JP2004261350A - 収納装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造的な制約が少なく、開放感があると共に収納効率の高い収納装置を提供する。
【解決手段】上下方向に並んで配置された複数段の陳列棚であって、陳列物の環境条件を制御する調整用空気Aを吹出しおよび吸込み可能な陳列棚5と、これらの陳列棚5を支持する支柱3であって、調整用空気Aの給気および排気するダクト14および15を備えた支柱3および4とを有する収納装置1を提供する。調整用空気Aを陳列棚5から上方または下方に吹出すと共に、吹き出した調整用空気Aを陳列棚5から吸い込むことにより、エアーカーテンを用いることなく、陳列物を所望の条件下に維持できる。この方式により、エアーカーテンが不要になり、軽いトップパネル6を採用したり、ダクト14および15を備えた細い支柱3および4で各々の陳列棚5やトップパネル6を支持することが可能になり、構造的な制約がなく、開放感のある収納効率の高い収納装置1を提供できる。
【選択図】 図1
【解決手段】上下方向に並んで配置された複数段の陳列棚であって、陳列物の環境条件を制御する調整用空気Aを吹出しおよび吸込み可能な陳列棚5と、これらの陳列棚5を支持する支柱3であって、調整用空気Aの給気および排気するダクト14および15を備えた支柱3および4とを有する収納装置1を提供する。調整用空気Aを陳列棚5から上方または下方に吹出すと共に、吹き出した調整用空気Aを陳列棚5から吸い込むことにより、エアーカーテンを用いることなく、陳列物を所望の条件下に維持できる。この方式により、エアーカーテンが不要になり、軽いトップパネル6を採用したり、ダクト14および15を備えた細い支柱3および4で各々の陳列棚5やトップパネル6を支持することが可能になり、構造的な制約がなく、開放感のある収納効率の高い収納装置1を提供できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスーパーマーケットなどに設置されるショーケースまたは収納装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどに、商品を陳列または展示するために設置されるショーケースとして、前面にエアーカーテンが形成され、飲料缶などの商品を冷蔵可能なオープンショーケースと称される収納装置が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−345607号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
オープンショーケースでは、ケース前面に、天井部から冷風を下に吹き出すことによりエアーカーテンを形成して、外界と庫内を遮断し、庫内を所望の温度に維持する。このため、冷風を天井部までダクトで供給する必要がある。したがって、下から天井部までエアーカーテンを形成するのに十分な風量の冷風を供給するダクトを配置する必要があり、店舗に設置したときの騒音を防止するために風速をできるだけ低く抑えようとすると断面積の大きなダクトを天井まで設置する必要がある。このため、オープンショーケースは、下から天井部まで太いダクトを配置することが必要であり、そのデザインは限られたものになる。
【0005】
また、天井部は、先端からエアーカーテンを生成できるだけの十分な風量を吹き出す必要があるので、内部に太いダクトを納める必要がある。したがって、天井部は、厚みが大きく、また、ショーケースの陳列棚に対して重く、サイズの大きなものになる。このため、天井部は、デザインとしても目立ち、さらに、ショーケースのフレームは、その重く大きな天井部を支持できるだけの強度が要求される。これに伴って、ショーケースのフレームは、美感もさることながら、強度を優先したデザインを採用せざるを得ない。このため、この点でもオープンショーケースのデザインは限られてしまう。
【0006】
さらに、断面積の大きなダクトを目立たないようにショーケースに設けようとすると、断面を細長くして、壁状にするしかなく、開放感の乏しいデザインとなってしまう。また、商品の貯蔵効率または収納効率も低くなる。
【0007】
そこで、本発明においては、オープンショーケースに適した、さらに開放感がある収納装置を提供することを目的としている。それと共に収納効率が高く、構造的な制限の少ない収納装置を提供することを目的としている。そして、様々なデザインのオープンショーケースを実現することができる収納装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明では、天井から下までエアーカーテンを形成するのではなく、陳列物の環境条件を制御する調整用空気を陳列棚から吹出しおよび/または吸い込み、さらに、その陳列棚を、給排気を行うダクトを備えた支柱で支持する収納装置を提供する。すなわち、本発明の収納装置は、上下方向に並んで配置された複数段の陳列棚であって、陳列物の環境条件を制御する調整用空気を吹出し、および/または吸込み可能な陳列棚と、これらの陳列棚を支持する支柱であって、調整用空気を給気および排気するダクトを備えた支柱とを有する。
【0009】
本発明の収納装置では、陳列棚から調整用空気の吹出しおよび/または吸込みを行うことにより、陳列棚毎に陳列物の保管に適した環境条件を生成する。したがって、天井からエアーカーテンを形成しなくても、陳列棚に陳列された商品などの陳列物を所望の温度や湿度を含む環境条件で展示するができる。このため、天井から膨大な量の冷風を吹き出す必要はなくなる。その結果、まず、天井にダクトを収納する必要はなく、天井を省略することが可能となる。また、天井を設けるとしても、天井をデザインするのにダクトを考慮する必要はなく、様々なデザインの天井を設置できる。例えば、陳列棚と同サイズで軽い天井または天井パネルを採用でき、この天井パネルを支持するフレームまたは支柱も簡易なもので良い。また、天井パネルを透明にすることも可能である。
【0010】
また、陳列棚から調整用空気を吹出したり、吸い込む本発明の方式では、陳列棚により区切られた空間を、陳列棚から吹き出したり吸込んだりする空気により所望の環境条件に維持するものであり、庫内全体を外界からエアーカーテンにより遮断する方式と比較すると風量を小さくできる可能性がある。さらに、上下に並んで配置された陳列棚に環境調整用の空気を順次分配していくので、上方に行くほど給排気する調整用空気の量は少なくなる。したがって、少なくとも上方に配置されるダクト径を小さくすることが可能となり、ダクトの占める面積を小さくできる。このため、ダクトを壁状に広げなくても風量を確保することが可能となり、ダクトを支柱に沿わせて配置したり、ダクトと一体になった支柱を採用することが可能となる。したがって、ダクトを備えた支柱で陳列棚を支持することが可能となる。また、ダクトを備えた支柱で陳列棚を支持することにより、ダクトから陳列棚への調整用空気の分配も可能となる。
【0011】
したがって、本発明の収納装置においては、エアーカーテンを形成するための天井部は不要となり、従来、重く、大きな天井部を配置し、また、その天井部を支持しなければならないという制約がなくなる。さらに、天井部まで膨大な量の冷風を供給する必要がなくなるので、断面積の大きなダクトを天井まで配置しなければならないという制約もなくなる。特に、ダクトを備えた支柱を採用することにより、基本的には、陳列棚と支柱という、環境調節機能のない収納装置とほぼ同じ構成要素で、環境調整機能を備えた収納装置を提供できる。すなわち、本発明の収納装置は、従来のエアーカーテン式のオープンショーケースの構造的な制限をほとんど除くことができ、様々なデザインのオープンショーケースを実現することができる。
【0012】
例えば、重く、大きな天井部を省略できるので、開放的なオープンショーケースを提供できる。さらに、ダクトを支柱に備えさせることにより、ダクトをカバーする背面パネルは不要となり、前後から極めて容易にアクセスできる開放的なショーケースを提供できる。もちろん、上述したように、軽い天井部、透明な天井部、薄い背面パネル、透明な背面パネルなど、ダクトを配置するという制約を受けない天井やパネルを設けることも自由である。そして、天井部やダクトスペースが開放されるので、開放感があると共に収納効率の高い収納装置を提供できる。
【0013】
本発明に含まれる1つのデザインの収納装置は、水平方向に延びた陳列棚の長手方向の少なくとも一方の端が支柱により支持されているものである。陳列棚の端以外は陳列のために全く自由に利用でき、幅方向のどちらからでもアクセスできるので、陳列効率の高い収納装置を提供できる。
【0014】
本発明に含まれる他の1つのデザインの収納装置は、水平方向に延びた陳列棚の幅方向のほぼ中央が支柱により支持されているものである。長手方向の両側に広い陳列スペースを確保することができる。
【0015】
陳列棚は、複数の支柱により支持されていても良く、それらの内の少なくとも1つ以上の支柱がダクトを備えていれば良い。本発明に含まれる他の1つのデザインの収納装置は、陳列棚が1本の支柱により支持されているものである。支柱が少ないので、さらに開放感があり、陳列物にアクセスしやすい。例えば、陳列棚は円盤状をしており、その中心付近を支柱が貫通している収納装置を提供できる。また、陳列棚は扇状をしており、その中心付近の端部に支柱が配置されている収納装置を提供できる。陳列棚は、方形あるいは多角形であってももちろん良い。扇状や非対称的なデザインの陳列棚を用いた収納装置は、店舗の角や、陳列ラインの端に設置するのに適したデザインである。また、対称的なデザインの陳列棚は、スペースの中央に配置するのに適したデザインである。支柱の周囲を回転するように陳列棚を取り付ければ、ユーザが陳列棚を回転させながら商品を選ぶショーケースであって、それぞれの陳列棚には陳列物が所望の環境条件で収納されたショーケースを提供できる。
【0016】
陳列物に対して、より均等に調整用空気を供給するには、陳列棚の表面および/または裏面に分散された複数の調整用空気を吹き出す吹出孔および/または調整用空気を吸込む吸込孔を設けることが望ましい。陳列棚の表面から調整用空気を吹き出したり、吸い込む場合は、その陳列棚に置かれた陳列物を冷蔵、温蔵、加湿、乾燥など様々な条件で収納できる。陳列棚の裏面から調整用空気を吹き出したり、吸込む場合は、下に位置する陳列棚に置かれた陳列物の環境条件を制御できる。
【0017】
支柱のダクトから陳列棚に沿って水平方向に延びる分岐ダクトを設け、この分岐用ダクトから適当なピッチで陳列棚に調整用空気を供給したり、分岐用ダクトから調整用空気を吹出したり、吸込んだりすることも可能である。また、分岐用ダクトを陳列棚に内蔵させることも可能である。
【0018】
本発明の収納装置は、調整用空気を形成する熱交換器などの機器が収納された機械室または機械ユニットを別体として提供することも可能である。また、機械室を最下層の陳列棚の下に配置し、支柱を支持する基礎部分を兼ねて配置することも可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明をさらに詳しく説明する。図1に収納装置の外観を示してある。本例の収納装置1は床置き型のショーケースであり、基礎部分となるベース2と、このベース2から立ち上がった2本の支柱3および4と、これらの支柱3および4に支持されて上下方向に並んだ5段の陳列棚5と、陳列棚5のさらに上方に配置されたクリアトップパネル(天井パネル)6とを有している。また、ベース2の上面2aも陳列するスペース10として用いられるようになっている。この収納装置1では、陳列棚5により区切られた空間10の環境条件を制御するための調整用空気Aを各々の陳列棚5に設けられた吹出孔23から空間10に吹出し、さらに、空間10に吹出した調整用空気Aを陳列棚5に設けられた吸気孔25から吸気することにより、空間10に展示された、または陳列棚5に置かれた陳列物、すなわち商品を所望の条件で保持できる。
【0020】
本例の収納装置1は、上方の3つの陳列棚5aにおいては、それぞれの陳列棚の上側の3つの空間10に調整用空気Aとして温風A1を吹出して商品を温蔵し、下側の2つの陳列棚5bにおいては、それぞれの陳列棚の下側の2つの空間10に調整用空気Aとして冷風A2を吹出して商品を冷蔵するようになっている。この収納装置1では、上から3番目の陳列棚の下の空間には調整用空気Aが供給されず、この空間はほぼ常温に保たれることになる。この空間に対して上下いずれか一方の陳列棚から温風A1あるいは冷風A2を吹出すことも可能である。
【0021】
このように、本例の収納装置1においては、これら陳列棚5aおよび5bにより区切られた各々の空間10に対して適当に調整された調整用の空気を供給することにより、それぞれの空間10の条件を制御できる。なお、最上段の空間10は、最上段の陳列棚5aとクリアトップパネル6に区切られているということもできる。また、本発明においては、収納装置1のそれぞれの空間10は、冷蔵および温蔵に限らず、さらに低温の冷凍に設定することも可能である。冷蔵あるいは温蔵にする場合も、それぞれの陳列棚により区切られた空間、すなわち、陳列棚の上あるいは下の空間に対して温度の異なる冷風あるいは温風を供給することにより、複数の冷蔵あるいは温蔵の条件を設定することも可能である。さらに、空間10を加湿したり、乾燥させるなど異なる湿度に設定したり、空間10に香りのある空気を供給するなど、空間10を温度以外の条件も含めた特定の環境条件に設定させる空気Aを供給することができる。
【0022】
図2に、収納装置1における温風A1の流れを示してあり、図3に収納装置1における冷風A2の流れを示してある。陳列棚5aおよび5bの長手方向Xの両端を支持する2つの支柱3および4の一方の支柱3は陳列棚5aおよび5bに対して温風A1を供給可能なダクト14sと、陳列棚5aおよび5bを介して温風A1を回収可能な排気ダクト14eを備えている。また、他方の支柱4は冷風A2を陳列棚5aおよび5bに供給可能な給気ダクト15sと、陳列棚5aおよび5bを介して冷気A2を回収可能な排気ダクト15eを備えている。これらのダクト14s、14e、15sおよび15eは支柱3および4と共にベース2から立ち上がっており、ベース2に内蔵された機械室18において適当な温度あるいは湿度に調整された調整用の空気Aを上方の陳列棚5aおよび5bに対して給排気する。陳列棚5aおよび5bにおいては、ダンパや取り付け方向などの方法により、支柱3と共に立ち上がった温風用のダクト14sおよび14eと接続するか、支柱4と共に立ち上がった冷風用のダクト15sおよび15eと接続するかを自由に選択できるようになっており、上記の温蔵用の空間と冷蔵用の空間の配置は自由に変えることができる。
【0023】
ベース2に内蔵された機械室18には、温風用の熱交換器11hおよび送風ファン12hとが設置されており、温風A1が給排気ダクト14sおよび14eにより循環して、適切に温度調整された空気A1が陳列棚5aから供給される。また、機械室18には、冷風A2が給排気ダクト15sおよび15eにより循環して、適切に温度調整された空気A2が陳列棚5bから供給される。温風の熱源や、冷風の温度調整用にヒーター13を機械室18に設けることも有効である。また、調整用空気Aの湿度調整用に機械室18に加湿器31を設けることも有効である。
【0024】
支柱3および4に長手方向の端がそれぞれ支持された陳列棚5aおよび5bには、それぞれの支柱3および4に内蔵された供給用のダクト14sおよび15sから温風A1および冷風A2が供給され、陳列棚5aおよび5bに分散して設けられた複数の吹出孔23から空間10に出力される。上側の3つの陳列棚5aは表面51に複数の吹出孔23が分散して形成されており、支柱3に内蔵された給気ダクト14sから供給された温風A1が各々の吹出孔23から上方に吹き出される。これに対し、下方の2つの陳列棚5bは裏面52に複数の吹出孔23が分散して形成されており、支柱4に内蔵された給気ダクト15sから供給された冷風A2が各々の吹出孔23から下方に吹き出される。
【0025】
図4に陳列棚5aの詳細を示してある。陳列棚5aは、長手方向Xに延びた供給分岐ダクト21と排気分岐ダクト22とを内蔵している。支柱3および4の上下方向Zに所定の間隔で設けられた複数の取付孔27のいずれかにフック28を引っ掛け、このフック28に陳列棚5aおよび5bを載せることにより、所望の高さに陳列棚5aおよび5bを簡単に取り付けできる。陳列棚5aを支柱3および4に取り付けるときに、内蔵されたダクトの開口21oおよび22oを支柱3に向け、開口21oを給気ダクト14sの給気口16sと接続し、開口22oを排気ダクト14eの排気口16eに接続する。したがって、温風A1が陳列棚5aの分岐ダクト21および22に給排気され、陳列棚5aの上の空間10を温蔵用のスペースとして利用できるようになる。
【0026】
一方、図5に示すように、陳列棚5bは、それを支柱3および4に取り付けるときに、それぞれのダクトの開口21oおよび22oを支柱4に向け、開口21oを給気ダクト15sの給気口16sと接続し、開口22oを排気ダクト15eの排気口16eに接続する。したがって、冷風A2が陳列棚5bの分岐ダクト21および22に給排気され、陳列棚5bの下の空間10を冷蔵用のスペースとして利用できる。本例の収納装置1においては、下吹出の陳列棚5bを冷蔵用に利用しているが、上吹出しの陳列棚5aを、そのダクトの開口21oおよび22oを支柱4に向け、開口21oを給気ダクト15sの給気口16sと接続し、開口22oを排気ダクト15eの排気口16eに接続することも可能である。この場合は、冷風A2が陳列棚5aの分岐ダクト21および22に給排気され、陳列棚5aから上の空間10に吹出されるので、陳列棚5aの上の空間10を冷蔵用のスペースとして利用できる。同様に、下吹出しの陳列棚5bにより陳列棚5bの下方に温蔵用のスペースを形成できる。陳列物は陳列棚の上に設置されるので、上吹出しの陳列棚5aから上方に冷風を吹出した場合は、陳列棚5aの上方の陳列物を効率良く冷却できる。しかしながら、下吹出しの陳列棚5bにより温風を下に吹出した場合は、吹出し口から下方の陳列物までの距離があり、温蔵効率が低下する可能性がある。したがって、温蔵の場合は上吹出しの陳列棚5aを用いることが望ましい。
【0027】
図4に示すように、陳列棚5aの表面51には、供給分岐ダクト21から調整用空気A(この場合は温風A1)を上方に吹出す複数の吹出孔23が分散して形成されており、分岐ダクト21に繋がっている。したがって、陳列棚5aの上の空間10に陳列された商品(陳列物)に調整用空気Aを均等に供給することができる。さらに、陳列棚5aの表面51の幅方向の中央に一段高くなった一条の突起部24が長手方向Xに延びており、それに沿って調整用空気Aを吸い込む複数の吸込孔25が形成されて、陳列棚内部の排気分岐ダクト22に連通している。したがって、陳列棚5aの表面から調整用空気Aを吸込んで排気できる。このため、陳列棚5aにおいては、調整用空気Aが、表面51のほぼ全面に設けられている吹出孔23から上方の空間10に吹出され、陳列棚表面51の吸込孔25から吸い込まれる。したがって、陳列棚5aの上の空間10に、陳列棚5aの単位で調整用空気Aが循環し、陳列棚5aの上に配置された商品の周囲の環境を所望の条件で維持できる。このため、天井から大量の空気を噴出してエアーカーテンを形成し、複数の陳列棚全体を外界から隔離しなくても陳列棚の上部の空間を冷蔵あるいは温蔵用に利用できる。
【0028】
一方、下吹出しの陳列棚5bは、図5に示すように、その裏面52は、供給分岐ダクト21に供給された調整用空気(この場合は冷風A2)を下方に吹出す複数の吹出孔23が分散して形成されており、分岐ダクト21に繋がっている。したがって、陳列棚5bの下の空間10に陳列された商品(陳列物)に調整用空気Aを均等に供給することができる。さらに、陳列棚5bの表面51の幅方向の中央に一段低くなった一条の突起部24が長手方向Xに延びており、それに沿って調整用空気Aを吸い込む複数の吸込孔25が形成されて、陳列棚内部の排気分岐ダクト22に連通している。したがって、陳列棚5bにおいては、調整用空気Aが、裏面52のほぼ全面に設けられている吹出孔23から下方の空間10に吹出され、下段の陳列棚の裏面52の吸込孔25から吸い込まれる。したがって、この方式であっても、陳列棚5bの下の空間10に陳列棚5bの単位で調整用空気Aが循環し、陳列棚5bの上の空間に配置された商品の周囲の環境を所望の条件で維持できる。このため、天井から大量の空気を噴出してエアーカーテンを形成し、複数の陳列棚全体を外界から隔離しなくても陳列棚の下方の空間を冷蔵あるいは温蔵用に利用できる。なお、陳列棚5bの裏面52に吸込孔25を設けて、上吹出しの陳列棚5aと同様に調整用空気Aの給排気を同一の陳列棚で行うことも可能である。
【0029】
したがって、本例の収納装置1においては、天井からエアーカーテンを形成するために冷気を吹出す必要はない。このため、軽快な天井パネル6を配置できる。本例の収納装置1の天井パネル6は、軽く、薄い陳列棚5とほぼ同じサイズであり、2つの支柱3および4により支持されている。陳列棚5と同程度の天井パネル6により、収納装置全体の一体感があり、全体として軽快で、明るく開放感のあるデザインとなっている。すなわち、収納装置1は、エアーカーテン用のダクトが内蔵された天井部は不要であり、美観や、その他の条件を優先した天井パネルを設置できる。たとえば、本例の天井パネル6は透明な樹脂から形成されており、パネル6に照明手段を取り付けることなく、店舗やイベント会場に設置された照明だけで、陳列物を視認できる収納装置となっている。
【0030】
また、ダクトが内蔵された重い天井部を支持するためには、支柱またはフレームも強度が高いものである必要があり、強度が優先されたデザインとなる。これに対して、収納装置1では、軽いトップパネル6を採用できるので、支柱3および4の強度は低くでき、細く、商品の取り出しや補充の作業性を優先したデザインとすることが可能である。また、本例の収納装置1では、陳列棚5から調整用空気Aを吹出したり、吸い込んだりする方式なので、天井まですべての調整用空気Aを供給する必要はない。したがって、上に行くほどダクトを細くすることも可能となり、この点でも、軽快なデザインの収納装置1を供給できる。特に、ダクト14e、14s、15eおよび15sを細くできるので、壁のようにダクトを広げなくても十分な断面積が確保でき、支柱3および4に沿わせて配置したり、内蔵することが容易となる。
【0031】
したがって、収納装置1に示したように、ダクトが内蔵された細い2本の支柱3および4で各々の陳列棚5を支持する単純な構成でありながら、冷蔵あるいは温蔵機能を備えた収納装置1を提供できる。たとえば、オープンラックと称される事務用の収納装置とほぼ同じ外観で、それぞれの陳列棚に陳列された商品を冷蔵あるいは温蔵できる収納装置を提供できる。陳列棚全体において背面パネルを省くことにより、短手方向の両側から陳列棚の商品にアクセスできるような収納装置を提供することができる。背面パネルを設けても良いが、背面パネルに沿ってダクトを設置するという制限はないので、透明な背面パネルや、部分的に背面を覆うようなパネルなど、さまざまな背面パネルを取り付けることができる。
【0032】
さらに、本発明にかかる収納装置1は、大きな天井部が不要であり、ダクトサイズも小さくできるので、商品の収納スペースを大きく確保でき、収納効率の高い収納装置を提供できるというメリットも備えている。また、調整用空気Aを給排気するダクト14および15は、陳列棚5の一方の端を支持する細い支柱3および4と一体となっている。このため、商品を陳列するスペースまたは庫内の一部を占有することはなく、この点でも商品の収納効率が高くなっている。
【0033】
図6に本発明の実施例となる、上記と異なる収納装置1aを示してある。この収納装置1aは、円柱状のベース2の中央付近から上方に延びた一本の支柱3aを備えており、その支柱3aに給排気用のダクト15sおよび15eが内蔵されている。さらに、収納装置1aは、支柱3aにより中央付近が支持されたディスク状で表面吹出しタイプの複数の陳列棚5dを備えており、その中央付近が支柱3aにより回転可能に支持されている。陳列棚5dの表面51には複数の吹出孔23が分散して配置されており、支柱3aの外側に沿った縁部分に吸込孔25が配置されている。したがって、陳列棚5dの表面全体から吹出された調整用空気Aは、中央の吸込孔25から排気され、陳列棚5dの上側の区画10を温度調整された収納あるいは陳列空間として利用できる。また、円板状のクリアパネル6を備えており、このクリアパネル6も支柱3aにより支持されている。
【0034】
この収納装置1aは、360度の方向から陳列棚5dに配置された商品にアクセスでき、非常に開放感のあるデザインの収納装置1aである。このような全体として対称な陳列棚を備えた収納装置1aは、たとえば、店舗やイベント会場の中央のスペースに設置するのに適したデザインであり、陳列棚5dが支柱3aに対して回転するので顧客が陳列棚5dを回転させて、所望の陳列物を手元に引き寄せることができる。なお、給排気ダクト15sおよび15eは支柱に内蔵する代りに、支柱に沿って配置することが可能である。
【0035】
このように、本発明においては、1本の支柱で陳列棚を支持したデザインの収納棚を提供することも可能である。天井パネル6は省くことも可能であり、収納装置の開放感をさらにアップさせることもできる。また、一本の支柱3aに、温風と冷風の給気ダクトと排気ダクトの両方を内蔵させることも可能であり、上記の収納装置1aにおいて、設定条件の異なる空気Aを供給可能とし、環境条件の異なる複数の空間を形成することも可能である。
【0036】
図7(a)に、本発明の実施例となる、さらに異なる収納装置の概要を示してある。この収納装置1bは、中心角がほぼ90度の扇状をした上吹出し型の複数の陳列棚5eを備えており、陳列棚5eの端部が支柱3aにより支持されている。上記の収納装置1aと同様に支柱3aには冷風を給排気するダクト15sおよび15eが内蔵されており、各々の陳列棚5eの表面51に設けられた吹出孔23から調整用の冷気Aを吹出して陳列棚5eの上に配置された商品を冷蔵できる。
【0037】
このような非対称な収納装置1bは、たとえば、図7(b)に示すように、店舗60のコーナ61や、陳列スペースの端62に設置するのにも適しており、それらのスペースを商品を冷蔵あるいは温蔵しながら展示するスペースとして有効活用できる。
【0038】
図8に、本発明の実施例となるさらに異なる収納装置を示してある。この収納装置1cは、ほぼ正方形の陳列棚5fを複数の支柱3cおよび3dにより支持している。そして、一方の支柱3cに冷風A2を給排気するダクト15sおよび15eが収納されており、陳列棚5fの表面51から冷風Aを吹出して商品を冷蔵した状態で陳列できる。本発明の収納装置には上記の例に限らず、半円状や多角形状などのさまざまな形状の陳列棚を適用できる。また、支柱の形状もさまざまなものが採用でき、円柱、角柱に限らず、湾曲したり、屈曲したり、らせん状に形成された支柱であっても良い。
【0039】
図9および図10に、本発明の実施例となるさらに異なる収納装置の概要を示してある。図9に示した収納装置1dでは、支柱3および4の間に、陳列棚とは別に、独立した横走ダクト(分岐ダクト)29が水平方向Xに掛け渡されており、その表面に吸込孔25が設けられている。この横走ダクト29は支柱4に内蔵された冷風の排気ダクト15eと接続されている。一方、陳列棚5gは、給気ダクト21を内蔵した表面吹出しタイプの陳列棚であり、内蔵ダクト21は支柱4に内蔵された冷風の給気ダクト15sに接続されている。したがって、本例の収納装置1dにおいては、陳列棚5gの表面51から吹出された冷風Aが、陳列棚5gの若干上方に位置する排気ダクト29を介して排気され、陳列棚5の上の空間10の温度を制御する。
【0040】
一方、図10に示す収納装置1eでは、支柱3および4の間に掛け渡された横走ダクト(分岐ダクト)29に複数の吹出孔23が列状に形成されており、支柱4の給気ダクト15sから供給された調整用空気Aがこれらの吹出孔23から吹き出される。陳列棚5hは、その表面51に複数の吸込孔25が分散して配置されており、内部ダクト22は支柱4の排気ダクト15eに接続されている。したがって、陳列棚5hの若干上方から吹出された冷気Aが陳列棚5の表面51から吸込まれて陳列棚5hの上の空間の温度を制御する。
【0041】
このように、陳列棚において調整用空気Aの吹出しおよび吸込みの両方を行っても良く、あるいは、吹出しおよび吸込みのいずれか一方を陳列棚で行い、他方を横走ダクトで行うことも可能である。
【0042】
また、上記の例では、ベース2に、調整用空気を生成する機械室18が内蔵された例を示しているが、機械室18は別ユニットとして提供することも可能であり、また、店舗などにおいては、本発明の収納装置の支柱のダクトに、店内の床下や天井などから調整用空気Aが供給されるシステムとすることも可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明においては、エアーカーテンを形成するのではなく、調整用空気を陳列棚から吹き出したり、吸い込むことにより陳列物の環境条件を制御し、調整用空気の給排気を行うダクトを備えた支柱により陳列棚を支持するようにしている。この収納装置により、エアーカーテンを用いるショーケースの数多くの制約を排除でき、構造的な制限が非常に少ない収納装置を提供できる。したがって、構成要素が支柱と陳列棚といった非常にシンプルで、開放感があると共に収納効率の高い様々な形態の収納装置をデザインでき、店舗やイベント会場などのショーケースを設置する場所にマッチした収納装置をフレキシブルにデザインできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る収納装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す収納装置における温風の流れを模式的に示す図である。
【図3】図1に示す収納装置における冷風の流れを模式的に示す図である。
【図4】陳列棚の構成を部分的に断面を用いて示す図である。
【図5】異なる陳列棚の構成を部分的に断面を用いて示す図である。
【図6】円盤状の陳列棚を用いた収納装置の外観を示す図である。
【図7】図7(a)は扇状の陳列棚を用いた収納装置の外観を示す図、図7(b)はこの収納装置が店舗のコーナーなどに設置するのに適していることを説明するための図である。
【図8】さらに異なる収納装置の外観を示す図である。
【図9】横走ダクトを用いた収納装置を示す図である。
【図10】横走ダクトを用いた、異なる収納装置を示す図である。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c、1d、1e 収納装置
2 機械室
3、3a、3b、4 支柱
5、5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5h 陳列棚
10 空間
14s、15s 供給ダクト
14e、15s 排気ダクト
23 吹出孔
25 吸気孔
29 横走ダクト
A 調整用空気
【発明の属する技術分野】
本発明はスーパーマーケットなどに設置されるショーケースまたは収納装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどに、商品を陳列または展示するために設置されるショーケースとして、前面にエアーカーテンが形成され、飲料缶などの商品を冷蔵可能なオープンショーケースと称される収納装置が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−345607号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
オープンショーケースでは、ケース前面に、天井部から冷風を下に吹き出すことによりエアーカーテンを形成して、外界と庫内を遮断し、庫内を所望の温度に維持する。このため、冷風を天井部までダクトで供給する必要がある。したがって、下から天井部までエアーカーテンを形成するのに十分な風量の冷風を供給するダクトを配置する必要があり、店舗に設置したときの騒音を防止するために風速をできるだけ低く抑えようとすると断面積の大きなダクトを天井まで設置する必要がある。このため、オープンショーケースは、下から天井部まで太いダクトを配置することが必要であり、そのデザインは限られたものになる。
【0005】
また、天井部は、先端からエアーカーテンを生成できるだけの十分な風量を吹き出す必要があるので、内部に太いダクトを納める必要がある。したがって、天井部は、厚みが大きく、また、ショーケースの陳列棚に対して重く、サイズの大きなものになる。このため、天井部は、デザインとしても目立ち、さらに、ショーケースのフレームは、その重く大きな天井部を支持できるだけの強度が要求される。これに伴って、ショーケースのフレームは、美感もさることながら、強度を優先したデザインを採用せざるを得ない。このため、この点でもオープンショーケースのデザインは限られてしまう。
【0006】
さらに、断面積の大きなダクトを目立たないようにショーケースに設けようとすると、断面を細長くして、壁状にするしかなく、開放感の乏しいデザインとなってしまう。また、商品の貯蔵効率または収納効率も低くなる。
【0007】
そこで、本発明においては、オープンショーケースに適した、さらに開放感がある収納装置を提供することを目的としている。それと共に収納効率が高く、構造的な制限の少ない収納装置を提供することを目的としている。そして、様々なデザインのオープンショーケースを実現することができる収納装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明では、天井から下までエアーカーテンを形成するのではなく、陳列物の環境条件を制御する調整用空気を陳列棚から吹出しおよび/または吸い込み、さらに、その陳列棚を、給排気を行うダクトを備えた支柱で支持する収納装置を提供する。すなわち、本発明の収納装置は、上下方向に並んで配置された複数段の陳列棚であって、陳列物の環境条件を制御する調整用空気を吹出し、および/または吸込み可能な陳列棚と、これらの陳列棚を支持する支柱であって、調整用空気を給気および排気するダクトを備えた支柱とを有する。
【0009】
本発明の収納装置では、陳列棚から調整用空気の吹出しおよび/または吸込みを行うことにより、陳列棚毎に陳列物の保管に適した環境条件を生成する。したがって、天井からエアーカーテンを形成しなくても、陳列棚に陳列された商品などの陳列物を所望の温度や湿度を含む環境条件で展示するができる。このため、天井から膨大な量の冷風を吹き出す必要はなくなる。その結果、まず、天井にダクトを収納する必要はなく、天井を省略することが可能となる。また、天井を設けるとしても、天井をデザインするのにダクトを考慮する必要はなく、様々なデザインの天井を設置できる。例えば、陳列棚と同サイズで軽い天井または天井パネルを採用でき、この天井パネルを支持するフレームまたは支柱も簡易なもので良い。また、天井パネルを透明にすることも可能である。
【0010】
また、陳列棚から調整用空気を吹出したり、吸い込む本発明の方式では、陳列棚により区切られた空間を、陳列棚から吹き出したり吸込んだりする空気により所望の環境条件に維持するものであり、庫内全体を外界からエアーカーテンにより遮断する方式と比較すると風量を小さくできる可能性がある。さらに、上下に並んで配置された陳列棚に環境調整用の空気を順次分配していくので、上方に行くほど給排気する調整用空気の量は少なくなる。したがって、少なくとも上方に配置されるダクト径を小さくすることが可能となり、ダクトの占める面積を小さくできる。このため、ダクトを壁状に広げなくても風量を確保することが可能となり、ダクトを支柱に沿わせて配置したり、ダクトと一体になった支柱を採用することが可能となる。したがって、ダクトを備えた支柱で陳列棚を支持することが可能となる。また、ダクトを備えた支柱で陳列棚を支持することにより、ダクトから陳列棚への調整用空気の分配も可能となる。
【0011】
したがって、本発明の収納装置においては、エアーカーテンを形成するための天井部は不要となり、従来、重く、大きな天井部を配置し、また、その天井部を支持しなければならないという制約がなくなる。さらに、天井部まで膨大な量の冷風を供給する必要がなくなるので、断面積の大きなダクトを天井まで配置しなければならないという制約もなくなる。特に、ダクトを備えた支柱を採用することにより、基本的には、陳列棚と支柱という、環境調節機能のない収納装置とほぼ同じ構成要素で、環境調整機能を備えた収納装置を提供できる。すなわち、本発明の収納装置は、従来のエアーカーテン式のオープンショーケースの構造的な制限をほとんど除くことができ、様々なデザインのオープンショーケースを実現することができる。
【0012】
例えば、重く、大きな天井部を省略できるので、開放的なオープンショーケースを提供できる。さらに、ダクトを支柱に備えさせることにより、ダクトをカバーする背面パネルは不要となり、前後から極めて容易にアクセスできる開放的なショーケースを提供できる。もちろん、上述したように、軽い天井部、透明な天井部、薄い背面パネル、透明な背面パネルなど、ダクトを配置するという制約を受けない天井やパネルを設けることも自由である。そして、天井部やダクトスペースが開放されるので、開放感があると共に収納効率の高い収納装置を提供できる。
【0013】
本発明に含まれる1つのデザインの収納装置は、水平方向に延びた陳列棚の長手方向の少なくとも一方の端が支柱により支持されているものである。陳列棚の端以外は陳列のために全く自由に利用でき、幅方向のどちらからでもアクセスできるので、陳列効率の高い収納装置を提供できる。
【0014】
本発明に含まれる他の1つのデザインの収納装置は、水平方向に延びた陳列棚の幅方向のほぼ中央が支柱により支持されているものである。長手方向の両側に広い陳列スペースを確保することができる。
【0015】
陳列棚は、複数の支柱により支持されていても良く、それらの内の少なくとも1つ以上の支柱がダクトを備えていれば良い。本発明に含まれる他の1つのデザインの収納装置は、陳列棚が1本の支柱により支持されているものである。支柱が少ないので、さらに開放感があり、陳列物にアクセスしやすい。例えば、陳列棚は円盤状をしており、その中心付近を支柱が貫通している収納装置を提供できる。また、陳列棚は扇状をしており、その中心付近の端部に支柱が配置されている収納装置を提供できる。陳列棚は、方形あるいは多角形であってももちろん良い。扇状や非対称的なデザインの陳列棚を用いた収納装置は、店舗の角や、陳列ラインの端に設置するのに適したデザインである。また、対称的なデザインの陳列棚は、スペースの中央に配置するのに適したデザインである。支柱の周囲を回転するように陳列棚を取り付ければ、ユーザが陳列棚を回転させながら商品を選ぶショーケースであって、それぞれの陳列棚には陳列物が所望の環境条件で収納されたショーケースを提供できる。
【0016】
陳列物に対して、より均等に調整用空気を供給するには、陳列棚の表面および/または裏面に分散された複数の調整用空気を吹き出す吹出孔および/または調整用空気を吸込む吸込孔を設けることが望ましい。陳列棚の表面から調整用空気を吹き出したり、吸い込む場合は、その陳列棚に置かれた陳列物を冷蔵、温蔵、加湿、乾燥など様々な条件で収納できる。陳列棚の裏面から調整用空気を吹き出したり、吸込む場合は、下に位置する陳列棚に置かれた陳列物の環境条件を制御できる。
【0017】
支柱のダクトから陳列棚に沿って水平方向に延びる分岐ダクトを設け、この分岐用ダクトから適当なピッチで陳列棚に調整用空気を供給したり、分岐用ダクトから調整用空気を吹出したり、吸込んだりすることも可能である。また、分岐用ダクトを陳列棚に内蔵させることも可能である。
【0018】
本発明の収納装置は、調整用空気を形成する熱交換器などの機器が収納された機械室または機械ユニットを別体として提供することも可能である。また、機械室を最下層の陳列棚の下に配置し、支柱を支持する基礎部分を兼ねて配置することも可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、本発明をさらに詳しく説明する。図1に収納装置の外観を示してある。本例の収納装置1は床置き型のショーケースであり、基礎部分となるベース2と、このベース2から立ち上がった2本の支柱3および4と、これらの支柱3および4に支持されて上下方向に並んだ5段の陳列棚5と、陳列棚5のさらに上方に配置されたクリアトップパネル(天井パネル)6とを有している。また、ベース2の上面2aも陳列するスペース10として用いられるようになっている。この収納装置1では、陳列棚5により区切られた空間10の環境条件を制御するための調整用空気Aを各々の陳列棚5に設けられた吹出孔23から空間10に吹出し、さらに、空間10に吹出した調整用空気Aを陳列棚5に設けられた吸気孔25から吸気することにより、空間10に展示された、または陳列棚5に置かれた陳列物、すなわち商品を所望の条件で保持できる。
【0020】
本例の収納装置1は、上方の3つの陳列棚5aにおいては、それぞれの陳列棚の上側の3つの空間10に調整用空気Aとして温風A1を吹出して商品を温蔵し、下側の2つの陳列棚5bにおいては、それぞれの陳列棚の下側の2つの空間10に調整用空気Aとして冷風A2を吹出して商品を冷蔵するようになっている。この収納装置1では、上から3番目の陳列棚の下の空間には調整用空気Aが供給されず、この空間はほぼ常温に保たれることになる。この空間に対して上下いずれか一方の陳列棚から温風A1あるいは冷風A2を吹出すことも可能である。
【0021】
このように、本例の収納装置1においては、これら陳列棚5aおよび5bにより区切られた各々の空間10に対して適当に調整された調整用の空気を供給することにより、それぞれの空間10の条件を制御できる。なお、最上段の空間10は、最上段の陳列棚5aとクリアトップパネル6に区切られているということもできる。また、本発明においては、収納装置1のそれぞれの空間10は、冷蔵および温蔵に限らず、さらに低温の冷凍に設定することも可能である。冷蔵あるいは温蔵にする場合も、それぞれの陳列棚により区切られた空間、すなわち、陳列棚の上あるいは下の空間に対して温度の異なる冷風あるいは温風を供給することにより、複数の冷蔵あるいは温蔵の条件を設定することも可能である。さらに、空間10を加湿したり、乾燥させるなど異なる湿度に設定したり、空間10に香りのある空気を供給するなど、空間10を温度以外の条件も含めた特定の環境条件に設定させる空気Aを供給することができる。
【0022】
図2に、収納装置1における温風A1の流れを示してあり、図3に収納装置1における冷風A2の流れを示してある。陳列棚5aおよび5bの長手方向Xの両端を支持する2つの支柱3および4の一方の支柱3は陳列棚5aおよび5bに対して温風A1を供給可能なダクト14sと、陳列棚5aおよび5bを介して温風A1を回収可能な排気ダクト14eを備えている。また、他方の支柱4は冷風A2を陳列棚5aおよび5bに供給可能な給気ダクト15sと、陳列棚5aおよび5bを介して冷気A2を回収可能な排気ダクト15eを備えている。これらのダクト14s、14e、15sおよび15eは支柱3および4と共にベース2から立ち上がっており、ベース2に内蔵された機械室18において適当な温度あるいは湿度に調整された調整用の空気Aを上方の陳列棚5aおよび5bに対して給排気する。陳列棚5aおよび5bにおいては、ダンパや取り付け方向などの方法により、支柱3と共に立ち上がった温風用のダクト14sおよび14eと接続するか、支柱4と共に立ち上がった冷風用のダクト15sおよび15eと接続するかを自由に選択できるようになっており、上記の温蔵用の空間と冷蔵用の空間の配置は自由に変えることができる。
【0023】
ベース2に内蔵された機械室18には、温風用の熱交換器11hおよび送風ファン12hとが設置されており、温風A1が給排気ダクト14sおよび14eにより循環して、適切に温度調整された空気A1が陳列棚5aから供給される。また、機械室18には、冷風A2が給排気ダクト15sおよび15eにより循環して、適切に温度調整された空気A2が陳列棚5bから供給される。温風の熱源や、冷風の温度調整用にヒーター13を機械室18に設けることも有効である。また、調整用空気Aの湿度調整用に機械室18に加湿器31を設けることも有効である。
【0024】
支柱3および4に長手方向の端がそれぞれ支持された陳列棚5aおよび5bには、それぞれの支柱3および4に内蔵された供給用のダクト14sおよび15sから温風A1および冷風A2が供給され、陳列棚5aおよび5bに分散して設けられた複数の吹出孔23から空間10に出力される。上側の3つの陳列棚5aは表面51に複数の吹出孔23が分散して形成されており、支柱3に内蔵された給気ダクト14sから供給された温風A1が各々の吹出孔23から上方に吹き出される。これに対し、下方の2つの陳列棚5bは裏面52に複数の吹出孔23が分散して形成されており、支柱4に内蔵された給気ダクト15sから供給された冷風A2が各々の吹出孔23から下方に吹き出される。
【0025】
図4に陳列棚5aの詳細を示してある。陳列棚5aは、長手方向Xに延びた供給分岐ダクト21と排気分岐ダクト22とを内蔵している。支柱3および4の上下方向Zに所定の間隔で設けられた複数の取付孔27のいずれかにフック28を引っ掛け、このフック28に陳列棚5aおよび5bを載せることにより、所望の高さに陳列棚5aおよび5bを簡単に取り付けできる。陳列棚5aを支柱3および4に取り付けるときに、内蔵されたダクトの開口21oおよび22oを支柱3に向け、開口21oを給気ダクト14sの給気口16sと接続し、開口22oを排気ダクト14eの排気口16eに接続する。したがって、温風A1が陳列棚5aの分岐ダクト21および22に給排気され、陳列棚5aの上の空間10を温蔵用のスペースとして利用できるようになる。
【0026】
一方、図5に示すように、陳列棚5bは、それを支柱3および4に取り付けるときに、それぞれのダクトの開口21oおよび22oを支柱4に向け、開口21oを給気ダクト15sの給気口16sと接続し、開口22oを排気ダクト15eの排気口16eに接続する。したがって、冷風A2が陳列棚5bの分岐ダクト21および22に給排気され、陳列棚5bの下の空間10を冷蔵用のスペースとして利用できる。本例の収納装置1においては、下吹出の陳列棚5bを冷蔵用に利用しているが、上吹出しの陳列棚5aを、そのダクトの開口21oおよび22oを支柱4に向け、開口21oを給気ダクト15sの給気口16sと接続し、開口22oを排気ダクト15eの排気口16eに接続することも可能である。この場合は、冷風A2が陳列棚5aの分岐ダクト21および22に給排気され、陳列棚5aから上の空間10に吹出されるので、陳列棚5aの上の空間10を冷蔵用のスペースとして利用できる。同様に、下吹出しの陳列棚5bにより陳列棚5bの下方に温蔵用のスペースを形成できる。陳列物は陳列棚の上に設置されるので、上吹出しの陳列棚5aから上方に冷風を吹出した場合は、陳列棚5aの上方の陳列物を効率良く冷却できる。しかしながら、下吹出しの陳列棚5bにより温風を下に吹出した場合は、吹出し口から下方の陳列物までの距離があり、温蔵効率が低下する可能性がある。したがって、温蔵の場合は上吹出しの陳列棚5aを用いることが望ましい。
【0027】
図4に示すように、陳列棚5aの表面51には、供給分岐ダクト21から調整用空気A(この場合は温風A1)を上方に吹出す複数の吹出孔23が分散して形成されており、分岐ダクト21に繋がっている。したがって、陳列棚5aの上の空間10に陳列された商品(陳列物)に調整用空気Aを均等に供給することができる。さらに、陳列棚5aの表面51の幅方向の中央に一段高くなった一条の突起部24が長手方向Xに延びており、それに沿って調整用空気Aを吸い込む複数の吸込孔25が形成されて、陳列棚内部の排気分岐ダクト22に連通している。したがって、陳列棚5aの表面から調整用空気Aを吸込んで排気できる。このため、陳列棚5aにおいては、調整用空気Aが、表面51のほぼ全面に設けられている吹出孔23から上方の空間10に吹出され、陳列棚表面51の吸込孔25から吸い込まれる。したがって、陳列棚5aの上の空間10に、陳列棚5aの単位で調整用空気Aが循環し、陳列棚5aの上に配置された商品の周囲の環境を所望の条件で維持できる。このため、天井から大量の空気を噴出してエアーカーテンを形成し、複数の陳列棚全体を外界から隔離しなくても陳列棚の上部の空間を冷蔵あるいは温蔵用に利用できる。
【0028】
一方、下吹出しの陳列棚5bは、図5に示すように、その裏面52は、供給分岐ダクト21に供給された調整用空気(この場合は冷風A2)を下方に吹出す複数の吹出孔23が分散して形成されており、分岐ダクト21に繋がっている。したがって、陳列棚5bの下の空間10に陳列された商品(陳列物)に調整用空気Aを均等に供給することができる。さらに、陳列棚5bの表面51の幅方向の中央に一段低くなった一条の突起部24が長手方向Xに延びており、それに沿って調整用空気Aを吸い込む複数の吸込孔25が形成されて、陳列棚内部の排気分岐ダクト22に連通している。したがって、陳列棚5bにおいては、調整用空気Aが、裏面52のほぼ全面に設けられている吹出孔23から下方の空間10に吹出され、下段の陳列棚の裏面52の吸込孔25から吸い込まれる。したがって、この方式であっても、陳列棚5bの下の空間10に陳列棚5bの単位で調整用空気Aが循環し、陳列棚5bの上の空間に配置された商品の周囲の環境を所望の条件で維持できる。このため、天井から大量の空気を噴出してエアーカーテンを形成し、複数の陳列棚全体を外界から隔離しなくても陳列棚の下方の空間を冷蔵あるいは温蔵用に利用できる。なお、陳列棚5bの裏面52に吸込孔25を設けて、上吹出しの陳列棚5aと同様に調整用空気Aの給排気を同一の陳列棚で行うことも可能である。
【0029】
したがって、本例の収納装置1においては、天井からエアーカーテンを形成するために冷気を吹出す必要はない。このため、軽快な天井パネル6を配置できる。本例の収納装置1の天井パネル6は、軽く、薄い陳列棚5とほぼ同じサイズであり、2つの支柱3および4により支持されている。陳列棚5と同程度の天井パネル6により、収納装置全体の一体感があり、全体として軽快で、明るく開放感のあるデザインとなっている。すなわち、収納装置1は、エアーカーテン用のダクトが内蔵された天井部は不要であり、美観や、その他の条件を優先した天井パネルを設置できる。たとえば、本例の天井パネル6は透明な樹脂から形成されており、パネル6に照明手段を取り付けることなく、店舗やイベント会場に設置された照明だけで、陳列物を視認できる収納装置となっている。
【0030】
また、ダクトが内蔵された重い天井部を支持するためには、支柱またはフレームも強度が高いものである必要があり、強度が優先されたデザインとなる。これに対して、収納装置1では、軽いトップパネル6を採用できるので、支柱3および4の強度は低くでき、細く、商品の取り出しや補充の作業性を優先したデザインとすることが可能である。また、本例の収納装置1では、陳列棚5から調整用空気Aを吹出したり、吸い込んだりする方式なので、天井まですべての調整用空気Aを供給する必要はない。したがって、上に行くほどダクトを細くすることも可能となり、この点でも、軽快なデザインの収納装置1を供給できる。特に、ダクト14e、14s、15eおよび15sを細くできるので、壁のようにダクトを広げなくても十分な断面積が確保でき、支柱3および4に沿わせて配置したり、内蔵することが容易となる。
【0031】
したがって、収納装置1に示したように、ダクトが内蔵された細い2本の支柱3および4で各々の陳列棚5を支持する単純な構成でありながら、冷蔵あるいは温蔵機能を備えた収納装置1を提供できる。たとえば、オープンラックと称される事務用の収納装置とほぼ同じ外観で、それぞれの陳列棚に陳列された商品を冷蔵あるいは温蔵できる収納装置を提供できる。陳列棚全体において背面パネルを省くことにより、短手方向の両側から陳列棚の商品にアクセスできるような収納装置を提供することができる。背面パネルを設けても良いが、背面パネルに沿ってダクトを設置するという制限はないので、透明な背面パネルや、部分的に背面を覆うようなパネルなど、さまざまな背面パネルを取り付けることができる。
【0032】
さらに、本発明にかかる収納装置1は、大きな天井部が不要であり、ダクトサイズも小さくできるので、商品の収納スペースを大きく確保でき、収納効率の高い収納装置を提供できるというメリットも備えている。また、調整用空気Aを給排気するダクト14および15は、陳列棚5の一方の端を支持する細い支柱3および4と一体となっている。このため、商品を陳列するスペースまたは庫内の一部を占有することはなく、この点でも商品の収納効率が高くなっている。
【0033】
図6に本発明の実施例となる、上記と異なる収納装置1aを示してある。この収納装置1aは、円柱状のベース2の中央付近から上方に延びた一本の支柱3aを備えており、その支柱3aに給排気用のダクト15sおよび15eが内蔵されている。さらに、収納装置1aは、支柱3aにより中央付近が支持されたディスク状で表面吹出しタイプの複数の陳列棚5dを備えており、その中央付近が支柱3aにより回転可能に支持されている。陳列棚5dの表面51には複数の吹出孔23が分散して配置されており、支柱3aの外側に沿った縁部分に吸込孔25が配置されている。したがって、陳列棚5dの表面全体から吹出された調整用空気Aは、中央の吸込孔25から排気され、陳列棚5dの上側の区画10を温度調整された収納あるいは陳列空間として利用できる。また、円板状のクリアパネル6を備えており、このクリアパネル6も支柱3aにより支持されている。
【0034】
この収納装置1aは、360度の方向から陳列棚5dに配置された商品にアクセスでき、非常に開放感のあるデザインの収納装置1aである。このような全体として対称な陳列棚を備えた収納装置1aは、たとえば、店舗やイベント会場の中央のスペースに設置するのに適したデザインであり、陳列棚5dが支柱3aに対して回転するので顧客が陳列棚5dを回転させて、所望の陳列物を手元に引き寄せることができる。なお、給排気ダクト15sおよび15eは支柱に内蔵する代りに、支柱に沿って配置することが可能である。
【0035】
このように、本発明においては、1本の支柱で陳列棚を支持したデザインの収納棚を提供することも可能である。天井パネル6は省くことも可能であり、収納装置の開放感をさらにアップさせることもできる。また、一本の支柱3aに、温風と冷風の給気ダクトと排気ダクトの両方を内蔵させることも可能であり、上記の収納装置1aにおいて、設定条件の異なる空気Aを供給可能とし、環境条件の異なる複数の空間を形成することも可能である。
【0036】
図7(a)に、本発明の実施例となる、さらに異なる収納装置の概要を示してある。この収納装置1bは、中心角がほぼ90度の扇状をした上吹出し型の複数の陳列棚5eを備えており、陳列棚5eの端部が支柱3aにより支持されている。上記の収納装置1aと同様に支柱3aには冷風を給排気するダクト15sおよび15eが内蔵されており、各々の陳列棚5eの表面51に設けられた吹出孔23から調整用の冷気Aを吹出して陳列棚5eの上に配置された商品を冷蔵できる。
【0037】
このような非対称な収納装置1bは、たとえば、図7(b)に示すように、店舗60のコーナ61や、陳列スペースの端62に設置するのにも適しており、それらのスペースを商品を冷蔵あるいは温蔵しながら展示するスペースとして有効活用できる。
【0038】
図8に、本発明の実施例となるさらに異なる収納装置を示してある。この収納装置1cは、ほぼ正方形の陳列棚5fを複数の支柱3cおよび3dにより支持している。そして、一方の支柱3cに冷風A2を給排気するダクト15sおよび15eが収納されており、陳列棚5fの表面51から冷風Aを吹出して商品を冷蔵した状態で陳列できる。本発明の収納装置には上記の例に限らず、半円状や多角形状などのさまざまな形状の陳列棚を適用できる。また、支柱の形状もさまざまなものが採用でき、円柱、角柱に限らず、湾曲したり、屈曲したり、らせん状に形成された支柱であっても良い。
【0039】
図9および図10に、本発明の実施例となるさらに異なる収納装置の概要を示してある。図9に示した収納装置1dでは、支柱3および4の間に、陳列棚とは別に、独立した横走ダクト(分岐ダクト)29が水平方向Xに掛け渡されており、その表面に吸込孔25が設けられている。この横走ダクト29は支柱4に内蔵された冷風の排気ダクト15eと接続されている。一方、陳列棚5gは、給気ダクト21を内蔵した表面吹出しタイプの陳列棚であり、内蔵ダクト21は支柱4に内蔵された冷風の給気ダクト15sに接続されている。したがって、本例の収納装置1dにおいては、陳列棚5gの表面51から吹出された冷風Aが、陳列棚5gの若干上方に位置する排気ダクト29を介して排気され、陳列棚5の上の空間10の温度を制御する。
【0040】
一方、図10に示す収納装置1eでは、支柱3および4の間に掛け渡された横走ダクト(分岐ダクト)29に複数の吹出孔23が列状に形成されており、支柱4の給気ダクト15sから供給された調整用空気Aがこれらの吹出孔23から吹き出される。陳列棚5hは、その表面51に複数の吸込孔25が分散して配置されており、内部ダクト22は支柱4の排気ダクト15eに接続されている。したがって、陳列棚5hの若干上方から吹出された冷気Aが陳列棚5の表面51から吸込まれて陳列棚5hの上の空間の温度を制御する。
【0041】
このように、陳列棚において調整用空気Aの吹出しおよび吸込みの両方を行っても良く、あるいは、吹出しおよび吸込みのいずれか一方を陳列棚で行い、他方を横走ダクトで行うことも可能である。
【0042】
また、上記の例では、ベース2に、調整用空気を生成する機械室18が内蔵された例を示しているが、機械室18は別ユニットとして提供することも可能であり、また、店舗などにおいては、本発明の収納装置の支柱のダクトに、店内の床下や天井などから調整用空気Aが供給されるシステムとすることも可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明においては、エアーカーテンを形成するのではなく、調整用空気を陳列棚から吹き出したり、吸い込むことにより陳列物の環境条件を制御し、調整用空気の給排気を行うダクトを備えた支柱により陳列棚を支持するようにしている。この収納装置により、エアーカーテンを用いるショーケースの数多くの制約を排除でき、構造的な制限が非常に少ない収納装置を提供できる。したがって、構成要素が支柱と陳列棚といった非常にシンプルで、開放感があると共に収納効率の高い様々な形態の収納装置をデザインでき、店舗やイベント会場などのショーケースを設置する場所にマッチした収納装置をフレキシブルにデザインできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る収納装置の外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示す収納装置における温風の流れを模式的に示す図である。
【図3】図1に示す収納装置における冷風の流れを模式的に示す図である。
【図4】陳列棚の構成を部分的に断面を用いて示す図である。
【図5】異なる陳列棚の構成を部分的に断面を用いて示す図である。
【図6】円盤状の陳列棚を用いた収納装置の外観を示す図である。
【図7】図7(a)は扇状の陳列棚を用いた収納装置の外観を示す図、図7(b)はこの収納装置が店舗のコーナーなどに設置するのに適していることを説明するための図である。
【図8】さらに異なる収納装置の外観を示す図である。
【図9】横走ダクトを用いた収納装置を示す図である。
【図10】横走ダクトを用いた、異なる収納装置を示す図である。
【符号の説明】
1、1a、1b、1c、1d、1e 収納装置
2 機械室
3、3a、3b、4 支柱
5、5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5h 陳列棚
10 空間
14s、15s 供給ダクト
14e、15s 排気ダクト
23 吹出孔
25 吸気孔
29 横走ダクト
A 調整用空気
Claims (11)
- 上下方向に並んで配置された複数段の陳列棚であって、陳列物の環境条件を制御する調整用空気を吹出し、および/または吸込み可能な陳列棚と、
これらの陳列棚を支持する支柱であって、前記調整用空気を給気および排気するダクトを備えた支柱とを有する収納装置。 - 請求項1において、水平方向に延びた前記陳列棚の長手方向の少なくとも一方の端が前記支柱により支持されている収納装置。
- 請求項1において、水平方向に延びた前記陳列棚の幅方向のほぼ中央が前記支柱により支持されている収納装置。
- 請求項1において、前記陳列棚は1本の前記支柱により支持されている収納装置。
- 請求項4において、前記陳列棚は円盤状をしており、その中心付近を前記支柱が貫通している収納装置。
- 請求項4において、前記陳列棚は扇状をしており、その中心付近の端部に前記支柱が配置されている収納装置。
- 請求項1において、前記陳列棚は、当該陳列棚の表面および/または裏面に分散された複数の前記調整用空気を吹き出す吹出孔および/または前記調整用空気を吸込む吸込孔を備えている収納装置。
- 請求項1において、前記支柱のダクトから水平方向に延びる分岐ダクトを有する収納装置。
- 請求項1において、最上段の前記陳列棚の上方に配置された天井パネルを有する収納装置。
- 請求項9において、前記天井パネルは透明である収納装置。
- 請求項1において、前記調整用空気を形成する機械室を有しており、この機械室から前記支柱が上方に延びている収納装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003054367A JP2004261350A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 収納装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003054367A JP2004261350A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 収納装置 |
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JP2004261350A true JP2004261350A (ja) | 2004-09-24 |
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ID=33118725
Family Applications (1)
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JP2003054367A Pending JP2004261350A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 収納装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004261350A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024079589A1 (en) * | 2022-10-10 | 2024-04-18 | Crd Lamiere S.R.L. | Display apparatus for fruit and vegetable items |
-
2003
- 2003-02-28 JP JP2003054367A patent/JP2004261350A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2024079589A1 (en) * | 2022-10-10 | 2024-04-18 | Crd Lamiere S.R.L. | Display apparatus for fruit and vegetable items |
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