JP2004270949A - 収納装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】貯蔵効率が高いだけでなく、平型ショーケースの利便性を備え、顧客に対して安心して買い物ができる快適な空間を構築できる収納装置を提供する。
【解決手段】平型ショーケース部2の上方に配置された複数の陳列棚3と、陳列棚3の単位で、陳列棚3により区切られた空間に調整用空気Aを供給する空気供給部4とを有する収納装置1を提供する。この収納装置1により、前後方向Sから貯蔵空間12にアクセスできる平型ショーケース部2の上に、同じく前後方向Sからアクセスできる貯蔵空間13を形成できる。このため、貯蔵効率が高く、前後方向Sから各々の空間12および13にアクセスできる使い勝手の良い収納装置1を提供できる。また、収納装置1は、前面開口型のトップヘビーなオープンショーケースとは異なり安定感があるので、店舗のどこに設置しても、顧客に対して安心して買い物ができる快適な空間を提供できる。
【選択図】 図2
【解決手段】平型ショーケース部2の上方に配置された複数の陳列棚3と、陳列棚3の単位で、陳列棚3により区切られた空間に調整用空気Aを供給する空気供給部4とを有する収納装置1を提供する。この収納装置1により、前後方向Sから貯蔵空間12にアクセスできる平型ショーケース部2の上に、同じく前後方向Sからアクセスできる貯蔵空間13を形成できる。このため、貯蔵効率が高く、前後方向Sから各々の空間12および13にアクセスできる使い勝手の良い収納装置1を提供できる。また、収納装置1は、前面開口型のトップヘビーなオープンショーケースとは異なり安定感があるので、店舗のどこに設置しても、顧客に対して安心して買い物ができる快適な空間を提供できる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍食品やデザートなどのチルド製品などの商品を展示または陳列することができるショーケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗に設置されるショーケースとして平型の冷凍ショーケースが知られており、アイスクリームなどの冷凍食品の陳列に利用されている。特開2002−188880号公報には、冷凍平型ショーケースが開示されている。冷凍平型ショーケースは、上部が開放されており、上部の開口に少なくとも2方向(たとえば、前後方向)からアクセスできる。したがって、平型ショーケースの2方向あるいはそれ以上の方向に通路を設定することにより、顧客に対し効率良く商品を展示でき、また、顧客が効率良く商品を取り出すことができる。また、店員も顧客の購買行為を阻害することなく効率良く商品を補充することが可能である。
【0003】
また、平型ショーケースは、冷気が上方に逃げ難いので、ショーケース内を低温に保つことが容易であり、冷凍食品などの0℃近傍あるいはそれ以下で保存することが望ましい商品の展示に適している。
【0004】
一方、特開平11−318649号公報には、背面パネルに陳列棚が取り付けられたオープンショーケース、すなわち、前面が開口になったショーケースの下部を平型のケースとしたものが開示されている。このオープンショーケースでは、平型の下部ケースを冷凍用、上部の陳列棚が配置されたケース部を冷蔵用に使用することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−188880号公報
【特許文献2】
特開平11−318649号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上部ケースを冷蔵用、下部ケースを冷凍用に設定した前面開口型のショーケースは、2つの異なる温度帯の貯蔵空間を上下に重ねた配置となっているので、貯蔵効率の良いショーケースであると言える。しかしながら、平型ショーケースのように少なくとも2方向から1つの貯蔵空間にアクセスできる利便さはない。
【0007】
2つのオープンショーケースを2つの通路の間に、それらの背面パネルが重なるように、すなわち、背中合わせにレイアウトすることにより、両側の通路から貯蔵空間にアクセスできるように設定することは可能である。しかしながら、背面パネルにより空間が仕切られてしまうので、平型ショーケースを挟んで通路が設けられた空間のような開放感は全くなく、さらに、1つの貯蔵空間に対して2方向からアクセスできるというメリットも得られない。
【0008】
さらに、上部ケースを冷蔵用、下部ケースを冷凍用に設定した前面開口型のショーケースは、上部ケースのサイズが大きく、トップヘビーな構成となり、一見すると不安定なデザインとなり易い。したがって、壁際に配置された場合は、不安定感が前面に現れることは少ないが、店舗の中央に配置すると、不安定なデザインとなり、顧客に対して安心して買い物ができる空間を提供することができない。
【0009】
そこで、本発明においては、貯蔵効率が高いだけではなく、平型ショーケースと同様に複数の方向からアクセスができる利便さが有り、さらに、顧客に対して、安心して買い物ができる快適な空間または環境を提供できる収納装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明においては、陳列棚により仕切られた空間に対して冷気や暖気などの調整用空気を供給して冷蔵あるいは温蔵可能な複数の陳列棚を平型ショーケースの上方に配置する収納装置を提供する。すなわち、本発明の収納装置は、上部が開口となった平型ショーケースの上方に配置された複数段の陳列棚と、この陳列棚の単位で、その陳列棚により区切られた空間の環境条件を制御するための調整用空気を供給する空気供給手段とを有する。調整用空気は冷気や暖気に限定されないが、それらを含み、さらに、湿度調整のために加湿された空気や乾燥された空気なども含む。
【0011】
本発明の収納装置では、陳列棚により区切られた空間に対して調整用空気を供給することにより、陳列棚の陳列物を適当な環境で保存できる。したがって、陳列棚全体を覆うようなエアーカーテンは不要となり、エアーカーテンを形成するために大型のダクトを平型ショーケースの上方に延ばしたり、天井からエアーカーテンを形成する大量の冷気を吹き出すような重く大きな天井部分を平型ショーケースの上方に設ける必要がなくなる。したがって、本発明の収納装置を採用することにより、平型ショーケースの上方のスペースに、重くてサイズの大きな天井部や、それに冷気を供給する大型のダクトのない、軽快な構造の収納装置であって、陳列物を収納する環境を制御できる複数の陳列棚を備えた収納装置を提供できる。
【0012】
本発明の収納装置では、エアーカーテンを用いるのではなく、陳列棚により仕切られた空間に対して調整用空気が供給されるエアーサイクルを採用している。したがって、エアーカーテンを形成するためにエアーを下部の平型ショーケース内の冷気と干渉して平型ショーケース内の環境維持に悪影響を与えることもない。通常、陳列棚が平型ショーケースの上にあるので、陳列棚は平型ショーケース内より温度の高い環境に維持される。したがって、その温度で維持するための冷気でエアーカーテンを形成すると、天井から下に向って強く大量に吹き出される冷気は、平型ショーケース内よりも温度が高くなり、そのような冷気が平型ショーケースに入るとショーケース内の温度維持が難しくなる。しかしながら、本発明の収納装置は、天井から吹き出すエアーカーテンを採用しなくても陳列棚の環境は維持できるので、平型ショーケースに対する影響はなく、上下に並んだ2つの貯蔵空間を所望の環境条件に安定して維持できる。
【0013】
また、本発明においては、陳列棚は、大型のダクトや、重い天井部を配置するためのデザインに制限されることなく配置することが可能となり、陳列棚のデザインの自由度の高い開放的な収納装置を提供できる。例えば、平型ショーケースの上部に、平型ショーケースと同様に少なくとも2方向からアクセスできる陳列棚を配置することが可能となる。したがって、平型ショーケースの上部に、平型ショーケースと同様に複数の方向からアクセスできる陳列空間を設定することが可能となる。このため、平型ショーケースと共に、店舗の中央に配置したり、通路に挟まれるように配置することにより、平型ショーケースと、その上で、複数の方向から商品の取り出しや補充が行える陳列空間とを提供できる。さらに、重く、大きな天井部を省略できるので、安定感のあるデザインにすることができる。
【0014】
さらに、調整用空気の供給および排気するダクトを配置する際に、陳列棚を支持する支柱を利用することが可能であり、収納装置をさらにシンプルな構成にできる。支柱にダクトを沿わせて配置したり、支柱と一体化することも可能である。ダクトの配置に支柱を利用することにより、陳列棚に背面パネルあるいは仕切り壁を設ける必要もなくなり、さらに開放的な収納空間を提供できる。背面パネルあるいは仕切り壁を設けることも可能であり、陳列棚を仕切り壁に取り付けるようにしても良い。仕切り壁は、例えば、薄く、透明なものであっても良い。さらには、仕切り壁に、分岐ダクトを配置しても良い。
【0015】
平型ショーケースの上部開口が長方形の場合は、その短辺の側に陳列棚を支持する支柱を配置し、陳列棚を長辺方向と並行に延ばすことにより、大きな収納面積が得られる。支柱は、平型ショーケースと一体になっていても良く、平型ショーケースの内部あるいは外部に支柱を配置しても良い。支柱を平型ショーケースの短辺のほぼ中央に配置すると、陳列棚を平型ショーケースの中心に配置でき、陳列棚が邪魔にならずに平型ショーケースに両側からアクセスできる。
【0016】
平型ショーケースの上部をさらに開放感のあるものにするには陳列棚を平型ショーケースの上方に支持する支柱をできるだけ細くすることが望ましい。そのためには、空気供給手段は、陳列棚に供給する調整用空気の条件を調整する機器、すなわち、ファン、熱交換器、コンプレッサ、加湿器などの少なくとも一部を内蔵した機械室であって、支柱に支持された機械室を備えていることが望ましい。陳列棚と共に機械室を支柱で支持することにより、陳列棚と機械室との距離を近づけて、ダクト長を短縮でき、ダクトを支柱に沿わせる部分を短くできる。陳列棚と機械室とを同じ高さに配置すれば、ダクトを支柱に沿わせる必要はなくなり、支柱を細くすることができる。振動体となるコンプレッサや、重量の大きな蒸発器を支柱の下に配置して、直に調整用空気を調整する凝縮器、ヒータあるいは加湿器さらにはファンといった限定された機器を支柱で支持することが可能であり、この場合は、凝縮器と蒸発器との間を循環する冷媒用の配管を支柱に沿わせて配置することになる。ダクトに比べると冷媒配管の占める面積は非常に小さいので、このような構成であっても細い支柱で陳列棚を支持した軽快な構成の収納装置を提供できる。
【0017】
陳列棚により仕切られた空間に対する調整用空気の吹き出しや吸い込みは、陳列棚の内部を通る分岐ダクトを備えた空気供給手段により、陳列棚を介して行うことが可能になる。これにより、調整用空気が陳列棚を介して空間に供給したり、空間に供給された調整用空気を陳列棚を介して吸い込むサイクルを形成できる。陳列棚からできるだけ均等に調整用空気を分配あるいは吸引するためには、調整用空気を吹き出す吹出孔、および/または、調整用空気を吸い込む吸気孔が表面および/または裏面に分布した陳列棚を採用することが望ましい。
【0018】
本発明の収納装置においては、陳列棚の上方に天井部分を設置しても良い。設置される天井部分はエアーカーテンを形成するためのダクトが不要であり、軽量でサイズも自由に設定できる。例えば、透明な天井部分を設けることが可能であり、最上段の空間の明るさが増し、その空間に展示された商品を容易に認識できる。また、商品を展示する照明を省くことも可能になる。
【0019】
本発明の収納装置は、平型ショーケースの上方に配置される陳列棚が、平型ショーケースの内部あるいは外部に設置された支柱で支持されていても良く、平型ショーケースから上方に延びた支柱により支持されていても良い。平型ショーケースと陳列棚が支柱により繋がって一体となった収納装置であれば、平型ショーケースを冷却する機能と、陳列棚に供給される調整用空気を冷却あるいは加温する機能との共通の部分を、例えば、平型ショーケースの下部に配置することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明をさらに詳しく説明する。図1に収納装置の外観を、斜視図を用いて示してある。また、図2に収納装置における調整用空気の流れを模式的に示してある。本例の収納装置1は床置き型であり、上部が開口11になった平型ショーケース部2と、この平型ショーケース部2の上方に配置された複数の陳列棚3と、陳列棚3の単位で、その陳列棚3により区切られた複数の空間10の環境条件を制御する調整用空気Aを供給する空気供給部4とを有している。したがって、この収納装置1は、平型ショーケース部2によって形成される下部貯蔵空間12と、複数の陳列棚3が配置された上部貯蔵空間13の2つが上下に配置された貯蔵能力の高い収納装置である。陳列棚3の上方には透明なアクリル製のクリアトップパネル40が配置されており、クリアトップパネル40の下に貯蔵空間13における最上方の空間10が形成されている。
【0021】
この収納装置1は、複数の陳列棚3を有する貯蔵空間13を一体で覆うようなエアーカーテンは形成されず、陳列棚3により区切られた空間10に対して調整用空気Aを供給するエアーサイクルにより、各々の空間10、すなわち、陳列棚3に配置される陳列物に適した環境に制御できる。したがって、上方の貯蔵空間13は、平型ショーケース部2により形成される貯蔵空間12とは異なる環境、たとえば、温度あるいは湿度の条件に制御できる。また、平型ショーケース部2には、上部の長方形の開口11を介して前後、すなわち、短手方向Sの両側から同じようにアクセスでき、さらに、複数の陳列棚3に対しても前後からアクセスできる。したがって、ユーザは、平型ショーケース部2と、その上の陳列棚3とに両側からアクセスすることができ、それぞれの部分に陳列されている品物を自由に手で取って確認したり、買い物籠に入れることができる。
【0022】
これら平型ショーケース部2と、陳列棚3のそれぞれの貯蔵空間12および13は、冷凍、冷蔵、温蔵などのいずれの温度条件にも設定できる。しかしながら、冷気が下方に移動することを考えると、下の平型ショーケース部2は、上の陳列棚3よりも低温で制御することが望ましい。また、上下の陳列棚3も異なる温度で制御することが可能であるが、下方の陳列棚3は上方の陳列棚3より低温で制御されることが望ましい。さらに、これらの空間12および13は、湿度条件も設定でき、加湿された状態や乾燥された状態などの環境条件に設定できる。以降では、平型ショーケース部2をアイスクリームなどの製品を展示するのに適した冷凍に設定し、陳列棚3が配置された空間13をデザートや冷たい飲料物またはチルド製品を展示するのに適した冷蔵に設定した例を説明する。
【0023】
図2に示したように、平型ショーケース部2は、外部ハウジング19の内側に冷凍物を保持する貯蔵空間12を形成する内壁18が設けられており、それらの側壁18および19との間が冷気を循環させる凹状のダクト23となっている。ダクト23には、冷凍に適した−30℃程度の冷気(調整用空気)Bを生成可能な冷凍用熱交換器24と、冷気Bを貯蔵空間12に供給するファン25とが配置されている。冷気Bは、開口11の近傍から貯蔵空間12に吹き出され、貯蔵空間12を外気から遮断するエアーカーテンとしての機能も果たす。冷凍用熱交換器24に冷媒を供給するための圧縮器15および凝縮器16は、平型ショーケース部2の下部の機械室49に配置されている。この機械室49からは、後述する陳列棚3を冷却する冷気Aを生成する冷却用熱交換器の冷媒も供給される。
【0024】
収納装置1は、平型ショーケース部2の上部に、平型ショーケース部2の長手方向Lに延びる2段の陳列棚3を備えており、これらの陳列棚3は、平型ショーケース部2の短辺方向Sの一方の側壁20から上方に延びる支柱30と、短辺方向Sの他方の側壁21に上方に延びる支柱29aおよび29bとにより、長手方向Lの両端が支持されている。これらの支柱29a、29bおよび30は平型ショーケース部2の短辺方向Sのほぼ中央から上方に延びており、この支柱30に支持された陳列棚3は収納装置1の短辺方向Sの中央に配置されている。このため、短辺方向Sの両側(前後)のいずれの方向からでも同じ距離にあり、平型ショーケース部2の開口11の両端11aとの間にも十分な間隔がある。したがって、陳列棚3にほとんど邪魔されることなく、ユーザは平型ショーケース2の内部に両側からアクセスできる。また、陳列棚3にも、同様に両側からアクセスしやすい配置となっており、両側から展示された商品を取り出したり、空間10に商品を補充できる。
【0025】
図2に示すように、支柱30の内部に、陳列棚3により区切られた空間10に調整用空気Aを供給する供給ダクト31と、空間10から調整用空気Aを排気する排気ダクト32が配置されている。これらのダクト31および32が空気供給部4の主ダクトであり、これらのダクト31および32は、平型ショーケース2の側面において通気ダクト34によって連通している。通気ダクト34には、調整用空気Aを温度調節する冷蔵用熱交換器35と、調整用空気Aを循環させるファン36とが配置されている。この通気ダクト34でチルド製品を冷蔵するのに適した−5℃程度の温度に調節された調整空気(冷気または冷風)Aは、供給ダクト31を介して陳列棚3に供給される。
【0026】
図3に陳列棚3から冷気Aが吹き出される様子を示してある。陳列棚3の内部には、支柱30に内蔵された供給ダクト31に繋がる供給分岐ダクト41と、排気ダクト32に繋がる排気分岐ダクト42とが形成されている。本例の陳列棚3では、これらの分岐ダクト41および42が短辺方向Sの中央を長辺方向Lに延びており、陳列棚3の全体に冷気Aを分散して供給して吹き出し、また、吸気するようになっている。陳列棚3の表面3uには、供給分岐ダクト41に供給された冷気Aを陳列棚3の上方の空間10に吹き出す吹出孔45がほぼ均等に分散して複数形成されている。したがって、陳列棚3に置かれた陳列物あるいは商品に対してほぼ均等な割合で冷気Aを供給し、陳列物を良好な条件で冷蔵できる。陳列棚3の短手方向Sの中央が一段高くなった突起部47が長手方向Lに延びており、この突起部47に、冷気Aを吸い込む吸気孔46がほぼ均等な間隔で形成されている。これらの吸気孔46は排気分岐ダクト42に連結されており、排気ダクト32を介して冷気Aは通気ダクト34に回収され、循環する。
【0027】
このように、陳列棚3の表面3uから上方に吹き出された冷気Aは、陳列棚3の表面3uから吸い込まれ、陳列棚3の上方の空間10で循環して空間10に配置された陳列物を冷却する。したがって、収納装置1では、天井から冷気を下に向って吹き出してエアーカーテンを形成しなくても、陳列棚3の上の空間で冷気Aを循環させることにより、陳列棚3の上の空間の単位でチルド製品に適した環境条件に維持することができる。
【0028】
図3に示したように、支柱30には、上下方向に、適当な間隔で陳列棚3のフック51を引っ掛けることができる孔52と、その孔52に陳列棚3を取り付けたときに供給分岐ダクト41および排気分岐ダクト42が連結する位置にダンパ付きの供給口53および排気口54が適当な間隔で設けられている。供給口53および排気口54は、それぞれ供給ダクト31および排気ダクト32につながる。したがって、本例の収納装置1では、陳列物を置くのに適した高さに陳列棚3を設置することができ、その位置で支柱30に陳列棚3をセットすると、自動的に陳列棚3に内蔵されたダクト41および42が、支柱内のダクト31および32にそれぞれ繋がり、冷気Aを循環する経路が形成される。
【0029】
陳列棚3の最上方に配置されたクリアトップパネル40は、ほぼ陳列棚3とほぼ同じサイズであり、収納装置1の全体に開放感が得られるデザインとなっている。すなわち、収納装置1では、天井から下方に大量の冷気を吹き出してエアーカーテンを形成する必要はなく、重くて大きな天井部を設ける必要がないので、顧客に与える印象などを考慮したトップパネル40が採用されている。また、ダクトを含める必要がないので、トップパネル40を透明とすることにより、最上方の空間10も明るくできる。このため、トップパネル40に照明を設けなくても、この空間10に展示された商品を認識し易い。
【0030】
このように収納装置1は、陳列棚単位で温度調節されたエアー(調整用空気)を供給することにより、それらの陳列物の環境温度を維持するものであり、天井から大量の空気を吹き出すようなエアーカーテンを使用しない。このため、エアーカーテンを形成するための冷気を下に吹き出す構造の大きくて重量のある天井部を設けたり、その天井部に対して大型のダクトを平型ショーケース2から上方に延ばすといったデザイン上の制約がない。したがって、陳列棚と支柱というシンプルな構成で冷蔵あるいは温蔵機能を備えた収納装置1を提供できる。また、陳列棚3を平型ショーケース部2の上方のスペースに配置する設計の自由度が増すので、平型ショーケース2に対して2方向あるいはそれ以上の方向からのアクセス性を損ねずに、その上に陳列棚3を配置でき、さらに、その陳列棚3に対するアクセスも平型ショーケースと同様に複数の方向となるようなデザインを採用できる。したがって、本例の収納装置1は、陳列棚を有するものでありながら、平型ショーケースと同様に、店舗においてその前後が通路に挟まれるようにレイアウトすることが可能であり、いずれの通路側からでも2つの貯蔵空間12および13に展示された商品に容易にアクセスできる利便さを備えたスペースを店舗内に形成できる。
【0031】
また、本例の収納装置1は、冷却あるいは加温機能からは、天井部の設計上の制約がないので、天井にパネルを配置する場合も、エアーカーテンを形成するのではなく、美感やその他の機能を優先したトップパネル40を配置できる。
【0032】
さらに、天井から吹き出す空気によりエアーカーテンを形成しなくて良いという点は、エアーカーテンを形成するダクトのために天井部分で割かれるスペースや、陳列棚の外側にエアーカーテンを形成するためにリザーブされるスペースを開放できることを意味する。したがって、陳列棚の下に配置された平型ショーケースにアクセスする空間を形成しやすいと共に、陳列棚の収納スペースを拡大できるというメリットもある。また、収納装置1は、長方形の開口を持つ平型ショーケース2の上方に陳列棚3を長手方向Lに水平に延ばしており、大きな収納面積を得ることができ、貯蔵効率も非常に高い。さらに、陳列棚3は平型ショーケース2の短辺方向Sの中央に配置されているので、収納面積の広い空間に配置された陳列物でも前後から同じようにアクセスして取り出すことができる。さらに、前面開口型のオープンショーケースのように背面パネルがないので、オープンショーケースに比較して安定感があり、壁際にレイアウトするなどの設置場所の制約もない。したがって、店舗内のどこにでも配置して、顧客に不安を与えることなく、快適に買い物が楽しめる環境を提供できる。
【0033】
さらに、収納装置1では、陳列棚3により仕切られた個々の空間10に対して調整用空気Aが供給され、個々の空間から調整用空気Aが回収される方式を採用している。したがって、天井から大量の空気を吹き出してエアーカーテンを形成する方式に比較すると、陳列棚の下に設置された平型ショーケースに対する熱の影響が格段に小さい。冷気が下方にドラフトする都合上、平型ショーケースの設定温度を陳列棚の設定温度より高くすることは得策ではない。しかしながら、陳列棚が配置された空間を天井から吹き出すエアーカーテンで保護しようとすると、下方に位置する平型ショーケースに大量の空気が吹き込まれることになり、陳列棚の設定温度を平型ショーケースの設定温度より高くすることも得策ではない。したがって、平型ショーケースの上方に配置された陳列棚をエアーカーテンにより断熱しようとすると、その設定温度は平型ショーケースと同じ程度にせざるを得ない。
【0034】
これに対して、本例の収納装置であれば、陳列棚の環境は、熱的に平型ショーケースから独立したものとなる。したがって、陳列棚の設定温度を平型ショーケースの設定温度よりも高くすることが可能であり、冷気が下方にドラフトすることを考えると、そのような温度設定が適しているといえる。特に、本例の収納装置であれば、陳列棚を加温しても、平型ショーケースに対する熱的な影響はほとんど皆無である。したがって、冷蔵、常温、あるいは温蔵に設定された陳列棚の下方の平型ショーケースの設定温度を、アイスクリームなどを貯蔵するのに適した冷凍温度に設定することが可能である。
【0035】
図4に、本発明の異なる収納装置1aの外観を、斜視図を用いて示してある。この収納装置1aでは、平型ショーケース部2の短辺方向Sの側壁20および21から支柱29cおよび30を上方に延ばして、これらの支柱29cおよび30の間に長辺方向Lに延びる仕切り壁55が設けられている。さらに、図5に調整用空気Aの流れと共に示すように、壁55に、供給分岐ダクト41aおよび排気分岐ダクト42aが内蔵されている。このように、平型ショーケース部2の上方に支柱30により支持される仕切り壁55を配置することも可能である。
【0036】
陳列棚3aは、この仕切り壁55の前後に取り付けられており、内部を通る供給分岐ダクト41が仕切り壁55の供給分岐ダクト41aに繋がり、供給分岐ダクト41aから供給された調整用空気Aが表面3uの吹出孔45から上方に吹き出される。一方、本例の陳列棚3aには排気分岐ダクト42が内蔵されておらず、吹き出された調整用空気Aが仕切り壁55に設けられた吸気口56から吸い込まれるようになっている。したがって、収納装置1aにおける空気供給部4は、支柱30の内部を通るダクト31および32と、仕切り壁55の内部を通る供給分岐ダクト41aおよび排気分岐ダクト42aと、陳列棚3aの内部を通る供給分岐ダクト41とを備えている。なお、トップパネル40は支柱29cおよび30により支持されているが、トップパネル自体に平型ショーケース部2に連結された支持部40aが設けられており、この支持部40aがトップパネル40を上方に支持するための補助的な役割を担っている。
【0037】
図6に、仕切り壁55を有する収納装置1bの空気の流れを示している。仕切り壁のない収納装置、例えば、図1を参照しながら説明した収納装置1では、店舗の空調などにより横方向の空気の流れがあると、その方向に破線Dで示すように、陳列棚3aの吹出孔45から吹き出された調整用空気Aが流れ、陳列棚の上で循環する空気量が減る可能性がある。これに対し、中央に長辺方向Lに延びる仕切り壁55があると、横方向の空気の流れを遮断するので、空間10を循環する調整用空気Aの量を確保でき、より効果的に空間10の条件を調整できる。このような機能を発揮する仕切り壁55にはダクトを含ませる必要はなく、透明な壁とすることが可能であり、開放感のあるデザインとすることが可能である。
【0038】
また、図7に、本発明の収納装置のさらに異なる例を示してある。この収納装置1cは、表面3uだけではなく裏面3xにも吹出孔45および吸気孔46を備えた陳列棚3bが用いられている。したがって、1つの陳列棚3bで、その陳列棚3bで仕切られた上下の空間10に調整用空気Aを供給し、また、双方の空間10から吸気することが可能である。このような陳列棚3bを用いた収納装置1cであれば、2つの陳列棚3bの間に調整用空気Aを吸排気しない陳列棚62を設けて2つの空間10aおよび10bに区分けして陳列物を陳列できる。
【0039】
図8に、本発明の収納装置のさらに異なる例を示してある。この収納装置1dでは、壁55から調整用空気Aを空間10に吹き出し、陳列棚3cから調整用空気Aを吸い込むようになっている。この収納装置1dでは、仕切り壁55に設けられた吹出孔45から調整用空気Aを吹出し、陳列棚3cの表面3uに設けられた不図示の吸気孔から調整用空気Aが吸い込まれる。
【0040】
図9に、本発明のさらに異なる収納装置の例を示してある。この収納装置1eでは、陳列棚3が配置されている平型ショーケース2の上方に冷蔵用熱交換器35および冷蔵用ファン36が収納された機械室50が配置されている。この機械室50に収納された熱交換器35は凝縮器であり、平型ショーケース2のベースに配置された機械室49に収納された蒸発器で液化された冷媒を受けて調整用空気Aを生成する。したがって、平型ショーケース2の上方の陳列棚3の横に配置された機械室50は、ベースに配置された機械室49に対して従属する第2の機械室と呼ぶことができる。機械室50に凝縮器やコンプレッサを配置して、ベースの機械室49とは独立した構成にすることも可能である。
【0041】
この第2の機械室50は、平型ショーケース2から立ち上がった支柱30aにより支持されて支柱30aと一体になっている。このため、収納装置1eにおいては、陳列棚3およびクリアトップパネル40が機械室50により支持された構成が採用されている。機械室50は支柱30aと分離した構成とすることも可能である。
【0042】
陳列棚3の近傍に機械室50を配置すると、まず、ベースの機械室49、平型ショーケース内に設けられた調整用空気Aを冷却するための機械室あるいは循環ダクトから陳列棚3に調整用空気Aを供給するダクトを省くことができる。すなわち、第2の機械室50がベースの機械室49に従属している場合は、機械室49および50の間は冷媒Cを導くための冷媒配管57で接続することができる。したがって、支柱30にダクトを沿わせたり、内蔵させる必要がなくなり、配管を支柱30aに沿わせて配置したり、支柱に内蔵させるだけで良い。このため、支柱30を細くすることが可能であり、さらに、開放感のある収納装置を提供できる。さらに、機械室50が独立している場合は、冷媒配管を支柱と共に配置する必要もなくなる。
【0043】
また、機械室50を陳列棚の近傍に配置することにより、平型ショーケース2から冷蔵用の熱交換器35およびファン36を配置していたスペースを省くことができ、平型ショーケース2の貯蔵スペースを広げたり、平型ショーケース2をコンパクトに纏めることができる。
【0044】
なお、空気AおよびBを温度調整するための機構、すなわち、熱交換器、凝縮気、圧縮機などは収納装置1と別ユニットとなっていても良く、また、店舗などにおいては別ユニットで制御された調整用空気Aが店内に設置された収納装置の主ダクトに対して床や天井などから供給されるシステムとすることも可能である。また、支柱30が平型ショーケース部2の貯蔵空間13の内部から上方に延びているようなデザインとすることも可能であるし、平型ショーケース2と支柱が着脱可能なデザインとすることも可能である。そして、陳列棚が支持された支柱を提供し、既存の平型ショーケースに取り付けられる構成とすることも可能である。
【0045】
さらに、陳列棚を挟むように2本の支柱を立て、一方の支柱内に供給ダクトを通し、他方の支柱内に排気ダクトを通したデザインとすることも可能である。このデザインにより、供給ダクトに設けた吹出口から空間に調整用空気Aを吹き出し、排気ダクトに設けた吸気口から排気ダクトに調整用空気Aを吸い込むような構成とすることが可能である。また、支柱にダクトを内蔵する代りに、支柱にダクトを沿わせたものでも良い。さらに、本発明の収納装置は、背面パネルを備えたオープンショーケースのような形態や仕切り壁に陳列棚が支持された形態を省くものではなく、これらの設計事項は全て含まれる。
【0046】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の収納装置においては、陳列棚により仕切られた空間に対して調整用空気を供給し、これらの空間の環境条件を制御可能な複数の陳列棚を平型ショーケースの上方に配置するようにしている。この収納装置により、複数の陳列棚が配置された空間をエアーカーテンを使用せずに目的とする環境に制御できる。したがって、平型ショーケースの上方のスペースにエアーカーテン用の天井部や大型のダクトを含む背面パネルを省いたシンプルな構造の収納装置をデザインできる。このため、平型ショーケースの上方のスペースに、平型ショーケースと同様に、少なくとも2方向からアクセスできるように陳列棚を配置するなどのデザインを採用でき、店舗やイベント会場などに設置して快適な陳列スペースを形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る収納装置の外観を示す斜視図である。
【図2】調整用空気の流れを模式的に示す図である。
【図3】陳列棚に形成された分岐ダクトを示す図である。
【図4】異なる収納装置の外観を示す斜視図である。
【図5】図4に示す収納装置における調整用空気の流れを模式的に示す図である。
【図6】陳列棚から吹き出された調整用空気が吸気孔に吸い込まれる効率を向上した陳列棚を示す図である。
【図7】1つの陳列棚から上下方向に調整用空気が吹き出される収納装置を示す図である。
【図8】仕切り壁から調整用空気が吹き出される収納装置の外観を示す図である。
【図9】冷蔵用の機械室が平型ショーケースの上方に配置された収納装置を示す図である。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c、1d、1e 収納装置
2 平型ショーケース部
3、3a、3b、3c 陳列棚
30、30a 支柱
31 供給ダクト
32 排気ダクト
41 供給分岐ダクト
42 排気分岐ダクト
50 冷蔵用の機械室
A、B 調整用空気
【発明の属する技術分野】
本発明は冷凍食品やデザートなどのチルド製品などの商品を展示または陳列することができるショーケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの店舗に設置されるショーケースとして平型の冷凍ショーケースが知られており、アイスクリームなどの冷凍食品の陳列に利用されている。特開2002−188880号公報には、冷凍平型ショーケースが開示されている。冷凍平型ショーケースは、上部が開放されており、上部の開口に少なくとも2方向(たとえば、前後方向)からアクセスできる。したがって、平型ショーケースの2方向あるいはそれ以上の方向に通路を設定することにより、顧客に対し効率良く商品を展示でき、また、顧客が効率良く商品を取り出すことができる。また、店員も顧客の購買行為を阻害することなく効率良く商品を補充することが可能である。
【0003】
また、平型ショーケースは、冷気が上方に逃げ難いので、ショーケース内を低温に保つことが容易であり、冷凍食品などの0℃近傍あるいはそれ以下で保存することが望ましい商品の展示に適している。
【0004】
一方、特開平11−318649号公報には、背面パネルに陳列棚が取り付けられたオープンショーケース、すなわち、前面が開口になったショーケースの下部を平型のケースとしたものが開示されている。このオープンショーケースでは、平型の下部ケースを冷凍用、上部の陳列棚が配置されたケース部を冷蔵用に使用することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−188880号公報
【特許文献2】
特開平11−318649号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上部ケースを冷蔵用、下部ケースを冷凍用に設定した前面開口型のショーケースは、2つの異なる温度帯の貯蔵空間を上下に重ねた配置となっているので、貯蔵効率の良いショーケースであると言える。しかしながら、平型ショーケースのように少なくとも2方向から1つの貯蔵空間にアクセスできる利便さはない。
【0007】
2つのオープンショーケースを2つの通路の間に、それらの背面パネルが重なるように、すなわち、背中合わせにレイアウトすることにより、両側の通路から貯蔵空間にアクセスできるように設定することは可能である。しかしながら、背面パネルにより空間が仕切られてしまうので、平型ショーケースを挟んで通路が設けられた空間のような開放感は全くなく、さらに、1つの貯蔵空間に対して2方向からアクセスできるというメリットも得られない。
【0008】
さらに、上部ケースを冷蔵用、下部ケースを冷凍用に設定した前面開口型のショーケースは、上部ケースのサイズが大きく、トップヘビーな構成となり、一見すると不安定なデザインとなり易い。したがって、壁際に配置された場合は、不安定感が前面に現れることは少ないが、店舗の中央に配置すると、不安定なデザインとなり、顧客に対して安心して買い物ができる空間を提供することができない。
【0009】
そこで、本発明においては、貯蔵効率が高いだけではなく、平型ショーケースと同様に複数の方向からアクセスができる利便さが有り、さらに、顧客に対して、安心して買い物ができる快適な空間または環境を提供できる収納装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明においては、陳列棚により仕切られた空間に対して冷気や暖気などの調整用空気を供給して冷蔵あるいは温蔵可能な複数の陳列棚を平型ショーケースの上方に配置する収納装置を提供する。すなわち、本発明の収納装置は、上部が開口となった平型ショーケースの上方に配置された複数段の陳列棚と、この陳列棚の単位で、その陳列棚により区切られた空間の環境条件を制御するための調整用空気を供給する空気供給手段とを有する。調整用空気は冷気や暖気に限定されないが、それらを含み、さらに、湿度調整のために加湿された空気や乾燥された空気なども含む。
【0011】
本発明の収納装置では、陳列棚により区切られた空間に対して調整用空気を供給することにより、陳列棚の陳列物を適当な環境で保存できる。したがって、陳列棚全体を覆うようなエアーカーテンは不要となり、エアーカーテンを形成するために大型のダクトを平型ショーケースの上方に延ばしたり、天井からエアーカーテンを形成する大量の冷気を吹き出すような重く大きな天井部分を平型ショーケースの上方に設ける必要がなくなる。したがって、本発明の収納装置を採用することにより、平型ショーケースの上方のスペースに、重くてサイズの大きな天井部や、それに冷気を供給する大型のダクトのない、軽快な構造の収納装置であって、陳列物を収納する環境を制御できる複数の陳列棚を備えた収納装置を提供できる。
【0012】
本発明の収納装置では、エアーカーテンを用いるのではなく、陳列棚により仕切られた空間に対して調整用空気が供給されるエアーサイクルを採用している。したがって、エアーカーテンを形成するためにエアーを下部の平型ショーケース内の冷気と干渉して平型ショーケース内の環境維持に悪影響を与えることもない。通常、陳列棚が平型ショーケースの上にあるので、陳列棚は平型ショーケース内より温度の高い環境に維持される。したがって、その温度で維持するための冷気でエアーカーテンを形成すると、天井から下に向って強く大量に吹き出される冷気は、平型ショーケース内よりも温度が高くなり、そのような冷気が平型ショーケースに入るとショーケース内の温度維持が難しくなる。しかしながら、本発明の収納装置は、天井から吹き出すエアーカーテンを採用しなくても陳列棚の環境は維持できるので、平型ショーケースに対する影響はなく、上下に並んだ2つの貯蔵空間を所望の環境条件に安定して維持できる。
【0013】
また、本発明においては、陳列棚は、大型のダクトや、重い天井部を配置するためのデザインに制限されることなく配置することが可能となり、陳列棚のデザインの自由度の高い開放的な収納装置を提供できる。例えば、平型ショーケースの上部に、平型ショーケースと同様に少なくとも2方向からアクセスできる陳列棚を配置することが可能となる。したがって、平型ショーケースの上部に、平型ショーケースと同様に複数の方向からアクセスできる陳列空間を設定することが可能となる。このため、平型ショーケースと共に、店舗の中央に配置したり、通路に挟まれるように配置することにより、平型ショーケースと、その上で、複数の方向から商品の取り出しや補充が行える陳列空間とを提供できる。さらに、重く、大きな天井部を省略できるので、安定感のあるデザインにすることができる。
【0014】
さらに、調整用空気の供給および排気するダクトを配置する際に、陳列棚を支持する支柱を利用することが可能であり、収納装置をさらにシンプルな構成にできる。支柱にダクトを沿わせて配置したり、支柱と一体化することも可能である。ダクトの配置に支柱を利用することにより、陳列棚に背面パネルあるいは仕切り壁を設ける必要もなくなり、さらに開放的な収納空間を提供できる。背面パネルあるいは仕切り壁を設けることも可能であり、陳列棚を仕切り壁に取り付けるようにしても良い。仕切り壁は、例えば、薄く、透明なものであっても良い。さらには、仕切り壁に、分岐ダクトを配置しても良い。
【0015】
平型ショーケースの上部開口が長方形の場合は、その短辺の側に陳列棚を支持する支柱を配置し、陳列棚を長辺方向と並行に延ばすことにより、大きな収納面積が得られる。支柱は、平型ショーケースと一体になっていても良く、平型ショーケースの内部あるいは外部に支柱を配置しても良い。支柱を平型ショーケースの短辺のほぼ中央に配置すると、陳列棚を平型ショーケースの中心に配置でき、陳列棚が邪魔にならずに平型ショーケースに両側からアクセスできる。
【0016】
平型ショーケースの上部をさらに開放感のあるものにするには陳列棚を平型ショーケースの上方に支持する支柱をできるだけ細くすることが望ましい。そのためには、空気供給手段は、陳列棚に供給する調整用空気の条件を調整する機器、すなわち、ファン、熱交換器、コンプレッサ、加湿器などの少なくとも一部を内蔵した機械室であって、支柱に支持された機械室を備えていることが望ましい。陳列棚と共に機械室を支柱で支持することにより、陳列棚と機械室との距離を近づけて、ダクト長を短縮でき、ダクトを支柱に沿わせる部分を短くできる。陳列棚と機械室とを同じ高さに配置すれば、ダクトを支柱に沿わせる必要はなくなり、支柱を細くすることができる。振動体となるコンプレッサや、重量の大きな蒸発器を支柱の下に配置して、直に調整用空気を調整する凝縮器、ヒータあるいは加湿器さらにはファンといった限定された機器を支柱で支持することが可能であり、この場合は、凝縮器と蒸発器との間を循環する冷媒用の配管を支柱に沿わせて配置することになる。ダクトに比べると冷媒配管の占める面積は非常に小さいので、このような構成であっても細い支柱で陳列棚を支持した軽快な構成の収納装置を提供できる。
【0017】
陳列棚により仕切られた空間に対する調整用空気の吹き出しや吸い込みは、陳列棚の内部を通る分岐ダクトを備えた空気供給手段により、陳列棚を介して行うことが可能になる。これにより、調整用空気が陳列棚を介して空間に供給したり、空間に供給された調整用空気を陳列棚を介して吸い込むサイクルを形成できる。陳列棚からできるだけ均等に調整用空気を分配あるいは吸引するためには、調整用空気を吹き出す吹出孔、および/または、調整用空気を吸い込む吸気孔が表面および/または裏面に分布した陳列棚を採用することが望ましい。
【0018】
本発明の収納装置においては、陳列棚の上方に天井部分を設置しても良い。設置される天井部分はエアーカーテンを形成するためのダクトが不要であり、軽量でサイズも自由に設定できる。例えば、透明な天井部分を設けることが可能であり、最上段の空間の明るさが増し、その空間に展示された商品を容易に認識できる。また、商品を展示する照明を省くことも可能になる。
【0019】
本発明の収納装置は、平型ショーケースの上方に配置される陳列棚が、平型ショーケースの内部あるいは外部に設置された支柱で支持されていても良く、平型ショーケースから上方に延びた支柱により支持されていても良い。平型ショーケースと陳列棚が支柱により繋がって一体となった収納装置であれば、平型ショーケースを冷却する機能と、陳列棚に供給される調整用空気を冷却あるいは加温する機能との共通の部分を、例えば、平型ショーケースの下部に配置することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明をさらに詳しく説明する。図1に収納装置の外観を、斜視図を用いて示してある。また、図2に収納装置における調整用空気の流れを模式的に示してある。本例の収納装置1は床置き型であり、上部が開口11になった平型ショーケース部2と、この平型ショーケース部2の上方に配置された複数の陳列棚3と、陳列棚3の単位で、その陳列棚3により区切られた複数の空間10の環境条件を制御する調整用空気Aを供給する空気供給部4とを有している。したがって、この収納装置1は、平型ショーケース部2によって形成される下部貯蔵空間12と、複数の陳列棚3が配置された上部貯蔵空間13の2つが上下に配置された貯蔵能力の高い収納装置である。陳列棚3の上方には透明なアクリル製のクリアトップパネル40が配置されており、クリアトップパネル40の下に貯蔵空間13における最上方の空間10が形成されている。
【0021】
この収納装置1は、複数の陳列棚3を有する貯蔵空間13を一体で覆うようなエアーカーテンは形成されず、陳列棚3により区切られた空間10に対して調整用空気Aを供給するエアーサイクルにより、各々の空間10、すなわち、陳列棚3に配置される陳列物に適した環境に制御できる。したがって、上方の貯蔵空間13は、平型ショーケース部2により形成される貯蔵空間12とは異なる環境、たとえば、温度あるいは湿度の条件に制御できる。また、平型ショーケース部2には、上部の長方形の開口11を介して前後、すなわち、短手方向Sの両側から同じようにアクセスでき、さらに、複数の陳列棚3に対しても前後からアクセスできる。したがって、ユーザは、平型ショーケース部2と、その上の陳列棚3とに両側からアクセスすることができ、それぞれの部分に陳列されている品物を自由に手で取って確認したり、買い物籠に入れることができる。
【0022】
これら平型ショーケース部2と、陳列棚3のそれぞれの貯蔵空間12および13は、冷凍、冷蔵、温蔵などのいずれの温度条件にも設定できる。しかしながら、冷気が下方に移動することを考えると、下の平型ショーケース部2は、上の陳列棚3よりも低温で制御することが望ましい。また、上下の陳列棚3も異なる温度で制御することが可能であるが、下方の陳列棚3は上方の陳列棚3より低温で制御されることが望ましい。さらに、これらの空間12および13は、湿度条件も設定でき、加湿された状態や乾燥された状態などの環境条件に設定できる。以降では、平型ショーケース部2をアイスクリームなどの製品を展示するのに適した冷凍に設定し、陳列棚3が配置された空間13をデザートや冷たい飲料物またはチルド製品を展示するのに適した冷蔵に設定した例を説明する。
【0023】
図2に示したように、平型ショーケース部2は、外部ハウジング19の内側に冷凍物を保持する貯蔵空間12を形成する内壁18が設けられており、それらの側壁18および19との間が冷気を循環させる凹状のダクト23となっている。ダクト23には、冷凍に適した−30℃程度の冷気(調整用空気)Bを生成可能な冷凍用熱交換器24と、冷気Bを貯蔵空間12に供給するファン25とが配置されている。冷気Bは、開口11の近傍から貯蔵空間12に吹き出され、貯蔵空間12を外気から遮断するエアーカーテンとしての機能も果たす。冷凍用熱交換器24に冷媒を供給するための圧縮器15および凝縮器16は、平型ショーケース部2の下部の機械室49に配置されている。この機械室49からは、後述する陳列棚3を冷却する冷気Aを生成する冷却用熱交換器の冷媒も供給される。
【0024】
収納装置1は、平型ショーケース部2の上部に、平型ショーケース部2の長手方向Lに延びる2段の陳列棚3を備えており、これらの陳列棚3は、平型ショーケース部2の短辺方向Sの一方の側壁20から上方に延びる支柱30と、短辺方向Sの他方の側壁21に上方に延びる支柱29aおよび29bとにより、長手方向Lの両端が支持されている。これらの支柱29a、29bおよび30は平型ショーケース部2の短辺方向Sのほぼ中央から上方に延びており、この支柱30に支持された陳列棚3は収納装置1の短辺方向Sの中央に配置されている。このため、短辺方向Sの両側(前後)のいずれの方向からでも同じ距離にあり、平型ショーケース部2の開口11の両端11aとの間にも十分な間隔がある。したがって、陳列棚3にほとんど邪魔されることなく、ユーザは平型ショーケース2の内部に両側からアクセスできる。また、陳列棚3にも、同様に両側からアクセスしやすい配置となっており、両側から展示された商品を取り出したり、空間10に商品を補充できる。
【0025】
図2に示すように、支柱30の内部に、陳列棚3により区切られた空間10に調整用空気Aを供給する供給ダクト31と、空間10から調整用空気Aを排気する排気ダクト32が配置されている。これらのダクト31および32が空気供給部4の主ダクトであり、これらのダクト31および32は、平型ショーケース2の側面において通気ダクト34によって連通している。通気ダクト34には、調整用空気Aを温度調節する冷蔵用熱交換器35と、調整用空気Aを循環させるファン36とが配置されている。この通気ダクト34でチルド製品を冷蔵するのに適した−5℃程度の温度に調節された調整空気(冷気または冷風)Aは、供給ダクト31を介して陳列棚3に供給される。
【0026】
図3に陳列棚3から冷気Aが吹き出される様子を示してある。陳列棚3の内部には、支柱30に内蔵された供給ダクト31に繋がる供給分岐ダクト41と、排気ダクト32に繋がる排気分岐ダクト42とが形成されている。本例の陳列棚3では、これらの分岐ダクト41および42が短辺方向Sの中央を長辺方向Lに延びており、陳列棚3の全体に冷気Aを分散して供給して吹き出し、また、吸気するようになっている。陳列棚3の表面3uには、供給分岐ダクト41に供給された冷気Aを陳列棚3の上方の空間10に吹き出す吹出孔45がほぼ均等に分散して複数形成されている。したがって、陳列棚3に置かれた陳列物あるいは商品に対してほぼ均等な割合で冷気Aを供給し、陳列物を良好な条件で冷蔵できる。陳列棚3の短手方向Sの中央が一段高くなった突起部47が長手方向Lに延びており、この突起部47に、冷気Aを吸い込む吸気孔46がほぼ均等な間隔で形成されている。これらの吸気孔46は排気分岐ダクト42に連結されており、排気ダクト32を介して冷気Aは通気ダクト34に回収され、循環する。
【0027】
このように、陳列棚3の表面3uから上方に吹き出された冷気Aは、陳列棚3の表面3uから吸い込まれ、陳列棚3の上方の空間10で循環して空間10に配置された陳列物を冷却する。したがって、収納装置1では、天井から冷気を下に向って吹き出してエアーカーテンを形成しなくても、陳列棚3の上の空間で冷気Aを循環させることにより、陳列棚3の上の空間の単位でチルド製品に適した環境条件に維持することができる。
【0028】
図3に示したように、支柱30には、上下方向に、適当な間隔で陳列棚3のフック51を引っ掛けることができる孔52と、その孔52に陳列棚3を取り付けたときに供給分岐ダクト41および排気分岐ダクト42が連結する位置にダンパ付きの供給口53および排気口54が適当な間隔で設けられている。供給口53および排気口54は、それぞれ供給ダクト31および排気ダクト32につながる。したがって、本例の収納装置1では、陳列物を置くのに適した高さに陳列棚3を設置することができ、その位置で支柱30に陳列棚3をセットすると、自動的に陳列棚3に内蔵されたダクト41および42が、支柱内のダクト31および32にそれぞれ繋がり、冷気Aを循環する経路が形成される。
【0029】
陳列棚3の最上方に配置されたクリアトップパネル40は、ほぼ陳列棚3とほぼ同じサイズであり、収納装置1の全体に開放感が得られるデザインとなっている。すなわち、収納装置1では、天井から下方に大量の冷気を吹き出してエアーカーテンを形成する必要はなく、重くて大きな天井部を設ける必要がないので、顧客に与える印象などを考慮したトップパネル40が採用されている。また、ダクトを含める必要がないので、トップパネル40を透明とすることにより、最上方の空間10も明るくできる。このため、トップパネル40に照明を設けなくても、この空間10に展示された商品を認識し易い。
【0030】
このように収納装置1は、陳列棚単位で温度調節されたエアー(調整用空気)を供給することにより、それらの陳列物の環境温度を維持するものであり、天井から大量の空気を吹き出すようなエアーカーテンを使用しない。このため、エアーカーテンを形成するための冷気を下に吹き出す構造の大きくて重量のある天井部を設けたり、その天井部に対して大型のダクトを平型ショーケース2から上方に延ばすといったデザイン上の制約がない。したがって、陳列棚と支柱というシンプルな構成で冷蔵あるいは温蔵機能を備えた収納装置1を提供できる。また、陳列棚3を平型ショーケース部2の上方のスペースに配置する設計の自由度が増すので、平型ショーケース2に対して2方向あるいはそれ以上の方向からのアクセス性を損ねずに、その上に陳列棚3を配置でき、さらに、その陳列棚3に対するアクセスも平型ショーケースと同様に複数の方向となるようなデザインを採用できる。したがって、本例の収納装置1は、陳列棚を有するものでありながら、平型ショーケースと同様に、店舗においてその前後が通路に挟まれるようにレイアウトすることが可能であり、いずれの通路側からでも2つの貯蔵空間12および13に展示された商品に容易にアクセスできる利便さを備えたスペースを店舗内に形成できる。
【0031】
また、本例の収納装置1は、冷却あるいは加温機能からは、天井部の設計上の制約がないので、天井にパネルを配置する場合も、エアーカーテンを形成するのではなく、美感やその他の機能を優先したトップパネル40を配置できる。
【0032】
さらに、天井から吹き出す空気によりエアーカーテンを形成しなくて良いという点は、エアーカーテンを形成するダクトのために天井部分で割かれるスペースや、陳列棚の外側にエアーカーテンを形成するためにリザーブされるスペースを開放できることを意味する。したがって、陳列棚の下に配置された平型ショーケースにアクセスする空間を形成しやすいと共に、陳列棚の収納スペースを拡大できるというメリットもある。また、収納装置1は、長方形の開口を持つ平型ショーケース2の上方に陳列棚3を長手方向Lに水平に延ばしており、大きな収納面積を得ることができ、貯蔵効率も非常に高い。さらに、陳列棚3は平型ショーケース2の短辺方向Sの中央に配置されているので、収納面積の広い空間に配置された陳列物でも前後から同じようにアクセスして取り出すことができる。さらに、前面開口型のオープンショーケースのように背面パネルがないので、オープンショーケースに比較して安定感があり、壁際にレイアウトするなどの設置場所の制約もない。したがって、店舗内のどこにでも配置して、顧客に不安を与えることなく、快適に買い物が楽しめる環境を提供できる。
【0033】
さらに、収納装置1では、陳列棚3により仕切られた個々の空間10に対して調整用空気Aが供給され、個々の空間から調整用空気Aが回収される方式を採用している。したがって、天井から大量の空気を吹き出してエアーカーテンを形成する方式に比較すると、陳列棚の下に設置された平型ショーケースに対する熱の影響が格段に小さい。冷気が下方にドラフトする都合上、平型ショーケースの設定温度を陳列棚の設定温度より高くすることは得策ではない。しかしながら、陳列棚が配置された空間を天井から吹き出すエアーカーテンで保護しようとすると、下方に位置する平型ショーケースに大量の空気が吹き込まれることになり、陳列棚の設定温度を平型ショーケースの設定温度より高くすることも得策ではない。したがって、平型ショーケースの上方に配置された陳列棚をエアーカーテンにより断熱しようとすると、その設定温度は平型ショーケースと同じ程度にせざるを得ない。
【0034】
これに対して、本例の収納装置であれば、陳列棚の環境は、熱的に平型ショーケースから独立したものとなる。したがって、陳列棚の設定温度を平型ショーケースの設定温度よりも高くすることが可能であり、冷気が下方にドラフトすることを考えると、そのような温度設定が適しているといえる。特に、本例の収納装置であれば、陳列棚を加温しても、平型ショーケースに対する熱的な影響はほとんど皆無である。したがって、冷蔵、常温、あるいは温蔵に設定された陳列棚の下方の平型ショーケースの設定温度を、アイスクリームなどを貯蔵するのに適した冷凍温度に設定することが可能である。
【0035】
図4に、本発明の異なる収納装置1aの外観を、斜視図を用いて示してある。この収納装置1aでは、平型ショーケース部2の短辺方向Sの側壁20および21から支柱29cおよび30を上方に延ばして、これらの支柱29cおよび30の間に長辺方向Lに延びる仕切り壁55が設けられている。さらに、図5に調整用空気Aの流れと共に示すように、壁55に、供給分岐ダクト41aおよび排気分岐ダクト42aが内蔵されている。このように、平型ショーケース部2の上方に支柱30により支持される仕切り壁55を配置することも可能である。
【0036】
陳列棚3aは、この仕切り壁55の前後に取り付けられており、内部を通る供給分岐ダクト41が仕切り壁55の供給分岐ダクト41aに繋がり、供給分岐ダクト41aから供給された調整用空気Aが表面3uの吹出孔45から上方に吹き出される。一方、本例の陳列棚3aには排気分岐ダクト42が内蔵されておらず、吹き出された調整用空気Aが仕切り壁55に設けられた吸気口56から吸い込まれるようになっている。したがって、収納装置1aにおける空気供給部4は、支柱30の内部を通るダクト31および32と、仕切り壁55の内部を通る供給分岐ダクト41aおよび排気分岐ダクト42aと、陳列棚3aの内部を通る供給分岐ダクト41とを備えている。なお、トップパネル40は支柱29cおよび30により支持されているが、トップパネル自体に平型ショーケース部2に連結された支持部40aが設けられており、この支持部40aがトップパネル40を上方に支持するための補助的な役割を担っている。
【0037】
図6に、仕切り壁55を有する収納装置1bの空気の流れを示している。仕切り壁のない収納装置、例えば、図1を参照しながら説明した収納装置1では、店舗の空調などにより横方向の空気の流れがあると、その方向に破線Dで示すように、陳列棚3aの吹出孔45から吹き出された調整用空気Aが流れ、陳列棚の上で循環する空気量が減る可能性がある。これに対し、中央に長辺方向Lに延びる仕切り壁55があると、横方向の空気の流れを遮断するので、空間10を循環する調整用空気Aの量を確保でき、より効果的に空間10の条件を調整できる。このような機能を発揮する仕切り壁55にはダクトを含ませる必要はなく、透明な壁とすることが可能であり、開放感のあるデザインとすることが可能である。
【0038】
また、図7に、本発明の収納装置のさらに異なる例を示してある。この収納装置1cは、表面3uだけではなく裏面3xにも吹出孔45および吸気孔46を備えた陳列棚3bが用いられている。したがって、1つの陳列棚3bで、その陳列棚3bで仕切られた上下の空間10に調整用空気Aを供給し、また、双方の空間10から吸気することが可能である。このような陳列棚3bを用いた収納装置1cであれば、2つの陳列棚3bの間に調整用空気Aを吸排気しない陳列棚62を設けて2つの空間10aおよび10bに区分けして陳列物を陳列できる。
【0039】
図8に、本発明の収納装置のさらに異なる例を示してある。この収納装置1dでは、壁55から調整用空気Aを空間10に吹き出し、陳列棚3cから調整用空気Aを吸い込むようになっている。この収納装置1dでは、仕切り壁55に設けられた吹出孔45から調整用空気Aを吹出し、陳列棚3cの表面3uに設けられた不図示の吸気孔から調整用空気Aが吸い込まれる。
【0040】
図9に、本発明のさらに異なる収納装置の例を示してある。この収納装置1eでは、陳列棚3が配置されている平型ショーケース2の上方に冷蔵用熱交換器35および冷蔵用ファン36が収納された機械室50が配置されている。この機械室50に収納された熱交換器35は凝縮器であり、平型ショーケース2のベースに配置された機械室49に収納された蒸発器で液化された冷媒を受けて調整用空気Aを生成する。したがって、平型ショーケース2の上方の陳列棚3の横に配置された機械室50は、ベースに配置された機械室49に対して従属する第2の機械室と呼ぶことができる。機械室50に凝縮器やコンプレッサを配置して、ベースの機械室49とは独立した構成にすることも可能である。
【0041】
この第2の機械室50は、平型ショーケース2から立ち上がった支柱30aにより支持されて支柱30aと一体になっている。このため、収納装置1eにおいては、陳列棚3およびクリアトップパネル40が機械室50により支持された構成が採用されている。機械室50は支柱30aと分離した構成とすることも可能である。
【0042】
陳列棚3の近傍に機械室50を配置すると、まず、ベースの機械室49、平型ショーケース内に設けられた調整用空気Aを冷却するための機械室あるいは循環ダクトから陳列棚3に調整用空気Aを供給するダクトを省くことができる。すなわち、第2の機械室50がベースの機械室49に従属している場合は、機械室49および50の間は冷媒Cを導くための冷媒配管57で接続することができる。したがって、支柱30にダクトを沿わせたり、内蔵させる必要がなくなり、配管を支柱30aに沿わせて配置したり、支柱に内蔵させるだけで良い。このため、支柱30を細くすることが可能であり、さらに、開放感のある収納装置を提供できる。さらに、機械室50が独立している場合は、冷媒配管を支柱と共に配置する必要もなくなる。
【0043】
また、機械室50を陳列棚の近傍に配置することにより、平型ショーケース2から冷蔵用の熱交換器35およびファン36を配置していたスペースを省くことができ、平型ショーケース2の貯蔵スペースを広げたり、平型ショーケース2をコンパクトに纏めることができる。
【0044】
なお、空気AおよびBを温度調整するための機構、すなわち、熱交換器、凝縮気、圧縮機などは収納装置1と別ユニットとなっていても良く、また、店舗などにおいては別ユニットで制御された調整用空気Aが店内に設置された収納装置の主ダクトに対して床や天井などから供給されるシステムとすることも可能である。また、支柱30が平型ショーケース部2の貯蔵空間13の内部から上方に延びているようなデザインとすることも可能であるし、平型ショーケース2と支柱が着脱可能なデザインとすることも可能である。そして、陳列棚が支持された支柱を提供し、既存の平型ショーケースに取り付けられる構成とすることも可能である。
【0045】
さらに、陳列棚を挟むように2本の支柱を立て、一方の支柱内に供給ダクトを通し、他方の支柱内に排気ダクトを通したデザインとすることも可能である。このデザインにより、供給ダクトに設けた吹出口から空間に調整用空気Aを吹き出し、排気ダクトに設けた吸気口から排気ダクトに調整用空気Aを吸い込むような構成とすることが可能である。また、支柱にダクトを内蔵する代りに、支柱にダクトを沿わせたものでも良い。さらに、本発明の収納装置は、背面パネルを備えたオープンショーケースのような形態や仕切り壁に陳列棚が支持された形態を省くものではなく、これらの設計事項は全て含まれる。
【0046】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の収納装置においては、陳列棚により仕切られた空間に対して調整用空気を供給し、これらの空間の環境条件を制御可能な複数の陳列棚を平型ショーケースの上方に配置するようにしている。この収納装置により、複数の陳列棚が配置された空間をエアーカーテンを使用せずに目的とする環境に制御できる。したがって、平型ショーケースの上方のスペースにエアーカーテン用の天井部や大型のダクトを含む背面パネルを省いたシンプルな構造の収納装置をデザインできる。このため、平型ショーケースの上方のスペースに、平型ショーケースと同様に、少なくとも2方向からアクセスできるように陳列棚を配置するなどのデザインを採用でき、店舗やイベント会場などに設置して快適な陳列スペースを形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る収納装置の外観を示す斜視図である。
【図2】調整用空気の流れを模式的に示す図である。
【図3】陳列棚に形成された分岐ダクトを示す図である。
【図4】異なる収納装置の外観を示す斜視図である。
【図5】図4に示す収納装置における調整用空気の流れを模式的に示す図である。
【図6】陳列棚から吹き出された調整用空気が吸気孔に吸い込まれる効率を向上した陳列棚を示す図である。
【図7】1つの陳列棚から上下方向に調整用空気が吹き出される収納装置を示す図である。
【図8】仕切り壁から調整用空気が吹き出される収納装置の外観を示す図である。
【図9】冷蔵用の機械室が平型ショーケースの上方に配置された収納装置を示す図である。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c、1d、1e 収納装置
2 平型ショーケース部
3、3a、3b、3c 陳列棚
30、30a 支柱
31 供給ダクト
32 排気ダクト
41 供給分岐ダクト
42 排気分岐ダクト
50 冷蔵用の機械室
A、B 調整用空気
Claims (13)
- 上部が開口となった平型ショーケースの上方に配置された複数段の陳列棚と、
この陳列棚の単位で、その陳列棚により区切られた空間の環境条件を制御するための調整用空気を供給する空気供給手段とを有する収納装置。 - 請求項1において、前記陳列棚は、少なくとも2方向からアクセスできるように配置されている収納装置。
- 請求項1において、前記陳列棚を前記平型ショーケースの上方に支持する支柱を有する収納装置。
- 請求項3において、前記平型ショーケースの上部開口は長方形であり、その短辺の側に前記支柱が配置されており、前記陳列棚は長辺方向と並行に延びている収納装置。
- 請求項4において、前記支柱は前記平型ショーケースの短辺のほぼ中央にある収納装置。
- 請求項4において、前記空気供給手段は、前記支柱内を通る空気の供給および/または排気用の主ダクトを備えている収納装置。
- 請求項4において、前記支柱により前記平型ショーケースの上方に支持された仕切り壁を有し、前記陳列棚はその仕切り壁に取り付けられている収納装置。
- 請求項7において、前記空気供給手段は、前記支柱内を通る空気の供給および/または排気用の主ダクトと、前記仕切り壁の内部を通る、前記主ダクトから分岐した分岐ダクトとを備えている収納装置。
- 請求項6において、前記空気供給手段は、前記陳列棚の内部を通る、前記主ダクトから分岐した分岐ダクトを備えている収納装置。
- 請求項3において、前記空気供給手段は、前記陳列棚に供給する前記調整用空気の条件を調整する機器の少なくとも一部を内蔵した機械室であって、前記支柱に支持された機械室を備えている収納装置。
- 請求項1において、前記陳列棚は、その表面および/または裏面に分布した、前記調整用空気を吹き出す吹出孔、および/または、前記調整用空気を吸い込む吸気孔を備えている収納装置。
- 請求項1において、前記陳列棚の最上方に設置された透明な天井部分を有する収納装置。
- 請求項1において、前記平型ショーケースと、
この平型ショーケースから前記陳列棚を支持するように上方に延びた支柱とを有する収納装置。
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Family Applications (1)
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JP2003057883A Withdrawn JP2004270949A (ja) | 2003-03-05 | 2003-03-05 | 収納装置 |
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-
2003
- 2003-03-05 JP JP2003057883A patent/JP2004270949A/ja not_active Withdrawn
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