JP2004263819A - 多点接触型玉軸受 - Google Patents

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淳太郎 佐原
Hirotoshi Aramaki
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Abstract

【課題】純ラジアル荷重又はこれに近い条件で運転する場合でも、外輪、内輪各軌道と各玉14の転動面との転がり接触部に効率良く潤滑剤を供給できる様にする。これにより、これら各転がり接触部の潤滑状態を良好に保持し、これら各転がり接触部で焼き付き等の不具合が生じる事を防止する。
【解決手段】保持器15aを構成する各ポケット17aの内面の一部で、これら各ポケット17a内に保持した各玉14の転走面(破線γ、γで示した部分)に対向する部分に、それぞれ逃げ凹部20、20を設ける。これにより、運転時、上記各玉14の転走面に付着したグリース等の潤滑剤のうちで上記転走面に付着したものが、上記各ポケット17aの内面及び開口周縁部に掻き取られる事を防止する。これと共に、上記各逃げ凹部20、20内に溜った潤滑剤を上記各転走面に付着させられる様にして、上記課題を解決する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係る多点接触型玉軸受は、例えば自動車用補機であるエアコンディショナ用コンプレッサの回転軸の端部に組み付ける電磁クラッチ内蔵型プーリ装置等、各種機械装置の回転支持部分に組み込んで、この回転支持部分に加わるラジアル荷重、スラスト荷重、及びモーメント荷重を支承する為に利用する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用補機の回転軸をエンジンのクランクシャフトにより回転駆動する事が、従来から行なわれている。特に、自動車用補機がエアコンディショナ用コンプレッサである場合には、このエアコンディショナの運転時にのみ回転軸を回転駆動できる様にする為、この回転軸の端部に電磁クラッチ内蔵型プーリ装置を組み付ける事が行なわれている。図4は、この様な電磁クラッチ内蔵型プーリ装置を組み付けた、エアコンディショナ用コンプレッサの回転軸の端部の周辺構造を示している。
【0003】
回転軸1は、図示しない転がり軸受により、ケーシング2の内側に回転自在に支持している。又、この回転軸1の端部に磁性材製の環状板3を、板ばね4を介して支持固定している。又、上記ケーシング2の外面に突設した支持筒部5の周囲に、断面コ字形で全体を円環状に構成した従動プーリ6を、複列玉軸受7により回転自在に支持している。又、上記従動プーリ6の内側空間にソレノイド8を配置した状態で、このソレノイド8を上記ケーシング2の外面に固定している。
【0004】
エンジンへの組み付け状態では、上記従動プーリ6の外周面に無端ベルト9を掛け渡し、この従動プーリ6をエンジンのクランクシャフトにより回転駆動する。そして、エアコンディショナを運転しない場合には、上記ソレノイド8を非通電状態として、図4に示す様に、上記環状板3を上記従動プーリ6の側面から離隔させておく。これに対して、エアコンディショナを運転する場合には、上記ソレノイド8を通電状態として、このソレノイド8の磁気吸引力により上記環状板3を、上記従動プーリ6の側面に吸着させる。これにより、この従動プーリ6から、上記環状板3及び板ばね4を介して、上記回転軸1に回転力を伝達自在とする。
【0005】
上述した様な構造の場合には、上記従動プーリ6を支持するのに複列玉軸受7を使用している為、軸方向寸法が嵩む。これに対して、上記従動プーリ6を単列深溝型玉軸受により支持すれば、軸方向寸法を短縮できて、小型・軽量化を図れる。ところが、上記従動プーリ6を支持する為の軸受には、この従動プーリ6に掛け渡した無端ベルト9の張力に基づき、大きなモーメント荷重が加わる。この様なモーメント荷重は、上記無端ベルト9により加わるラジアル荷重の作用中心(一般的にはこの無端ベルト9の幅方向中央位置)Xと、上記軸受の中心Y(図4参照)とが一致しない限り発生する。
【0006】
従って、上述の様な単列深溝型玉軸受として、モーメント荷重に対する剛性が低い一般的なもの、即ち、複数の玉の転動面がそれぞれ、外輪軌道及び内輪軌道に対して1点ずつで接触するものを使用すると、モーメント荷重が加わった場合に、外輪と内輪との中心軸同士が傾き易くなる。そして、傾いた場合には、上記従動プーリ6に掛け渡した無端ベルト9が偏摩耗し、この無端ベルト9の寿命が低下する為、好ましくない。
【0007】
この様な事情に鑑みて従来から、電磁クラッチ内蔵型プーリ装置を構成する従動プーリを支持する為の軸受として、本発明の対象となる多点接触型玉軸受の一種である、図5〜9に示す様な、4点接触型玉軸受を使用する事が考えられている(例えば、特許文献1参照)。この4点接触型玉軸受は、内周面に深溝型の外輪軌道10を有する外輪11と、外周面に深溝型の内輪軌道12を有する内輪13と、これら外輪軌道10と内輪軌道12との間に転動自在に設けられた複数の玉14、14とを備える。これら各玉14、14は、保持器15により転動自在に保持している。又、上記外輪軌道10及び内輪軌道12の断面形状を、それぞれ上記各玉14、14の転動面の曲率半径よりも大きな曲率半径を有する1対の円弧を幅方向中央部で交差させた、所謂ゴシックアーチ状としている。これにより、上記各玉14、14の転動面と、上記外輪軌道10及び内輪軌道12とが、それぞれ2点ずつ(合計4点)で接触する様にしている。
【0008】
又、図示の例では、上記保持器15として、図6〜9に詳示する様な、所謂冠型保持器と呼ばれるものを使用している。この保持器15は、円環状の主部16と、この主部16の軸方向片面(図6〜9の左面)に等間隔に設けられた複数のポケット17、17とを備える。これら各ポケット17、17は、互いに間隔をあけて配置した1対ずつの弾性片18、18と、上記主部16の軸方向片面でこれら1対ずつの弾性片18、18の間部分に設けた凹面部19とから構成している。そして、上記各ポケット17、17に上記各玉14、14を1個ずつ、転動自在に保持自在としている。この様に構成する各ポケット17、17の内面は、その全体を球状凹面としており、この球状凹面の曲率半径は、上記玉6、6の転動面の曲率半径よりも僅かに大きくしている。この様な保持器15は、合成樹脂を射出成形する事により、一体に形成している。又、上記各玉14、14は、上記各ポケット17、17を構成する1対ずつの弾性片18、18の先端部同士の間隔を弾性的に押し広げつつ、これら1対の弾性片18、18の間に押し込む。
そして、押し込んだ状態で、図8〜9に示す様に、上記各玉14、14を上記各ポケット17、17内に転動自在に保持する。
【0009】
上述の様な4点接触型玉軸受は、一般的な(複数の玉の転動面がそれぞれ、外輪軌道及び内輪軌道に対して1点ずつで接触する)単列深溝型玉軸受に比べてモーメント荷重に対する剛性が大きく、モーメント荷重を受けた場合でも、上記外輪11と上記内輪13との中心軸同士が傾きにくい。従って、この様な4点接触型玉軸受により従動プーリを支持すれば、この従動プーリに掛け渡した無端ベルトが偏摩耗するのを有効に防止できる。
【0010】
又、図10は、やはり本発明の対象となる多点接触型玉軸受である、3点接触型玉軸受を示している。この3点接触型玉軸受は、外輪軌道10aと内輪軌道12とのうちの一方の軌道(図示の例では、内輪軌道12)の断面形状のみをゴシックアーチ状とし、他方の軌道(図示の例では、外輪軌道10a)の断面形状を単一円弧状としている。これにより、複数の玉14の転動面が、一方の軌道(内輪軌道12)に対して2点で、他方の軌道(外輪軌道10a)に対して1点で、それぞれ接触(合計3点で接触)する様にしている。この様な3点接触型玉軸受の場合も、一般的な(複数の玉の転動面がそれぞれ、外輪軌道及び内輪軌道に対して1点ずつで接触する)単列深溝型玉軸受に比べてモーメント荷重に対する剛性が大きい。従って、この様な3点接触型玉軸受により従動プーリを支持する場合も、この従動プーリに掛け渡した無端ベルトが偏摩耗するのを有効に防止できる。
尚、本発明に関連するその他の先行技術文献としては、以下の特許文献2がある。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−336795号公報
【特許文献2】
特開2001−271841号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述した様な4点接触型又は3点接触型の玉軸受は、何れも単列玉軸受である為、前述した複列玉軸受7の場合に比べて、上記各玉14、14の負荷荷重が大きくなる。この為、これら各玉14、14の転動面と上記外輪、内輪各軌道10、10a、12との転がり接触部に作用する面圧も大きくなる。従って、これら各転がり接触部で焼き付き等の不具合が生じるのを防止する為に、これら各転がり接触部の潤滑状態を良好に保持する必要がある。又、この様に各転がり接触部の潤滑状態を良好に保持する為には、運転時に、これら各転がり接触部にグリース等の潤滑剤を効率良く供給できる様にする必要がある。
【0013】
ところが、上述した4点接触型又は3点接触型の玉軸受の場合、純ラジアル荷重又はこれに近い条件(ラジアル荷重のみが加わっているか、又はその他にスラスト荷重やモーメント荷重が加わっているとしても、その大きさが非常に小さいと言う条件)で運転すると、上記各転がり接触部に潤滑剤を効率良く供給するのが難しくなる。この理由は、次の2つである。先ず、第一の理由は、純ラジアル荷重又はこれに近い条件で運転すると、上記各玉14、14のスピン運動が殆ど起こらなくなり、結果として、軸受内部での潤滑剤の循環が効率良く行なわれなくなる為である。第二の理由は、運転時に、上記各玉14、14の転動面に付着した潤滑剤が、前記保持器15を構成する各ポケット17、17の内面及び開口周縁部に掻き取られ易くなる為である。
【0014】
何れにしても、上記各玉14、14の転動面と上記外輪、内輪各軌道10、10a、12との転がり接触部に潤滑剤を効率良く供給できなくなると、これら各転がり接触部の潤滑状態を良好に保持できなくなり、結果として、これら各転がり接触部で焼き付き等の不具合を生じる。従って、この様な不具合が生じるのを防止すべく、純ラジアル荷重又はこれに近い条件で運転する場合でも、上記各転がり接触部に潤滑剤を効率良く供給できる構造を実現する事が望まれる。
本発明の多点接触型玉軸受は、この様な事情に鑑みて発明したものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の多点接触型玉軸受は、外輪と、内輪と、保持器と、複数の玉とを備える。
このうちの外輪の内周面には深溝型の外輪軌道を、内輪の外周面には深溝型の内輪軌道を、それぞれ形成している。
又、上記保持器は、全体を円環状に形成すると共に、円周方向複数個所にポケットを設けて成る。そして、上記外輪の内周面と上記内輪の外周面との間に、これら外輪及び内輪に対する相対回転を自在に配置している。
又、上記各玉は、上記各ポケット内にそれぞれ転動自在に保持した状態で、上記外輪軌道と上記内輪軌道との間に配置している。
そして、上記各玉の転動面と、上記外輪軌道と上記内輪軌道とのうちの少なくとも一方(4点接触型玉軸受の場合には双方、3点接触型玉軸受の場合には何れか一方のみ)の軌道とが、これら各玉毎に2点ずつで接触する。
特に、本発明の多点接触型玉軸受に於いては、上記各ポケットの内面に、これら各内面と上記各玉の転走面(これら各玉の転動面のうち、上記外輪、内輪各軌道と転がり接触する部分)とが接触するのを防止する為の逃げ凹部を設けている。
【0016】
【作用】
上述の様に構成する本発明の多点接触型玉軸受の場合には、純ラジアル荷重又はこれに近い条件で運転する場合でも、保持器を構成する各ポケットの内面に設けた逃げ凹部の存在に基づき、これら各ポケット内に保持した玉の転走面に付着したグリース等の潤滑剤が、これら各ポケットの内面及び開口周縁部に掻き取られる事を防止できる。これと共に、上記逃げ凹部が潤滑剤溜りとなる為、この逃げ凹部に溜った潤滑剤を、この逃げ凹部の内側を通過する上記転走面に付着させる事ができる。従って、上記各玉の転走面と上記外輪、内輪各軌道との転がり接触部に効率良く潤滑剤を供給する事ができ、これら各転がり接触部の潤滑状態を良好に保持する事ができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、請求項1〜2に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。尚、本例は、4点接触型玉軸受に関するもので、その特徴は、保持器15aを構成する各ポケット17aの内面の形状を工夫した点にある。この保持器15aの全体的な基本構造、並びに、この保持器15aを組み込んだ4点接触型玉軸受の基本構造は、前述の図5〜9に示した従来構造と同様である。この為、同等部分には同一符号を付すと共に、重複する図示並びに説明は省略若しくは簡略にし、以下、本例の特徴部分を中心に説明する。
【0018】
本例を示す図1に於いて、角度αは、4点接触型玉軸受の接触角を示している。本例の場合には、この接触角αを、15〜30度の範囲内で決定される所定値としている。又、鎖線βは、4点接触型玉軸受を純ラジアル荷重又はこれに近い条件で運転した場合の、玉14の自転軸を示している。又、鎖線δは、玉14の中心でこの自転軸と直交する仮想平面を表している。この玉14の転動面でこの仮想平面上に位置する部分が、所謂玉14の赤道である。更に、1対の破線γ、γはそれぞれ、4点接触型玉軸受を純ラジアル荷重又はこれに近い条件で運転した場合の、上記玉14の転走面{この玉14の転動面のうち、外輪、内輪各軌道10、12(図5参照)と転がり接触する部分}の位置を示すもので、上記自転軸βを中心とする上記玉14の転動面上の緯線を示している。但し、実際の転走面は、これら各緯線γ、γよりも幅の広い帯状の面であり、その幅寸法は、上記玉14の転動面と上記外輪、内輪各軌道10、12との転がり接触部に存在する接触楕円の直径に等しくなる。
【0019】
本例の場合、上記保持器15aを構成する各ポケット17aの内面は、次述する逃げ凹部20、20を設ける部分を除き、全体的に上記玉14の転動面の曲率半径よりも僅かに大きい曲率半径を有する球状凹面としている。そして、本例の場合には、上記各ポケット17aの内面の一部で、これら各ポケット17a内に保持した玉14の1対の転走面(上記各緯線γ、γによりその位置を示した部分)と対向する部分に、それぞれ断面半円弧形の逃げ凹部20、20を、それぞれの両端部が上記保持器15aの内外両周面に達する状態で設けている。これにより、これら各逃げ凹部20、20を設けた部分で、上記各ポケット17aの内面が、上記玉14の各転走面に接触するのを防止している。尚、上記各逃げ凹部20、20の中心は、上記各緯線γ、γに一致させ、その開口部の幅は、上記接触楕円の直径よりも大きくしている。
【0020】
上述の様に構成する本例の多点接触型玉軸受の場合には、純ラジアル荷重又はこれに近い条件で運転する場合でも、保持器15aを構成する各ポケット17aの内面に設けた逃げ凹部20、20の存在に基づき、これら各ポケット17a内に保持した玉14の転走面に付着したグリース等の潤滑剤が、これら各ポケット17aの内面及び開口周縁部に掻き取られる事を防止できる。又、上記各逃げ凹部20、20が潤滑剤溜りとして機能する為、これら各逃げ凹部20、20に溜った潤滑剤を、これら各逃げ凹部20、20を通過する上記転走面に付着させる事ができる。従って、上記各玉14の転走面と上記外輪、内輪各軌道10、12との転がり接触部に効率良く潤滑剤を供給する事ができ、これら各転がり接触部の潤滑状態を良好に保持する事ができる。
【0021】
しかも、本例の場合には、上記各ポケット17aの内面のうち上記各逃げ凹部20、20以外の部分を、上記玉14の転動面よりも僅かに大きい曲率半径を有する球状凹面としている。この為、上記玉14の転動面に対する案内面となる、この球状凹面の面積を広くする事ができ、且つ、これら転動面と球状凹面との間隔を十分に狭くする事ができる。従って、上記保持器15aと上記各ポケット17a内に保持した玉14との相対変位量を少なくして、この相対変位に伴う保持器音の発生を抑える事ができる。
【0022】
次に、図2は、請求項1、3に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例も、4点接触型玉軸受に就いての実施の形態である。本例の場合、保持器15bを構成する各ポケット17bの内面のうち、この保持器15bの円周方向(図2の左右方向)に関する両側部分にそれぞれ、上記各ポケット17b内に保持した各玉14の転動面の赤道部分(図2の鎖線δ上の部分)のみと接触自在な中央突出部21を有する、凹部22を形成している。即ち、この様な凹部22は、上記保持器15bの軸方向に関する両側部分をそれぞれ、その曲率半径R23が上記玉14の転動面の曲率半径R14よりも小さく(R23<R14)、且つ、その曲率中心O23が上記ポケット17bの中心O17b よりも上記凹部22側に寄った、球状凹面部23、23としている。これと共に、上記ポケット17bの内面の一部で、上記保持器15bの軸方向に関する中央部分を、上記各球状凹面部23、23よりも上記ポケット17bの中心部側に突出した、表面の断面形状が円弧形の、上記中央突出部21としている。
【0023】
そして、上述の様に、上記各ポケット17bの内面のうち、上記保持器15bの円周方向に関する両側部分にそれぞれ、上述の様な凹部22を形成する事に基づき、この凹部22のうち上記中央突出部21の両側部分(上記各球状凹面部23、23に対応する部分)にそれぞれ、上記各ポケット17bの内面と上記各玉14の1対の転走面(各緯線γ、γによりその位置を示した部分)とが接触するのを防止する為の、逃げ凹部20a、20aを設けている。又、本例の場合、上記各ポケット17bのうち、主部16の軸方向片側面(図2の上側面)に対応する部分である凹面部19(曲率半径R19、曲率中心O19)の両端縁と、上記各凹部22、22の端縁との連続部を、それぞれ滑らかに連続させている。この様な構成を有する本例の場合、上記各玉17の転動面は、上記各ポケット17bの内面に対し、各弾性片18、18の先端側部分(2個所)と、上記各中央突出部21、21の先端面(2個所)と、上記凹面部19の中央部分(1個所)との、合計5個所で案内される。
【0024】
上述の様に構成する本例の場合も、上述した第1例の場合と同様、純ラジアル荷重又はこれに近い条件で運転する場合でも、上記各ポケット17bの内面に設けた各逃げ凹部20a、20aの存在に基づき、上記各玉14の転走面と外輪、内輪各軌道10、12(図5参照)との転がり接触部に効率良く潤滑剤を供給する事ができる。この為、これら各転がり接触部の潤滑状態を良好に保持する事ができる。しかも、本例の場合には、上記各玉14の転動面に対する上記各ポケット17bの案内面を、上述した5個所に限定した事に基づき、これら各玉14の転動面と上記各ポケット17bの内面との間の隙間を多くする事ができる。この為、この隙間内に多くの潤滑剤を保持して、上記各玉14の転動面と相手面との転がり接触部の潤滑状態を、より良好に保持する事ができる。
【0025】
次に、図3は、請求項1、4に対応する、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例は、4点接触型若しくは3点接触型の玉軸受に就いての実施の形態である。本例の場合には、保持器15cを構成する各ポケット17cの内面のうち、この保持器15cの円周方向(図3の左右方向)に関する両側部分に、それぞれ逃げ凹部である円周側凹部24、24を、同じく上記保持器15cの軸方向片側面(図2の上側面)に対応する部分に軸側凹部25を、それぞれ設けている。そして、これら円周側、軸側各凹部24、25の曲率半径R24、R25の大きさ並びに曲率中心O24、O25の位置を規制する事により、これら円周側、軸側各凹部24、25の内面が、それぞれ上記各ポケット17c内に保持した各玉14の転動面に接触しない様にしている。
【0026】
特に、本例の場合には、上記各円周側凹部24、24の内面をそれぞれ、上記各玉14の1対若しくは3個所の転走面(各緯線γ、γによりその位置を示した部分、更には鎖線δに一致する赤道部分)に対向させている。これにより、上記各円周側凹部24、24の内面が上記各転走面に接触するのを防止している。この様な構成を有する本例の場合、上記各玉14の転動面は、上記各ポケット17cの内面に対し、上記各円周側凹部24、24と上記軸側凹部25との連続部26、26(2個所)と、各弾性片18、18の先端側部分(2個所)との、合計4個所で案内される。
【0027】
上述の様に構成する本例の場合も、前述した第1例の場合と同様、純ラジアル荷重又はこれに近い条件で運転する場合でも、上記各ポケット17cの内面に設けた各円周側凹部24、24の存在に基づき、上記各玉14の転走面と外輪、内輪各軌道10、12(図5参照)との転がり接触部に効率良く潤滑剤を供給する事ができる。この為、これら各転がり接触部の潤滑状態を良好に保持する事ができる。しかも、本例の場合も、上記各玉14の転動面に対する上記各ポケット17cの案内面を、上述した4個所に限定した事に基づき、これら各玉14の転動面と上記各ポケット17cの内面との間の隙間を多くする事ができる。この為、この隙間内に多くの潤滑剤を保持して、上記各玉14の転動面と相手面との転がり接触部の潤滑状態を、より良好に保持する事ができる。
【0028】
尚、前記特許文献2には、上述した第3例の保持器17cと同様の構造を有する保持器と、この保持器を組み付けた玉軸受とが記載されている。
しかし、この特許文献2に記載された保持器及び玉軸受は、ポケット内での玉の姿勢安定化に基づく微小振動の低減と、これらポケット内面と玉の転動面との低摩擦化に基づく回転抵抗の低減とを図る為に発明されたものであり、上述した第3例の場合とは「解決しようとする課題」が異なる。この様な相違がある為、当然に、上記特許文献2には、本発明が解決しようとする様な、多点接触型玉軸受に特有の課題を指摘する記載が存在しないのは勿論の事、上記玉軸受として多点接触型玉軸受を採用する事ができる旨の記載すら存在しない。
従って、上述した第3例の多点接触型玉軸受は、上述の様な特許文献2に記載された発明を利用するものではあるが、この特許文献2に記載された発明は、上述した第3例の多点接触型玉軸受を発明する上での拠り所となるものではない。
【0029】
【発明の効果】
本発明の多点接触型玉軸受は、以上に述べた様に構成され作用する為、純ラジアル荷重又はこれに近い条件で運転する場合でも、外輪、内輪各軌道と各玉の転動面との転がり接触部に効率良く潤滑剤を供給する事ができ、これら各転がり接触部の潤滑状態を良好に保持する事ができる。この結果、これら各転がり接触部で焼き付き等の不具合が生じる事を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す、図9と同様の図。
【図2】同第2例を示す、図9と同様の図。
【図3】同第3例を示す、図9と同様の図。
【図4】エアコンディショナ用コンプレッサの回転軸の端部に組み付けた電磁クラッチ内蔵型プーリ装置の回転支持部の断面図。
【図5】4点接触型玉軸受の半部断面図。
【図6】従来の冠型保持器の斜視図。
【図7】図6のA−A断面図。
【図8】玉を保持した状態で示す、図7のB−B断面図。
【図9】運転時に於ける玉とポケット内面との接触状態を示す、図8のC矢視図。
【図10】3点接触型玉軸受の半部断面図。
【符号の説明】
1 回転軸
2 ケーシング
3 環状板
4 板ばね
5 支持筒部
6 従動プーリ
7 複列玉軸受
8 ソレノイド
9 無端ベルト
10、10a 外輪軌道
11 外輪
12 内輪軌道
13 内輪
14 玉
15、15a、15b、15c 保持器
16 主部
17、17a、17b、17c ポケット
18 弾性片
19 凹面部
20、20a 逃げ凹部
21 中央突出部
22 凹部
23 球状凹面部
24 円周側凹部
25 軸側凹部
26 連続部

Claims (4)

  1. 内周面に深溝型の外輪軌道を形成した外輪と、外周面に深溝型の内輪軌道を形成した内輪と、全体を円環状に形成すると共に円周方向複数個所にポケットを設けて成り、上記外輪の内周面と上記内輪の外周面との間にこれら外輪及び内輪に対する相対回転を自在に配置した保持器と、上記各ポケット内にそれぞれ転動自在に保持した状態で、上記外輪軌道と上記内輪軌道との間に配置した複数の玉とを備え、これら各玉の転動面と、上記外輪軌道と上記内輪軌道とのうちの少なくとも一方の軌道とが、これら各玉毎に2点ずつで接触する多点接触型玉軸受に於いて、上記各ポケットの内面に、これら各内面と上記各玉の転走面とが接触するのを防止する為の逃げ凹部を設けた事を特徴とする多点接触型玉軸受。
  2. 多点接触型玉軸受が、各玉の転動面と外輪軌道及び内輪軌道との双方の軌道とが、それぞれこれら各玉毎に2点ずつで接触する4点接触型であり、逃げ凹部は、各ポケットの内面のうち上記各玉の各転走面と対向する部分毎に、保持器の軸方向に離隔した状態で、それぞれ別個に設けており、上記各ポケットの内面は、上記逃げ凹部を設けた部分を除き、上記各玉の転動面よりも僅かに大きい曲率半径を有する球状凹面としている、請求項1に記載した多点接触型玉軸受。
  3. 多点接触型玉軸受が、各玉の転動面と外輪軌道及び内輪軌道との双方の軌道とが、それぞれこれら各玉毎に2点ずつで接触する4点接触型であり、逃げ凹部は、各ポケットの内面のうち保持器の円周方向に関する両側部分にそれぞれ、上記各玉の転動面の赤道部分のみと接触自在な中央突出部を有する凹部を形成する事に基づき、これら各凹部のうち上記中央突出部の両側部分に設けている、請求項1に記載した多点接触型玉軸受。
  4. 逃げ凹部は、各ポケットの内面のうち上記保持器の円周方向に関する両側部分にそれぞれ単一に設けられている、請求項1に記載した多点接触型玉軸受。
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