JP2004266109A - Icカード用回路基板及びicモジュールとその製造方法 - Google Patents

Icカード用回路基板及びicモジュールとその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マウント部及びリード部の変形等やモールド樹脂の剥がれがなく、しかも、低コスト化を可能とする。
【解決手段】ICモジュール10は、外面に外部電極となる外部電極部11b−1が、内面に内部電極部11b−2を有するICカード用回路基板11と、回路基板11の内部電極部11b−2に、非導電ペースト層14を介して搭載されたICチップ13と、ICチップ13側を封止樹脂(レジン)で封止(モールド)するモールド部16などとを備え、回路基板11は、マウント部11aと、そのマウント部11aの周辺に、そのマウント部11aから間隙をおいて配置された複数のリード部11bとを備え、マウント部11a及びリード部11bは、全て2ヶ所以上の吊り部11cにより、フレーム部11dに接続されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製リードフレームにより作製するICカード用回路基板、及び、これを用いたICモジュールとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のICカード用回路基板は、基板フィルムの表側面に銅箔などをパターニングした外部電極が形成され、基板フィルムの裏側面のほぼ中央部にICチップが実装され、このICチップと外部電極とが基板フィルムに開けられたボンディングホールを通してワイヤボンディングで接続されている。そのICチップやワイヤ等は、エポキシ樹脂等の封止樹脂で封止されている。
しかし、前述した従来のICモジュールは、基板に、耐熱性のよいポリイミドテープなどを使っていたので、材料を含めた製造コストがかかると共に、曲げなどの応力により、テープ上に搭載されたICチップが破壊され機械的な強度が弱いという問題があった。
【0003】
この問題を解決するために、ICカード用回路基板を金属製リードフレームで作製し、マウント部と、そのマウント部の周辺にそのマウント部から間隙をおいて配設された複数のリード部とからなり、マウント部及びリード部が、それぞれフレーム部に連設されている構造が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
また、モールド樹脂の剥がれを防止するために、マウント部及びリード部のエッジが、リードフレームの表側に向いた斜面を有する断面形状に形成された構造が提案されている(例えば、特許文献2)。
【0005】
【特許文献1】
特許第2556325号公報
【特許文献2】
特許第2548939号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1のものは、マウント部及びリード部が、組立工程中に変形、曲がり、傾きを起こす可能性があった。
また、特許文献2のものは、マウント部及びリード部のエッジが向いた斜面となっているだけであり、モールド樹脂の剥がれ対策には、不十分であった。
さらに、ICモジュールの低価格化のために、製造コストを下げたいという要請があった。
【0007】
本発明の課題は、マウント部及びリード部の変形等やモールド樹脂の剥がれがなく、しかも、低コスト化が可能なICカード用回路基板及びICモジュールとその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1の発明は、ICモジュールに用いるICカード用回路基板であって、前記ICカード用回路基板は、金属製であり、マウント部と、そのマウント部の周辺に、そのマウント部から間隙をおいて配置された複数のリード部とを備え、前記マウント部及び前記リード部は、全て2ヶ所以上の吊り部により、フレーム部に接続されていることを特徴とするICカード用回路基板である。
【0009】
請求項2の発明は、ICモジュールに用いるICカード用回路基板であって、前記ICカード用回路基板は、金属製であり、前記ICモジュールのモールド部の密着性を向上させる密着性向上部を備え、前記密着性向上部は、凸形状、凹形状、切欠き状又はトンネル状に形成されていることを特徴とするICカード用回路基板である。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のICカード用回路基板と、前記ICカード用回路基板の一方の面に形成された外部電極と、前記ICカード用回路基板の他方の面に搭載されたICチップと、前記ICチップ側を樹脂封止するモールド部と、を備えたICモジュールである。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2に記載のICカード用回路基板を用いたICモジュールの製造方法において、多列化した矩形状の前記ICカード用回路基板に、前記ICモジュールのモールド部を一括形成し、前記ICモジュール毎に切断したことを特徴とするICモジュールの製造方法である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明の実施の形態について、さらに詳しく説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明によるICモジュールの第1実施形態を示す模式図、図2は、第1実施形態に係るICカード用回路基板を示す模式図である。
第1実施形態のICモジュール10は、外面に外部電極となる外部電極部11b−2が、内面に内部電極部11b−1を有するICカード用回路基板(以下、単に回路基板ということがある。)11と、回路基板11の内部電極部11b−1に、非導電ペースト層14を介して搭載されたICチップ13と、ICチップ13側を封止樹脂(レジン)で封止(モールド)するモールド部16などとを備えている。
【0013】
本実施形態のICモジュール10では、回路基板11は、金属製であり、例えば、Cu系又はFe系の合金が用いられている。
この回路基板11は、マウント部11aと、そのマウント部11aの周辺に、そのマウント部11aから間隙をおいて配置された複数のリード部11bとを備え、マウント部11a及びリード部11bは、全て2ヶ所以上の吊り部11cにより、フレーム部11dに接続されている。
リード部11bは、図2に示すように、ICチップ13の端子と接続される内部端子部11b−1と、外部電極となる外部端子部11b−2とが、それぞれ一方の面と他方の面に形成されており、外部端子部11b−2側に耐熱テープ17が貼り付けられている。
【0014】
リード部11bは、厚さ約0.1mm程度の金属板材を加工して製作されており、一つのリード部11bの大きさは、例えば縦3.5mm、横2.5mmの長方形である。これらのリード部11bは、モジュールの個片化以前の段階では、各モジュール毎の外枠部(フレーム)11dに吊り部11cで接続して固定してあるが、各リード部11bは、前記のように、その厚さに比較して大きなサイズであるので、吊り部11cが1ヶ所の場合に、ワイヤボンディングや樹脂モールド等の工程で機械的な応力が加わり、リード部11bの位置がずれたり、リード部11bが変形したりする可能性がある。
【0015】
本実施形態のICカード用回路基板11では、マウント部11a及び1つのリード部11bに対して複数(例えば、2箇所)の吊り部11cを設け、前記のような各工程でのマウント部11a及びリード部11bの変形や位置ズレを防いでいる。
さらに、このような吊り部11cの厚みを、リード部11bより肉薄部(溝)とし、個片化時にダイサーや打ち抜き加工で切断しやすく構成している。特に、このような肉薄化した吊り部11cを外部端子側に設けると、樹脂モールド時に吊り部11cが樹脂の中に埋まり、ICモジュール10の外部端子側に、吊り部11cが露出しないで済むと共に、リード部11bを樹脂モールド部16に機械的に固定する効果がある。
【0016】
回路基板11は、金属板材(メタルサブストレート)を、エッチング(又はハーフエッチング)により外形加工されている。メタルサブストレートを機械的に打ち抜き加工すると、打ち抜き加工でのバリにより、モールド用の金型と回路基板が密着せずモールドフラッシュバリが発生するのに対して、エッチング加工の場合には、フラットな形状に仕上がり有利である。
また、回路基板11は、図2(d)に示すように、ハーフエッチングにより、ICチップ13を搭載する薄肉化されたマウント部(ダイパット部)11aが形成されている。これは、ICモジュール10の全体の薄型化に寄与する。
【0017】
さらに、回路基板11は、ICチップ13の端子と、マウント部11a、内部端子部11b−1、外部端子部11b−2を有するリード部11bに、電気的に接続する接続用金属メッキ層18が形成されている。
この接続用金属メッキ層18は、金メッキ層、半田メッキ層、銀メッキ層、パラジュウムメッキ層又はスズメッキ層から選択される。
ここで、メッキ層18は、両面部分に形成される(例えば、下地銅メッキの上に、両面とも軟質の金メッキを施す)が、回路基板11が貫通したメタルサブストレートであるので、マスク治具を作製し、裏面からメッキ液を噴射して、そのメッキ液が表面側に回り込み、マスク治具によって液跳ね返りから、表面側に電解メッキを同時に形成するようにした。このようにすれば、1回の操作で両面にメッキ層18を形成することができ、安価に製造することができる。
【0018】
第1実施形態のICモジュール10は、廉価なメタルサブストレートの回路基板11を用いるために、端子部以外の部分にモールドレジン止めをつけた構造にして、端子部間にレジンを注入し、ICモジュール10の外形を形成する。
このとき、レジン漏れ対策は、封止後に液体ホーニングなどで、レジン漏れのバリ取りをするか、モールド前に下面に耐熱フィルム(例えば、30μmのポリイミド基材をシリコーン粘着剤で常温接着する)を敷いてモールドし、モールド後に剥離すればよい。
また、メッキ完了後のメタルサブストレートの外部端子側表面に、薄い耐熱フィルムを貼っておき、組み立て・封止後に、その耐熱フィルムを剥離することも可能である。
【0019】
第1実施形態によれば、高価なポリイミドテープでなくて、図4(a)のように、リール状のCu系又はFe系合金のメタルサブストレートで、回路基板11を形成するので、ICモジュール10を安価に製造することができる。
【0020】
さらに、本実施形態のICカード用回路基板11では、マウント部11a及びリード部11bに対して、複数の吊り部11cを設けたので、各工程でのマウント部11a及びリード部11bの変形や位置ズレを防ぐことができる。
【0021】
(第2実施形態)
図3は、本発明によるICモジュールの第2実施形態を示す模式図である。
なお、以下に示す各実施形態では、前述した第1実施形態と同様な機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第1実施形態のICモジュール10は、個別モールド型であり、端子部11b−1,11b−2を持つリード部11bを形成して、ICチップ13を搭載して、ワイヤ15をボンディングし、モールド部16を形成する。このとき、個別のモールドキャビティで、図1の周囲に溝形状を持つ個別モールド部16を形成していた。
【0022】
第1実施形態では、リール状の回路基板を用いた場合のモールド後のICモジュールの個片化は、具体的には、1個のICモジュール10の部分を、真空チャックで吸着して、周囲を抜き型で押して吊り部をカッティングし、そのまま搬送して、カード基材(不図示)に嵌め込む。このようにカットすることにより、今まで隣同士で共通だった端子部分が離れて、各リード部11bが分離して形成される。
第2実施形態のICモジュール10ー2では、図4(b)に示すように、多列化した矩形状に回路基板11の材料を形成し、その回路基板11に複数のICモジュールを含む大きなサイズで、封止樹脂を流してモールド部16ー2を一括形成し、図3(b)及び図4(b)に示すように、ICモジュール10ー2毎に、ダイサーで切断したものである。
【0023】
第2実施形態によれば、ICモジュール10ー2は、モールド部16ー2の断面がシャープな矩形状になり、封止が端まででき、作業性と品質が向上する。
また、隣り合うICモジュール間に、無駄なスペースがなくピッチを詰めることができ、同一の長さのリール状の回路基板材料より、面付け数を増やしICモジュール10ー2の取得数を多く製造することができる。
さらに、モールド部16ー2を個片化する型抜き工程や、その型代が不要であり、コストダウンに大幅に寄与する。
【0024】
このとき、ICモジュール10ー2は、所定個数ごとにまとめて形成されており、例えば、図5(a)に示すように、4×4個づつでもよいし、図5(b)に示すように、4×16個づつでもよい。
【0025】
(第3実施形態)
図6は、本発明によるICモジュールの第3実施形態を示す模式図、図7及び図8は、第3実施形態に係るICモジュールの密着性向上部を説明ための模式である。
第3実施形態のICモジュール10−3では、図6に示すように、回路基板11−3は、モールド部16の密着性を向上させるための複数の密着性向上部である突起部11eが設けられている。
この突起部11eは、回路基板11−3を形状加工するときに、ハーフエッチングにより形成されるので、図7(c)に示すように、アンダーエッチングされ、クサビ状(逆台形状)部11e−1になるので、モールド部16の封止樹脂の食い付きがより向上する。
【0026】
また、2つの突起部11eを接近させて設ければ、アンダーエッチングにより、図7(d)に示すように、トンネル部11fが形成され、モールド部16の樹脂の密着性がさらに向上する。
【0027】
なお、突起部11eのように、凸形状に限らず、図8(a),(b)に示すように、凹形状の穴部11gでもよし、図8(c),(d)に示すように、切欠き部11hを形成するようにしてもよい。
【0028】
第3実施形態によれば、ICモジュールの薄型化のために、ポッティングモールドタイプの片面薄肉モールド(封止樹脂の収縮力が弱く、射出圧力をかけないので密着性が悪い)を行う場合にも、回路基板11−3に突起部11eなどを設けたので、モールド部16の密着性がよくなると共に、耐ストレス性もよくなり、品質の向上を図ることができる。
【0029】
(第4実施形態)
図9は、本発明によるICモジュールの第4実施形態を示す模式図である。
第1実施形態のICモジュール10は、回路基板11にハーフエッチングして薄肉化したマウント部11aを設け、ICチップ13を搭載して、ワイヤ15をワイヤボンディングした。通常、このワイヤボンディングは、図9(a)の矢印Aに示すように、ICチップ13に打ってから、回路基板11に打つようにしている。
第4実施形態のICモジュール10−4は、図9(b)の矢印Bに示すように、全面を薄肉化した回路基板11を用い、その回路基板11に打ってから、ICチップ13に打つ(リバースワイヤボンディング)ようにしたものである。
【0030】
普通のワイヤボンディングは、上に引き上げる動作があるから、高さが高くなる。第4実施形態によれば、逆から打っていくので、ICモジュール10−4の厚さをより薄型化することができるために、作業性と品質がより向上する。
【0031】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
例えば、上記各実施形態は、適宜組み合わせて使用することができる。具体的には、図7及び図8の例は、第1及び第2実施形態においても適用することが可能である。
【0032】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、マウント部及びリード部の変形等やモールド樹脂の剥がれがなく、しかも、低コスト化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるICモジュールの第1実施形態を示す模式図である。
【図2】第1実施形態に係るICモジュールの回路基板を示す模式図である。
【図3】本発明によるICモジュールの第2実施形態を示す模式図である。
【図4】第2実施形態に係るICモジュールの製造方法を説明する図である。
【図5】第2実施形態に係るICモジュールの製造方法を説明する図である。
【図6】本発明によるICモジュールの第3実施形態を示す模式図である。
【図7】第3実施形態に係るICモジュールの密着性向上部(突起部)を説明ための模式図である。
【図8】第3実施形態に係るICモジュールの密着性向上部(穴部)を説明ための模式図である。
【図9】本発明によるICモジュールの第4実施形態を示す模式図である。
【符号の説明】
10 ICモジュール
11 回路基板
11a マウント部
11b リード部
11b−1 内部端子部
11b−2 外部端子部(外部電極)
11c 吊り部
11d フレーム部
11e 突起部
13 ICチップ
14 非導電ペースト層
15 ワイヤ
16 モールド部
17 耐熱テープ
18 接続用金属メッキ層

Claims (4)

  1. ICモジュールに用いるICカード用回路基板であって、
    前記ICカード用回路基板は、金属製であり、マウント部と、そのマウント部の周辺に、そのマウント部から間隙をおいて配置された複数のリード部とを備え、
    前記マウント部及び前記リード部は、全て2ヶ所以上の吊り部により、フレーム部に接続されていること
    を特徴とするICカード用回路基板。
  2. ICモジュールに用いるICカード用回路基板であって、
    前記ICカード用回路基板は、金属製であり、前記ICモジュールのモールド部の密着性を向上させる密着性向上部を備え、
    前記密着性向上部は、凸形状、凹形状、切欠き状又はトンネル状に形成されていること
    を特徴とするICカード用回路基板。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のICカード用回路基板と、
    前記ICカード用回路基板の一方の面に形成された外部電極と、
    前記ICカード用回路基板の他方の面に搭載されたICチップと、
    前記ICチップ側を樹脂封止するモールド部と、
    を備えたICモジュール。
  4. 請求項1又は請求項2に記載のICカード用回路基板を用いたICモジュールの製造方法において、
    多列化した矩形状の前記ICカード用回路基板に、前記ICモジュールのモールド部を一括形成し、前記ICモジュール毎に切断したこと
    を特徴とするICモジュールの製造方法。
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