JP2004267273A - 医用システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】医用診断装置によって収集されたデータに基づく医用画像を表示し、その医用画像の観察結果を入力する医用システムにおいて、医用画像の表示状態を変更する操作を行うための操作手段と、前記操作手段への操作に基づいて所定の画像処理を行って、表示用の医用画像を生成する表示画像生成手段と、前記医用画像にかかる観察結果を入力する入力手段と、前記医用画像の観察経過情報を発生する観察経過情報発生手段と、前記観察経過情報と前記読影結果とを関連付けてデータベースに記憶する保存手段を具備する。
【選択図】 図8
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医用画像診断装置により収集された医用画像を表示し、その医用画像の観察結果を保存する医用システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、人体内部の状態を表す医用画像を提供する医用画像診断装置が普及している。この医用画像診断装置としては、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置(核磁気共鳴画像診断装置)、超音波画像診断装置、核医学診断装置等が知られている。
【0003】
又、これら医用画像診断装置により収集された医用画像の表示し、その医用画像に対する観察結果(読影結果)を入力する装置として医用画像観察システムが知られている。この医用画像観察システムは、各種画像処理等の操作を行うためのグラフィカルユーザインタフェース(GUI)を備えており、読影医(観察者)は、このGUIを使用して、フィルタ処理、コントラスト調整処理、エッジ強調処理、拡大縮小処理、3次元画像のボリュームレンダリング処理、MIP(最大、最小値投影)処理、MPR(マルチプレーン再構成)処理等の処理を施した医用画像を表示する。読影医は、表示されている医用画像中に医学的な異常(病巣)等が無いか観察し、この観察により異常がある場合は、異常の疑いがある部位、病名等のコメントを観察結果として入力する。又、必要に応じて、この異常の疑いがある部位が良好に観察できるよう画像処理やマーク付けを行った画像を観察結果として入力する。これらの観察結果は、読影レポートとしてレポートサーバに保管される。レポートサーバは、読影レポートをデータベースとして記憶しており、必要に応じて検索、閲覧等を行うことができるように構成されている。
【0004】
このような医用画像観察システムに関するものとして、例えば特許文献1が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
近年、医用画像診断装置の高機能化に伴い、多数断面の医用画像の収集、3次元領域のボリュームデータからの医用画像生成等が可能になっている。又、医用画像観察システムの高機能化に伴い、これらの医用画像に対して多種多様な画像処理を施すことが可能になっている。このように多くの医用画像を多種多様な方法で観察できるようになったことにより、どのような手法や手順で医用画像を観察するかが重要なポイントとなっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−22867
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の医用画像観察システムでは、読影レポートの観察経過の記録を保存していないため、後日、その読影が適正に行われたものであるかを確認することができないという問題があった。本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、読影レポート作成時の観察経過を後日確認することが可能な医用画像観察システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
【0009】
本発明の第1の視点は、医用診断装置によって収集された医用画像を表示し、その医用画像に対する観察結果を入力する医用システムにおいて、医用画像の表示状態を変更する操作手段と、前記操作手段への操作に基づいて所定の画像処理を行い、観察用の医用画像を生成する表示画像生成手段と、前記医用画像にかかる観察結果を入力する入力手段と、前記医用画像の観察経過情報を発生する観察経過情報発生手段と、前記観察経過情報と前記観察結果とを関連付けてデータベースに記憶する保存手段を具備することを特徴とする医用システムである。
【0010】
このような構成によれば、医用画像の読影を行った際の観察経過情報がデータベース上に記録されるため、どのように読影が行われたかを必要に応じて確認することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
【0012】
まず、本実施形態に係る医用画像観察システムの構成を、図1を参照しながら説明する。図1は、医療施設システム20、保守会社システム30、公衆網50から構成される。
【0013】
医療施設システム20は、病院等の医療施設内に設けられた院内LAN等を利用して構築され、X線診断装置21、X線CT装置22、MRI装置23、画像サーバ24、レポートサーバ25、ビューア(医用画像観察装置)26、アクセスルータ27を具備している。本実施の形態においては、レポートサーバ25とビューア26により医用画像観察システム10を構成しているものとして説明する。但し、医用画像観察システムとしては、この形態に限定されるものではなく、例えば単体の装置により構成しても良い。
【0014】
X線診断装置21、X線CT装置22、MRI装置23等の各種医用画像診断装置は、被検体内部の状態を表した医用画像を発生する。各装置が発生した画像は、院内LANを介して画像サーバ24に格納される。
【0015】
画像サーバ24は、各種医用画像診断装置によって収集された画像をLAN経由で取得し、磁気記憶装置や光ディスク上に記憶する。また、画像サーバ24は、各種医用画像診断装置による医用画像に限らず、検査関連情報、オーダ情報、レポート情報も格納することができる。
【0016】
レポートサーバ25は、読影作業を行う検査の一覧の表示や、医用画像の読影結果から読影レポートの作成を行うためのものである。レポートサーバ25と、ビューア26は、読影医が同時に操作できるように並べて配置され、読影医はビューア26上に表示された医用画像を見ながら、その読影結果をレポートサーバ25に入力する。この読影レポートは、医用画像中の異常の有無、異常の疑いがある部位名、病名等の所見や、ビューア26で作成されたレポート画像等を含んでいる。これらの所見の情報、レポート画像の情報は、患者の識別情報等と関連付けられてデータベースとしてレポートサーバ25に記憶されている。また、レポートサーバ25は、ビューア26において作成された後述する観察経過情報を、所見情報及びレポート画像(又はレポート画像を識別するための識別情報)等と関連付けてデータベースとして記憶する。このレポートサーバ25の構成については、後で詳しく説明する。なお、当該レポートサーバ25の機能は、ビューア26内に同様の機能を設けて行うようにしても良い。
【0017】
ビューア26は、画像サーバ24等からLAN経由で送られてきた医用画像を表示部に表示する。ビューア26は、当該ビューア26上での操作又はレポートサーバ25からの要求に応じて、指定された医用画像を表示することができるように構成されている。読影医等の観察者は、当該ビューア26上で医用画像に対して所定の画像処理(例えば、ボリュームレンダリング、MIP、MPR、画質調整、コマ送り表示の速度制御等)を施してレポート画像を作成することができる。又、ビューア26は、所定の操作によりこのレポート画像をレポートサーバ25へ送ることができる。このビューア26の構成については、後で詳しく説明する。
【0018】
アクセスルータ27は、院内LANとインターネット等の公衆網又は専用回線等とを繋ぐ装置である。
【0019】
(ビューアの構成)
図2は、ビューア26の概略構成を示した図である。同図に示すように、ビューア26は、読影医の視点の動きを検出する視点情報検出手段260、マウス、キーボード等の操作手段261、表示を行うモニタ262、LANを介して他の装置と通信を行うための通信手段263、制御プログラムに基づいて各種情報処理を行う情報処理手段264、画像サーバ24等から送られてきた医用画像を記憶する医用画像データベース265、観察経過情報の一時的に保存する観察経過情報ファイル266を具備している。
【0020】
情報処理手段264は、各種画像処理の操作と対応付けられたグラフィカルアイコン等をグラフィカルユーザインターファース(GUI)としてモニタ262に表示する。情報処理手段264は、読影医の操作により選択されたアイコンに応じて各種情報処理を行う。この情報処理は、例えば、医用画像の選択、画像に対する画像処理、医用画像中の異常部分へのマーク付け、作成したレポート画像のレポートサーバ25への送信等である。尚、GUIの代わりに、視点情報検出装置による視線の検出結果や、音声認識装置による音声認識結果に基づいて、各種画像処理の操作を行うようにしても良い。
【0021】
情報処理手段264は、読影医による読影操作の間、GUIを用いて行われた命令の入力操作情報、視点情報検出手段260により検出された視点情報等を観察経過情報ファイル266に順次記録する。視点情報は、視点情報の記録条件を設定することにより、特定の状況でのみ保存するようにすることができる。例えば、保存するときの条件として、「画像を表示中」、或いは「シネ表示中」又は「3D表示時」といった機能別の条件設定が考えられる。この様な条件設定により、記憶すべき視点情報のデータ量を削減することができる。この観察経過情報ファイル266に記録された観察経過情報は、その検査の読影作業が終了した時点で、レポートサーバ25へ送られ、読影レポートと共に読影レポートデータベース255に保存される。
【0022】
さらに、情報処理手段264は、レポートサーバ25からの要求又はGUIによる指示に基づいて、読影レポートの観察経過の再現を行うことができる。読影レポートの閲覧や観察経過の再現を行う場合、情報処理手段264は、読影レポートデータベース255に保存されている観察経過情報を読み出して再現する。この再現では、その読影作業時に行った操作と、同じ時間間隔で各種操作が再現され、これにより読影医がどのような画像をどの程度の時間で観察したかを確認することができる。又、この再現を行う場合は、表示している医用画像に対して改ざん等が行なわれていないか後述するハッシュ値を用いて確認する。改ざん等が行なわれた可能性がある場合はその旨の警告を表示する。
【0023】
観察経過情報ファイル266は、ビューア26の操作履歴情報、機器情報、視点情報、付加情報等の要素を時系列に配列して記憶する。各要素は、次の様な内容をもつ。
【0024】
機器情報:モニタ、グラフィックボードに関するグラフィックボードの種類、ドライバ情報、バージョン等の情報、使用するアプリケーションソフトウェアに関する情報、ビューアソフトに関するバージョン等の情報、モニタ調整設定に関する情報、ビューアとして使用されるコンピュータを特定できる情報(型番、搭載メモリ量、CPUのシリアル番号)など、観察状況をコンピュータハード、ソフトの面から決定するための情報である。
【0025】
操作履歴:画像診断において、ビューア26に対してGUIを介して実行された操作の履歴である。例えば、操作の内容としては「検査選択」、「画像処理」、「画像の拡大縮小」、「エッジ強調処理」、「輝度調整」、「画像表示」、「表示態様の変更」、「表示コマ数の増加減」、「表示速度の変更」、「レポート作成」、「レポート保存」、「画像印刷」、「画像データの転送」、「MPR処理」、「MIP処理」、「ボリュームレンダリング処理」、「投影方向の変更」等の操作に関する履歴である。GUIの場合、こられの操作はアイコンを用いて行われる。操作履歴には、その操作内容と、利用者の識別情報(ログイン名)と、操作を行った日時等が書き込まれる。操作履歴を記録する際は、操作内容と共に、その操作内容に関連する設定情報や、使用された検査や医用画像を特定するため情報等を記憶し、後日観察状況を再現できるようにしておく。又、利用者名を特定する場合、網膜、指紋その他の身体的特徴によって自動的に特定する手法を採用する構成であってもよい。
【0026】
視点情報:例えば利用者の視線を検出しトラッキングするアイ・スキャナ等の視点情報検出手段260を当該利用者が装着し、そこから得られた視線に関する情報と画面の位置とを対応付けた情報である。なお、当該視点情報は、その視点での観察時間も含む。すなわち、画像上のある位置で視点の移動が止まった場合において、その位置での視点の停止時間を観察時間とする。このとき、視線を検出する時間間隔は、眼球の移動速度に応じて適切なトラッキングが出来るように、任意に設定できることが好ましい。この様に観察時間が履歴として保存されることで、当該診断から所定時間経過後であっても、画像観察にどの程度の時間が費やされたのかを知ることができる。また、後日読影手順再現する場合、当時の観察者の視点がどこにあったのかを視覚的に示すことができる。さらに、後日読影手順再現する場合、観察時間は記録によって把握可能であるから、当該観察時間を省略する等の調整が可能となる。
【0027】
付加情報:診断に使用された画像の特定情報、その特定情報を示す画像が正しいかどうかを確認できる情報(使用された画像のハッシュ値などを使用)である。ここで、ハッシュ値とは、医用画像データから所定の演算により求めた識別情報であり、このハッシュ値が同じかどうかにより医用画像が同一のものか判別できる。又、このハッシュ値をデータの管理アドレスとして使用することで、データ特定の精度向上、読み出しの高速化等を図ることができる。このハッシュ値は、レポート画像と作成されたレポート結果との整合性を確認する際にも利用することができる。また、ビューア26側のデータとレポートサーバ25側のデータとの整合性の確認にも利用することができる。
【0028】
さらに、この付加情報は、レポートによる評価、カンファレンス等の結果のフィードバック、指導教官等による評価、審査機関(データを収集し評価する機関)による評価等を含むようにしても良い。
【0029】
医用画像データベース265は、各種検査装置によって取得された画像をデータベースとして記憶する。この医用画像データベース265としては、ビューア26自身が予め保存しているものと、画像サーバ24からLANを経由して新たに取得したものとがある。
【0030】
通信手段263は、ビューア26やサービスセンタの情報収集/提供装置32と院内LANや公衆網を介して、医用画像や観察経過情報の送受信を行う。
【0031】
(レポートサーバ)
図3は、レポートサーバ25の概略構成を示した図である。同図に示すように、レポートサーバ25は、操作手段251、モニタ252、通信手段253、情報処理手段254、読影レポートデータベース255、観察経過情報ファイル256、統計分析処理に用いる整理用条件設定ファイル257、統計分析結果を出力する際に非表示にする項目等の情報を記憶する秘密情報設定データベース258を備えている。
【0032】
情報処理手段254は、操作手段251により一覧の表示指示が行われると、読影レポートデータベース255を検索して読影を行わなければならない検査の一覧をモニタ252に表示する。読影者がこの一覧の中から検査するものを選択すると、情報処理手段254は、その検査に対する読影レポートを作成するための画面をモニタ252に表示し、同時にその検査にかかる医用画像を表示するようにビューア26へ要求を出す。
【0033】
情報処理手段254は、読影医が観察している医用画像に対する医学的異常の有無及び異常の内容にたいするコメント(所見)の入力を行うと、読影レポートに対してその所見の書き込みを行う。所見等の入力及び装置操作は、読影医が直接行わずに、読影医の指示に従って他の操作者(トランスクライバー)が行う場合がある。この場合は、入力を行った人を特定する個人識別情報を操作履歴中に記録し、入力を行った人が読影医であるかトランスクライバーであるか後日確認できるようにする。又、所見の入力は、音声認識装置を用いて話している内容を文字情報に変換して入力しても良い。この場合はこれらの装置による入力結果も操作履歴として記録する。
【0034】
情報処理手段254は、上述のようなレポートサーバ25によるグラフィカルアイコン等による操作履歴、所見の入力にかかる操作履歴等を、その操作の時間経過が把握できる形態で観察経過情報ファイル256に記憶する。又、観察経過情報ファイル256には、機器情報等の要素も記憶する。
【0035】
情報処理手段254は、ビューア26からのレポート画像を受信するとそのレポート画像(又はそれを特定するための識別情報)を読影レポートに添付する。その検査の読影が終了した時、レポートサーバ25は、作成した読影レポートとビューア26の観察経過情報ファイル266及びレポートサーバ25の観察経過情報ファイル256に記憶されている観察経過情報を読影レポートデータベース255に記憶する。
【0036】
整理用条件設定ファイル257には、観察経過情報から、観察経過の状況を分かり易く表した指標値や、統計的分析結果を求めるための分析条件等を記憶している。この整理条件としては、例えば、読影レポートデータベース255の観察経過情報から、「作成された時期や期間ごとの件数」、「観察者別の読影時間」、「観察者別の読影回数」、「使用された画像処理の種類別の回数」、「レポートによる評価」、「カンファレンス等の結果のフィードバック」、「指導教官等による評価」、「審査機関(データを収集し評価する機関)による評価」等である。この整理用条件設定ファイル257内の条件に基づいて、情報処理手段254は、利用者に有用な情報を整理してモニタ252に表示することができる。尚、この整理用条件は、サービスセンタの情報収集/提供装置32からネットワーク経由で入手するようにしても良い。
【0037】
秘密情報設定データベース258は、観察経過情報のうちの秘密にすべき情報(例えば、病院の内部情報等)の変換対応リストを格納している。すなわち、観察経過情報には、患者や医師の名称等の個人データ等、院外に漏らすべきではない秘密にすべき情報が含まれている。これらの秘密にすべき情報を外部から取得不可能にするため、例えば「A医師→D1012065」「B医師→D1020654」といった具合に、の所定の部分は所定の形態に変換され読影レポートデータベース255に記憶される。秘密情報設定データベース258は、この変換前の情報と変換後の情報とを対応付ける対応リストを格納している。これにより、外部からアクセス可能な観察経過情報として、医師の個人名がD1012065、D1020654に変換された観察経過情報のみが読影レポートデータベース255に格納されることとなり、情報漏洩を防止することができる。
【0038】
図4は、観察経過情報ファイル256、266が格納する観察経過情報の一例を示している。この例は、情報処理手段264が作成した観察状況を表す情報(ここでは、「ログイン使用者名」、「検査リスト表示」、「検査選択」、「画像表示」、「表示コマ数の増加」、「表示速度」、「レポート作成」、「レポート保存」等のボタンクリック等の操作が、各ボタンに対応付けされている命令の種別、操作の種類(クリック、ドラッグ等)、操作を行った日時とともに書き込まれている。特に、「画像表示」は、観察時間を含む視点情報が付加されたものとなっている。
【0039】
(図5による読影時の動作説明)
次に、医用画像観察システム10を利用した医用画像観察の全体の流れについて、図5乃至図7を参照しながら説明する。
【0040】
図5は、医用画像観察のシーケンス図を示している。図6(a)、(b)は、ビューア26の表示画面の一例を示した図である。図5に示すように、まず、レポートサーバ25にログオン後、読影医が検査リストの表示を指示すると図6(a)のように読影を行わなければならない検査のリストがレポートサーバ25に表示される。読影医が検査リスト中の検査を選択すると、ビューア26に対してその検査に対応する医用画像の表示要求が出される。ビューア26は、画像サーバ24に当該医用画像の送信を要求し、画像サーバ24は当該要求を受けて指定された医用画像をビューア26に送信する。ビューア26は、受信した医用画像を図6(b)のように表示する。この例では医用画像として20枚のCT画像を受信しており、その内の一枚目の画像を所定の大きさ(例えば512×512ピクセル)で表示している。また、読影医が必要に応じて、例えば全ての画像を見るために、シネ表示ボタンを押した場合には、各画像を所定のスピード(例えば、2枚/1秒)で順次表示する。読影医は、ビューア26を操作して画像処理等を行い読影に適した状態で医用画像させる。
【0041】
次に読影医は、レポート作成ボタンを選択し、レポートサーバ25にレポート作成画面を表示させ、ビューア26に表示している医用画像に対する所見の入力を行う。この時、レポートサーバ25上で読影医がレポート画像の添付を指示すると、レポートサーバ25はビューア26に対してレポート画像の送信を要求し、ビューア26は、当該要求に応答して、現在表示している医用画像をレポート画像としてレポートサーバ25に送信する。レポートサーバ25は、受信したレポート画像を読影レポートに貼り付ける。
【0042】
読影医がレポートサーバ25上で次の検査の指示を行うと、レポートサーバ25はビューア26に対して観察経過情報の送信を要求する。ビューア26は、この要求を受け、観察経過情報ファイル266の内容をレポートサーバ25へ送信する。レポートサーバ25は、この観察経過情報と読影レポートを読影レポートデータベース255に記憶させた後、次の検査にかかる医用画像の表示要求を行い上述の動作を繰り返す。
【0043】
図7は、読影レポートデータベース255に記憶されるデータ構成を示している。読影レポートデータベース255には、患者の識別情報、性別、年齢、検査日、レポート画像の情報、所見の情報、観察経過の情報が関連付けて記憶されている。レポート画像の情報、所見の情報、観察経過の情報としては、それぞれの実データの保管場所を特定するための識別情報と、各実データから求めたハッシュ値が記憶されている。このハッシュ値を用いることにより、後日、データを読み出した際、データが記憶当時と同じものであるか確認することができる。
【0044】
(図8による読影時の動作説明)
次に、上記のように構成した医用画像観察システム10の読影時の動作について図8を参照しながら説明する。
【0045】
図8に示すように、GUIを用いて利用者の識別情報及びパスワードを入力してログイン操作を行う(ステップS1)と、利用者が正しくログインしたか否かを判別(ステップS2)し、正しくログインされた場合には、機器情報、ログイン名に基づく利用者情報等を取得し、観察経過情報ファイル256、266に記憶する(ステップS3)。
【0046】
次に、所定の検査情報等が指定されると、当該指定された検査における観察経過情報の保存、すなわち観察経過情報ファイル266の記録を開始し(ステップS4)、読影を行う検査を指定して当該指定検査の医用画像を表示する(ステップS5)。利用者はこの表示された医用画像に関するビューアへの操作選択を行うことで所望の画像処理等を施す。これと同時に、観察経過情報が生成され、観察経過情報ファイル256、266に順次記憶される(ステップS6)。当該医用画像に関する操作が終了すると、情報処理手段264は別の検査が選択(指定)されたか否かを判定し(ステップS7)、別の検査画像が選択(指定)されていない場合にはステップS6へ戻る。別の検査画像が選択された場合には、観察経過情報ファイル256、266に記憶された観察経過情報と、当該医用画像(レポート画像)を関連付けて読影レポートデータベース255に記憶する(ステップS8)。次に別の全検査の読影が終了したか判定を行い、全ての検査が終了した場合は処理を終了し、残りの検査がある場合はステップ4へ戻る(ステップS8)。
【0047】
(観察状況の再現)
レポートサーバ25、ビューア26又は保守用情報収集/提供装置32は、取得した観察経過情報に基づいて、レポート画像の再生を含む観察状況の再現を実行することができる。この再現は、観察経過情報に従った読影医のマニュアル操作により実現する構成でもよいが、当該観察経過情報に基づいて各装置が自動的に実行する構成であってもよい。
【0048】
(サービスセンタの端末による観察経過情報分析)
次に、サービスセンタの情報収集/提供装置32によって観察経過情報の分析処理を行う場合について説明する。情報収集/提供装置32は、各レポートサーバ25又はビューア26から取得した観察経過情報を整理用条件に基づいて分析し、その分析結果を各レポートサーバ25又は各ビューア26に対して送信する機能を備えている。この分析処理については上述のレポートサーバ25と同様のものが利用できるので説明は省略する。
【0049】
情報収集/提供装置32は、レポートサーバ25から収集した観察経過情報を分析し、利用者が欲するであろう情報、例えば各利用者の読影時間の平均時間や読影時間の短い観察者等の情報を分析結果としてレポートサーバ25やビューア26に送信する。
【0050】
図9、図10は、医師毎の読影時間の平均を分析して得られた結果例を示したグラフである。特に、図10は、図9に示す読影時間のうち、三次元画像を使用した場合と二次元画像を使用した場合との比率を示したものである。図9と図10とを比較すると、読影時間を短縮するためには、三次元画像を使用する方が有効であることが推測できる。このような分析結果をレポートサーバ25又はビューア26に提供することで、読影医は、レポートサーバ25、ビューア26を使用した作業をより効率的に実行することが可能となる。
【0051】
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
【0052】
レポートサーバ25、ビューア26又はサービスセンタの情報収集/提供装置32は、レポート画像作成に関する観察経過情報を、当該レポート画像及びレポートと関連づけて記憶している。従って、必要に応じて観察経過情報を出力することで観察状況を確認することができ、例えば数年経過した後であっても当時の観察状況を確認できる。
【0053】
又、必要に応じて、その観察時の状況を再現することができる。特に三次元画像のように読影時の手法が重要となるものについて、後日、適正に読影が行なわれたかを確認することが可能になる。
【0054】
また、当該観察経過情報には、視点情報及び観察時間が含まれている。これにより、レポート作成から所定時間経過後であっても、当時の読影医の関心がどこにあり、その関心領域の診断にどれくらいの時間を要したかの基準を把握することができる。
【0055】
また、当該観察経過情報に機器情報を含むことにより、機器の違いによる表示状態の違いを含めた観察状況の確認を行うことができる。
【0056】
レポートサーバ25、ビューア26は、整理用条件を設定して、観察経過情報を所定の条件にて分析することができる。例えば、これにより観察者による読影手法の違いや、読影結果の優れた読影医の観察手法を分析することが容易にできる。
【0057】
レポートサーバ25、ビューア26は、秘密情報設定データベース256内の変換対応リストに基づいて、秘密にすべき情報を他の情報に変換して読影レポートデータベース267に記憶することができる。これにより、当該秘密情報の外部からのアクセスユーザに対する漏洩を防止することができる。
【0058】
レポートサーバ25、ビューア26は、観察経過情報やレポート画像をハッシュ値に対応付けて保存している。従って、データの改ざんが困難であり、高い安全性にて観察経過情報を保存、再現することができる。これにより、例えば医療訴訟発生時において、信頼性が高い証拠を提供することができる。
【0059】
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変形例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。
【0060】
例えば、上述の実施の形態は医用画像観察システムについて記載したが、本発明はX線診断装置、X線CT装置、MRI装置等を含む医用システムに対して適用できる。この場合、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置の画像表示処理部に上述の医用画像観察システムと同様の機能を持たせれば良い。
【0061】
【発明の効果】
以上本発明によれば、医用画像を読影した際の観察状況を表す記録がデータベース上に記憶されるため、必要に応じてその状況を確認することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、医用画像観察システム10の構成図を示している。
【図2】図2は、ビューア26の構成を示した図である。
【図3】図3は、レポートサーバ25の構成を示した図である。
【図4】図4は、観察経過情報の一例を示している。
【図5】図5は、医用画像観察システムの動作シーケンスを表す図である。
【図6】図6(a)〜(b)は、ビューア26の表示画面の一例を示した図である。
【図7】図7は、読影レポートデータベース255が格納するデータの一例を示した図である。
【図8】図8は、医用画像観察システム10の動作の流れを示したフローチャートである。
【図9】図9は、観察経過情報の分析結果の一例を示した図である。
【図10】図10は、観察経過情報の分析結果の一例を示した図である。
【符号の説明】
10…医用画像観察システム、21…X線診断装置、22…X線CT装置、23…MR装置、24…画像サーバ、25…レポートサーバ、26…ビューア、27…アクセスルータ、30…保守会社システム、31…アクセスルータ、32…情報収集/提供装置、50…公衆網、251…操作手段、252…モニタ、253…通信手段、254、264…情報処理手段、255、267…読影レポートデータベース、256、266…観察経過情報ファイル、257…整理用条件設定ファイル、258…秘密情報設定データベース、260…視点情報検出手段、261…操作手段、262…モニタ、263…通信手段、265…医用画像データベース
Claims (9)
- 医用診断装置によって収集された医用画像を表示し、その医用画像に対する観察結果を入力する医用システムにおいて、
医用画像の表示状態を変更する操作手段と、
前記操作手段への操作に基づいて所定の画像処理を行い、観察用の医用画像を生成する表示画像生成手段と、
前記医用画像にかかる観察結果を入力する入力手段と、
前記医用画像の観察経過情報を発生する観察経過情報発生手段と、
前記観察経過情報と前記観察結果とを関連付けてデータベースに記憶する保存手段と、
を具備することを特徴とする医用システム。 - 前記観察結果は、医用画像中の医学的異常の有無、前記医学的異常に関するコメント、又は、前記画像処理が施された医用画像の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1記載の医用システム。
- 前記観察経過情報は、観察者を特定するための情報、操作日時に関する情報、画像処理の種類の情報、観察作業中の経過時間を求めるための情報、医用画像観察装置を構成する機器の情報、医用画像観察装置に実装されているアプリケーションソフトの情報の少なくとも一つを有することを特徴とする請求項1記載の医用システム。
- 前記医用画像は3次元画像であり、
前記画像処理の種類は、3次元画像を表示する際のボリュームレンダリング処理、MIP処理、MPR処理、拡大縮小処理、投影方向の変更処理、位置の変更処理を含むこと、
を特徴とする請求項3記載の医用システム。 - 前記表示手段の画面上における操作者の視点に関する視点情報を取得する視点情報取得手段をさらに具備し、
前記観察経過情報は、前記視点情報を含むこと、
を特徴とする請求項1乃至4のうちいすれか一項記載の医用システム。 - 前記データベースから読み出した前記観察経過情報に基づいて、観察時に表示された前記観察用の医用画像を再現する再現手段を備えることを特徴とする請求項1乃至4のうちいすれか一項記載の医用システム。
- 前記データベースに保存されている複数の前記観察経過情報を分析する分析手段をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至4のうちいすれか一項記載の医用システム。
- 前記分析手段は、観察時に入力される前記観察結果とその後に入力される診断結果とを比較し、その比較結果を統計的処理を用いて分析することを特徴とする請求項7記載の医用システム。
- 前記観察経過情報に基づくハッシュ値を求める演算手段をさらに具備し、
前記保存手段は、前記ハッシュ値と前記観察経過情報とを関連付けて前記データベースに記憶するものであること、
を特徴とする請求項1乃至8のうちいずれか一項記載の医用システム。
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