JP2004269130A - 作業車両の操作装置 - Google Patents
作業車両の操作装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004269130A JP2004269130A JP2003061086A JP2003061086A JP2004269130A JP 2004269130 A JP2004269130 A JP 2004269130A JP 2003061086 A JP2003061086 A JP 2003061086A JP 2003061086 A JP2003061086 A JP 2003061086A JP 2004269130 A JP2004269130 A JP 2004269130A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- operation means
- operating device
- vehicle
- valid
- swivel joint
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Jib Cranes (AREA)
Abstract
【課題】スリップリングの増加を抑制することにより、スイベルジョイントが長大化するのを防いだ作業車両の操作装置を提供する。
【解決手段】メイン操作手段(26)と、遠隔操作手段(13A,13B)と、いずれの操作手段が有効であるかを設定する切換スイッチ(15)と、電気信号を伝送するスイベルジョイント(14)と、上部切換ボックス(22)と、スイベルジョイント(14)のスリップリング(35A)を介して上部切換ボックス(22)に電気的に接続された下部切換ボックス(23)とを備え、メイン操作手段(26)の有効時にはメイン操作手段(26)に関わる信号を、遠隔操作手段(13A,13B)の有効時には遠隔操作手段(13A,13B)に関わる信号を、それぞれスリップリング(35A)に通すように切換ボックス(22,23)を切り換えるようにしている。
【選択図】 図1
【解決手段】メイン操作手段(26)と、遠隔操作手段(13A,13B)と、いずれの操作手段が有効であるかを設定する切換スイッチ(15)と、電気信号を伝送するスイベルジョイント(14)と、上部切換ボックス(22)と、スイベルジョイント(14)のスリップリング(35A)を介して上部切換ボックス(22)に電気的に接続された下部切換ボックス(23)とを備え、メイン操作手段(26)の有効時にはメイン操作手段(26)に関わる信号を、遠隔操作手段(13A,13B)の有効時には遠隔操作手段(13A,13B)に関わる信号を、それぞれスリップリング(35A)に通すように切換ボックス(22,23)を切り換えるようにしている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業車両の遠隔操作手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、運転席に固定されたメイン操作手段と、ラジコン送信機等の遠隔操作手段との、複数の操作手段によって操作が可能な作業車両が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1に示すように、遠隔操作手段は、メイン操作手段と同様に走行モードや作業モードを有しており、どちらでも走行や作業が可能となっている。
【0003】
このような作業車両においては、最初に作業車両を始動した際には、運転席のメイン操作手段が有効となっている。遠隔操作を行なう際には、作業員は、例えば運転席に固定された切換スイッチ等を操作し、メイン操作手段から遠隔操作手段に、有効な操作手段を切り換えることができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−296985号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術には、次に述べるような問題がある。
即ち上部旋回体と下部走行体とを有する作業車両においては、スイベルジョイントに介装されたスリップリングを用いて、上部旋回体と下部走行体との間で信号をやり取りしている。このとき、遠隔操作を行なうことで、やりとりする信号の数が増加し、スリップリングの数が増加してスイベルジョイントが長大化するという問題がある。
【0006】
以下、詳細に説明する。
図2に、従来技術に関わるクレーン車両17の操作装置11のシステム構成図の一例を示す。
図2において、クレーン車両17は、下部走行体20と、これに対して旋回自在の上部旋回体19とを備えている。下部走行体20と上部旋回体19との間にはスイベルジョイント14が介在し、これに介装されたスリップリング35A〜35Cを介して電気信号を伝達している。尚、油圧の伝達については、図示及び説明を省略する。
【0007】
クレーン車両17の操作装置11は、走行用ラジコン送信13A及び作業用ラジコン送信機13Bを備えている。ラジコン送信機13A,13Bからの操作信号は、走行用受信機18A及び作業用受信機18Bによって、ラジコン用コントローラ12にそれぞれ伝えられる。
【0008】
ラジコン用コントローラ12は、指令信号を図示しない各アクチュエータに出力し、走行及び作業を行なう。ラジコン用コントローラ12には、クレーン車両17に付設された操作レバー等のメイン操作手段と、ラジコン送信機13A,13Bとのどちらを有効とするかを設定する切換スイッチ15が接続されている。ラジコン用コントローラ12は、その指示に基づいて有効な操作手段を判断する。
【0009】
また操作装置11は、上部旋回体19及び下部走行体20のそれぞれに、多数の信号を互いに伝送可能なMDT(多重伝送装置)24,25を備えている。上部MDT24と下部MDT25とは、スリップリング35Cを介して接続されており、互いに通信を行なって、例えば燃料タンクの残量などのデータを、やり取りすることができるようになっている。
【0010】
また、ラジコン用コントローラ12と、アクチュエータを制御する下部走行体20に付設されたコントローラとは、スイベルジョイント14に組み込まれたスリップリング35Bを介して互いに接続されている。ここでは、ステアリング角を制御するステアリングコントローラ30を例にとって、図示している。
【0011】
また、上部旋回体19に付設されたメイン操作手段と、下部走行体20に付設された、アクチュエータを制御するメイン制御用コントローラとの間は、スリップリング35Aを介して接続されている。ここでは、メイン操作手段として非常変速スイッチ26を、メイン制御用コントローラとして非常変速ソレノイド27を制御する非常変速コントローラ36を、アクチュエータとして非常変速ソレノイド27を、それぞれ例示している。
【0012】
尚、非常変速スイッチ26とは、下部走行体20の変速機を制御する変速機コントローラ(図示せず)に異常が起きた場合、手動で変速機を操作するためのスイッチである。また、非常変速ソレノイド27とは、非常変速スイッチ26を用いて、手動で変速機を操作する際に用いられるソレノイドバルブである。
【0013】
即ち図2に示すように、遠隔操作を行なわない場合には、スリップリングとしては35A,35Cのみでよかった。ところが、遠隔操作を行なうことにより、上部のラジコン用コントローラ12とステアリングコントローラ30とを接続するために、スリップリング35Bが新たに必要となっている。
スリップリングの数が増加すると、スイベルジョイント14が長大化するため、上部旋回体19の位置が高くなり、車高も高くなる。その結果、作業車両が大型化すると共に安定性が低下するという問題がある。
【0014】
本発明は、上記の問題に着目してなされたものであり、スリップリングの増加を抑制することにより、スイベルジョイントが長大化するのを防いだ作業車両の操作装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、本発明に関わる作業車両の操作装置は、
上部旋回体と、
下部走行体と、
車両に固定されたメイン操作手段と、
車両を遠隔操作する遠隔操作手段と、
メイン操作手段と遠隔操作手段とのうちいずれの操作手段が有効であるかを設定する切換スイッチと、
電気信号を上部旋回体と下部走行体との間で伝送するスイベルジョイントと、
上部旋回体に固定された上部切換ボックスと、
下部走行体に固定され、スイベルジョイントのスリップリングを介して上部切換ボックスに電気的に接続された下部切換ボックスとを備え、
メイン操作手段の有効時にはメイン操作手段に関わる信号を、遠隔操作手段の有効時には遠隔操作手段に関わる信号を、それぞれスリップリングに通すように切換ボックスを切り換えるようにしている。
これにより、メイン操作手段有効時と遠隔操作手段有効時とで、スリップリングが共通化されるので、スリップリングの数の増加が抑制され、スイベルジョイントの長大化が防止される。
【0016】
また作業車両の操作装置は、
上部旋回体及び下部走行体にそれぞれ多重伝送装置を備え、
多重伝送装置でやり取りする信号の少なくとも1つを、メイン操作手段が有効の場合と遠隔操作手段が有効の場合とで切り換えて使用するようにしてもよい。
これにより、多重伝送装置でやり取りする信号数の増加が抑制されるので、スイベルジョイントを増加させることなく、すべての信号のやり取りを行なうことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら、本発明に関わる実施形態を詳細に説明する。まず、第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に関わるクレーン車両17の操作装置11のシステム構成図を示している。図1において、クレーン車両17は、下部走行体20と、これに対して旋回自在の上部旋回体19とを備えている。下部走行体20と上部旋回体19との間にはスイベルジョイント14が介装され、電気信号を伝達している。
【0018】
クレーン車両17の操作装置11は、走行用ラジコン送信13A及び作業用ラジコン送信機13Bを備えている。ラジコン送信機13A,13Bからの操作信号は、走行用受信機18A及び作業用受信機18Bによって、ラジコン用コントローラ12にそれぞれ伝えられる。尚、ラジコン用コントローラ12が、受信機18A,18Bの機能を備えていてもよい。
【0019】
ラジコン用コントローラ12は、指令信号を各アクチュエータに出力し、走行及び作業を行なう。ラジコン用コントローラ12には、クレーン車両17に付設された操作レバー等のメイン操作手段と、ラジコン送信機13A,13Bとのどちらを有効とするかを設定する切換スイッチ15が接続されている。ラジコン用コントローラ12は、切換スイッチ15の指示に基づいて有効な操作手段を決定する。
尚、以下の説明における切換スイッチ15の設定は、メイン操作手段を有効とした場合を「メイン」、ラジコン送信機13A,13Bを有効とした場合を「ラジコン」と呼ぶ。
【0020】
また操作装置11は、上部旋回体19及び下部走行体20のそれぞれにMDT24,25を、備えている。上部MDT24と下部MDT25とは、スリップリング35Cを介して接続されており、互いに通信を行なって、例えば燃料タンクの残量などのデータを、やり取りすることができるようになっている。
【0021】
操作装置11は、上部旋回体19及び下部走行体20のそれぞれに、内部にリレーを有する上部切換ボックス22及び下部切換ボックス23を備えている。リレーは、共通接点33A,34Aと、切換側接点33B,33C,34B,34Cのいずれかとを接続するようになっている。
上部切換ボックス22及び下部切換ボックス23の共通接点33A,34Aは、スイベルジョイント14に組み込まれたスリップリング35Aを介して互いに接続されている。また、上部切換ボックス22の、一側の切換側接点33Bには非常変速スイッチ26からの信号線が、他側の切換側接点33Cにはラジコン用コントローラ12からの信号線が、それぞれ接続されている。
【0022】
また、下部切換ボックス23の、一側の切換側接点34Bには例えば非常変速コントローラ36への信号線が、他側の切換側接点34Cには、ステアリングサーボバルブ32に信号を送信することによってステアリングを制御するステアリングコントローラ30への信号線が、それぞれ接続されている。
【0023】
上部切換ボックス22は、切換スイッチ15の指示に基づいたラジコン用コントローラ12からの信号によって、共通接点33Aと導通する切換側接点33B,33Cを切り換えるようになっている。
また、下部切換ボックス23は、下部MDT25からの信号によって、共通接点33Aと導通する切換側接点33B,33Cを切り換えるようになっている。上記下部MDT25からの信号は、切換スイッチ15の指示に基づいたラジコン用コントローラ12からの信号を、上部MDT24から下部MDT25に伝送したものである。
【0024】
下部走行体20には、クレーン車両17の速度を検出する車速センサ28が付設されている。車速センサ28の信号は、自動変速機を制御する自動変速コントローラ29、及びステアリングを制御するステアリングコントローラ30に入力されている。
また、下部走行体20には、クレーン車両17のステアリング角を検出するステアリング角センサ31が付設されている。ステアリング角センサ31の信号は、ステアリングを制御するステアリングコントローラ30に入力されている。
遠隔操作時には、自動変速コントローラ29は、これらのセンサ28,31の信号に基づき、走行を制御する。
【0025】
以下、このような構成の操作装置11における作用を説明する。
まず、クレーン車両17に搭乗した作業者が、メイン操作手段を用いて走行及び操作を行なう場合には、切換スイッチ15を「メイン」に設定する。これに基づき、ラジコン用コントローラ12は上部切換ボックス22に信号を送信し、内部のリレーを共通接点33Aと切換側接点33Bとが導通するようにする。
【0026】
また、上部MDT24はラジコン用コントローラ12の指示に基づいて下部MDT25に信号を送信し、下部MDT25はこれに基づいて下部切換ボックス23に信号を送信して、内部のリレーを共通接点34Aと切換側接点34Bとが導通するようにする。
これにより、非常変速スイッチ26と非常変速コントローラ36とが、スリップリング35Aを介して導通する。その結果、非常変速スイッチ26を操作すると、非常変速ソレノイド27が動作するようになる。
【0027】
一方、作業者がラジコン操作手段を用いて走行及び操作を行なう場合には、切換スイッチ15を「ラジコン」に設定する。これに基づき、ラジコン用コントローラ12は上部切換ボックス22に信号を送信し、内部のリレーを共通接点33Aと切換側接点33Cとが導通するようにする。
【0028】
また、上部MDT24はラジコン用コントローラ12の指示に基づいて下部MDT25に信号を送信し、下部MDT25はこれに基づいて下部切換ボックス23に信号を送信して、内部のリレーを共通接点34Aと切換側接点34Cとが導通するようにする。
これにより、ラジコン用コントローラ12とステアリングコントローラ30とが、スリップリング35Aを介して導通する。その結果、走行用ラジコン送信機13Aの操作によって、ラジコン用コントローラ12及びステアリングコントローラ30を介してステアリングサーボバルブ32を動作させることが可能となるので、遠隔操作でステアリング操作ができるようになる。
【0029】
以上説明したように本発明によれば、遠隔操作時とメイン操作時とで、スリップリング35Aを通過する電気信号を切り換えている。
これにより、スイベルジョイント14におけるスリップリングの数をそれほど増加させることなく、信号数を増やすことができる。従って、従来の作業車両を改造して遠隔操作用の作業車両とすることが容易である。また、スリップリングの数がそれほど増加しないので、例えばクレーン車両17の場合にはその車高がさほど高くならず、ブームを下方に取り付け可能であり、走行及び作業の安定性が低下しない。
【0030】
尚、上記実施形態においては、スリップリング35A,35Cを通過する信号の流れをすべて上部旋回体19から下部走行体20に向かうものとして説明したが、下部走行体20から上部旋回体19に向かうものについても、同様である。
【0031】
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態においては、第1実施形態において説明したような、上部切換ボックス22と下部切換ボックス23との間の信号に加え、上部MDT24と下部MDT25との間で伝送される信号を、遠隔操作時とメイン操作時とで変更する。これにより、例えばメイン操作時には、遠隔操作時にのみ必要な信号を伝送しないようにしている。
【0032】
上部MDT24と下部MDT25との間で伝送することのできる信号の数は、MDT24,25の仕様によって定められている。従って、遠隔操作を行なうことによって信号数が増加すると、MDT24,25間ですべての信号を伝えられない場合があり、スリップリングの数を増やさなければならなくなる。
本実施形態では、遠隔操作時とメイン操作時とで伝送する信号を変更することにより、これを避けることが可能であり、スムーズな操作が可能となっている。
【0033】
尚、上記の説明は、クレーン車両17を例にとって行なったが、遠隔操作手段によって操作可能であり、かつ下部走行体20と上部旋回体19とを備えた作業車両であれば、どのような車両に対しても、同様に応用が可能である。
また、無線で操作するラジコン送信機13A,13Bについて説明したが、遠隔操作を行なう場合であれば、有線でリモートコントロールする場合も同様である。さらには、ラジコン送信機を1つだけ備えて、走行時及び作業時にモードを切り換えて操作するような場合も、同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に関わるクレーン車両の操作装置のシステム構成図。
【図2】従来技術に関わるクレーン車両の操作装置のシステム構成図。
【符号の説明】
11:操作装置、12:ラジコン用コントローラ、13A:走行用ラジコン送信機、13B:作業用ラジコン送信機、14:スイベルジョイント、15:切換スイッチ、17:クレーン車両、18A:走行用受信機、18B:作業用受信機、19:上部旋回体、20:下部走行体、22:上部切換ボックス、23:下部切換ボックス、24:上部MDT、25:下部MDT、26:非常変速スイッチ、27:非常変速ソレノイド、28:車速センサ、29:自動変速コントローラ、30:ステアリングコントローラ、31:ステアリング角センサ、32:ステアリングサーボバルブ、33A,34A:共通接点、33B,33C,34B,34C:切換側接点、35A〜35C:スリップリング、36:非常変速コントローラ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業車両の遠隔操作手段に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、運転席に固定されたメイン操作手段と、ラジコン送信機等の遠隔操作手段との、複数の操作手段によって操作が可能な作業車両が知られている(例えば特許文献1)。特許文献1に示すように、遠隔操作手段は、メイン操作手段と同様に走行モードや作業モードを有しており、どちらでも走行や作業が可能となっている。
【0003】
このような作業車両においては、最初に作業車両を始動した際には、運転席のメイン操作手段が有効となっている。遠隔操作を行なう際には、作業員は、例えば運転席に固定された切換スイッチ等を操作し、メイン操作手段から遠隔操作手段に、有効な操作手段を切り換えることができるようになっている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−296985号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来技術には、次に述べるような問題がある。
即ち上部旋回体と下部走行体とを有する作業車両においては、スイベルジョイントに介装されたスリップリングを用いて、上部旋回体と下部走行体との間で信号をやり取りしている。このとき、遠隔操作を行なうことで、やりとりする信号の数が増加し、スリップリングの数が増加してスイベルジョイントが長大化するという問題がある。
【0006】
以下、詳細に説明する。
図2に、従来技術に関わるクレーン車両17の操作装置11のシステム構成図の一例を示す。
図2において、クレーン車両17は、下部走行体20と、これに対して旋回自在の上部旋回体19とを備えている。下部走行体20と上部旋回体19との間にはスイベルジョイント14が介在し、これに介装されたスリップリング35A〜35Cを介して電気信号を伝達している。尚、油圧の伝達については、図示及び説明を省略する。
【0007】
クレーン車両17の操作装置11は、走行用ラジコン送信13A及び作業用ラジコン送信機13Bを備えている。ラジコン送信機13A,13Bからの操作信号は、走行用受信機18A及び作業用受信機18Bによって、ラジコン用コントローラ12にそれぞれ伝えられる。
【0008】
ラジコン用コントローラ12は、指令信号を図示しない各アクチュエータに出力し、走行及び作業を行なう。ラジコン用コントローラ12には、クレーン車両17に付設された操作レバー等のメイン操作手段と、ラジコン送信機13A,13Bとのどちらを有効とするかを設定する切換スイッチ15が接続されている。ラジコン用コントローラ12は、その指示に基づいて有効な操作手段を判断する。
【0009】
また操作装置11は、上部旋回体19及び下部走行体20のそれぞれに、多数の信号を互いに伝送可能なMDT(多重伝送装置)24,25を備えている。上部MDT24と下部MDT25とは、スリップリング35Cを介して接続されており、互いに通信を行なって、例えば燃料タンクの残量などのデータを、やり取りすることができるようになっている。
【0010】
また、ラジコン用コントローラ12と、アクチュエータを制御する下部走行体20に付設されたコントローラとは、スイベルジョイント14に組み込まれたスリップリング35Bを介して互いに接続されている。ここでは、ステアリング角を制御するステアリングコントローラ30を例にとって、図示している。
【0011】
また、上部旋回体19に付設されたメイン操作手段と、下部走行体20に付設された、アクチュエータを制御するメイン制御用コントローラとの間は、スリップリング35Aを介して接続されている。ここでは、メイン操作手段として非常変速スイッチ26を、メイン制御用コントローラとして非常変速ソレノイド27を制御する非常変速コントローラ36を、アクチュエータとして非常変速ソレノイド27を、それぞれ例示している。
【0012】
尚、非常変速スイッチ26とは、下部走行体20の変速機を制御する変速機コントローラ(図示せず)に異常が起きた場合、手動で変速機を操作するためのスイッチである。また、非常変速ソレノイド27とは、非常変速スイッチ26を用いて、手動で変速機を操作する際に用いられるソレノイドバルブである。
【0013】
即ち図2に示すように、遠隔操作を行なわない場合には、スリップリングとしては35A,35Cのみでよかった。ところが、遠隔操作を行なうことにより、上部のラジコン用コントローラ12とステアリングコントローラ30とを接続するために、スリップリング35Bが新たに必要となっている。
スリップリングの数が増加すると、スイベルジョイント14が長大化するため、上部旋回体19の位置が高くなり、車高も高くなる。その結果、作業車両が大型化すると共に安定性が低下するという問題がある。
【0014】
本発明は、上記の問題に着目してなされたものであり、スリップリングの増加を抑制することにより、スイベルジョイントが長大化するのを防いだ作業車両の操作装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、本発明に関わる作業車両の操作装置は、
上部旋回体と、
下部走行体と、
車両に固定されたメイン操作手段と、
車両を遠隔操作する遠隔操作手段と、
メイン操作手段と遠隔操作手段とのうちいずれの操作手段が有効であるかを設定する切換スイッチと、
電気信号を上部旋回体と下部走行体との間で伝送するスイベルジョイントと、
上部旋回体に固定された上部切換ボックスと、
下部走行体に固定され、スイベルジョイントのスリップリングを介して上部切換ボックスに電気的に接続された下部切換ボックスとを備え、
メイン操作手段の有効時にはメイン操作手段に関わる信号を、遠隔操作手段の有効時には遠隔操作手段に関わる信号を、それぞれスリップリングに通すように切換ボックスを切り換えるようにしている。
これにより、メイン操作手段有効時と遠隔操作手段有効時とで、スリップリングが共通化されるので、スリップリングの数の増加が抑制され、スイベルジョイントの長大化が防止される。
【0016】
また作業車両の操作装置は、
上部旋回体及び下部走行体にそれぞれ多重伝送装置を備え、
多重伝送装置でやり取りする信号の少なくとも1つを、メイン操作手段が有効の場合と遠隔操作手段が有効の場合とで切り換えて使用するようにしてもよい。
これにより、多重伝送装置でやり取りする信号数の増加が抑制されるので、スイベルジョイントを増加させることなく、すべての信号のやり取りを行なうことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながら、本発明に関わる実施形態を詳細に説明する。まず、第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に関わるクレーン車両17の操作装置11のシステム構成図を示している。図1において、クレーン車両17は、下部走行体20と、これに対して旋回自在の上部旋回体19とを備えている。下部走行体20と上部旋回体19との間にはスイベルジョイント14が介装され、電気信号を伝達している。
【0018】
クレーン車両17の操作装置11は、走行用ラジコン送信13A及び作業用ラジコン送信機13Bを備えている。ラジコン送信機13A,13Bからの操作信号は、走行用受信機18A及び作業用受信機18Bによって、ラジコン用コントローラ12にそれぞれ伝えられる。尚、ラジコン用コントローラ12が、受信機18A,18Bの機能を備えていてもよい。
【0019】
ラジコン用コントローラ12は、指令信号を各アクチュエータに出力し、走行及び作業を行なう。ラジコン用コントローラ12には、クレーン車両17に付設された操作レバー等のメイン操作手段と、ラジコン送信機13A,13Bとのどちらを有効とするかを設定する切換スイッチ15が接続されている。ラジコン用コントローラ12は、切換スイッチ15の指示に基づいて有効な操作手段を決定する。
尚、以下の説明における切換スイッチ15の設定は、メイン操作手段を有効とした場合を「メイン」、ラジコン送信機13A,13Bを有効とした場合を「ラジコン」と呼ぶ。
【0020】
また操作装置11は、上部旋回体19及び下部走行体20のそれぞれにMDT24,25を、備えている。上部MDT24と下部MDT25とは、スリップリング35Cを介して接続されており、互いに通信を行なって、例えば燃料タンクの残量などのデータを、やり取りすることができるようになっている。
【0021】
操作装置11は、上部旋回体19及び下部走行体20のそれぞれに、内部にリレーを有する上部切換ボックス22及び下部切換ボックス23を備えている。リレーは、共通接点33A,34Aと、切換側接点33B,33C,34B,34Cのいずれかとを接続するようになっている。
上部切換ボックス22及び下部切換ボックス23の共通接点33A,34Aは、スイベルジョイント14に組み込まれたスリップリング35Aを介して互いに接続されている。また、上部切換ボックス22の、一側の切換側接点33Bには非常変速スイッチ26からの信号線が、他側の切換側接点33Cにはラジコン用コントローラ12からの信号線が、それぞれ接続されている。
【0022】
また、下部切換ボックス23の、一側の切換側接点34Bには例えば非常変速コントローラ36への信号線が、他側の切換側接点34Cには、ステアリングサーボバルブ32に信号を送信することによってステアリングを制御するステアリングコントローラ30への信号線が、それぞれ接続されている。
【0023】
上部切換ボックス22は、切換スイッチ15の指示に基づいたラジコン用コントローラ12からの信号によって、共通接点33Aと導通する切換側接点33B,33Cを切り換えるようになっている。
また、下部切換ボックス23は、下部MDT25からの信号によって、共通接点33Aと導通する切換側接点33B,33Cを切り換えるようになっている。上記下部MDT25からの信号は、切換スイッチ15の指示に基づいたラジコン用コントローラ12からの信号を、上部MDT24から下部MDT25に伝送したものである。
【0024】
下部走行体20には、クレーン車両17の速度を検出する車速センサ28が付設されている。車速センサ28の信号は、自動変速機を制御する自動変速コントローラ29、及びステアリングを制御するステアリングコントローラ30に入力されている。
また、下部走行体20には、クレーン車両17のステアリング角を検出するステアリング角センサ31が付設されている。ステアリング角センサ31の信号は、ステアリングを制御するステアリングコントローラ30に入力されている。
遠隔操作時には、自動変速コントローラ29は、これらのセンサ28,31の信号に基づき、走行を制御する。
【0025】
以下、このような構成の操作装置11における作用を説明する。
まず、クレーン車両17に搭乗した作業者が、メイン操作手段を用いて走行及び操作を行なう場合には、切換スイッチ15を「メイン」に設定する。これに基づき、ラジコン用コントローラ12は上部切換ボックス22に信号を送信し、内部のリレーを共通接点33Aと切換側接点33Bとが導通するようにする。
【0026】
また、上部MDT24はラジコン用コントローラ12の指示に基づいて下部MDT25に信号を送信し、下部MDT25はこれに基づいて下部切換ボックス23に信号を送信して、内部のリレーを共通接点34Aと切換側接点34Bとが導通するようにする。
これにより、非常変速スイッチ26と非常変速コントローラ36とが、スリップリング35Aを介して導通する。その結果、非常変速スイッチ26を操作すると、非常変速ソレノイド27が動作するようになる。
【0027】
一方、作業者がラジコン操作手段を用いて走行及び操作を行なう場合には、切換スイッチ15を「ラジコン」に設定する。これに基づき、ラジコン用コントローラ12は上部切換ボックス22に信号を送信し、内部のリレーを共通接点33Aと切換側接点33Cとが導通するようにする。
【0028】
また、上部MDT24はラジコン用コントローラ12の指示に基づいて下部MDT25に信号を送信し、下部MDT25はこれに基づいて下部切換ボックス23に信号を送信して、内部のリレーを共通接点34Aと切換側接点34Cとが導通するようにする。
これにより、ラジコン用コントローラ12とステアリングコントローラ30とが、スリップリング35Aを介して導通する。その結果、走行用ラジコン送信機13Aの操作によって、ラジコン用コントローラ12及びステアリングコントローラ30を介してステアリングサーボバルブ32を動作させることが可能となるので、遠隔操作でステアリング操作ができるようになる。
【0029】
以上説明したように本発明によれば、遠隔操作時とメイン操作時とで、スリップリング35Aを通過する電気信号を切り換えている。
これにより、スイベルジョイント14におけるスリップリングの数をそれほど増加させることなく、信号数を増やすことができる。従って、従来の作業車両を改造して遠隔操作用の作業車両とすることが容易である。また、スリップリングの数がそれほど増加しないので、例えばクレーン車両17の場合にはその車高がさほど高くならず、ブームを下方に取り付け可能であり、走行及び作業の安定性が低下しない。
【0030】
尚、上記実施形態においては、スリップリング35A,35Cを通過する信号の流れをすべて上部旋回体19から下部走行体20に向かうものとして説明したが、下部走行体20から上部旋回体19に向かうものについても、同様である。
【0031】
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態においては、第1実施形態において説明したような、上部切換ボックス22と下部切換ボックス23との間の信号に加え、上部MDT24と下部MDT25との間で伝送される信号を、遠隔操作時とメイン操作時とで変更する。これにより、例えばメイン操作時には、遠隔操作時にのみ必要な信号を伝送しないようにしている。
【0032】
上部MDT24と下部MDT25との間で伝送することのできる信号の数は、MDT24,25の仕様によって定められている。従って、遠隔操作を行なうことによって信号数が増加すると、MDT24,25間ですべての信号を伝えられない場合があり、スリップリングの数を増やさなければならなくなる。
本実施形態では、遠隔操作時とメイン操作時とで伝送する信号を変更することにより、これを避けることが可能であり、スムーズな操作が可能となっている。
【0033】
尚、上記の説明は、クレーン車両17を例にとって行なったが、遠隔操作手段によって操作可能であり、かつ下部走行体20と上部旋回体19とを備えた作業車両であれば、どのような車両に対しても、同様に応用が可能である。
また、無線で操作するラジコン送信機13A,13Bについて説明したが、遠隔操作を行なう場合であれば、有線でリモートコントロールする場合も同様である。さらには、ラジコン送信機を1つだけ備えて、走行時及び作業時にモードを切り換えて操作するような場合も、同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に関わるクレーン車両の操作装置のシステム構成図。
【図2】従来技術に関わるクレーン車両の操作装置のシステム構成図。
【符号の説明】
11:操作装置、12:ラジコン用コントローラ、13A:走行用ラジコン送信機、13B:作業用ラジコン送信機、14:スイベルジョイント、15:切換スイッチ、17:クレーン車両、18A:走行用受信機、18B:作業用受信機、19:上部旋回体、20:下部走行体、22:上部切換ボックス、23:下部切換ボックス、24:上部MDT、25:下部MDT、26:非常変速スイッチ、27:非常変速ソレノイド、28:車速センサ、29:自動変速コントローラ、30:ステアリングコントローラ、31:ステアリング角センサ、32:ステアリングサーボバルブ、33A,34A:共通接点、33B,33C,34B,34C:切換側接点、35A〜35C:スリップリング、36:非常変速コントローラ。
Claims (2)
- 作業車両の操作装置において、
上部旋回体(19)と、
下部走行体(20)と、
車両に固定されたメイン操作手段(26)と、
車両を遠隔操作する遠隔操作手段(13A,13B)と、
メイン操作手段(26)と遠隔操作手段(13A,13B)とのうちいずれの操作手段が有効であるかを設定する切換スイッチ(15)と、
電気信号を上部旋回体(19)と下部走行体(20)との間で伝送するスイベルジョイント(14)と、
上部旋回体(19)に固定された上部切換ボックス(22)と、
下部走行体(20)に固定され、スイベルジョイント(14)のスリップリング(35A)を介して上部切換ボックス(22)に電気的に接続された下部切換ボックス(23)とを備え、
メイン操作手段(26)の有効時にはメイン操作手段(26)に関わる信号を、遠隔操作手段(13A,13B)の有効時には遠隔操作手段(13A,13B)に関わる信号を、それぞれスリップリング(35A)に通すように切換ボックス(22,23)を切り換えるようにした
ことを特徴とする作業車両の操作装置。 - 請求項1に記載の作業車両の操作装置において、
上部旋回体(19)及び下部走行体(20)にそれぞれ多重伝送装置(24,25)を備え、
多重伝送装置(24,25)でやり取りする信号の少なくとも1つを、メイン操作手段が有効の場合と遠隔操作手段が有効の場合とで切り換えて使用するようにした
ことを特徴とする作業車両の操作装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003061086A JP2004269130A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 作業車両の操作装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003061086A JP2004269130A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 作業車両の操作装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004269130A true JP2004269130A (ja) | 2004-09-30 |
Family
ID=33123395
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003061086A Withdrawn JP2004269130A (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 作業車両の操作装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004269130A (ja) |
-
2003
- 2003-03-07 JP JP2003061086A patent/JP2004269130A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3993421B2 (ja) | 船外機操作装置 | |
JP3783189B2 (ja) | ステアリング操作装置 | |
EP1894817B1 (en) | Work vehicle with steering system and operating method | |
KR20140053113A (ko) | 적어도 2개의 리프팅 디바이스, 특히 크레인을 병렬로 동작시키는 방법 및 제어 조립체 | |
CN111712458B (zh) | 具有防撞装置的起重机及用于运行多个起重机的方法 | |
JP4311751B2 (ja) | 船内ネットワークシステム | |
JP4490898B2 (ja) | 建設機械の遠隔操作システム | |
SE421731B (sv) | Sett och anordning for fjerrstyrning av ett fordon eller en mobil maskin | |
EP3441348B1 (en) | Crane | |
JP2004269130A (ja) | 作業車両の操作装置 | |
EP3152368B1 (en) | System for coordinating the direction of travel of a hydraulic machine with the operator's position | |
KR20180056433A (ko) | 유인/무인 겸용 농약 살포 시스템 | |
JP3661967B2 (ja) | 無線遠隔操縦車 | |
JP2004338817A (ja) | 作業車両の操作装置 | |
US11808011B2 (en) | Method to select an active steering input device based on orbital pressure | |
JP6086649B2 (ja) | 作業機の遠隔操縦装置 | |
WO2017150454A1 (ja) | 作業機および作業機の操作システム | |
US20160197767A1 (en) | Method of controlling communication in locomotive | |
JP2008189456A (ja) | 産業車両用データ通信システムの動作切替装置及びモード切替装置 | |
JP4174341B2 (ja) | 軌道用作業機 | |
JPH09156875A (ja) | 建設機械の油圧制御装置 | |
JPH0745404Y2 (ja) | 作業用走行車における遠隔操作機構の旋回制御装置 | |
JPH10219751A (ja) | 油圧作業機及びその操作ユニット | |
JP4289551B2 (ja) | クレーン車のラジコン装置 | |
JPS63155304A (ja) | 無人自走体走行システムにおける無線操縦装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20051117 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20061031 |