JP2004271911A - 現像装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロセス線速が速くトナー量を多くした場合でも、トナーの消費が少ない作像が長く続いたときに地汚れが悪化するのを防ぐことができる現像装置を提供する。
【解決手段】現像ローラ21と、現像ローラ21に接触して現像ローラ21上のトナー層を一定の薄層とするドクタローラ22とを有する現像装置において、作像時に現像ローラ21が正回転するときはドクタローラ22を停止し、非画像形成時に現像ローラ21が逆回転するときはドクタローラ22を駆動させ、さらにその直後に現像ローラ21を正回転させて所定量のトナーを感光体上に現像する強制トナー消費を実行する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、現像ローラと、現像ローラに接触して現像ローラ上のトナー層を一定の薄層とするドクタローラとを有する現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
1成分現像装置において、現像ローラ上のトナー層の層厚を規制するトナー層規制部材としては規制ブレードがよく用いられている。規制ブレードとしては、現像ローラが金属或いは樹脂のようなハードローラではウレタンゴムのような弾性を持つものが用いられ、現像ローラとして基材がゴムのような弾性を持つもののときは金属ブレードも用いられる。規制部材としてブレードを用いる現像装置は、比較的速くない線速のときは安いコストで所望の性能が満足できる。
しかし近年の画像形成装置に対する高速化の要求に伴ない、1成分現像装置でも線速アップの要求が強まり、また現像装置の長寿命化の要求も強まっている。ブレードを用いた1成分現像装置で、線速アップや長寿命化しようとしたときに、以下のような問題がある。
1成分現像では、トナー層規制部材と現像ローラとのニップ部でトナーが帯電されるが、特に弾性を持つ規制ブレードではブレードとの摩擦帯電による効果が大きい。しかしブレードの材質によっては、経時で表面が削れていくと帯電性が劣化していくものがあり、トナーの帯電電荷が減少して地汚れが発生したり、細かなドットが現像されにくくなる。また現像ニップ部で滞留したトナーが、回転する現像ローラとブレードとの間で発生する摩擦熱で溶融してトナーの凝集物となってニップ部に挟まってしまい、その部分が現像スリーブ上でスジとなり画像上でも白スジになるという問題が発生する。
このような問題に対し、特許文献1記載の技術では、トナー層規制部材をローラ状として、ローラ状トナー層規制部材は現像時に停止し、非現像時に所定のタイミングで回転させる装置を提案している。これにより、経時でのニップ部のトナー凝集及び地汚れを低減している。
【特許文献1】特開平11−84867号公報
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、トナーの消費が少ない作像がかなり連続的に続くときに、次のような問題が生じる。トナーの消費が少ないときには、消費されていないトナーが現像ユニット内を循環する時間が長くなる。そして、ホッパ内での循環や現像ローラとドクタローラのニップ部を通過する回数が多くなり、トナーにストレスが加わる時間や回数が増えて、トナーの添加剤の埋没や遊離が発生する。
それにより初期と比較して十分な帯電性が得られなくなったり、またトナーの非静電的な付着力が増加して現像ローラとドクタローラのニップ部を通過するトナーが増え、その結果経時で地汚れが悪化する。この傾向は、プロセス線速が速くなると顕著になり、また長寿命化するためにトナーカートリッジに入れるトナー量を多くすると、トナーが全部消費されるまでに現像器内を循環する時間が長くなり、顕著に現れる。
本発明は、プロセス線速が速くトナー量を多くした場合でも、トナーの消費が少ない作像が長く続いたときに地汚れが悪化するのを防ぐことができる現像装置を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、現像ローラと、現像ローラに接触して現像ローラ上のトナー層を一定の薄層とするドクタローラとを有する現像装置において、作像時に現像ローラが正回転するときはドクタローラを停止し、非画像形成時に現像ローラが逆回転するときはドクタローラを駆動させ、さらにその直後に現像ローラを正回転させて所定量のトナーを感光体上に現像する強制トナー消費を実行する現像装置を最も主要な特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の現像装置において、強制トナー消費を行なってから次の強制トナー消費までに出力した画素をカウントして平均の画像面積率を算出し、その画像面積率が所定値未満のとき、所定値との差の画素分を強制トナー消費させる現像装置を主要な特徴とする。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1は一般的な現像装置の構成図である。現像装置20は、感光体(ベルト状)10にトナーを供給して感光体上の静電潜像を現像する現像ローラ21、現像ローラ21のトナー付着量を規制しかつトナーを本帯電させるローラ状トナー層規制部材(ドクタローラ)22、トナー層規制部材22の表面のトナーを掻き落とす掻き落とし部材23、現像ローラ21にトナーを予備帯電させながら供給するトナー供給ローラ24、現像ローラ21の上方からのトナーの吹き出しを防ぐための入口シール25、トナーを現像ユニット外部に漏れ出ないように収納するトナーホッパ26、トナーホッパ26からトナー供給ローラ24へトナーを搬送するトナー搬送部材27を備えている。図1ではベルト状感光体は図の矢印方向に移動するように回転している。
現像ローラ21は図1の矢印の方向(時計回り方向)、すなわち感光体10の進行方向と同方向に線速比1.1〜2.0倍速で回転している。トナー搬送部材27は回転によってトナーをトナー供給ローラ24に送り出す。トナー供給ローラ24は、金属芯金とポリウレタン、シリコン、EPDM、ポリカーボネートなどの発泡材から構成されている。トナー供給ローラ24は現像ローラ21に所定のニップをもって接触し、相対線速差を持つようにCWもしくはCCWに回転し、トナー供給ローラ24上のトナーを、該ニップ内で現像ローラ表面に擦りつけることでトナーを予備帯電させながら供給する。
ドクタローラ22は現像ローラ21に対して所定の荷重で当接していて、そのニップにトナー供給ローラ24より供給されてきたトナーを通過させることで、トナー通過量を一定に整え現像ローラ表面のスラスト方向位置によらず均一なトナー層を形成する。また、通過したトナーはドクタローラ22と現像ローラ21の双方の表面と摩擦帯電されるので、感光体10への現像に供されるトナーは安定した帯電量を持つことができる。
しかしドクタローラ22が停止したままでは、経時でドクタローラ22の同じニップ面のみ摩耗していくので帯電性が低下しやすい。また現像ニップ部で滞留したトナーが、回転する現像ローラ21とブレードとの間で凝集してニップ部に挟まってしまい、その部分が現像スリーブ上でスジとなり画像上でも白スジになるというような問題が発生する。本発明では、以下に説明する機構でドクタローラ22を非作像時に所定の角度だけ回転させる。
【0006】
図2は本発明の実施の形態に係る現像装置の構成図である。現像装置20が感光体10に対して離れている状態のときに、図1に示した作像時の回転方向(時計回り方向)とは逆に図2に示した方向(反時計回り方向)に現像ローラ21を回転させ、現像ローラ1にスプリングにて押圧されているドクタローラ22を、図2の矢印方向(時計回り方向)に現像ローラ21と連れ回りさせることにより、ドクタローラ22を回転駆動させる。
ドクタローラ22の端部には、図2に示すようにワンウェイクラッチ28とそれが圧入されたハウジング29が配置され、ハウジング29にはストッパ30が係止している。現像ローラ21が作像時に正回転(時計回り方向)した場合にはワンウェイクラッチ28がロックし、ドクタローラ22が現像ローラ21に連れ回りしないようにする。
このようにして非作像時に簡単な機構でドクタローラ22を所定の角度だけ回転させることができるが、このように現像ローラ21を逆回転(反時計回り方向)させると、本来なら図1の矢印の向きで回転するときに問題にならないような条件で当接している入口シール25に対して、ローラ面が逆方向で通過する。それにより通過した部分は非常に薄層が乱れた状態となり、その後正回転で一回ドクタローラ22とのニップを通過しただけではトナー層の帯電性が安定せず、画像上の問題が生じる。そのため逆回転した後、作像前に正回転が必要となる。
現像ローラ21を逆回転の後、正回転させる場合、連続出力でのプリント速度を遅くしないためには、ドクタローラ22を回転させるのはある程度の出力枚数ごとに行なうのが良い。例えばユーザが出力した最後のページの後とか、非常に多い枚数を一度に出力するのであれば、途中の数十枚に一回位で回転させれば、プリント速度を遅くすることなく画像の白スジ発生を抑えることができる。
【0007】
このような構成の現像装置20を用いた画像形成装置で、同じ画像を出力して経時での地汚れをランク評価した結果を図3に示す。ランク5は非常に良いレベル、ランク4は良いレベル、ランク3以下は許容できないレベルである。図からわかるように、画像面積率が2%の画像では経時でも地汚れが良いレベルを保っているが、0.5%の画像では許容できないレベルまで悪化してしまう。これは、次のような理由による。
トナーの消費が少ないときには、消費されていないトナーが現像装置20内を循環する時間が長くなる。そして、トナーホッパ26内での循環や現像ローラ21とドクタローラ22のニップ部を通過する回数が多くなり、トナーにストレスが加わる時間や回数が増えて、トナーの添加剤の埋没や遊離が発生する。それにより初期と比較して十分な帯電性が得られなくなったり、またトナーの非静電的な付着力が増加して現像ローラ21とドクタローラ22のニップ部を通過するトナーが増え、その結果経時で地汚れが悪化する。
第1の発明ではこの問題を解決するため、低面積の画像がかなり連続的に続くときに、ドクタローラ22を回転させた後の正回転時に所定量のトナーを感光体10上に現像する。(以後この動作を強制トナー消費と呼ぶ)これにより例えば0.5%画像を連続的に出力するときに、強制トナー消費と画像での消費の合計を、画像面積率が2%のときと同等になるように設定すると、0.5%画像の出力でも経時で図3の2%のときと同じように地汚れを良好なレベルに抑えることができる。
感光体10上に現像するためには、そのタイミングで帯電と露光を行ない、現像されたトナーはクリーニング装置で全て回収する。強制消費を行なうと現像でのトナー消費の合計及び廃トナーが増える可能性があるが、図3の0.5%画像のときのように地汚れが悪化すると、作像時の非画像部の地汚れによるトナー消費が増加し、廃トナーも増加する。強制消費により地汚れを少なくするので、強制消費を行なってもそれほど現像でのトナー消費の合計及び廃トナーが増えることは無い。
また、ドクタローラ22を回転させた後の正回転時と異なるときにトナーを消費させることもできるが、非作像時に行わなければいけないので、非作像時の時間を長くしなければならず、結果的にプリント速度が遅くなることになる。プリント速度を変えずに非作像時の時間を長くするには、プロセス線速を速くする必要があり、プロセス線速を速くすると耐久性が課題となる。上記のように、ドクタローラ22の回転の後に現像ローラ21の正回転をするのは必ず必要なので、その正回転時に強制トナー消費を行なうと、プリント速度を遅くすることなくトナー消費を行なうことができる。
【0008】
次に第2の発明を説明する。図3のように常に同じ面積率の画像出力するのであれば強制消費のトナー量は一定で良いが、実際の使用では様々な画像が出力される。そのときに、ユーザが画像面積の非常に低い画像を出力したときにだけトナーを強制消費させるようにしないと、強制消費する必要が無いのにトナーを無駄に使うことになる。
そのため本発明では、以下のような方法でユーザが画像面積の非常に低い画像を連続的に出力したときにのみトナーを強制消費させるようにする。請求項1の発明の説明で述べたように、ドクタローラ22を回転させるのはある程度の出力枚数ごとに行なうのが良い。
本発明では、ドクタローラ22を回転させた後の正回転で強制トナー消費を行なうときに、その前の強制トナー消費を行なってから出力した画素をカウントして、その間の平均画像面積率を算出し、その画像面積率が所定値未満のとき、所定値との差の画素分を強制トナー消費させる。
例えば所定値を2%とすると、算出された画像面積率が2%以上であれば強制トナー消費はしない。算出された平均画像面積率が0.5%だったとすると、その前の強制トナー消費を行なってから出力した枚数の1.5%分の画素に対応するトナーを消費する。このようにして、ユーザが画像面積の非常に低い画像を連続的に出力したときにのみトナーを強制消費させる。
上記の如き構成を備えた一成分現像装置は、複写機、プリンタ、ファクシミリ装置等の電子写真式の画像形成装置の作像部(感光体、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置)に適用することができる。
【0009】
【発明の効果】
請求項1記載の発明においては、現像ローラの正回転時に所定量のトナーを感光体上に現像しているので、プリント速度を遅くすることなく、トナーの消費が少ない作像が長く続いたときに地汚れを低減することができる。
請求項2記載の発明においては、強制トナー消費を行なってから次の強制トナー消費までに出力した画素をカウントして平均の画像面積率を算出し、その画像面積率が所定値未満のとき、所定値との差の画素分を強制トナー消費させるので、ユーザの使用状態に合わせて必要以上にトナーを消費することなく、上記の効果を得ることができる。
請求項3記載の発明においては、上記の如き作用効果を奏する画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な現像装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る現像装置の構成図である。
【図3】同じ画像を出力して経時での地汚れをランク評価した結果を示す図である。
【符号の説明】
20 現像装置
21 現像ローラ
22 ドクタローラ

Claims (3)

  1. 現像ローラと、現像ローラに接触して現像ローラ上のトナー層を一定の薄層とするドクタローラとを有する現像装置において、作像時に現像ローラが正回転するときはドクタローラの回転を停止し、非画像形成時に現像ローラが逆回転するときはドクタローラを駆動させ、さらにその直後に現像ローラを正回転させて所定量のトナーを感光体上に供給する強制トナー消費を実行することを特徴とする現像装置。
  2. 請求項1記載の現像装置において、強制トナー消費を行なってから次の強制トナー消費までに出力した画素をカウントして平均の画像面積率を算出し、その画像面積率が所定値未満のとき、所定値との差の画素分を強制トナー消費させることを特徴とする現像装置。
  3. 請求項1又は2に記載の現像装置を備えた作像部を有していることを特徴とする画像形成装置。
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