JP2004266656A - 画像読取装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この発明は、カラー用のラインセンサとモノクロ用のラインセンサとを有する画像読取装置において、カラー読取モードの場合はADFにより搬送される原稿の画像をカラー用の読取位置で読み取り、モノクロ読取モードの場合はADFにより搬送される原稿の画像をモノクロ用の読取位置で読み取るようにしたものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、原稿台上にセットされた原稿を1つずつ搬送し、その搬送される原稿の読取面を、ユーザが選択した読取モードに従ってカラーあるいはモノクロで読み取る画像読取装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動原稿送り装置(ADF)を有する画像読取装置では、ラインセンサの走査位置を所定の読取位置に固定して、ADFにより搬送される原稿面の画像を読み取るようになっている。また、上記ADFでは、特定の搬送位置で原稿の読取面が所定の位置を通過するようになっている。従って、従来のADFを有する画像読取装置では、ADFにより搬送される原稿の読取面を読み取る場合、上記した特定の搬送位置において原稿の読取面がラインセンサの焦点となるような位置にラインセンサの走査位置が固定されるように設定されている。
【0003】
また、原稿の画像をカラーで読み取る画像読取装置(カラー画像読取装置)では、カラーCCDセンサとして、赤(レッド)の成分(R信号)を出力する赤ラインセンサと、緑(グリーン)の成分(G信号)を出力する緑ラインセンサと、青(ブルー)の成分(B信号)を出力する青ラインセンサとの3つのCCDラインセンサからなる3ラインCCDセンサが用いられている。このような3ラインCCDセンサでは、モノクロ画像を読み取る場合、3つのCCDセンサから出力される信号(RGB信号)に基づいてモノクロ画像を生成している。
【0004】
すなわち、上記のような従来の画像読取装置では、カラー読取モードであってもモノクロ読取モードであっても、同じラインセンサを用いて画像の読取を行っている。従って、従来のADFを有する3ラインCCDセンサの画像読取装置では、ADFを用いて画像を読み取る場合、カラー読取モードであってもモノクロ読取モードであっても、各ラインセンサの走査位置が最適となるような1つの読取位置で固定されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなカラー用のラインセンサとは別にモノクロ画像を読み取るモノクロ用のラインセンサとが配置されたラインセンサでは、カラー用のラインセンサによる走査位置とモノクロ用のラインセンサによる走査位置とが異なっている。このため、上記カラー用のラインセンサとモノクロ用のラインセンサとを有するラインセンサを搭載した画像読取装置では、カラー読取モードであるかモノクロ読取モードで読み取るかに関わらずに、1つの固定の読取位置で上記ADFにより搬送される原稿の読取面を読み取ると、各ラインセンサで焦点のずれが大きくなり読取画像が劣化してしまうという問題点がある。
【0006】
そのため、本発明では、カラー用のラインセンサとモノクロ用のラインセンサとを有するラインセンサを用いて搬送手段により搬送される原稿の画像を読み取るものであっても、読取画像が劣化することなく、高画質な画像を取得することができる画像読取装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の画像読取装置は、原稿の画像をカラーあるいはモノクロで読み取るものであって、カラー用のラインセンサとモノクロ用のラインセンサとを有するラインセンサと、原稿台上に載置された原稿を搬送する搬送手段と、前記搬送手段により搬送される原稿からの光を前記ラインセンサに導く光学系が搭載された走査手段と、この走査手段を移動させる移動手段と、前記搬送手段により搬送される原稿の画像を前記カラー用のラインセンサにて読み取るカラー読取モードか、前記搬送手段により搬送される原稿の画像を前記モノクロ用のラインセンサにて読み取るモノクロ読取モードかを選択する選択手段と、この選択手段により前記カラー読取モードが選択された場合、前記移動手段により前記走査手段をカラー用の読取位置へ移動させ、前記選択手段により前記モノクロ読取モードが選択された場合、前記移動手段により前記走査手段をモノクロ用の読取位置へ移動させる制御手段を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の実施の形態に係る画像読取装置に搭載される4ラインCCDセンサ1の構成例を示す図である。
図1に示すように、4ラインCCDセンサ1は、入射光の赤(レッド)の成分を赤色の濃度を示すR信号に光電変換する赤ラインセンサRと、入射光の緑(グリーン)の成分を緑色の濃度を示すG信号に光電変換する緑ラインセンサGと、入射光の青(ブルー)の成分を青色の濃度を示すB信号に光電変換する青ラインセンサBと、入射光の白黒(ブラックとホワイト)の成分を白黒の濃度を示すBW信号に光電変換する白黒ラインセンサBWから構成されている。
【0009】
上記赤ラインセンサRは、赤色のフィルターをかけたCCDラインセンサにより構成される。これにより、上記赤ラインセンサRでは、入射光の赤色の成分のみを取り込んでR信号を出力することができるようになっている。
また、上記緑ラインセンサGは、緑色のフィルターをかけたCCDラインセンサにより構成される。これにより、上記緑ラインセンサGでは、入射光の緑色の成分のみを取り込んでG信号を出力することができるようになっている。
また、上記青ラインセンサBは、青色のフィルターをかけたCCDラインセンサにより構成されている。これにより、上記青ラインセンサBでは、入射光の青色の成分のみを取り込んでB信号を出力することができるようになっている。
【0010】
上記4ラインCCDセンサ1では、各ラインセンサR,G,B,BWがそれぞれ所定の間隔で平行に並べられている。図1に示す例において、各ラインセンサは、R,G,B,BWの順に並べられている。また、赤ラインセンサRと緑ラインセンサGと間隔、及び、緑ラインセンサGと青ラインセンサBとの間隔は、8ライン分となっており、青ラインセンサBと白黒ラインセンサBWとの間隔は、12ライン分となっている。
【0011】
つまり、カラー用のラインセンサとしての赤ラインセンサR、緑ラインセンサG、及び、青ラインセンサBは、それぞれ8ライン分の間隔で平行に並べられ、モノクロ用のラインセンサとしての白黒ラインセンサBWは、カラー用のラインセンサとしての青ラインセンサBに対して12ライン分の間隔で平行に並べられている。
【0012】
次に、上記4ラインCCDセンサ1が搭載された画像読取装置2の構成について説明する。
図2は、この発明の実施の形態に係る画像読取装置2の構成例を示す図である。
図2に示すように、画像読取装置2は、ADF(オートドキュメントフィーダ)4を有している。上記ADF4は、複数の原稿を1つずつ読取位置に搬送するとともに、原稿載置ガラス12上に載置された原稿に対する原稿押さえとして機能するようになっている。
【0013】
上記ADF4は、図2に示すように、原稿台5、搬送部6、および原稿排紙台7などを有している。上記原稿台5は、原稿が載置されるものである。上記搬送部6は、上記原稿台5上の原稿を1つずつ取出して搬送路6aを搬送するものである。上記原稿排紙台7は、上記搬送部6により搬送路6aを搬送された原稿が排紙されるものである。上記搬送路6aの画像読取装置本体側には、コンタクトガラス8aが配置されているスリット部8が設けられている。
【0014】
また、上記画像読取装置2の本体内には、上記コンタクトガラス8a及び上記原稿載置ガラス12の下方を上記原稿載置ガラス12と平行な方向に移動可能な第1キャリッジ(走査手段)18が設けられている。上記第1キャリッジ18には、原稿載置ガラス12上の原稿あるいは上記コンタクトガラス8a面上を通過する原稿を照明する光源としての露光ランプ14、および原稿からの反射光を所定の方向に偏向する第1のミラー16が取り付けられている。
【0015】
上記第1のキャリッジ18は、図示しない歯付きベルト等を介して接続される駆動モータ(移動手段)30により、上記原稿載置ガラス12の下方を往復移動される。上記駆動モータ30は、制御ユニット(制御基板)32からの駆動パルス信号などにより駆動制御されるステッピングモータなどで構成されている。
【0016】
さらに、上記画像読取装置2の本体内には、上記原稿載置ガラス12と平行に移動可能な第2のキャリッジ20が配設されている。上記第2のキャリッジ20には、上記第1のミラー16により偏向された原稿Dからの反射光を順に偏向する第2のミラー22および第3のミラー24が互いに直角に取り付けられている。上記第2のキャリッジ20は、上記第1のキャリッジ18に接続された歯付きベルト等により、上記駆動モータ30からの駆動力が伝達され、上記第1のキャリッジ18に対して従動されるとともに、上記第1のキャリッジ18に対して、1/2の速度で上記原稿載置ガラス12に沿って平行に移動される。
【0017】
また、上記画像読取装置2の本体内には、さらに、結像レンズ26と4ラインCCDセンサ1とが配設されている。上記結像レンズ26は、上記第2のキャリッジ20上に搭載されている上記第3のミラー24からの光を集束し、上記4ラインCCDセンサへ入射させるレンズである。上記4ラインCCDセンサ1は、図1に示すように構成され、上記結像レンズ26により集束された光を受光し、各ラインセンサR,G,B,BWが1ライン分の画素ごとに光電変換し、制御ユニット32へ出力する。
【0018】
次に、上記ADF4を用いた原稿の読取動作について概略的に説明する。
まず、原稿台5にセットされた原稿Dは、上記搬送部6により搬送路6aを搬送され、上記原稿排紙台上7に排紙される。上記原稿Dが上記搬送路6a上のスリット部8を通過する際、当該原稿Dの読取面がコンタクトガラス8a面に接触する。
【0019】
また、上記ADF4を用いた原稿の読取時には、本体内の第1キャリッジ18が上記コンタクトガラス8a面上の画像を読取可能な位置になっているものとする。これにより、上記ADF4により一定の速度で搬送路6aを搬送される原稿面の画像は、上記スリット部8を通過する際に、上記第1ミラー、上記第2ミラー、上記第3ミラー、上記結像レンズ等の光学系を介して上記4ラインCCDセンサにより読み取られる。
【0020】
次に、画像読取装置2の制御系統の構成について説明する。
図3は、上記画像読取装置2の制御系統の構成を概略的に示すブロック図である。
上記画像読取装置2の制御基板32上には、CPU40、ROM41、RAM42、信号処理部43、および駆動制御部44などが設けられている。上記CPU40は、画像読取装置2全体の制御を司るものである。上記ROM41は、当該画像読取動作を行うための制御プログラムなどが記憶されているメモリである。上記RAM42は、データを一時的に記憶するメモリである。上記信号処理部43は、上記4ラインCCDセンサ1からの信号を処理して外部へ出力するものである。上記駆動制御部44は、上記駆動モータ30を駆動制御するモータドライバを有している。
【0021】
上記信号処理部43は、前処理回路51、シェーディング補正回路52、ライン間補正回路53、および画像処理回路54を有している。
上記前処理回路51は、4ラインCCDセンサ1からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換などの処理を行う。
上記シェーディング補正回路52は、上記4ラインCCDセンサ1による上記シェーディング板11の読取結果に基づいて画素単位の補正を行う。
【0022】
上記ライン間補正回路53は、赤ラインセンサRからのデータと、緑ラインセンサGからのデータと、青ラインセンサBからのデータとの位置合わせを行うものである。つまり、カラー用のラインセンサとしての赤、緑、青の各ラインセンサR、G、Bは、それぞれのラインが数画素分ずれて配置されている。このため、カラーの画像を生成するためには、副走査方向の移動速度に応じて各ラインセンサR、G、Bからのデータの位相を合わせる必要がある。
【0023】
例えば、図1に示す構成例では、カラー用のラインセンサとしての赤、緑、青の各ラインセンサR、G、Bが走査順にRGBの順に並んでおり、かつ、赤ラインセンサRと緑ラインセンサGおよび緑ラインセンサGと青ラインセンサBが8画素分ずれて配置されている。この場合、変倍比が25%〜400%であれば、各ラインセンサR、G、Bからのデータに対しては、RとGの間に2〜32ライン、GとBとの間に2〜32ラインの位置補正が必要となる。
【0024】
ここで、例えば、青ラインセンサBを基準とした場合、上記ライン間補正回路53は、赤ラインセンサRのデータに対して4〜64ライン分、緑ラインセンサGのデータに対して2〜32ライン分の位置合わせを行う。このような位置合わせを行うことにより、上記ライン間補正回路53は、R信号、G信号及びB信号の各データを重ね合わせてずれのないカラー画像を生成するようになっている。
【0025】
また、上記画像処理回路54は、画像処理を行って、画像データを外部へ出力するものである。例えば、カラー読取モードである場合、上記画像処理回路54は、ライン間補正されたデータに色補正を行って外部へ出力する。また、モノクロ読取モードである場合、上記画像処理回路54は、上記ライン間補正回路53をスルーしたBW信号にフィルタ処理などの処理を施して外部へ出力する。
【0026】
また、上記CPU40には、ユーザによる操作指示が入力される操作部60が接続されている。例えば、上記操作部60には、読取倍率を設定する倍率設定キー、カラーかモノクロかを選択する画像選択キー、読取開始を指示するスタート指示キーなどが設けられている。例えば、ユーザが上記操作部60にて原稿に対する読取モードを指定して読取開始を指示するキーを入力した場合、上記CPU40は、指定された読取モードによる原稿画像の読取を開始するようになっている。
【0027】
さらに、上記CPU40には、切替回路61および切替回路62に接続されている。上記切替回路61は、上記4ラインCCDセンサ1から上記信号処理部43へ供給する信号のうち緑ラインセンサGからのG信号と白黒ラインセンサBWからのBW信号と切り替える回路である。上記切替回路62は、上記4ラインCCDセンサ1から上記信号処理部43へ供給する信号のうち青ラインセンサBからのB信号と白黒ラインセンサBWからのBW信号とを切り替える回路である。
【0028】
すなわち、カラー読取モードの場合、上記CPU40は、上記切替回路61によりG信号を有効するとともに、上記切替回路62によりB信号を有効とする。この場合、上記4ラインCCDセンサ1は、赤ラインセンサRからのR信号、緑ラインセンサGからのG信号、および青ラインセンサBからのB信号を上記信号処理部43を供給する。これにより、上記4ラインCCDセンサ1によるカラー画像の読取が可能となる。
【0029】
また、モノクロ読取モードの場合、上記CPU40は、上記切替回路61によりBW信号を有効とするとともに、上記切替回路62によりBW信号を有効とする。この場合、上記4ラインCCDセンサ1は、白黒ラインセンサBWからのBW信号を上記信号処理部43へ供給する。これにより、上記4ラインCCDセンサ1によるモノクロ画像の読取が可能となる。なお、上述ような図3に示す構成でモノクロ画像を読み取る場合、上記4ラインCCDセンサCCD1は、2チャンネルのBW信号を上記信号処理部43へ供給するようになっている。この際、一方は偶数ライン分のBW信号を供給し、他方は奇数ライン分のBW信号を供給するようになっている。
【0030】
次に、上記画像読取装置2における原稿の読取面に対する焦点位置について説明する。
図4は、第1の走査位置Aによる焦点位置と上記第1の走査位置から副走査方向に距離aだけ離れた第2の走査位置Bによる焦点位置とのずれを示す図である。
上記ADF4において、上記搬送路6aを搬送される原稿Dの読取面は、上記スリット部8で上記コンタクトガラス8aの面に接触する。上記原稿Dの読取面とコンタクトガラス8aの面とは、原稿の搬送方向に対して、ほぼ1点(主走査方向の1ライン)での接触となる。なお、本実施の形態においては、上記原稿Dの読取面とコンタクトガラス8aの面との接触点(接触する主走査方向の1ライン)Sが一定であるものとして説明する。
【0031】
図4に示す例では、上記第2の走査位置Bにおいて原稿Dの読取面がコンタクトガラス8a面に接触している。この場合、上記第1の走査位置Aでは、コンタクトガラス8a面に対して原稿Dの読取面が距離bだけ離れている。すなわち、上記コンタクトガラス8a面上を焦点位置とすると、上記第1の走査位置Aでは、上記第2の走査位置Bに比べて距離bだけ焦点位置がずれている。この場合、上記第1の走査位置Aで画像を読み取ると、読取画像にはピンボケが発生する。
【0032】
上記ADF4において、原稿Dは、上記コンタクトガラス8aの面に対して原稿Dの読取面が凸になるように搬送され、上記接触点Sでコンタクトガラス8a面に原稿Dの読取面が接するようになっている。すなわち、上記ADF4と用いた原稿の読取処理において良好な画像を得るには、できるだけコンタクトガラス8a面と原稿Dの読取面とが接触する接触点Sの近傍で走査位置を固定して読取走査を行う必要がある。
【0033】
次に、各ラインセンサR、G、B、BWの各走査位置と上記スリット部8を通過する際の原稿Dの読取面との関係について説明する。以下、赤ラインセンサRの走査位置をRsとし、緑ラインセンサGの走査位置をGsとし、青ラインセンサBの走査位置をBsとし、白黒ラインセンサBWの走査位置をBWsとする。
【0034】
図5は、走査位置Bsを上記接触点Sに合わせた場合の各各走査位置Rs、Gs、Bs、BWsの焦点位置を示す図である。
図5に示す例では、4つラインセンサの各走査位置Rs、Gs、Bs、BWsのほぼ中心となる走査位置Bsは焦点位置が最適となっている。このように焦点位置が最適となる上記接触点Sの位置を合焦点位置と呼ぶものとする。図5に示す例では、上記走査位置Rs、Gs、BWsは、上記走査位置Bsに対し、Gs、BWs、Rsの順に最適な焦点位置からのずれが大きくなっている。言いかえれば、合焦点位置から離れた走査位置ほど、焦点のずれが大きくなってしまう。例えば、図5に示す例で赤ラインセンサRが正常なデータを読み取るためには、少なくとも焦点深度F1が必要となる。
【0035】
すなわち、ADF4を用いて画像を読み取る場合の上記第1キャリッジ18の位置を常に所定の読取位置になるようにすると、必要な焦点深度F1が大きくなる。従って、カラーで画像を読み取るかモノクロで画像を読み取るかに関係なく、ADF4により搬送される原稿の画像を常に一定の読取位置で読み取るようにすると、4ラインCCDセンサでは画像の劣化が大きくなってしまう。
【0036】
次に、カラー読取モードでの各走査位置Rs、Gs、Bs、BWsと原稿Dの読取面との関係について説明する。
図6及び図7は、カラー読取モードでの各走査位置Rs、Gs、Bs、BWsと原稿Dの読取面との関係を示す図である。図6は、各走査位置がRs、Gs、Bs、BWsの順に並んでいる場合の例であり、図7は、各走査位置がBWs、Bs、Gs、Rsの順に並んでいる場合の例である。
【0037】
図6及び図7に示す例では、カラー用のラインセンサR、G、Bの各走査位置Rs、Gs、Bsの中央位置としての走査位置Gsが上記接触点Sとなるようになっている。この場合、合焦点位置となる走査位置Gsに対して、走査位置Rs及びBsは、図6及び図7に示すように、焦点位置が距離F2となっている。つまり、上記カラー用のラインセンサR、G、Bの焦点深度がF2の範囲内に収まる。この焦点深度F2は、図5に示す焦点深度F1より浅く、3つのラインセンサR、G、Bからなるカラー用のラインセンサに対しては最も焦点深度を浅くするものである。
【0038】
すなわち、カラー読取モードでは、カラー用の読取位置(カラー読取位置)として、複数のラインセンサからなるカラー用のラインセンサの各走査位置に対する中心点が上記接触点Sと一致するような第1キャリッジ18の読取位置が決定される。従って、図1に示すような4ラインCCDセンサでカラー画像を読み取る場合、カラー用のラインセンサが3つのラインセンサR、G、Bで構成されるため、上記カラー用の読取位置としての上記第1キャリッジ18の読取位置は、真中のラインセンサとしての緑ラインセンサGの走査位置Gsが上記接触点Sと一致するように設定される。
【0039】
また、上記カラー用の読取位置は、上記第1キャリッジ18の所定の待機位置からの座標値などにより予め設定されている。上記第1キャリッジ18の待機位置から上記カラー用の読取位置までの座標値は、予めROM41などの記憶手段に記憶されているものとする。これにより、上記CPU40は、カラー読取モードが選択された場合、上記ROM41からカラー用の読取位置の座標を読み出し、上記第1キャリッジを上記カラー用の読取位置へ移動させる。
【0040】
次に、モノクロ読取モードでの各走査位置Rs、Gs、Bs、BWsと原稿Dの読取面との関係について説明する。
図8及び図9は、モノクロ読取モードでの各走査位置Rs、Gs、Bs、BWsと原稿Dの読取面との関係を示す図である。図8は、4つの各ラインセンサによる各走査位置がRs、Gs、Bs、BWsの順に並んでいる場合の例であり、図9は、4つの各ラインセンサによる各走査位置がBWs、Bs、Gs、Rsの順に並んでいる場合の例である。
【0041】
図8及び図9に示すように、モノクロ用のラインセンサBWの走査位置BWsが上記接触点(合焦点位置)Sとなるようになっている。すなわち、モノクロ読取モードでは、モノクロ用の読取位置(モノクロ読取位置)として、モノクロ用のラインセンサの各走査位置における中心点が上記接触点Sと一致するように第1キャリッジ18の位置を決定する。また、図1に示すような4ラインCCDセンサが用いられている場合、モノクロ用のラインセンサが白黒ラインセンサBWのみで構成されるため、モノクロ用の読取位置としての第1キャリッジ18の読取位置は、上記白黒ラインセンサBWの走査位置と上記接触点Sとが一致するように設定される。
【0042】
上記モノクロ用の読取位置は、上記第1キャリッジ18の所定の待機位置からの座標値などにより予め設定されている。上記第1キャリッジ18の待機位置から上記モノクロ用の読取位置までの座標値は、予めROM41などの記憶手段に記憶されているものとする。これにより、上記CPU40は、モノクロ読取モードが選択された場合、上記ROM41からモノクロ用の読取位置の座標を読み出し、上記第1キャリッジを上記モノクロ用の読取位置へ移動させる。
【0043】
次に、上記ADF4を用いた原稿画像の読取動作について説明する。
図10は、ADF4にセットされた原稿の画像を読み取る動作を説明するためのフローチャートである。
まず、ユーザは、上記ADF4の原稿台5上に原稿を載置し、上記操作部60にて原稿画像の読み取り開始を指示する。この際、当該ユーザは、原稿の読取モードとして、原稿の画像をカラーで読み取るかモノクロで読み取りかを選択する。ユーザが読取開始を指示すると、上記操作部60は、上記CPU40へ読み取り開始を要求する読取開始要求信号とともに、原稿の読み取りモードを示す情報を供給する。
【0044】
上記操作部60から読取開始要求を受けた上記CPU40は、上記第1キャリッジ18が待機位置に存在するか否かを確認する。上記第1キャリッジ18が待機位置にあることを確認すると、上記CPU40は、上記第1キャリッジ18の位置を示す座標を待機位置の座標値Xにセットする(ステップS11)。上記第1キャリッジ18の座標をXとすると、上記CPU40は、上記操作部60からの読取モードを示す情報に基づいて、原稿の読取モードがカラー読取モードかモノクロ読取モードかを選択する(ステップS12)。
【0045】
これにより原稿の読取モードとしてカラー読取モードを選択すると(ステップS12、カラー)、上記CPU40は、上記待機位置の上記第1キャリッジ18の移動を開始する(ステップS13)。上記第1キャリッジ18の移動を開始すると、上記CPU40は、まず、図示しない白基準板の画像をカラー用のラインセンサ(赤ラインセンサR、緑ラインセンサG、及び青ラインセンサB)により読み取って各ラインセンサR、G、Bからの出力信号(R信号、G信号及びB信号)に対するシェーディング補正を行う(ステップS14)。
【0046】
上記白基準板を読み取った上記第1キャリッジ18がカラー読取位置に到達した際、つまり、上記第1キャリッジ18の位置を示す座標がカラー読取位置の座標(X+A:Aは待機位置から読取位置までの距離)になった際、上記CPU40は、上記第1キャリッジ18を停止させる(ステップS15)。上記カラー読取位置の座標は、図6あるいは図7に示すように、カラー用のラインセンサR、G、Bの各走査位置Rs、Gs、Bsの中央位置(走査位置Gs)が上記接触点Sとなるような座標として予めROM41などに設定されているものである。
【0047】
上記第1キャリッジ18が停止すると、上記CPU40は、上記カラー用のラインセンサR、G、BからのR信号、G信号及びB信号の取り込みを開始する(ステップS16)。この際、上記CPU40は、上記ADF4へ原稿の搬送開始を要求する。この搬送開始要求に応じて、上記ADF4は、上記搬送部6により原稿台5上の原稿の搬送を開始する(ステップS17)。これにより、上記カラー用のラインセンサR、G、Bは、上記搬送路6aを搬送される原稿Dの読取面の画像をカラー画像で読み取る。
【0048】
上記CPU40は、上記のようなカラー画像の読取を上記原稿台5の原稿がなくなるまで行う。すなわち、上記ADF4の原稿台5上に原稿がなくなった場合、上記CPU40は、カラー読取モードによる原稿画像の読取終了を判断する(ステップS18)。これによりカラーによる原稿画像の読取終了を判断すると、上記CPU40は、上記第1キャリッジ18の待機位置への移動を開始する(ステップS19)。上記第1キャリッジ18が待機位置に移動した際、つまり、上記第1キャリッジ18の位置を示す座標がXになった際、上記CPU40は、上記第1キャリッジ18の移動を終了し、カラー読取モードによる画像の読取動作を終了する(ステップS20)。
【0049】
また、上記ステップS12で原稿の読取モードとしてモノクロ読取モードを選択すると(ステップS12、モノクロ)、上記CPU40は、上記待機位置の上記第1キャリッジ18の移動を開始する(ステップS21)。上記第1キャリッジ18の移動を開始すると、上記CPU40は、まず、上記白基準板(図示しない)の画像をモノクロ用のラインセンサ(白黒ラインセンサBW)により読み取って白黒ラインセンサBWからのBW信号に対するシェーディング補正を行う(ステップS22)。
【0050】
上記白基準板を読み取った上記第1キャリッジ18がモノクロ読取位置に到達した際、つまり、上記第1キャリッジ18の位置を示す座標がモノクロ読取位置の座標(X+B:Bは待機位置から読取位置までの距離)になった際、上記CPU40は、上記第1キャリッジ18を停止させる(ステップS23)。上記モノクロ読取位置の座標は、図8あるいは図9に示すように、モノクロ用のラインセンサBWの走査位置BWsが上記接触点Sとなるような座標として予めROM41などに設定されているものである。
【0051】
上記第1キャリッジ18が停止すると、上記CPU40は、上記モノクロ用のラインセンサBWからのBW信号の取り込みを開始する(ステップS24)。この際、上記CPU40は、上記ADF4へ原稿の搬送開始を要求する。この搬送開始要求に応じて、上記ADF4は、上記搬送部6により原稿台5上の原稿の搬送を開始する(ステップS25)。これにより、上記モノクロ用のラインセンサBWは、上記搬送路6aを搬送される原稿の読取面の画像をモノクロ画像で読み取る。
【0052】
上記CPU40は、上記のようなモノクロ画像の読取を上記原稿台5の原稿がなくなるまで行う。すなわち、上記ADF4の原稿台5上に原稿がなくなった場合、上記CPU40は、モノクロ読取モードによる原稿画像の読取終了を判断する(ステップS26)。これによりモノクロによる原稿画像の読取終了を判断すると、上記CPU40は、上記第1キャリッジ18の待機位置への移動を開始させる(ステップS27)。上記第1キャリッジ18が待機位置に移動した際、つまり、上記第1キャリッジ18の位置を示す座標がXになった際、上記CPU40は、上記第1キャリッジ18の移動を終了し、モノクロ画像の読取動作を終了する(ステップS28)。
【0053】
上記のように、カラー読取モードの場合には第1キャリッジをカラー用の読取位置に移動させ、そのカラー用の読取位置でADFにより搬送される原稿の画像をカラー用のラインセンサで読み取り、モノクロ読取モードの場合には第1キャリッジをモノクロ用の読取位置に移動させ、そのモノクロ用の読取位置でADFにより搬送される原稿の画像をモノクロ用のラインセンサで読み取るようにしたものである。これにより、カラー読取モードであってもモノクロ読取モードであっても、各ラインセンサの走査位置を最適な位置にすることができ、読取画像の画質が劣化することがなく、高画質な読取画像を提供できる。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、カラー用のラインセンサとモノクロ用のラインセンサとを有するラインセンサを用いて画像を読み取るものであっても、高画質な読取画像を提供することができる画像読取装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態に係る画像読取装置に搭載される4ラインCCDセンサの構成を示す図。
【図2】この発明の実施の形態に係る画像読取装置の概略構成を示す図。
【図3】画像読取装置の制御系統の構成例を示すブロック図。
【図4】ADFにより搬送される原稿の読取面と焦点の関係を説明するための図。
【図5】青ラインセンサの走査位置を合焦点位置とした場合の他の走査位置における焦点を示す図。
【図6】カラー読取モード時の読取位置を示す図。
【図7】カラー読取モード時の読取位置を示す図。
【図8】モノクロ読取モード時の読取位置を示す図。
【図9】モノクロ読取モード時の読取位置を示す図。
【図10】ADFを用いた原稿の画像の動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
R…赤ラインセンサ、G…緑ラインセンサ、B…青ラインセンサ、BW…白黒ラインセンサ、1…4ラインCCDセンサ、2…画像読取装置、4…ADF、5…原稿台、6…搬送部、8…スリット、8a…コンタクトガラス、16…第1のミラー、18…第1のキャリッジ、20…第2のキャリッジ、22…第2のミラー、24…第3のミラー、30…駆動モータ、32…制御ユニット、40…CPU、43…信号処理部、44…駆動制御部
Claims (6)
- 原稿の画像をカラーあるいはモノクロで読み取る画像読取装置であって、
カラー用のラインセンサとモノクロ用のラインセンサとを有するラインセンサと、
原稿台上に載置された原稿を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送される原稿からの光を前記ラインセンサに導く光学系が搭載された走査手段と、
この走査手段を移動させる移動手段と、
前記搬送手段により搬送される原稿の画像を前記カラー用のラインセンサにて読み取るカラー読取モードか、前記搬送手段により搬送される原稿の画像を前記モノクロ用のラインセンサにて読み取るモノクロ読取モードかを選択する選択手段と、
この選択手段により前記カラー読取モードが選択された場合、前記移動手段により前記走査手段をカラー用の読取位置へ移動させ、前記選択手段により前記モノクロ読取モードが選択された場合、前記移動手段により前記走査手段をモノクロ用の読取位置へ移動させる制御手段と、
を具備したことを特徴とする画像読取装置。 - 上記カラー用の読取位置は、前記カラー用のラインセンサによる走査位置の中心位置を合焦点位置にあわせた位置であり、
上記モノクロ用の読取位置は、前記モノクロ用のラインセンサによる走査位置の中心位置を合焦点位置にあわせた位置である、
ことを特徴とする前記請求項1に記載の画像読取装置。 - さらに、前記走査手段の待機位置からカラー用の読取位置までの第1の座標と、前記走査手段の待機位置からモノクロ用の読取位置までの第2の座標とを記憶手段に記憶しておき、
前記制御手段は、前記選択手段により前記カラー読取モードが選択された場合、前記記憶手段に記憶されている前記第1の座標を読み出し、前記移動手段により前記走査手段を待機位置から前記第1の座標分移動させた位置で上記搬送手段により搬送される原稿の読取面の画像をカラーで読み取り、前記選択手段により前記モノクロ読取モードが選択された場合、前記記憶手段に記憶されている前記第2の座標を読み出し、前記移動手段により前記走査手段を待機位置から前記第2の座標分移動させた位置で前記搬送手段により搬送される原稿の読取面の画像をモノクロで読み取る、
ことを特徴とする前記請求項1に記載の画像読取装置。 - 前記カラー用のラインセンサは、複数のラインセンサからなり、
上記カラー用の読取位置は、前記カラー用のラインセンサとしての各ラインセンサのそれぞれの走査位置において前記搬送手段により搬送される原稿の読取面までの焦点深度が許容範囲内に収まるように設定された位置である、
ことを特徴とする前記請求項1に記載の画像読取装置。 - 前記カラー用のラインセンサは、複数のラインセンサからなり、
上記カラー用の読取位置は、前記カラー用のラインセンサとしての各ラインセンサのそれぞれの走査位置において前記搬送手段により搬送される原稿の読取面までの焦点深度が最も浅くなるように設定された位置である、
ことを特徴とする前記請求項1に記載の画像読取装置。 - 前記ラインセンサは、所定の間隔で並べられた3原色の3つのラインセンサと白黒のラインセンサとからなり、
上記カラー用の読取位置は、3原色の3つのラインセンサのうちで真中のラインセンサの走査位置が合焦点位置となる位置であり、
上記モノクロ用の読取位置は、白黒のラインセンサの走査位置が合焦点位置となる位置である、
ことを特徴とする前記請求項1に記載の画像読取装置。
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