JP2004263341A - 混繊糸およびそれからなる織編物ならびにその製造方法 - Google Patents

混繊糸およびそれからなる織編物ならびにその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、ソフトでさらっとした触感、ふくらみ感、光沢感に優れた混繊糸およびそれからなる織編物ならびにその製造方法を提供せんとするものである。
【解決手段】本発明の混繊糸は、沸騰水収縮率の異なる繊維からなる混繊糸において、一方の糸が、ナイロン6繰り返し単位を70〜98重量%とナイロン66繰り返し単位を2〜30重量%とで構成されたナイロン6/ナイロン66共重合体フィラメント糸で、他方の糸が、ナイロン6又はナイロン66からなる異形断面フィラメント糸からなる混繊糸であって、該ナイロン6/ナイロン66共重合体フィラメント糸が、混繊糸全体に対して30〜70重量%含有されていることを特徴とするものである。また、本発明の織編物は、かかる混繊糸を用いて構成されていることを特徴とするものであり、さらにその製造方法は、前記混繊糸を用いて織編物を形成した後、熱収縮処理することを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はソフトでさらっとした触感、ふくらみ感、光沢感のある混繊糸およびそれからなる織編物ならびにその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、沸騰水収縮率の異なる2種類以上の繊維を混合して得る混繊糸は、編成あるいは製織後に熱処理を行うことにより、構成糸の収縮差のために低収縮糸が大きなループを形成し、ふくらみ感、ソフト感のある布帛が得られることはよく知られている。
【0003】
例えば、沸騰水収縮率の異なるナイロン6とナイロン6/ナイロン66共重合ポリマを混繊することによってソフトでふくらみ感のある布帛が得られることを特徴とする混繊糸(特許文献1参照)が提案されている。
【0004】
一方、異形断面糸については、従来から種々検討されてきており、多葉型の断面についても多くの検討がなされている。代表的には、口金孔の形状により多葉断面を持つ糸を直接紡糸する方法がある。
【0005】
【特許文献1】特開2000−355841号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら従来技術による混繊糸では、ソフトなふくらみ感は得られるものの、さらっとした触感、光沢感を得ることはできなかった。一方、さらっとした触感、光沢感を得るため異形断面糸を用いた場合、従来技術による異形口金からの直接紡糸方法では、口金吐出直後のポリマーの粘度が低いために表面張力を下げようとする働きにより断面形状が丸みを帯びたものとなり、ソフトでさらっとした触感、光沢感について満足を得られるものではない。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、ソフトでさらっとした触感、ふくらみ感、光沢感に優れた混繊糸およびそれからなる織編物ならびにその製造方法を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。すなわち、本発明の混繊糸は、沸騰水収縮率の異なる繊維からなる混繊糸において、一方の糸が、ナイロン6繰り返し単位を70〜98重量%とナイロン66繰り返し単位を2〜30重量%とで構成されたナイロン6/ナイロン66共重合体フィラメント糸で、他方の糸が、ナイロン6又はナイロン66からなる異形断面フィラメント糸からなる混繊糸であって、該ナイロン6/ナイロン66共重合体フィラメント糸が、混繊糸全体に対して30〜70重量%含有されていることを特徴とするものである。また、本発明の織編物は、かかる混繊糸を用いて構成されていることを特徴とするものであり、さらにその製造方法は、前記混繊糸を用いて織編物を形成した後、熱収縮処理して、10%以上収縮させることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明は、かかる課題、つまり、ソフトでさらっとした触感、ふくらみ感、光沢感に優れた混繊糸およびそれからなる織編物について、鋭意検討し、従来より触感や光沢感に有効である異形断面糸を、高次加工工程で初めて発現させ、紡糸段階では得られない断面形状を得られるという新たな手法を採用してみたところ、初めてかかる課題を一挙に解決することを究明したものである。
【0010】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】
本発明の混繊糸を構成する高収縮糸は、ナイロン6/ナイロン66共重合フィラメントから成ることが必要である。さらに、ナイロン6/ナイロン66共重合体フィラメントの原料コポリマー中のナイロン6繰り返し単位とナイロン66繰り返し単位の比、すなわち共重合比率は、ナイロン6繰り返し単位を70〜98重量%およびナイロン66繰り返し単位を2〜30重量%とすることが必要である。ナイロン6繰り返し単位が98重量%を越えると、後加工において発現する、もう一方のナイロン6またはナイロン66フィラメントとの収縮差が充分でなく、ソフトな触感とふくらみ感が得られない。また、ナイロン6繰り返し単位が70重量%未満であると、糸の耐熱性が低くなり紡糸中のポリマー熱劣化が生じる。
【0012】
また、本発明の混繊糸を構成するナイロン6/ナイロン66共重合体フィラメントは酸化防止剤を含有することが好ましい。酸化防止剤は、従来より合成繊維が光や熱に曝された際の経時劣化を抑制する効果があることが知られているが、元来耐熱性の低いナイロン6/ナイロン66共重合ポリマーに添加することにより、紡糸中における熱劣化を抑制することができる。この熱劣化の抑制により、後工程で緊張熱セット処理をおこなうことによる熱変性を防ぎ、淡染スジ等のない布帛を得ることができる。
【0013】
前記共重合ポリマーに、酸化防止剤を付与することで熱劣化が抑制されるのは、余分な熱エネルギーが酸化防止剤で吸収されるからであり、そのためには酸化防止剤の含有量は、ナイロン6/ナイロン66共重合ポリマー100重量部に対して0.01〜1.0重量部であることが好ましい。0.01重量部未満では、熱劣化の抑制効果が不充分であり、布帛にした際の淡染スジを防ぐことができない。また、1.0重量部を超えると編地にした際に色がくすんでしまい品位が劣るとともに製造コストが高くなり編地用途に適さない。さらに好ましくは0.02〜0.5重量部である。
【0014】
酸化防止剤は耐熱性改善効果の見られるものであれば特に制約はなく、例えばヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、フェノール/アクリレート系、イオウ系、リン系などの酸化防止剤が使用できる。中でも耐熱性改善効果、汎用性などの観点からヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。
【0015】
この酸化防止剤を含有せしめる方法としては、ナイロンペレットへ酸化防止剤をブレンドし溶融する方法、ナイロンペレットへ高濃度の酸化防止剤を含有するマスタペレットをブレンドし溶融する方法、溶融状態のナイロンへ酸化防止剤を添加し混練する方法、ナイロンの重合前あるいは重合中の段階で原料あるいは反応系へ酸化防止剤を添加する方法などが挙げられるが、両者が均一に混ざればいかなる方法でも良い。
【0016】
また、ナイロン6/ナイロン66共重合体フィラメントには、必要に応じて公知の艶消し剤、耐光剤、帯電防止剤等を含ませることができる。
【0017】
本発明の混繊糸を構成する低収縮糸は、ナイロン6又はナイロン66異形断面形状フィラメントからなることが必要である。その断面形状は、外接円半径と内接円半径の比1.1以上であることが好ましい。1.1未満の場合、円形断面との差はあまりなく、光沢感についても満足できるものではない。また、外接円半径と内接円半径の比に特に上限は設けないが、5以上の場合は、製糸性が悪化傾向となる。
【0018】
前記異形断面は、横断面が葉の頂点のなす角αが90°以下である葉を3以上有するものであり、好ましくは葉の数は5以上である。ここで葉とは、図1中の符号1に示すように、横断面において、凸状の突起となっている部分をさす。また、角αは葉の頂点Tと各葉が隣の葉と共有する2点B(Cー1と共通)、C(Bi+1と共通)によりなす角Bと定義する。
【0019】
葉の頂点のなす角αが90°未満である葉が2以下の場合には織物、編地にしたときに突起部が十分に表面に突き出た形とならないために、柔らかなタッチが損なわれる。葉の頂点のなす角は糸の横断面を顕微鏡写真にとり、角度を測定することで求められる。
【0020】
フィラメント横断面の外接円半径をr、フィラメント横断面の各葉が隣の葉と共有する2点B(Cー1と共通)、C(Bi+1と共通)がそれぞれ各葉の頂点Tで結ばれる線分のうち最も長いものをamaxと図2、図3で示すように定義する。
【0021】
このとき、本発明におけるフィラメントは、
(1)0.5r≦amax
を満たすことであり、好ましくは0.6r≦amax、さらに好ましくは0.7r≦amaxである。すなわち、0.5r>amaxのときには、葉の長さが小さいためにさらっとした触感や光沢感得ることは出来ない。
【0022】
また、フィラメント横断面の各葉が隣の葉と構成する2点B(Cー1と共通)、C(Bi+1と共通)を結ぶ線分Bの長さをKとし、各葉が線分Bで切り取られる部分の面積をS、各葉の頂点と線分Bの距離をLとし、フィラメント横断面がもつ葉の数をNとしたとき、本発明におけるフィラメントは、
(2)Σ2S/KN≦1.5
を満たすことであり、好ましくはΣ2S/KN≦1.35、さらに好ましくはΣ2S/KN≦1.2である。すなわち、Σ2S/KN>1.5のときには、葉が丸みを帯びるため、さらっとした触感が体感しにくくなる。
【0023】
また、S、K、L、Nについては、糸を繊維長方向に垂直に切断し、この切断面をSEMで観察し、写真に撮しとり、写し取られた断面について、面積・長さを実測することにより求めることができる。実測した値から、S/KNをi=1〜Nについて、それぞれ計算し、これを合計することでΣ2S/KNが求められる。例えば、図2の(a)の場合、S、K、L、S、K、L・・・・S、K、Lを実測し、S/KN、S/KN・・・・S/KNを計算し、それらを合計することでΣ2S/KNが求められる。葉の頂点のなす角αが90°以下である葉を3以上有するものであり、好ましくは葉の数は5以上である。ここで葉とは、図1中の符号1に示すように、横断面において、凸状の突起となっている部分をさす。また、角αは葉の頂点Tと各葉が隣の葉と共有する2点B(Cー1と共通)、C(Bi+1と共通)によりなす角Bと定義する。
【0024】
本発明の混繊糸を構成する高収縮糸と低収縮糸の単糸繊度、糸条繊度に特に制限はないが、単糸繊度が2デシテックス以下であることが、ソフトでさらっとした触感を得るために好ましい。
【0025】
本発明の混繊糸を構成する高収縮糸の沸騰水収縮率は、好ましくは20%以上、より好ましくは20〜40%であることがよい。また、低収縮糸の沸騰水収縮率は、好ましくは20%以下、より好ましくは5〜20%であることがよい。さらに、その沸騰水収縮率の差が10%以上あることが、ふくらみ感、ソフト感を得るために好ましい。さらに好ましくは15%以上である。
【0026】
本発明の混繊糸の製造方法は特に限定しないが、例えば次のような手法を用いて製造される。
【0027】
本発明の混繊糸を構成する高収縮糸の製糸方法は、前述したナイロン6/ナイロン66共重合ポリマを溶融紡糸の後、給油および交絡処理を行い、1000m/分以上の速度で紡糸引取り、引き続いて延伸し巻取る方法、あるいは、溶融紡糸の後、給油および交絡処理を行い1000m/分以上の速度で紡糸引取りし実質的に延伸することなく巻取る方法により行うことが好ましい。さらに好ましくは、巻取速度が3000m/分以上であることが生産性の上で好ましい。
【0028】
本発明の混繊糸を構成する低収縮糸の製糸方法は、ナイロン6又はナイロン66を芯部に、ポリエステルを鞘部に配置されるように設計された紡糸口金を用いて、溶融紡糸の後、給油および交絡処理を行い、1000m/分以上の速度で紡糸引取り、引き続いて延伸し巻取る方法、あるいは、溶融紡糸の後、給油および交絡処理を行い1000m/分以上の速度で紡糸引取りし実質的に延伸することなく巻取る方法により行うことが好ましい。さらに好ましくは、巻取速度が3000m/分以上であることが生産性の上で好ましい。
【0029】
また、鞘成分を構成するポリマは、アルカリ溶出処理により溶解するポリマであれば特に限定しないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリ乳酸が好ましい。また、これらのポリマに対して、アルカリ溶出速度を促進させるために必要に応じて共重合させたり、添加剤等を含ませることができる。
【0030】
本発明の混繊糸は、先に述べた高収縮糸と低収縮糸を引き揃え、インターレースによる交絡処理を施して混繊加工をした後に巻き取る。その後、編成あるいは製織後、アルカリ溶出処理することにより、鞘成分の、たとえばポリエステルを溶解して、多葉断面状の芯成分を残すと共に収縮差を発現させるものである。つまり、かかるアルカリ溶出処理は、熱収縮処理と同時または熱収縮処理を含むものであってもよい。
【0031】
かかるアルカリ溶出処理に使用するアルカリの種類は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなど強アルカリであれば特に限定しないが、水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。アルカリ処理条件は、アルカリ濃度、処理時間、処理温度によって決められるが、アルカリ濃度は30〜40g/L、処理温度は80〜120℃の範囲で処理されることが望ましい。また、アルカリ溶出速度を速めるために第4級アンモニウム塩、カチオン活性剤などの溶出促進剤が知られており、混繊糸の特性を阻害しない範囲であれば併用してもかまわない。
【0032】
このような方法を用いることのメリットは、芯成分が鞘成分により囲まれているために、芯成分が表面張力を小さくしようと丸くなろうとするのが阻害され、シャープな形状を維持することができることにある。
【0033】
また、芯成分が丸くなろうとするのが阻害される観点から、鞘成分に用いるポリマーは芯成分に用いるポリマーよりも高粘度であることが望ましい。また、鞘成分溶出前の糸断面は、丸、四角、扁平、Y字その他どのような形状であっても特に構わないが、芯成分の形状を保持する観点から丸が好ましい。
【0034】
また、高収縮糸を30〜70%の混率で構成することがふくらみ感を発現させる点から必要である。30%未満の場合、混繊糸全体の収縮が十分に起こらず、結果として十分なループを形成することができずにソフト感、ふくらみ感に不十分となる。一方、共重合体の比率が高くなる程洗濯堅牢度わ悪くなり、70%を超えると製品としての基準を満足できるものではない。
【0035】
本発明の混繊糸は、通常の方法で編成、製織して布帛とすることができる。その布帛組織は、本発明の効果を阻害しない限りツイル、タフタ、スムース、トリコットその他どのような構造でもよいが、他の断面糸と混用する場合は本発明が提供する糸が表面に多く現れる構造が好ましい。
【0036】
また、通常の方法で染色加工を行い、必要に応じて、制電、抗菌、柔軟仕上げ、その他公知の後加工をすることができる。その後、縫製されて、各種衣料用製品とされる。なかでも、直接肌に着用されるインナーウェア(ランジェリー、ファウンデーション等)やスポーツウェア(ウィンドブレーカー、テニスウェア、スキーウェア、トレーニングウェア等)として好適である。
【0037】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。物性の測定方法は次の通りである。
A.ソフト感
温度25℃、湿度50%に調整した部屋の中で2時間放置し、編地のソフト感について、官能評価を10人に対して行った。評価は以下のようにした。
ソフト感がある:○、ソフト感が十分でない:△、ソフト感がない:×。
B.ふくらみ感
温度25℃、湿度50%に調整した部屋の中で2時間放置し、編地のふくらみ感について、官能評価を10人に対して行った。評価は以下のようにした。
ふくらみ感がある:○、ふくらみ感が十分でない:△、ふくらみ感がない:×。
C.さらっと感
温度25℃、湿度50%に調整した部屋の中で2時間放置し、編地のソフト感について、官能評価を10人に対して行った。評価は以下のようにした。
さらっと感がある:○、さらっと感が十分でない:△、さらっと感がない:×。
D.光沢感
温度25℃、湿度50%に調整した部屋の中で2時間放置し、編地の光沢感について、官能評価を10人に対して行った。評価は以下のようにした。
光沢感がある:○、光沢感が十分でない:△、ない:×。
E.洗濯堅牢度
JIS L 0844「洗濯に関する染色堅牢度試験方法(A−2法)」に従って行った。変退色4級以上合格である。
【0038】
実施例1
高収縮糸として、ヒンダードフェノール系酸化防止剤”イルガノックス”1330(チバガイギー(株)製)を0.06重量部粉末ブレンドした、98%硫酸相対粘度が2.77の共重合比が85/15であるナイロン6/ナイロン66共重合体を、丸孔紡糸口金を用いて、紡糸温度270℃で溶融吐出し、冷却、給油、交絡後、非加熱ローラーで引き取り、155℃の加熱ローラーとの間で1.5倍に延伸して巻き取り速度4000m/分で巻き取りをおこない、56デシテックス26フィラメントを得た。このフィラメントの沸騰水収縮率は、35%であった。
【0039】
低収縮糸として、98%硫酸相対粘度が2.62のナイロン6を8葉星状芯部に、ポリエチレンテレフタレートを鞘部に配置されるように設計された紡糸口金を用いて、重量比30:70、紡糸温度290℃で溶融吐出し、冷却、給油、交絡後、非加熱ローラーで引取、160℃に加熱されたローラーとの間で1.4倍に延伸して、巻取速度4000m/分で巻き取り、112デシテックス、36フィラメントの図4に示す形状の芯鞘複合糸を得た。このフィラメントの沸騰水収縮率は、18%であった。
【0040】
得られた高収縮糸と低収縮糸を、インターレースによる交絡圧2.0kg/cm2ノ交絡処理を施して混繊加工を行い、22デシテックスのポリウレタン弾性繊維(“ライクラ”東レ・デュポン(株)社製)を用いてベア天竺編地を編成した。
【0041】
得られた編地を、苛性ソーダ60g/Lを用いてポリエチレンテレフタレートを完全溶解させた。このときの表1に示す八葉断面を得た。続いて、液流染色機にて酸性染料(Nylosan Blue N−GFL 167%(クラリアントジャパン株式会社製))1重量%、昇温速度1℃/分、染色温度90℃、染色時間30分で染色加工を行い、続いて、ディマフィックスESH(明成化学工業株式会社製)を3重量%、処理温度80℃、処理時間20分でFIX処理を行い、ピンテンターにて180℃で仕上げセットを行った。
【0042】
得られた編地について評価した結果を表2に示す。
【0043】
実施例2
低収縮糸として、ナイロン6、ポリエチレンテレフタレートの吐出重量比を45:55とした以外は実施例1と同様に紡糸し、混繊糸を製造し、編地を得た。
【0044】
得られた八葉断面形状を表1、編地について評価した結果を表2に示す。
【0045】
実施例3
低収縮糸として、ナイロン6、ポリエチレンテレフタレートの吐出重量比を35:65とした以外は実施例1と同様に紡糸し、混繊糸を製造し、編地を得た。
【0046】
得られた八葉断面形状を表1、編地について評価した結果を表2に示す。
【0047】
実施例4
低収縮糸として、芯成分のポリマを98%硫酸相対粘度2.7のナイロン66とした以外は実施例1と同様に紡糸し、混繊糸を製造し、編地を得た。
【0048】
得られた八葉断面形状を表1、編地について評価した結果を表2に示す。
【0049】
実施例5
低収縮糸として、鞘成分のポリマをポリ乳酸とした以外は実施例1と同様に紡糸し、混繊糸を製造し、編地を得た。
【0050】
得られた八葉断面形状を表1、編地について評価した結果を表2に示す。
【0051】
比較例1
高収縮糸として、ナイロン6/ナイロン66共重合体の共重合比を60/40とした以外は実施例1と同様に紡糸したが、製糸不能であった。
【0052】
比較例2
高収縮糸として、ナイロン6/ナイロン66共重合体の共重合比を99/1とした以外は実施例1と同様に紡糸し、混繊糸を製造し、編地を得た。
【0053】
得られた八葉断面形状を表1、編地について評価した結果を表2に示す。
【0054】
比較例3
高収縮糸として、11デシテックス5フィラメントとした以外は実施例1と同様に紡糸し、混繊糸を製造し、編地を得た。
【0055】
得られた八葉断面形状を表1、編地について評価した結果を表2に示す。
【0056】
比較例4
高収縮糸として、83デシテックス52フィラメントとして以外は実施例1と同様に紡糸し、混繊糸を製造し、編地を得た。
【0057】
得られた八葉断面形状を表1、編地について評価した結果を表2に示す。
【0058】
比較例5
低収縮糸として、98%硫酸相対粘度が2.62のナイロン6を、丸孔紡糸口金を用いて、紡糸温度270℃で溶融吐出し、冷却、給油、交絡後、非加熱ローラーで引き取り、155℃の加熱ローラーとの間で1.5倍に延伸して巻き取り速度4000m/分で巻き取りをおこない、33デシテックス36フィラメントを得た以外は実施例1と同様に紡糸し、混繊糸を製造し、編地を得た。
【0059】
得られた編地について評価した結果を表2に示す。
【0060】
【表1】
Figure 2004263341
【0061】
表1は、実施例、比較例の編地を構成する多葉断面糸の横断面を顕微鏡写真にとり、多葉断面糸の横断面の葉の頂点のなす角度αを測定した結果である。
【0062】
【表2】
Figure 2004263341
【0063】
表2の結果から明らかなように、実施例の編地は、比較例のものに比して、ソフトでさらっとした触感、ふくらみ感、光沢感に優れていることがわかる。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、ソフトでさらっとした触感、ふくらみ感、光沢感のある織編物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が提供する多葉断面糸の横断面形状の一例を示す横断面図であり、(a)は8葉、(b)は6葉の例を示す。
【図2】本発明で定義した多葉断面糸の横断面形状を示す記号を説明する横断面図であり、(a)は8葉、(b)は6葉の例を示す。
【図3】本発明で定義した多葉断面糸の葉部分形状を示す記号を説明する横断面図である。
【図4】本発明の実施例で用いた芯鞘複合糸の断面概略図である。
【符号の説明】
1:葉

Claims (9)

  1. 沸騰水収縮率の異なる繊維からなる混繊糸において、一方の糸が、ナイロン6繰り返し単位を70〜98重量%とナイロン66繰り返し単位を2〜30重量%とで構成されたナイロン6/ナイロン66共重合体フィラメント糸で、他方の糸が、ナイロン6又はナイロン66からなる異形断面フィラメント糸からなる混繊糸であって、該ナイロン6/ナイロン66共重合体フィラメント糸が、混繊糸全体に対して30〜70重量%含有されていることを特徴とする混繊糸。
  2. 前記異形断面フィラメント糸が、外接円半径/内接円半径1.1以上である異形断面フィラメント糸であることを特徴とする請求項1記載の混繊糸。
  3. 前記異形断面が、葉の頂点のなす角αが90°以下である葉を3つ以上有する形状であり、下記(1)〜(2)式を満たすものであることを特徴とする多葉断面フィラメント糸であることを特徴とする請求項1または2に記載の混繊糸。
    (1)0.5r≦amax
    (ただし、フィラメント横断面の外接円半径をrとし、フィラメント横断面の各葉が隣の葉と共有する2点B(Cー1と共通)、C(Bi+1と共通)がそれぞれ各葉の頂点Tで結ばれる線分のうち最も長いものをamaxとする。)
    (2)Σ2S/KN≦1.5
    (ただし、フィラメント横断面の各葉が隣の葉と構成する2点B(Cー1と共通)、C(Bi+1と共通)を結ぶ線分Bの長さをKとし、各葉が線分Bで切り取られる部分の面積をS、各葉の頂点と線分Bの距離をLとした。またフィラメント横断面がもつ葉の数をNとする。)。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の混繊糸を用いて構成されていることを特徴とする織編物。
  5. 前記織編物が、請求項1〜3のいずれかに記載の混繊糸とポリウレタン弾性繊維とが交編織されて構成されていることを特徴とする請求項4に記載の織編物。
  6. 前記織編物が、インナーウエア用またはスポーツウエア用であることを特徴とする請求項4または5に記載の織編物。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の混繊糸を用いて織編物を形成した後、熱収縮処理することを特徴とする織編物の製造方法。
  8. 請求項7において、前記異形断面フィラメント糸が、芯成分がナイロン6又はナイロン66で構成されてなる異形断面形状を有し、鞘成分がポリエステルで構成された芯鞘型複合フィラメント糸であり、この芯鞘型複合フィラメント糸を、前記ナイロン6/ナイロン66共重合体フィラメント糸と混繊した後、アルカリ溶出処理して、鞘成分のポリエステルを溶出することを特徴とする織編物の製造方法。
  9. 前記アルカリ溶出処理が、熱収縮処理と同時または熱収縮処理を含むものである請求項8に記載の織編物の製造方法。
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