JP2008007096A - ステアリング装置 - Google Patents

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Yoshiyuki Sekii
義幸 関井
Tetsuya Koike
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Abstract

【課題】移動コラム部材の無段階のテレスコピック位置調整が可能で、クランプ操作する操作レバーの操作力が小さく、二次衝突時に大きな衝撃力が加わっても、移動コラム部材が車体前方側に移動しないようにしたステアリング装置を提供する。
【解決手段】コラムクランプ6はくさびによる摩擦クランプのため、移動コラム部材3のクランプ位置が無段階に調整できる。第2歯付部材69と第1歯付部材68によるポジティブコラムクランプ66は、係合歯681、691のピッチ間隔毎のクランプであるため、第2歯付部材69と第1歯付部材68は、噛み合い位置からずれている場合がある。第2歯付部材69が取り付けられた揺動レバー67が、揺動中心軸672に案内されて、噛み合い位置がずれた分だけ、第1歯付部材68の中心軸線に平行に摺動する。従って、第2歯付部材69は第1歯付部材68に正しく噛み合うことが可能となる。
【選択図】図12

Description

本発明はステアリング装置、特にテレスコピック機構を備えた車両のためのステアリング装置に関する。
テレスコピック機構は、運転者の体型及び好みにあわせて、最も運転しやすい位置にステアリングホィールの車体前後方向位置を調整するための機構である。
テレスコピック機構には、ステアリングホィールの車体前後方向位置を調整するときにクランプ/アンクランプされるコラムクランプが備えられている。そして、テレスコピック位置の調整時には、一旦、コラムクランプが解除され、その状態で、ステアリングホィールの車体前後方向位置を調整したのち、再度クランプ状態にする。
このようなコラムクランプとしては、互いに係合する傾斜面を有する移動ウェッジと固定ウェッジによって、所望の無段階のテレスコピック位置で、移動コラム部材を固定コラム部材に摩擦力によってクランプするコラムクランプ方式が一般的である。従って、二次衝突時にステアリングホィールに車体前方側への大きな衝撃力が作用すると、コラムクランプの摩擦力に抗して移動コラム部材が車体前方側に移動し、固定コラム部材に移動コラム部材が衝突して、運転者に大きな衝撃力が作用する問題があった。
このような摩擦力を利用したコラムクランプでは、二次衝突時に移動コラム部材が車体前方側に移動しないようにコラムクランプ力を大きくするためには、コラムクランプを操作する操作レバーの操作力が非常に大きくなるため、操作性が悪くなってしまう。
操作レバーの操作力が小さく、二次衝突時の衝撃力によって、移動コラム部材が車体前方側に移動しないようにしたコラムクランプを備えたステアリング装置として、特許文献1のステアリング装置がある。
特許文献1のステアリング装置は、テレスコピック移動する移動コラム部材の外周面に、軸方向にわたって連続する固定側ラチェット歯を固定し、この固定側ラチェット歯に係合して、移動コラム部材の車体前方側への移動を阻止する変位側ラチェット歯を、固定コラム部材に変位可能に設けている。
特許文献1のステアリング装置では、二次衝突時の衝撃力によって、移動コラム部材が車体前方側に移動しないように阻止することはできるが、移動コラム部材のテレスコピック調整距離が、ラチェット歯の軸方向のピッチ間隔での調整に限定されるため、無段階のテレスコピック位置で移動コラム部材を調整することができないという問題があった。
実開平5−49564号公報
本発明は、移動コラム部材の無段階のテレスコピック位置調整が可能で、クランプ操作する操作レバーの操作力が小さく、二次衝突時に大きな衝撃力が加わっても、移動コラム部材が車体前方側に移動しないようにしたステアリング装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の手段によって解決される。すなわち、第1番目の発明は、車体に取り付けるための車体取付部を備えた固定コラム部材、車体前後方向にテレスコピック位置調整可能に上記固定コラム部材に嵌合された移動コラム部材、上記移動コラム部材に回転可能に支持され、一端にステアリングホィールを固定するためのステアリングシャフト、及び、所望のテレスコピック位置で上記移動コラム部材を固定コラム部材にクランプ/アンクランプするためのコラムクランプを備えたステアリング装置であって、さらに、複数の係合歯が少なくともテレスコピック位置調整距離分だけ長さ方向に形成されている第1歯付部材、上記第1歯付部材の係合歯に係合可能な少なくとも一つの係合歯を有する第2歯付部材、及び、上記第2歯付部材を上記第1歯付部材に係合/離脱させるための係合操作部材、を備え、上記第1歯付部材及び上記第2歯付部材は、それぞれ上記固定コラム部材及び上記移動コラム部材のうちの互いに異なる側に設けられており、特に、これらのうちの一方は、上記固定コラム部材又は上記移動コラム部材に対して、上記第1歯付部材の係合歯のピッチ間隔に相当する距離だけ移動可能であることを特徴とするステアリング装置である。
第2番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記第1歯付部材の係合歯と上記第2歯付部材の係合歯とは、二次衝突時の衝撃力が作用したときに係合が外れないために、摩擦角よりも小さい角度で接触するような係合をすることを特徴とするステアリング装置である。
第3番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記第2歯付部材は、上記固定コラム部材の中心軸線に平行な軸を中心に揺動可能であり、かつ、この軸方向に摺動可能であることを特徴とするステアリング装置である。
第4番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記第1歯付部材は、上記固定コラム部材の中心軸線に平行な軸のまわりに、所定範囲の回転の遊びが与えられていることを特徴とするステアリング装置である。
第5番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、このステアリング装置は、更に、上記コラムクランプと上記係合操作部材を連動して操作するための単一の操作レバーを備えていることを特徴とするステアリング装置である。
第6番目の発明は、第1番目の発明のステアリング装置において、上記コラムクランプは、所望のテレスコピック位置で上記移動コラム部材を固定コラム部材にクランプ/アンクランプするために、互いに係合する傾斜面を有する移動ウェッジと固定ウェッジを備えていることを特徴とするステアリング装置である。
第7番目の発明は、第6番目の発明のステアリング装置において、上記第1歯付部材は、上記コラムクランプの押圧方向に所定の距離の遊びが与えられていることを特徴とするステアリング装置である。
本願明細書には、上記解決手段とともに以下のステアリング装置が開示されている。すなわち、その第1は、車体に取り付けるための車体取付部を備えた固定コラム部材、上記固定コラム部材に車体前後方向にテレスコピック位置調整可能に嵌合された移動コラム部材、上記移動コラム部材に回転可能に支持され、一端にステアリングホィールを固定するためのステアリングシャフト、互いに係合する傾斜面を有する移動ウェッジと固定ウェッジによって、所望のテレスコピック位置で上記移動コラム部材を固定コラム部材に摩擦力でクランプ/アンクランプするコラムクランプ、上記固定コラム部材に固定され、複数の係合歯がテレスコピック位置調整距離分だけ車体前後方向に形成された第1歯付部材、上記第1歯付部材に係合離脱可能な係合歯を有し、少なくとも上記係合歯のピッチ寸法と同一寸法だけ、車体前後方向に移動可能に上記移動コラム部材に取り付けられた第2歯付部材を備えたことを特徴とするステアリング装置である。
第2は、車体に取り付けるための車体取付部を備えた固定コラム部材、上記固定コラム部材に車体前後方向にテレスコピック位置調整可能に嵌合された移動コラム部材、上記移動コラム部材に回転可能に支持され、一端にステアリングホィールを固定するためのステアリングシャフト、互いに係合する傾斜面を有する移動ウェッジと固定ウェッジによって、所望のテレスコピック位置で上記移動コラム部材を固定コラム部材に摩擦力でクランプ/アンクランプするコラムクランプ、上記固定コラム部材に取り付けられ、複数の係合歯がテレスコピック位置調整距離分だけ車体前後方向に形成されて、少なくとも係合歯のピッチ寸法と同一寸法だけ車体前後方向に移動可能な第1歯付部材、上記移動コラム部材に取り付けられ、上記第1歯付部材に係合離脱可能な係合歯を有する第2歯付部材を備えたことを特徴とするステアリング装置である。
第3は、車体に取り付けるための車体取付部を備えた固定コラム部材、上記固定コラム部材に車体前後方向にテレスコピック位置調整可能に嵌合された移動コラム部材、上記移動コラム部材に回転可能に支持され、一端にステアリングホィールを固定するためのステアリングシャフト、互いに係合する傾斜面を有する移動ウェッジと固定ウェッジによって、所望のテレスコピック位置で上記移動コラム部材を固定コラム部材に摩擦力でクランプ/アンクランプするコラムクランプ、上記移動コラム部材に固定され、複数の係合歯がテレスコピック位置調整距離分だけ車体前後方向に形成された第1歯付部材、上記第1歯付部材に係合離脱可能な係合歯を有し、少なくとも上記係合歯のピッチ寸法と同一寸法だけ、車体前後方向に移動可能に上記固定コラム部材に取り付けられた第2歯付部材を備えたことを特徴とするステアリング装置である。
第4は、車体に取り付けるための車体取付部を備えた固定コラム部材、上記固定コラム部材に車体前後方向にテレスコピック位置調整可能に嵌合された移動コラム部材、上記移動コラム部材に回転可能に支持され、一端にステアリングホィールを固定するためのステアリングシャフト、互いに係合する傾斜面を有する移動ウェッジと固定ウェッジによって、所望のテレスコピック位置で上記移動コラム部材を固定コラム部材に摩擦力でクランプ/アンクランプするコラムクランプ、上記移動コラム部材に取り付けられ、複数の係合歯がテレスコピック位置調整距離分だけ車体前後方向に形成されて、少なくとも係合歯のピッチ寸法と同一寸法だけ車体前後方向に移動可能な第1歯付部材、上記固定コラム部材に取り付けられ、上記第1歯付部材に係合離脱可能な係合歯を有する第2歯付部材を備えたことを特徴とするステアリング装置である。
第5は、第1から第4までのいずれかのステアリング装置において、上記第2歯付部材と第1歯付部材との間の摩擦角よりも、第2歯付部材と第1歯付部材の二次衝突時に衝撃力が作用する側の歯面の角度を小さく設定したことを特徴とするステアリング装置である。
第6は、第1から第4までのいずれかのステアリング装置において、上記第2歯付部材は、上記固定コラム部材の中心軸線に平行な揺動中心軸を中心として揺動可能に、かつ揺動中心軸に沿って摺動可能に形成されていることを特徴とするステアリング装置である。
第7は、第1から第4までのいずれかのステアリング装置において、上記第1歯付部材は、上記固定コラム部材の中心軸線に平行な軸線の回りに、所定の角度範囲で回転可能であることを特徴とするステアリング装置である。
第8は、第1から第4までのいずれかのステアリング装置において、上記第1歯付部材は、上記コラムクランプの押圧方向に、所定の長さ範囲で移動可能であることを特徴とするステアリング装置である。
第9は、第1から第4までのいずれかのステアリング装置において、上記コラムクランプのクランプ/アンクランプ操作と、上記第1歯付部材に対する第2歯付部材の係合離脱操作を単一の操作レバーで行うことを特徴とするステアリング装置である。
本発明のステアリング装置では、移動コラム部材を固定コラム部材に複数の係合歯が少なくともテレスコピック位置調整距離分だけ長さ方向に形成されている第1歯付部材、上記第1歯付部材の係合歯に係合可能な少なくとも一つの係合歯を有する第2歯付部材、及び、上記第2歯付部材を上記第1歯付部材に係合/離脱させるための係合操作部材、を備え、上記第1歯付部材及び上記第2歯付部材は、それぞれ上記固定コラム部材及び上記移動コラム部材のうちの互いに異なる側に設けられており、特に、これらのうちの一方は、上記固定コラム部材又は上記移動コラム部材に対して、上記第1歯付部材の係合歯のピッチ間隔に相当する距離だけ移動可能に構成されている。
従って、噛み合い位置がずれた分だけ、第1歯付部材または第2歯付部材が、車体前後方向に移動して、噛み合い位置のずれを吸収するため、摩擦力による無段階のクランプと係合歯による段階的なクランプが併用可能となった。そのため、移動コラム部材の無段階のテレスコピック位置調整が可能で、クランプ操作する操作レバーの操作力が小さく、二次衝突時に大きな衝撃力が加わっても、移動コラム部材は車体前方側に移動しない。
以下、図面に基づいて本発明の実施例1から実施例2を説明する。
図1から図15は、本発明の実施例1のステアリング装置を示し、単一の操作レバーの一方向の操作によって、テレスコピック機構及びチルティング機構の両方のクランプ/アンクランプ機構を同時に操作できるようにし、かつ操作レバーから手を離した時、テレスコピック機構及びチルティング機構の両方のアンクランプ状態を保持するようにした実施例である。
* 全体概要
図1は本発明の実施例1のステアリング装置1の外観図、図2はステアリング装置1を図1のP方向から見たときの上面図、図3はステアリング装置1を図1のQ方向から見たときの下面図、図4は図1のステアリング装置1の要部拡大側面図、図5は図3の一部を断面した要部拡大下面図である。
ステアリング装置1は、固定コラム部材2、移動コラム部材3、チルトヘッド4、ステアリングシャフト5、コラムクランプ6、ポジティブコラムクランプ66、チルトヘッドクランプ41及び操作レバー7を備えている。
固定コラム部材2には、車体前方側の車体取付部21、車体後方側の車体取付部22が備えられており、この車体取付部21、22によって固定コラム部材2が車体91に取り付けられる。上記固定コラム部材2には、移動コラム部材3が、固定コラム部材2の中心軸回りに回転不能、かつ、固定コラム部材2の中心軸線に平行にテレスコピック位置調整可能に支持されている。上記移動コラム部材3の右端側には、チルトヘッド4がチルト中心軸43を中心としてチルト可能に支持されている。このチルトヘッド4にはステアリングシャフト5が回転可能に支持されており、その右端にはステアリングホィール92が固定されている。
上記移動コラム部材3には、コラムクランプ6が備えられており、このコラムクランプ6には、移動コラム部材3の中心軸と平行にコラムクランプシャフト61が設けられている。このコラムクランプ6は移動コラム部材3に固定されていて、固定コラム部材2に対して相対的に移動可能であり、このコラムクランプ6の動作によって、上記移動コラム部材3を固定コラム部材2に対してクランプ/アンクランプ状態にすることができる。
また、上記移動コラム部材3には、チルトヘッドクランプ41が設けられており、上記チルトヘッド4を移動コラム部材3に対してクランプ/アンクランプする。上記チルトヘッド4には単一の操作レバー7が支持されている。この操作レバー7は、ステアリングホィール92から離間した位置に配置されている。従って、運転中のステアリングホィール92の操作時に、手が操作レバー7に接触し、移動コラム部材3又はチルトヘッド4のアンクランプが行われないようにしている。また、ステアリングホィール92の周囲のスイッチ類の操作を邪魔しないようにしている。
操作レバー7をステアリングホィール92に近づく方向に揺動させると、操作レバー7に従動して従動レバー714(図3、図5)が揺動し、この従動レバー714の揺動によって上記コラムクランプ6が動作し、移動コラム部材3のアンクランプが行われる。また、上記操作レバー7をステアリングホィール92に近づく方向に揺動させる操作により、チルトヘッド4のアンクランプが同時に行われる。
ステアリングシャフト5の左端は、ステアリング装置1内で図示しない上側のユニバーサルジョイントに接続されている。この上側のユニバーサルジョイントの中心はチルト中心軸43の軸線上にあるため、チルトヘッド4がチルトしてもその影響を受けないようになっている。
更に、この上側のユニバーサルジョイントと下側のユニバーサルジョイント93との間は、図示しない雄スプライン軸と雌スプライン軸からなるスプライン軸と結合しているため、移動コラム部材3は図1及び図2の左右方向に移動可能になっている。移動コラム部材3の移動位置に関わらず、スプライン軸のスプライン結合によって、ステアリングホィール92の前後方向位置を調整しても、ステアリングホィール92の回転を、下側のユニバーサルジョイント93を介して、前車輪の方向を操作するステアリングギヤへと伝達している。
* チルトヘッドクランプ
ここで、図1、図3、図4における実線は、操作レバー7が引かれる前の状態を、二点鎖線は操作レバー7がステアリングホィール92側に引かれた状態を示している。また、図6及び図7は、それぞれ図1におけるA−A断面図、及びB−B断面図である。
チルトヘッドクランプ41は次のような構成を備える。移動コラム部材3には、チルト中心軸43にその中心を持つセグメントギヤ33がボルト34によって固定されている。セグメントギヤ33との間に空間を置いて、チルトヘッド4には背当部材341が設けられている。
一方、上記空間内には、チルトヘッド4に軸441を中心として回動可能に支持されたギヤアーム44の左側のギヤ部分442と、突出部71が入り込んでいる。チルトヘッド4には従動レバー中心軸72A(図3、図5、図6、図7)が取り付けられ、この従動レバー中心軸72Aを中心として揺動する従動レバー714(図3、図5、図6)が、上記突出部71と一体的に形成されている。
上記ギヤアーム44は2本の脚からなるL字形状をなしており、一方の脚には上記ギヤ部分442が形成されている。上記ギヤアーム44の他方の脚443と上記突出部71の背部との間にはバネ711が介在し、突出部71の背部と脚443との間隔を押し広げるような付勢力を与えている。
図3及び図4で、突出部71が左方向に押されると、突出部71がギヤ部分442を背後から押すため、ギヤ部分442がセグメントギヤ33に向けて押し付けられ、それぞれの歯が相互に噛合する。なお、ギヤ部分442がセグメントギヤ33を押すとき、突出部71にかかる反力は背当部材341が受ける。これにより、チルトヘッド4が移動コラム部材3に固定される。チルトヘッド4は、ギヤ部分442とセグメントギヤ33が噛合可能な角度位置において、段階的な位置で固定される。
突出部71が図3及び図4で右方向に動くとき、バネ711の押圧力によってギヤアーム44は図4において反時計回りに回転するため、ギヤ部分442とセグメントギヤ33の歯の噛合が外れ、チルトヘッドクランプ41がアンクランプ状態になる。したがって、チルト位置の調整時(このときテレスコ位置も調整可能である)には、操作レバー7の操作によって、突出部71が右方向に動く。
* 固定コラム部材と移動コラム部材
図2に示すように、移動コラム部材3の上面には、軸方向に沿った長穴32が形成されており、この長穴32内に固定コラム部材2に設けられたストッパ部材23が係合している。移動コラム部材3は、長穴32とストッパ部材23によって、固定コラム部材2からの抜け出しとこれに対する回転が防止されているため、長穴32の範囲で軸方向に移動可能となっている。
* コラムクランプ
コラムクランプ6の構成を図8から図11を用いて説明する。図8はコラムクランプ6の要部を示す側面図、図9はコラムクランプ6を示す図5のC−C断面図、図10はコラムクランプ6のサブアセンブリ状態を示す分解図、図11は図1のD−D断面図である。
コラムクランプ6は、移動コラム部材3に設けられており、図8の右側から、コラムクランプシャフト61、スラストベアリング612、ワッシャー613、揺動アーム62、第1ウェッジ(第1移動ウェッジ)63、付勢バネ614、第2ウェッジ(第2移動ウェッジ)64、ナット615の順に組み付けられている。
移動コラム部材3には下方向からウェッジ穴31が明けられており、このウェッジ穴31の上部は、固定コラム部材2の車体後方側に形成された円筒形の案内筒24の外周241に開口している。案内筒24の外周241は、移動コラム部材3の案内穴35に内嵌して、移動コラム部材3を軸方向に案内している。
ウェッジ穴31の下部は、2本のボルト651によって移動コラム部材3に固定された第3ウェッジ(固定ウェッジ)65によって塞がれている。第1ウェッジ63及び第2ウェッジ64は、上記ウェッジ穴31内に、図8及び図9の上下方向及び左右方向に摺動可能に挿入されている。
第1ウェッジ63及び第2ウェッジ64の上部には、案内筒24の外周241に対向して略円弧状のクランプ面631、641が形成されている。このクランプ面631、641が案内筒24の外周241と向き合い、移動コラム部材3のクランプ時に、案内筒24の外周241に接触し、移動コラム部材3を固定コラム部材2に対してクランプする。
第1ウェッジ63及び第2ウェッジ64は、移動コラム部材3の軸方向に離間した位置に配置され、第1ウェッジ63及び第2ウェッジ64には、それぞれクランプシャフト穴632、642が明けられており、この穴にコラムクランプシャフト61が貫通している。コラムクランプシャフト61の左端に形成された雄ねじ611には、ナット615がねじ込まれ、このナット615が第2ウェッジ64を押し付けている。
第1ウェッジ63と第2ウェッジ64との間のコラムクランプシャフト61には付勢バネ614が外嵌され、第1ウェッジ63と第2ウェッジ64に常時離間する方向の付勢力を与えている。第1ウェッジ63の右端面には、クランプシャフト穴632の周囲に、カム面633が形成され、揺動アーム62の左端面に形成されたカム面621と常時接触して、カム機構を構成している。カム面633とカム面621との間に、コロなどの転がり部材を介在させて転がり接触させ、カム面633とカム面621が接触する接触面の摩擦抵抗を減らすようにしてもよい。
また、第3ウェッジ65には、軸方向の外側に向かって下降する傾斜面652、653が形成され、第1ウェッジ63及び第2ウェッジ64の下端に形成された傾斜面634、644が、傾斜面652、653にそれぞれ接している。
図10に示すように、第3ウェッジ65を移動コラム部材3とは別体で構成することにより、コラムクランプ6は、コラムクランプシャフト61、スラストベアリング612、ワッシャー613、揺動アーム62、第1ウェッジ63、付勢バネ614、第2ウェッジ64、ナット615を、予めサブラインでサブアセンブリとして組み付けることが可能となった。
このサブアセンブリを移動コラム部材3下面のウェッジ穴31に挿入した後、第3ウェッジ65を2本のボルト651によって移動コラム部材3に固定すれば、コラムクランプ6の組み付け作業が完了する。従って、メインラインにおけるコラムクランプ6の組立時間が短縮されると共に、広い組立てスペースでサブアセンブリとして組み付けることができるため、組立作業が容易となる。
図8、図9、図11のクランプ状態から、アンクランプ状態にするために、揺動アーム62に揺動回転(図11の時計方向の揺動回転)を与えると、揺動アーム62のカム面621の山が第1ウェッジ63のカム面633の谷側に移動する。
すると、第1ウェッジ63及び第2ウェッジ64は、付勢バネ614の付勢力により強制的に離間し、第1ウェッジ63及び第2ウェッジ64は下降して、案内筒24の外周241からクランプ面631、641が離れ、移動コラム部材3のクランプが解除される。このように、クランプの解除が付勢バネ614の付勢力により強制的に行われるため、クランプの解除を確実に行うことができる。
揺動アーム62を反対方向に揺動回転(図11の反時計方向の揺動回転)すると、揺動アーム62のカム面621の山が第1ウェッジ63のカム面633の山に乗り上げ、コラムクランプシャフト61を、図8、図9の右方向に引っ張るため、第2ウェッジ64はナット615によって右方向に押され、第1ウェッジ63は揺動アーム62により左方向に押されることにより、2つのウェッジが相互に接近する。
これにより、それぞれの傾斜面634、644が、第3ウェッジ65の傾斜面652、653に沿って移動し、第1ウェッジ63及び第2ウェッジ64が上昇して、案内筒24の外周241を、第1ウェッジ63のクランプ面631及び第2ウェッジ64のクランプ面641が押圧することになり、移動コラム部材3が固定コラム部材2に対してクランプされる。
* 操作レバーの操作
次に操作レバー7の動きとこれに連動する各部材について説明する。図2から図7に示すように、操作レバー7はチルトヘッド4の左側面に揺動可能に設けられている。また、チルトヘッド4の下面には、操作レバー7の操作に従動して揺動する従動レバー714、及び、従動レバー714から左方(車体前方側)に一体的に延びるプッシャープレート73、従動レバー714に一体的に形成された突出部71が見えている。従動レバー714及びプッシャープレート73は、全体として逆L字形形状をなしている。
さらに、チルトヘッド4の側面には、付勢方向反転機構81及び揺動レバー保持機構85が見えている。図3には、前後方向位置及び傾斜角度を調整するために、操作レバー7が操作されたとき(つまり、操作端がステアリングホィール92に向けて引きつけられた時)と、ステアリングホィール92から離れる方向に操作端が復帰した時の2つの状態が、それぞれ二点鎖線と実線で示されている。
図1にも、操作レバー7が操作された時(アンクランプ側操作端bと呼ぶ)と、ステアリングホィール92から離れる方向に操作端が復帰した時(クランプ側操作端aと呼ぶ)の2つの状態が、それぞれ二点鎖線と実線で示されている。
操作レバー7は、チルトヘッド4の側面にねじ込まれたレバー中心軸72Cに、揺動可能に軸支されている。また、チルトヘッド4の側面にねじ込まれた中心軸811(図7)には、付勢方向反転機構81が装着されている。付勢方向反転機構81は、揺動レバー82、係合ピン821、ピニオン83、セグメントギヤ84から構成されている。
揺動レバー82は焼結材で成形されて、チルトヘッド4の側面にねじ込まれた中心軸811に揺動可能に軸支され、揺動レバー82のボス部にはピニオン83が形成されている。このピニオン83は、操作レバー7に形成されたセグメントギヤ84(図4、図14(1)〜図14(2))と噛み合っている。
また、揺動レバー82に取り付けられた係合ピン821と、チルトヘッド4の左端に取り付けられたブラケット47の係合凹部471間には、付勢バネ(付勢部材)715が張り渡され、この付勢バネ715が、揺動レバー82、ピニオン83、セグメントギヤ84を介して、操作レバー7がクランプ側操作端a付近にある時に、操作レバー7を時計方向に付勢している。
従動レバー714には二股状の係合凹部717(図3、図5)が形成され、操作レバー7先端の係合突起718が係合凹部717内に嵌入している。従って、従動レバー714は操作レバー7の操作に従動して、従動レバー中心軸72Aを中心にして揺動する。
図3の実線で示す操作レバー7が引かれる前の状態(クランプ側操作端a)では、操作レバー7が付勢バネ715の付勢力によって時計方向の揺動端にあるため、従動レバー714の突出部71が左方向に押され、チルトヘッド4がクランプされている。
チルト位置及びテレスコ位置の調整時に、操作レバー7をステアリングホィール92側に引くと、従動レバー714が従動レバー中心軸72Aを中心として時計方向に揺動する。従って、操作レバー7が図3の二点鎖線で示す位置(アンクランプ側操作端b)に揺動すると、従動レバー714と一体の突出部71が右方向に動き、チルトヘッドクランプ41がアンクランプされる。
図3で操作レバー7が実線で示す位置(クランプ側操作端a)から、二点鎖線で示す位置(アンクランプ側操作端b)に移動すると、従動レバー714と一体のプッシャープレート73が、プッシャーロッド77右端の右頭部771を押し込み、前述したコラムクランプ6がアンクランプされる。従って、単一の操作レバー7の引き動作で、チルトヘッドクランプ41のアンクランプ操作と、コラムクランプ6のアンクランプ操作を同時に行うことができる。
プッシャーロッド77(図9、図11)は、図11の左右方向の長さの略中間位置で、揺動アーム62の下端とピン743で軸支されている。また、図5、図11で、移動コラム部材3には、下方に突出するリブ36が形成され、リブ36に形成された矩形の案内溝361に、プッシャーロッド77右端の右頭部771が内嵌し、図11の左右方向にプッシャーロッド77を移動可能に案内している。
図5、図11に示すように、リブ36とプッシャーロッド77のフランジ772との間には、2個の付勢バネ741、741が張り渡され、プッシャーロッド77を右方向(図11)に付勢している。従って、プッシャーロッド77とピン743で連結された揺動アーム62には、反時計方向の回転付勢力が付与されている。揺動アーム62に与えられた揺動付勢力は、揺動アーム62をクランプ位置(図11)に維持する。このときの揺動アーム62の位置が実線で示されている。
* ポジティブコラムクランプ
ポジティブコラムクランプ66の構成を図3、図4、図5、図11、図12、図15を用いて説明する。図12(1)は図4のE−E断面図、図12(2)は図4のF−F断面図、図15は実施例1の第1歯付部材単体を示す部品図であり、(1)は実施例1の第1歯付部材の正面図、(2)は(1)の下面図である。
ポジティブコラムクランプ66は、揺動レバー67、付勢バネ671、揺動中心軸672、第1歯付部材68、第2歯付部材69で構成され、移動コラム部材3と固定コラム部材2との間に設けられている。
丸棒状の第1歯付部材68は、固定コラム部材2の車体取付部22側面に形成された円筒穴221(図4、図12(2))に左端が挿入されて、ピン222により車体取付部22に固定されている。この第1歯付部材68は、固定コラム部材2の中心軸線に平行に車体後方側に長く延び、鋸歯状の複数の係合歯681が、第1歯付部材68のほぼ全長にわたって等ピッチで形成されている。図15に示すように、実施例1の第1歯付部材68は、丸棒状の外周の一側面に係合歯681が形成されている。係合歯681は、歯面が車幅方向の外側を向き、歯すじが車体上下方向を向いて配置されている。
移動コラム部材3の側面に突出して形成されたボス部37には、丸棒状の揺動中心軸672がねじ込まれて固定され、この揺動中心軸672は、上記した第1歯付部材68と平行に車体前方側に延びている。揺動レバー67は、揺動中心軸672の回りに揺動可能に、かつ揺動中心軸672の中心軸線に沿って摺動可能に軸支されている。
揺動レバー67には、第2歯付部材69がクリップ692によって固定され、第2歯付部材69には、第1歯付部材68の係合歯681に対向して、鋸歯状の複数の係合歯691が、第1歯付部材68の係合歯681と同一ピッチで形成されている。
プッシャーロッド77のフランジ772と揺動レバー67との間には、付勢バネ671が張り渡されている。付勢バネ671の付勢力によって、揺動レバー67はプッシャーロッド77左端の左頭部773に当接する方向(図11で反時計回り)に付勢され、第2歯付部材69の係合歯691が、第1歯付部材68の係合歯681に噛み合っている。
図12(2)に示すように、第1歯付部材68を車体取付部22の円筒穴221に固定するピン222の外径は、ピン222が内嵌するピン穴223の内径との間に若干の隙間が形成されている。従って、この隙間の範囲で、第1歯付部材68は円筒穴221の中心軸線の回りに回転可能である。
そのため、第2歯付部材69の係合歯691と、第1歯付部材68の係合歯681との間に、円筒穴221の中心軸線回りの加工誤差や取り付け誤差があっても、第1歯付部材68が円筒穴221の中心軸線の回りに回転して、第2歯付部材69の係合歯691が、第1歯付部材68の係合歯681に円滑に噛み合う。これによって、第2歯付部材69や第1歯付部材68等のポジティブコラムクランプ66を構成する部品の加工や組立を容易にしている。
また、円筒穴221の内径寸法は、第1歯付部材68の外径寸法よりも若干大径に形成されていて、円筒穴221の内径と第1歯付部材68の外径との間には若干の隙間が形成されている。コラムクランプ6のクランプ時及びアンクランプ時に、第1ウェッジ63、第2ウェッジ64のクランプ面631及び面641が、固定コラム部材2の内筒24の外周241を押圧したり、外周241から離間したりすると、移動コラム部材3が固定コラム部材2に対して、車体上下方向(コラムクランプ6の押圧方向)に微少距離だけ移動する。
このコラムクランプ6のクランプ時及びアンクランプ時に、第1歯付部材68は、ピン222を中心として車体上下方向(コラムクランプ6の押圧方向)に若干揺動し、または、第1歯付部材68の軸に対して直交する方向に移動し、移動コラム部材3が固定コラム部材2に対して、車体上下方向に微少距離移動しても、第2歯付部材69の係合歯691が、第1歯付部材68の係合歯681に円滑に噛み合うようにしている。
図12(1)に示すように、移動コラム部材3側面のリブ38、39と、第2歯付部材69の車体後方端693及び車体前方端694との間には、若干の隙間が形成されている。この隙間は、少なくとも、係合歯681、691のピッチと同一寸法に形成されている。すなわち、係合歯691と係合歯681とが噛み合う時に、揺動レバー67が揺動中心軸672に沿って軸方向に摺動し、第2歯付部材69が第1歯付部材68の軸方向に若干移動して噛み合うようにしている。これによって、くさびによるコラムクランプ6のテレスコクランプ位置にかかわらず、第2歯付部材69が第1歯付部材68に噛み合うことができる。
二次衝突時に運転者がステアリングホィール92に衝突すると、移動コラム部材3に車体前方側への衝撃力が作用する。くさびを利用したコラムクランプ6のクランプ力よりもこの衝撃力が大きくなると、第1ウェッジ63及び第2ウェッジ64のクランプ面631、641が案内筒24の外周241に沿って滑り出し、移動コラム部材3が車体前方側に若干移動する。
しかし、第2歯付部材69の係合歯691が、第1歯付部材68の係合歯681に噛み合っているため、第1歯付部材68から第2歯付部材69に作用する反力で、第2歯付部材69が車体後方側(図12の右側)に若干移動する(車体側から見た場合、第2歯付部材69に対して移動コラム部材3が図12の左側に動く)。第2歯付部材69の車体後方端693が、移動コラム部材3側面のリブ38に当接すると、それ以上第2歯付部材69は車体後方側には移動できないため(車体側から見た場合、第2歯付部材69に対して移動コラム部材3は図12の左側にはそれ以上動けない)、移動コラム部材3の車体前方側への移動が阻止される。
第2歯付部材69の係合歯691と第1歯付部材68の係合歯681との間の摩擦係数は、0.12〜0.15である。図12に示すように、係合歯681の車体後方側の歯面681A(二次衝突時に衝撃力が作用する側の歯面)と、第1歯付部材68の中心軸線に直交する軸線との間の角度θ1は、0度から6度に設定されている。
すなわち、係合歯691と係合歯681との間の摩擦角よりも、二次衝突時に衝撃力が作用する側の歯面681Aの角度を小さく設定している。従って、振動等で、第2歯付部材69の係合歯691と第1歯付部材68の係合歯681が外れない程度の付勢力を付勢バネ671によって付与すれば、二次衝突時に大きな衝撃力が作用しても、第2歯付部材69の係合歯691は第1歯付部材68の係合歯681に対して滑り出すことがない。そのため、ポジティブコラムクランプ66のアンクランプ時の操作力が小さくて済む。
従って、二次衝突時に移動コラム部材3に車体前方側への大きな衝撃力が作用して、摩擦力によるコラムクランプ6が滑っても、第2歯付部材69は第1歯付部材68に対して滑らないため、移動コラム部材3が車体取付部22に衝突して、運転者に大きな衝撃力が加わることを防止することができる。
チルトヘッドクランプ41のアンクランプ操作と、コラムクランプ6のアンクランプ操作を行うために、図3で操作レバー7を実線で示す位置(クランプ側操作端a)から、二点鎖線で示す位置(アンクランプ側操作端b)に移動すると、従動レバー714と一体のプッシャープレート73が、プッシャーロッド77右端の右頭部771を押し込む。すると、プッシャーロッド77左端の左頭部773が揺動レバー67を揺動(図11で時計回り)させる。
これによって、第2歯付部材69の係合歯691と第1歯付部材68の係合歯681との噛み合いが離れる。従って、操作レバー7から片手を離し、両手でステアリングホィール92を握って、ステアリングホィール92の前後方向位置及び傾斜角度を調整することができる(揺動レバー保持機構85の動作については後述する)。
ステアリングホィール92の前後方向位置及び傾斜角度の調整が完了すると、運転者はステアリングホィール92から片手を離し、離した片手で操作レバー7を押す。従って、操作レバー7は従動レバー714を従動レバー中心軸72Aを中心として反時計方向に揺動させ、チルトヘッド4が移動コラム部材3にクランプされる。同時に、プッシャープレート73が図3の実線の位置まで揺動して、付勢バネ741、741の付勢力によりプッシャーロッド77が図11の右方向、実線の位置まで戻る。
プッシャーロッド77の右方向の動きは、揺動アーム62の反時計回りの揺動を起こし、コラムクランプ6の第1ウェッジ63と第2ウェッジ64は、互いに接近するため、移動コラム部材3のクランプが行われる。
プッシャーロッド77が右方向に動くと付勢バネ671の付勢力によって、揺動レバー67は反時計回りの揺動を起こし、揺動レバー67に取り付けられた第2歯付部材69の係合歯691が、第1歯付部材68の係合歯681に噛み合い始める。
上記したコラムクランプ6はくさびによる摩擦クランプのため、移動コラム部材3のクランプ位置が無段階に調整できる。第2歯付部材69と第1歯付部材68によるポジティブコラムクランプ66は、係合歯681、691のピッチ間隔毎のクランプであるため、第2歯付部材69の係合歯691と第1歯付部材68の係合歯681は、噛み合い位置からずれている場合がある。
しかしながら、第2歯付部材69が取り付けられた揺動レバー67が、揺動中心軸672に案内されて、噛み合い位置がずれた分だけ、第1歯付部材68の中心軸線に平行に摺動する。この第1歯付部材68の中心軸線に平行な摺動は、移動コラム部材3側面のリブ38、39と、第2歯付部材69の車体後方端693及び車体前方端694との間の隙間の範囲で行われる。従って、第2歯付部材69の係合歯691は第1歯付部材68の係合歯681に正しく噛み合うことが可能となる。
上述したポジティブコラムクランプ66は、固定コラム部材2及び移動コラム部材3の側面に形成されているが、固定コラム部材2及び移動コラム部材3の側面に限定されるものではなく、固定コラム部材2及び移動コラム部材3の上側や下側等、任意の位置に配置することができる。
次に本発明の実施例2について説明する。図16は実施例2の第1歯付部材単体を示す部品図であり、(1)は実施例2の第1歯付部材の正面図、(2)は(1)の下面図である。以下の説明では、上記実施例1と異なる構造部分と作用についてのみ説明し、重複する説明は省略する。また、同一部品には同一番号を付して説明する。
図16に示すように、実施例2の第1歯付部材68は、丸棒状の外周の全周に係合歯682が形成されている。また、係合歯682の車体後方側の歯面682A(二次衝突時に衝撃力が作用する側の歯面)と、第1歯付部材68の中心軸線に直交する軸線との間の角度θ2は、実施例1と同様に、0度から6度に設定されている。
このように全周に第1歯付部材68の係合歯682を形成すれば、第2歯付部材69の係合歯691が、円筒穴221の中心軸線回りに加工誤差や取り付け誤差があっても、第2歯付部材69の係合歯691が、第1歯付部材68の係合歯682に円滑に噛み合う。これによって、第2歯付部材69の加工や組立を容易にしている。
* 付勢方向反転機構
付勢方向反転機構81の構成と動作を図14(1)〜図14(2)を用いて説明する。図14(1)は、図1、図3で実線で示すクランプ側操作端a(操作レバー7を引く前の状態)に操作レバー7がある状態を示す動作説明図である。また、図14(2)は、図1、図3で二点鎖線で示すアンクランプ側操作端b(操作レバー7を引いた後の状態)に操作レバー7がある状態を示す動作説明図である。
図14(1)で、クランプ側操作端aでは、付勢バネ715の付勢力Faが、係合ピン821を介して、中心軸811を中心として反時計方向(黒塗矢印Rc方向)の揺動端に揺動レバー82を付勢している。従って、ピニオン83と噛み合うセグメントギヤ84を時計方向に付勢するため、操作レバー7には時計方向の付勢力(白塗矢印Fb)が作用し、操作レバー7は時計方向(黒塗矢印Rd方向)の揺動端に付勢されている。
この時、従動レバー714の突出部71が左方向に押されて、チルトヘッドクランプ41はクランプ状態にある。また、従動レバー714と一体のプッシャープレート73は、図3の実線の位置にあるため、コラムクランプ6もクランプ状態にある。
操作レバー7をステアリングホィール92に向けて引きつけると、図14(2)に示すように、レバー中心軸72Cを中心として、操作レバー7が反時計方向(黒塗矢印Rb方向)に揺動し、セグメントギヤ84がピニオン83を時計方向(黒塗矢印Ra方向)に回動させる。従って、ピニオン83と一体の揺動レバー82も時計方向(黒塗矢印Ra方向)に揺動する。
ここで、図14(1)〜図14(2)で、黒塗矢印Ra、Rcは揺動レバー82の揺動方向を表し、黒塗矢印Rb、Rdは操作レバー7の揺動方向を表す。また、白塗矢印Fa、Fb、Fcは揺動レバー82及び操作レバー7に作用する付勢バネ715の付勢力の方向を表す。
揺動レバー82が時計方向(黒塗矢印Ra方向)に揺動すると、係合凹部471と中心軸811を結ぶ直線上に、係合ピン821の中心が近づく。すると、係合ピン821に作用する付勢バネ715の付勢力(白塗矢印Fa)のベクトルに、中心軸811の中心から下ろした垂線の長さが徐々にゼロに近づく。従って、揺動レバー82を反時計方向に揺動させようとする、付勢バネ715による係合ピン821に作用する力のモーメントが、徐々にゼロに近づく。
従って、係合凹部471、中心軸811、係合ピン821の中心が一直線上に整列する位置に近づくにしたがって、操作レバー7に作用する付勢バネ715による時計方向の付勢力(白塗矢印Fb)は徐々にゼロに近づき、その結果、付勢バネ715の付勢力に抗して、操作レバー7をステアリングホィール92に向けて引きつけるのに必要な操作力が、徐々にゼロに近づく。この時、操作レバー7に従動する従動レバー714が従動レバー中心軸72Aを中心として時計方向に揺動し、従動レバー714と一体の突出部71が右方向に動き、チルトヘッドクランプ41のアンクランプ動作が進行する。
同時に、従動レバー714と一体のプッシャープレート73が、付勢バネ741、741の付勢力に抗してプッシャーロッド77の右頭部771を押し込むため、前述したコラムクランプ6、及び、ポジティブコラムクランプ66のアンクランプ動作が進行する。従って、操作レバー7をステアリングホィール92に向けて引きつけるのに必要な力として、付勢バネ741、741の付勢力に抗してプッシャーロッド77を押し込むための力が徐々に加算される。
操作レバー7をステアリングホィール92に向けて更に引きつけると、係合凹部471、中心軸811、係合ピン821の中心が一直線上に整列し、揺動レバー82を反時計方向に揺動させようとする、付勢バネ715による力のモーメントがゼロになる。さらに操作レバー7をステアリングホィール92に向けて引きつけると、係合ピン821は、係合凹部471と中心軸811の中心を結ぶ直線上から離れて時計方向(黒塗矢印Ra方向)にさらに揺動する。
この時、図14(2)に示すように、付勢バネ715の付勢力は、係合ピン821を介して、揺動レバー82を中心軸811を中心として時計方向に付勢し、ピニオン83と噛み合うセグメントギヤ84を反時計方向に付勢するため、操作レバー7には反時計方向の付勢力(白塗矢印Fc)が加えられる。すなわち、係合凹部471、中心軸811、係合ピン821の中心が一直線上に整列した位置を境にして、操作レバー7に加わる付勢バネ715の付勢力の方向が反転する。
揺動レバー82が時計方向(黒塗矢印Ra方向)に揺動し、係合凹部471、中心軸811、係合ピン821の中心が一直線上に整列した位置から離れるに従って、係合ピン821に作用する付勢バネ715の付勢力(白塗矢印Fa)のベクトルに、中心軸811の中心から下ろした垂線の長さが徐々に長くなる。従って、揺動レバー82を時計方向(黒塗矢印Ra方向)に揺動させようとする、付勢バネ715による係合ピン821に作用する力のモーメントが、徐々に増大する。
従って、操作レバー7に作用する付勢バネ715による反時計方向の付勢力(白塗矢印Fc)は徐々に増大する。その結果、プッシャープレート73を、付勢バネ741、741の付勢力に抗してプッシャーロッド77を押し込むために必要な力が徐々に減少するため、操作レバー7をステアリングホィール92に向けて引きつけるのに必要な操作力が、徐々に小さくて済むようになる。
操作レバー7が図14(2)で、アンクランプ側操作端bに達すると、従動レバー714と一体の突出部71が右方向端まで動き、チルトヘッドクランプ41のアンクランプ動作が完了する。同時に、従動レバー714と一体のプッシャープレート73が、プッシャーロッド77の右頭部771を押し込み、コラムクランプ6及びポジティブコラムクランプ66のアンクランプ動作が完了する。
この結果、操作レバー7から手を離しても、操作レバー7は図14(2)に示すアンクランプ側操作端bで停止した状態が保持され(揺動レバー保持機構85の動作については後述する)、チルトヘッドクランプ41、コラムクランプ6、ポジティブコラムクランプ66のアンクランプ状態が保持される。従って、ステアリングホィール92の前後方向位置及び傾斜角度を、両手でステアリングホィール92を握った状態で、楽に調整することができる。
ステアリングホィール92の前後方向位置及び傾斜角度の調整が完了すると、運転者はステアリングホィール92から片手を離し、離した片手で操作レバー7をステアリングホィール92から離れる方向に押す。すると、上記した動作とは逆の順序で、チルトヘッドクランプ41、コラムクランプ6、ポジティブコラムクランプ66のクランプ動作が行われ、図14(1)の状態に戻る。
運転者が操作レバー7から手を離すと、操作レバー7は付勢バネ715により時計方向の付勢力が付与されているため、操作レバー7は、図14(1)のクランプ側操作端aで停止状態を維持し、このクランプ状態が、操作レバー7から手を離しても保持される。
* 揺動レバー保持機構
揺動レバー保持機構85の構成と動作を、図7、図13、図14(1)〜図14(2)を用いて説明する。図13は揺動レバー及び揺動レバー保持バネの分解斜視図である。図14(2)のアンクランプ側操作端bで、付勢バネ715の付勢力(白塗矢印Fa)によって操作レバー7に作用する半時計方向の付勢力(白塗矢印Fc)は、コラムクランプ6及びポジティブコラムクランプ66用の付勢バネ741、741の付勢力に抗して、プッシャーロッド77を押し込むために必要な力とほぼ同等かほんの少し大きく設定するのが好ましい。
つまり、付勢バネ715の付勢力をそれよりも大きくすると、大きくした付勢力の分だけ、操作レバー7をアンクランプ側操作端bからクランプ位置aに押し込む時に大きな操作力を必要とするようになり、また、クランプ側操作端aからアンクランプ側操作端bに引きつけるときにも(付勢バネ715の中心軸線が中心軸811を越えるまで)大きな操作力が必要となるからである。
これを避けるため、付勢バネ715の付勢力はプッシャーロッド77を押し込むために必要な力とほぼ同等かほんの少し大きく設定される。一方、これは、アンクランプ側操作端bで操作レバー7が動きやすいことを意味しており、ステアリングホィール92の前後方向、及び、傾斜角度を調整操作するとき、調整操作時の慣性つまり衝撃や振動によって操作レバー7がずれてしまうおそれがある。
そのような不具合を解消するために、操作レバー7をアンクランプ側操作端bに保持するための揺動レバー保持機構85が、チルトヘッド4に設けられている。図7、図13、図14(1)〜図14(2)に示すように、揺動レバー保持機構85は、揺動レバー82の外周に形成された係合突起86、係合突起871を有する揺動レバー保持バネ87から構成されている。
揺動レバー保持バネ87は、チルトヘッド4にねじ込まれる中心軸811によって、揺動レバー82と共にチルトヘッド4の側面に取り付けられている。揺動レバー保持バネ87に形成された係止突起873、874が、チルトヘッド4側面のボス部48の外周にきつく当接しているため、揺動レバー82が揺動しても、揺動レバー保持バネ87は揺動せず、チルトヘッド4の側面に固定的に取り付けられている。
揺動レバー保持バネ87の係合突起871は山形に折り曲げられ、山形の頂点が揺動レバー82の中心側に向かって形成されている。揺動レバー82の外周に形成された係合突起86は、急斜面862に向かって徐々に径が大きくなる略円弧状の緩斜面861と、緩斜面861の頂点から揺動レバー82の中心に向かって形成された急斜面862(ほぼ揺動レバー82の中心方向に向かう面)によって、鋸歯状に形成されている。この緩斜面861の頂点は、組立時、揺動レバー保持バネ87の係合突起871の山形の頂点よりも、揺動レバー82の中心から半径方法外側に形成されている。
従って、操作レバー7を、図14(1)のクランプ側操作端aから図14(2)のアンクランプ側操作端bに向かって操作すると、係合突起86の緩斜面861が揺動レバー保持バネ87の係合突起871を半径方向外側に弾性変形させながら、揺動レバー82が時計方向(黒塗矢印Ra方向)に揺動する。
操作レバー7が図14(2)に示すアンクランプ側操作端bに達すると、緩斜面861の頂点が、揺動レバー保持バネ87の係合突起871の山形の頂点を通過し、急斜面862に係合突起871の山形の頂点が係合する。従って、揺動レバー82は反時計方向への揺動が阻止されるため、操作レバー7はアンクランプ側操作端bに保持される。従って、ステアリングホィール92の位置調整操作時の衝撃によって、操作レバー7がアンクランプ側操作端bからクランプ側操作端a側にずれてしまうおそれが解消される。
本発明の実施例では、係合突起86に緩斜面861が形成されており、操作レバー7をアンクランプ側操作端bに向かって操作し、揺動レバー82を揺動させると、この緩斜面861が、揺動レバー保持バネ87の係合突起871を徐々に半径方向外側に弾性変形させるため、操作レバー7の操作感が良好になる。
また、揺動レバー82が焼結材で成形されているため、揺動レバー82の面粗度が良く、揺動レバー82の係合突起86と揺動レバー保持バネ87の係合突起871との間の摩擦係数が小さいため、操作レバー7の操作感が良好で、揺動レバー82及び揺動レバー保持バネ87の摩耗が少なくなり、耐久性が向上する。
* ステアリングホィールの調整操作
以下、ステアリングホィール92の前後方向位置、及び、傾斜角度を調整するときの操作と各部材の動作について説明する。
ステアリングホィール92の傾斜角度及び前後方向位置を調整するとき、運転者はステアリングホィール92から片手を離し、離した片手で操作レバー7を手前(クランプ側操作端aからアンクランプ側操作端bへ向かって)に引く(黒塗矢印Rb方向)。これにより操作レバー7は、図3に示すように、従動レバー714を従動レバー中心軸72Aを中心として時計方向に揺動させる。
従動レバー714を揺動させることによって、突出部71が図3及び図4における右側に移動し、ギヤアーム44がバネ711の付勢力により反時計方向に回動する。ギヤアーム44の回動によって、セグメントギヤ33の歯とギヤアーム44のギヤ部分442の歯との噛合が外れ、チルトヘッド4は傾斜角度の調整が可能になる。また、プッシャープレート73が図3の二点鎖線の位置まで揺動し、付勢バネ741、741にうち勝って、プッシャーロッド77を図11の左方向、二点鎖線の位置まで押す。
プッシャーロッド77の左方向の動きは、揺動アーム62及び揺動レバー67の時計回りの揺動を起こす。これによって図8、図9のように接近していた第1ウェッジ63と第2ウェッジ64は、互いに離間するため移動コラム部材3のクランプが解除される。また、第2歯付部材69の係合歯691と第1歯付部材68の係合歯681との噛み合いが離れるため、ポジティブコラムクランプ66が解除される。
付勢方向反転機構81は、チルトヘッドクランプ41、コラムクランプ6、ポジティブコラムクランプ66のアンクランプ動作の途中で、係合凹部471、中心軸811、係合ピン821の中心が一直線上に整列すると、付勢バネ715が操作レバー7を付勢する方向が、時計方向(白塗矢印Fb)から反時計方向(白塗矢印Fc)に反転する。
従って、コラムクランプ6及びポジティブコラムクランプ66用のプッシャープレート73を、付勢バネ741、741の付勢力に抗してプッシャーロッド77を押し込むための力として、付勢バネ715の付勢力が加わり、操作レバー7をステアリングホィール92に向けて引きつけるのに必要な運転者の操作力を小さくすることができる。
図14(2)に示すように、操作レバー7がアンクランプ側操作端bに達すると、揺動レバー保持板バネ87先端の係合突起871が揺動レバー82の係合突起86に係合するため、操作レバー7の位置はアンクランプ側操作端bに確実に保持される。従って、操作レバー7から片手を離し、両手でステアリングホィール92を握って、ステアリングホィール92の前後方向位置及び傾斜角度を楽に調整することができる。
ステアリングホィール92の前後方向位置及び傾斜角度の調整が完了すると、運転者はステアリングホィール92から片手を離し、離した片手で操作レバー7を押す。操作レバー7の時計方向の揺動によって、揺動レバー82の係合突起86の急斜面862が、揺動レバー保持板バネ87の係合突起871の山形の頂点を乗り越え、係合突起86の緩斜面861が、揺動レバー保持板バネ87の係合突起871に沿って摺動する。
付勢方向反転機構81は、チルトヘッドクランプ41、コラムクランプ6、ポジティブコラムクランプ66のクランプ動作の途中で、係合凹部471、中心軸811、係合ピン821の中心が一直線上に整列すると、付勢バネ715が操作レバー7を付勢する方向が、反時計方向(白塗矢印Fc)から時計方向(白塗矢印Fb)に反転するため、操作レバー7は付勢バネ715の付勢力によって時計方向に揺動し、操作レバー7を押すのに必要な力を小さくすることができる。
従って、操作レバー7は、付勢バネ715の付勢力によって、従動レバー714を従動レバー中心軸72Aを中心として反時計方向に揺動させ、突出部71が図3における左側に移動し、セグメントギヤ33の歯とギヤアーム44のギヤ部分442の歯が噛み合い、チルトヘッド4が移動コラム部材3にクランプされる。同時に、プッシャープレート73が図3、図11の実線の位置まで揺動して、付勢バネ741、741の付勢力によりプッシャーロッド77が図11の右方向、実線の位置まで戻る。
プッシャーロッド77の右方向の動きは、揺動アーム62の反時計回りの揺動を起こす。これによって、図8、図9に示す第1ウェッジ63と第2ウェッジ64は、互いに接近するため、移動コラム部材3のクランプが行われる。また、揺動レバー67が反時計回りの揺動を起こし、揺動レバー67に取り付けられた第2歯付部材69の係合歯691が、第1歯付部材68の係合歯681に噛み合うため、ポジティブコラムクランプ66のクランプ動作が完了する。
付勢方向反転機構81は、操作レバー7から手を離しても、付勢バネ715の付勢力により、操作レバー7のクランプ側操作端aを保持するため、コラムクランプ6、ポジティブコラムクランプ66、チルトヘッドクランプ41のクランプ状態が保持される。
なお、チルトヘッドクランプ41がアンクランプされたとき、チルトヘッド4には、その重量によりあたかも人が首をうなだれるときのような下向きの力が働く。このため、カウンターバランス用の強めのバネ45(図3から図5)が設けられている。このバネ45により、このような下向きの力を相殺し、あるいは、さらに乗降を容易にするため、ステアリングホィール92を最も上側の傾斜位置に維持するような力をチルトヘッド4に与えるようにすることができる。
上記実施例では、第1歯付部材68が固定コラム部材2に取り付けられ、第2歯付部材69が移動コラム部材3に取り付けられているが、移動コラム部材3に第1歯付部材68を取り付け、固定コラム部材2に第2歯付部材69を取り付けてもよい。
また、上記実施例では、第2歯付部材69が噛み合い位置がずれた分だけ、第1歯付部材68の中心軸線に平行に摺動して、かみあい位置のずれを吸収しているが、第1歯付部材68が噛み合い位置がずれた分だけ、第1歯付部材68の中心軸線に平行に摺動して、かみあい位置のずれを吸収してもよい。
さらに、上記実施例では、チルトヘッドクランプ及びコラムクランプの両方を有するステアリング装置に適用した例を示したが、コラムクランプだけを有するステアリング装置に適用しても良い。
本発明の実施例1のステアリング装置1の外観図である。 ステアリング装置1を図1のP方向から見たときの上面図である。 ステアリング装置1を図1のQ方向から見たときの下面図である。 図1のステアリング装置1の要部拡大側面図である。 図3の一部を断面した要部拡大下面図である。 図1のA−A断面図である。 図1のB−B断面図である。 コラムクランプの要部を示す側面図である。 コラムクランプを示す図5のC−C断面図である。 コラムクランプのサブアセンブリ状態を示す分解図である。 図1のD−D断面図である。 (1)は図4のE−E断面図、(2)は図4のF−F断面図である。 揺動レバー及び揺動レバー保持バネの分解斜視図である。 付勢方向反転機構81、及び、揺動レバー保持機構85の動作説明図であり、(1)はクランプ側操作端aに操作レバー7がある状態を示し、(2)はアンクランプ側操作端bに操作レバー7がある状態を示す動作説明図である。 実施例1の第1歯付部材単体を示す部品図であり、(1)は実施例1の第1歯付部材の正面図、(2)は(1)の下面図である。 実施例2の第1歯付部材単体を示す部品図であり、(1)は実施例2の第1歯付部材の正面図、(2)は(1)の下面図である。
符号の説明
1 ステアリング装置
2 固定コラム部材
21、22 車体取付部
221 円筒穴
222 ピン
223 ピン穴
23 ストッパ部材
24 案内筒
241 外周
3 移動コラム部材
31 ウェッジ穴
32 長穴
33 セグメントギヤ
34 ボルト
341 背当部材
35 案内穴
36 リブ
361 案内溝
37 ボス部
38、39 リブ
4 チルトヘッド
41 チルトヘッドクランプ
43 チルト中心軸
44 ギヤアーム
441 軸
442 ギヤ部分
443 脚
45 バネ
47 ブラケット
471 係合凹部
48 ボス部
5 ステアリングシャフト
6 コラムクランプ
61 コラムクランプシャフト
611 雄ねじ
612 スラストベアリング
613 ワッシャー
614 付勢バネ
615 ナット
62 揺動アーム
621 カム面
63 第1ウェッジ
631 クランプ面
632 クランプシャフト穴
633 カム面
634 傾斜面
64 第2ウェッジ
641 クランプ面
642 クランプシャフト穴
644 傾斜面
65 第3ウェッジ
651 ボルト
652、653 傾斜面
66 ポジティブコラムクランプ
67 揺動レバー
671 付勢バネ
672 揺動中心軸
68 第1歯付部材
681 係合歯
681A 車体後方側の歯面
682 係合歯
682A 車体後方側の歯面
69 第2歯付部材
691 係合歯
692 クリップ
693 車体後方端
694 車体前方端
7 操作レバー
71 突出部
711 バネ
714 従動レバー
715 付勢バネ
717 係合凹部
718 係合突起
72A 従動レバー中心軸
72C レバー中心軸
73 プッシャープレート
741 付勢バネ
743 ピン
77 プッシャーロッド
771 右頭部
772 フランジ
773 左頭部
81 付勢方向反転機構
811 中心軸
82 揺動レバー
821 係合ピン
83 ピニオン
84 セグメントギヤ
85 揺動レバー保持機構
86 係合突起
861 緩斜面
862 急斜面
87 揺動レバー保持バネ
871 係合突起
873、874 係止突起
91 車体
92 ステアリングホィール
93 ユニバーサルジョイント

Claims (7)

  1. 車体に取り付けるための車体取付部を備えた固定コラム部材、
    車体前後方向にテレスコピック位置調整可能に上記固定コラム部材に嵌合された移動コラム部材、
    上記移動コラム部材に回転可能に支持され、一端にステアリングホィールを固定するためのステアリングシャフト、及び、
    所望のテレスコピック位置で上記移動コラム部材を固定コラム部材にクランプ/アンクランプするためのコラムクランプ
    を備えたステアリング装置であって、さらに、
    複数の係合歯が少なくともテレスコピック位置調整距離分だけ長さ方向に形成されている第1歯付部材、
    上記第1歯付部材の係合歯に係合可能な少なくとも一つの係合歯を有する第2歯付部材、及び、
    上記第2歯付部材を上記第1歯付部材に係合/離脱させるための係合操作部材、
    を備え、
    上記第1歯付部材及び上記第2歯付部材は、それぞれ上記固定コラム部材及び上記移動コラム部材のうちの互いに異なる側に設けられており、特に、これらのうちの一方は、上記固定コラム部材又は上記移動コラム部材に対して、上記第1歯付部材の係合歯のピッチ間隔に相当する距離だけ移動可能であること
    を特徴とするステアリング装置。
  2. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記第1歯付部材の係合歯と上記第2歯付部材の係合歯とは、二次衝突時の衝撃力が作用したときに係合が外れないために、摩擦角よりも小さい角度で接触するような係合をすること
    を特徴とするステアリング装置。
  3. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記第2歯付部材は、上記固定コラム部材の中心軸線に平行な軸を中心に揺動可能であり、かつ、この軸方向に摺動可能であること
    を特徴とするステアリング装置。
  4. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記第1歯付部材は、上記固定コラム部材の中心軸線に平行な軸のまわりに、所定範囲の回転の遊びが与えられていること
    を特徴とするステアリング装置。
  5. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    このステアリング装置は、更に、上記コラムクランプと上記係合操作部材を連動して操作するための単一の操作レバーを備えていること
    を特徴とするステアリング装置。
  6. 請求項1に記載されたステアリング装置において、
    上記コラムクランプは、所望のテレスコピック位置で上記移動コラム部材を固定コラム部材にクランプ/アンクランプするために、互いに係合する傾斜面を有する移動ウェッジと固定ウェッジを備えていること
    を特徴とするステアリング装置。
  7. 請求項6に記載されたステアリング装置において、
    上記第1歯付部材は、上記コラムクランプの押圧方向に所定の距離の遊びが与えられていること
    を特徴とするステアリング装置。
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