JP2004266028A - ガス処理装置およびガス処理方法、ならびにガス処理システム - Google Patents
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Abstract
【課題】機構の複雑さをもたらさず高効率の処理が可能で、被処理基板へのパーティクルの影響を抑制することができるガス処理装置およびガス処理方法を提供すること。
【解決手段】基板Gの搬送を行う搬送領域35および基板Gにガス処理を行う処理領域36を有するチャンバー31と、チャンバー31内で基板Gを保持する第1および第2の基板保持台41a,41bと、これらを回動可能に支持する支持部材42と、支持部材42を回動させる回動機構45と、チャンバー31の処理領域36に処理ガスを供給する処理ガス供給機構65とを具備する。
【選択図】 図2
【解決手段】基板Gの搬送を行う搬送領域35および基板Gにガス処理を行う処理領域36を有するチャンバー31と、チャンバー31内で基板Gを保持する第1および第2の基板保持台41a,41bと、これらを回動可能に支持する支持部材42と、支持部材42を回動させる回動機構45と、チャンバー31の処理領域36に処理ガスを供給する処理ガス供給機構65とを具備する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理基板に対してエッチングやCVD等のガス処理を施すガス処理装置およびガス処理方法、ならびにガス処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置の製造工程においては、ガラス基板にエッチング処理やCVD等のガス処理を施すために、プラズマエッチング装置やプラズマCVD装置等のガス処理装置が用いられる。
【0003】
この種の装置においては、通常、チャンバー内に搬入された被処理基板を被処理面を上方に向けた状態で水平に基板保持台上に載置し、基板保持台に対向して設けられたシャワーヘッドから処理ガスを供給して所定のガス処理を行う。
【0004】
ところで、このようなガス処理装置では、基板保持台上の被処理基板の上方にはチャンバー壁が存在するとともに、電極、誘電体等の上部構造物が必ず存在するため、これら上部構造物や周辺の壁からパーティクルが落下し、水平に置かれている被処理基板の被処理面にこのようなパーティクルが付着する。被処理基板にこのようなパーティクルが付着すると、均一な処理を行えなくなってしまう。例えば、プラズマエッチングの場合には、エッチ残りが発生する。
【0005】
このようなことを防止するためには、被処理基板の被処理面が上方に向いていない状態で処理を行うことが有効であると考えられる。
【0006】
このような装置としては、特許文献1に開示されたようなものがある。この文献に開示された装置は、処理時において、被処理基板を水平状態から垂直状態に移動させ、かつチャンバーを移動させて被処理基板をチャンバー内に収容する。
【0007】
一方、上述のエッチング処理やCVD等は、通常真空雰囲気で行われるが、大気雰囲気からこのような真空雰囲気に被処理基板を搬入出する際の処理効率を考慮して、予備真空室であるロードロック室が用いられる。そして、このようなロードロック室を用いて極めて高いスループットを実現した処理システムとして特許文献2に開示されたようなものが知られている。この特許文献2の処理システムは、矩形状をなす第1ロードロック室の3つの辺にそれぞれ真空処理装置が接続されており、第1ロードロック室の他の1辺に第2ロードロック室が接続されており、この第2ロードロック室に設けられた大気側のゲートバルブを介して大気雰囲気中のカセットとの間で被処理基板の搬入出が行われる。
【0008】
このような処理システムにおいては、被処理基板が大気雰囲気に保持された第2ロードロック室に搬入された後、第2ロードロック室が真空引きされ、その後、真空に保持された第1ロードロック室内の搬送アームが第2ロードロック室の基板を受け取って、適宜の真空処理装置に搬入する。処理後の基板は搬送アームにより真空処理室から搬出され、第2ロードロック室を介してカセットに収納される。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−82593号公報(図1、図2)
【0010】
【特許文献2】
特開平6−252245号公報(段落0014〜0061、図1、図2等
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1では基板搬入の際に、被処理基板を支持している支持台とチャンバーの両方を移動させる必要があり、機構的に複雑なものとなってしまうし効率も悪い。また、実際の処理空間は小さくすることができるものの、基板搬入時にはチャンバーを退避させておかなければならずその分必要スペースが大きくなってしまう。また、上記特許文献2では、2つのロードロック室が必要であり、その分、システム全体のフットプリントが大きくなってしまう。
【0012】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、機構の複雑さをもたらさず高効率の処理が可能で、被処理基板へのパーティクルの影響を抑制することができるガス処理装置およびガス処理方法を提供することを目的とする。また、機構の複雑さをもたらさず高効率の処理が可能で、かつ省スペース化を図りつつ、被処理基板へのパーティクルの影響を抑制することができるガス処理装置およびガス処理方法、ならびにガス処理システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点では、被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板にガス処理を行う処理領域を有するチャンバーと、前記チャンバー内で被処理基板を保持する少なくとも2つの基板保持台であって、そのうちの1つが前記搬送領域において被処理基板を受け渡す受け渡し位置にある場合に、他の1つの基板保持面が鉛直またはそれよりも下側に向く処理位置となる少なくとも2つの基板保持台と、前記少なくとも2つの基板保持台を回動可能に支持する支持部材と、前記支持部材を回動させて、1つの基板保持台を前記受け渡し位置から前記処理位置に移動させた際に他の基板保持台の1つが前記受け渡し位置に移動する回動機構と、前記チャンバーの処理領域に処理ガスを供給する処理ガス供給機構とを具備することを特徴とするガス処理装置を提供する。
【0014】
本発明の第2の観点では、被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板に真空状態でガス処理を行う処理領域を有するチャンバーと、前記チャンバー内で被処理基板を保持する第1の基板保持台と、前記第1の基板保持台が前記搬送領域において被処理基板を受け渡す受け渡し位置にある場合には、基板保持面が鉛直下向きの処理位置となる第2の基板保持台と、前記第1および第2の基板保持台を回動可能に支持する支持部材と、前記支持部材を回動させて、前記第1の基板保持台を前記受け渡し位置から前記処理位置に移動させ、その際に前記第2の基板保持台が前記受け渡し位置に移動する回動機構と、前記チャンバーの処理領域に処理ガスを供給する処理ガス供給機構と、前記チャンバーの処理領域内を真空排気する第1の排気機構と、前記チャンバーの搬送領域内を真空排気する第2の排気機構とを具備し、前記第1および第2の基板保持台のうち前記処理位置にあるものが前記搬送領域と前記処理領域とを遮断することを特徴とするガス処理装置を提供する。
【0015】
本発明の第3の観点では、被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板にガス処理を行う処理領域を有し、その中に回動可能に支持部材に支持された少なくとも2つの基板保持台を有するチャンバーを用いて被処理体にガス処理を行うガス処理方法であって、前記少なくとも2つの基板保持台のうちの1つを前記搬送領域において被処理基板を受け渡す受け渡し位置に配置し、他の基板保持台の1つを基板保持面を鉛直またはそれよりも下側に向けた状態に配置する工程と、前記チャンバーの搬送領域に被処理基板を搬入し、その被処理基板を前記1つの基板保持台に保持させる工程と、前記支持部材を回動させて、被処理基板を保持した状態の前記1つの基板保持台を前記処理位置へ移動させるとともに、他の基板保持台の1つを前記受け渡し位置へ移動させる工程と、前記処理領域において、前記1つの基板保持台に保持された被処理基板に所定のガス処理を施す工程と、前記搬送領域に他の被処理基板を搬入し、受け渡し位置にある前記他の基板保持台の1つに保持させる工程とを具備することを特徴とするガス処理方法を提供する。
【0016】
本発明の第4の観点では、被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板に真空状態でガス処理を行う処理領域を有し、その中に回動可能に支持部材に支持された第1および第2の基板保持台を有するチャンバーを用いて被処理体に所定のガス処理を行うガス処理方法であって、前記第1の基板保持台を前記搬送領域において被処理基板をその被処理面を上面として水平状態で受け渡す受け渡し位置に配置し、前記第2の基板保持台の基板保持面を鉛直下向きに配置する工程と、前記チャンバーの搬送領域を前記チャンバーに連結された被処理基板の搬送元の圧力と同等の圧力に調整する工程と、前記搬送元から前記チャンバーの搬送領域に被処理基板を搬入し、被処理基板を被処理面を上にした水平状態で受け渡し位置にある第1の基板保持台の上に保持させる工程と、前記搬送領域を真空引きして前記処理領域と同等の真空状態とする工程と、前記支持部材を回動させて、被処理基板を保持した状態の前記第1の基板保持台を前記処理位置へ移動させるとともに、前記第2の基板保持台を前記受け渡し位置へ移動させる工程と、前記処理領域において前記第1の基板保持台に保持された被処理基板に所定のガス処理を施す工程と、前記搬送領域を前記搬送元の圧力と同等の圧力に調整する工程と、前記搬送元から前記搬送領域に他の被処理基板を搬入し、被処理面を上にした水平状態で受け渡し位置にある第2の基板保持台の上に保持させる工程とを具備することを特徴とするガス処理方法を提供する。
【0017】
本発明の第5の観点では、被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板に真空状態でガス処理を行う処理領域を有する複数のガス処理チャンバーと、前記各ガス処理チャンバー内で被処理基板を保持する第1の基板保持台と、前記第1の基板保持台が前記搬送領域において被処理基板を受け渡す受け渡し位置にある場合には、基板保持面が鉛直下向きの処理位置となる第2の基板保持台と、前記第1および第2の基板保持台を回動可能に支持する支持部材と、前記支持部材を回動させて、前記第1の基板保持台を前記受け渡し位置から前記処理位置に移動させ、その際に前記第2の基板保持台が前記受け渡し位置に移動する回動機構と、前記各ガス処理チャンバーの処理領域に処理ガスを供給する処理ガス供給機構と、前記各ガス処理チャンバーの処理領域内を真空排気する第1の排気機構と、前記各ガス処理チャンバーの搬送領域内を真空排気する第2の排気機構と前記複数のガス処理チャンバーが接続された搬送室と、前記搬送室内に設けられ、前記各ガス処理チャンバーに対する被処理基板の受け渡しを行う搬送装置と、前記搬送室に対する基板の搬入出を行う基板搬入出部と
を具備し、前記各ガス処理チャンバーにおいて、前記第1および第2の基板保持台のうち前記処理位置にあるものが前記搬送領域と前記処理領域とを遮断することを特徴とするガス処理システムを提供する。
【0018】
本発明の第1および第3の観点によれば、被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板にガス処理を行う処理領域を有するチャンバーを用い、外部からの被処理基板の受け渡しは、搬送領域において少なくとも2つの基板保持台のうち受け渡し位置にあるものに対し従来と同様に行うことができ、かつ処理に際しては、他の基板保持台のうちその基板保持面が鉛直またはそれよりも下側に向いた処理位置にあるもので行うので、処理中に被処理基板へパーティクルを付着し難くすることができる。また、基板保持台を受け渡し位置から処理位置へ移動させるのに、支持部材を回動させるだけでよいので、機構の複雑さをもたらすことがない。さらに、1つの基板保持台で被処理基板の受け渡しをしている間に、他の基板保持台の1つで被処理基板の処理を行うことができるので、極めて効率の良い処理を行うことができる。
【0019】
また、第2および第4の観点によれば、被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板に真空状態でガス処理を行う処理領域を有するチャンバーを用い、外部からの被処理基板の受け渡しは搬送領域において第1および第2の基板保持台のうち受け渡し位置にある方に対し従来と同様に被処理基板を水平状態にして行うことができ、かつ、ガス処理は、第1および第2の基板保持台のうち、被処理基板をその処理面を鉛直下向きにした処理位置にあるもので前記搬送領域と前記処理領域とを遮断した状態で行うので、上記効果を有する他、処理領域において真空状態でガス処理を行う場合において、真空状態の処理領域に被処理基板を搬送する際には、搬送領域を真空状態とし、搬送領域に対して被処理基板を搬入出する際には、搬送領域を被処理基板の搬送元の雰囲気とするといったロードロック機能を有する。したがって、従来のような独立したロードロック室が不要となり、省スペース化を図ることができる。システムとしては、第5の観点のように、真空処理を行う複数の処理装置をロードロック機能を有しない搬送室に接続して搬送室内の搬送装置により搬送すればよいので、システム全体のフットプリントを小さくして省スペース化を図ることができる。
【0020】
上記のように搬送領域にロードロック機構を持たせる場合に、前記搬送領域と前記処理領域との間に前記第1および第2の基板保持台のうち処理位置にあるものを受ける受け部が設けられ、その基板保持台が前記搬送領域と前記処理領域とを遮断する際に、その基板保持台と前記受け部との間にシール部材が介在されて処理領域が密閉空間とされることが好ましい。
【0021】
また、いずれの場合においても前記搬送領域と前記処理領域とは鉛直方向に隣接して設けられていることが好ましい。これにより、装置のフットプリントを最小化することが可能となる。
【0022】
基板保持台を前記支持部材に対して進退動させる駆動機構をさらに具備することが好ましい。これにより、受け渡し位置および処理位置における基板保持台の位置の微調整が可能となる。前記支持部材の回動軸は前記支持部材を水平に貫通するように設けられているように構成することができる。基板保持台に、被処理基板を静電吸着する静電チャックを設けることが好ましい。静電チャックを用いて基板を吸着させることにより、機械的なクランプ機構が不要となり、クランプ機構を基板保持台とともに移動させる必要がないため構造がシンプルとなり、かつ被処理基板近傍のパーティクル源をなくすことができる。また、このように静電チャックを用いることにより被処理基板中心部の密着性を高めることができる。
【0023】
また、上記ガス処理システムにおいて、前記基板搬入出部と前記搬送室内との間で被処理基板の受け渡しを行う他の搬送装置をさらに具備する構成にしてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明のガス処理装置が適用される処理システムを示す平面図である。この処理システムは、LCDガラス基板にプラズマエッチング処理を行うものであり、例えばLCDの製造においてLCDガラス基板上に薄膜トランジスターを形成する際に、メタル膜、ITO膜、酸化膜等をエッチングするために用いられるものである。
【0025】
この処理システム100は、その中央部にLCDガラス基板の搬送元である矩形状をなす搬送室10が設けられ、搬送室10には、ガス処理装置としての同一構造の3つのプラズマエッチング装置1が接続されている。これらプラズマエッチング装置1は、それぞれ搬送室10の辺に接続されており、搬送室10の残りの辺には、被処理基板であるLCDガラス基板の搬入出を行う基板搬入出部20が接続されている。搬送室10と各プラズマエッチング装置1との間の開口部、および搬送室10と基板搬入出部20とを連通する開口部には、これらの間を気密にシールし、かつ開閉可能に構成されたゲートバルプ12がそれぞれ介挿されている。
【0026】
搬送室10内には、各プラズマエッチング装置1との間、および搬入出部20との間で矩形状のLCDガラス基板(以下、単に基板と記す)Gの受け渡しを行う多関節構造の搬送装置14が設けられている。この搬送装置14は、その先端に実際に基板Gが支持される基板支持アーム15を有している。この基板支持アーム15は1枚であってもよいが、基板Gの受け取りと受け渡しとが同時に行われるように2枚設けることもできる。また、搬送室10には図示しない排気装置が設けられており、その中を所定の減圧状態とすることが可能となっている。なお、搬送室10を大気雰囲気として基板Gの受け取り受け渡しを行う場合にはこの排気装置は不要である。
【0027】
基板搬入出部20は、基板Gを収納可能な2つのカセットCを載置可能なカセットステージ22と、搬送路24を走行してカセットステージ22と搬送室10との間の基板Gの受け渡しを行う受け渡し装置26とを有している。
【0028】
次に、本実施形態に係るプラズマエッチング装置1について説明する。図2は、本実施形態に係るプラズマエッチング装置を模式的に示す断面図である。
【0029】
このプラズマエッチング装置1は、導電性材料、例えば、内壁面が陽極酸化処理されたアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる角筒形状の気密なチャンバー31を有する。チャンバー31は分解可能に組み立てられており、接地線31aにより接地されている。
【0030】
チャンバー31の下端にはアンテナ室33が設けられている。チャンバー31とアンテナ室33とは誘電体壁34により区画されている。誘電体壁34は、Al2O3等のセラミックス、石英等で構成されている。
【0031】
チャンバー1の上部側壁には基板Gの搬入出を行う搬入出口32が設けられており、この搬入出口32は上述のゲートバルブ12を介して搬送室10に接続されている。したがって、ゲートバルブ12を閉じた状態で搬送室10とチャンバー31とが遮断され、ゲートバルブ12を開けるとこれらの間が連通する。
【0032】
チャンバー31は、搬送室10との間で基板Gの搬送が行われる搬送領域35と、基板Gに処理ガスのプラズマによりプラズマエッチングが行われる処理領域36とを有している。搬送領域35は搬入出口32のあるチャンバー31の上部を構成し、処理領域36はアンテナ室33側であるチャンバー31の下部を構成している。つまり、搬送領域35と処理領域36とは、鉛直方向に隣接して設けられている。
【0033】
チャンバー31内には基板保持ユニット40が収容されている。基板保持ユニット40は、第1の基板保持台41aと第2の基板保持台41bを有しており、これら第1および第2の基板保持台41aおよび41bは、チャンバー31内のほぼ中央に設けられた板状をなす支持部材42の互いに反対側の面にそれぞれ直進駆動部43aおよび43bを介して接続されている。すなわち、支持部材42は第1および第2の基板保持台41aおよび41bを180度離隔して支持している。支持部材42は、定常状態では図示するような水平状態となっており、その中心に回動軸44が紙面奥行き方向に水平に貫通するように設けられている。この回動軸44はチャンバー31の外部に設けられた回動機構45により回転され、これにより支持部材42が図2の矢印方向に回動し、これにともなって第1および第2の基板保持台41aおよび41bも回動するようになっている。直進駆動部43aおよび43bの両側にはそれぞれガイド部材46a,47aおよび46b,47bが設けられている。なお、直進駆動部43a,43b、ガイド部材46a,46b,47a,47bは、パーティクルがチャンバー31内に発生しないようにベローズで覆われている。
【0034】
第1および第2の基板保持台41aおよび41bは、そのいずれか一方が搬送領域35においてその基板保持面を鉛直上向きにした、基板Gをその被処理面を上面として水平状態で受け渡す受け渡し位置に配置され、その場合に、他方の基板保持台はその基板保持面を鉛直下向きにした、基板Gをその処理面を下方に向けた状態で保持する処理位置に配置されるようになっている。図2では、第1の基板保持台41aが受け渡し位置にあり、第2の基板保持台41bが処理位置にある状態を示している。回動機構45は、この状態から支持部材42を回動させて、第1の基板保持台41aを受け渡し位置から処理位置に移動させるとともに、第2の基板保持台41bを処理位置から前記受け渡し位置に移動させることが可能である。
【0035】
第1および第2の基板保持台41aおよび41bは、いずれも同一構造であり、図3に示すように、表面が酸化処理されたアルミニウム等の金属からなり電極としても機能する本体51と、本体51に支持された静電チャック52とを有している。また、基板保持台41aおよび41bには、基板Gを昇降させる複数の昇降ピン53(2本のみ図示)が静電チャック52表面に対して突没自在に設けられている。
【0036】
静電チャック52は、誘電性部材54とその中に埋設された電極55と、電極55へ直流電圧を印加する給電線56とを有しており、給電線56には直流電源57が接続されている。そして、直流電源57から電極55に直流電圧が印加されることにより、基板Gがクーロン力やジョンセン・ラーベック力等の静電力によって吸着される。
【0037】
一方、本体51には、給電線58が接続されており、この給電線58には整合器59を介して高周波電源60が接続されている。この高周波電源60は、処理領域36におけるプラズマエッチング中に、バイアス用の高周波電力、例えば周波数が3.2MHzの高周波電力を本体51に印加する。このバイアス用の高周波電力により、処理領域36に生成されたプラズマ中のイオンが効果的に基板Gに引き込まれる。
【0038】
上記給電線56および58は、図2に示すように、それぞれ直流電源57および高周波電源60から回動軸44に至り、この回動軸44から直進駆動部43aおよび43bを介して電極55および本体51に給電される。これにより、回動する第1および第2の基板保持台41aおよび41bに容易に給電することができる。
【0039】
チャンバー31の側面には、基板保持ユニット40の出入口(図示せず)が設けられており、メンテナンスの際に、基板保持ユニット40を回動軸44に沿って移動させることによりこの出入口からチャンバー1の外へ取り出すことができ、メンテナンスが容易である。この出入口は、基板保持ユニット40の出し入れの際のみ開かれ、その他の場合には閉じられている。
【0040】
チャンバー31の搬送領域35と処理領域36との間の部分には、処理位置にある基板保持台を受ける受け部61が設けられている。受け部61の上面には、シールリング62が設けられている、そして、図2の場合を例にとって説明すると、処理位置にある第2の基板保持台41bを直進駆動部43bで直進させて受け部61に密着させた際に、第2の基板保持台41bと受け部61との間がシールリング62より気密にシールされ、搬送領域35と処理領域36とが遮断され、処理領域36が密閉空間となる。
【0041】
チャンバー31の処理領域36の側面には、処理ガス導入部63が設けられており、この処理ガス導入部63には配管64によって処理ガス供給系65が接続されている。そして、処理ガス供給系65から配管64を介して供給されたエッチングのための処理ガスが、処理ガス導入部63からチャンバー31の処理領域36内に供給される。一方、処理領域36の反対側の側面には、処理領域36を排気するための排気口66が設けられている。排気口66には排気管67が接続されており、排気管67には真空ポンプ68が接続されている。排気管67の途中にはバルブ69が設けられている。そして、真空ポンプ68により排気口66および排気管67を介して処理領域36内を排気することにより、処理領域36内を所定の真空状態に維持することが可能となっている。
【0042】
チャンバー31とアンテナ室33との間の周囲部分には、仕切部材71が設けられており、誘電体壁34はこの仕切部材71にネジ止め等により取り付けられている。そして、仕切部材71と誘電体壁34との間にはシールリング72が介装されている。
【0043】
アンテナ室33内には誘電体壁34に面するように高周波(RF)アンテナ73が配設されている。この高周波アンテナ73に棒状の給電部材74が接続されている。給電部材74の下端には給電線75が接続されており給電線75には整合器76を介して高周波電源77が接続されている。エッチング処理中、高周波電源77からは、誘導電界形成用の例えば周波数が13.56MHzの高周波電力が高周波アンテナ73へ供給される。このように高周波電力が供給された高周波アンテナ73により、処理領域36に誘導電界が形成され、この誘導電界によりガス導入部63から処理領域に供給されたエッチング用の処理ガスがプラズマ化される。この際の高周波電源77の出力は、プラズマを発生させるのに十分な値になるように適宜設定される。
【0044】
チャンバー31の搬送領域35は、その上壁に搬送領域35を排気するための排気口80を有しており、この排気口80に隣接して排気口80を開閉可能なゲートバルブ81を有している。排気口80には排気管82が接続されており、排気管82には真空ポンプ83が接続されている。この真空ポンプ83により排気口80および排気管82を介して搬送領域35内を排気することにより、処理領域35内を所定の真空状態に維持することが可能となっている。したがって、搬送領域35はロードロック室として機能する。すなわち、ゲートバルブ12を開いて搬入出口32から基板Gの搬入出を行う際には、搬送領域35を搬送室10と同じ圧力、典型的には100Pa以下に保持し、ゲートバルブ12を閉じて、支持部材42を回動させて、基板保持台に保持された基板Gを搬送領域35から処理領域36へ移動させる際には、搬送領域35を処理領域36と同じ真空状態にする。この場合に、真空状態と搬送室内圧力またはそれに近い圧力とを迅速に切り替えるため、排気口80を大きくし、真空ポンプ83として排気能力の高いものを用いている。なお、搬送領域35はロードロック室として機能するので、搬送室10を大気雰囲気としたまま基板Gの搬入出を行ってもよい。この場合、搬送室10には排気装置が不要である。
【0045】
次に、このように構成されたプラズマエッチング装置1の動作について図4のフローチャートを参照して説明する。
まず、基板保持ユニット40を所定の状態、例えば回動機構45および直進駆動部43bにより、第1の基板保持台41aを受け渡し位置に、第2の基板保持台41bを処理位置にセットする(工程1)。
【0046】
次いで、搬送領域35を搬送室10と同じ圧力、典型的には100Pa以下に保持し(工程2)、その状態でゲートバルブ12を開放し、搬送室10から搬送装置14の基板支持アーム15により搬入出口32を介して基板Gを水平状態でチャンバー31の搬送領域35へ搬入し、図2に示す受け渡し位置にある第1の基板保持台41aの水平な基板保持面(静電チャック52の表面)から突出した昇降ピン53上に水平状態の基板Gを受け渡し、基板支持アーム15を搬送室10内に戻してゲートバルブ12を閉じた後、引き続いて、リフトピン53を降下させ、基板Gを基板保持面、すなわち静電チャック52表面に載置する(工程3)。
【0047】
そして、静電チャック52の電極55に直流電源57から直流電圧を印加し、基板Gをクーロン力やジョンセン・ラーベック力等の静電力により吸着し(工程4)、真空ポンプ83により搬送領域35を真空引きして搬送領域35を処理領域36と同等の真空状態とする(工程5)。このように静電チャック52を用いることにより、機械的なクランプ機構が不要となり、クランプ機構を基板保持台11とともに移動させる必要がないため構造がシンプルとなり、かつ基板G近傍のパーティクル源をなくすことができる。また、このように静電チャック52を用いることにより、クランプ機構を用いた場合よりも基板G中心部の密着性を高めることができる。
【0048】
このように静電チャック52により基板Gを第1の基板保持台41aに吸着した状態で、回動機構45により支持部材42を回動させて、第1の基板保持台41aを処理位置に移動させ、第2の基板保持台41bを受け渡し位置へ移動させる(工程6)。この際には、図5に示すように直進駆動部43a,43bにより第1および第2の基板保持台41aおよび41bをいずれも支持部材42に最も近い状態となるようにし、これらの回動軌跡が最小になるようにする。なお、図5は回動の途中で支持部材42が垂直になった状態を示す。そして、さらに回動させて、図6に示すように、第1の基板保持台41aが処理位置に、第2の基板保持台41bが受け渡し位置に来るようにする。この状態から図7に示すように、直進駆動部43aを直進させることにより、第1の基板保持台41aに保持された基板Gが処理領域36に位置されるとともに、第1の基板保持台41aが受け部61に密着した状態となり、搬送領域35と処理領域36とが遮断される。この際に、シールリング62により処理領域36が密閉空間となる。
【0049】
この状態で、以下のようにしてプラズマエッチング処理を行う(工程7)。まず、処理領域36を真空ポンプ68により真空排気するとともに、処理ガス供給系65から配管64および処理ガス導入部63を介して処理領域36にエッチングのための処理ガスを導入し、処理領域36の圧力を例えば2Pa程度の圧力雰囲気に維持する。次いで、高周波電源77から13.56MHzの高周波を高周波アンテナ73に印加し、これにより誘電体壁34を介して処理領域36に均一な誘導電界を形成する。このようにして形成された誘導電界により、処理領域36で処理ガスがプラズマ化し、高密度の誘導結合プラズマが生成される。このようにして生成されたプラズマ中のイオンは、高周波電源60から第1の基板保持台41aにおける本体51に対して印加される3.2MHzの高周波電力によって基板Gに効果的に引き込まれ、基板Gに対して均一なエッチング処理が施される。
【0050】
一方、搬送領域35に図示しないガス導入口からガス、例えばN2ガスを導入して搬送領域35を搬送室10と同じ圧力に調整し(工程8)、その状態でゲートバルブ12を開放し、搬送室10から搬送装置14の基板支持アーム15により搬入出口32を介して他の基板Gを水平状態でチャンバー31の搬送領域35へ搬入し、受け渡し位置にある第2の基板保持台41bの水平な基板保持面から突出した昇降ピン53上に水平状態の基板Gを受け渡し、基板支持アーム15を搬送室10内に戻してゲートバルブ12を閉じた後、引き続いて、昇降ピン53を降下させ、基板Gを静電チャック52表面に載置する(工程9)。この工程8および工程9は、処理領域で工程7のプラズマエッチング処理と同時に行うこともできるし、その前後で行うこともできる。以上の工程を1ロットの基板Gの数だけ繰り返し、1ロットの処理を終了する。
【0051】
このように、本実施形態によれば、チャンバー31を基板Gの搬送を行う搬送領域35および基板Gにプラズマエッチング処理を行う処理領域36を有するものとし、外部の搬送室10に対する基板Gの受け渡しは搬送領域35において第1および第2の基板保持台のうち受け渡し位置にある方に対し従来と同様に被処理基板を水平状態にして行うことができ、かつ処理に際しては、第1および第2の基板保持台のうち、基板Gをその処理面を下方に向けた状態で処理領域36に位置させる処理位置にあるほうで行うので、処理中に被処理基板へパーティクルを付着し難くすることができる。また、第1または第2の基板保持台41a,41bを受け渡し位置から処理位置へ移動させるのに、支持部材を回動させるだけでよいので、機構の複雑さをもたらすことがない。さらに、一方の基板保持台で被処理基板の受け渡しをしている間に、他方の基板保持台で被処理基板の処理を行うことができるので、極めて効率の良い処理を行うことができる。
【0052】
また、搬送領域35にロードロック機能を持たせ、処理領域36においてプラズマエッチング処理を行うので、真空状態の処理領域36に基板Gを搬送する際には、搬送領域35を真空状態とし、搬送領域35に対して基板Gを搬入出する際には、搬送領域35を大気圧等の外部雰囲気とすることもできるので、従来のような独立したロードロック室が不要となり、省スペース化を図ることができる。したがって、処理システム100では、3つのプラズマエッチング装置1をロードロック機能を有しない搬送室10に接続して搬送室10内の搬送装置15により搬送すればよく、従来のロードロック室が不要となるので、システム全体のフットプリントを小さくして省スペース化を図ることができる。また、このような搬送領域35と処理領域36とは鉛直方向に隣接して設けられているので、搬送領域35が増加した分のフットプリントの増加はなく、その点においても省スペース効果は大きい。なお、搬送領域35を大気圧と処理圧との間で切り替える際に時間がかかり過ぎる場合には、搬送室10に排気機構を設け、搬送室10を減圧状態として基板Gを搬入できるようにすれば、搬送領域35における圧力の切替をより短時間で行うことができる。
【0053】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、基板保持台の処理位置において、基板の被処理面を下向き水平状態としたが、これに限るものではなくその処理面を鉛直またはそれよりも下側に向けた状態であれば被処理基板へのパーティクルの影響を抑制することができる。また、上記実施形態では基板保持台を2個設けた場合について示したが、基板保持台は3個以上であってもよい。さらに、上記実施形態では、誘導結合型のプラズマエッチング装置に本発明を適用したが、これに限らず容量結合型等他のプラズマエッチングにも適用することができ、エッチングの他のプラズマ処理に適用することもできるし、さらには熱CVD等のプラズマを用いない他のガス処理にも適用することができる。さらにまた、上記実施形態では、角柱状の基板保持台および矩形状の基板を用いた場合について説明したが、基板保持台が円柱状等他の形状であっても、基板が円盤状等の他の形状であってもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板にガス処理を行う処理領域を有するチャンバーを用い、外部からの被処理基板の受け渡しは、搬送領域において少なくとも2つの基板保持台のうち受け渡し位置にあるものに対し従来と同様に行うことができ、かつ処理に際しては、他の基板保持台のうちその基板保持面が鉛直またはそれよりも下側に向いた処理位置にあるもので行うので、処理中に被処理基板へパーティクルを付着し難くすることができる。また、基板保持台を受け渡し位置から処理位置へ移動させるのに、支持部材を回動させるだけでよいので、機構の複雑さをもたらすことがない。さらに、1つの基板保持台で被処理基板の受け渡しをしている間に、他の基板保持台の1つで被処理基板の処理を行うことができるので、極めて効率の良い処理を行うことができる。
【0055】
また、本発明の他の観点によれば、被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板に真空状態でガス処理を行う処理領域を有するチャンバーを用い、外部からの被処理基板の受け渡しは搬送領域において第1および第2の基板保持台のうち受け渡し位置にある方に対し従来と同様に被処理基板を水平状態にして行うことができ、かつ、ガス処理は、第1および第2の基板保持台のうち、被処理基板をその処理面を鉛直下向きにした処理位置にあるもので前記搬送領域と前記処理領域とを遮断した状態で行うので、上記効果を有する他、処理領域において真空状態でガス処理を行う場合において、真空状態の処理領域に被処理基板を搬送する際には、搬送領域を真空状態とし、搬送領域に対して被処理基板を搬入出する際には、搬送領域を被処理基板の搬送元の雰囲気とするといったロードロック機能を有する。したがって、従来のような独立したロードロック室が不要となり、省スペース化を図ることができる。このような装置を用いて、真空処理を行う複数の処理装置をロードロック機能を有しない搬送室に接続して搬送室内の搬送装置により搬送すれシステムを構成することにより、システム全体のフットプリントを小さくして省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス処理装置の一実施形態に係るLCDガラス基板用のプラズマエッチング装置を搭載した処理システムを示す平面図。
【図2】本発明のガス処理装置の一実施形態に係るLCDガラス基板用のプラズマエッチング装置を模式的に示す断面図。
【図3】本発明のガス処理装置の一実施形態に係るLCDガラス基板用のプラズマエッチング装置の基板保持台を拡大して示す断面図。
【図4】本発明のガス処理装置の一実施形態に係るLCDガラス基板用のプラズマエッチング装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図5】本発明のガス処理装置の一実施形態に係るLCDガラス基板用のプラズマエッチング装置の基板保持台を回動させている途中の状態を示す断面図。
【図6】本発明のガス処理装置の一実施形態に係るLCDガラス基板用のプラズマエッチング装置において基板保持台を回動が終了した直後の状態を示す断面図。
【図7】本発明のガス処理装置の一実施形態に係るLCDガラス基板用のプラズマエッチング装置において基板保持台を回動が終了した後、処理位置側の基板保持台を処理位置へ移動させた状態を示す断面図。
【符号の説明】
1;プラズマエッチング装置
10;搬送室
12;ゲートバルブ
14;搬送装置
15;基板支持アーム
20;基板搬入出部
31;チャンバー
33;アンテナ室
34;誘電体壁
35;搬送領域
36;処理領域
41a,41b;基板保持台
42;支持部材
43a,43b;直進駆動部
44;回動軸
45;回動機構
51;本体
52;静電チャック
63;処理ガス導入部
65;処理ガス供給系
66,80;排気口
68,83;真空ポンプ
73;高周波アンテナ
77;高周波電源
100;処理システム
G;LCDガラス基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、被処理基板に対してエッチングやCVD等のガス処理を施すガス処理装置およびガス処理方法、ならびにガス処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置の製造工程においては、ガラス基板にエッチング処理やCVD等のガス処理を施すために、プラズマエッチング装置やプラズマCVD装置等のガス処理装置が用いられる。
【0003】
この種の装置においては、通常、チャンバー内に搬入された被処理基板を被処理面を上方に向けた状態で水平に基板保持台上に載置し、基板保持台に対向して設けられたシャワーヘッドから処理ガスを供給して所定のガス処理を行う。
【0004】
ところで、このようなガス処理装置では、基板保持台上の被処理基板の上方にはチャンバー壁が存在するとともに、電極、誘電体等の上部構造物が必ず存在するため、これら上部構造物や周辺の壁からパーティクルが落下し、水平に置かれている被処理基板の被処理面にこのようなパーティクルが付着する。被処理基板にこのようなパーティクルが付着すると、均一な処理を行えなくなってしまう。例えば、プラズマエッチングの場合には、エッチ残りが発生する。
【0005】
このようなことを防止するためには、被処理基板の被処理面が上方に向いていない状態で処理を行うことが有効であると考えられる。
【0006】
このような装置としては、特許文献1に開示されたようなものがある。この文献に開示された装置は、処理時において、被処理基板を水平状態から垂直状態に移動させ、かつチャンバーを移動させて被処理基板をチャンバー内に収容する。
【0007】
一方、上述のエッチング処理やCVD等は、通常真空雰囲気で行われるが、大気雰囲気からこのような真空雰囲気に被処理基板を搬入出する際の処理効率を考慮して、予備真空室であるロードロック室が用いられる。そして、このようなロードロック室を用いて極めて高いスループットを実現した処理システムとして特許文献2に開示されたようなものが知られている。この特許文献2の処理システムは、矩形状をなす第1ロードロック室の3つの辺にそれぞれ真空処理装置が接続されており、第1ロードロック室の他の1辺に第2ロードロック室が接続されており、この第2ロードロック室に設けられた大気側のゲートバルブを介して大気雰囲気中のカセットとの間で被処理基板の搬入出が行われる。
【0008】
このような処理システムにおいては、被処理基板が大気雰囲気に保持された第2ロードロック室に搬入された後、第2ロードロック室が真空引きされ、その後、真空に保持された第1ロードロック室内の搬送アームが第2ロードロック室の基板を受け取って、適宜の真空処理装置に搬入する。処理後の基板は搬送アームにより真空処理室から搬出され、第2ロードロック室を介してカセットに収納される。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−82593号公報(図1、図2)
【0010】
【特許文献2】
特開平6−252245号公報(段落0014〜0061、図1、図2等
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特許文献1では基板搬入の際に、被処理基板を支持している支持台とチャンバーの両方を移動させる必要があり、機構的に複雑なものとなってしまうし効率も悪い。また、実際の処理空間は小さくすることができるものの、基板搬入時にはチャンバーを退避させておかなければならずその分必要スペースが大きくなってしまう。また、上記特許文献2では、2つのロードロック室が必要であり、その分、システム全体のフットプリントが大きくなってしまう。
【0012】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、機構の複雑さをもたらさず高効率の処理が可能で、被処理基板へのパーティクルの影響を抑制することができるガス処理装置およびガス処理方法を提供することを目的とする。また、機構の複雑さをもたらさず高効率の処理が可能で、かつ省スペース化を図りつつ、被処理基板へのパーティクルの影響を抑制することができるガス処理装置およびガス処理方法、ならびにガス処理システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点では、被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板にガス処理を行う処理領域を有するチャンバーと、前記チャンバー内で被処理基板を保持する少なくとも2つの基板保持台であって、そのうちの1つが前記搬送領域において被処理基板を受け渡す受け渡し位置にある場合に、他の1つの基板保持面が鉛直またはそれよりも下側に向く処理位置となる少なくとも2つの基板保持台と、前記少なくとも2つの基板保持台を回動可能に支持する支持部材と、前記支持部材を回動させて、1つの基板保持台を前記受け渡し位置から前記処理位置に移動させた際に他の基板保持台の1つが前記受け渡し位置に移動する回動機構と、前記チャンバーの処理領域に処理ガスを供給する処理ガス供給機構とを具備することを特徴とするガス処理装置を提供する。
【0014】
本発明の第2の観点では、被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板に真空状態でガス処理を行う処理領域を有するチャンバーと、前記チャンバー内で被処理基板を保持する第1の基板保持台と、前記第1の基板保持台が前記搬送領域において被処理基板を受け渡す受け渡し位置にある場合には、基板保持面が鉛直下向きの処理位置となる第2の基板保持台と、前記第1および第2の基板保持台を回動可能に支持する支持部材と、前記支持部材を回動させて、前記第1の基板保持台を前記受け渡し位置から前記処理位置に移動させ、その際に前記第2の基板保持台が前記受け渡し位置に移動する回動機構と、前記チャンバーの処理領域に処理ガスを供給する処理ガス供給機構と、前記チャンバーの処理領域内を真空排気する第1の排気機構と、前記チャンバーの搬送領域内を真空排気する第2の排気機構とを具備し、前記第1および第2の基板保持台のうち前記処理位置にあるものが前記搬送領域と前記処理領域とを遮断することを特徴とするガス処理装置を提供する。
【0015】
本発明の第3の観点では、被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板にガス処理を行う処理領域を有し、その中に回動可能に支持部材に支持された少なくとも2つの基板保持台を有するチャンバーを用いて被処理体にガス処理を行うガス処理方法であって、前記少なくとも2つの基板保持台のうちの1つを前記搬送領域において被処理基板を受け渡す受け渡し位置に配置し、他の基板保持台の1つを基板保持面を鉛直またはそれよりも下側に向けた状態に配置する工程と、前記チャンバーの搬送領域に被処理基板を搬入し、その被処理基板を前記1つの基板保持台に保持させる工程と、前記支持部材を回動させて、被処理基板を保持した状態の前記1つの基板保持台を前記処理位置へ移動させるとともに、他の基板保持台の1つを前記受け渡し位置へ移動させる工程と、前記処理領域において、前記1つの基板保持台に保持された被処理基板に所定のガス処理を施す工程と、前記搬送領域に他の被処理基板を搬入し、受け渡し位置にある前記他の基板保持台の1つに保持させる工程とを具備することを特徴とするガス処理方法を提供する。
【0016】
本発明の第4の観点では、被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板に真空状態でガス処理を行う処理領域を有し、その中に回動可能に支持部材に支持された第1および第2の基板保持台を有するチャンバーを用いて被処理体に所定のガス処理を行うガス処理方法であって、前記第1の基板保持台を前記搬送領域において被処理基板をその被処理面を上面として水平状態で受け渡す受け渡し位置に配置し、前記第2の基板保持台の基板保持面を鉛直下向きに配置する工程と、前記チャンバーの搬送領域を前記チャンバーに連結された被処理基板の搬送元の圧力と同等の圧力に調整する工程と、前記搬送元から前記チャンバーの搬送領域に被処理基板を搬入し、被処理基板を被処理面を上にした水平状態で受け渡し位置にある第1の基板保持台の上に保持させる工程と、前記搬送領域を真空引きして前記処理領域と同等の真空状態とする工程と、前記支持部材を回動させて、被処理基板を保持した状態の前記第1の基板保持台を前記処理位置へ移動させるとともに、前記第2の基板保持台を前記受け渡し位置へ移動させる工程と、前記処理領域において前記第1の基板保持台に保持された被処理基板に所定のガス処理を施す工程と、前記搬送領域を前記搬送元の圧力と同等の圧力に調整する工程と、前記搬送元から前記搬送領域に他の被処理基板を搬入し、被処理面を上にした水平状態で受け渡し位置にある第2の基板保持台の上に保持させる工程とを具備することを特徴とするガス処理方法を提供する。
【0017】
本発明の第5の観点では、被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板に真空状態でガス処理を行う処理領域を有する複数のガス処理チャンバーと、前記各ガス処理チャンバー内で被処理基板を保持する第1の基板保持台と、前記第1の基板保持台が前記搬送領域において被処理基板を受け渡す受け渡し位置にある場合には、基板保持面が鉛直下向きの処理位置となる第2の基板保持台と、前記第1および第2の基板保持台を回動可能に支持する支持部材と、前記支持部材を回動させて、前記第1の基板保持台を前記受け渡し位置から前記処理位置に移動させ、その際に前記第2の基板保持台が前記受け渡し位置に移動する回動機構と、前記各ガス処理チャンバーの処理領域に処理ガスを供給する処理ガス供給機構と、前記各ガス処理チャンバーの処理領域内を真空排気する第1の排気機構と、前記各ガス処理チャンバーの搬送領域内を真空排気する第2の排気機構と前記複数のガス処理チャンバーが接続された搬送室と、前記搬送室内に設けられ、前記各ガス処理チャンバーに対する被処理基板の受け渡しを行う搬送装置と、前記搬送室に対する基板の搬入出を行う基板搬入出部と
を具備し、前記各ガス処理チャンバーにおいて、前記第1および第2の基板保持台のうち前記処理位置にあるものが前記搬送領域と前記処理領域とを遮断することを特徴とするガス処理システムを提供する。
【0018】
本発明の第1および第3の観点によれば、被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板にガス処理を行う処理領域を有するチャンバーを用い、外部からの被処理基板の受け渡しは、搬送領域において少なくとも2つの基板保持台のうち受け渡し位置にあるものに対し従来と同様に行うことができ、かつ処理に際しては、他の基板保持台のうちその基板保持面が鉛直またはそれよりも下側に向いた処理位置にあるもので行うので、処理中に被処理基板へパーティクルを付着し難くすることができる。また、基板保持台を受け渡し位置から処理位置へ移動させるのに、支持部材を回動させるだけでよいので、機構の複雑さをもたらすことがない。さらに、1つの基板保持台で被処理基板の受け渡しをしている間に、他の基板保持台の1つで被処理基板の処理を行うことができるので、極めて効率の良い処理を行うことができる。
【0019】
また、第2および第4の観点によれば、被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板に真空状態でガス処理を行う処理領域を有するチャンバーを用い、外部からの被処理基板の受け渡しは搬送領域において第1および第2の基板保持台のうち受け渡し位置にある方に対し従来と同様に被処理基板を水平状態にして行うことができ、かつ、ガス処理は、第1および第2の基板保持台のうち、被処理基板をその処理面を鉛直下向きにした処理位置にあるもので前記搬送領域と前記処理領域とを遮断した状態で行うので、上記効果を有する他、処理領域において真空状態でガス処理を行う場合において、真空状態の処理領域に被処理基板を搬送する際には、搬送領域を真空状態とし、搬送領域に対して被処理基板を搬入出する際には、搬送領域を被処理基板の搬送元の雰囲気とするといったロードロック機能を有する。したがって、従来のような独立したロードロック室が不要となり、省スペース化を図ることができる。システムとしては、第5の観点のように、真空処理を行う複数の処理装置をロードロック機能を有しない搬送室に接続して搬送室内の搬送装置により搬送すればよいので、システム全体のフットプリントを小さくして省スペース化を図ることができる。
【0020】
上記のように搬送領域にロードロック機構を持たせる場合に、前記搬送領域と前記処理領域との間に前記第1および第2の基板保持台のうち処理位置にあるものを受ける受け部が設けられ、その基板保持台が前記搬送領域と前記処理領域とを遮断する際に、その基板保持台と前記受け部との間にシール部材が介在されて処理領域が密閉空間とされることが好ましい。
【0021】
また、いずれの場合においても前記搬送領域と前記処理領域とは鉛直方向に隣接して設けられていることが好ましい。これにより、装置のフットプリントを最小化することが可能となる。
【0022】
基板保持台を前記支持部材に対して進退動させる駆動機構をさらに具備することが好ましい。これにより、受け渡し位置および処理位置における基板保持台の位置の微調整が可能となる。前記支持部材の回動軸は前記支持部材を水平に貫通するように設けられているように構成することができる。基板保持台に、被処理基板を静電吸着する静電チャックを設けることが好ましい。静電チャックを用いて基板を吸着させることにより、機械的なクランプ機構が不要となり、クランプ機構を基板保持台とともに移動させる必要がないため構造がシンプルとなり、かつ被処理基板近傍のパーティクル源をなくすことができる。また、このように静電チャックを用いることにより被処理基板中心部の密着性を高めることができる。
【0023】
また、上記ガス処理システムにおいて、前記基板搬入出部と前記搬送室内との間で被処理基板の受け渡しを行う他の搬送装置をさらに具備する構成にしてもよい。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明のガス処理装置が適用される処理システムを示す平面図である。この処理システムは、LCDガラス基板にプラズマエッチング処理を行うものであり、例えばLCDの製造においてLCDガラス基板上に薄膜トランジスターを形成する際に、メタル膜、ITO膜、酸化膜等をエッチングするために用いられるものである。
【0025】
この処理システム100は、その中央部にLCDガラス基板の搬送元である矩形状をなす搬送室10が設けられ、搬送室10には、ガス処理装置としての同一構造の3つのプラズマエッチング装置1が接続されている。これらプラズマエッチング装置1は、それぞれ搬送室10の辺に接続されており、搬送室10の残りの辺には、被処理基板であるLCDガラス基板の搬入出を行う基板搬入出部20が接続されている。搬送室10と各プラズマエッチング装置1との間の開口部、および搬送室10と基板搬入出部20とを連通する開口部には、これらの間を気密にシールし、かつ開閉可能に構成されたゲートバルプ12がそれぞれ介挿されている。
【0026】
搬送室10内には、各プラズマエッチング装置1との間、および搬入出部20との間で矩形状のLCDガラス基板(以下、単に基板と記す)Gの受け渡しを行う多関節構造の搬送装置14が設けられている。この搬送装置14は、その先端に実際に基板Gが支持される基板支持アーム15を有している。この基板支持アーム15は1枚であってもよいが、基板Gの受け取りと受け渡しとが同時に行われるように2枚設けることもできる。また、搬送室10には図示しない排気装置が設けられており、その中を所定の減圧状態とすることが可能となっている。なお、搬送室10を大気雰囲気として基板Gの受け取り受け渡しを行う場合にはこの排気装置は不要である。
【0027】
基板搬入出部20は、基板Gを収納可能な2つのカセットCを載置可能なカセットステージ22と、搬送路24を走行してカセットステージ22と搬送室10との間の基板Gの受け渡しを行う受け渡し装置26とを有している。
【0028】
次に、本実施形態に係るプラズマエッチング装置1について説明する。図2は、本実施形態に係るプラズマエッチング装置を模式的に示す断面図である。
【0029】
このプラズマエッチング装置1は、導電性材料、例えば、内壁面が陽極酸化処理されたアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる角筒形状の気密なチャンバー31を有する。チャンバー31は分解可能に組み立てられており、接地線31aにより接地されている。
【0030】
チャンバー31の下端にはアンテナ室33が設けられている。チャンバー31とアンテナ室33とは誘電体壁34により区画されている。誘電体壁34は、Al2O3等のセラミックス、石英等で構成されている。
【0031】
チャンバー1の上部側壁には基板Gの搬入出を行う搬入出口32が設けられており、この搬入出口32は上述のゲートバルブ12を介して搬送室10に接続されている。したがって、ゲートバルブ12を閉じた状態で搬送室10とチャンバー31とが遮断され、ゲートバルブ12を開けるとこれらの間が連通する。
【0032】
チャンバー31は、搬送室10との間で基板Gの搬送が行われる搬送領域35と、基板Gに処理ガスのプラズマによりプラズマエッチングが行われる処理領域36とを有している。搬送領域35は搬入出口32のあるチャンバー31の上部を構成し、処理領域36はアンテナ室33側であるチャンバー31の下部を構成している。つまり、搬送領域35と処理領域36とは、鉛直方向に隣接して設けられている。
【0033】
チャンバー31内には基板保持ユニット40が収容されている。基板保持ユニット40は、第1の基板保持台41aと第2の基板保持台41bを有しており、これら第1および第2の基板保持台41aおよび41bは、チャンバー31内のほぼ中央に設けられた板状をなす支持部材42の互いに反対側の面にそれぞれ直進駆動部43aおよび43bを介して接続されている。すなわち、支持部材42は第1および第2の基板保持台41aおよび41bを180度離隔して支持している。支持部材42は、定常状態では図示するような水平状態となっており、その中心に回動軸44が紙面奥行き方向に水平に貫通するように設けられている。この回動軸44はチャンバー31の外部に設けられた回動機構45により回転され、これにより支持部材42が図2の矢印方向に回動し、これにともなって第1および第2の基板保持台41aおよび41bも回動するようになっている。直進駆動部43aおよび43bの両側にはそれぞれガイド部材46a,47aおよび46b,47bが設けられている。なお、直進駆動部43a,43b、ガイド部材46a,46b,47a,47bは、パーティクルがチャンバー31内に発生しないようにベローズで覆われている。
【0034】
第1および第2の基板保持台41aおよび41bは、そのいずれか一方が搬送領域35においてその基板保持面を鉛直上向きにした、基板Gをその被処理面を上面として水平状態で受け渡す受け渡し位置に配置され、その場合に、他方の基板保持台はその基板保持面を鉛直下向きにした、基板Gをその処理面を下方に向けた状態で保持する処理位置に配置されるようになっている。図2では、第1の基板保持台41aが受け渡し位置にあり、第2の基板保持台41bが処理位置にある状態を示している。回動機構45は、この状態から支持部材42を回動させて、第1の基板保持台41aを受け渡し位置から処理位置に移動させるとともに、第2の基板保持台41bを処理位置から前記受け渡し位置に移動させることが可能である。
【0035】
第1および第2の基板保持台41aおよび41bは、いずれも同一構造であり、図3に示すように、表面が酸化処理されたアルミニウム等の金属からなり電極としても機能する本体51と、本体51に支持された静電チャック52とを有している。また、基板保持台41aおよび41bには、基板Gを昇降させる複数の昇降ピン53(2本のみ図示)が静電チャック52表面に対して突没自在に設けられている。
【0036】
静電チャック52は、誘電性部材54とその中に埋設された電極55と、電極55へ直流電圧を印加する給電線56とを有しており、給電線56には直流電源57が接続されている。そして、直流電源57から電極55に直流電圧が印加されることにより、基板Gがクーロン力やジョンセン・ラーベック力等の静電力によって吸着される。
【0037】
一方、本体51には、給電線58が接続されており、この給電線58には整合器59を介して高周波電源60が接続されている。この高周波電源60は、処理領域36におけるプラズマエッチング中に、バイアス用の高周波電力、例えば周波数が3.2MHzの高周波電力を本体51に印加する。このバイアス用の高周波電力により、処理領域36に生成されたプラズマ中のイオンが効果的に基板Gに引き込まれる。
【0038】
上記給電線56および58は、図2に示すように、それぞれ直流電源57および高周波電源60から回動軸44に至り、この回動軸44から直進駆動部43aおよび43bを介して電極55および本体51に給電される。これにより、回動する第1および第2の基板保持台41aおよび41bに容易に給電することができる。
【0039】
チャンバー31の側面には、基板保持ユニット40の出入口(図示せず)が設けられており、メンテナンスの際に、基板保持ユニット40を回動軸44に沿って移動させることによりこの出入口からチャンバー1の外へ取り出すことができ、メンテナンスが容易である。この出入口は、基板保持ユニット40の出し入れの際のみ開かれ、その他の場合には閉じられている。
【0040】
チャンバー31の搬送領域35と処理領域36との間の部分には、処理位置にある基板保持台を受ける受け部61が設けられている。受け部61の上面には、シールリング62が設けられている、そして、図2の場合を例にとって説明すると、処理位置にある第2の基板保持台41bを直進駆動部43bで直進させて受け部61に密着させた際に、第2の基板保持台41bと受け部61との間がシールリング62より気密にシールされ、搬送領域35と処理領域36とが遮断され、処理領域36が密閉空間となる。
【0041】
チャンバー31の処理領域36の側面には、処理ガス導入部63が設けられており、この処理ガス導入部63には配管64によって処理ガス供給系65が接続されている。そして、処理ガス供給系65から配管64を介して供給されたエッチングのための処理ガスが、処理ガス導入部63からチャンバー31の処理領域36内に供給される。一方、処理領域36の反対側の側面には、処理領域36を排気するための排気口66が設けられている。排気口66には排気管67が接続されており、排気管67には真空ポンプ68が接続されている。排気管67の途中にはバルブ69が設けられている。そして、真空ポンプ68により排気口66および排気管67を介して処理領域36内を排気することにより、処理領域36内を所定の真空状態に維持することが可能となっている。
【0042】
チャンバー31とアンテナ室33との間の周囲部分には、仕切部材71が設けられており、誘電体壁34はこの仕切部材71にネジ止め等により取り付けられている。そして、仕切部材71と誘電体壁34との間にはシールリング72が介装されている。
【0043】
アンテナ室33内には誘電体壁34に面するように高周波(RF)アンテナ73が配設されている。この高周波アンテナ73に棒状の給電部材74が接続されている。給電部材74の下端には給電線75が接続されており給電線75には整合器76を介して高周波電源77が接続されている。エッチング処理中、高周波電源77からは、誘導電界形成用の例えば周波数が13.56MHzの高周波電力が高周波アンテナ73へ供給される。このように高周波電力が供給された高周波アンテナ73により、処理領域36に誘導電界が形成され、この誘導電界によりガス導入部63から処理領域に供給されたエッチング用の処理ガスがプラズマ化される。この際の高周波電源77の出力は、プラズマを発生させるのに十分な値になるように適宜設定される。
【0044】
チャンバー31の搬送領域35は、その上壁に搬送領域35を排気するための排気口80を有しており、この排気口80に隣接して排気口80を開閉可能なゲートバルブ81を有している。排気口80には排気管82が接続されており、排気管82には真空ポンプ83が接続されている。この真空ポンプ83により排気口80および排気管82を介して搬送領域35内を排気することにより、処理領域35内を所定の真空状態に維持することが可能となっている。したがって、搬送領域35はロードロック室として機能する。すなわち、ゲートバルブ12を開いて搬入出口32から基板Gの搬入出を行う際には、搬送領域35を搬送室10と同じ圧力、典型的には100Pa以下に保持し、ゲートバルブ12を閉じて、支持部材42を回動させて、基板保持台に保持された基板Gを搬送領域35から処理領域36へ移動させる際には、搬送領域35を処理領域36と同じ真空状態にする。この場合に、真空状態と搬送室内圧力またはそれに近い圧力とを迅速に切り替えるため、排気口80を大きくし、真空ポンプ83として排気能力の高いものを用いている。なお、搬送領域35はロードロック室として機能するので、搬送室10を大気雰囲気としたまま基板Gの搬入出を行ってもよい。この場合、搬送室10には排気装置が不要である。
【0045】
次に、このように構成されたプラズマエッチング装置1の動作について図4のフローチャートを参照して説明する。
まず、基板保持ユニット40を所定の状態、例えば回動機構45および直進駆動部43bにより、第1の基板保持台41aを受け渡し位置に、第2の基板保持台41bを処理位置にセットする(工程1)。
【0046】
次いで、搬送領域35を搬送室10と同じ圧力、典型的には100Pa以下に保持し(工程2)、その状態でゲートバルブ12を開放し、搬送室10から搬送装置14の基板支持アーム15により搬入出口32を介して基板Gを水平状態でチャンバー31の搬送領域35へ搬入し、図2に示す受け渡し位置にある第1の基板保持台41aの水平な基板保持面(静電チャック52の表面)から突出した昇降ピン53上に水平状態の基板Gを受け渡し、基板支持アーム15を搬送室10内に戻してゲートバルブ12を閉じた後、引き続いて、リフトピン53を降下させ、基板Gを基板保持面、すなわち静電チャック52表面に載置する(工程3)。
【0047】
そして、静電チャック52の電極55に直流電源57から直流電圧を印加し、基板Gをクーロン力やジョンセン・ラーベック力等の静電力により吸着し(工程4)、真空ポンプ83により搬送領域35を真空引きして搬送領域35を処理領域36と同等の真空状態とする(工程5)。このように静電チャック52を用いることにより、機械的なクランプ機構が不要となり、クランプ機構を基板保持台11とともに移動させる必要がないため構造がシンプルとなり、かつ基板G近傍のパーティクル源をなくすことができる。また、このように静電チャック52を用いることにより、クランプ機構を用いた場合よりも基板G中心部の密着性を高めることができる。
【0048】
このように静電チャック52により基板Gを第1の基板保持台41aに吸着した状態で、回動機構45により支持部材42を回動させて、第1の基板保持台41aを処理位置に移動させ、第2の基板保持台41bを受け渡し位置へ移動させる(工程6)。この際には、図5に示すように直進駆動部43a,43bにより第1および第2の基板保持台41aおよび41bをいずれも支持部材42に最も近い状態となるようにし、これらの回動軌跡が最小になるようにする。なお、図5は回動の途中で支持部材42が垂直になった状態を示す。そして、さらに回動させて、図6に示すように、第1の基板保持台41aが処理位置に、第2の基板保持台41bが受け渡し位置に来るようにする。この状態から図7に示すように、直進駆動部43aを直進させることにより、第1の基板保持台41aに保持された基板Gが処理領域36に位置されるとともに、第1の基板保持台41aが受け部61に密着した状態となり、搬送領域35と処理領域36とが遮断される。この際に、シールリング62により処理領域36が密閉空間となる。
【0049】
この状態で、以下のようにしてプラズマエッチング処理を行う(工程7)。まず、処理領域36を真空ポンプ68により真空排気するとともに、処理ガス供給系65から配管64および処理ガス導入部63を介して処理領域36にエッチングのための処理ガスを導入し、処理領域36の圧力を例えば2Pa程度の圧力雰囲気に維持する。次いで、高周波電源77から13.56MHzの高周波を高周波アンテナ73に印加し、これにより誘電体壁34を介して処理領域36に均一な誘導電界を形成する。このようにして形成された誘導電界により、処理領域36で処理ガスがプラズマ化し、高密度の誘導結合プラズマが生成される。このようにして生成されたプラズマ中のイオンは、高周波電源60から第1の基板保持台41aにおける本体51に対して印加される3.2MHzの高周波電力によって基板Gに効果的に引き込まれ、基板Gに対して均一なエッチング処理が施される。
【0050】
一方、搬送領域35に図示しないガス導入口からガス、例えばN2ガスを導入して搬送領域35を搬送室10と同じ圧力に調整し(工程8)、その状態でゲートバルブ12を開放し、搬送室10から搬送装置14の基板支持アーム15により搬入出口32を介して他の基板Gを水平状態でチャンバー31の搬送領域35へ搬入し、受け渡し位置にある第2の基板保持台41bの水平な基板保持面から突出した昇降ピン53上に水平状態の基板Gを受け渡し、基板支持アーム15を搬送室10内に戻してゲートバルブ12を閉じた後、引き続いて、昇降ピン53を降下させ、基板Gを静電チャック52表面に載置する(工程9)。この工程8および工程9は、処理領域で工程7のプラズマエッチング処理と同時に行うこともできるし、その前後で行うこともできる。以上の工程を1ロットの基板Gの数だけ繰り返し、1ロットの処理を終了する。
【0051】
このように、本実施形態によれば、チャンバー31を基板Gの搬送を行う搬送領域35および基板Gにプラズマエッチング処理を行う処理領域36を有するものとし、外部の搬送室10に対する基板Gの受け渡しは搬送領域35において第1および第2の基板保持台のうち受け渡し位置にある方に対し従来と同様に被処理基板を水平状態にして行うことができ、かつ処理に際しては、第1および第2の基板保持台のうち、基板Gをその処理面を下方に向けた状態で処理領域36に位置させる処理位置にあるほうで行うので、処理中に被処理基板へパーティクルを付着し難くすることができる。また、第1または第2の基板保持台41a,41bを受け渡し位置から処理位置へ移動させるのに、支持部材を回動させるだけでよいので、機構の複雑さをもたらすことがない。さらに、一方の基板保持台で被処理基板の受け渡しをしている間に、他方の基板保持台で被処理基板の処理を行うことができるので、極めて効率の良い処理を行うことができる。
【0052】
また、搬送領域35にロードロック機能を持たせ、処理領域36においてプラズマエッチング処理を行うので、真空状態の処理領域36に基板Gを搬送する際には、搬送領域35を真空状態とし、搬送領域35に対して基板Gを搬入出する際には、搬送領域35を大気圧等の外部雰囲気とすることもできるので、従来のような独立したロードロック室が不要となり、省スペース化を図ることができる。したがって、処理システム100では、3つのプラズマエッチング装置1をロードロック機能を有しない搬送室10に接続して搬送室10内の搬送装置15により搬送すればよく、従来のロードロック室が不要となるので、システム全体のフットプリントを小さくして省スペース化を図ることができる。また、このような搬送領域35と処理領域36とは鉛直方向に隣接して設けられているので、搬送領域35が増加した分のフットプリントの増加はなく、その点においても省スペース効果は大きい。なお、搬送領域35を大気圧と処理圧との間で切り替える際に時間がかかり過ぎる場合には、搬送室10に排気機構を設け、搬送室10を減圧状態として基板Gを搬入できるようにすれば、搬送領域35における圧力の切替をより短時間で行うことができる。
【0053】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく種々変形可能である。例えば、上記実施形態では、基板保持台の処理位置において、基板の被処理面を下向き水平状態としたが、これに限るものではなくその処理面を鉛直またはそれよりも下側に向けた状態であれば被処理基板へのパーティクルの影響を抑制することができる。また、上記実施形態では基板保持台を2個設けた場合について示したが、基板保持台は3個以上であってもよい。さらに、上記実施形態では、誘導結合型のプラズマエッチング装置に本発明を適用したが、これに限らず容量結合型等他のプラズマエッチングにも適用することができ、エッチングの他のプラズマ処理に適用することもできるし、さらには熱CVD等のプラズマを用いない他のガス処理にも適用することができる。さらにまた、上記実施形態では、角柱状の基板保持台および矩形状の基板を用いた場合について説明したが、基板保持台が円柱状等他の形状であっても、基板が円盤状等の他の形状であってもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板にガス処理を行う処理領域を有するチャンバーを用い、外部からの被処理基板の受け渡しは、搬送領域において少なくとも2つの基板保持台のうち受け渡し位置にあるものに対し従来と同様に行うことができ、かつ処理に際しては、他の基板保持台のうちその基板保持面が鉛直またはそれよりも下側に向いた処理位置にあるもので行うので、処理中に被処理基板へパーティクルを付着し難くすることができる。また、基板保持台を受け渡し位置から処理位置へ移動させるのに、支持部材を回動させるだけでよいので、機構の複雑さをもたらすことがない。さらに、1つの基板保持台で被処理基板の受け渡しをしている間に、他の基板保持台の1つで被処理基板の処理を行うことができるので、極めて効率の良い処理を行うことができる。
【0055】
また、本発明の他の観点によれば、被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板に真空状態でガス処理を行う処理領域を有するチャンバーを用い、外部からの被処理基板の受け渡しは搬送領域において第1および第2の基板保持台のうち受け渡し位置にある方に対し従来と同様に被処理基板を水平状態にして行うことができ、かつ、ガス処理は、第1および第2の基板保持台のうち、被処理基板をその処理面を鉛直下向きにした処理位置にあるもので前記搬送領域と前記処理領域とを遮断した状態で行うので、上記効果を有する他、処理領域において真空状態でガス処理を行う場合において、真空状態の処理領域に被処理基板を搬送する際には、搬送領域を真空状態とし、搬送領域に対して被処理基板を搬入出する際には、搬送領域を被処理基板の搬送元の雰囲気とするといったロードロック機能を有する。したがって、従来のような独立したロードロック室が不要となり、省スペース化を図ることができる。このような装置を用いて、真空処理を行う複数の処理装置をロードロック機能を有しない搬送室に接続して搬送室内の搬送装置により搬送すれシステムを構成することにより、システム全体のフットプリントを小さくして省スペース化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス処理装置の一実施形態に係るLCDガラス基板用のプラズマエッチング装置を搭載した処理システムを示す平面図。
【図2】本発明のガス処理装置の一実施形態に係るLCDガラス基板用のプラズマエッチング装置を模式的に示す断面図。
【図3】本発明のガス処理装置の一実施形態に係るLCDガラス基板用のプラズマエッチング装置の基板保持台を拡大して示す断面図。
【図4】本発明のガス処理装置の一実施形態に係るLCDガラス基板用のプラズマエッチング装置の動作を説明するためのフローチャート。
【図5】本発明のガス処理装置の一実施形態に係るLCDガラス基板用のプラズマエッチング装置の基板保持台を回動させている途中の状態を示す断面図。
【図6】本発明のガス処理装置の一実施形態に係るLCDガラス基板用のプラズマエッチング装置において基板保持台を回動が終了した直後の状態を示す断面図。
【図7】本発明のガス処理装置の一実施形態に係るLCDガラス基板用のプラズマエッチング装置において基板保持台を回動が終了した後、処理位置側の基板保持台を処理位置へ移動させた状態を示す断面図。
【符号の説明】
1;プラズマエッチング装置
10;搬送室
12;ゲートバルブ
14;搬送装置
15;基板支持アーム
20;基板搬入出部
31;チャンバー
33;アンテナ室
34;誘電体壁
35;搬送領域
36;処理領域
41a,41b;基板保持台
42;支持部材
43a,43b;直進駆動部
44;回動軸
45;回動機構
51;本体
52;静電チャック
63;処理ガス導入部
65;処理ガス供給系
66,80;排気口
68,83;真空ポンプ
73;高周波アンテナ
77;高周波電源
100;処理システム
G;LCDガラス基板
Claims (16)
- 被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板にガス処理を行う処理領域を有するチャンバーと、
前記チャンバー内で被処理基板を保持する少なくとも2つの基板保持台であって、そのうちの1つが前記搬送領域において被処理基板を受け渡す受け渡し位置にある場合に、他の1つの基板保持面が鉛直またはそれよりも下側に向く処理位置となる少なくとも2つの基板保持台と、
前記少なくとも2つの基板保持台を回動可能に支持する支持部材と、
前記支持部材を回動させて、1つの基板保持台を前記受け渡し位置から前記処理位置に移動させた際に他の基板保持台の1つが前記受け渡し位置に移動する回動機構と、
前記チャンバーの処理領域に処理ガスを供給する処理ガス供給機構と
を具備することを特徴とするガス処理装置。 - 前記少なくとも2つの基板保持台を前記支持部材に対して進退動させる駆動機構をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載のガス処理装置。
- 前記少なくとも2つの基板保持台には、被処理基板を静電吸着する静電チャックが設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガス処理装置。
- 被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板に真空状態でガス処理を行う処理領域を有するチャンバーと、
前記チャンバー内で被処理基板を保持する第1の基板保持台と、
前記第1の基板保持台が前記搬送領域において被処理基板を受け渡す受け渡し位置にある場合には、基板保持面が鉛直下向きの処理位置となる第2の基板保持台と、
前記第1および第2の基板保持台を回動可能に支持する支持部材と、
前記支持部材を回動させて、前記第1の基板保持台を前記受け渡し位置から前記処理位置に移動させ、その際に前記第2の基板保持台が前記受け渡し位置に移動する回動機構と、
前記チャンバーの処理領域に処理ガスを供給する処理ガス供給機構と、
前記チャンバーの処理領域内を真空排気する第1の排気機構と、
前記チャンバーの搬送領域内を真空排気する第2の排気機構と
を具備し、
前記第1および第2の基板保持台のうち前記処理位置にあるものが前記搬送領域と前記処理領域とを遮断することを特徴とするガス処理装置。 - 前記搬送領域と前記処理領域との間に前記第1および第2の基板保持台のうち処理位置にあるものを受ける受け部が設けられ、その基板保持台が前記搬送領域と前記処理領域とを遮断する際に、その基板保持台と前記受け部との間にシール部材が介在されて処理領域が密閉空間とされることを特徴とする請求項4に記載のガス処理装置。
- 前記第1および第2の基板保持台を前記支持部材に対して進退動させる駆動機構をさらに具備することを特徴とする請求項4または請求項5に記載のガス処理装置。
- 前記第1および第2の基板保持台には、被処理基板を静電吸着する静電チャックが設けられていることを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1項に記載のガス処理装置。
- 前記搬送領域と前記処理領域とは鉛直方向に隣接して設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のガス処理装置。
- 前記支持部材の回動軸は前記支持部材を水平に貫通するように設けられていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のガス処理装置。
- 被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板にガス処理を行う処理領域を有し、その中に回動可能に支持部材に支持された少なくとも2つの基板保持台を有するチャンバーを用いて被処理体にガス処理を行うガス処理方法であって、
前記少なくとも2つの基板保持台のうちの1つを前記搬送領域において被処理基板を受け渡す受け渡し位置に配置し、他の基板保持台の1つを基板保持面を鉛直またはそれよりも下側に向けた状態に配置する工程と、
前記チャンバーの搬送領域に被処理基板を搬入し、その被処理基板を前記1つの基板保持台に保持させる工程と、
前記支持部材を回動させて、被処理基板を保持した状態の前記1つの基板保持台を前記処理位置へ移動させるとともに、他の基板保持台の1つを前記受け渡し位置へ移動させる工程と、
前記処理領域において、前記1つの基板保持台に保持された被処理基板に所定のガス処理を施す工程と、
前記搬送領域に他の被処理基板を搬入し、受け渡し位置にある前記他の基板保持台の1つに保持させる工程と
を具備することを特徴とするガス処理方法。 - 前記1つの基板保持台に保持された被処理基板に前記ガス処理を施しつつ、他の被処理基板を前記受け渡し位置にある他の基板保持台の1つの上に保持させることを特徴とする請求項10に記載のガス処理方法。
- 被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板に真空状態でガス処理を行う処理領域を有し、その中に回動可能に支持部材に支持された第1および第2の基板保持台を有するチャンバーを用いて被処理体に所定のガス処理を行うガス処理方法であって、
前記第1の基板保持台を前記搬送領域において被処理基板をその被処理面を上面として水平状態で受け渡す受け渡し位置に配置し、前記第2の基板保持台の基板保持面を鉛直下向きに配置する工程と、
前記チャンバーの搬送領域を前記チャンバーに連結された被処理基板の搬送元の圧力と同等の圧力に調整する工程と、
前記搬送元から前記チャンバーの搬送領域に被処理基板を搬入し、被処理基板を被処理面を上にした水平状態で受け渡し位置にある第1の基板保持台の上に保持させる工程と、
前記搬送領域を真空引きして前記処理領域と同等の真空状態とする工程と、
前記支持部材を回動させて、被処理基板を保持した状態の前記第1の基板保持台を前記処理位置へ移動させるとともに、前記第2の基板保持台を前記受け渡し位置へ移動させる工程と、
前記処理領域において前記第1の基板保持台に保持された被処理基板に所定のガス処理を施す工程と、
前記搬送領域を前記搬送元の圧力と同等の圧力に調整する工程と、
前記搬送元から前記搬送領域に他の被処理基板を搬入し、被処理面を上にした水平状態で受け渡し位置にある第2の基板保持台の上に保持させる工程と
を具備することを特徴とするガス処理方法。 - 前記第1の基板保持台に保持された被処理基板に前記ガス処理を施しつつ、他の被処理基板を前記受け渡し位置にある第2の基板保持台の上に保持させることを特徴とする請求項12に記載のガス処理方法。
- 前記搬送領域と前記処理領域とは鉛直方向に隣接して設けられていることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に記載のガス処理方法。
- 被処理基板の搬送を行う搬送領域および被処理基板に真空状態でガス処理を行う処理領域を有する複数のガス処理チャンバーと、
前記各ガス処理チャンバー内で被処理基板を保持する第1の基板保持台と、
前記第1の基板保持台が前記搬送領域において被処理基板を受け渡す受け渡し位置にある場合には、基板保持面が鉛直下向きの処理位置となる第2の基板保持台と、
前記第1および第2の基板保持台を回動可能に支持する支持部材と、
前記支持部材を回動させて、前記第1の基板保持台を前記受け渡し位置から前記処理位置に移動させ、その際に前記第2の基板保持台が前記受け渡し位置に移動する回動機構と、
前記各ガス処理チャンバーの処理領域に処理ガスを供給する処理ガス供給機構と、
前記各ガス処理チャンバーの処理領域内を真空排気する第1の排気機構と、
前記各ガス処理チャンバーの搬送領域内を真空排気する第2の排気機構と
前記複数のガス処理チャンバーが接続された搬送室と、
前記搬送室内に設けられ、前記各ガス処理チャンバーに対する被処理基板の受け渡しを行う搬送装置と、
前記搬送室に対する基板の搬入出を行う基板搬入出部と
を具備し、
前記各ガス処理チャンバーにおいて、前記第1および第2の基板保持台のうち前記処理位置にあるものが前記搬送領域と前記処理領域とを遮断することを特徴とするガス処理システム。 - 前記基板搬入出部と前記搬送室内との間で被処理基板の受け渡しを行う他の搬送装置をさらに具備することを特徴とする請求項15に記載のガス処理システム。
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JP2003053564A JP2004266028A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | ガス処理装置およびガス処理方法、ならびにガス処理システム |
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