JP2004262433A - ステアリングコラム装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ステアリングコラム装置において、ステアリングホィールから離間した位置に設けられた単一の操作レバーによって、テレスコピック機構及びチルティング機構の各クランプ/アンクランプ機構を操作できるようにするとともに、テレスコピック機構又はチルティング機構の内の少なくとも一方のアンクランプ時に、レバーから手を離しても、アンクランプ状態を保持することができるようにして、ステアリングホィールの前後方向位置調整又は角度位置調整の内の少なくとも一方を、両手で行えるようにする。
【解決手段】 操作レバー7を手前に引くとチルトヘッド4のクランプが解除され、操作レバー7を押すと、プッシャープレート73が揺動し、アンクランプ保持機構8を介して、コラムクランプシャフト6が回動し、コラムヘッド31のクランプが解除され、操作レバー7から手を離しても、このアンクランプ状態が保持される。
【選択図】 図4
【解決手段】 操作レバー7を手前に引くとチルトヘッド4のクランプが解除され、操作レバー7を押すと、プッシャープレート73が揺動し、アンクランプ保持機構8を介して、コラムクランプシャフト6が回動し、コラムヘッド31のクランプが解除され、操作レバー7から手を離しても、このアンクランプ状態が保持される。
【選択図】 図4
Description
本発明はステアリングコラム装置、特にテレスコピック機構、及び、チルティング機構を備えた車両のためのステアリングコラム装置に関する。
テレスコピック機構及びチルティング機構は、それぞれ運転者の体型及び好みにあわせて、最も運転しやすい位置にステアリングホィールの前後方向位置、及び、傾斜角度を調整するための機構である。
テレスコピック機構及びチルティング機構には、ステアリングホィールの前後方向位置、及び、傾斜角度を調整するときに操作されるクランプ/アンクランプ機構が備えられており、この調整時には、一旦、それぞれのためのクランプ/アンクランプ機構が解除され、その状態で前後方向位置、及び、傾斜角度を調整したのち、再度クランプ状態にされる。
テレスコピック機構は、テレスコピック機構のクランプ時およびアンクランプ時に、テレスコピック機構の可動部のガタを防止するために、適度な予圧を与えたり、適度な嵌合になるような精度で加工され、組み付けられている。従って、チルティング機構に比較して大きな操作力を必要とし、両手でステアリングホィールを操作しないと前後位置調整ができないという問題がある。英国特許出願公開2281375号には、ステアリングホィールに手をかけたまま操作できる単一の操作ハンドルを設けたステアリングコラム装置が開示されている。
上記英国特許のステアリングコラム装置においては、操作ハンドルは、常時はステアリングホィールから離れた待避位置に引っ張りバネの力で引き込まれて待避しており、運転中に手が操作ハンドルに接触する事故を防止している。ステアリングホィールを調整する際には、操作ハンドルをステアリングホィール側に指で引くと、引っ張りバネに抗して操作ハンドルがステアリングホィール側に引きつけられる。この操作ハンドルの動きが、フレキシブルチューブ内を移動可能なケーブルを介して、操作ハンドルから離間した前後方向位置調整用のクランプ装置に伝達され、前後方向位置調整用のクランプ装置がアンクランプされる。また、この操作ハンドルの動きで、操作ハンドル近傍の傾斜角度調整用のクランプ装置がアンクランプ側に作動する。操作ハンドルを指で保持した状態で、ステアリングホィールを両手で操作し、ステアリングホィールの前後方向位置及び傾斜角度の調整が完了した後、操作ハンドルから指を離すと、操作ハンドルは引っ張りバネの力で待避位置に戻り、前後方向位置調整用のクランプ装置及び傾斜角度調整用のクランプ装置がクランプされる。
上記英国特許のステアリングコラム装置は、操作ハンドルを待避位置とステアリングホィール側との間で移動可能とするための機構、及び操作ハンドルを待避位置に保持するための複雑な機構が必要である。また、ケーブルとそのチューブは、ステアリングホィールの全調整範囲においてケーブルが自由に移動できる程度に曲率を充分小さくするため、大きなたわみが与えられている。このため、一部がステアリングコラム装置の外側に向かって飛び出すようになり見苦しいだけでなく、トラブルの原因ともなる。更に、ケーブルとそのチューブからなる伝動機構は、信頼性に乏しいだけでなく、ケーブルが伸び縮みするため、操作性が良好とはいえないものである。
ステアリングホィールの前後方向位置、及び、傾斜角度の調整機能は、運転時だけでなく、乗降のためにも使用される。これは、乗降時にこれを退避させることにより乗降を容易にするためである。ステアリングホィールをこのような目的のために退避させる場合には、チルティング(傾斜)機構によってステアリングホィールを車両前方に押しやれば十分である。ところが、上記英国特許のステアリングコラム装置においては、ステアリングホイールの調整時に、チルティング機構だけでなくテレスコピック機構のアンクランプが、操作ハンドルの操作によって同時並行的に行われる構造となっている。そのため、操作ハンドルを操作するために大きい力が必要となる。さらに、アンクランプされたテレスコピック機構が動きやすいため、動いたときには運転開始前に再度調整することが必要となる。
本発明は、ステアリングホィールから離間した位置に設けられた単一の操作レバーによって、テレスコピック機構及びチルティング機構の各クランプ/アンクランプ機構を操作できるようにするとともに、テレスコピック機構又はチルティング機構の内の少なくとも一方をアンクランプ状態にした時に、操作レバーから手を離した場合でも、テレスコピック機構又はチルティング機構の内の少なくとも一方のアンクランプ状態を保持することができるようにして、ステアリングホィールの前後方向位置調整又は傾斜角度調整の内の少なくとも一方を、両手で行えるようにしたステアリングコラム装置を提供することを課題とする。
更に、単一の操作レバーによって、テレスコピック機構及びチルティング機構の各クランプ/アンクランプを個別に操作できるようにすることにより、テレスコピック機構又はチルティング機構の調整は、任意の必要なものだけを行えるようにし、軽微な力で操作できるようにしたステアリングコラム装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、第1番目の発明は、取り付けられるステアリングホィールの回転を車体側操舵機構に伝達することができるホィールシャフト、上記ステアリングホィールの車体前後方向位置を調整するためのテレスコピック機構、上記ステアリングホィールの傾斜角度を調整するためのチルティング機構、上記テレスコピック機構及び上記チルティング機構をそれぞれクランプ/アンクランプするためのクランプ/アンクランプ機構、上記ステアリングホィールから離間して操作端が位置し、上記各クランプ/アンクランプ機構のクランプ/アンクランプを操作することが可能な単一の操作レバー、及び、上記クランプ/アンクランプ機構の内の少なくとも一方のためのアンクランプ保持機構を備えたステアリングコラム装置であって、上記アンクランプ保持機構は、上記操作レバーの操作によってこのクランプ/アンクランプ機構をアンクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもアンクランプ状態を保持するとともに、上記操作レバーの次の操作によってこのクランプ/アンクランプ機構をクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもクランプ状態を保持するものであることを特徴とするステアリングコラム装置である。
第2番目の発明は、取り付けられるステアリングホィールの回転を車体側操舵機構に伝達することができるホィールシャフト、上記ステアリングホィールの車体前後方向位置を調整するためのテレスコピック機構、上記ステアリングホィールの傾斜角度を調整するためのチルティング機構、上記テレスコピック機構及び上記チルティング機構をそれぞれクランプ/アンクランプするためのクランプ/アンクランプ機構、上記ステアリングホィールから離間して操作端が位置し、上記各クランプ/アンクランプ機構のクランプ/アンクランプを操作することが可能な単一の操作レバー、及び、アンクランプ保持機構を備えたステアリングコラム装置であって、上記アンクランプ保持機構は、上記操作レバーの操作によって上記テレスコピック機構のクランプ/アンクランプ機構をアンクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもアンクランプ状態を保持するとともに、上記操作レバーの次の操作によってこのクランプ/アンクランプ機構をクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもクランプ状態を保持するものであることを特徴とするステアリングコラム装置である。
第3番目の発明は、取り付けられるステアリングホィールの回転を車体側操舵機構に伝達することができるホィールシャフト、上記ステアリングホィールの車体前後方向位置を調整するためのテレスコピック機構、上記ステアリングホィールの傾斜角度を調整するためのチルティング機構、上記テレスコピック機構及び上記チルティング機構をそれぞれクランプ/アンクランプするためのクランプ/アンクランプ機構、上記ステアリングホィールから離間して操作端が位置し、上記各クランプ/アンクランプ機構のクランプ/アンクランプを操作することが可能な単一の操作レバー、及び、アンクランプ保持機構を備えたステアリングコラム装置であって、上記アンクランプ保持機構は、上記操作レバーの操作によって上記チルティング機構のクランプ/アンクランプ機構をアンクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもアンクランプ状態を保持するとともに、上記操作レバーの次の操作によってこのクランプ/アンクランプ機構をクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもクランプ状態を保持するものであることを特徴とするステアリングコラム装置である。
第4番目の発明は、第1番目から第3番目までのいずれかの発明のステアリングコラム装置において、上記操作レバーが一方向に操作された時、上記チルティング機構がアンクランプ状態にされ、上記操作レバーが他方向に操作された時、上記テレスコピック機構がアンクランプ状態にされるものであることを特徴とするステアリングコラム装置である。
第5番目の発明は、第1番目から第3番目までのいずれかの発明のステアリングコラム装置において、上記操作レバーが一方向に操作された時、上記チルティング機構及び上記テレスコピック機構の両方がアンクランプ状態にされるものであることを特徴とするステアリングコラム装置である。
第6番目の発明は、車体に取り付けるための車体取付部を備えた固定コラム部材、中心軸回りに回転不能且つ中心軸方向に移動可能に上記固定コラム部材に支持された移動コラム部材、上記移動コラム部材の一端側に備えられたコラムヘッド、上記コラムヘッドにチルト可能に支持されたチルトヘッド、上記チルトヘッドに回転可能に支持され、一端にステアリングホィールを固定するためのホィールシャフト、上記移動コラム部材を上記固定コラム部材に対してクランプ/アンクランプ状態にするためのコラムクランプ、上記チルトヘッドに第1の揺動支軸を有するクランプレバー、上記クランプレバーの揺動により上記チルトヘッドを上記コラムヘッドに対してクランプ/アンクランプするためのチルトヘッドクランプ、上記クランプレバーに第2の揺動支軸を中心として揺動可能に支持され、その操作端が上記ステアリングホィールから離間した単一の操作レバー、及び上記クランプ/アンクランプ機構の内の少なくとも一方のためのアンクランプ保持機構を備えたステアリングコラム装置であって、上記アンクランプ保持機構は、上記操作レバーの操作によってこのクランプ/アンクランプ機構をアンクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもアンクランプ状態を保持するとともに、上記操作レバーの次の操作によってこのクランプ/アンクランプ機構をクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもクランプ状態を保持するものであり、上記クランプレバーに対する上記操作レバーの作用点は、上記第2の揺動支軸を中心とする上記操作レバーの一方の操作で、上記第1の揺動支軸を中心として上記クランプレバーが上記チルトヘッドクランプをアンクランプする方向に揺動し、上記第2の揺動支軸を中心とする上記操作レバーの他方の操作で、上記第2の揺動支軸を中心として上記操作レバーが揺動して、上記コラムクランプがアンクランプされることを特徴とするステアリングコラム装置である。
第7番目の発明は、第6番目の発明のステアリングコラム装置において、上記アンクランプ保持機構は、プッシャープレート、プッシャー、ガイド、及び、シフターを備えており、上記プッシャープレートは上記操作レバーに設けられて、上記プッシャーの一端に当接可能であり、上記ガイドは上記コラムヘッドに固定されており、上記プッシャーは、上記ガイドに案内されて上記チルトヘッドのチルト中心軸と平行な方向に摺動可能であり、上記シフターは、上記ガイドに案内され、上記プッシャーの他端に当接することにより、上記チルトヘッドのチルト中心軸と平行な方向に摺動可能であり、上記操作レバーを他方に揺動したとき、この操作レバーの揺動は、上記プッシャープレートの揺動運動、上記プッシャーの軸方向運動、上記シフターの軸方向運動、上記ガイドに対する上記シフターの回転運動へと順次変換されて、上記コラムクランプがアンクランプされるとともに、このアンクランプ状態が保持されることを特徴とするステアリングコラム装置である。
第8番目の発明は、第7番目の発明のステアリングコラム装置において、上記アンクランプ保持機構は、ロッド、及び、第1の付勢バネをさらに備えており、上記ロッドは、上記シフターと同軸上を摺動可能に上記コラムヘッドに支持され、上記シフターに一端が当接し他端が上記コラムクランプに係合しており、上記第1の付勢バネは、上記ロッドに付勢力を付与して、上記コラムクランプにクランプ力を付与するとともに、上記ロッドを上記シフターに常時当接させることを特徴とするステアリングコラム装置である。
第9番目の発明は、第6番目から第8番目までのいずれかの発明のステアリングコラム装置において、上記チルトヘッドクランプにクランプ力を付与するため、上記チルトヘッドには上記クランプレバーを付勢する第2の付勢バネが設けられていることを特徴とするステアリングコラム装置である。
第10番目の発明は、第1番目から第9番目までのいずれかの発明のステアリングコラム装置において、上記アンクランプ保持機構は、再度操作レバーが操作された時、上記アンクランプ保持機構のアンクランプ保持状態を解除するものであることを特徴とするステアリングコラム装置である。
第11番目の発明は、車体に取り付けるための車体取付部を備えた固定コラム部材、中心軸回りに回転不能且つ中心軸方向に移動可能に上記固定コラム部材に支持された移動コラム部材、上記移動コラム部材の一端側に備えられたコラムヘッド、上記コラムヘッドにチルト可能に支持されたチルトヘッド、上記チルトヘッドに回転可能に支持され、一端にステアリングホィールを固定するためのホィールシャフト、上記移動コラム部材を上記固定コラム部材に対してクランプ/アンクランプ状態にするためのコラムクランプ、上記チルトヘッドを上記コラムヘッドに対してクランプ/アンクランプするためのチルトヘッドクランプ、上記チルトヘッドに揺動可能に軸支されるとともに、上記ステアリングホイールから離間して操作端が位置し、上記コラムクランプ及びチルトヘッドクランプの両方を操作することが可能な単一の操作レバー、及び上記コラムクランプ及びチルトヘッドクランプのためのアンクランプ保持機構を備えたステアリングコラム装置であって、上記アンクランプ保持機構は、上記操作レバーの一方向の操作によって上記コラムクランプ及びチルトヘッドクランプの両方をアンクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にも上記コラムクランプ及びチルトヘッドクランプの両方のアンクランプ状態を保持するとともに、上記操作レバーの次の一方向の操作によって上記コラムクランプ及びチルトヘッドクランプの両方をクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にも上記コラムクランプ及びチルトヘッドクランプの両方のクランプ状態を保持するものであることを特徴とするステアリングコラム装置である。
第12番目の発明は、第11番目の発明のステアリングコラム装置において、上記アンクランプ保持機構は、ロックアーム、及び、ロックカムを備えており、上記ロックアームは上記操作レバーに設けられて、上記ロックカムの一端に当接可能であり、上記ロックカムは上記チルトヘッドに揺動可能に軸支されており、上記操作レバーを一方向に揺動したとき、この操作レバーの揺動は、上記ロックアームの揺動運動、上記ロックカムの揺動運動へと順次変換され、上記コラムクランプ及びチルトヘッドクランプの両方がアンクランプされたとき、上記ロックアームが上記ロックカムに係合してこのアンクランプ状態が保持されることを特徴とするステアリングコラム装置である。
第13番目の発明は、第12番目の発明のステアリングコラム装置において、上記アンクランプ保持機構は、第1の付勢バネをさらに備えており、上記第1の付勢バネは、上記ロックカムに付勢力を付与して、上記ロックカムを上記ロックアームに常時当接させることを特徴とするステアリングコラム装置である。
第14番目の発明は、第11番目から第13番目までのいずれかの発明のステアリングコラム装置において、上記チルトヘッドクランプにクランプ力を付与するため、上記チルトヘッドには上記操作レバーを付勢する第2の付勢バネが設けられていることを特徴とするステアリングコラム装置である。
第15番目の発明は、第11番目から第14番目までのいずれかの発明のステアリングコラム装置において、上記アンクランプ保持機構は、再度操作レバーが一方向に操作された時、上記アンクランプ保持機構のアンクランプ保持状態を解除するものであることを特徴とするステアリングコラム装置である。
第16番目の発明は、取り付けられるステアリングホィールの回転を車体側操舵機構に伝達することができるホィールシャフト、上記ステアリングホィールの位置を調整するための位置調整機構、上記位置調整機構をそれぞれクランプ/アンクランプするためのクランプ/アンクランプ機構、上記ステアリングホィールから離間して操作端が位置し、上記クランプ/アンクランプ機構のクランプ/アンクランプを操作することが可能な操作レバー、及び、上記クランプ/アンクランプ機構のアンクランプ保持機構を備えたステアリングコラム装置であって、上記アンクランプ保持機構は、上記操作レバーの操作によってこのクランプ/アンクランプ機構アンクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもアンクランプ状態を保持するとともに、上記操作レバーの次の操作によってこのクランプ/アンクランプ機構をクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもクランプ状態を保持することを特徴とするステアリングコラム装置である。
本発明のステアリングコラム装置では、ステアリングホィールから離間した位置に配置された単一の操作レバーによって、テレスコピック機構及びチルティング機構の両方のクランプ/アンクランプ機構を操作することができ、さらに、操作レバーから手を離しても、各クランプ/アンクランプ機構の内の少なくとも一方のアンクランプ状態を保持するため、両手でステアリングホィールの調整操作ができ、調整操作を楽に行えるという効果を奏する。
また、本発明のステアリングコラム装置では、ステアリングホィールから離間した位置に配置された単一の操作レバーによって、テレスコピック機構及びチルティング機構のそれぞれのクランプ/アンクランプ機構を独立して選択的に操作できる。従って、チルティング機構及びテレスコピック機構の調整が各々単独で行えるため、多様な使用環境に対応することができ、小さな力で操作することができるため、非力な者への負担を軽減することができるという効果を奏する。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
第1実施形態
第1実施形態
* 全体概要
図1から図15は、本発明の第1実施形態のステアリングコラム装置を示す。第1実施形態は、単一の操作レバーによって、テレスコピック機構及びチルティング機構の各クランプ/アンクランプ機構を独立して選択的に操作できるようにし、かつ操作レバーから手を離した時、テレスコピック機構のアンクランプ状態を保持するようにした実施例である。図1は、本発明の第1実施形態にかかるステアリングコラム装置1の外観図である。ステアリングコラム装置1は、固定コラム部材2、移動コラム部材3、コラムヘッド31、チルトヘッド4、ホィールシャフト5、コラムクランプ21、チルトヘッドクランプ41(図2参照)及び操作レバー7を備えている。
図1から図15は、本発明の第1実施形態のステアリングコラム装置を示す。第1実施形態は、単一の操作レバーによって、テレスコピック機構及びチルティング機構の各クランプ/アンクランプ機構を独立して選択的に操作できるようにし、かつ操作レバーから手を離した時、テレスコピック機構のアンクランプ状態を保持するようにした実施例である。図1は、本発明の第1実施形態にかかるステアリングコラム装置1の外観図である。ステアリングコラム装置1は、固定コラム部材2、移動コラム部材3、コラムヘッド31、チルトヘッド4、ホィールシャフト5、コラムクランプ21、チルトヘッドクランプ41(図2参照)及び操作レバー7を備えている。
固定コラム部材2には、車体取付部221、222が備えられており、この車体取付部221、222によって車体91に取り付けられる。上記固定コラム部材2には、移動コラム部材3が中心軸回りに回転不能且つ中心軸方向に移動可能に支持されている。上記移動コラム部材3の一端側にはコラムヘッド31が備えられており、このコラムヘッド31にはチルトヘッド4がチルト中心軸43を中心としてチルト可能に支持されている。このチルトヘッド4にはホィールシャフト5が回転可能に支持されており、その一端にはステアリングホィール92が固定される。
上記コラムヘッド31には、上記移動コラム部材3の中心軸と平行な軸のまわりに回転可能にコラムクランプシャフト6(図3参照)が設けられている。固定コラム部材2には、コラムクランプ21が備えられており、このコラムクランプ21は、上記コラムクランプシャフト6に対して相対的に移動可能であり、このコラムクランプシャフト6の回転によって、上記移動コラム部材3をクランプ/アンクランプ状態にすることができる。
また、上記コラムヘッド31には、チルトヘッドクランプ41が設けられており、上記チルトヘッド4をコラムヘッド31に対してクランプ/アンクランプする。上記チルトヘッド4には単一の操作レバー7が支持されている。この操作レバー7の把持部は、ステアリングホィール92から離間した位置に配置されている。従って、運転中のステアリングホィール92の操作時に、手が操作レバー7に接触し、移動コラム部材3又はチルトヘッド4のアンクランプが行われないようにしている。また、ステアリングホィール92の周囲のスイッチ類の操作を邪魔しないようにしている。
操作レバー7をステアリングホィール92から離れる方向に揺動させると、上記コラムクランプシャフト6が回転し、この回転は上記コラムクランプ21に伝動され、移動コラム部材3のクランプ/アンクランプが行われる。また、操作レバー7をステアリングホィール92に近づく方向に揺動させると、チルトヘッド4のクランプ/アンクランプが行われる。
ホィールシャフト5の一端は、ステアリングコラム装置1内でユニバーサルジョイント(図示せず)に接続され、更に、スプライン結合された一対の上中間軸(図示せず)と下中間軸942、及び下側のユニバーサルジョイント932を介して、前車輪の方向を操作する機構へと接続されている。
* チルトヘッドクランプ
図2は、ステアリングコラム装置1の一部を切り欠いた図1の要部拡大図である。図3は図2の背面図である。図4、図5は、ステアリングコラム装置1を図2の下から(Q方向から)見たときの、下面図である。ここで、図4における2点鎖線は、操作レバー7が引かれる前の状態を、また、実線は操作レバー7がステアリングホィール92側に引かれた状態を示している。また、図5における2点鎖線は、操作レバー7が押される前の状態を、また、実線は操作レバー7がステアリングホィール92側から離れる方向に押された状態を示している。図6、図7及び図8は、それぞれ図2におけるA−A、B−B及びC−C断面図である。
図2は、ステアリングコラム装置1の一部を切り欠いた図1の要部拡大図である。図3は図2の背面図である。図4、図5は、ステアリングコラム装置1を図2の下から(Q方向から)見たときの、下面図である。ここで、図4における2点鎖線は、操作レバー7が引かれる前の状態を、また、実線は操作レバー7がステアリングホィール92側に引かれた状態を示している。また、図5における2点鎖線は、操作レバー7が押される前の状態を、また、実線は操作レバー7がステアリングホィール92側から離れる方向に押された状態を示している。図6、図7及び図8は、それぞれ図2におけるA−A、B−B及びC−C断面図である。
チルトヘッドクランプ41は次のような構成を備える。コラムヘッド31には、チルト中心軸43にその中心を持つセグメントギヤ33がボルト34によって固定されており、セグメントギヤ33との間に空間を置いて背当部材341が設けられている。一方、上記空間内には、チルトヘッド4に軸441を中心として回動可能に支持されたギヤアーム44のギヤ部分442と、突出部71が入り込んでいる。チルトヘッド4にはレバー中心軸72Aが取り付けられ、このレバー中心軸72Aを中心として揺動するクランプレバー712(図4、図5、図6)が、上記突出部71と一体的に形成されている。突出部71とクランプレバー712は、全体としてL字形状をなしている。
上記ギヤアーム44は2本の脚からなるL字形状(図2)をなしており、一方の脚には上記ギヤ部分442が形成されている。上記ギヤアーム44の他方の脚443と上記突出部71の背部との間には付勢バネ711が介在し、突出部71の背部と脚443との間隔を押し広げるようなバイアスを与えている。
このバイアスによって、突出部71が左方向(図2)に押され、ギヤ部分442を背後から押すため、ギヤ部分442がセグメントギヤ33に向けて押し付けられ、それぞれの歯が相互に噛合する。なお、ギヤ部分442がセグメントギヤ33を押すとき、突出部71にかかる反力は背当部材341が受ける(図2、図7)。これにより、チルトヘッド4がコラムヘッド31に固定される。チルトヘッド4は、ギヤ部分442とセグメントギヤ33が噛合可能な角度位置において段階的な位置で固定される。突出部71が図2で右方向(図2、図4)に動くとき、付勢バネ711の押圧力によって、ギヤアーム44は図2において反時計回りに回転するため、これらの歯の噛合が外れ、チルトヘッドクランプ41がアンクランプ状態に入る。
* ユニバーサルジョイント及び中間軸
上記したように、上中間軸の端部とホィールシャフト5の端部との間には、上側のユニバーサルジョイントが構成されている。ユニバーサルジョイントの中心はチルト中心軸43の軸線上にあるため、チルトヘッド4がチルトしてもその影響を受けないようになっている。
上記したように、上中間軸の端部とホィールシャフト5の端部との間には、上側のユニバーサルジョイントが構成されている。ユニバーサルジョイントの中心はチルト中心軸43の軸線上にあるため、チルトヘッド4がチルトしてもその影響を受けないようになっている。
下中間軸942は固定コラム部材2に回転自在に支持されており、下中間軸942と上中間軸がスプライン結合しているため、移動コラム部材3は図1の左右方向に移動可能になっている。移動コラム部材3の移動位置に関わらず、下中間軸942と上中間軸のスプライン結合によって、上中間軸の回転は下中間軸942に伝達することが可能であり、ステアリングホィール92の前後方向位置を調整しても、ステアリングホィール92の回転を下中間軸942に伝達することができる。
* 固定コラム部材と移動コラム部材
図2に示すように、移動コラム部材3の円筒部には、軸方向に沿った長穴32が形成されており、この長穴32内に固定コラム部材2に設けられたストッパ部材22が係合している。移動コラム部材3は、長穴32とストッパ部材22によって、固定コラム部材2からの抜け出しとこれに対する回転が防止されているため、固定コラム部材2内を長穴32の範囲で軸方向に移動可能となっている。コラムヘッド31の端面に設けられた緩衝ストッパ311は、調整時にコラムヘッド31が固定コラム部材2の端面に衝突したとき、金属同士の衝撃的な衝突を防止するために設けられた、ゴム、合成樹脂等でできた緩衝材である。
図2に示すように、移動コラム部材3の円筒部には、軸方向に沿った長穴32が形成されており、この長穴32内に固定コラム部材2に設けられたストッパ部材22が係合している。移動コラム部材3は、長穴32とストッパ部材22によって、固定コラム部材2からの抜け出しとこれに対する回転が防止されているため、固定コラム部材2内を長穴32の範囲で軸方向に移動可能となっている。コラムヘッド31の端面に設けられた緩衝ストッパ311は、調整時にコラムヘッド31が固定コラム部材2の端面に衝突したとき、金属同士の衝撃的な衝突を防止するために設けられた、ゴム、合成樹脂等でできた緩衝材である。
* コラムクランプ
コラムクランプ21の構成を図8、図9、及び、図10を用いて説明する。図8は、既述のように図2におけるC−C断面図、図9、図10は図8における一部拡大図であって、コラムクランプシャフト6の回転位置とクランプ/アンクランプ状態の関係を示している。コラムクランプ21は、固定コラム部材2に設けられており、第1ウェッジ211、第2ウェッジ212、クランプバー213、及び、反力部材2141、2142を備えている。固定コラム部材2には横方向からウェッジ穴215があけられており、このウェッジ穴215の一部は固定コラム部材2の空洞に開口している。第1ウェッジ211、及び、第2ウェッジ212は、それぞれが傾斜面2111、2112を備えており、この傾斜面2111、2112の側を向かい合わせるようにウェッジ穴215内に納められている。2つのウェッジの傾斜面2111、2112は、移動コラム部材3の円筒部外周と向き合うことになる。
コラムクランプ21の構成を図8、図9、及び、図10を用いて説明する。図8は、既述のように図2におけるC−C断面図、図9、図10は図8における一部拡大図であって、コラムクランプシャフト6の回転位置とクランプ/アンクランプ状態の関係を示している。コラムクランプ21は、固定コラム部材2に設けられており、第1ウェッジ211、第2ウェッジ212、クランプバー213、及び、反力部材2141、2142を備えている。固定コラム部材2には横方向からウェッジ穴215があけられており、このウェッジ穴215の一部は固定コラム部材2の空洞に開口している。第1ウェッジ211、及び、第2ウェッジ212は、それぞれが傾斜面2111、2112を備えており、この傾斜面2111、2112の側を向かい合わせるようにウェッジ穴215内に納められている。2つのウェッジの傾斜面2111、2112は、移動コラム部材3の円筒部外周と向き合うことになる。
第1ウェッジ211、及び、第2ウェッジ212には、それぞれクランプバー穴2113、2114があけられており、この穴にクランプバー213が貫通している。クランプバー213の両端にはクランプバー穴2113、2114よりも外径の大きな反力部材2141、2142が固定されている。クランプバー213には、一方の反力部材2142に接するようにコラムクランプシャフト穴216があけられており、この穴にコラムクランプシャフト6の実質的に楕円をなす非円形形状断面部が貫通している。
コラムクランプシャフト6の一端には揺動アーム61が固定されている。コラムクランプシャフト6の非円形形状断面部は、アンクランプ時には図9のように楕円長径方向が大きく傾斜し、クランプ時には図10に示すように長径方向がクランプバー213の軸方向にほぼ近い方向を向く。この構成により、図9の状態から揺動アーム61に揺動回転を与えると、コラムクランプシャフト6が回転し、図10の状態になる。このとき、楕円長径部の一方の近傍が反力部材2142を右方向に押すことにより、クランプバー213が右方に引っ張られ、更に反力部材2141が第1ウェッジ211を右方に押すことになる。一方、第2ウェッジ212は楕円長径部の他方の近傍によって左方に押される。
この結果、2つのウェッジが相互に接近するため、それぞれの傾斜面2111、2112が、移動コラム部材3の円筒部外周を押圧することになり、移動コラム部材3が固定コラム部材2に対してクランプされる。なお、第1ウェッジ211、及び、第2ウェッジ212は一体となってわずかながら左右に移動可能なため、一方のウェッジのみが移動コラム部材3を強く押圧するようなアンバランスは生じない。
揺動アーム61を反対方向に揺動回転すると、上とは逆の動きによって第1ウェッジ211、及び、第2ウェッジ212が離反し、移動コラム部材3のクランプが解除される。
* 操作レバーの操作
次に操作レバー7の動きとこれに連動する各部材について説明する。操作レバー7はステアリングコラム装置1の下側に設けられており、図4、図5、図6には、この操作レバー7から左方に一体的に延びるプッシャープレート73、この操作レバー7から下方に一体的に延びるレバー延長部75、上記した突出部71、及びコラムヘッド31に設けられたアンクランプ保持機構8が見えている。これを下から見たときの図4、図5には、操作レバー7の全体、及び、前後方向位置又は傾斜角度を調整するために操作レバー7が操作されたとき(つまり、操作端がステアリングホィール92に向けて引きつけられた時と、ステアリングホィール92から離れる方向に押された時)の2つの状態が実線と2点鎖線で示されている。
次に操作レバー7の動きとこれに連動する各部材について説明する。操作レバー7はステアリングコラム装置1の下側に設けられており、図4、図5、図6には、この操作レバー7から左方に一体的に延びるプッシャープレート73、この操作レバー7から下方に一体的に延びるレバー延長部75、上記した突出部71、及びコラムヘッド31に設けられたアンクランプ保持機構8が見えている。これを下から見たときの図4、図5には、操作レバー7の全体、及び、前後方向位置又は傾斜角度を調整するために操作レバー7が操作されたとき(つまり、操作端がステアリングホィール92に向けて引きつけられた時と、ステアリングホィール92から離れる方向に押された時)の2つの状態が実線と2点鎖線で示されている。
操作レバー7のレバー延長部75は、その長さのほぼ中間位置で、突出部71にレバー中心軸72Bにより揺動可能に軸支されている。また、レバー延長部75の下端に設けられたピン76が、クランプレバー712に設けられた長穴713に嵌合している。長穴713は、レバー中心軸72Bを中心とするピン76の揺動円の接線方向に形成されている。長穴713の平行部の幅は、ピン76の直径よりも若干大きめに形成され、操作レバー7が揺動した時、ピン76の外周が長穴713の平行部に接触しないようにして、操作レバー7の揺動を円滑に行わせるようにしている。
図4の2点鎖線で示す操作レバー7が引かれる前の状態aでは、突出部71が付勢バネ711のバイアスによって左方向に押され、チルトヘッド4がクランプされている。この時、ピン76は長穴713の左端の円弧部に当接している。チルト位置の調整時に、操作レバー7をステアリングホィール92側に引くと、レバー延長部75の時計方向の揺動が、ピン76を介して長穴713の左端に伝えられ、クランプレバー712がレバー中心軸72Aを支点として時計方向に揺動する。従って、操作レバー7が図4の実線で示すb位置に揺動すると、クランプレバー712と一体の突出部71が右方向に動き、チルトヘッドクランプ41がアンクランプ状態に入る。
ステアリングホィール92の前後方向位置の調整時に、操作レバー7をステアリングホィール92から離れる方向に押すと、突出部71は付勢バネ711のバイアスによって左方向に押されていて、チルトヘッド4をクランプしているため、突出部71はこれ以上左方向には移動できない。従って、クランプレバー712は停止状態を維持したままで、レバー延長部75がレバー中心軸72Bを支点として反時計方向に揺動する。この時、ピン76は長穴713に沿って右方向に移動する。
図5で操作レバー7が2点鎖線で示すaの位置から、実線で示すcの位置に移動すると、操作レバー7の左側のプッシャープレート73が、アンクランプ保持機構8のプッシャー81を押し込み、このアンクランプ保持機構8を介して、前述したコラムクランプ21がアンクランプ状態に入る。従って、単一の操作レバー7の引き動作で、チルトヘッドクランプ41のアンクランプ操作が行われ、押し動作で、コラムクランプ21のアンクランプ操作を個別に行うことができる。
ロッド74(図11)は、コラムヘッド31左側のリブ312に、チルト中心軸43と平行な方向に摺動自在に支持されている。ナット742を図11において右方向に付勢する付勢バネ741をロッド74が貫通しており、その左端部にはその直角方向に長い小さな長穴743が設けられている。ナット742は、ロッド74外周の雄ねじにねじ込まれ、付勢バネ741の付勢力をロッド74に伝える。ロッド74の左端部は、この長穴743を介して揺動アーム61(図11)の一端と軸係合している。長穴743は、ロッド74が軸方向に移動したときに、揺動アーム61との関係位置がずれる量を吸収するためのものである。
付勢バネ741がロッド74を右方向(図11)に付勢している。その左側先端で軸係合する揺動アーム61は、反時計方向の回転付勢力が付与されている。揺動アーム61に与えられた揺動付勢力は、コラムクランプシャフト6をクランプ位置(図10、なお、図10と図11では向きが異なるため左右が反転している点に注意)に維持する。このときの揺動アーム61の位置がそれぞれ実線で示されている。
* アンクランプ保持機構
アンクランプ保持機構8の構成と動作を図11、図12、及び、図13を用いて説明する。アンクランプ保持機構8は、上記ロッド74と同軸に、コラムヘッド31右側のリブ313(図11)に設けられている。アンクランプ保持機構8の可動部を内蔵するスリーブ84のフランジ841が、リブ313に2本のボルト842によって固定されている。スリーブ84には、ロッド74と同軸上に大径穴843が形成され、大径穴843の左側は、スリーブ84の左端面844に開口している。ロッド74の右端部744が、左端面844を通って大径穴843内に挿入されている。フランジ841には、大径穴843と同軸上に小径穴845が形成され、この小径穴845の左端は大径穴843に連通している。小径穴845は、フランジ841の右端面846に開口している。
アンクランプ保持機構8の構成と動作を図11、図12、及び、図13を用いて説明する。アンクランプ保持機構8は、上記ロッド74と同軸に、コラムヘッド31右側のリブ313(図11)に設けられている。アンクランプ保持機構8の可動部を内蔵するスリーブ84のフランジ841が、リブ313に2本のボルト842によって固定されている。スリーブ84には、ロッド74と同軸上に大径穴843が形成され、大径穴843の左側は、スリーブ84の左端面844に開口している。ロッド74の右端部744が、左端面844を通って大径穴843内に挿入されている。フランジ841には、大径穴843と同軸上に小径穴845が形成され、この小径穴845の左端は大径穴843に連通している。小径穴845は、フランジ841の右端面846に開口している。
この大径穴843内に、プッシャー81、ガイド82、シフター83が、右側からこの順に挿入されている。プッシャー81右側の小径部811は、小径穴845を貫通し、フランジ841の右端面846から突出して、プッシャープレート73に対向している。ロッド74の右端面には球面745が形成され、この球面745が、付勢バネ741の付勢力により、シフター83左端面に形成された円錐穴831に当接し、シフター83、ガイド82、プッシャー81を、右側に常時押しつけている。ロッド74とシフター83は、球面745と円錐穴831の線接触のため、相互間の摩擦が小さく、ロッド74に対してシフター83が容易に相対回転できる構造となっている。
大径穴843右端の段部(小径穴845との連通部)847に、ガイド82の右端面821(図12)が当接して、ガイド82はそれ以上右側には移動できないように拘束されている。また、ガイド82はスリーブ84にノックピン(図示せず)により固定され、左側への移動及び回転を阻止されている。なお、ガイド82とスリーブ84とは樹脂成形などによって一体成形することも可能である。この状態で、プッシャー81の右端面は、プッシャープレート73と若干の隙間δ(図11)を有して対向している。
図12、図13は、プッシャー81、ガイド82、シフター83の詳細な構造と動作を説明するための説明図であり、図12は構成する部品を平面に展開した説明図、図13は斜視図の説明図である。なお、これらの図における、(1)、(2)・・・は、状態の推移をこの順で示しているが、”−1”、”−2”とあるのは、この状態の中での更に僅かな前後関係があるためこれを示している。
図12、図13に示すように、プッシャー81、ガイド82、シフター83は、その最大直径部が同径の円柱形状をなし、大径穴843の直径より若干小さい寸法で、大径穴843に嵌合している。ガイド82は中空円筒形状をなし、その中空円筒をスリ割る形で、3本のガイド溝822A、822B、822Cが、円周上に等間隔に形成され、ガイド82の軸方向に平行に延びている。ガイド溝822A〜822Cの左端は、ガイド82の左端面に開口し、右端は、ガイド82の右端面821の若干手前で止まり、底面823A〜823Cが形成されている。
プッシャー81、シフター83は、ガイド82の中空円筒の内周に嵌合する小径軸部を有し、ガイド82の内周に軸方向に摺動可能に挿入されている。また、プッシャー81、シフター83には、円周上等間隔に、各々3本の突起812A〜812C、832A〜832Cが、小径軸部から半径方向外側に突出する形で形成され、この突起の外径寸法は、ガイド82の外形寸法と同一に形成されている。この突起812A〜812C、832A〜832Cが、上記ガイド溝822A〜822Cに嵌合して、ガイド82に対して相対的に、軸方向に平行に摺動可能となっている。
また、シフター83の突起832A〜832Cの右端面には、各々傾斜面833A〜833Cが形成されている。プッシャー81及びガイド82の左端面には、上記傾斜面833A〜833Cと同一の傾斜角度を有する各々6個の傾斜面813、823が、円周上等間隔に設けられている。プッシャー81の傾斜面813とガイド82の傾斜面823は、円周上で約半ピッチずらして形成されている。
図11で実線で示すプッシャープレート73のa位置では、付勢バネ741の付勢力によってロッド74が右方向に付勢され、シフター83、プッシャー81が右方向に押されて、プッシャー81の突起812A〜812Cの右端面が、ガイド溝822A〜822Cの底面823A〜823Cに当接して、右行端で停止している。シフター83の突起832A〜832Cの傾斜面833A〜833Cは、プッシャー81の突起812A〜812Cの傾斜面813に当接しており、ガイド82のガイド溝822で囲まれているため、シフター83も右行端で停止している。この状態が図12(1)、図13(1)の状態であり、操作レバー7を操作しない状態では、アンクランプ保持機構8は、コラムクランプシャフト6をクランプ位置に保持している。
図5で操作レバー7をa位置からc位置に押すと、図11でプッシャープレート73が実線で示すa位置から破線で示すc位置に移動し、プッシャー81が左方向に移動する。ガイド82はスリーブ84に固定されているため、軸方向及び回転方向に対して、常に停止状態を維持する。シフター83はプッシャー81に押されて左方向に移動し、ロッド74を図11の左方向に移動させ、移動コラム部材3がアンクランプされる。プッシャー81が左行端に達すると、シフター83の突起832A〜832Cがガイド溝822A〜822Cから外れる。
この状態が図12(2)、図13(2)−1の状態である。プッシャー81の傾斜面813が、ガイド82の傾斜面823と同一平面上に整列するため、付勢バネ741の付勢力により、図13(2)−2に示すように、シフター83は、傾斜面813、823に沿って回転する。この時、シフター83は、スリーブ84の大径穴843に案内されているため、円滑に回転する。また、シフター83は、その左端面の円錐穴831が、ロッド74右端の球面745と線接触しているため、ロッド74に対して円滑に回転する。
操作レバー7から手を離すと、操作レバー7及びプッシャー81はフリーな状態になる。なお、このとき、付勢バネ741でプッシャープレート73をプッシャー81に押し付けて、操作レバー7の位置を安定させるようにすることも可能である。シフター83は、付勢バネ741の付勢力により、シフター83の突起832A〜832Cの側面834に形成された面取り部835で、プッシャー81の傾斜面813を右側に押しながら、傾斜面823に沿ってさらに回転を継続する。図12(3)、図13(3)に示すように、シフター83は、1/6回転(60度)し、ガイド82の傾斜面823の谷部824に突起832A〜832Cの側面834が当接して停止する。
したがって、シフター83は左行端で停止し、この状態が操作レバー7から手を離しても保持されるため、移動コラム部材3のアンクランプ状態が保持され、両手でステアリングホィールの前後方向位置の調整を楽に行うことができる。
ステアリングホィールの前後方向位置の調整が完了し、再び操作レバー7をa位置からc位置に押すと、プッシャー81が再度左方向に移動する。シフター83の傾斜面833A〜833Cがプッシャー81の傾斜面813に押されて左方向に移動し、シフター83の傾斜面833A〜833Cがガイド82の傾斜面823の谷部824から脱し、図12(4)、図13(4)に示すように、プッシャー81の傾斜面813がガイド82の傾斜面823と同一平面上に整列する。付勢バネ741の付勢力により、シフター83は図12(5)−1に示すように、傾斜面813、823に沿って回転する。
図12(5)−1に示すように、シフター83の突起832A〜832Cの側面834が、プッシャー81の突起812A〜812Cの側面814に当接する。シフター83は、付勢バネ741の付勢力により、シフター83の突起832A〜832Cの側面834に形成された面取り部835で、プッシャー81の側面814を右側に押しながらさらに回転を継続する。
図13(5)−2に示すように、シフター83は1/6回転(60度)し、突起832A〜832Cの側面834がガイド溝822A〜822Cの側面825に当接して停止する。この時、ガイド溝822Aと突起832C、ガイド溝822Bと突起832A、ガイド溝822Cと突起832Bが軸方向に一直線上に整列する。シフター83は、付勢バネ741の付勢力でガイド溝822A〜822Cに沿って右方向に移動し、図12(6)、図13(6)に示すように、プッシャー81の突起812A〜812Cを右方向に移動させ、その右行端に復帰する。この状態は図12(1)、図13(1)と同じ状態であり、移動コラム部材3はクランプ状態になり、移動コラム部材3のクランプ状態が、操作レバー7から手を離しても保持される。
上記した第1実施形態では、アンクランプ保持機構8は、特に大きな操作力を必要とするテレスコピック機構のアンクランプ状態を保持するものであるが、チルティング機構のアンクランプ状態を保持するものとしても良く、また、テレスコピック機構とチルティング機構の両方に、第1実施形態のアンクランプ保持機構を設けても良い。
* プッシャープレート
チルトヘッド4は、コラムヘッド31上をチルトするため、チルトの量(角度)に応じて、プッシャープレート73に対するプッシャー81の位置関係が変化する。図14には、チルトヘッド4をチルトさせた2つの位置を点線と実線で示す。プッシャー81はコラムヘッドに支持されているためチルトによって位置を変えないが、プッシャープレート73はチルト中心軸43から離れているため、チルトヘッド4をチルトさせるときプッシャー81との相対位置が変化する。
チルトヘッド4は、コラムヘッド31上をチルトするため、チルトの量(角度)に応じて、プッシャープレート73に対するプッシャー81の位置関係が変化する。図14には、チルトヘッド4をチルトさせた2つの位置を点線と実線で示す。プッシャー81はコラムヘッドに支持されているためチルトによって位置を変えないが、プッシャープレート73はチルト中心軸43から離れているため、チルトヘッド4をチルトさせるときプッシャー81との相対位置が変化する。
このため、図14上で見てどの角度位置でもプッシャー81がプッシャープレート73に当接可能なように、プッシャープレート73にはホッケーのスティックのように曲がった広い当接面形状を持たせている。クランプに関しては、チルトヘッド4は付勢バネ711の付勢力によってクランプされ、移動コラム部材3は付勢バネ741によってクランプされることになる。
* ステアリングホィールの調整操作
以下、ステアリングホィール92の前後方向位置、及び、傾斜角度を調整するときの、第1実施形態の操作と各部材の動作について説明する。
以下、ステアリングホィール92の前後方向位置、及び、傾斜角度を調整するときの、第1実施形態の操作と各部材の動作について説明する。
** 傾斜角度の調整
ステアリングホィール92の角度を調整するとき、運転者はステアリングホィール92から片手を離し、離した片手で操作レバー7を手前(a位置からb位置へ)に引く(図4)。これにより操作レバー7は、図4(図4は下から見た図であるため左右逆転している)に示すように、クランプレバー712をレバー中心軸72Aを中心として揺動させる。
ステアリングホィール92の角度を調整するとき、運転者はステアリングホィール92から片手を離し、離した片手で操作レバー7を手前(a位置からb位置へ)に引く(図4)。これにより操作レバー7は、図4(図4は下から見た図であるため左右逆転している)に示すように、クランプレバー712をレバー中心軸72Aを中心として揺動させる。
クランプレバー712を揺動させることによって、突出部71が図2における右側に移動し、ギヤアーム44が反時計方向に回動する。ギヤアーム44の回動によって、セグメントギヤ33の歯とギヤアーム44のギヤ部分442の歯との噛合が外れ、チルトヘッド4は傾斜角度の調整が可能になる(図4)。傾斜角度調整時の操作力は、前後方向位置調整時の操作力に比較して小さな力で済むため、片手でステアリングホィール92を調整する。
図14は、ステアリングホィール92を二つの角度位置の間で調整した状態を、実線と鎖線で示す。この段階では、移動コラム部材3はクランプ状態であるため、チルティング機構のみの調整を行うことができる。単に乗降のためだけの場合は、ステアリングホィール92を車両前方に押して退避させて容易に降車することができ、更に操作レバー7は小さい力で操作できるため、頻繁に行われる乗降は非常に楽に行うことができる。
** 前後方向位置(ステアリングコラムの長さ)の調整
ステアリングホィール92の前後方向位置(ステアリングコラムの長さ)を調整するとき、運転者はステアリングホィール92から片手を離し、離した片手で操作レバー7を押す(a位置からc位置へ)。操作レバー7はレバー中心軸72Bを中心として揺動し、プッシャープレート73が図5の実線の位置まで揺動して、付勢バネ741にうち勝ってプッシャー81を図11の左方向、点線の位置まで押す。
ステアリングホィール92の前後方向位置(ステアリングコラムの長さ)を調整するとき、運転者はステアリングホィール92から片手を離し、離した片手で操作レバー7を押す(a位置からc位置へ)。操作レバー7はレバー中心軸72Bを中心として揺動し、プッシャープレート73が図5の実線の位置まで揺動して、付勢バネ741にうち勝ってプッシャー81を図11の左方向、点線の位置まで押す。
プッシャー81の左方向の動きは、アンクランプ保持機構8のシフター83の左方向の動きに変換される。このシフター83の動きが、図11におけるロッド74の左方向の動きを起こし、揺動アーム61の揺動を、したがって、コラムクランプシャフト6の時計回りの回動を起こす。コラムクランプシャフト6が回動すると、それまで図10に示すように長径部がほぼ水平の状態であったコラムクランプシャフト6は、図9に示すように傾斜した状態になる。これによって図8のように接近していた第1ウェッジ211と第2ウェッジ212は、互いに離間するため、移動コラム部材のクランプが解除される。
アンクランプ保持機構8は、図12(3)に示すようにシフター83のアンクランプ状態を保持するため、操作レバー7から片手を離し、両手でステアリングホィール92を握って、ステアリングホィール92の前後方向位置を調整することができる。図15は、ステアリングホィール92を二つの前後位置の間で調整した状態を、実線と鎖線で示す。
ステアリングホィール92の前後方向位置の調整が完了すると、運転者はステアリングホィール92から片手を離し、離した片手で操作レバー7を再度押す(a位置からc位置へ)。プッシャー81はシフター83を再度左方向に動かし、シフター83が回転して、図12(6)に示すように、シフター83が右行端に戻る。このシフター83の動きが、図11におけるロッド74の右方向の動きを起こし、揺動アーム61の揺動を、したがって、コラムクランプシャフト6の反時計回りの回動を起こす。
コラムクランプシャフト6が回動すると、それまで図9に示すように長径部が傾斜した状態であったコラムクランプシャフト6は、図10に示すように長径部がほぼ水平の状態になる。これによって図8に示す第1ウェッジ211と第2ウェッジ212は、互いに接近するため、移動コラム部材のクランプが行われる。アンクランプ保持機構8は、操作レバー7から手を離しても、図12(6)に示すようにシフター83の右行端位置を保持するため、コラムクランプ21のクランプ状態を保持する。
こうして、チルトヘッド4は操作レバー7を引くことによってチルト可能に、また、コラムヘッド31は操作レバー7を押すことによって前後方向に移動可能になり、再度操作レバー7を押すと、コラムヘッド31の前後移動がクランプされるので、ステアリングホィール92の前後方向位置とチルト位置を選択的に調整することができる。
なお、チルトヘッドクランプ41がアンクランプされたとき、チルトヘッド4には、その重量によりあたかも人が首をうなだれるときのような下向きの力が働く。このため、カウンターバランス用の強めのバネ45(図4、図5)が設けられている。このバネ45により、このような下向きの力を相殺し、あるいは、さらに乗降を容易にするため、ステアリングホィール92を最も上側の傾斜位置に維持するような力をチルトヘッド4に与えている。
上記した第1実施形態によれば、ステアリングホィールから離間した単一の操作レバーによって、テレスコピック機構及びチルティング機構の各クランプ/アンクランプ機構を個別に操作できる。また、テレスコピック機構又はチルティング機構の内の少なくとも一方のアンクランプ時に、操作レバーから手を離しても、テレスコピック機構又はチルティング機構の内の少なくとも一方のアンクランプ状態を保持するため、ステアリングホィールの前後方向位置調整又は角度位置調整の内の少なくとも一方を両手で操作できるため、ステアリングホィールの調整を楽に行うことができる。
また、テレスコピック機構及びチルティング機構の両方のアンクランプ時に、操作レバーから手を離しても、テレスコピック機構及びチルティング機構の両方のアンクランプ状態を保持するようにすれば、ステアリングホィールの前後方向位置調整及び角度位置調整の両方を両手で操作できるため、ステアリングホィールの調整を更に楽に行うことができる。また、ケーブルを用いていないためステアリングコラム装置から見苦しくはみ出す部分が無く、トラブルの発生も抑制でき、信頼性、操作性も向上させることができる。
また、単一の操作レバーの引き方向がチルティング機構のクランプ/アンクランプ操作、押し方向がテレスコピック機構のクランプ/アンクランプ操作となっているため、操作が単純で、運転者に解りやすい操作方法となっている。また、押し方向をチルティング機構のクランプ/アンクランプ操作、引き方向をテレスコピック機構のクランプ/アンクランプ操作にしても良い。
第2実施形態
図16から図27は、本発明の第2実施形態のステアリングコラム装置を示す。第2実施形態は、単一の操作レバーの一方向の操作によって、テレスコピック機構及びチルティング機構の両方のクランプ/アンクランプ機構を操作できるようにし、かつ操作レバーから手を離した時、テレスコピック機構及びチルティング機構の両方のアンクランプ状態を保持するようにした実施例である。
図16から図27は、本発明の第2実施形態のステアリングコラム装置を示す。第2実施形態は、単一の操作レバーの一方向の操作によって、テレスコピック機構及びチルティング機構の両方のクランプ/アンクランプ機構を操作できるようにし、かつ操作レバーから手を離した時、テレスコピック機構及びチルティング機構の両方のアンクランプ状態を保持するようにした実施例である。
* 全体概要
図16は、本発明の第2実施形態にかかるステアリングコラム装置1の外観図である。ステアリングコラム装置1は、固定コラム部材2、移動コラム部材3、コラムヘッド31、チルトヘッド4、ホィールシャフト5、コラムクランプ21、チルトヘッドクランプ41(図17参照)及び操作レバー7を備えている。
図16は、本発明の第2実施形態にかかるステアリングコラム装置1の外観図である。ステアリングコラム装置1は、固定コラム部材2、移動コラム部材3、コラムヘッド31、チルトヘッド4、ホィールシャフト5、コラムクランプ21、チルトヘッドクランプ41(図17参照)及び操作レバー7を備えている。
固定コラム部材2には、車体取付部221、222が備えられており、この車体取付部221、222によって車体91に取り付けられる。上記固定コラム部材2には、移動コラム部材3が中心軸回りに回転不能且つ中心軸方向に移動可能に支持されている。上記移動コラム部材3の一端側にはコラムヘッド31が備えられており、このコラムヘッド31には、チルトヘッド4がチルト中心軸43(図18参照)を中心としてチルト可能に支持されている。このチルトヘッド4にはホィールシャフト5が回転可能に支持されており、その一端にはステアリングホィール92が固定されている。
上記コラムヘッド31には、上記移動コラム部材3の中心軸と平行な軸のまわりに回転可能にコラムクランプシャフト6が設けられている。固定コラム部材2には、コラムクランプ21が備えられており、このコラムクランプ21は、上記コラムクランプシャフト6に対して相対的に移動可能であり、このコラムクランプシャフト6の回転によって、上記移動コラム部材3をクランプ/アンクランプ状態にすることができる。
また、上記コラムヘッド31には、チルトヘッドクランプ41が設けられており、上記チルトヘッド4をコラムヘッド31に対してクランプ/アンクランプする。上記チルトヘッド4には単一の操作レバー7が支持されている。この操作レバー7の把持部は、ステアリングホィール92から離間した位置に配置されている。従って、運転中のステアリングホィール92の操作時に、手が操作レバー7に接触し、移動コラム部材3又はチルトヘッド4のアンクランプが行われないようにしている。また、ステアリングホィール92の周囲のスイッチ類の操作を邪魔しないようにしている。
操作レバー7をステアリングホィール92に近づく方向に揺動させると、従動レバー714(図20)が揺動し、上記コラムクランプシャフト6が回転し、この回転は上記コラムクランプ21に伝動され、移動コラム部材3のクランプ/アンクランプが行われる。また、上記操作レバー7をステアリングホィール92に近づく方向に揺動させる操作により、チルトヘッド4のクランプ/アンクランプが同時に行われる。
ホィールシャフト5の一端は、ステアリングコラム装置1内でユニバーサルジョイント931に接続され、更に、スプライン結合された一対の上中間軸941と下中間軸942(図18参照)、及び下側のユニバーサルジョイント932を介して、前車輪の方向を操作する機構へと接続されている。
* チルトヘッドクランプ
図17は、ステアリングコラム装置1の一部を切り欠いた図16の要部拡大図である。図18は、ステアリングコラム装置1を図17の上(P方向)から見たときの一部切り欠き上面図である。図19はステアリングコラム装置1の要部拡大側面図である。図20は、ステアリングコラム装置1を図17の下から(Q方向から)見たときの下面図である。ここで、図19、図20における2点鎖線は、操作レバー7が引かれる前の状態を、また、実線は操作レバー7がステアリングホィール92側に引かれた状態を示している。図21及び図22は、それぞれ図17におけるA−A及びC−C断面図である。
図17は、ステアリングコラム装置1の一部を切り欠いた図16の要部拡大図である。図18は、ステアリングコラム装置1を図17の上(P方向)から見たときの一部切り欠き上面図である。図19はステアリングコラム装置1の要部拡大側面図である。図20は、ステアリングコラム装置1を図17の下から(Q方向から)見たときの下面図である。ここで、図19、図20における2点鎖線は、操作レバー7が引かれる前の状態を、また、実線は操作レバー7がステアリングホィール92側に引かれた状態を示している。図21及び図22は、それぞれ図17におけるA−A及びC−C断面図である。
チルトヘッドクランプ41は次のような構成を備える。コラムヘッド31には、チルト中心軸43にその中心を持つセグメントギヤ33がボルト34によって固定されており、セグメントギヤ33との間に空間を置いて背当部材341が設けられている。一方、上記空間内には、チルトヘッド4に軸441を中心として回動可能に支持されたギヤアーム44のギヤ部分442と、突出部71が入り込んでいる。チルトヘッド4にはレバー中心軸72Aが取り付けられ、このレバー中心軸72Aを中心として揺動する従動レバー714(図20、図21)が、上記突出部71と一体的に形成されている。
上記ギヤアーム44は2本の脚からなるL字形状(図17)をなしており、一方の脚には上記ギヤ部分442が形成されている。また、上記ギヤアーム44には他方の脚443が形成されている。
図17で、突出部71が左方向に押されると、突出部71がギヤ部分442を背後から押すため、ギヤ部分442がセグメントギヤ33に向けて押し付けられ、それぞれの歯が相互に噛合する。なお、ギヤ部分442がセグメントギヤ33を押すとき、突出部71にかかる反力は背当部材341が受ける。これにより、チルトヘッド4がコラムヘッド31に固定される。チルトヘッド4は、ギヤ部分442とセグメントギヤ33が噛合可能な角度位置において段階的な位置で固定される。突出部71が図17で右方向に動くとき、ギヤアーム44の重力によって、軸441を中心として、ギヤアーム44は図17において反時計回りに回動するため、これらの歯の噛合が外れ、チルトヘッドクランプ41がアンクランプ状態に入る。
* ユニバーサルジョイント及び中間軸
図18に示されるように、上中間軸941の端部とホィールシャフト5の端部との間には、上側のユニバーサルジョイント931が構成されている。ユニバーサルジョイント931の中心はチルト中心軸43の軸線上にあるため、チルトヘッド4がチルトしてもその影響を受けないようになっている。
図18に示されるように、上中間軸941の端部とホィールシャフト5の端部との間には、上側のユニバーサルジョイント931が構成されている。ユニバーサルジョイント931の中心はチルト中心軸43の軸線上にあるため、チルトヘッド4がチルトしてもその影響を受けないようになっている。
下中間軸942は固定コラム部材2に回転自在に支持されており、下中間軸942と上中間軸941がスプライン結合しているため、移動コラム部材3は図18の左右方向に移動可能になっている。移動コラム部材3の移動位置に関わらず、下中間軸942と上中間軸941のスプライン結合によって、上中間軸941の回転は下中間軸942に伝達することが可能であり、ステアリングホィール92の前後方向位置を調整しても、ステアリングホィール92の回転を下中間軸942に伝達することができる。
* 固定コラム部材と移動コラム部材
図17に示すように、移動コラム部材3の円筒部には、軸方向に沿った長穴32が形成されており、この長穴32内に固定コラム部材2に設けられたストッパ部材22が係合している。移動コラム部材3は、長穴32とストッパ部材22によって、固定コラム部材2からの抜け出しとこれに対する回転が防止されているため、固定コラム部材2内を長穴32の範囲で軸方向に移動可能となっている。コラムヘッド31の端面に設けられた緩衝ストッパ311は、調整時にコラムヘッド31が固定コラム部材2の端面に衝突したとき、金属同士の衝撃的な衝突を防止するために設けられた、ゴム、合成樹脂等でできた緩衝材である。
図17に示すように、移動コラム部材3の円筒部には、軸方向に沿った長穴32が形成されており、この長穴32内に固定コラム部材2に設けられたストッパ部材22が係合している。移動コラム部材3は、長穴32とストッパ部材22によって、固定コラム部材2からの抜け出しとこれに対する回転が防止されているため、固定コラム部材2内を長穴32の範囲で軸方向に移動可能となっている。コラムヘッド31の端面に設けられた緩衝ストッパ311は、調整時にコラムヘッド31が固定コラム部材2の端面に衝突したとき、金属同士の衝撃的な衝突を防止するために設けられた、ゴム、合成樹脂等でできた緩衝材である。
* コラムクランプ
コラムクランプ21の構成を図22、図23、及び、図24を用いて説明する。図22は、既述のように図17におけるC−C断面図、図23、図24は図22における一部拡大図であって、コラムクランプシャフト6の回転位置とクランプ/アンクランプ状態の関係を示している。コラムクランプ21は、固定コラム部材2に設けられており、第1ウェッジ211、第2ウェッジ212、クランプバー213、及び、反力部材2141、2142を備えている。固定コラム部材2には横方向からウェッジ穴215があけられており、このウェッジ穴215の一部は固定コラム部材2の空洞に開口している。第1ウェッジ211、及び、第2ウェッジ212は、それぞれが傾斜面2111、2112を備えており、この傾斜面2111、2112の側を向かい合わせるようにウェッジ穴215内に納められている。2つのウェッジの傾斜面2111、2112は、移動コラム部材3の円筒部外周と向き合うことになる。
コラムクランプ21の構成を図22、図23、及び、図24を用いて説明する。図22は、既述のように図17におけるC−C断面図、図23、図24は図22における一部拡大図であって、コラムクランプシャフト6の回転位置とクランプ/アンクランプ状態の関係を示している。コラムクランプ21は、固定コラム部材2に設けられており、第1ウェッジ211、第2ウェッジ212、クランプバー213、及び、反力部材2141、2142を備えている。固定コラム部材2には横方向からウェッジ穴215があけられており、このウェッジ穴215の一部は固定コラム部材2の空洞に開口している。第1ウェッジ211、及び、第2ウェッジ212は、それぞれが傾斜面2111、2112を備えており、この傾斜面2111、2112の側を向かい合わせるようにウェッジ穴215内に納められている。2つのウェッジの傾斜面2111、2112は、移動コラム部材3の円筒部外周と向き合うことになる。
第1ウェッジ211、及び、第2ウェッジ212には、それぞれクランプバー穴2113、2114があけられており、この穴にクランプバー213が貫通している。クランプバー213の両端には、クランプバー穴2113、2114よりも外径の大きな反力部材2141、2142が固定されている。クランプバー213には、一方の反力部材2142に接するようにコラムクランプシャフト穴216があけられており、このコラムクランプシャフト穴216に、コラムクランプシャフト6の実質的に楕円をなす非円形形状断面部が貫通している。
コラムクランプシャフト6の一端には揺動アーム61が固定されている。コラムクランプシャフト6の非円形形状断面部は、アンクランプ時には図23のように楕円長径方向が大きく傾斜し、クランプ時には図24に示すように長径方向がクランプバー213の軸方向にほぼ近い方向を向く。この構成により、図23の状態から揺動アーム61に揺動回転を与えると、コラムクランプシャフト6が回転し、図24の状態になる。このとき、楕円長径部の一方の近傍が反力部材2142を左方向に押すことにより、クランプバー213が左方に引っ張られ、更に反力部材2141が第1ウェッジ211を左方に押すことになる。一方、第2ウェッジ212は楕円長径部の他方の近傍によって右方に押される。
この結果、2つのウェッジが相互に接近するため、それぞれの傾斜面2111、2112が移動コラム部材3の円筒部外周を押圧することになり、移動コラム部材3が固定コラム部材2に対してクランプされる。なお、第1ウェッジ211、及び、第2ウェッジ212は一体となってわずかながら左右に移動可能なため、一方のウェッジのみが移動コラム部材3を強く押圧するようなアンバランスは生じない。
揺動アーム61を反対方向に揺動回転すると、上とは逆の動きによって第1ウェッジ211、及び、第2ウェッジ212が離反し、移動コラム部材3のクランプが解除される。
* 操作レバーの操作
次に操作レバー7の動きとこれに連動する各部材について説明する。図19、図20、図21に示すように、操作レバー7はチルトヘッド4の左側面に揺動可能に設けられている。また、チルトヘッド4の下面には、操作レバー7の操作に従動して揺動する従動レバー714、及び、従動レバー714から左方に一体的に延びるプッシャープレート73、従動レバー714に一体的に形成された突出部71が見えている。従動レバー714及びプッシャープレート73は、全体として逆L字形形状をなしている。さらに、チルトヘッド4の側面には、アンクランプ保持機構8が見えている。図19及び図20には、操作レバー7の全体、及び、前後方向位置及び傾斜角度を調整するために、操作レバー7が操作されたとき(つまり、操作端がステアリングホィール92に向けて引きつけられた時)と、ステアリングホィール92から離れる方向に操作端が復帰した時の2つの状態が、実線と2点鎖線で示されている。
次に操作レバー7の動きとこれに連動する各部材について説明する。図19、図20、図21に示すように、操作レバー7はチルトヘッド4の左側面に揺動可能に設けられている。また、チルトヘッド4の下面には、操作レバー7の操作に従動して揺動する従動レバー714、及び、従動レバー714から左方に一体的に延びるプッシャープレート73、従動レバー714に一体的に形成された突出部71が見えている。従動レバー714及びプッシャープレート73は、全体として逆L字形形状をなしている。さらに、チルトヘッド4の側面には、アンクランプ保持機構8が見えている。図19及び図20には、操作レバー7の全体、及び、前後方向位置及び傾斜角度を調整するために、操作レバー7が操作されたとき(つまり、操作端がステアリングホィール92に向けて引きつけられた時)と、ステアリングホィール92から離れる方向に操作端が復帰した時の2つの状態が、実線と2点鎖線で示されている。
操作レバー7は、チルトヘッド4の側面にねじ込まれたレバー中心軸72Cに、揺動可能に軸支されている。また、ロックアーム85がレバー中心軸72Cに揺動可能に軸支されれている。ロックアーム85と操作レバー7は、図示しないキーにより結合され、ロックアーム85と操作レバー7は、レバー中心軸72Cを中心として一体的に揺動する。操作レバー7に形成された係合突起716と、チルトヘッド4に形成された係合突起411間には、付勢バネ715が張り渡され、この付勢バネ715が操作レバー7を常時時計方向に付勢している。
操作レバー7には二股状の係合凹部717が形成され、従動レバー714先端の係合突起718が係合凹部717内に嵌入している。従って、従動レバー714は操作レバー7の操作に従動して、レバー中心軸72Aを中心にして揺動する。
図19、図20の2点鎖線で示す操作レバー7が引かれる前の状態aでは、操作レバー7が付勢バネ715の付勢力によって時計方向の揺動端にあるため、従動レバー714の突出部71が左方向に押され、チルトヘッド4がクランプされている。チルト位置及びテレスコ位置の調整時に、操作レバー7をステアリングホィール92側に引くと、従動レバー714がレバー中心軸72Aを中心として時計方向に揺動する。従って、操作レバー7が図19、図20の実線で示すb位置に揺動すると、従動レバー714と一体の突出部71が右方向に動き、チルトヘッドクランプ41がアンクランプされる。
図19、図20で操作レバー7が2点鎖線で示すaの位置から、実線で示すbの位置に移動すると、従動レバー714と一体のプッシャープレート73が、プッシャーロッド77を押し込み、前述したコラムクランプ21がアンクランプされる。従って、単一の操作レバー7の引き動作で、チルトヘッドクランプ41のアンクランプ操作と、コラムクランプ21のアンクランプ操作を同時に行うことができる。
プッシャーロッド77(図25)は、コラムヘッド31左側のリブ312及び右側のリブ313に、チルト中心軸43と平行な方向に摺動自在に支持されている。プッシャーロッド77は、鍔746を図25において左方向に付勢する付勢バネ741を貫通しており、その右端部にはその直角方向に長い小さな長穴743が設けられている。プッシャーロッド77の右端部は、この長穴743を介して揺動アーム61(図25)の一端と軸係合している。長穴743は、プッシャーロッド74が軸方向に移動したときに、揺動アーム61との関係位置がずれる量を吸収するためのものである。
付勢バネ741がプッシャーロッド77を左方向(図25)に付勢している。その右側先端で軸係合する揺動アーム61は時計方向の回転付勢力が付与されている。揺動アーム61に与えられた揺動付勢力はコラムクランプシャフト6をクランプ位置(図24、なお、図24と図25では向きが異なるため左右が反転している点に注意)に維持する。このときの揺動アーム61の位置がそれぞれ実線で示されている。
* アンクランプ保持機構
アンクランプ保持機構8の構成と動作を図18、図19、図20、図21、図26及び、図27を用いて説明する。第2実施形態のアンクランプ保持機構8は、操作レバー7と一体的に揺動するロックアーム85に作用し、操作レバー7がステアリングホイール92に向けて引きつけられた位置を保持することにより、チルトヘッドクランプ41及びコラムクランプ21の両方のアンクランプ状態を保持する。
アンクランプ保持機構8の構成と動作を図18、図19、図20、図21、図26及び、図27を用いて説明する。第2実施形態のアンクランプ保持機構8は、操作レバー7と一体的に揺動するロックアーム85に作用し、操作レバー7がステアリングホイール92に向けて引きつけられた位置を保持することにより、チルトヘッドクランプ41及びコラムクランプ21の両方のアンクランプ状態を保持する。
このアンクランプ保持機構8は、上記チルト中心軸43と同軸にチルトヘッド4の左側面に設けられている。チルトヘッド4の左側面のチルト中心軸43は、チルトヘッド4から突出した小径軸部431を有し、この小径軸部431にロックカム86が揺動可能に軸支されている。チルトヘッド4の左側面には、チルト中心軸43の左方に突出部412が形成され、この突出部412にネジ止めされた支持板87に、上記小径軸部431の先端が軸支されている。
ロックカム86には、ロックカム86と支持板87の間に張設された捩りバネ88によって、常時反時計方向の回転付勢力が付与されている。ロックカム86には係止突起861(図26)が形成され、この係止突起861が突出部412上部のストッパ面413に当接する(図26(1)及び図26(7))ことにより、ロックカム86の反時計方向の揺動端が規制されている。また、ロックカム86には、小径軸部431が緩く挿入される貫通穴862(図27)が形成され、この貫通穴862の両側には大きな面取り部が形成されている。従って、ロックカム86は、小径軸部431の中心軸に直交する平面に対して、図27(2)に示すように、傾斜可能な構造を有している。
図26(1)から(7)は、操作レバー7の操作に伴うロックアーム85とロックカム86との係合状態を示し、アンクランプ保持機構8の動作を示す動作説明図である。図26(1)は、操作レバー7が引かれる前の状態aにある時の、ロックアーム85とロックカム86との位置関係を示す。この状態では、操作レバー7は、付勢バネ715の付勢力によって時計方向に付勢され、ロックカム86は捩りバネ88の付勢力により、係止突起861がストッパ面413に当接して停止している。この時、従動レバー714の突出部71が左方向(図17)に押されてチルトヘッドクランプ41はクランプ状態にある。また、従動レバー714と一体のプッシャープレート73は、図20の2点鎖線の位置にあるため、コラムクランプ21もクランプ状態にある。
操作レバー7をステアリングホイール92に向けて引きつけると(図26(1)で反時計方向の揺動)、操作レバー7と一体的に揺動するロックアーム85の先端が、ロックカム86の側面863を押し下げるため、捩りバネ88の付勢力に抗して、ロックカム86が時計方向に揺動する。
図26(2)に示すように、操作レバー7がb1の位置まで引きつけられると、ロックアーム85の先端がロックカム86の側面863から離れるため、ロックカム86は、捩りバネ88の付勢力により反時計方向に揺動を始める。
操作レバー7から手を離すと、図26(3)に示すように、ロックアーム85の先端がロックカム86の溝864内に入り込む。操作レバー7は付勢バネ715の付勢力により時計方向に若干揺動し、ロックカム86は捩りバネ88の付勢力により反時計方向に若干揺動する。その結果、図26(4)に示すように、ロックアーム85の先端が、ロックカム86の溝864の入口側上面865に当接する。従って、ロックカム86とロックアーム85の揺動軌跡が交差するため、ロックカム86及びロックアーム85はこれ以上の揺動が不可能になり、ロックカム86及びロックアーム85の揺動が停止する。
この結果、操作レバー7から手を離しても、操作レバー7は図26(4)に示すb2の位置で停止した状態が保持され、チルトヘッドクランプ41及びコラムクランプ21のアンクランプ状態が保持される。従って、ステアリングホイール92の前後方向位置及び傾斜角度の調整が、両手でステアリングホイール92を握った状態で、楽に調整することができる。
ステアリングホイール92の前後方向位置及び傾斜角度の調整が完了すると、運転者はステアリングホイール92から片手を離し、離した片手で操作レバー7を再度ステアリングホイール92に向けてb3の位置まで引きつける。すると、ロックアーム85の先端が、ロックカム86の溝864の入口側上面865から離れるため、ロックカム86が若干反時計方向に揺動を開始し、ロックアーム85の先端が溝864の奥側下面866に当接する。この時の状態が図26(5)であり、図26(5)を上から見た状態が図27(1)である。
運転者が操作レバー7から手を離すと、操作レバー7は付勢バネ715の付勢力により時計方向にb4の位置まで揺動し、ロックカム86は捩りバネ88の付勢力により反時計方向に揺動する。その結果、図26(6)に示すように、ロックアーム85の先端が、ロックカム86の溝864の奥側上面867に当接する。奥側上面867の背面869には傾斜面868(図27)が形成されているため、ロックアーム85の先端が傾斜面868に侵入し、ロックカム86を傾斜させる。これを上から見た状態が図27(2)である。
その結果、ロックアーム85は、ロックカム86の傾斜面868から背面869を通って時計方向に揺動し、ロックアーム85はロックカム86を通り越し、操作レバー7は図26(1)と同じ揺動位置aで停止する。ロックカム86は係止突起861がストッパ面413に当接して停止する。この状態が図26(7)である。図26(7)は、図26(1)と同じ状態であり、チルトヘッドクランプ41及びコラムクランプ21が再びクランプされる。このクランプ状態が、操作レバー7から手を離しても保持される。
* ステアリングホィールの調整操作
以下、第2実施形態のステアリングホィール92の前後方向位置、及び、傾斜角度を調整するときの操作と各部材の動作について説明する。
以下、第2実施形態のステアリングホィール92の前後方向位置、及び、傾斜角度を調整するときの操作と各部材の動作について説明する。
** 傾斜角度及び前後方向位置(ステアリングコラムの長さ)の調整
ステアリングホィール92の傾斜角度及び前後方向位置を調整するとき、運転者はステアリングホィール92から片手を離し、離した片手で操作レバー7を手前(a位置からb位置へ向かって)に引く(図19)。これにより操作レバー7は、図20に示すように、従動レバー714をレバー中心軸72Aを中心として揺動させる。
ステアリングホィール92の傾斜角度及び前後方向位置を調整するとき、運転者はステアリングホィール92から片手を離し、離した片手で操作レバー7を手前(a位置からb位置へ向かって)に引く(図19)。これにより操作レバー7は、図20に示すように、従動レバー714をレバー中心軸72Aを中心として揺動させる。
従動レバー714を揺動させることによって、突出部71が図17における右側に移動し、ギヤアーム44が自身の重力により反時計方向に回動する。ギヤアーム44の回動によって、セグメントギヤ33の歯とギヤアーム44のギヤ部分442の歯との噛合が外れ、チルトヘッド4は傾斜角度の調整が可能になる(図20)。また、プッシャープレート73が図20の実線の位置まで揺動し、付勢バネ741にうち勝って、プッシャーロッド77を図25の右方向、点線の位置まで押す。
プッシャーロッド77の右方向の動きは、揺動アーム61の揺動を、したがって、コラムクランプシャフト6の反時計回りの回動を起こす。コラムクランプシャフト6が回動すると、それまで図24に示すように長径部がほぼ水平の状態であったコラムクランプシャフト6は、図23に示すように傾斜した状態になる。これによって図22のように接近していた第1ウェッジ211と第2ウェッジ212は、互いに離間するため移動コラム部材3のクランプが解除される。
アンクランプ保持機構8は、図26(1)から(4)に示す動作を行い、操作レバー7の位置を図26(4)のb2の位置に保持する。従って、操作レバー7から片手を離し、両手でステアリングホィール92を握って、ステアリングホィール92の前後方向位置及び傾斜角度を楽に調整することができる。
ステアリングホィール92の前後方向位置及び傾斜角度の調整が完了すると、運転者はステアリングホィール92から片手を離し、離した片手で操作レバー7を再度手前に引く。アンクランプ保持機構8は、図26(5)から(7)に示す動作を行い、操作レバー7は、図19、20に示す2点鎖線の位置aに戻る。
従って、操作レバー7は、図20に示すように、従動レバー714をレバー中心軸72Aを中心として反時計方向に揺動させ、突出部71が図17における左側に移動し、セグメントギヤ33の歯とギヤアーム44のギヤ部分442の歯が噛み合い、チルトヘッド4がコラムヘッド31にクランプされる。同時に、プッシャープレート73が図20の2点鎖線の位置まで揺動して、付勢バネ741の付勢力によりプッシャーロッド77が図25の左方向、実線の位置まで戻る。
プッシャーロッド77の左方向の動きは、揺動アーム61の揺動を、したがって、コラムクランプシャフト6の時計回りの回動を起こす。コラムクランプシャフト6が回動すると、それまで図23に示すように長径部が傾斜した状態であったコラムクランプシャフト6は、図24に示すように長径部がほぼ水平の状態になる。これによって図22に示す第1ウェッジ211と第2ウェッジ212は、互いに接近するため移動コラム部材3のクランプが行われる。アンクランプ保持機構8は、操作レバー7から手を離しても、図26(1)及び(7)に示すように、操作レバー7の時計方向の揺動端位置を保持するため、コラムクランプ21及びチルトヘッドクランプ41のクランプ状態が保持される。
なお、チルトヘッドクランプ41がアンクランプされたとき、チルトヘッド4には、その重量によりあたかも人が首をうなだれるときのような下向きの力が働く。このため、カウンターバランス用の強めのバネ45(図17、図20)が設けられている。このバネ45により、このような下向きの力を相殺し、あるいは、さらに乗降を容易にするため、ステアリングホィール92を最も上側の傾斜位置に維持するような力をチルトヘッド4に与えるようにすることができる。
以上説明した第2実施形態によれば、ステアリングホィールから離間した単一の操作レバーによって、テレスコピック機構及びチルティング機構の各クランプ/アンクランプ機構を同時に操作できる。さらに、テレスコピック機構及びチルティング機構のアンクランプ時に、操作レバーから手を離しても、テレスコピック機構及びチルティング機構の両方のアンクランプ状態を保持するため、ステアリングホィールの前後方向位置調整及び角度位置調整の両方を両手で操作できるため、ステアリングホィールの調整を楽に行うことができる。
また、単一の操作レバーの最初の引き操作で、チルティング機構及びテレスコピック機構の両方のアンクランプ操作、次の引き操作で、チルティング機構及びテレスコピック機構の両方のクランプ操作となっているため、操作が単純で、運転者に解りやすい操作方法となっている。また、最初の押し操作を、チルティング機構及びテレスコピック機構のアンクランプ操作、次の押し操作を、チルティング機構及びテレスコピック機構のクランプ操作にしても良い。
1 ステアリングコラム装置
2 固定コラム部材
21 コラムクランプ
211 第1ウェッジ
2111、2112 傾斜面
2113、2114 クランプバー穴
212 第2ウェッジ
213 クランプバー
2141、2142 反力部材
215 ウェッジ穴
216 コラムクランプシャフト穴
22 ストッパ部材
221、222 車体取付部
3 移動コラム部材
31 コラムヘッド
311 緩衝ストッパ
312、313 リブ
32 長穴
33 セグメントギヤ
34 ボルト
341 背当部材
4 チルトヘッド
41 チルトヘッドクランプ
411 係合突起
412 突出部
413 ストッパ面
43 チルト中心軸
431 小径軸部
44 ギヤアーム
441 軸
442 ギヤ部分
443 脚
45 バネ
5 ホィールシャフト
6 コラムクランプシャフト
61 揺動アーム
7 操作レバー
71 突出部
711 付勢バネ
712 クランプレバー
713 長穴
714 従動レバー
715 付勢バネ
716 係合突起
717 係合凹部
718 係合突起
72A、72B、72C レバー中心軸
73 プッシャープレート
74 ロッド
741 付勢バネ
742 ナット
743 長穴
744 右端部
745 球面
746 鍔
75 レバー延長部
76 ピン
77 プッシャーロッド
8 アンクランプ保持機構
81 プッシャー
811 小径部
812A〜812C 突起
813 傾斜面
814 側面
82 ガイド
821 右端面
822A〜822C ガイド溝
823 傾斜面
823A〜823C 底面
824 谷部
825 側面
83 シフター
831 円錐面
832A〜832C 突起
833A〜833C 傾斜面
834 側面
835 面取り部
84 スリーブ
841 フランンジ
842 ボルト
843 大径穴
844 左端面
845 小径穴
846 右端面
847 段部
85 ロックアーム
86 ロックカム
861 係止突起
862 貫通穴
863 側面
864 溝
865 入口側上面
866 奥側下面
867 奥側上面
868 傾斜面
869 背面
87 支持板
88 捩りバネ
91 車体
92 ステアリングホィール
931、932 ユニバーサルジョイント
941 上中間軸
942 下中間軸
2 固定コラム部材
21 コラムクランプ
211 第1ウェッジ
2111、2112 傾斜面
2113、2114 クランプバー穴
212 第2ウェッジ
213 クランプバー
2141、2142 反力部材
215 ウェッジ穴
216 コラムクランプシャフト穴
22 ストッパ部材
221、222 車体取付部
3 移動コラム部材
31 コラムヘッド
311 緩衝ストッパ
312、313 リブ
32 長穴
33 セグメントギヤ
34 ボルト
341 背当部材
4 チルトヘッド
41 チルトヘッドクランプ
411 係合突起
412 突出部
413 ストッパ面
43 チルト中心軸
431 小径軸部
44 ギヤアーム
441 軸
442 ギヤ部分
443 脚
45 バネ
5 ホィールシャフト
6 コラムクランプシャフト
61 揺動アーム
7 操作レバー
71 突出部
711 付勢バネ
712 クランプレバー
713 長穴
714 従動レバー
715 付勢バネ
716 係合突起
717 係合凹部
718 係合突起
72A、72B、72C レバー中心軸
73 プッシャープレート
74 ロッド
741 付勢バネ
742 ナット
743 長穴
744 右端部
745 球面
746 鍔
75 レバー延長部
76 ピン
77 プッシャーロッド
8 アンクランプ保持機構
81 プッシャー
811 小径部
812A〜812C 突起
813 傾斜面
814 側面
82 ガイド
821 右端面
822A〜822C ガイド溝
823 傾斜面
823A〜823C 底面
824 谷部
825 側面
83 シフター
831 円錐面
832A〜832C 突起
833A〜833C 傾斜面
834 側面
835 面取り部
84 スリーブ
841 フランンジ
842 ボルト
843 大径穴
844 左端面
845 小径穴
846 右端面
847 段部
85 ロックアーム
86 ロックカム
861 係止突起
862 貫通穴
863 側面
864 溝
865 入口側上面
866 奥側下面
867 奥側上面
868 傾斜面
869 背面
87 支持板
88 捩りバネ
91 車体
92 ステアリングホィール
931、932 ユニバーサルジョイント
941 上中間軸
942 下中間軸
Claims (16)
- 取り付けられるステアリングホィールの回転を車体側操舵機構に伝達することができるホィールシャフト、
上記ステアリングホィールの車体前後方向位置を調整するためのテレスコピック機構、 上記ステアリングホィールの傾斜角度を調整するためのチルティング機構、
上記テレスコピック機構及び上記チルティング機構をそれぞれクランプ/アンクランプするためのクランプ/アンクランプ機構、
上記ステアリングホィールから離間して操作端が位置し、上記各クランプ/アンクランプ機構のクランプ/アンクランプを操作することが可能な単一の操作レバー、及び
上記クランプ/アンクランプ機構の内の少なくとも一方のためのアンクランプ保持機構を備えたステアリングコラム装置であって、
上記アンクランプ保持機構は、上記操作レバーの操作によってこのクランプ/アンクランプ機構をアンクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもアンクランプ状態を保持するとともに、上記操作レバーの次の操作によってこのクランプ/アンクランプ機構をクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもクランプ状態を保持するものであること
を特徴とするステアリングコラム装置。 - 取り付けられるステアリングホィールの回転を車体側操舵機構に伝達することができるホィールシャフト、
上記ステアリングホィールの車体前後方向位置を調整するためのテレスコピック機構、 上記ステアリングホィールの傾斜角度を調整するためのチルティング機構、
上記テレスコピック機構及び上記チルティング機構をそれぞれクランプ/アンクランプするためのクランプ/アンクランプ機構、
上記ステアリングホィールから離間して操作端が位置し、上記各クランプ/アンクランプ機構のクランプ/アンクランプを操作することが可能な単一の操作レバー、及び
アンクランプ保持機構
を備えたステアリングコラム装置であって、
上記アンクランプ保持機構は、上記操作レバーの操作によって上記テレスコピック機構のクランプ/アンクランプ機構をアンクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもアンクランプ状態を保持するとともに、上記操作レバーの次の操作によってこのクランプ/アンクランプ機構をクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもクランプ状態を保持するものであること
を特徴とするステアリングコラム装置。 - 取り付けられるステアリングホィールの回転を車体側操舵機構に伝達することができるホィールシャフト、
上記ステアリングホィールの車体前後方向位置を調整するためのテレスコピック機構、 上記ステアリングホィールの傾斜角度を調整するためのチルティング機構、
上記テレスコピック機構及び上記チルティング機構をそれぞれクランプ/アンクランプするためのクランプ/アンクランプ機構、
上記ステアリングホィールから離間して操作端が位置し、上記各クランプ/アンクランプ機構のクランプ/アンクランプを操作することが可能な単一の操作レバー、及び
アンクランプ保持機構
を備えたステアリングコラム装置であって、
上記アンクランプ保持機構は、上記操作レバーの操作によって上記チルティング機構のクランプ/アンクランプ機構をアンクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもアンクランプ状態を保持するとともに、上記操作レバーの次の操作によってこのクランプ/アンクランプ機構をクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもクランプ状態を保持するものであること
を特徴とするステアリングコラム装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれかに記載されたステアリングコラム装置において、 上記操作レバーが一方向に操作された時、上記チルティング機構がアンクランプ状態にされ、上記操作レバーが他方向に操作された時、上記テレスコピック機構がアンクランプ状態にされるものであること
を特徴とするステアリングコラム装置。 - 請求項1から請求項3までのいずれかに記載されたステアリングコラム装置において、 上記操作レバーが一方向に操作された時、上記チルティング機構及び上記テレスコピック機構の両方がアンクランプ状態にされるものであること
を特徴とするステアリングコラム装置。 - 車体に取り付けるための車体取付部を備えた固定コラム部材、
中心軸回りに回転不能且つ中心軸方向に移動可能に上記固定コラム部材に支持された移動コラム部材、
上記移動コラム部材の一端側に備えられたコラムヘッド、
上記コラムヘッドにチルト可能に支持されたチルトヘッド、
上記チルトヘッドに回転可能に支持され、一端にステアリングホィールを固定するためのホィールシャフト、
上記移動コラム部材を上記固定コラム部材に対してクランプ/アンクランプ状態にするためのコラムクランプ、
上記チルトヘッドに第1の揺動支軸を有するクランプレバー、
上記クランプレバーの揺動により上記チルトヘッドを上記コラムヘッドに対してクランプ/アンクランプするためのチルトヘッドクランプ、
上記クランプレバーに第2の揺動支軸を中心として揺動可能に支持され、その操作端が上記ステアリングホイールから離間した単一の操作レバー、及び
上記クランプ/アンクランプ機構の内の少なくとも一方のためのアンクランプ保持機構を備えたステアリングコラム装置であって、
上記アンクランプ保持機構は、上記操作レバーの操作によってこのクランプ/アンクランプ機構をアンクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもアンクランプ状態を保持するとともに、上記操作レバーの次の操作によってこのクランプ/アンクランプ機構をクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもクランプ状態を保持するものであり、
上記クランプレバーに対する上記操作レバーの作用点は、上記第2の揺動支軸を中心とする上記操作レバーの一方の操作で、上記第1の揺動支軸を中心として上記クランプレバーが上記チルトヘッドクランプをアンクランプする方向に揺動し、上記第2の揺動支軸を中心とする上記操作レバーの他方の操作で、上記第2の揺動支軸を中心として上記操作レバーが揺動して、上記コラムクランプがアンクランプされること
を特徴とするステアリングコラム装置。 - 請求項6に記載されたステアリングコラム装置において、
上記アンクランプ保持機構は、
プッシャープレート、プッシャー、ガイド、及び、シフターを備えており、
上記プッシャープレートは上記操作レバーに設けられて、上記プッシャーの一端に当接可能であり、
上記ガイドは上記コラムヘッドに固定されており、
上記プッシャーは、上記ガイドに案内されて上記チルトヘッドのチルト中心軸と平行な方向に摺動可能であり、
上記シフターは、上記ガイドに案内され、上記プッシャーの他端に当接することにより、上記チルトヘッドのチルト中心軸と平行な方向に摺動可能であり、
上記操作レバーを他方に揺動したとき、この操作レバーの揺動は、上記プッシャープレートの揺動運動、上記プッシャーの軸方向運動、上記シフターの軸方向運動、上記ガイドに対する上記シフターの回転運動へと順次変換されて、上記コラムクランプがアンクランプされるとともに、このアンクランプ状態が保持されること
を特徴とするステアリングコラム装置。 - 請求項7に記載されたステアリングコラム装置において、
上記アンクランプ保持機構は、
ロッド、及び、第1の付勢バネをさらに備えており、
上記ロッドは、上記シフターと同軸上を摺動可能に上記コラムヘッドに支持され、上記シフターに一端が当接し他端が上記コラムクランプに係合しており、
上記第1の付勢バネは、上記ロッドに付勢力を付与して、上記コラムクランプにクランプ力を付与するとともに、上記ロッドを上記シフターに常時当接させること
を特徴とするステアリングコラム装置。 - 請求項6から請求項8までのいずれかに記載されたステアリングコラム装置において、 上記チルトヘッドクランプにクランプ力を付与するため、上記チルトヘッドには上記クランプレバーを付勢する第2の付勢バネが設けられていること
を特徴とするステアリングコラム装置。 - 請求項1から請求項9までのいずれかに記載されたステアリングコラム装置において、 上記アンクランプ保持機構は、
再度操作レバーが操作された時、上記アンクランプ保持機構のアンクランプ保持状態を解除するものであること
を特徴とするステアリングコラム装置。 - 車体に取り付けるための車体取付部を備えた固定コラム部材、
中心軸回りに回転不能且つ中心軸方向に移動可能に上記固定コラム部材に支持された移動コラム部材、
上記移動コラム部材の一端側に備えられたコラムヘッド、
上記コラムヘッドにチルト可能に支持されたチルトヘッド、
上記チルトヘッドに回転可能に支持され、一端にステアリングホィールを固定するためのホィールシャフト、
上記移動コラム部材を上記固定コラム部材に対してクランプ/アンクランプ状態にするためのコラムクランプ、
上記チルトヘッドを上記コラムヘッドに対してクランプ/アンクランプするためのチルトヘッドクランプ、
上記チルトヘッドに揺動可能に軸支されるとともに、上記ステアリングホイールから離間して操作端が位置し、上記コラムクランプ及びチルトヘッドクランプの両方を操作することが可能な単一の操作レバー、及び
上記コラムクランプ及びチルトヘッドクランプのためのアンクランプ保持機構を備えたステアリングコラム装置であって、
上記アンクランプ保持機構は、上記操作レバーの一方向の操作によって上記コラムクランプ及びチルトヘッドクランプの両方をアンクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にも上記コラムクランプ及びチルトヘッドクランプの両方のアンクランプ状態を保持するとともに、上記操作レバーの次の一方向の操作によって上記コラムクランプ及びチルトヘッドクランプの両方をクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にも上記コラムクランプ及びチルトヘッドクランプの両方のクランプ状態を保持するものであること
を特徴とするステアリングコラム装置。 - 請求項11に記載されたステアリングコラム装置において、
上記アンクランプ保持機構は、
ロックアーム、及び、ロックカムを備えており、
上記ロックアームは上記操作レバーに設けられて、上記ロックカムの一端に当接可能であり、
上記ロックカムは上記チルトヘッドに揺動可能に軸支されており、
上記操作レバーを一方向に揺動したとき、この操作レバーの揺動は、上記ロックアームの揺動運動、上記ロックカムの揺動運動へと順次変換され、上記コラムクランプ及びチルトヘッドクランプの両方がアンクランプされたとき、上記ロックアームが上記ロックカムに係合してこのアンクランプ状態が保持されること
を特徴とするステアリングコラム装置。 - 請求項12に記載されたステアリングコラム装置において、
上記アンクランプ保持機構は、
第1の付勢バネをさらに備えており、
上記第1の付勢バネは、上記ロックカムに付勢力を付与して、上記ロックカムを上記ロックアームに常時当接させること
を特徴とするステアリングコラム装置。 - 請求項11から請求項13までのいずれかに記載されたステアリングコラム装置において、上記チルトヘッドクランプにクランプ力を付与するため、上記チルトヘッドには上記操作レバーを付勢する第2の付勢バネが設けられていること
を特徴とするステアリングコラム装置。 - 請求項11から請求項14までのいずれかに記載されたステアリングコラム装置において、上記アンクランプ保持機構は、
再度操作レバーが一方向に操作された時、上記アンクランプ保持機構のアンクランプ保持状態を解除するものであること
を特徴とするステアリングコラム装置。 - 取り付けられるステアリングホィールの回転を車体側操舵機構に伝達することができるホィールシャフト、
上記ステアリングホィールの位置を調整するための位置調整機構、
上記位置調整機構をそれぞれクランプ/アンクランプするためのクランプ/アンクランプ機構、
上記ステアリングホィールから離間して操作端が位置し、上記クランプ/アンクランプ機構のクランプ/アンクランプを操作することが可能な操作レバー、及び
上記クランプ/アンクランプ機構のアンクランプ保持機構
を備えたステアリングコラム装置であって、
上記アンクランプ保持機構は、上記操作レバーの操作によってこのクランプ/アンクランプ機構アンクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもアンクランプ状態を保持するとともに、上記操作レバーの次の操作によってこのクランプ/アンクランプ機構をクランプ状態にした場合、上記操作レバーから手を離した後にもクランプ状態を保持すること
を特徴とするステアリングコラム装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003393910A JP2004262433A (ja) | 2003-02-14 | 2003-11-25 | ステアリングコラム装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003035938 | 2003-02-14 | ||
JP2003393910A JP2004262433A (ja) | 2003-02-14 | 2003-11-25 | ステアリングコラム装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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