JP2004271590A - 液晶表示素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】カラーフィルタを備えないアクティブマトリックス型液晶表示素子の画素の液晶層厚を充分に小さくし、応答速度を速くする。
【解決手段】後基板2の内面に設けられた複数のTFT5によりスペーサ部を形成し、そのスペーサ部を、前基板3の内面に形成された樹脂遮光膜17と液晶層厚調整膜18と対向電極16との積層膜からなるスペーサ当接部に当接させて一対の基板2,3を対向配置することにより複数の画素の液晶層厚dを規定した。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、薄膜トランジスタ(以下、TFTと記す)をアクティブ素子とするアクティブマトリックス型の液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
TFTをアクティブ素子とするアクティブマトリックス型の液晶表示素子は、液晶層を挟んで対向する一対の基板の互いに向き合う内面のうち、一方の基板の内面に、行方向及び列方向にマトリックス状に配列する複数の画素電極と、前記複数の画素電極にそれぞれ接続された複数のTFTと、これらのTFTにゲート信号及びデータ信号を供給する複数のゲート配線及びデータ配線を設け、他方の基板の内面に、前記複数の画素電極に対応する部分を除いて形成された遮光膜と、前記遮光膜を覆って形成され前記複数の画素電極とそれぞれ対向する領域により複数の画素を形成する対向電極を設けた構成となっている。
【0003】
この種の液晶表示素子には、一方の基板の内面に設けられた複数のデータ配線の表面を陽極酸化させてそのTFT上の部分に前記TFTよりも表面高さが高いスペーサを形成し、これらのスペーサを他方の基板の内面に当接させて画素の液晶層厚を規定したもの(特許文献1参照)と、前記一方の基板の内面に設けられた複数のTFTの上にそれぞれ柱状スペーサを設け、これらのスペーサを他方の基板の内面に当接させて画素の液晶層厚を規定したもの(特許文献2参照)とがある。
【0004】
【特許文献1】
特開平7―270826号公報
【0005】
【特許文献2】
特開平8―234212号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、液晶表示素子の画素の液晶層厚は、従来、4〜5μmに設定されていたが、フィールドシーケンシャル液晶表示装置に用いる液晶表示素子は、画素の液晶層厚を例えば1〜2μm程度に小さくして応答速度を速くすることが望まれている。
【0007】
前記フィールドシーケンシャル液晶表示装置には、カラーフィルタを備えないアクティブマトリックス型液晶表示素子が利用されている。
【0008】
また、前記液晶表示素子には、他方の基板の内面に複数の画素電極に対応する部分を除いて設ける遮光膜を、酸化クロム膜とクロム膜との積層膜からなる金属遮光膜としたものと、前記遮光膜を樹脂膜からなる樹脂遮光膜としたものとがある。
【0009】
前記樹脂遮光膜は、基板上に黒色の顔料を添加した感光性樹脂を塗布し、その樹脂膜を露光及び現像処理によりパターニングする方法で簡単に形成することができるため、液晶表示素子の製造コストを低減する上で有利である。
【0010】
しかし、前記樹脂遮光膜は、前記金属遮光膜に比べて遮光性が低いため、充分な遮光機能をもたせるには、この樹脂遮光膜を、前記金属遮光膜よりも充分に厚い1μm程度の膜厚に形成する必要がある。
【0011】
そのため、従来のカラーフィルタを備えず、しかも遮光膜を樹脂遮光膜としたアクティブマトリックス型液晶表示素子は、前記他方の基板の前記樹脂遮光膜が設けられた部分の内面高さ(樹脂遮光膜を覆って形成された対向電極の高さ)が、前記樹脂遮光膜の無い画素部の内面高さよりも1μm程度高い。
【0012】
そして、上述したように一方の基板の内面に設けられたデータ配線の表面を陽極酸化させてそのTFT上の部分に前記TFTよりも高いスペーサを形成するか、あるいは一方の基板の内面に設けられたTFTの上に柱状スペーサを設けた従来の液晶表示素子は、前記スペーサの土台であるTFTの厚さが1μm以上であり、したがって画素電極の電極面から前記TFT上に形成されたスペーサの頂面までの高さが1μmを大きく越えるため、前記スペーサを他方の基板の内面の前記樹脂遮光膜が設けられた部分に当接させて規定される画素の液晶層厚が数μm以上になる。
【0013】
そのため、従来のカラーフィルタを備えず、しかも遮光膜を樹脂遮光膜としたアクティブマトリックス型液晶表示素子は、画素の液晶層厚を充分に小さくして応答速度を速くすることが難しい。
【0014】
この発明は、カラーフィルタを備えず、しかも遮光膜を樹脂遮光膜としたアクティブマトリックス型のものでありながら、画素の液晶層厚を充分に小さくして応答速度を速くすることができる液晶表示素子を提供することを目的としたものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この発明の液晶表示素子は、液晶層を挟んで対向する一対の基板の互いに向き合う内面のうち、一方の基板の内面に、行方向及び列方向にマトリックス状に配列する複数の画素電極と、前記複数の画素電極にそれぞれ接続された複数のTFTと、これらのTFTにゲート信号及びデータ信号を供給する複数のゲート配線及びデータ配線が設けられ、前記複数のTFTあるいは前記複数のゲート配線とデータ配線のいずれかによりスペーサ部が形成されるとともに、他方の基板の内面に、前記複数の画素電極に対応する部分を除いて形成された樹脂遮光膜と、前記樹脂遮光膜の形成面上に少なくとも前記複数の画素電極と前記スペーサ部とに対応させて形成された液晶層厚調整膜と、前記樹脂遮光膜及び液晶層厚調整膜を覆って形成され前記複数の画素電極とそれぞれ対向する領域により複数の画素を形成する対向電極が設けられ、少なくとも前記樹脂遮光膜と液晶層厚調整膜と対向電極との積層膜とにより、前記スペーサ部に対応するスペーサ当接部が形成され、前記スペーサ部に前記スペーサ当接部を当接させて前記一対の基板が対向配置されていることを特徴とする。
【0016】
この液晶表示素子によれば、カラーフィルタを備えず、しかも遮光膜を樹脂遮光膜としたアクティブマトリックス型のものでありながら、画素の液晶層厚を充分に小さくして応答速度を速くすることができる。
【0017】
このように、この発明の液晶表示素子は、一方の基板の内面に設けられた複数のTFTあるいは複数のゲート配線とデータ配線のいずれかによりスペーサ部を形成し、他方の基板の内面に、前記一方の基板の内面に設けられた複数の画素電極に対応する部分を除いて形成された樹脂遮光膜と、前記樹脂遮光膜の形成面上に少なくとも前記複数の画素電極と前記スペーサ部とに対応させて形成された液晶層厚調整膜と、前記樹脂遮光膜及び液晶層厚調整膜を覆って形成された対向電極を設け、少なくとも前記樹脂遮光膜と液晶層厚調整膜と対向電極との積層膜とにより、前記スペーサ部に対応するスペーサ当接部を形成し、前記スペーサ部に前記スペーサ当接部を当接させて一対の基板を対向配置することにより、カラーフィルタを備えず、しかも遮光膜を樹脂遮光膜としたアクティブマトリックス型のものでありながら、画素の液晶層厚を充分に小さくして応答速度を速くすることができるようにしたものである。
【0018】
この発明の液晶表示素子において、前記スペーサ当接部は、前記樹脂遮光膜と液晶層厚調整膜と対向電極との積層膜の高さを調整するための絶縁膜をさらに有しているのが望ましい。
【0019】
さらに、この液晶表示素子は、前記複数のゲート配線とデータ配線のいずれか一方の配線の予め定めた部分によりスペーサ部を形成し、液晶層厚調整膜を、前記複数の画素電極と前記スペーサ部とに対応させて形成した構成とするのが好ましい。
【0020】
また、この発明の他の液晶表示素子は、液晶層を挟んで対向する一対の基板の互いに向き合う内面のうち、一方の基板の内面に、行方向及び列方向にマトリックス状に配列する複数の画素電極と、前記複数の画素電極にそれぞれ接続された複数のTFTと、これらのTFTにゲート信号及びデータ信号を供給する複数のゲート配線及びデータ配線が設けられ、他方の基板の内面に、前記複数の画素電極に対応する部分を除いて形成された樹脂遮光膜と、前記複数の画素電極にそれぞれ対応させて形成された液晶層厚調整膜と、前記樹脂遮光膜及び液晶層厚調整膜を覆って形成され前記複数の画素電極とそれぞれ対向する領域により複数の画素を形成する対向電極が設けられ、且つ、前記一方の基板の内面に、前記複数の画素電極とTFTとゲート配線及びデータ配線を避けて、前記一方の基板の基板面を露出させた複数のスペーサ配置部が形成されるとともに、前記一方の基板の基板面上と前記樹脂遮光膜上との一方に前記複数のスペーサ配置部にそれぞれ対応させて設けられた複数の柱状スペーサとを備え、前記複数の柱状スペーサを前記一方の基板の基板面と前記樹脂遮光膜の他方に当接させて前記一対の基板が対向配置されていることを特徴とする。
【0021】
この液晶表示素子によれば、カラーフィルタを備えず、しかも遮光膜を樹脂遮光膜としたアクティブマトリックス型のものでありながら、画素の液晶層厚を充分に小さくして応答速度を速くすることができる。
【0022】
このように、この発明の液晶表示素子は、一方の基板の内面に、この一方の基板の内面に設けられた複数の画素電極とTFTとゲート配線及びデータ配線を避けて、前記一方の基板の基板面を露出させた複数のスペーサ配置部を形成するとともに、他方の基板の内面に、前記複数の画素電極にそれぞれ対応させて液晶層厚調整膜を設け、前記一方の基板の基板面上と前記他方の基板の内面に前記複数の画素電極に対応する部分を除いて形成された前記樹脂遮光膜上との一方に前記複数のスペーサ配置部にそれぞれ対応させて設けた柱状スペーサを、前記一方の基板の基板面と前記樹脂遮光膜の他方に当接させて一対の基板を対向配置することにより、カラーフィルタを備えず、しかも遮光膜を樹脂遮光膜としたアクティブマトリックス型のものでありながら、画素の液晶層厚を充分に小さくして応答速度を速くすることができるようにしたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
図1及び図2はこの発明の第1の実施例を示しており、図1は液晶表示素子の一部分の平面図、図2は図1のII―II線に沿う拡大断面図である。
【0024】
この液晶表示素子は、フィールドシーケンシャル液晶表示装置に用いられるものであり、カラーフィルタは備えていない。
【0025】
この液晶表示素子は、TFTをアクティブ素子とするアクティブマトリックス型液晶表示素子であり、基本的には、図示しない枠状のシール材を介して接合され、前記シール材により囲まれた領域に設けられた液晶層1を挟んで対向する一対の透明基板2,3の互いに向き合う内面のうち、一方の基板、例えば表示の観察側とは反対側である後側の基板(以下、後基板と言う)2の内面の前記シール材により囲まれた領域に、行方向及び列方向にマトリックス状に配列する複数の透明な画素電極4と、前記複数の画素電極4にそれぞれ接続された複数のTFT5と、これらのTFT5にゲート信号及びデータ信号を供給する複数のゲート配線13及びデータ配線14が設けられ、他方の基板、つまり表示の観察側である前側の基板(以下、前基板と言う)3の内面に、前記複数の画素電極4とそれぞれ対向する領域により複数の画素を形成する一枚膜状の透明な対向電極16が設けられた構成となっている。
【0026】
前記後基板2の内面に設けられた複数のTFT5は、図2に示したように、後基板2の基板面に形成されたゲート電極6と、このゲート電極6を覆って基板面の略全域に形成された透明なゲート絶縁膜7と、前記ゲート絶縁膜7の上に前記ゲート電極6と対向させて形成されたi型半導体膜8と、このi型半導体膜8のチャンネル領域の上に形成されたブロッキング絶縁膜9と、前記i型半導体膜8の両側部の上に図示しないn型半導体膜を介して形成されたソース電極10及びドレイン電極11と、前記i型半導体膜8及びソース,ドレイン電極10,11を覆うオーバーコート絶縁膜12とにより構成されている。
【0027】
そして、前記複数の画素電極4は前記ゲート絶縁膜7の上に形成されており、これらの画素電極4は、その一端側の縁部において、対応するTFT5のソース電極10にそれぞれ接続されている。
【0028】
また、前記複数のゲート配線13は、後基板2の基板面に、各画素電極行の一側にそれぞれ沿わせて形成されており、前記TFT5のゲート電極6は、前記ゲート配線13に一体に形成されている。
【0029】
なお、この実施例では、前記ゲート配線13の各画素電極4に対応する部分をTFT5のゲート電極6とするとともに、前記i型半導体膜8とn型半導体膜およびソース,ドレイン電極10,11をゲート配線13の長さ方向に沿わせて横長に形成することにより、チャンネル幅の大きいTFT5を形成している。
【0030】
一方、前記複数のデータ配線14は、前記ゲート絶縁膜7の上に、各画素電極列の一側にそれぞれ沿わせて形成されており、各列のTFT5のドレイン電極11にそれぞれつながっている。このデータ配線14は、前記TFT5のソース,ドレイン電極10,11と同じ金属膜により、前記ドレイン電極11と一体に形成されている。
【0031】
前記TFT5のゲート電極6とゲート配線13は、アルミニウム系合金膜により形成されており、その表面は、前記ゲート配線13の端子部(図示せず)を除いて陽極酸化処理されている。
【0032】
なお、この実施例では、図1に示したように、同じゲート配線13上の各TFT5のi型半導体膜8とブロッキング絶縁膜9を、前記ゲート配線13の表示エリア(複数の画素がマトリックス状に配列している領域)内に対応する部分の略全長にわたって連続する帯状に形成し、前記ゲート配線13とデータ配線14との交差部を、前記ゲート配線13の表面の陽極酸化膜と、ゲート絶縁膜7と、前記i型半導体膜8及びブロッキング絶縁膜9とにより絶縁している。
【0033】
また、図では省略しているが、前記後基板2の内面には、その基板面に、前記ゲート絶縁膜7を介して各行の画素電極4の縁部にそれぞれ対向し、画素電極4との間に補償容量を形成する複数の補償容量電極が設けられている。
【0034】
そして、前記TFT5のオーバーコート絶縁膜12は、複数の画素電極4にそれぞれ対応する部分を除いて後基板2の略全域に形成されており、前記ゲート配線13の形成部と、前記データ配線14と、画素電極4のTFT接続部及び補償容量形成部は、前記オーバーコート絶縁膜12により覆われている。
【0035】
また、前記後基板2の行方向の一端と列方向の一側にはそれぞれ前基板3の外方に張出す端子配列部(図示せず)が形成されており、前記複数のゲート配線13の一端は行方向の端子配列部に導出され、複数のデータ配線14の一端は列方向の端子配列部に導出され、それぞれの導出端に、図示しない駆動回路に接続される端子部が形成されている。
【0036】
なお、前記複数のゲート配線13の端子部は、前記ゲート絶縁膜7とオーバーコート絶縁膜12との積層膜に開口を設けることにより露出され、また、前記複数のデータ配線14の端子部は、前記オーバーコート絶縁膜12に開口を設けることにより露出されている。
【0037】
さらに、この後基板2の内面には、前記枠状のシール材によるシール部よりも内側の領域の略全域に、前記複数の画素電極4及びオーバーコート絶縁膜12を覆って配向膜15が設けられている。
【0038】
一方、前記前基板3の内面には、前記シール材により囲まれた領域内に、前記複数の画素電極4に対応する部分を除いて形成された樹脂遮光膜17と、前記領域の略全体にわたって形成された透明な液晶層厚調整膜18が設けられており、この樹脂遮光膜17及び液晶層厚調整膜18を覆って前記対向電極16が形成されている。
【0039】
前記樹脂遮光膜17は、前基板3の基板面上に黒色の顔料を添加した感光性樹脂を塗布し、その樹脂膜をパターニングして形成されたものであり、その膜厚は、充分な遮光機能をもたせるために、例えば1μmとされている。
【0040】
また、前記液晶層厚調整膜18は、前記前基板3の樹脂遮光膜17を形成した面上にアクリル系樹脂等の透明度の高い感光性樹脂を前記樹脂遮光膜17の膜厚よりも充分に厚く塗布し、その樹脂膜を前記シール材により囲まれた領域内に対応する形状にパターニングして形成されたものであり、この実施例では、この液晶層厚調整膜18を、前記樹脂遮光膜17上の部分の膜厚が3.1μm、他の部分の膜厚が3.5〜3.8μmになるように形成している。
【0041】
すなわち、前記液晶層厚調整膜18は、基板上に塗布された感光性樹脂の自然流動(樹脂遮光膜17上の高い部分からその周囲の低い部分への流動)によりある程度平坦化した膜である。
【0042】
そのため、この液晶層厚調整膜18の樹脂遮光膜17上を除く部分の膜面は前記樹脂遮光膜17上の部分の膜面よりも低いが、前記樹脂遮光膜17上の部分と他の部分との膜面高さの差は0.3〜0.6μmであり、前記樹脂遮光膜17の膜厚(1μm)に比べて充分に小さい。
【0043】
そして、前記対向電極16は、前記樹脂遮光膜17及び液晶層厚調整膜18を覆って、外周縁が前記シール部の外周よりも僅かに内側に位置する外形に形成されている。
【0044】
また、前記対向電極16の上には、前記後基板2の内面に設けられた複数のTFT5にそれぞれ対応させて、前記樹脂遮光膜17と液晶層厚調整膜18と対向電極16との積層膜の高さを調整するための絶縁膜(以下、高さ調整膜と言う)19が設けられており、前記樹脂遮光膜17と液晶層厚調整膜18と対向電極16及び高さ調整膜19により、前記複数のTFT5にそれぞれ対応する複数のスペーサ当接部が形成されている。
【0045】
さらに、この前基板3の内面には、前記シール部よりも内側の領域の略全域に、前記対向電極16と高さ調整膜19を覆って配向膜20が設けられている。
【0046】
そして、前記後基板2と前基板3は、後基板2の内面に設けられた複数のTFT5の頂部を、前基板3の内面に設けられた樹脂遮光膜17と液晶層厚調整膜18と対向電極16と高さ調整膜19との積層膜からなる複数のスペーサ当接部に前記配向膜15,20を介してそれぞれ当接させて対向配置され、前記複数のTFT5とスペーサ当接部とにより複数の画素部の基板間ギャップ、つまり画素の液晶層厚dを予め定めた値に規定した状態で、前記枠状のシール材を介して接合されている。
【0047】
なお、図では省略しているが、前記後基板2の内面には、前記端子配列部に、前基板3の内面に設けられた対向電極16を駆動回路の基準電位に接続するための対向電極端子が設けるとともに、前記シール部内に部分的に対応させて、前記対向電極端子に接続されたクロス電極が設けられており、前記対向電極16は、前記シール部内において、導電性粒子からなるクロス材を介して前記クロス電極に接続されている。
【0048】
また、液晶層1は、接合された両基板2,3間のシール材により囲まれた領域に、前記シール材を部分的に欠落させて形成しておいた液晶注入口から真空注入法により液晶を充填することにより形成されており、前記液晶注入口は、液晶の充填後に封止されている。
【0049】
なお、この液晶表示素子は、例えば捩れのないホモジニアス配向型のものであり、前記配向膜15,20は互いに平行な方向に配向処理され、液晶層1の液晶分子は、後基板2及び前基板3の近傍における配向方向を前記配向膜15,20により規定され、両基板2,3間において捩れることなく、液晶長軸を前記配向膜15,20の配向処理方向に揃えて実質的に基板2,3面と平行に配向している。
【0050】
すなわち、この液晶表示素子は、後基板2の内面に設けられた複数のTFT5によりスペーサ部を形成し、そのスペーサ部、つまり前記TFT5の頂部を、前基板3の内面に前記後基板2の内面に設けられた複数の画素電極4に対応する部分を除いて形成された樹脂遮光膜17と、前記シール材により囲まれた領域の略全体にわたって形成された液晶層厚調整膜18と、前記樹脂遮光膜17及び液晶層厚調整膜18を覆って形成された対向電極16と、前記対向電極16の前記TFT5に対応させて形成された高さ調整膜19との積層膜からなるスペーサ当接部に当接させて一対の基板2,3を対向配置することにより画素の液晶層厚dを規定したものである。
【0051】
この液晶表示素子の画素の液晶層厚dは、前記TFT5を前記ペーサ当接部に当接させたときの両基板2,3の基板面間の間隔dから、ゲート絶縁膜7及び画素電極4と、液晶層厚調整膜18及び対向電極16と、配向膜15,20との膜厚の合計値を差し引いた値である。
【0052】
なお、前記ゲート絶縁膜7の膜厚は0.25μm、画素電極4の膜厚は0.05μm、対向電極16の膜厚は0.17μm、配向膜15,20の膜厚はそれぞれ0.05μmであり、したがって、例えば樹脂遮光膜17が無い部分の液晶層厚調整膜18の膜厚を3.5μmにしたときの画素の液晶層厚dは、d=d−4.07μmである。
【0053】
一方、この実施例では上述したように、前記樹脂遮光膜17の膜厚を1μm、前記樹脂遮光膜17上の液晶層厚調整膜18の膜厚を3.1μmにしているため、前記高さ調整膜19の膜厚をxμmとすると、前記スペーサ当接部の高さ(前基板3の基板面からの高さ)は、前記樹脂遮光膜17とその上の液晶層厚調整膜18の膜厚に前記対向電極16の膜厚(0.17μm)と前記高さ調整膜19の膜厚(xμm)とを加えた値、つまり4.27+xμmである。
【0054】
また、前記TFT5の厚さ(ゲート電極6とゲート絶縁膜7とi型半導体膜8とブロッキング絶縁膜9とn型半導体膜及びソース,ドレイン電極10,11とオーバーコート絶縁膜12の総厚)は、従来の液晶表示素子のTFTと同じ厚さ、例えば0.854μmである。
【0055】
したがって、前記TFT5を前記スペーサ当接部に膜厚が0.05μmの配向膜15,20を介して当接させたときの両基板2,3の基板面間の間隔dは、d=(4.27+xμm)+0.854μm+0.05×2μm=5.134+xμmになる。
【0056】
そのため、この液晶表示素子の画素の液晶層厚d(d=d−0.57μm)は、5.134+xμm−4.07μmであり、この画素の液晶層厚dは、前記高さ調整膜19の膜厚を選択することにより任意に設定することができる。
【0057】
すなわち、例えば高さ調整膜19の膜厚をx=0.1μmとしたときの画素の液晶層厚dは1.164μm、高さ調整膜19の膜厚をx=0.5μmとしたときの画素の液晶層厚dは1.564μm、高さ調整膜19の膜厚をx=1μmとしたときの画素の液晶層厚dは2.064μmである。
【0058】
したがって、この液晶表示素子によれば、カラーフィルタを備えず、しかも遮光膜を樹脂遮光膜17としたアクティブマトリックス型のものでありながら、画素の液晶層厚dを充分に小さくして応答速度を速くすることができる。
【0059】
この液晶表示素子において、前記高さ調整膜19は、x=0.9μm以下の膜厚に形成するのが好ましく、このようにすることにより、前記画素の液晶層厚dを2μm以下にすることができる。
【0060】
なお、上記実施例では、前記高さ調整膜19を対向電極16の上に設けているが、この高さ調整膜19は、対向電極16と液晶層厚調整膜18との間、液晶層厚調整膜18と樹脂遮光膜17との間、樹脂遮光膜17と前基板3の基板面との間のいずれかに設けてもよい。
【0061】
また、前記高さ調整膜19は、必要に応じて設ければよく、この高さ調整膜19を省略し、樹脂遮光膜17と液晶層厚調整膜18と対向電極16との積層膜だけでスペーサ当接部を形成したとき(x=0μmのとき)の画素の液晶層厚dは1.064μmになる。
【0062】
また、前記液晶層厚調整膜18は、その全体にわたって膜面が平坦になるように形成するのがより好ましく、この液晶層厚調整膜18の膜面を平坦面に近くするほど、つまり液晶層厚調整膜18の樹脂遮光膜17上の部分と他の部分との膜面高さの差を小さくするほど、画素の液晶層厚dをより小さくすることができる。
【0063】
なお、上記実施例では、液晶層厚調整膜18を、枠状のシール材により囲まれた領域の略全体にわたって形成しているが、この液晶層厚調整膜18は、少なくとも複数の画素電極4とスペーサ部を形成する複数のTFT5とに対応していれば、他の部分には無くてもよい。
【0064】
また、上記実施例では、複数のTFT5によりスペーサ部を形成しているが、複数のゲート配線13とデータ配線14のいずれかによりスペーサ部を形成してもよい。
【0065】
図3〜図5はこの発明の第2の実施例を示しており、図3は液晶表示素子の一部分の平面図、図4は図3のIV―IV線に沿う拡大断面図、図5は図3のV―V線に沿う拡大断面図である。なお、この実施例において、図1及び図2に示した第1の実施例と同じものについては、図に同符号を付して重複する説明を省略する。
【0066】
この実施例の液晶表示素子は、後基板2の内面に設けられた複数のゲート配線13とデータ配線14のうち、複数のゲート配線13の予め定めた部分、例えば複数のTFT5のデータ配線接続側とは反対側の端部の側方の部分により複数のスペーサ部を形成し、前基板3の内面に樹脂遮光膜17を覆って設けられた液晶層厚調整膜18を、前記後基板2の内面に設けられた複数の画素電極4と前記スペーサ部とに対応させて形成し、さらに前記樹脂遮光膜17及び液晶層厚調整膜18を覆って形成された対向電極16の上に前記スペーサ部に対応させて高さ調整膜19を設けることにより、前記樹脂遮光膜17と前記液晶層厚調整膜18の前記スペーサ部に対応する部分と前記対向電極16及び高さ調整膜19により、前記複数のスペーサ部にそれぞれ対応する複数のスペーサ当接部を形成したものである。
【0067】
なお、図3では、前記液晶層厚調整膜18を区別しやすくするため、この液晶層厚調整膜18に対応する部分に平行斜線を施している。
【0068】
この実施例において、前記TFT5のi型半導体膜8とブロッキング絶縁膜9は、上述した第1の実施例と同様に、ゲート配線13の表示エリア内に対応する部分の略全長にわたって連続する帯状に形成され、また、前記ゲート配線13の形成部と、データ配線14と、画素電極4のTFT接続部及び補償容量形成部は、前記TFT5のオーバーコート絶縁膜12により覆われており、したがって、前記スペーサ部は、前記ゲート配線13の予め定めた部分と、その上のi型半導体膜8及びブロッキング絶縁膜9と、前記オーバーコート絶縁膜12とにより形成されている。
【0069】
また、前記液晶層厚調整膜18は、前基板3の樹脂遮光膜17を形成した面上に感光性樹脂を前記樹脂遮光膜17の膜厚よりも充分に厚く塗布し、その樹脂膜を、前記複数の画素電極4と前記ゲート配線13により形成された複数のスペーサ部とに対応する形状にパターニングして形成されている。
【0070】
そのため、前記樹脂遮光膜17の無い部分、つまり画素電極4に対応する部分に形成された液晶層厚調整膜18の周縁部(樹脂遮光膜17の縁部に重なった部分)は、前記感光性樹脂の塗布膜の樹脂遮光膜17上の部分と他の部分との膜面の段差により、前記画素電極4の中央部に対応する部分よりも僅かに高く盛り上がっている。
【0071】
この液晶表示素子は、後基板2の内面に設けられた複数のゲート配線13の予め定めた部分によりスペーサ部を形成し、前基板3の内面に樹脂遮光膜17を覆って設けられた前記液晶層厚調整膜18を複数の画素電極4と前記スペーサ部とに対応させて形成することにより、前記樹脂遮光膜17と液晶層厚調整膜18の前記スペーサ部に対応する部分と対向電極16及び高さ調整膜19とからなるスペーサ当接部を形成したものであるため、前記ゲート配線13のスペーサ部を前記スペーサ当接部に当接させて規定される画素の液晶層厚dを、上述した第1の実施例よりもさらに小さくすることができる。
【0072】
なお、前記TFT5の厚さと、ゲート配線13とデータ配線14との交差部の高さは、前記ゲート配線13のスペーサ部の高さよりも大きいが、前記TFT5及びゲート配線13とデータ配線14との交差部に対応する部分には前記液晶層厚調整膜18は無く、しかもこの液晶層厚調整膜18の膜厚がTFT5の厚さ及びゲート配線13とデータ配線14との交差部の高さよりも充分に厚いため、前記TFT5及びゲート配線13とデータ配線14との交差部が前基板3の内面に当接することはなく、したがって、前記ゲート配線13のスペーサ部だけを前記スペーサ当接部に当接させて画素の液晶層厚dを規定することができる。
【0073】
この液晶表示素子の画素の液晶層厚dは、前記ゲート配線13のスペーサ部を前記ペーサ当接部に当接させたときの両基板2,3の基板面間の間隔dから、ゲート絶縁膜7及び画素電極4と、液晶層厚調整膜18及び対向電極16と、配向膜15,20との膜厚の合計値を差し引いた値であり、前記ゲート絶縁膜7、画素電極4、対向電極16及び配向膜15,20の膜厚がそれぞれ第1の実施例と同じで、画素電極4に対応する液晶層厚調整膜18の膜厚(周縁部の盛り上がり部を除く中央部の膜厚)が3.5μmである場合、前記画素の液晶層厚dは、d=d−4.07μmである。
【0074】
また、第1の実施例と同様に、前記樹脂遮光膜17の膜厚を1μm、前記樹脂遮光膜17上の液晶層厚調整膜18の膜厚を3.1μmとし、前記高さ調整膜19の膜厚をxμmとすると、前記スペーサ当接部の高さは、4.27+xμmである。
【0075】
一方、この実施例では、前記スペーサ部を、ゲート配線13の予め定めた部分と、その上のi型半導体膜8及びブロッキング絶縁膜9と、オーバーコート絶縁膜12とにより形成しているため、このスペーサ部の高さは前記TFT5よりも低い。
【0076】
なお、前記ゲート配線13の膜厚は0.23μm、i型半導体膜8の膜厚は0.025μm、ブロッキング絶縁膜9の膜厚は、0.1μm、オーバーコート絶縁膜12の膜厚は0.2μmであり、したがって、前記スペーサ部の高さは、0.555μmである。
【0077】
したがって、前記スペーサ部を前記スペーサ当接部に膜厚が0.05μmの配向膜15,20を介して当接させたときの両基板2,3の基板面間の間隔dは、d=(4.27+xμm)+0.555μm+0.05×2μm=4.925+xμmになる。
【0078】
そのため、この液晶表示素子の画素の液晶層厚d(d=d−0.57μm)は、4.925+xμm−4.07μmである。
【0079】
この画素の液晶層厚dは、前記高さ調整膜19の膜厚を選択することにより任意に設定することができ、例えば高さ調整膜19の膜厚をx=0.1μmとしたときの画素の液晶層厚dは0.955μm、高さ調整膜19の膜厚をx=0.5μmとしたときの画素の液晶層厚dは1.355μm、高さ調整膜19の膜厚をx=1μmとしたときの画素の液晶層厚dは1.855μmである。
【0080】
なお、この液晶表示素子においても、前記高さ調整膜19は、対向電極16の上に限らず、対向電極16と液晶層厚調整膜18との間、液晶層厚調整膜18と樹脂遮光膜17との間、樹脂遮光膜17と前基板3の基板面との間のいずれかに設けてもよい。
【0081】
また、前記高さ調整膜19は必要に応じて設ければよく、この高さ調整膜19を省略し、樹脂遮光膜17と液晶層厚調整膜18と対向電極16との積層膜だけでスペーサ当接部を形成したとき(x=0μmのとき)の画素の液晶層厚dは0.855μmになる。
【0082】
したがって、この液晶表示素子によれば、カラーフィルタを備えず、しかも遮光膜を樹脂遮光膜17としたアクティブマトリックス型のものでありながら、画素の液晶層厚dを上述した第1の実施例よりもさらに小さくし、応答速度をより速くすることができる。
【0083】
また、この液晶表示素子は、複数のゲート配線13の予め定めた部分によりスペーサ部を形成し、前記液晶層厚調整膜18を複数の画素電極4と前記スペーサ部とに対応させて形成しているため、複数の画素部及びスペーサ部以外の領域の基板間ギャップを充分に確保し、両基板2,3間のシール材により囲まれた領域への液晶の充填を何等支障無く行なうことができる。
【0084】
なお、この実施例では、複数のゲート配線13の予め定めた部分によりスペーサ部を形成しているが、複数のデータ配線14の予め定めた部分によりスペーサ部を形成し、前記液晶層厚調整膜18を複数の画素電極4と前記スペーサ部とに対応させて形成してもよい。
【0085】
図6〜図8はこの発明の第3の実施例を示しており、図6は液晶表示素子の一部分の平面図、図7は図6のVII―VII線に沿う拡大断面図、図8は図6のVIII―VIII線に沿う拡大断面図である。なお、この実施例において、図1及び図2に示した第1の実施例と同じものについては、図に同符号を付して重複する説明を省略する。
【0086】
この実施例の液晶表示素子は、後基板2の内面に、複数の画素電極4とTFT5とゲート配線13及びデータ配線14を避けて、前記後基板2の基板面を露出させた複数のスペーサ配置部21を形成するとともに、前基板3の内面に、前記複数の画素電極4に対応する部分を除いて形成された樹脂遮光膜17と、前記複数の画素電極4に対応させて形成された液晶層厚調整膜18と、前記樹脂遮光膜17及び液晶層厚調整膜18を覆って形成された対向電極16を設け、前記後基板2の基板面上に前記複数のスペーサ配置部21にそれぞれ対応させて複数の柱状スペーサ22を設け、前記後基板2と前基板3とを、前記複数の柱状スペーサ22を前基板3の内面に設けられた樹脂遮光膜17に、前記対向電極16と両基板2,3の内面に設けられた配向膜15,20とを介して当接させて対向配置し、前記柱状スペーサ22により複数の画素部の基板間ギャップ、つまり画素の液晶層厚dを予め定めた値に規定した状態で、図示しない枠状のシール材を介して接合したものである。
【0087】
なお、図6では、前記液晶層厚調整膜18を区別しやすくするため、この液晶層厚調整膜18に対応する部分に平行斜線を施している。
【0088】
この液晶表示素子において、前記複数のスペーサ配置部21は、複数のゲート配線13とデータ配線14との交差部付近にそれぞれ、複数の画素電極4を前記交差部に対応する角部を切り落とした形状に形成するとともに、ゲート絶縁膜7及びオーバーコート絶縁膜12に開口を設けることにより形成されている。
【0089】
そして、前記複数の柱状スペーサ22は、前記後基板2上に感光性樹脂を塗布し、その樹脂膜をパターニングすることにより形成されており、この後基板2の内面の配向膜15は、前記柱状スペーサ22を覆って設けられている。
【0090】
また、前記液晶層厚調整膜18は、前基板3の樹脂遮光膜17を形成した面上に感光性樹脂を前記樹脂遮光膜17の膜厚よりも充分に厚く塗布し、その樹脂膜を、前記複数の画素電極4に対応する形状にパターニングして形成されている。
【0091】
そのため、前記樹脂遮光膜17の無い部分、つまり画素電極4に対応する部分に形成された液晶層厚調整膜18の周縁部(樹脂遮光膜17の縁部に重なった部分)は、前記感光性樹脂の塗布膜の樹脂遮光膜17上の部分と他の部分との膜面の段差により、前記画素電極4の中央部に対応する部分よりも盛り上がっているが、その盛り上がり高さは極く僅かである。
【0092】
この液晶表示素子は、後基板2の内面に、複数の画素電極4とTFT5とゲート配線13及びデータ配線14を避けて、前記後基板2の基板面を露出させた複数のスペーサ配置部21を形成するとともに、前基板3の内面に前記複数の画素電極4にそれぞれ対応させて液晶層厚調整膜18を設け、前記後基板2の基板面上に前記複数のスペーサ配置部21にそれぞれ対応させて設けた柱状スペーサ22を、前基板3の内面に前記複数の画素電極4に対応する部分を除いて形成された樹脂遮光膜17に当接させて一対の基板2,3を対向配置することにより画素の液晶層厚dを規定したものであるため、画素の液晶層厚を充分に小さくして応答速度を速くすることができる。
【0093】
この液晶表示素子において、前記液晶層厚調整膜18は、前記樹脂遮光膜17の膜厚よりも厚い膜厚に形成するのが望ましい。例えば前記樹脂遮光膜17を1μmとの膜厚に形成する場合、前記前記液晶層厚調整膜18の好ましい膜厚は1.5〜3μmである。
【0094】
この液晶表示素子の画素の液晶層厚dは、後基板2の基板面上に設けられた複数の柱状スペーサ22を前基板3の樹脂遮光膜17に当接させたときの両基板2,3の基板面間の間隔dから、ゲート絶縁膜7及び画素電極4と、液晶層厚調整膜18及び対向電極16と、配向膜15,20との膜厚の合計値を差し引いた値であり、前記ゲート絶縁膜7の膜厚が0.25μm、画素電極4の膜厚が0.05μm、対向電極16の膜厚が0.17μm、配向膜15,20の膜厚がそれぞれ0.05μmであり、前記液晶層厚調整膜18の膜厚(周縁部の盛り上がり部を除く中央部の膜厚)が2μmである場合、前記画素の液晶層厚dは、d=d−2.57μmである。
【0095】
また、前記樹脂遮光膜17の膜厚を1μmとし、柱状スペーサ22の高さをyμmとすると、前記柱状スペーサ22を前記樹脂遮光膜17に対向電極16と配向膜15,20とを介して当接させたときの両基板2,3の基板面間の間隔dは、d=yμm+1μm+0.17μm+0.05×2μm=y+1.27μmになる。
【0096】
そのため、この液晶表示素子の画素の液晶層厚d(d=d−2.57μm)は、(y+1.27)−2.57μmである。
【0097】
なお、前記柱状スペーサ22は、前記TFT5の厚さよりも高く、しかも前記樹脂遮光膜17と液晶層厚調整膜18との膜厚差に前記ゲート絶縁膜7と画素電極4と対向電極16及び配向膜15,20の膜厚を加えた値よりも大きい高さを有していればよく、前記画素の液晶層厚dは、前記柱状スペーサ22の高さを選択することにより任意に設定することができる。
【0098】
例えば、前記液晶層厚調整膜18の膜厚を上述したように2μmとした場合、柱状スペーサ22の高さをy=2.3μmとしたときの画素の液晶層厚dは1μm、柱状スペーサ22の高さをy=2.8μmとしたときの画素の液晶層厚dは1.5μm、柱状スペーサ22の高さをy=3.2μmとしたときの画素の液晶層厚dは2μmである。
【0099】
したがって、この液晶表示素子によれば、カラーフィルタを備えず、しかも遮光膜を樹脂遮光膜17としたアクティブマトリックス型のものでありながら、画素の液晶層厚dを充分に小さくし、応答速度を速くすることができる。
【0100】
なお、この実施例では、後基板2の基板面上に柱状スペーサ22を設けているが、それと逆に、前基板3の内面に形成された樹脂遮光膜17上に前記複数のスペーサ配置部にそれぞれ対応させて柱状スペーサ22を設け、これらの柱状スペーサ22を後基板2の基板面に当接させて画素の液晶層厚dを規定してもよい。
【0101】
また、上述した各実施例の液晶表示素子は、画素の液晶層厚dを小さくして応答速度を速くすることができるため、フィールドシーケンシャル液晶表示装置に好適であるが、白黒画像を表示する液晶表示装置に用いることもできる。
【0102】
さらに、上記各実施例の液晶表示素子は、ホモジニアス配向型のものであるが、この発明は、液晶分子をツイスト配向させたTN(ツイステッドネマティック)またはSTN(スーパーツイステッドネマティック)型液晶表示素子、強誘電性または反強誘電性液晶表示素子等にも適用することができる。
【0103】
【発明の効果】
この発明の液晶表示素子は、一方の基板の内面に設けられた複数のTFTあるいは複数のゲート配線とデータ配線のいずれかによりスペーサ部を形成し、他方の基板の内面に、前記一方の基板の内面に設けられた複数の画素電極に対応する部分を除いて形成された樹脂遮光膜と、前記樹脂遮光膜の形成面上に少なくとも前記複数の画素電極と前記スペーサ部とに対応させて形成された液晶層厚調整膜と、前記樹脂遮光膜及び液晶層厚調整膜を覆って形成された対向電極を設け、少なくとも前記樹脂遮光膜と液晶層厚調整膜と対向電極との積層膜とにより、前記スペーサ部に対応するスペーサ当接部を形成し、前記スペーサ部に前記スペーサ当接部を当接させて一対の基板を対向配置したものであるため、カラーフィルタを備えず、しかも遮光膜を樹脂遮光膜としたアクティブマトリックス型のものでありながら、画素の液晶層厚を充分に小さくして応答速度を速くすることができる。
【0104】
この発明の液晶表示素子において、前記スペーサ当接部は、前記樹脂遮光膜と液晶層厚調整膜と対向電極との積層膜の高さを調整するための絶縁膜をさらに有しているのが望ましく、このようにすることにより、前記画素の液晶層厚を任意に設定することができる。
【0105】
さらに、この液晶表示素子は、前記複数のゲート配線とデータ配線のいずれか一方の配線の予め定めた部分によりスペーサ部を形成し、液晶層厚調整膜を、前記複数の画素電極と前記スペーサ部とに対応させて形成した構成とするのが好ましく、このようにすることにより、画素の液晶層厚をさらに小さくすることができる。
【0106】
また、この発明の他の液晶表示素子は、一方の基板の内面に、この一方の基板の内面に設けられた複数の画素電極とTFTとゲート配線及びデータ配線を避けて、前記一方の基板の基板面を露出させた複数のスペーサ配置部を形成するとともに、他方の基板の内面に、前記複数の画素電極にそれぞれ対応させて液晶層厚調整膜を設け、前記一方の基板の基板面上と前記他方の基板の内面に前記複数の画素電極に対応する部分を除いて形成された前記樹脂遮光膜上との一方に前記複数のスペーサ配置部にそれぞれ対応させて設けた柱状スペーサを、前記一方の基板の基板面と前記樹脂遮光膜の他方に当接させて一対の基板を対向配置したものであるため、カラーフィルタを備えず、しかも遮光膜を樹脂遮光膜としたアクティブマトリックス型のものでありながら、画素の液晶層厚を充分に小さくして応答速度を速くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例を示す液晶表示素子の一部分の平面図。
【図2】図1のII―II線に沿う拡大断面図。
【図3】この発明の第2の実施例を示す液晶表示素子の一部分の平面図。
【図4】図3のIV―IV線に沿う拡大断面図。
【図5】図3のV―V線に沿う拡大断面図。
【図6】この発明の第3の実施例を示す液晶表示素子の一部分の平面図。
【図7】図6のVII―VII線に沿う拡大断面図。
【図8】図6のVIII―VIII線に沿う拡大断面図。
【符号の説明】
1…液晶層、2,3…基板、4…画素電極、5…TFT、13…ゲート配線、14…データ配線、15…配向膜、16…対向電極、17…樹脂遮光膜、18…液晶層厚調整膜、19…高さ調整膜、20…配向膜、21…スペーサ配置部、22…柱状スペーサ。

Claims (4)

  1. 液晶層を挟んで対向する一対の基板の互いに向き合う内面のうち、一方の基板の内面に、行方向及び列方向にマトリックス状に配列する複数の画素電極と、前記複数の画素電極にそれぞれ接続された複数の薄膜トランジスタと、これらの薄膜トランジスタにゲート信号及びデータ信号を供給する複数のゲート配線及びデータ配線が設けられ、前記複数の薄膜トランジスタあるいは前記複数のゲート配線とデータ配線のいずれかによりスペーサ部が形成されるとともに、他方の基板の内面に、前記複数の画素電極に対応する部分を除いて形成された樹脂遮光膜と、前記樹脂遮光膜の形成面上に少なくとも前記複数の画素電極と前記スペーサ部とに対応させて形成された液晶層厚調整膜と、前記樹脂遮光膜及び液晶層厚調整膜を覆って形成され前記複数の画素電極とそれぞれ対向する領域により複数の画素を形成する対向電極が設けられ、少なくとも前記樹脂遮光膜と液晶層厚調整膜と対向電極との積層膜とにより、前記スペーサ部に対応するスペーサ当接部が形成され、前記スペーサ部に前記スペーサ当接部を当接させて前記一対の基板が対向配置されていることを特徴とする液晶表示素子。
  2. スペーサ当接部は、樹脂遮光膜と液晶層厚調整膜と対向電極との積層膜の高さを調整するための絶縁膜をさらに有していることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 複数のゲート配線とデータ配線のいずれか一方の配線の予め定めた部分によりスペーサ部が形成され、液晶層厚調整膜は、複数の画素電極と前記スペーサ部とに対応させて形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示素子。
  4. 液晶層を挟んで対向する一対の基板の互いに向き合う内面のうち、一方の基板の内面に、行方向及び列方向にマトリックス状に配列する複数の画素電極と、前記複数の画素電極にそれぞれ接続された複数の薄膜トランジスタと、これらの薄膜トランジスタにゲート信号及びデータ信号を供給する複数のゲート配線及びデータ配線が設けられ、他方の基板の内面に、前記複数の画素電極に対応する部分を除いて形成された樹脂遮光膜と、前記複数の画素電極にそれぞれ対応させて形成された液晶層厚調整膜と、前記樹脂遮光膜及び液晶層厚調整膜を覆って形成され前記複数の画素電極とそれぞれ対向する領域により複数の画素を形成する対向電極が設けられ、且つ、前記一方の基板の内面に、前記複数の画素電極と薄膜トランジスタとゲート配線及びデータ配線を避けて、前記一方の基板の基板面を露出させた複数のスペーサ配置部が形成されるとともに、前記一方の基板の基板面上と前記樹脂遮光膜上との一方に前記複数のスペーサ配置部にそれぞれ対応させて設けられた複数の柱状スペーサとを備え、前記複数の柱状スペーサを前記一方の基板の基板面と前記樹脂遮光膜の他方に当接させて前記一対の基板が対向配置されていることを特徴とする液晶表示素子。
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