JP2004269102A - 巻取機のシート引出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】巻取機2は、電動機等の駆動源により適時回転してシート3を巻取り可能な複数の巻軸4a,4bと、一の巻軸4aにシート3を押し付けるタッチローラ5と、一の巻軸4aをタッチローラ5に近接し他の巻軸4bをタッチローラ5から水平方向に離反する位置に各々支持するタレット6とを備える。シート引出装置1は、一の巻軸4aとタッチローラ5との間から繰り出されるシート3を一端10で受け他端11を他の巻軸4bの下方へ延出するスロープ12と、スロープ12の一端10を昇降させる昇降手段13とを備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シートをロール状に巻き取る巻取機からシートの端部を引き出すのに有用なシート引出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、シートから成る製品又は原材料等は、その移送又は流通等の過程でロール状に巻いた形態にして取扱われる。このようなシートをロール状に巻取る巻取機の原理としては、複数のローラ群に案内されつつ一方から供給されるシートの端部を巻軸に接続し、この巻軸を電動機等の駆動源により回転することにより、シートを巻軸に巻き取らせた後、このロール状に巻取られたシートを他方へ搬出する技術が一般的である。上記のローラ群の間にシートをその端部から先に通し、更に、このシートの端部を巻軸まで案内する技術は、既に下記の特許文献により公知である。
【0003】
図4に従来例を示すように、巻取機2は、電動機等の駆動源により適時回転してシート3を巻取り可能な複数の巻軸4a,4bと、一の巻軸4aにシート3を押し付けるタッチローラ5と、一の巻軸4aをタッチローラ5に近接し他の巻軸4bをタッチローラ5から水平方向に離反する位置に各々支持するタレット6とを備えるものである。
【0004】
巻軸4a,4bは互いに同じ構成の軸体であり、それぞれが図に表れていない駆動源により個別に回転又は停止できる。タレット6は、枢軸部60の周りに180°の角ピッチで回転と停止を繰り返すことにより、巻軸4a,4bの位置を相互に置換えるものである。枢軸部60の両側には、一対のガイドローラ61を各々突出して設けている。
【0005】
以下に、従来例の巻取機2の動作の概略を説明する。以下の文頭に付した英大文字は、動作の個々のステップの実行順序を示す指標である。また、巻取機1とシート引出装置2に係る動作は、特に断らない限り、モータ等の電動機を起動することにより適時行われるものとし、その詳細な図示及び説明は省略する。
【0006】
A:シート3が、図4に表れた複数のローラ70〜74から成るローラ群7の間を蛇行しながら、一の巻軸4aとタッチローラ5との間へ案内される。この方向は、当該巻取機2の平面図である図5中の上から下へ向かう方向に対応する。図4及び図5に示すように、シート3の先端30は、この幅方向の両側に沿って延びる2本の牽体であるガイドチェーン8の間に架け渡した連結紐31に固定している。個々のガイドチェーン8は、その一部のみ図中に表しているが、全体として無端状チェーンであり、シート3の幅方向の両側外方に配列したスプロケット80〜93に順次巻掛けられている。
【0007】
スプロケット89は、電動機94の出力軸に接続している。電動機94を起動させると、ガイドチェーン8は、スプロケット83,84を経て、これらの下方に位置するスプロケット85へ至る。このような順番でガイドェーン8は複数のスプロケット80〜93を循環する。同時に、一の巻軸4aをガイドチェーン8に同期する周速度で反時計回りに回転させると、一の巻軸4aに従動してタッチローラ5が時計回りに回転することになる。
【0008】
一方、シート3の先端30は、一の巻軸4aとタッチローラ5との間を連結紐31と共に通過して、スプロケット85の付近へ至る。つまり、一の巻軸4aを反時計周りに回転することにより、シート3の先端30が、一の巻軸4aとタッチローラ5との間から下方へ繰り出される。
【0009】
B:一の巻軸4aの回転及びガイドチェーン8の走行を一旦停止して、オペレータ等が、シート3の端部30を連結紐31から切り離す。そして、一の巻軸4aを所定時間回転させる。これにより、図6に示すように、一の巻軸4aとタッチローラ5との間から繰り出された端部30の長さが、他の巻軸4bの下方付近まで及ぶ寸法に達したところで、一の巻軸4aを再度停止する。更に、オペレータ等が、シート3の端部30を他の巻軸4bの周面に接続する。
【0010】
上記の切離し及び接続に係る一連の作業は、オペレータ等が他の巻軸4bの下方へ入り込み、更に、オペレータ等が、その手で巻取機2の奥から引き出したシート3の端部30を、例えば粘着テープを用いて、他の巻軸4bの周面に貼り付ける等の手作業によって行われる。
【0011】
C:他の巻軸4bを反時計回りに回転させて、他の巻軸4bの周面にシート3を巻き取らせる。これにより、仮想線で表したように、シート3は一の巻軸4aと他の巻軸4bとの間で徐々に弛みが無くなる。そして、一の巻軸4aと他の巻軸4bとの間でシート3が緊張したところで、ガイドローラ61が、タレット6の枢軸部60との距離を適切に保持する役割を果たす。
【0012】
D:図7及び図8に示すように、タレット6を時計回りに180°旋回させて、一の巻軸4aと他の巻軸4bとの位置を置換える。この行程と同時に、図7に仮想線で表したように、他の巻軸4bがタッチローラ5に接近する分、他の巻軸4bの回転数を増加させて、シート3がタッチローラ5から他の巻軸4bに至るまでの経路で弛まないようにする。
【0013】
E:図8に示した状態から更に他の巻軸4bを反時計周りに回転させると、図9に示すように、シート3は他の巻軸4bの周りにロール33を形成する。タッチローラ5は、図に表れていないエアシリンダー等によって他の巻軸4bへ向かって付勢され続けている。このようなタッチローラ5は、シート3の巻取りが進行してロール33の直径が増大するに従って、徐々に他の巻軸4bから離反する方向へ後退する。
【0014】
F:他の巻軸4bに所望の長さのシート3を巻取らせた時点、言い換えるとロール33が満巻に達したところで、タレット6を反時計回りに180°旋回させる。この状態を図10に表している。同図に記した符号9,90は、後述のピンチローラ及びそのブラケットを各々指している。
【0015】
G:ピンチローラ9によってシート3を一の巻軸4aへ向かって押し上げる。これにより、シート3がピンチローラ9とタレット6のガイドローラ61との間で適度に緊張する。このシート3を、例えば、図中の符号xで指した位置で、図に表れていないシートカッタを用いて切断すると、符号xよりも図中の左側であるシート3の供給側に、新たな端部32が形成される。
【0016】
ピンチローラ9は、図4に示すように、ブラケット90の先端に回転自在に支持されている。ブラケット90は、ステー98の先端に固定されているエアシリンダ97によって一の巻軸4aに平行なピン92の周りに旋回する。更に、ステー98は、電動機等によって一の巻軸4aに平行して延びる支軸96の周りに旋回できる。これは、ピンチローラ9やブラケット90等がタレット6の旋回に伴って移動する巻軸4a,4bの邪魔にならないように、これらを巻軸4a,4bの下方へ退避させるためである。
【0017】
H:図11に示すように、ピンチローラ9を、一の巻軸4aの周面に転がり接触させながら、ブラケット90と共に一の巻軸4aの上側まで移動させる。これに伴って、シート3の新たな端部32も一の巻軸4aの上側まで回り込むことになる。更に、一の巻軸4aを反時計回りに回転させることにより、新たな端部32を、同図の左側から供給されるシート3と一の巻軸4aとの間に巻き込ませて、新たな端部32が一の巻軸4aから離脱できないようにする。つまり、新た端部32はオペレータ等の人手によらず一の巻軸4aに接続される。
【0018】
I:更に、一の巻軸4aを回転させ続けると、シート3が一の巻軸4aに巻き取られるので、一の巻軸4aの周りにロール33が形成する。この状態は、一の巻軸4aと他の巻軸4bの位置が置換わった点を除いて、図8及び図9に表した上記Eのステップと同様である。
【0019】
以上に述べたE〜Iのステップを繰り返すことにより、一の巻軸4aと他の巻軸4bの位置を置換えつつ、これらの巻軸4a,4bにシート3を交互に巻き取らせることができる。一方、満巻となったロール33は、図11に示すように、タッチロール5から離反した位置で、巻軸4b(又は4a)から取り外され適所へ搬出される。
【0020】
【特許文献1】
特開平9−272645号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、巻取機2を長期間休止させ、又はシート3の巻取りに不具合が生じた等の事情により巻取機2を非常停止させた後で、これを再稼動させる場合には、その都度、上記A及びBのステップを実行し、シート3の先端30のガイドチェーン8からの切離し及び巻軸4b(又は4a)への接続に係る一連の作業を、オペレータ等が手作業で行わなければならない。
【0022】
この作業は、上記の通りオペレータ等が巻軸4b(又は4a)の下方に入り込んで行わなければならないので、オペレータ等に無理な姿勢を強いることになる。また、作業中に巻取機2が不用意に動作することのないように、オペレータ等の安全を確保する対策が不可欠である。このため、シート3の端部30を巻軸4b(又は4a)に接続する作業に付随して、不要な手間と時間を費やすという問題がある。
【0023】
そこで、本発明の目的は、オペレータ等の安全を確保しつつ、シートの端部を巻軸に接続する作業を迅速且つ容易に行える、巻取機のシート引出装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明は、回転駆動する複数の巻軸と、該複数の巻軸の一の巻軸の周面を押し付けるタッチローラと、前記一の巻軸を前記タッチローラに近接し他の巻軸を前記タッチローラから水平方向に離反する位置に相互に置換可能に支持するタレットとを備え、前記一の巻軸とタッチローラとの間を経て供給されるシ−トを、前記他の巻軸に巻き取らせる巻取機のシート引出装置に係るものである。前記一の巻軸及び前記タッチローラの下方に一端を配置し、他端を前記他の巻軸の下方へ延出するスロープと、前記スロープの一端を上昇することにより、前記スロープを前記一の巻軸から前記他の巻軸の下方へ向かって下降傾斜させ、前記スロープの一端を下降することにより、前記スロープを前記一の巻軸の下方へ退避させる昇降手段とを備える。
【0025】
更に、本発明に係る巻取機のシート引出装置は、前記昇降手段が、前記一の巻軸に対して先端を昇降する方向へ旋回自在なスイングアームと、該スイングアームを旋回させる旋回駆動源とを備え、前記スロープが、前記スイングアームの先端に一端を接続した可撓帯と、該可撓帯の他端に接続し前記可撓帯を巻き取る方向に回転付勢された支軸と、該支軸を前記他の巻軸の下方で支持する支持部材とを備えるものである。
【0026】
更に、本発明に係る巻取機のシート引出装置は、前記支持部材が、前記支軸を前記一の巻軸の下方から前記他の巻軸寄りに進退自在に支持する作動ロッドから成るものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態に係るシート引出装置について説明する。以下で、従来例として述べた構成には同符号を付し、その詳細な説明又は図示を省略する。
【0028】
図1に示すように、当該シート引出装置1は、巻取機2の一の巻軸4aとタッチローラ5との間から繰り出されるシート3を一端10で受け他端11を他の巻軸4bの下方へ延出するスロープ12と、スロープ12の一端10を昇降させる昇降手段13とから構成される。昇降手段13は、一の巻軸4aの下方に位置する支点14の周りに旋回して先端15を昇降するスイングアーム16と、スイングアーム16を旋回させる旋回駆動源17とから構成される。
【0029】
スロープ12は、昇降手段13のスイングアーム16が、図中に仮想線で表したように、その一端10を床面95から上昇させた状態で、一の巻軸4aから他の巻軸4bの下方へ向かって下降傾斜する姿勢をとる平部材である。スロープ1d2として、例えば、表面の滑らかな薄い鋼板等を適用しても良い。或いは、スロープ12として、ビニルシート、ポリエチレンシート、シート状又は広幅のベルト状のゴム等から成る所謂ラバーシートのような可撓帯を適用しても良い。
【0030】
スロープ12が可撓帯であれば、この一端10をスイングアーム16の先端1d5に接続し、他端11を回転軸18に接続する。回転軸18は、直方体のケースd19の内部に一の巻軸4aに平行な姿勢で回転自在に支持されている。ケース19は、後述の支持部材20を介して床面95付近に固定されている。図に表れてdいないコイルバネ又は渦巻きバネによって、回転軸18は図中で時計回りに回転するよう付勢されている。つまり、回転軸18はスロープ12を巻き取る方向に回転付勢されている。
【0031】
従って、スイングアーム16を、図中にd実線で表したように一の巻軸4aの下方で平伏させれば、この先端15が下降して回転軸18に接近し、スロープ12が回転軸18に巻き取らせることができる。これにより、スロープ12を、ケース19の内部に収納し、タレット6の旋回に伴って移動する巻軸4a,4bの邪魔にならないよう退避させられる。
【0032】
昇降手段13のスイングアーム16を、図中に仮想線で表したように起立させて、この上端15を床面95から上昇させれば、スロープ12が、回転軸18に加わる付勢力に抗してスイングアーム16の上端15へ引っ張られ、ケース19に開口したスリット(図に表れず)を経てケース19から引き出されることになる。
【0033】
この状態で、スロープ12の他端11は、図中に実線で表した通り、タレット6の枢軸部60の下方に位置するが、好ましくは、枢軸部60よりも更に他の巻軸4bへ向けてスライドさせる。この動作はオペレータ等が支持部材20を操作することによって行える。即ち、支持部材20は、回転軸18をケース19と共に支持する作動ロッド28と、作動ロッド28をタレット6の枢軸部60から他の巻軸4bへ向けて水平方向に進退自在に支持する複数のリニア軸受21とから構成される。複数のリニア軸受21は作動ロッド28の進退する方行(長手方向)に間隔を開けて床面95に固定されている。
【0034】
作動ロッド28の進退動作はオペレータ等が手動で行っても良いが、エアシリンダ又は油圧シリンダ等の駆動源によって進退するよう構成しても良い。作動ロッド28を他の巻軸4bの下方へ向けて伸長させると、スロープ12の他端11は、図中に仮想線で示すように、他の巻軸4bの略真下に位置することになる。この動作に伴ってスイングアーム16の上端15と回転軸18との距離が長くなる分、スロープ12が更にケース19から引き出されるので、スロープ12の全長も延長する。
【0035】
この状態でスロープ12の姿勢を保持したまま、既述のA及びBのステップを実行して、図2に示すように、シート3の先端30を、一の巻軸4aとタッチローラ5との間に通過させる。そして、シート3の先端30がスイングアーム16の先端15を図中の左側へ過ぎたところで、電動機94を停止してガイドチェーン8を一旦停止させる。
【0036】
この状態で、一の巻軸4aを反時計回りに回転させ続けると、シート3のみが一の巻軸4aとタッチローラ5との間から下方へ繰り出されるので、シート3はその先端30と一の巻軸4aとの間において大きく弛み、スロープ12の一端10付近に受けれる。この際、スイングアーム16の上端15の上方で大きく弛んだシート3が、この先端15から図中の左側へ脱落するのを阻止するために、先端15に突片22を設けても良い。
【0037】
上記のように弛んだシート3は、その弛みが増すに従ってスロープ12に沿って他の巻軸4bの下方へ向かって滑り落ちるので、オペレータ等は、例えば符号x0で指した箇所をカッター等を用いて切断して、最初の先端30とは別の先端34を形成する。更に、先端34をオペレータ等が他の巻軸4bの周面に接続すれば、巻取機2は既述のCのステップ以降を続行できる。
【0038】
上記の切断及び接続に係る一連の作業は、オペレータ等が他の巻軸4bの下方へ僅かに手を差し込んで行えるので、従来例のように、オペレータ等に無理な姿勢を強いることがない。また、オペレータ等が巻取機2の外側から総ての手作業を行えるので、作業に係る安全性が飛躍的に向上する。
【0039】
更に、当該シート引出装置1において、巻取機2が既述のGのステップを実行してシート3を切断する工程で、図1に例示しているようなシートカッタ23を適用すれば、シート3の切り口を真っ直ぐに整えて、ロール33全体の見栄えを良好にできるという利点が得られる。
【0040】
シートカッタ23は、周知の技術であるのでその作動原理のみを述べると、図3に示すように、シート3にその表面から切り込む円盤状の上刃24と、シート3にその裏面から切り込む円盤状の下刃25とを、それぞれの刃先同士を僅かに重ね合わせて配置したものである。上刃24と下刃25とは、図1に表した滑子26に回転自在に支持されている。上刃24と下刃25との間にシート3を挟み込み、上刃24と下刃25とをシート3の幅方向へ走行させると、上刃24と下刃25とが回転しつつシート3を切断する。
【0041】
一方、当該シート引出装置1において、ガイドチェーン8は、スプロケット84を通過してから、スプロケット82の下方(図中の左側)に配置したスプロケット85に至る。スプロケット85は、従来例として述べたものと実質的に同じものであるが、これを一の巻軸4aから水平方向に離反するようにしたのは、シートカッタ23を回避するように、ガイドチェーン8の取り回しを行うためである。
【0042】
即ち、シートカッタ23の滑子26は、シート3の幅方向に延びるスライドレール27に滑動自在に係合している。滑子26がシート3をその幅方向に横切るためには、スライドレール27もシート3の幅寸法よりも長くし、長滑子26のストロークをシート3の幅寸法よりも広く確保しなければならない。このため、ガイドチェーン8を上記のように取り回すことにより、スライドレール27がガイドチェーン8に接触するのを避けている。
【0043】
また、ガイドチェーン8をスイングアーム16の上端15から図中の左側へ逃がすことで、図2に示すように、ガイドチェーン8に接続したシート3の先端30から一の巻軸4aまでの距離を広く設定し、これらの間の先端30寄りに位置する上端15又は突片22によって、上記のように大きく弛んだシート3をスロープ12の上面(右側)へ確実に案内できる。
【0044】
尚、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良,修正,変形を加えた態様で実施できる。例えば、タレット6の旋回に伴って移動する巻軸4a,4bの邪魔にならないように、スライドレール27を一の巻軸4aの下方へ退避できるようにしても良い。この構成は特に図示していないが、シートカッタ23を支軸96の周りに旋回自在に取り付けても良い。
【0045】
また、昇降手段13の形態は上記の構成に限定されるものではなく、例えば、一の巻軸4aの真下又は側方に、エアシリンダ等を起立させて設置し、この作動ロッドの先端にスロープ12の一端10を接続し、この作動ロッドを上下方向に伸縮することにより、スロープ12の一端10を昇降させても良い。
【0046】
【発明の効果】
本発明に係る巻取機のシート引出装置によれば、巻軸とタッチローラとの間から繰り出されるシートをスロープの一端で受け、このシートを、スロープに沿って他の巻軸の下方へ滑り下ろせるので、シートの端部を巻軸に接合する作業をオペレータ等が行うに際して、オペレータ等に無理な姿勢を強いることがない。また、シートの端部を巻軸に接合する作業を、オペレータ等が巻取機の外側から手を差し込むだけで総て行えるので、この作業の安全性が飛躍的に向上するという利点が得られる。
【0047】
また、本発明に係る巻取機のシート引出装置によれば、スロープがタレットの旋回に伴って移動する巻軸の邪魔にならないように、スロープを巻き取って一の巻軸の下方に収納することができる。
【0048】
更に、作動ロッドによって支軸を一の巻軸の下方から他の巻軸寄りに進退できるよう構成すると、スロープの他端を他の巻軸寄りに前進させた状態で、オペレータ等がシートの端部を巻軸に接合する作業を行えるので、この作業が一層容易なものとなる。また、スロープを使用しない場合には、巻取機からスロープが突き出して邪魔にならないように、スロープの他端を一の巻軸寄りに後退させ、スロープ全体を巻取機の奥へ収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る巻取機のシート引出装置を側面視した概略図。
【図2】本発明の実施の形態に係る巻取機のシート引出装置の要部の側面図。
【図3】本発明の実施の形態に係る巻取機のシート引出装置に適用したシートカッタの原理を示す斜視図及び側面図。
【図4】従来例の巻取機を側面視した概略図。
【図5】従来例の巻取機の要部の平面図、及び同巻取機に適用したシート及びガイドチェーンの接続状態を表す平面図。
【図6】従来例の巻取機の動作の第1ステップを表す概略図。
【図7】従来例の巻取機の動作の第2ステップを表す概略図。
【図8】従来例の巻取機の動作の第3ステップを表す概略図。
【図9】従来例の巻取機の動作の第4ステップを表す概略図。
【図10】従来例の巻取機の動作の第5ステップを表す概略図。
【図11】従来例の巻取機の動作の第6ステップを表す概略図。
【符号の説明】
1:シート引出装置
2:巻取機
3:シート
4a,4b:巻軸
5:タッチローラ
6:タレット
10:一端
11:他端
12:スロープ (可撓帯)
13:昇降手段
15:先端
16:スイングアーム
17:旋回駆動源
18:支軸
20:支持部材
28:作動ロッド
Claims (3)
- 回転駆動する複数の巻軸と、該複数の巻軸の一の巻軸の周面を押し付けるタッチローラと、前記一の巻軸を前記タッチローラに近接し他の巻軸を前記タッチローラから水平方向に離反する位置に相互に置換可能に支持するタレットとを備え、前記一の巻軸とタッチローラとの間を経て供給されるシ−トを、前記他の巻軸に巻き取らせる巻取機のシート引出装置であって、
前記一の巻軸及び前記タッチローラの下方に一端を配置し、他端を前記他の巻軸の下方へ延出するスロープと、
前記スロープの一端を上昇することにより、前記スロープを前記一の巻軸から前記他の巻軸の下方へ向かって下降傾斜させ、前記スロープの一端を下降することにより、前記スロープを前記一の巻軸の下方へ退避させる昇降手段と、
を備えることを特徴とする巻取機のシート引出装置。 - 前記昇降手段が、前記一の巻軸に対して先端を昇降する方向へ旋回自在なスイングアームと、該スイングアームを旋回させる旋回駆動源とを備え、
前記スロープが、前記スイングアームの先端に一端を接続した可撓帯と、該可撓帯の他端に接続し前記可撓帯を巻き取る方向に回転付勢された支軸と、該支軸を前記他の巻軸の下方で支持する支持部材とを備えることを特徴とする請求項1に記載の巻取機のシート引出装置。 - 前記支持部材が、前記支軸を前記一の巻軸の下方から前記他の巻軸寄りに進退自在に支持する作動ロッドから成ることを特徴とする請求項2に記載の巻取機のシート引出装置。
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