JP2004261666A - 塗膜形成装置 - Google Patents

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Shogo Taniguchi
尚五 谷口
Hiromasa Kashiwanuma
宏昌 栢沼
Koshin Kenjo
康臣 見上
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Abstract

【課題】効率よく被塗装物に塗料を塗布して、均一の厚みの塗膜を形成できる塗膜形成装置を提供する。
【解決手段】塗膜形成装置1は保持機構と塗布機構6と除去機構7と送風機構8を備えている。保持機構は円筒状の被塗装物としての基材2を保持して軸芯P回りにこの基材2を回転させる。塗布機構6は基材2にシリコーンゴムを含有した塗料3を塗布する。除去機構7はブレード24を備えている。ブレード24は基材2に塗布された塗料3から余分な塗料3を除去する。送風機構8は基材2に塗布された塗料3に生じた肉厚部26に気体を吹き付ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置において、転写紙上の未定着トナーを加熱、加圧させることにより定着させる定着部材に弾性体層を形成する塗膜形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置のトナー定着部においては、定着部材と加圧ローラとの間に転写紙を通している。トナー定着部では、定着部材と加圧ローラとで前記転写紙上の未定着トナーを加圧して、転写紙にトナーを定着している。
【0003】
近年の画像形成装置の高画質化に伴い、前述したトナー定着部に使用される定着部材には、弾力性が要求されている。このため、無端ベルト状または円筒状に形成されかつ表面にプライマ処理を施された基体に、厚みが100〜300μm(マイクロメータ)程度のシリコーンゴムなどの弾性材料からなる弾性体層を積層する定着部材が開発されている。
【0004】
前述した弾性体層の厚みの均一性は、画像形成装置の画質に直接影響を与えることが明らかとなっている。このため、勿論、弾性体層は、均一な厚みに形成されていなければならない。この弾性体層を形成するために、基材に弾性材料を塗布する従来から種々の塗装方法が採用されている。
【0005】
最も一般的である方法として、スプレー塗装方式が用いられている。スプレー塗装方式は、前述したシリコーンゴムなどの弾性材料をトルエンなどの有機溶剤で溶かして、希釈した後、加圧した気体とともにエアロゾルとして前述した被塗装物としての基材に吹き付ける。こうして、スプレー塗装方式は、基材の表面に弾性体層を積層して、前述した定着部材を得る。有機溶剤などで希釈された弾性体層は、塗料をなしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前述したスプレー塗装方式では、100μm以上の厚みの塗膜即ち弾性体層を形成するには加工時間が長くなり、作業効率が低下する傾向であった。
【0007】
また、シリコーンゴムは高粘度材料であるのでスプレー塗装方式では、前述したようにトルエン等の有機溶剤で希釈して粘度を下げる必要がある。有機溶剤を用いた塗装を行うと、有機溶剤を排気するための排気システムが必要となりスプレー塗装を行う設備の費用や、排気システムのフィルター等の交換によランニングコストが高騰する。また、環境問題を考慮すると有機溶剤の使用をさけることが望ましい。
【0008】
そこで、前述したシリコーンゴムなどの弾性材料を有機溶剤での希釈をすることなく塗装できるブレード塗装方式が提案されている。ブレード塗装方式は、円筒状または無端ベルト状の基材と一定の間隔をあけて、平行にコーティングブレードを配しておく。そして、ブレード塗装方式は、ノズルなどから塗料としての弾性材料を塗出して、被塗装物としての基材の表面に塗布した後、前述したコーティングブレードが基材に塗布された弾性材料から余分なものを除去して、弾性材料の表面即ち厚みを均一にする方式である。
【0009】
しかし、このブレード塗装方式では、コーティングブレードと弾性材料とが離れる際に、コーティングブレードに付着した弾性材料の一部が基材の表面上の弾性材料に付着する。そして、弾性材料の一部分に厚みが他の箇所より厚い肉厚部が生じてしまう。この肉厚部の発生は、前述した画像形成装置の高画質化を保つ観点から勿論望ましくない。
【0010】
本発明は、かかる問題を解決することを目的としている。
即ち、本発明は、効率よく被塗装物に塗料を塗布して、均一の厚みの塗膜を形成できる塗膜形成装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の本発明の塗膜形成装置は、無端ベルト状又は円筒状の被塗装物に対して塗膜を形成する塗膜形成装置において、前記被塗装物を保持して回転させる保持機構と、回転する被塗装物に塗料を塗布する塗布機構と、前記被塗装物と一定の間隔をあけかつこの被塗装物に塗布された塗料から余分な塗料を除去する除去手段と、前記被塗装物に塗料を塗布することにより生じる塗膜の肉厚部に気体を吹き付ける送風機構と、を備えたことを特徴としている。
【0012】
請求項2に記載の本発明の塗膜形成装置は、請求項1に記載の塗膜形成装置において、前記送風機構は、前記被塗装物と相対しかつ気体を吹き出す吹き出し口を備え、この吹き出し口の前記被塗装物の回転中心に沿った方向の長さは、前記被塗装物の回転中心に沿った方向の長さ以上であることを特徴としている。
【0013】
請求項3に記載の本発明の塗膜形成装置は、請求項2に記載の塗膜形成装置において、前記吹き出し口の前記被塗装物の回転方向の幅を変更自在とする吹き出し幅変更手段を備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項4に記載の本発明の塗膜形成装置は、請求項1に記載の塗膜形成装置において、前記送風機構は、前記被塗装物と相対する吹き出し口を備え、前記吹き出し口と被塗装物とを相対的に移動自在とする移動手段を備え、前記移動手段は、前記吹き出し口と被塗装物との距離と、前記吹き出し口の被塗装物に対する角度とを変更可能であることを特徴としている。
【0015】
請求項5に記載の本発明の塗膜形成装置は、請求項1ないし請求項4のうちいずれか一項に記載の塗膜形成装置において、前記被塗装物の回転角度を検出可能な検出手段と、前記検出手段が検出した被塗装物の回転角度に基づいて、前記送風機構の動作を制御する制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る一実施形態の塗膜形成装置を、図1ないし図4を参照して説明する。
【0017】
図1などに示す塗膜形成装置1は、円筒状の被塗装物としての基材2の表面に、シリコーンゴムを含有した塗料(本発明の塗料に相当し、以下単に塗料と記す)3(図2に示す)を塗布する装置である。基材2(図1などに示す)は、円筒状でありアルミニウムなどからなる。
【0018】
基材2の表面に均一の厚みに塗布された塗料3の溶剤などが蒸発すると、基材2の表面上にシリコーンゴムなどの弾性材料からなる弾性体層が形成される。そして、弾性体層上に更にフッ素樹脂が積層されるなどして、基材2は、電子写真複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着部材としての定着ローラに成形される。
【0019】
塗膜形成装置1は、図1ないし図3に示すように、ベース板4と、保持機構5(図1及び図3に示す)と、塗布機構6(図1及び図2に示す)と、除去機構7(図1及び図2に示す)と、送風機構8(図2及び図3に示す)と、検出手段としての回転角度検出器9(図1に示す)と、制御手段としての制御装置10とを備えている。ベース板4は、平板状に形成されている。
【0020】
保持機構5は、円筒状の被塗装物としての基材2を保持して、この基材2の軸芯P(図1中に一点鎖線で示す)を中心として、該基材2を矢印Kに沿って回転させる。矢印Kは、本明細書に記した回転方向をなしている。又、軸芯Pは、本明細書に記した回転中心をなしている。
【0021】
保持機構5は、図1に示すように、一対の立設軸11と、一対のチャック部材12と、モータ13と、エアシリンダ14とを備えている。一対の立設軸11は、互いに間隔をあけて配され、それぞれがベース板4から上方に向かって立設している。
【0022】
一対のチャック部材12は、立設軸11それぞれに対応して設けられている。チャック部材12は、段階的に外径が変化した円柱状に形成されている。チャック部材12の先端部12aの外径は、基材2の端部の内径より小さく形成されている。これら一対のチャック部材12の先端部12aは、互いに相対している。チャック部材12は、先端部12aから基端側に向かうにしたがって徐々に外径が大きくなっている。
【0023】
一対のチャック部材12は、先端部12aが基材2の端部内に挿入されることで、互いの間に基材2をチャック(保持)する。一方のチャック部材12は、その軸芯周りに一方の立設軸11に回転自在に支持されている。他方のチャック部材12は、エアシリンダ14の後述する伸縮ロッド16に取り付けられている。
【0024】
モータ13は、一方の立設軸11に取り付けられている。モータ13の出力軸は、一方のチャック部材12に取り付けられている。モータ13は、一方のチャック部材12をその軸芯周りに回転させる。
【0025】
エアシリンダ14は、シリンダ本体15と、このシリンダ本体15から伸縮自在な伸縮ロッド16とを備えている。シリンダ本体15は、前述した他方の立設軸11に取り付けられている。伸縮ロッド16は、シリンダ本体15から伸長すると前述した一方の立設軸11即ち一方のチャック部材12に近づく。伸縮ロッド16には、他方のチャック部材12が取り付けられている。
【0026】
また、他方の立設軸11は、リニアガイド17によりベース板4に対し移動自在に設けられている。リニアガイド17は、レール18と、スライダ19とを備えている。レール18は、直線状に形成されており、ベース板4に固定されている。レール18の長手方向は、一方の立設軸11に取り付けられたモータ13の出力軸の長手方向と平行である。
【0027】
スライダ19は、レール18の長手方向に沿って移動自在にこのレール18に支持されている。スライダ19には、他方の立設軸11が取り付けられている。こうして、他方の立設軸11は、レール18の長手方向に沿って移動することで、一方の立設軸11に接離する。なお、接離とは、近づいたり離れたりすることである。また、他方の立設軸11は、任意の位置でベース板4に固定されるようになっている。
【0028】
前述した構成の保持機構5は、エアシリンダ14の伸縮ロッド16を縮小しかつ他方の立設軸11を一方の立設軸11から離した状態で、一対の立設軸11間に基材2を位置付ける。そして、他方の立設軸11を一方の立設軸11に近づけて、各チャック部材12の先端部12aを基材2の端部内に挿入して、他方の立設軸11を固定する。そして、エアシリンダ14の伸縮ロッド16を伸長させる。すると、保持機構5は、一対のチャック部材12間に基材2を保持(チャック)する。こうして、被塗装物としての基材2は両端を保持機構5により保持される。
【0029】
そして、保持機構5は、一方の立設軸11に取り付けられたモータ13の出力軸を回転させて、被塗装物としての基材2を、その軸芯P周りに回転させる。こうして、保持機構5は、被塗装物としての基材2を保持(チャック)して回転させる(被塗装物としての基材2に回転を与える)。なお、モータ13の回転数は変更自在である。モータ13は3〜100rpm程度の回転を被塗装物としての基材2に与えることができる。
【0030】
また、保持機構5は、基材2を取り外す際には、モータ13の回転を停止しかつエアシリンダ14の伸縮ロッド16を縮小した後、他方の立設軸11を一方の立設軸11から離す。こうして、保持機構5は、他方の立設軸11がリニアガイド17のスライダ19上に設けられ、エアシリンダ14の伸縮ロッド16の伸縮動作が行われることにより、被塗装物としての基材2の着脱を可能にしている。
【0031】
塗布機構6は、図1に示すように、前述した塗料3を格納するタンク20と、タンク20からの塗料3の送液を行うポンプ21と、被塗装物としての基材2に塗料3を塗布する塗布ノズル22とを備えている。塗布ノズル22は、一対の立設軸11間に支持される基材2の上方に配されている。塗布ノズル22の基材2の軸芯P即ち回転中心に沿った方向の長さは、基材2の長さLbと略等しい。塗布ノズル22は、上方から基材2の表面に塗料3を塗布する。ポンプ21は、タンク20内の塗料3を塗布ノズル22に向かって送り出す。塗布機構6は、ポンプ21から塗布ノズル22に供給された塗料を、更に塗布ノズル22から回転する基材2に塗布する。
【0032】
除去機構7は、図1及び図2に示すように、位置調整機構23と、除去手段としてのブレード24とを備えている。位置調整機構23は、ベース板4に取り付けられている。位置調整機構23は、一対の立設軸11間に支持される基材2の下方に配されている。位置調整機構23は、ベース板4の表面に沿いかつ基材2の軸芯Pに対し直交する図2中の矢印Xと、鉛直方向に沿う図2中の矢印Zとに沿って、ブレード24を移動自在とする。
【0033】
ブレード24は、板状に形成されている。ブレード24は、その長手方向が一対の立設軸11間に支持される基材2の軸芯Pと平行な状態で、位置調整機構23に支持される。また、ブレード24の基材2寄りの縁部24aは、鋭角に形成されている。この縁部24aは、全長に亘って基材2の軸芯Pと平行になっている。基材2の軸芯Pに沿う方向のブレード24の長さは、基材2の長さLbと略等しい。
【0034】
前述した構成の除去機構7は、位置調整機構23により、ブレード24と基材2との間隔を、基材2の表面上に形成する弾性体層の厚みに応じて変更する。除去機構7は、ブレード24と基材2との間隔を一定の間隔に保つ。そして、除去機構7は、ブレード24が、塗布ノズル22から基材2の表面に塗布された塗料3から余分な塗料3を除去して、塗料3の厚みを均一に保つ。
【0035】
前述した塗布機構6により被塗装物としての基材2に塗布された塗料3は、基材2と平行に一定の間隔(図2中のコーティングギャップ25)をあけて配置されたブレード24によって掻き落とされる。このように、ブレード24は、塗布ノズル22によって形成された塗膜を掻き落として、所望の厚みに仕上げる。そして、基材2の表面上に均一な厚みの塗料3の膜(即ち塗膜)が形成される。
【0036】
前述したコーティングギャップ25は、位置調整機構23によりブレード24の位置を調整することで変更自在である。ここで形成される塗膜の厚みはコーティングギャップ25の60〜70%となる。ブレード24の縁部24aの幅は0.1mm以下にすることが理想である。これは塗料3が掻き落としている間にはブレード24の縁部24aに塗料3が溜まり、基材2がブレード24に対し1回転するとブレード24の縁部24aに溜まっていた塗料3が基材2に乗り移り、肉厚部26を生じるためである。
【0037】
送風機構8は、図2及び図3に示すように、エア供給源27と、移動手段としてのロボットアーム28と、吹き出しノズル29とを備えている。エア供給源27は、加圧された気体を吹き出しノズル29に供給する。
【0038】
ロボットアーム28は、ベース板4上に設置されており、先端部に吹き出しノズル29を取り付ける。ロボットアーム28は、吹き出しノズル29を基材2に接離させたり、図2中実線で示す位置と図2中点線で示す位置とに亘って吹き出しノズル29の基材2に対する角度(向き)を変更自在とする。このように、ロボットアーム28は、吹き出しノズル29(即ち後述の吹き出し口31)と基材2とを相対的に移動自在として、吹き出し口31と基材2との距離と、吹き出し口31の基材2に対する角度を変更可能である。
【0039】
吹き出しノズル29は、図4に示すように、エア供給源27から供給される加圧された気体を基材2に向かって吹き付ける孔30を備えている。この孔30の基材2寄りの開口部31は、本明細書の吹き出し口に相当し、以下吹き出し口と呼ぶ。この吹き出し口31は、基材2と相対している。このため、エア供給源27から供給された気体は、吹き出し口31から基材2に向かって吹き出す。
【0040】
吹き出し口31の基材2の軸芯P即ち回転中心に沿った方向の長さLaは、図3に示すように、基材2の軸芯P即ち回転中心に沿った方向の長さLb以上となっている。なお、図示例では、吹き出し口31の長さLaと、基材2の長さLbとは等しくなっている。吹き出し口31は、吹き出しノズル29がロボットアーム28により、その全長に亘って吹き出す気体が基材2にあたる位置に配される。
【0041】
また、吹き出しノズル29には、図4に示すように、吹き出し幅変更手段としての一対の変更板32が取り付けられている。一対の変更板32は、図4に示すように、一端部32a間に吹き出し口31を位置付けている。変更板32は、他端部32bを中心として回転自在に吹き出しノズル29に取り付けられている。変更板32は、他端部32bを中心として回転することで、一端部32aが互いに接離するようになっている。
【0042】
変更板32は、他端部32bを中心として回転することで、例えば、図4中実線で示す位置と二点鎖線で示す位置とに亘って変位する。変更板32は、前述したように変位することで、吹き出し口31の幅H1,H2(図4に示す)を変更自在としている。送風機構8は、エア供給源27からの加圧された気体を吹き出しノズル29の吹き出し口31から基材2に吹き付ける。幅H1,H2は、基材2の回転方向Kに沿っている。
【0043】
回転角度検出器9は、図1に示すように、モータ13に取り付けられている。回転角度検出器9は、モータ13の出力軸即ち基材2の回転角度を検出して、この回転角度に応じた情報を制御装置10に向かって出力する。
【0044】
制御装置10は、周知のRAM、ROM、CPUなどを備えたコンピュータである。制御装置10は、モータ13と、ポンプ21と、エア供給源27と、ロボットアーム28と、回転角度検出器9などと接続しており、これらを制御することにより、塗膜形成装置1全体の制御をつかさどる。
【0045】
前述した構成の塗膜形成装置1を用いて、基材2の表面上に塗膜を形成する際には、まず作業員が、被塗装物としての基材2を一方の立設軸11に取り付けられたチャック部材12を突き当てる。そして、他方の立設軸11を一方の立設軸11に近づけて、基材2の両端部内にチャック部材12の先端部12aを挿入して、他方の立設軸11を固定する。そして、エアシリンダ14の伸縮ロッド16を伸長させて、他方のチャック部材12を一方のチャック部材12に押し付けて、一対のチャック部材12間に基材2を保持(チャック)する。
【0046】
そして、制御装置10は、モータ13の出力軸を所定の回転数で回転して、基材2を軸芯P周りに回転させる。ポンプ21は、制御装置10からの命令に応じて設定された量のタンク20内の塗料3を計量して、塗布ノズル22に供給する。
【0047】
ここで、前述のように基材2に形成される塗膜の厚みは、基材2とブレード24との間隔(コーティングギャップ25)の60〜70%である。このため、所望の厚みの塗膜を得るためには、塗布ノズル22にて形成する塗膜の厚みをコーティングギャップ25のプラス30μm程度に設定する。制御装置10は、ここで設定した厚みを基材2に塗布するために必要な塗料3の量を計算し、基材2が1回転する間に塗装できるようにポンプ21にて吐出を制御する。
【0048】
ここで塗布ノズル22にて形成されてブレード24により余分な塗料3が除去される前の塗膜を一次膜とする。こうして、まず、一次膜としての塗膜を基材2の全周に亘って形成する。一次膜の形成後には基材2の回転を止めることなく、続いてブレード24を基材2に近づけて、所定のコーティングギャップ25を形成する。ブレード24は、一次膜即ち基材2に塗布された塗料3から余分な塗料3を除去する。ブレード24が基材2の表面上の一次膜に接触してから基材2が1回転すると、ブレード24に付着している塗料3が基材2の表面上に付着して、前述の肉厚部26が発生する。
【0049】
このときの塗膜の厚みはコーティングギャップ25の60〜70%になっているので、塗膜はブレード24とは接触しなくなる。ブレード24を基材2から離す。ここで最終的に形成された塗膜を2次膜とする。
【0050】
そして、制御装置10は、回転角度検出器9が検出した基材2の回転角度に関する情報に基づいて、吹き出し口31から吹き出された気体が肉厚部26にあたる位置で、送風機構8のエア供給源27から吹き出しノズル29に加圧された気体を供給させる。すると、肉厚部26に吹き出し口31から吹き出された気体があたって、肉厚部26の厚みが低減する。このように、制御装置10は、回転角度検出器9が検出した基材2の回転角度に基づいて、送風機構8の動作を制御する。また、前述したように送風機構8は、基材2に塗料3を塗布することにより生じる塗膜の肉厚部26に気体を吹き付ける。
【0051】
また、吹き出し口31の長さLaが基材2の長さLb以上となっているので、吹き出し口31即ち吹き出しノズル29を基材2の軸芯P即ち回転中心に沿って移動させる必要がない。また、吹き出し口31から吹き出す気体が、肉厚部26以外にはあたらないように、肉厚部26の基材2の回転方向Kの幅に応じて、変更板32の一端部32a間の間隔即ち吹き出し口31の前述した回転方向Kの幅H1,H2を変更しておく。
【0052】
肉厚部26の厚みが低減して、塗膜即ち弾性体層の厚みが均一となったら、吹き出し口31からの気体の吹き出しを停止するとともにモータ13による基材2の回転を停止する。そして、塗膜中の有機溶剤などが蒸発して、弾性体層が乾いた後、エアシリンダ14の伸縮ロッド16を縮小するなどして、表面に弾性体層が形成された基材2を一対の立設軸11間から取り外す。こうして、表面に均一の厚みの弾性体層が形成された基材2を得ることができる。
【0053】
本実施形態によれば、2次膜上にブレード24により発生した肉厚部26に送風機構8の吹き出し口31から気体を吹き付ける。このため、肉厚部26の厚みの低減を図ることができる。又、塗布ノズル22で塗料を塗布した後、ブレード24で余分な塗料3を除去する。このため、効率良く基材2に塗料3を塗布して、均一の厚みの塗膜を形成できる。
【0054】
また、送風機構8の吹き出し口31の長さLaが、基材2の長さLb以上であるので、送風機構8の吹き出しノズル29を、基材2の軸芯P即ち回転中心に沿って移動すること無く、気体を肉厚部26に吹き付けることができる。したがって、より効率良く基材2に塗料3を塗布できる。
【0055】
ここで、生じる肉厚部26の大きさは2次膜の厚みや塗料の粘度等により異なる。そこで様々な大きさに対応できるように、ロボットアーム28により吹き出しノズル29を移動自在としたり、一対の変更板32により吹き出し口31の幅H1,H2を変更自在としている。変更板32により吹き出し口31の幅H1,H2を変更することで、肉厚部26に吹き付ける気体の強さ及び気体の吹き付け範囲を調整できる。また、ロボットアーム28により吹き出しノズル29と基材2との距離の変更は、気体の吹き付け強さと吹き付け範囲の調整が可能である。
【0056】
また、肉厚部26の断面は、図示するように、通常左右対称の山型である。しかしながら、左右非対称の場合などには、吹き出しノズル29の角度を調整することにより、肉厚部26の厚みを低減して、塗膜の厚みを均一にできる。
【0057】
また、基材2の回転角度を検出する回転角度検出器9を設け、この回転角度により制御装置10は送風機構8の動作を制御する。ブレード24が基材2に近づいたタイミングから基材2の肉厚部26の位置を割り出し、肉厚部26が送風機構8の効果範囲にあるときのみに風を吹き付けること等ができる。これにより、基材2の回転を止めることなくまた、肉厚部26以外への気体の吹き付け影響を少なく抑えることが可能となる。
【0058】
前述した実施形態では、被塗装物としての基材2が円筒状である場合を示している。しかしながら、本発明では、被塗装物としての基材2(以下符号2aで示す)が無端ベルト状であっても良い。
【0059】
この場合、図5に示すように、前述した実施形態の円筒状の基材2を保持(チャック)していた箇所に主軸35を保持(チャックする)する。また、この主軸35の上方にテンション軸36を設ける。これらの主軸35とテンション軸36の周りに無端ベルト状の基材2aを掛け渡す。
【0060】
また、テンション軸36にはエアシリンダ37が取り付けられている。エアシリンダ37は、シリンダ本体38と、このシリンダ本体38から伸縮自在な伸縮ロッド39とを備えている。シリンダ本体38は、ベース板4に固定されている。伸縮ロッド39は、シリンダ本体38から上方に伸長する。伸縮ロッド39にはテンション軸36が取り付けられている。
【0061】
エアシリンダ37により上方にテンション軸36が移動することで無端ベルト状の基材2aに張力(テンション)を与えることができる。この他、塗布機構6と除去機構7と送風機構8の動作は、前述した実施形態と同様である。図5において、前述した実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。塗装終了後には、エアシリンダ37の伸縮ロッド39を縮小することで、テンションが解除され、無端ベルト状の基材2aを主軸35及びテンション軸36から抜き取り、作業は終了する。
【0062】
この場合も、前述した実施形態と同様に、加圧された気体を肉厚部26に吹き付けることで、塗膜即ち弾性体層を均一の厚みにすることができる。前述した実施形態と同様に、効率良く基材2に塗料3を塗布して、均一の厚みの塗膜を形成できる。
【0063】
前述した実施形態では、円筒状又は無端ベルト状の基材2,2aの表面にシリコーン樹脂を含有した塗料3を塗布している。しかしながら、本発明は、円筒状又は無端ベルト状の基材2,2aに各種の塗料3を塗布する際にも適用できる。
【0064】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の塗膜形成装置は、無端ベルト状又は円筒状の被塗装物に対して塗膜を形成する装置において、被塗装物を保持、回転させる保持機構と、回転する被塗装物に対して塗料を供給する塗布機構と、被塗装物と一定の隙間を保って配されて余分な塗料を除去するブレードを備えている。このため、効率よく被塗装物に塗料を塗布できる。
【0066】
また、送風機構から気体を被塗装物に発生した肉厚部に吹き付けることにより、この肉厚部の厚みを低減させることができる。したがって、均一の厚みの塗膜を形成できる。
【0067】
請求項2に記載の塗膜形成装置は、被塗装物に気体を吹き付ける送風機構が被塗装物の長さ以上の吹き出し口を有している。このため、吹き出し口を被塗装物の回転中心に沿って移動させることなく、送風機構が被塗装物の全長に亘って肉厚部に気体を吹き付けることができる。したがって、効率よく肉厚部の厚みを低減できる。
【0068】
また、吹き出し口の被塗装物の回転方向に沿った幅を、肉厚部の被塗装物の回転方向に沿った幅に合わせるのが望ましい。この場合、吹き出し口から吹き出して、気体を被塗装物に吹き付ける際に、肉厚部以外に気体が吹き付けられることを防止できる。このため、塗膜形成装置で肉厚部の厚みを低減する際に肉厚部以外への悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0069】
請求項3に記載の塗膜形成装置は、幅変更手段が吹き出し口の被塗装物の回転方向に沿った幅を変更自在としている。被塗装物に発生した肉厚部の幅に応じて、吹き出し口の幅を変更することで、送風機構の吹き出し口を最適な条件に設定できるという効果がある。
【0070】
請求項4に記載の塗膜形成装置は、移動手段が被塗装物と吹き出し口とを相対的に移動自在として、送風機構の吹き出し口と被塗装物との距離と、吹き出し口角度(向き)とが変更可能となっている。送風機構の吹き出し口と被塗装物との距離と、吹き出し口の角度を変更することで、送風機構の吹き出し口を最適な条件に設定できるという効果がある。
【0071】
請求項5に記載の塗膜形成装置は、被塗装物の回転角度を検出する検出手段と、送風手段を制御する制御手段とを備えている。被測定物と一定の間隔を保って配されて余分な塗料を除去するブレードによって生じた被塗装物の肉厚部が、被塗装物に気体を吹き付ける送風機構の作用範囲にあるときのみ、送風機構を動作させることができる。作用範囲とは、吹き出し口から吹き出された気体が肉厚部にあたる範囲である。このため、肉厚部の厚みを低減する際に最適な条件を設定できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る塗膜形成装置の概略の構成を説明する説明図である。
【図2】図1に示された塗膜形成装置の塗布機構と送風機構と除去機構などの要部を側方から示す説明図である。
【図3】図1に示された塗膜形成装置の送風機構などの要部を上方から示す説明図である。
【図4】図2に示された塗膜形成装置の送風機構の吹き出しノズルを一部断面で示す説明図である。
【図5】本発明の塗膜形成装置の塗布機構と送風機構と除去機構などの要部の変形例を側方から示す説明図である。
【符号の説明】
1 塗膜形成装置
2,2a 基材(被塗装物)
5 保持機構
6 塗布機構
8 送風機構
9 回転角度検出器(検出手段)
10 制御装置(制御手段)
24 ブレード(除去手段)
28 ロボットアーム(移動手段)
31 吹き出し口
32 変更板(吹き出し幅変更手段)
H1,H2 吹き出し口の幅
La 吹き出し口の長さ
Lb 基材の長さ
P 軸芯(回転中心)
K 回転方向

Claims (5)

  1. 無端ベルト状又は円筒状の被塗装物に対して塗膜を形成する塗膜形成装置において、
    前記被塗装物を保持して回転させる保持機構と、
    回転する被塗装物に塗料を塗布する塗布機構と、
    前記被塗装物と一定の間隔をあけかつこの被塗装物に塗布された塗料から余分な塗料を除去する除去手段と、
    前記被塗装物に塗料を塗布することにより生じる塗膜の肉厚部に気体を吹き付ける送風機構と、
    を備えたことを特徴とする塗膜形成装置。
  2. 前記送風機構は、
    前記被塗装物と相対しかつ気体を吹き出す吹き出し口を備え、
    この吹き出し口の前記被塗装物の回転中心に沿った方向の長さは、前記被塗装物の回転中心に沿った方向の長さ以上であることを特徴とする請求項1記載の塗膜形成装置。
  3. 前記吹き出し口の前記被塗装物の回転方向の幅を変更自在とする吹き出し幅変更手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の塗膜形成装置。
  4. 前記送風機構は、前記被塗装物と相対する吹き出し口を備え、
    前記吹き出し口と被塗装物とを相対的に移動自在とする移動手段を備え、
    前記移動手段は、前記吹き出し口と被塗装物との距離と、前記吹き出し口の被塗装物に対する角度とを変更可能であることを特徴とする請求項1記載の塗膜形成装置。
  5. 前記被塗装物の回転角度を検出可能な検出手段と、
    前記検出手段が検出した被塗装物の回転角度に基づいて、前記送風機構の動作を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちいずれか一項に記載の塗膜形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108405237A (zh) * 2018-05-24 2018-08-17 鑫鹏源(聊城)智能科技股份有限公司 一种对钢管接箍喷漆的高压无气涂油装置
WO2023068190A1 (ja) * 2021-10-20 2023-04-27 東レ株式会社 塗布装置および塗膜形成方法

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