JP2004266203A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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Fumio Otsuka
文雄 大塚
Yohei Yanagida
洋平 柳田
Masaya Iida
雅也 飯田
Nozomi Matsuzaki
望 松崎
Shinichiro Kimura
紳一郎 木村
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Abstract

【課題】不揮発性記憶素子の書き替え回数に伴うドレイン電流の減少(電流駆動能力の低下)を抑制する。
【解決手段】不揮発性記憶素子を有する半導体装置において、
前記不揮発性記憶素子は、半導体基板の主面上に、電荷蓄積部として機能する第1ゲート絶縁膜を介在して設けられた第1ゲート電極と、前記半導体基板の主面上に第2ゲート絶縁膜を介在して設けられ、かつゲート長が前記第1ゲート電極のゲート長方向に沿う状態で前記第1ゲート電極の隣に設けられた第2ゲート電極と、前記第1及び第2ゲート電極の配列方向において前記第1ゲート電極側及び第2ゲート電極側に夫々設けられ、かつソース領域及びドレイン領域として機能する第1導電型の第1半導体領域と、前記半導体基板の主面の前記第1ゲート電極下の領域に設けられた第1導電型の第2半導体領域と、前記第2半導体領域と前記第1ゲート絶縁膜との間に設けられた第1導電型の第3半導体領域とを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置及びその製造技術に関し、特に、不揮発性記憶素子を有する半導体装置及びその製造技術に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
フラッシュメモリと呼称されるEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)や、マスクROM(Read Only Memory)の代替として、ONO(酸化膜/窒化膜/酸化膜:Nitride/Oxide/Nitride)膜をゲート絶縁膜に使用し、このゲート絶縁膜にホットエレクトロンを注入してMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)の閾値電圧を変化させることで不揮発性動作をさせるMONOS(Metal Nitride Oxide Nitride Semiconductor)型不揮発性記憶素子が、例えば、IEEE Electron Device Letters:VOL21,No11,2000,P543(非特許文献1)に提案されている。
【0003】
【非特許文献1】
IEEE Electron Device Letters:VOL21,No11,2000,P543
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この構造は、製造プロセスが簡単であるため、製造コストが小さいという利点がある半面、消去は、ONO膜に注入された電子をトンネル電流でゲート電極に引き抜くため、ゲート電極/基板間電圧(Vcc)を高く設定する必要があり、ゲート絶縁膜の破壊防止のため、ゲート絶縁膜を厚くする必要がある。このため、MONO型不揮発性記憶素子のソース・ドレイン間電流(ドレイン電流Ids)が小さくなり、高速化できないという問題があった。
【0005】
この問題を解決するため、ゲート絶縁膜にONO膜を用いたMONOS型FETと、ゲート絶縁膜に通常の酸化シリコン膜を用いたパストランジスタ(制御用MISFET)とを等価回路的に直列に接続し、MONOS型FETのゲート絶縁膜(ONO膜)のみにホットエレクトロンを注入させる不揮発性記憶素子が提案されている。
【0006】
この不揮発性記憶素子の利点は、MONOS型FETと制御用MISFETの電位を別々に設定することができ、消去時にはMONOS型FETのゲート電極のみ高電圧を印加できるため、パストランジスタとして働く制御用MISFETのゲート絶縁膜の膜厚を薄くすることができる。この不揮発性記憶素子においては、MONOS型FETにホットエレクトロンが注入されると、MONOS型FETの閾値電圧が変化し、MONOS型FETと制御用MISFETとが直列に接続された系全体の閾値電圧が変化する。この系の閾値電圧を効率良く変化させるために、MONOS型FETの基板表面(チャネル形成領域)をN型、制御用MISFETの基板表面(チャネル形成領域)をP型とし、MONOS型FETと制御用MISFETとの境界部にPN接合を形成することで、MONOS型FETと制御用MISFETとの境界部で電界の最大点を形成し、ホットエレクトロンの注入点を制御用MISFETに近い領域とする工夫がなされている。
【0007】
しかしながら、このような不揮発性記憶素子においては、以下に示す問題を解決する必要がある。
不揮発性記憶素子の読み出し動作は、例えば、ソース領域に0[V]、ドレイン領域に1[V]、MONOS型FETのゲート電極(メモリゲート電極)及び制御用MISFETのゲート電極(コントロールゲート電極)に1.5[V]、基板(又はウエル領域)に0[V]の電位を夫々印加することによって行われる。この時、MONOS型FETのゲート絶縁膜に多くの電子が捕獲されている場合、MONOS型FETの閾値電圧が高くなり、制御用MISFETの基板表面にチャネル(電流通路)が形成されても、ソース・ドレイン間にドレイン電流(Ids)が流れない「OFF状態」となる。MONOS型FETのゲート絶縁膜に電子がいない場合(又は正孔が捕獲されている場合)、MONOS型FETの閾値電圧が低くなり、ソース・ドレイン間にドレイン電流が流れる「ON状態」となる。この時のドレイン電流は、制御用MISFETの基板表面、及びMONOS型FETの基板表面(基板とゲート絶縁膜との界面近傍)を電流経路として流れる。
【0008】
一方、不揮発性記憶素子の書き込み動作は、例えば、ドレイン領域に6[V]、ソース領域に0[V]、MONOS型FETのゲート電極に12[V]、制御用MISFETのゲート電極に0.5[V]、基板(又はウエル領域)に0[V]の電圧を印加し、MONOS型FETの基板表面側からMONOS型FETのゲート絶縁膜にホットエレクトロンを注入することによって行われる。この時、ホットエレクトロンは、制御用MISFET側に設けられた注入点(電界の最大点)からMONOS型FETのゲート絶縁膜に注入されるが、ホットエレクトロンの注入は高電界によって行われるため、ホットエレクトロンの注入回数に応じてMONOS型FETの基板表面におけるキャリア移動度が劣化する。
【0009】
従って、従来の不揮発性記憶素子においては、ホットエレクトロンの注入回数に応じて、読み出し時におけるドレイン電流が減少(電流駆動能力が低下)する。このような読み出し時におけるドレイン電流の減少は、長期間安定して動作する半導体装置の長期信頼性に影響するため、改善が必要である。
【0010】
また、上記のような不揮発性記憶素子の消去動作をホットホールの注入による消去方式を用いた場合では、例えば、ドレイン領域に0[V]、ソース領域に0[V]、MONOS型FETのゲート電極に−6[V]、制御用MISFETの電極及び基板(又はウエル領域)に0[V]の電圧を印加し、制御用MISFETの電極下のチャネル形成領域からゲート絶縁膜にホットホールを注入させることによって行われる。このような消去動作を用いた場合においても、ホットホールの注入回数に応じて読み出し時におけるドレイン電流が減少(電流駆動能力が低下)する。
【0011】
本発明の目的は、不揮発性記憶素子の書き替え回数に伴うドレイン電流の減少(電流駆動能力の低下)を抑制することが可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、不揮発性記憶素子のドレイン電流の増加を図ることが可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、不揮発性記憶素子を有する半導体装置の長期信頼性を確保することが可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、不揮発性記憶素子を有する半導体装置の高集積化を図ることが可能な技術を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
(1)不揮発性記憶素子を有する半導体装置において、
前記不揮発性記憶素子は、半導体基板の主面上に、電荷蓄積部として機能する第1ゲート絶縁膜を介在して設けられた第1ゲート電極と、
前記半導体基板の主面上に第2ゲート絶縁膜を介在して設けられ、かつゲート長が前記第1ゲート電極のゲート長方向に沿う状態で前記第1ゲート電極の隣に設けられた第2ゲート電極と、
前記第1及び第2ゲート電極の配列方向において前記第1ゲート電極側及び第2ゲート電極側に夫々設けられ、かつソース領域及びドレイン領域として機能する第1導電型の第1半導体領域と、
前記半導体基板の主面の前記第1ゲート電極下の領域に設けられた第1導電型の第2半導体領域と、
前記第2半導体領域と前記第1ゲート絶縁膜との間に設けられた第1導電型の第3半導体領域とを有する。
【0013】
(2)前記手段(1)において、
前記不揮発性記憶素子は、前記第1ゲート絶縁膜に電荷が蓄積されることで前記ソース領域・ドレイン領域間を流れる電流の閾値電圧を制御してメモリ動作する構造になっている。
【0014】
(3)前記手段(1)において、
前記不揮発性記憶素子は、読み出し時、前記第2半導体領域を通って、前記ソース領域・ドレイン領域間に電流が流れる構造になっている。
【0015】
(4)前記手段(1)において、
前記不揮発性記憶素子は、更に、前記半導体基板の主面の前記第2ゲート電極下の領域に、前記第2ゲート電極側の前記第1半導体領域、並びに前記第2及び第3半導体領域と接して設けられた第2導電型の第4半導体領域を有し、
前記第2及び第3半導体領域は、前記第1ゲート電極側の前記第1半導体領域と接している。
【0016】
(5)前記手段(1)において、
前記不揮発性記憶素子は、更に、前記半導体基板の主面の前記第2ゲート電極下の領域に、前記第2ゲート電極側の前記第1半導体領域と接して設けられた第2導電型の第4半導体領域と、
前記第2及び第3半導体領域と、前記第4半導体領域との間に、前記第2乃至第4半導体領域と接して設けられた第1導電型の第5半導体領域とを有し、
前記第2及び第3の半導体領域は、前記第1ゲート電極側の前記第1半導体領域と接している。
【0017】
(6)前記手段(1)において、
前記不揮発性記憶素子は、更に、前記半導体基板の主面の前記第2ゲート電極下の領域に、前記第2半導体領域と接して設けられた第2導電型の第4半導体領域を有し、
前記第3半導体領域は、前記第4半導体領域から離間して形成され、
前記第2半導体領域は、前記第4半導体領域と前記第3半導体領域との間にも形成されている。
【0018】
(7)前記手段(6)において、
前記不揮発性記憶素子は、更に、前記第2ゲート電極側の前記第1半導体領域と前記第4半導体領域との間に、前記第1及び第4半導体領域と接して設けられた第1導電型の第5半導体領域を有し、
前記第2及び第3半導体領域は、前記第1ゲート電極側の前記第1半導体領域と接している。
【0019】
(8)不揮発性記憶素子を有する半導体装置の製造方法であって、
半導体基板の主面に素子分離領域によって区画された活性領域を形成する工程と、
前記半導体基板の主面の活性領域に不純物を導入して、第1導電型の第1半導体領域、前記第1半導体領域よりも浅い位置に第2導電型の第2半導体領域を形成する工程と、
前記活性領域上に、電荷蓄積部として機能する第1ゲート絶縁膜を介在して第1ゲート電極を形成する工程と、
前記活性領域の前記第1ゲート電極と隣り合う領域上に第2ゲート絶縁膜を介在して第2ゲート電極を形成する工程と、
前記活性領域に不純物を導入して第1導電型のソース領域及びドレイン領域を形成する工程とを有する。
【0020】
(9)前記手段(8)において、
更に、前記第1ゲート電極形成工程の後であって、前記第2ゲート電極形成工程の前に、前記第1ゲート電極の側壁にサイドウォールスペーサを形成する工程と、前記第1ゲート電極を境にして前記第2ゲート電極が形成される領域と反対側の前記第2半導体領域上をマスクした状態で、前記活性領域に不純物を選択的に導入して、前記サイドウォールスペーサに整合した第2導電型の第3半導体領域を形成する工程とを有する。
【0021】
(10)前記手段(8)において、
更に、前記第1ゲート電極形成工程の後であって、前記第2ゲート電極形成工程の前に、前記第1ゲート電極を境にして前記第2ゲート電極が形成される領域と反対側における前記第2半導体領域上をマスクした状態で、前記活性領域に不純物を選択的に導入して、前記第1ゲート電極に整合した第1導電型の第3半導体領域を形成する工程と、前記第1ゲート電極の側壁にサイドウォールスペーサを形成する工程と、前記第1ゲート電極を境して前記第2ゲート電極が形成される領域と反対側における前記第2半導体領域上をマスクした状態で、前記活性領域に不純物を選択的に導入して、前記サイドウォールスペーサに整合した第2導電型の第4半導体領域を形成する工程とを有する。
【0022】
(11)不揮発性記憶素子を有する半導体装置の製造方法であって、
半導体基板の主面に素子分離領域によって区画された活性領域を形成する工程と、
前記半導体基板の主面の活性領域に不純物を導入して、第1導電型の第1半導体領域を形成する工程と、
前記活性領域上に、第1ゲート絶縁膜を介在して第1ゲート電極を形成する工程と、
前記活性領域に不純物を導入して、前記第1ゲート電極に整合した第2導電型の第2半導体領域を形成する工程と、
前記第1ゲート電極の側壁にサイドウォールスペーサを形成する工程と、
前記活性領域に不純物を導入して、前記サイドウォールスペーサに整合し、かつ前記第2半導体領域よりも浅い第1導電型の第3半導体領域を形成する工程と、
前記活性領域の前記第1ゲート電極と隣り合う領域上に、電荷蓄積部として機能する第2ゲート絶縁膜を介在して第2ゲート電極を形成する工程と、
前記活性領域に不純物を導入して、第2導電型のソース領域及びドレイン領域を形成する工程とを有する。
【0023】
(12)不揮発性記憶素子を有する半導体装置であって、
前記不揮発性記憶素子は、半導体基板の主面上に、電荷蓄積部として機能する第1ゲート絶縁膜を介在して設けられた第1ゲート電極と、
前記半導体基板の主面の前記第1ゲート電極と隣り合う領域上に、第2ゲート絶縁膜を介在して設けられ、かつゲート長が前記第1ゲート電極のゲート長と同一方向の第2ゲート電極と、
前記第1及び第2領域の配列方向において前記第1ゲート電極側及び前記第2ゲート電極側に夫々設けられ、かつソース領域及びドレイン領域として機能する第1導電型の第1半導体領域と、
前記第1ゲート電極下に設けられ、かつ不純物濃度分布のピーク値が1×1018[atoms/cm]未満の第1導電型の第2半導体領域とを有する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0025】
(実施形態1)
本実施形態1では、コントロールゲート電極上にメモリゲート電極の一部を乗り上げた不揮発性記憶素子を有する半導体装置に本発明を適用した例について説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態1である半導体装置に搭載された不揮発性記憶素子の概略構成を示す図((a)は模式的断面図,(b)は(a)の一部を拡大した模式的断面図)であり、
図2乃至図11は、本発明の実施形態1である半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【0027】
本実施形態1の半導体装置は、複数のメモリセルが行列状に配置されたメモリセルアレイを有し、1つのメモリセルは、図1(a)に示す1つの不揮発性記憶素子Qm1で構成されている。
【0028】
図1(a)に示すように、本実施形態1の半導体装置は、半導体基板として、例えば単結晶シリコンからなるp型半導体基板(以下、単に基板と呼ぶ)1を主体に構成されている。
【0029】
基板1の主面(回路形成面,素子形成面)には、トランジスタ素子の形成領域として使用される活性領域1aを区画するための素子分離領域2が選択的に形成されている。素子分離領域2は、これに限定されないが、例えば周知のSTI(Shallow Trench Isolation)技術によって形成されている。STI技術による素子分離領域2は、基板1の主面に浅溝(例えば300[nm]程度の深さの溝)を形成し、その後、基板1の主面上に例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜をCVD(Chemical Vapor Deposition)法で形成し、その後、前記絶縁膜が浅溝の内部に選択的に残るようにCMP(化学的機械研磨:Chemical Mechanical Polishing)法で平坦化することによって形成される。
【0030】
活性領域1aには、p型ウエル領域3、及びメモリセルを構成する不揮発性記憶素子Qm1が形成されている。不揮発性記憶素子Qm1は、図1(a)及び図1(b)に示すように、主に、チャネル形成領域ch1、電荷蓄積部として機能するゲート絶縁膜6、メモリゲート電極(MG)7、チャネル形成領域ch2、ゲート絶縁膜11、コントロールゲート電極(CG)13、ソース領域及びドレイン領域として機能する一対のn型半導体領域15等を有する構成になっており、等価回路的にMONOS型FETと、制御用MISFET(パストランジスタ)とを直列に接続した構成になっている。
【0031】
メモリゲート電極(MG)7は、情報蓄積部として機能するゲート絶縁膜6を介在して、基板1の主面の活性領域1a上に設けられている。メモリゲート電極7は、例えば抵抗値を低減する不純物が導入された多結晶シリコン膜で形成されている。このメモリゲート電極7の上面には、その上面を覆うようにして例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜(キャップ絶縁膜)8が設けられている。
【0032】
ゲート絶縁膜6は、ONO(窒化膜/酸化膜/窒化膜:Nitride/Oxide/Nitride)膜で形成され、本実施形態では、例えば基板1の主面側から酸化シリコン膜6a/窒化シリコン膜6b/酸化シリコン膜6cの順に配置されたONO膜で形成されている。
【0033】
メモリゲート電極7のゲート長方向において、メモリゲート電極7の互いに反対側に位置する2つの側壁には、メモリゲート電極7に整合して形成されたサイドウォールスペーサ9が夫々設けられている。サイドウォールスペーサ9は、例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜で形成されている。
【0034】
ここで、本実施形態1の活性領域1aはメモリゲート電極7を境にして互いに反対側に位置する2つの領域に区分される。本実施形態1では、説明し易くするため、メモリゲート電極7によって区分された2つの領域のうち、一方の領域(図1に向かって左の領域)を第1領域sa1と呼び、他方の領域(図1に向かって右側の領域)を第2領域sa2と呼ぶ。
【0035】
コントロールゲート電極(CG)13は、ゲート絶縁膜11を介在して基板1の主面の活性領域1a上に設けられている。また、コントロールゲート電極13は、そのゲート長がメモリゲート電極7のゲート長方向に沿う状態でメモリゲート電極7の隣に設けられている。本実施形態1のコントロールゲート電極13は、活性領域1a中の第1領域sa1側に設けられている。また、本実施形態1のコントロールゲート電極13は、その一部をメモリゲート電極7上に乗り上げた構造になっており、絶縁膜8及び一方(第1領域sa1側)のサイドウォールスペーサ9によってメモリゲート電極7と電気的に分離されている。コントロールゲート電極13は、例えば抵抗値を低減する不純物が導入された多結晶シリコン膜で形成され、ゲート絶縁膜11は、例えば酸化シリコン膜で形成されている。
【0036】
2つのサイドウォールスペーサ9のうち、他方(第2領域sa2側)のサイドウォールスペーサ9の外側には、この他方のサイドウォールスペーサ9に整合して形成されたサイドウォールスペーサ14が設けられている。また、コントロールゲート電極13のゲート長方向において、コントロールゲート電極13の互いに反対側に位置する2つの側壁には、このコントロールゲート電極13に整合して形成されたサイドウォールスペーサ14が夫々設けられている。これらのサイドウォールスペーサ14は、例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜で形成されている。
【0037】
ソース領域及びドレイン領域として機能する一対のn型半導体領域15は、メモリゲート電極7及びコントロールゲート電極13の配列方向において互いに離間して基板1の主面の活性領域1a、具体的にはp型ウエル領域3の表層部に設けられている。コントロールゲート電極13側(第1領域sa1側)に設けられた一方のn型半導体領域15は、コントロールゲート電極13の側壁に設けられた一方のサイドウォールスペーサ14に整合して形成され、メモリゲート電極7側(第2領域sa2側)に設けられた他方のn型半導体領域15は、他方のサイドウォールスペーサ9の外側に設けられたサイドウォールスペーサ14に整合して形成されている。
【0038】
第1チャネル形成領域ch1は、ソース領域及びドレイン領域として機能する一対のn型半導体領域15間であって、基板1の主面のメモリゲート電極7下の領域に設けられている。この第1チャネル形成領域ch1には、n型半導体領域4及びp型半導体領域5が設けられている。p型半導体領域5は、基板1の主面から深さ方向に向かってn型半導体領域4よりも浅い位置、即ちメモリゲート電極7下のゲート絶縁膜6とn型半導体領域4との間に設けられている。また、p型半導体領域5は、基板1の主面から深さ方向に厚さを持ち、n型半導体領域4と接している。
【0039】
第2チャネル形成領域ch2は、一方(領域sa1側)のn型半導体領域15と第1チャネル形成領域ch1との間であって、基板1の主面のコントロールゲート電極下の領域に設けられている。この第2チャネル形成領域ch2には、p型半導体領域10が設けられている。
【0040】
p型半導体領域10は、一方(第1領域sa1側)のサイドウォールスペーサ9に整合して形成され、一方(第1領域sa1側)のn型半導体領域15と、メモリゲート電極7下に位置するn型及びp型半導体領域(4,5)との間に、これらの半導体領域(15,4,5)と接して設けられている。n型及びp型半導体領域(4,5)は、他方(第2領域sa2側)のn型半導体領域15と、コントロールゲート電極13下に位置するp型半導体領域10との間に、これらの半導体領域(15,10)と接して設けられている。即ち、本実施形態1の不揮発性記憶素子Qm1は、第1領域sa1側から第2領域sa2側に向かって、例えば、一方のn型半導体領域15からなるソース領域、p型半導体領域10が設けられた第2チャネル形成領域ch2、n型及びp型半導体領域(4,5)が設けられた第1チャネル形成領域ch1、他方のn型半導体領域15からなるドレイン領域を順次配置した構造になっている。また、本実施形態1の不揮発性記憶素子Qm1は、メモリゲート電極7下の基板表面をp型半導体領域5によってp型とし、コントロールゲート電極13下の基板表面をp型半導体領域10によってp型とした構造になっている。
【0041】
本実施形態1において、図1のX−X’方向のメモリゲート電極7下の不純物濃度プロファイルを図51に示す。
n型半導体領域15は、ピーク値が例えば1×1021[atoms/cm]程度の不純物濃度分布になっており、
p型半導体領域10は、ピーク値が例えば1×1017[atoms/cm]程度の不純物濃度分布になっており、
n型半導体領域4は、ピーク値が例えば1×1018[atoms/cm]程度の不純物濃度分布になっており、
p型半導体領域5は、ピーク値が例えば1×1017[atoms/cm]程度の不純物濃度分布になっている。
また、p型ウエル領域3は、ピーク値が例えば1×1018[atoms/cm]程度の不純物濃度分布になっている。
【0042】
コントロールゲート電極13の表面、並びに一方及び他方のn型半導体領域15の表面には、低抵抗化を図るため、金属・半導体反応層であるシリサイド層17が形成されている。シリサイド層17は、例えばサリサイド(Salicide:Self Aligned Silicide)技術により、サイドウォールスペーサ14に整合して形成されている。即ち、本実施形態1の不揮発性記憶素子Qm1は、サリサイド構造になっている。
【0043】
不揮発性記憶素子Qm1は、等価回路的にMONOS型FETと制御用MISFET(パストランジスタ)とを直列に接続した構成になっており、メモリゲート電極7下のゲート絶縁膜(ONO膜)6における窒化シリコン膜6b中のトラップにホットエレクトロンが注入されると、MONOS型FETの閾値電圧(メモリゲート電極7における閾値電圧:Vth)が変化し、制御用MISFETとMONOS型FETが直列に接続された系全体の閾値電圧(コントロール電極13における閾値電圧とメモリゲート電極7における閾値電圧の系全体の閾値電圧)が変化する。即ち、不揮発性記憶素子Qm1は、電荷蓄積部として機能するゲート絶縁膜6に電荷が蓄積されることで、ソース・ドレイン間に流れるドレイン電流の閾値電圧を制御してメモリ動作する構造になっている。
【0044】
また、ホットエレクトロンを注入するゲート絶縁膜(ONO膜)6の窒化シリコン膜6bは、特に窒化シリコン(SiN)膜に限るものではなく、例えば、酸窒化シリコン(SiON)膜のような膜中に窒素を含有する絶縁膜で形成することもできる。このような酸窒化シリコン膜で形成した場合、窒化シリコン膜に比べてゲート絶縁膜6のゲート耐圧を高めることができる。このため、後述するようなホットエレクトロン又はホットホールの注入回数に応じたメモリゲート電極7下の基板表面(基板とゲート絶縁膜との界面近傍)におけるキャリア移動度の劣化に対しての耐性を強めることができる。
【0045】
不揮発性記憶素子Qm1の書き込み動作は、コントロールゲート電極13側(第1領域sa1側)のn型半導体領域15をソース領域、メモリゲート電極7側(第2領域sa2側)のn型半導体領域15をドレイン領域とした場合、例えば、ドレイン領域のn型半導体領域15に6[V]、ソース領域のn型半導体領域15に0[V]、メモリゲート電極7に12[V]、コントロールゲート電極13に0.5[V]、p型ウエル領域3に0[V]の電圧を印加し、メモリゲート電極7下の第1チャネル形成領域ch1側(基板1側)からゲート絶縁膜6の窒化シリコン膜6b中にホットエレクトロンを注入することによって行われる。ホットエレクトロンの注入は、ゲート絶縁膜6の下層の酸化シリコン膜6aを通過させることによって行われる。
【0046】
不揮発性記憶素子Qm1の消去動作は、例えば、ゲート絶縁膜6の窒化シリコン膜6bに注入された電子をメモリゲート電極7に放出させることによって行う第1の消去方式と、メモリゲート電極7下の第1チャネル形成領域ch1側(基板1側)からゲート絶縁膜6の窒化シリコン膜6b中にホットホールを注入して行う第2の消去方式と、ゲート絶縁膜6の窒化シリコン膜6bに注入された電子を半導体領域5に放出させることによって行なう第3の消去方式とがある。
【0047】
第1の方式では、例えば、ソース領域及びドレイン領域に0[V]、メモリゲート電極7に15[V]、コントロールゲート電極13及びn型ウエル領域3に0[V]の電圧を印加し、ゲート絶縁膜6の上層の酸化シリコン膜6cをトンネリングさせて、ゲート絶縁膜6の窒化シリコン膜6bからメモリゲート電極7に電子を放出させることによって行われる。
【0048】
第2の方式では、例えば、ドレイン領域に7[V]、ソース領域に0[V]、メモリゲート電極7に−6[V]、コントロールゲート電極13及びp型ウエル領域3に0[V]の電位を夫々印加し、ゲート絶縁膜6の下層の酸化シリコン膜6aを通過させて、メモリゲート電極7下の第1チャネル形成領域ch1側(基板1側)からゲート絶縁膜6の窒化シリコン膜6b中にホットホールを注入させることによって行われる。
【0049】
第3の方式では、例えば、ゲート絶縁膜6の窒化シリコン膜6bに注入された電子を、半導体領域5に放出することで行われる。この方式では、例えば、ソース領域及びドレイン領域に0[V]、メモリゲート電極7に−15[V]、コントロールゲート電極13及びp型ウエル領域3に0[V]の電圧を印加し、ゲート絶縁膜6の下層の酸化シリコン膜6aをトンネリングさせて、ゲート絶縁膜6の窒化シリコン膜6bから半導体領域5に電子を放出させることによって行われる。
【0050】
不揮発性記憶素子Qm1の読み出し動作は、例えば、ソース領域に0[V]、ドレイン領域に1[V]、メモリゲート電極7及びコントロールゲート電極13に1.5[V]、p型ウエル領域3に0[V]の電位を夫々印加して行われる。この時、電荷蓄積部として機能するゲート絶縁膜6の窒化シリコン膜6b中のトラップに多くの電子が捕獲されている場合、メモリゲート電極7下の第1チャネル形成領域ch1に設けられたn型半導体領域4に空乏層が広がり、メモリゲート電極7における閾値電圧(MONOS型FETの閾値電圧)が高くなるため、コントロールゲート電極13下の第2チャネル形成領域ch2にチャネル(電流経路)が形成されても、ソース・ドレイン間にドレイン電流が流れない「OFF状態」となる。一方、ゲート絶縁膜6の窒化シリコン膜6b中のトラップに電子がいない場合(又は多くの正孔が捕獲されている場合)、第1チャネル形成領域ch1のn型半導体領域4に空乏層が広がらず、メモリゲート電極7における閾値電圧が低くなるため、ソース・ドレイン間にドレイン電流が流れる「ON状態」となる。この「ON」,「OFF」の2状態が“0”,“1”に対応する。
【0051】
不揮発性記憶素子Qm1の書き込み動作において、ホットエレクトロンは、コントロールゲート電極13側に設けられた注入点(電界の最大点)からメモリゲート電極7下のゲート絶縁膜6に注入されるが、ホットエレクトロンの注入は高電界によって行われるため、ホットエレクトロンの注入回数に応じてメモリゲート電極7下の基板表面(基板とゲート絶縁膜との界面近傍)におけるキャリア移動度が劣化する。
【0052】
また、上記した消去動作方式3のようなホットホール注入による消去動作を採用した場合においても、上記のホットエレクトロン注入時程の高電界ではないが、ホットホールの注入回数に応じてメモリゲート電極7下の基板表面におけるキャリア移動度が劣化する。
【0053】
一方、不揮発性記憶素子Qm1の読み出し動作において、ソース・ドレイン間にドレイン電流が流れる「ON状態」の時、図1(b)に示すように、ドレイン電流Idsは、メモリゲート電極7下のn型半導体領域4、及びコントロールゲート電極13下の基板表面(基板とゲート絶縁膜との界面近傍)を電流経路として流れる。即ち、メモリゲート電極7下におけるドレイン電流は、メモリゲート電極7下の基板表面(基板とゲート絶縁膜との界面近傍)を流れず、メモリゲート電極7下の基板表面から離れたn型半導体領域4を電流経路として流れる。メモリゲート電極7下の基板表面から離れたn型半導体領域4は、ホットエレクトロン又はホットホール注入時の高電界によって受けるダメージがメモリゲート電極7下の基板表面よりも少ない、又はダメージを受けないため、キャリア移動度の劣化が起こり難い。
【0054】
従って、ホットエレクトロン又はホットホールの注入回数、即ち、書き替え(消去及び書き込み)回数に伴うドレイン電流の減少(電流駆動能力の低下)を抑制することができる。
また、書き替え(消去及び書き込み)回数に伴うドレイン電流の減少(電流駆動能力の低下)を抑制できるため、長期間安定して動作する半導体装置の長期信頼性を確保できる。
【0055】
次に、本実施形態1の半導体装置の製造について、図2乃至図11を用いて説明する。
まず、比抵抗10[Ωcm]を有するp型単結晶シリコンからなる基板1を準備し、その後、図2に示すように、基板1の主面に、活性領域(素子形成領域)1aを区画するための素子分離領域2を形成する。素子分離領域2は、例えば周知のSTI技術を用いて形成する。具体的には、素子分離領域2は、基板1の主面に浅溝(例えば300[nm]程度の深さの溝)を形成し、その後、基板1の主面上に例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜をCVD法で形成し、その後、絶縁膜が浅溝の内部に選択的に残るようにCMP法で平坦化することによって形成される。
【0056】
次に、基板1の主面側からその主面の活性領域1aに不純物を選択的にイオン注入して、図3に示すように、p型ウエル領域3を形成する。p型ウエル領域3を形成するための不純物としては、例えばボロン(B)を使用する。このボロンのイオン注入は、p型ウエル領域3の深さ方向における不純物濃度に均一性を持たせるため、例えば3回行う。
1回目のイオン注入は、例えば加速エネルギが500KeV程度,ドーズ量が1×1013[atoms/cm]程度の条件で行い、
2回目のイオン注入は、例えば加速エネルギが150KeV程度,ドーズ量が1×1012[atoms/cm]程度の条件で行い、
3回目のイオン注入は、例えば加速エネルギが50KeV程度,ドーズ量が1×1012[atoms/cm]程度の条件で行う。
なお、不純物を導入してp型ウエル領域3を形成した後、このp型ウエル領域3の不純物を活性化させるための熱処理が施される。
【0057】
次に、基板1の主面側からその主面の活性領域1a、具体的にはp型ウエル領域3の表層部に、n型半導体領域を形成するための不純物、及びp型半導体領域を形成するための不純物を選択的にイオン注入して、図3に示すように、基板1の表面にp型半導体領域5、このp型半導体領域5よりも深い位置にn型半導体領域4を形成する。p型半導体領域5及びn型半導体領域4は互いに接して形成される。
【0058】
n型半導体領域4を形成するための不純物としては、例えば砒素(As)を使用する。この砒素のイオン注入は、例えば、加速エネルギが25KeV程度,ドーズ量が1×1012[atoms/cm]程度の条件で行う。
p型半導体領域5を形成するための不純物としては、例えばインジウム(In)を使用する。このインジウムのイオン注入は、例えば、加速エネルギが15KeV程度,ドーズ量が5×1011[atoms/cm]の条件で行う。
なお、不純物を導入して半導体領域(4,5)を形成した後、この半導体領域(4,5)の不純物を活性化させる熱処理が施される。
【0059】
次に、基板1の主面の活性領域1a上に、ONO膜からなるゲート絶縁膜6を形成する。ONO膜の形成は、まず、窒素で希釈した酸素雰囲気中で基板1に熱処理を施して、基板1の主面の活性領域1a上に、例えば5[nm]程度の膜厚の酸化シリコン膜6aを形成し、その後、酸化シリコン膜6a上を含む基板1の主面上の全面に、例えば10[nm]程度の膜厚の窒化シリコン膜6bをCVD法で形成し、その後、窒化シリコン膜6b上に、例えば5[nm]程度の膜厚の酸化シリコン膜6cをCVD法で形成し、緻密化のための熱処理を施すことによって行う。このとき、窒化シリコン膜6bをその一部に窒素を含有するような絶縁膜で形成することもできる。酸窒化シリコン膜で形成する場合には、例えば、モノシラン(SiH)等のようなシラン系ガスと、亜酸化窒素(NO)と、ヘリウム(He)等のような希釈ガスとの混合ガスを用いたCVD法によって形成することができる。
【0060】
次に、基板1の主面の活性領域1a上を覆うようにして酸化シリコン膜6c上に、例えば200[nm]程度の膜厚の多結晶シリコン膜をCVD法で形成し、その後、前記多結晶シリコン膜に抵抗値を低減する不純物をイオン注入し、その後、前記多結晶シリコン膜に注入された不純物を活性化させる熱処理を施し、その後、活性領域1a上を覆うようにして前記多結晶シリコン膜上に、例えば50[nm]程度の膜厚の酸化シリコン膜からなる絶縁膜8をCVD法で形成する。この絶縁膜8は、以後の工程で形成される各サイドウォールスペーサ形成時に、オーバーエッチングによるメモリゲート電極7表面の削れを防止するためのキャップ膜として形成される。その後、絶縁膜8、及び前記多結晶シリコン膜をパターンニングして、図4に示すように、基板1の主面の活性領域1a上に、上面が絶縁膜8で覆われたメモリゲート電極(MG)7を形成し、その後、メモリゲート電極7及び絶縁膜8をマスクにして、ONO(酸化シリコン膜6a/窒化シリコン膜6b/酸化シリコン膜6c)膜をパターンニングする。この工程により、図4に示すように、ONO膜からなるゲート絶縁膜6を介在して、基板1の主面の活性領域1a上にメモリゲート電極7が形成される。
【0061】
次に、図5に示すように、ゲート電極7のゲート長方向の側壁にサイドウォールスペーサ9を形成する。サイドウォールスペーサ9は、基板1の主面上の全面に例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜をCVD法で形成し、その後、前記絶縁膜にRIE(Reactive Ion Etching)等の異方性エッチングを施すことによって形成される。サイドウォールスペーサ9は、ゲート電極7に整合して形成される。
【0062】
次に、メモリゲート電極7を境にしてコントロールゲート電極が形成される領域と反対側の領域における半導体領域上、具体的には第2領域sa2側のサイドウォールスペーサ9と素子分離領域2との間のp型半導体領域5上をマスクM1で覆った状態で、基板1の主面側からその主面の活性領域1a、具体的にはコントロールゲート電極が形成される第1領域sa1に不純物を選択的にイオン注入して、図6に示すように、一方のサイドウォールスペーサ9に整合したp型半導体領域10を形成する。マスクM1としては、例えば周知のフォトリソグラフィ技術によって形成されるフォトレジストマスクを用いる。
【0063】
p型半導体領域10を形成するための不純物としては、例えばボロン(B)を使用する。このボロンのイオン注入は、例えば、加速エネルギが50KeV程度,ドーズ量が1×1012[atoms/cm]の条件で行う。
なお、不純物を導入してp型半導体領域10を形成した後、このp型半導体領域10の不純物を活性化させるための熱処理が施される。
【0064】
次に、窒素で希釈した酸素雰囲気中で基板1に熱処理を施して、図7に示すように、基板1の主面の活性領域1a中の第1領域sa1上、具体的にはp型半導体領域10上に、例えば3[nm]程度の膜厚の酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜11を形成し、その後、図7に示すように、ゲート絶縁膜11上及びメモリゲート電極7上を含む基板1の主面上に、例えば150[nm]程度の膜厚の多結晶シリコン膜12をCVD法で形成し、その後、多結晶シリコン膜12に、抵抗値を低減する不純物をイオン注入する。なお、抵抗値を低減する不純物を多結晶シリコン膜12に導入した後、多結晶シリコン膜12の不純物を活性化させる熱処理が施される。
【0065】
次に、多結晶シリコン膜12をパターンニングして、図8に示すように、活性領域1a中の第1領域sa1側にコントロールゲート電極(CG)13を形成する。コントロールゲート電極13は、その一部をメモリゲート電極7上に乗り上げた形状で形成される。
【0066】
次に、図9に示すように、コントロールゲート電極13のゲート長方向における側壁、及びコントロールゲート電極13と反対側(第2の領域sa2側)に位置するサイドウォールスペーサ9の外側に、サイドウォールスペーサ14を形成する。サイドウォールスペーサ14は、基板1の主面上の全面に例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜をCVD法で形成し、その後、前記絶縁膜にRIE等の異方性エッチングを施すことによって形成される。コントロールゲート電極13の側壁におけるサイドウォールスペーサ14は、コントロールゲート電極13に整合して形成される。サイドウォールスペーサ9の外側におけるサイドウォールスペーサ14は、サイドウォールスペーサ9に整合して形成される。
【0067】
次に、基板1の主面側からその主面の活性領域1aに不純物を選択的にイオン注入して、図10に示すように、ソース領域及びドレイン領域として機能する一対のn型半導体領域15を形成する。n型半導体領域15は、サイドウォールスペーサ14に整合して形成される。
【0068】
n型半導体領域15を形成するための不純物としては、例えば砒素(As)を使用する。このAsのイオン注入は、例えば、加速エネルギが40KeV程度,ドーズ量が1×1015[atoms/cm]の条件で行う。なお、不純物を導入してn型半導体領域15を形成した後、n型半導体領域15の不純物を活性化させるための熱処理が施される。
【0069】
次に、自然酸化膜等を除去して、コントロールゲート電極13及びn型半導体領域15の表面を露出させた後、図11に示すように、これらの表面上を含む基板1の主面上の全面に、高融点金属膜として例えばコバルト(Co)膜16を形成する。
【0070】
次に、ゲート電極13及びn型半導体領域15の夫々のシリコン(Si)とコバルト膜16のCoとを反応させる熱処理を施して、ゲート電極13の表面、及びn型半導体領域15の表面に、金属・半導体反応層であるシリサイド(CoSi)層17を形成する。シリサイド層17は、サイドウォールスペーサ14に整合して形成される。
【0071】
次に、シリサイド層17が形成された領域以外の未反応のコバルト膜16を選択的に除去し、その後、シリサイド層17を活性化させる熱処理を施す。この工程により、図1に示す不揮発性記憶素子Qm1が形成される。
【0072】
このように、本実施形態1によれば、書き替え回数に伴うドレイン電流Idsの減少(電流駆動能力)を抑制した不揮発性記憶素子Qm1を提供することができる。
また、不揮発性記憶素子を有する半導体装置の長期信頼性を確保できる。
また、書き替え回数に伴うドレイン電流の減少を抑制した不揮発性記憶素子Qm1を有する半導体装置を製造できる。
また、書き替え回数に伴うドレイン電流の減少を抑制し、シリサイド層によってコントロールゲート電極を低抵抗化した不揮発性記憶素子Qm1を有する半導体装置を製造できる。
【0073】
(実施形態2)
図12は、本発明の実施形態2である半導体装置に搭載された不揮発性記憶素子の概略構成を示す模式的断面図であり、
図13及び図14は、本発明の実施形態2である半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【0074】
前述の実施形態1の不揮発性記憶素子Qm1は、図1に示すように、メモリゲート電極7上にコントロールゲート電極13の一部を乗り上げた構造になっているが、本実施形態2の不揮発性記憶素子Qm2は、図12に示すように、コントロールゲート電極13をサイドウォール形状に加工した構造になっている。このような構造にすることにより、不揮発性記憶素子Qm2の占有面積を小さくすることができる。以下、コントロールゲート電極がサイドウォール形状で形成された不揮発性記憶素子Qm2を有する半導体装置の製造について、図13及び図14を用いて説明する。
【0075】
前述の実施形態1と同様のプロセスを施して、図8に示すように、コントロールゲート電極13まで形成した後、コントロールゲート電極13にRIE等の異方性エッチングを施して、図13に示すように、一方(第1の領域sa1側)のサイドウォールスペーサ9の外側に、サイドウォール形状のコントロールゲート電極13を形成する。このサイドウォール形状のコントロールゲート電極13は、一方のサイドウォールスペーサ9に整合して形成される。また、サイドウォール形状のコントロールゲート電極13は、サイドウォールスペーサ9及び絶縁膜8によってメモリゲート電極7と電気的に分離される。
【0076】
次に、サイドウォール形状のコントロールゲート電極13上を含む基板1の主面上の全面に、例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜をCVD法で形成し、その後、前記絶縁膜にRIE等の異方性エッチングを施して、図14に示すように、サイドウォール形状のコントロールゲート電極13の外側、及び他方(第2の領域sa2側)のサイドウォールスペーサ9の外側に、サイドウォールスペーサ14を形成する。
【0077】
この後、前述の実施形態1と同様の方法で、ソース領域及びドレイン領域として機能する一対のn型半導体領域15、及びシリサイド層17を形成することにより、図12に示す不揮発性記憶素子Qm2が形成される。なお、コントロールゲート電極13はサイドウォールスペーサ14によって覆われるように形成されるため、コントロールゲート電極13上のシリサイド層17の面積は、前述の実施形態1(図1参照)における形状と比べると少なく、サイドウォールスペーサ14形成時のエッチング量によってはほとんど形成されない。
【0078】
このように、メモリゲート電極7上に一部を乗り上げたコントロールゲート電極13を一旦形成し、その後、コントロールゲート電極13に異方性エッチングを施して、一方のサイドウォールスペーサ9の外側にサイドウォール形状のコントロールゲート電極13を形成することにより、前述の実施形態1と比較して占有面積が小さい不揮発性記憶素子Qm2を形成することができる。この結果、半導体装置の高集積化を図ることができる。
【0079】
(実施形態3)
図15は、本発明の実施形態3である半導体装置に搭載された不揮発性記憶素子の概略構成を示す模式的断面図であり、
図16乃至図19は、本発明の実施形態3である半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【0080】
前述の実施形態1の不揮発性記憶素子Qm1は、図1に示すように、メモリゲート電極7とコントロールゲート電極13との間(第1領域sa1側)のサイドウォールスペーサ9下の領域にもp型半導体領域5が設けられた構造になっているが、本実施形態3の不揮発性記憶素子Qm3は、n型半導体領域4及びp型半導体領域5と、p型半導体領域10との間に、これらの半導体領域と接して設けられたn型半導体領域18を有する構造になっており、n型半導体領域18は、メモリゲート電極7下、及び一方のサイドウォールスペーサ9下に跨って形成されている。n型半導体領域18は、メモリゲート電極7下の基板表面においてp型半導体領域5と接合され、そして、一方のサイドウォールスペーサ9下の基板表面においてp型半導体領域10と接合されている。
【0081】
このような構造にすることにより、
(イ)ホットエレクトロンの注入は、半導体領域18と半導体領域5の接合で発生する電界により電子が加速されることで行なわれるが、このホットエレクトロンの発生する領域がメモリゲート直下に存在するため、書き込み効率の向上を図ることができる。
また、(ロ)書き込み及び読み出し動作時に、ソースからドレインに至る電子の経路をすべてn型半導体領域にすることができるため、全体のオン抵抗を低減することができるため、ドレイン電流の向上を図ることができる。
【0082】
以下、本実施形態3の半導体装置の製造について、図16乃至図19を用いて説明する。
前述の実施形態1と同様のプロセスを施して、図16に示すようにメモリゲート電極7まで形成した後、図17に示すように、基板1の主面の活性領域1a中の第2の領域sa2上、具体的には、他方(第2の領域sa2側)のサイドウォールスペーサ9と素子分離領域2との間における半導体領域上をマスクM2で選択的に覆った状態で、基板1の主面側からその主面の活性領域1a中の第1領域sa1(コントロールゲート電極が形成される領域側)に不純物を選択的にイオン注入して、図17に示すように、メモリゲート電極7に整合したn型半導体領域18を形成する。マスクM2としては、例えば周知のフォトリソグラフィ技術によって形成されるフォトレジストマスクを用いる。
【0083】
n型半導体領域18を形成するための不純物としては、例えば砒素(As)を使用する。このAsのイオン注入は、例えば、加速エネルギが25KeV程度,ドーズ量が5×1012[atoms/cm]の条件で行う。このn型半導体領域18の形成は、メモリゲート電極7の側壁にサイドウォールスペーサ9を形成する前に行う。
なお、不純物を導入してn型半導体領域18を形成した後、このn型半導体領域18の不純物を活性化させるための熱処理が施される。
【0084】
次に、マスクM2を除去した後、前述の実施形態1と同様の方法で、メモリゲート電極7の側壁に、このメモリゲート電極7に整合したサイドウォールスペーサ9を形成し、その後、前述の実施形態1と同様の方法で、図18に示すように、活性領域1a中の第1領域sa1に、サイドウォールスペーサ9に整合したp型半導体領域10を形成し、その後、前述の実施形態1と同様の方法で、図19に示すように、ゲート絶縁膜11、コントロールゲート電極13、サイドウォールスペーサ14、及び一対のn型半導体領域15を形成し、更に、その後、シリサイド層17を形成することにより、図15に示す不揮発性記憶素子Qm3が形成される。
【0085】
このように、本実施形態3によれば、前述の実施形態1と比較して書き込み効率の向上を図ることができ、また、ドレイン電流の増加を図ることができる。
また、本実施形態で示したようなn型半導体領域18を、前述の実施形態2のような構造においても適用することも可能である。
【0086】
(実施形態3の変形例)
図20乃至図23は、本発明の実施形態3の変形例である半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
前述の実施形態3では、n型半導体領域18及びp型半導体領域10を形成する方法として、メモリゲート電極7に整合してn型半導体領域18を形成し、サイドウォールスペーサ9に整合してp型半導体領域10を形成する方法を適用した例について説明したが、メモリゲート電極7の側壁にサイドウォールスペーサ9を形成した後、基板1に対して斜めに不純物をイオン注入してn型半導体領域18を形成し、その後、基板1に対して垂直に不純物をイオン注入してp型半導体領域10を形成する方法を適用しても良い。以下、実施形態3の変形例について、図20乃至図23を用いて説明する。
【0087】
前述の実施形態1と同様のプロセスを施して、図20に示すようにメモリゲート電極7まで形成した後、図21に示すように、メモリゲート電極7の側壁にサイドウォールスペーサ9を形成する。
次に、図22に示すように、基板1の主面の活性領域1a中の第2領域sa2上、具体的には、他方(第2領域sa2側)のサイドウォールスペーサ9と素子分離領域2との間における半導体領域上をマスクM1で選択的に覆った状態で、基板1の主面側からその主面の活性領域1a中の第1領域sa1(コントロールゲート電極が形成される領域側)に、基板1に対して斜めに不純物を選択的にイオン注入して、メモリゲート電極7に整合したn型半導体領域18を形成し、その後、このままの状態、即ち図23に示すように、基板1の主面の活性領域1a中の第2領域sa2上をマスクM1で選択的に覆った状態で、基板1の主面側からその主面の活性領域1a中の第1領域sa1(コントロールゲート電極が形成される領域側)に、基板1に対して垂直に不純物をイオン注入してp型半導体領域10を形成する。なお、不純物を導入してn型半導体領域18及びp型半導体領域10を形成した後、これらの半導体領域の不純物を活性化させるための熱処理が施される。
【0088】
このように、メモリゲート電極7の側壁にサイドウォールスペーサ9を形成した後、基板1の主面の活性領域1a中の第2の領域sa2上をマスクM1で選択的に覆った状態で、基板1に対して斜めに不純物を選択的にイオン注入して、メモリゲート電極7に整合したn型半導体領域18を形成し、その後、基板1の主面の活性領域1a中の第2の領域sa2上をマスクM1で選択的に覆った状態で、基板1に対して垂直に不純物をイオン注入してp型半導体領域10を形成することにより、マスクの枚数を減らすことができるので、前述の実施形態3と比較して、製造工程を簡略化できる。
【0089】
半導体装置の高集積化、低コスト化を実現させるためにはマスク(レチクル)の枚数をいかにして低減させるかが重要な課題となっている。なぜならば、マスク枚数の低減は、マスクそのものの制作コストの低減のみならず、マスクを用いたフォトレジストパターン形成のためのフォトレジストの塗布、感光、現像及び洗浄・乾燥の一連の処理を削減することができ、半導体装置のプロセスコストを大幅に低減できるからである。そして、更に、異物による不良発生率を低減でき、半導体装置の歩留まり及び信頼性を向上させることが可能となるからである。また、本実施形態で示したようなn型半導体領域18を、前述した実施形態2のような構造においても適用することも可能である。
【0090】
(実施形態4)
図24は、本発明の実施形態4である半導体装置に搭載された不揮発性記憶素子の概略構成を示す模式的断面図であり、
図25乃至図30は、本発明の実施形態4である半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
本実施形態4では、制御ゲート電極上にメモリゲート電極の一部を乗り上げた不揮発性記憶素子を有する半導体装置に本発明を適用した例について説明する。
【0091】
図24に示すように、基板1の主面(回路形成面,素子形成面)には、トランジスタ素子の形成領域として使用される活性領域1aを区画するための素子分離領域2が選択的に形成されており、活性領域1aには、p型ウエル領域3が形成され、更にメモリセルを構成する不揮発性記憶素子Qm4が形成されている。不揮発性記憶素子Qm4は、主に、チャネル形成領域ch1、電荷蓄積部として機能するゲート絶縁膜27、メモリゲート電極(MG)28、チャネル形成領域ch2、ゲート絶縁膜21、コントロールゲート電極(CG)22、ソース領域及びドレイン領域として機能する一対のn型半導体領域15等を有する構成になっており、等価回路的にMONOS型FETと、制御用MISFET(パストランジスタ)とを直列に接続した構成になっている。
【0092】
コントロールゲート電極(CG)22は、例えば酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜21を介在して基板1の主面の活性領域1a上に設けられている。コントロールゲート電極22の上面には、その上面を覆うようにして例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜(キャップ絶縁膜)23が設けられている。
【0093】
コントロールゲート電極22のゲート長方向において、コントロールゲート電極22の互いに反対側に位置する2つの側壁には、コントロールゲート電極22に整合して形成されたサイドウォールスペーサ25が夫々設けられている。サイドウォールスペーサ25は、例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜で形成されている。
【0094】
ここで、本実施形態4の活性領域1aはコントロールゲート電極22を境にして互いに反対側に位置する2つの領域に区分される。本実施形態4では、説明し易くするため、コントロールゲート電極22によって区分された2つの領域のうち、一方の領域(図24に向かって左の領域)を第1領域sa1と呼び、他方の領域(図24に向かって右側の領域)を第2領域sa2と呼ぶ。
【0095】
メモリゲート電極(MG)28は、情報蓄積部として機能するゲート絶縁膜27を介在して、基板1の主面の活性領域1a上に設けられている。また、メモリゲート電極28は、そのゲート長がコントロールゲート電極22のゲート長方向に沿う状態でコントロールゲート電極22の隣に設けられている。本実施形態4のメモリゲート電極28は、活性領域1a中の第2領域sa2側に設けられている。また、本実施形態4のメモリゲート電極28は、一部をコントロールゲート電極22上に乗り上げた構造になっており、絶縁膜23及び他方(第2領域sa2側)のサイドウォールスペーサ25によってコントロールゲート電極22と電気的に分離されている。ゲート絶縁膜27は、前述の実施形態1と同様に、ONO膜で形成されている。
【0096】
2つのサイドウォールスペーサ25のうち、一方(第1領域sa1側)のサイドウォールスペーサ25の外側には、この一方のサイドウォールスペーサ25に整合して形成されたサイドウォールスペーサ29が設けられている。また、メモリゲート電極28のゲート長方向において、メモリゲート電極28の互いに反対側に位置する2つの側壁には、このメモリゲート電極28に整合して形成されたサイドウォールスペーサ29が夫々設けられている。これらのサイドウォールスペーサ29は、例えば酸化シリコン膜からなる絶縁膜で形成されている。
【0097】
ソース領域及びドレイン領域として機能する一対のn型半導体領域15は、メモリゲート電極28及びコントロールゲート電極22の配列方向において互いに離間して基板1の主面の活性領域1a、具体的にはp型ウエル領域3の表層部に設けられている。コントロールゲート電極22側(第1領域sa1側)に設けられた一方のn型半導体領域15は、一方のサイドウォールスペーサ25の外側に設けられたサイドウォールスペーサ29に整合して形成され、メモリゲート電極28側(第2領域sa2側)に設けられた他方のn型半導体領域15は、メモリゲート電極28の側壁に設けられた他方のサイドウォールスペーサ29に整合して形成されている。
【0098】
第1チャネル形成領域ch1は、ソース領域及びドレイン領域として機能する一対のn型半導体領域15間であって、基板1の主面のメモリゲート電極7下の領域に設けられている。この第1チャネル形成領域ch1には、コントロールゲート電極22に整合して第2領域sa2側に形成されたn型半導体領域24、他方のサイドウォールスペーサ25に整合して第2領域sa2側に形成されたp型半導体領域26が設けられている。p型半導体領域26は、基板1の主面から深さ方向に向かってn型半導体領域24よりも浅い位置、即ちメモリゲート電極28下のゲート絶縁膜27とn型半導体領域24との間に設けられている。また、p型半導体領域26は、基板1の主面から深さ方向に厚さを持ち、n型半導体領域24と接している。
【0099】
第2チャネル形成領域ch2は、一方(領域sa1側)のn型半導体領域15と第1チャネル形成領域ch1との間であって、基板1の主面のコントロールゲート電極22下の領域に設けられている。この第2チャネル形成領域ch2には、p型半導体領域10が設けられている。
【0100】
一方(領域sa1側)のn型半導体領域15と、p型半導体領域10との間には、コントロールゲート電極22に整合して第1領域側に形成されたn型半導体領域24、及び一方のサイドウォールスペーサ25に整合して第1領域sa1側に形成されたp型半導体領域26が設けられている。
【0101】
p型半導体領域20は、第1領域sa1側及び第2領域sa2側の夫々のn型半導体領域24と接して設けられている。第1領域sa1側及び第2領域sa2側の夫々のp型半導体領域26は、p型半導体領域20から離間して設けられており、第2領域sa2側のp型半導体領域26とp型半導体領域20との間、並びに第1領域sa1側のp型半導体領域26とp型半導体領域20との間には、n型半導体領域24が設けられている。
【0102】
第2領域sa2側のn型半導体領域24は、コントロールゲート電極22下の基板表面においてp型半導体領域20と接合され、第2領域sa2側のp型半導体領域26は、第2領域sa2側のサイドウォールスペーサ25下の基板表面においてn型半導体領域24と接合されている。
【0103】
不揮発性記憶素子Qm4の読み出し動作において、ソース・ドレイン間にドレイン電流が流れる「ON状態」の時、ドレイン電流Idsは、メモリゲート電極28下のn型半導体領域24、及びコントロールゲート電極22下の基板表面(基板とゲート絶縁膜との界面近傍)を電流経路として流れる。即ち、メモリゲート電極28下におけるドレイン電流は、メモリゲート電極28下の基板表面(基板とゲート絶縁膜との界面近傍)を流れず、メモリゲート電極28下の基板表面から離れたn型半導体領域24を電流経路として流れる。従って、コントロールゲート電極22上にメモリゲート電極28の一部を乗り上げた本実施形態4の不揮発性記憶素子Qm4においても、前述の実施形態1と同様の効果が得られる。
【0104】
また、本実施形態4の不揮発性記憶素子Qm4は、p型半導体領域26と、p型半導体領域20との間に、これらの半導体領域と接してn型半導体領域24が設けられた構造になっているため、前述の実施形態2と同様の効果が得られる。
【0105】
次に、本実施形態4の半導体装置の製造について、図25乃至図30を用いて説明する。
まず、前述の実施形態1と同様の方法で、素子分離領域2及びp型ウエル領域3を形成し、その後、基板1の主面側からその主面の活性領域1a、具体的にはp型ウエル領域3の表層部に、p型半導体領域を形成するための不純物を選択的にイオン注入して、図25に示すようにp型半導体領域20を形成する。
【0106】
p型半導体領域20を形成するための不純物としては、例えばボロン(B)を使用する。このボロンのイオン注入は、例えば、加速エネルギが10KeV程度,ドーズ量が5×1012[atoms/cm]の条件で行う。なお、不純物を導入してp型半導体領域20を形成した後、p型半導体領域20の不純物を活性化させるための熱処理が施される。
【0107】
次に、窒素で希釈した酸素雰囲気中で基板1に熱処理を施して、基板1の主面の活性領域1a上に、例えば3[nm]程度の膜厚の酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜21を形成し、その後、ゲート絶縁膜21を覆うようにして基板1の主面上の全面に、例えば200[nm]程度の膜厚の多結晶シリコン膜をCVD法で形成し、その後、前記多結晶シリコン膜に抵抗値を低減する不純物をイオン注入し、その後、前記多結晶シリコン膜に注入された不純物を活性化させる熱処理を施し、その後、前記多結晶シリコン膜上の全面に、例えば50[nm]程度の膜厚の酸化シリコン膜からなる絶縁膜23をCVD法で形成する。この絶縁膜23は、以後の工程で形成される各サイドウォールスペーサ形成時に、オーバーエッチングによるコントロールゲート電極22表面の削れを防止するためのキャップ膜として形成される。その後、絶縁膜23、及び前記多結晶シリコン膜をパターンニングして、図26に示すように、基板1の主面の活性領域1a上に、上面が絶縁膜23で覆われたコントロールゲート電極22を形成する。基板1とコントロールゲート電極22との間には、ゲート絶縁膜21が介在される。
【0108】
次に、基板1の主面側からその主面の活性領域1a、具体的にはコントロールゲート電極22が形成されていない活性領域1aの部分(第1領域sa1及び第2領域sa2)に、不純物を選択的にイオン注入して、図27に示すように、コントロールゲート電極22に整合した一対のn型半導体領域24を形成する。
【0109】
n型半導体領域24を形成するための不純物としては、例えば砒素(As)を使用する。この砒素のイオン注入は、例えば、加速エネルギが25KeV程度,ドーズ量が1×1013[atoms/cm]の条件で行う。なお、不純物を導入してn型半導体領域24を形成した後、n型半導体領域24の不純物を活性化させるための熱処理が施される。
【0110】
次に、コントロールゲート電極22の側壁に、前述の実施形態1のサイドウォールスペーサ9と同様の方法で、例えば酸化シリコン膜からなるサイドウォールスペーサ25を形成し、その後、基板1の主面側からその主面の活性領域1a、具体的には第1領域sa1及び第2領域sa2に、不純物を選択的にイオン注入して、図28に示すように、サイドウォールスペーサ25に整合した一対のp型半導体領域26を形成する。
【0111】
p型半導体領域26を形成するための不純物としては、例えばボロン(B)を使用する。このボロンのイオン注入は、例えば、加速エネルギが5KeV程度,ドーズ量が5×1012[atoms/cm]の条件で行う。なお、不純物を導入してp型半導体領域26を形成した後、p型半導体領域26の不純物を活性化させるための熱処理が施される。
【0112】
次に、メモリゲート電極が形成される第2領域sa2上を含む基板1の主面上に、前述の実施形態1と同様の方法でONO膜からなるゲート絶縁膜27を形成し、その後、活性領域1a上を覆うようにしてゲート絶縁膜27上に例えば100[nm]程度の膜厚の多結晶シリコン膜をCVD法で形成し、その後、前記多結晶シリコン膜に抵抗値を低減する不純物をイオン注入し、その後、前記多結晶シリコン膜に注入された不純物を活性化させる熱処理を施し、その後、前記多結晶シリコン膜をパターンニングして、図29に示すように、コントロールゲート電極22上に一部を乗り上げたメモリゲート電極28を形成し、その後、メモリゲート電極28をマスクにして、ONO膜からなるゲート絶縁膜27をパターンニングする。この時、前述の実施形態1と同様に、ゲート絶縁膜27は窒化シリコン膜に限るものではなく、膜中に窒素を含有するような絶縁膜、例えば、酸窒化シリコン膜で形成することも可能である。
【0113】
次に、前述の実施形態1のサイドウォールスペーサ14と同様の方法で、図30に示すように、メモリゲート電極28のゲート長方向における側壁、及びメモリゲート電極28と反対側(第1領域sa1側)に位置するサイドウォールスペーサ25の外側に、サイドウォールスペーサ29を形成する。メモリゲート電極28の側壁におけるサイドウォールスペーサ29は、メモリゲート電極28に整合して形成される。サイドウォールスペーサ25の外側におけるサイドウォールスペーサ29は、サイドウォールスペーサ25に整合して形成される。
【0114】
次に、基板1の主面側からその主面の活性領域1aに不純物を選択的にイオン注入して、ソース領域及びドレイン領域として機能する一対の半導体領域15を形成する。n型半導体領域15は、サイドウォールスペーサ29に整合して形成される。この工程により、図24に示す不揮発性記憶素子Qm4が形成される。
【0115】
前述の実施形態1では、コントロールゲート電極13を形成する前に、n型半導体領域4、p型半導体領域5、及びp型半導体領域10を形成しているため(図3及び図6参照)、これらの不純物によってコントロールゲート電極13下の基板表面の不純物濃度が高くなり、コントロールゲート電極13下の基板表面のキャリア移動度が低下し易い。
【0116】
これに対して、本実施形態4では、コントロールゲート電極22を形成した後、n型半導体領域24、及びp型半導体領域26を形成しているため(図27及び図28参照)、コントロールゲート電極22下の基板表面の不純物濃度を低くすることができ、コントロールゲート電極22下の基板表面のキャリア移動度を高くできる。
【0117】
(実施形態4の第1変形例)
図31及び図32は、本発明の実施形態4の第1変形例である半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
前述の実施形態4では、n型半導体領域24及びp型半導体領域26を形成する方法として、コントロールゲート電極22に整合してn型半導体領域24を形成し、サイドウォールスペーサ25に整合してp型半導体領域26を形成する方法を適用した場合を示したが、コントロールゲート電極22の側壁にサイドウォールスペーサ25を形成した後、図31に示すように、基板1に対して斜めに不純物をイオン注入してn型半導体領域24を形成し、その後、図32に示すように、基板1に対して垂直に不純物をイオン注入してp型半導体領域26を形成する方法を適用しても良い。この場合、斜めイオン注入は、コントロールゲート電極22下の基板表面においてp型半導体領域20とn型半導体領域24との接合がなされるように不純物の入射角及び加速エネルギを考慮して行うことが望ましい。
【0118】
このように斜めイオン注入で不純物の入射角及び加速エネルギーを考慮して行うことにより、前記(実施形態4)の場合と比較して、p型半導体領域20とn型半導体領域24との接合位置をより精密に制御できるので、コントロールゲート電極22とn型半導体領域24との容量を低減し、スイッチング速度を高速化できる。
【0119】
(実施形態4の第2変形例)
図33及び図34は、本発明の実施形態4の第2変形例である半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
前述の実施形態4では、p型半導体領域26を形成する方法として、図27に示すように、第1領域sa1及び第2領域sa2に不純物をイオン注入して、サイドウォールスペーサ25に整合した一対のp型半導体領域26を形成する方法を適用した場合を示したが、図33に示すように、コントロールゲート電極22の側壁にサイドウォールスペーサ25を形成した後、図34に示すように、メモリゲート電極28が形成される領域と反対側の領域における半導体領域上、具体的には第1領域sa1側のサイドウォールスペーサ25と素子分離領域2との間のn型半導体領域24上をマスクM4で覆った状態で、基板1の主面側からその主面の活性領域1a、具体的にはメモリゲート電極が形成される第2領域sa2に不純物を選択的にイオン注入してp型半導体領域26を形成する方法を適用してもよい。
【0120】
このような方法を用いることで、sa1領域の半導体領域(ソース)とコントロールゲートの間にp型半導体領域26が形成されないので、不揮発性記憶素子の書き込み時及び読み出し時に全体のオン抵抗を低減することができる。
また、本実施形態で示したような、sa1領域にはp型半導体領域26を形成しない方法を、前記した(実施形態4の第1変形例)に適用することも可能である。
【0121】
(実施形態5)
図35は、本発明の実施形態5である半導体装置に搭載された不揮発性記憶素子の概略構成を示す模式的断面図であり、
図36乃至図39は、本発明の実施形態5である半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【0122】
前述の実施形態4の不揮発性記憶素子Qm4は、図24に示すように、コントロールゲート電極22上にメモリゲート電極28の一部を乗り上げた構造になっているが、本実施形態5の不揮発性記憶素子Qm5は、図35に示すように、メモリゲート電極28をサイドウォール形状に加工した構造になっており、更に、低抵抗化を図るためコントロールゲート電極22の上面にシリサイド層17を設けた構造になっている。このような構造にすることにより、不揮発性記憶素子Qm4の占有面積を小さくすることができ、また、スイッチング速度を速くすることができる。以下、メモリゲート電極がサイドウォール形状で形成された不揮発性記憶素子Qm4を有する半導体装置の製造について、図36乃至図39を用いて説明する。
【0123】
まず、図26に示す絶縁膜23の形成工程を省略して前述の実施形態4と同様のプロセスを施し、図36に示すようにp型半導体領域26まで形成した後、図37に示すように、コントロールゲート電極22を覆うようにして基板1の主面の活性領域1a上に、ONO膜からなるゲート絶縁膜27を形成する。ONO膜の形成は、まず、窒素で希釈した酸素雰囲気中で基板1に熱処理を施して酸化シリコン膜27aを形成し、その後、酸化シリコン膜27a上を含む基板1の主面上の全面に窒化シリコン膜27bをCVD法で形成し、その後、スチーム雰囲気中で基板1に熱処理を施して窒化シリコン膜27bの表面に酸化シリコン膜27cを形成することによって行う。なお、酸化シリコン膜27a及び27cは、CVD法で形成してもよい。また、窒化シリコン膜27bをその一部に窒素を含有するような絶縁膜で形成することもできる。例えば、酸窒化シリコン膜(SiON膜)で形成する場合には、例えば、モノシラン(SiH)等のようなシラン系ガスと、亜酸化窒素(NO)と、ヘリウム(He)等のような希釈ガスとの混合ガスを用いたCVD法によって形成することができる。
【0124】
次に、図37に示すように、基板1の主面の活性領域1a上を含む酸化シリコン膜6c上の全面に、多結晶シリコン膜28aをCVD法で形成し、その後、多結晶シリコン膜28aに抵抗値を低減する不純物をイオン注入し、その後、多結晶シリコン膜28aに注入された不純物を活性化させる熱処理を施す。
【0125】
次に、多結晶シリコン膜28aをパターンニングして、図38に示すように、コントロールゲート電極22上に一部を乗り上げたメモリゲート電極28を一旦形成し、その後、メモリゲート電極28をマスクにして、図38に示すように、酸化シリコン膜27c及び窒化シリコン膜27bをパターンニングする。この工程において、酸化シリコン膜27aのパターンニングは行わず、少なくともコントロールゲート電極22の上面が酸化シリコン膜27aで覆われた状態となるように酸化シリコン膜27c及び窒化シリコン膜27bをパターンニングする。
【0126】
次に、メモリゲート電極28にRIE等の異方性エッチングを施して、図39に示すように、他方の(第2領域sa2側)のサイドウォールスペーサ25の外側に、サイドウォール形状のメモリゲート電極28を形成する。このサイドウォール形状のメモリゲート電極28は、他方のサイドウォールスペーサ25に整合して形成される。また、サイドウォール形状のメモリゲート電極28は、サイドウォールスペーサ25及びONO膜によってコントロールゲート電極22と電気的に分離される。
【0127】
この工程において、コントロールゲート電極22の上面は酸化シリコン膜27aで覆われているため、コントロールゲート電極22の上面のエッチングを抑制することができる。
【0128】
次に、基板1の主面側からその主面の活性領域1aに不純物を選択的にイオン注入して、図40に示すように、ソース領域及びドレイン領域として機能する一対のn型半導体領域15を形成する。第1領域sa1側のn型半導体領域15は、サイドウォールスペーサ25に整合して形成される。第2領域sa2側のn型半導体領域15は、メモリゲート電極28に整合して形成される。
【0129】
次に、自然酸化膜等を除去して、n型半導体領域15の表面、コントロールゲート電極22の表面、及びメモリゲート電極28の表面を露出させた後、前述の実施形態1と同様の方法でシリサイド層17を形成することにより、図35に示す不揮発性記憶素子Qm5が形成される。シリサイド層17は、コントロールゲート電極22の表面、メモリゲート電極28の表面、及びソース領域及びドレイン領域として機能する一対のn型半導体領域15の表面に形成される。
【0130】
なお、コントロールゲート電極22の表面の一部は、図40に示すように、窒化シリコン膜27bで覆われているため、コントロールゲート電極22の表面におけるシリサイド層17は、この窒化シリコン膜27bで覆われた部分を除いて形成される。このようにコントロールゲート電極22の表面にシリサイド層17が形成されているため、コントロールゲート電極22の表面抵抗を低減することができる。
また、本実施形態で示したような構造を、前記した(実施形態4の第1変形例)及び(実施形態4の第2変形例)に示した製造方法で形成することも可能である。
【0131】
(実施形態6)
図41は、本発明の実施形態6である半導体装置に搭載された不揮発性記憶素子の概略構成を示す模式的断面図であり、
図42乃至図48は、本発明の実施形態6である半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【0132】
本実施形態6の不揮発性記憶素子Qm6は、図41に示すように、層間絶縁膜32の開口部33の中にメモリゲート電極36が埋め込まれた構造になっており、更に、低抵抗化を図るためコントロールゲート電極17の上面にシリサイド層17を設けた構造になっている。前述の実施形態5では、コントロールゲート電極22の表面の一部にシリサイド層17が設けられているが、本実施形態6では、コントロールゲート電極22の表面の全域にシリサイド層17が設けられている。以下、不揮発性記憶素子Qm6を有する半導体装置の製造について、図42乃至図48を用いて説明する。
【0133】
まず、図26に示す絶縁膜23を省略して前述の実施形態4と同様のプロセスを施し、図42に示すようにp型半導体領域26まで形成した後、図43に示すように、第1領域sa1側及び第2領域sa2側のサイドウォールスペーサ25の側壁に、例えば酸化シリコン膜からなるサイドウォールスペーサ30を形成する。サイドウォールスペーサ30は、サイドウォールスペーサ25と同様の方法で形成される。
【0134】
次に、基板1の主面側からその主面の活性領域1aに不純物を選択的にイオン注入して、図44に示すように、ソース領域及びドレイン領域として機能する一対のn型半導体領域15を形成する。n型半導体領域15は、サイドウォールスペーサ30に整合して形成される。
【0135】
次に、自然酸化膜等を除去して、コントロールゲート電極22の表面、及びn型半導体領域15の表面を露出させた後、前述の実施形態1と同様の方法でシリサイド層17を形成する。シリサイド層17は、コントロールゲート電極22の表面の全域、及びn型半導体領域15の表面に形成される。
【0136】
次に、コントロールゲート電極22上を含む基板1の主面上の全面に、エッチングストッパ膜として例えば窒化シリコン膜からなる絶縁膜31をCVD法で形成し、その後、絶縁膜31上に例えば酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜32をCVD法で形成し、その後、層間絶縁膜32の表面を例えばCMP法で平坦化する。
【0137】
次に、層間絶縁膜32及び絶縁膜31を順次エッチングして、図47に示すように、メモリゲート電極が形成される第2領域sa2上に、層間絶縁膜32の表面から基板1の主面に到達する開口部33を形成し、その後、開口部33の中のサイドウォールスペーサ30及び25を選択的に除去する。
【0138】
次に、開口部33の中の基板1の主面に、ONO(酸化シリコン膜34a/窒化シリコン膜34b/酸化シリコン膜34c)膜からなるゲート絶縁膜34を形成し、その後、開口部33の中を埋め込むようにして例えばタングステン等の金属からなる導電膜35を形成し、その後、開口部33の中に導電膜35が残るように、層間絶縁膜32上の導電膜35をCMP法で選択的に除去する。これにより、図41に示すメモリゲート電極(MG)36が形成され、不揮発性記憶素子Qm6が形成される。
【0139】
また、この不揮発性記憶素子の周辺には通常の論理回路等に用いられるMISFETが形成されているが(図示せず)、そのようなMISFETのソース・ドレイン領域に給電するためのタングステンプラグと、本実施形態に示されるメモリゲート電極を同様の工程で形成することも可能である。このような製造工程で形成した場合、製造工程の簡略化が得られる。
【0140】
また、メモリゲート電極36は、導電膜35をタングステン(W)等の金属膜によって形成するものに限るものではなく、例えば、WSi2のようなポリサイドゲートで形成することもできる。また、W/TiN/多結晶シリコン膜等のポリメタルゲートで形成することもできる。
【0141】
このように、本実施形態6の不揮発性記憶素子Qm6は、コントロールゲート電極22の表面の全域にシリサイド層17が設けられた構造になっているため、前述の実施形態5の場合よりもコントロールゲート電極22の表面抵抗を低減することができるので、スイッチング速度を速くすることができる。
また、メモリゲート電極36を多結晶シリコン膜よりも低抵抗の金属である導電膜35で形成することで、メモリゲート電極36の低抵抗化が図れ、スイッチング速度を速くすることができる。
【0142】
(実施形態7)
図49は、本発明の実施形態7である半導体装置に搭載された不揮発性記憶素子の概略構成を示す模式的断面図であり、
図50は、図49のY−Y’方向のメモリゲート電極下における不純物濃度分布を示す図である。
【0143】
前述の実施形態1の不揮発性記憶素子Qm1は、メモリゲート電極7下の基板表面にp型半導体領域5が設けられ、このp型半導体領域5下にn型半導体領域4が設けられた構造になっているが、本実施形態7の不揮発性記憶素子Qm7は、図49に示すように、メモリゲート電極7下の基板表面にn型半導体領域4が設けられた構造になっており、n型半導体領域4は、図50に示すように、ピーク値が1×1018[atoms/cm]未満であり、且つ、基板表面付近の領域の濃度は更に薄くなるような不純物濃度分布になっている。この理由は、(実施形態1)ではメモリゲート電極7の直下にp型半導体領域5を設けていたが、この代替として上記のようなn型半導体領域4を設けている。本発明者が検討したところ、1×1018[atoms/cm]を越えると不純物散乱の影響による移動度の低下が見受けられた。このような事を考慮し、n型半導体領域4の不純物濃度のピークを1×1018[atoms/cm]未満にすることによって、n型半導体領域4の表面付近の不純物散乱を抑制することができる。
【0144】
(実施形態8)
図52は本発明の実施形態8である半導体装置に搭載された不揮発性記憶素子の概略構成を示す模式的断面図である。
前述の実施形態4においては、コントロールゲート電極22の側壁にサイドウォールスペーサ25を設けているが、本実施形態においては第2領域sa2側のサイドウォールスペーサ25を削除した構造になっている。
【0145】
このような構造の形成方法は、図34までは前述の実施形態4の変形例2と同様である。図34に示されるp型不純物領域26を形成後、図53に示すように同様のマスクM4を用いて、コントロールゲート電極22の側壁に形成されたサイドウォールスペーサ25の片方(本変形例では第2領域sa2側)をエッチング除去する。その後の工程は前述の実施形態4と同様に、ゲート絶縁膜27、メモリゲート電極28、サイドウォールスペーサ29、n型不純物領域15、及びシリサイド層17を形成することで不揮発性記憶素子Qm8を得る。
【0146】
このように形成された不揮発性記憶素子Qm8は、前述の実施形態4の不揮発性記憶素子Qm4と比較すると、サイドウォールスペーサ25を削除した分だけ不揮発性記憶素子の占有面積を低減することができる。
また、sa2側のサイドウォールスペーサ25を削除した分だけ寄生抵抗を低減し、オン電流を大きくすることができる。
また、このような構造を前述した実施形態4の第1変形例のような製造工程で形成することも可能である。
また、図54に示すように、前述の実施形態5のようなメモリゲート電極22をサイドウォールスペーサ構造とした場合においても適用可能である。
【0147】
(実施形態9)
図55は本発明の実施形態9である半導体装置に搭載された不揮発性記憶素子の概略構成を示す模式的断面図である。
前述の実施形態8においては、sa1側のコントロールゲート電極22の側壁にサイドウォールスペーサ25を設けているが、本実施形態9においてはこのsa1側のサイドウォールスペーサ25を削除した構造になっている。
【0148】
このような構造の形成方法は、図53までは前述の実施形態8と同様である。この後、図56に示すようなマスクM9を用いて、コントロールゲート電極22の第1領域sa1側の側壁に形成されたサイドウォールスペーサ25をエッチング除去する。図56に示すように、この後の工程は前述の実施形態8と同様にして、ゲート絶縁膜27、メモリゲート電極28、サイドウォールスペーサ29、n型不純物領域15、及びシリサイド層17を形成することで不揮発性記憶素子Qm9を得る。
【0149】
このように形成された不揮発性記憶素子Qm9は、前述の実施形態8の不揮発性記憶素子Qm9と比較すると、サイドウォールスペーサ25を削除した分だけ不揮発性記憶素子の占有面積を低減することができる。
また、sa1側のサイドウォールスペーサ25を削除した分だけ寄生抵抗を低減し、オン電流を大きくすることができる。
また、このような構造を前述した実施形態4の第1変形例のような製造工程で形成することも可能である。
また、図57に示すように、前述の実施形態5のようなメモリゲート電極22をサイドウォールスペーサ構造とした場合においても適用可能である。
【0150】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0151】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
本発明によれば、不揮発性記憶素子の書き替え回数に伴うドレイン電流の減少(電流駆動能力の低下)を抑制することができる。
本発明によれば、不揮発性記憶素子のドレイン電流の増加を図ることができる。
本発明によれば、不揮発性記憶素子を有する半導体装置の長期信頼性を確保することができる。
本発明によれば、不揮発性記憶素子を有する半導体装置の高集積化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1である半導体装置に搭載されたメモリセルの概略構成を示す図((a)は模式的断面図,(b)は(a)の一部を拡大した模式的断面図)である。
【図2】本発明の実施形態1である半導体装置の製造工程中における模式断面図である。
【図3】図2に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図4】図3に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図5】図4に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図6】図5に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図7】図6に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図8】図7に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図9】図8に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図10】図9に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図11】図10に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図12】本発明の実施形態2である半導体装置に搭載された不揮発性記憶素子の概略構成を示す模式的断面図である。
【図13】本発明の実施形態2である半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図14】図13に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図15】本発明の実施形態3である半導体装置に搭載された不揮発性記憶素子Qmの概略構成を示す模式的断面図である。
【図16】本発明の実施形態3である半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図17】図16に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図18】図17に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図19】図18に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図20】本発明の実施形態3の変形例である半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図21】図20に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図22】図21に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図23】図22に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図24】本発明の実施形態4である半導体装置に搭載された不揮発性記憶素子の概略構成を示す模式的断面図である。
【図25】本発明の実施形態3である半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図26】図25に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図27】図26に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図28】図27に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図29】図28に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図30】図29に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図31】本発明の実施形態4の第1変形例である半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図32】図31に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図33】本発明の実施形態4の第2変形例である半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図34】図33に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図35】本発明の実施形態5である半導体装置に搭載された不揮発性記憶素子の概略構成を示す模式的断面図である。
【図36】本発明の実施形態5である半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図37】図36に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図38】本発明の実施形態5である半導体装置に搭載された不揮発性記憶素子の概略構成を示す模式的断面図である。
【図39】本発明の実施形態5である半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図40】図39に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図41】本発明の実施形態6である半導体装置に搭載された不揮発性記憶素子の概略構成を示す模式的断面図である。
【図42】本発明の実施形態6である半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図43】図42に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図44】図43に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図45】図44に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図46】図45に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図47】図46に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図48】図47に続く半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図49】本発明の実施形態7である半導体装置に搭載された不揮発性記憶素子の概略構成を示す模式的断面図である。
【図50】図49のメモリゲート電極下における不純物濃度分布を示す図である。
【図51】図1のメモリゲート電極下における不純物濃度分布を示す図である。
【図52】本発明の実施形態8である半導体装置に搭載された不揮発性記憶素子の概略構成を示す模式的断面図である。
【図53】実施形態8の半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図54】実施形態8の変形例を示す模式的断面図である。
【図55】本発明の実施形態9である半導体装置に搭載された不揮発性記憶素子Qの概略構成を示す模式的断面図である。
【図56】実施形態9の半導体装置の製造工程中における模式的断面図である。
【図57】実施形態9の変形例を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、1a…活性領域(素子形成領域)、2…素子分離領域、3…p型ウエル領域、4…n型半導体領域、5…p型半導体領域、6…ゲート絶縁膜(ONO膜)、6a,6c…酸化シリコン膜、6b…窒化シリコン膜、7…ゲート電極(MG電極)、8…絶縁膜、9…サイドウォールスペーサ、10…p型半導体領域、11…ゲート絶縁膜、12…多結晶シリコン膜、13…ゲート電極(CG電極)、14…サイドウォールスペーサ、15…n型半導体領域、16…コバルト膜、17…シリサイド層、18…n型半導体領域、
20…p型半導体領域、21…ゲート絶縁膜、22…ゲート電極(CG電極)、23…絶縁膜、24…n型半導体領域、25…サイドウォールスペーサ、26…p型半導体領域、27…ゲート絶縁膜(ONO膜)、27a…酸化シリコン膜、27b…窒化シリコン膜、27c…酸化シリコン膜、28…ゲート電極(MG)、28a…多結晶シリコン膜、29…サイドウォールスペーサ、
30…サイドウォールスペーサ、31…エッチングストッパ膜、32…層間絶縁膜、33…開口部、34…ゲート絶縁膜、34a…酸化シリコン膜、34b…窒化シリコン膜、34c…酸化シリコン膜、33…導電膜、36…ゲート電極(MG)。
Qm1〜7…不揮発性記憶素子、M1,M2,M3,M4…マスク。

Claims (25)

  1. 不揮発性記憶素子を有する半導体装置において、
    前記不揮発性記憶素子は、半導体基板の主面上に、電荷蓄積部として機能する第1ゲート絶縁膜を介在して設けられた第1ゲート電極と、
    前記半導体基板の主面上に第2ゲート絶縁膜を介在して設けられ、かつゲート長が前記第1ゲート電極のゲート長方向に沿う状態で前記第1ゲート電極の隣に設けられた第2ゲート電極と、
    前記第1及び第2ゲート電極の配列方向において前記第1ゲート電極側及び第2ゲート電極側に夫々設けられ、かつソース領域及びドレイン領域として機能する第1導電型の第1半導体領域と、
    前記半導体基板の主面の前記第1ゲート電極下の領域に設けられた第1導電型の第2半導体領域と、
    前記第2半導体領域と前記第1ゲート絶縁膜との間に設けられた第2導電型の第3半導体領域とを有することを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記不揮発性記憶素子は、前記第1ゲート絶縁膜に電荷が蓄積されることで前記ソース領域・ドレイン領域間を流れる電流の閾値電圧を制御してメモリ動作する構造になっていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記不揮発性記憶素子は、読み出し時、前記第2半導体領域を通って、前記ソース領域・ドレイン領域間に電流が流れる構造になっていることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記第1ゲート絶縁膜は窒素を含有する膜で形成されていることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記第1ゲート絶縁膜は、酸化膜と窒化膜の積層膜で形成されていることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記不揮発性記憶素子は、更に、前記半導体基板の主面の前記第2ゲート電極下の領域に、前記第2ゲート電極側の前記第1半導体領域、並びに前記第2及び第3半導体領域と接して設けられた第2導電型の第4半導体領域を有し、
    前記第2及び第3半導体領域は、前記第1ゲート電極側の前記第1半導体領域と接していることを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項6に記載の半導体装置において、
    前記第2ゲート電極は、前記第1ゲート電極を乗り上げるようにして形成され、かつ前記第1ゲート電極の側壁に設けられたサイドウォールスペーサ、及び前記第1ゲート電極上に設けられた絶縁膜によって前記第1ゲート電極と電気的に分離されていることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項6に記載の半導体装置において、
    前記第2ゲート電極は、前記第1ゲート電極の側壁に設けられたサイドウォールスペーサの外側に、前記サイドウォールスペーサに整合して形成されていることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記不揮発性記憶素子は、更に、前記半導体基板の主面の前記第2ゲート電極下の領域に、前記第2ゲート電極側の前記第1半導体領域と接して設けられた第2導電型の第4半導体領域と、
    前記第2及び第3半導体領域と、前記第4半導体領域との間に、前記第2乃至第4半導体領域と接して設けられた第1導電型の第5半導体領域とを有し、
    前記第2及び第3の半導体領域は、前記第1ゲート電極側の前記第1半導体領域と接していることを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項9に記載の半導体装置において、
    前記第2ゲート電極は、前記第1ゲート電極を乗り上げるようにして形成され、前記サイドウォールスペーサ、及び前記第1ゲート電極上に設けられた絶縁膜によって前記第1ゲート電極と電気的に分離されていることを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記不揮発性記憶素子は、更に、前記半導体基板の主面の前記第2ゲート電極下の領域に、前記第2半導体領域と接して設けられた第2導電型の第4半導体領域を有し、
    前記第3半導体領域は、前記第4半導体領域から離間して形成され、
    前記第2半導体領域は、前記第4半導体領域と前記第3半導体領域との間にも形成されていることを特徴とする半導体装置。
  12. 請求項11に記載の半導体装置において、
    前記不揮発性記憶素子は、更に、前記第2ゲート電極側の前記第1半導体領域と前記第4半導体領域との間に、前記第1及び第4半導体領域と接して設けられた第1導電型の第5半導体領域を有し、
    前記第2及び第3半導体領域は、前記第1ゲート電極側の前記第1半導体領域と接していることを特徴とする半導体装置。
  13. 請求項11に記載の半導体装置において、
    前記第1ゲート電極は、前記第2ゲート電極を乗り上げるようにして形成され、前記第2ゲート電極の側壁に設けられたサイドウォールスペーサ、及び前記第2ゲート電極上に設けられた絶縁膜によって前記第2ゲート電極と電気的に分離されていることを特徴とする半導体装置。
  14. 請求項11に記載の半導体装置において、
    前記第1ゲート電極は、前記第2ゲート電極の側壁に設けられたサイドウォールスペーサの外側に、前記サイドウォールスペーサに整合して形成されていることを特徴とする半導体装置。
  15. 請求項11に記載の半導体装置において、
    更に、前記不揮発性記憶素子を覆うようにして設けられた層間絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜に設けられた開口とを有し、
    前記第1ゲート電極は、前記開口の中に埋め込まれていることを特徴とする半導体装置。
  16. 不揮発性記憶素子を有する半導体装置であって、
    前記不揮発性記憶素子は、半導体基板の主面上に、電荷蓄積部として機能する第1ゲート絶縁膜を介在して設けられた第1ゲート電極と、
    前記半導体基板の主面上に第2ゲート絶縁膜を介在して設けられ、かつゲート長が前記第1ゲート電極のゲート長方向に沿う状態で前記第1ゲート電極の隣に設けられた第2ゲート電極と、
    前記第1及び第2ゲート電極の配列方向において前記第1ゲート電極側及び第2ゲート電極側に夫々設けられ、かつソース領域及びドレイン領域として機能する第1導電型の第1半導体領域と、
    前記半導体基板の主面の前記第1ゲート電極下の領域に設けられた第1導電型の第2半導体領域と、
    前記第2半導体領域と前記第1ゲート絶縁膜との間に設けられた第2導電型の第3半導体領域とを有し、
    前記第1ゲート電極は、前記第1ゲート絶縁膜を介して前記第2ゲート電極に隣接して形成され、且つ、前記第2ゲート電極及び前記第1ゲート絶縁膜に整合して形成されていることを特徴とする半導体装置。
  17. 不揮発性記憶素子を有する半導体装置の製造方法であって、
    半導体基板の主面に素子分離領域によって区画された活性領域を形成する工程と、
    前記半導体基板の主面の活性領域に不純物を導入して、第1導電型の第1半導体領域、前記第1半導体領域よりも浅い位置に第2導電型の第2半導体領域を形成する工程と、
    前記活性領域上に、電荷蓄積部として機能する第1ゲート絶縁膜を介在して第1ゲート電極を形成する工程と、
    前記活性領域の前記第1ゲート電極と隣り合う領域上に第2ゲート絶縁膜を介在して第2ゲート電極を形成する工程と、
    前記活性領域に不純物を導入して第1導電型のソース領域及びドレイン領域を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  18. 請求項17に記載の半導体装置の製造方法において、
    更に、前記第1ゲート電極形成工程の後であって、前記第2ゲート電極形成工程の前に、前記第1ゲート電極の側壁にサイドウォールスペーサを形成する工程と、前記第1ゲート電極を境にして前記第2ゲート電極が形成される領域と反対側の前記第2半導体領域上をマスクした状態で、前記活性領域に不純物を選択的に導入して、前記サイドウォールスペーサに整合した第2導電型の第3半導体領域を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  19. 請求項17に記載の半導体領域の製造方法において、
    前記第2ゲート電極形成工程は、導電膜をパターンニングして第1電極パターンを形成する工程と、前記第1電極パターンに異方性エッチングを施して前記サイドウォールスペーサの外側に前記サイドウォールスペーサに整合した第2電極パターンを形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  20. 請求項17に記載の半導体装置の製造方法において、
    更に、前記第1ゲート電極形成工程の後であって、前記第2ゲート電極形成工程の前に、前記第1ゲート電極を境にして前記第2ゲート電極が形成される領域と反対側における前記第2半導体領域上をマスクした状態で、前記活性領域に不純物を選択的に導入して、前記第1ゲート電極に整合した第1導電型の第3半導体領域を形成する工程と、
    前記第1ゲート電極の側壁にサイドウォールスペーサを形成する工程と、
    前記第1ゲート電極を境して前記第2ゲート電極が形成される領域と反対側における前記第2半導体領域上をマスクした状態で、前記活性領域に不純物を選択的に導入して、前記サイドウォールスペーサに整合した第2導電型の第4半導体領域を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  21. 不揮発性記憶素子を有する半導体装置の製造方法であって、
    半導体基板の主面に素子分離領域によって区画された活性領域を形成する工程と、
    前記半導体基板の主面の活性領域に不純物を導入して、第1導電型の第1半導体領域を形成する工程と、
    前記活性領域上に、第1ゲート絶縁膜を介在して第1ゲート電極を形成する工程と、
    前記活性領域に不純物を導入して、前記第1ゲート電極に整合した第2導電型の第2半導体領域を形成する工程と、
    前記第1ゲート電極の側壁にサイドウォールスペーサを形成する工程と、
    前記活性領域に不純物を導入して、前記サイドウォールスペーサに整合し、かつ前記第2半導体領域よりも浅い第1導電型の第3半導体領域を形成する工程と、
    前記活性領域の前記第1ゲート電極と隣り合う領域上に、電荷蓄積部として機能する第2ゲート絶縁膜を介在して第2ゲート電極を形成する工程と、
    前記活性領域に不純物を導入して、第2導電型のソース領域及びドレイン領域を形成する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  22. 請求項21に記載の半導体領域の製造方法において、
    前記第2ゲート電極形成工程は、導電膜をパターンニングして第1電極パターンを形成する工程と、前記第1電極パターンに異方性エッチングを施して前記サイドウォールスペーサの外側に前記サイドウォールスペーサに整合した第2電極パターンを形成する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  23. 請求項21に記載の半導体領域の製造方法において、
    前記第2ゲート電極を形成する工程の前に、前記第1ゲート電極と前記第2ゲート電極間に形成された前記サイドウォールスペーサを除去する工程を有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  24. 不揮発性記憶素子を有する半導体装置であって、
    前記不揮発性記憶素子は、半導体基板の主面上に、電荷蓄積部として機能する第1ゲート絶縁膜を介在して設けられた第1ゲート電極と、
    前記半導体基板の主面の前記第1ゲート電極と隣り合う領域上に、第2ゲート絶縁膜を介在して設けられ、かつゲート長が前記第1ゲート電極のゲート長と同一方向の第2ゲート電極と、
    前記第1及び第2領域の配列方向において前記第1ゲート電極側及び前記第2ゲート電極側に夫々設けられ、かつソース領域及びドレイン領域として機能する第1導電型の第1半導体領域と、
    前記第1ゲート電極下に設けられ、かつ不純物濃度分布のピーク値が1×1018[atoms/cm]未満の第1導電型の第2半導体領域とを有することを特徴とする半導体装置。
  25. 請求項23に記載の半導体領域の製造方法において、
    前記第2半導体領域は、半導体基板表面に近い第1領域と、
    前記第1領域よりも深い位置に形成され、且つ、高い不純物濃度を有する第2領域とを有することを特徴とする半導体装置。
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