測定方法にて測定したコーニング社製ガラス(No.7059)の剥離強度F2により除した値F1/F2(以下「相対剥離強度」ということがある。)が0.5以上6以下であること、が重要である。
【0010】
剥離強度(A)は、600g/cm未満が好ましく、特に400g/cm以下が好ましく、また50g/cm以上であることが好ましい。また相対剥離強度は、6以下が好ましく、特に4以下が好ましく、また0.5以上が好ましい。剥離強度(A)と相対剥離強度は、それぞれ独立にあるいは同時に好ましい値であっても良い。剥離強度(A)及び相対表面剥離強度のいずれもがこれらの上限値よりも大きい場合には、感光性層と支持体との接着性が強すぎる為、画像形成時に非画線部の残膜が起こり好ましくない。一方これらの下限値よりも小さすぎる場合には、画像形成時に画線部の、特に細線画像の剥離等が生じやすくなる傾向がある。
【0011】
また、露光後の感光性層について、上述のガムテープ剥離強度測定方法に準じて測定したガムテープ剥離強度が150g/cm以上、特に200g/cmより大であることが好ましい。剥離強度が150g/cmより小さいと、細線画像の剥離等が起こりやすくなる為好ましくない。
【0012】
<アルカリ可溶性樹脂>
本発明において、前記支持体表面に形成された感光性層は、ポジ型感光性組成物、ネガ型感光性組成物のいずれからなるものであってもよいが、いずれの組成物であっても、アルカリ現像性等の面から、アルカリ可溶性樹脂を含有することを必須とする。
【0013】
ここで、アルカリ可溶性樹脂としては、フェノール性水酸基含有樹脂、カルボキシル基含有ビニル系樹脂、及びエポキシアクリレート系樹脂等が好適なものとして挙げられる。
【0014】
(フェノール性水酸基含有樹脂)
そのフェノール性水酸基含有樹脂としては、具体的には、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、4,4’−ビフェニルジオール、ビスフェノール−A、ピロカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、フロログルシノール等のフェノール類の少なくとも1種を、酸触媒下、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類、又は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、の少なくとも1種と重縮合させたノボラック樹脂、前記ノボラック樹脂の重縮合における酸触媒に代えてアルカリ触媒を用いる以外は同様にして重縮合させたレゾール樹脂、及び、例えば、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレン、テトラヒドロキシスチレン、ペンタヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン等のヒドロキシスチレン類の単独又は2種以上を、ラジカル重合開始剤又はカチオン重合開始剤の存在下で重合させたポリビニルフェノール樹脂等が挙げられ、これらは、重量平均分子量が1,500〜50,000であるのが好ましい。
【0015】
また他のフェノール性水酸基含有樹脂としては、下記の(1)及び/又は(2)のものが挙げられる。
(1)有機基で保護されているフェノール性水酸基を有するポリスチレン骨格の構成単位aと、フェノール性水酸基を有するポリスチレン骨格の構成単位bの両者を含有する
(2)フェノール性水酸基を有する共重合構成単位を40〜95モル%含有する
上記(1)の特徴に関しては、構成単位aと構成単位bの比率は、通常a:b=3:97〜80:20であり、好ましくは、a:b=4:96〜70:30、更に好ましくはa:b=5:95〜60:40である。
【0016】
ここで、フェノール性水酸基を保護する有機基としては、好ましくは、カーボネート型、エーテル型、シリルエーテル型、エステル型の置換基が挙げられる。カーボネート型としては、tert‐ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基が、エーテル型としては、メチル基、エチル基、tert‐ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、メトキシメチル基、1−エトキシエチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシプロピル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、グリシジル基等の炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、環状エーテル基が、シリルエーテル型としては、トリアルキルシリル基、トリアルコキシシリル基等のシリル基が、エステル型としては、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等のアシル基などが好ましいものとして挙げられる。これらに限定はされないが、中でも、エーテル型、エステル型が好ましい。
【0017】
また、上述した必須の構成単位の他に使用可能な共重合構成単位としては、フェノール性水酸基を含有せず、且つ共重合等により樹脂中に導入することの出来る共重合構成単位で有れば特に限定されないが、例えば、置換されていても良いスチレン類、アクリル酸誘導体等が挙げられる。
【0018】
また上記(2)の特徴に関しては、本発明に用いられる樹脂中の置換されていないフェノール性水酸基を有する共重合構成単位の割合は、通常40〜90モル%、好ましくは45〜85モル%、更に好ましくは50〜80モル%である。この共重合構成単位の割合は、アルカリ可溶性樹脂を混合して用いた場合には、全ての樹脂(合計)中の構成単位として算出される。
【0019】
(カルボキシル基含有ビニル系樹脂)
又、そのカルボキシル基含有ビニル系樹脂としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸〔尚、ここで、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又は/及びメタクリルを意味するものとし、以降も同様とする。〕、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル等のビニル化合物との共重合体等が挙げられ、これらカルボキシル基含有ビニル系樹脂は、酸価が30〜250 KOH・mg/g、ポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜300,000であるのがそれぞれ好ましい。
【0020】
更に、そのカルボキシル基含有ビニル系樹脂として、側鎖にエチレン性不飽和結合を有するものが好適であり、具体的には、例えば、カルボキシル基含有重合体に、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル、フマル酸モノアルキルモノグリシジルエステル、マレイン酸モノアルキルモノグリシジルエステル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物、又は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2,3−エポキシシクロペンチルメチル(メタ)アクリレート、7,8−エポキシ〔トリシクロ[5.2.1.0]デシ−2−イル〕オキシメチル(メタ)アクリレート等の脂環式エポキシ基含有不飽和化合物を、カルボキシル基含有重合体の有するカルボキシル基の5〜90モル%、好ましくは30〜70モル%程度を反応させて得られた反応生成物、及び、アリル(メタ)アクリレート、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、クロトニル(メタ)アクリレート、メタリル(メタ)アクリレート、N.N−ジアリル(メタ)アクリルアミド等の2種以上の不飽和基を有する化合物、又は、ビニル(メタ)アクリレート、1−クロロビニル(メタ)アクリレート、2−フェニルビニル(メタ)アクリレート、1−プロペニル(メタ)アクリレート、ビニルクロトネート、ビニル(メタ)アクリルアミド等の2種以上の不飽和基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸、又は更に不飽和カルボン酸エステルとを、前者の不飽和基を有する化合物の全体に占める割合を10〜90モル%、好ましくは30〜80モル%程度となるように共重合させて得られた反応生成物等が挙げられる。
【0021】
(エポキシアクリレート系樹脂)
又、そのエポキシアクリレート系樹脂としては、エポキシ樹脂を(メタ)アクリル酸及び酸無水物で変性させたものであり、具体的には、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂等のエポキシ樹脂のエポキシ基に、(メタ)アクリル酸を付加させた後、無水琥珀酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物で変性させたものが挙げられ、これらエポキシアクリレート系樹脂は、酸価が20〜150 KOH・mg/g、ポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜20,000であるのがそれぞれ好ましい。
【0022】
<ポジ型感光性組成物>
本発明における感光性組成物の中で、ポジ型感光性組成物としては、下記の(P−1)成分、及び(P−2)成分を含有する組成物が好ましい。
(P−1)アルカリ可溶性樹脂
(P−2)画像露光光源の光を吸収して熱に変換する光熱変換物質
【0023】
ここで、前記ポジ型感光性組成物を構成する(P−1)成分のアルカリ可溶性樹脂としては、前述したアルカリ可溶性樹脂の中で、フェノール性水酸基含有樹脂が好ましく、就中、ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、及び有機基で保護されているフェノール性水酸基を有するポリスチレン骨格の構成単位aと、フェノール性水酸基を有するポリスチレン骨格の構成単位bの両者を含有する樹脂が好ましい。
【0024】
(ポジ型感光性組成物:光熱変換物質)
又、前記ポジ型感光性組成物を構成する(P−2)成分の光熱変換物質としては、画像露光光源の光を吸収して熱に変換し得る化合物であれば特に限定されないが、波長域350〜1,300nmに吸収極大を有する有機又は無機の染顔料、有機色素、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属硼化物等が挙げられる中で、光吸収色素が特に有効である。これらの光吸収色素の中でも、特に波長域350〜430nm、波長域650〜1,300nmの光を効率よく吸収する光吸収色素が好ましい。
【0025】
(ポジ型感光性組成物:波長域650〜1,300nmの光を効率よく吸収する光吸収色素)
波長域650〜1,300nmの光を効率よく吸収する光吸収色素としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等の複素原子がポリメチン(−CH=)n 鎖で結合された構造のものであり、代表的には、その複素原子が複素環を形成し、ポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造の所謂、広義のシアニン系色素、具体的には、例えば、キノリン系(所謂、狭義のシアニン系)、インドール系(所謂、インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン系)、ピリリウム系、チオピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系等、及び、ポリメチン鎖を介して非環式複素原子が結合された構造の所謂、ポリメチン系色素等が挙げられ、中で、キノリン系、インドール系、ベンゾチアゾール系、ピリリウム系、チオピリリウム系等のシアニン系色素、又はポリメチン系色素が好ましい。又、その他の光吸収色素として、ジイミニウム系色素、フタロシアニン系色素等が挙げられる。
【0026】
本発明においては、前記シアニン系色素の中で、キノリン系色素としては、特に、下記一般式(Ia)、(Ib)、又は(Ic)で表されるものが好ましい。
【0027】
【化1】
【0028】
〔式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中、R1及びR2は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L1は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノリン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa−は対アニオンを示す。〕
【0029】
ここで、式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中のR1及びR2がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L1における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノリン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0030】
又、インドール系、及びベンゾチアゾール系色素としては、特に、下記一般式(II)で表されるものが好ましい。
【0031】
【化2】
【0032】
〔式(II)中、Y1及びY2は各々独立して、ジアルキルメチレン基又は硫黄原子を示し、R3及びR4は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L2は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa−は対アニオンを示す。〕
【0033】
ここで、式(II)中のR3及びR4がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L2における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、縮合ベンゼン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0034】
又、ピリリウム系、及びチオピリリウム系色素としては、特に、下記一般式(IIIa)、(IIIb)、又は(IIIc)で表されるものが好ましい。
【0035】
【化3】
【0036】
〔式(IIIa)、(IIIb)、及び(IIIc)中、Z1及びZ2は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R5、R6、R7、及びR8は各々独立して、水素原子又はアルキル基、又は、R5とR7、及びR6とR8が互いに連結して炭素数5又は6のシクロアルケン環を形成していてもよく、L3は置換基を有していてもよいモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、ピリリウム環及びチアピリリウム環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa−は対アニオンを示す。〕
【0037】
ここで、式(IIIa)、(IIIb)、及び(IIIc)中のR5、R6、R7、及びR8がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10であり、L3における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ピリリウム環及びチアピリリウム環における置換基としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
【0038】
又、ポリメチン系色素としては、特に、下記一般式(IV)で表されるものが好ましい。
【0039】
【化4】
【0040】
〔式(IV)中、R9、R10、R11、及びR12は各々独立して、アルキル基を示し、R13及びR14は各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、フリル基、又はチエニル基を示し、L4は置換基を有していてもよいモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノン環及びベンゼン環は置換基を有していてもよい。Xa−は対アニオンを示す。〕
【0041】
ここで、式(IV)中のR9、R10、R11、及びR12のアルキル基の炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、R13及びR14がアリール基であるときの炭素数は通常6〜20、好ましくは6〜15であり、R13及びR14として具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基等が挙げられ、それらの置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、L4における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノン環及びベンゼン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0042】
更に、ジイミニウム系色素としては、特に、N,N−ジアリールイミニウム塩骨格を少なくとも1個有する下記一般式(Va)、又は(Vb)で表されるものが好ましい。
【0043】
【化5】
【0044】
〔式(Va)、及び(Vb)中、R15、R16、R17、及びR18は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、R19、及びR20は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、ベンゼン環及びイミノキノン環は置換基を有していてもよい。Xa−は対アニオンを示す。尚、式(Vb)中の電子結合(点線)は他の電子結合との共鳴状態を示す。〕
【0045】
ここで、式(Va)、及び(Vb)中のR15、R16、R17、R18、R19、及びR20がアルキル基、アルコキシ基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、それらにおける置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、カルボキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキル基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ベンゼン環及びイミノキノン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、アシル基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0046】
これらのジイミニウム系色素の中では、前記一般式(Va)及び(Vb)中のR15、R16、R17、及びR18がアルキル基で、R19、及びR20もアルキル基であるか、R19及びR20がジアルキルアミノ基を置換基として有するフェニル基であるものが、特に好ましい。
【0047】
尚、前記一般式(Ia 〜c)、(II)、(IIIa 〜c)、(IV)、及び(Va 〜b)における対アニオンXa−としては、例えば、Cl−、Br−、I−、ClO4−、PF6 −、SbF6 −、AsF6 −、及び、BF4 −、BCl4 −等の無機硼酸等の無機酸アニオン、並びに、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、酢酸、及び、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、チエニル、ピロリル等の有機基を有する有機硼酸等の有機酸アニオンを挙げることができる。
【0048】
又、前記一般式(Ia 〜c)、(II)、(IIIa 〜c)、及び(IV)においては、L1、L2、L3、及びL4のポリメチン鎖上に、下記一般式(VI)で表されるバルビツル酸アニオン基又はチオバルビツル酸アニオン基を置換基として有することにより、又は、L1、L2、L3、及びL4のポリメチン鎖中に、下記一般式(VII) で表されるスクエア酸アニオン基又はチオスクエア酸アニオン基、或いは、下記一般式(VIII)で表されるクロコン酸アニオン基又はチオクロコン酸アニオン基を形成することにより、分子内塩を形成していてもよい。
【0049】
【化6】
【0050】
〔式(VI)、(VII) 、及び(VIII)中、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7、及びZ8は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R53及びR54は各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。〕
【0051】
ここで、式(VI)中のR53及びR54がアルキル基、アルコキシ基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜5、アルケニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜5であるが、アルキル基であるのが好ましく、そのアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基等が挙げられる。
【0052】
又、フタロシアニン系色素は、アザポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造を基本構造とするものであり、そのフタロシアニン系色素としては、下記一般式(IX)で表されるものが好ましい。
【0053】
【化7】
【0054】
〔式(IX)中、R21、及びR22は各々独立して、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、チオアリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ハロゲン原子、又は水素原子を示し、Mは、Zn、Cu、Ni、SnCl2 、AlCl、又は水素原子を示し、又、ベンゼン環における隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合環を形成していてもよい。〕
【0055】
ここで、式(IX)中のR21、及びR22がアルコキシ基、チオアルコキシ基、又はアルキルアミノ基であるときの炭素数は通常1〜10、好ましくは1〜4であり、アリールオキシ基、チオアリールオキシ基、又はアリールアミノ基としては、フェノキシ基、チオフェノキシ基、又はフェニルアミノ基等が挙げられ、又、Mとしては、Zn、又はSnCl2であるのが好ましい。
【0056】
以上の前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピリリウム系又はチオピリリウム系等のシアニン系色素、前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素、前記一般式(Va 〜b)で表されるジイミニウム系色素、及び前記一般式(IX)で表されるフタロシアニン系色素の中で、本発明のポジ型感光性組成物においては、前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピリリウム系又はチオピリリウム系等のシアニン系色素、前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素、又は前記一般式(Va 〜b)で表されるジイミニウム系色素が好ましく、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系のシアニン色素が特に好ましい。
【0057】
尚、前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピリリウム系又はチオピリリウム系等のシアニン系色素、前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素、及び前記一般式(Va 〜b)で表されるジイミニウム系色素の各具体例を以下に示す。
【0058】
【化8】
【0059】
【化9】
【0060】
【化10】
【0061】
【化11】
【0062】
【化12】
【0063】
【化13】
【0064】
【化14】
【0065】
【化15】
【0066】
【化16】
【0067】
【化17】
【0068】
【化18】
【0069】
【化19】
【0070】
(ポジ型感光性組成物:波長域350〜430nmの光を効率よく吸収する光吸収色素)
波長域350〜430nmの光を効率よく吸収する光吸収色素としては、ジアルキルアミノベンゼン系化合物、ピロメテン系化合物、トリヒドロキシピリミジン誘導体などが挙げられ、その中でも、ジアルキルアミノベンゼン系化合物のうち、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に置換基として有するジアルキルアミノベンゼン系化合物が好ましい。更には、ベンゼン環上の置換基とアミノ基とで、5又は6員環の含窒素複素環(本発明において複素環とは、広義の複素環を意味し、即ち脂環式化合物を含む)を形成しているジアルキルアミノベンゼン系化合物が好ましい。
好ましいジアルキルアミノベンゼン系化合物としては、下記一般式(VII)で表されるものが挙げられる。
【0071】
【化20】
【0072】
〔式(X)中、R23及びR24は各々独立して、置換されていても良いアルキル基を示し、R25及びR26は各々独立して、(ハロ)アルキル基、又は水素原子を示し、R23とR25、R23とR24及びR24とR26とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。Y3は下記式(Xa)又は(Xb)で表される置換基を表す。〕
【0073】
【化21】
【0074】
〔式中、X1及びX2は各々独立して、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、Arは置換されていても良いアリール基を表す。〕
前記一般式(Xa)又は(Xb)で表される化合物の具体例としては、下記構造の化合物を挙げることができる。
【0075】
【化22】
【0076】
その他の好ましいジアルキルアミノベンゼン系化合物としては、下記一般式(XI)で表されるものが挙げられる。
【0077】
【化23】
【0078】
〔式(XI)中、R27、R28及びR32は各々独立して、置換されていても良いアルキル基を示し、R29、R30及びR31は各々独立して、(ハロ)アルキル基、又は水素原子を示し、R27とR29、R27とR28及びR28とR30とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。〕
【0079】
前記一般式(XI)で表される化合物の具体例としては、下記構造の化合物を挙げることができる。
【0080】
【化24】
【0081】
その他の好ましいジアルキルアミノベンゼン系化合物として、下記一般式(XIa)で表されるジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物が挙げられる。
【0082】
【化25】
【0083】
〔式(XIa)中、R33、R34、R35、及びR36は各々独立して、アルキル基を示し、R37、R38、R39、及びR40は各々独立して、アルキル基、又は水素原子を示し、R33とR34、R35とR36、R33とR37、R34とR38、R35とR39、及びR36とR40とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。〕
【0084】
ここで、式(XIa)中のR33、R34、R35、及びR36のアルキル基の炭素数、並びに、R37、R38、R39、及びR40がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましく、又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましく、6員環が特に好ましい。また該含窒素複素環上に更に(ハロ)アルキル基が置換されていても良い。
【0085】
前記一般式(XIa)で表される化合物の具体例としては、例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、及び、下記構造の化合物が挙げられる。
【0086】
【化26】
【0087】
その他の好ましいジアルキルアミノベンゼン系化合物としては、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に、縮合ベンゼン環を有していても良い窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を含む5又は6員環複素環置換基を有するジアルキルアミノベンゼン系化合物が挙げられ、その中でも特に好ましくは、下記一般式(XIb)及び(XIc)で表される縮合ベンゼン環を有する複素環を有するジアルキルアミノベンゼン系化合物が挙げられる。
【0088】
【化27】
【0089】
〔式(XIb)及び(XIc)中、R41及びR42は各々独立して、アルキル基を示し、R43及びR44は各々独立して、アルキル基、又は水素原子を示し、R41とR42、R41とR43、及びR42とR44とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。Y4は、酸素原子、硫黄原子、ジアルキルメチレン基、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示す。X3は、水酸基又はメルカプト基を示し、X4は、酸素原子、硫黄原子、ジアルキルメチレン基、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示す。複素環に縮合するベンゼン環は置換基を有していてもよい。〕
【0090】
ここで、式(XIb)及び(XIc)中のR41及びR42のアルキル基の炭素数、並びに、R43及びR44がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましく、又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましく、6員環が特に好ましい。又、X4がジアルキルメチレン基であるときのアルキル基の炭素数は1〜6であるのが好ましく、アルキルイミノ基であるときのアルキル基の炭素数は1〜6であるのが好ましい。
【0091】
前記一般式(XIb)又は(XIc)で表される化合物の具体例としては、例えば、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ〔4,5〕ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ〔6,7〕ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾイミダゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾイミダゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)−3,3−ジメチル−3H−インドール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)−3,3−ジメチル−3H−インドール、及び、下記構造の化合物が挙げられる。
【0092】
【化28】
【0093】
又、前記一般式(XIb)及び(XIc)で表される化合物以外の、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジアルキルアミノベンゼン系化合物としては、例えば、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ピリジン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ピリジン、2−(p−ジメチルアミノフェニル)キノリン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)キノリン、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ピリミジン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ピリミジン、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−チアジアゾール等が挙げられる。
【0094】
好ましいピロメテン系化合物としては、特開2000−250206公報に記載のピロメテンボーレート系色素を挙げることができ、下記式(XII)で表されるものが好ましい。
【0095】
【化29】
【0096】
〔式中、R45〜R50は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、芳香族複素環基、又は−SO3 −R52基(R52は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルカリ金属原子又はオニウムイオンを表す。)を表す。R51は、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、X5、X6はそれぞれハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、芳香族複素環基を表す。これらの基は、更に置換されていても良く、例えば縮合ベンゼン環を形成していても良い〕
【0097】
好ましいトリヒドロキシピリミジン誘導体としては、下記式(XIII)で表される化合物が挙げられる。
【0098】
【化30】
【0099】
〔式中、R53及びR54は、それぞれ独立して(アラ)アルキル基を示す。Y5は、置換基されていても良いアリール基を有するメチレン基又はイミノ基を示す。〕
【0100】
前記一般式(XIII)で表される化合物の具体例としては、下記構造の化合物を挙げることができる。
【0101】
【化31】
【0102】
本発明において、前記ポジ型感光性組成物における前記(P−1)成分のアルカリ可溶性樹脂の含有割合は、50〜99重量%であるのが好ましく、60〜98重量%であるのが更に好ましく、70〜97重量%であるのが特に好ましい。又、前記(P−2)成分の光熱変換物質の含有割合は、0.5〜30重量%であるのが好ましく、1〜20重量%であるのが更に好ましく、2〜10重量%であるのが特に好ましい。
【0103】
(ポジ型感光性組成物:その他の添加剤)
又、前記ポジ型感光性組成物には、露光部と非露光部のアルカリ現像液に対する溶解性の差を増大させる目的で、赤外領域の光で分解されない溶解抑止剤(P−3)成分が含有されていてもよく、その溶解抑止剤としては、例えば、特開平10−268512号及び特開平11−288089号各公報に詳細に記載されているスルホン酸エステル類、燐酸エステル類、芳香族カルボン酸エステル類、芳香族ジスルホン類、カルボン酸無水物類、芳香族ケトン類、芳香族アルデヒド類、芳香族アミン類、芳香族エーテル類、トリアリールメタン骨格を有する化合物類等、特開平11−190903号公報に詳細に記載されている、ラクトン骨格、N,N−ジアリールアミド骨格、ジアリールメチルイミノ骨格を有する酸発色性色素類、特開平11−143076号公報に詳細に記載されている、ラクトン骨格、チオラクトン骨格、スルホラクトン骨格を有する塩基発色性色素類等を挙げることができる。
【0104】
本発明において、前記ポジ型感光性組成物における前記(P−3)成分の溶解抑止剤の含有割合は、50重量%以下であるのが好ましく、0.01〜30重量%であるのが更に好ましく、0.1〜20重量%であるのが特に好ましい。
【0105】
又、前記ポジ型感光性組成物には、アンダー現像性の付与等の現像性の改良を目的として、好ましくはpKaが2以上の有機酸又はその有機酸の無水物(P−4)成分が含有されていてもよく、その有機酸又はその無水物としては、例えば、特開昭60−88942号、特開昭63−276048号、特開平2−96754号各公報等に記載されたものが用いられ、具体的には、グリセリン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、プロピルマロン酸、コハク酸、リンゴ酸、メソ酒石酸、グルタル酸、β−メチルグルタル酸、β,β−ジメチルグルタル酸、β−エチルグルタル酸、β,β−ジエチルグルタル酸、β−プロピルグルタル酸、β,β−メチルプロピルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和カルボン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸等の脂肪族不飽和カルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,1−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の炭素環式飽和カルボン酸、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジメチル安息香酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ安息香酸、p−トルイル酸、2−ヒドロキシ−p−トルイル酸、2−ヒドロキシ−m−トルイル酸、2−ヒドロキシ−o−トルイル酸、マンデル酸、没食子酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の炭素環式不飽和カルボン酸、及び、メルドラム酸、アスコルビン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、シクロヘキセンジカルボン酸無水物、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、無水フタル酸等の無水物が挙げられる。
【0106】
本発明において、前記ポジ型感光性組成物における前記(P−4)成分の有機酸又はその無水物の含有割合は、30重量%以下であるのが好ましく、20重量%以下であるのが更に好ましく、10重量%以下であるのが特に好ましい。
【0107】
又、前記ポジ型感光性組成物には、例えば、ビクトリアピュアブルー(42595)、クリスタルバイオレット(42555)、クリスタルバイオレットラクトン、オーラミンO(41000)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック13)、ローダミン6GCP(45160)、ローダミンB(45170)、サフラニンOK70:100(50240)、エリオグラウシンX(42080)、ファーストブラックHB(26150)、No.120/リオノールイエロー(21090)、リオノールイエローGRO(21090)、シムラーファーストイエロー8GF(21105)、ベンジジンイエロー4T−564D(21095)、シムラーファーストレッド4015(12355)、リオノールレッドB4401(15850)、ファーストゲンブルーTGR−L(74160)、リオノールブルーSM(26150)等の顔料又は染料等の着色剤(P−5)成分が含有されていてもよい。尚、ここで、前記の括弧内の数字はカラーインデックス(C.I.)を意味する。
【0108】
本発明において、前記ポジ型感光性組成物における前記(P−5)成分の着色剤の含有割合は、50重量%以下であるのが好ましく、0.5〜30重量%であるのが更に好ましく、2〜20重量%であるのが特に好ましい。
【0109】
又、前記ポジ型感光性組成物には、アルカリ可溶性樹脂が前記フェノール性水酸基含有フェノール樹脂であるとき、露光及び現像後の後加熱により該樹脂を架橋させてポジ画像に耐薬品性、耐刷性等を付与することを目的として、そのフェノール樹脂を架橋させる作用を有する架橋剤(P−6)成分が含有されていてもよく、その架橋剤としては、代表的には、官能基としてメチロール基、それをアルコール縮合変性したアルコキシメチル基、その他、アセトキシメチル基等を少なくとも2個有するアミノ化合物が挙げられ、具体的には、メラミン誘導体、例えば、メトキシメチル化メラミン〔三井サイテック社製、サイメル300シリーズ(1)等〕、ベンゾグアナミン誘導体〔メチル/エチル混合アルコキシ化ベンゾグアナミン樹脂(三井サイテック社製、サイメル1100シリーズ(2)等)〕、グリコールウリル誘導体〔テトラメチロールグリコールウリル樹脂(三井サイテック社製、サイメル1100シリーズ(3)等)〕や、尿素樹脂誘導体、レゾール樹脂等が挙げられる。
【0110】
本発明において、ポジ型感光性組成物における前記(P−6)成分の架橋剤の含有割合は、20重量%以下であるのが好ましく、10重量%以下であるのが更に好ましく、5重量%以下であるのが特に好ましい。
【0111】
又、前記ポジ型感光性組成物には、感度の向上や現像性の改良等を目的として、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性、フッ素系、或いはシリコーン系等の界面活性剤(P−7)成分が含有されていてもよい。
【0112】
そのノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー等のポリエチレングリコール類、ポリエチレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールオレイルエーテル、ポリエチレングリコールベヘニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールデシルテトラデシルエーテル等のポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル類、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ステアリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸ペンタエリスリット、トリステアリン酸ペンタエリスリット、モノオレイン酸ペンタエリスリット、トリオレイン酸ペンタエリスリット等のペンタエリスリット脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、モノラウリン酸ソルビット、テトラステアリン酸ソルビット、ヘキサステアリン酸ソルビット、テトラオレイン酸ソルビット等のソルビット脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ポリエチレングリコールアルキルアミン類、ポリエチレングリコールアルキルアミノエーテル類、ヒマシ油のポリエチレンオキサイド付加物類、ラノリンのポリエチレンオキサイド付加物類等が挙げられる。
【0113】
又、そのアニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類、ラウリルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類、オクチルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルアンモニウム等の高級アルコール硫酸エステル塩類、アセチルアルコール硫酸エステルナトリウム等の脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、ラウリル燐酸ナトリウム、ステアリル燐酸ナトリウム等のアルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテル燐酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル燐酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩類、スルホコハク酸類、不飽和脂肪酸硫酸化油類、タウリン塩類、ヒマシ油硫酸エステル塩類等が挙げられる。
【0114】
又、そのカチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウムクロライド類、同様の第4級アンモニウムサルフェート類、同様の第4級アンモニウムナイトレート類、2−オクタデシル−ヒドロキシエチル−2−イミダゾリン等のイミダゾリン誘導体類、N,N−ジエチル−ステアロアミド−メチルアミン塩酸塩、ポリオキシエチレンステアリルアミン等のアミン塩類等が挙げられる。
【0115】
又、その両性界面活性剤としては、例えば、N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ステアリル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ラウリル−N,N−ジヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ラウリル−N,N,N−トリス(カルボキシメチル)アンモニウム等のベタイン型化合物類、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム塩類、イミダゾリン−N−ナトリウムエチルスルホネート、イミダゾリン−N−ナトリウムエチルスルフェート等のイミダゾリン類、アミノカルボン酸類、アミノ硫酸エステル類等が挙げられる。
【0116】
又、そのフッ素系界面活性剤としては公知のものが使用でき、例えば特開昭54−135004号公報、特開昭59−137943号公報、特開昭57−178242号公報、特開昭61−248054号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭62−226143号公報、特開平3−172849号公報、特開平4−335354号公報に記載のものが挙げられ、市販のものとしては例えば、住友3M社製FC−430、FC−170C、FC−95、秋田化成製EF−122A、EF−122B、EF−351、EF−352、EF−801、EF−802、大日本インキ製F−141、F−191、F−815、F−171、F−177、F−475、旭硝子(株)製S−141、S−145、S−381、S−382、SC−101、SC−105、ダイキン工業(株)製DS−401、DS−403、DS−451等が挙げられる。これらのうち、パーフルオロアルキル基を有するアクリル系オリゴマーが好ましく、フッ素置換基はアクリル系オリゴマーの主鎖に有していてもよいが、アクリル系オリゴマーの側鎖にパーフルオロアルキル基を有するのが好ましい。
【0117】
又、そのシリコーン系界面活性剤としては、公知の種々のものが挙げられる。例えば、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンBYK−301/302、同BYK−307、同BYK−325、同BYK−331、同BYK−333、同BYK−341、同BYK−345、同BYK−346、同BYK−348、同BYK−375(ビックケミー・ジャパン社製)、アロンGS−30(東亜合成社製)、シリコーンL−75、シリコーンL−76、シリコーンL−77、シリコーンL−78、シリコーンL−79、シリコーンL−520及びシリコーンL−530(以上、日本ユニカー社製)、シリコーンF−260及びシリコーンF−239(信越化学社製)等が挙げられる。
【0118】
本発明において、ポジ型感光性組成物における(P−7)成分の界面活性剤の含有割合は、0.001〜20重量%であるのが好ましく、0.002〜10重量%であるのが更に好ましく、0.005〜5重量%であるのが特に好ましい。またこれらの(P−7)成分は2種以上を同時に用いても良い。
【0119】
更に、前記ポジ型感光性組成物には、例えば、塗布性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤、現像性改良剤等の感光性組成物に通常用いられる各種の添加剤が更に20重量%以下、好ましくは10重量%以下の範囲で含有されていてもよい。
【0120】
<化学増幅型ポジ型感光性組成物>
又、本発明の感光性組成物の中で、ポジ型感光性組成物としては更に、下記の(PA−1)及び(PA−2)成分を含有する化学増幅型ポジ型感光性組成物が好ましい。
(PA−1)酸分解性基含有重合体
(PA−2)光酸発生剤
【0121】
(化学増幅型ポジ型感光性組成物:酸分解性基含有重合体)
本発明における化学増幅型ポジ型感光性組成物を構成する(PA−1)成分の酸分解性基含有重合体は、感光性組成物が活性光線の照射を受けたときに、後述する(PA−2)成分の光酸発生剤が生成する酸によって分解し、重合体自体にアルカリ可溶性を付与するような酸分解性基を含有する重合体であれば、特に限定されるものではない。
【0122】
その酸分解性基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜15のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、ジメトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、1−メトキシエトキシ基、1−エトキシエトキシ基、1−プロポキシエトキシ基、1−t−ブトキシエトキシ基、1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−エトキシプロポキシ基等の炭素数2〜15のアルコキシアルコキシ基、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基等の2〜15のアルコキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシメトキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシメトキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシメトキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシメトキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシメトキシ基等の炭素数2〜15のアルコキシカルボニルオキシアルコキシ基等、少なくとも末端にアルコキシ基を有する基が挙げられる。
【0123】
尚、前記酸分解性基を含有する重合体としては、例えば前述の、ノボラック樹脂、レゾール樹脂等のフェノール樹脂、及びポリビニルフェノール樹脂等のフェノール性水酸基含有樹脂のフェノール性水酸基の少なくとも一部をエーテル化或いはエステル化して前記酸分解性基を導入した樹脂、及びカルボキシル基含有ビニル系樹脂のカルボキシル基の少なくとも一部をエステル化して前記酸分解性基を導入した樹脂が好ましいものとして挙げられる。中で、本発明においては、ポリビニルフェノール樹脂又はノボラック樹脂に前記酸分解性基を導入した樹脂が更に好ましく、ポリビニルフェノール樹脂に前記酸分解性基を導入した樹脂が特に好ましい。
【0124】
(化学増幅型ポジ型感光性組成物:光酸発生剤)
又、本発明における化学増幅型ポジ型感光性組成物を構成する(PA−2)成分の光酸発生剤は、感光性組成物が活性光線の照射を受けたときに、酸を生成する化合物であって、例えば、ハロゲン置換アルカン、ハロメチル化s−トリアジン誘導体等のハロゲン含有化合物類、オニウム塩類、及びスルホン化合物類等が好ましいものとして挙げられ、中で、本発明の化学増幅型ポジ型感光性組成物においては、ハロメチル化s−トリアジン誘導体、オニウム塩類、及びスルホン化合物類が特に好ましい。この際、これらの光酸発生剤自体が、照射された活性光線を吸収することにより酸を生成しても良く、あるいは光酸発生剤自体は照射された活性光線を吸収せずに、後述の増感剤(PA−3)成分が活性光線のエネルギーを吸収して得た光励起エネルギーを受け取ることにより酸を生成しても良い。
【0125】
ここで、そのハロゲン含有化合物類の中でハロゲン置換アルカンとしては、具体的には、例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン等が挙げられる。
【0126】
又、そのハロゲン含有化合物類の中でハロメチル化s−トリアジン誘導体としては、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられ、中で、ビス(トリハロメチル)−s−トリアジンが好ましく、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が特に好ましい。
【0127】
又、そのオニウム塩類としては、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド等のアンモニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ジシクロヘキシルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジシクロヘキシルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジシクロヘキシルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジシクロヘキシルヨードニウムカンファースルホネート等のヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリシクロヘキシルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリシクロヘキシルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリシクロヘキシルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリシクロヘキシルスルホニウムカンファースルホネート等のスルホニウム塩等が挙げられる。
【0128】
又、スルホン化合物類としては、具体的には、例えば、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)メタン、ビス(p−メトキシフェニルスルホニル)メタン、ビス(α−ナフチルスルホニル)メタン、ビス(β−ナフチルスルホニル)メタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)メタン、ビス(t−ブチルスルホニル)メタン、フェニルスルホニル(シクロヘキシルスルホニル)メタン等のビス(スルホニル)メタン化合物、フェニルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、ナフチルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(ナフチルスルホニル)メタン、シクロヘキシルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、t−ブチルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(シクロヘキシルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(t−ブチルカルボニル)メタン等のカルボニル(スルホニル)メタン化合物、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(α−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(β−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(スルホニル)ジアゾメタン化合物、フェニルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ナフチルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、t−ブチルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(t−ブチルカルボニル)ジアゾメタン等のカルボニル(スルホニル)ジアゾメタン化合物、メタンスルホン酸マレイミジル、トリフルオロメタンスルホン酸マレイミジル、エタンスルホン酸マレイミジル、ベンゼンスルホン酸マレイミジル、p−トルエンスルホン酸マレイミジル、メタンスルホン酸1,2−フタルイミジル、トリフルオロメタンスルホン酸1,2−フタルイミジル、エタンスルホン酸1,2−フタルイミジル、ベンゼンスルホン酸1,2−フタルイミジル、p−トルエンスルホン酸1,2−フタルイミジル、メタンスルホン酸2,3−ナフタルイミジル、トリフルオロメタンスルホン酸2,3−ナフタルイミジル、エタンスルホン酸2,3−ナフタルイミジル、ベンゼンスルホン酸2,3−ナフタルイミジル、p−トルエンスルホン酸2,3−ナフタルイミジルメタンスルホン酸1,8−ナフタルイミジル、トリフルオロメタンスルホン酸1,8−ナフタルイミジル、エタンスルホン酸1,8−ナフタルイミジル、ベンゼンスルホン酸1,8−ナフタルイミジル、p−トルエンスルホン酸1,8−ナフタルイミジル、等のスルホン酸のイミジルエステル等が挙げられ、中でもスルホン酸のイミジルエステルが好ましい。
【0129】
本発明において、前記化学増幅型ポジ型感光性組成物における前記(PA−1)成分の酸分解性基含有重合体、及び前記(PA−2)成分の光酸発生剤の各含有割合は、(PA−1)成分の酸分解性基含有重合体100重量部に対して、(PA−2)成分の光酸発生剤は、1〜50重量部であるのが好ましく、2〜30重量部であるのが更に好ましい。
【0130】
(化学増幅型ポジ型感光性組成物:増感剤)
又、前記化学増幅型ポジ型感光性組成物は、感光性組成物層としての感度等の向上を目的として、増感剤(PA−3)成分を含有するのが好ましく、350〜1,300nmの波長域、特に波長350〜430nmの青紫外領域、あるいは波長650〜1,300nmの近赤外領域の光を効率よく吸収すると共に、その光励起エネルギーを前述の(PA−2)成分の光酸発生剤に伝えて、該光酸発生剤を分解させる増感機能を有する光吸収色素が好ましい。
【0131】
その光吸収色素の中で、波長650〜1,300nmの近赤外領域の光吸収色素としては、前記ポジ型感光性組成物を構成する(P−2)成分の光熱変換物質において挙げたと同様の光吸収色素が挙げられ、それらの中で、本発明においては、前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピリリウム系又はチオピリリウム系等のシアニン系色素、前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素、又は前記一般式(IX)表されるフタロシアニン系色素が好ましく、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系のシアニン色素、前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素が特に好ましい。
【0132】
又、波長350〜430nmの青紫外領域の光吸収色素としては、前記ポジ型感光性組成物を構成する(P−2)成分の光熱変換物質において挙げたと同様の光吸収色素が挙げられ、ジアルキルアミノベンゼン系化合物、ピロメテン系化合物が好ましく、その中でも、ジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物、及び、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジアルキルアミノベンゼン系化合物が好ましい。
【0133】
該増感剤(PA−3)の含有割合は、前記(PA−1)成分の酸分解性基含有重合体100重量部に対して、1〜30重量部であるのが好ましく、5〜20重量部であるのが更に好ましい。
【0134】
(化学増幅型ポジ型感光性組成物:その他の添加剤)
又、前記化学増幅型ポジ型感光性組成物は、基板上への感光性レジスト材層形成時の塗布性、及び感光性レジスト材層の現像性等の向上を目的として、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性、及び弗素系等の界面活性剤(PA−4)成分を含有していてもよく、その界面活性剤としては、前記ポジ型感光性組成物の(P−7)成分の界面活性剤として挙げたと同様のものを挙げることができ、その含有割合は、前記(PA−1)成分の酸分解性基含有重合体100重量部に対して、0.1〜10重量部であるのが好ましく、1〜5重量部であるのが更に好ましい。
【0135】
又、本発明における前記化学増幅型ポジ型感光性組成物は、更に、各種添加剤、例えば、有機又は無機の染顔料からなる着色剤、塗布性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤等を、前記(PA−1)成分の酸分解性基含有重合体100重量部に対して10重量部以下の範囲で含有していてもよい。
【0136】
<o−キノンジアジド系化合物を含有するポジ型感光性組成物>
又、本発明の感光性組成物の中で、ポジ型感光性組成物としては更に、o−キノンジアジド系化合物を含有するポジ型感光性組成物が好ましい。
【0137】
本発明のo−キノンジアジド系化合物を含有するポジ型感光性組成物としては、アルカリ可溶性樹脂及びo−キノンジアジド系化合物を含有するポジ型感光性組成物が挙げられ、そのアルカリ可溶性樹脂としては、前述したアルカリ可溶性樹脂の中で、フェノール性水酸基含有樹脂が好ましく、就中、ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、及び有機基で保護されているフェノール性水酸基を有するポリスチレン骨格の構成単位aと、フェノール性水酸基を有するポリスチレン骨格の構成単位bの両者を含有する樹脂が好ましい。
【0138】
またo−キノンジアジド系化合物としては、例えば、o−キノンジアジド化合物と、フェノール類及びアルデヒド類またはケトン類の重縮合樹脂とのエステル化合物が好ましい。
そのo−キノンジアジド化合物としては、o−キノンジアジドスルホン酸ハライドが好ましく、中でも、1,2−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリドが特に好ましい。
又、そのフェノール類及びアルデヒドまたはケトンの重縮合樹脂としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,5−キシレノール、カルバクロール、チモール等の一価フェノール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン等の二価フェノール、ピロガロール、フロログルシン等の三価フェノール等と、ホルムアルデヒド、ベンゾアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、フラフラール等のアルデヒド類。またはアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類との重縮合樹脂が挙げられ、これらのうち、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、m−、p−混合クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ベンズアルデヒド樹脂、ピロガロール・アセトン樹脂等が好ましい。かかる重縮合樹脂の分子量(Mw)は好ましくは1000〜10000、特に好ましくは1500〜5000である。
【0139】
本発明のo−キノンジアジド系化合物は、前記o−キノンジアジド化合物と前記フェノール類及びアルデヒド類またはケトン類の重縮合樹脂を定法により縮合して、エステル化合物とするが、そのエステル化合物中の、フェノール類のOH基に対するo−キノンジアジドスルホン酸の縮合率(OH基1個に対する反応率)は、5〜80%が好ましく、より好ましいのは10〜45%である。
上記o−キノンジアジド系化合物のうち、1,2−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリドをピロガロール・アセトン樹脂と反応させて得られるo−キノンジアジド化合物が特に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂100重量部に対するo−キノンジアジド系化合物の割合は通常、3〜60重量部、好ましくは5〜50重量部である。
【0140】
又、本発明のo−キノンジアジド系化合物を含有するポジ型感光性組成物は、前記成分の外に、増感剤として前述した(P−2)成分の光熱変換物質、(P−3)成分の溶解抑止剤、(P−4)成分の現像改良剤、(P−7)成分の界面活性剤等を、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して20重量部以下の範囲で含有していても良く、それらの好ましいものとしては、前述のポジ型感光性組成物と同様のものである。また更に、有機又は無機の染顔料からなる着色剤、塗布性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤等を、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して20重量部以下の範囲で含有していてもよい。
【0141】
<ネガ型感光性組成物>
又、本発明における感光性組成物の中で、ネガ型感光性組成物としては、下記の(N−1)成分、(N−2)成分、(N−3)成分、及び(N−4)成分を含有する光重合性の組成物が好ましい。
(N−1)アルカリ可溶性樹脂
(N−2)エチレン性不飽和化合物
(N−3)増感剤
(N−4)光重合開始剤
【0142】
(ネガ型感光性組成物:アルカリ可溶性樹脂)
本発明において、前記ネガ型感光性組成物を構成する(N−1)成分のアルカリ可溶性樹脂としては、前述したアルカリ可溶性樹脂の中で、カルボキシル基含有ビニル系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂が好ましく、就中、側鎖にエチレン性不飽和結合を有するものが好ましい。
【0143】
(ネガ型感光性組成物:エチレン性不飽和化合物)
本発明において、前記ネガ型感光性組成物を構成する(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物は、組成物が活性光線の照射を受けたときに、後述する(N−4)成分の光重合開始剤を含む光重合開始系の作用により付加重合し、場合により架橋、硬化するようなラジカル重合性のエチレン性不飽和結合を分子内に少なくとも1個有する化合物である。
【0144】
ここで、エチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和結合を分子内に1個有する化合物、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸、及びそのアルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン等、であってもよいが、重合性、架橋性、及びそれに伴う露光部と非露光部の現像液溶解性の差異を拡大できる等の点から、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物であるのが好ましく、又、その不飽和結合が(メタ)アクリロイルオキシ基に由来するアクリレート化合物が特に好ましい。
【0145】
エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物としては、代表的には、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、及びヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類、等が挙げられる。
【0146】
その不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類としては、具体的には、例えば、前記の如き不飽和カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ノナメチレングリコール、トリメチロールエタン、テトラメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、及びそれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の脂肪族ポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等、及び同様のクロトネート、イソクロトネート、マレエート、イタコネート、シトラコネート等が挙げられる。
【0147】
更に、その不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類として、前記の如き不飽和カルボン酸と、ヒドロキノン、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノールF、ビスフェノールA等の芳香族ポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、ヒドロキノンジ(メタ)アクリレート、レゾルシンジ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリ(メタ)アクリレート等、又、前記の如き不飽和カルボン酸と、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等、又、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸とポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸とフタル酸とエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とマレイン酸とジエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とテレフタル酸とペンタエリスリトールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とアジピン酸とブタンジオールとグリセリンとの縮合物等が挙げられる。
【0148】
又、その(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチレングリコールホスフェート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いられても混合物として用いられてもよい。
【0149】
又、そのウレタン(メタ)アクリレート類としては、具体的には、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、リジンメチルエステルトリイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、1,6,11−ウンデカトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン等の脂肪族ポリイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の芳香族ポリイソシアネート、イソシアヌレート等の複素環式ポリイソシアネート、等のポリイソシアネート化合物との反応物等が挙げられる。
【0150】
又、そのエポキシ(メタ)アクリレート類としては、アルカリ可溶性樹脂として前述したエポキシアクリレート樹脂とは異なる化合物であって、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、又は前記の如きヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、(ポリ)エチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ペンタメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ヘキサメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ソルビトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族ポリエポキシ化合物、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリエポキシ化合物、等のポリエポキシ化合物との反応物等が挙げられる。
【0151】
又、その他のエチレン性不飽和化合物として、前記以外に、例えば、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエステル類、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物類等が挙げられる。以上のエチレン性不飽和化合物は、それぞれ単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
【0152】
以上の(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物として、本発明のネガ型感光性組成物においては、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、又はウレタン(メタ)アクリレート類が好ましく、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、又はウレタン(メタ)アクリレート類が特に好ましい。
【0153】
(ネガ型感光性組成物:増感剤)
又、前記ネガ型感光性組成物を構成する(N−3)成分の増感剤は、350〜1,300nmの波長域、特に波長350〜430nmの青紫外領域、あるいは波長650〜1,300nmの近赤外領域の光を効率よく吸収すると共に、その光励起エネルギーを後述する(N−4)成分の光重合開始剤に伝え、(N−2)成分の前記エチレン性不飽和化合物の重合を誘起する活性ラジカルを発生させる増感機能を有する光吸収色素が好ましい。
【0154】
その光吸収色素の中で、波長650〜1,300nmの近赤外領域の光吸収色素としては、前記ポジ型感光性組成物を構成する(P−2)成分の光熱変換物質において挙げたと同様の光吸収色素が挙げられ、それらの中で、本発明のネガ型感光性組成物においては、前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピリリウム系又はチオピリリウム系等のシアニン系色素、前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素、又は前記一般式(IX)表されるフタロシアニン系色素が好ましく、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系のシアニン色素、前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素が特に好ましい。
【0155】
又、波長350〜430nmの青紫外領域の光吸収色素としては、前記ポジ型感光性組成物を構成する(P−2)成分の光熱変換物質において挙げたと同様の光吸収色素が挙げられ、ジアルキルアミノベンゼン系化合物、ピロメテン系化合物が好ましく、その中でも、ジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物、及び、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジアルキルアミノベンゼン系化合物が好ましい。更には、ベンゼン環上の置換基とアミノ基とで、5又は6員環の含窒素複素環を形成しているジアルキルアミノベンゼン系化合物が好ましい。
【0156】
更に、増感剤としては、例えば、米国特許第3479185号明細書に開示されるロイコクリスタルバイオレットやロイコマラカイトグリーン等のトリフェニルメタン系ロイコ色素類、エリスロシンやエオシンY等の光還元性染料類、米国特許第3844790号明細書に開示されるβ−ジケトン類、米国特許第4162162号明細書に開示されるインダノン類、特開平6−301208号、特開平8−129258号、特開平8−129259号、特開平8−146605号、特開平8−211605号各公報に開示されるクマリン系色素類、特開昭52−112681号公報に開示されるケトクマリン系色素類、等の化合物が挙げられる。
【0157】
(ネガ型感光性組成物:光重合開始剤)
又、前記ネガ型感光性組成物を構成する(N−4)成分の光重合開始剤は、組成物が(N−3)成分の前記増感剤等との共存下で光照射されたときに、活性ラジカルを発生するラジカル発生剤であって、代表的には、ハロメチル化s−トリアジン誘導体類、ハロメチル化1,3,4−オキサジアゾール誘導体類、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体類、チタノセン誘導体類、有機硼素酸塩類、ジアリールヨードニウム塩類、カルボニル化合物類、及び有機過酸化物類等が挙げられ、本発明においては、ハロメチル化s−トリアジン誘導体類、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体類、チタノセン誘導体類、又は有機硼素酸塩類が好ましい。
【0158】
ここで、そのハロメチル化s−トリアジン誘導体類としては、少なくとも1つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合した誘導体が好ましく、ビス(トリハロメチル)−s−トリアジンが特に好ましく、具体的には、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられ、中で、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が好ましい。
【0159】
又、そのハロメチル化1,3,4−オキサジアゾール誘導体類としては、具体的には、例えば、2−(p−メトキシフェニル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、2−(p−メトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、2−(o−ベンゾフリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、2−〔β−(o−ベンゾフリル)ビニル〕−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
【0160】
又、そのヘキサアリールビイミダゾール誘導体類としては、具体的には、例えば、2,2’−ビス(o−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(p−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メチルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m,m−ジメトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロ−p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−フルオロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジブロモフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ヨードフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o−クロロ−p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロナフチル)ビイミダゾール等が挙げられ、中で、ヘキサフェニルビイミダゾール誘導体が好ましく、そのイミダゾール環上の2,2’−位に結合したベンゼン環のo−位がハロゲン原子で置換されたものが好ましく、そのイミダゾール環上の4,4’,5,5’−位のベンゼン環が無置換、又は、ハロゲン原子或いはアルコキシカルボニル基で置換されたものが特に好ましい。また高濃度の感光液を調製しようとする際には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールであって、結晶化方法を調整することにより合成可能な、通常品とは異なる結晶性を有し、低融点であり且つ溶解性の良好な結晶を用いることが出来る。
【0161】
又、そのチタノセン誘導体類としては、具体的には、例えば、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド、ジシクロペンタジエニルチタニウムビスフェニル、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4−ジフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,6−ジフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,4−ジフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,6−ジフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス〔2,6−ジフルオロ−3−(1−ピロリル)フェニル〕等が挙げら、中で、ジシクロペンタジエニル構造とビフェニル構造を有する誘導体類が好ましく、ビフェニル環のo−位がハロゲン原子で置換されたものが特に好ましい。
【0162】
又、その有機硼素酸塩類としては、特に、下記一般式(XIV)で表されるものが好ましい。
【0163】
【化32】
【0164】
〔式(XIV)中、R55、R56、R57、及びR58は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は複素環基を示し、これらは互いに連結して環状構造を形成していてもよく、これらのうち少なくとも一つは置換基を有していてもよいアルキル基である。Xb+は対カチオンである。〕
【0165】
ここで、式(XIV)中のR55、R56、R57、及びR58がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜5、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜5、アリール基であるときの炭素数は通常6〜20、好ましくは6〜15、複素環基であるときの炭素数は通常4〜20、好ましくは4〜15であり、それらにおける置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリメチルシリル基等が挙げられる。
【0166】
これらの式(XIV)で表される有機硼素酸塩の有機硼素アニオンとしては、具体的には、例えば、n−ブチル−メチル−ジフェニル硼素アニオン、n−ブチル−トリフェニル硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−メトキシフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−フルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(m−フルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(3−フルオロ−4−メチルフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,6−ジフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,4,6−トリフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−クロロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(トリフルオロメチル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,6−ジフルオロ−3−ピロリルフェニル)−硼素アニオン等が挙げられる。
【0167】
又、式(XIV)で表される有機硼素酸塩の対カチオンXb+としては、例えば、アルカリ金属カチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン等のオニウム化合物、及び、ピリリウムカチオン、チアピリリウムカチオン、インドリウムカチオン等を挙げることができるが、テトラアルキルアンモニウム等の有機アンモニウムカチオンが好ましい。又、本発明において、(N−4)成分の光重合開始剤としての有機硼素酸塩類を感光性組成物中に存在させる方法として、前記有機硼素酸塩類の有機硼素アニオンと適宜選択した対カチオンとの塩を配合する通常の方法の他、前記有機硼素酸塩類の有機硼素アニオンと(N−3)成分の前記増感剤の色素カチオンとで形成された塩を配合する方法も採ることができる。
【0168】
本発明において、前記ネガ型感光性組成物における前記(N−1)成分のアルカリ可溶性樹脂、前記(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物、前記(N−3)成分の増感剤、及び前記(N−4)成分の光重合開始剤の各含有割合は、(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物100重量部に対して、(N−1)成分のアルカリ可溶性樹脂は、10〜400重量部であるのが好ましく、20〜200重量部であるのが更に好ましい。又、(N−3)成分の増感剤は、0.01〜20重量部であるのが好ましく、0.05〜10重量部であるのが更に好ましい。又、(N−4)成分の光重合開始剤は、0.1〜80重量部であるのが好ましく、0.5〜60重量部であるのが更に好ましい。
【0169】
(ネガ型感光性組成物:水素供与性化合物)
又、前記ネガ型感光性組成物には、光重合開始能力の向上を目的として、水素供与性化合物(N−5)成分が含有されていてもよく、その水素供与性化合物としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン、ヘキサンジチオール等の含硫黄化合物類、N,N−ジアルキルアミノ安息香酸、N−フェニルグリシン、及びフェニルアラニン等の芳香族環を有するアミノ酸、それらのエステル誘導体、又はそれらのアンモニウムやナトリウム塩等の塩、等が挙げられる。中で、本発明においては、含硫黄化合物類、及び、N−フェニルグリシン、又はそのエステル誘導体、又はそのアンモニウムやナトリウム塩等の塩が好ましい。
【0170】
本発明において、前記ネガ型感光性組成物における前記(N−5)成分の水素供与性化合物の含有割合は、前記(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物100重量部に対して、0.1〜50重量部であるのが好ましく、0.5〜30重量部であるのが更に好ましい。
【0171】
(ネガ型感光性組成物:アミン化合物)
又、前記ネガ型感光性組成物には、感光性組成物に保存安定性を付与することを目的として、アミン化合物(N−6)成分が含有されていてもよく、そのアミン化合物としては、脂肪族、脂環式、又は芳香族アミンのいずれでもよく、又、モノアミンに限定されず、ジアミン、トリアミン等のポリアミンであってもよく、又、第1アミン、第2アミン、第3アミンのいずれであってもよいが、pKbが7以下であるものが好ましい。
【0172】
そのアミン化合物としては、具体的には、例えば、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、アミルアミン、ジアミルアミン、トリアミルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、トリエタノールアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、トリベンジルアミン等の、水酸基又はフェニル基で置換されていてもよい脂肪族アミンが挙げられる。中で、本発明においては、トリベンジルアミンが好ましい。
【0173】
本発明において、前記ネガ型感光性組成物における前記(N−6)成分のアミン化合物の含有割合は、前記(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物100重量部に対して、0.1〜20重量部であるのが好ましく、0.5〜10重量部であるのが更に好ましい。
【0174】
(ネガ型感光性組成物:界面活性剤)
又、前記ネガ型感光性組成物は、塗布性或いは現像性等の向上を目的として、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性、及び弗素系等の界面活性剤(N−7)成分を含有していてもよく、その界面活性剤としては、前記ポジ型感光性組成物の(P−7)成分の界面活性剤として挙げたと同様のものを挙げることができ、その含有割合は、前記(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物100重量部に対して、0.1〜10重量部であるのが好ましく、2〜5重量部であるのが更に好ましい。
【0175】
(ネガ型感光性組成物:その他の添加剤)
又、前記ネガ型感光性組成物には、更に、各種添加剤、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の熱重合防止剤が、前記(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物100重量部に対して2重量部以下、有機又は無機の染顔料からなる着色剤が同じく20重量部以下、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤が同じく40重量部以下、色素前駆体が同じく30重量部以下、の割合で含有されていてもよい。
【0176】
(ネガ型感光性組成物:酸素遮断層)
尚、本発明において、ネガ型感光性組成物層を有する画像形成材においては、支持体表面に形成された感光性組成物の感光性層上に、光重合性の組成物の酸素による重合禁止作用を防止するための酸素遮断層が形成されていてもよい。
【0177】
その酸素遮断層を構成するものとしては、水、又は、水と、メタノール、エタノール、プロパノール、イソノニルアルコール等のアルコールやテトラヒドロフラン等の水混和性有機溶剤との混合溶剤に可溶の水溶性高分子であって、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、及びその部分アセタール化物、4級アンモニウム塩等によるそのカチオン変性物、スルホン酸ナトリウム等によるそのアニオン変性物等の誘導体、ポリピニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
【0178】
それらの中で、酸素遮断性等の面からポリビニルアルコール及びその誘導体が好ましく、又、その鹸化度が、70モル%以上、更には80モル%以上で、その重量平均分子量が、0.2〜50万、更には0.4〜10万であるものが好ましい。
【0179】
又、その酸素遮断層としては、ポリビニルアルコール及びその誘導体の含有割合が30重量%以上であるのが好ましく、40〜100重量%であるのが更に好ましい。又、感光性層との密着性等の面から、ポリビニルピロリドンやビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体等のビニルピロリドン系重合体、アクリル系重合体エマルジョン、ジイソシアネート化合物、p−トルエンスルホン酸、ヒドロキシ酢酸等を含有するのが好ましく、それらの中でビニルピロリドン系重合体が好ましく、本発明における酸素遮断層としては、ビニルピロリドン系重合体の含有割合が0.1〜70重量%であるのが好ましく、5〜60重量%であるのが更に好ましい。
【0180】
更に又、酸素遮断層としては保存性付与等の面から、琥珀酸等の有機酸やエチレンジアミンテトラ酢酸等の有機酸塩等を含有するのが好ましく、又、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のノニオン性、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性等の界面活性剤、消泡剤、色素、可塑剤、pH調整剤等を含有していてもよく、それらの合計含有割合は、10重量%以下であるのが好ましく、5重量%以下であるのが更に好ましい。
【0181】
前記酸素遮断層は、水又は水と水混和性有機溶剤との混合溶剤の溶液として、前述の感光性層と同様の塗布法によって形成され、その塗布量は、乾燥膜厚として、1〜10g/m2 の範囲とするのが好ましく、1.5〜7g/m2 の範囲とするのが更に好ましい。
【0182】
(ネガ型感光性組成物:ドライフィルムレジスト材)
又、本発明のネガ型感光性組成物を、所謂ドライフィルムレジスト材として使用する場合には、前記各成分を後述の溶剤に溶解或いは分散させた塗布液について、仮支持フィルム上に塗布し乾燥させ、該ネガ型感光性組成物層表面を被覆フィルムで覆うことにより、所謂ドライフィルムレジスト材としての画像形成材とすることが出来る。該ドライフィルムレジスト材について、その被覆フィルムを剥離して、画像形成を行なおうとする支持体(前記支持体)上に積層した後、後述するレーザー露光を行ない、次いで仮支持フィルムを剥離した後、後述する現像処理を行なうことにより、画像形成を行なうことが出来る。
【0183】
その仮支持フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の従来公知のフィルムが用いられる。
【0184】
又、その被覆フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム等の従来公知のフィルムが用いられる。
【0185】
また支持体への積層方法としては、通常のドライフィルムレジスト材の場合に行われるように、加熱、加圧等して積層することが出来る。
【0186】
(ネガ型感光性組成物:青紫色レーザー用ネガ型感光性組成物)
又、本発明のネガ型感光性組成物のうち青紫色レーザー用ネガ型感光性組成物については、後述するような画像形成材とした場合に、その感光性組成物層の上に保護層を有する場合、波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410〕が200μJ/cm2以下であることが必須であり、100μJ/cm2以下であるのが好ましく、50μJ/cm2以下であるのが更に好ましい。この最小露光量〔S410〕が前記範囲超過では、レーザー光源の露光強度にもよるが、露光時間が長くなって実用性が低下することとなる。
【0187】
又、その感光性組成物層の上に保護層を有さない場合、波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410〕が10,000μJ/cm2以下であることが必須であり、5,000μJ/cm2以下であるのが好ましく、2,000μJ/cm2以下であるのが更に好ましい。この最小露光量〔S410〕が前記範囲超過では、レーザー光源の露光強度にもよるが、露光時間が長くなって実用性が低下することとなる。
又、ドライフィルムレジスト材として使用する場合、波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410〕が50mJ/cm2以下であることが実用上好ましく、40mJ/cm2以下であるのが更に好ましく、30mJ/cm2以下であるのが特に好ましい。この最小露光量〔S410〕が前記範囲超過では、レーザー光源の露光強度にもよるが、露光時間が長くなって実用性が低下することとなる。
【0188】
尚、この最小露光量〔S410〕の下限は小さい程好ましいが、いずれの場合であっても、通常1μJ/cm2以上であり、実用的には2.5μJ/cm2以上である。
【0189】
又、本発明の青紫色レーザー用ネガ型感光性組成物層を有する画像形成材における感光性組成物層は、前記〔S410〕 の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450(μJ/cm2)〕に対する比〔S410/S450〕が0.1以下であることが必須であり、0.05以下であるのが好ましい。この比〔S410/S450〕が前記範囲超過では、青紫色レーザー感光性と黄色灯下でのセーフライト性を両立させることが困難となる。
【0190】
又、本発明の青紫色レーザー用ネガ型感光性組成物層を有する画像形成材における感光性組成物層は、波長450nm超過650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量〔S450−650(μJ/cm2)〕の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450(μJ/cm2)〕に対する比〔S450−650/S450〕が1超過であるのが好ましい。この比〔S450−650/S450〕が前記範囲未満では、青紫色レーザー感光性と黄色灯下でのセーフライト性を両立させることが困難な傾向となる。
【0191】
尚、前記波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410〕、波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450〕、及び、波長450nm超過650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量〔S450−650〕は、後述する分光感度測定装置を用いての分光感度の極大ピークの測定において、得られる画像高さから算出される画像形成可能な露光エネルギーとして求められ、その際の、現像液の種類、現像温度、現像時間等の現像条件を変化させて決定される最適現像条件で画像を形成し得る最小露光量を意味し、その最適現像条件としては、通常、pH9〜14のアルカリ現像液に温度25℃で0.5〜3分浸漬する条件が採られる。
【0192】
<画像形成材>
本発明において、前記ポジ型或いはネガ型感光性組成物は、通常、前記各成分を適当な溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として、支持体上に塗布した後、加熱、乾燥させることにより、支持体上に記感光性組成物からなる近赤外又は青紫色レーザー感光性レジスト材層を有する画像形成材とされる。
【0193】
(画像形成材:溶剤)
その溶剤としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものであれば特に制限はないが、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等の プロピレングリコール系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチル アセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶剤、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶剤、或いはこれらの混合溶剤、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等が挙げられる。溶剤の使用割合は、感光性組成物の総量に対して、通常、重量比で1〜40倍程度の範囲である。
【0194】
(画像形成材:塗布方法)
又、その塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、及びカーテン塗布等を用いることができる。塗布量は用途により異なるが、乾燥膜厚として、通常、0.3〜10μm、好ましくは0.5〜9μm、特に好ましくは1〜8μmの範囲であり、前述のネガ型感光性組成物をドライフィルムレジスト材として使用する場合には、乾燥膜厚として、画像形成及びそれに引き続くエッチングやメッキ等の加工性等の面から、通常10μm以上であるのが好ましく、15μm以上であるのが更に好ましく、又、感度等の面から、200μm以下が好ましく、100μm以下であるのが更に好ましい。
【0195】
(画像形成材:乾燥方法)
また、感光性組成物の乾燥方法としては、特に限定されないが、塗布後常温にて保持する方法、加熱オーブンにより加熱する方法、あるいは光強度密度100W/cm2以下の近赤外光を0.1秒以上照射して感光性層を熱乾燥させる方法などが挙げられる。常温にて保持する方法としては、通常10〜35℃、好ましくは15〜30℃の温度において、5分以上、好ましくは10分以上、且つ180分以内で行われるのが好ましい。また加熱オーブンにより加熱する方法としては、通常40〜130℃、好ましくは50〜120℃の温度において、5秒以上、好ましくは20秒以上、且つ好ましくは60分以内、更に好ましくは30分以内で行われるのがよい。光強度密度100W/cm2以下の近赤外光を0.1秒以上照射して感光性層を熱乾燥させる方法においては、近赤外光は少なくとも700〜1,300nmの発光波長を有し、光強度密度は、好ましくは50W/cm2以下、更に好ましくは10W/cm2以下である限り、各種の光源を使用することが出来る。好ましい光源としては、ハロゲンランプ、キセノンランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、タングステンランプ等のランプ光源、半導体レーザー、YAGレーザー等のレーザー光源を挙げることが出来る。上記の光源の中では、特に、近赤外光の発光効果に優れるハロゲンランプが好ましく、更には、1,200nmに発光ピークを有するハロゲンランプが好ましい、また、これらの光源は必要に応じ、UV−可視光領域をフィルターにより遮光することが出来る。
【0196】
<画像形成方法>
そして、前記感光性組成物からなる感光性層を支持体表面に有する画像形成材の該感光性層を、レーザー光源により走査露光した後、アルカリ現像液で現像処理することにより画像を現出させることが出来る。
【0197】
(画像形成方法:レーザー露光)
ここで、レーザー露光光源としては、例えば、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等が挙げられるが、特に、波長域350〜430nmの青紫外領域のレーザー光を発生する光源、又は、波長域650〜1,300nmの近赤外領域のレーザー光を発生する光源が好ましく、特に限定されるものではないが、具体的には、前者波長域においては405nmを発振する窒化インジウムガリウム半導体レーザー、後者波長域においては830nmを発振する半導体レーザー、1064nmを発振するYAGレーザー等が挙げられる。
【0198】
又、その走査露光方法も、特に限定されるものではないが、例えば、平面走査露光方式、外面ドラム走査露光方式、内面ドラム走査露光方式等が挙げられ、レーザーの出力光強度を、前者波長域においては通常1〜100mW、好ましくは3〜70mW、後者波長域においては通常0.1〜100W、好ましくは0.5〜70Wとし、ビームスポット径を、前者波長域及び後者波長域共、通常2〜30μm、好ましくは4〜20μmとし、走査速度を、前者波長域においては通常50〜500m/秒、好ましくは100〜400m/秒、後者波長域においては通常0.1〜500m/秒、好ましくは0.3〜400m/秒として、感光性層上でのレーザー露光量が、前者波長域においては通常1〜50mJ/cm2 以下、好ましくは5〜40mJ/cm2 以下となるように、後者波長域においては通常1〜500mJ/cm2 以下、好ましくは5〜400mJ/cm2 以下となるようにして走査露光する。
【0199】
(画像形成方法:現像)
又、前記レーザー走査露光後の現像処理は、アルカリ現像液を用いてなされ、そのアルカリ現像液としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等の無機アルカリ塩、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機アミン化合物の0.1〜5重量%程度の水溶液からなる現像液が用いられる。
【0200】
中で、特にアルカリ現像液としては、無機アルカリ塩である珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等のアルカリ金属の珪酸塩が好ましく、そのアルカリ金属の珪酸塩が、二酸化珪素としての含有量で0.1〜5重量%であり、且つ、アルカリ金属のモル濃度(〔M〕)に対する二酸化珪素のモル濃度(〔SiO2 〕)の比(〔SiO2 〕/〔M〕)で0.1〜1.5であるのが好ましく、二酸化珪素としての含有量で0.2〜3重量%であり、且つ、アルカリ金属のモル濃度に対する二酸化珪素のモル濃度の比で0.2〜1.0であるのが特に好ましい。
【0201】
又、前記アルカリ現像液には、現像条件の幅を安定して広げ得る等の点から、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、或いは両性の界面活性剤を含有させるのが好ましい。
【0202】
ここで、そのノニオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー等のポリエチレングリコール類、ポリエチレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールオレイルエーテル、ポリエチレングリコールベヘニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールデシルテトラデシルエーテル等のポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル類、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ステアリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸ペンタエリスリット、トリステアリン酸ペンタエリスリット、モノオレイン酸ペンタエリスリット、トリオレイン酸ペンタエリスリット等のペンタエリスリット脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、モノラウリン酸ソルビット、テトラステアリン酸ソルビット、ヘキサステアリン酸ソルビット、テトラオレイン酸ソルビット等のソルビット脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ポリエチレングリコールアルキルアミン類、ポリエチレングリコールアルキルアミノエーテル類、ヒマシ油のポリエチレンオキサイド付加物類、ラノリンのポリエチレンオキサイド付加物類等を挙げることができる。中で、アルコール類、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル類が好ましい。
【0203】
又、そのアニオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類、ラウリルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類、オクチルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルアンモニウム等の高級アルコール硫酸エステル塩類、アセチルアルコール硫酸エステルナトリウム等の脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、ラウリル燐酸ナトリウム、ステアリル燐酸ナトリウム等のアルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテル燐酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル燐酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩類、スルホコハク酸類、不飽和脂肪酸硫酸化油類、タウリン塩類、ヒマシ油硫酸エステル塩類等を挙げることができる。中で、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル燐酸エステル塩類が好ましい。
【0204】
又、そのカチオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラノリン誘導第4級アンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩類、2−オクタデシル−ヒドロキシエチル−2−イミダゾリン等のイミダゾリン誘導体類、N,N−ジエチル−ステアロアミド−メチルアミン塩酸塩、ポリオキシエチレンステアリルアミン等のアミン塩類等を挙げることができる。中で、第4級アンモニウム塩類が好ましい。
【0205】
又、その両性界面活性剤としては、具体的には、例えば、N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ステアリル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ラウリル−N,N−ジヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ラウリル−N,N,N−トリス(カルボキシメチル)アンモニウム等のベタイン型化合物類、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム塩類、イミダゾリン−N−ナトリウムエチルスルホネート、イミダゾリン−N−ナトリウムエチルスルフェート等のイミダゾリン類、アミノカルボン酸類、アミノ硫酸エステル類等を挙げることができる。中で、ベタイン型化合物類が好ましい。
【0206】
また、アルカリ現像液中の界面活性剤が、下記式の燐酸エステルタイプの界面活性剤であるのが好ましい。
【0207】
【化33】
【0208】
(式(XV)中、R59は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、Mは水素原子、又はアルカリ金属原子を示し、エチレンオキサイド鎖は置換基を有していてもよく、nは0〜30の整数、mは1、2、又は3である。)
【0209】
以上の界面活性剤の中で、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、又は両性界面活性剤が好ましく、特に、前記ポジ型感光性組成物においては、ノニオン性界面活性剤、又は両性界面活性剤が好ましく、前記ネガ型感光性組成物においては、特にアニオン性界面活性剤、又は両性界面活性剤が好ましい。尚、前記界面活性剤は、アルカリ現像液中に、好ましくは0.0001〜20重量%、更に好ましくは0.0005〜10重量%、特に好ましくは0.001〜5重量%の濃度で含有させる。
【0210】
又、前記アルカリ現像液には、シリコーン類化合物を含有するのが好ましい。シリコーン類化合物を含有することにより、未露光部の膜減りを更に抑制することが可能となり、結果として現像条件の幅を広げることが可能となる。また消泡剤としての効果も期待される。シリコーン類化合物としては、シロキサン結合を骨格とし、具体的には、例えば、ジメチルポリシロキサン又はそのメチル基の一部が水素又はフェニル基で置換された主鎖を持つシリコーン油、シリコーン樹脂の中で、溶液型、エマルジョン型、及びコンパウンド型として用いられているシリコーン油が好ましく、中で、消泡剤として用いられるものが好ましく、更に、ジメチルポリシロキサンとポリアルキレンオキシドとの共重合体の様な自己乳化型の親水性基を有するものが特に好ましい。具体的には、エマルジョン型シリコーン類化合物としては、日本ユニカー社製「SAG−30」、ダウコーニングアジア社製「FSアンチフォームDB−31」、自己乳化型シリコーン類化合物としては、ダウコーニングアジア社製「FSアンチフォーム80」、同社製「FSアンチフォームDK Q1−071」、信越化学社製「KS−530」、同社製「KS−537」、同社製「KS−538」等を挙げることが出来る。
【0211】
本発明におけるアルカリ現像液中のシリコーン類化合物の含有量は、1〜10,000ppm、特には5〜1,000ppmであるのが好ましい。
【0212】
本発明のアルカリ現像液は、界面活性剤、アルカリ金属珪酸塩及びシリコーン類化合物から選ばれる少なくとも1種を含有するのが好ましい。
【0213】
又、前記アルカリ現像液には、必要に応じて、更に、多価アルコール、芳香族アルコール、脂環式アルコール等の水溶性有機溶剤、ポリ燐酸塩、アミノポリカルボン酸塩、有機スルホン酸塩等の硬水軟化剤、フェノール性化合物、アミン化合物、亜硫酸塩、亜燐酸塩、チオ燐酸塩等の還元剤、有機ホスホン酸、ホスホノアルカントリカルボン酸、それらの塩等のキレート剤、アルカリ可溶性メルカプト化合物又はチオエーテル化合物、無機酸、有機酸、それらの塩等のpH調整剤等の添加剤を含有させることができる。尚、これらの添加剤は、アルカリ現像液中に、好ましくは0.001〜5重量%、特に好ましくは0.005〜3重量%の濃度で含有させる。又、アルカリ現像液のpHは、10以上とするのが好ましい。
【0214】
尚、現像は、通常、前記現像液にレーザー露光後の画像形成材を浸漬するか、該画像形成材に前記現像液をスプレーする等の公知の現像法により、通常、好ましくは10〜50℃程度、更に好ましくは15〜45℃程度の温度で、5秒〜10分程度の時間でなされる。その際、酸素遮断層が設けられている場合には、予め水等で除去しておいてもよいし、現像時に除去することとしてもよい。又、ドライフィルムレジスト材の場合には、仮支持フィルムを剥離した後、現像を行なう。
【0215】
又、その他の現像方法としては、例えば、特開平11−10827号公報等に記載されるように、前述のアルカリ現像液、又は、それに添加される前述の界面活性剤或いは水溶性有機溶剤等、若しくはそれらの溶液等、を浸透剤として露光後の感光層に浸透させ、必要に応じて物理的刺激を加えることにより、非画像部を膨潤、溶解させ、支持体表面から除去して現像する、所謂浸透現像法、又は、該画像形成材が感光性平版印刷版である場合には、特開平10−333321号公報等に記載されるように、感光性平版印刷版を印刷機の版胴に装着し、感光層上に印刷インキを供給し、インキの粘着力を利用してブランケット胴に該インキを非画像部と共に転写させることにより、非画像部を支持体表面から剥離させ現像する、所謂印刷現像法、等を採ることもできる。
【0216】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例の限定されるものではない。
【0217】
なお、以下の実施例及び比較例で用いた支持体と剥離強度の測定方法は次ぎの通りである。
(剥離強度(A))
支持体の表面接着性を示すガムテープによる剥離強度とは図1に示す如く、支持体1の表面にガムテープ(SLIONTEC社製SLION TAPE)3を25℃、5kg/cm2、50cm/分で圧着した後、支持体1を固定台2の上に固定し、ガムテープ3と支持体1が180度の方向に、毎分30cmで離れるようにガムテープ3を引っ張る際に必要な力Fをガムテープの幅で割って得られる線張力(g/cm)を表わす。ここで、力Fは、圧着されたガムテープ3を充分な距離の間持続して引っ張り剥離した場合の安定領域での平均値を用いる。
得られた剥離強度の強さを、下記に示すようにA、B、Cの記号で表す。
A:300g/cm未満
B:300g/cm以上600g/cm未満
C:600g/cm以上
【0218】
又、SLIONTEC社製SLION TAPE 及び3M社製メンディングテープを用いて、相対比較を行った。これらの結果より、基準支持体(BA−2、コーニング社No.7059のガラス)の剥離強度に対する相対値を求めることにより、用いるガムテープの種類に依存せずに、各支持体の剥離強度の強さを評価することが可能となる。
【0219】
(支持体)
BA−1:片面に厚さ18μmの銅箔がラミネートされた厚さ100μmのサンハヤト社製ポリイミド樹脂の銅張積層基板(3M社製メンディングテープを用いて下記支持体BA−2との比較により、BA−2と同等以下の剥離強度であることを確認した。)
BA−2:ガラス(コーニング社No.7059)
BA−3: 特開2002−166669公報中に記載のジアゾ含有ネガ感光性画像形成材の基板(厚さ0.2mmのアルミ板を3%水酸化ナトリウムにて脱脂し、これを18.0g/L硝酸浴中で25℃、80A/dm2の電流密度で15秒電解エッチングし、その後50℃の1%水酸化ナトリウム水溶液で5秒間デスマット処理を行ない、次に25℃の10%硝酸水溶液で5秒間中和し、続いて水洗後30%硫酸浴で30℃、10A/dm2の条件で16秒間陽極酸化し、水洗、乾燥して、更に1%オルト珪酸ナトリウム水溶液を用いて85℃で30秒間親水化処理し、水洗、乾燥して得られるアルミニウム基板。)
BA−4:特開2002−166669公報中に記載のリン酸処理感光性画像形成材の基板(BA−3のアルミニウム基板の製造方法において、硫酸の代わりに燐酸を用いたこと及び1%オルト珪酸ナトリウム水溶液による処理を行なわなかったこと以外は同様にして製造されるアルミニウム基板)
各支持体の剥離強度を表−1に示した。
【0220】
【表1】
【0221】
実施例1〜10(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−1)
アルカリ可溶性樹脂として、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で50:30:20の混合フェノール類とホルムアルデヒドとの重縮合体からなるノボラック樹脂(MW 9,400)100重量部、光熱変換物質として、下記のインドール系色素(LS−1)3重量部、及び 着色剤として、クリスタルバイオレットラクトン3重量部、界面活性剤として、テトラオレイン酸ソルビットのポリエチレンオキサイド付加物(日光ケミカルズ社製「NIKKOL GO−4」)4重量部、有機酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸)6重量部、架橋剤(三井サイテック社製サイメルC−300;メラミン系架橋剤)1重量部、塗布性改良剤(旭ガラス社製サーフロンS−381;フッ素系界面活性剤)0.0025重量部を、メチルセロソルブ1000重量部に室温で溶解させ、攪拌して塗布液を調製した。この塗布液を支持体(BA−1)の表面にワイヤーバーにより塗布し、室温の風を送り2分間風乾した後、100℃で2分間加熱させることにより、乾燥膜厚 1.5μmの感光性層を有するポジ型感光性画像形成材を作製した。
【0222】
【化34】
【0223】
得られたポジ型感光性画像形成材を、白色蛍光灯(三菱電機社36W白色蛍光灯「ネオルミスーパーFLR40S−W/M/36」)の光(400ルクスの光強度)の照射下に60分間放置した。
【0224】
該ポジ型感光性画像形成材につき、波長830nmの半導体レーザーを光源とする露光装置(クレオ社 Trend Setter 3244 T)を用いて、画像形成材の感光性層表面の露光量が150mJ/cm2になるように走査露光し、次いで、以下に示すアルカリ現像液原液(1)〜(10)の2倍希釈した液に、25℃で30から300秒間浸漬し、現像液中にて20μmのポジ細線を再現させた後、水洗することにより、細線画像を再現させたポジ型画像を作製した。
【0225】
得られた画像形成材を、酸化鉄タイプ銅エッチング溶液(サンハヤト社製)に5分間浸漬してエッチング加工を施し、非画像部(露光部分)の銅のエッチング処理を行なった。エッチング処理を行なった画像形成材の感光性層画像をアセトン溶液により溶解除去した後、画像形成材の非画像部分の銅のエッチングの程度を、目視にて観察した。結果を表−1に示す。実施例1〜10では、いずれも非画像部のエッチングが70%以上であり、良好な結果となっている。
【0226】
(アルカリ現像液原液)
アルカリ現像液原液(1)〜(10)を以下に示す。いずれの現像液原液においても、その1〜20倍希釈液のpHは11以上である。
(1) 珪酸ナトリウム(SiO2 /Na2 O=3/1、以下同じ。)1.0重量%、水酸化ナトリウム1.0重量%、ベタイン型両性界面活性剤(花王社製、「アンヒトール24B」)0.01重量%を含有する水溶液。(〔SiO2 〕/〔M〕=0.37)
(2) 珪酸ナトリウム1.0重量%、水酸化ナトリウム1.0重量%、ベタイン型両性界面活性剤(花王社製、「アンヒトール86B」)0.01重量%を含有する水溶液。(〔SiO2 〕/〔M〕=0.37)
(3) 珪酸ナトリウム1.0重量%、水酸化ナトリウム1.0重量%、ポリオキシアルキレン型ノニオン性界面活性剤(花王社製、「エマルゲンA−60」)0.01重量%を含有する水溶液。(〔SiO2 〕/〔M〕=0.37)
(4) 珪酸ナトリウム1.0重量%、水酸化ナトリウム1.0重量%、ポリオキシアルキレン型ノニオン性界面活性剤(花王社製、「エマルゲンPP−150」)0.01重量%を含有する水溶液。(〔SiO2 〕/〔M〕=0.37)
【0227】
(5) 珪酸ナトリウム1.0重量%、水酸化ナトリウム1.0重量%、スルホン酸ナトリウム型アニオン性界面活性剤(花王社製、「ペレックスNBL」)0.01重量%を含有する水溶液。(〔SiO2〕/〔M〕=0.37)
(6) 珪酸ナトリウム1.0重量%、水酸化ナトリウム1.0重量%、スルホン酸ナトリウム型アニオン性界面活性剤(花王社製、「ペレックスSS−H」)0.01重量%を含有する水溶液。(〔SiO2 〕/〔M〕=0.37)
(7) 珪酸ナトリウム1.0重量%、水酸化ナトリウム1.0重量%、カチオン性界面活性剤 トリメチルラウリルアンモニウムクロライド0.01重量%を含有する水溶液。(〔SiO2 〕/〔M〕=0.37)
(8) 珪酸ナトリウム1.0重量%、水酸化ナトリウム1.0重量%を含有する水溶液。(〔SiO2 〕/〔M〕=0.37)
(9)水酸化ナトリウム1.0重量%を含有する水溶液。(〔SiO2 〕/〔M〕=0)
(10)珪酸ナトリウム1.0重量%、水酸化ナトリウム1.0重量%、下記のリン酸エステルタイプ界面活性剤(DLP10)0.01重量%を含有する水溶液。(〔SiO2 〕/〔M〕=0.37)
〔DLP10;前記式(XV)におけるR59=炭素数12、M=ナトリウム、n=10、m=1を主成分とする燐酸エステル化合物(日光ケミカルズ社製)〕
【0228】
【表2】
【0229】
(非画線部のエッチングの評価)
A:非画像部の銅が全面積にわたり完全にエッチングされていた。
B:非画像部の銅の90%以上がエッチングされていた。
C:非画像部の銅エッチングが70%以上90%未満であった。
D:非画像部の銅エッチングが70%未満であった。
【0230】
実施例11(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−2)
実施例1において、支持体としてBA−2(剥離強度(A):A)を用いた事、且つ露光方法として、該画像形成材を、スリーワンモーターを用いて回転可能とした直径7cmのアルミ製シリンダーに固定して回転させつつ、波長830nm、30mWのアプライドテクノ社製半導体レーザーにより、感光性層表面の露光量が50〜400mJ/cm2となる露光エネルギーで走査露光した以外は、同様にして画像形成を行なったところ、ガラス基板上に高品質のバイオレット色着色ポリマー画像が形成された。
【0231】
実施例12(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−3)
実施例8において、支持体としてBA−3(剥離強度(A):350g/cm)を用いた以外は同様にして画像形成を行なった。得られた画像形成材の感光性層表面をアルカリ現像インキ(富士写真フィルム社製現像インキ PI−2)を含浸させたスポンジで10回こする評価(現像インキ盛り評価)を行なった所、インキは感光性画像部分にのみ付着し、高品質なインク画像が得られた。
【0232】
比較例1(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−4)
実施例1において、支持体としてBA−4(剥離強度(A):1100g/cm)を用いた以外は同様にして画像形成を行なった所、インキは、感光性画像部以外に、非画像部(レーザー露光した部分)上にも付着しするインク画像欠陥を生じてしまった。
【0233】
実施例13(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−1/シリコーン類化合物添加)
実施例3において、現像液中にシリコーン類化合物として、日本ユニカー社製エマルジョン「SAG−30」を100ppm添加したこと以外は、同様に評価を行なった所、非画線部のエッチング評価は、Aであった。また、このときに現像液中の泡の発生を大幅に押さえることができた。
【0234】
実施例14(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−1/珪酸塩なし)
実施例1において現像液原液(1)中の珪酸ナトリウムを除去した現像液原液を使用し、エッチング評価を行なった所、エッチング評価はAであったが、使用済み現像液を1日放置した空気疲労現像液で評価した所、エッチング評価は、Bであった。一方、使用済み現像液原液(1)を同様に、1日放置した空気疲労現像液で評価した所、エッチング評価は、Aであった。
【0235】
実施例15(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−1/エトキシエチル化ポリビニルフェノール使用)
支持体としてBA−1を用い、その支持体上に、アルカリ可溶性樹脂として、1−エトキシエチル基保護率35%のポリビニルフェノール(東邦化学社製、Mw:12,000、Mn:13,000)80重量部及びポリビニルフェノール〔丸善石油化学社製マルカリンカーS−2P、Mw:4,800、Mn:2,500〕20重量部、光熱変換物質として前記LS−1の色素7重量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル428重量部に室温で攪拌することにより調液したポジ型感光性組成物塗布液をワイヤーバーにより塗布し、白色灯下室温で60分間乾燥させることにより、乾燥膜厚2μmのポジ型感光性組成物層を有するポジ型感光性画像形成材を作製した。
【0236】
得られたポジ型感光性画像形成材につき、実施例1と同様に評価を行ったところ、非画線部のエッチング評価は、Aであった。
【0237】
実施例16(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−1/アセチル化ポリビニルフェノール使用)
実施例15において、1−エトキシエチル基保護率35%のポリビニルフェノール及びポリビニルフェノールの代わりに、下記製造例1の方法により合成したアセチル化率26%のポリビニルフェノールを用い、更にクリスタルバイオレットラクトン7重量部を用いた外は、同様にして評価を行ったところ、非画線部のエッチング評価は、Aであった。
【0238】
製造例1(アセチル化ポリビニルフェノールの製造)
100mlナスフラスコ中で、ポリビニルフェノール〔丸善石油化学(株)製マルカリンカーS−2P、Mw:4,800、Mn:2,500〕3.6g及びピリジン0.68gをテトラヒドロフラン20gに溶解した。次いで、氷冷下で、この溶液に対して、無水酢酸0.80gをゆっくりと滴下した。滴下終了後、溶液を室温にて4時間撹拌した。続いて、得られた反応液を水400ml中に滴下し、目的物の粗結晶を得た。
【0239】
この粗結晶について、水で2回懸濁洗浄を行ない、真空乾燥することにより、結晶3.6gを得た。この結晶の1H−NMRスペクトルを測定し、アセチル化率26%のポリビニルフェノールであることを確認した。
【0240】
実施例17(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−1/ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体使用)
実施例16において、アセチル化ポリビニルフェノールの代わりに、ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体(丸善石油化学社製、ヒドロキシスチレン/スチレン比=7:3、Mw:3,000、Mn:2,000)を用いた外は、同様にして評価を行ったところ、非画線部のエッチング評価は、Aであった。
【0241】
実施例18(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−1/ヒドロキシスチレンとメタクリル酸メチルの共重合体使用)
実施例16において、アセチル化ポリビニルフェノールの代わりに、ヒドロキシスチレンとメタクリル酸メチルの共重合体(丸善石油化学社製、ヒドロキシスチレン/メタクリル酸メチル比=1:1、Mw:10,600、Mn:4,000)を用いた外は、同様にして評価を行ったところ、非画線部のエッチング評価は、Aであった。
【0242】
実施例19〜26(ネガ型感光性組成物/酸素遮断層無し/近赤外レーザー/BA−1)
以下の表3に示す(N−1)成分のアルカリ可溶性樹脂 45重量部、(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物 55重量部、(N−3)成分の増感剤 2重量部、(N−4)成分の光重合開始剤 15重量部、及びその他成分をメチルエチルケトン650重量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル440重量部に室温で溶解し攪拌して塗布液を調液した。この塗布液を、支持体BA−1(剥離強度:A)の表面にワイヤーバーにより乾燥膜厚が2g/m2 となるように塗布し、表3に示した条件にて乾燥して、光重合性の感光性組成物からなる感光性層を形成し、ネガ型感光性画像形成材を作製した。
得られたネガ型感光性画像形成材につき、実施例1と同様にして60mJ/cm2の露光エネルギーで画像を走査露光し、次いで、画像形成材を15分間、実施例1と同様の白色セーフライト条件に放置したのち現像液(5)の20倍希釈溶液にて実施例1と同様に現像処理を行なった所、いずれの場合にも支持体上に良好なネガの感光性層画像が得られた。この画像形成材について、実施例1と同様にエッチング評価を行ない、結果を表3に示した。
【0243】
【表3】
【0244】
<(N−1)アルカリ可溶性樹脂>
(N−1a)メチルメタクリレート(80モル%)/メタクリル酸(20モル%)共重合体に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートを反応させて得られた反応生成物(メタクリル酸成分のカルボキシル基の60モル%が反応、酸価60、重量平均分子量7.5万)
(N−1b)昭和高分子社製リポキシPR−300クレゾールノボラック型エポキシ樹脂にアクリル酸を付加させた後テトラヒドロフタル酸により変性したものと思われる
(N−1c)グリシジルメタクリレート(30モル%)/スチレン(25モル%)/ターシャリーブチルメタクリレート(30モル%)/メタクリル酸(15モル%)共重合体(重量平均分子量50,000)
<(N−2)エチレン性不飽和化合物>
(N−2d)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)
(N−2c)下記のウレタン(メタ)アクリレート
【0245】
【化35】
<(N−3)増感剤>
(N−3a)下記のインドール系色素
【0246】
【化36】
(N−3b)前記のインドール系色素LS−1
(N−3c)下記のポリメチン系色素
【0247】
【化37】
<(N−4)光重合開始剤>
(N−4a)2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
(N−4b)下記の有機硼素酸塩類
【0248】
【化38】
<その他成分>
ビクトリアピュアブルー(BOH);1重量部
【0249】
実施例27(ネガ型感光性組成物/酸素遮断層無し/近赤外レーザー露光/支持体BA−2)
実施例19の支持体をBA−2(剥離強度(A):A)に変更した事、且つ露光方法として、該画像形成材を、スリーワンモーターを用いて回転可能とした直径7cmのアルミ製シリンダーに固定して回転させつつ、波長830nm、30mWのアプライドテクノ社製半導体レーザーにより、感光性層表面の露光量が50〜200mJ/cm2となる露光エネルギーで走査露光した以外は同様に製版を行なった所、ガラス基板上に高品質のバイオレット色着色ポリマー画像が形成された。
【0250】
実施例28(ネガ型感光性組成物/酸素遮断層無し/近赤外レーザー露光/支持体BA−3)
実施例19の支持体をBA−3(剥離強度(A):350g/cm)に変更した以外は同様に製版を行ない、現像インキ盛り評価を行った所、高品質のインキ画像が得られた。
【0251】
比較例2(ネガ型感光性組成物/酸素遮断層無し/近赤外レーザー露光/支持体BA−4)
実施例19の支持体をBA−4(剥離強度(A):1100g/cm)に変更した以外は同様に製版を行ない、現像インキ盛り評価を行った所、非画線部分にインキの付着が認められた。
【0252】
実施例29(ネガ型感光性組成物/酸素遮断層無し/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
下記の(N−1)成分のアルカリ可溶性樹脂、(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物、(N−3)成分の増感剤、(N−4)成分の光重合開始剤、(N−5)成分の水素供与性化合物、(N−6)成分のアミン化合物、(N−7)成分の界面活性剤、及びその他成分を、メチルエチルケトン740重量部とメチルセロソルブ400重量部との混合溶剤に加えて、室温で溶解し攪拌して塗布液を調液した。この塗布液を支持体BA−1上に、バーコーターを用いて乾燥膜厚が6g/m2となるように塗布し、80℃で2分間乾燥させて、感光性レジスト材層を形成しネガ型感光性画像形成材を作成した。
【0253】
<(N−1)アルカリ可溶性樹脂>
(N−1d)スチレン(55モル%)/α−メチルスチレン(15モル%)/アクリル酸(30モル%)共重合体に3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートを反応させて得られた反応生成物(アクリル酸成分の50モル%が反応);45重量部
<(N−2)エチレン性不飽和化合物>
(N−2a)下記の化合物;10重量部
(N−2b)下記の化合物;5重量部
(N−2c)下記の化合物;8重量部
(N−2d)ジベタエリスリトールへキサアクリレート;22重重量部
【0254】
【化39】
【0255】
<(N−3)増感剤>
(N−3b)4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ペンゾフェノン;2重量部
<(N−4)光重合開始剤>
(N−4b)2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール;25重量部
<(N−5)水素供与性化合物>
(N−5a)2−メルカプトペンゾチアゾール;5重量部
(N−5b)N−フェニルグリシンペンジルエステル;10重量部
<(N−6)アミン化合物>
(N−6a)トリベンジルアミン;10重量部
<(N−7)界面活性剤>
(N−7a)ノニオン性界面活性剤(花王社製「エマルゲン104P」);2重量部
(N−7b)弗素系界面活性剤(旭硝子社製「S−381」);0.3重量部
<その他>
ビクトリアピュアブルー(BOH)(可視画剤);0.2重量部
【0256】
得られた青紫色レーザーネガ画像形成材の感光性レジスト層について、以下に示す方法で分光感度の極大ピークを測定したところ410nmであった。又、以下に示す方法により測定した結果、波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410 (μJ/cm2 )〕は800μJ/cm2、波長410nmにおける画像形成可能な該最小露光量〔S410 〕の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 (μJ/cm2 )〕に対する比〔S410 /S450 〕は0.03以下であり評価A、及び、波長450nm超過650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量〔S450−650 (μJ/cm2 )〕の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 (μJ/cm2 )〕に対する比〔S450−650 /S450 〕は10超過であり評価Aであった。
【0257】
<分光感度の極大ピーク>
画像形成材を50×60mmの大きさに切り出したサンプルを、回折分光照射装置(ナルミ社製「RM−23」)を用い、キセノンランプ(ウシオ電機社製「UI−501C」)を光源として350〜650nmの波長域で分光した光を、横軸方向に露光波長が直線的に、縦軸方向に露光強度が対数的に変化するように設定して10秒間照射して露光し、次いで、炭酸ナトリウム0.1重量%及びアニオン性界面活性剤(花王社製「ペレックスNBL」)0.1重量%を含む水溶液に、26℃で60秒間浸漬した後、スポンジで5回擦って現像処理することにより、各露光波長の感度に応じた画像が得られ、その画像高さから画像形成可能な露光エネルギーを算出し、横軸に波長、縦軸にその露光エネルギーの逆数をプロットすることにより得られる分光感度曲線における極大ピークを指す。
【0258】
<S410 ,S410 /S450 ,S450−650 /S450 >
前記と同様にして350〜650nmの波長域で波長を変化させて露光し、現像したときの、波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410 (μJ/cm2 )〕と波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 (μJ/cm2 )〕、及び、波長450nm超過650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量〔S450−650 (μJ/cm2 )〕をそれぞれ求め、その比〔S410 /S450 〕、及び〔S450−650/S450 〕を算出し、以下の基準で評価した。
【0259】
<S410 /S450 の評価基準>
A:S410 /S450 が0.03以下。
B:S410 /S450 が0.03超過0.05以下。
C:S410 /S450 が0.05超過0.1以下。
D:S410 /S450 が0.1超過。
【0260】
<S450−650 /S450 の評価基準>
A:S450−650 /S450 が10超過。
B:S450−650 /S450 が5超過10以下。
C:S450−650 /S450 が1超過5以下。
D:S450−650 /S450 が1以下。
【0261】
一方、得られたネガ型画像形成材を黄色灯照明(約470nm以下の波長の光を遮断した条件)下に15分間放置した後、波長405nmを発振する青紫色半導体レーザー露光機(Escher−Grad社製「Cobalt8」)を用いて、反面出力0.5mW、レーザービームスポット径12μm、走査密度5080dpi、走査速度167m/秒にて、走査露光を20回繰り返して行った。(このときの版面の露光エネルギーは合計800μJ/cm2であった。)その後、現像液(1)の15倍希釈液を用い、23℃で100秒間浸漬した後、スポンジで5回換って現像処理を行った。その結果、表面に高品質のレジスト画像が形成された画像形成材が得られた。得られた画像形成材料に実施例1と同様のエッチング評価を行なった所、評価はAであった。
【0262】
実施例30(ネガ型感光性組成物/酸素遮断層無し/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
実施例29において、(N−3)成分の増感剤を下記の式BBB−1のものに変更し、現像液の希釈倍率を3倍に変更して同様の評価を行ったところ、レーザー走査露光の繰り返し回数14回により、高品質のレジスト画像が得られた。分光感度の極大ピークは410nm、又、S410は、600μJ/cm2、 S410/S450はA、S450−650/S450はA、得られた画像形成材料のエッチング評価はAであった。
【0263】
【化40】
【0264】
実施例31(ネガ型感光性組成物/酸素遮断層無し/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
実施例29において、(N−3)成分の増感剤を下記の式BBB−2のものに変更し、現像液の希釈倍率を3倍に変更して同様の評価を行ったところ、レーザー走査露光の繰り返し回数11回により、高品質のレジスト画像が得られた。分光感度の極大ピークは410nm、又、S410は、500μJ/cm2、 S410/S450はA、S450−650/S450 はA、得られた画像形成材料のエッチング評価はAであった。
【0265】
【化41】
【0266】
実施例32(ネガ型感光性組成物/酸素遮断層無し/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
実施例29において、(N−3)成分の増感剤を下記の式BBB−3のものに変更し、現像液の希釈倍率を3倍に変更して同様の評価を行ったところ、レーザー走査露光の繰り返し回数17回により、高品質のレジスト画像が得られた。分光感度の極大ピークは410nm、又、S410は、700μJ/cm2、 S410/S450はA、S450−650/S450はA、得られた画像形成材料のエッチング評価はAであった。
【0267】
【化42】
【0268】
実施例33(ネガ型感光性組成物/ドライフィルムレジスト材/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
感光性組成物としての下記の各成分をメチルエチルケトン/イソプロパノール(重量比8/2)の混合溶剤100重量部に加えて、40℃で4時間加温して塗布液を調製した。この塗布液を、仮支持フィルムとしてのポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み19μm)上に、アプリケーターを用いて、乾燥膜厚が25μmとなる量で塗布し、コンベクションオーブンにより90℃10分間乾燥させ、形成された感光性組成物層上に、被覆フィルムとしてのポリエチレンフィルム(厚み25μm)を積層し、ドライフィルムレジスト材を作成した。
【0269】
<(N−1)アルカリ可溶性樹脂>
(N−1e)メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比45/15/40)に3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートを反応させて得られた反応生成物(反応率38%);48重量部
<(N−2)エチレン性不飽和化合物>
(N−2e)ポリエチレングリコール(#400)ジメタクリレート(共栄化学社製「ライトエステル9EG」);15重量部
(N−2f)ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジメタクリレート(共栄化学社製「ライトエステルBP−6EM」;30重量部
<(N−3)増感剤>
上記BBB−1;0.2重量部
<(N−4)光重合開始剤>
(N−4b)2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール;15重量部
<(N−5)水素供与性化合物>
(N−5b)N−フェニルグリシンペンジルエステル;3重量部
(N−5c)N−フェニルグリシンの双極イオン化合物;2重量部
【0270】
別に、支持体BA−1の銅箔表面を、予め銅箔表面を研磨した支持体BA−1を60℃で予熱した後、その銅箔表面上に、前記で得られたドライフィルムレジスト材を、被覆フィルムを剥離しつつ、その剥離面と銅箔表面が接するようにして、ロールラミネーターを用いて、ロール温度100℃、ロール圧0.3MPa、ラミネート速度1.5m/分でラミネートすることにより、画像形成材を作成した。
【0271】
得られた画像形成材につき、以下に示す方法で露光感度を測定したところ、2mJ/cm2であった。また分光感度の極大ピークは410nm、又、S410は、1.1mJ/cm2、 S410/S450はA、S450−650/S450 はA、得られた画像形成材料のエッチング評価はAであった。
【0272】
<露光感度>
得られた画像形成材の感光性組成物層を、中心波長405nm、レーザー出力5mWのレーザー光源(日亜化学工業社製「NLHV500C」)を用いて、像面照度2μW、ビームスポット径2.5μmで、ビーム走査間隔及び走査速度を変えながら走査露光し、次いで、仮支持フィルムを剥離した後、32℃の炭酸ナトリウム(1重量%)とアニオン性界面活性剤(花王社製「ペレックスNBL」、0.05重量%)を含有する水溶液を現像液として、スプレー圧0.15MPaにて、最小現像時間の2倍の時間でスプレー現像することにより、ネガ画像を現出させた。得られた画像について、10μmの線幅が再現するのに要する露光量を求め、露光感度とした。
【0273】
実施例34(ネガ型感光性組成物/ドライフィルムレジスト材/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
(N−1)成分のアルカリ可溶性樹脂を、スチレン/メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比15/45/15/25、Mw=70,000、酸価140KOH・mg/mg)に代えた以外は、実施例33と同様にして画像形成材を作成して評価した結果、露光感度は1.6mJ/cm2、分光感度の極大ピークは410nm、又、S410は、1.0mJ/cm2、 S410/S450はA、S450−650/S450 はA、得られた画像形成材料のエッチング評価はAであった。
【0274】
実施例35(ネガ型感光性組成物/ドライフィルムレジスト材/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
(N−3)成分の増感剤を、下記のBBB−4に代えた以外は、実施例33と同様にして画像形成材を作成して評価した結果、露光感度は2.2mJ/cm2、分光感度の極大ピークは410nm、又、S410は、1.6mJ/cm2、 S410/S450はA、S450−650/S450 はA、得られた画像形成材料のエッチング評価はAであった。
【0275】
【化43】
【0276】
実施例36(ネガ型感光性組成物/ドライフィルムレジスト材/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
(N−3)成分の増感剤を、下記のBBB−5に代えた以外は、実施例33と同様にして画像形成材を作成して評価した結果、露光感度は3.6mJ/cm2、分光感度の極大ピークは410nm、又、S410は、2.4mJ/cm2、 S410/S450はA、S450−650/S450 はA、得られた画像形成材料のエッチング評価はAであった。
【0277】
【化44】
【0278】
実施例37(化学増幅型ポジ型感光性組成物/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
支持体としてBA−1を用い、その支持体上に、下記の(PA−1)成分の酸分解性基含有重合体、(PA−2)成分の光酸発生剤、及びその他成分を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート640重畳部とメチルセロソルプ240重量部との混合溶剤に加えて、室温で攪拌して調液した塗布液を、バーコーターを用いて乾燥膜厚が3g/m2となるように塗布し、90℃で2分間乾燥させて、感光性レジスト材層を形成することにより、ポジ画像形成材を製造した.
【0279】
<(PA−1)酸分解性基含有重合体>
(PA−1a)1−エトキシエチル基保護率35%のポリビニルフェノール(東邦化学社製、Mw:12,000、Mn:13,000);100重量部
<(PA−2)光酸発生剤>
(PA−2a)2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン;20重量部
<その他>
銅フタロシアニン顔料;4重量部
【0280】
得られたポジ画像形成材の感光性レジスト層について、走査露光を40回繰り返して行った(このときの版面の露光エネルギーは合計1,600μJ/cm2であった)こと、露光後90℃で2分間の後加熱処理を施したこと、及び、現像液として現像液(1)を用い、且つ、30℃で120秒の現像処理を行ったこと以外は、実施例29と同様の方法により、良好なレジスト画像が得られた。また、分光感度の極大ピークを測定したところ410nmであった。又、実施例29と同様の方法で測定したS410は2,000μJ/cm2、S410/S450はA、S450−650/S450はA、実施例1と同様のエッチング評価は、Aであった。
【0281】
実施例38(化学増幅型ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−1)
支持体としてBA−1(剥離強度(A):A)を用い、その銅箔上に、下記の(PA−1)成分の酸分解性基含有重合体、(PA−2)成分の光酸発生剤、及びその他成分を、プロピレングリコールモノメチルエーテル940重畳部とメチルエチルケトン1,400重量部との混合溶剤に加えて、室温で攪拌して調液した塗布液を、バーコーターを用いて乾燥膜厚が3g/m2となるように塗布し、室温で60分間乾燥させて、感光性レジスト材層を形成することにより、ポジ画像形成材を作製した。
【0282】
<(PA−1)酸分解性基含有重合体>
(PA−1a)1−エトキシエチル基保護率35%のポリビニルフェノール(東邦化学社製、Mw:12,000、Mn:13,000);70重量部
<(PA−2)光酸発生剤>
(PA−2a)2−(p−メトキシーm−ヒドロキシスチリル)−4,6一ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン;5重量部
<その他>
ポリビニルフェノール〔丸善石油化学社製マルカリンカーS−2P、Mw:4,800、Mn:2,500〕;30重量部
前記(N−3a)のインドール系色素;2重量部
【0283】
得られたポジ画像形成材の感光性レジスト層について、実施例1と同様に評価を行った結果、評価はAであった。
【0284】
実施例39(化学増幅型ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−1)
実施例38において、(PA−2)の光酸発生剤として、トリフルオロメタンスルホン酸1,8−ナフタルイミジル 5重量部を用いた以外は同様にして評価を行った結果、良好なポジ画像が得られ、エッチング評価もAであった。
【0285】
実施例40(o−キノンジアジド含有ポジ型感光性組成物/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
実施例29において、感光性組成液を下記のものにし、感光性層膜厚を1μmに変更し、走査露光を200回繰り返したこと以外は、同様にして評価を行った。その結果、良好なレジスト画像が得られ、エッチング評価もAであった。
【0286】
(感光性層塗布液組成)
ノポラック樹脂〔フェノール/m−クレゾール/p−クレゾールの混合フェノール(モル比10/54/36)とホルムアルデヒドとの重縮合体〔重量平均分子量4000〕;100重量部
o−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリドとピロガロール・アセトン樹脂 (重量平均分子量3000) とのエステル化反応生成物(反応率30%);7.5重量部
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−S−トリアジン;2.2重量部
ビクトリアピュアブルー(BOH);1.2重量部
ポリエチレングリコールPEG2000(三洋化成社製);3重量部
cis−1,2−シクロへキサンジカルボン酸;3重量部
フッ素系界面活性剤(旭硝子社製サーフロンS−381);0.3重量部
メチルセロソルプ;1500重量部
【0287】
【発明の効果】
本発明は、近赤外または青紫色領域のレーザー光に対して高感度であると共に、白色灯あるいは黄色灯下でのセーフライト性に優れる、レーザー感光性画像形成材の画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガムテープ剥離強度の測定方法を示す概念図である。
【符号の説明】
1 支持体
2 固定台
3 ガムテープ
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性平板印刷版、簡易校正印刷用プルーフ、配線盤やレーザーグラビア製版用銅エッチングレジスト、フラットディスプレイ製造用レジスト、カラーフィルター用レジスト、LSI製造用フォトレジスト等に使用される、主として近赤外領域及び青紫領域の光に対する光熱変換物質を含有する感光性組成物からなる画像形成材料を用いた画像形成方法に関し、特に、半導体レーザーやYAGレーザー等による直接製版に好適な画像形成材料を用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、プリント配線基板、プラズマディスプレイ用配線板、液晶ディスプレイ用配線板、大規模集積回路、薄型トランジスタ、半導体パッケージ等の微細電子回路の形成には、例えば、被加工基板上に感光性レジスト材層を有し、必要に応じてその上に保護層を有する画像形成材のその感光性レジスト材層を、マスクフィルムを通して紫外線照射して露光した後、マスクフィルムを剥離し、更に保護層を有する場合にはその保護層を剥離し、露光部と非露光部の現像液に対する溶解性の差を利用して現像してパターンを形成し、このパターン層をマスクとして被加工基板をエッチング加工等することにより、被加工基板に回路パターンを形成するリソグラフィー法が広く用いられている。
【0003】
更に、近年、露光光源にレーザー光を用いることにより、マスクフィルムを用いずに、コンピューター等のデジタル情報から直接画像を形成するレーザー直接描画法が、生産性のみならず、解像性や位置精度等の向上も図れることから注目されるに到り、それに伴い、リソグラフィー法においてもレーザー光の利用が盛んに研究されている。
【0004】
一方、レーザー光は、紫外から赤外までの種々の光源が知られているが、画像露光に利用できるレーザー光としては、出力、安定性、感光能力、及びコスト等の点から、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムネオンレーザー、YAGレーザー、及び半導体レーザー等の可視から赤外領域の光を発するものが有力視されており、例えば、波長488nmのアルゴンイオンレーザー、波長532nmのFD−YAGレーザーを用いたリソグラフィー法は既に実用化に到っている。
【0005】
しかしながら、このような可視レーザー光を用いた画像形成法は、黄色灯下でのセーフライト性に劣り、赤色灯照明のような暗室環境下での作業が必要であるという制約があり、これに対して、近年のレーザー技術の著しい進歩により、黄色灯照明のような明室環境下での作業が可能な、青紫色領域で安定的に発振できる半導体レーザーが利用できるようになったものの、その出力が他の可視レーザーに比して低いこともあって、感光性レジスト材の感度が必ずしも十分とは言えず、直接描画法においてはもとよりリソグラフィー法においても実用化できるレベルには達していないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたものであって、従って、本発明は、近赤外又は青紫色領域のレーザー光に対して高感度であると共に、黄色灯下でのセーフライト性やエッチング特性に優れる画像形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題について鋭意検討した結果、支持体の表面剥離強度が、セーフライト性やエッチング特性に影響を与えることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明の要旨は、支持体の表面にアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性組成物よりなる感光性層が形成された画像形成材料の該感光性層を青紫半導体レーザーまたは近赤外レーザー光源により走査露光し、次いでアルカリ現像液により現像処理して画像を現出させる画像形成方法において、支持体の表面剥離強度が600g/cm未満であることを特徴とする画像形成方法、及び同画像形成方法において、支持体の相対表面剥離強度が0.5以上6以下であることを特徴とする画像形成方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
<支持体>
本発明で使用できる支持体は、感光性組成物からなる感光性層を近赤外レーザー又は青紫色レーザー光により露光し現像処理することによって形成されたパターン層をマスクとしてエッチング加工等することにより、その表面に回路パターンが形成されるものであり、銅、アルミニウム、金、銀、クロム、亜鉛、錫、鉛、ニッケル等の金属板そのものであってもよいが、通常、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、弗素樹脂等の熱可塑性樹脂等の樹脂、紙、ガラス、及び、アルミナ、シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機物、又は、ガラス布基材エポキシ樹脂、ガラス不織布基材エポキシ樹脂、紙基材エポキシ樹脂、紙基材フェノール樹脂等の複合材料等からなり、その厚さが0.02〜10mm程度の絶縁性支持体であっても良く、またその表面に、前記金属或いは酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウムドープ酸化錫等の金属酸化物等の金属箔を加熱、圧着ラミネートするか、金属をスパッタリング、蒸着、メッキする等の方法により、その厚さが1〜100μm程度の導電層を形成した金属張積層板が、好ましく用いられる。中でも、支持体表面が銅又はガラスであるものが好ましい。
【0009】
本発明においては、支持体として、後述の実施例に記載されているガムテープ剥離強度測定方法にて求められた該支持体からガムテープを剥離するときのガムテープ剥離強度(以下、剥離強度(A)という場合がある。)が600g/cm未満であること、及び/又は使用するガムテープの種類によらず同測定方法にて測定した該支持体の剥離強度F1を同測定方法にて測定したコーニング社製ガラス(No.7059)の剥離強度F2により除した値F1/F2(以下「相対剥離強度」ということがある。)が0.5以上6以下であること、が重要である。
【0010】
剥離強度(A)は、600g/cm未満が好ましく、特に400g/cm以下が好ましく、また50g/cm以上であることが好ましい。また相対剥離強度は、6以下が好ましく、特に4以下が好ましく、また0.5以上が好ましい。剥離強度(A)と相対剥離強度は、それぞれ独立にあるいは同時に好ましい値であっても良い。剥離強度(A)及び相対表面剥離強度のいずれもがこれらの上限値よりも大きい場合には、感光性層と支持体との接着性が強すぎる為、画像形成時に非画線部の残膜が起こり好ましくない。一方これらの下限値よりも小さすぎる場合には、画像形成時に画線部の、特に細線画像の剥離等が生じやすくなる傾向がある。
【0011】
また、露光後の感光性層について、上述のガムテープ剥離強度測定方法に準じて測定したガムテープ剥離強度が150g/cm以上、特に200g/cmより大であることが好ましい。剥離強度が150g/cmより小さいと、細線画像の剥離等が起こりやすくなる為好ましくない。
【0012】
<アルカリ可溶性樹脂>
本発明において、前記支持体表面に形成された感光性層は、ポジ型感光性組成物、ネガ型感光性組成物のいずれからなるものであってもよいが、いずれの組成物であっても、アルカリ現像性等の面から、アルカリ可溶性樹脂を含有することを必須とする。
【0013】
ここで、アルカリ可溶性樹脂としては、フェノール性水酸基含有樹脂、カルボキシル基含有ビニル系樹脂、及びエポキシアクリレート系樹脂等が好適なものとして挙げられる。
【0014】
(フェノール性水酸基含有樹脂)
そのフェノール性水酸基含有樹脂としては、具体的には、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、4,4’−ビフェニルジオール、ビスフェノール−A、ピロカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、フロログルシノール等のフェノール類の少なくとも1種を、酸触媒下、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類、又は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、の少なくとも1種と重縮合させたノボラック樹脂、前記ノボラック樹脂の重縮合における酸触媒に代えてアルカリ触媒を用いる以外は同様にして重縮合させたレゾール樹脂、及び、例えば、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレン、テトラヒドロキシスチレン、ペンタヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン等のヒドロキシスチレン類の単独又は2種以上を、ラジカル重合開始剤又はカチオン重合開始剤の存在下で重合させたポリビニルフェノール樹脂等が挙げられ、これらは、重量平均分子量が1,500〜50,000であるのが好ましい。
【0015】
また他のフェノール性水酸基含有樹脂としては、下記の(1)及び/又は(2)のものが挙げられる。
(1)有機基で保護されているフェノール性水酸基を有するポリスチレン骨格の構成単位aと、フェノール性水酸基を有するポリスチレン骨格の構成単位bの両者を含有する
(2)フェノール性水酸基を有する共重合構成単位を40〜95モル%含有する
上記(1)の特徴に関しては、構成単位aと構成単位bの比率は、通常a:b=3:97〜80:20であり、好ましくは、a:b=4:96〜70:30、更に好ましくはa:b=5:95〜60:40である。
【0016】
ここで、フェノール性水酸基を保護する有機基としては、好ましくは、カーボネート型、エーテル型、シリルエーテル型、エステル型の置換基が挙げられる。カーボネート型としては、tert‐ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基が、エーテル型としては、メチル基、エチル基、tert‐ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基、メトキシメチル基、1−エトキシエチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシプロピル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、グリシジル基等の炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、環状エーテル基が、シリルエーテル型としては、トリアルキルシリル基、トリアルコキシシリル基等のシリル基が、エステル型としては、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等のアシル基などが好ましいものとして挙げられる。これらに限定はされないが、中でも、エーテル型、エステル型が好ましい。
【0017】
また、上述した必須の構成単位の他に使用可能な共重合構成単位としては、フェノール性水酸基を含有せず、且つ共重合等により樹脂中に導入することの出来る共重合構成単位で有れば特に限定されないが、例えば、置換されていても良いスチレン類、アクリル酸誘導体等が挙げられる。
【0018】
また上記(2)の特徴に関しては、本発明に用いられる樹脂中の置換されていないフェノール性水酸基を有する共重合構成単位の割合は、通常40〜90モル%、好ましくは45〜85モル%、更に好ましくは50〜80モル%である。この共重合構成単位の割合は、アルカリ可溶性樹脂を混合して用いた場合には、全ての樹脂(合計)中の構成単位として算出される。
【0019】
(カルボキシル基含有ビニル系樹脂)
又、そのカルボキシル基含有ビニル系樹脂としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸〔尚、ここで、「(メタ)アクリル」とは、アクリル又は/及びメタクリルを意味するものとし、以降も同様とする。〕、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル等のビニル化合物との共重合体等が挙げられ、これらカルボキシル基含有ビニル系樹脂は、酸価が30〜250 KOH・mg/g、ポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜300,000であるのがそれぞれ好ましい。
【0020】
更に、そのカルボキシル基含有ビニル系樹脂として、側鎖にエチレン性不飽和結合を有するものが好適であり、具体的には、例えば、カルボキシル基含有重合体に、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル、フマル酸モノアルキルモノグリシジルエステル、マレイン酸モノアルキルモノグリシジルエステル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物、又は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2,3−エポキシシクロペンチルメチル(メタ)アクリレート、7,8−エポキシ〔トリシクロ[5.2.1.0]デシ−2−イル〕オキシメチル(メタ)アクリレート等の脂環式エポキシ基含有不飽和化合物を、カルボキシル基含有重合体の有するカルボキシル基の5〜90モル%、好ましくは30〜70モル%程度を反応させて得られた反応生成物、及び、アリル(メタ)アクリレート、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、クロトニル(メタ)アクリレート、メタリル(メタ)アクリレート、N.N−ジアリル(メタ)アクリルアミド等の2種以上の不飽和基を有する化合物、又は、ビニル(メタ)アクリレート、1−クロロビニル(メタ)アクリレート、2−フェニルビニル(メタ)アクリレート、1−プロペニル(メタ)アクリレート、ビニルクロトネート、ビニル(メタ)アクリルアミド等の2種以上の不飽和基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸、又は更に不飽和カルボン酸エステルとを、前者の不飽和基を有する化合物の全体に占める割合を10〜90モル%、好ましくは30〜80モル%程度となるように共重合させて得られた反応生成物等が挙げられる。
【0021】
(エポキシアクリレート系樹脂)
又、そのエポキシアクリレート系樹脂としては、エポキシ樹脂を(メタ)アクリル酸及び酸無水物で変性させたものであり、具体的には、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂等のエポキシ樹脂のエポキシ基に、(メタ)アクリル酸を付加させた後、無水琥珀酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物で変性させたものが挙げられ、これらエポキシアクリレート系樹脂は、酸価が20〜150 KOH・mg/g、ポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜20,000であるのがそれぞれ好ましい。
【0022】
<ポジ型感光性組成物>
本発明における感光性組成物の中で、ポジ型感光性組成物としては、下記の(P−1)成分、及び(P−2)成分を含有する組成物が好ましい。
(P−1)アルカリ可溶性樹脂
(P−2)画像露光光源の光を吸収して熱に変換する光熱変換物質
【0023】
ここで、前記ポジ型感光性組成物を構成する(P−1)成分のアルカリ可溶性樹脂としては、前述したアルカリ可溶性樹脂の中で、フェノール性水酸基含有樹脂が好ましく、就中、ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、及び有機基で保護されているフェノール性水酸基を有するポリスチレン骨格の構成単位aと、フェノール性水酸基を有するポリスチレン骨格の構成単位bの両者を含有する樹脂が好ましい。
【0024】
(ポジ型感光性組成物:光熱変換物質)
又、前記ポジ型感光性組成物を構成する(P−2)成分の光熱変換物質としては、画像露光光源の光を吸収して熱に変換し得る化合物であれば特に限定されないが、波長域350〜1,300nmに吸収極大を有する有機又は無機の染顔料、有機色素、金属、金属酸化物、金属炭化物、金属硼化物等が挙げられる中で、光吸収色素が特に有効である。これらの光吸収色素の中でも、特に波長域350〜430nm、波長域650〜1,300nmの光を効率よく吸収する光吸収色素が好ましい。
【0025】
(ポジ型感光性組成物:波長域650〜1,300nmの光を効率よく吸収する光吸収色素)
波長域650〜1,300nmの光を効率よく吸収する光吸収色素としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等の複素原子がポリメチン(−CH=)n 鎖で結合された構造のものであり、代表的には、その複素原子が複素環を形成し、ポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造の所謂、広義のシアニン系色素、具体的には、例えば、キノリン系(所謂、狭義のシアニン系)、インドール系(所謂、インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン系)、ピリリウム系、チオピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系等、及び、ポリメチン鎖を介して非環式複素原子が結合された構造の所謂、ポリメチン系色素等が挙げられ、中で、キノリン系、インドール系、ベンゾチアゾール系、ピリリウム系、チオピリリウム系等のシアニン系色素、又はポリメチン系色素が好ましい。又、その他の光吸収色素として、ジイミニウム系色素、フタロシアニン系色素等が挙げられる。
【0026】
本発明においては、前記シアニン系色素の中で、キノリン系色素としては、特に、下記一般式(Ia)、(Ib)、又は(Ic)で表されるものが好ましい。
【0027】
【化1】
【0028】
〔式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中、R1及びR2は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L1は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノリン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa−は対アニオンを示す。〕
【0029】
ここで、式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中のR1及びR2がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L1における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノリン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0030】
又、インドール系、及びベンゾチアゾール系色素としては、特に、下記一般式(II)で表されるものが好ましい。
【0031】
【化2】
【0032】
〔式(II)中、Y1及びY2は各々独立して、ジアルキルメチレン基又は硫黄原子を示し、R3及びR4は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L2は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa−は対アニオンを示す。〕
【0033】
ここで、式(II)中のR3及びR4がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L2における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、縮合ベンゼン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0034】
又、ピリリウム系、及びチオピリリウム系色素としては、特に、下記一般式(IIIa)、(IIIb)、又は(IIIc)で表されるものが好ましい。
【0035】
【化3】
【0036】
〔式(IIIa)、(IIIb)、及び(IIIc)中、Z1及びZ2は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R5、R6、R7、及びR8は各々独立して、水素原子又はアルキル基、又は、R5とR7、及びR6とR8が互いに連結して炭素数5又は6のシクロアルケン環を形成していてもよく、L3は置換基を有していてもよいモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、ピリリウム環及びチアピリリウム環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa−は対アニオンを示す。〕
【0037】
ここで、式(IIIa)、(IIIb)、及び(IIIc)中のR5、R6、R7、及びR8がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10であり、L3における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ピリリウム環及びチアピリリウム環における置換基としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
【0038】
又、ポリメチン系色素としては、特に、下記一般式(IV)で表されるものが好ましい。
【0039】
【化4】
【0040】
〔式(IV)中、R9、R10、R11、及びR12は各々独立して、アルキル基を示し、R13及びR14は各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、フリル基、又はチエニル基を示し、L4は置換基を有していてもよいモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノン環及びベンゼン環は置換基を有していてもよい。Xa−は対アニオンを示す。〕
【0041】
ここで、式(IV)中のR9、R10、R11、及びR12のアルキル基の炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、R13及びR14がアリール基であるときの炭素数は通常6〜20、好ましくは6〜15であり、R13及びR14として具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基等が挙げられ、それらの置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、L4における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノン環及びベンゼン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0042】
更に、ジイミニウム系色素としては、特に、N,N−ジアリールイミニウム塩骨格を少なくとも1個有する下記一般式(Va)、又は(Vb)で表されるものが好ましい。
【0043】
【化5】
【0044】
〔式(Va)、及び(Vb)中、R15、R16、R17、及びR18は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、R19、及びR20は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、ベンゼン環及びイミノキノン環は置換基を有していてもよい。Xa−は対アニオンを示す。尚、式(Vb)中の電子結合(点線)は他の電子結合との共鳴状態を示す。〕
【0045】
ここで、式(Va)、及び(Vb)中のR15、R16、R17、R18、R19、及びR20がアルキル基、アルコキシ基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、それらにおける置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、カルボキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキル基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ベンゼン環及びイミノキノン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、アシル基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0046】
これらのジイミニウム系色素の中では、前記一般式(Va)及び(Vb)中のR15、R16、R17、及びR18がアルキル基で、R19、及びR20もアルキル基であるか、R19及びR20がジアルキルアミノ基を置換基として有するフェニル基であるものが、特に好ましい。
【0047】
尚、前記一般式(Ia 〜c)、(II)、(IIIa 〜c)、(IV)、及び(Va 〜b)における対アニオンXa−としては、例えば、Cl−、Br−、I−、ClO4−、PF6 −、SbF6 −、AsF6 −、及び、BF4 −、BCl4 −等の無機硼酸等の無機酸アニオン、並びに、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、酢酸、及び、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、チエニル、ピロリル等の有機基を有する有機硼酸等の有機酸アニオンを挙げることができる。
【0048】
又、前記一般式(Ia 〜c)、(II)、(IIIa 〜c)、及び(IV)においては、L1、L2、L3、及びL4のポリメチン鎖上に、下記一般式(VI)で表されるバルビツル酸アニオン基又はチオバルビツル酸アニオン基を置換基として有することにより、又は、L1、L2、L3、及びL4のポリメチン鎖中に、下記一般式(VII) で表されるスクエア酸アニオン基又はチオスクエア酸アニオン基、或いは、下記一般式(VIII)で表されるクロコン酸アニオン基又はチオクロコン酸アニオン基を形成することにより、分子内塩を形成していてもよい。
【0049】
【化6】
【0050】
〔式(VI)、(VII) 、及び(VIII)中、Z3、Z4、Z5、Z6、Z7、及びZ8は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R53及びR54は各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。〕
【0051】
ここで、式(VI)中のR53及びR54がアルキル基、アルコキシ基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜5、アルケニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜5であるが、アルキル基であるのが好ましく、そのアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基等が挙げられる。
【0052】
又、フタロシアニン系色素は、アザポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造を基本構造とするものであり、そのフタロシアニン系色素としては、下記一般式(IX)で表されるものが好ましい。
【0053】
【化7】
【0054】
〔式(IX)中、R21、及びR22は各々独立して、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、チオアリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ハロゲン原子、又は水素原子を示し、Mは、Zn、Cu、Ni、SnCl2 、AlCl、又は水素原子を示し、又、ベンゼン環における隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合環を形成していてもよい。〕
【0055】
ここで、式(IX)中のR21、及びR22がアルコキシ基、チオアルコキシ基、又はアルキルアミノ基であるときの炭素数は通常1〜10、好ましくは1〜4であり、アリールオキシ基、チオアリールオキシ基、又はアリールアミノ基としては、フェノキシ基、チオフェノキシ基、又はフェニルアミノ基等が挙げられ、又、Mとしては、Zn、又はSnCl2であるのが好ましい。
【0056】
以上の前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピリリウム系又はチオピリリウム系等のシアニン系色素、前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素、前記一般式(Va 〜b)で表されるジイミニウム系色素、及び前記一般式(IX)で表されるフタロシアニン系色素の中で、本発明のポジ型感光性組成物においては、前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピリリウム系又はチオピリリウム系等のシアニン系色素、前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素、又は前記一般式(Va 〜b)で表されるジイミニウム系色素が好ましく、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系のシアニン色素が特に好ましい。
【0057】
尚、前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピリリウム系又はチオピリリウム系等のシアニン系色素、前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素、及び前記一般式(Va 〜b)で表されるジイミニウム系色素の各具体例を以下に示す。
【0058】
【化8】
【0059】
【化9】
【0060】
【化10】
【0061】
【化11】
【0062】
【化12】
【0063】
【化13】
【0064】
【化14】
【0065】
【化15】
【0066】
【化16】
【0067】
【化17】
【0068】
【化18】
【0069】
【化19】
【0070】
(ポジ型感光性組成物:波長域350〜430nmの光を効率よく吸収する光吸収色素)
波長域350〜430nmの光を効率よく吸収する光吸収色素としては、ジアルキルアミノベンゼン系化合物、ピロメテン系化合物、トリヒドロキシピリミジン誘導体などが挙げられ、その中でも、ジアルキルアミノベンゼン系化合物のうち、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に置換基として有するジアルキルアミノベンゼン系化合物が好ましい。更には、ベンゼン環上の置換基とアミノ基とで、5又は6員環の含窒素複素環(本発明において複素環とは、広義の複素環を意味し、即ち脂環式化合物を含む)を形成しているジアルキルアミノベンゼン系化合物が好ましい。
好ましいジアルキルアミノベンゼン系化合物としては、下記一般式(VII)で表されるものが挙げられる。
【0071】
【化20】
【0072】
〔式(X)中、R23及びR24は各々独立して、置換されていても良いアルキル基を示し、R25及びR26は各々独立して、(ハロ)アルキル基、又は水素原子を示し、R23とR25、R23とR24及びR24とR26とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。Y3は下記式(Xa)又は(Xb)で表される置換基を表す。〕
【0073】
【化21】
【0074】
〔式中、X1及びX2は各々独立して、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、Arは置換されていても良いアリール基を表す。〕
前記一般式(Xa)又は(Xb)で表される化合物の具体例としては、下記構造の化合物を挙げることができる。
【0075】
【化22】
【0076】
その他の好ましいジアルキルアミノベンゼン系化合物としては、下記一般式(XI)で表されるものが挙げられる。
【0077】
【化23】
【0078】
〔式(XI)中、R27、R28及びR32は各々独立して、置換されていても良いアルキル基を示し、R29、R30及びR31は各々独立して、(ハロ)アルキル基、又は水素原子を示し、R27とR29、R27とR28及びR28とR30とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。〕
【0079】
前記一般式(XI)で表される化合物の具体例としては、下記構造の化合物を挙げることができる。
【0080】
【化24】
【0081】
その他の好ましいジアルキルアミノベンゼン系化合物として、下記一般式(XIa)で表されるジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物が挙げられる。
【0082】
【化25】
【0083】
〔式(XIa)中、R33、R34、R35、及びR36は各々独立して、アルキル基を示し、R37、R38、R39、及びR40は各々独立して、アルキル基、又は水素原子を示し、R33とR34、R35とR36、R33とR37、R34とR38、R35とR39、及びR36とR40とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。〕
【0084】
ここで、式(XIa)中のR33、R34、R35、及びR36のアルキル基の炭素数、並びに、R37、R38、R39、及びR40がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましく、又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましく、6員環が特に好ましい。また該含窒素複素環上に更に(ハロ)アルキル基が置換されていても良い。
【0085】
前記一般式(XIa)で表される化合物の具体例としては、例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、及び、下記構造の化合物が挙げられる。
【0086】
【化26】
【0087】
その他の好ましいジアルキルアミノベンゼン系化合物としては、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に、縮合ベンゼン環を有していても良い窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子を含む5又は6員環複素環置換基を有するジアルキルアミノベンゼン系化合物が挙げられ、その中でも特に好ましくは、下記一般式(XIb)及び(XIc)で表される縮合ベンゼン環を有する複素環を有するジアルキルアミノベンゼン系化合物が挙げられる。
【0088】
【化27】
【0089】
〔式(XIb)及び(XIc)中、R41及びR42は各々独立して、アルキル基を示し、R43及びR44は各々独立して、アルキル基、又は水素原子を示し、R41とR42、R41とR43、及びR42とR44とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。Y4は、酸素原子、硫黄原子、ジアルキルメチレン基、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示す。X3は、水酸基又はメルカプト基を示し、X4は、酸素原子、硫黄原子、ジアルキルメチレン基、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示す。複素環に縮合するベンゼン環は置換基を有していてもよい。〕
【0090】
ここで、式(XIb)及び(XIc)中のR41及びR42のアルキル基の炭素数、並びに、R43及びR44がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましく、又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましく、6員環が特に好ましい。又、X4がジアルキルメチレン基であるときのアルキル基の炭素数は1〜6であるのが好ましく、アルキルイミノ基であるときのアルキル基の炭素数は1〜6であるのが好ましい。
【0091】
前記一般式(XIb)又は(XIc)で表される化合物の具体例としては、例えば、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ〔4,5〕ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾ〔6,7〕ベンゾオキサゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾチアゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ベンゾイミダゾール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ベンゾイミダゾール、2−(p−ジメチルアミノフェニル)−3,3−ジメチル−3H−インドール、2−(p−ジエチルアミノフェニル)−3,3−ジメチル−3H−インドール、及び、下記構造の化合物が挙げられる。
【0092】
【化28】
【0093】
又、前記一般式(XIb)及び(XIc)で表される化合物以外の、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジアルキルアミノベンゼン系化合物としては、例えば、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ピリジン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ピリジン、2−(p−ジメチルアミノフェニル)キノリン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)キノリン、2−(p−ジメチルアミノフェニル)ピリミジン、2−(p−ジエチルアミノフェニル)ピリミジン、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−1,3,4−チアジアゾール等が挙げられる。
【0094】
好ましいピロメテン系化合物としては、特開2000−250206公報に記載のピロメテンボーレート系色素を挙げることができ、下記式(XII)で表されるものが好ましい。
【0095】
【化29】
【0096】
〔式中、R45〜R50は、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、芳香族複素環基、又は−SO3 −R52基(R52は水素原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルカリ金属原子又はオニウムイオンを表す。)を表す。R51は、水素原子、アルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、X5、X6はそれぞれハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、芳香族複素環基を表す。これらの基は、更に置換されていても良く、例えば縮合ベンゼン環を形成していても良い〕
【0097】
好ましいトリヒドロキシピリミジン誘導体としては、下記式(XIII)で表される化合物が挙げられる。
【0098】
【化30】
【0099】
〔式中、R53及びR54は、それぞれ独立して(アラ)アルキル基を示す。Y5は、置換基されていても良いアリール基を有するメチレン基又はイミノ基を示す。〕
【0100】
前記一般式(XIII)で表される化合物の具体例としては、下記構造の化合物を挙げることができる。
【0101】
【化31】
【0102】
本発明において、前記ポジ型感光性組成物における前記(P−1)成分のアルカリ可溶性樹脂の含有割合は、50〜99重量%であるのが好ましく、60〜98重量%であるのが更に好ましく、70〜97重量%であるのが特に好ましい。又、前記(P−2)成分の光熱変換物質の含有割合は、0.5〜30重量%であるのが好ましく、1〜20重量%であるのが更に好ましく、2〜10重量%であるのが特に好ましい。
【0103】
(ポジ型感光性組成物:その他の添加剤)
又、前記ポジ型感光性組成物には、露光部と非露光部のアルカリ現像液に対する溶解性の差を増大させる目的で、赤外領域の光で分解されない溶解抑止剤(P−3)成分が含有されていてもよく、その溶解抑止剤としては、例えば、特開平10−268512号及び特開平11−288089号各公報に詳細に記載されているスルホン酸エステル類、燐酸エステル類、芳香族カルボン酸エステル類、芳香族ジスルホン類、カルボン酸無水物類、芳香族ケトン類、芳香族アルデヒド類、芳香族アミン類、芳香族エーテル類、トリアリールメタン骨格を有する化合物類等、特開平11−190903号公報に詳細に記載されている、ラクトン骨格、N,N−ジアリールアミド骨格、ジアリールメチルイミノ骨格を有する酸発色性色素類、特開平11−143076号公報に詳細に記載されている、ラクトン骨格、チオラクトン骨格、スルホラクトン骨格を有する塩基発色性色素類等を挙げることができる。
【0104】
本発明において、前記ポジ型感光性組成物における前記(P−3)成分の溶解抑止剤の含有割合は、50重量%以下であるのが好ましく、0.01〜30重量%であるのが更に好ましく、0.1〜20重量%であるのが特に好ましい。
【0105】
又、前記ポジ型感光性組成物には、アンダー現像性の付与等の現像性の改良を目的として、好ましくはpKaが2以上の有機酸又はその有機酸の無水物(P−4)成分が含有されていてもよく、その有機酸又はその無水物としては、例えば、特開昭60−88942号、特開昭63−276048号、特開平2−96754号各公報等に記載されたものが用いられ、具体的には、グリセリン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、プロピルマロン酸、コハク酸、リンゴ酸、メソ酒石酸、グルタル酸、β−メチルグルタル酸、β,β−ジメチルグルタル酸、β−エチルグルタル酸、β,β−ジエチルグルタル酸、β−プロピルグルタル酸、β,β−メチルプロピルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和カルボン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸等の脂肪族不飽和カルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,1−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の炭素環式飽和カルボン酸、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジメチル安息香酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ安息香酸、p−トルイル酸、2−ヒドロキシ−p−トルイル酸、2−ヒドロキシ−m−トルイル酸、2−ヒドロキシ−o−トルイル酸、マンデル酸、没食子酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の炭素環式不飽和カルボン酸、及び、メルドラム酸、アスコルビン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、シクロヘキセンジカルボン酸無水物、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、無水フタル酸等の無水物が挙げられる。
【0106】
本発明において、前記ポジ型感光性組成物における前記(P−4)成分の有機酸又はその無水物の含有割合は、30重量%以下であるのが好ましく、20重量%以下であるのが更に好ましく、10重量%以下であるのが特に好ましい。
【0107】
又、前記ポジ型感光性組成物には、例えば、ビクトリアピュアブルー(42595)、クリスタルバイオレット(42555)、クリスタルバイオレットラクトン、オーラミンO(41000)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック13)、ローダミン6GCP(45160)、ローダミンB(45170)、サフラニンOK70:100(50240)、エリオグラウシンX(42080)、ファーストブラックHB(26150)、No.120/リオノールイエロー(21090)、リオノールイエローGRO(21090)、シムラーファーストイエロー8GF(21105)、ベンジジンイエロー4T−564D(21095)、シムラーファーストレッド4015(12355)、リオノールレッドB4401(15850)、ファーストゲンブルーTGR−L(74160)、リオノールブルーSM(26150)等の顔料又は染料等の着色剤(P−5)成分が含有されていてもよい。尚、ここで、前記の括弧内の数字はカラーインデックス(C.I.)を意味する。
【0108】
本発明において、前記ポジ型感光性組成物における前記(P−5)成分の着色剤の含有割合は、50重量%以下であるのが好ましく、0.5〜30重量%であるのが更に好ましく、2〜20重量%であるのが特に好ましい。
【0109】
又、前記ポジ型感光性組成物には、アルカリ可溶性樹脂が前記フェノール性水酸基含有フェノール樹脂であるとき、露光及び現像後の後加熱により該樹脂を架橋させてポジ画像に耐薬品性、耐刷性等を付与することを目的として、そのフェノール樹脂を架橋させる作用を有する架橋剤(P−6)成分が含有されていてもよく、その架橋剤としては、代表的には、官能基としてメチロール基、それをアルコール縮合変性したアルコキシメチル基、その他、アセトキシメチル基等を少なくとも2個有するアミノ化合物が挙げられ、具体的には、メラミン誘導体、例えば、メトキシメチル化メラミン〔三井サイテック社製、サイメル300シリーズ(1)等〕、ベンゾグアナミン誘導体〔メチル/エチル混合アルコキシ化ベンゾグアナミン樹脂(三井サイテック社製、サイメル1100シリーズ(2)等)〕、グリコールウリル誘導体〔テトラメチロールグリコールウリル樹脂(三井サイテック社製、サイメル1100シリーズ(3)等)〕や、尿素樹脂誘導体、レゾール樹脂等が挙げられる。
【0110】
本発明において、ポジ型感光性組成物における前記(P−6)成分の架橋剤の含有割合は、20重量%以下であるのが好ましく、10重量%以下であるのが更に好ましく、5重量%以下であるのが特に好ましい。
【0111】
又、前記ポジ型感光性組成物には、感度の向上や現像性の改良等を目的として、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性、フッ素系、或いはシリコーン系等の界面活性剤(P−7)成分が含有されていてもよい。
【0112】
そのノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー等のポリエチレングリコール類、ポリエチレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールオレイルエーテル、ポリエチレングリコールベヘニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールデシルテトラデシルエーテル等のポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル類、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ステアリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸ペンタエリスリット、トリステアリン酸ペンタエリスリット、モノオレイン酸ペンタエリスリット、トリオレイン酸ペンタエリスリット等のペンタエリスリット脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、モノラウリン酸ソルビット、テトラステアリン酸ソルビット、ヘキサステアリン酸ソルビット、テトラオレイン酸ソルビット等のソルビット脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ポリエチレングリコールアルキルアミン類、ポリエチレングリコールアルキルアミノエーテル類、ヒマシ油のポリエチレンオキサイド付加物類、ラノリンのポリエチレンオキサイド付加物類等が挙げられる。
【0113】
又、そのアニオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類、ラウリルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類、オクチルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルアンモニウム等の高級アルコール硫酸エステル塩類、アセチルアルコール硫酸エステルナトリウム等の脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、ラウリル燐酸ナトリウム、ステアリル燐酸ナトリウム等のアルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテル燐酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル燐酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩類、スルホコハク酸類、不飽和脂肪酸硫酸化油類、タウリン塩類、ヒマシ油硫酸エステル塩類等が挙げられる。
【0114】
又、そのカチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウムクロライド類、同様の第4級アンモニウムサルフェート類、同様の第4級アンモニウムナイトレート類、2−オクタデシル−ヒドロキシエチル−2−イミダゾリン等のイミダゾリン誘導体類、N,N−ジエチル−ステアロアミド−メチルアミン塩酸塩、ポリオキシエチレンステアリルアミン等のアミン塩類等が挙げられる。
【0115】
又、その両性界面活性剤としては、例えば、N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ステアリル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ラウリル−N,N−ジヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ラウリル−N,N,N−トリス(カルボキシメチル)アンモニウム等のベタイン型化合物類、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム塩類、イミダゾリン−N−ナトリウムエチルスルホネート、イミダゾリン−N−ナトリウムエチルスルフェート等のイミダゾリン類、アミノカルボン酸類、アミノ硫酸エステル類等が挙げられる。
【0116】
又、そのフッ素系界面活性剤としては公知のものが使用でき、例えば特開昭54−135004号公報、特開昭59−137943号公報、特開昭57−178242号公報、特開昭61−248054号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭62−226143号公報、特開平3−172849号公報、特開平4−335354号公報に記載のものが挙げられ、市販のものとしては例えば、住友3M社製FC−430、FC−170C、FC−95、秋田化成製EF−122A、EF−122B、EF−351、EF−352、EF−801、EF−802、大日本インキ製F−141、F−191、F−815、F−171、F−177、F−475、旭硝子(株)製S−141、S−145、S−381、S−382、SC−101、SC−105、ダイキン工業(株)製DS−401、DS−403、DS−451等が挙げられる。これらのうち、パーフルオロアルキル基を有するアクリル系オリゴマーが好ましく、フッ素置換基はアクリル系オリゴマーの主鎖に有していてもよいが、アクリル系オリゴマーの側鎖にパーフルオロアルキル基を有するのが好ましい。
【0117】
又、そのシリコーン系界面活性剤としては、公知の種々のものが挙げられる。例えば、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンBYK−301/302、同BYK−307、同BYK−325、同BYK−331、同BYK−333、同BYK−341、同BYK−345、同BYK−346、同BYK−348、同BYK−375(ビックケミー・ジャパン社製)、アロンGS−30(東亜合成社製)、シリコーンL−75、シリコーンL−76、シリコーンL−77、シリコーンL−78、シリコーンL−79、シリコーンL−520及びシリコーンL−530(以上、日本ユニカー社製)、シリコーンF−260及びシリコーンF−239(信越化学社製)等が挙げられる。
【0118】
本発明において、ポジ型感光性組成物における(P−7)成分の界面活性剤の含有割合は、0.001〜20重量%であるのが好ましく、0.002〜10重量%であるのが更に好ましく、0.005〜5重量%であるのが特に好ましい。またこれらの(P−7)成分は2種以上を同時に用いても良い。
【0119】
更に、前記ポジ型感光性組成物には、例えば、塗布性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤、現像性改良剤等の感光性組成物に通常用いられる各種の添加剤が更に20重量%以下、好ましくは10重量%以下の範囲で含有されていてもよい。
【0120】
<化学増幅型ポジ型感光性組成物>
又、本発明の感光性組成物の中で、ポジ型感光性組成物としては更に、下記の(PA−1)及び(PA−2)成分を含有する化学増幅型ポジ型感光性組成物が好ましい。
(PA−1)酸分解性基含有重合体
(PA−2)光酸発生剤
【0121】
(化学増幅型ポジ型感光性組成物:酸分解性基含有重合体)
本発明における化学増幅型ポジ型感光性組成物を構成する(PA−1)成分の酸分解性基含有重合体は、感光性組成物が活性光線の照射を受けたときに、後述する(PA−2)成分の光酸発生剤が生成する酸によって分解し、重合体自体にアルカリ可溶性を付与するような酸分解性基を含有する重合体であれば、特に限定されるものではない。
【0122】
その酸分解性基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜15のアルコキシ基、メトキシメトキシ基、ジメトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、1−メトキシエトキシ基、1−エトキシエトキシ基、1−プロポキシエトキシ基、1−t−ブトキシエトキシ基、1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−エトキシプロポキシ基等の炭素数2〜15のアルコキシアルコキシ基、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基等の2〜15のアルコキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシメトキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシメトキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシメトキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシメトキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシメトキシ基等の炭素数2〜15のアルコキシカルボニルオキシアルコキシ基等、少なくとも末端にアルコキシ基を有する基が挙げられる。
【0123】
尚、前記酸分解性基を含有する重合体としては、例えば前述の、ノボラック樹脂、レゾール樹脂等のフェノール樹脂、及びポリビニルフェノール樹脂等のフェノール性水酸基含有樹脂のフェノール性水酸基の少なくとも一部をエーテル化或いはエステル化して前記酸分解性基を導入した樹脂、及びカルボキシル基含有ビニル系樹脂のカルボキシル基の少なくとも一部をエステル化して前記酸分解性基を導入した樹脂が好ましいものとして挙げられる。中で、本発明においては、ポリビニルフェノール樹脂又はノボラック樹脂に前記酸分解性基を導入した樹脂が更に好ましく、ポリビニルフェノール樹脂に前記酸分解性基を導入した樹脂が特に好ましい。
【0124】
(化学増幅型ポジ型感光性組成物:光酸発生剤)
又、本発明における化学増幅型ポジ型感光性組成物を構成する(PA−2)成分の光酸発生剤は、感光性組成物が活性光線の照射を受けたときに、酸を生成する化合物であって、例えば、ハロゲン置換アルカン、ハロメチル化s−トリアジン誘導体等のハロゲン含有化合物類、オニウム塩類、及びスルホン化合物類等が好ましいものとして挙げられ、中で、本発明の化学増幅型ポジ型感光性組成物においては、ハロメチル化s−トリアジン誘導体、オニウム塩類、及びスルホン化合物類が特に好ましい。この際、これらの光酸発生剤自体が、照射された活性光線を吸収することにより酸を生成しても良く、あるいは光酸発生剤自体は照射された活性光線を吸収せずに、後述の増感剤(PA−3)成分が活性光線のエネルギーを吸収して得た光励起エネルギーを受け取ることにより酸を生成しても良い。
【0125】
ここで、そのハロゲン含有化合物類の中でハロゲン置換アルカンとしては、具体的には、例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、1,2−ジブロモエタン等が挙げられる。
【0126】
又、そのハロゲン含有化合物類の中でハロメチル化s−トリアジン誘導体としては、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられ、中で、ビス(トリハロメチル)−s−トリアジンが好ましく、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が特に好ましい。
【0127】
又、そのオニウム塩類としては、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド等のアンモニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ジシクロヘキシルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジシクロヘキシルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジシクロヘキシルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジシクロヘキシルヨードニウムカンファースルホネート等のヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリシクロヘキシルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリシクロヘキシルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリシクロヘキシルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリシクロヘキシルスルホニウムカンファースルホネート等のスルホニウム塩等が挙げられる。
【0128】
又、スルホン化合物類としては、具体的には、例えば、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)メタン、ビス(p−メトキシフェニルスルホニル)メタン、ビス(α−ナフチルスルホニル)メタン、ビス(β−ナフチルスルホニル)メタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)メタン、ビス(t−ブチルスルホニル)メタン、フェニルスルホニル(シクロヘキシルスルホニル)メタン等のビス(スルホニル)メタン化合物、フェニルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、ナフチルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(ナフチルスルホニル)メタン、シクロヘキシルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、t−ブチルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(シクロヘキシルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(t−ブチルカルボニル)メタン等のカルボニル(スルホニル)メタン化合物、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(α−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(β−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(スルホニル)ジアゾメタン化合物、フェニルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ナフチルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、t−ブチルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(t−ブチルカルボニル)ジアゾメタン等のカルボニル(スルホニル)ジアゾメタン化合物、メタンスルホン酸マレイミジル、トリフルオロメタンスルホン酸マレイミジル、エタンスルホン酸マレイミジル、ベンゼンスルホン酸マレイミジル、p−トルエンスルホン酸マレイミジル、メタンスルホン酸1,2−フタルイミジル、トリフルオロメタンスルホン酸1,2−フタルイミジル、エタンスルホン酸1,2−フタルイミジル、ベンゼンスルホン酸1,2−フタルイミジル、p−トルエンスルホン酸1,2−フタルイミジル、メタンスルホン酸2,3−ナフタルイミジル、トリフルオロメタンスルホン酸2,3−ナフタルイミジル、エタンスルホン酸2,3−ナフタルイミジル、ベンゼンスルホン酸2,3−ナフタルイミジル、p−トルエンスルホン酸2,3−ナフタルイミジルメタンスルホン酸1,8−ナフタルイミジル、トリフルオロメタンスルホン酸1,8−ナフタルイミジル、エタンスルホン酸1,8−ナフタルイミジル、ベンゼンスルホン酸1,8−ナフタルイミジル、p−トルエンスルホン酸1,8−ナフタルイミジル、等のスルホン酸のイミジルエステル等が挙げられ、中でもスルホン酸のイミジルエステルが好ましい。
【0129】
本発明において、前記化学増幅型ポジ型感光性組成物における前記(PA−1)成分の酸分解性基含有重合体、及び前記(PA−2)成分の光酸発生剤の各含有割合は、(PA−1)成分の酸分解性基含有重合体100重量部に対して、(PA−2)成分の光酸発生剤は、1〜50重量部であるのが好ましく、2〜30重量部であるのが更に好ましい。
【0130】
(化学増幅型ポジ型感光性組成物:増感剤)
又、前記化学増幅型ポジ型感光性組成物は、感光性組成物層としての感度等の向上を目的として、増感剤(PA−3)成分を含有するのが好ましく、350〜1,300nmの波長域、特に波長350〜430nmの青紫外領域、あるいは波長650〜1,300nmの近赤外領域の光を効率よく吸収すると共に、その光励起エネルギーを前述の(PA−2)成分の光酸発生剤に伝えて、該光酸発生剤を分解させる増感機能を有する光吸収色素が好ましい。
【0131】
その光吸収色素の中で、波長650〜1,300nmの近赤外領域の光吸収色素としては、前記ポジ型感光性組成物を構成する(P−2)成分の光熱変換物質において挙げたと同様の光吸収色素が挙げられ、それらの中で、本発明においては、前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピリリウム系又はチオピリリウム系等のシアニン系色素、前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素、又は前記一般式(IX)表されるフタロシアニン系色素が好ましく、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系のシアニン色素、前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素が特に好ましい。
【0132】
又、波長350〜430nmの青紫外領域の光吸収色素としては、前記ポジ型感光性組成物を構成する(P−2)成分の光熱変換物質において挙げたと同様の光吸収色素が挙げられ、ジアルキルアミノベンゼン系化合物、ピロメテン系化合物が好ましく、その中でも、ジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物、及び、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジアルキルアミノベンゼン系化合物が好ましい。
【0133】
該増感剤(PA−3)の含有割合は、前記(PA−1)成分の酸分解性基含有重合体100重量部に対して、1〜30重量部であるのが好ましく、5〜20重量部であるのが更に好ましい。
【0134】
(化学増幅型ポジ型感光性組成物:その他の添加剤)
又、前記化学増幅型ポジ型感光性組成物は、基板上への感光性レジスト材層形成時の塗布性、及び感光性レジスト材層の現像性等の向上を目的として、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性、及び弗素系等の界面活性剤(PA−4)成分を含有していてもよく、その界面活性剤としては、前記ポジ型感光性組成物の(P−7)成分の界面活性剤として挙げたと同様のものを挙げることができ、その含有割合は、前記(PA−1)成分の酸分解性基含有重合体100重量部に対して、0.1〜10重量部であるのが好ましく、1〜5重量部であるのが更に好ましい。
【0135】
又、本発明における前記化学増幅型ポジ型感光性組成物は、更に、各種添加剤、例えば、有機又は無機の染顔料からなる着色剤、塗布性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤等を、前記(PA−1)成分の酸分解性基含有重合体100重量部に対して10重量部以下の範囲で含有していてもよい。
【0136】
<o−キノンジアジド系化合物を含有するポジ型感光性組成物>
又、本発明の感光性組成物の中で、ポジ型感光性組成物としては更に、o−キノンジアジド系化合物を含有するポジ型感光性組成物が好ましい。
【0137】
本発明のo−キノンジアジド系化合物を含有するポジ型感光性組成物としては、アルカリ可溶性樹脂及びo−キノンジアジド系化合物を含有するポジ型感光性組成物が挙げられ、そのアルカリ可溶性樹脂としては、前述したアルカリ可溶性樹脂の中で、フェノール性水酸基含有樹脂が好ましく、就中、ノボラック樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、及び有機基で保護されているフェノール性水酸基を有するポリスチレン骨格の構成単位aと、フェノール性水酸基を有するポリスチレン骨格の構成単位bの両者を含有する樹脂が好ましい。
【0138】
またo−キノンジアジド系化合物としては、例えば、o−キノンジアジド化合物と、フェノール類及びアルデヒド類またはケトン類の重縮合樹脂とのエステル化合物が好ましい。
そのo−キノンジアジド化合物としては、o−キノンジアジドスルホン酸ハライドが好ましく、中でも、1,2−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリドが特に好ましい。
又、そのフェノール類及びアルデヒドまたはケトンの重縮合樹脂としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,5−キシレノール、カルバクロール、チモール等の一価フェノール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン等の二価フェノール、ピロガロール、フロログルシン等の三価フェノール等と、ホルムアルデヒド、ベンゾアルデヒド、アセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、フラフラール等のアルデヒド類。またはアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類との重縮合樹脂が挙げられ、これらのうち、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、m−、p−混合クレゾール・ホルムアルデヒド樹脂、レゾルシン・ベンズアルデヒド樹脂、ピロガロール・アセトン樹脂等が好ましい。かかる重縮合樹脂の分子量(Mw)は好ましくは1000〜10000、特に好ましくは1500〜5000である。
【0139】
本発明のo−キノンジアジド系化合物は、前記o−キノンジアジド化合物と前記フェノール類及びアルデヒド類またはケトン類の重縮合樹脂を定法により縮合して、エステル化合物とするが、そのエステル化合物中の、フェノール類のOH基に対するo−キノンジアジドスルホン酸の縮合率(OH基1個に対する反応率)は、5〜80%が好ましく、より好ましいのは10〜45%である。
上記o−キノンジアジド系化合物のうち、1,2−ナフトキノンジアジドスルホニルクロリドをピロガロール・アセトン樹脂と反応させて得られるo−キノンジアジド化合物が特に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂100重量部に対するo−キノンジアジド系化合物の割合は通常、3〜60重量部、好ましくは5〜50重量部である。
【0140】
又、本発明のo−キノンジアジド系化合物を含有するポジ型感光性組成物は、前記成分の外に、増感剤として前述した(P−2)成分の光熱変換物質、(P−3)成分の溶解抑止剤、(P−4)成分の現像改良剤、(P−7)成分の界面活性剤等を、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して20重量部以下の範囲で含有していても良く、それらの好ましいものとしては、前述のポジ型感光性組成物と同様のものである。また更に、有機又は無機の染顔料からなる着色剤、塗布性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤等を、前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して20重量部以下の範囲で含有していてもよい。
【0141】
<ネガ型感光性組成物>
又、本発明における感光性組成物の中で、ネガ型感光性組成物としては、下記の(N−1)成分、(N−2)成分、(N−3)成分、及び(N−4)成分を含有する光重合性の組成物が好ましい。
(N−1)アルカリ可溶性樹脂
(N−2)エチレン性不飽和化合物
(N−3)増感剤
(N−4)光重合開始剤
【0142】
(ネガ型感光性組成物:アルカリ可溶性樹脂)
本発明において、前記ネガ型感光性組成物を構成する(N−1)成分のアルカリ可溶性樹脂としては、前述したアルカリ可溶性樹脂の中で、カルボキシル基含有ビニル系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂が好ましく、就中、側鎖にエチレン性不飽和結合を有するものが好ましい。
【0143】
(ネガ型感光性組成物:エチレン性不飽和化合物)
本発明において、前記ネガ型感光性組成物を構成する(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物は、組成物が活性光線の照射を受けたときに、後述する(N−4)成分の光重合開始剤を含む光重合開始系の作用により付加重合し、場合により架橋、硬化するようなラジカル重合性のエチレン性不飽和結合を分子内に少なくとも1個有する化合物である。
【0144】
ここで、エチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和結合を分子内に1個有する化合物、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸、及びそのアルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン等、であってもよいが、重合性、架橋性、及びそれに伴う露光部と非露光部の現像液溶解性の差異を拡大できる等の点から、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物であるのが好ましく、又、その不飽和結合が(メタ)アクリロイルオキシ基に由来するアクリレート化合物が特に好ましい。
【0145】
エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物としては、代表的には、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、及びヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類、等が挙げられる。
【0146】
その不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類としては、具体的には、例えば、前記の如き不飽和カルボン酸と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ノナメチレングリコール、トリメチロールエタン、テトラメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、及びそれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の脂肪族ポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ヘキサメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート等、及び同様のクロトネート、イソクロトネート、マレエート、イタコネート、シトラコネート等が挙げられる。
【0147】
更に、その不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類として、前記の如き不飽和カルボン酸と、ヒドロキノン、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノールF、ビスフェノールA等の芳香族ポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、ヒドロキノンジ(メタ)アクリレート、レゾルシンジ(メタ)アクリレート、ピロガロールトリ(メタ)アクリレート等、又、前記の如き不飽和カルボン酸と、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等、又、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸とポリヒドロキシ化合物との反応物、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸とフタル酸とエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とマレイン酸とジエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とテレフタル酸とペンタエリスリトールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とアジピン酸とブタンジオールとグリセリンとの縮合物等が挙げられる。
【0148】
又、その(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチレングリコールホスフェート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いられても混合物として用いられてもよい。
【0149】
又、そのウレタン(メタ)アクリレート類としては、具体的には、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、リジンメチルエステルトリイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、1,6,11−ウンデカトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン等の脂肪族ポリイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニルメタン)、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の芳香族ポリイソシアネート、イソシアヌレート等の複素環式ポリイソシアネート、等のポリイソシアネート化合物との反応物等が挙げられる。
【0150】
又、そのエポキシ(メタ)アクリレート類としては、アルカリ可溶性樹脂として前述したエポキシアクリレート樹脂とは異なる化合物であって、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、又は前記の如きヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、(ポリ)エチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ペンタメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ヘキサメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ソルビトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族ポリエポキシ化合物、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリエポキシ化合物、等のポリエポキシ化合物との反応物等が挙げられる。
【0151】
又、その他のエチレン性不飽和化合物として、前記以外に、例えば、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエステル類、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物類等が挙げられる。以上のエチレン性不飽和化合物は、それぞれ単独で用いられても2種以上が併用されてもよい。
【0152】
以上の(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物として、本発明のネガ型感光性組成物においては、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、又はウレタン(メタ)アクリレート類が好ましく、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、又はウレタン(メタ)アクリレート類が特に好ましい。
【0153】
(ネガ型感光性組成物:増感剤)
又、前記ネガ型感光性組成物を構成する(N−3)成分の増感剤は、350〜1,300nmの波長域、特に波長350〜430nmの青紫外領域、あるいは波長650〜1,300nmの近赤外領域の光を効率よく吸収すると共に、その光励起エネルギーを後述する(N−4)成分の光重合開始剤に伝え、(N−2)成分の前記エチレン性不飽和化合物の重合を誘起する活性ラジカルを発生させる増感機能を有する光吸収色素が好ましい。
【0154】
その光吸収色素の中で、波長650〜1,300nmの近赤外領域の光吸収色素としては、前記ポジ型感光性組成物を構成する(P−2)成分の光熱変換物質において挙げたと同様の光吸収色素が挙げられ、それらの中で、本発明のネガ型感光性組成物においては、前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピリリウム系又はチオピリリウム系等のシアニン系色素、前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素、又は前記一般式(IX)表されるフタロシアニン系色素が好ましく、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系のシアニン色素、前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素が特に好ましい。
【0155】
又、波長350〜430nmの青紫外領域の光吸収色素としては、前記ポジ型感光性組成物を構成する(P−2)成分の光熱変換物質において挙げたと同様の光吸収色素が挙げられ、ジアルキルアミノベンゼン系化合物、ピロメテン系化合物が好ましく、その中でも、ジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物、及び、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に複素環基を置換基として有するジアルキルアミノベンゼン系化合物が好ましい。更には、ベンゼン環上の置換基とアミノ基とで、5又は6員環の含窒素複素環を形成しているジアルキルアミノベンゼン系化合物が好ましい。
【0156】
更に、増感剤としては、例えば、米国特許第3479185号明細書に開示されるロイコクリスタルバイオレットやロイコマラカイトグリーン等のトリフェニルメタン系ロイコ色素類、エリスロシンやエオシンY等の光還元性染料類、米国特許第3844790号明細書に開示されるβ−ジケトン類、米国特許第4162162号明細書に開示されるインダノン類、特開平6−301208号、特開平8−129258号、特開平8−129259号、特開平8−146605号、特開平8−211605号各公報に開示されるクマリン系色素類、特開昭52−112681号公報に開示されるケトクマリン系色素類、等の化合物が挙げられる。
【0157】
(ネガ型感光性組成物:光重合開始剤)
又、前記ネガ型感光性組成物を構成する(N−4)成分の光重合開始剤は、組成物が(N−3)成分の前記増感剤等との共存下で光照射されたときに、活性ラジカルを発生するラジカル発生剤であって、代表的には、ハロメチル化s−トリアジン誘導体類、ハロメチル化1,3,4−オキサジアゾール誘導体類、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体類、チタノセン誘導体類、有機硼素酸塩類、ジアリールヨードニウム塩類、カルボニル化合物類、及び有機過酸化物類等が挙げられ、本発明においては、ハロメチル化s−トリアジン誘導体類、ヘキサアリールビイミダゾール誘導体類、チタノセン誘導体類、又は有機硼素酸塩類が好ましい。
【0158】
ここで、そのハロメチル化s−トリアジン誘導体類としては、少なくとも1つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合した誘導体が好ましく、ビス(トリハロメチル)−s−トリアジンが特に好ましく、具体的には、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられ、中で、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が好ましい。
【0159】
又、そのハロメチル化1,3,4−オキサジアゾール誘導体類としては、具体的には、例えば、2−(p−メトキシフェニル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、2−(p−メトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、2−(o−ベンゾフリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、2−〔β−(o−ベンゾフリル)ビニル〕−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール等が挙げられる。
【0160】
又、そのヘキサアリールビイミダゾール誘導体類としては、具体的には、例えば、2,2’−ビス(o−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(p−メトキシフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メチルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(m,m−ジメトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−エトキシカルボニルフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロ−p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−フルオロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジブロモフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o,p−ジクロロフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−ヨードフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(o−クロロ−p−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラ(p−クロロナフチル)ビイミダゾール等が挙げられ、中で、ヘキサフェニルビイミダゾール誘導体が好ましく、そのイミダゾール環上の2,2’−位に結合したベンゼン環のo−位がハロゲン原子で置換されたものが好ましく、そのイミダゾール環上の4,4’,5,5’−位のベンゼン環が無置換、又は、ハロゲン原子或いはアルコキシカルボニル基で置換されたものが特に好ましい。また高濃度の感光液を調製しようとする際には、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾールであって、結晶化方法を調整することにより合成可能な、通常品とは異なる結晶性を有し、低融点であり且つ溶解性の良好な結晶を用いることが出来る。
【0161】
又、そのチタノセン誘導体類としては、具体的には、例えば、ジシクロペンタジエニルチタニウムジクロライド、ジシクロペンタジエニルチタニウムビスフェニル、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4−ジフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,6−ジフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,4−ジフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,6−ジフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)、ジ(メチルシクロペンタジエニル)チタニウムビス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)、ジシクロペンタジエニルチタニウムビス〔2,6−ジフルオロ−3−(1−ピロリル)フェニル〕等が挙げら、中で、ジシクロペンタジエニル構造とビフェニル構造を有する誘導体類が好ましく、ビフェニル環のo−位がハロゲン原子で置換されたものが特に好ましい。
【0162】
又、その有機硼素酸塩類としては、特に、下記一般式(XIV)で表されるものが好ましい。
【0163】
【化32】
【0164】
〔式(XIV)中、R55、R56、R57、及びR58は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は複素環基を示し、これらは互いに連結して環状構造を形成していてもよく、これらのうち少なくとも一つは置換基を有していてもよいアルキル基である。Xb+は対カチオンである。〕
【0165】
ここで、式(XIV)中のR55、R56、R57、及びR58がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜5、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜5、アリール基であるときの炭素数は通常6〜20、好ましくは6〜15、複素環基であるときの炭素数は通常4〜20、好ましくは4〜15であり、それらにおける置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、トリフルオロメチル基、トリメチルシリル基等が挙げられる。
【0166】
これらの式(XIV)で表される有機硼素酸塩の有機硼素アニオンとしては、具体的には、例えば、n−ブチル−メチル−ジフェニル硼素アニオン、n−ブチル−トリフェニル硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,4,6−トリメチルフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−メトキシフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−フルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(m−フルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(3−フルオロ−4−メチルフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,6−ジフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,4,6−トリフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(p−クロロフェニル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(トリフルオロメチル)硼素アニオン、n−ブチル−トリス(2,6−ジフルオロ−3−ピロリルフェニル)−硼素アニオン等が挙げられる。
【0167】
又、式(XIV)で表される有機硼素酸塩の対カチオンXb+としては、例えば、アルカリ金属カチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン等のオニウム化合物、及び、ピリリウムカチオン、チアピリリウムカチオン、インドリウムカチオン等を挙げることができるが、テトラアルキルアンモニウム等の有機アンモニウムカチオンが好ましい。又、本発明において、(N−4)成分の光重合開始剤としての有機硼素酸塩類を感光性組成物中に存在させる方法として、前記有機硼素酸塩類の有機硼素アニオンと適宜選択した対カチオンとの塩を配合する通常の方法の他、前記有機硼素酸塩類の有機硼素アニオンと(N−3)成分の前記増感剤の色素カチオンとで形成された塩を配合する方法も採ることができる。
【0168】
本発明において、前記ネガ型感光性組成物における前記(N−1)成分のアルカリ可溶性樹脂、前記(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物、前記(N−3)成分の増感剤、及び前記(N−4)成分の光重合開始剤の各含有割合は、(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物100重量部に対して、(N−1)成分のアルカリ可溶性樹脂は、10〜400重量部であるのが好ましく、20〜200重量部であるのが更に好ましい。又、(N−3)成分の増感剤は、0.01〜20重量部であるのが好ましく、0.05〜10重量部であるのが更に好ましい。又、(N−4)成分の光重合開始剤は、0.1〜80重量部であるのが好ましく、0.5〜60重量部であるのが更に好ましい。
【0169】
(ネガ型感光性組成物:水素供与性化合物)
又、前記ネガ型感光性組成物には、光重合開始能力の向上を目的として、水素供与性化合物(N−5)成分が含有されていてもよく、その水素供与性化合物としては、例えば、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン、ヘキサンジチオール等の含硫黄化合物類、N,N−ジアルキルアミノ安息香酸、N−フェニルグリシン、及びフェニルアラニン等の芳香族環を有するアミノ酸、それらのエステル誘導体、又はそれらのアンモニウムやナトリウム塩等の塩、等が挙げられる。中で、本発明においては、含硫黄化合物類、及び、N−フェニルグリシン、又はそのエステル誘導体、又はそのアンモニウムやナトリウム塩等の塩が好ましい。
【0170】
本発明において、前記ネガ型感光性組成物における前記(N−5)成分の水素供与性化合物の含有割合は、前記(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物100重量部に対して、0.1〜50重量部であるのが好ましく、0.5〜30重量部であるのが更に好ましい。
【0171】
(ネガ型感光性組成物:アミン化合物)
又、前記ネガ型感光性組成物には、感光性組成物に保存安定性を付与することを目的として、アミン化合物(N−6)成分が含有されていてもよく、そのアミン化合物としては、脂肪族、脂環式、又は芳香族アミンのいずれでもよく、又、モノアミンに限定されず、ジアミン、トリアミン等のポリアミンであってもよく、又、第1アミン、第2アミン、第3アミンのいずれであってもよいが、pKbが7以下であるものが好ましい。
【0172】
そのアミン化合物としては、具体的には、例えば、ブチルアミン、ジブチルアミン、トリブチルアミン、アミルアミン、ジアミルアミン、トリアミルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシルアミン、アリルアミン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、トリエタノールアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、トリベンジルアミン等の、水酸基又はフェニル基で置換されていてもよい脂肪族アミンが挙げられる。中で、本発明においては、トリベンジルアミンが好ましい。
【0173】
本発明において、前記ネガ型感光性組成物における前記(N−6)成分のアミン化合物の含有割合は、前記(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物100重量部に対して、0.1〜20重量部であるのが好ましく、0.5〜10重量部であるのが更に好ましい。
【0174】
(ネガ型感光性組成物:界面活性剤)
又、前記ネガ型感光性組成物は、塗布性或いは現像性等の向上を目的として、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性、及び弗素系等の界面活性剤(N−7)成分を含有していてもよく、その界面活性剤としては、前記ポジ型感光性組成物の(P−7)成分の界面活性剤として挙げたと同様のものを挙げることができ、その含有割合は、前記(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物100重量部に対して、0.1〜10重量部であるのが好ましく、2〜5重量部であるのが更に好ましい。
【0175】
(ネガ型感光性組成物:その他の添加剤)
又、前記ネガ型感光性組成物には、更に、各種添加剤、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の熱重合防止剤が、前記(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物100重量部に対して2重量部以下、有機又は無機の染顔料からなる着色剤が同じく20重量部以下、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤が同じく40重量部以下、色素前駆体が同じく30重量部以下、の割合で含有されていてもよい。
【0176】
(ネガ型感光性組成物:酸素遮断層)
尚、本発明において、ネガ型感光性組成物層を有する画像形成材においては、支持体表面に形成された感光性組成物の感光性層上に、光重合性の組成物の酸素による重合禁止作用を防止するための酸素遮断層が形成されていてもよい。
【0177】
その酸素遮断層を構成するものとしては、水、又は、水と、メタノール、エタノール、プロパノール、イソノニルアルコール等のアルコールやテトラヒドロフラン等の水混和性有機溶剤との混合溶剤に可溶の水溶性高分子であって、具体的には、例えば、ポリビニルアルコール、及びその部分アセタール化物、4級アンモニウム塩等によるそのカチオン変性物、スルホン酸ナトリウム等によるそのアニオン変性物等の誘導体、ポリピニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられる。
【0178】
それらの中で、酸素遮断性等の面からポリビニルアルコール及びその誘導体が好ましく、又、その鹸化度が、70モル%以上、更には80モル%以上で、その重量平均分子量が、0.2〜50万、更には0.4〜10万であるものが好ましい。
【0179】
又、その酸素遮断層としては、ポリビニルアルコール及びその誘導体の含有割合が30重量%以上であるのが好ましく、40〜100重量%であるのが更に好ましい。又、感光性層との密着性等の面から、ポリビニルピロリドンやビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合体等のビニルピロリドン系重合体、アクリル系重合体エマルジョン、ジイソシアネート化合物、p−トルエンスルホン酸、ヒドロキシ酢酸等を含有するのが好ましく、それらの中でビニルピロリドン系重合体が好ましく、本発明における酸素遮断層としては、ビニルピロリドン系重合体の含有割合が0.1〜70重量%であるのが好ましく、5〜60重量%であるのが更に好ましい。
【0180】
更に又、酸素遮断層としては保存性付与等の面から、琥珀酸等の有機酸やエチレンジアミンテトラ酢酸等の有機酸塩等を含有するのが好ましく、又、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等のノニオン性、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性等の界面活性剤、消泡剤、色素、可塑剤、pH調整剤等を含有していてもよく、それらの合計含有割合は、10重量%以下であるのが好ましく、5重量%以下であるのが更に好ましい。
【0181】
前記酸素遮断層は、水又は水と水混和性有機溶剤との混合溶剤の溶液として、前述の感光性層と同様の塗布法によって形成され、その塗布量は、乾燥膜厚として、1〜10g/m2 の範囲とするのが好ましく、1.5〜7g/m2 の範囲とするのが更に好ましい。
【0182】
(ネガ型感光性組成物:ドライフィルムレジスト材)
又、本発明のネガ型感光性組成物を、所謂ドライフィルムレジスト材として使用する場合には、前記各成分を後述の溶剤に溶解或いは分散させた塗布液について、仮支持フィルム上に塗布し乾燥させ、該ネガ型感光性組成物層表面を被覆フィルムで覆うことにより、所謂ドライフィルムレジスト材としての画像形成材とすることが出来る。該ドライフィルムレジスト材について、その被覆フィルムを剥離して、画像形成を行なおうとする支持体(前記支持体)上に積層した後、後述するレーザー露光を行ない、次いで仮支持フィルムを剥離した後、後述する現像処理を行なうことにより、画像形成を行なうことが出来る。
【0183】
その仮支持フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドイミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等の従来公知のフィルムが用いられる。
【0184】
又、その被覆フィルムとしては、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリテトラフルオロエチレンフィルム等の従来公知のフィルムが用いられる。
【0185】
また支持体への積層方法としては、通常のドライフィルムレジスト材の場合に行われるように、加熱、加圧等して積層することが出来る。
【0186】
(ネガ型感光性組成物:青紫色レーザー用ネガ型感光性組成物)
又、本発明のネガ型感光性組成物のうち青紫色レーザー用ネガ型感光性組成物については、後述するような画像形成材とした場合に、その感光性組成物層の上に保護層を有する場合、波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410〕が200μJ/cm2以下であることが必須であり、100μJ/cm2以下であるのが好ましく、50μJ/cm2以下であるのが更に好ましい。この最小露光量〔S410〕が前記範囲超過では、レーザー光源の露光強度にもよるが、露光時間が長くなって実用性が低下することとなる。
【0187】
又、その感光性組成物層の上に保護層を有さない場合、波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410〕が10,000μJ/cm2以下であることが必須であり、5,000μJ/cm2以下であるのが好ましく、2,000μJ/cm2以下であるのが更に好ましい。この最小露光量〔S410〕が前記範囲超過では、レーザー光源の露光強度にもよるが、露光時間が長くなって実用性が低下することとなる。
又、ドライフィルムレジスト材として使用する場合、波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410〕が50mJ/cm2以下であることが実用上好ましく、40mJ/cm2以下であるのが更に好ましく、30mJ/cm2以下であるのが特に好ましい。この最小露光量〔S410〕が前記範囲超過では、レーザー光源の露光強度にもよるが、露光時間が長くなって実用性が低下することとなる。
【0188】
尚、この最小露光量〔S410〕の下限は小さい程好ましいが、いずれの場合であっても、通常1μJ/cm2以上であり、実用的には2.5μJ/cm2以上である。
【0189】
又、本発明の青紫色レーザー用ネガ型感光性組成物層を有する画像形成材における感光性組成物層は、前記〔S410〕 の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450(μJ/cm2)〕に対する比〔S410/S450〕が0.1以下であることが必須であり、0.05以下であるのが好ましい。この比〔S410/S450〕が前記範囲超過では、青紫色レーザー感光性と黄色灯下でのセーフライト性を両立させることが困難となる。
【0190】
又、本発明の青紫色レーザー用ネガ型感光性組成物層を有する画像形成材における感光性組成物層は、波長450nm超過650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量〔S450−650(μJ/cm2)〕の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450(μJ/cm2)〕に対する比〔S450−650/S450〕が1超過であるのが好ましい。この比〔S450−650/S450〕が前記範囲未満では、青紫色レーザー感光性と黄色灯下でのセーフライト性を両立させることが困難な傾向となる。
【0191】
尚、前記波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410〕、波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450〕、及び、波長450nm超過650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量〔S450−650〕は、後述する分光感度測定装置を用いての分光感度の極大ピークの測定において、得られる画像高さから算出される画像形成可能な露光エネルギーとして求められ、その際の、現像液の種類、現像温度、現像時間等の現像条件を変化させて決定される最適現像条件で画像を形成し得る最小露光量を意味し、その最適現像条件としては、通常、pH9〜14のアルカリ現像液に温度25℃で0.5〜3分浸漬する条件が採られる。
【0192】
<画像形成材>
本発明において、前記ポジ型或いはネガ型感光性組成物は、通常、前記各成分を適当な溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として、支持体上に塗布した後、加熱、乾燥させることにより、支持体上に記感光性組成物からなる近赤外又は青紫色レーザー感光性レジスト材層を有する画像形成材とされる。
【0193】
(画像形成材:溶剤)
その溶剤としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものであれば特に制限はないが、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等の プロピレングリコール系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチル アセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶剤、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶剤、或いはこれらの混合溶剤、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等が挙げられる。溶剤の使用割合は、感光性組成物の総量に対して、通常、重量比で1〜40倍程度の範囲である。
【0194】
(画像形成材:塗布方法)
又、その塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、及びカーテン塗布等を用いることができる。塗布量は用途により異なるが、乾燥膜厚として、通常、0.3〜10μm、好ましくは0.5〜9μm、特に好ましくは1〜8μmの範囲であり、前述のネガ型感光性組成物をドライフィルムレジスト材として使用する場合には、乾燥膜厚として、画像形成及びそれに引き続くエッチングやメッキ等の加工性等の面から、通常10μm以上であるのが好ましく、15μm以上であるのが更に好ましく、又、感度等の面から、200μm以下が好ましく、100μm以下であるのが更に好ましい。
【0195】
(画像形成材:乾燥方法)
また、感光性組成物の乾燥方法としては、特に限定されないが、塗布後常温にて保持する方法、加熱オーブンにより加熱する方法、あるいは光強度密度100W/cm2以下の近赤外光を0.1秒以上照射して感光性層を熱乾燥させる方法などが挙げられる。常温にて保持する方法としては、通常10〜35℃、好ましくは15〜30℃の温度において、5分以上、好ましくは10分以上、且つ180分以内で行われるのが好ましい。また加熱オーブンにより加熱する方法としては、通常40〜130℃、好ましくは50〜120℃の温度において、5秒以上、好ましくは20秒以上、且つ好ましくは60分以内、更に好ましくは30分以内で行われるのがよい。光強度密度100W/cm2以下の近赤外光を0.1秒以上照射して感光性層を熱乾燥させる方法においては、近赤外光は少なくとも700〜1,300nmの発光波長を有し、光強度密度は、好ましくは50W/cm2以下、更に好ましくは10W/cm2以下である限り、各種の光源を使用することが出来る。好ましい光源としては、ハロゲンランプ、キセノンランプ、高圧水銀灯、低圧水銀灯、超高圧水銀灯、タングステンランプ等のランプ光源、半導体レーザー、YAGレーザー等のレーザー光源を挙げることが出来る。上記の光源の中では、特に、近赤外光の発光効果に優れるハロゲンランプが好ましく、更には、1,200nmに発光ピークを有するハロゲンランプが好ましい、また、これらの光源は必要に応じ、UV−可視光領域をフィルターにより遮光することが出来る。
【0196】
<画像形成方法>
そして、前記感光性組成物からなる感光性層を支持体表面に有する画像形成材の該感光性層を、レーザー光源により走査露光した後、アルカリ現像液で現像処理することにより画像を現出させることが出来る。
【0197】
(画像形成方法:レーザー露光)
ここで、レーザー露光光源としては、例えば、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等が挙げられるが、特に、波長域350〜430nmの青紫外領域のレーザー光を発生する光源、又は、波長域650〜1,300nmの近赤外領域のレーザー光を発生する光源が好ましく、特に限定されるものではないが、具体的には、前者波長域においては405nmを発振する窒化インジウムガリウム半導体レーザー、後者波長域においては830nmを発振する半導体レーザー、1064nmを発振するYAGレーザー等が挙げられる。
【0198】
又、その走査露光方法も、特に限定されるものではないが、例えば、平面走査露光方式、外面ドラム走査露光方式、内面ドラム走査露光方式等が挙げられ、レーザーの出力光強度を、前者波長域においては通常1〜100mW、好ましくは3〜70mW、後者波長域においては通常0.1〜100W、好ましくは0.5〜70Wとし、ビームスポット径を、前者波長域及び後者波長域共、通常2〜30μm、好ましくは4〜20μmとし、走査速度を、前者波長域においては通常50〜500m/秒、好ましくは100〜400m/秒、後者波長域においては通常0.1〜500m/秒、好ましくは0.3〜400m/秒として、感光性層上でのレーザー露光量が、前者波長域においては通常1〜50mJ/cm2 以下、好ましくは5〜40mJ/cm2 以下となるように、後者波長域においては通常1〜500mJ/cm2 以下、好ましくは5〜400mJ/cm2 以下となるようにして走査露光する。
【0199】
(画像形成方法:現像)
又、前記レーザー走査露光後の現像処理は、アルカリ現像液を用いてなされ、そのアルカリ現像液としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等の無機アルカリ塩、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機アミン化合物の0.1〜5重量%程度の水溶液からなる現像液が用いられる。
【0200】
中で、特にアルカリ現像液としては、無機アルカリ塩である珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等のアルカリ金属の珪酸塩が好ましく、そのアルカリ金属の珪酸塩が、二酸化珪素としての含有量で0.1〜5重量%であり、且つ、アルカリ金属のモル濃度(〔M〕)に対する二酸化珪素のモル濃度(〔SiO2 〕)の比(〔SiO2 〕/〔M〕)で0.1〜1.5であるのが好ましく、二酸化珪素としての含有量で0.2〜3重量%であり、且つ、アルカリ金属のモル濃度に対する二酸化珪素のモル濃度の比で0.2〜1.0であるのが特に好ましい。
【0201】
又、前記アルカリ現像液には、現像条件の幅を安定して広げ得る等の点から、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、或いは両性の界面活性剤を含有させるのが好ましい。
【0202】
ここで、そのノニオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、セタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー等のポリエチレングリコール類、ポリエチレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールオレイルエーテル、ポリエチレングリコールベヘニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールデシルテトラデシルエーテル等のポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル類、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ステアリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸ペンタエリスリット、トリステアリン酸ペンタエリスリット、モノオレイン酸ペンタエリスリット、トリオレイン酸ペンタエリスリット等のペンタエリスリット脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、モノラウリン酸ソルビット、テトラステアリン酸ソルビット、ヘキサステアリン酸ソルビット、テトラオレイン酸ソルビット等のソルビット脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ポリエチレングリコールアルキルアミン類、ポリエチレングリコールアルキルアミノエーテル類、ヒマシ油のポリエチレンオキサイド付加物類、ラノリンのポリエチレンオキサイド付加物類等を挙げることができる。中で、アルコール類、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル類が好ましい。
【0203】
又、そのアニオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類、ラウリルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテルスルホン酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸エステル塩類、オクチルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルアンモニウム等の高級アルコール硫酸エステル塩類、アセチルアルコール硫酸エステルナトリウム等の脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミン等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、ラウリル燐酸ナトリウム、ステアリル燐酸ナトリウム等のアルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸ナトリウム、ポリオキシエチレンステアリルエーテル燐酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル燐酸ナトリウム等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩類、スルホコハク酸類、不飽和脂肪酸硫酸化油類、タウリン塩類、ヒマシ油硫酸エステル塩類等を挙げることができる。中で、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル燐酸エステル塩類が好ましい。
【0204】
又、そのカチオン性界面活性剤としては、具体的には、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラノリン誘導第4級アンモニウム塩等の第4級アンモニウム塩類、2−オクタデシル−ヒドロキシエチル−2−イミダゾリン等のイミダゾリン誘導体類、N,N−ジエチル−ステアロアミド−メチルアミン塩酸塩、ポリオキシエチレンステアリルアミン等のアミン塩類等を挙げることができる。中で、第4級アンモニウム塩類が好ましい。
【0205】
又、その両性界面活性剤としては、具体的には、例えば、N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ステアリル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ラウリル−N,N−ジヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ラウリル−N,N,N−トリス(カルボキシメチル)アンモニウム等のベタイン型化合物類、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム塩類、イミダゾリン−N−ナトリウムエチルスルホネート、イミダゾリン−N−ナトリウムエチルスルフェート等のイミダゾリン類、アミノカルボン酸類、アミノ硫酸エステル類等を挙げることができる。中で、ベタイン型化合物類が好ましい。
【0206】
また、アルカリ現像液中の界面活性剤が、下記式の燐酸エステルタイプの界面活性剤であるのが好ましい。
【0207】
【化33】
【0208】
(式(XV)中、R59は、置換基を有していてもよいアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、Mは水素原子、又はアルカリ金属原子を示し、エチレンオキサイド鎖は置換基を有していてもよく、nは0〜30の整数、mは1、2、又は3である。)
【0209】
以上の界面活性剤の中で、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、又は両性界面活性剤が好ましく、特に、前記ポジ型感光性組成物においては、ノニオン性界面活性剤、又は両性界面活性剤が好ましく、前記ネガ型感光性組成物においては、特にアニオン性界面活性剤、又は両性界面活性剤が好ましい。尚、前記界面活性剤は、アルカリ現像液中に、好ましくは0.0001〜20重量%、更に好ましくは0.0005〜10重量%、特に好ましくは0.001〜5重量%の濃度で含有させる。
【0210】
又、前記アルカリ現像液には、シリコーン類化合物を含有するのが好ましい。シリコーン類化合物を含有することにより、未露光部の膜減りを更に抑制することが可能となり、結果として現像条件の幅を広げることが可能となる。また消泡剤としての効果も期待される。シリコーン類化合物としては、シロキサン結合を骨格とし、具体的には、例えば、ジメチルポリシロキサン又はそのメチル基の一部が水素又はフェニル基で置換された主鎖を持つシリコーン油、シリコーン樹脂の中で、溶液型、エマルジョン型、及びコンパウンド型として用いられているシリコーン油が好ましく、中で、消泡剤として用いられるものが好ましく、更に、ジメチルポリシロキサンとポリアルキレンオキシドとの共重合体の様な自己乳化型の親水性基を有するものが特に好ましい。具体的には、エマルジョン型シリコーン類化合物としては、日本ユニカー社製「SAG−30」、ダウコーニングアジア社製「FSアンチフォームDB−31」、自己乳化型シリコーン類化合物としては、ダウコーニングアジア社製「FSアンチフォーム80」、同社製「FSアンチフォームDK Q1−071」、信越化学社製「KS−530」、同社製「KS−537」、同社製「KS−538」等を挙げることが出来る。
【0211】
本発明におけるアルカリ現像液中のシリコーン類化合物の含有量は、1〜10,000ppm、特には5〜1,000ppmであるのが好ましい。
【0212】
本発明のアルカリ現像液は、界面活性剤、アルカリ金属珪酸塩及びシリコーン類化合物から選ばれる少なくとも1種を含有するのが好ましい。
【0213】
又、前記アルカリ現像液には、必要に応じて、更に、多価アルコール、芳香族アルコール、脂環式アルコール等の水溶性有機溶剤、ポリ燐酸塩、アミノポリカルボン酸塩、有機スルホン酸塩等の硬水軟化剤、フェノール性化合物、アミン化合物、亜硫酸塩、亜燐酸塩、チオ燐酸塩等の還元剤、有機ホスホン酸、ホスホノアルカントリカルボン酸、それらの塩等のキレート剤、アルカリ可溶性メルカプト化合物又はチオエーテル化合物、無機酸、有機酸、それらの塩等のpH調整剤等の添加剤を含有させることができる。尚、これらの添加剤は、アルカリ現像液中に、好ましくは0.001〜5重量%、特に好ましくは0.005〜3重量%の濃度で含有させる。又、アルカリ現像液のpHは、10以上とするのが好ましい。
【0214】
尚、現像は、通常、前記現像液にレーザー露光後の画像形成材を浸漬するか、該画像形成材に前記現像液をスプレーする等の公知の現像法により、通常、好ましくは10〜50℃程度、更に好ましくは15〜45℃程度の温度で、5秒〜10分程度の時間でなされる。その際、酸素遮断層が設けられている場合には、予め水等で除去しておいてもよいし、現像時に除去することとしてもよい。又、ドライフィルムレジスト材の場合には、仮支持フィルムを剥離した後、現像を行なう。
【0215】
又、その他の現像方法としては、例えば、特開平11−10827号公報等に記載されるように、前述のアルカリ現像液、又は、それに添加される前述の界面活性剤或いは水溶性有機溶剤等、若しくはそれらの溶液等、を浸透剤として露光後の感光層に浸透させ、必要に応じて物理的刺激を加えることにより、非画像部を膨潤、溶解させ、支持体表面から除去して現像する、所謂浸透現像法、又は、該画像形成材が感光性平版印刷版である場合には、特開平10−333321号公報等に記載されるように、感光性平版印刷版を印刷機の版胴に装着し、感光層上に印刷インキを供給し、インキの粘着力を利用してブランケット胴に該インキを非画像部と共に転写させることにより、非画像部を支持体表面から剥離させ現像する、所謂印刷現像法、等を採ることもできる。
【0216】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例の限定されるものではない。
【0217】
なお、以下の実施例及び比較例で用いた支持体と剥離強度の測定方法は次ぎの通りである。
(剥離強度(A))
支持体の表面接着性を示すガムテープによる剥離強度とは図1に示す如く、支持体1の表面にガムテープ(SLIONTEC社製SLION TAPE)3を25℃、5kg/cm2、50cm/分で圧着した後、支持体1を固定台2の上に固定し、ガムテープ3と支持体1が180度の方向に、毎分30cmで離れるようにガムテープ3を引っ張る際に必要な力Fをガムテープの幅で割って得られる線張力(g/cm)を表わす。ここで、力Fは、圧着されたガムテープ3を充分な距離の間持続して引っ張り剥離した場合の安定領域での平均値を用いる。
得られた剥離強度の強さを、下記に示すようにA、B、Cの記号で表す。
A:300g/cm未満
B:300g/cm以上600g/cm未満
C:600g/cm以上
【0218】
又、SLIONTEC社製SLION TAPE 及び3M社製メンディングテープを用いて、相対比較を行った。これらの結果より、基準支持体(BA−2、コーニング社No.7059のガラス)の剥離強度に対する相対値を求めることにより、用いるガムテープの種類に依存せずに、各支持体の剥離強度の強さを評価することが可能となる。
【0219】
(支持体)
BA−1:片面に厚さ18μmの銅箔がラミネートされた厚さ100μmのサンハヤト社製ポリイミド樹脂の銅張積層基板(3M社製メンディングテープを用いて下記支持体BA−2との比較により、BA−2と同等以下の剥離強度であることを確認した。)
BA−2:ガラス(コーニング社No.7059)
BA−3: 特開2002−166669公報中に記載のジアゾ含有ネガ感光性画像形成材の基板(厚さ0.2mmのアルミ板を3%水酸化ナトリウムにて脱脂し、これを18.0g/L硝酸浴中で25℃、80A/dm2の電流密度で15秒電解エッチングし、その後50℃の1%水酸化ナトリウム水溶液で5秒間デスマット処理を行ない、次に25℃の10%硝酸水溶液で5秒間中和し、続いて水洗後30%硫酸浴で30℃、10A/dm2の条件で16秒間陽極酸化し、水洗、乾燥して、更に1%オルト珪酸ナトリウム水溶液を用いて85℃で30秒間親水化処理し、水洗、乾燥して得られるアルミニウム基板。)
BA−4:特開2002−166669公報中に記載のリン酸処理感光性画像形成材の基板(BA−3のアルミニウム基板の製造方法において、硫酸の代わりに燐酸を用いたこと及び1%オルト珪酸ナトリウム水溶液による処理を行なわなかったこと以外は同様にして製造されるアルミニウム基板)
各支持体の剥離強度を表−1に示した。
【0220】
【表1】
【0221】
実施例1〜10(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−1)
アルカリ可溶性樹脂として、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で50:30:20の混合フェノール類とホルムアルデヒドとの重縮合体からなるノボラック樹脂(MW 9,400)100重量部、光熱変換物質として、下記のインドール系色素(LS−1)3重量部、及び 着色剤として、クリスタルバイオレットラクトン3重量部、界面活性剤として、テトラオレイン酸ソルビットのポリエチレンオキサイド付加物(日光ケミカルズ社製「NIKKOL GO−4」)4重量部、有機酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸)6重量部、架橋剤(三井サイテック社製サイメルC−300;メラミン系架橋剤)1重量部、塗布性改良剤(旭ガラス社製サーフロンS−381;フッ素系界面活性剤)0.0025重量部を、メチルセロソルブ1000重量部に室温で溶解させ、攪拌して塗布液を調製した。この塗布液を支持体(BA−1)の表面にワイヤーバーにより塗布し、室温の風を送り2分間風乾した後、100℃で2分間加熱させることにより、乾燥膜厚 1.5μmの感光性層を有するポジ型感光性画像形成材を作製した。
【0222】
【化34】
【0223】
得られたポジ型感光性画像形成材を、白色蛍光灯(三菱電機社36W白色蛍光灯「ネオルミスーパーFLR40S−W/M/36」)の光(400ルクスの光強度)の照射下に60分間放置した。
【0224】
該ポジ型感光性画像形成材につき、波長830nmの半導体レーザーを光源とする露光装置(クレオ社 Trend Setter 3244 T)を用いて、画像形成材の感光性層表面の露光量が150mJ/cm2になるように走査露光し、次いで、以下に示すアルカリ現像液原液(1)〜(10)の2倍希釈した液に、25℃で30から300秒間浸漬し、現像液中にて20μmのポジ細線を再現させた後、水洗することにより、細線画像を再現させたポジ型画像を作製した。
【0225】
得られた画像形成材を、酸化鉄タイプ銅エッチング溶液(サンハヤト社製)に5分間浸漬してエッチング加工を施し、非画像部(露光部分)の銅のエッチング処理を行なった。エッチング処理を行なった画像形成材の感光性層画像をアセトン溶液により溶解除去した後、画像形成材の非画像部分の銅のエッチングの程度を、目視にて観察した。結果を表−1に示す。実施例1〜10では、いずれも非画像部のエッチングが70%以上であり、良好な結果となっている。
【0226】
(アルカリ現像液原液)
アルカリ現像液原液(1)〜(10)を以下に示す。いずれの現像液原液においても、その1〜20倍希釈液のpHは11以上である。
(1) 珪酸ナトリウム(SiO2 /Na2 O=3/1、以下同じ。)1.0重量%、水酸化ナトリウム1.0重量%、ベタイン型両性界面活性剤(花王社製、「アンヒトール24B」)0.01重量%を含有する水溶液。(〔SiO2 〕/〔M〕=0.37)
(2) 珪酸ナトリウム1.0重量%、水酸化ナトリウム1.0重量%、ベタイン型両性界面活性剤(花王社製、「アンヒトール86B」)0.01重量%を含有する水溶液。(〔SiO2 〕/〔M〕=0.37)
(3) 珪酸ナトリウム1.0重量%、水酸化ナトリウム1.0重量%、ポリオキシアルキレン型ノニオン性界面活性剤(花王社製、「エマルゲンA−60」)0.01重量%を含有する水溶液。(〔SiO2 〕/〔M〕=0.37)
(4) 珪酸ナトリウム1.0重量%、水酸化ナトリウム1.0重量%、ポリオキシアルキレン型ノニオン性界面活性剤(花王社製、「エマルゲンPP−150」)0.01重量%を含有する水溶液。(〔SiO2 〕/〔M〕=0.37)
【0227】
(5) 珪酸ナトリウム1.0重量%、水酸化ナトリウム1.0重量%、スルホン酸ナトリウム型アニオン性界面活性剤(花王社製、「ペレックスNBL」)0.01重量%を含有する水溶液。(〔SiO2〕/〔M〕=0.37)
(6) 珪酸ナトリウム1.0重量%、水酸化ナトリウム1.0重量%、スルホン酸ナトリウム型アニオン性界面活性剤(花王社製、「ペレックスSS−H」)0.01重量%を含有する水溶液。(〔SiO2 〕/〔M〕=0.37)
(7) 珪酸ナトリウム1.0重量%、水酸化ナトリウム1.0重量%、カチオン性界面活性剤 トリメチルラウリルアンモニウムクロライド0.01重量%を含有する水溶液。(〔SiO2 〕/〔M〕=0.37)
(8) 珪酸ナトリウム1.0重量%、水酸化ナトリウム1.0重量%を含有する水溶液。(〔SiO2 〕/〔M〕=0.37)
(9)水酸化ナトリウム1.0重量%を含有する水溶液。(〔SiO2 〕/〔M〕=0)
(10)珪酸ナトリウム1.0重量%、水酸化ナトリウム1.0重量%、下記のリン酸エステルタイプ界面活性剤(DLP10)0.01重量%を含有する水溶液。(〔SiO2 〕/〔M〕=0.37)
〔DLP10;前記式(XV)におけるR59=炭素数12、M=ナトリウム、n=10、m=1を主成分とする燐酸エステル化合物(日光ケミカルズ社製)〕
【0228】
【表2】
【0229】
(非画線部のエッチングの評価)
A:非画像部の銅が全面積にわたり完全にエッチングされていた。
B:非画像部の銅の90%以上がエッチングされていた。
C:非画像部の銅エッチングが70%以上90%未満であった。
D:非画像部の銅エッチングが70%未満であった。
【0230】
実施例11(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−2)
実施例1において、支持体としてBA−2(剥離強度(A):A)を用いた事、且つ露光方法として、該画像形成材を、スリーワンモーターを用いて回転可能とした直径7cmのアルミ製シリンダーに固定して回転させつつ、波長830nm、30mWのアプライドテクノ社製半導体レーザーにより、感光性層表面の露光量が50〜400mJ/cm2となる露光エネルギーで走査露光した以外は、同様にして画像形成を行なったところ、ガラス基板上に高品質のバイオレット色着色ポリマー画像が形成された。
【0231】
実施例12(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−3)
実施例8において、支持体としてBA−3(剥離強度(A):350g/cm)を用いた以外は同様にして画像形成を行なった。得られた画像形成材の感光性層表面をアルカリ現像インキ(富士写真フィルム社製現像インキ PI−2)を含浸させたスポンジで10回こする評価(現像インキ盛り評価)を行なった所、インキは感光性画像部分にのみ付着し、高品質なインク画像が得られた。
【0232】
比較例1(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−4)
実施例1において、支持体としてBA−4(剥離強度(A):1100g/cm)を用いた以外は同様にして画像形成を行なった所、インキは、感光性画像部以外に、非画像部(レーザー露光した部分)上にも付着しするインク画像欠陥を生じてしまった。
【0233】
実施例13(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−1/シリコーン類化合物添加)
実施例3において、現像液中にシリコーン類化合物として、日本ユニカー社製エマルジョン「SAG−30」を100ppm添加したこと以外は、同様に評価を行なった所、非画線部のエッチング評価は、Aであった。また、このときに現像液中の泡の発生を大幅に押さえることができた。
【0234】
実施例14(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−1/珪酸塩なし)
実施例1において現像液原液(1)中の珪酸ナトリウムを除去した現像液原液を使用し、エッチング評価を行なった所、エッチング評価はAであったが、使用済み現像液を1日放置した空気疲労現像液で評価した所、エッチング評価は、Bであった。一方、使用済み現像液原液(1)を同様に、1日放置した空気疲労現像液で評価した所、エッチング評価は、Aであった。
【0235】
実施例15(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−1/エトキシエチル化ポリビニルフェノール使用)
支持体としてBA−1を用い、その支持体上に、アルカリ可溶性樹脂として、1−エトキシエチル基保護率35%のポリビニルフェノール(東邦化学社製、Mw:12,000、Mn:13,000)80重量部及びポリビニルフェノール〔丸善石油化学社製マルカリンカーS−2P、Mw:4,800、Mn:2,500〕20重量部、光熱変換物質として前記LS−1の色素7重量部を、プロピレングリコールモノメチルエーテル428重量部に室温で攪拌することにより調液したポジ型感光性組成物塗布液をワイヤーバーにより塗布し、白色灯下室温で60分間乾燥させることにより、乾燥膜厚2μmのポジ型感光性組成物層を有するポジ型感光性画像形成材を作製した。
【0236】
得られたポジ型感光性画像形成材につき、実施例1と同様に評価を行ったところ、非画線部のエッチング評価は、Aであった。
【0237】
実施例16(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−1/アセチル化ポリビニルフェノール使用)
実施例15において、1−エトキシエチル基保護率35%のポリビニルフェノール及びポリビニルフェノールの代わりに、下記製造例1の方法により合成したアセチル化率26%のポリビニルフェノールを用い、更にクリスタルバイオレットラクトン7重量部を用いた外は、同様にして評価を行ったところ、非画線部のエッチング評価は、Aであった。
【0238】
製造例1(アセチル化ポリビニルフェノールの製造)
100mlナスフラスコ中で、ポリビニルフェノール〔丸善石油化学(株)製マルカリンカーS−2P、Mw:4,800、Mn:2,500〕3.6g及びピリジン0.68gをテトラヒドロフラン20gに溶解した。次いで、氷冷下で、この溶液に対して、無水酢酸0.80gをゆっくりと滴下した。滴下終了後、溶液を室温にて4時間撹拌した。続いて、得られた反応液を水400ml中に滴下し、目的物の粗結晶を得た。
【0239】
この粗結晶について、水で2回懸濁洗浄を行ない、真空乾燥することにより、結晶3.6gを得た。この結晶の1H−NMRスペクトルを測定し、アセチル化率26%のポリビニルフェノールであることを確認した。
【0240】
実施例17(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−1/ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体使用)
実施例16において、アセチル化ポリビニルフェノールの代わりに、ヒドロキシスチレンとスチレンの共重合体(丸善石油化学社製、ヒドロキシスチレン/スチレン比=7:3、Mw:3,000、Mn:2,000)を用いた外は、同様にして評価を行ったところ、非画線部のエッチング評価は、Aであった。
【0241】
実施例18(ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−1/ヒドロキシスチレンとメタクリル酸メチルの共重合体使用)
実施例16において、アセチル化ポリビニルフェノールの代わりに、ヒドロキシスチレンとメタクリル酸メチルの共重合体(丸善石油化学社製、ヒドロキシスチレン/メタクリル酸メチル比=1:1、Mw:10,600、Mn:4,000)を用いた外は、同様にして評価を行ったところ、非画線部のエッチング評価は、Aであった。
【0242】
実施例19〜26(ネガ型感光性組成物/酸素遮断層無し/近赤外レーザー/BA−1)
以下の表3に示す(N−1)成分のアルカリ可溶性樹脂 45重量部、(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物 55重量部、(N−3)成分の増感剤 2重量部、(N−4)成分の光重合開始剤 15重量部、及びその他成分をメチルエチルケトン650重量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル440重量部に室温で溶解し攪拌して塗布液を調液した。この塗布液を、支持体BA−1(剥離強度:A)の表面にワイヤーバーにより乾燥膜厚が2g/m2 となるように塗布し、表3に示した条件にて乾燥して、光重合性の感光性組成物からなる感光性層を形成し、ネガ型感光性画像形成材を作製した。
得られたネガ型感光性画像形成材につき、実施例1と同様にして60mJ/cm2の露光エネルギーで画像を走査露光し、次いで、画像形成材を15分間、実施例1と同様の白色セーフライト条件に放置したのち現像液(5)の20倍希釈溶液にて実施例1と同様に現像処理を行なった所、いずれの場合にも支持体上に良好なネガの感光性層画像が得られた。この画像形成材について、実施例1と同様にエッチング評価を行ない、結果を表3に示した。
【0243】
【表3】
【0244】
<(N−1)アルカリ可溶性樹脂>
(N−1a)メチルメタクリレート(80モル%)/メタクリル酸(20モル%)共重合体に、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートを反応させて得られた反応生成物(メタクリル酸成分のカルボキシル基の60モル%が反応、酸価60、重量平均分子量7.5万)
(N−1b)昭和高分子社製リポキシPR−300クレゾールノボラック型エポキシ樹脂にアクリル酸を付加させた後テトラヒドロフタル酸により変性したものと思われる
(N−1c)グリシジルメタクリレート(30モル%)/スチレン(25モル%)/ターシャリーブチルメタクリレート(30モル%)/メタクリル酸(15モル%)共重合体(重量平均分子量50,000)
<(N−2)エチレン性不飽和化合物>
(N−2d)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)
(N−2c)下記のウレタン(メタ)アクリレート
【0245】
【化35】
<(N−3)増感剤>
(N−3a)下記のインドール系色素
【0246】
【化36】
(N−3b)前記のインドール系色素LS−1
(N−3c)下記のポリメチン系色素
【0247】
【化37】
<(N−4)光重合開始剤>
(N−4a)2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
(N−4b)下記の有機硼素酸塩類
【0248】
【化38】
<その他成分>
ビクトリアピュアブルー(BOH);1重量部
【0249】
実施例27(ネガ型感光性組成物/酸素遮断層無し/近赤外レーザー露光/支持体BA−2)
実施例19の支持体をBA−2(剥離強度(A):A)に変更した事、且つ露光方法として、該画像形成材を、スリーワンモーターを用いて回転可能とした直径7cmのアルミ製シリンダーに固定して回転させつつ、波長830nm、30mWのアプライドテクノ社製半導体レーザーにより、感光性層表面の露光量が50〜200mJ/cm2となる露光エネルギーで走査露光した以外は同様に製版を行なった所、ガラス基板上に高品質のバイオレット色着色ポリマー画像が形成された。
【0250】
実施例28(ネガ型感光性組成物/酸素遮断層無し/近赤外レーザー露光/支持体BA−3)
実施例19の支持体をBA−3(剥離強度(A):350g/cm)に変更した以外は同様に製版を行ない、現像インキ盛り評価を行った所、高品質のインキ画像が得られた。
【0251】
比較例2(ネガ型感光性組成物/酸素遮断層無し/近赤外レーザー露光/支持体BA−4)
実施例19の支持体をBA−4(剥離強度(A):1100g/cm)に変更した以外は同様に製版を行ない、現像インキ盛り評価を行った所、非画線部分にインキの付着が認められた。
【0252】
実施例29(ネガ型感光性組成物/酸素遮断層無し/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
下記の(N−1)成分のアルカリ可溶性樹脂、(N−2)成分のエチレン性不飽和化合物、(N−3)成分の増感剤、(N−4)成分の光重合開始剤、(N−5)成分の水素供与性化合物、(N−6)成分のアミン化合物、(N−7)成分の界面活性剤、及びその他成分を、メチルエチルケトン740重量部とメチルセロソルブ400重量部との混合溶剤に加えて、室温で溶解し攪拌して塗布液を調液した。この塗布液を支持体BA−1上に、バーコーターを用いて乾燥膜厚が6g/m2となるように塗布し、80℃で2分間乾燥させて、感光性レジスト材層を形成しネガ型感光性画像形成材を作成した。
【0253】
<(N−1)アルカリ可溶性樹脂>
(N−1d)スチレン(55モル%)/α−メチルスチレン(15モル%)/アクリル酸(30モル%)共重合体に3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートを反応させて得られた反応生成物(アクリル酸成分の50モル%が反応);45重量部
<(N−2)エチレン性不飽和化合物>
(N−2a)下記の化合物;10重量部
(N−2b)下記の化合物;5重量部
(N−2c)下記の化合物;8重量部
(N−2d)ジベタエリスリトールへキサアクリレート;22重重量部
【0254】
【化39】
【0255】
<(N−3)増感剤>
(N−3b)4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ペンゾフェノン;2重量部
<(N−4)光重合開始剤>
(N−4b)2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール;25重量部
<(N−5)水素供与性化合物>
(N−5a)2−メルカプトペンゾチアゾール;5重量部
(N−5b)N−フェニルグリシンペンジルエステル;10重量部
<(N−6)アミン化合物>
(N−6a)トリベンジルアミン;10重量部
<(N−7)界面活性剤>
(N−7a)ノニオン性界面活性剤(花王社製「エマルゲン104P」);2重量部
(N−7b)弗素系界面活性剤(旭硝子社製「S−381」);0.3重量部
<その他>
ビクトリアピュアブルー(BOH)(可視画剤);0.2重量部
【0256】
得られた青紫色レーザーネガ画像形成材の感光性レジスト層について、以下に示す方法で分光感度の極大ピークを測定したところ410nmであった。又、以下に示す方法により測定した結果、波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410 (μJ/cm2 )〕は800μJ/cm2、波長410nmにおける画像形成可能な該最小露光量〔S410 〕の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 (μJ/cm2 )〕に対する比〔S410 /S450 〕は0.03以下であり評価A、及び、波長450nm超過650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量〔S450−650 (μJ/cm2 )〕の波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 (μJ/cm2 )〕に対する比〔S450−650 /S450 〕は10超過であり評価Aであった。
【0257】
<分光感度の極大ピーク>
画像形成材を50×60mmの大きさに切り出したサンプルを、回折分光照射装置(ナルミ社製「RM−23」)を用い、キセノンランプ(ウシオ電機社製「UI−501C」)を光源として350〜650nmの波長域で分光した光を、横軸方向に露光波長が直線的に、縦軸方向に露光強度が対数的に変化するように設定して10秒間照射して露光し、次いで、炭酸ナトリウム0.1重量%及びアニオン性界面活性剤(花王社製「ペレックスNBL」)0.1重量%を含む水溶液に、26℃で60秒間浸漬した後、スポンジで5回擦って現像処理することにより、各露光波長の感度に応じた画像が得られ、その画像高さから画像形成可能な露光エネルギーを算出し、横軸に波長、縦軸にその露光エネルギーの逆数をプロットすることにより得られる分光感度曲線における極大ピークを指す。
【0258】
<S410 ,S410 /S450 ,S450−650 /S450 >
前記と同様にして350〜650nmの波長域で波長を変化させて露光し、現像したときの、波長410nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S410 (μJ/cm2 )〕と波長450nmにおける画像形成可能な最小露光量〔S450 (μJ/cm2 )〕、及び、波長450nm超過650nm以下の各波長における画像形成可能な最小露光量〔S450−650 (μJ/cm2 )〕をそれぞれ求め、その比〔S410 /S450 〕、及び〔S450−650/S450 〕を算出し、以下の基準で評価した。
【0259】
<S410 /S450 の評価基準>
A:S410 /S450 が0.03以下。
B:S410 /S450 が0.03超過0.05以下。
C:S410 /S450 が0.05超過0.1以下。
D:S410 /S450 が0.1超過。
【0260】
<S450−650 /S450 の評価基準>
A:S450−650 /S450 が10超過。
B:S450−650 /S450 が5超過10以下。
C:S450−650 /S450 が1超過5以下。
D:S450−650 /S450 が1以下。
【0261】
一方、得られたネガ型画像形成材を黄色灯照明(約470nm以下の波長の光を遮断した条件)下に15分間放置した後、波長405nmを発振する青紫色半導体レーザー露光機(Escher−Grad社製「Cobalt8」)を用いて、反面出力0.5mW、レーザービームスポット径12μm、走査密度5080dpi、走査速度167m/秒にて、走査露光を20回繰り返して行った。(このときの版面の露光エネルギーは合計800μJ/cm2であった。)その後、現像液(1)の15倍希釈液を用い、23℃で100秒間浸漬した後、スポンジで5回換って現像処理を行った。その結果、表面に高品質のレジスト画像が形成された画像形成材が得られた。得られた画像形成材料に実施例1と同様のエッチング評価を行なった所、評価はAであった。
【0262】
実施例30(ネガ型感光性組成物/酸素遮断層無し/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
実施例29において、(N−3)成分の増感剤を下記の式BBB−1のものに変更し、現像液の希釈倍率を3倍に変更して同様の評価を行ったところ、レーザー走査露光の繰り返し回数14回により、高品質のレジスト画像が得られた。分光感度の極大ピークは410nm、又、S410は、600μJ/cm2、 S410/S450はA、S450−650/S450はA、得られた画像形成材料のエッチング評価はAであった。
【0263】
【化40】
【0264】
実施例31(ネガ型感光性組成物/酸素遮断層無し/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
実施例29において、(N−3)成分の増感剤を下記の式BBB−2のものに変更し、現像液の希釈倍率を3倍に変更して同様の評価を行ったところ、レーザー走査露光の繰り返し回数11回により、高品質のレジスト画像が得られた。分光感度の極大ピークは410nm、又、S410は、500μJ/cm2、 S410/S450はA、S450−650/S450 はA、得られた画像形成材料のエッチング評価はAであった。
【0265】
【化41】
【0266】
実施例32(ネガ型感光性組成物/酸素遮断層無し/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
実施例29において、(N−3)成分の増感剤を下記の式BBB−3のものに変更し、現像液の希釈倍率を3倍に変更して同様の評価を行ったところ、レーザー走査露光の繰り返し回数17回により、高品質のレジスト画像が得られた。分光感度の極大ピークは410nm、又、S410は、700μJ/cm2、 S410/S450はA、S450−650/S450はA、得られた画像形成材料のエッチング評価はAであった。
【0267】
【化42】
【0268】
実施例33(ネガ型感光性組成物/ドライフィルムレジスト材/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
感光性組成物としての下記の各成分をメチルエチルケトン/イソプロパノール(重量比8/2)の混合溶剤100重量部に加えて、40℃で4時間加温して塗布液を調製した。この塗布液を、仮支持フィルムとしてのポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み19μm)上に、アプリケーターを用いて、乾燥膜厚が25μmとなる量で塗布し、コンベクションオーブンにより90℃10分間乾燥させ、形成された感光性組成物層上に、被覆フィルムとしてのポリエチレンフィルム(厚み25μm)を積層し、ドライフィルムレジスト材を作成した。
【0269】
<(N−1)アルカリ可溶性樹脂>
(N−1e)メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比45/15/40)に3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレートを反応させて得られた反応生成物(反応率38%);48重量部
<(N−2)エチレン性不飽和化合物>
(N−2e)ポリエチレングリコール(#400)ジメタクリレート(共栄化学社製「ライトエステル9EG」);15重量部
(N−2f)ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物ジメタクリレート(共栄化学社製「ライトエステルBP−6EM」;30重量部
<(N−3)増感剤>
上記BBB−1;0.2重量部
<(N−4)光重合開始剤>
(N−4b)2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール;15重量部
<(N−5)水素供与性化合物>
(N−5b)N−フェニルグリシンペンジルエステル;3重量部
(N−5c)N−フェニルグリシンの双極イオン化合物;2重量部
【0270】
別に、支持体BA−1の銅箔表面を、予め銅箔表面を研磨した支持体BA−1を60℃で予熱した後、その銅箔表面上に、前記で得られたドライフィルムレジスト材を、被覆フィルムを剥離しつつ、その剥離面と銅箔表面が接するようにして、ロールラミネーターを用いて、ロール温度100℃、ロール圧0.3MPa、ラミネート速度1.5m/分でラミネートすることにより、画像形成材を作成した。
【0271】
得られた画像形成材につき、以下に示す方法で露光感度を測定したところ、2mJ/cm2であった。また分光感度の極大ピークは410nm、又、S410は、1.1mJ/cm2、 S410/S450はA、S450−650/S450 はA、得られた画像形成材料のエッチング評価はAであった。
【0272】
<露光感度>
得られた画像形成材の感光性組成物層を、中心波長405nm、レーザー出力5mWのレーザー光源(日亜化学工業社製「NLHV500C」)を用いて、像面照度2μW、ビームスポット径2.5μmで、ビーム走査間隔及び走査速度を変えながら走査露光し、次いで、仮支持フィルムを剥離した後、32℃の炭酸ナトリウム(1重量%)とアニオン性界面活性剤(花王社製「ペレックスNBL」、0.05重量%)を含有する水溶液を現像液として、スプレー圧0.15MPaにて、最小現像時間の2倍の時間でスプレー現像することにより、ネガ画像を現出させた。得られた画像について、10μmの線幅が再現するのに要する露光量を求め、露光感度とした。
【0273】
実施例34(ネガ型感光性組成物/ドライフィルムレジスト材/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
(N−1)成分のアルカリ可溶性樹脂を、スチレン/メチルメタクリレート/n−ブチルアクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比15/45/15/25、Mw=70,000、酸価140KOH・mg/mg)に代えた以外は、実施例33と同様にして画像形成材を作成して評価した結果、露光感度は1.6mJ/cm2、分光感度の極大ピークは410nm、又、S410は、1.0mJ/cm2、 S410/S450はA、S450−650/S450 はA、得られた画像形成材料のエッチング評価はAであった。
【0274】
実施例35(ネガ型感光性組成物/ドライフィルムレジスト材/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
(N−3)成分の増感剤を、下記のBBB−4に代えた以外は、実施例33と同様にして画像形成材を作成して評価した結果、露光感度は2.2mJ/cm2、分光感度の極大ピークは410nm、又、S410は、1.6mJ/cm2、 S410/S450はA、S450−650/S450 はA、得られた画像形成材料のエッチング評価はAであった。
【0275】
【化43】
【0276】
実施例36(ネガ型感光性組成物/ドライフィルムレジスト材/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
(N−3)成分の増感剤を、下記のBBB−5に代えた以外は、実施例33と同様にして画像形成材を作成して評価した結果、露光感度は3.6mJ/cm2、分光感度の極大ピークは410nm、又、S410は、2.4mJ/cm2、 S410/S450はA、S450−650/S450 はA、得られた画像形成材料のエッチング評価はAであった。
【0277】
【化44】
【0278】
実施例37(化学増幅型ポジ型感光性組成物/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
支持体としてBA−1を用い、その支持体上に、下記の(PA−1)成分の酸分解性基含有重合体、(PA−2)成分の光酸発生剤、及びその他成分を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート640重畳部とメチルセロソルプ240重量部との混合溶剤に加えて、室温で攪拌して調液した塗布液を、バーコーターを用いて乾燥膜厚が3g/m2となるように塗布し、90℃で2分間乾燥させて、感光性レジスト材層を形成することにより、ポジ画像形成材を製造した.
【0279】
<(PA−1)酸分解性基含有重合体>
(PA−1a)1−エトキシエチル基保護率35%のポリビニルフェノール(東邦化学社製、Mw:12,000、Mn:13,000);100重量部
<(PA−2)光酸発生剤>
(PA−2a)2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン;20重量部
<その他>
銅フタロシアニン顔料;4重量部
【0280】
得られたポジ画像形成材の感光性レジスト層について、走査露光を40回繰り返して行った(このときの版面の露光エネルギーは合計1,600μJ/cm2であった)こと、露光後90℃で2分間の後加熱処理を施したこと、及び、現像液として現像液(1)を用い、且つ、30℃で120秒の現像処理を行ったこと以外は、実施例29と同様の方法により、良好なレジスト画像が得られた。また、分光感度の極大ピークを測定したところ410nmであった。又、実施例29と同様の方法で測定したS410は2,000μJ/cm2、S410/S450はA、S450−650/S450はA、実施例1と同様のエッチング評価は、Aであった。
【0281】
実施例38(化学増幅型ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−1)
支持体としてBA−1(剥離強度(A):A)を用い、その銅箔上に、下記の(PA−1)成分の酸分解性基含有重合体、(PA−2)成分の光酸発生剤、及びその他成分を、プロピレングリコールモノメチルエーテル940重畳部とメチルエチルケトン1,400重量部との混合溶剤に加えて、室温で攪拌して調液した塗布液を、バーコーターを用いて乾燥膜厚が3g/m2となるように塗布し、室温で60分間乾燥させて、感光性レジスト材層を形成することにより、ポジ画像形成材を作製した。
【0282】
<(PA−1)酸分解性基含有重合体>
(PA−1a)1−エトキシエチル基保護率35%のポリビニルフェノール(東邦化学社製、Mw:12,000、Mn:13,000);70重量部
<(PA−2)光酸発生剤>
(PA−2a)2−(p−メトキシーm−ヒドロキシスチリル)−4,6一ビス(トリクロロメチル)−S−トリアジン;5重量部
<その他>
ポリビニルフェノール〔丸善石油化学社製マルカリンカーS−2P、Mw:4,800、Mn:2,500〕;30重量部
前記(N−3a)のインドール系色素;2重量部
【0283】
得られたポジ画像形成材の感光性レジスト層について、実施例1と同様に評価を行った結果、評価はAであった。
【0284】
実施例39(化学増幅型ポジ型感光性組成物/近赤外レーザー露光/支持体BA−1)
実施例38において、(PA−2)の光酸発生剤として、トリフルオロメタンスルホン酸1,8−ナフタルイミジル 5重量部を用いた以外は同様にして評価を行った結果、良好なポジ画像が得られ、エッチング評価もAであった。
【0285】
実施例40(o−キノンジアジド含有ポジ型感光性組成物/青紫半導体レーザー露光/支持体BA−1)
実施例29において、感光性組成液を下記のものにし、感光性層膜厚を1μmに変更し、走査露光を200回繰り返したこと以外は、同様にして評価を行った。その結果、良好なレジスト画像が得られ、エッチング評価もAであった。
【0286】
(感光性層塗布液組成)
ノポラック樹脂〔フェノール/m−クレゾール/p−クレゾールの混合フェノール(モル比10/54/36)とホルムアルデヒドとの重縮合体〔重量平均分子量4000〕;100重量部
o−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリドとピロガロール・アセトン樹脂 (重量平均分子量3000) とのエステル化反応生成物(反応率30%);7.5重量部
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−S−トリアジン;2.2重量部
ビクトリアピュアブルー(BOH);1.2重量部
ポリエチレングリコールPEG2000(三洋化成社製);3重量部
cis−1,2−シクロへキサンジカルボン酸;3重量部
フッ素系界面活性剤(旭硝子社製サーフロンS−381);0.3重量部
メチルセロソルプ;1500重量部
【0287】
【発明の効果】
本発明は、近赤外または青紫色領域のレーザー光に対して高感度であると共に、白色灯あるいは黄色灯下でのセーフライト性に優れる、レーザー感光性画像形成材の画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガムテープ剥離強度の測定方法を示す概念図である。
【符号の説明】
1 支持体
2 固定台
3 ガムテープ
Claims (10)
- 支持体の表面にアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性組成物よりなる感光性層が形成された画像形成材料の該感光性層を青紫半導体レーザーまたは近赤外レーザー光源により走査露光し、次いでアルカリ現像液により現像処理して画像を現出させる画像形成方法において、支持体が、下記のいずれかを少なくとも満足することを特徴とする画像形成方法
(1)支持体の表面剥離強度が600g/cm未満であること
(2)支持体の相対表面剥離強度が0.5以上6以下であること - 支持体の表面剥離強度が600g/cm未満であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 支持体表面が銅又はガラスである請求項1又は2に記載の画像形成方法。
- アルカリ現像液が、界面活性剤、アルカリ金属珪酸塩及びシリコーン類化合物から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜3に記載の画像形成方法。
- 感光性組成物を支持体の表面に塗布後、光強度100W/cm2以下の近赤外光を0.1秒以上照射して感光性層を熱乾燥させる請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該感光性組成物が、下記の(P−1)成分、及び(P−2)成分を含有するポジ型感光性組成物である請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成方法。
(P−1)アルカリ可溶性樹脂
(P−2)画像露光光源の光を吸収して熱に変換する光熱変換物質 - (P−2)成分の光熱変換物質が、650〜1,300nmの波長域に吸収極大を有する光吸収色素であり、且つ、レーザー光源が、650〜1,300nmの波長域の光を発生するものである請求項6に記載の画像形成方法。
- 該感光性組成物が、下記の(N−1)成分、(N−2)成分、(N−3)成分、及び(N−4)成分を含有する光重合性のネガ型感光性組成物である請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成方法。
(N−1)アルカリ可溶性樹脂
(N−2)エチレン性不飽和化合物
(N−3)増感剤
(N−4)光重合開始剤 - 感光性組成物が、o−キノンジアジド系化合物を含有するポジ型感光性組成物である請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成方法。
- 感光性層が、下記の(PA−1)及び(PA−2)成分を含有するポジ型感光性組成物からなる請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成方法。
(PA−1)酸分解性基含有重合体
(PA−2)光酸発生剤
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