JP2004270735A - 気体ばね式除振装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】気体通路41によって、アイソレータ2とは別体に設けた補助タンク容積室13と気体ばねの気体室26とを連通させるとともに、補助タンク容積室13と気体ばねの気体室26とを連通した効果が損なわれないように気体通路41内の気体の移動を許容し、且つ、気体通路41や補助タンク容積室13に生じる共振の影響を最も減少させることができる吸音材40を、気体ばねの気体室26に臨む気体通路41の出口に配設する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被支持体を気体ばねにより弾性的に支持するとともに、該気体ばねの気体室にその容積を増大させるための容積室を付加した気体ばね式除振装置に関し、特に、その容積室等に生じる気体の共振の影響を低減するための構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、被支持体を弾性的に支持するとともに、床からの振動の伝達を防止する支持体として、気体ばねを用いた気体ばね式除振装置が知られている。例えば、特許文献1に記載のものでは、ダイヤフラム形の気体ばねを使用した除振装置のピストンにジンバル機構を組み込んで、被支持体と基礎との間の水平方向変位をピストンの揺動に変換することにより、上下方向のみならず、水平方向についても優れた除振性能が得られるようにしている。
【0003】
前記のような気体ばね式除振装置において、気体ばねによる上下方向の除振性能を向上させるためには、その固有振動数を低くする必要があり、そのためには気体ばねの気体室の容積を増大させて、ばね定数を小さくすることが有効である。しかし、実際には、機器のスペースの関係上、気体ばね自身の気体室の容積を増大させることが難しい場合が多いため、気体室に連通する補助タンクや補助配管を別途設けることにより、気体室の容積を増大させて、気体ばねの除振性能を向上させている。
【0004】
【特許文献1】
特公昭62−7409号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のように気体ばねに補助タンク等を接続した場合には、例えば、気体ばねの気体室と補助タンクとを連通している気体通路と、該補助タンクとによってヘルムホルツ型共鳴器が構成されることになり、その共振点付近で気体ばねの振動伝達率が悪影響を受けて、特にその反共鳴が気体ばねの除振性能向上の妨げになるという問題があった。
【0006】
なお、気体通路を設けずに直接、気体室と容積室とを連通させた場合、その容積室の形状によっては気柱共鳴が生じることがあり、こうなると、前記ヘルムホルツ型共鳴器と同様に、気体ばねの除振性能を阻害する虞れがある。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、補助タンクや補助配管等の容積室を気体ばねの気体室に付加することにより気体ばねの固有振動数を低くするとともに、その容積室や気体通路において生じる共振の影響を減少させて、気体ばね式除振装置の性能を向上させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の解決手段では、気体ばねの気体室とこれに付加する容積室との間に、所定の吸音特性を有する吸音材を配設することにより、共振の影響を低減するようにした。
【0009】
具体的には、請求項1の発明では、基礎に対して被支持体を気体ばねにより弾性的に支持するとともに、該気体ばねの気体室にその容積を増大させるための容積室を付加してなる気体ばね式除振装置において、
前記気体室と前記容積室との間に配設され、その間の気体の移動を許容するとともに、これに伴い少なくとも該容積室に生じる気体の共振を減衰させる吸音材を備えることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、気体ばねの気体室に容積室を付加することにより、該気体室の容積を増大して、その気体ばねの固有振動数を低くすることができるとともに、少なくとも容積室に生じる共振の影響を吸音材により減少させることができ、これにより、共振による気体ばねの振動伝達率の増大を抑えて、その除振性能を向上させることができる。
【0011】
請求項2の発明では、気体ばねの気体室と容積室とが気体通路により連通されている場合に、吸音材の吸音特性を、前記気体室と容積室とその間の気体通路とにより構成されるヘルムホルツ型共鳴器の共鳴周波数において、該共鳴器の反共鳴による気体ばねの振動伝達率の増加量を略2/3以下に抑えるように設定したことを特徴とする。
【0012】
これにより、気体ばねの気体室、気体通路及び容積室におけるヘルムホルツ型共鳴の影響を吸音材によって十分に減少させ、該ヘルムホルツ型共鳴器の反共鳴による気体ばねの振動伝達率の増加量を略2/3以下に抑えることができる。そのため、請求項1の発明の作用効果がさらに高くなる。
【0013】
請求項3の発明では、吸音材として穴あき板を用い、その吸音周波数fが、該吸音材の穴直径dと、開口率γと、厚さtと、気体ばねの背後気体層の距離Zと、音速Cとを用いて
【0014】
【数1】
【0015】
と表される場合に、
前記吸音周波数fが、前記気体室と容積室とその間の気体通路とにより構成されるヘルムホルツ型共鳴器の共鳴周波数f0と略等しくなるように、前記d、γ、t及びZを設定したことを特徴とする。
【0016】
これにより、吸音材である穴あき板による吸音効果の最も高い吸音周波数fが、ヘルムホルツ型共鳴器による振動エネルギーが最大になる共鳴周波数f0と略等しくなるため、前記穴あき板はヘルムホルツ型共鳴による気体の振動エネルギーを最も効果的に吸収するようになる。つまり、ヘルムホルツ型共鳴器の共鳴周波数と吸音材の吸音周波数とが等しくなるように選定した吸音材を用いることにより、ヘルムホルツ型共鳴の影響を最大限に効果的に軽減することができる。
【0017】
請求項4の発明では、気体ばねの気体室と容積室とが直接、連通されている場合に、吸音材の吸音特性を、前記容積室に生じる気柱共鳴の共鳴周波数において気体ばねの振動伝達率の増加量を略2/3以下に抑えるように設定したことを特徴とする。
【0018】
このことにより、気体ばねの気体室に容積室を直接、連通させたものにおいて容積室に気柱共鳴が生じたとしても、気体室と容積室との間に所定の吸音材を配設することによって、気柱共鳴の影響を効果的に軽減できるという請求項2記載の発明と同様の作用効果が得られる。
【0019】
請求項5の発明では、吸音材として穴あき板を用い、その吸音周波数fが、該吸音材の穴直径dと、開口率γと、厚さtと、気体ばねの背後気体層の距離Zと、音速Cとを用いて
【0020】
【数1】
【0021】
と表される場合に、
前記吸音周波数fが、容積室に生じる気柱共鳴の共鳴周波数f1と略等しくなるように、前記d、γ、t及びZを設定したことを特徴とする。
【0022】
これにより、気体ばねの気体室に容積室を直接、連通させた場合に該容積室に生じる気柱共鳴の影響に関しても、その共鳴周波数と吸音材の吸音周波数とが等しくなるような吸音材を選定することにより、請求項3記載の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0023】
請求項6の発明では、前記請求項2又は3のいずれかの発明に係る気体ばね式除振装置において、吸音材を、気体室に臨む気体通路の開口端を塞ぐように配設するものとし、また、請求項7の発明では、前記請求項4又は5のいずれかの発明に係る気体ばね式除振装置において、吸音材を、気体室に臨む容積室の開口端を塞ぐように配設するものとする。
【0024】
この構成によれば、気体室に臨む開口部を塞ぐように配設した吸音材によってヘルムホルツ型共鳴や気柱共鳴の影響をより効果的に軽減することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0026】
(実施形態1)
図1は、本発明に係る気体ばね式除振装置Aの一例を示し、この除振装置は、例えば、図示しない半導体製造装置、電子顕微鏡、光学式計測装置等の精密機器を搭載して、それらの機器を床からの振動と殆ど絶縁した状態で設置するためのものである。すなわち、前記除振装置Aの概略構成は、図示の如く、気体ばね式のアイソレータ2と、このアイソレータ2とは別体に床面に設置された補助タンク部1と、前記アイソレータ2の上部に搭載された搭載盤3(被支持体)とにより表わされる。
【0027】
前記補助タンク部1は、金属製管部材16により該アイソレータ2の気体ばねの気体室26に接続されて、気体ばねの気体容積を増大させるものである。詳しくは、補助タンク部1は、ベースプレート10とトッププレート11と筒状の周壁部12とにより、例えば直方体形状のケースを構成し、このケース内に区画される気体室を容積室13としたものであり、該周壁部12の各面には通気口14,14,…(図には2つだけ示す)がそれぞれ設けられている。図の左側の通気口14には、補助タンク部1の容積室13と前記アイソレータ2の気体室26とを連通するための金属製管部材16の一方の端部が図示しないボルトにより締結されており、残りの3つの通気口14,14,14には、図示しないボルトにより補助タンク周壁部12に固定された通気口用蓋15,15,15(図には1つだけ示す)が設けられている。
【0028】
前記アイソレータ2は、ダイヤフラム形気体ばねのピストンにジンバル機構を組み込んで、水平方向のばね特性を上下方向と同様に非常に柔らかくしたものである。詳しくは、アイソレータ2は、床面上に設置されたケーシング22と、このケーシング22に対して気体ばねを介して取り付けられたトッププレート23とからなる。前記ケーシング22は、床面に設置されたベースプレート21と、その上面に固定された筒状の周壁部24と、該周壁部24の上端に設置され、略中央部に凹部を有する盆状の天板25とからなり、その天板25の略中央部には鉛直方向の軸線Zと略直交するように矩形の開口部25aが形成されている。
【0029】
前記周壁部24には、図示の如く2つの通気口27、27が互いに対向するように設けられており、該通気口27、27の一方には、一方の端部が補助タンク部1に接続されている金属製管部材16の他方の端部が、図示しないボルトにより締結されている。また、他方の通気口27には、図示しないボルトにより周壁部24に固定された通気口用蓋28が設けられている。
【0030】
すなわち、前記補助タンク部1の容積室13とアイソレータ2の気体室26とは、金属製管部材16の内部の通路(気体通路)により連通されており、この気体通路41の気体室26側の開口部には、本発明の特徴部分として、詳しくは後述するが、所定の吸音特性を有する吸音材40が配設されている。
【0031】
また、前記ケーシング22の天板25の上方には、その上面から離間するようにドーナツ状のピストン本体29が配置されており、このピストン本体29の下端面から天板25の凹部周縁までを閉塞するように環状のダイヤフラム30が配設されている。すなわち、前記ダイヤフラム30及びピストン本体29によりケーシング22の上端開口部が閉塞されて気体室26が区画されており、ピストン本体29の下端面が該気体室26に臨んでその気体圧を受けることで、主に上下方向の荷重を支持する気体ばねが形成されている。
【0032】
なお、前記ダイヤフラム30は内周フランジ部30aがピストン本体29の下端面に接着され、その下方からワッシャ31によりピストン本体29に対して強固に圧着されている。一方、外周フランジ部30bは天板25の上面に接着されて、その上部に配設された締付リング32が図示しないボルトにより該天板25に締結されることにより、該締付リング32の下面と天板25の上面との間に強固に挟持されている。
【0033】
前記ピストン本体29の下端面には、円筒状のピストンウエル35がピストン本体29の中心孔29a内周側から略鉛直下方に向かって延びるように取り付けられていて、前記ケーシング22の天板開口部25aを貫通している。また、前記ピストンウエル35の中空部35aの上端はピストン本体29の中心孔29aに連通する一方、該中空部35aの下端は円盤状のキャップ36により閉止されている。
【0034】
一方、前記ピストン本体29の上方には、被支持体である搭載盤3及び搭載機器の荷重を上方から受けるように、トッププレート23がピストン本体29から離間して配置されている。前記トッププレート23の下面略中央部には、略鉛直下方に延びるサポートロッド37の上端部が締結され、このサポートロッド37がピストン本体29の中心孔29a及びピストンウエル35の中空部35aを貫通して略鉛直下方に延びていて、その下端部に配設された鋼球38が前記キャップ36に転動自在に当接している。つまり、前記トッププレート23はサポートロッド37を介してピストンウエル35の底部に支持されており、これによりピストン本体29に対して水平方向の任意の軸の周りに回動自在になっている。
【0035】
上述の構成により、前記アイソレータ2は、トッププレート23やピストン本体29等からなるジンバルピストンが気体ばねにより支持されて、搭載盤3上の搭載機器に対する上下方向振動を略絶縁するとともに、ジンバルピストンの働きによって床からの水平方向振動も同様に略絶縁することができるようになっている。
【0036】
なお、気体ばねとしては、上記のようにジンバルピストンを備えたものを用いることが特に好ましいが、通常のダイヤフラム形気体ばねやベローズ形気体ばね等を用いることもできる。また、気体ばねは上記のように基礎に対して垂直方向に配設した場合に限らず、水平方向に配設するようにしてもよい。
【0037】
(補助タンク)
上記のように、金属製管部材16により構成される気体通路41によって、気体ばねの気体室26と補助タンク容積室13とを連通させることにより、気体の容積を増大させることができる。このことにより、以下の(1)式で表される気体ばねのばね定数Kは小さくなり、(2)式で表される気体ばねの固有振動数fsが低くなる。したがって、気体ばねに補助タンク部1を接続することにより、低い周波数まで振動を減衰させることが可能な除振性能の高い気体ばねを実現することができる。
【0038】
【数2】
【0039】
【数3】
【0040】
ここで、上記(1)、(2)式においては、ポリトリピック指数をγ、気体ばねの有効受圧面積をA1、気体ばねに作用する圧力をP、補助タンク容積室13の容積と気体通路41の容積とを含む気体ばねの気体室26の容積をV1、トッププレート23に搭載盤3やその上の機器の分担荷重を含めた振動系の質量をmとする。
【0041】
しかし、上記のように、気体通路41によって気体ばねの気体室26と補助タンク容積室13とを連通させる場合には、気体通路41と補助タンク容積室13とにより図2(a)のようなヘルムホルツ型共鳴器45が構成されることになる。一般的に、ヘルムホルツ型共鳴器は配管等に高圧空気を流す場合などにおいて、その管内に発生する脈動を減衰させる消音器として用いられるが、上記のように気体ばねの一部を構成する場合には、床からの微振動等により気体ばねの気体室26内に生じる気体の振動が気体通路41と補助タンク容積室13とにより構成されるヘルムホルツ型共鳴器45の影響によって増幅され、これにより特定の周波数域に生じる比較的大きな振動が気体ばねの気体室26内の気体に伝達することによって、該気体ばねの振動伝達率を増大させる(図3参照)。
【0042】
ここで、図2(a)に示すヘルムホルツ型共鳴器45では、気体通路41内にある気体を質量mhの錘47に、補助タンク容積室13内の気体をばね定数Khのばね48に、気体ばねの気体室26内の気体をばね定数Ktのばね49にそれぞれ対応する図2(b)のようなばね系46と仮定することができ、ヘルムホルツ型共鳴器による共鳴は前記ばね系46における共振と考えることができる。つまり、気体ばねの気体の振動がその気体室26、気体通路41及び容積室13により構成されるヘルムホルツ型共鳴器45に伝達された場合には、気体室26と気体通路41と容積室13とによるばね系46で共振が生じ、その共振により気体通路41内の気体(錘47)が激しく移動し、振動することになる。
【0043】
以上より、補助タンクと接続した気体ばねにおいて、気体通路41及び容積室13に生じるヘルムホルツ型共鳴器による共振の影響を減少させるためには、吸音材等によって気体通路41内の気体の振動エネルギーを吸収することが有効であると考えられる。しかし、吸音材によって気体通路41内の気体の移動が制限されると、気体ばねの気体室26と補助タンク容積室13との間の気体の移動が阻害され、補助タンク部1による気体ばねの気体容積増大の効果が損なわれる恐れがある。
【0044】
したがって、補助タンク部1を気体ばねに接続した効果が損なわれないように、気体通路41内の気体の比較的ゆっくりとした移動を許容するとともに、ヘルムホルツ型共鳴器による共振のエネルギーを効果的に吸収できるような適当な吸音特性を有する吸音材を選定する必要がある。
【0045】
(吸音材)
この実施形態では、上記アイソレータ2に使用している吸音材40は、例えば、アルミ不織布やグラスウール、燒結金属などの多孔質材料または穴あき板であり、これを気体ばねの気体室26と補助タンク容積室13とを連通する気体通路41に配設することによって、気体通路41及び補助タンク容積室13に生じる前記ヘルムホルツ型共鳴による気体の振動エネルギーを効果的に吸収して、共振の影響を減少させることができる。
【0046】
一般的に、吸音材は図4に示すように、比較的広い周波数域において吸音効果を有するため、補助タンクの効果を阻害しない程度に適度に気体の移動を許容するような吸音材であれば、どのようなものでもヘルムホルツ型共鳴の影響をある程度減少させることができる。しかしながら、より効果的にヘルムホルツ型共鳴の影響を減少させるためには、以下に示すヘルムホルツ型共鳴の共鳴周波数f0((3)式)における振動伝達率の増加量が略2/3以下となるような、すなわち、前記図4に一例を示すように、共振による気体の振動エネルギーの略1/3以上を吸収することができる吸音材を選定する必要がある(図の例では振動エネルギーの略半分を吸収している)。
【0047】
【数4】
【0048】
ここで、Cは音速、A2は気体通路41の断面積、V3は補助タンク気体室の容積であり、Lは、気体通路41の長さL0に補正値(0.8×(気体通路41の等価直径))を加えたものとする。
【0049】
なお、図4に示した吸音材の振動エネルギー吸収特性は、例えば穴あき板の吸音材を用いた場合の振動エネルギー吸収特性であり、吸音材にグラスウール等を用いた場合には、図5に示すような振動エネルギー吸収特性になる。この場合においても、ヘルムホルツ型共鳴の影響を効果的に減少させるためには、穴あき板を用いた場合と同様に、共鳴周波数における気体の振動エネルギーの略1/3以上を吸収することができる吸音材を選定するのが好ましい。
【0050】
また、最も効果的にヘルムホルツ型共鳴の影響を減少させることができるのは、例えば穴あき板の場合について図6に示すように、以下の(4)式で表される吸音材の吸音周波数fが(3)式で表される共鳴周波数f0に略等しくなるときである。ここで、γは吸音材の開口率であり、tは吸音材の厚さであり、dは吸音材の穴直径であり、Zは気体ばねの背後気体層の距離(図2参照)である。したがって、吸音材としては、吸音周波数fが共鳴周波数f0に等しくなるように、その開口率γ、厚さt、穴直径dを気体ばねの背後気体層の距離Zに対応づけて設定するのが最も好ましい。
【0051】
【数5】
【0052】
図3に補助タンクを接続した気体ばねにおける吸音材の効果の一例を示す。吸音材なしで補助タンクを接続した場合の気体ばねの振動伝達率を点線で、吸音材ありの場合の振動伝達率を実線でそれぞれ示す。吸音材がない状態で補助タンクを接続した場合には、気体通路41及び容積室13においてヘルムホルツ型共鳴器により気体の共振を生じ、略28Hz付近で振動伝達率を増大させている(略23Hzが共振点で、略28Hzが反共振点)。しかし、上述したような適当な吸音効果を有する吸音材40を気体通路41に配設することにより、共振の影響による振動伝達率の増大は見られなくなる。
【0053】
以上より、この実施形態では、気体ばねの気体室26に補助タンク容積室13を連通させることにより、気体室26の気体の容積を増大し、気体ばねの固有振動数を低くするとともに、補助タンクを気体ばねに接続した効果が損なわれない程度に気体の移動を許容する吸音材40を気体通路41に配設することにより、気体通路41や補助タンク容積室13に生じる共振の影響を減少させることができる。これにより、気体ばねの除振性能を向上させることができる。
【0054】
(実施形態2)
図7は、本発明の実施形態2の概略構造を示し、この実施形態2の気体ばね式除振装置は実施形態1のもの(図1参照)と概ね同様に構成されていて、気体ばねの気体室26の容積を増大させる容積室13の構成が異なるだけなので、以下、同一の部分には同一の符号を付し、異なる部分だけを説明する。すなわち、この実施形態2では、容積室13を形成する補助タンク部1をアイソレータ2とは別体に設けるのではなく、アイソレータ2の側方に延びるように設けた補助配管部4によって容積室13を構成するようにしたものである。
【0055】
詳しくは、前記補助配管部4は、筒状の金属製管部材50の一方の端部を気体ばねの周壁部24に接続して、該周壁部24に設けた通気口27により気体室26に直接、連通させるとともに、該管部材50の他方の端部を蓋部材51により閉止したものである。したがって、金属製管部材50と蓋部材51とによって囲まれる空間が、気体ばねの気体室26の容積を増大させる容積室13になっている。
【0056】
前記のような構成では、床からの微振動等により気体室26内に生じる気体の振動が補助配管部4の容積室13に伝達した場合、容積室13内で気柱共鳴が生じ、該気体振動が増幅されるため、前記実施形態1記載のヘルムホルツ型共鳴と同様に、特定の周波数域に生じる比較的大きな振動が気体室26内の気体に伝達することによって、気体ばねの振動伝達率を増大させる。すなわち、本実施形態における容積室13の気柱共鳴は、前記実施形態1に記載しているヘルムホルツ型共鳴と共振のメカニズムは異なるが、共振により気体の振動エネルギーが増幅され、気体ばねの振動伝達特性が悪化するのは前記ヘルムホルツ型共鳴の場合とほぼ同じである。したがって、補助配管部4の気柱共鳴の影響を減少させるためには、前記ヘルムホルツ型共鳴と同様に、気体ばねの気体室26に臨む容積室13の出口側に吸音材40を配設して、気体の振動エネルギーを減少させる必要がある。
【0057】
その際、より効果的に前記気柱共鳴の影響を減少させるためには、前記実施形態1記載のヘルムホルツ型共鳴の場合と同様に、(5)式に示す気柱共鳴の共鳴周波数f1における振動伝達率の増分が略2/3以下となるような吸音材を選定することが好ましい(図4参照)。
【0058】
【数6】
【0059】
ここで、Cは音速、Lは補助配管部4の気体室の長さ、nは所定の正の整数とする。
【0060】
さらに、最も効果的に気柱共鳴の影響を減少させることができるのは、前記実施形態1記載のヘルムホルツ型共鳴の場合と同様に、前記(4)式で表される吸音材の吸音周波数fが(5)式で表される気柱共鳴の共鳴周波数f1に略等しくなるときであり(図6参照)、その条件を満足するように吸音材の開口率γ、厚さt、穴直径dを気体ばねの背後気体層の距離Zに対応づけて設定するのが最も好ましい。
【0061】
以上より、この実施形態では、補助配管部4を設けることによって、気体ばねの除振性能を高めるとともに補助配管部4に生じる気柱共鳴の影響を吸音材40によって低減させることができる。
【0062】
(他の実施形態)
尚、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、その他の種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態1では、補助タンク容積室13と気体ばねの気体室26とを金属製管部材16によって連通するようにしているが、この金属製管部材16はなくてもよい。すなわち、図8に一例を示すように、アイソレータ2とは別体に設けた補助タンク部1を、主として図示の如く3方向に開口する異形のケース(周壁部)12からなるものとし、その開口部をベースプレート10と2枚の蓋部材17,17とによって閉止する。そして、図の左側に示す蓋部材17に、補助タンク部1の容積室13を気体ばねの気体室26に直接的に連通するための開口部17aを設けるとともに、開口部17aの気体室26側の出口には吸音材40を配設すればよい。
【0063】
また、前記実施形態1では、補助タンク部1の容積室13を1つとしているが、容積室13は複数に分かれていてもよい。例えば、図9に一例を示すように、補助タンク部1を気体ばねの左右両側に分割して、右側を主に2個の筒状部材53、53により構成し、また、左側を主に1個の筒状部材53により構成してもよい。この場合、図の右側の補助タンク部1は、気体ばねの気体室26の右側に管部材53により接続された筒状部材52に対して、さらにもう1組の管部材53及び筒状部材52を接続し、その2つの筒状部材52,52内の空間(容積室13)を2つの管部材53、53内の気体通路41によって気体ばねの気体室26に連通させている。また、気体ばねから遠い方の筒状部材52の開放端は蓋部材55により閉止している。
【0064】
そのように、気体ばねに複数の筒状部材52,52,…を接続して補助タンク部1を構成する場合には、その筒状部材52の個数を変更することで、補助タンク部1内の気体容量を変更することができるので、要求される気体ばねの除振性能に合わせて気体ばねの気体容量を容易に変更することができる。
【0065】
また、前記図9に示す構成においても、気体ばねの気体室26と容積室13,13,13と気体通路41,41,41とによりヘルムホルツ共鳴器が構成されると考えられるので、例えば、図示の如く、気体ばねの気体室26に臨む左右の管部材53,53の開口部を塞ぐようにして、吸音材40を配設するのが好ましい。或いは、図の右側の補助タンク部1において容積室13,13同士を連通している気体通路41に吸音材40を配設してもよい。
【0066】
さらにまた、前記実施形態1では、補助タンク部1をアイソレータ2とは別体に設けるようにしているが、例えば図10に示すように、アイソレータ2の周壁部24の内部に気体通路41や容積室13を形成することも可能である。
【0067】
また、前記実施形態2では、気体ばねの側方に直線状に延びる金属製管部材50を接続しているが、例えば図11に示すように、途中で屈曲する管部材50を用いてもよい。こうすれば、アイソレータ2の周辺のスペースに応じて管部材50を配設することができる。
【0068】
また、前記各実施形態では、吸音材40を、気体ばねの気体室26に臨む気体通路40や容積室13の開口部を塞ぐように配設しているが、これに限らず、例えば実施形態1において吸音材40を気体通路41の途中に配設するなどのように、気体室26と容積室13との間のどこに配設してもよい。
【0069】
また、前記各実施形態では、吸音材40としてアルミ不織布や焼結金属等の多孔質材料または穴あき板を用いるようにしているが、これに限らず、例えば、石膏ボードや、ウレタンフォーム、ロックウールなどの繊維系材料などを用いるようにしてもよい。
【0070】
さらに、前記各実施形態では、吸音材として、多孔質材料または穴あき板のどちらか一方を用いるようにしているが、2種類の吸音材を同時に用いるようにしてもよい。これにより、共振の影響をより効果的に低減することができる。
【0071】
また、前記各実施形態では、補助タンクと気体ばねとを接続する管部材16,50として金属製のものを用いているが、この限りではなく、樹脂製またはゴム製のものなどを用いるようにしてもよい。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る気体ばね式除振装置によると、気体ばねの気体室に容積室を連通させることにより、該気体ばねの固有振動数を低くして、気体ばねの除振性能を向上させることができるとともに、容積室を気体ばねに連通した効果が損なわれない程度に気体の移動を許容する吸音材によって、容積室等に生じる共振の影響を減少させることにより、気体ばねの振動伝達率の増大を低減することができる。
【0073】
請求項2記載の発明によると、請求項1の気体ばね式除振装置において、ヘルムホルツ型共鳴器の反共鳴による振動伝達率の増大を略2/3以下に抑えるような吸音材を選定することにより、ヘルムホルツ型共鳴の悪影響を効果的に軽減できる。
【0074】
請求項3記載の発明によると、請求項2の気体ばね式除振装置において、吸音材の効果が最も大きい吸音周波数fが、ヘルムホルツ型共鳴の振動エネルギーが最大になる共鳴周波数f0と略等しくなるような穴あき板を吸音材に選定することにより、ヘルムホルツ型共鳴による影響を最大限に効果的に減少させることができる。
【0075】
請求項4記載の発明によると、請求項1の気体ばね式除振装置において、気体室に直接、連通した容積室に生じる気柱共鳴による気体ばねの振動伝達率の増大を略2/3以下に抑えることで、気柱共鳴による悪影響を効果的に軽減できる。
【0076】
請求項5記載の発明によると、請求項4の気体ばね式除振装置において、吸音材の効果が最も大きい吸音周波数fが、気柱共鳴による振動エネルギーが最大になる共鳴周波数f1と略等しくなるような穴あき板を吸音材に選定することにより、気柱共鳴による影響を最大限に効果的に軽減することができる。
【0077】
請求項6,7記載の発明によると、吸音材を、気体室に臨む開口部を塞ぐように配設することにより、該吸音材の吸音効果をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る気体ばね式除振装置Aの構成を示す断面図である。
【図2】補助タンク容積室と気体通路からなるヘルムホルツ型共鳴器の概略構成図(a)と、その振動系のモデルを示す模式図(b)である。
【図3】気体ばねの振動伝達特性を吸音材のある場合とない場合とで対比して示すグラフ図である。
【図4】ヘルムホルツ型共鳴または気柱共鳴の共鳴周波数において、吸音材により振動エネルギーの略半分を吸収する状態を示すイメージ図である。
【図5】吸音材にグラスウール等を用いた場合の図4相当図である。
【図6】ヘルムホルツ型共鳴または気柱共鳴の共鳴振周波数f0またはf1と吸音材の吸音周波数fが略等しい場合の気体の振動エネルギー及び吸音材の吸音効果を示すイメージ図である。
【図7】補助配管部を気体ばねの側方に取り付けた実施形態2に係る図1相当図である。
【図8】補助タンク部を気体ばねに直接的に取り付けた他の実施形態に係る図1相当図である。
【図9】補助タンク部を気体ばねの左右に分割した他の実施形態に係る図1相当図である。
【図10】アイソレータの周壁部内に容積室を形成した他の実施形態に係る図1相当図である。
【図11】補助配管部を屈曲させた他の実施形態に係る図7相当図である。
【符号の説明】
A 気体ばね式除振装置
1 補助タンク部
2 アイソレータ(気体ばね)
3 搭載盤(被支持体)
4 補助配管部
13 容積室
26 気体室
40 吸音材
41 気体通路
Claims (7)
- 基礎に対して被支持体を気体ばねにより弾性的に支持するとともに、該気体ばねの気体室にその容積を増大させるための容積室を付加してなる気体ばね式除振装置において、
前記気体室と前記容積室との間に配設され、その間の気体の移動を許容するとともに、これに伴い少なくとも該容積室に生じる気体の共振を減衰させる吸音材を備えることを特徴とする気体ばね式除振装置。 - 請求項1の気体ばね式除振装置において、
気体ばねの気体室と容積室とが気体通路により連通され、
吸音材の吸音特性が、前記気体室と容積室とその間の気体通路とにより構成されるヘルムホルツ型共鳴器の共鳴周波数において、該共鳴器の反共鳴による気体ばねの振動伝達率の増加量を略2/3以下に抑えるように設定されていることを特徴とする気体ばね式除振装置。 - 請求項1の気体ばね式除振装置において、
気体ばねの気体室と容積室とが直接、連通され、
吸音材の吸音特性が、前記容積室に生じる気柱共鳴の共鳴周波数において気体ばねの振動伝達率の増加量を略2/3以下に抑えるように設定されていることを特徴とする気体ばね式除振装置。 - 請求項2又は3のいずれかの気体ばね式除振装置において、吸音材を、気体室に臨む気体通路の開口端を塞ぐように配設したことを特徴とする気体ばね式除振装置。
- 請求項4又は5のいずれかの気体ばね式除振装置において、吸音材を、気体室に臨む容積室の開口端を塞ぐように配設したことを特徴とする気体ばね式除振装置。
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