JP2004266777A - 位相検出方法と装置およびそれを利用した受信装置 - Google Patents

位相検出方法と装置およびそれを利用した受信装置 Download PDF

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Abstract

【課題】位相検出装置の消費電力を小さくする。
【解決手段】座標領域検出部50は、入力同相信号300と入力直交信号302の含まれた部分位相領域を判定する。IQ制御部52は、絶対値同相信号310と絶対値直交信号312のうち大きいほうを第2信号314とし、小さいほうを第1信号316として出力する。除算部54は、第1信号316を被除数とし、第2信号314を除数として除算し、除算結果値318を出力する。補正部56は、除算結果値318とアークタンジェント演算間の誤差を補正する。座標領域修正部58は、除算結果値318を変換除算値322に変換する。連結部60は、領域判定信号306と変換除算値322を連接して、最終的に位相値信号304を出力する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は互いに直交した信号から位相を検出する位相検出技術に関する。特に、受信装置において位相を検出する位相検出方法と装置およびそれを利用した受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のデジタル情報の通信や放送等には、基準搬送波に信号を載せるための変調方式として、位相を偏移させる位相偏移変調方式(Phase Shift Keying:PSK)が多く用いられている。PSK方式には、2位相を偏移させるBPSK(Binary PSK)方式、4位相を偏移させるQPSK(Quadrature PSK)方式などがある。このようなPSK方式においては、その値に応じて所定の位相をもった送信データとして、同相(I:In−phase)軸および直交(Q:Quadrature−phase)軸を有した複素平面座標軸上にマッピングされた、同相信号および直交信号のデータが直交変調され送信される。送信された信号は受信側で直交検波された後、同相信号および直交信号を復調して、送信したデータが得られる。同相信号および直交信号を復調するために、一般に同相信号および直交信号は位相に変換される。
【0003】
位相への変換には、同相信号と直交信号をアドレスとしたテーブルに予めアークタンジェントの値を設定しておき、これをROM(Read Only Memory)等の情報記憶媒体に格納しておく。しかし、この方法では位相検出精度を高められる反面、情報記憶媒体に多大な容量が必要であり、回路規模が大きくなる。これを解決するために、ROMテーブルの利用ではなく、同相信号および直交信号からの演算による位相値の検出が検討されている。
【0004】
図1は、従来技術に係る位相検出装置の構成を示す図である。絶対値回路100は、直交信号が正の値の信号であればそのまま出力し、負の値の信号であれば反転して出力する。絶対値回路102は、上述の処理を同相信号に対して実行する。切替回路104は、後述するタイミング発生回路120からの制御信号が「1」ならば、絶対値回路100の出力信号を出力し、「0」であれば後述するLH回路112の出力信号を出力する。切替回路106は、制御信号が「1」ならば、絶対値回路102の出力信号を出力し、「0」であれば後述するLH回路114の出力信号を出力する。LH回路112は、後述するタイミング発生回路120から出力される制御信号が「1」のときに後述するCORDIC回路110からの出力信号を出力し、制御信号が「0」のときは出力している信号をそのまま変化させない。LH回路114は、後述するタイミング発生回路120から出力される制御信号が「1」のときに後述するCORDIC回路110からの出力信号を出力し、制御信号が「0」のときは出力している信号をそのまま変化させない。
【0005】
CORDIC回路110は、切替回路104と切替回路106と後述するタイミング発生回路120からの制御信号を入力し、後述する比較回路108からの制御信号が「0」のときは、以下の値を出力する。
【0006】
【数1】
Figure 2004266777
一方、制御信号が「1」のときは、以下の値を出力する。
【0007】
【数2】
Figure 2004266777
比較回路108は、Xn信号とYn信号を入力し、XnがYn以下であれば「0」を出力し、XnがYnより大きければ「1」を出力する。象限検出回路116は、同相信号と直交信号からそれらが属する象限を判定し、それに相応する信号を出力する。
【0008】
LH回路118は、後述するタイミング発生回路120から出力される制御信号が「1」のときに象限検出回路116の出力信号を出力し、制御信号が「0」のときは出力している信号をそのまま変化させない。タイミング発生回路120は、各回路に必要なタイミングパルスを発生し、固定データ切替回路122は以下のとおりに与えられる固定データをタイミング発生回路120からの制御信号のnによって切り替えて出力する。なお、Cは定数である。
【0009】
【数3】
Figure 2004266777
極性切替回路124は、固定データ切替回路122の出力信号に対して、比較回路108からの制御信号が「0」であればそのまま出力し、制御信号が「1」であれば反転して出力し、累積加算回路126は、タイミング発生回路120からの制御信号に応じたタイミング期間に極性切替回路124の出力信号を累積加算し、あるいは累積値をリセットする。加算回路128は、累積加算回路126の出力信号とLH回路118の出力信号を加算し、LH回路130は、加算回路128の出力信号を入力し、タイミング発生回路120から出力される制御信号が「1」のときに入力した信号を出力し、制御信号が「0」のときにすでに出力している信号を変化させない(例えば、特許文献1参照。)。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−85950号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
互いに直交した同相信号と直交信号を位相値に変換するためにROMテーブルを使用せずに、同相信号と直交信号から直接的な演算で位相値を検出すれば、一般に回路規模は小さくなるが、同一の演算処理を繰り返して実行するため消費電力が大きくなる。また、演算の精度を高くすれば、それに応じて回路規模が大きくなり、さらに消費電力も大きくなる。
【0012】
本発明者はこうした状況を認識して、本発明をなしたものであり、その目的は消費電力を低減した位相検出方法と装置およびそれを利用した受信装置を提供することである。また、回路規模を小さくした位相検出方法と装置およびそれを利用した受信装置を提供することである。また、高精度な位相を検出する位相検出方法と装置およびそれを利用した受信装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のある態様は位相検出装置である。この装置は、同相信号と直交信号を含んだ対象信号を入力する入力部と、同相信号と直交信号から、位相平面を8等分に分割した部分領域のうち、対象信号が存在する部分領域を判定する領域判定部と、同相信号と直交信号を予め定めたひとつの部分領域に属すべき第1の信号と第2の信号に変換する領域変換部と、第1の信号と第2の信号を予め定めたひとつの部分領域における位相値に変換する位相変換部と、対象信号が存在すると判定した部分領域の情報と、予め定めたひとつの部分領域における位相値から、入力した対象信号に対応した位相値を計算する位相計算部とを含む。
【0014】
「同相信号と直交信号」の区別は便宜上のものであり、同相信号と直交信号でないふたつの信号も含まれるものとする。
以上の装置により、対象信号を予め所定の部分領域に属する信号に変換すると、変換される位相値の領域が限定されるため、位相値に変換するための処理や回路規模を低減できる。
【0015】
本発明の別の態様も位相検出装置である。この装置は、同相信号と直交信号を含んだ対象信号を入力する入力部と、同相信号と直交信号から、位相平面を8等分に分割した部分領域のうち、対象信号が存在する部分領域を判定する領域判定部と、同相信号と直交信号を予め定めたひとつの部分領域に属すべき第1の信号と第2の信号に変換する領域変換部と、第1の信号を第2の信号で除算して除算結果値を生成する除算部と、生成した除算結果値に応じた補正値によって、生成した除算結果値を補正する補正部と、対象信号が存在すると判定した部分領域の情報と補正した除算結果値から、入力した対象信号に対応した位相値を計算する位相計算部とを含む。この装置において、領域変換部における第1の信号の絶対値は、第2の信号の絶対値より小さくしてもよい。
「除算」には、シフト減算処理のような除算結果と同等の結果を出力する処理も含むものとする。
【0016】
領域変換部は、第1の信号と第2の信号が共に正符号となるように予めひとつの部分領域を定めてもよい。また、補正部は、除算結果値についての離散的な間隔で補正値を変化させ、離散的な間隔は除算結果値が1に近くなるほど小さくしてもよい。
【0017】
「除算結果値が1」は、直接除算処理を実行しなくても、被除数に相当する値と除数に相当する値の大きさが等しくなる場合も含むものとする。
以上の装置により、位相値への変換処理を除算処理と補正処理で置き換え、さらに、対象信号を予め所定の部分領域に属する信号に変換しているので、演算処理量を小さくでき、さらに高精度の位相値を検出できる。
【0018】
本発明のさらに別の態様は受信装置である。この装置は、位相検出装置と、位相検出装置が検出した位相値を利用して復調処理を実行する復調部とを含む。この装置において、位相検出装置は、位相平面の8分割の部分領域のうち予め定めたひとつの部分領域に属するふたつの信号に、同相信号と直交信号を含んだ対象信号を変換し、ふたつの信号のうち絶対値が大きいほうの信号によって、絶対値が小さいほうの信号を除算した除算結果の値を補正した後に、補正した除算結果の値を対象信号に対応した部分領域に移動させて、対象信号に対応した位相値を検出してもよい。
【0019】
本発明のさらに別の態様は位相検出方法である。この方法は、位相平面の8分割の部分領域のうち予め定めたひとつの部分領域に属するふたつの信号に、同相信号と直交信号を含んだ対象信号を変換し、ふたつの信号のうち絶対値が大きいほうの信号によって、絶対値が小さいほうの信号を除算した除算結果の値を補正した後に、補正した除算結果の値を対象信号に対応した部分領域に移動させて、対象信号に対応した位相値を検出する。
【0020】
本発明のさらに別の態様も位相検出方法である。この方法は、同相信号と直交信号を含んだ対象信号を入力するステップと、同相信号と直交信号から、位相平面を8等分に分割した部分領域のうち、対象信号が存在する部分領域を判定するステップと、同相信号と直交信号を予め定めたひとつの部分領域に属すべき第1の信号と第2の信号に変換するステップと、第1の信号と第2の信号を予め定めたひとつの部分領域における位相値に変換するステップと、対象信号が存在すると判定した部分領域の情報と、予め定めたひとつの部分領域における位相値から、入力した対象信号に対応した位相値を計算するステップとを含む。
【0021】
本発明のさらに別の態様も位相検出方法である。この方法は、同相信号と直交信号を含んだ対象信号を入力するステップと、同相信号と直交信号から、位相平面を8等分に分割した部分領域のうち、対象信号が存在する部分領域を判定するステップと、同相信号と直交信号を予め定めたひとつの部分領域に属すべき第1の信号と第2の信号に変換するステップと、第1の信号を第2の信号で除算して除算結果値を生成するステップと、生成した除算結果値に応じた補正値によって、生成した除算結果値を補正するステップと、対象信号が存在すると判定した部分領域の情報と補正した除算結果値から、入力した対象信号に対応した位相値を計算するステップとを含む。この方法において、第1の信号と第2の信号に変換するステップにおける第1の信号の絶対値は、第2の信号の絶対値より小さくしてもよい。
【0022】
第1の信号と第2の信号に変換するステップは、第1の信号と第2の信号が共に正符号となるように予めひとつの部分領域を定めてもよい。また、生成した除算結果値を補正するステップは、除算結果値についての離散的な間隔で補正値を変化させ、離散的な間隔は除算結果値が1に近くなるほど小さくしてもよい。
【0023】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0024】
【発明の実施の形態】
本実施の形態は、無線通信システムの受信装置において、受信した同相信号と直交信号から位相値を検出するためにアークタンジェント演算処理を実行する位相検出装置に関する。本実施の形態における位相検出装置では、アークタンジェントの位相値π/2間隔での周期性に加えて、例えば位相値0からπ/2を有した領域の中で、位相値に対する同相信号と直交信号のそれぞれの値が、位相値π/4を示す線分に線対称であることを利用して、位相値0からπ/4を有した位相平面の領域(以下、「部分位相領域」という)に、入力した同相信号と直交信号が属するようにこれらの信号を変換する。また、位相値が0に近ければアークタンジェント演算処理は、直交信号から同相信号の除算処理で近似されるため、本位相検出装置はこれを利用した除算処理を実行する。さらに、除算処理にもとづいたアークタンジェントの近似値において、位相値が0から離れるほど大きくなる誤差を考慮して、本位相検出装置では、除算結果の値に応じて予め離散的に設けられた補正値によって、除算結果を補正する。最終的に、補正した除算結果は、入力された同相信号と直交信号が属する部分位相領域に変換される。
【0025】
図2は、本実施の形態に係る通信システム200を示す。通信システム200は、送信装置10、受信装置16を含む。送信装置10は、変調部18、DA変換部20、直交変調部90、周波数変換部22、増幅部24、送信装置用アンテナ12、制御部26を含み、受信装置16は、受信装置用アンテナ14、周波数変換部28、AGC30、直交検波部92、AD変換部32、AFC34、復調部36、制御部38を含む。
【0026】
変調部18は、送信したい情報信号を変調して、送信信号を生成する。変調方式は、QPSK(Qudrature Phase Shift Keying)、16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)、GMSK(Gaussian filtered Minimum Shift Keying)等の任意のものでよい。
【0027】
DA変換部20は、送信信号をデジタル信号からアナログ信号に変換し、直交変調部90はアナログの送信信号を直交変調する。周波数変換部22は、直交変調された送信信号を無線周波数に周波数変換する。さらに、無線周波数の送信信号は、増幅部24で増幅された後、送信装置用アンテナ12から送信される。
【0028】
無線周波数の送信信号は、受信装置用アンテナ14で受信され、周波数変換部28で中間周波数に周波数変換される。
AGC30は、中間周波数の受信信号の振幅が後述するAD変換部32のダイナミックレンジになるように、中間周波数の受信信号の振幅を調節する。
【0029】
直交検波部92が、中間周波数の受信信号を直交検波した後、AD変換部32が所定のサンプリング速度でベースバンドの受信信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。
AFC34は、送信装置10と受信装置16のそれぞれに含まれた図示しない周波数発振器間の周波数誤差を補正する。
【0030】
周波数偏差検出部44は、受信信号を復調して、送信した情報信号を出力する。復調に同期検波を使用する場合、逆変調法、逓倍法などによるキャリア再生も行う。
制御部26と制御部38は、それぞれ送信装置10と受信装置16のタイミングを制御する。
【0031】
図3は、AFC34の構成を示す。AFC34は、位相検出部42、周波数偏差検出部44、補正値生成部46、遅延部40、複素乗算部48を含む。また、信号として、入力同相信号300、入力直交信号302、位相値信号304を含む。なお、図2のAD変換部32でデジタル信号に変換されたベースバンドの受信信号を入力同相信号300、入力直交信号302で示す。
【0032】
位相検出部42は、入力同相信号300と入力直交信号302を位相値信号304に変換するが、この変換は直交座標系における信号から極座標系における信号への変換に相当する。
【0033】
周波数偏差検出部44は、位相値信号304から周波数偏差を検出する。周波数偏差を検出するためには、例えば、位相値信号304を所定期間遅延させた信号と、位相値信号304間の位相差を検出し、当該位相差を所定期間で除算する。
補正値生成部46は、検出された周波数偏差と符号が反対の周波数に応じた位相値を計算し、さらにその位相値を直交座標におけるふたつの補正信号に変換する。
【0034】
遅延部40は、位相検出部42、周波数偏差検出部44、補正値生成部46の処理期間において、入力同相信号300と入力直交信号302を遅延させる。
複素乗算部48は、入力同相信号300と入力直交信号302をふたつの補正信号で複素乗算して、入力同相信号300と入力直交信号302に含まれた周波数偏差を補正する。
【0035】
図4は、位相検出部42の構成を示す。位相検出部42は、座標領域検出部50、IQ制御部52、除算部54、補正部56、座標領域修正部58、連結部60を含む。また、信号として、領域判定信号306、比較結果信号308、絶対値同相信号310、絶対値直交信号312、第2信号314、第1信号316、除算結果値318、補正除算値320、変換除算値322を含む。
【0036】
座標領域検出部50は、入力同相信号300と入力直交信号302の含まれた部分位相領域を後述のとおり判定し、部分位相領域を示すための領域判定信号306、入力同相信号300と入力直交信号302の絶対値の絶対値同相信号310と絶対値直交信号312、絶対値同相信号310と絶対値直交信号312の大小関係を示すための比較結果信号308を出力する。なお、部分位相領域は、位相π/4の範囲で規定される領域であるが、そのうち絶対値同相信号310と絶対値直交信号312は位相0からπ/4の範囲に属する。
【0037】
IQ制御部52は、比較結果信号308に従って、絶対値同相信号310と絶対値直交信号312のうち大きいほうを第2信号314とし、小さいほうを第1信号316として出力する。後述のとおり、比較結果信号308が「0」ならば、絶対値同相信号310を第2信号314、絶対値直交信号312を第1信号316として出力し、比較結果信号308が「1」ならば、絶対値同相信号310を第1信号316、絶対値直交信号312を第2信号314として出力する。
【0038】
除算部54は、第1信号316を被除数とし、第2信号314を除数として除算し、除算結果値318を出力する。なお、除算結果値318のビット数は、要求される位相検出精度に従って決定する。
【0039】
補正部56は、除算結果値318とアークタンジェント演算間の誤差を補正する。図5は、除算結果と位相の関係を示す。位相が小さい場合は、アークタンジェントと除算結果値318は比例関係にあるため、位相を除算結果値318で近似できるが、位相の増大に伴いこれらの誤差が大きくなる。補正部56は、この誤差を補正するためのものである。
【0040】
座標領域修正部58は、第2信号314と第1信号316に対して、0からπ/4の範囲で算出された除算結果値318を、入力同相信号300と入力直交信号302が当初属していた位相領域に戻すための前処理を実行し、変換除算値322を出力する。
連結部60は、領域判定信号306と変換除算値322を、領域判定信号306が上位ビットになるように連接して、最終的に位相値信号304を出力する。
【0041】
この構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIでも実現でき、ソフトウエア的にはメモリのロードされた予約管理機能のあるプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、ソフトウエアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0042】
図6は、座標領域検出部50の構成を示す。座標領域検出部50は、象限検出部62、絶対値検出部64、比較部66、領域判定部68を含む。
象限検出部62は、入力同相信号300と入力直交信号302の位相平面における象限を検出する。すなわち、入力同相信号300≧0かつ入力直交信号302≧0の場合、第1象限にあるとして2ビットの出力信号を「0」として出力する。また、入力同相信号300<0かつ入力直交信号302≧0の場合、第2象限にあるとして出力信号を「1」として出力し、入力同相信号300<0かつ入力直交信号302<0の場合、第3象限にあるとして出力信号を「2」として出力し、入力同相信号300≧0かつ入力直交信号302<0の場合、第4象限にあるとして出力信号を「3」として出力する。ここで、入力同相信号300と入力直交信号302の符号判定は、入力同相信号300と入力直交信号302のそれぞれのMSB(Most Significant Bit)を観測して、MSBが「0」ならば正、MSBが「1」ならば負と判定する。
【0043】
絶対値検出部64は、入力同相信号300と入力直交信号302の絶対値をそれぞれ算出して、それぞれ絶対値同相信号310、絶対値直交信号312として出力する。入力同相信号300と入力直交信号302がそれぞれnビットの信号の場合、絶対値同相信号310と絶対値直交信号312はそれぞれn−1ビットの信号となる。
【0044】
比較部66は、絶対値同相信号310と絶対値直交信号312の大小を比較し、絶対値同相信号310が絶対値直交信号312以上ならば、1ビットの比較結果信号308を「0」として出力し、絶対値同相信号310が絶対値直交信号312より小さければ、比較結果信号308を「1」として出力する。
【0045】
領域判定部68は、入力同相信号300と入力直交信号302が位相平面のどの部分位相領域に属するかを象限検出部62からの出力信号と比較結果信号308から判定する。ここで位相平面における部分位相領域を図7に示す。図7では、部分位相領域のそれぞれを領域Aから領域Hで示す。第1象限は領域Aと領域Bを含み、第2象限は領域Cと領域Dを含み、第3象限は領域Eと領域Fを含み、第4象限は領域Gと領域Hを含む。領域判定部68では、象限検出部62からの出力信号が上位ビットとなるように比較結果信号308と連接して、3ビットの領域判定信号306を生成する。
【0046】
ただし、第2象限と第4象限、すなわち、象限検出部62からの出力信号が奇数の場合は、比較結果信号308を反転してから連接する。例えば、入力同相信号300と入力直交信号302が領域Bにある場合、象限検出部62からの出力信号が「0」、比較結果信号308が「1」であるから、領域判定信号306は「1」になり、入力同相信号300と入力直交信号302が領域Gにある場合、象限検出部62からの出力信号が「3」、比較結果信号308が「1」であるから、領域判定信号306は「6」となる。以上のようにして、入力同相信号300と入力直交信号302が領域Aにある場合に「0」、領域Bにある場合に「1」、領域Cにある場合に「2」、領域Dにある場合に「3」、領域Eにある場合に「4」、領域Fにある場合に「5」、領域Gにある場合に「6」、領域Hにある場合に「7」となるような領域判定信号306が出力される。
【0047】
図8は、除算部54の構成を示す。除算部54は、単位処理部70と総称される第1単位処理部70a、第2単位処理部70b、第(M−1)単位処理部70(m−1)を含む。単位処理部70は、2倍変換部72、加算部74、反転部76、遅延部78を含む。また、信号として、除算結果値318と総称される第1除算結果値318a、第2除算結果値318b、第(M−1)除算結果値318(m−1)を含む。
【0048】
2倍変換部72は、入力した信号の値を2倍にするために、ビットを左にシフトさせる。
加算部74は、2倍変換部72の出力から第2信号314を減算する。
【0049】
遅延部78は、加算部74の出力信号のMSBを制御信号として、加算部74の出力信号と2倍変換部72の出力信号のいずれかひとつを選択する。すなわち、制御信号が「0」の場合に加算部74の出力信号を選択し、「1」の場合に2倍変換部72の出力信号を選択する。
【0050】
反転部76は、加算部74の出力信号のMSBを反転させて、その1ビットをそれぞれ除算結果値318に割当てる。
なお、第(M−1)単位処理部70(m−1)には、遅延部78が含まれなくてもよい。
【0051】
図9は、補正部56の構成を示す。補正部56は、補正値記憶部80、選択部82、加算部84を含む。
補正値記憶部80は、予め規定された補正値を記憶する。ここでは、第1の補正値α、第2の補正値β、第3の補正値γを記憶しており、それらの値は、小さいほうから、α、β、γとする。
【0052】
選択部82は、除算結果値318の値に応じて、補正値記憶部80に記憶された補正値を選択する。ここでは、除算結果値318の値に対して第1のしきい値X、第2のしきい値Y、第3のしきい値Zを規定しており、それらの値は、小さいほうからX、Y、Zとする。除算結果値318の値がXより小さければ補正値を0とし、除算結果値318の値がX以上でYより小さければ補正値をαとし、除算結果値318の値がY以上でZより小さければ補正値をβとし、除算結果値318の値がZ以上ならば補正値をγとする。なお、X、Y、Z間の間隔は等間隔である必要はなく、ここでは、0とXの間、XとYの間、YとZの間と後者になるにつれて、間隔が小さくなるものとする。
加算部84は、除算結果値318に補正値を加算し、補正除算値320を出力する。
【0053】
図10は、座標領域修正部58の構成を示す。座標領域修正部58は、反転部86、切替部88を含む。
反転部86は、補正除算値320を全ビット反転させる。
【0054】
切替部88は、領域判定信号306を制御信号とし、領域判定信号306が偶数ならば補正除算値320を変換除算値322とし、領域判定信号306が奇数ならば反転部86で反転した補正除算値320を変換除算値322とする。特に、領域判定信号306のLSB(Least Significant Bit)を制御信号にすれば、簡単な回路構成になる。図7において、位相平面上反時計回りを位相の正方向とすると、領域判定信号306が偶数となる領域C、E、Gの場合はIQ軸に対する位相が領域Aと一致するのに対し、領域判定信号306が奇数となる領域B、D、F、Hの場合はIQ軸に対する位相が時計回りとなる。ここの処理は、位相方向を反時計回りにそろえることに相当する。
【0055】
以上の構成による位相検出部42の動作は以下の通りである。入力同相信号300として「7」が、入力直交信号302として「15」がそれぞれ2進数表現で位相検出部42に入力される。これらの信号が属する象限を象限検出部62が判定し、「0」を出力する。また、絶対値検出部64は、絶対値同相信号310を「3」として、絶対値直交信号312を「7」をして出力する。比較部66では、絶対値直交信号312が絶対値同相信号310より大きいため、比較結果信号308を「1」として出力する。これらより、領域判定部68は、領域判定信号306として「1」を出力する。
【0056】
IQ制御部52では、第2信号314を「7」とし、第1信号316を「3」として出力する。除算部54では、乗算処理によって、除算結果値318を「0.4286」として出力する。補正部56では、「0.4286」を補正して、補正除算値320を「x」として出力する。補正除算値320は、領域判定信号306のLSBが「1」のため、変換除算値322は「x」をビット単位で反転させた「y」とされる。連結部60は、領域判定信号306の「1」と変換除算値322の「y」を連接して、位相値信号304として「z」を出力する。
【0057】
本実施の形態による位相検出部42の消費電力は、CORDICアルゴリズムにおける位相検出装置の約20%となり、消費電力の改善が可能となる。
【0058】
本実施の形態によれば、位相の検出を基本的に除算処理で実行しているため、同一回路の繰り返し処理が不要になり、消費電力を小さくできる。また、ROMが不要となって回路規模を小さくできる。さらに、位相が0からπ/4の範囲の領域に入力した信号を変換した後、除算し、さらに除算結果を補正しているため、回路規模の増加を抑えて、位相検出精度の高精度化を実現している。
【0059】
以上、本発明を実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0060】
実施の形態において、位相検出部42はAFC34に含まれている。しかし、位相検出部42の使用用途はAFC34に限らず、例えば、復調部36に含まれてその中で位相を算出する場合に使用されてもよい。特に、位相変調や周波数変調がされている場合に有効である。本変形例によれば、位相検出部42を広い範囲で使用可能になる。つまり、直交軸における信号から位相値を検出する場合であればよい。
【0061】
実施の形態において、位相検出部42には除算部54が含まれている。しかし、直交軸における信号から位相値を検出する方法はこれに限らず、ROMテーブルを使用してもよい。本変形例によれば、座標領域検出部50によって、位相の範囲が制限されているため、ROMテーブルの規模を小さくできる。
【0062】
【発明の効果】
本発明によれば、消費電力を低減できる。また、回路規模を小さくできる。また、高精度な位相を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術に係る位相検出装置の構成を示す図である。
【図2】本実施の形態に係る通信システムを示す図である。
【図3】図2のAFCの構成を示す図である。
【図4】図3の位相検出部の構成を示す図である。
【図5】図4の除算結果と位相の関係を示す図である。
【図6】図4の座標領域検出部の構成を示す図である。
【図7】図6の領域判定部によって判定される領域を示す図である。
【図8】図4の除算部の構成を示す図である。
【図9】図4の補正部の構成を示す図である。
【図10】図4の座標領域修正部の構成を示す図である。
【符号の説明】
10 送信装置、 12 送信装置用アンテナ、 14 受信装置用アンテナ、 16 受信装置、 18 変調部、 20 DA変換部、 22 周波数変換部、 24 増幅部、 26 制御部、 28 周波数変換部、 30 AGC、 32 AD変換部、 34 AFC、 36 復調部、 38 制御部、40 遅延部、 42 位相検出部、 44 周波数偏差検出部、 46 補正値生成部、 48 複素乗算部、 50 座標領域検出部、 52 IQ制御部、 54 除算部、 56 補正部、 58 座標領域修正部、 60 連結部、 62 象限検出部、 64 絶対値検出部、 66 比較部、 68 領域判定部、 70 単位処理部、 72 2倍変換部、 74 加算部、 76反転部、 78 遅延部、 80 補正値記憶部、 82 選択部、 84 加算部、 86 反転部、 88 切替部、 90 直交変調部、 92 直交検波部、 100 絶対値回路、 102 絶対値回路、 104 切替回路、106 切替回路、 108 比較回路、 110 CORDIC回路、 112 LH回路、 114 LH回路、 116 象限検出回路、 118 LH回路、 120 タイミング発生回路、 122 固定データ切替回路、 124 極性切替回路、 126 累積加算回路、 128 加算回路、 130LH回路、 200 通信システム、 300 入力同相信号、 302 入力直交信号、 304 位相値信号、 306 領域判定信号、 308 比較結果信号、 310 絶対値同相信号、 312 絶対値直交信号、 314 第2信号、 316 第1信号、 318 除算結果値、 320 補正除算値、 322 変換除算値。

Claims (6)

  1. 同相信号と直交信号を含んだ対象信号を入力する入力部と、
    前記同相信号と前記直交信号から、位相平面を8等分に分割した部分領域のうち、前記対象信号が存在する部分領域を判定する領域判定部と、
    前記同相信号と前記直交信号を予め定めたひとつの部分領域に属すべき第1の信号と第2の信号に変換する領域変換部と、
    前記第1の信号と前記第2の信号を前記予め定めたひとつの部分領域における位相値に変換する位相変換部と、
    前記対象信号が存在すると判定した部分領域の情報と、前記予め定めたひとつの部分領域における位相値から、前記入力した対象信号に対応した位相値を計算する位相計算部と、
    を含むことを特徴とする位相検出装置。
  2. 同相信号と直交信号を含んだ対象信号を入力する入力部と、
    前記同相信号と前記直交信号から、位相平面を8等分に分割した部分領域のうち、前記対象信号が存在する部分領域を判定する領域判定部と、
    前記同相信号と前記直交信号を予め定めたひとつの部分領域に属すべき第1の信号と第2の信号に変換する領域変換部と、
    前記第1の信号を前記第2の信号で除算して除算結果値を生成する除算部と、
    前記生成した除算結果値に応じた補正値によって、前記生成した除算結果値を補正する補正部と、
    前記対象信号が存在すると判定した部分領域の情報と前記補正した除算結果値から、前記入力した対象信号に対応した位相値を計算する位相計算部とを含み、前記領域変換部における前記第1の信号の絶対値は、前記第2の信号の絶対値より小さくすることを特徴とする位相検出装置。
  3. 前記領域変換部は、前記第1の信号と前記第2の信号が共に正符号となるように予めひとつの部分領域を定めることを特徴とする請求項2に記載の位相検出装置。
  4. 前記補正部は、除算結果値についての離散的な間隔で補正値を変化させ、前記離散的な間隔は除算結果値が1に近くなるほど小さくすることを特徴とする請求項2または3に記載の位相検出装置。
  5. 位相検出装置と、
    前記位相検出装置が検出した位相値を利用して復調処理を実行する復調部とを含み、
    前記位相検出装置は、位相平面の8分割の部分領域のうち予め定めたひとつの部分領域に属するふたつの信号に、同相信号と直交信号を含んだ対象信号を変換し、前記ふたつの信号のうち絶対値が大きいほうの信号によって、絶対値が小さいほうの信号を除算した除算結果の値を補正した後に、前記補正した除算結果の値を前記対象信号に対応した部分領域に移動させて、前記対象信号に対応した位相値を検出することを特徴とする受信装置。
  6. 位相平面の8分割の部分領域のうち予め定めたひとつの部分領域に属するふたつの信号に、同相信号と直交信号を含んだ対象信号を変換し、前記ふたつの信号のうち絶対値が大きいほうの信号によって、絶対値が小さいほうの信号を除算した除算結果の値を補正した後に、前記補正した除算結果の値を前記対象信号に対応した部分領域に移動させて、前記対象信号に対応した位相値を検出することを特徴とする位相検出方法。
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