JP2004102091A - 感光性組成物、及びそれを用いた画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性組成物において、現像性を確保しつつ、画像部に充分な強度を付与することができる感光性組成物、及びそれを用いた画像形成方法を提供する。
【構成】下記の(A)成分、及び(B)成分を含有する感光性組成物、及び、該感光性組成物を、(B)成分の化合物の沸点より50℃以上低い沸点の有機溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として支持体表面に塗布し、乾燥させて前記有機溶剤を除去して前記感光性組成物の層を形成し、次いで、該感光性組成物層を画像露光し、現像処理して、支持体上に画像を現出させる画像形成方法。
(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂
(B)アルキルアルコール類、アルキルエーテル類、及びアルキルメルカプタン類からなる群より選択されたいずれかであって、沸点が150℃以上のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物;感光性組成物の全量に対して0.1〜30重量%
【構成】下記の(A)成分、及び(B)成分を含有する感光性組成物、及び、該感光性組成物を、(B)成分の化合物の沸点より50℃以上低い沸点の有機溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として支持体表面に塗布し、乾燥させて前記有機溶剤を除去して前記感光性組成物の層を形成し、次いで、該感光性組成物層を画像露光し、現像処理して、支持体上に画像を現出させる画像形成方法。
(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂
(B)アルキルアルコール類、アルキルエーテル類、及びアルキルメルカプタン類からなる群より選択されたいずれかであって、沸点が150℃以上のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物;感光性組成物の全量に対して0.1〜30重量%
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷版の製版、グラビア製版やプリント配線板等の製造での金属エッチンシグレジスト、プリント配線板、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ用カラーフィルター、有機エレクトロルミネッセンス、薄型トランジスタ等における導体回路や電極基板等の形成でのメッキレジスト或いはソルダーレジスト、3次元造形ホログラフィー、印刷校正用カラープルーフ、半導体素子の集積回路用フォトレジスト等に使用される、ポジ型或いはネガ型感光性組成物、及びそれを用いた画像形成方法に関し、特に、画像部に充分な強度を付与することができる感光性組成物、及びそれを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、平版印刷版やフォトレジスト等に用いられる感光性組成物としては、アルカリ現像液に対して可溶性のフェノール樹脂等のフェノール性水酸基含有樹脂を主要成分とするものが多く用いられ、そのポジ型感光性組成物としては、代表的には、o−キシンジアジド基含有フェノール樹脂等の光分解性樹脂からなり、光照射により分解してアルカリ現像液に対する溶解性を増大させる組成物、及び、アルコキシ基等の酸分解性基含有フェノール樹脂等の酸分解性樹脂と、ハロメチル化s−トリアジン誘導体等の光酸発生剤からなり、光照射による光酸発生剤の発生する酸により分解してアルカリ現像液に対する溶解性を増大させる組成物等が、又、そのネガ型感光性組成物としては、代表的には、エポキシ基等の酸架橋性基含有フェノール樹脂等の酸架橋性樹脂と、ハロメチル化s−トリアジン誘導体等の光酸発生剤からなり、光照射により光酸発生剤の発生する酸により架橋してアルカリ現像液に対する溶解性を低下させる組成物、等が知られている。
【0003】
そして、従来より、これらの感光性組成物の露光による画像形成方法としては感光性組成物の層を支持体表面に形成した画像形成材を、マスクフィルムを通して画像露光し、ポジ型においては非画像部としての露光部を、ネガ型においては非画像部としての非露光部を、アルカリ現像液により溶解除去することにより画像を形成するリソグラフィー法が汎用されているが、近年、その露光方法として、生産性の大幅な効率化が図れるレーザー光による走査露光が注目され、それに伴い、露光光源にレーザー光を用いることにより、マスクフィルムを用いずに、コンピューター等のデジタル情報から直接描画するレーザー直接描画法が、生産性のみならず、解像性や位置精度等の向上も図れることから脚光を浴びるに到っている。
【0004】
それに伴い、レーザー直接描画用のポジ型感光性組成物として、近年、赤外吸収色素等の赤外光を吸収して熱に変換する物質とノボラック樹脂等のアルカリ可溶性樹脂とを主な感光性成分とし、赤外レーザー光の露光で発生する熱により樹脂の構造転移等の物理的変化により露光部のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるポジ型感光性組成物も各種提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7等参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−268512号公報。
【特許文献2】
特開平11−84657号公報。
【特許文献3】
特開平11−174681号公報。
【特許文献4】
特開平11−194504号公報。
【特許文献5】
特開平11−223936号公報。
【特許文献6】
国際公開第97/39894号パンフレット。
【特許文献7】
国際公開第98/42507号パンフレット。
【0006】
ところで、フェノール樹脂等のフェノール性水酸基含有樹脂を主要成分とする従来の前記ポジ型感光性組成物及びネガ型感光性組成物においては、非画像部に求められるアルカリ現像液に対する充分な溶解性と、画像部に求められるアルカリ現像液に対する耐性とを両立させることが容易ではなく、非画像部の抜けを十分に行おうとすると画像部が現像液によりダメージを受け強度が低下し、例えば引っ掻き等による傷が生じ易くなることは避け難く、本発明者の検討によると、特に、光熱変換物質とノボラック樹脂等のアルカリ可溶性樹脂との前記ポジ型感光性組成物においては、その問題が顕著であることが判明した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性組成物において、現像性を確保しつつ、画像部に充分な強度を付与することができる感光性組成物、及びそれを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の化合物を含有させた組成物が前記目的を達成できることを見い出し本発明を完成したものであって、即ち、本発明は、下記の(A)成分、及び(B)成分を含有する感光性組成物、及び、該感光性組成物を、(B)成分の沸点より50℃以上低い沸点の有機溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として支持体表面に塗布し、乾燥させて前記有機溶剤を除去して前記感光性組成物の層を形成し、次いで、該感光性組成物層を画像露光し、現像処理して、支持体上に画像を現出させる画像形成方法、を要旨とする。
【0009】
(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂
(B)アルキルアルコール類、アルキルエーテル類、及びアルキルメルカプタン類からなる群より選択されたいずれかであって、沸点が150℃以上のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物;感光性組成物の全量に対して0.1〜30重量%
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の感光性組成物が必須成分として含有する(A)成分のアルカリ可溶性樹脂は、フェノール性水酸基を有しアルカリ可溶性であれば特に限定されないが、フェノール類に由来する構成単位、或いはフェノール類含有化合物に由来する構成単位が30モル%以上であるものが好ましく、50モル%以上であるのが更に好ましく、70モル%以上であるのが特に好ましい。又、重量平均分子量(MW )が1,500〜50,000であるものが好ましい。尚、ここで、(A)成分のアルカリ可溶性樹脂としては、2種以上の混合物であってもよく、その場合、構成単位の前記モル%はその平均値としての値を意味するものとする。
【0011】
それらのアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルフェノール樹脂、及び、ノボラック樹脂、レゾール樹脂等のフェノール樹脂、並びに、フェノール性水酸基を有するアクリル酸誘導体の共重合体樹脂、フェノール性水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂等が挙げられるが、これらの中で、ポリビニルフェノール樹脂、及び、ノボラック樹脂、レゾール樹脂等のフェノール樹脂が好ましく、ポリビニルフェノール樹脂、及びノボラック樹脂が特に好ましい。
【0012】
そのポリビニルフェノール樹脂は、例えば、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレン、テトラヒドロキシスチレン、ペンタヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン等のヒドロキシスチレン類(尚、これらは、ベンゼン環に塩素、臭素、沃素、弗素等のハロゲン原子、或いは炭素数1〜4のアルキル基を置換基として有していてもよい。)の1種或いは2種以上、又は、更に、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、(メタ)アクリル酸〔尚、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は/及び「メタクリル」を意味するものとする。〕、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド等のアクリル酸誘導体類等の共単量体の1種或いは2種以上を、ラジカル重合開始剤又はカチオン重合開始剤の存在下で重合させたヒドロキシスチレン類の単独重合体或いは共重合体である。
【0013】
又、そのノボラック樹脂は、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、4,4’−ビフェニルジオール、ビスフェノール−A、ピロカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、フロログルシノール等のフェノール類の少なくとも1種を、酸触媒下、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類、又は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、の少なくとも1種と重縮合させた樹脂であり、又、レゾール樹脂は、ノボラック樹脂の重縮合における酸触媒に代えてアルカリ触媒を用いる以外は同様にして重縮合させた樹脂である。
【0014】
これらのノボラック樹脂、及びレゾール樹脂としては、本発明においては、フェノール類としてのフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、レゾルシノールと、アルデヒド類又はケトン類としてのホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドとの重縮合体が好ましく、特に、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシノールの混合割合がモル比で40〜100:0〜50:0〜20:0〜20:0〜20の混合フェノール類、又は、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で1〜100:0〜70:0〜60の混合フェノール類と、ホルムアルデヒドとの重縮合体が好ましく、又、後述する如く本発明における感光性組成物は溶解抑止剤を含有していてもよく、その場合、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシノールの混合割合がモル比で70〜100:0〜30:0〜20:0〜20:0〜20の混合フェノール類、又は、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で10〜100:0〜60:0〜40の混合フェノール類と、ホルムアルデヒドとの重縮合体が好ましい。
【0015】
尚、以上の(A)成分のアルカリ可溶性樹脂としては、そのフェノール性水酸基の一部をエーテル化或いはエステル化等して、後述する酸分解性や酸架橋性の付与を目的に酸分解性基や酸架橋性基を導入したり、或いはアルカリ可溶性の調整等を目的にアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等のアシル基等を導入したものであってもよい。
【0016】
本発明の感光性組成物は、前記(A)成分のアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性組成物であって、(B)成分の、アルキルアルコール類、アルキルエーテル類、及びアルキルメルカプタン類からなる群より選択されたいずれかであって、沸点が150℃以上のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有することを特徴とする。
【0017】
その(B)成分のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物としては、具体的には、例えば、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール等の1価の直鎖或いは分岐アルキルアルコール類、ヘプチルメチルエーテル、ヘプチルエチルエーテル、オクチルメチルエーテル、オクチルエチルエーテル、ノニルメチルエーテル、ノニルエチルエーテル、デシルメチルエーテル、デシルエチルエーテル、ウンデシルメチルエーテル、ウンデシルエチルエーテル、ドデシルメチルエーテル、ドデシルエチルエーテル、トリデシルメチルエーテル、トリデシルエチルエーテル、オクタデシルメチルエーテル、オクタデシルエチルエーテル等の直鎖或いは分岐アルキルエーテル類、ヘプチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタン、ウンデシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等の直鎖或いは分岐アルキルメルカプタン類、が挙げられ、中で、直鎖アルキルアルコール類が好ましい。
【0018】
本発明の感光性組成物として、前記(B)成分の化合物を含有しない場合には、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性組成物において、画像部に十分な強度を付与することが困難となる。
【0019】
本発明の感光性組成物としては、前記(A)成分のアルカリ可溶性樹脂及び前記(B)成分のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するものであれば特に限定されるものではないが、ポジ型感光性組成物の好適な例として、アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質としての光吸収色素を基本組成とし、前記(B)成分のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P1 )が挙げられる。
【0020】
このポジ型感光性組成物(P1 )において、アルカリ可溶性樹脂としては、前記(A)成分として挙げたアルカリ可溶性樹脂が用いられ、中で、ポリビニルフェノール樹脂、及びノボラック樹脂が好ましく、このポジ型感光性組成物(P1 )における前記アルカリ可溶性樹脂の含有割合は、40〜99重量%であるのが好ましく、50〜98重量%であるのが更に好ましく、60〜97重量%であるのが特に好ましい。
【0021】
又、このポジ型感光性組成物(P1 )における前記(B)成分のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物の含有割合は、0.1〜30重量%であるのが好ましく、0.5〜20重量%であるのが更に好ましく、1〜10重量%であるのが特に好ましい。前記(B)成分の含有量が前記範囲未満では、得られる画像部の強度が不足することとなり、一方、前記範囲超過では、画像部が膜減りし易いこととなる。
【0022】
又、このポジ型感光性組成物(P1 )において、光熱変換物質としての光吸収色素としては、光照射による光を吸収して熱に変換し得る化合物であれば特に限定されないが、350〜1,300nmの波長域、特に390〜430nmの青紫光領域、或いは、650〜1,300nmの近赤外領域に吸収極大を有する光吸収色素、就中、650〜1,300nmの近赤外領域に吸収極大を有する光吸収色素が特に有効である。
【0023】
それら光吸収色素の中で、波長650〜1,300nmの近赤外領域に吸収極大を有する光吸収色素としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等の複素原子がポリメチン(−CH=)n 鎖で結合された構造のものであり、代表的には、その複素原子が複素環を形成し、ポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造の所謂、広義のシアニン系色素、具体的には、例えば、キノリン系(所謂、狭義のシアニン系)、インドール系(所謂、インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン系)、ピリリウム系、チオピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系等、及び、ポリメチン鎖を介して非環式複素原子が結合された構造の所謂、ポリメチン系色素等が挙げられ、中で、キノリン系、インドール系、ベンゾチアゾール系、ピリリウム系、チオピリリウム系等のシアニン系色素、又はポリメチン系色素が好ましい。又、その他の光吸収色素として、ジイミニウム系色素、フタロシアニン系色素等が挙げられる。
【0024】
本発明においては、前記シアニン系色素の中で、キノリン系色素としては、特に、下記一般式(Ia) 、(Ib)、又は(Ic)で表されるものが好ましい。
【0025】
【化1】
【0026】
〔式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中、R1 及びR2 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L1 は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノリン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa − は対アニオンを示す。〕
【0027】
ここで、式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中のR1 及びR2 がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L1 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、フェノキシ基、フェニルチオ基、複素環オキシ基、複素環チオ基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノリン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0028】
又、インドール系、及びベンゾチアゾール系色素としては、特に、下記一般式(II)で表されるものが好ましい。
【0029】
【化2】
【0030】
〔式(II)中、Y1 及びY2 は各々独立して、ジアルキルメチレン基又は硫黄原子を示し、R3 及びR4 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L2 は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa − は対アニオンを示す。〕
【0031】
ここで、式(II)中のR3 及びR4 がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L2 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、フェノキシ基、フェニルチオ基、複素環オキシ基、複素環チオ基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、縮合ベンゼン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0032】
又、ピリリウム系、及びチオピリリウム系色素としては、特に、下記一般式(IIIa)、(IIIb)、又は(IIIc)で表されるものが好ましい。
【0033】
【化3】
【0034】
〔式(IIIa)、(IIIb)、及び(IIIc)中、Z1 及びZ2 は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R5 、R6 、R7 、及びR8 は各々独立して、水素原子又はアルキル基、又は、R5 とR7 、及びR6 とR8 が互いに連結して炭素数5又は6のシクロアルケン環を形成していてもよく、L3 は置換基を有していてもよいモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、ピリリウム環及びチアピリリウム環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa − は対アニオンを示す。〕
【0035】
ここで、式(IIIa)、(IIIb)、及び(IIIc)中のR5 、R6 、R7 、及びR8 がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10であり、L3 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、フェノキシ基、フェニルチオ基、複素環オキシ基、複素環チオ基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ピリリウム環及びチアピリリウム環における置換基としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
【0036】
又、ポリメチン系色素としては、特に、下記一般式(IV)で表されるものが好ましい。
【0037】
【化4】
【0038】
〔式(IV)中、R9 、R10、R11、及びR12は各々独立して、アルキル基を示し、R13及びR14は各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、フリル基、又はチエニル基を示し、L4 は置換基を有していてもよいモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノン環及びベンゼン環は置換基を有していてもよい。Xa − は対アニオンを示す。〕
【0039】
ここで、式(IV)中のR9 、R10、R11、及びR12のアルキル基の炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、R13及びR14がアリール基であるときの炭素数は通常6〜20、好ましくは6〜15であり、R13及びR14として具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基等が挙げられ、それらの置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、L4 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、フェノキシ基、フェニルチオ基、複素環オキシ基、複素環チオ基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノン環及びベンゼン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0040】
更に、ジイミニウム系色素としては、特に、N,N−ジアリールイミニウム塩骨格を少なくとも1個有する下記一般式(Va)、又は(Vb)で表されるものが好ましい。
【0041】
【化5】
【0042】
〔式(Va)、及び(Vb)中、R15、R16、R17、及びR18は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、R19、及びR20は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、ベンゼン環及びイミノキノン環は置換基を有していてもよい。Xa − は対アニオンを示す。尚、式(Vb)中の電子結合(点線)は他の電子結合との共鳴状態を示す。〕
【0043】
ここで、式(Va)、及び(Vb)中のR15、R16、R17、R18、R19、及びR20がアルキル基、アルコキシ基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、それらにおける置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、カルボキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキル基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ベンゼン環及びイミノキノン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、アシル基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0044】
これらのジイミニウム系色素の中では、前記一般式(Va)、及び(Vb)中のR15、R16、R17、及びR18がアルキル基で、R19、及びR20もアルキル基であるか、R19、及びR20がジアルキルアミノ基を置換基として有するフェニル基であるものが、特に好ましい。
【0045】
尚、前記一般式(Ia 〜c)、(II)、(IIIa 〜c)、(IV)、及び(Va 〜b)における対アニオンXa − としては、例えば、Cl− 、Br− 、I− 、ClO4 − 、PF6 − 、SbF6 − 、AsF6 − 、及び、BF4 − 、BCl4 − 等の無機硼酸等の無機酸アニオン、並びに、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、酢酸、及び、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、チエニル、ピロリル等の有機基を有する有機硼酸等の有機酸アニオンを挙げることができる。
【0046】
又、前記一般式(Ia 〜c)、(II)、(IIIa 〜c)、及び(IV)においては、L1 、L2 、L3 、及びL4 のポリメチン鎖上に、下記一般式(VIa) で表されるバルビツル酸アニオン基又はチオバルビツル酸アニオン基を置換基として有することにより、又は、L1 、L2 、L3 、及びL4 のポリメチン鎖中に、下記一般式(VIb) で表されるスクエア酸アニオン基又はチオスクエア酸アニオン基、或いは、下記一般式(VIc) で表されるクロコン酸アニオン基又はチオクロコン酸アニオン基を形成することにより、分子内塩を形成していてもよい。
【0047】
【化6】
【0048】
〔式(VIa) 、(VIb) 、及び(VIc) 中、Z3 、Z4 、Z5 、Z6 、Z7 、及びZ8 は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R37及びR38は各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。〕
【0049】
ここで、式(VIa) 中のR37及びR38がアルキル基、アルコキシ基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜5、アルケニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜5であるが、アルキル基であるのが好ましく、そのアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基等が挙げられる。
【0050】
又、フタロシアニン系色素は、アザポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造を基本構造とするものであり、そのフタロシアニン系色素としては、下記一般式(VII) で表されるものが好ましい。
【0051】
【化7】
【0052】
〔式(VII) 中、R21、及びR22は各々独立して、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、チオアリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ハロゲン原子、又は水素原子を示し、Mは、Zn、Cu、Ni、SnCl2 、AlCl、又は水素原子を示し、又、ベンゼン環における隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合環を形成していてもよい。〕
【0053】
ここで、式(VII) 中のR21、及びR22がアルコキシ基、チオアルコキシ基、又はアルキルアミノ基であるときの炭素数は通常1〜10、好ましくは1〜4であり、アリールオキシ基、チオアリールオキシ基、又はアリールアミノ基としては、フェノキシ基、チオフェノキシ基、又はフェニルアミノ基等が挙げられ、又、Mとしては、Zn、又はSnCl2 であるのが好ましい。
【0054】
以上の前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピリリウム系又はチオピリリウム系等のシアニン系色素、前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素、前記一般式(Va 〜b)で表されるジイミニウム系色素、及び前記一般式(VII) で表されるフタロシアニン系色素の中で、本発明においては、前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピリリウム系又はチオピリリウム系等のシアニン系色素、又は前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素が好ましく、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系のシアニン色素が特に好ましい。
【0055】
又、波長390〜430nmの青紫光領域に吸収極大を有する光吸収色素としては、ジアルキルアミノベンゼン系化合物、ピロメテン系化合物、トリヒドロキシピリミジン誘導体等が好ましいものとして挙げられる。
【0056】
本発明においては、前記ジアルキルアミノベンゼン系化合物としては、特に、ジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物、及び、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に置換基を有するジアルキルアミノベンゼン系化合物が好ましい。
【0057】
そのジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物としては、下記一般式(VIII)で表されるものが好ましい。
【0058】
【化8】
【0059】
〔式(VIII)中、R23、R24、R25、及びR26は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、R27、R28、R29、及びR30は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R23とR24、R25とR26、R23とR27、R24とR28、R25とR29、及びR26とR30とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。〕
【0060】
ここで、式(VIII)中のR23、R24、R25、及びR26のアルキル基の炭素数、並びに、R27、R28、R29、及びR30がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましい。又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましく、6員環、例えば、ジュロリジン環が特に好ましい。
【0061】
又、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に置換基を有するジアルキルアミノベンゼン系化合物の好適な例としては、その置換基が置換メチル基である下記一般式(IXa) で表されるものが挙げられる。
【0062】
【化9】
【0063】
〔式(IXa) 中、R31及びR32は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、R33及びR34は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R31とR32、R31とR33、及びR32とR34とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。Y3 は、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はシアノ基から選択された2個の基、又は、アリールスルホニルイミノ基を示す。〕
【0064】
ここで、式(IXa) 中のR31及びR32のアルキル基の炭素数、並びに、R33及びR34がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましく、又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましいが、R33及びR34は水素原子であるのが好ましい。又、Y3 は、アルコキシカルボニル基とシアノ基の組合せ、或いは、ベンゼンスルホニルイミノ基が好ましい。
【0065】
又、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に置換基を有するジアルキルアミノベンゼン系化合物の好適な例としては、その置換基が複素環基である下記一般式(IXb) 、又は(IXc) で表されるものが挙げられる。
【0066】
【化10】
【0067】
〔式(IXb) 、又は(IXc) 中、R31及びR32は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、R33及びR34は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R31とR32、R31とR33、及びR32とR34とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。Y4 及びY5 は各々独立して、酸素原子、硫黄原子、ジアルキルメチレン基、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、Y6 は水酸基、又はメルカプト基を示す。複素環に縮合するベンゼン環は置換基を有していてもよい。〕
【0068】
ここで、式(IXb) 及び(IXc) 中のR31及びR32のアルキル基の炭素数、並びに、R33及びR34がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましく、又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましく、6員環が特に好ましい。又、Y4 及びY5 がジアルキルメチレン基であるときのアルキル基の炭素数は1〜6であるのが好ましく、アルキルイミノ基であるときのアルキル基の炭素数は1〜6であるのが好ましいが、Y4 及びY5 としては酸素原子、又は硫黄原子であるのが、又、Y6 は水酸基であるのが、それぞれ好ましい。
【0069】
又、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に置換基を有するジアルキルアミノベンゼン系化合物の好適な例としては、その置換基が縮合複素環を形成した下記一般式(IXd) で表されるものが挙げられる。
【0070】
【化11】
【0071】
〔式(IXd) 中、R31、R32、及びR36は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、R33、R34、及びR35は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R31とR32、R31とR33、及びR32とR34とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。〕
【0072】
ここで、式(IXd) 中のR31、R32、及びR36のアルキル基の炭素数、並びに、R33、R34、及びR35がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましく、又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましいが、R33及びR34は水素原子であるのが好ましい。又、R35は、ハロゲン置換アルキル基であるのが好ましい。
【0073】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P1 )における前記光吸収色素の含有割合は、0.5〜30重量%であるのが好ましく、1〜20重量%であるのが更に好ましく、2〜10重量%であるのが特に好ましい。
【0074】
尚、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質としての前記光吸収色素を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P1 )には、露光部と非露光部のアルカリ現像液に対する溶解性の差を増大させる等の目的で溶解抑止剤が含有されていてもよく、その溶解抑止剤としては、例えば、特開平10−268512号及び特開平11−288089号各公報に詳細に記載されているスルホン酸エステル類、燐酸エステル類、芳香族カルボン酸エステル類、芳香族ジスルホン類、カルボン酸無水物類、芳香族ケトン類、芳香族アルデヒド類、芳香族アミン類、芳香族エーテル類、トリアリールメタン骨格を有する化合物類等、特開平11−190903号公報に詳細に記載されている、ラクトン骨格、N,N−ジアリールアミド骨格、ジアリールメチルイミノ骨格を有する酸発色性色素類、特開平11−143076号公報に詳細に記載されている、ラクトン骨格、チオラクトン骨格、スルホラクトン骨格を有する塩基発色性色素類等が挙げられる。
【0075】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P1 )における前記溶解抑止剤の含有割合は、50重量%以下であるのが好ましく、0.01〜30重量%であるのが更に好ましく、0.1〜20重量%であるのが特に好ましい。
【0076】
又、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質としての前記光吸収色素を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P1 )には、現像性の改良等を目的として現像促進剤が含有されていてもよく、その現像促進剤としては、pKaが2以上の有機酸又はその有機酸の無水物であって、例えば、特開昭60−88942号、特開昭63−276048号、特開平2−96754号各公報等に記載されたものが用いられ、具体的には、例えば、グリセリン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、プロピルマロン酸、コハク酸、リンゴ酸、メソ酒石酸、グルタル酸、β−メチルグルタル酸、β,β−ジメチルグルタル酸、β−エチルグルタル酸、β,β−ジエチルグルタル酸、β−プロピルグルタル酸、β,β−メチルプロピルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和カルボン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸等の脂肪族不飽和カルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,1−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の炭素環式飽和カルボン酸、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジメチル安息香酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ安息香酸、p−トルイル酸、2−ヒドロキシ−p−トルイル酸、2−ヒドロキシ−m−トルイル酸、2−ヒドロキシ−o−トルイル酸、マンデル酸、没食子酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の炭素環式不飽和カルボン酸、及び、メルドラム酸、アスコルビン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、シクロヘキセンジカルボン酸無水物、シクロヘキサンジカルボン酸無水物等の無水物が挙げられる。
【0077】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P1 )における前記現像促進剤の含有割合は、30重量%以下であるのが好ましく、0.1〜20重量%であるのが更に好ましく、1〜10重量%であるのが特に好ましい。
【0078】
又、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質としての前記光吸収色素を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P1 )には、支持体上への感光性組成物層形成時の塗布性、及び現像性の向上等を目的として、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性、及び弗素系等の界面活性剤が含有されていてもよく、具体的には、例えば、そのノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類等が、又、そのアニオン性界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩類等が、又、そのカチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩類、イミダゾリン誘導体類、アミン塩類等が、又、両性界面活性剤としては、ベタイン型化合物類、イミダゾリウム塩類、イミダゾリン類、アミノ酸類等が、それぞれ挙げられる。
【0079】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P1 )における前記界面活性剤の含有割合は、20重量%以下であるのが好ましく、0.001〜10重量%であるのが更に好ましく、0.005〜5重量%であるのが特に好ましい。
【0080】
又、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質としての前記光吸収色素を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P1 )には、支持体に対する密着性の向上等を目的として密着性改良剤が含有されていてもよく、その密着性改良剤としては、所謂シランカップリング剤として知られるシラン化合物や複素環チオール化合物等が挙げられ、そのシラン化合物としては、具体的には、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロロシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕プロピルトリメトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕プロピルトリエトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕プロピルメチルジメトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕プロピルメチルジエトキシシラン、3−(N−アリル−N−グリシジルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N−アリル−N−グリシジルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(N−フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N−フェニルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン等、及び、N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アミン、N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕アミン、N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕アミン、N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(メチルジエトキシシリル)プロピル〕アミン等が挙げられる。
【0081】
又、その複素環チオール化合物としては、具体的には、例えば、2−メルカプトチアゾール、2−メルカプトオキサゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン及びそのアルカリ金属塩、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン及びそのアルカリ金属塩、2−アニリノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン及びそのアルカリ金属塩等が挙げられる。
【0082】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P1 )における前記密着性改良剤の含有割合は、50重量%以下であるのが好ましく、0.01〜40重量%であるのが更に好ましく、0.1〜30重量%であるのが特に好ましい。
【0083】
又、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質としての前記光吸収色素を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P1 )には、露光及び現像後の後加熱により該樹脂を架橋させてポジ画像に耐薬品性、耐刷性を付与すること等を目的として、そのアルカリ可溶性樹脂を架橋させる作用を有する架橋剤が含有されていてもよく、その架橋剤としては、代表的には、官能基としてメチロール基、それをアルコール縮合変性したアルコキシメチル基、その他、アセトキシメチル基等を少なくとも2個有するアミノ化合物が挙げられ、具体的には、メラミン誘導体、例えば、メトキシメチル化メラミン〔三井サイテック社製、サイメル300シリーズ(1)等〕、ベンゾグアナミン誘導体〔メチル/エチル混合アルコキシ化ベンゾグアナミン樹脂(三井サイテック社製、サイメル1100シリーズ(2)等)〕、グリコールウリル誘導体〔テトラメチロールグリコールウリル樹脂(三井サイテック社製、サイメル1100シリーズ(3)等)〕や、尿素樹脂誘導体、レゾール樹脂等が挙げられる。
【0084】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P1 )における前記架橋剤の含有割合は、40重量%以下であるのが好ましく、10重量%以下であるのが更に好ましく、5重量%以下であるのが特に好ましい。
【0085】
又、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質としての前記光吸収色素を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P1 )には、例えば、ビクトリアピュアブルー(42595)、クリスタルバイオレット(42555)、クリスタルバイオレットラクトン、オーラミンO(41000)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック13)、ローダミン6GCP(45160)、ローダミンB(45170)、サフラニンOK70:100(50240)、エリオグラウシンX(42080)、ファーストブラックHB(26150)、No.120/リオノールイエロー(21090)、リオノールイエローGRO(21090)、シムラーファーストイエロー8GF(21105)、ベンジジンイエロー4T−564D(21095)、シムラーファーストレッド4015(12355)、リオノールレッドB4401(15850)、ファーストゲンブルーTGR−L(74160)、リオノールブルーSM(26150)等の顔料又は染料等の着色剤が含有されていてもよい。尚、ここで、前記の括弧内の数字はカラーインデックス(C.I.)を意味する。
【0086】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P1 )における前記着色剤の含有割合は、50重量%以下であるのが好ましく、0.5〜30重量%であるのが更に好ましく、2〜20重量%であるのが特に好ましい。
【0087】
又、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質としての前記光吸収色素を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P1 )には、成膜性の改善等を目的として可塑剤が含有されていてもよく、その可塑剤としては、具体的には、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸2−エチルヘキシル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソデシル等のフタル酸エステル類、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)等のトリメリット酸エステル類、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸(n−ヘキシル−n−オクチル)、アゼライン酸ジ(2−エチルヘキシル)、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)、ドデカン二酸ジ(2−エチルヘキシル)等の脂肪酸エステル類、リン酸トリエチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類、及び、グリコール誘導体トリアセチレン類、塩化パラフィン類、ヒマシ油類等が挙げられる。
【0088】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P1 )における前記可塑剤の含有割合は、50重量%以下であるのが好ましく、0.01〜40重量%であるのが更に好ましく、0.1〜30重量%であるのが特に好ましい。
【0089】
更に、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質としての前記光吸収色素を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P1 )には、例えば、塗布性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤、現像性改良剤等の感光性組成物に通常用いられる各種の添加剤が含有されていてもよい。
【0090】
又、本発明の感光性組成物におけるポジ型感光性組成物の好適な例として、酸分解性基を導入したアルカリ可溶性樹脂と、光酸発生剤を基本組成とし、前記(B)成分のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P2 )が挙げられる。
【0091】
このポジ型感光性組成物(P2 )において、酸分解性基を導入したアルカリ可溶性樹脂としては、前記(A)成分として挙げたアルカリ可溶性樹脂が有するフェノール性水酸基の一部をエーテル化或いはエステル化して酸分解性基を導入した樹脂が好ましいものとして挙げられ、中で、ポリビニルフェノール樹脂、又はノボラック樹脂に酸分解性基を導入した樹脂が更に好ましく、ポリビニルフェノール樹脂に酸分解性基を導入した樹脂が特に好ましい。尚、ここで、酸分解性基を導入したアルカリ可溶性樹脂とは、酸分解性基を導入した樹脂と、未導入の前記アルカリ可溶性樹脂との混合物をも含むものとする。
【0092】
その酸分解性基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜15のアルコキシ基や、メトキシメトキシ基、ジメトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、1−メトキシエトキシ基、1−エトキシエトキシ基、1−プロポキシエトキシ基、1−t−ブトキシエトキシ基、1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−エトキシプロポキシ基等の炭素数2〜15のアルコキシアルコキシ基等のエーテル型、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、フェノキシカルボニルオキシ基等の2〜15のアルコキシカルボニルオキシ基や、エトキシカルボニルオキシメトキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシメトキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシメトキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシメトキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシメトキシ基等の炭素数2〜15のアルコキシカルボニルオキシアルコキシ基等のカーボネート型、及び、トリメチルシロキシ基、トリメトキシシロキシ基等のシロキシ基等のシリルエーテル型等、少なくとも末端にアルコキシ基或いはシロキシ基等を有する基が挙げられ、中で、エーテル型のものが好ましい。
【0093】
このポジ型感光性組成物(P2 )において、前記酸分解性基を導入したアルカリ可溶性樹脂の含有割合、及び前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物の含有割合は、前記ポジ型感光性組成物(P1 )におけると同様である。
【0094】
又、このポジ型感光性組成物(P2 )において、光酸発生剤としては、例えば、ハロメチル化s−トリアジン誘導体類、オニウム塩類、及びスルホン化合物類等が挙げられ、中で、ハロメチル化s−トリアジン誘導体類が好ましい。
【0095】
ここで、そのハロメチル化s−トリアジン誘導体類としては、少なくとも1つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合した誘導体が好ましく、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられ、中で、ビス(トリハロメチル)−s−トリアジンが好ましく、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が特に好ましい。
【0096】
又、そのオニウム塩類としては、具体的には、例えば、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド等のアンモニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ジシクロヘキシルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジシクロヘキシルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジシクロヘキシルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジシクロヘキシルヨードニウムカンファースルホネート等のヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリシクロヘキシルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリシクロヘキシルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリシクロヘキシルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリシクロヘキシルスルホニウムカンファースルホネート等のスルホニウム塩等が挙げられる。
【0097】
又、スルホン化合物類としては、具体的には、例えば、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)メタン、ビス(p−メトキシフェニルスルホニル)メタン、ビス(α−ナフチルスルホニル)メタン、ビス(β−ナフチルスルホニル)メタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)メタン、ビス(t−ブチルスルホニル)メタン、フェニルスルホニル(シクロヘキシルスルホニル)メタン等のビス(スルホニル)メタン化合物、フェニルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、ナフチルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(ナフチルスルホニル)メタン、シクロヘキシルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、t−ブチルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(シクロヘキシルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(t−ブチルカルボニル)メタン等のカルボニル(スルホニル)メタン化合物、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(α−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(β−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン等のビス(スルホニル)ジアゾメタン化合物、フェニルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ナフチルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、t−ブチルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(t−ブチルカルボニル)ジアゾメタン等のカルボニル(スルホニル)ジアゾメタン化合物等が挙げられる。
【0098】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P2 )における前記光酸発生剤の含有割合は、0.1〜30重量%であるのが好ましく、0.5〜20重量%であるのが更に好ましく、0.5〜15重量%であるのが特に好ましい。
【0099】
尚、本発明において、前記酸分解性基を導入したアルカリ可溶性樹脂と、光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P2 )には、増感剤としての光吸収色素が含有されていてもよく、その光吸収色素としては、前記ポジ型感光性組成物(P1 )において挙げたと同様のものが挙げられ、その含有割合も、前記ポジ型感光性組成物(P1 )におけると同様である。
【0100】
又、本発明において、前記酸分解性基を導入したアルカリ可溶性樹脂と、光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P2 )には、前記ポジ型感光性組成物(P1 )における溶解抑止剤、現像促進剤、界面活性剤、密着性改良剤、着色剤、及び可塑剤等が前記ポジ型感光性組成物(P1 )におけると同様に含有されていてもよい。
【0101】
又、本発明において、前記酸分解性基を導入したアルカリ可溶性樹脂と、光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P2 )には、感光性組成物の保存性安定剤として塩基性化合物が含有されていてもよく、その塩基性化合物としては、具体的には、例えば、ピリジン、ピコリン、キノリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリベンジルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等の3級アミン類が好適である。
【0102】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P2 )における前記保存性安定剤の含有割合は、20重量%以下であるのが好ましく、0.01〜15重量%であるのが更に好ましく、0.1〜10重量%であるのが特に好ましい。
【0103】
更に、本発明において、前記酸分解性基を導入したアルカリ可溶性樹脂と、光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P2 )には、例えば、塗布性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤、現像性改良剤等の感光性組成物に通常用いられる各種の添加剤が含有されていてもよい。
【0104】
又、本発明の感光性組成物におけるポジ型感光性組成物のその他の例として、o−キノンジアジド基を導入したアルカリ可溶性樹脂を基本組成とし、前記(B)成分のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P3 )が挙げられる。
【0105】
このポジ型感光性組成物(P3 )において、o−キノンジアジド基を導入したアルカリ可溶性樹脂としては、前記(A)成分として挙げたアルカリ可溶性樹脂が含有するフェノール性水酸基の一部をエステル化してo−キノンジアジド基を導入した樹脂が好ましいものとして挙げられ、中で、ノボラック樹脂又はフェノール樹脂にo−キノンジアジド基を導入した樹脂が更に好ましい。尚、ここで、o−キノンジアジド基を導入したアルカリ可溶性樹脂とは、o−キノンジアジド基を導入した樹脂と、未導入の前記アルカリ可溶性樹脂との混合物をも含むものとする。
【0106】
そのo−キノンジアジド基を導入するためのo−キノンジアジド基含有化合物としては、o−ナフトキノンジアジドスルホン酸基を有する化合物が好ましく、具体的には、例えば、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸シクロヘキシル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−(ジヒドロアビエチル)−スルホン酸アミド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸−4’−ヒドロキシフェニル−4’−アゾ−β−ナフトール、N,N−ビス(1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル)アニリン、1’−(1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル)−3’,5’−ジメチルピラゾール、2’−(1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルオキシ)−1’−ヒドロキシアントラキノン、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸−2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンエステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸−2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンエステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド2モルと4,4’−ジアミノベンゾフェノン1モルとの縮合物、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド2モルと4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ジフェニルスルホン1モルとの縮合物、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド1モルとプルプロガリン1モルとの縮合物等が挙げられ、中で、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸が好ましい。
【0107】
このポジ型感光性組成物(P3 )において、前記o−キノンジアジド基を導入したアルカリ可溶性樹脂の含有割合、及び前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物の含有割合は、前記ポジ型感光性組成物(P1 )におけると同様である。
【0108】
尚、本発明において、前記o−キノンジアジド基を導入したアルカリ可溶性樹脂を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P3 )には、前記ポジ型感光性組成物(P1 )における光吸収色素、溶解抑止剤、現像促進剤、界面活性剤、密着性改良剤、着色剤、及び可塑剤等が前記ポジ型感光性組成物(P1 )におけると同様に含有されていてもよく、又、前記ポジ型感光性組成物(P2 )における保存性安定剤が前記ポジ型感光性組成物(P2 )におけると同様に含有されていてもよく、更に、例えば、塗布性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤、現像性改良剤等の感光性組成物に通常用いられる各種の添加剤が含有されていてもよい。
【0109】
又、本発明の感光性組成物におけるネガ型感光性組成物の好適な例として、アルカリ可溶性樹脂と架橋剤と光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するネガ型感光性組成物(N1 )が挙げられる。
【0110】
このネガ型感光性組成物(N1 )において、アルカリ可溶性樹脂としては、前記(A)成分として挙げたアルカリ可溶性樹脂が、又、架橋剤としては、前記ポジ型感光性組成物(P1 )において挙げたと同様のものが、それぞれ挙げられ、又、それらの含有割合、及び前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物の含有割合も、前記ポジ型感光性組成物(P1 )におけると同様である。
【0111】
又、光酸発生剤としては、前記ポジ型感光性組成物(P2 )において挙げたと同様のものを挙げることができ、その含有割合も、前記ポジ型感光性組成物(P2 )におけると同様である。
【0112】
又、本発明の感光性組成物におけるネガ型感光性組成物の好適な例として、酸架橋性基を導入したアルカリ可溶性樹脂と、光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するネガ型感光性組成物(N2 )が挙げられる。
【0113】
このネガ型感光性組成物(N2 )において、酸架橋性基を導入したアルカリ可溶性樹脂としては、前記(A)成分として挙げたアルカリ可溶性樹脂が含有するフェノール性水酸基の一部をエーテル化或いはエステル化して、例えば、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、エポキシ基、ビニルエーテル基等の酸架橋性基を導入した樹脂が好ましいものとして挙げられ、中で、ポリビニルフェノール樹脂、又はノボラック樹脂に酸架橋性基を導入した樹脂が更に好ましい。尚、ここで、酸架橋性基を導入したアルカリ可溶性樹脂とは、酸架橋性基を導入した樹脂と、未導入の前記アルカリ可溶性樹脂との混合物をも含むものとする。
【0114】
このネガ型感光性組成物(N2 )における前記酸架橋性基を導入したアルカリ可溶性樹脂の含有割合、及び前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物の含有割合は、前記ポジ型感光性組成物(P1 )におけると同様である。
【0115】
又、光酸発生剤としては、前記ポジ型感光性組成物(P2 )において挙げたと同様のものを挙げることができ、その含有割合も、前記ポジ型感光性組成物(P2 )におけると同様である。
【0116】
尚、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と架橋剤と光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するネガ型感光性組成物(N1 )、及び、前記酸架橋性基を導入したアルカリ可溶性樹脂と、光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するネガ型感光性組成物(N2 )には、増感剤としての光吸収色素が含有されていてもよく、その光吸収色素としては、前記ポジ型感光性組成物(P1 )において挙げたと同様のものが挙げられ、その含有割合も、前記ポジ型感光性組成物(P1 )におけると同様である。
【0117】
又、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と架橋剤と光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するネガ型感光性組成物(N1 )、及び、前記酸架橋性基を導入したアルカリ可溶性樹脂と、光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するネガ型感光性組成物(N2 )には、前記ポジ型感光性組成物(P1 )における界面活性剤、密着性改良剤、着色剤、及び可塑剤等が前記ポジ型感光性組成物(P1 )におけると同様に含有されていてもよく、又、前記ポジ型感光性組成物(P2 )における保存性安定剤が前記ポジ型感光性組成物(P2 )におけると同様に含有されていてもよく、更に、例えば、塗布性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤、現像性改良剤等の感光性組成物に通常用いられる各種の添加剤が含有されていてもよい。
【0118】
本発明において、以上例示した前記ポジ型感光性組成物(P1 )、(P2 )、及び(P3 )、並びに、ネガ型感光性組成物(N1 )、及び(N2 )等の感光性組成物の感光性材料としての使用形態は、使用目的に応じた種々の形態を採り得るが、本発明の感光性組成物は、該感光性組成物を適当な有機溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として支持体表面に塗布した後、乾燥させることにより有機溶剤を除去し、支持体表面に前記感光性組成物の層を形成した感光性画像形成材としての使用形態が好適である。
【0119】
ここで、その支持体としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、或いは、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、弗素樹脂等の熱可塑性樹脂等の樹脂シート、紙、前記樹脂を塗布した紙、ガラス板、及び、アルミナ、シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機質板、並びに、ガラス織布基材エポキシ樹脂、ガラス不織布基材エポキシ樹脂、紙基材エポキシ樹脂、紙基材フェノール樹脂等に代表される複合材シート等の、厚み0.02〜10mm程度のものを絶縁性基板とし、その基板表面に導電層が形成されたものが好適に用いられ、その導電層の構成材料としては、例えば、銅、金、銀、クロム、亜鉛、錫、アルミニウム、鉛、ニッケル、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウムドープ酸化錫(ITO)、半田等の金属が挙げられる。尚、前記絶縁性基板表面への導電層の形成方法としては、例えば、前記金属の箔を加熱、圧着ラミネートするか、前記金属をスパッタリング、蒸着、メッキする等の方法が採られ、その厚みは、通常、1〜100μm程度である。
【0120】
又、本発明における支持体としては、前記導電層の構成材料として挙げた金属の板、及び、前記導電層を表面に形成していない、前記絶縁性基板として挙げた樹脂シート、紙、前記樹脂を塗布した紙、ガラス板、無機質板、複合材シート等も用いることができる。更に、鉄或いはアルミニウム製シリンダー表面に銅等をメッキしたグラビア印刷用シリンダー等も挙げられる。
【0121】
又、その塗布液に用いられる有機溶剤としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものである必要があるが、更に、本発明においては、感光性組成物に含有される前記(B)成分の化合物の沸点より50℃以上低い沸点を有するものである必要があり、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコール系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶剤、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルアミルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶剤、或いはこれらの混合溶剤、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等の中から、適宜選択して用いられる。尚、その有機溶剤の使用割合は、感光性組成物の総量に対して、通常、重量比で1〜150倍程度の範囲である。
【0122】
又、その塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、スクリーン塗布、及びカーテン塗布等を用いることができる。その際の塗布量は、乾燥膜厚として、通常、0.3〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、特に好ましくは1〜20μmの範囲とする。尚、その際の乾燥温度としては、例えば、10〜150℃程度、好ましくは40〜110℃程度、乾燥時間としては、例えば、5秒〜60分間程度、好ましくは10秒〜30分間程度が採られる。尚、乾燥手段としては、送風機による送風、及び、オーブン、ハロゲンランプ、遠赤外線等による加熱等が採られる。
【0123】
そして、本発明の感光性組成物の層を有する感光性画像形成材は、その感光性組成物層を露光光源により露光した後、現像処理することにより、支持体表面に画像を現出させる。
【0124】
その露光光源としては、カーボンアーク灯、水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、及び、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等のレーザー光源が挙げられるが、特に、波長域350〜420nmの青紫領域のレーザー光を発生する光源、及び、波長域650〜1,300nmの近赤外領域のレーザー光を発生する光源が好ましく、具体的には、前者波長域においては410nmを発振する窒化インジウムガリウム半導体レーザー、後者波長域においては830nmを発振する半導体レーザー、1064nmを発振するYAGレーザー等が挙げられる。
【0125】
又、レーザー光による走査露光方法としては、例えば、平面走査露光方式、外面ドラム走査露光方式、内面ドラム走査露光方式等が挙げられ、レーザービームの出力光強度を、通常1〜1,000mW、好ましくは3〜700mW、更に好ましくは10〜500mWとし、ビームスポット径を、通常1〜30μm、好ましくは2〜20μmとし、走査速度を、通常0.5〜500m/秒、好ましくは10〜400m/秒として、画像形成面でのレーザー露光量が、通常1〜200mJ/cm2 、好ましくは5〜150mJ/cm2 となるようにして走査露光する。又、レーザー光露光時の画像形成面での光強度密度を9.5×103 W/cm2 以上とするのが好ましい。
【0126】
又、前記露光後の現像処理は、好ましくはアルカリ成分と界面活性剤とを含有する水性現像液を用いてなされる。そのアルカリ成分としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等の無機アルカリ塩、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機アミン化合物、或いは、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム等の水酸化テトラアルキルアンミニウム化合物等が挙げられ、その0.1〜5重量%程度の濃度で用いられる。
【0127】
又、界面活性剤としては、前記感光性組成物における成分として挙げたと同様の界面活性剤が挙げられ、中で、ノニオン性、アニオン性、又は両性界面活性剤が好ましく、特に両性界面活性剤、就中、ベタイン型化合物類が好ましい。尚、前記界面活性剤は、好ましくは0.0001〜20重量%、更に好ましくは0.0005〜10重量%、特に好ましくは0.001〜5重量%の濃度で用いられる。
【0128】
更に、現像液には、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等の有機溶剤を必要に応じて含有させることができる。又、現像液のpHは、9〜14とするのが好ましく、11〜14とするのが更に好ましい。
【0129】
尚、現像処理は、従来公知の方法、例えば、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等により、好ましくは10〜50℃程度、特に好ましくは15〜45℃程度の温度で、通常5秒〜10分程度の時間でなされる。又、例えば、特開平11−10827号公報等に記載されるように、前述のアルカリ現像液、又は、それに添加される前述の界面活性剤或いは水溶性有機溶剤等、若しくはそれらの溶液等、を浸透剤として露光後の感光層に浸透させ、必要に応じて物理的刺激を加えることにより、露光部を支持体表面から剥離させ現像する、所謂浸透現像法、又は、特開平10−333321号公報等に記載されるように、感光層上に印刷インキを供給し、インキの粘着力を利用して被着体に該インキを露光部と共に転写させることにより、露光部を支持体表面から剥離させ現像する、所謂印刷現像法、等の方法を採ることもできる。現像後は、乾燥し、必要に応じて、形成された画像の支持体に対する密着性の向上等を目的として、100〜250℃程度の温度でポストベーク処理施すこともできる。
【0130】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例において用いた(A)成分のフェノール性水酸基を有する樹脂、(B)成分のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物、光吸収色素、光酸発生剤、溶解抑止剤、現像促進剤、界面活性剤、及び着色剤、並びに、塗布液作製のための有機溶剤を以下に示す。
【0131】
<(A)成分のフェノール性水酸基を有する樹脂>
(1)ポリビニルフェノール(MW 4,800、丸善石油化学社製「S2P」)
(2)スチレン/ヒドロキシスチレン(モル比70/30)共重合体(MW 3,000、丸善石油化学社製「CST70」)
(3)1−エトキシエチル基をフェノール性水酸基に対して35モル%導入したポリビニルフェノール(MW 12,000、東邦化学社製「H100A35EE」)
(4)フェノール/m−クレゾール/p−クレゾール(モル比50/30/20)の混合フェノール類とホルムアルデヒドとの共重縮合ノボラック樹脂(MW 9,400、住友デュレス社製「SK188」)
(5)フェノール/m−クレゾール/p−クレゾール(モル比5/57/38)の混合フェノール類とホルムアルデヒドとの共重縮合ノボラック樹脂(MW 3,800、住友デュレス社製「SK222」)
(6)1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸基をフェノール性水酸基に対して20モル%導入したピロガロールとアセトンとの重縮合ノボラック樹脂(MW 2,500)
(7)ヒドロキシフェニルメタクリルアミド/アクリロニトリル/メチルメタクリレート/エチルアクリレート(モル比30/30/36.5/3.5)の共重合体(MW 15,000)
【0132】
<(B)成分の沸点150℃以上の化合物
(1)ドテカノール(沸点255℃)
(2)デカノール(沸点228℃)
(3)ノナノール(沸点213℃)
(4)オクタノール(沸点195℃)
【0133】
<光吸収色素>
(1)下記構造のインドール系色素(a)(FEWケミカルズ社製「S−0451」)
(2)下記構造のインドール系色素(b)(FEWケミカルズ社製「S−0322」)
【0134】
【化12】
【0135】
<光酸発生剤>
(1)2−(4’−ヒドロキシ−3’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(みどり化学社製「PV−50」)
<溶解抑止剤>
(1)クリスタルバイオレットラクトン
<現像促進剤>
(1)1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
<界面活性剤>
(1)テトラオレイン酸ソルビットのポリエチレンオキサイド付加物(日光ケミカルズ社製「NIKKOL GO−430N」)
(2)ポリエチレングリコール♯2,000
<架橋剤>
(1)メトキシメチル化メラミン(三和ケミカル社製「ニカラックE−2151」)
<着色剤>
(1)ビクトリアピュアブルー(保土ヶ谷化学社製「BOH」)
【0136】
<有機溶剤>
(1)メチルエチルケトン(沸点80℃)
(2)プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃)
(3)メチルセロソルブ(沸点124℃)
(4)エチルセロソルブ(沸点135℃)
(5)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)
【0137】
実施例1
支持体として、厚さ0.2mmのガラス布基材エポキシ樹脂絶縁基板の表面に厚さ18μmの電解銅箔の導電層を有する銅張積層基板(三菱瓦斯化学社製「CCL−EL−170」)を用い、その基板銅箔上に、表1に示す感光性組成物の各成分を表1に示す有機溶剤に室温で攪拌して調液した塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、25℃、40%RHの環境下で30分風乾させることにより、膜厚2μmのポジ型感光性組成物(P1 )の層を有するポジ型感光性画像形成材を作製した。
【0138】
得られたポジ型感光性画像形成材を、波長830nmの半導体レーザーを光源とする露光装置(Creo社製「Trend Setter 3244T」)を用いて、感光性組成物層表面の露光量が280mJ/cm2 となる露光エネルギーで走査露光し、次いで、2重量%の水酸化カリウム水溶液の現像液に25℃で1分間浸漬することにより現像処理してポジ画像を現出させた。得られた画像について、以下に示す方法で画像強度を評価し、結果を表1に示した。
【0139】
<画像強度>
画像表面を鉄筆で軽く引っ掻き、画像の剥がれによる傷の発生有無を観察し、以下の基準で評価した。
○;傷の発生なし。
△;画像が僅かに剥がれ、微小の傷発生。
×;画像が剥がれ、傷発生。
【0140】
実施例2
表1に示す感光性組成物の各成分の表1に示す有機溶剤による塗布液を用い、25℃、40%RHの環境下で10分風乾させた後、80℃のオーブンで15分間加熱し乾燥させることにより、ポジ型感光性組成物(P1 )の層を有するポジ型感光性画像形成材を作製したこと、及び、現像液を三菱化学メディア社製現像液「DR−6」の2倍希釈液としたこと、の外は実施例1と同様とした。
【0141】
実施例3
表1に示す感光性組成物の各成分の表1に示す有機溶剤による塗布液を用い、90℃のオーブンで2分間加熱、乾燥させることにより、ポジ型感光性組成物(P1 )の層を有するポジ型感光性画像形成材を作製したことの外は、実施例1と同様とした。
【0142】
実施例4
表1に示す感光性組成物の各成分の表1に示す有機溶剤による塗布液を用いることにより、ポジ型感光性組成物(P2 )の層を有するポジ型感光性画像形成材を作製したことの外は、実施例3と同様とした。
【0143】
実施例5
アルミニウム板(厚さ0.24mm、材質1050、調質H16)を5重量%水酸化ナトリウム水溶液中で60℃で1分間脱脂した後、20℃の20重量%硫酸水溶液で、電流密度3A/dm2 で、1分間陽極酸化処理し、更に、90℃の熱水で20秒間、封孔処理を行って得られた支持体上に、表1に示す感光性組成物の各成分を表1に示す有機溶剤に室温で攪拌して調液した塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、85℃のオーブンで4分間加熱し乾燥させることにより、膜厚2μmのポジ型感光性組成物(P3 )の層を有するポジ型感光性画像形成材を作製した。
【0144】
得られたポジ型感光性画像形成材を、画像フィルムを介して4kWメタルハライドランプ(大日本スクリーン社製)を用いて、400mJ/cm2 で密着露光した後、三菱化学メディア社製現像液「DR−6」の6倍希釈液に27℃で20秒間浸漬することにより現像処理してポジ画像を現出させた。得られた画像について、前記と同様の方法で画像強度を評価し、結果を表1に示した。
【0145】
実施例6
支持体としてのガラス板(厚さ2mm)上に、表1に示す感光性組成物の各成分を表1に示す有機溶剤に室温で攪拌して調液した塗布液をスピンコートし、90℃のオーブンで10分間加熱し乾燥させることにより、膜厚5μmのネガ型感光性組成物(N1 )の層を有するネガ型感光性画像形成材を作製した。
【0146】
得られたネガ型感光性画像形成材を、中心波長405nm、レーザー出力5mWのレーザー光源(日亜化学工業社製「NLHV500C」)を用いて、像面照度2μW、ビームスポット径2.5μm、走査速度10cm/秒で走査方向と直角方向に1μmずつずらしながら10回重ねて走査露光し、次いで、オーブン中で100℃で10分間の後加熱処理を施した後、1重量%の水酸化カリウム水溶液の現像液に20℃で1分間浸漬することにより現像処理してネガ画像を現出させた。得られた画像について、前記と同様の方法で画像強度を評価し、結果を表1に示した。
【0147】
比較例1〜6
実施例1〜6の各感光性組成物における(B)成分の化合物を用いなかった外は、それぞれ実施例1〜6と同様とした。
【0148】
【表1】
【0149】
【表2】
【0150】
【発明の効果】
本発明によれば、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性組成物において、現像性を確保しつつ、画像部に充分な強度を付与することができる感光性組成物、及びそれを用いた画像形成方法を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷版の製版、グラビア製版やプリント配線板等の製造での金属エッチンシグレジスト、プリント配線板、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ用カラーフィルター、有機エレクトロルミネッセンス、薄型トランジスタ等における導体回路や電極基板等の形成でのメッキレジスト或いはソルダーレジスト、3次元造形ホログラフィー、印刷校正用カラープルーフ、半導体素子の集積回路用フォトレジスト等に使用される、ポジ型或いはネガ型感光性組成物、及びそれを用いた画像形成方法に関し、特に、画像部に充分な強度を付与することができる感光性組成物、及びそれを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、平版印刷版やフォトレジスト等に用いられる感光性組成物としては、アルカリ現像液に対して可溶性のフェノール樹脂等のフェノール性水酸基含有樹脂を主要成分とするものが多く用いられ、そのポジ型感光性組成物としては、代表的には、o−キシンジアジド基含有フェノール樹脂等の光分解性樹脂からなり、光照射により分解してアルカリ現像液に対する溶解性を増大させる組成物、及び、アルコキシ基等の酸分解性基含有フェノール樹脂等の酸分解性樹脂と、ハロメチル化s−トリアジン誘導体等の光酸発生剤からなり、光照射による光酸発生剤の発生する酸により分解してアルカリ現像液に対する溶解性を増大させる組成物等が、又、そのネガ型感光性組成物としては、代表的には、エポキシ基等の酸架橋性基含有フェノール樹脂等の酸架橋性樹脂と、ハロメチル化s−トリアジン誘導体等の光酸発生剤からなり、光照射により光酸発生剤の発生する酸により架橋してアルカリ現像液に対する溶解性を低下させる組成物、等が知られている。
【0003】
そして、従来より、これらの感光性組成物の露光による画像形成方法としては感光性組成物の層を支持体表面に形成した画像形成材を、マスクフィルムを通して画像露光し、ポジ型においては非画像部としての露光部を、ネガ型においては非画像部としての非露光部を、アルカリ現像液により溶解除去することにより画像を形成するリソグラフィー法が汎用されているが、近年、その露光方法として、生産性の大幅な効率化が図れるレーザー光による走査露光が注目され、それに伴い、露光光源にレーザー光を用いることにより、マスクフィルムを用いずに、コンピューター等のデジタル情報から直接描画するレーザー直接描画法が、生産性のみならず、解像性や位置精度等の向上も図れることから脚光を浴びるに到っている。
【0004】
それに伴い、レーザー直接描画用のポジ型感光性組成物として、近年、赤外吸収色素等の赤外光を吸収して熱に変換する物質とノボラック樹脂等のアルカリ可溶性樹脂とを主な感光性成分とし、赤外レーザー光の露光で発生する熱により樹脂の構造転移等の物理的変化により露光部のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるポジ型感光性組成物も各種提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7等参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−268512号公報。
【特許文献2】
特開平11−84657号公報。
【特許文献3】
特開平11−174681号公報。
【特許文献4】
特開平11−194504号公報。
【特許文献5】
特開平11−223936号公報。
【特許文献6】
国際公開第97/39894号パンフレット。
【特許文献7】
国際公開第98/42507号パンフレット。
【0006】
ところで、フェノール樹脂等のフェノール性水酸基含有樹脂を主要成分とする従来の前記ポジ型感光性組成物及びネガ型感光性組成物においては、非画像部に求められるアルカリ現像液に対する充分な溶解性と、画像部に求められるアルカリ現像液に対する耐性とを両立させることが容易ではなく、非画像部の抜けを十分に行おうとすると画像部が現像液によりダメージを受け強度が低下し、例えば引っ掻き等による傷が生じ易くなることは避け難く、本発明者の検討によると、特に、光熱変換物質とノボラック樹脂等のアルカリ可溶性樹脂との前記ポジ型感光性組成物においては、その問題が顕著であることが判明した。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性組成物において、現像性を確保しつつ、画像部に充分な強度を付与することができる感光性組成物、及びそれを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の化合物を含有させた組成物が前記目的を達成できることを見い出し本発明を完成したものであって、即ち、本発明は、下記の(A)成分、及び(B)成分を含有する感光性組成物、及び、該感光性組成物を、(B)成分の沸点より50℃以上低い沸点の有機溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として支持体表面に塗布し、乾燥させて前記有機溶剤を除去して前記感光性組成物の層を形成し、次いで、該感光性組成物層を画像露光し、現像処理して、支持体上に画像を現出させる画像形成方法、を要旨とする。
【0009】
(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂
(B)アルキルアルコール類、アルキルエーテル類、及びアルキルメルカプタン類からなる群より選択されたいずれかであって、沸点が150℃以上のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物;感光性組成物の全量に対して0.1〜30重量%
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の感光性組成物が必須成分として含有する(A)成分のアルカリ可溶性樹脂は、フェノール性水酸基を有しアルカリ可溶性であれば特に限定されないが、フェノール類に由来する構成単位、或いはフェノール類含有化合物に由来する構成単位が30モル%以上であるものが好ましく、50モル%以上であるのが更に好ましく、70モル%以上であるのが特に好ましい。又、重量平均分子量(MW )が1,500〜50,000であるものが好ましい。尚、ここで、(A)成分のアルカリ可溶性樹脂としては、2種以上の混合物であってもよく、その場合、構成単位の前記モル%はその平均値としての値を意味するものとする。
【0011】
それらのアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルフェノール樹脂、及び、ノボラック樹脂、レゾール樹脂等のフェノール樹脂、並びに、フェノール性水酸基を有するアクリル酸誘導体の共重合体樹脂、フェノール性水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂等が挙げられるが、これらの中で、ポリビニルフェノール樹脂、及び、ノボラック樹脂、レゾール樹脂等のフェノール樹脂が好ましく、ポリビニルフェノール樹脂、及びノボラック樹脂が特に好ましい。
【0012】
そのポリビニルフェノール樹脂は、例えば、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、ジヒドロキシスチレン、トリヒドロキシスチレン、テトラヒドロキシスチレン、ペンタヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン等のヒドロキシスチレン類(尚、これらは、ベンゼン環に塩素、臭素、沃素、弗素等のハロゲン原子、或いは炭素数1〜4のアルキル基を置換基として有していてもよい。)の1種或いは2種以上、又は、更に、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、(メタ)アクリル酸〔尚、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は/及び「メタクリル」を意味するものとする。〕、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェニル(メタ)アクリルアミド等のアクリル酸誘導体類等の共単量体の1種或いは2種以上を、ラジカル重合開始剤又はカチオン重合開始剤の存在下で重合させたヒドロキシスチレン類の単独重合体或いは共重合体である。
【0013】
又、そのノボラック樹脂は、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、プロピルフェノール、n−ブチルフェノール、t−ブチルフェノール、1−ナフトール、2−ナフトール、4,4’−ビフェニルジオール、ビスフェノール−A、ピロカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、フロログルシノール等のフェノール類の少なくとも1種を、酸触媒下、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、フルフラール等のアルデヒド類、又は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、の少なくとも1種と重縮合させた樹脂であり、又、レゾール樹脂は、ノボラック樹脂の重縮合における酸触媒に代えてアルカリ触媒を用いる以外は同様にして重縮合させた樹脂である。
【0014】
これらのノボラック樹脂、及びレゾール樹脂としては、本発明においては、フェノール類としてのフェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−キシレノール、3,5−キシレノール、レゾルシノールと、アルデヒド類又はケトン類としてのホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドとの重縮合体が好ましく、特に、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシノールの混合割合がモル比で40〜100:0〜50:0〜20:0〜20:0〜20の混合フェノール類、又は、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で1〜100:0〜70:0〜60の混合フェノール類と、ホルムアルデヒドとの重縮合体が好ましく、又、後述する如く本発明における感光性組成物は溶解抑止剤を含有していてもよく、その場合、m−クレゾール:p−クレゾール:2,5−キシレノール:3,5−キシレノール:レゾルシノールの混合割合がモル比で70〜100:0〜30:0〜20:0〜20:0〜20の混合フェノール類、又は、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で10〜100:0〜60:0〜40の混合フェノール類と、ホルムアルデヒドとの重縮合体が好ましい。
【0015】
尚、以上の(A)成分のアルカリ可溶性樹脂としては、そのフェノール性水酸基の一部をエーテル化或いはエステル化等して、後述する酸分解性や酸架橋性の付与を目的に酸分解性基や酸架橋性基を導入したり、或いはアルカリ可溶性の調整等を目的にアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等のアシル基等を導入したものであってもよい。
【0016】
本発明の感光性組成物は、前記(A)成分のアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性組成物であって、(B)成分の、アルキルアルコール類、アルキルエーテル類、及びアルキルメルカプタン類からなる群より選択されたいずれかであって、沸点が150℃以上のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有することを特徴とする。
【0017】
その(B)成分のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物としては、具体的には、例えば、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、テトラデカノール、ペンタデカノール、ヘキサデカノール、ヘプタデカノール、オクタデカノール等の1価の直鎖或いは分岐アルキルアルコール類、ヘプチルメチルエーテル、ヘプチルエチルエーテル、オクチルメチルエーテル、オクチルエチルエーテル、ノニルメチルエーテル、ノニルエチルエーテル、デシルメチルエーテル、デシルエチルエーテル、ウンデシルメチルエーテル、ウンデシルエチルエーテル、ドデシルメチルエーテル、ドデシルエチルエーテル、トリデシルメチルエーテル、トリデシルエチルエーテル、オクタデシルメチルエーテル、オクタデシルエチルエーテル等の直鎖或いは分岐アルキルエーテル類、ヘプチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、ノニルメルカプタン、デシルメルカプタン、ウンデシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等の直鎖或いは分岐アルキルメルカプタン類、が挙げられ、中で、直鎖アルキルアルコール類が好ましい。
【0018】
本発明の感光性組成物として、前記(B)成分の化合物を含有しない場合には、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性組成物において、画像部に十分な強度を付与することが困難となる。
【0019】
本発明の感光性組成物としては、前記(A)成分のアルカリ可溶性樹脂及び前記(B)成分のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するものであれば特に限定されるものではないが、ポジ型感光性組成物の好適な例として、アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質としての光吸収色素を基本組成とし、前記(B)成分のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P1 )が挙げられる。
【0020】
このポジ型感光性組成物(P1 )において、アルカリ可溶性樹脂としては、前記(A)成分として挙げたアルカリ可溶性樹脂が用いられ、中で、ポリビニルフェノール樹脂、及びノボラック樹脂が好ましく、このポジ型感光性組成物(P1 )における前記アルカリ可溶性樹脂の含有割合は、40〜99重量%であるのが好ましく、50〜98重量%であるのが更に好ましく、60〜97重量%であるのが特に好ましい。
【0021】
又、このポジ型感光性組成物(P1 )における前記(B)成分のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物の含有割合は、0.1〜30重量%であるのが好ましく、0.5〜20重量%であるのが更に好ましく、1〜10重量%であるのが特に好ましい。前記(B)成分の含有量が前記範囲未満では、得られる画像部の強度が不足することとなり、一方、前記範囲超過では、画像部が膜減りし易いこととなる。
【0022】
又、このポジ型感光性組成物(P1 )において、光熱変換物質としての光吸収色素としては、光照射による光を吸収して熱に変換し得る化合物であれば特に限定されないが、350〜1,300nmの波長域、特に390〜430nmの青紫光領域、或いは、650〜1,300nmの近赤外領域に吸収極大を有する光吸収色素、就中、650〜1,300nmの近赤外領域に吸収極大を有する光吸収色素が特に有効である。
【0023】
それら光吸収色素の中で、波長650〜1,300nmの近赤外領域に吸収極大を有する光吸収色素としては、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子等の複素原子がポリメチン(−CH=)n 鎖で結合された構造のものであり、代表的には、その複素原子が複素環を形成し、ポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造の所謂、広義のシアニン系色素、具体的には、例えば、キノリン系(所謂、狭義のシアニン系)、インドール系(所謂、インドシアニン系)、ベンゾチアゾール系(所謂、チオシアニン系)、ピリリウム系、チオピリリウム系、スクアリリウム系、クロコニウム系、アズレニウム系等、及び、ポリメチン鎖を介して非環式複素原子が結合された構造の所謂、ポリメチン系色素等が挙げられ、中で、キノリン系、インドール系、ベンゾチアゾール系、ピリリウム系、チオピリリウム系等のシアニン系色素、又はポリメチン系色素が好ましい。又、その他の光吸収色素として、ジイミニウム系色素、フタロシアニン系色素等が挙げられる。
【0024】
本発明においては、前記シアニン系色素の中で、キノリン系色素としては、特に、下記一般式(Ia) 、(Ib)、又は(Ic)で表されるものが好ましい。
【0025】
【化1】
【0026】
〔式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中、R1 及びR2 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L1 は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノリン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa − は対アニオンを示す。〕
【0027】
ここで、式(Ia)、(Ib)、及び(Ic)中のR1 及びR2 がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L1 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、フェノキシ基、フェニルチオ基、複素環オキシ基、複素環チオ基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノリン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0028】
又、インドール系、及びベンゾチアゾール系色素としては、特に、下記一般式(II)で表されるものが好ましい。
【0029】
【化2】
【0030】
〔式(II)中、Y1 及びY2 は各々独立して、ジアルキルメチレン基又は硫黄原子を示し、R3 及びR4 は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、L2 は置換基を有していてもよいトリ、ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基を示し、該ペンタ、ヘプタ、ノナ、又はウンデカメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、縮合ベンゼン環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa − は対アニオンを示す。〕
【0031】
ここで、式(II)中のR3 及びR4 がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、フェニル基も含めたそれらの置換基としては、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜10のアルコキシ基、フェノキシ基、ヒドロキシ基、又はフェニル基等が挙げられ、L2 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、フェノキシ基、フェニルチオ基、複素環オキシ基、複素環チオ基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、縮合ベンゼン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0032】
又、ピリリウム系、及びチオピリリウム系色素としては、特に、下記一般式(IIIa)、(IIIb)、又は(IIIc)で表されるものが好ましい。
【0033】
【化3】
【0034】
〔式(IIIa)、(IIIb)、及び(IIIc)中、Z1 及びZ2 は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R5 、R6 、R7 、及びR8 は各々独立して、水素原子又はアルキル基、又は、R5 とR7 、及びR6 とR8 が互いに連結して炭素数5又は6のシクロアルケン環を形成していてもよく、L3 は置換基を有していてもよいモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、ピリリウム環及びチアピリリウム環は置換基を有していてもよく、その場合、隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合ベンゼン環を形成していてもよい。Xa − は対アニオンを示す。〕
【0035】
ここで、式(IIIa)、(IIIb)、及び(IIIc)中のR5 、R6 、R7 、及びR8 がアルキル基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10であり、L3 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、フェノキシ基、フェニルチオ基、複素環オキシ基、複素環チオ基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ピリリウム環及びチアピリリウム環における置換基としては、フェニル基、ナフチル基等のアリール基等が挙げられる。
【0036】
又、ポリメチン系色素としては、特に、下記一般式(IV)で表されるものが好ましい。
【0037】
【化4】
【0038】
〔式(IV)中、R9 、R10、R11、及びR12は各々独立して、アルキル基を示し、R13及びR14は各々独立して、置換基を有していてもよいアリール基、フリル基、又はチエニル基を示し、L4 は置換基を有していてもよいモノ、トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基を示し、該トリ、ペンタ、又はヘプタメチン基上の2つの置換基が互いに連結して炭素数5〜7のシクロアルケン環を形成していてもよく、キノン環及びベンゼン環は置換基を有していてもよい。Xa − は対アニオンを示す。〕
【0039】
ここで、式(IV)中のR9 、R10、R11、及びR12のアルキル基の炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、R13及びR14がアリール基であるときの炭素数は通常6〜20、好ましくは6〜15であり、R13及びR14として具体的には、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基等が挙げられ、それらの置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ジアルキルアミノ基、ヒドロキシ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、L4 における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、フェノキシ基、フェニルチオ基、複素環オキシ基、複素環チオ基、アミノ基、又はハロゲン原子等が挙げられ、キノン環及びベンゼン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0040】
更に、ジイミニウム系色素としては、特に、N,N−ジアリールイミニウム塩骨格を少なくとも1個有する下記一般式(Va)、又は(Vb)で表されるものが好ましい。
【0041】
【化5】
【0042】
〔式(Va)、及び(Vb)中、R15、R16、R17、及びR18は各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、又は置換基を有していてもよいアルコキシ基を示し、R19、及びR20は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示し、ベンゼン環及びイミノキノン環は置換基を有していてもよい。Xa − は対アニオンを示す。尚、式(Vb)中の電子結合(点線)は他の電子結合との共鳴状態を示す。〕
【0043】
ここで、式(Va)、及び(Vb)中のR15、R16、R17、R18、R19、及びR20がアルキル基、アルコキシ基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜10、アルケニル基、アルキニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜10であり、それらにおける置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、カルボキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキル基、又はハロゲン原子等が挙げられ、ベンゼン環及びイミノキノン環における置換基としては、同上炭素数のアルキル基、同上炭素数のアルコキシ基、アシル基、ニトロ基、又はハロゲン原子等が挙げられる。
【0044】
これらのジイミニウム系色素の中では、前記一般式(Va)、及び(Vb)中のR15、R16、R17、及びR18がアルキル基で、R19、及びR20もアルキル基であるか、R19、及びR20がジアルキルアミノ基を置換基として有するフェニル基であるものが、特に好ましい。
【0045】
尚、前記一般式(Ia 〜c)、(II)、(IIIa 〜c)、(IV)、及び(Va 〜b)における対アニオンXa − としては、例えば、Cl− 、Br− 、I− 、ClO4 − 、PF6 − 、SbF6 − 、AsF6 − 、及び、BF4 − 、BCl4 − 等の無機硼酸等の無機酸アニオン、並びに、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、酢酸、及び、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、メトキシフェニル、ナフチル、フルオロフェニル、ジフルオロフェニル、ペンタフルオロフェニル、チエニル、ピロリル等の有機基を有する有機硼酸等の有機酸アニオンを挙げることができる。
【0046】
又、前記一般式(Ia 〜c)、(II)、(IIIa 〜c)、及び(IV)においては、L1 、L2 、L3 、及びL4 のポリメチン鎖上に、下記一般式(VIa) で表されるバルビツル酸アニオン基又はチオバルビツル酸アニオン基を置換基として有することにより、又は、L1 、L2 、L3 、及びL4 のポリメチン鎖中に、下記一般式(VIb) で表されるスクエア酸アニオン基又はチオスクエア酸アニオン基、或いは、下記一般式(VIc) で表されるクロコン酸アニオン基又はチオクロコン酸アニオン基を形成することにより、分子内塩を形成していてもよい。
【0047】
【化6】
【0048】
〔式(VIa) 、(VIb) 、及び(VIc) 中、Z3 、Z4 、Z5 、Z6 、Z7 、及びZ8 は各々独立して、酸素原子又は硫黄原子を示し、R37及びR38は各々独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、又は置換基を有していてもよいフェニル基を示す。〕
【0049】
ここで、式(VIa) 中のR37及びR38がアルキル基、アルコキシ基であるときの炭素数は通常1〜15、好ましくは1〜5、アルケニル基であるときの炭素数は通常2〜15、好ましくは2〜5であるが、アルキル基であるのが好ましく、そのアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基等が挙げられる。
【0050】
又、フタロシアニン系色素は、アザポリメチン鎖を介して複素環が結合された構造を基本構造とするものであり、そのフタロシアニン系色素としては、下記一般式(VII) で表されるものが好ましい。
【0051】
【化7】
【0052】
〔式(VII) 中、R21、及びR22は各々独立して、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリールオキシ基、チオアリールオキシ基、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ハロゲン原子、又は水素原子を示し、Mは、Zn、Cu、Ni、SnCl2 、AlCl、又は水素原子を示し、又、ベンゼン環における隣接する2つの置換基が互いに連結して縮合環を形成していてもよい。〕
【0053】
ここで、式(VII) 中のR21、及びR22がアルコキシ基、チオアルコキシ基、又はアルキルアミノ基であるときの炭素数は通常1〜10、好ましくは1〜4であり、アリールオキシ基、チオアリールオキシ基、又はアリールアミノ基としては、フェノキシ基、チオフェノキシ基、又はフェニルアミノ基等が挙げられ、又、Mとしては、Zn、又はSnCl2 であるのが好ましい。
【0054】
以上の前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピリリウム系又はチオピリリウム系等のシアニン系色素、前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素、前記一般式(Va 〜b)で表されるジイミニウム系色素、及び前記一般式(VII) で表されるフタロシアニン系色素の中で、本発明においては、前記一般式(Ia 〜c)で表されるキノリン系、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系、前記一般式(IIIa 〜c)で表されるピリリウム系又はチオピリリウム系等のシアニン系色素、又は前記一般式(IV)で表されるポリメチン系色素が好ましく、前記一般式(II)で表されるインドール系又はベンゾチアゾール系のシアニン色素が特に好ましい。
【0055】
又、波長390〜430nmの青紫光領域に吸収極大を有する光吸収色素としては、ジアルキルアミノベンゼン系化合物、ピロメテン系化合物、トリヒドロキシピリミジン誘導体等が好ましいものとして挙げられる。
【0056】
本発明においては、前記ジアルキルアミノベンゼン系化合物としては、特に、ジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物、及び、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に置換基を有するジアルキルアミノベンゼン系化合物が好ましい。
【0057】
そのジアルキルアミノベンゾフェノン系化合物としては、下記一般式(VIII)で表されるものが好ましい。
【0058】
【化8】
【0059】
〔式(VIII)中、R23、R24、R25、及びR26は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、R27、R28、R29、及びR30は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R23とR24、R25とR26、R23とR27、R24とR28、R25とR29、及びR26とR30とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。〕
【0060】
ここで、式(VIII)中のR23、R24、R25、及びR26のアルキル基の炭素数、並びに、R27、R28、R29、及びR30がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましい。又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましく、6員環、例えば、ジュロリジン環が特に好ましい。
【0061】
又、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に置換基を有するジアルキルアミノベンゼン系化合物の好適な例としては、その置換基が置換メチル基である下記一般式(IXa) で表されるものが挙げられる。
【0062】
【化9】
【0063】
〔式(IXa) 中、R31及びR32は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、R33及びR34は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R31とR32、R31とR33、及びR32とR34とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。Y3 は、アシル基、アルコキシカルボニル基、又はシアノ基から選択された2個の基、又は、アリールスルホニルイミノ基を示す。〕
【0064】
ここで、式(IXa) 中のR31及びR32のアルキル基の炭素数、並びに、R33及びR34がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましく、又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましいが、R33及びR34は水素原子であるのが好ましい。又、Y3 は、アルコキシカルボニル基とシアノ基の組合せ、或いは、ベンゼンスルホニルイミノ基が好ましい。
【0065】
又、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に置換基を有するジアルキルアミノベンゼン系化合物の好適な例としては、その置換基が複素環基である下記一般式(IXb) 、又は(IXc) で表されるものが挙げられる。
【0066】
【化10】
【0067】
〔式(IXb) 、又は(IXc) 中、R31及びR32は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、R33及びR34は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R31とR32、R31とR33、及びR32とR34とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。Y4 及びY5 は各々独立して、酸素原子、硫黄原子、ジアルキルメチレン基、イミノ基、又はアルキルイミノ基を示し、Y6 は水酸基、又はメルカプト基を示す。複素環に縮合するベンゼン環は置換基を有していてもよい。〕
【0068】
ここで、式(IXb) 及び(IXc) 中のR31及びR32のアルキル基の炭素数、並びに、R33及びR34がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましく、又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましく、6員環が特に好ましい。又、Y4 及びY5 がジアルキルメチレン基であるときのアルキル基の炭素数は1〜6であるのが好ましく、アルキルイミノ基であるときのアルキル基の炭素数は1〜6であるのが好ましいが、Y4 及びY5 としては酸素原子、又は硫黄原子であるのが、又、Y6 は水酸基であるのが、それぞれ好ましい。
【0069】
又、ベンゼン環上のアミノ基に対してp−位の炭素原子に置換基を有するジアルキルアミノベンゼン系化合物の好適な例としては、その置換基が縮合複素環を形成した下記一般式(IXd) で表されるものが挙げられる。
【0070】
【化11】
【0071】
〔式(IXd) 中、R31、R32、及びR36は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基を示し、R33、R34、及びR35は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、又は水素原子を示し、R31とR32、R31とR33、及びR32とR34とは各々独立して、含窒素複素環を形成していてもよい。〕
【0072】
ここで、式(IXd) 中のR31、R32、及びR36のアルキル基の炭素数、並びに、R33、R34、及びR35がアルキル基であるときの炭素数は1〜6であるのが好ましく、又、含窒素複素環を形成する場合、5又は6員環であるのが好ましいが、R33及びR34は水素原子であるのが好ましい。又、R35は、ハロゲン置換アルキル基であるのが好ましい。
【0073】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P1 )における前記光吸収色素の含有割合は、0.5〜30重量%であるのが好ましく、1〜20重量%であるのが更に好ましく、2〜10重量%であるのが特に好ましい。
【0074】
尚、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質としての前記光吸収色素を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P1 )には、露光部と非露光部のアルカリ現像液に対する溶解性の差を増大させる等の目的で溶解抑止剤が含有されていてもよく、その溶解抑止剤としては、例えば、特開平10−268512号及び特開平11−288089号各公報に詳細に記載されているスルホン酸エステル類、燐酸エステル類、芳香族カルボン酸エステル類、芳香族ジスルホン類、カルボン酸無水物類、芳香族ケトン類、芳香族アルデヒド類、芳香族アミン類、芳香族エーテル類、トリアリールメタン骨格を有する化合物類等、特開平11−190903号公報に詳細に記載されている、ラクトン骨格、N,N−ジアリールアミド骨格、ジアリールメチルイミノ骨格を有する酸発色性色素類、特開平11−143076号公報に詳細に記載されている、ラクトン骨格、チオラクトン骨格、スルホラクトン骨格を有する塩基発色性色素類等が挙げられる。
【0075】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P1 )における前記溶解抑止剤の含有割合は、50重量%以下であるのが好ましく、0.01〜30重量%であるのが更に好ましく、0.1〜20重量%であるのが特に好ましい。
【0076】
又、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質としての前記光吸収色素を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P1 )には、現像性の改良等を目的として現像促進剤が含有されていてもよく、その現像促進剤としては、pKaが2以上の有機酸又はその有機酸の無水物であって、例えば、特開昭60−88942号、特開昭63−276048号、特開平2−96754号各公報等に記載されたものが用いられ、具体的には、例えば、グリセリン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン酸、プロピルマロン酸、コハク酸、リンゴ酸、メソ酒石酸、グルタル酸、β−メチルグルタル酸、β,β−ジメチルグルタル酸、β−エチルグルタル酸、β,β−ジエチルグルタル酸、β−プロピルグルタル酸、β,β−メチルプロピルグルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸等の脂肪族飽和カルボン酸、マレイン酸、フマル酸、グルタコン酸等の脂肪族不飽和カルボン酸、1,1−シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロブタンジカルボン酸、1,1−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,1−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の炭素環式飽和カルボン酸、1,2−シクロヘキセンジカルボン酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,4−ジメチル安息香酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ安息香酸、p−トルイル酸、2−ヒドロキシ−p−トルイル酸、2−ヒドロキシ−m−トルイル酸、2−ヒドロキシ−o−トルイル酸、マンデル酸、没食子酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の炭素環式不飽和カルボン酸、及び、メルドラム酸、アスコルビン酸、無水コハク酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、シクロヘキセンジカルボン酸無水物、シクロヘキサンジカルボン酸無水物等の無水物が挙げられる。
【0077】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P1 )における前記現像促進剤の含有割合は、30重量%以下であるのが好ましく、0.1〜20重量%であるのが更に好ましく、1〜10重量%であるのが特に好ましい。
【0078】
又、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質としての前記光吸収色素を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P1 )には、支持体上への感光性組成物層形成時の塗布性、及び現像性の向上等を目的として、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性、及び弗素系等の界面活性剤が含有されていてもよく、具体的には、例えば、そのノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類等が、又、そのアニオン性界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩類等が、又、そのカチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩類、イミダゾリン誘導体類、アミン塩類等が、又、両性界面活性剤としては、ベタイン型化合物類、イミダゾリウム塩類、イミダゾリン類、アミノ酸類等が、それぞれ挙げられる。
【0079】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P1 )における前記界面活性剤の含有割合は、20重量%以下であるのが好ましく、0.001〜10重量%であるのが更に好ましく、0.005〜5重量%であるのが特に好ましい。
【0080】
又、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質としての前記光吸収色素を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P1 )には、支持体に対する密着性の向上等を目的として密着性改良剤が含有されていてもよく、その密着性改良剤としては、所謂シランカップリング剤として知られるシラン化合物や複素環チオール化合物等が挙げられ、そのシラン化合物としては、具体的には、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロロシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕プロピルトリメトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕プロピルトリエトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕プロピルメチルジメトキシシラン、3−〔N−(2−アミノエチル)アミノ〕プロピルメチルジエトキシシラン、3−(N−アリル−N−グリシジルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N−アリル−N−グリシジルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(N−フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(N−フェニルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン等、及び、N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕アミン、N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(トリエトキシシリル)プロピル〕アミン、N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(メチルジメトキシシリル)プロピル〕アミン、N−グリシジル−N,N−ビス〔3−(メチルジエトキシシリル)プロピル〕アミン等が挙げられる。
【0081】
又、その複素環チオール化合物としては、具体的には、例えば、2−メルカプトチアゾール、2−メルカプトオキサゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン及びそのアルカリ金属塩、2−ジブチルアミノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン及びそのアルカリ金属塩、2−アニリノ−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン及びそのアルカリ金属塩等が挙げられる。
【0082】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P1 )における前記密着性改良剤の含有割合は、50重量%以下であるのが好ましく、0.01〜40重量%であるのが更に好ましく、0.1〜30重量%であるのが特に好ましい。
【0083】
又、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質としての前記光吸収色素を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P1 )には、露光及び現像後の後加熱により該樹脂を架橋させてポジ画像に耐薬品性、耐刷性を付与すること等を目的として、そのアルカリ可溶性樹脂を架橋させる作用を有する架橋剤が含有されていてもよく、その架橋剤としては、代表的には、官能基としてメチロール基、それをアルコール縮合変性したアルコキシメチル基、その他、アセトキシメチル基等を少なくとも2個有するアミノ化合物が挙げられ、具体的には、メラミン誘導体、例えば、メトキシメチル化メラミン〔三井サイテック社製、サイメル300シリーズ(1)等〕、ベンゾグアナミン誘導体〔メチル/エチル混合アルコキシ化ベンゾグアナミン樹脂(三井サイテック社製、サイメル1100シリーズ(2)等)〕、グリコールウリル誘導体〔テトラメチロールグリコールウリル樹脂(三井サイテック社製、サイメル1100シリーズ(3)等)〕や、尿素樹脂誘導体、レゾール樹脂等が挙げられる。
【0084】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P1 )における前記架橋剤の含有割合は、40重量%以下であるのが好ましく、10重量%以下であるのが更に好ましく、5重量%以下であるのが特に好ましい。
【0085】
又、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質としての前記光吸収色素を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P1 )には、例えば、ビクトリアピュアブルー(42595)、クリスタルバイオレット(42555)、クリスタルバイオレットラクトン、オーラミンO(41000)、カチロンブリリアントフラビン(ベーシック13)、ローダミン6GCP(45160)、ローダミンB(45170)、サフラニンOK70:100(50240)、エリオグラウシンX(42080)、ファーストブラックHB(26150)、No.120/リオノールイエロー(21090)、リオノールイエローGRO(21090)、シムラーファーストイエロー8GF(21105)、ベンジジンイエロー4T−564D(21095)、シムラーファーストレッド4015(12355)、リオノールレッドB4401(15850)、ファーストゲンブルーTGR−L(74160)、リオノールブルーSM(26150)等の顔料又は染料等の着色剤が含有されていてもよい。尚、ここで、前記の括弧内の数字はカラーインデックス(C.I.)を意味する。
【0086】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P1 )における前記着色剤の含有割合は、50重量%以下であるのが好ましく、0.5〜30重量%であるのが更に好ましく、2〜20重量%であるのが特に好ましい。
【0087】
又、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質としての前記光吸収色素を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P1 )には、成膜性の改善等を目的として可塑剤が含有されていてもよく、その可塑剤としては、具体的には、例えば、フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸2−エチルヘキシル、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジイソデシル等のフタル酸エステル類、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)等のトリメリット酸エステル類、アジピン酸ジ(2−エチルヘキシル)、アジピン酸(n−ヘキシル−n−オクチル)、アゼライン酸ジ(2−エチルヘキシル)、セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ(2−エチルヘキシル)、ドデカン二酸ジ(2−エチルヘキシル)等の脂肪酸エステル類、リン酸トリエチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類、及び、グリコール誘導体トリアセチレン類、塩化パラフィン類、ヒマシ油類等が挙げられる。
【0088】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P1 )における前記可塑剤の含有割合は、50重量%以下であるのが好ましく、0.01〜40重量%であるのが更に好ましく、0.1〜30重量%であるのが特に好ましい。
【0089】
更に、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と、光熱変換物質としての前記光吸収色素を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P1 )には、例えば、塗布性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤、現像性改良剤等の感光性組成物に通常用いられる各種の添加剤が含有されていてもよい。
【0090】
又、本発明の感光性組成物におけるポジ型感光性組成物の好適な例として、酸分解性基を導入したアルカリ可溶性樹脂と、光酸発生剤を基本組成とし、前記(B)成分のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P2 )が挙げられる。
【0091】
このポジ型感光性組成物(P2 )において、酸分解性基を導入したアルカリ可溶性樹脂としては、前記(A)成分として挙げたアルカリ可溶性樹脂が有するフェノール性水酸基の一部をエーテル化或いはエステル化して酸分解性基を導入した樹脂が好ましいものとして挙げられ、中で、ポリビニルフェノール樹脂、又はノボラック樹脂に酸分解性基を導入した樹脂が更に好ましく、ポリビニルフェノール樹脂に酸分解性基を導入した樹脂が特に好ましい。尚、ここで、酸分解性基を導入したアルカリ可溶性樹脂とは、酸分解性基を導入した樹脂と、未導入の前記アルカリ可溶性樹脂との混合物をも含むものとする。
【0092】
その酸分解性基としては、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜15のアルコキシ基や、メトキシメトキシ基、ジメトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、1−メトキシエトキシ基、1−エトキシエトキシ基、1−プロポキシエトキシ基、1−t−ブトキシエトキシ基、1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−エトキシプロポキシ基等の炭素数2〜15のアルコキシアルコキシ基等のエーテル型、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、フェノキシカルボニルオキシ基等の2〜15のアルコキシカルボニルオキシ基や、エトキシカルボニルオキシメトキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシメトキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシメトキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシメトキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシメトキシ基等の炭素数2〜15のアルコキシカルボニルオキシアルコキシ基等のカーボネート型、及び、トリメチルシロキシ基、トリメトキシシロキシ基等のシロキシ基等のシリルエーテル型等、少なくとも末端にアルコキシ基或いはシロキシ基等を有する基が挙げられ、中で、エーテル型のものが好ましい。
【0093】
このポジ型感光性組成物(P2 )において、前記酸分解性基を導入したアルカリ可溶性樹脂の含有割合、及び前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物の含有割合は、前記ポジ型感光性組成物(P1 )におけると同様である。
【0094】
又、このポジ型感光性組成物(P2 )において、光酸発生剤としては、例えば、ハロメチル化s−トリアジン誘導体類、オニウム塩類、及びスルホン化合物類等が挙げられ、中で、ハロメチル化s−トリアジン誘導体類が好ましい。
【0095】
ここで、そのハロメチル化s−トリアジン誘導体類としては、少なくとも1つのモノ、ジ、又はトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合した誘導体が好ましく、具体的には、例えば、2,4,6−トリス(モノクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ベンジルチオ−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−s−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン、2−メトキシ−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジン等が挙げられ、中で、ビス(トリハロメチル)−s−トリアジンが好ましく、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4−エポキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−〔1−(p−メトキシフェニル)−2,4−ブタジエニル〕−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシ−m−ヒドロキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−i−プロピルオキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が特に好ましい。
【0096】
又、そのオニウム塩類としては、具体的には、例えば、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド等のアンモニウム塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ジシクロヘキシルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジシクロヘキシルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジシクロヘキシルヨードニウムp−トルエンスルホネート、ジシクロヘキシルヨードニウムカンファースルホネート等のヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4−t−ブチルフェニル)スルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリシクロヘキシルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリシクロヘキシルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリシクロヘキシルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリシクロヘキシルスルホニウムカンファースルホネート等のスルホニウム塩等が挙げられる。
【0097】
又、スルホン化合物類としては、具体的には、例えば、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)メタン、ビス(p−メトキシフェニルスルホニル)メタン、ビス(α−ナフチルスルホニル)メタン、ビス(β−ナフチルスルホニル)メタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)メタン、ビス(t−ブチルスルホニル)メタン、フェニルスルホニル(シクロヘキシルスルホニル)メタン等のビス(スルホニル)メタン化合物、フェニルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、ナフチルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(ナフチルスルホニル)メタン、シクロヘキシルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、t−ブチルカルボニル(フェニルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(シクロヘキシルスルホニル)メタン、フェニルカルボニル(t−ブチルカルボニル)メタン等のカルボニル(スルホニル)メタン化合物、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−ヒドロキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−メトキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(α−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(β−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(t−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン等のビス(スルホニル)ジアゾメタン化合物、フェニルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ナフチルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、シクロヘキシルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、t−ブチルカルボニル(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルカルボニル(t−ブチルカルボニル)ジアゾメタン等のカルボニル(スルホニル)ジアゾメタン化合物等が挙げられる。
【0098】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P2 )における前記光酸発生剤の含有割合は、0.1〜30重量%であるのが好ましく、0.5〜20重量%であるのが更に好ましく、0.5〜15重量%であるのが特に好ましい。
【0099】
尚、本発明において、前記酸分解性基を導入したアルカリ可溶性樹脂と、光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P2 )には、増感剤としての光吸収色素が含有されていてもよく、その光吸収色素としては、前記ポジ型感光性組成物(P1 )において挙げたと同様のものが挙げられ、その含有割合も、前記ポジ型感光性組成物(P1 )におけると同様である。
【0100】
又、本発明において、前記酸分解性基を導入したアルカリ可溶性樹脂と、光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P2 )には、前記ポジ型感光性組成物(P1 )における溶解抑止剤、現像促進剤、界面活性剤、密着性改良剤、着色剤、及び可塑剤等が前記ポジ型感光性組成物(P1 )におけると同様に含有されていてもよい。
【0101】
又、本発明において、前記酸分解性基を導入したアルカリ可溶性樹脂と、光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P2 )には、感光性組成物の保存性安定剤として塩基性化合物が含有されていてもよく、その塩基性化合物としては、具体的には、例えば、ピリジン、ピコリン、キノリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリベンジルアミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン等の3級アミン類が好適である。
【0102】
本発明において、ポジ型感光性組成物(P2 )における前記保存性安定剤の含有割合は、20重量%以下であるのが好ましく、0.01〜15重量%であるのが更に好ましく、0.1〜10重量%であるのが特に好ましい。
【0103】
更に、本発明において、前記酸分解性基を導入したアルカリ可溶性樹脂と、光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P2 )には、例えば、塗布性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤、現像性改良剤等の感光性組成物に通常用いられる各種の添加剤が含有されていてもよい。
【0104】
又、本発明の感光性組成物におけるポジ型感光性組成物のその他の例として、o−キノンジアジド基を導入したアルカリ可溶性樹脂を基本組成とし、前記(B)成分のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P3 )が挙げられる。
【0105】
このポジ型感光性組成物(P3 )において、o−キノンジアジド基を導入したアルカリ可溶性樹脂としては、前記(A)成分として挙げたアルカリ可溶性樹脂が含有するフェノール性水酸基の一部をエステル化してo−キノンジアジド基を導入した樹脂が好ましいものとして挙げられ、中で、ノボラック樹脂又はフェノール樹脂にo−キノンジアジド基を導入した樹脂が更に好ましい。尚、ここで、o−キノンジアジド基を導入したアルカリ可溶性樹脂とは、o−キノンジアジド基を導入した樹脂と、未導入の前記アルカリ可溶性樹脂との混合物をも含むものとする。
【0106】
そのo−キノンジアジド基を導入するためのo−キノンジアジド基含有化合物としては、o−ナフトキノンジアジドスルホン酸基を有する化合物が好ましく、具体的には、例えば、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸シクロヘキシル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−(ジヒドロアビエチル)−スルホン酸アミド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸−4’−ヒドロキシフェニル−4’−アゾ−β−ナフトール、N,N−ビス(1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル)アニリン、1’−(1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニル)−3’,5’−ジメチルピラゾール、2’−(1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルオキシ)−1’−ヒドロキシアントラキノン、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸−2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンエステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸−2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンエステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド2モルと4,4’−ジアミノベンゾフェノン1モルとの縮合物、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド2モルと4,4’−ジヒドロキシ−1,1’−ジフェニルスルホン1モルとの縮合物、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリド1モルとプルプロガリン1モルとの縮合物等が挙げられ、中で、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸が好ましい。
【0107】
このポジ型感光性組成物(P3 )において、前記o−キノンジアジド基を導入したアルカリ可溶性樹脂の含有割合、及び前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物の含有割合は、前記ポジ型感光性組成物(P1 )におけると同様である。
【0108】
尚、本発明において、前記o−キノンジアジド基を導入したアルカリ可溶性樹脂を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するポジ型感光性組成物(P3 )には、前記ポジ型感光性組成物(P1 )における光吸収色素、溶解抑止剤、現像促進剤、界面活性剤、密着性改良剤、着色剤、及び可塑剤等が前記ポジ型感光性組成物(P1 )におけると同様に含有されていてもよく、又、前記ポジ型感光性組成物(P2 )における保存性安定剤が前記ポジ型感光性組成物(P2 )におけると同様に含有されていてもよく、更に、例えば、塗布性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤、現像性改良剤等の感光性組成物に通常用いられる各種の添加剤が含有されていてもよい。
【0109】
又、本発明の感光性組成物におけるネガ型感光性組成物の好適な例として、アルカリ可溶性樹脂と架橋剤と光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するネガ型感光性組成物(N1 )が挙げられる。
【0110】
このネガ型感光性組成物(N1 )において、アルカリ可溶性樹脂としては、前記(A)成分として挙げたアルカリ可溶性樹脂が、又、架橋剤としては、前記ポジ型感光性組成物(P1 )において挙げたと同様のものが、それぞれ挙げられ、又、それらの含有割合、及び前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物の含有割合も、前記ポジ型感光性組成物(P1 )におけると同様である。
【0111】
又、光酸発生剤としては、前記ポジ型感光性組成物(P2 )において挙げたと同様のものを挙げることができ、その含有割合も、前記ポジ型感光性組成物(P2 )におけると同様である。
【0112】
又、本発明の感光性組成物におけるネガ型感光性組成物の好適な例として、酸架橋性基を導入したアルカリ可溶性樹脂と、光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するネガ型感光性組成物(N2 )が挙げられる。
【0113】
このネガ型感光性組成物(N2 )において、酸架橋性基を導入したアルカリ可溶性樹脂としては、前記(A)成分として挙げたアルカリ可溶性樹脂が含有するフェノール性水酸基の一部をエーテル化或いはエステル化して、例えば、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基、エポキシ基、ビニルエーテル基等の酸架橋性基を導入した樹脂が好ましいものとして挙げられ、中で、ポリビニルフェノール樹脂、又はノボラック樹脂に酸架橋性基を導入した樹脂が更に好ましい。尚、ここで、酸架橋性基を導入したアルカリ可溶性樹脂とは、酸架橋性基を導入した樹脂と、未導入の前記アルカリ可溶性樹脂との混合物をも含むものとする。
【0114】
このネガ型感光性組成物(N2 )における前記酸架橋性基を導入したアルカリ可溶性樹脂の含有割合、及び前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物の含有割合は、前記ポジ型感光性組成物(P1 )におけると同様である。
【0115】
又、光酸発生剤としては、前記ポジ型感光性組成物(P2 )において挙げたと同様のものを挙げることができ、その含有割合も、前記ポジ型感光性組成物(P2 )におけると同様である。
【0116】
尚、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と架橋剤と光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するネガ型感光性組成物(N1 )、及び、前記酸架橋性基を導入したアルカリ可溶性樹脂と、光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するネガ型感光性組成物(N2 )には、増感剤としての光吸収色素が含有されていてもよく、その光吸収色素としては、前記ポジ型感光性組成物(P1 )において挙げたと同様のものが挙げられ、その含有割合も、前記ポジ型感光性組成物(P1 )におけると同様である。
【0117】
又、本発明において、前記アルカリ可溶性樹脂と架橋剤と光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するネガ型感光性組成物(N1 )、及び、前記酸架橋性基を導入したアルカリ可溶性樹脂と、光酸発生剤を基本組成とし、前記アルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物を含有するネガ型感光性組成物(N2 )には、前記ポジ型感光性組成物(P1 )における界面活性剤、密着性改良剤、着色剤、及び可塑剤等が前記ポジ型感光性組成物(P1 )におけると同様に含有されていてもよく、又、前記ポジ型感光性組成物(P2 )における保存性安定剤が前記ポジ型感光性組成物(P2 )におけると同様に含有されていてもよく、更に、例えば、塗布性改良剤、密着性改良剤、感度改良剤、感脂化剤、現像性改良剤等の感光性組成物に通常用いられる各種の添加剤が含有されていてもよい。
【0118】
本発明において、以上例示した前記ポジ型感光性組成物(P1 )、(P2 )、及び(P3 )、並びに、ネガ型感光性組成物(N1 )、及び(N2 )等の感光性組成物の感光性材料としての使用形態は、使用目的に応じた種々の形態を採り得るが、本発明の感光性組成物は、該感光性組成物を適当な有機溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として支持体表面に塗布した後、乾燥させることにより有機溶剤を除去し、支持体表面に前記感光性組成物の層を形成した感光性画像形成材としての使用形態が好適である。
【0119】
ここで、その支持体としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂、或いは、飽和ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、弗素樹脂等の熱可塑性樹脂等の樹脂シート、紙、前記樹脂を塗布した紙、ガラス板、及び、アルミナ、シリカ、硫酸バリウム、炭酸カルシウム等の無機質板、並びに、ガラス織布基材エポキシ樹脂、ガラス不織布基材エポキシ樹脂、紙基材エポキシ樹脂、紙基材フェノール樹脂等に代表される複合材シート等の、厚み0.02〜10mm程度のものを絶縁性基板とし、その基板表面に導電層が形成されたものが好適に用いられ、その導電層の構成材料としては、例えば、銅、金、銀、クロム、亜鉛、錫、アルミニウム、鉛、ニッケル、酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウムドープ酸化錫(ITO)、半田等の金属が挙げられる。尚、前記絶縁性基板表面への導電層の形成方法としては、例えば、前記金属の箔を加熱、圧着ラミネートするか、前記金属をスパッタリング、蒸着、メッキする等の方法が採られ、その厚みは、通常、1〜100μm程度である。
【0120】
又、本発明における支持体としては、前記導電層の構成材料として挙げた金属の板、及び、前記導電層を表面に形成していない、前記絶縁性基板として挙げた樹脂シート、紙、前記樹脂を塗布した紙、ガラス板、無機質板、複合材シート等も用いることができる。更に、鉄或いはアルミニウム製シリンダー表面に銅等をメッキしたグラビア印刷用シリンダー等も挙げられる。
【0121】
又、その塗布液に用いられる有機溶剤としては、使用成分に対して十分な溶解度を持ち、良好な塗膜性を与えるものである必要があるが、更に、本発明においては、感光性組成物に含有される前記(B)成分の化合物の沸点より50℃以上低い沸点を有するものである必要があり、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系溶剤、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のプロピレングリコール系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ジエチルオキサレート、ピルビン酸エチル、エチル−2−ヒドロキシブチレート、エチルアセトアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル等のエステル系溶剤、ヘプタノール、ヘキサノール、ジアセトンアルコール、フルフリルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルアミルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の高極性溶剤、或いはこれらの混合溶剤、更にはこれらに芳香族炭化水素を添加したもの等の中から、適宜選択して用いられる。尚、その有機溶剤の使用割合は、感光性組成物の総量に対して、通常、重量比で1〜150倍程度の範囲である。
【0122】
又、その塗布方法としては、従来公知の方法、例えば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、スプレー塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布、スクリーン塗布、及びカーテン塗布等を用いることができる。その際の塗布量は、乾燥膜厚として、通常、0.3〜100μm、好ましくは0.5〜50μm、特に好ましくは1〜20μmの範囲とする。尚、その際の乾燥温度としては、例えば、10〜150℃程度、好ましくは40〜110℃程度、乾燥時間としては、例えば、5秒〜60分間程度、好ましくは10秒〜30分間程度が採られる。尚、乾燥手段としては、送風機による送風、及び、オーブン、ハロゲンランプ、遠赤外線等による加熱等が採られる。
【0123】
そして、本発明の感光性組成物の層を有する感光性画像形成材は、その感光性組成物層を露光光源により露光した後、現像処理することにより、支持体表面に画像を現出させる。
【0124】
その露光光源としては、カーボンアーク灯、水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、及び、HeNeレーザー、アルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、HeCdレーザー、半導体レーザー、ルビーレーザー等のレーザー光源が挙げられるが、特に、波長域350〜420nmの青紫領域のレーザー光を発生する光源、及び、波長域650〜1,300nmの近赤外領域のレーザー光を発生する光源が好ましく、具体的には、前者波長域においては410nmを発振する窒化インジウムガリウム半導体レーザー、後者波長域においては830nmを発振する半導体レーザー、1064nmを発振するYAGレーザー等が挙げられる。
【0125】
又、レーザー光による走査露光方法としては、例えば、平面走査露光方式、外面ドラム走査露光方式、内面ドラム走査露光方式等が挙げられ、レーザービームの出力光強度を、通常1〜1,000mW、好ましくは3〜700mW、更に好ましくは10〜500mWとし、ビームスポット径を、通常1〜30μm、好ましくは2〜20μmとし、走査速度を、通常0.5〜500m/秒、好ましくは10〜400m/秒として、画像形成面でのレーザー露光量が、通常1〜200mJ/cm2 、好ましくは5〜150mJ/cm2 となるようにして走査露光する。又、レーザー光露光時の画像形成面での光強度密度を9.5×103 W/cm2 以上とするのが好ましい。
【0126】
又、前記露光後の現像処理は、好ましくはアルカリ成分と界面活性剤とを含有する水性現像液を用いてなされる。そのアルカリ成分としては、例えば、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、珪酸リチウム、珪酸アンモニウム、メタ珪酸ナトリウム、メタ珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、第二燐酸ナトリウム、第三燐酸ナトリウム、第二燐酸アンモニウム、第三燐酸アンモニウム、硼酸ナトリウム、硼酸カリウム、硼酸アンモニウム等の無機アルカリ塩、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、モノブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン等の有機アミン化合物、或いは、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム等の水酸化テトラアルキルアンミニウム化合物等が挙げられ、その0.1〜5重量%程度の濃度で用いられる。
【0127】
又、界面活性剤としては、前記感光性組成物における成分として挙げたと同様の界面活性剤が挙げられ、中で、ノニオン性、アニオン性、又は両性界面活性剤が好ましく、特に両性界面活性剤、就中、ベタイン型化合物類が好ましい。尚、前記界面活性剤は、好ましくは0.0001〜20重量%、更に好ましくは0.0005〜10重量%、特に好ましくは0.001〜5重量%の濃度で用いられる。
【0128】
更に、現像液には、例えば、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、フェニルセロソルブ、プロピレングリコール、ジアセトンアルコール等の有機溶剤を必要に応じて含有させることができる。又、現像液のpHは、9〜14とするのが好ましく、11〜14とするのが更に好ましい。
【0129】
尚、現像処理は、従来公知の方法、例えば、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等により、好ましくは10〜50℃程度、特に好ましくは15〜45℃程度の温度で、通常5秒〜10分程度の時間でなされる。又、例えば、特開平11−10827号公報等に記載されるように、前述のアルカリ現像液、又は、それに添加される前述の界面活性剤或いは水溶性有機溶剤等、若しくはそれらの溶液等、を浸透剤として露光後の感光層に浸透させ、必要に応じて物理的刺激を加えることにより、露光部を支持体表面から剥離させ現像する、所謂浸透現像法、又は、特開平10−333321号公報等に記載されるように、感光層上に印刷インキを供給し、インキの粘着力を利用して被着体に該インキを露光部と共に転写させることにより、露光部を支持体表面から剥離させ現像する、所謂印刷現像法、等の方法を採ることもできる。現像後は、乾燥し、必要に応じて、形成された画像の支持体に対する密着性の向上等を目的として、100〜250℃程度の温度でポストベーク処理施すこともできる。
【0130】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例において用いた(A)成分のフェノール性水酸基を有する樹脂、(B)成分のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物、光吸収色素、光酸発生剤、溶解抑止剤、現像促進剤、界面活性剤、及び着色剤、並びに、塗布液作製のための有機溶剤を以下に示す。
【0131】
<(A)成分のフェノール性水酸基を有する樹脂>
(1)ポリビニルフェノール(MW 4,800、丸善石油化学社製「S2P」)
(2)スチレン/ヒドロキシスチレン(モル比70/30)共重合体(MW 3,000、丸善石油化学社製「CST70」)
(3)1−エトキシエチル基をフェノール性水酸基に対して35モル%導入したポリビニルフェノール(MW 12,000、東邦化学社製「H100A35EE」)
(4)フェノール/m−クレゾール/p−クレゾール(モル比50/30/20)の混合フェノール類とホルムアルデヒドとの共重縮合ノボラック樹脂(MW 9,400、住友デュレス社製「SK188」)
(5)フェノール/m−クレゾール/p−クレゾール(モル比5/57/38)の混合フェノール類とホルムアルデヒドとの共重縮合ノボラック樹脂(MW 3,800、住友デュレス社製「SK222」)
(6)1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸基をフェノール性水酸基に対して20モル%導入したピロガロールとアセトンとの重縮合ノボラック樹脂(MW 2,500)
(7)ヒドロキシフェニルメタクリルアミド/アクリロニトリル/メチルメタクリレート/エチルアクリレート(モル比30/30/36.5/3.5)の共重合体(MW 15,000)
【0132】
<(B)成分の沸点150℃以上の化合物
(1)ドテカノール(沸点255℃)
(2)デカノール(沸点228℃)
(3)ノナノール(沸点213℃)
(4)オクタノール(沸点195℃)
【0133】
<光吸収色素>
(1)下記構造のインドール系色素(a)(FEWケミカルズ社製「S−0451」)
(2)下記構造のインドール系色素(b)(FEWケミカルズ社製「S−0322」)
【0134】
【化12】
【0135】
<光酸発生剤>
(1)2−(4’−ヒドロキシ−3’−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(みどり化学社製「PV−50」)
<溶解抑止剤>
(1)クリスタルバイオレットラクトン
<現像促進剤>
(1)1,2−シクロヘキサンジカルボン酸
<界面活性剤>
(1)テトラオレイン酸ソルビットのポリエチレンオキサイド付加物(日光ケミカルズ社製「NIKKOL GO−430N」)
(2)ポリエチレングリコール♯2,000
<架橋剤>
(1)メトキシメチル化メラミン(三和ケミカル社製「ニカラックE−2151」)
<着色剤>
(1)ビクトリアピュアブルー(保土ヶ谷化学社製「BOH」)
【0136】
<有機溶剤>
(1)メチルエチルケトン(沸点80℃)
(2)プロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点120℃)
(3)メチルセロソルブ(沸点124℃)
(4)エチルセロソルブ(沸点135℃)
(5)プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(沸点146℃)
【0137】
実施例1
支持体として、厚さ0.2mmのガラス布基材エポキシ樹脂絶縁基板の表面に厚さ18μmの電解銅箔の導電層を有する銅張積層基板(三菱瓦斯化学社製「CCL−EL−170」)を用い、その基板銅箔上に、表1に示す感光性組成物の各成分を表1に示す有機溶剤に室温で攪拌して調液した塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、25℃、40%RHの環境下で30分風乾させることにより、膜厚2μmのポジ型感光性組成物(P1 )の層を有するポジ型感光性画像形成材を作製した。
【0138】
得られたポジ型感光性画像形成材を、波長830nmの半導体レーザーを光源とする露光装置(Creo社製「Trend Setter 3244T」)を用いて、感光性組成物層表面の露光量が280mJ/cm2 となる露光エネルギーで走査露光し、次いで、2重量%の水酸化カリウム水溶液の現像液に25℃で1分間浸漬することにより現像処理してポジ画像を現出させた。得られた画像について、以下に示す方法で画像強度を評価し、結果を表1に示した。
【0139】
<画像強度>
画像表面を鉄筆で軽く引っ掻き、画像の剥がれによる傷の発生有無を観察し、以下の基準で評価した。
○;傷の発生なし。
△;画像が僅かに剥がれ、微小の傷発生。
×;画像が剥がれ、傷発生。
【0140】
実施例2
表1に示す感光性組成物の各成分の表1に示す有機溶剤による塗布液を用い、25℃、40%RHの環境下で10分風乾させた後、80℃のオーブンで15分間加熱し乾燥させることにより、ポジ型感光性組成物(P1 )の層を有するポジ型感光性画像形成材を作製したこと、及び、現像液を三菱化学メディア社製現像液「DR−6」の2倍希釈液としたこと、の外は実施例1と同様とした。
【0141】
実施例3
表1に示す感光性組成物の各成分の表1に示す有機溶剤による塗布液を用い、90℃のオーブンで2分間加熱、乾燥させることにより、ポジ型感光性組成物(P1 )の層を有するポジ型感光性画像形成材を作製したことの外は、実施例1と同様とした。
【0142】
実施例4
表1に示す感光性組成物の各成分の表1に示す有機溶剤による塗布液を用いることにより、ポジ型感光性組成物(P2 )の層を有するポジ型感光性画像形成材を作製したことの外は、実施例3と同様とした。
【0143】
実施例5
アルミニウム板(厚さ0.24mm、材質1050、調質H16)を5重量%水酸化ナトリウム水溶液中で60℃で1分間脱脂した後、20℃の20重量%硫酸水溶液で、電流密度3A/dm2 で、1分間陽極酸化処理し、更に、90℃の熱水で20秒間、封孔処理を行って得られた支持体上に、表1に示す感光性組成物の各成分を表1に示す有機溶剤に室温で攪拌して調液した塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、85℃のオーブンで4分間加熱し乾燥させることにより、膜厚2μmのポジ型感光性組成物(P3 )の層を有するポジ型感光性画像形成材を作製した。
【0144】
得られたポジ型感光性画像形成材を、画像フィルムを介して4kWメタルハライドランプ(大日本スクリーン社製)を用いて、400mJ/cm2 で密着露光した後、三菱化学メディア社製現像液「DR−6」の6倍希釈液に27℃で20秒間浸漬することにより現像処理してポジ画像を現出させた。得られた画像について、前記と同様の方法で画像強度を評価し、結果を表1に示した。
【0145】
実施例6
支持体としてのガラス板(厚さ2mm)上に、表1に示す感光性組成物の各成分を表1に示す有機溶剤に室温で攪拌して調液した塗布液をスピンコートし、90℃のオーブンで10分間加熱し乾燥させることにより、膜厚5μmのネガ型感光性組成物(N1 )の層を有するネガ型感光性画像形成材を作製した。
【0146】
得られたネガ型感光性画像形成材を、中心波長405nm、レーザー出力5mWのレーザー光源(日亜化学工業社製「NLHV500C」)を用いて、像面照度2μW、ビームスポット径2.5μm、走査速度10cm/秒で走査方向と直角方向に1μmずつずらしながら10回重ねて走査露光し、次いで、オーブン中で100℃で10分間の後加熱処理を施した後、1重量%の水酸化カリウム水溶液の現像液に20℃で1分間浸漬することにより現像処理してネガ画像を現出させた。得られた画像について、前記と同様の方法で画像強度を評価し、結果を表1に示した。
【0147】
比較例1〜6
実施例1〜6の各感光性組成物における(B)成分の化合物を用いなかった外は、それぞれ実施例1〜6と同様とした。
【0148】
【表1】
【0149】
【表2】
【0150】
【発明の効果】
本発明によれば、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有する感光性組成物において、現像性を確保しつつ、画像部に充分な強度を付与することができる感光性組成物、及びそれを用いた画像形成方法を提供することができる。
Claims (5)
- 下記の(A)成分、及び(B)成分を含有することを特徴とする感光性組成物。
(A)フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂
(B)アルキルアルコール類、アルキルエーテル類、及びアルキルメルカプタン類からなる群より選択されたいずれかであって、沸点が150℃以上のアルキルオキシ(又はチオ)基含有化合物;感光性組成物の全量に対して0.1〜30重量% - (B)成分が直鎖アルキルアルコール類である請求項1に記載の感光性組成物。
- (A)成分がポリビニルフェノール樹脂又はノボラック樹脂である請求項1又は2に記載の感光性組成物。
- 更に、光吸収色素を含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の感光性組成物。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の感光性組成物を、(B)成分の沸点より50℃以上低い沸点の有機溶剤に溶解或いは分散させた塗布液として支持体表面に塗布し、乾燥させて前記有機溶剤を除去して前記感光性組成物の層を形成し、次いで、該感光性組成物層を画像露光し、現像処理して、支持体上に画像を現出させることを特徴とする画像形成方法。
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JP2007056109A (ja) * | 2005-08-23 | 2007-03-08 | Jsr Corp | 感光性絶縁樹脂組成物およびその硬化物 |
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JP2014186124A (ja) * | 2013-03-22 | 2014-10-02 | Asahi Kasei E-Materials Corp | 感光性樹脂組成物、硬化レリーフパターンの製造方法、半導体装置及び、表示体装置 |
JP2018060205A (ja) * | 2017-11-06 | 2018-04-12 | 旭化成株式会社 | 感光性樹脂組成物、硬化レリーフパターンの製造方法、半導体装置及び表示体装置 |
-
2002
- 2002-09-12 JP JP2002266294A patent/JP2004102091A/ja active Pending
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