JP2015141150A - 接触角測定方法 - Google Patents
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Abstract
Description
多点接触玉軸受等の接触角を測定する方法はいくつか紹介されている(特許文献1参照)。
軸受すきまを有する、多点接触玉軸受においては、ラジアル方向の荷重を受けた場合のラジアル接触角と、アキシャル方向の荷重を受けた場合のアキシャル接触角とは異なる。
しかし、主としてラジアル荷重を受ける用途において、軸受の寿命等の性能や精度を推定するためには、ラジアル接触角の確認が不可欠である。
本発明の構成によると、軌道輪回転数Nrと、玉の公転回転数Ncが測定され、既知となり、軌道輪回転数Nrと、玉の公転回転数Ncから、外輪が回転する4点接触玉軸受の一つのラジアル接触角、すなわちラジアル接触角の代表値αの算出が可能である。ここで、ラジアル接触角の代表値αは、α=arccos{(2k−1)・Dm/Bd}なる計算式で算出でき、外輪が回転する4点接触玉軸受の実用上有効なラジアル接触角として、性能や、品質を判断することが可能である。
前記代表値αを、k=Nc/Nrとして、α=arccos{k/(1−Bd/Dm−k)}なる計算式によって算出することである。
この発明の第1の実施形態の接触角測定方法を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の接触角測定方法に係わる被測定玉軸受1の断面図である。被測定玉軸受1は、外輪10と、外輪10と一対の軌道輪として、外輪10と同心に配置された2個の内輪20,21を有している。外輪10は内周に2列の外輪軌道11、12が形成され、内輪20、21は外周にそれぞれ1列の内輪軌道22、23が形成されている。被測定玉軸受1は、4点接触玉軸受と称される形式で、外輪軌道11、12と内輪軌道22、23に接して、1列に配置された複数の、直径Bdの玉30と、1列の複数の玉30を所定の間隔に保持する保持器40とを有している。
主軸120の軸線方向一方側の外周には被測定玉軸受1を取付ける軸受嵌合部122が形成され、支持部121をはさみ、他方側端部にはプーリ123が固定されている。軸受嵌合部122の端部側には、被測定玉軸受1の内輪20、21を締付けるための、ねじ部124が形成されている。
コラム112のモータ側(図2中左側)には、主軸120の回転要素161に半径方向に対峙して、軌道輪回転数検出手段160を構成する回転数検出センサ162が固定されている。回転数検出センサ162は、主軸120の回転数Nrを、演算装置180に伝達する第1ワイヤ163を有している。
負荷輪141の外周の円周上一箇所には負荷ねじ穴143が形成されている。負荷輪141の一方側側面は半径方向に縮径するフランジ144が形成され、他方側側面には側板固定用の複数のねじ穴145が軸線方向に設けられている。側板142は円環状で、円周上、負荷輪141の複数のねじ穴145に対峙して、複数の軸線方向の貫通穴147を有している。
諸元入力部181は、被測定玉軸受1の形式、玉30の直径Bd、玉30のピッチ円の直径Dmの入力手段を有している。
被測定玉軸受1の形式が、4点接触玉軸受のとき、代表値αを、k=Nc/Nrとして、α=arccos{(1−2k)・Dm/Bd}なる計算式で算出する。
被測定玉軸受1の形式が、内輪が2列の軌道を有し、外輪が1列の軌道を有する3点接触玉軸受のとき、代表値αを、k=Nc/Nrとして、α=arccos{(1−k)/(k+Bd/Dm)}なる計算式で算出する。
被測定玉軸受1の形式が、内輪が1列の軌道を有し、外輪が2列の軌道を有する3点接触玉軸受のとき、代表値αを、k=Nc/Nrとして、α=arccos{k/(1−Bd/Dm−k)}なる計算式によって算出する。
つぎに、負荷ボルト156を、取付部151の上部平面部153の貫通穴154に挿通させ、外輪保持手段140の負荷ねじ部143に螺合させることにより、被測定玉軸受1に所定のラジアル方向に負荷をあたえ、軸受すきまを垂直方向下方に集中させる。
ここで、演算装置180の諸元入力部181の各入力手段より、被測定玉軸受1の形式、玉30の直径Bd、玉30のピッチ円の直径Dmを入力する。この状態で、駆動モータ131を起動し、測定を開始する。
この代表値αと所定のラジアル接触角α0との差を確認することにより、被測定玉軸受1の性能や、品質を判断することが可能である。
この発明の第2の実施形態の接触角測定方法を図面を参照して説明する。
図3は本発明の第2の実施形態の接触角測定方法に係わる測定装置の側面図である。
第2の実施形態の接触角測定方法では、被測定玉軸受1は第1の実施形態の接触角測定方法と共通で、測定装置200が第1の実施形態の接触角測定方法の測定装置100と異なる。
第2の実施形態の接触角測定方法では、第1の実施形態の接触角測定方法と共通の形状、構成、作用効果については説明を省略することにし、第1の実施形態の接触角測定方法と異なる構成、作用効果についてのみ説明を行う
保持輪241の外周の軸線方向中央には、全円周にベルト溝243が形成されている。
諸元入力部281は、被測定玉軸受1の形式、玉30の直径Bd、玉30のピッチ円の直径Dmの入力手段を有している。
被測定玉軸受1の形式が、4点接触玉軸受のとき、代表値αを、k=Nc/Nrとして、α=arccos{(2k−1)・Dm/Bd}なる計算式で算出する。
被測定玉軸受1の形式が、内輪が2列の軌道を有し、外輪が1列の軌道を有する3点接触玉軸受のとき、代表値αを、k=Nc/Nrとして、α=arccos{k/(1+Bd/Dm−k)}なる計算式で算出する。
被測定玉軸受1の形式が、内輪が1列の軌道を有し、外輪が2列の軌道を有する3点接触玉軸受のとき、代表値αを、k=Nc/Nrとして、α=arccos{(1−k)/(1−Bd/Dm)}なる計算式によって算出する。
次に、負荷ボルト252を、ラジアル負荷手段250の水平部251に形成された貫通穴253に挿通させ、主軸220の負荷板227に形成された負荷ねじ穴228に螺合させることにより、被測定玉軸受1に所定のラジアル方向に負荷をあたえ、軸受すきまを垂直方向下方に集中させる。
ここで、演算装置280の諸元入力部281の各入力手段より、被測定玉軸受1の形式、玉30の直径Bd、玉30のピッチ円の直径Dmを入力する。この状態で、駆動モータ231を起動し、測定を開始する。
この代表値αと所定のラジアル接触角α0との差を確認することにより、被測定玉軸受1の性能や、品質を判断することが可能である。
10,310,410,411 ‥ 外輪(軌道輪)
20,21,320,321,420 ‥ 内輪(軌道輪)
30,330,430 ‥ 玉
40,340,440 ‥ 保持器
100,200 ‥ 接触角測定装置
α ‥ 接触角の代表値
Nc ‥ 玉の公転回転数
Nr ‥ 軌道輪の回転数
Dm ‥ ピッチ円直径(直径)
Bd ‥ 玉の直径(直径)
Claims (7)
- 同心に配置された一対の軌道輪と、前記一対の軌道輪の間の直径Dmのピッチ円上に転動自在に配置された複数の直径Bdの玉と、前記複数の玉を所定の間隔に保持する保持器とからなり、軸受すきまを有する玉軸受の、一方の軌道輪を回転させ、他方の軌道輪を固定して、前記玉軸受のラジアル接触角を測定する接触角測定方法であって、
前記玉軸受に半径方向の負荷を与え、一方の軌道輪を回転させ、一方の軌道輪の回転数Nrを検出し、前記複数の玉の公転回転数Ncを測定し、
前記軌道輪の回転数Nrと、前記玉の公転回転数Ncを用いた計算式で、前記玉軸受のラジアル接触角の代表値αを、算出することを特徴とする接触角測定方法。 - 前記玉軸受は、前記一方の軌道輪が外輪で、前記他方の軌道輪が内輪である4点接触玉軸受であって、
前記代表値αを、k=Nc/Nrとして、α=arccos{(2k−1)・Dm/Bd}なる計算式によって算出することを特徴とする請求項1に記載の接触角測定方法。 - 前記玉軸受は、前記一方の軌道輪が内輪で、前記他方の軌道輪が外輪である4点接触玉軸受であって、
前記代表値αを、k=Nc/Nrとして、α=arccos{(1−2k)・Dm/Bd}なる計算式によって算出することを特徴とする請求項1に記載の接触角測定方法。 - 前記玉軸受は、前記一方の軌道輪が1列の軌道を有する外輪で、前記他方の軌道輪が2列の軌道を有する内輪である、3点接触玉軸受であって、
前記代表値αを、k=Nc/Nrとして、α=arccos{k/(1+Bd/Dm−k)}なる計算式によって算出することを特徴とする請求項1に記載の接触角測定方法。 - 前記玉軸受は、前記一方の軌道輪が2列の軌道を有する内輪で、前記他方の軌道輪が1列の軌道を有する外輪である、3点接触玉軸受であって、
前記代表値αを、k=Nc/Nrとして、α=arccos{(1−k)/(k+Bd/Dm)}なる計算式によって算出することを特徴とする請求項1に記載の接触角測定方法。 - 前記玉軸受は、前記一方の軌道輪が2列の軌道を有する外輪で、前記他方の軌道輪が1列の軌道を有する内輪である、3点接触玉軸受であって、
前記代表値αを、k=Nc/Nrとして、α=arccos{(1−k)/(1−Bd/Dm)}なる計算式によって算出することを特徴とする請求項1に記載の接触角測定方法。 - 前記玉軸受は、前記一方の軌道輪が1列の軌道を有する内輪で、前記他方の軌道輪が2列の軌道を有する外輪である、3点接触玉軸受であって、
前記代表値αを、k=Nc/Nrとして、α=arccos{k/(1−Bd/Dm−k)}なる計算式によって算出することを特徴とする請求項1に記載の接触角測定方法。
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