JP2004267162A - 水田作業車 - Google Patents

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Masatsugu Tsuchie
昌嗣 土江
Shuji Tanaka
周二 田中
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Mitsubishi Agricultural Machinery Co Ltd
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Abstract

【課題】駆動後輪側のサイドクラッチの切り状態を解除して駆動力の増加を図る解除ペダルを設け、解除ペダルとデフロックペダルと走行停止ペダルとを踏み分け可能に配置した水田作業車を提供することを目的とする。
【解決手段】運転席9の座席11直前の中央部近傍に、ステアリングハンドル10と駆動後輪側に配置されたサイドクラッチの連動を解除する解除ペダル12を配置し、前記座席11直前の機体中央部一側に、デフロックペダル13を配置し、解除ペダル12を挟んでデフロックペダル13とは反対側の運転席9の前方に走行停止ペダル15を配置した。解除ペダル12、デフロックペダル13及び走行停止ペダルの踏み分けを可能にして、各足にかかる操作力を小さくすることができる。また操作を分かり易くすることができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前輪の所定以上の操向操作に連動して旋回内側となる駆動後輪の操向クラッチを切り、小回り旋回を可能とした水田作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、乗用田植機のような水田作業車は、畔際等で機体をUターンさせて次ぎの植付け行程に入る際に、前輪を大きく操向して小回り旋回する必要がある。このとき、旋回内側となる駆動後輪の操向クラッチを切れば、旋回内側の後輪が遊転しながら旋回するので円滑に小回り旋回することができる。
【0003】
従来から、前輪の所定角度以上の操向操作により、左右の駆動後輪の旋回内側となる側の操向クラッチを切り操作して小回り旋回を行えるようにした水田作業車が有る(特許文献1参照)。
【0004】
前記水田作業車では、通常の走行時においては4輪駆動することにより走行しているが、小回り旋回しているときには、前輪と旋回外側となる駆動後輪の3輪駆動となる。このため、小回り旋回中に前輪あるいは駆動後輪が深みに嵌まった場合、駆動力が不足して走行できなくなる場合がある。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−350506号公報 (第5−9頁 図8、図9)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記水田作業車では、デフロックペダルで前輪の駆動力を増す操作を行っているため、十分な駆動力を得ることができないことがある。
【0007】
前記の事情に鑑み、本発明は、駆動後輪側のサイドクラッチの切り状態を解除して駆動後輪の駆動力の増加を図る解除ペダルを設け、十分な駆動力を得ると共に、解除ペダル、デフロックペダル、走行停止ペダルを踏み分け可能に配置し、各足にかかる操作力を軽減するようにした水田作業車を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に係る発明は、ステアリングハンドル(10)による前輪(2、2)の所定以上のステアリング操作に連動して旋回内側となる駆動後輪(3、3)のサイドクラッチ(86L、86R)を切り、小回り旋回を可能とするサイドクラッチ機構と、前記前輪(2、2)の駆動系に配置されたデファレンシャル機構(46)を停止させるデフロック機構(54)と、機体の走行を停止させるブレーキ機構(87L、87R)とを備えた水田作業車において、
運転席(9)の座席(11)直前の機体(5)中央部近傍に、前記ステアリングハンドル(10)と前記サイドクラッチ(86L、86R)の連動を解除する解除ペダル(12)を配置し、
前記運転席(9)の座席(11)直前の機体(5)中央部一側に、前記デフロック機構(54)を作動させるデフロックペダル(13)を配置し、
前記解除ペダル(12)を挟んで前記デフロックペダル(13)とは反対側の前記運転席(9)前方に、前記ブレーキ機構(87L、87R)を作動させる走行停止ペダル(15)を配置した、
ことを特徴とする、水田作業車にある。
【0009】
なお、括弧内の符号等は、図面と対照するためのものであり、これは、発明の理解を容易にするための便宜的なものであって、特許請求の範囲に何等影響を及ぼすものではない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
図1乃至図7は、本発明の実施の形態を示すもので、図1は、本発明を実施する水田作業車の一例を示す乗用田植機の平面図、図2は、図1の側面図、図3は、図1に示す乗用田植機の駆動系統の一例を示す展開図、図4は、図3におけるデファレンシャル機構のデフロック機構を示す平面断面図、図5は、サイドクラッチ・ブレーキ機構のサイドクラッチと作動部材の関係を示す側面断面図、図6は、サイドクラッチ・ブレーキ機構のブレーキと作動部材の関係を示す平面断面図、図7は、サイドクラッチ・ブレーキ機構におけるサイドクラッチとブレーキの作動部材の配置を示す側面図、図8は、サイドクラッチ・ブレーキ機構の操作系統を示す全体平面図、図9は、ステアリングハンドルからのサイドクラッチの操作系統と解除ペダルとの関係を示す側面図、図10は、図8のリヤアクスルケース近傍におけるブレーキ操作系の拡大正面図、図11は、小回り旋回時におけるステアリング操作と解除ペダルの操作の関係を示す拡大側面図、図12は、小回り旋回時における解除ペダルの操作状態を示す拡大側面図である。
【0012】
図1、図2において、水田作業車の一例として示す乗用田植機1は、前輪2、2および駆動後輪3、3を備えた機体フレーム5の前部に、ボンネット6で覆われたエンジン7が搭載されている。前記ボンネット6の後方には、運転席9が配設され、その前方にステアリングハンドル10が配置されている。
【0013】
前記運転席9には、運転者が座る座席11と、前記運転席9の座席11の直前の機体フレーム5の中央部近傍に解除ペダル12が配置され、前記座席11の直前の機体フレーム5の中央部の一側にデフロックペダル13が配置され、前記解除ペダル12を挟んで前記デフロックペダル13とは反対側の前記運転席前方に、前記ステアリングハンドル10の側方に位置するように走行停止ペダル15が配置されている。
【0014】
前記機体フレーム5の後方には、平行リンク機構16を介して植付部17が昇降自在に支持されている。前記植付部17は、苗載台19、プランターケース20、植付杆21、フロート22等により構成されている。また、前記機体フレーム5の前方には、前記ボンネット6及びステアリングハンドル10の両側に位置するように、補助苗台23が配設されている。
【0015】
そして、前記機体フレーム5の走行に伴なって前記フロート22で均した田面に、植付け作動する植付杆21が苗載台19から掻き取った単位植付け株の苗を植付けるようになっている。
【0016】
前記乗用田植機1のトランスミッション25は、図3に示すように、ミッションケース26の側面に装着されたHST変速装置27により主変速された前記エンジン7(図2参照)の動力を前記植付部17(図1、図2参照)に伝達する植付部駆動系29と、前記前輪2、2及び駆動後輪3、3(図2参照)に伝達する走行駆動系30とを備えている。なお、前記植付部駆動系29は、本発明との関連がないので説明を省略する。
【0017】
前記走行駆動系30は、前記HST変速装置27の出力を受け入れる入力軸31を有し、該入力軸31は、前記ミッションケース26に回転自在に支持され、かつ前記HST変速装置27の出力軸(図示せず)に接続された駆動軸31aと、該駆動軸31aに回転自在に外嵌された従動軸31bとの2重構造になっている。そして、前記駆動軸31aと従動軸31bの間にメインクラッチ32が配置され、該メインクラッチ32の入り、切りにより前記駆動軸31aと従動軸31bの間の動力の伝達、遮断を切り替えるようになっている。前記従動軸31bには、出力歯車33が固定されている。
【0018】
前記ミッションケース26に前記入力軸31と所定の間隔で平行に回転自在に支持された中間軸35は、前記出力歯車33と噛合う入力歯車36と、該入力歯車36に入力された駆動力を伝動下手側に伝達する出力歯車37を備えている。
【0019】
前記ミッションケース26に前記中間軸35と所定の間隔で平行に回転自在に支持された分岐軸39は、前記出力歯車37と噛合い動力を受ける入力歯車40と、一端部に固定された出力歯車41と、他端部に固定された出力歯車42を備えている。そして、前記分岐軸39は、前記出力歯車41を介して前輪駆動系43を駆動し、前記出力歯車42を介して後輪駆動系45を駆動するように、前記入力歯車40から入力された動力を分岐する。
【0020】
前記前輪駆動系43は、前記ミッションケース26の後部に回転自在に配置されたデファレンシャル機構46のデフケース47に前記出力歯車41と噛合う入力歯車49が配置され、該入力歯車49を通して駆動力が入力される。また、前記デフケース47の端面には、図4に示すように、所定の間隔でクラッチ爪50が形成されている。
【0021】
前記ミッションケース26の後部両側に固定された一対の車軸ケース51L、51Rにそれぞれ回転自在に支持された前車軸52L、52Rは、それぞれ一端が前記デファレンシャル機構46に接続されている。そして、前記デフケース47は、前記分岐軸39の出力歯車41から入力歯車49を介して駆動力の伝達を受けて回転し、前記デファレンシャル機構46を介して前記前車軸52L、52Rを回転駆動する。なお、前記前車軸52L、52Rには、それぞれ出力歯車53L、53Rが固定されている。
【0022】
図4に示すように、デフロック機構54は、前記デフケース47に形成されたクラッチ爪50と着脱自在に噛合うクラッチ爪55が形成されたデフロッククラッチ56を有している。該デフロッククラッチ56は、前記前車軸52Rに摺動自在に嵌合支持され、前記デファレンシャル機構46とデフロッククラッチ56の間に配置されたばね57により、前記クラッチ爪50と前記クラッチ爪55が互いに離間する方向に付勢されている。前記デフロックペダル13と連動するデフロックレバー59は、前記デフロッククラッチ56の一端と対向するように揺動自在に配置されている。
【0023】
そして、前記デフロックペダル13の踏み込みにより、前記デフロックレバー59が揺動して、前記ばね57の抗圧力に抗して前記デフロッククラッチ56を矢印A方向に摺動させ、前記クラッチ爪55を前記デフケース47側のクラッチ爪50と噛合わせて前記デフケース47を前記前車軸52Rにロックし、デファレンシャル機構46の差動機能を停止させる。即ち、前記前車軸52L、52Rを前記入力歯車49に入力された駆動力で直接駆動する状態にして、前記前輪2、2に対する駆動力の増加を図る。
【0024】
図3に示すように、前記各車軸ケース51L、51Rの各一端に固定されたフロントアクスルケース60L、60Rには、それぞれ伝動軸61L、61Rと支持軸62L、62Rが回転自在に配置されている。前記各伝動軸61L、61Rの一端には、前記前車軸52L、52Rの出力歯車53L、53Rと噛合う入力歯車63L、63Rが固定され、他端には、出力歯車65L、65Rが固定されている。また、前記各支持軸62L、62Rには、それぞれ前記出力歯車65L、65Rと噛合う入力歯車66L、66Rが固定されている。また、前記支持軸62L、62Rには、それぞれ前輪2、2(図1、図2参照)が支持されている。
【0025】
従って、前記分岐軸39の回転により前記デフケース47が回転駆動されると、前記前車軸52L、52Rが回転し、前記出力歯車53L、53R、前記入力歯車63L、63R、前記伝動軸61L、61R、前記出力歯車65L、65R及び前記入力歯車66L、66Rを介して前記支持軸62L、62Rを回転駆動させ、前記支持軸62L、62Rに支持した前記前輪2、2を回転駆動することができる。
【0026】
前記後輪駆動系45は、前記機体フレーム5(図1、図2参照)の後部に配置された後車軸ケース67に配置される。前記ミッションケース26と前記後車軸ケース67との間に回転自在に支持されたプロペラシャフト69の一端には、前記分岐軸39に固定された出力歯車42と噛合う入力歯車70が固定されている。従って、分岐軸39の回転により前記前輪駆動系43と後輪駆動系45は同時に駆動されることになる。また、前記プロペラシャフト69の他端には、出力歯車71が固定されている。
【0027】
後車軸72は、前記後車軸ケース67に回転自在に支持され、その中央部に前記出力歯車71と噛合う入力歯車73が固定されている。従って、前記動力分岐軸39が回転駆動されることにより、前記出力歯車42、前記入力歯車70、前記プロペラシャフト69、前記出力歯車71及び入力歯車73を介して前記後車軸72が回転駆動される。
【0028】
前記後車軸ケース67の両端には、前記車体フレーム5(図1、図2参照)に対しリアクスルケース75L、75Rが45度の角度で後下方に延設、固定されている。前記リヤアクスルケース75L、75Rには、それぞれ前記後車軸72と同一軸心上で所定の間隔で対向するように従動軸76L、76Rが回転自在に支持されている。これら従動軸76L、76Rに一端には、それぞれ出力歯車77L、77Rが固定されている。
【0029】
前記リヤアクスルケース75L、75Rには、それぞれ前記従動軸76L、76Rと平行に、それぞれ所定の間隔で回転自在に支持された中間軸79L、79Rと支持軸80L、80Rが配置されている。そして、前記中間軸79L、79Rには、それぞれ前記出力歯車77L、77Rと噛合う入力歯車81L、81Rと、該入力歯車81L、81Rより小径の出力歯車82L、82Rが固定されている。また、前記支持軸80L、80Rには、それぞれ前記出力歯車82L、82Rと噛合う入力歯車83L、83Rが固定されている。そして、前記支持軸80L、80Rには、それぞれ前記駆動後輪3、3(図2参照)が支持されている。
【0030】
従って、前記従動軸76L、76Rが回転すると、前記出力歯車77L、77R、前記入力歯車81L、81R、前記中間軸79L、79R、前記出力歯車82L、82R及び入力歯車83L、83Rを介して前記支持軸80L、80Rが回転駆動され、前記駆動後輪3、3を回転駆動することができる。
【0031】
サイドクラッチ・ブレーキ機構85L、85Rは、前記後車軸72と前記各従動軸76L、76Rとの間に、前記リヤアクスルケース75L、75R内に位置するように配置されたサイドクラッチ86L、86Rと、その伝動下手側に配置されたブレーキ87L、87Rとにより構成されている。なお、前記サイドクラッチ86Lとサイドクラッチ86Rは、同じ構成であるのでサイドクラッチ86Rについて説明し、サイドクラッチ86Lの説明は省略する。
【0032】
図5に示すように、前記サイドクラッチ86Rは、スリーブ軸89を有し、該スリーブ軸89は、前記後車軸ケース67に回転自在に支持され、一端が前記後車軸72に摺動自在に嵌合(例えば、スプライン嵌合)し、他端が前記従動軸76Rに回転可能に嵌合している。複数枚のクラッチディスク90は、それぞれ前記スリーブ軸89の外周部にその軸心方向に摺動自在に嵌合(例えば、スプライン嵌合)している。
【0033】
クラッチケース91は、一端が前記クラッチディスク90の外周部を覆うように形成され、他端が前記従動軸76Rにその軸心方向に摺動自在に嵌合(例えば、スプライン嵌合)している。複数枚のクラッチディスク92は、前記従動軸76Rの軸心方向に前記クラッチディスク90と交互に位置するように前記クラッチケース91に摺動自在に嵌合(例えば、スプライン嵌合)し支持されている。
【0034】
ストッパ93は、前記従動軸76Rの所定の位置に前記クラッチディスク90、92の端面と対向するように固定されている。また、押圧リング95は、前記クラッチディスク92の端面と対向するように前記クラッチケース91の所定の位置に固定されている。また、皿ばね96は、前記ストッパ93と前記クラッチケース91の間に、前記クラッチケース91を図5の右方向に付勢し、サイドクラッチ86Rの入り状態を維持するように配置されている。
【0035】
前記クラッチケース91の一端には、ベアリング97を介して摺動リング99が前記クラッチケース91と相対的に回転自在に支持されている。前記摺動リング99には作動ボス99aが形成されている。そして、前記作動ボス99aを前記従動軸76Rの軸心方向(図5の左方向)に押圧することにより前記摺動リング99を前記従動軸76Rの軸心方向(図5の左方向)に移動させ、前記ベアリング97を介して前記クラッチケース91を図5の左側へ移動させる。
【0036】
図7に示すように、前記リヤアクスルケース75Rを上方から貫通する作動体100の押圧部100aは、図5に示すように、前記作動ボス99aと対応する位置に配置され、前記作動体100がその軸心を中心として一方向に回転したとき、前記押圧部100aが前記作動ボス99aを図5の左側へ押すように構成されている。
【0037】
従って、前記作動ボス99aが前記押圧部100aで押圧されていない場合には、前記皿ばね96の抗圧力により前記クラッチケース91が図5の右側へ移動して、前記押圧リング95により前記クラッチディスク92を前記ストッパ93側に押圧することにより、前記クラッチディスク90とクラッチディスク92を前記押圧リング95と前記ストッパ93に挟む形で圧着させ、前記サイドクラッチ86Rの入り状態を維持する。
【0038】
一方、前記作動体100の回転により前記押圧部100aで前記作動ボス99aが押圧され、前記クラッチケース91が図5の左側に移動した状態では、前記クラッチディスク90とクラッチディスク92が前記ストッパ93と押圧リング95の間で解放され、接触圧が作用しなくなり、前記サイドクラッチ86Rが切られた状態になる。
【0039】
前記ブレーキ87Lとブレーキ87Rは同じ構成であるので、ブレーキ87Rについて説明し、ブレーキ87Lの説明は省略する。
【0040】
図6に示すように、前記ブレーキ87Rは、前記クラッチケース91の一端にその軸心方向に摺動自在に嵌合(例えば、スプライン嵌合)する複数枚のブレーキディスク101を有している。また、前記ブレーキディスク101と対応するブレーキディスク102は、前記リヤアクスルケース75Rに前記ブレーキディスク101と交互に位置するように前記従動軸76Rの軸心方向に摺動自在に嵌合(例えば、スプライン嵌合)している。
【0041】
皿ばね103は、前記ブレーキディスク102と接するように前記リヤアクスルケース75R内に配置されている。また、前記皿ばね103と対向する摺動リング105は、前記サイドクラッチ86Rの摺動リング99に前記従動軸76Rの軸心方向に摺動自在に外嵌されている。なお、前記摺動リング105の右端部には、切欠き105aが形成され、該切欠き105aを前記サイドクラッチ86Rの摺動リング99の作動ボス99aが摺動自在に貫通している。
【0042】
図7に示すように、前記リヤアクスルケース75Rを側方(前方)から貫通する作動体106の押圧部106aは、図6に示すように、前記摺動リング105の一端と対応する位置に配置され、前記作動体106がその軸心を中心として一方向に回転したとき、前記押圧部106aが前記摺動リング105を図6の左側へ押すように構成されている。
【0043】
そして、前記皿ばね103の抗圧力によって前記摺動リング105が図6の右側に押し戻されている状態では、前記ブレーキディスク101とブレーキディスク102の間に接触圧が作用しないため、制動力は発生しない。
【0044】
また、前記作動体106の回転により前記押圧部106aに前記摺動リング105が押され図6の左側へ移動すると、前記皿ばね103を圧縮し、前記皿ばね103により前記ブレーキディスク101及びブレーキディスク102を前記リヤアクスルケース75Rに押付け制動力を発生させる。そして、前記ブレーキディスク101の回転を止めることにより前記クラッチケース91の回転を止めて、前記従動軸76Rの回転を停止させる。このとき、前記サイドクラッチ86Rが入り状態になっていると、前記ブレーキ87Rで発生した制動力で前記後車軸72も停止させることになる。
【0045】
前記乗用田植機1の操作機構110は、図8、図9に示すように、前記ステアリングハンドル10の操作に連動して前記サイドクラッチ・ブレーキ機構85L、85Rのサイドクラッチ86L、86Rを操作するクラッチ操作機構111と、前記走行停止ペダルの操作に連動して前記サイドクラッチ・ブレーキ機構85L、85Rのブレーキ87L、87Rを操作するブレーキ操作機構112とを有している。
【0046】
前記クラッチ操作機構111は、図8、図9に示すように、前記ステアリングハンドル10のステアリング操作に連動するピットマンアーム113に連結された連動杆115L、115Rを有し、該連動杆115L、115Rは、前記ステアリングハンドル10の所定以上のステアリング操作により旋回内側となる側の前記連結杆115L、115Rが前記機体フレーム5の後方に向けて押し出されるようになっている。
【0047】
レバー116L、116Rは、前記機体フレーム5に配置された軸117に揺動自在に支持され、その一端が、前記連結杆115L、115Rの一端部に摺動自在に連結され、ばね119により前記連結杆115L、115Rの後方に向けて付勢されている。前記レバー116L、116Rの前記軸117側には、リンク120、120が固定され、レバー116と共に揺動する。
【0048】
断面が矩形に形成されたシャフト121は、前記一対のリンク120、120にそれぞれ回動自在に支持されている。従って、前記シャフト121は、前記レバー116L、116Rの一方が揺動したとき、揺動した側の一端が他側のリンク120の支持位置を中心として前記機体フレーム5の前方へ移動するように回動する。
【0049】
連結杆122L、122Rは、それぞれ一端が前記シャフト121の左右の端部に連結されている。前記連結杆122L、122Rの他端は、それぞれ調整用のブラケット123及びリンク125を介して前記サイドクラッチ86L、86Rの作動体100(図5参照)に連結されている。
【0050】
従って、前記シャフト121の回動により、前記シャフト121が前記機体フレーム5の前方へ移動した側の前記連結杆122L(又は122R)を前記機体フレーム5の前方に向けて引っ張り、前記ブラケット123及び前記リンク125を介して前記作動体100を回転させ、前記サイドクラッチ86L(又は86R)を切ることができる。
【0051】
レバー126は、前記レバー116L、116Rと一体に固定され、前記解除ペダル12の下方に突出するように延設され、前記解除ペダル12の下端に回転自在に連結されている。そして、前記レバー126は、前記ステアリングハンドル10の所定角度以上のステアリング操作によって、前記連結杆115L(又は115R)が前記機体フレーム5の後方へ移動して前記レバー116L(又は116R)が揺動したとき、前記解除ペダル12を前記運転席9の床面から前記座席11(図1、図2参照)側に向けて押し上げる。
【0052】
従って、前記解除ペダル12を踏み込むことにより、前記ステアリングハンドル10の操作(即ち、前記連結杆115L、115Rの移動)に拘わらず、前記レバー126を揺動させ、前記レバー116L(又は116R)を前記ばね119の抗圧力に抗して揺動させる。そして、前記機体フレーム5の前方に移動している前記シャフト121の一端を強制的に後退させて、前記連結杆122、前記ブラケット123、前記リンク125及びレバー126を介して前記作動体100(図5参照)を回転させ、前記サイドクラッチ86L(又は86R)の切り状態を解除(即ち、前記サイドクラッチ86L(又は86R)を入り状態に)することができる。
【0053】
従って、小回り旋回時のように、前記駆動後輪3、3の一方のみを駆動させている状態で駆動力が不足した場合、前記解除ペダル12を踏み込むことにより、遊転している側の駆動後輪3にも駆動力を伝達することができ、駆動後輪3、3の駆動力の増加を図ることができる。
【0054】
なお、前記解除ペダル12は、その踏み込みを解除すると、前記ばね119の抗圧力により前記レバー116L、116Rが押し戻されて回動するため、前記レバー126が回動し、該レバー126により押し上げられて復元する。このとき、強制的に入り状態にされていた旋回内側の前記サイドクラッチ86L、86Rは、切り状態に復元され、小回り旋回が再開される。
【0055】
前記ブレーキ操作機構112は、図8、図9、図10に示すように、前記機体フレーム5の一方の側面に沿って前記リヤアクスルケース75Rの前方まで延設され、一端が前記走行停止ペダル15に連結された連結杆127を有し、該連結杆127は、前記走行停止ペダル15の踏み込み、解除操作により前記機体フレーム5の前後方向に移動する。なお、前記走行停止ペダル15は、連動機構129を介して前記メインクラッチ32(図3参照)に連結され、その踏み込み操作により前記メインクラッチ32の切り操作を行う。
【0056】
前記アクスルケース75Rの前方には、リンク体130が軸130aを中心として回転自在に配置され、その一端が第1の調整機構131を介して前記連動機構129の他端に連結されている。
【0057】
前記機体フレーム5の左右方向に移動自在に配置された作動杆132は、前記リンク体130の他端に連結され、該リンク体130の近傍に位置するように、作動杆132の長さを調整する第2の調整機構133が配置されている。
【0058】
前記作動杆132の両端には、それぞれリンク体135L、135Rが配置され、該リンク体135L、135Rにより、前記作動杆132の左右方向の動きを回転方向の動きに変換して、前記ブレーキ87L、87R(図6参照)の前記作動体106に連結された作動リンク136に伝達する。
【0059】
前記第1の調整機構131は、前記連結杆127に対する前記リンク体130の連結位置(即ち、リンク体130の回転角度)を調整し、前記走行停止ペダル15と前記ブレーキ87L、87Rの関係を調整(全体調整)する。また、前記第2の調整機構133は、前記作動杆132の長さを調整することにより左右の前記ブレーキ87L、87Rの関係を調整(左右のバランス調整)する。
【0060】
そして、前記クラッチ・ブレーキペダル15を踏み込んだとき、まず、前記連動機構129を介して前記メインクラッチ32を切り、前記前輪2及び駆動後輪3への動力の伝動を遮断する。さらに、前記走行停止ペダル15を踏み込むと前記連結杆127、前記リンク体130、前記作動杆132、前記リンク体135L、135R及び作動リンク136を介して前記作動体106を作動させ、押圧部106aで前記摺動リング105を押圧して前記皿ばね103押圧して、前記ブレーキ87L、87Rをかけるようになっている。
【0061】
前述のように、前記作動体100と前記作動体106を前記リヤアクスル75L、75Rの上部に配置することにより、前記操作機構110を機体フレーム5(図1、図2参照)の比較的高い位置に配置することができ、田植作業中における泥土の付着による悪影響を受け難くすることができる。
【0062】
本実施の形態における乗用田植機1は、前記のような構成であるので、メインクラッチ32及びサイドクラッチ86L、86Rが入り状態で、ブレーキ87L、87Rが切り状態であるときには、HST変速装置27で主変速されたエンジン7の出力が、入力軸31、中間軸35、分岐軸39、デファレンシャル機構46、前車軸52L、52R、伝動軸61L、61R及び支持軸62L、62Rに伝達され、前輪2、2を回転駆動する。
【0063】
一方、前記分岐軸39で分岐された駆動力は、分岐軸39からプロペラシャフト69、後車軸72、従動軸76L、76R、中間軸79及び支持軸80L、80Rに伝達され駆動後輪3、3を回転駆動する。即ち、乗用田植機1は4輪駆動された状態で走行する。従って、ステアリングハンドル10をステアリング操作することにより、前輪2を所望の方向に向けさせ、乗用田植機1を旋回させて走行方向を変更することができる。
【0064】
水田の畔際等で、ステアリングハンドル10を所定角度以上にステアリング操作すると、ステアリングハンドル10の操作に連動して旋回内側となる連結杆115L(又は115R)が、図11に示すように、後方へ移動してレバー116L(又は116R)を揺動させ、リンク120及びシャフト121を介して連結杆122L(又は122R)を前方へ移動させる。同時に、レバー126が揺動して解除ペダル12を押し上げる。
【0065】
この連結杆122L(又は122R)の移動により、乗用田植機1の旋回内側となる駆動後輪3側のサイドクラッチ86L(又は86R)の作動体100L(又は100R、図5参照)が回動して、押圧部100aが摺動リング99の作動ボス99aを押圧してクラッチケース91を皿ばね96の抗圧力に抗して後車軸72側へ移動させ、サイドクラッチ86L(又は86R)を切る。
【0066】
従って、サイドクラッチ86L(又は86R)が切られた側の従動軸76L(又は76R)への動力の伝達が遮断されるので、乗用田植機1の旋回内側となる駆動後輪3には駆動力が伝達されず、乗用田植機1は前輪2、2と旋回外側となる駆動後輪3が駆動される3輪駆動の状態で旋回することになる。このとき、旋回内側となる駆動後輪3は、乗用田植機1の旋回走行に伴なって遊転する状態となり、乗用田植機1は、3輪駆動の状態で小回り旋回が行われる。
【0067】
このとき、前輪2、2あるいは旋回外側の駆動後輪3が深みにはまり水田作業車1の走行が停止するなど、駆動力の増加が必要な状況になった場合には、前記デフロックペダル13を踏み込み駆動力を増す操作と、前記解除ペダル12を踏み込み駆動力を増す操作を行うことができる。
【0068】
デフロックペダル13を踏み込むと、図4に示すように、デフロックレバー59が揺動してデフロッククラッチ56を矢印A方向へ移動させ、クラッチ爪55をデフケース47のクラッチ爪50と噛合せることにより、デフケース47を前車軸52Rに連結してデファレンシャル機構46の差動機能を停止させ、入力歯車49に入力された駆動力で前車軸52L、52Rを駆動させる。従って、デファレンシャル機構46における差動機能による駆動力の損失をなくし、駆動力を増すことができる。
【0069】
一方、解除ペダル12を踏み込む操作では、解除ペダル12を踏み込むと、レバー126を介してリンク120及びレバー116L、116Rがばね119の抗圧力に抗して(ばね119を圧縮する形で)回動し、連結杆(122L、122R)を後車軸72側へ移動させる。
【0070】
すると、作動体100が回転して摺動リング99の作動ボス99aに対する押付け力を解除することができ、サイドクラッチ86L(又は86R)は、入り状態となる。すると、旋回内側で遊転していた駆動後輪3に駆動力が伝達され4輪駆動状態に戻る。従って、駆動後輪3、3による駆動力が増加して乗用田植機1を再び走行させることができる。
【0071】
また、前記解除ペダル12とデフロックペダル13とを同時に(例えば、右足で解除ペダル12、左足でデフロックペダル13を)踏み込むと、より一層駆動力を増加させることができる。
【0072】
また、乗用田植機1が小回り旋回している状態で、即ち、旋回内側となる駆動後輪3への動力の伝達が遮断されている状態で、走行停止ペダル15を踏み込むと、まず、連動機構129を介してメインクラッチ32が切れて、走行駆動系30への動力の伝達が遮断される。
【0073】
さらに、走行停止ペダル15を踏み込むと、ブレーキ操作機構112の連結杆127、リンク体130、作動杆132、リンク体135L、135R及び作動リンク136・136を介して作動体106(図6参照)が回動して、各押圧部106aがそれぞれブレーキ87L、87Rの摺動リング105を後車軸72側に押し込む。
【0074】
すると、摺動リング105は、皿ばね103を後車軸72側に押し込み、皿ばね103を介してブレーキディスク102及びブレーキディスク101を後車軸72側に移動させてリヤアクスルケース75L、75Rに押付け、ブレーキディスク102でブレーキディスク101を挟み込むように圧接させ、ブレーキディスク101に制動力を作用させて回転を止める。
【0075】
ブレーキディスク101の回転が止まると、ブレーキディスク101に作用する制動力がブレーキディスク101を支持するクラッチケース91に伝達されて、クラッチケース91の回転が止められる。このクラッチケース91の制動によりクラッチケース91の一端を支持する従動軸76L、76Rに制動力が伝達され、従動軸76L、76Rの回転を止める。従って、従動軸76L、76Rから駆動力が伝達される各駆動後輪3、3に制動力が作用して、駆動後輪3、3の回転を止めることができる。
【0076】
このとき、ブレーキ87L、87Rがサイドクラッチ86L、86Rの伝動下手側に配置されているので、サイドクラッチ86L、86Rの入り、切りに拘わりなく、駆動後輪3、3に制動力を作用させることができる。
【0077】
また、乗用田植機1の旋回外側となる駆動後輪3側のサイドクラッチ86L(又は86R)は、入り状態になっているため、クラッチケース91に作用する制動力がクラッチディスク92、クラッチディスク90を介してスリーブ軸89に伝達されて、スリーブ軸89の回転を停止させる。すると、スリーブ軸89に作用する制動力は、スリーブ軸89の一端を支持する後車軸72に伝達され、後車軸72の回転を停止させる。
【0078】
後車軸72に伝達された制動力は、図3に示す入力歯車73、出力歯車71、プロペラシャフト69、入力歯車70及び出力歯車42を介して分岐軸39に伝達され、分岐軸39の回転を停止させる。このとき、メインクラッチ32が切られているので、中間軸35側から分岐軸39への動力の伝達は遮断されている。従って、プロペラシャフト69を通して伝達される制動力によって分岐軸39を確実に停止させることができる。
【0079】
分岐軸39に作用する制動力は、出力歯車41から前輪駆動系43を通して、即ち、入力歯車49、デファレンシャル機構46、前車軸52L、52R、出力歯車53L、53R、入力歯車63L、63R、伝動軸61L、61R、出力歯車65L、65R及び入力歯車66L、66Rを介して支持軸62L、62Rに伝達され、支持軸62L、62Rに支持された前輪2、2に制動力を作用させる。
【0080】
従って、乗用田植機1を小回り旋回させている状態であっても、走行停止ペダル15を踏み込むことにより、乗用田植機1の前輪2、2及び駆動後輪3、3の4輪を制動する形で停止させることができ、乗用田植機1を確実に停止させることができる。また、前輪2、2側にブレーキを設ける必要もないので、乗用田植機1の小型化を可能にすることができる。
【0081】
なお、前記摺動リング99と前記摺動リング105の前記従動軸76L、76Rの軸心方向の相対位置を適宜設定することにより、前記クラッチケース91を移動させて前記サイドクラッチ86L、86Rを切る際に、ブレーキ87L、87Rを作動させ、旋回内側となる前記駆動後輪3に制動力を作用させるようにすることもできる。このような設定を行うことにより、より半径の小さい小回り旋回を可能にすることができる。
【0082】
また、図8に示すように、前記ブレーキ操作機構112の第1の調整機構131と第2の制動機構133を、前記機体フレーム5(図1、図2参照)の一側面側に配置しているので、ブレーキ関係の調整作業を一側面側から行うことができ、調整作業の作業性を向上させることができる。
【0083】
前記リアクスルケース75L、75Rを前記機体フレーム5に対し、45度の角度で後下方に延設、固定するようにしているので、左右のリヤアクスルケース75L、75Rを共用することができ、誤作業をなくし、作業性を向上させることができる。
【0084】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1の発明によれば、解除ペダルを左右両方の足(の何れか一方)で踏み込み可能としたので、それぞれの足の操作力が少なくてすみ、解除ペダル、デフロックペダル及び走行停止ペダルのそれぞれの踏み分けができる。また、一方の足で、機体の走行を停止するための走行停止ペダルと機体の駆動力を増すための解除ペダルの操作(走行停止ペダルと解除ペダルを同時に踏み込み操作することはない)、他方の足で、機体の駆動力を増すための解除ペダルとデフロックペダルの操作のように、各ペダルの簡単な踏み分けにより所望の操作を行うことができ、操作が分かり易い。また、特に駆動力を増したい(従って、走行停止ペダルを踏むことはない)場合、両足で解除ペダルとでフロックペダルを同時に操作することができるので、各足にかかる操作力を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する水田作業車の一例を示す乗用田植機の平面図。
【図2】図1の側面図。
【図3】図1に示す乗用田植機の駆動系統の一例を示す展開図。
【図4】図3におけるデファレンシャル機構のデフロック機構を示す平面断面図。
【図5】サイドクラッチ・ブレーキ機構のサイドクラッチと作動部材の関係を示す側面断面図。
【図6】サイドクラッチ・ブレーキ機構のブレーキと作動部材との関係を示す平面断面図。
【図7】サイドクラッチ・ブレーキ機構におけるサイドクラッチとブレーキの作動部材の配置を示す側面図。
【図8】サイドクラッチ・ブレーキ機構の操作系統を示す全体平面図。
【図9】ステアリングハンドルからのサイドクラッチの操作系統と解除ペダルとの関係を示す側面図。
【図10】図8のリヤアクスルケース近傍におけるブレーキ操作系の拡大正面図。
【図11】小回り旋回時におけるステアリング操作と解除ペダルの操作の関係を示す拡大側面図。
【図12】小回り旋回時における解除ペダルの操作状態を示す拡大側面図。
【符号の説明】
2・2…前輪
3・3…駆動後輪
5…機体(機体フレーム)
9…運転席
10…ステアリングハンドル
11…座席
12…解除ペダル
13…デフロックペダル
15…走行停止ペダル
46…デファレンシャル機構
54…デフロック機構
86L、86R…サイドクラッチ機構(サイドクラッチ)
87L、87R…ブレーキ機構(ブレーキ)

Claims (1)

  1. ステアリングハンドルによる前輪の所定以上のステアリング操作に連動して旋回内側となる駆動後輪のサイドクラッチを切り、小回り旋回を可能とするサイドクラッチ機構と、前記前輪の駆動系に配置されたデファレンシャル機構を停止させるデフロック機構と、機体の走行を停止させるブレーキ機構とを備えた水田作業車において、
    運転席の座席直前の機体中央部近傍に、前記ステアリングハンドルと前記サイドクラッチの連動を解除する解除ペダルを配置し、
    前記運転席の座席直前の機体中央部一側に、前記デフロック機構を作動させるデフロックペダルを配置し、
    前記解除ペダルを挟んで前記デフロックペダルとは反対側の前記運転席前方に、前記ブレーキ機構を作動させる走行停止ペダルを配置した、
    ことを特徴とする、水田作業車。
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