JP2004263646A - 車両のロックアップクラッチ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロックアップクラッチ制御手段114によるロックアップクラッチ26の係合状態の切換えが実行されるための予め設定されたロックアップ作動点が、燃料供給設定量変更手段108によるエンジン回転速度NEに対する燃料供給量の関係の変更に応じてロックアップ作動点変更手段118によって変更されるので、そのエンジン回転速度NEに対する燃料供給量の関係の変更とそのロックアップ作動点の変更によるロックアップクラッチ26の係合状態の切換えのタイミングが整合されてエンジン10への燃料供給の抑制時間がより長くなって燃費が向上するとともにドライバビリティーが向上する。
【選択図】 図11
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の減速走行中にエンジン回転速度が予め設定されたエンジン回転速度に基づく燃料低減領域にあるときにエンジンへの燃料供給を抑制する燃料供給量抑制手段を備えた車両の制御装置に関し、特に、その燃料供給量抑制手段によるエンジンへの燃料供給の抑制作動をより多く実行させるためにロックアップクラッチの係合力を増加させる方向への係合状態の切換えが実行されるようにした車両において、上記燃料低減領域が変更される場合にさらに燃費を向上させるためのロックアップクラッチ制御の技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両の減速走行中に燃費を向上させる目的でエンジンへの燃料供給量の抑制たとえばフューエルカットを行う燃料供給量抑制装置が備えられた車両が知られている。たとえば、特許文献1に示すように減速走行中にエンジンへのフューエルカットを行う領域が所定のエンジン回転速度たとえばフューエルカット開始回転速度とフューエルカット復帰回転速度(フューエルカット停止のための燃料供給復帰判定回転速度)で設定されており、アクセルオフとなったときに燃費向上のためにエンジン回転速度がフューエルカット復帰回転速度以上となる期間を長くするために、またエンジン回転速度がそのフューエルカット開始回転速度以下である場合にはエンジンへのフューエルカットが実行される領域へすなわちエンジン回転速度がフューエルカット開始回転速度以上の領域へ上昇されるように、積極的にロックアップクラッチの係合力を増加させる方向への係合状態の切換えが実行されるようにした技術が提案されている。また、エンジンがその再起動に際して安定した滑らかな回転速度に維持されるには、アイドル回転速度に対して燃料供給の再開時のエンジン回転速度にある程度の余裕が必要であることから、上記フューエルカット復帰回転速度は、その余裕分を持つように設定されているので、たとえば特許文献2に示すように、回転駆動装置たとえば電動機によって再始動時のエンジンの回転駆動を補助できる場合には上記フューエルカット領域がより低回転速度側に変更されて燃費を向上させるようにした技術が提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−257484号公報
【特許文献2】
特開2001−82204号公報
【特許文献3】
特開昭63−203439号公報
【特許文献4】
特開2001−99308号公報
【特許文献5】
特開2001−146926号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、燃費向上を目的としてエンジンへのフューエルカットが実行される領域がエンジン回転速度のより低回転速度側に変更されても、予め設定されたロックアップ作動点に基づいて実行されるロックアップクラッチの係合状態によっては、フューエルカットの実行が可能である領域であってもロックアップクラッチの係合力を増加させる方向への係合状態からロックアップオフ状態への切換えが実行されてエンジン回転速度の低下が早められフューエルカット復帰回転速度以下となってエンジンへの燃料供給が再開され、燃費の向上が抑制されたり減速ショックによるドライバビリティーが悪化する可能性があった。また、燃費向上を目的としてフューエルカットが実行されるためのフューエルカット領域に替えて減速走行中のアクセル或いはスロットル全閉時にエンジン回転速度に基づいてエンジンへの燃料供給量が低減制御されるように予め設定されている車両がある。このような車両において燃料供給量がさらに低減されるようにその設定が変更されても、上記フューエルカット領域の変更と同様にロックアップクラッチの係合状態によっては燃費の向上が抑制されたり減速ショックによるドライバビリティーが悪化する可能性があった。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、燃料の燃焼により作動するエンジンと、ロックアップクラッチ付流体伝動装置と、車両の減速走行中にアクセル或いはスロットルが全閉と判定されると、エンジン回転速度が予め設定されたエンジン回転速度に基づく燃料低減領域にあるときにそのエンジンへの燃料供給を抑制する燃料供給量抑制手段とを備えた車両の制御装置において、特に、燃費向上を目的として燃料供給量抑制期間を拡大するためにその燃料低減領域を変更するようにした場合、その変更された燃料低減領域に応じてロックアップクラッチの係合状態の切換えが実行されてより燃費が向上するとともにドライバビリティーが向上する車両のロックアップクラッチ制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) 燃料の燃焼により作動するエンジンと、ロックアップクラッチ付流体伝動装置とを備えた車両のロックアップクラッチ制御装置であって、(b) 車両の減速走行中にアクセル或いはスロットルが全閉と判定されると、予め設定されたエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係に基づいて前記エンジンへの燃料供給を抑制する燃料供給量抑制手段と、(c) そのエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係を変更する燃料供給設定量変更手段と、(d) 予め設定されたロックアップ作動点に基づいて前記ロックアップクラッチの係合状態の切換えを実行するロックアップクラッチ制御手段と、(e) 前記燃料供給設定量変更手段による前記エンジン回転速度に対する燃料供給量の関係の変更に応じてアクセル或いはスロットルが全閉と判定されるときの前記ロックアップ作動点を変更するロックアップ作動点変更手段とを、含むことにある。
【0007】
【発明の効果】
このようにすれば、車両の減速走行中にアクセル或いはスロットルが全閉と判定されたときに、燃料供給量抑制手段によるエンジンへの燃料供給の抑制が実行されるための予め設定されたエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係が燃料供給設定量変更手段によって変更されると、ロックアップクラッチ制御手段によるロックアップクラッチの係合状態の切換えが実行されるための予め設定されたロックアップ作動点が、そのエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係の変更に応じてロックアップ作動点変更手段によって変更されるので、そのエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係の変更とそのロックアップ作動点の変更によるロックアップクラッチの係合状態の切換えのタイミングが整合されて、たとえばより低車速でロックアップクラッチが係合力を増加させる方向への係合状態の切換えが実行されるので、減速ショックが低減されてドライバビリティーが向上する。また、たとえばそのエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係がエンジン回転速度が低回転速度側に変更されるとその変更に応じてロックアップ作動点も低車速側すなわち減速中の車速に応じた低回転速側に変更されるので、エンジンへの燃料供給の抑制時間がより長くなって燃費が向上する。
【0008】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、(a) 前記エンジン回転速度に対する燃料供給量の関係は、そのエンジン回転速度が予め定められた復帰回転速度より高いときに前記燃料供給量抑制手段によって前記エンジンへの燃料供給を停止させるためのフューエルカット領域を含むものであり、(b) 前記ロックアップ作動点変更手段は、前記燃料供給設定量変更手段によるそのフューエルカット領域の変更に応じてアクセル或いはスロットルが全閉と判定されるときの前記ロックアップ作動点を変更するものである。このようにすれば、燃料供給量抑制手段にエンジンへの燃料供給を停止させるためのフューエルカット領域が燃料供給設定量変更手段によって変更されると、ロックアップクラッチ制御手段によってロックアップクラッチの係合状態の切換えが実行されるための予め設定されたロックアップ作動点が、そのフューエルカット領域の変更に応じてロックアップ作動点変更手段によって変更されるので、そのフューエルカット領域の変更とそのロックアップ作動点の変更によるロックアップクラッチの係合状態の切換えのタイミングが整合されてドライバビリティーが向上する。また、たとえばそのフューエルカット領域がエンジン回転速度が低回転速度側に変更されるとその変更に応じてロックアップ作動点も低車速側すなわち減速中の車速に応じた低回転速側に変更されるので、エンジンへの燃料供給の停止時間がより長くなって燃費が向上する。
【0009】
また、好適には、(a) 前記エンジンに作動的に連結される回転駆動装置と、その回転駆動装置を作動させて前記エンジン回転速度を補助する駆動アシスト手段と、その駆動アシスト手段によって前記回転駆動装置が作動されて前記エンジンの回転速度の補助が可能か否かを判定する駆動アシスト可否判定手段とを備え、(b) 前記燃料供給設定量変更手段は、その駆動アシスト可否判定手段による判定結果に応じて前記フューエルカット領域を変更するものである。このようにすれば、駆動アシスト可否判定手段によって駆動アシスト手段による回転駆動装置の作動でエンジンの回転速度の補助が可能か否かが判定され、燃料供給設定量変更手段によってその判定結果に応じてフューエルカット領域が変更されるので、たとえば回転駆動装置によるエンジン回転速度の補助が可能である場合にはフューエルカット領域がエンジン回転速度が低回転速度側に好適に変更される。
【0010】
また、好適には、前記ロックアップ作動点変更手段は、前記燃料供給設定量変更手段によって前記フューエルカット領域が前記エンジン回転速度の高回転速度側に変更されると、前記ロックアップ作動点を高車速側に変更するものである。このようにすれば、ロックアップクラッチの係合状態の切換えのタイミングが整合されてドライバビリティーが向上する。
【0011】
また、好適には、前記ロックアップクラッチ制御手段は、前記燃料供給量抑制手段による前記エンジンへの燃料供給の停止中に、前記駆動アシスト可否判定手段によって前記駆動アシスト手段による前記エンジン回転速度の補助が可能でないと判定されると、その燃料供給量抑制手段によるそのエンジンへの燃料供給の停止が中止されて燃料供給が再開されるまでは、前記ロックアップクラッチをロックアップオフとしないものである。このようにすれば、エンジンへの燃料供給が再開されるまえにロックアップオフとされてエンジン回転速度が低下してエンジンが再起動されない可能性が解消される。
【0012】
また、好適には、(a) 前記エンジン回転速度に対する燃料供給量の関係は、その燃料供給量抑制手段によって前記エンジンへの燃料供給を低減制御させるための前記エンジン回転速度に対する燃料供給量を予め設定した燃料低減線であり、(b) 前記ロックアップ作動点変更手段は、前記燃料供給設定量変更手段によるその燃料低減線の変更に応じてアクセル或いはスロットルが全閉と判定されるときの前記ロックアップ作動点を変更するものである。このようにすれば、燃料供給量抑制手段によってエンジンへの燃料供給を低減制御させるためのエンジン回転速度に対する燃料供給量を予め設定した燃料低減線が燃料供給設定量変更手段によって変更されると、ロックアップクラッチ制御手段によるロックアップクラッチの係合状態の切換えが実行されるための予め設定されたロックアップ作動点が、その燃料低減線の変更に応じてロックアップ作動点変更手段によって変更されるので、その燃料低減線の変更とそのロックアップ作動点の変更によるロックアップクラッチの係合状態の切換えのタイミングが整合されてドライバビリティーが向上する。また、たとえばその燃料低減線がエンジン回転速度が低回転速度側すなわち燃料供給量が低減される側に変更されるとその変更に応じてロックアップ作動点も低車速側すなわち減速中の車速に応じた低回転速側に変更されるので、エンジンへの燃料供給の低減時間がより長くなって燃費が向上する。
【0013】
また、好適には、(a) 前記エンジンに作動的に連結される回転駆動装置と、その回転駆動装置を作動させて前記エンジン回転速度を補助する駆動アシスト手段と、その駆動アシスト手段によって前記回転駆動装置が作動されて前記エンジンの回転速度の補助が可能か否かを判定する駆動アシスト可否判定手段とを備え、(b) 前記燃料供給設定量変更手段は、その駆動アシスト可否判定手段による判定結果に応じて前記燃料低減線を変更するものである。このようにすれば、駆動アシスト可否判定手段によって駆動アシスト手段による回転駆動装置の作動でエンジンの回転速度の補助が可能か否かが判定され、燃料供給設定量変更手段によってその判定結果に応じて燃料低減線が変更されるので、たとえば回転駆動装置によるエンジン回転速度の補助が可能である場合には燃料低減線がエンジン回転速度が低回転速度側すなわち燃料供給量が低減される側に好適に変更される。
【0014】
また、好適には、前記ロックアップ作動点変更手段は、前記燃料供給設定量変更手段によって前記燃料低減線が前記エンジン回転速度に対する燃料供給量が低減する側に変更されると、前記ロックアップ作動点を低車速側に変更するものである。このようにすれば、エンジンへの燃料供給の低減時間がより長くなって燃費が向上する。
【0015】
また、好適には、前記ロックアップクラッチ制御手段は、前記燃料供給量抑制手段による前記エンジンへの燃料供給の低減制御中に、前記駆動アシスト可否判定手段によって前記駆動アシスト手段による前記エンジン回転速度の補助が可能でないと判定されると、その燃料供給量抑制手段によるそのエンジンへの燃料供給の低減制御が中止されて燃料供給が再開されるまでは、前記ロックアップクラッチをロックアップオフとしないものである。このようにすれば、エンジンへの燃料供給が再開されるまえにロックアップオフとされてエンジン回転速度が低下してエンジンが再起動されない可能性が解消する。
【0016】
また、好適には、(a) 予め設定されたダウンシフト点に基づいて前記自動変速機のダウンシフトを実行する変速制御手段と、そのダウンシフト点を変更するダウンシフト点変更手段とを備え、(b) そのダウンシフト点変更手段は、前記ロックアップ作動点変更手段による前記ロックアップ作動点の変更に応じて前記ダウンシフト点を変更するものである。このようにすれば、ロックアップ作動点変更手段によるロックアップ作動点の変更に応じてダウンシフト点変更手段によって変更されたダウンシフト点に基づいて変速制御手段によって自動変速機のダウンシフトが実行されるので、たとえばロックアップ作動点変更手段によって低車速側すなわちロックアップクラッチの係合力を増加させる方向への係合状態がより長く継続される側へロックアップ作動点が変更された場合には、その係合力を増加させる方向への係合状態が継続されるようにダウンシフトが実行されてエンジン回転速度が上昇させられる。この結果、エンジンへの燃料供給の抑制時間がより長くなって燃費が向上する。
【0017】
また、好適には、前記ダウンシフト点変更手段は、前記燃料供給量抑制手段による前記エンジンへの燃料供給の抑制が可能なときにのみ前記ダウンシフト点を変更するものである。このようにすれば、燃料供給量抑制手段によるエンジンへの燃料供給の抑制が可能なときには、その燃料供給の抑制がより長くされるようにダウンシフト点変更手段によってダウンシフト点が変更されるが、その燃料供給の抑制が可能でない場合にはダウンシフト点が変更されないので、たとえば高車速側に設定されたままのロックアップ作動点に応じてダウンシフト点が変更されてエンジン高回転速度でのダウンシフトが実行されてエンジン低回転速度でのダウンシフトに比較してより大きな変速ショックが発生する可能性があることが避けられて、ドライバビリティーが向上する。
【0018】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の第1の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明が適用されたハイブリッド車両の動力伝達装置8の構成を説明する骨子図である。図1において、たとえば内燃機関にて構成されている走行用駆動力源としてのエンジン10の出力は、入力クラッチ12、流体伝動装置としてのトルクコンバータ14を経て自動変速機16に入力され、図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達されるようになっている。上記入力クラッチ12とトルクコンバータ14との間には、回転機として電動モータおよび発電機として機能する第1モータジェネレータMG1が配設されている。上記トルクコンバータ14は、入力クラッチ12に連結されたポンプ翼車20と、自動変速機16の入力軸22に連結されたタービン翼車24と、それらポンプ翼車20およびタービン翼車24の間を直結するためのロックアップクラッチ26と、一方向クラッチ28によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車30とを備えている。上記ロックアップクラッチ26は、係合側油室25内の油圧と解放側油室27内の油圧との差圧ΔPにより摩擦係合させられる油圧式摩擦クラッチであり、それが完全係合させられることにより、ポンプ翼車20およびタービン翼車24は一体回転させられる。また、所定のスリップ状態で係合するように差圧ΔPすなわち係合トルクがフィードバック制御されることにより、車両の駆動(パワーオン)時には例えば50rpm程度の所定の目標スリップ量でタービン翼車24をポンプ翼車20に対して追従回転させる一方、車両の非駆動(パワーオフ)時には例えば−50rpm程度の所定の目標スリップ量でポンプ翼車20をタービン翼車24に対して追従回転させられる。
【0020】
上記自動変速機16は、ハイおよびローの2段の切り換えを行う第1変速部32と、後進変速段および前進4段の切り換えが可能な第2変速部34とを備えている。第1変速部32は、サンギヤS0、リングギヤR0、およびキャリアK0に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置36と、サンギヤS0とキャリアK0との間に設けられたクラッチC0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0およびハウジング38間に設けられたブレーキB0とを備えている。
【0021】
第2変速部34は、サンギヤS1、リングギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わされている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置40と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第2遊星歯車装置42と、サンギヤS3、リングギヤR3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされている遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置44とを備えている。
【0022】
上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は出力軸46に連結されている。また、リングギヤR2がサンギヤS3および中間軸48に一体的に連結されている。そして、リングギヤR0と中間軸48との間にクラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS2とリングギヤR0との間にクラッチC2が設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止めるためのバンド式のブレーキB1がハウジング38に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2とハウジング38との間には、一方向クラッチF1およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が入力軸22と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0023】
キャリアK1とハウジング38との間にはブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウジング38との間には、ブレーキB4と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0024】
以上のように構成された自動変速機16では、例えば図2に示す作動表に従って後進1段および変速比γ(入力軸22の回転速度NIN/出力軸46の回転速 度NOUT) が順次小さくなる前進5段(1st〜5th)の変速段のいずれかに切り換えられる。図2において「○」は係合で、空欄は解放を表し、「◎」はエンジンブレーキや第1モータジェネレータMG1の回生制動による駆動力源ブレーキ時の係合を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を表している。前記クラッチC0〜C2、およびブレーキB0〜B4は何れも油圧アクチュエータによって係合させられる油圧式の摩擦係合装置である。この図2から明らかなように、第2速ギヤ段と第3速ギヤ段との間は、ブレーキB2およびブレーキB3の一方が解放させられると同時に他方が係合させられることにより達成される所謂クラッチツウクラッチ変速である。
【0025】
図3は図1に示したハイブリッド車両の動力伝達装置の構成を概略示す図である。図3に示すように、前記エンジン10の吸気配管50および排気管52には、排気タービン式過給機54が設けられており、排気管52には、ウェイストゲート弁56を有するバイパス通路58が並列に設けられて、そのバイパス通路58を流通する排気ガスの流量を制御することにより、タービン回転を変化させて吸気配管50内の過給圧を調節できるようになっている。吸気配管50には、スロットルアクチュエータ60によって開閉制御される電子スロットル弁62が設けられている。電子スロットル弁62は、基本的には図7に示すように運転者の出力要求量を表すアクセル開度ACCに対応する開度θTHとなるように制御される。
【0026】
また、エンジン10では、図4に示すような、各気筒にそれぞれ設けられている吸気弁74および排気弁75が、その開閉時期、開閉期間、リフト量などが後述の電子制御装置からの指令に従って電気的に制御される開閉制御弁すなわち電磁駆動弁から構成されている。エンジン10は、吸気弁74および排気弁75とそれ等を開閉駆動する電気的アクチュエータである電磁アクチュエータ76および77とを含む可変動弁機構78と、クランク軸79の回転角を検出するクランク軸回転角センサ80からの信号に従って上記吸気弁74および排気弁75の開閉タイミングやリフト量、作動角(開閉速度)を制御する弁駆動制御装置81とを備えている。この弁駆動制御装置81は、エンジン負荷に応じて開閉タイミングなどを最適時期に変更するだけでなく、運転サイクル切換え指令に従ってエンジン10を4サイクル運転させるための時期および2サイクル運転させるための時期となるように制御する。また、吸気弁74および排気弁75の作動タイミングを変更したり、作動気筒数を変更したりすることにより、エンジン自身でエンジン回転速度NEを制御することが可能であり、例えば吸気弁74を閉じたまま排気弁75を通常の制御に従って開閉することにより、ピストンの圧縮仕事で回転抵抗を発生させて回転エネルギーを消費させることによりエンジン回転速度NEを強制的に速やかに低下させることができるとともに、吸気弁74の開度を制御してエンジン回転速度NEの変化率を調整することができる。上記電磁アクチュエータ76および77は、たとえば図5に示すように、吸気弁74または排気弁75に連結されてその吸気弁74または排気弁75の軸心方向に移動可能に支持された磁性体製の円盤状の可動部材82と、その可動部材82を択一的に吸着するためにそれを挟む位置に設けられた一対の電磁石84、85と、可動部材82をその中立位置に向かって付勢する一対のスプリング86、87とを備えている。吸気弁74および排気弁75は、電気的に開閉制御可能な電動開閉弁に相当する。
【0027】
前記第1モータジェネレータMG1はエンジン10に作動的に連結されるようにエンジン10と自動変速機16との間に配置されて、入力クラッチ12はエンジン10と第1モータジェネレータMG1との間に配置されている。上記自動変速機16の各油圧式摩擦係合装置およびロックアップクラッチ26は、電動油圧ポンプ64或いは駆動切換オイルポンプクラッチ69を介してエンジン10に機械的に連結されてそれにより直接回転駆動される機械式オイルポンプ68から発生する油圧を元圧とする油圧制御回路66により制御されるようになっている。上記元圧すなわちライン圧は、上記自動変速機16の各油圧式摩擦係合装置を係合するために用いられる最大係合圧となるものである。また、エンジン10には回転機として電動モータ或いは発電機として機能する第2モータジェネレータMG2が作動的に連結されている。また、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2は、その作動によってエンジン10の回転を補助する回転駆動装置としても機能している。そして、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2の電源として機能する燃料電池70および二次電池71と、それ等から第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2へ供給される電流を制御したり或いは充電のために二次電池71へ供給される電流を制御するための電源切換スイッチ72および73とが設けられている。この電源切換スイッチ72および73は、スイッチ機能を有する装置を示すものであって、例えばインバータ機能などを有する半導体スイッチング素子などから構成され得るものである。
【0028】
図6は、本実施例の動力伝達装置8のための制御系統を説明するブロック線図である。図6において、電子制御装置90に入力される信号およびその電子制御装置90から出力される信号を例示したものである。たとえば、電子制御装置90には、アクセル開度センサにより検出されたアクセルペダルの操作量であるアクセル開度ACCを表すアクセル開度信号、スロットル弁開度センサにより検出されたスロットル弁62の開度θTHを表すスロットル開度信号、出力軸回転速度センサ47により検出された出力軸46の回転速度NOUTすなわち車速Vに対応する車速信号、タービン回転速度センサ91により検出されたタービン回転速度NT(=入力軸22の回転速度NIN)を表す信号、エンジン回転速度センサにより検出されたエンジン回転速度NEを表す信号、吸気配管50内の過給圧Paを表す信号、空燃比A/Fを表す信号、シフトレバー92の操作位置PSHを表す信号、変速機16の作動油温度すなわちAT油温TOILなどが図示しないセンサから供給されている。また、電子制御装置90からは、アクセル開度ACCに応じた大きさのスロットル開度θTHとするためのスロットルアクチュエータ60を駆動する信号、燃料噴射弁からエンジン10の気筒内へ噴射される燃料の量を制御するための噴射信号、自動変速機16のギヤ段を切り換えるために油圧制御回路66内のシフト弁を駆動するシフトソレノイドを制御する信号S1、S2、S3、ロックアップクラッチ26の係合、解放、スリップ量、ブレーキB3の直接制御、およびクラッチツウクラッチ変速を制御するリニヤソレノイド弁SLUを駆動するための指令信号DSLU、スロットル弁62の開度θTHに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させるリニヤソレノイド弁SLTを駆動するための指令信号DSLT、アキュム背圧を制御するためのリニヤソレノイド弁SLNを駆動する指令値信号DSLNをそれぞれ出力させる。
【0029】
上記電子制御装置90は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、基本的にはたとえば図7に示す予め記憶された関係から実際のアクセルペダル操作量に対応するアクセル開度ACC(%)に基づいてスロットル開度θTH(%)を制御するスロットル開度制御、自動変速機16のギヤ段を自動的に切り換える変速制御、ロックアップクラッチ26の係合、解放、或いはスリップを実行するロックアップクラッチ制御、過給圧制御、空燃比制御、気筒選択切換制御、運転サイクル切換制御などを実行する。たとえば、上記変速制御では、たとえば図8に示す予め記憶された関係すなわち変速線図から実際のアクセル開度ACC(%)またはスロットル開度θTH(%)と車速V(km/h)とに基づいて自動変速機16の変速段を決定し、この決定された変速段および係合状態が得られるように油圧制御回路66の電磁弁S1、S2、S3を駆動し、エンジンブレーキを発生させる際には電磁弁S4を駆動する。上記図8の変速線図における変速線は、実際のアクセル開度ACC(%)またはスロットル開度θTH(%)を示す横線上において実際の車速Vが線を横切ったか否かすなわち変速線上の変速を実行すべき値(変速点車速)VSを越えたか否かを判断するためのものであり、上記値VSすなわち変速点車速の連なりとして予め記憶されていることにもなる。この変速制御の過程では、自動変速機16の入力トルクTINを推定し、変速に関与する油圧式摩擦係合装置の係合圧またはその元圧であるライン圧をその入力トルクTINに応じた大きさに制御する。
【0030】
また、上記ロックアップクラッチ制御では、加速走行時のトルクコンバータ14などの回転損失を低減するために、たとえば図9に示す予め記憶されたロックアップ領域線図から実際の車両走行状態を表す車速V(出力側回転速度NOUTに対応)と運転者の要求出力量を表すアクセル開度ACCまたはスロットル開度θTH(%)とに基づいて、係合領域、解放領域、スリップ領域のいずれの領域に属するかを判定し、その判定された領域の作動となるように前記油圧制御回路66内のロックアップコントロールソレノイドを制御してロックアップクラッチ26を係合、解放、或いはスリップのいずれかの状態とする制御を実行する。上記図9のロックアップ領域線図におけるロックアップ領域線は、実際のアクセル開度ACC(%)またはスロットル開度θTH(%)を示す横線上において実際の車速Vが線を横切ったか否かすなわちロックアップ領域線のロックアップクラッチの作動の切換えを実行すべき値すなわちロックアップ作動点を越えたか否かを判断するためのものであり、上記ロックアップ作動点の連なりとして予め記憶されていることにもなる。そのスリップ領域では、運転性を損なうことなく燃費を可及的に良くすることを目的として前記エンジン10の回転変動を吸収しつつ前記トルクコンバータ14の動力伝達損失を可及的に抑制するために、ロックアップクラッチ26のスリップ制御を実行する。ロックアップクラッチ26のスリップ制御については、タービン回転速度NTとエンジン回転速度NEとの回転速度差(スリップ量)NSLP(=NE−NT)を目標回転速度差(目標スリップ量)NSLP *に制御するためにロックアップクラッチ26の前記差圧ΔPを制御するソレノイド弁SLU用の駆動信号SSLUを出力する。このスリップ制御のうちの減速走行時スリップ制御は、たとえば、スロットル弁開度θTHが略零で惰性走行(減速走行)する前進走行時において生じる駆動輪側からの逆入力をエンジン10側へ伝達する変速段、すなわちエンジンブレーキ作用が得られる変速段で行われ、タービン回転速度NTおよびエンジン回転速度NEは、ソレノイド弁SLU用の駆動信号SSLUを用いたフィードバック制御により回転速度差NSLPが目標回転速度差NSLP *たとえば−50乃至−100rpmとされた状態で車両の減速にしたがって緩やかに減少させられる。このようにロックアップクラッチ26がスリップ係合させられると、エンジン回転速度NEがタービン回転速度NT付近まで引き上げられるため、エンジン10に対する燃料供給量を抑制する制御状態がさらに長い期間維持されて燃費が向上する。
【0031】
図10において、前記シフトレバー92を備えたシフト操作装置94は例えば運転席の横に配設されており、そのシフトレバー92は、自動変速機16の出力軸46をロックするための駐車位置P、後進走行のための後進走行位置R、自動変速機16内の動力伝達経路が遮断された中立状態とする中立位置N、自動変速モードで第1速ギヤ段乃至第5速ギヤ段の範囲で自動変速される前進走行位置D(最高速レンジ位置)、第1速ギヤ段乃至第4速ギヤ段の範囲で自動変速され且つ各ギヤ段でエンジンブレーキが作用させられる第4エンジンブレーキ走行位置4、第1速ギヤ段乃至第3速ギヤ段の範囲で自動変速され且つ各ギヤ段でエンジンブレーキが作用させられる第3エンジンブレーキ走行位置3、第1速ギヤ段乃至第2速ギヤ段の範囲で自動変速され且つ各ギヤ段においてエンジンブレーキが作用させられる第2エンジンブレーキ走行位置2、第1速ギヤ段で走行させられ且つエンジンブレーキが作用させられる第1エンジンブレーキ走行位置Lへそれぞれ操作可能に設けられている。上記シフト操作装置94には、シフトレバー92の各操作位置を検出するための図示しないスイッチが備えられており、そのシフトレバー92の操作位置PSHを表す信号を電子制御装置90へ出力する。上記シフト操作装置94には、スポーツ走行などのためのマニアル変速モードへ切り換えるためのモード切換スイッチ96が設けられている。このモード切換スイッチ96によってマニアル変速モードが選択されると、図示しないステアリングホイールに設けられた手動変速操作釦が有効化される。
【0032】
図11は、前記電子制御装置90が備えている制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図においてアクセル開度検出手段126は、アクセル開度センサによりアクセルペダル操作量であるアクセル開度ACCを表すアクセル開度信号を検出する。たとえば、アクセル開度ACCが零である全閉すなわちアクセルオフは、アクセル開度ACCが全閉と判定される値となったときであり、たとえば全閉スイッチがオンとなったときに判定される。また、アクセルペダルが操作される状態すなわちアクセルオンは、たとえば上記全閉スイッチがオフとなったときに判定される。
【0033】
燃料供給量抑制手段102としてのフューエルカット制御手段104は、エンジン回転速度NEやアクセル開度Accなどに基づいてエンジン10への燃料供給の必要がないか否かを判断して燃費を向上させるために、フューエルカット作動のための停止指令Cすなわちエンジン10への燃料供給の停止指令Cを燃料供給量抑制装置100に出力する。図12は、フューエルカット制御手段104によるフューエルカット作動の一例を説明するタイムチャートである。たとえば、前記アクセル開度検出手段126によってアクセルオフと判定された減速走行時にエンジン回転速度NEが予め決められた所定値、たとえば1400rpmに設定されたフューエルカット開始回転速度NEKを越えていて且つエンジン回転速度NEが低下に向かっている場合に、フューエルカット作動が開始されるようにエンジン10への燃料供給の停止指令Cを出力する(図12のt1時点)。その後、減速走行と共にエンジン回転速度NEが予め決められた所定値、たとえば1000rpmに設定されたフューエルカット復帰回転速度NEF以下となるとフューエルカット作動が終了するようにエンジン10への燃料供給の停止指令Cの出力を中止する(図12のt2時点)。フューエルカット状態が解除させられると、燃料供給が再開されてエンジン10が速やかに起動される。なお、ロックアップクラッチ26は少なくともフューエルカット作動中は、エンジン回転速度が急低下されないようにロックアップクラッチ制御手段114によりロックアップクラッチ26の係合力を増加させる方向への係合状態の切換えが行われる。図13は、エンジン水温に基づいて予め設定されているフューエルカット開始回転速度NEKとフューエルカット復帰回転速度NEFとを示している。この関係では、エンジン水温が低温時には高温時に比較してエンジン10の暖気運転等が必要であるので、フューエルカット開始回転速度NEKおよびフューエルカット復帰回転速度NEFは低水温となるほどそれぞれ高回転となるように設定されている。また、フューエルカット開始回転速度NEKおよびフューエルカット復帰回転速度NEFは、エンジン水温が通常運転時の水温以上となる暖機後にはそれぞれ一定となるように設定されている。また、上記フューエルカット制御手段104はエンジン10がフューエルカット作動が可能な状態であるか否かを判断する。たとえば、エンジン10が暖気運転前であったり、エンジン10の排気ガス中の有害成分を低減するための触媒の劣化防止のためにフューエルカット作動が実行されない状態であるかを判断してフューエルカット作動が可能な状態であるか否かを判断する。
【0034】
駆動アシスト手段122は、回転駆動装置としての第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させて、エンジン10の回転駆動を補助する。上記フューエルカット復帰回転速度NEFは、たとえばエンジン10はその再起動に際して安定した滑らかなエンジン回転速度NEたとえば滑らかに自律回転することのできるエンジン回転速度NEたとえばアイドル回転速度NEIDLに維持されるには、そのアイドル回転速度NEIDLに対して燃料供給の再開時のエンジン回転速度NEにある程度の余裕が必要であることから、その余裕分を持つように設定されている。そこで、駆動アシスト手段122は、このフューエルカット復帰回転速度NEFをフューエルカット開始回転速度NEKと共に一層低回転速度側に設定してフューエルカット領域を拡大すなわちフューエルカット作動期間を長くして燃費を向上させるために、エンジン10のより低回転での燃料供給の再開でも再起動可能となるように第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させてエンジン10の回転駆動を補助する。
【0035】
駆動アシスト可否判定手段124は、上記駆動アシスト手段122によるエンジン10の駆動を補助するための第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能か否かを判定する。たとえば、燃料電池70および二次電池71が第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2に充分な電力を供給する電源として機能できるか否かを、たとえば燃料電池70の電圧或いは二次電池71の充電状態が所定の基準値以上であるか否か、または燃料電池70および二次電池71の温度が所定の基準温度以上であるか否かによって判定する。
【0036】
燃料供給設定量変更手段108としてのフューエルカット領域変更手段110は、前記駆動アシスト可否判定手段124によって前記駆動アシスト手段122による第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能か否かの判定結果に応じて、上記フューエルカット制御手段104によるフューエルカット作動を実行させるためのエンジン回転速度NEの領域、すなわちフューエルカット開始回転速度NEKとフューエルカット復帰回転速度NEFとで設定されているフューエルカット領域を変更する。すなわち、エンジン10の駆動を補助するための第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合には、フューエルカット領域をその第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2が備えられてない場合の設定値であるフューエルカット開始回転速度NEKおよび復帰回転速度NEFたとえば1400および1000rpmとする。また、上記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能である場合には、上記可能でない場合に比較してより低いエンジン回転速度NEでもエンジン10の再起動が可能であるので、フューエルカット領域をより低い設定値であるフューエルカット開始回転速度NEKおよび復帰回転速度NEFたとえば650および550rpmとする。
【0037】
ロックアップクラッチ制御手段114は、たとえば図9に示す予め記憶されたロックアップ領域線図から実際の車両走行状態を表す車速V(出力側回転速度NOUTに対応)と運転者の要求出力量を表すアクセル開度ACCまたはスロットル開度θTH(%)とに基づいて、係合領域、解放領域、スリップ領域のいずれの領域に属するかを判定し、その判定された領域の作動となるように前記油圧制御回路66内のロックアップコントロールソレノイドを制御してロックアップクラッチ26を係合、解放、或いはスリップのいずれかの状態とする制御を実行する。ここで、ロックアップクラッチ26の係合状態の係合側とは、ロックアップクラッチ26の係合力が大きい側たとえばロックアップオン状態或いはスリップ状態のことであり、またロックアップクラッチ26の係合状態の解放側とは、ロックアップクラッチ26の係合力が小さい側たとえばロックアップオフ状態或いはスリップ状態のことである。たとえば、ロックアップクラッチ26の係合力を減少させる方向への係合状態の切換えとは、ロックアップクラッチ26の係合側から解放側への切換えのことであり、ロックアップクラッチ26の係合力を増加させる方向への係合状態の切換えとは、ロックアップクラッチ26の解放側から係合側への切換えのことである。
【0038】
上記ロックアップクラッチ制御手段114は、アクセル開度ACCまたはスロットル開度θTHの全閉時にはたとえば図14(a)に示すアクセルオフ時のロックアップ作動点である点a或いは点bに従ってロックアップクラッチ26の係合状態の切換えを実行する。これにより、車速Vがロックアップオン作動点である点bすなわち車速Vb以上でアクセルオフされた減速走行時には燃費向上を目的としてフューエルカット制御手段104によるフューエルカット作動が実行されるために、ロックアップクラッチ26の係合状態を係合側へ切換えてタービン翼車24に対してポンプ翼車20を一体回転或いは追従回転させてエンジン回転速度NEをフューエルカット領域としてフューエルカット作動が継続されるようにする。また車速Vがロックアップオフ作動点である点aすなわち車速Vaより減速されてロックアップオフ状態となればエンジン回転速度NEが急低下してフューエルカット復帰回転速度NEF以下となりフューエルカット作動は停止されるすなわちエンジン10への燃料供給が再開される。上記図14(a)は、たとえば図9のロックアップ領域線図のアクセルオフとなる付近の一部分を抜き出したものであり、実線に示す加速時用ロックアップ領域線(ロックアップオン領域線)と破線に示す減速時用ロックアップ領域線(ロックアップオフ領域線)とで示されている。なお、スリップ制御領域(スリップ状態領域)は省略されているが、スリップ領域は係合側領域で好適に実施されるようにしてもよい。
【0039】
ロックアップ作動点変更手段118は上記ロックアップクラッチ制御手段114によるロックアップクラッチ26の係合状態の切換えに用いられるアクセルオフ時のロックアップ作動点を、前記フューエルカット領域変更手段110によるフューエルカット開始回転速度NEKとフューエルカット復帰回転速度NEFとで設定されているフューエルカット領域が変更された結果に応じて変更する。たとえば、フューエルカット領域変更手段110によってフューエルカット領域がエンジン回転速度の低回転速側に変更されると、ロックアップ作動点をより低車速側に設定するように変更する。これは、フューエルカット作動がよりエンジン低回転側まで実行されるように設定された場合には、それに応じてロックアップクラッチの係合状態の係合側への切換えがより低車速側まで継続されるようにすればフューエルカット作動が長く継続されるためである。また、より低車速でロックアップクラッチ26の係合側への切換えが実行されるようにすれば、減速ショックが低減されるためである。たとえばフューエルカット領域が第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合の設定値たとえば1400および1000rpmであればロックアップ作動点を図14(a)に示す点aおよび点bに設定して、また第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能である場合の設定値たとえば650および550rpmであればロックアップ作動点を図14(a)に示す点aおよび点bよりも所定値低速側に設定されている図14(b)に示す点a’および点b’に設定する。この結果、ロックアップ作動点が図14(b)の点a’および点b’に変更されると、車速Vが点b’すなわちVb’以上であれば本来ロックアップオフとなる領域であってもアクセルオフによりロックアップクラッチが係合側に切り換えられさらに車速Vが点a’すなわちVa’より減速されるまでロックアップクラッチ26の係合側への切換えが継続されることになり、ロックアップ作動点が図14(a)の点aおよび点bに設定された場合に比較してロックアップクラッチ26の係合側への切換状態がより低車速側まで継続されてフューエルカット作動がより長く継続される。
【0040】
ロックアップクラッチ切換判定手段120は、アクセルオフとされた減速走行中に上記ロックアップ作動点変更手段118によって変更設定されたロックアップ作動点に従ってフューエルカット作動のためにロックアップクラッチ制御手段114によるロックアップクラッチ26の係合状態の切換えが必要であるか否かを判定する。たとえば図14のロックアップ領域線図に基づいてアクセル開度が全閉状態にされたことに伴って、実際のアクセル開度および車速によって定められる車両走行状態を示す点が前記ロックアップオン領域線よりも低車速側領域内すなわちロックアップクラッチ26の解放側領域内からロックアップ作動点である点b或いは点b’以上の係合側領域となってロックアップクラッチ26の係合側への切換えが必要であるか否かを判定する。前記ロックアップクラッチ制御手段114は、上記ロックアップクラッチ切換判定手段120によってロックアップクラッチ26の係合状態の切換えが必要であると判定されると、ロックアップクラッチ26の切換えを実行する。
【0041】
エンジン回転速度判定手段128は、エンジン回転速度センサにより検出された現在のエンジン回転速度NEが、第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合に用いられるフューエルカット領域変更手段110により設定されたフューエルカット復帰回転速度NEFたとえば1000rpmよりも低いか否かを判定する。
【0042】
図15は、第1の実施例である前記電子制御装置90の制御作動の要部すなわちアクセルオフの車両の減速走行時にフューエルカット作動のためのフューエルカット領域の変更に応じてロックアップ作動点が変更されるようにしたロックアップクラッチ26の係合状態の切換え制御作動を説明するフローチャートであり、また図16はその係合状態の切換え制御作動を説明するタイムチャートである。図15において、前記アクセル開度検出手段126に対応するステップ(以下、ステップを省略する)SA1において、アクセルオンからアクセルオフにされたか否かがたとえばアクセル開度ACCが全閉と判定される値たとえば全閉スイッチがオンとなったか否かによって判定される。このSA1の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は前記駆動アシスト可否判定手段124に対応するSA2において、フューエルカット領域をエンジン低回転速度側に設定するために前記駆動アシスト手段122によるエンジン10の駆動を補助するための第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能か否かが、たとえば、燃料電池70および二次電池71が第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2に充分な電力を供給する電源として機能できるか否かによって判定される。
【0043】
このSA2の判断が肯定される場合は前記燃料供給設定量変更手段108としての前記フューエルカット領域変更手段110に対応するSA3において、フューエルカット領域がエンジン低回転速度側たとえばフューエルカット開始回転速度NEKおよび復帰回転速度NEFがたとえば650および550rpmに設定される。そして、ロックアップ作動点変更手段118に対応するSA4において、上記SA3でフューエルカット領域がエンジン回転速度の低回転速側に変更されたので、ロックアップ作動点もその変更結果に応じて低車速側に変更設定される。たとえば、ロックアップ作動点が図14(a)に示す点aおよび点bよりも所定値低速側に設定されている図14(b)に示す点a’および点b’に設定される。同様に、上記SA2の判断が否定される場合は前記燃料供給設定量変更手段108としての前記フューエルカット領域変更手段110に対応するSA10において、フューエルカット領域がエンジン回転速度の高回転速側たとえば前記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2が備えられてない場合の設定値たとえばフューエルカット開始回転速度NEKおよび復帰回転速度NEFが1400および1000rpmに設定される。次いで、ロックアップ作動点変更手段118に対応するSA11において、上記SA10でフューエルカット領域がエンジン回転速度の高回転速側に変更されたので、ロックアップ作動点もその変更結果に応じて高車速側に変更設定される。たとえば、ロックアップ作動点が図14(a)に示す点aおよび点bに設定される。すなわちこのSA3乃至SA4或いはSA10乃至SA11では駆動アシスト可否判定手段124による判定結果に応じてフューエルカット領域変更手段110によってフューエルカット領域が変更設定され、その設定された結果に応じてロックアップ作動点変更手段118によってロックアップ作動点が変更設定される。
【0044】
続いて、ロックアップクラッチ切換判定手段120に対応するSA5において、上記ロックアップ作動点変更手段118によって変更設定されたロックアップ作動点に従ってフューエルカット作動のためにロックアップクラッチ制御手段114によるロックアップクラッチ26の係合状態の切換えが必要であるか否かが判定される。たとえば図14のロックアップ領域線図に基づいてアクセルオフに伴って、実際のアクセル開度および車速によって定められる車両走行状態を示す点がロックアップクラッチ26の解放側領域内から係合側領域となってロックアップクラッチ26の係合側への切換えが必要であるか否かが判定される。このSA5の判断が否定される場合はロックアップクラッチ制御手段114に対応するSA12において、現状態が維持されて本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合はロックアップクラッチ制御手段114に対応するSA6において、SA4或いはSA11において設定されたロックアップ作動点に従ってロックアップクラッチ26が係合側への切換えが実行される(図16のt1時点)。
【0045】
次いで、前記駆動アシスト可否判定手段124に対応するSA7において、フューエルカット作動中において第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が不可能になっていないか否かが前記SA2と同様にして判定される。このSA7の判断が肯定される場合はロックアップクラッチ制御手段114に対応するSA12において、現状態が維持されてエンジン回転速度NEが上記SA4で設定された復帰回転速度NEF(550rpm)以下となるまで(図16のt3時点まで)フューエルカット作動が継続されて本ルーチンが終了させられるが、否定される場合はエンジン回転速度判定手段128に対応するSA8において、エンジン回転速度センサにより検出された現在のエンジン回転速度NEがSA11において設定された或いは設定されるため予め記憶された値である第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合のフューエルカット復帰回転速度NEFたとえば1000rpmよりも低いか否かが判定される。
【0046】
このSA8が否定される場合は現在のエンジン回転速度NEが第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合のフューエルカット復帰回転速度NEF以上であるので第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動によってエンジン10の駆動が補助されない場合でもエンジン回転速度NEが上記SA11で設定された復帰回転速度NEF1000rpm以下となるまで(図16のt2時点まで)フューエルカット作動が継続されて本ルーチンが終了させられる。しかし、肯定される場合は燃料供給量抑制手段102としてのフューエルカット制御手段104およびロックアップクラッチ制御手段114に対応するSA9において、フューエルカット作動が中止されてエンジン10への燃料供給が再開される。その後、ロックアップクラッチ26の係合状態がロックアップオフへと切り換えられる。このSA9においてエンジン10への燃料供給の再開よりも先にロックアップオフとされると、エンジン回転速度が低下してしまい第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動によるエンジン10の駆動の補助も無くてエンジン10の再起動が困難となる可能性があるので、まず先にエンジン10への燃料供給の再開が実施される。以上のように第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動によるエンジン10の回転トルクの助勢(アシスト)が可能である場合には、可能でない場合に比較してフューエルカット作動がより長く実行され、またより低車速でロックアップクラッチ26の係合側への切換えが実行されるので減速ショックが低減される。
【0047】
上述のように、第1の実施例によれば、車両の減速走行中にアクセル或いはスロットルが全閉と判定されたときに、燃料供給量抑制手段102としてのフューエルカット制御手段104によるエンジン10への燃料供給の抑制が実行されるための予め設定されたエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係が燃料供給設定量変更手段108としてのフューエルカット領域変更手段110(SA3、SA10)によって変更されると、ロックアップクラッチ制御手段114(SA6)によるロックアップクラッチ26の係合状態の切換えが実行されるための予め設定されたロックアップ作動点が、そのエンジン回転速度NEに対する燃料供給量の関係の変更に応じてロックアップ作動点変更手段118(SA4、SA11)によって変更されるので、そのエンジン回転速度NEに対する燃料供給量の関係の変更とそのロックアップ作動点の変更によるロックアップクラッチ26の係合状態の切換えのタイミングが整合されて、たとえばより低車速でロックアップクラッチ26の係合側への切換えが実行されるので、減速ショックが低減されてドライバビリティーが向上する。また、たとえばそのエンジン回転速度NEに対する燃料供給量の関係がエンジン低回転速度側に変更されるとその変更に応じてロックアップ作動点も低車速側すなわち減速中の車速に応じた低回転速側に変更されるので、エンジン10への燃料供給の抑制時間がより長くなって燃費が向上する。
【0048】
また、第1の実施例によれば、エンジン回転速度NEに対する燃料供給量の関係は、そのエンジン回転速度NEが予め定められた復帰回転速度より高いときに燃料供給量抑制手段102によってエンジン10への燃料供給を停止させるためのフューエルカット領域を含むものであり、ロックアップ作動点変更手段118(SA4、SA11)は、燃料供給設定量変更手段108(SA3、SA10)によるそのフューエルカット領域の変更に応じてアクセル或いはスロットルが全閉と判定されるときのロックアップ作動点を変更するものであるので、そのフューエルカット領域が燃料供給設定量変更手段108(SA3、SA10)によって変更されると、ロックアップクラッチ制御手段114(SA6)によるロックアップクラッチ26の係合状態の切換えが実行されるための予め設定されたロックアップ作動点が、そのフューエルカット領域の変更に応じてロックアップ作動点変更手段118(SA4、SA11)によって変更されるので、そのフューエルカット領域の変更とそのロックアップ作動点の変更によるロックアップクラッチの係合状態の切換えのタイミングが整合されてドライバビリティーが向上する。また、たとえばそのフューエルカット領域がエンジン低回転速度側に変更されるとその変更に応じてロックアップ作動点も低車速側すなわち減速中の車速に応じた低回転速側に変更されるので、エンジン10への燃料供給の停止時間がより長くなって燃費が向上する。
【0049】
また、第1の実施例によれば、エンジン10に作動的に連結される回転駆動装置(第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2)と、その回転駆動装置を作動させてエンジン回転速度NEを補助する駆動アシスト手段122と、その駆動アシスト手段122によってその回転駆動装置が作動されてエンジン10の回転速度NEの補助が可能か否かを判定する駆動アシスト可否判定手段124(SA2)とを備え、燃料供給設定量変更手段108(SA3、SA10)は、その駆動アシスト可否判定手段124による判定結果に応じてフューエルカット領域を変更するものであるので、駆動アシスト可否判定手段124によって駆動アシスト手段122による回転駆動装置の作動でエンジンの回転速度(駆動)の補助が可能か否かが判定され、燃料供給設定量変更手段108によってその判定結果に応じてフューエルカット領域が変更されるので、たとえば回転駆動装置によるエンジン回転速度NEの補助が可能である場合にはフューエルカット領域がエンジン低回転速度側に好適に変更される。
【0050】
また、第1の実施例によれば、ロックアップ作動点変更手段118(SA4、SA11)は、燃料供給設定量変更手段108(SA3、SA10)によってフューエルカット領域がエンジン高回転速度側に変更されると、ロックアップ作動点を高車速側に変更するものであるので、ロックアップクラッチ26の係合状態の切換えのタイミングが整合されてドライバビリティーが向上する。
【0051】
また、第1の実施例によれば、ロックアップクラッチ制御手段114(SA6)は、燃料供給量抑制手段102によるエンジン10への燃料供給の停止中に、駆動アシスト可否判定手段124(SA7)によって駆動アシスト手段122によるエンジン回転速度NEの補助が可能でないと判定されると、その燃料供給量抑制手段102によるそのエンジン10への燃料供給の停止が中止されて燃料供給が再開されるまでは、ロックアップクラッチ26をロックアップオフとしないものであるので、エンジン10への燃料供給が再開されるまえにロックアップオフとされてエンジン回転速度NEが低下してエンジン10が再起動されない可能性が解消する。
【0052】
つぎに、本発明の第2の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の第1の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
この第2の実施例は、前述の第1の実施例とは図1乃至図10の車両構成においては共通であるのでその説明については割愛する。第1の実施例との大きな違いは、前記燃料供給量抑制手段102がフューエルカット制御手段104に替えて燃料低減制御手段106となったことである。簡単に述べると上記フューエルカット制御手段104はエンジン10への燃料供給を停止するものであったが、燃料低減制御手段106は予め決められた関係に従ってエンジン回転速度NEに対するエンジン10への燃料供給量を低減して燃費を向上するものである。以下に第1の実施例との違いのある部分を前記図11に基づいて詳しく記述する。
【0054】
図11において第1実施例で前記燃料供給量抑制手段102として用いられたフューエルカット制御手段104に替えて燃料低減制御手段106が用いられる。この燃料低減制御手段106は、エンジン回転速度NEやアクセル開度Accなどに基づいてエンジン10への燃料供給量(燃料噴射量)の低減の必要がないか否かを判断して燃費を向上させるために、燃料供給量低減作動のための指令Dすなわちエンジン10への燃料供給量低減指令Dをたとえば図17の実線に示す燃料低減線に基づいて燃料供給量抑制装置100に出力する。図17は、アクセルオフの車両の減速走行時に燃料低減制御手段106が用いることになるエンジン回転速度NEに基づく燃料供給量を定めた予め設定された関係図である。図17の実線によれば、燃料供給量(燃料噴射量)はエンジン回転速度NEが予め決められた所定値である燃料供給再開回転速度NEA以上であれば零すなわちフューエルカット状態となり、燃料供給再開回転速度NEAより低回転速度側ではエンジン10への燃料供給が再開されてエンジン回転速度NEの低下に従ってアイドル回転速度NEIDLでの燃料供給量FIDLに漸増させられるように予め設定されている。上記燃料供給再開回転速度NEAはエンジン10の特性或いは種類等に応じ好適に設定されるようにしてよい。また、エンジン回転速度NEが燃料供給再開回転速度NEA以上であればフューエルカット状態となりそれより低下すれば燃料供給が再開されることから、燃料供給再開回転速度NEAはたとえば前記フューエルカット領域を定めた前記フューエルカット復帰回転速度NEFと前記フューエルカット開始回転速度NEKとに相当するものであるが、たとえばそのフューエルカット開始回転速度NEKに相当するものとして燃料供給再開回転速度NEAより高回転速度側に所定の回転速度を設定するようにしてもよい。なお、ロックアップクラッチ26は少なくともエンジン回転速度NEが燃料供給再開回転速度NEA以上のフューエルカット状態中は、エンジン回転速度NEが急低下されないようにロックアップクラッチ制御手段114によりロックアップクラッチ26の係合側への切換状態とされる必要がある。
【0055】
駆動アシスト手段122は、回転駆動装置としての第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させて、エンジン10の回転駆動を補助する。第1の実施例ではフューエルカット復帰回転速度NEFをフューエルカット開始回転速度NEKと共により低回転速度側に設定してフューエルカット領域を拡大するためであったが、第2の実施例では上記燃料供給再開回転速度NEAは、たとえばエンジン10はその再起動に際して安定した滑らかなエンジン回転速度NEたとえば滑らかに自律回転することのできるエンジン回転速度NEたとえばアイドル回転速度NEIDLに維持されるには、そのアイドル回転速度NEIDLに対して燃料供給の再開時のエンジン回転速度NEにある程度の余裕が必要であることから、その余裕分を持つように設定されている。そこで、この燃料供給再開回転速度NEAを一層低回転速度側に設定してフューエルカット状態となる領域を拡大すると共に燃料供給量FIDLとなるように漸増させられる燃料供給量をより低減して燃費を向上させるために、エンジン10のより低回転での燃料供給の再開でも速やかにそのアイドル回転速度NEIDLでの燃料供給量FIDLとなるように第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させてエンジン10の回転駆動を補助する。
【0056】
駆動アシスト可否判定手段124は、上記駆動アシスト手段122によるエンジン10の駆動を補助するための第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能か否かを判定する。たとえば、燃料電池70および二次電池71が第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2に充分な電力を供給する電源として機能できるか否かを、たとえば燃料電池70の電圧或いは二次電池71の充電状態が所定の基準値以上であるか否か、または燃料電池70および二次電池71の温度が所定の基準温度以上であるか否かによって判定する。
【0057】
第1実施例で前記燃料供給設定量変更手段108として用いられたフューエルカット領域変更手段110に替えて燃料低減線変更手段112が用いられる。この燃料低減線変更手段112は、前記駆動アシスト可否判定手段124によって前記駆動アシスト手段122による第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能か否かの判定結果に応じて、前記燃料低減制御手段106によるエンジン10への燃料供給量低減作動を実行させるための燃料低減線を変更する。すなわち、エンジン10の回転駆動を補助するための第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合には、燃料低減線をその第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2が備えられてない場合の設定たとえば図17の実線に示す線とする。また、上記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能である場合には、上記可能でない場合に比較して燃料低減線をより低回転速度側たとえば燃料供給再開回転速度NEAを燃料供給再開回転速度NEMA或いはNEMBに設定してフューエルカット状態となる領域を拡大すると共に燃料供給量FIDLとなるように漸増させられる燃料供給量をより低減するようにたとえば図17の一点鎖線或いは二点差線に示す線とする。
【0058】
ロックアップクラッチ制御手段114は、第1の実施例と同様にたとえば図9に示す予め記憶されたロックアップ領域線図から実際の車両走行状態を表す車速V(出力側回転速度NOUTに対応)と運転者の要求出力量を表すアクセル開度ACCまたはスロットル開度θTH(%)とに基づいて、係合領域、解放領域、スリップ領域のいずれの領域に属するかを判定し、その判定された領域の作動となるように前記油圧制御回路66内のロックアップコントロールソレノイドを制御してロックアップクラッチ26を係合、解放、或いはスリップのいずれかの状態とする制御を実行する。
【0059】
また、上記ロックアップクラッチ制御手段114は、第1の実施例では燃費向上を目的としてフューエルカット制御手段104によるフューエルカット作動が実行されるためにロックアップクラッチ26を係合側に切り換えたが、第2の実施例では燃費向上を目的として少なくとも燃料低減制御手段106によるフューエルカット状態となるエンジン回転速度NE以上たとえば燃料供給再開回転速度NEA以上ではロックアップクラッチ26を係合側に切り換える。すなわち、第1の実施例と同様にアクセル開度ACCまたはスロットル開度θTHの全閉時にはたとえば図14(a)に示すアクセルオフ時のロックアップ作動点である点a或いは点bに従ってロックアップクラッチ26の係合状態の切換えを実行する。これにより、車速Vがロックアップオン作動点である点bすなわちVb以上でアクセルオフされた減速走行時には燃費向上を目的として少なくとも燃料低減制御手段106によるエンジン10へのフューエルカット状態とされるために、ロックアップクラッチ26の係合状態を係合側へ切換えてタービン翼車24に対してポンプ翼車20を一体回転或いは追従回転させてフューエルカット状態がより長く継続されるようにたとえばエンジン回転速度NEを燃料供給再開回転速度NEA以上とする期間がより長く継続されるようにする。また車速Vがロックアップオフ作動点である点aすなわちVaより減速されてロックアップオフ状態となればエンジン回転速度NEが急低下して燃料供給再開回転速度NEA以下となりフューエルカット状態は停止されてエンジン10への燃料供給が再開される。
【0060】
ロックアップ作動点変更手段118は上記ロックアップクラッチ制御手段114によるロックアップクラッチ26の係合状態の切換えに用いられるアクセルオフ時のロックアップ作動点を、第1の実施例では前記フューエルカット領域変更手段110によるフューエルカット領域が変更された結果に応じて変更したが、第2の実施例では前記燃料低減線変更手段112による燃料低減線が変更された結果に応じて変更する。たとえば、燃料低減線変更手段112によって燃料低減線がエンジン回転速度NEの低回転速側すなわちエンジン10への燃料供給量がより低減される側たとえば図17において燃料供給再開回転速度NEAがNEMAとなるように実線から一点鎖線に変更されると、ロックアップ作動点をより低車速側に設定するように変更する。これは、燃料供給再開回転速度NEA以上でのフューエルカット状態がよりエンジン低回転側まで実行されるように設定された場合には、それに応じてロックアップクラッチの係合状態の係合側への切換えがより低車速側まで継続されるようにすればフューエルカット状態が長く継続されるためである。また、より低車速でロックアップクラッチ26の係合側への切換えが実行されるようにすれば、減速ショックが低減されるためである。たとえば燃料低減線が第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合たとえば図17の実線であればロックアップ作動点を図14(a)に示す点aおよび点bに設定して、また第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能である場合たとえば図17の一点鎖線であればロックアップ作動点を図14(a)に示す点aおよび点bよりも所定値低速側に設定されている図14(b)に示す点a’および点b’に設定する。この結果、ロックアップ作動点が図14(b)の点a’および点b’に変更されると、車速Vが点b’すなわちVb’以上であれば本来ロックアップオフとなる領域であってもアクセルオフによりロックアップクラッチが係合側に切り換えられさらに車速Vが点a’すなわちVa’より減速されるまでロックアップクラッチの係合側への切換えが継続されることになり、ロックアップ作動点が図14(a)の点aおよび点bに設定された場合に比較してロックアップクラッチ26の係合側への切換状態がより低車速側まで継続されてフューエルカット状態がより長く継続される。
【0061】
ロックアップクラッチ切換判定手段120は、第1の実施例と同様にアクセルオフとされた減速走行中に上記ロックアップ作動点変更手段118によって変更設定されたロックアップ作動点に従ってエンジン10への燃料供給量低減作動のためにロックアップクラッチ制御手段114によるロックアップクラッチ26の係合状態の切換えが必要であるか否かを判定する。たとえば図14のロックアップ領域線図に基づいてアクセル開度が全閉状態にされたことに伴って、実際のアクセル開度および車速によって定められる車両走行状態を示す点が前記ロックアップオン領域線よりも低車速側領域内すなわちロックアップクラッチ26の解放側領域内からロックアップ作動点である点b或いは点b’以上の係合側領域となってロックアップクラッチ26の係合側への切換えが必要であるか否かを判定する。前記ロックアップクラッチ制御手段114は、上記ロックアップクラッチ切換判定手段120によってロックアップクラッチ26の係合状態の切換えが必要であると判定されると、ロックアップクラッチ26の切換えを実行する。
【0062】
エンジン回転速度判定手段128は、第1の実施例ではフューエルカット復帰回転速度NEFとの比較であったが第2の実施例ではエンジン回転速度センサにより検出された現在のエンジン回転速度NEが、第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合に用いられる燃料低減線変更手段112により設定された燃料供給再開回転速度NEAよりも低いか否かを判定する。
【0063】
図18は、第2の実施例である前記電子制御装置90の制御作動の要部すなわちアクセルオフの車両の減速走行時にエンジン10への燃料供給量低減作動のための燃料低減線の変更に応じてロックアップ作動点が変更されるようにしたロックアップクラッチ26の係合状態の切換え制御作動を説明するフローチャートであり、また図19はその係合状態の切換え制御作動を説明するタイムチャートである。図18において、前記アクセル開度検出手段126に対応するステップ(以下、ステップを省略する)SB1において、アクセルオンからアクセルオフにされたか否かがたとえばアクセル開度ACCが全閉と判定される値たとえば全閉スイッチがオンとなったか否かによって判定される。このSB1の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は前記駆動アシスト可否判定手段124に対応するSB2において、燃料低減線をエンジン低回転速度側に設定するために前記駆動アシスト手段122によるエンジン10の駆動を補助するための第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能か否かが、たとえば、燃料電池70および二次電池71が第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2に充分な電力を供給する電源として機能できるか否かによって判定される。
【0064】
このSB2の判断が肯定される場合は前記燃料供給設定量変更手段108としての前記燃料低減線変更手段112に対応するSB3において、燃料低減線がエンジン低回転速度側たとえば図17に示す一点鎖線に設定される。そして、ロックアップ作動点変更手段118に対応するSB4において、上記SB3で燃料低減線がエンジン回転速度の低回転速側に変更されたので、ロックアップ作動点もその変更結果に応じて低車速側に変更設定される。たとえば、ロックアップ作動点が図14(a)に示す点aおよび点bよりも所定値低速側に設定されている図14(b)に示す点a’および点b’に設定される。同様に、上記SB2の判断が否定される場合は前記燃料供給設定量変更手段108としての前記燃料低減線変更手段112に対応するSB10において、燃料低減線がエンジン回転速度の高回転速側たとえば前記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2が備えられてない場合の設定値たとえば図17に示す実線に設定される。次いで、ロックアップ作動点変更手段118に対応するSB11において、上記SB10で燃料低減線がエンジン回転速度の高回転速側に変更されたので、ロックアップ作動点もその変更結果に応じて高車速側に変更設定される。たとえば、ロックアップ作動点が図14(a)に示す点aおよび点bに設定される。すなわちこのSB3乃至SB4或いはSB10乃至SB11では駆動アシスト可否判定手段124による判定結果に応じて燃料低減線変更手段112によって燃料低減線が変更設定され、その設定された結果に応じてロックアップ作動点変更手段118によってロックアップ作動点が変更設定される。
【0065】
続いて、ロックアップクラッチ切換判定手段120に対応するSB5において、上記ロックアップ作動点変更手段118によって変更設定されたロックアップ作動点に従ってエンジン10への燃料供給量低減作動のためにロックアップクラッチ制御手段114によるロックアップクラッチ26の係合状態の切換えが必要であるか否かが判定される。たとえば図14のロックアップ領域線図に基づいてアクセルオフに伴って、実際のアクセル開度および車速によって定められる車両走行状態を示す点がロックアップクラッチ26の解放側領域内から係合側領域となってロックアップクラッチ26の係合側への切換えが必要であるか否かが判定される。このSB5の判断が否定される場合はロックアップクラッチ制御手段114に対応するSB12において、現状態が維持されて本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合はロックアップクラッチ制御手段114に対応するSB6において、SB4或いはSB11において設定されたロックアップ作動点に従ってロックアップクラッチ26が係合側への切換えが実行される(図19のt1時点)。
【0066】
次いで、前記駆動アシスト可否判定手段124に対応するSB7において、フューエルカット作動中において第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が不可能になっていないか否かが前記SB2と同様にして判定される。このSB7の判断が肯定される場合はロックアップクラッチ制御手段114に対応するSB12において、現状態が維持されてエンジン回転速度NEが上記SB4で設定された図17の一点鎖線に示す燃料低減線に従って燃料供給再開回転速度NEMA以下となるまで(図16のt3時点まで)少なくともロックアップクラッチが係合状態とされてフューエルカット状態が継続され、その後エンジン10への燃料供給が再開されてアイドル回転速度NEIDLとなるまで燃料供給量が漸増されて(図16のt4時点)本ルーチンが終了させられるが、否定される場合はエンジン回転速度判定手段128に対応するSB8において、エンジン回転速度センサにより検出された現在のエンジン回転速度NEがSB11において設定された或いは設定されるため予め記憶された値である第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合の図17の実線に示す燃料低減線で設定された燃料供給再開回転速度NEAよりも低いか否かが判定される。
【0067】
このSB8が否定される場合は現在のエンジン回転速度NEが第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動が可能でない場合の燃料供給再開回転速度NEA以上であるので第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動によってエンジン10の駆動が補助されない場合でもエンジン回転速度NEが上記SB11で設定された燃料供給再開回転速度NEA以下となるまで(図19のt2時点まで)少なくともロックアップクラッチが係合状態とされてフューエルカット状態が継続され、その後エンジン10への燃料供給が再開されてアイドル回転速度NEIDLとなるまで燃料供給量が漸増されて(図16のt4時点)本ルーチンが終了させられる。しかし、肯定される場合は燃料供給量抑制手段102としての燃料低減制御手段106およびロックアップクラッチ制御手段114に対応するSB9において、フューエルカット状態が中止されてエンジン10への燃料供給が再開される。その後、ロックアップクラッチ26の係合状態がロックアップオフへと切り換えられる。このSB9においてエンジン10への燃料供給の再開よりも先にロックアップオフとされると、エンジン回転速度が低下してしまい第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動によるエンジン10の駆動の補助も無くてエンジン10の再起動が困難となる可能性があるので、まず先にエンジン10への燃料供給の再開が実施される。以上のように第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動によるエンジン10の回転トルクの助勢(アシスト)が可能である場合には、可能でない場合に比較してフューエルカット状態がより長く実行されてその後の燃料供給量もより低減され、またより低車速でロックアップクラッチ26の係合側への切換えが実行されるので減速ショックが低減される。
【0068】
上述のように、第2の実施例によれば、車両の減速走行中にアクセル或いはスロットルが全閉と判定されたときに、燃料供給量抑制手段102としての燃料低減制御手段106によるエンジン10への燃料供給の抑制が実行されるための予め設定されたエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係が燃料供給設定量変更手段108としての燃料低減線変更手段112(SB3、SB10)によって変更されると、ロックアップクラッチ制御手段114(SB6)によるロックアップクラッチ26の係合状態の切換えが実行されるための予め設定されたロックアップ作動点が、そのエンジン回転速度NEに対する燃料供給量の関係の変更に応じてロックアップ作動点変更手段118(SB4、SB11)によって変更されるので、そのエンジン回転速度NEに対する燃料供給量の関係の変更とそのロックアップ作動点の変更によるロックアップクラッチ26の係合状態の切換えのタイミングが整合されて、たとえばより低車速でロックアップクラッチ26の係合側への切換えが実行されるので、減速ショックが低減されてドライバビリティーが向上する。また、たとえばそのエンジン回転速度NEに対する燃料供給量の関係がエンジン低回転速度側に変更されるとその変更に応じてロックアップ作動点も低車速側すなわち減速中の車速に応じた低回転速側に変更されるので、エンジン10への燃料供給の抑制時間がより長くなって燃費が向上する。
【0069】
また、第2の実施例によれば、エンジン回転速度NEに対する燃料供給量の関係は、その燃料供給量抑制手段102によってそのエンジン10への燃料供給を低減制御させるためのエンジン回転速度NEに対する燃料供給量を予め設定した燃料低減線であり、ロックアップ作動点変更手段118(SB4、SB11)は、燃料供給設定量変更手段108(SB3、SB10)によるその燃料低減線の変更に応じてアクセル或いはスロットルが全閉と判定されるときのロックアップ作動点を変更するものであるので、その燃料低減線が燃料供給設定量変更手段108によって変更されると、ロックアップクラッチ制御手段114(SB6)によるロックアップクラッチ26の係合状態の切換えが実行されるための予め設定されたロックアップ作動点が、その燃料低減線の変更に応じてロックアップ作動点変更手段118によって変更されるので、その燃料低減線の変更とそのロックアップ作動点の変更によるロックアップクラッチ26の係合状態の切換えのタイミングが整合されてドライバビリティーが向上する。また、たとえばその燃料低減線がエンジン低回転速度側すなわち燃料供給量が低減される側に変更されるとその変更に応じてロックアップ作動点も低車速側すなわち減速中の車速に応じた低回転速側に変更されるので、エンジンへの燃料供給の低減時間がより長くなって燃費が向上する。
【0070】
また、第2の実施例によれば、エンジン10に作動的に連結される回転駆動装置(第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2)と、その回転駆動装置を作動させてエンジン回転速度NEを補助する駆動アシスト手段122と、その駆動アシスト手段122によって回転駆動装置が作動されてエンジン10の回転速度NEの補助が可能か否かを判定する駆動アシスト可否判定手段124(SB2)とを備え、燃料供給設定量変更手段108(SB3、SB10)は、その駆動アシスト可否判定手段124による判定結果に応じて燃料低減線を変更するものであるので、駆動アシスト可否判定手段124によって駆動アシスト手段122による回転駆動装置の作動でエンジンの回転速度(駆動)の補助が可能か否かが判定され、燃料供給設定量変更手段108によってその判定結果に応じて燃料低減線が変更されるので、たとえば回転駆動装置によるエンジン回転速度NEの補助が可能である場合には燃料低減線がエンジン低回転速度側すなわちエンジン10への燃料供給量が低減される側に好適に変更される。
【0071】
また、第2の実施例によれば、ロックアップ作動点変更手段118(SB4、SB11)は、燃料供給設定量変更手段108(SB3、SB10)によって燃料低減線がエンジン回転速度に対する燃料供給量が低減される側に変更されると、ロックアップ作動点を低車速側に変更するものであるので、エンジン10への燃料供給の低減時間がより長くなって燃費が向上する。
【0072】
また、第2の実施例によれば、ロックアップクラッチ制御手段114(SB6)は、燃料供給量抑制手段102によるエンジン10への燃料供給の低減制御中に、駆動アシスト可否判定手段124(SB7)によって駆動アシスト手段122によるエンジン回転速度NEの補助が可能でないと判定されると、その燃料供給量抑制手段102によるそのエンジン10への燃料供給の低減制御が中止されて燃料供給が再開されるまでは、ロックアップクラッチ26をロックアップオフとしないものであるので、エンジン10への燃料供給が再開されるまえにロックアップオフとされてエンジン回転速度NEが低下してエンジン10が再起動されない可能性が解消する。
【0073】
つぎに、本発明の第3の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の第1、第2の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0074】
この第3の実施例は、前述の第1、第2の実施例とは図1乃至図10の車両構成においては共通であるのでその説明については割愛する。以下に第1、第2の実施例との違いのある部分を前記図11に基づいて詳しく記述する。
【0075】
ロックアップクラッチ状態判定手段116は、前記ロックアップクラッチ制御手段114によって制御されているロックアップクラッチ26の係合状態を判定する。たとえば、燃料供給量抑制手段102によるエンジン10への燃料供給量の抑制作動が実行されるためにロックアップクラッチ制御手段114によってロックアップクラッチ26が係合側へ切換えられているか否かを判定する。また、前記駆動アシスト手段122によって回転駆動装置としての第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2が作動させられて、エンジン10の駆動が補助されることを前提条件として、ロックアップクラッチ制御手段114によるロックアップクラッチ26の係合側への切換えが可能であるか否かを判定する。たとえば、エンジン油温が低温時にはロックアップクラッチ制御手段114による係合側への切換えが不可能であるので、エンジン油温が所定の温度以上であるか否かを判定する。また、たとえば車両制動時の振動現象であるジャダが発生したと判定された場合にもロックアップクラッチ制御手段114による係合側への切換えが不可能であるので、ジャダ判定が出力されていないか否かを判定する。
【0076】
変速制御手段130は、たとえば図8に示す予め記憶された変速線図から実際の車速Vおよびスロットル弁開度θTH(エンジン負荷)に基づいて自動変速機16の変速段を決定する。
【0077】
ダウンシフト点変更手段134は、前記ロックアップ作動点変更手段によってロックアップ作動点が変更された結果に応じてダウンシフト点を変更する。たとえば、上記ロックアップ作動点のロックアップクラッチ26の係合側への作動点が所定のタービン回転速度NTたとえば1000rpmで設定されている場合には車速が低下してタービン回転速度NTが1000rpmより低下してロックアップクラッチ26の係合側への切換制御作動が中止されると、エンジン回転速度NEが急低下してE燃料供給量抑制手段102によるエンジン10への燃料供給量の抑制作動が中止されて、燃費向上効果が抑制される可能性がある。そこで、タービン回転速度NTが所定値より低下する前に変速制御手段130によるダウンシフトが実行されるようにしてタービン回転速度NTを引き上げてロックアップクラッチ26の係合側への切換制御作動が継続させられるようにする。すなわちダウンシフト点変更手段134は、前記変速制御手段130によって予め記憶された変速線図から実際の車速Vおよびスロットル弁開度θTH(エンジン負荷)に基づいてダウンシフトが実行されることに替えて、タービン回転速度NTに基づいてダウンシフトが実行されるように変速点を変更する。このタービン回転速度NTに基づく変速点はロックアップクラッチ26のロックアップ作動点が所定のタービン回転速度NTで設定されている場合にはダウンシフトの制御の遅れ等を考慮してその所定のタービン回転速度NT以上となるところで好適に設定される。
【0078】
ダウンシフト要否判定手段132は、タービン回転速度センサ91により検出されたタービン回転速度NT(=入力軸22の回転速度NIN)を所定値と比較してダウンシフトが必要であるか否かを判定する。たとえば、ロックアップ作動点がタービン回転速度NTで規定されている場合には、タービン回転速度NTとそのロックアップ作動点でのタービン回転速度NTたとえば1000rpmとを比較してタービン回転速度NTが1000rpmより低下しないためにダウンシフトが必要であるか否かを判定する。上記変速制御手段130はその結果に基づいてダウンシフトを実行する。
【0079】
図20は、第3の実施例である前記電子制御装置90の制御作動の要部すなわちアクセルオフの車両の減速走行時にエンジン10への燃料供給量低減作動のためのロックアップ作動点の変更に応じてダウンシフト点が変更されるようにした変速制御作動を説明するフローチャートであり、また図21はその変速制御作動を説明するタイムチャートである。図20において、前記アクセル開度検出手段126に対応するステップ(以下、ステップを省略する)SC1において、アクセルオンからアクセルオフにされたか否かがたとえばアクセル開度ACCが全閉と判定される値たとえば全閉スイッチがオンとなったか否かによって判定される。このSC1の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合はロックアップクラッチ状態判定手段116に対応するSC2において、前記駆動アシスト手段122によって第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2が作動させられて、エンジン10の駆動が補助されることを前提条件として、ロックアップクラッチ制御手段114によるロックアップクラッチ26の係合側への切換えが可能であるか否かが、たとえばエンジン油温が所定の温度以上であるか否か、またジャダ判定が出力されていないか否かによって判定される。このSC2の判断が肯定される場合は前記燃料供給設定量変更手段108としての前記燃料低減線変更手段112に対応するSC3において、燃料低減線がエンジン低回転速度側たとえば図17に示す一点鎖線に設定される。そして、つづくロックアップ作動点変更手段118に対応するSC4において、上記SC3で燃料低減線がエンジン回転速度の低回転速側に変更されたので、ロックアップ作動点もその変更結果に応じて低車速側に変更設定される。たとえば、ロックアップ作動点が図14(a)に示す点aおよび点bよりも所定値低速側に設定されている図14(b)に示す点a’および点b’に設定される。同様に、上記SC2の判断が否定される場合は前記燃料供給設定量変更手段108としての前記燃料低減線変更手段112に対応するSC8において、燃料低減線がエンジン回転速度の高回転速側たとえば前記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2が備えられてない場合の設定値たとえば図17に示す実線に設定される。そして、つづくロックアップ作動点変更手段118に対応するSC9において、上記SC8で燃料低減線がエンジン回転速度の高回転速側に変更されたので、ロックアップ作動点もその変更結果に応じて高車速側に変更設定されるか或いはこれが実行されない。たとえば、ロックアップ作動点が図14(a)に示す点aおよび点bに設定されるか或いはこれが実行されない。そして、本ルーチンが終了させられる。すなわちこのSC3乃至SC4では燃料低減線変更手段112による燃料低減線が変更設定され、その設定された結果に応じてがロックアップ作動点変更手段118によるロックアップ作動点が変更設定されるが、SC2の判断が否定される場合はロックアップクラッチ26が係合側へ切換え不可能であるので、SC8乃至SC9が実行された後に燃料低減制御手段106によるエンジン10への燃料低減作動が実行されず、またダウンシフトも実行されずに本ルーチンが終了させられることになる。
【0080】
つづく前記ロックアップクラッチ状態判定手段116に対応するSC5において、前記ロックアップクラッチ制御手段114によって制御されているロックアップクラッチ26の係合状態が、たとえば燃料供給量抑制手段102によるエンジン10への燃料供給量の抑制作動が実行されるためにロックアップクラッチ制御手段114によってロックアップクラッチ26が係合側へ切換えられているか否かによって判定される。このSC5の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合はダウンシフト点変更手段134とダウンシフト要否判定手段132とに対応するSC6において、変速制御手段130によって予め記憶された変速線図に基づいてダウンシフトが実行されることに替えて、タービン回転速度NTに基づいてダウンシフトが実行されるように変速点を変更する。たとえば、ロックアップ作動点がタービン回転速度NTで規定されている場合には、タービン回転速度NTとそのロックアップ作動点でのタービン回転速度NTたとえば1000rpmとを比較してタービン回転速度NTが1000rpmより低下しないようにダウンシフト点を設定する。次に、タービン回転速度センサ91により検出されたタービン回転速度NT(=入力軸22の回転速度NIN)を所定値と比較して上記設定されたダウンシフト点でダウンシフトが必要であるか否かが判定される。このSC6の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は前記変速制御手段130に対応するSC7において、ダウンシフトが実行されてタービン回転速度NTが引き上げられてロックアップクラッチ26の係合側への切換制御作動が継続させられる。(図21のt2時点)以上のように第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の作動によるエンジン10の駆動の補助の方が可能である場合には可能でない場合に比較して、低車速側に設定されたロックアップ作動点に応じてダウンシフト点が変更されてタービン回転速度が上昇されるのでロックアップクラッチの係合側への切換状態がより長く継続され、フューエルカット状態がより長く実行されてその後の燃料供給量もより低減されて燃費が向上する。
【0081】
上述のように、第3の実施例によれば、予め設定されたダウンシフト点に基づいて自動変速機16のダウンシフトを実行する変速制御手段130(SC7)と、そのダウンシフト点を変更するダウンシフト点変更手段134(SC6)とを備え、そのダウンシフト点変更手段134は、ロックアップ作動点変更手段118(SC4、SC9)によるロックアップ作動点の変更に応じてダウンシフト点を変更するものであるので、ロックアップ作動点変更手段118によるロックアップ作動点の変更結果に応じてダウンシフト点変更手段134によって変更されたダウンシフト点に基づいて変速制御手段130によって自動変速機16のダウンシフトが実行されるので、たとえばロックアップ作動点変更手段118によって低車速側すなわちロックアップクラッチの係合側への切換状態がより長く継続される側へロックアップ作動点が変更された場合には、その係合側への切換状態が継続されるようにダウンシフトが実行されてタービン回転速度NT(同様にエンジン回転速度NEも)が上昇させられる。この結果、エンジン10への燃料供給の抑制時間がより長くなって燃費が向上する。
【0082】
また、第3の実施例によれば、ダウンシフト点変更手段134は、燃料供給量抑制手段102によるエンジン10への燃料供給の抑制が可能なときにのみダウンシフト点を変更するものであるので、その燃料供給の抑制が可能でない場合にはダウンシフト点が変更されないので、たとえば高車速側に設定されたままのロックアップ作動点に応じてダウンシフト点が変更されてエンジン高回転速度でのダウンシフトが実行されてエンジン低回転速度でのダウンシフトに比較してより大きな変速ショックが発生する可能性があることが避けられて、ドライバビリティーが向上する。
【0083】
以上、本発明の第1、第2、第3の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0084】
たとえば、前述の第1の実施例において、燃料供給量抑制手段102によるエンジン10への燃料供給量の低減のための燃料供給量抑制作動の例として示したエンジン10への燃料供給を完全に停止するフューエルカット作動に替えて、燃料供給量を通常より低減する燃料供給制御作動であってもよい。
【0085】
また、前述の第1の実施例において、SA3で実行されるフューエルカット領域変更手段110によって変更される所定のエンジン回転速度を定めたフューエルカット領域はエンジン高回転側(通常時)に対してエンジン低回転側のみの設定であったが、より多くの段階が好適に設定されてもよい。この場合には、そのそれぞれのフューエルカット領域に応じてSA4で実行されるロックアップ作動点変更手段118によってロックアップ作動点が好適に設定されればよい。
【0086】
また、前述の第2の実施例において、SB3で実行される燃料低減線変更手段112によって変更される燃料低減線は、たとえば図17に示すようにエンジン高回転側(通常時)に対してエンジン低回転側の2段階であったが、より多くの段階乃至連続的となるように好適に設定されてもよい。この場合には、そのそれぞれの燃料低減線に応じてSB4で実行されるロックアップ作動点変更手段118によってロックアップ作動点が好適に設定されればよい。
【0087】
また、前述の第1、第2、第3の実施例において、流体伝動装置としてロックアップクラッチ26が備えられているトルクコンバータ14が用いられていたが、トルク増幅作用のないフルードカップリングが用いられてもよい。
【0088】
また、前述の第1、第2、第3の実施例のエンジン10は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関が用いられ、少なくともエンジンを走行用駆動力源として備えておればよく、エンジン10の吸気配管50および排気管52に設けられている排気タービン式過給機54が備えられてない車両などにも適用され得る。また、エンジン10に作動的に連結される回転駆動装置は少なくともエンジン10の回転を補助するものであればよく、その回転駆動装置としてのモータジェネレータMG1およびMG2は少なくともの一方を備えて少なくとも電動モータとして作動すればよく、またエンジン10に直結される以外にベルト等を介してエンジン10に間接的に連結されてもよい。
【0089】
また、前述の第1、第2、第3の実施例のエンジン10は、可変動弁機構78を備えており、電磁駆動弁すなわち開閉制御弁としての吸気弁74および排気弁75が電磁アクチュエータ76および77によって開閉駆動されていたが、吸気弁74および排気弁75が電気的アクチュエータである電動モータによって開閉駆動されるモータ駆動式開閉弁やクランク軸の回転に同期して、吸気弁および排気弁を開閉駆動させるよく知られた動弁機構に可変機構が備え付けられたものであってもよい。また、上記可変機構が備え付けられてないものであってもよい。
【0090】
また、前述の第1、第2、第3の実施例では、自動変速機16は3組の遊星歯車装置40、42、44の組み合わせから成る前進5速の変速機であったが、クラッチC或いはブレーキBの油圧式摩擦係合装置の解放および係合の少なくとも一方によって変速が実行される型式の変速機であればよく、自動変速機16を構成する遊星歯車装置の組数は3組とは異なる数であってもよいし、また前進6速の変速機、前進4速の変速機等であっても差し支えない。また、自動変速機16は、変速比が無段階に連続的に変化させられる無段変速機であってもよい。
【0091】
また、前述の第1、第2、第3の実施例では、自動変速機16の係合要素であるクラッチC或いはブレーキBは、油圧式摩擦係合装置であったが、電磁式係合装置たとえば電磁クラッチや磁粉式クラッチ等であってもよい。
【0092】
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたハイブリッド車両の動力伝達装置を説明する骨子図である。
【図2】図1の自動変速機における、複数の油圧式摩擦係合装置の作動の組合わせとそれにより成立する変速段との関係を示す図である。
【図3】図1のハイブリッド車両の動力伝達装置の概略構成図である。
【図4】図1のエンジンの各気筒に設けられた可変動弁機構を説明する図である。
【図5】図4の可変動弁機構に設けられて吸気弁或いは排気弁を所望のタイミングで開閉作動させる電磁アクチュエータの構成を説明する図である。
【図6】図1の動力伝達装置が備えている電子制御装置の入出力系統の要部を説明するブロック線図である。
【図7】図1の動力伝達装置におけるエンジンのスロットル弁開度とアクセル開度との関係を示す図である。
【図8】図1の動力伝達装置における自動変速機の変速制御に用いられる変速線図を説明する図である。
【図9】図1の動力伝達装置におけるロックアップクラッチの制御に用いられるロックアップ領域線図を説明する図である。
【図10】図1の車両に設けられたシフト操作装置を示す図である。
【図11】図6の電子制御装置が備えている制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図12】図6の電子制御装置によるフューエルカット作動を説明するタイムチャートである。
【図13】図6の電子制御装置のフューエルカット作動で用いられるエンジン水温に基づいて予め設定されているフューエルカット開始回転速度とフューエルカット復帰回転速度とを示した設定例である。
【図14】図9のロックアップ領域線図のアクセルオフとなる付近の一部分を抜き出したものであり、実線はロックアップオン領域線であり、破線はロックアップオフ領域線を示すものである。
【図15】第1の実施例である図6の電子制御装置の制御作動の要部すなわち車両の減速走行時にフューエルカット作動のためのフューエルカット領域の変更に応じてロックアップ作動点が変更されるようにしたロックアップクラッチ制御作動を説明するフローチャートである。
【図16】図15のロックアップクラッチ制御作動を説明するタイムチャートである。
【図17】第2の実施例の燃料低減制御手段に用いられるエンジン回転速度に対する燃料噴射量示す関係図である。
【図18】第2の実施例である図6の電子制御装置の制御作動の要部すなわち車両の減速走行時にエンジンへの燃料供給量低減作動のための燃料低減線の変更に応じてロックアップ作動点が変更されるようにしたロックアップクラッチの制御作動を説明するフローチャートである。
【図19】図18のロックアップクラッチ制御作動を説明するタイムチャートである。
【図20】第3の実施例である図6の電子制御装置の制御作動の要部すなわち車両の減速走行時にエンジンへの燃料供給量低減作動のためのロックアップ作動点の変更に応じてダウンシフト点が変更されるようにした変速制御作動を説明するフローチャートである。
【図21】図20の変速制御作動を説明するタイムチャートである。
【符号の説明】
10:エンジン
14:トルクコンバータ(流体伝動装置)
16:自動変速機
26:ロックアップクラッチ
102:燃料供給量抑制手段
108:燃料供給設定量変更手段
114:ロックアップクラッチ制御手段
118:ロックアップ作動点変更手段
122:駆動アシスト手段
124:駆動アシスト可否判定手段
130:変速制御手段
134:ダウンシフト点変更手段
MG1、MG2:モータジェネレータ(回転駆動装置)
Claims (11)
- 燃料の燃焼により作動するエンジンと、ロックアップクラッチ付流体伝動装置とを備えた車両のロックアップクラッチ制御装置であって、
車両の減速走行中にアクセル或いはスロットルが全閉と判定されると、予め設定されたエンジン回転速度に対する燃料供給量の関係に基づいて前記エンジンへの燃料供給を抑制する燃料供給量抑制手段と、
該エンジン回転速度に対する燃料供給量の関係を変更する燃料供給設定量変更手段と、
予め設定されたロックアップ作動点に基づいて前記ロックアップクラッチの係合状態の切換えを実行するロックアップクラッチ制御手段と、
前記燃料供給設定量変更手段による前記エンジン回転速度に対する燃料供給量の関係の変更に応じてアクセル或いはスロットルが全閉と判定されるときの前記ロックアップ作動点を変更するロックアップ作動点変更手段と
を、含むことを特徴とする車両のロックアップクラッチ制御装置。 - 前記エンジン回転速度に対する燃料供給量の関係は、該エンジン回転速度が予め定められた復帰回転速度より高いときに前記燃料供給量抑制手段によって前記エンジンへの燃料供給を停止させるためのフューエルカット領域を含むものであり、
前記ロックアップ作動点変更手段は、前記燃料供給設定量変更手段による該フューエルカット領域の変更に応じてアクセル或いはスロットルが全閉と判定されるときの前記ロックアップ作動点を変更するものである請求項1の車両のロックアップクラッチ制御装置。 - 前記エンジンに作動的に連結される回転駆動装置と、
該回転駆動装置を作動させて前記エンジン回転速度を補助する駆動アシスト手段と、
該駆動アシスト手段によって前記回転駆動装置が作動されて前記エンジンの回転速度の補助が可能か否かを判定する駆動アシスト可否判定手段とを備え、
前記燃料供給設定量変更手段は、該駆動アシスト可否判定手段による判定結果に応じて前記フューエルカット領域を変更するものである請求項2の車両のロックアップクラッチ制御装置。 - 前記ロックアップ作動点変更手段は、前記燃料供給設定量変更手段によって前記フューエルカット領域が前記エンジン回転速度の高回転速度側に変更されると、前記ロックアップ作動点を高車速側に変更するものである請求項2または3の車両のロックアップクラッチ制御装置。
- 前記ロックアップクラッチ制御手段は、前記燃料供給量抑制手段による前記エンジンへの燃料供給の停止中に、前記駆動アシスト可否判定手段によって前記駆動アシスト手段による前記エンジン回転速度の補助が可能でないと判定されると、該燃料供給量抑制手段による該エンジンへの燃料供給の停止が中止されて燃料供給が再開されるまでは、前記ロックアップクラッチをロックアップオフとしないものである請求項3の車両のロックアップクラッチ制御装置。
- 前記エンジン回転速度に対する燃料供給量の関係は、該燃料供給量抑制手段によって前記エンジンへの燃料供給を低減制御させるための前記エンジン回転速度に対する燃料供給量を予め設定した燃料低減線であり、
前記ロックアップ作動点変更手段は、前記燃料供給設定量変更手段による該燃料低減線の変更に応じてアクセル或いはスロットルが全閉と判定されるときの前記ロックアップ作動点を変更するものである請求項1の車両のロックアップクラッチ制御装置。 - 前記エンジンに作動的に連結される回転駆動装置と、
該回転駆動装置を作動させて前記エンジン回転速度を補助する駆動アシスト手段と、
該駆動アシスト手段によって前記回転駆動装置が作動されて前記エンジンの回転速度の補助が可能か否かを判定する駆動アシスト可否判定手段とを備え、
前記燃料供給設定量変更手段は、該駆動アシスト可否判定手段による判定結果に応じて前記燃料低減線を変更するものである請求項6の車両のロックアップクラッチ制御装置。 - 前記ロックアップ作動点変更手段は、前記燃料供給設定量変更手段によって前記燃料低減線が前記エンジン回転速度に対する燃料供給量が低減する側に変更されると、前記ロックアップ作動点を低車速側に変更するものである請求項6または7の車両のロックアップクラッチ制御装置。
- 前記ロックアップクラッチ制御手段は、前記燃料供給量抑制手段による前記エンジンへの燃料供給の低減制御中に、前記駆動アシスト可否判定手段によって前記駆動アシスト手段による前記エンジン回転速度の補助が可能でないと判定されると、該燃料供給量抑制手段による該エンジンへの燃料供給の低減制御が中止されて燃料供給が再開されるまでは、前記ロックアップクラッチをロックアップオフとしないものである請求項7の車両のロックアップクラッチ制御装置。
- 予め設定されたダウンシフト点に基づいて前記自動変速機のダウンシフトを実行する変速制御手段と、
該ダウンシフト点を変更するダウンシフト点変更手段とを備え、
該ダウンシフト点変更手段は、前記ロックアップ作動点変更手段による前記ロックアップ作動点の変更に応じて前記ダウンシフト点を変更するものである請求項1、2、6のいずれかの車両のロックアップクラッチ制御装置。 - 前記ダウンシフト点変更手段は、前記燃料供給量抑制手段による前記エンジンへの燃料供給の抑制が可能なときにのみ前記ダウンシフト点を変更するものである請求項10の車両のロックアップクラッチ制御装置。
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