JP2004261671A - 自動塗装方法及びその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被塗装体への塗装を自動的にかつ効率よく行う自動塗装方法の提供。
【解決手段】V字状に配置された第1、第2ガイド19a,19b上をそれぞれ往復移動する第1、第2被塗装体取付具22a,22b、第1、第2ガイドの中間に配置された中間ガイド11上を往復移動する塗装ガン13、第1、第2塗装体取付具に着脱可能に取りつけられたガセット1a,1bを備え、第1、第2被塗装体取付具を交互に第1、第2ガイド上を往復移動させ、V字状の頂点に位置する被塗装体取付具に取りつけられたガセットに、塗装ガンを前進させてそのノズル14,15からプライマー及び塗料を順次噴霧して塗装する。
【選択図】 図1
【解決手段】V字状に配置された第1、第2ガイド19a,19b上をそれぞれ往復移動する第1、第2被塗装体取付具22a,22b、第1、第2ガイドの中間に配置された中間ガイド11上を往復移動する塗装ガン13、第1、第2塗装体取付具に着脱可能に取りつけられたガセット1a,1bを備え、第1、第2被塗装体取付具を交互に第1、第2ガイド上を往復移動させ、V字状の頂点に位置する被塗装体取付具に取りつけられたガセットに、塗装ガンを前進させてそのノズル14,15からプライマー及び塗料を順次噴霧して塗装する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被塗装体への塗装を自動的にかつ効率よく行うことができる自動塗装方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図6,7に示すように、自動車の窓枠に取りつけられる3角形のゴム製ガセット1は、金属部分2とこれを内部に埋設した構造を有するゴム部分3とから構成される。4はドアに固定するための金属製アーム、5は、3角形の一辺に形成されたドアガラス6の周縁が入り込んでガラス開閉時摺動する溝である。このガセット1にはドアミラーが取りつけられ、そのための取付孔7等が設けられている。溝5は端部に車内側リップ8及び車外側リップ9を有し、それぞれガラス6の内面及び外面に弾性的に密着し、車内外を遮断し車内への騒音、塵埃、雨水等の侵入を防止する作用をなす。
【0003】
通常、かかるガセット1の溝5には、ガラス6の摺動抵抗を小さくするために低摺動被膜10が塗布形成される。例えば、ガセット1と同様自動車の窓枠に取りつけられる自動車用グラスランにおいて、ガラス接触面に低摺動塗料を塗布した構造が特許文献1に開示されている。この低摺動被膜10は、ガラス6との摺動抵抗を小さくし、また擦過音の発生を防止する作用をなす。
また、箱体内に塗装ガンを進退させて、その内面を塗装する自動塗装装置は、特許文献2において知られている。この公報には、コンベアにハンガーを介して吊り下げられた箱体の塗装装置が開示され、コンベアの搬送速度に応じて制御信号を発生させ、この制御信号によって塗装ガンを制御する旨記載がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−171109号公報
【特許文献2】
特開昭52−117938号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1にかかる自動車用グラスランにあっては、ガラスが摺動する溝部分の内面に低摺動塗料を吹き付ける必要があるが、その具体的方法については説明されていない。通常グラスランは外部とのシール性を向上させるために、ガラスが摺動する部分は細い溝状に形成され、低摺動塗料はこの溝内面にのみ塗布すればよい。このような細い溝内面の塗装にあっては、外から塗料を吹き付ける方法では、均等に塗布することは困難であり、通常、塗装ガンのノズルを溝内に挿入して塗料を噴霧する必要がある。特許文献2に示される装置は、ノズルを箱体内に進入させて塗料を噴霧した後、後退させるものであり、かかる問題に対応したものである。
【0006】
しかしながら特許文献2においては、必要塗装体は比較的大きな箱体であり、これがコンベアに吊り下げられて搬送される構造である。かかる構造からは、箱体が搬送中揺れるおそれがあり、揺れてもなおノズルが進入できる程度の大きさの箱でなければならないと推測される。かかる構造の塗装装置では、ガセットのような細い溝を有し、しかも溝両側からリップが溝を塞ぐように内側を向いている構造の塗装は困難と予想される。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、特にガセットのような狭く細い溝をもつ被塗装体の溝内面を均一にかつ複数の被塗装体を効率よく塗装できる自動塗装方法及び塗装装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)は、V字状に配置された第1、第2ガイド、該第1、第2ガイド上をそれぞれ往復移動する第1、第2被塗装体取付具、上記第1、第2ガイドの中間に配置された中間ガイド、該中間ガイド上を往復移動するノズルを有する塗装ガン、上記第1、第2塗装体取付具に着脱可能に取りつけられた被塗装体を備え、上記第1、第2被塗装体取付具を交互に上記第1、第2ガイド上を往復移動させ、上記第1、第2ガイドのV字状の頂点に位置する上記被塗装体取付具に取りつけられた上記被塗装体に、上記塗装ガンを前進させてそのノズルから塗料を噴霧して、上記被塗装体を塗装するものである。
かかる構成において、第1被塗装体取付具が第1ガイドの後端(V字状頂点と逆の位置)にあるとき、作業者によりこれに被塗装体が取りつけられる。次いで第1被塗装体取付具は第1ガイド上を移動し、その先端(V字状頂点位置)で停止する。中間ガイド上の塗装ガンが、前進しその後後退する。塗装ガンのノズルが塗装最適位置にあるとき塗料が噴霧され被塗装体への塗装がなされる。この塗装作業中、第2被塗装体取付具は第2ガイドの後端に位置している。この第2被塗装体取付具に作業者により別の被塗装体が取りつけられる。第1被塗装体取付具に取りつけられた被塗装体の塗装が終了すると塗装ガンは後退し、その直後第1被塗装体取付具もまた後退する。この後退と同時に第2被塗装体取付具が前進し、第2ガイドの先端に停止し、次の塗装作業がなされる。このとき後退した第1被塗装体取付具から被塗装体が取り外され、次に塗装される被塗装体が取り付けられる。このようにして、第1被塗装体取付具と第2被塗装体取付具が交互に第1、第2ガイド上を往復し、後退時被塗装体の着脱がなされ、前進時被塗装体への塗装がなされる。
【0009】
本発明(請求項2)において、上記塗装ガンが、プライマーを噴霧するプライマーノズルと塗料を噴霧する塗料ノズルを備えるとともに、上記塗装ガン支持台に上記塗装ガンを左右方向に移動させる移動機構を設け、該移動機構の移動により上記プライマーノズルまたは塗料ノズルを上記被塗装体の塗装位置に配置せしめるものである。
かかる構成において、移動機構の駆動により被塗装体の被塗装部位にプライマーノズルが位置して前進、後退し、プライマーを噴霧、塗布した後、移動機構の駆動により塗装ノズルが被塗装部位に位置して前進、後退し、プライマーが塗布された部位に塗料が噴霧、塗布される。
【0010】
本発明(請求項3)において、上記被塗装体が自動車の窓枠に取りつけられ、ドアガラスが摺動するガラス摺動溝を有するゴム製ガセットであって、上記プライマーノズル及び塗料ノズルが上記溝に挿入されて、移動しながらプライマー及び低摺動塗料が上記溝内面に噴霧されるものである。
かかる構成において、ガセットはは自動車の左右のドアにそれぞれ取りつけられるものであり、2つのガセットは左右対称構造を有している。それゆえ第1、第2被塗装体取付具もまた左右対称構造とされ、一方例えば右側ドアのガセットは、第1被塗装体取付具に、他方例えば左側ドアのガセットは第2被塗装体取付具に取りつけられる。第1ガイド、第1被塗装体取付具及びこれに取りつけられる被塗装体等よりなる第1ユニットと、第2ガイド、第2被塗装体取付具及びこれに取りつけられる被塗装体等よりなる第2ユニットは、中間ガイドを中心として左右対称構造を有することとなリ、各ユニットは、交互に時間差をもって動作せしめられる。
【0011】
本発明(請求項4)にかかる自動塗装装置は、V字状に配置された第1、第2ガイド、該第1、第2ガイド上をそれぞれ往復移動する第1、第2被塗装体取付具、上記第1、第2ガイドの中間に配置された中間ガイド、該中間ガイド上を往復移動するノズルを有する塗装ガン、上記第1、第2塗装体取付具に着脱可能に取りつけられた被塗装体を備え、上記第1ガイド、第1被塗装体取付具、該第1被塗装体取付具に取りつけられた上記被塗装体とを含む第1ユニットと、上記第2ガイド、第2被塗装体取付具、該第2被塗装体取付具に取りつけられた上記被塗装体とを含む第2ユニットが、上記塗装ガンのノズル進入線に対し左右対称に配置されてなるものである。
かかる構成において、被塗装体の着脱は、左右対称に配置された第1ユニット及び第2ユニットにおいて交互になされる。すなわち第1ユニットに被塗装体が取りつけられて塗装サイクルが作動している期間、第2ユニットは待機中であり被塗装体の着脱操作がなされる。第1ユニットの塗装サイクルが終了すると、第2ユニットの塗装サイクルが開始される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下実施の形態にかかる自動塗装方法について説明する。
【0013】
図1〜3において、1aは、右側ドアの前方部分下端のコーナーに取りつけられる前述の3角形状の右側ガセットで、その車体外側面にドアミラーが取りつけられる。このガセット1aは、EPDM等よりなるゴム部分とこれに埋設された金属部分からなる。4aは、ドアに固定するための金属製アームである。ガセット1aの2辺は、ドアの窓枠に密着固定され、1辺にのみ、細い直線状の溝5が形成されており、この溝5内を窓ガラスの周縁部分が入り込み、ガラス開閉動作時摺動する。左側ドアに取りつけられる左側ガセット1bは、右側ガセット1aと左右対称な構造を有する。
【0014】
11は、作業台12の中央前後方向に配置された中間ガイドで、この中間ガイド11上を塗装ガン13が往復移動する。この塗装ガン13の中間ガイド11上の移動は単軸ロボットが使用できる。この塗装ガン13は、プライマーを噴霧するプライマーノズル14と、塗料を噴霧する塗料ノズル15を備えている。プライマーは、ガセット1a,1bを構成するEPDMゴムとウレタン塗料の接着を向上させる作用をなすもので、ポリオレフィンワニスが使用できる。
【0015】
16は、塗装ガン13と中間ガイド11の間に設けられたロッドレスシリンダーで、塗装ガン13を左右方向(前後方向に対し直角な方向)に移動させる移動機構として機能し、左右方向に配置された2本のガイドロッド17及びそれらの間に配置された中空ロッド18よりなる。このロッドレスシリンダー16は、中空ロッド18内に移動可能に収納された磁石を有する内部移動子と中空ロッド18外部に嵌装され、内部移動子と吸引状態にある磁石を有する円環状の外部移動子とを備え、内部移動子を圧搾エアにて前方または後方に移動させ、外部移動子をこれに連動させる構造を有し、塗装ガン13を外部移動子に固定することにより、塗装ガン13をガイドロッド17に沿って移動させるのである。この塗装ガン13は、プライマーノズル14または塗料ノズル15を噴霧位置すなわちノズル進入線P上に交互に移動する。なお図中ロッドレスシリンダー16の中空ロッド18には図示しないエアコンプレッサーからエアチューブを介して圧搾エアが供給され、電磁弁にてその給排気が制御される。
【0016】
19a,19bは、ノズル進入線Pを中心線として左右対称にV字状に配置された第1ガイド及び第2ガイドであり、V字状の頂点が前方に、V字状の開いた端部が後方に位置している。図の形態では、ノズル進入線Pは中間ガイド11の中心線に一致している。第1、第2ガイド19a,19bともに、2本の平行なガイドロッド20とそれらの中間に配置された中空ロッド21よりなる。中空ロッド21には前述同様エアで移動する磁石を有する内部移動子が収納されている。作業者は作業台の後方に立ち、作業する。35は、作業台12の側面に形成された制御盤である。
【0017】
22a,22bは、第1、第2ガイド19a,19b上を移動する第1、第2被塗装体取付具で、前述同様のロッドレスシリンダーの外部移動子に固定されており、各ガイドロッド20上を往復移動する。すなわち第1、第2ガイド19a,19bは、いずれも内部移動子を収納した中空ロッド21とガイドロッド20よりなり、中空ロッド21には前述同様の外部移動子が摺動自在に嵌装されロッドレスシリンダーを構成している。第1被塗装体取付具19aには、被塗装体として右側ガセット1aが、第2被塗装体取付具19bには被塗装体として左側ガセット1bが取りつけられる。
【0018】
23aは、作業台12の後端左側に取りつけられたスタートスイッチで所定間隔を隔てて配置された発光素子24a及び受光素子25aよりなる光スイッチにて構成される。26aは、非常停止ボタンで、事故発生等緊急時これを押すことにより駆動停止させるものである。27aは、駆動表示ランプで、停止時は消灯、動作時は点滅、点灯時はガセット取り外し可という各状態の表示をなす。これらスタートスイッチ23a、非常停止ボタン26a及び表示ランプ27aに対応するスタートスイッチ23b(発光素子24b及び受光素子25bよりなる光スイッチ)、非常停止ボタン26b及び表示ランプ27bは、作業台12後端の右側にも配置されている。
【0019】
第1ガイド19a、第1被塗装体取付具22a、これに取りつけられた右側ガセット1a、スタートスイッチ23a、非常停止ボタン26a及び表示ランプ27aよりなる第1ユニット28aと、第2ガイド19b、第2被塗装体取付具22b、これに取りつけられた左側ガセット1b、スタートスイッチ23b、非常停止ボタン26b及び表示ランプ27bよりなる第2ユニット28bとは、ノズル進入線Pを中心として、左右対称な構造を有する。
【0020】
作業者が例えば第1ユニット28aの第1被塗装体取付具22aに右ガセット1aを取りつけ、発光素子24aと受光素子の25a間に手を置くと受光素子25aが受ける光が遮断され、スタートスイッチ23aがオンとなり、第1被塗装体取付具22aが前進し、塗装サイクルが開始される。この塗装サイクルは、自動的に次のように進む。
【0021】
第1被塗装体22a前進→ガイド19a先端にて停止→塗装ガン13前進→プライマーノズル14がガセット溝5内に進入→プライマー塗布→塗装ガン13後退→ノズル進入線P上のノズルがプライマーノズル14から塗装ノズル15へ移動→塗装ガン13前進→塗装ノズル15がガセット溝内5に進入→塗装ガン13後退と同時に塗料塗布→第1被塗装体取付具22a後退→第1ユニット28aの動作終了。
【0022】
これにより第2ユニット28bの駆動が可能となり、作業者は右側のスタートスイッチ23bをオンとして、左ガセット1bを取りつけた第2被塗装体取付具22bを前進させ、前述同様の塗装サイクルを開始する。この間に、作業者は第1被塗装体取付具22aから塗装終了した右ガセット1aを取り外し、次に塗装する右ガセット1aをこれに取り付ける。かくして第1、第2ユニット28a,28bが交互に作動せしめられ、一方のユニットの作動時、他方のユニットにおいては、塗装済みのガセット1の取り外し及び次に塗装されるガセット1の取付作業がなされる。
【0023】
図1において、塗装ガン13は実線で示す後退位置及び細線で示す前進位置の間を往復する。前進位置においてプライマーノズル14及び塗料ノズル15がガセット1a,1bの溝5内に順次進入し、プライマー噴霧及び塗料噴霧がこの順序でなされる。同図においては、第2被塗装体取付具22bが第2ガイド19bの前端に位置しており、これには左ガセット1bが取りつけられており、プライマーノズル14または塗料ノズル15はこのガセット1bの溝5に進入して噴霧処理する。図中、細線で右ガセット1aが後退位置にある状態を示す。
【0024】
図2は、第1被塗装体取付具22aが後退位置にあってこれに右ガセット1aが取りつけられており、第2被塗装体取付具22bが前進位置にあってこれに取りつけられた左ガセット1bが塗装される状態を示す。塗装ガン13はそのプライマーノズル14が進入線P上に位置している。塗装ガン13は図示の位置(後退位置)から前進し、プライマーノズル14がガセット1bの溝5に差し込まれ、後退時プライマーが噴霧される。これにより溝5内面にプライマー処理がなされる。
【0025】
プライマーノズル14が中間ガイド11上を最後端まで後退した後、ロッドレスシリンダー16の作動により塗装ガン13は図中左側へ移動し、今度は塗料ノズル15がノズル進入線P上に位置する。次いで再度塗装ガン13は前進し、図2に示すように、塗料ノズル15がガセット1bの溝5内に進入した後、後退する。この後退時、塗料の噴霧がなされ、溝5の内面に塗料被膜が形成される。かくしてガセット1bへの低摺動被膜10(図7)の形成が終了し、第2被塗装体取付具22bは第2ガイド19b上を後退し、最後端まで戻って停止する。
【0026】
図2,3に示すように、上記動作がなされているとき、第1被塗装体取付具22aは第1ガイド19aの後端に位置しており、ここで作業者により右ガセット1aの取り付け作業がなされる。この作業は、第2被塗装体取付具22bに取りつけられたガセット1bの塗装サイクル期間内になされ、塗装終了したガセット1bが後退した後、第1被塗装体取付具22aが前進し、次の右ガセット1aの塗装サイクルに入るのである。第1、第2ガイド19a,19bの後端が作業台12の後端側においてV字状に開いた構造としたのは、作業者が第1、第2被塗装体取付具22a,22bへのガセット1a,1b取付作業をしやすくするためである。かかる構造であれば、作業者は移動することなく、第1、第2被塗装体取付具22a,22bへのガセット1a,1bの着脱が可能となる。
【0027】
図4,5は、第1被塗装体取付具22aの具体的構造を示し、ロッドレスシリンダー19aの上部に、第1被塗装体取付板29及び右ガセット1aをこれに固定する押し圧治具30が形成されている。31は、取付板29に形成された2本のピンで、ガセット1a取付時その孔7(図6)に差し込まれ、ガセット1aの位置決めがなされる。孔7は前述したように、ガセット1aをドアに取りつけるための孔である。ピン31に差し込まれたガセット1aは、押し圧治具30により押圧され、取付板29に固定される。押し圧治具30は、ハンドル及32び押し圧端33を有し、図4に示すようにハンドル32を上に上げると押し圧端33は後退(図中左方向へ移動)してガセット1aの固定を解除し、ハンドル32を下げると押し圧端33は前進(図中右方向へ移動)してガセット1aを取付板29に押し付け固定する(図5)。
【0028】
図5に示すように、前進位置にあって塗装処理されるガセット1aの溝5後端には、遮蔽板34が上方から降下するごとく設けられている。この遮蔽板34は、後退して溝5から出たノズル14,15から噴霧されるプライマーあるいは塗料がガセット1aの表面に付着するのを防ぐ作用をなす。この遮蔽板34は、ガセット1aが最前端にまで前進して停止した後降下し、ノズル14,15が後退しつつ噴霧し、溝5から出て、噴霧が終了した後、上昇する。
【0029】
【発明の効果】
本発明(請求項1)によれば、作業者の左右に位置する第1、第2被塗装体取付板の一方に被塗装体を取りつけ、これを前進させて、自動的に塗装作業を行う。作業者は、この塗装期間中に、他方の被塗装体取付具に被塗装体を取り付け、先の塗装作業が終了するのを待つ。先の塗装作業が終了した後、他方の被塗装取付具を前進させて次の被塗装体への塗装作業を行う。塗装処理され後退した被塗装体は作業者により被塗装体取付具から外される。かくして自動塗装作業と作業者による被塗装体取付、取り外し作業が同時になされるから、塗装作業が効率よくなされることとなる。また塗装作業は自動的に、作業者から離れた作業台前方部分でなされるから、作業者が噴霧された塗料を吸い込むという危険は解消される。
【0030】
また本発明(請求項2)によれば、塗装ガンがプライマーノズルと塗料ノズルの2本のノズルにて構成され、これらが移動機構にて塗装位置に移動せしめられ、プライマー噴霧及び塗料噴霧が順次なされる。それゆえ、プライマー処理が必要な塗装作業においてもこれを自動的に行うことができる。
【0031】
また本発明(請求項3)によれば、被塗装体を自動車用ガセットとするものである。プライマーノズル及び塗料ノズルは、ガセットのガラスが摺動する溝内に差し込まれ、プライマー次いで低摺動塗料が噴霧、塗布される。これにより、ガセットの溝内面のみを塗装することができる。
【0032】
また本発明(請求項4)によれば、第1ユニットと第2ユニットとは左右対称に配置されており、両ユニットにおける作業は同じであるから、作業が簡略なものとなり、作業者が、操作を間違えるという事故を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる塗装方法を具体化した塗装装置の側面図である。
【図2】上記塗装装置の平面図である。
【図3】上記塗装装置の平面図である。
【図4】第1被塗装体取付具を示す斜視図である。
【図5】前進し塗装位置にある第1被塗装体取付具及び被塗装体を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態において被塗装体として使用されるガセットの平面図である。
【図7】図6のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b…ガセット
5…溝
6…ガラス
7…孔
10…低摺動被膜
11…中間ガイド
12…作業台
13…塗装ガン
14…プライマーノズル
15…塗装ノズル
16…ロッドレスシリンダー
17、20…ガイドロッド
18、21…中空ロッド
19a,19b…第1、第2ガイド
22a,22b…第1、第2被塗装体取付具
23a,23b…スタートスイッチ
28a,28b…第1、第2ユニット
29…取付板
30…押し圧治具
【発明の属する技術分野】
本発明は、被塗装体への塗装を自動的にかつ効率よく行うことができる自動塗装方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、図6,7に示すように、自動車の窓枠に取りつけられる3角形のゴム製ガセット1は、金属部分2とこれを内部に埋設した構造を有するゴム部分3とから構成される。4はドアに固定するための金属製アーム、5は、3角形の一辺に形成されたドアガラス6の周縁が入り込んでガラス開閉時摺動する溝である。このガセット1にはドアミラーが取りつけられ、そのための取付孔7等が設けられている。溝5は端部に車内側リップ8及び車外側リップ9を有し、それぞれガラス6の内面及び外面に弾性的に密着し、車内外を遮断し車内への騒音、塵埃、雨水等の侵入を防止する作用をなす。
【0003】
通常、かかるガセット1の溝5には、ガラス6の摺動抵抗を小さくするために低摺動被膜10が塗布形成される。例えば、ガセット1と同様自動車の窓枠に取りつけられる自動車用グラスランにおいて、ガラス接触面に低摺動塗料を塗布した構造が特許文献1に開示されている。この低摺動被膜10は、ガラス6との摺動抵抗を小さくし、また擦過音の発生を防止する作用をなす。
また、箱体内に塗装ガンを進退させて、その内面を塗装する自動塗装装置は、特許文献2において知られている。この公報には、コンベアにハンガーを介して吊り下げられた箱体の塗装装置が開示され、コンベアの搬送速度に応じて制御信号を発生させ、この制御信号によって塗装ガンを制御する旨記載がある。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−171109号公報
【特許文献2】
特開昭52−117938号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1にかかる自動車用グラスランにあっては、ガラスが摺動する溝部分の内面に低摺動塗料を吹き付ける必要があるが、その具体的方法については説明されていない。通常グラスランは外部とのシール性を向上させるために、ガラスが摺動する部分は細い溝状に形成され、低摺動塗料はこの溝内面にのみ塗布すればよい。このような細い溝内面の塗装にあっては、外から塗料を吹き付ける方法では、均等に塗布することは困難であり、通常、塗装ガンのノズルを溝内に挿入して塗料を噴霧する必要がある。特許文献2に示される装置は、ノズルを箱体内に進入させて塗料を噴霧した後、後退させるものであり、かかる問題に対応したものである。
【0006】
しかしながら特許文献2においては、必要塗装体は比較的大きな箱体であり、これがコンベアに吊り下げられて搬送される構造である。かかる構造からは、箱体が搬送中揺れるおそれがあり、揺れてもなおノズルが進入できる程度の大きさの箱でなければならないと推測される。かかる構造の塗装装置では、ガセットのような細い溝を有し、しかも溝両側からリップが溝を塞ぐように内側を向いている構造の塗装は困難と予想される。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、特にガセットのような狭く細い溝をもつ被塗装体の溝内面を均一にかつ複数の被塗装体を効率よく塗装できる自動塗装方法及び塗装装置を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明(請求項1)は、V字状に配置された第1、第2ガイド、該第1、第2ガイド上をそれぞれ往復移動する第1、第2被塗装体取付具、上記第1、第2ガイドの中間に配置された中間ガイド、該中間ガイド上を往復移動するノズルを有する塗装ガン、上記第1、第2塗装体取付具に着脱可能に取りつけられた被塗装体を備え、上記第1、第2被塗装体取付具を交互に上記第1、第2ガイド上を往復移動させ、上記第1、第2ガイドのV字状の頂点に位置する上記被塗装体取付具に取りつけられた上記被塗装体に、上記塗装ガンを前進させてそのノズルから塗料を噴霧して、上記被塗装体を塗装するものである。
かかる構成において、第1被塗装体取付具が第1ガイドの後端(V字状頂点と逆の位置)にあるとき、作業者によりこれに被塗装体が取りつけられる。次いで第1被塗装体取付具は第1ガイド上を移動し、その先端(V字状頂点位置)で停止する。中間ガイド上の塗装ガンが、前進しその後後退する。塗装ガンのノズルが塗装最適位置にあるとき塗料が噴霧され被塗装体への塗装がなされる。この塗装作業中、第2被塗装体取付具は第2ガイドの後端に位置している。この第2被塗装体取付具に作業者により別の被塗装体が取りつけられる。第1被塗装体取付具に取りつけられた被塗装体の塗装が終了すると塗装ガンは後退し、その直後第1被塗装体取付具もまた後退する。この後退と同時に第2被塗装体取付具が前進し、第2ガイドの先端に停止し、次の塗装作業がなされる。このとき後退した第1被塗装体取付具から被塗装体が取り外され、次に塗装される被塗装体が取り付けられる。このようにして、第1被塗装体取付具と第2被塗装体取付具が交互に第1、第2ガイド上を往復し、後退時被塗装体の着脱がなされ、前進時被塗装体への塗装がなされる。
【0009】
本発明(請求項2)において、上記塗装ガンが、プライマーを噴霧するプライマーノズルと塗料を噴霧する塗料ノズルを備えるとともに、上記塗装ガン支持台に上記塗装ガンを左右方向に移動させる移動機構を設け、該移動機構の移動により上記プライマーノズルまたは塗料ノズルを上記被塗装体の塗装位置に配置せしめるものである。
かかる構成において、移動機構の駆動により被塗装体の被塗装部位にプライマーノズルが位置して前進、後退し、プライマーを噴霧、塗布した後、移動機構の駆動により塗装ノズルが被塗装部位に位置して前進、後退し、プライマーが塗布された部位に塗料が噴霧、塗布される。
【0010】
本発明(請求項3)において、上記被塗装体が自動車の窓枠に取りつけられ、ドアガラスが摺動するガラス摺動溝を有するゴム製ガセットであって、上記プライマーノズル及び塗料ノズルが上記溝に挿入されて、移動しながらプライマー及び低摺動塗料が上記溝内面に噴霧されるものである。
かかる構成において、ガセットはは自動車の左右のドアにそれぞれ取りつけられるものであり、2つのガセットは左右対称構造を有している。それゆえ第1、第2被塗装体取付具もまた左右対称構造とされ、一方例えば右側ドアのガセットは、第1被塗装体取付具に、他方例えば左側ドアのガセットは第2被塗装体取付具に取りつけられる。第1ガイド、第1被塗装体取付具及びこれに取りつけられる被塗装体等よりなる第1ユニットと、第2ガイド、第2被塗装体取付具及びこれに取りつけられる被塗装体等よりなる第2ユニットは、中間ガイドを中心として左右対称構造を有することとなリ、各ユニットは、交互に時間差をもって動作せしめられる。
【0011】
本発明(請求項4)にかかる自動塗装装置は、V字状に配置された第1、第2ガイド、該第1、第2ガイド上をそれぞれ往復移動する第1、第2被塗装体取付具、上記第1、第2ガイドの中間に配置された中間ガイド、該中間ガイド上を往復移動するノズルを有する塗装ガン、上記第1、第2塗装体取付具に着脱可能に取りつけられた被塗装体を備え、上記第1ガイド、第1被塗装体取付具、該第1被塗装体取付具に取りつけられた上記被塗装体とを含む第1ユニットと、上記第2ガイド、第2被塗装体取付具、該第2被塗装体取付具に取りつけられた上記被塗装体とを含む第2ユニットが、上記塗装ガンのノズル進入線に対し左右対称に配置されてなるものである。
かかる構成において、被塗装体の着脱は、左右対称に配置された第1ユニット及び第2ユニットにおいて交互になされる。すなわち第1ユニットに被塗装体が取りつけられて塗装サイクルが作動している期間、第2ユニットは待機中であり被塗装体の着脱操作がなされる。第1ユニットの塗装サイクルが終了すると、第2ユニットの塗装サイクルが開始される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下実施の形態にかかる自動塗装方法について説明する。
【0013】
図1〜3において、1aは、右側ドアの前方部分下端のコーナーに取りつけられる前述の3角形状の右側ガセットで、その車体外側面にドアミラーが取りつけられる。このガセット1aは、EPDM等よりなるゴム部分とこれに埋設された金属部分からなる。4aは、ドアに固定するための金属製アームである。ガセット1aの2辺は、ドアの窓枠に密着固定され、1辺にのみ、細い直線状の溝5が形成されており、この溝5内を窓ガラスの周縁部分が入り込み、ガラス開閉動作時摺動する。左側ドアに取りつけられる左側ガセット1bは、右側ガセット1aと左右対称な構造を有する。
【0014】
11は、作業台12の中央前後方向に配置された中間ガイドで、この中間ガイド11上を塗装ガン13が往復移動する。この塗装ガン13の中間ガイド11上の移動は単軸ロボットが使用できる。この塗装ガン13は、プライマーを噴霧するプライマーノズル14と、塗料を噴霧する塗料ノズル15を備えている。プライマーは、ガセット1a,1bを構成するEPDMゴムとウレタン塗料の接着を向上させる作用をなすもので、ポリオレフィンワニスが使用できる。
【0015】
16は、塗装ガン13と中間ガイド11の間に設けられたロッドレスシリンダーで、塗装ガン13を左右方向(前後方向に対し直角な方向)に移動させる移動機構として機能し、左右方向に配置された2本のガイドロッド17及びそれらの間に配置された中空ロッド18よりなる。このロッドレスシリンダー16は、中空ロッド18内に移動可能に収納された磁石を有する内部移動子と中空ロッド18外部に嵌装され、内部移動子と吸引状態にある磁石を有する円環状の外部移動子とを備え、内部移動子を圧搾エアにて前方または後方に移動させ、外部移動子をこれに連動させる構造を有し、塗装ガン13を外部移動子に固定することにより、塗装ガン13をガイドロッド17に沿って移動させるのである。この塗装ガン13は、プライマーノズル14または塗料ノズル15を噴霧位置すなわちノズル進入線P上に交互に移動する。なお図中ロッドレスシリンダー16の中空ロッド18には図示しないエアコンプレッサーからエアチューブを介して圧搾エアが供給され、電磁弁にてその給排気が制御される。
【0016】
19a,19bは、ノズル進入線Pを中心線として左右対称にV字状に配置された第1ガイド及び第2ガイドであり、V字状の頂点が前方に、V字状の開いた端部が後方に位置している。図の形態では、ノズル進入線Pは中間ガイド11の中心線に一致している。第1、第2ガイド19a,19bともに、2本の平行なガイドロッド20とそれらの中間に配置された中空ロッド21よりなる。中空ロッド21には前述同様エアで移動する磁石を有する内部移動子が収納されている。作業者は作業台の後方に立ち、作業する。35は、作業台12の側面に形成された制御盤である。
【0017】
22a,22bは、第1、第2ガイド19a,19b上を移動する第1、第2被塗装体取付具で、前述同様のロッドレスシリンダーの外部移動子に固定されており、各ガイドロッド20上を往復移動する。すなわち第1、第2ガイド19a,19bは、いずれも内部移動子を収納した中空ロッド21とガイドロッド20よりなり、中空ロッド21には前述同様の外部移動子が摺動自在に嵌装されロッドレスシリンダーを構成している。第1被塗装体取付具19aには、被塗装体として右側ガセット1aが、第2被塗装体取付具19bには被塗装体として左側ガセット1bが取りつけられる。
【0018】
23aは、作業台12の後端左側に取りつけられたスタートスイッチで所定間隔を隔てて配置された発光素子24a及び受光素子25aよりなる光スイッチにて構成される。26aは、非常停止ボタンで、事故発生等緊急時これを押すことにより駆動停止させるものである。27aは、駆動表示ランプで、停止時は消灯、動作時は点滅、点灯時はガセット取り外し可という各状態の表示をなす。これらスタートスイッチ23a、非常停止ボタン26a及び表示ランプ27aに対応するスタートスイッチ23b(発光素子24b及び受光素子25bよりなる光スイッチ)、非常停止ボタン26b及び表示ランプ27bは、作業台12後端の右側にも配置されている。
【0019】
第1ガイド19a、第1被塗装体取付具22a、これに取りつけられた右側ガセット1a、スタートスイッチ23a、非常停止ボタン26a及び表示ランプ27aよりなる第1ユニット28aと、第2ガイド19b、第2被塗装体取付具22b、これに取りつけられた左側ガセット1b、スタートスイッチ23b、非常停止ボタン26b及び表示ランプ27bよりなる第2ユニット28bとは、ノズル進入線Pを中心として、左右対称な構造を有する。
【0020】
作業者が例えば第1ユニット28aの第1被塗装体取付具22aに右ガセット1aを取りつけ、発光素子24aと受光素子の25a間に手を置くと受光素子25aが受ける光が遮断され、スタートスイッチ23aがオンとなり、第1被塗装体取付具22aが前進し、塗装サイクルが開始される。この塗装サイクルは、自動的に次のように進む。
【0021】
第1被塗装体22a前進→ガイド19a先端にて停止→塗装ガン13前進→プライマーノズル14がガセット溝5内に進入→プライマー塗布→塗装ガン13後退→ノズル進入線P上のノズルがプライマーノズル14から塗装ノズル15へ移動→塗装ガン13前進→塗装ノズル15がガセット溝内5に進入→塗装ガン13後退と同時に塗料塗布→第1被塗装体取付具22a後退→第1ユニット28aの動作終了。
【0022】
これにより第2ユニット28bの駆動が可能となり、作業者は右側のスタートスイッチ23bをオンとして、左ガセット1bを取りつけた第2被塗装体取付具22bを前進させ、前述同様の塗装サイクルを開始する。この間に、作業者は第1被塗装体取付具22aから塗装終了した右ガセット1aを取り外し、次に塗装する右ガセット1aをこれに取り付ける。かくして第1、第2ユニット28a,28bが交互に作動せしめられ、一方のユニットの作動時、他方のユニットにおいては、塗装済みのガセット1の取り外し及び次に塗装されるガセット1の取付作業がなされる。
【0023】
図1において、塗装ガン13は実線で示す後退位置及び細線で示す前進位置の間を往復する。前進位置においてプライマーノズル14及び塗料ノズル15がガセット1a,1bの溝5内に順次進入し、プライマー噴霧及び塗料噴霧がこの順序でなされる。同図においては、第2被塗装体取付具22bが第2ガイド19bの前端に位置しており、これには左ガセット1bが取りつけられており、プライマーノズル14または塗料ノズル15はこのガセット1bの溝5に進入して噴霧処理する。図中、細線で右ガセット1aが後退位置にある状態を示す。
【0024】
図2は、第1被塗装体取付具22aが後退位置にあってこれに右ガセット1aが取りつけられており、第2被塗装体取付具22bが前進位置にあってこれに取りつけられた左ガセット1bが塗装される状態を示す。塗装ガン13はそのプライマーノズル14が進入線P上に位置している。塗装ガン13は図示の位置(後退位置)から前進し、プライマーノズル14がガセット1bの溝5に差し込まれ、後退時プライマーが噴霧される。これにより溝5内面にプライマー処理がなされる。
【0025】
プライマーノズル14が中間ガイド11上を最後端まで後退した後、ロッドレスシリンダー16の作動により塗装ガン13は図中左側へ移動し、今度は塗料ノズル15がノズル進入線P上に位置する。次いで再度塗装ガン13は前進し、図2に示すように、塗料ノズル15がガセット1bの溝5内に進入した後、後退する。この後退時、塗料の噴霧がなされ、溝5の内面に塗料被膜が形成される。かくしてガセット1bへの低摺動被膜10(図7)の形成が終了し、第2被塗装体取付具22bは第2ガイド19b上を後退し、最後端まで戻って停止する。
【0026】
図2,3に示すように、上記動作がなされているとき、第1被塗装体取付具22aは第1ガイド19aの後端に位置しており、ここで作業者により右ガセット1aの取り付け作業がなされる。この作業は、第2被塗装体取付具22bに取りつけられたガセット1bの塗装サイクル期間内になされ、塗装終了したガセット1bが後退した後、第1被塗装体取付具22aが前進し、次の右ガセット1aの塗装サイクルに入るのである。第1、第2ガイド19a,19bの後端が作業台12の後端側においてV字状に開いた構造としたのは、作業者が第1、第2被塗装体取付具22a,22bへのガセット1a,1b取付作業をしやすくするためである。かかる構造であれば、作業者は移動することなく、第1、第2被塗装体取付具22a,22bへのガセット1a,1bの着脱が可能となる。
【0027】
図4,5は、第1被塗装体取付具22aの具体的構造を示し、ロッドレスシリンダー19aの上部に、第1被塗装体取付板29及び右ガセット1aをこれに固定する押し圧治具30が形成されている。31は、取付板29に形成された2本のピンで、ガセット1a取付時その孔7(図6)に差し込まれ、ガセット1aの位置決めがなされる。孔7は前述したように、ガセット1aをドアに取りつけるための孔である。ピン31に差し込まれたガセット1aは、押し圧治具30により押圧され、取付板29に固定される。押し圧治具30は、ハンドル及32び押し圧端33を有し、図4に示すようにハンドル32を上に上げると押し圧端33は後退(図中左方向へ移動)してガセット1aの固定を解除し、ハンドル32を下げると押し圧端33は前進(図中右方向へ移動)してガセット1aを取付板29に押し付け固定する(図5)。
【0028】
図5に示すように、前進位置にあって塗装処理されるガセット1aの溝5後端には、遮蔽板34が上方から降下するごとく設けられている。この遮蔽板34は、後退して溝5から出たノズル14,15から噴霧されるプライマーあるいは塗料がガセット1aの表面に付着するのを防ぐ作用をなす。この遮蔽板34は、ガセット1aが最前端にまで前進して停止した後降下し、ノズル14,15が後退しつつ噴霧し、溝5から出て、噴霧が終了した後、上昇する。
【0029】
【発明の効果】
本発明(請求項1)によれば、作業者の左右に位置する第1、第2被塗装体取付板の一方に被塗装体を取りつけ、これを前進させて、自動的に塗装作業を行う。作業者は、この塗装期間中に、他方の被塗装体取付具に被塗装体を取り付け、先の塗装作業が終了するのを待つ。先の塗装作業が終了した後、他方の被塗装取付具を前進させて次の被塗装体への塗装作業を行う。塗装処理され後退した被塗装体は作業者により被塗装体取付具から外される。かくして自動塗装作業と作業者による被塗装体取付、取り外し作業が同時になされるから、塗装作業が効率よくなされることとなる。また塗装作業は自動的に、作業者から離れた作業台前方部分でなされるから、作業者が噴霧された塗料を吸い込むという危険は解消される。
【0030】
また本発明(請求項2)によれば、塗装ガンがプライマーノズルと塗料ノズルの2本のノズルにて構成され、これらが移動機構にて塗装位置に移動せしめられ、プライマー噴霧及び塗料噴霧が順次なされる。それゆえ、プライマー処理が必要な塗装作業においてもこれを自動的に行うことができる。
【0031】
また本発明(請求項3)によれば、被塗装体を自動車用ガセットとするものである。プライマーノズル及び塗料ノズルは、ガセットのガラスが摺動する溝内に差し込まれ、プライマー次いで低摺動塗料が噴霧、塗布される。これにより、ガセットの溝内面のみを塗装することができる。
【0032】
また本発明(請求項4)によれば、第1ユニットと第2ユニットとは左右対称に配置されており、両ユニットにおける作業は同じであるから、作業が簡略なものとなり、作業者が、操作を間違えるという事故を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかる塗装方法を具体化した塗装装置の側面図である。
【図2】上記塗装装置の平面図である。
【図3】上記塗装装置の平面図である。
【図4】第1被塗装体取付具を示す斜視図である。
【図5】前進し塗装位置にある第1被塗装体取付具及び被塗装体を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態において被塗装体として使用されるガセットの平面図である。
【図7】図6のA−A線断面図である。
【符号の説明】
1,1a,1b…ガセット
5…溝
6…ガラス
7…孔
10…低摺動被膜
11…中間ガイド
12…作業台
13…塗装ガン
14…プライマーノズル
15…塗装ノズル
16…ロッドレスシリンダー
17、20…ガイドロッド
18、21…中空ロッド
19a,19b…第1、第2ガイド
22a,22b…第1、第2被塗装体取付具
23a,23b…スタートスイッチ
28a,28b…第1、第2ユニット
29…取付板
30…押し圧治具
Claims (4)
- V字状に配置された第1、第2ガイド、該第1、第2ガイド上をそれぞれ往復移動する第1、第2被塗装体取付具、上記第1、第2ガイドの中間に配置された中間ガイド、該中間ガイド上を往復移動するノズルを有する塗装ガン、上記第1、第2塗装体取付具に着脱可能に取りつけられた被塗装体を備え、上記第1、第2被塗装体取付具を交互に上記第1、第2ガイド上を往復移動させ、上記第1、第2ガイドのV字状の頂点に位置する上記被塗装体取付具に取りつけられた上記被塗装体に、上記塗装ガンを前進させてそのノズルから塗料を噴霧して、上記被塗装体を塗装することを特徴とする自動塗装方法。
- 上記塗装ガンが、プライマーを噴霧するプライマーノズルと塗料を噴霧する塗料ノズルを備えるとともに、上記塗装ガン取付台に上記塗装ガンを左右方向に移動させる移動機構を設け、該移動機構の移動により上記プライマーノズルまたは塗料ノズルを上記被塗装体の塗装位置に配置せしめることを特徴とする請求項1記載の自動塗装方法。
- 上記被塗装体が自動車の窓枠に取りつけられ、ドアガラスが摺動するガラス摺動溝を有するゴム製ガセットであって、上記プライマーノズル及び塗料ノズルが上記溝に挿入されて、移動しながらプライマー及び低摺動塗料が上記溝内面に噴霧されることを特徴とする請求項2記載の自動塗装方法。
- V字状に配置された第1、第2ガイド、該第1、第2ガイド上をそれぞれ往復移動する第1、第2被塗装体取付具、上記第1、第2ガイドの中間に配置された中間ガイド、該中間ガイド上を往復移動するノズルを有する塗装ガン、上記第1、第2塗装体取付具に着脱可能に取りつけられた被塗装体を備え、上記第1ガイド、第1被塗装体取付具、該第1被塗装体取付具に取りつけられた上記被塗装体とを含む第1ユニットと、上記第2ガイド、第2被塗装体取付具、該第2被塗装体取付具に取りつけられた上記被塗装体とを含む第2ユニットが、上記塗装ガンのノズル進入線に対し左右対称に配置されてなることを特徴とする自動塗装装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN101884966A (zh) * | 2010-07-13 | 2010-11-17 | 上海沪能防腐隔热工程技术有限公司 | 自动金属热喷涂装置 |
JP2016007563A (ja) * | 2014-06-24 | 2016-01-18 | 有限会社岡村鉄工 | 塗装試験機 |
CN106111401A (zh) * | 2016-08-29 | 2016-11-16 | 侯马市风雷管模制造有限公司 | 全自动双工位铸铁管外喷漆设备 |
-
2003
- 2003-02-28 JP JP2003052719A patent/JP2004261671A/ja not_active Abandoned
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