JP2004263161A - ポリオレフィン系硬質樹脂の耐衝撃性を向上させる、後添加顔料含有樹脂材料 - Google Patents
ポリオレフィン系硬質樹脂の耐衝撃性を向上させる、後添加顔料含有樹脂材料 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ポリオレフィン系硬質樹脂とゴム成分を含んだ顔料マスターバッチを成形時に混練した際、耐衝撃性を効率良く向上させる。
【解決手段】顔料マスターバッチ側に含まれるSEBSの共役ジエン部分の二重結合を60%以上飽和させることにより、ポリオレフィン系硬質樹脂中のPPとEPラバー成分間の相溶化剤として機能させ、EPラバーを微分散化させ、素材の衝撃強度を向上させる。
【選択図】 図2
【解決手段】顔料マスターバッチ側に含まれるSEBSの共役ジエン部分の二重結合を60%以上飽和させることにより、ポリオレフィン系硬質樹脂中のPPとEPラバー成分間の相溶化剤として機能させ、EPラバーを微分散化させ、素材の衝撃強度を向上させる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車内外装用の射出成形部品に関し、詳しくは、耐衝撃性を必要とする自動車のダッシュボード、ドアトリム、ピラートリムなどに関する。
【0002】
【従来の技術】衝撃性を向上させるためのゴム成分は、ポリオレフィン系樹脂内での十分な分散状態を得るため、混練機で練り込まれている。これまで、コスト低減を目的として、製品成形時に射出成形機内にてポリオレフィン樹脂とゴム成分を混練する試みが多々なされてきた。しかしながら、射出成形機内でスクリュウにより生じる剪断力は混練機に比較し低いためゴム成分に分散状態が不均一となり、よって安定した耐衝撃性を得ることができず、実用に到っていない。一方、顔料マスターバッチは、ポリオレフィン系樹脂のコスト低減を目的とした着色方法として広く使われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、顔料マスターバッチに、ポリオレフィン系樹脂との相溶性を上げたSEBSまたはSEBCの単体、若しくはエチレンプロピレンゴム等の別種のゴム成分とのブレンド材料を適用することにより、安価な耐衝撃性の高い樹脂材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決させる為の手段】上記目的を達成させるため、添加するSEBSまたはSEBCの共役ジエン部分の二重結合の飽和度(以下、飽和度という)を60%以上飽和にすることにより、ポリオレフィン系樹脂との相溶性を上げ、射出成形機内での剪断力でも十分にゴム成分が分散させ、耐衝撃性を向上させる。
【0005】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
【0006】希釈材としてポリプロピレン、マスターバッチとしてSEBSを含む30倍顔料マスターバッチを、射出成形機を用い試験片を作製し、アイゾット衝撃強度及び透過電顕によるゴムの分散状態を評価した。結果、SEBSを含む顔料マスターバッチ添加により衝撃強度の向上が確認でき、また十分なゴムの分散状態が得られることも確認できた。評価結果を図1及び2に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】アイゾット衝撃強度評価結果の図である。
【図2】透過電顕によるゴム分散状態の図である。
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車内外装用の射出成形部品に関し、詳しくは、耐衝撃性を必要とする自動車のダッシュボード、ドアトリム、ピラートリムなどに関する。
【0002】
【従来の技術】衝撃性を向上させるためのゴム成分は、ポリオレフィン系樹脂内での十分な分散状態を得るため、混練機で練り込まれている。これまで、コスト低減を目的として、製品成形時に射出成形機内にてポリオレフィン樹脂とゴム成分を混練する試みが多々なされてきた。しかしながら、射出成形機内でスクリュウにより生じる剪断力は混練機に比較し低いためゴム成分に分散状態が不均一となり、よって安定した耐衝撃性を得ることができず、実用に到っていない。一方、顔料マスターバッチは、ポリオレフィン系樹脂のコスト低減を目的とした着色方法として広く使われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、顔料マスターバッチに、ポリオレフィン系樹脂との相溶性を上げたSEBSまたはSEBCの単体、若しくはエチレンプロピレンゴム等の別種のゴム成分とのブレンド材料を適用することにより、安価な耐衝撃性の高い樹脂材を提供することにある。
【0004】
【課題を解決させる為の手段】上記目的を達成させるため、添加するSEBSまたはSEBCの共役ジエン部分の二重結合の飽和度(以下、飽和度という)を60%以上飽和にすることにより、ポリオレフィン系樹脂との相溶性を上げ、射出成形機内での剪断力でも十分にゴム成分が分散させ、耐衝撃性を向上させる。
【0005】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に何ら制約されるものではない。
【0006】希釈材としてポリプロピレン、マスターバッチとしてSEBSを含む30倍顔料マスターバッチを、射出成形機を用い試験片を作製し、アイゾット衝撃強度及び透過電顕によるゴムの分散状態を評価した。結果、SEBSを含む顔料マスターバッチ添加により衝撃強度の向上が確認でき、また十分なゴムの分散状態が得られることも確認できた。評価結果を図1及び2に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】アイゾット衝撃強度評価結果の図である。
【図2】透過電顕によるゴム分散状態の図である。
Claims (1)
- 下記(イ)を5%以上含む顔料含有樹脂材料(以下、マスターバッチという)。ポリオレフィン系硬質樹脂材の成形時に、射出成形機に同時に投入され、射出成形機内でポリオレフィン系硬質樹脂と混練される。
なお、この組成物には必要に応じて、増量剤として、ポリオレフィン系硬質樹脂、また各種添加ゴム、例えばエチレンプロピレンゴム、エチレンブタジエンゴム等、また顔料の分散性を向上させる金属ステアリン酸を含むこともある。
(イ)共役ジエン系共重合体の共役ジエン部分の二重結合が60%以上飽和された、数平均分子量が5万〜70万である水添ジエン系共重合体。例えば、スチレンエチレンブタジエンスチレンブロックコポリマー(以下、SEBSという)またはスチレンエチレンブタジエンオレフィン結晶ブロックコポリマー(以下、SEBCという)をいう。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003102226A JP2004263161A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | ポリオレフィン系硬質樹脂の耐衝撃性を向上させる、後添加顔料含有樹脂材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003102226A JP2004263161A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | ポリオレフィン系硬質樹脂の耐衝撃性を向上させる、後添加顔料含有樹脂材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004263161A true JP2004263161A (ja) | 2004-09-24 |
Family
ID=33127681
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003102226A Pending JP2004263161A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | ポリオレフィン系硬質樹脂の耐衝撃性を向上させる、後添加顔料含有樹脂材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004263161A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102219947A (zh) * | 2011-04-25 | 2011-10-19 | 山东鲁燕色母粒有限公司 | 一种橡胶用色胶片的制备方法 |
WO2022163170A1 (ja) * | 2021-01-28 | 2022-08-04 | 株式会社アシックス | 射出成形品および靴 |
-
2003
- 2003-03-03 JP JP2003102226A patent/JP2004263161A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102219947A (zh) * | 2011-04-25 | 2011-10-19 | 山东鲁燕色母粒有限公司 | 一种橡胶用色胶片的制备方法 |
CN102219947B (zh) * | 2011-04-25 | 2013-06-12 | 山东鲁燕色母粒有限公司 | 一种橡胶用色胶片的制备方法 |
WO2022163170A1 (ja) * | 2021-01-28 | 2022-08-04 | 株式会社アシックス | 射出成形品および靴 |
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