JP2004261417A - 粘着テープロールおよびその製造方法 - Google Patents

粘着テープロールおよびその製造方法 Download PDF

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靖彦 安達
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Abstract

【課題】使用済みの粘着テープをはがしやすく、粘着テープ面を無駄なく使用できる粘着テープロールおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】帯状のシート材料の片面側が粘着面14とされた粘着テープ12が、粘着面14が外側に向くように巻回され、粘着テープ12には、ロールの各周毎に、ロールの軸方向一端側から他端側に達する切込み16が、ロールの一周以上の長さを単位として、隣り合う巻回層位置で周方向に沿って異なる角度位置に形成されている。ロールの隣り合う各周に形成された各切込み16のなす角度θは、ロールの中心軸18の周りに5°から180°、好ましくは0°から90°とされる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として掃除用に使用される粘着テープロールおよびその製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、カーペット、床等を掃除するために粘着テープロールが使用されている。この粘着テープロールとしては、粘着テープを、粘着面が外側になる状態で円筒状の巻芯に巻取ってある。このような例が、以下に示す特許文献1に開示されている。
【0003】
また、粘着テープを円筒状の巻芯に斜め巻きした粘着テープロールが以下に示す特許文献2に開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−363518号公報
【特許文献2】特開2002−345708号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の技術のうち、粘着テープを粘着面が外側になる状態で円筒状の巻芯に巻取った粘着テープロールでは、使用済みで外周面に塵埃が付着した粘着テープを破り取る必要があるが、粘着テープをきれいに破れないという問題があった。この問題に対して、ミシン目を形成する等の対策があるが、必ずしも十分とは言えなかった。
【0005】
また、粘着テープを円筒状の巻芯に斜め巻きした粘着テープロールでは、使用後の粘着テープのはがし作業は行いやすいが、斜め巻きした各粘着テープの両側面に粘着性のない部分があり、塵埃の粘着面積が減少するという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、使用済みの粘着テープをはがしやすく、粘着テープ面を無駄なく使用できる粘着テープロールおよびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の粘着テープロールは、
帯状のシート材料の片面側に粘着面が形成された粘着テープを、前記粘着面が外側に向くように巻回してある粘着テープロールであって、
前記粘着テープには、ロールの一周以上の長さを単位として、ロールの軸方向一端側から他端側に達する切込みが形成され、
前記切り込みは、隣り合う巻回層位置で周方向に沿って異なる角度位置に形成されていることを特徴とする。
【0008】
上記各構成によれば、粘着テープに切込みが形成されているので、使用後に粘着テープをはがしやすい。また、切込みの位置が、ロールの一周以上の位置に形成してあり、しかも、ロールの隣り合う巻回層位置毎に異なっているので、ロールがばらけることはなく、しかも粘着テープロールに塵埃が入り込む溝ができない。
【0009】
好ましくは、ロールの隣り合う巻回層位置に形成された前記切込みは、ロールの中心軸の周りに5°から180°の角度、さらに好ましくは、10°〜90°をなすように配置されている。この角度が小さすぎると、粘着テープロールの使用時において、テープがばらけやすくなる傾向にある。また、この角度が大きすぎると、粘着面が汚れた後に捨てる粘着テープの長さが長くなり過ぎ、材料の無駄になる。たとえば角度が180°以上の場合には、捨てる粘着テープの長さが一周半以上となり、半周の部分が汚れて無くても汚れている一周分の粘着テープと共に捨てることになる。
【0010】
また、本発明では、好ましくは、粘着テープにおける粘着面が形成してある表面には、前記切込みに沿って少なくとも一部に、他の部分とは異なる色が着色してある。
【0011】
上記構成によれば、粘着テープに、切込みに沿って他の部分とは異なる色が着色されているので、使用済みの粘着テープをはがすための位置を確認しやすい。
【0012】
本発明に係る粘着テープロールの製造方法は、
上記に記載の粘着テープロールの製造方法であって、
帯状シート材料を一方のロール芯から他方のロール芯に巻取りつつ、前記帯状シート材料の、巻取られる際に外側となる片面の一定の幅に粘着材料を塗布して粘着テープを構成し、
帯状シート材料の巻取り方向に直交する方向または直交方向に対して斜めになる方向に、前記粘着材料を塗布した部分を含み、かつ粘着テープロールの軸方向の長さより長く、しかも帯状シート材料の幅より短くなるように所定の長さの切込みを入れ、
他方のロールに所定の長さ巻取った後、粘着テープロールの軸方向の長さ毎に裁断することを特徴とする。上記構成によれば、本発明に係る粘着テープロールを容易に製造できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を、図面に従って説明する。
【0014】
図1(a)および(b)には、本発明に係る粘着テープロールの斜視図が示される。図1(a)および(b)において、粘着テープロール10は、帯状のシート材料の片面側に粘着材料が塗られ、粘着面14が形成された粘着テープ12を、粘着面14が外側に向くように巻回されて構成されている。
【0015】
この粘着テープ12には、粘着テープロール10の軸方向一端側から他端側に達する切込み16が、ロールの一周以上の長さを単位として、隣り合う巻回層位置で周方向に沿って異なる角度位置になるように形成してある。切込み16は、粘着テープ12を巻回する際に、後述するような手段により形成される。
【0016】
粘着テープロールを回転させて、粘着テープロール10の粘着面14にゴミなどを付着させて掃除を行った後には、次のようにして行う。すなわち、図1(a)から図1(b)に示すように、ロールを回転させて、ロールの最も外側巻回層位置に位置するテープ12を剥がすと、次の切れ込み16の位置で、使い済みの粘着テープ12は、ロールから自動的に分離される。したがって、使用しやすい粘着テープロール10を実現できる。また、切込み16の位置が、ロール10の一周以上の位置に形成してあり、しかも、ロール10の隣り合う巻回層位置毎に異なっているので、ロール10が使用中などにばらけることはなく、しかも粘着テープロール10に塵埃が入り込む溝ができない。
【0017】
さらに、粘着テープロール10の隣り合う巻回層位置に形成された切込み16は、ロール10の中心軸の周りの角度θが5°から180°となるように、さらに好ましくは、10°〜90°となるように配置されている。この角度θが小さすぎると、粘着テープロール10の使用時において、テープ12がばらけやすくなる傾向にある。また、この角度θが大きすぎると、粘着面14が汚れた後に捨てる粘着テープ12の長さが長くなり過ぎ、材料の無駄になる。たとえば角度θが180°以上の場合には、捨てる粘着テープ12の長さが一周半以上となり、半周の部分が汚れて無くても汚れている一周分の粘着テープと共に捨てることになる。
【0018】
粘着テープ12には、粘着面14に、切込み16に沿って他の部分とは異なる色に着色された部分を形成するのが好適である。これにより、粘着テープロール10による掃除の後、使用済みで塵埃等の付着した粘着テープ12を剥がすとき、どの位置から剥がせばよいかを容易に目視判断できる。通常、粘着テープ12の軸方向両側の粘着面14には、粘着材が塗布されていない部分が存在するので、その部分にのみ、切込み16に沿って他の部分とは異なる色に着色された部分を形成しても良い。使用者は、その部分を最初につまんで、使用済みのテープ12をロール10から剥がすことになる。
【0019】
図2には、図1に示された粘着テープロール10の製造方法の説明図が示される。図2において、基材となる帯状シート材料20が一方のロール芯22から他方のロール芯24に巻取られている。この場合の他方のロール芯24が、製品である粘着テープロール10の芯となってもよい。
【0020】
上述のように帯状シート材料20の巻取り動作中に、巻取られる際に外側となる片面の一定の幅Wの部分に、矢印26で示された帯状シート材料20の巻取り方向に沿って粘着材料28が塗布され、粘着テープが構成される。この幅Wは、製品である粘着テープロール10の幅と同じかこれより若干狭い幅としてもよい。粘着材料28が塗布される部分は、矢印26で示された方向に直交する方向に複数形成してもよい。これは、帯状シート材料20の幅Lと上記幅Wとの関係等によって適宜決定される。
【0021】
また、帯状シート材料20の巻取り動作中に、矢印26で示された方向に直交する方向に長さlの切込み16を入れる。この切込み16は、矢印26で示された方向に直交する方向に対して、多少斜めになる方向に形成してもよい。この切込み16は、粘着材料28を塗布した部分を含み、かつ長さlが製品である粘着テープロール10の軸方向の長さより長く帯状シート材料20の幅Lより短くなるように形成する。この切込み16は、帯状シート材料20が他方のロール芯24に巻取られる過程で、その一周分の長さより若干長い距離x毎に形成される。
【0022】
この結果、切込み16は、製品である粘着テープロール10の一周以上の長さを単位として、隣り合う巻回層位置で周方向に沿って異なる角度位置に形成される。すなわち、隣り合う巻回層位置毎で、切込み16が、粘着テープロール10の中心軸の周りに5°から180°、好ましくは10°から90°の角度をなすように配置されるよう、帯状シート材料20に形成される切込み16の相互の距離xが調整される。ロールは、半径方向に厚くなるほど、その周長さが長くなるので、常に、隣り合う巻回層位置毎で、切込み16が、所定角度θで位置ずれするためには、切込み16の相互の距離xは、巻回厚みに合わせて変化させる必要がある。そのためには、帯状シート材料20の送り速度を一定にして、切り込みを入れるタイミングを制御すればよい。または、逆に切り込みを入れるタイミング速度を一定にして、帯状シート材料20の送り速度を制御してもよい。
【0023】
以上のようにして、他方のロール芯24に製品である粘着テープロール10の長さだけ帯状シート材料20を巻取った後、帯状シート材料20の幅Lに亘って帯状シート材料20に切断切込み30を入れて切断する。この後、他方のロール芯24に巻取られた帯状シート材料20を、粘着テープロール10の軸方向の長さS毎に矢印32で示される位置で裁断する。なお、このときの長さSは前述の粘着材料28の幅Wと同じでもよく、Wより若干長くてもよい。また、長さSは切込み16の長さlより若干短くされている。
【0024】
図3には、図1に示された粘着テープロール10の他の製造方法の説明図が示され、図2と同一要素には同一符号が付されている。図3において、特徴的な点は、粘着材料28が帯状シート材料20の幅Lの全てに亘って塗布されている点である。これにより、粘着材料28の塗布幅の調整が容易になり、粘着材料28の塗布工程を簡略化することができる。
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、粘着テープに切込みが形成されているので、使用後に粘着テープをはがしやすい。また、切込みの位置がロールの各周毎に異なっているので、ロールがばらけることはなく、しかも粘着テープロールに塵埃が入り込む溝ができない。
【0025】
また、粘着テープの粘着面に、切込みに沿って他の部分とは異なる色を着色された部分を形成することにより、使用済みの粘着テープをはがすための位置が確認しやすい粘着テープロールを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る粘着テープロールの斜視図である。
【図2】図1に示された粘着テープロールの製造方法の説明図である。
【図3】図1に示された粘着テープロールの他の製造方法の説明図である。
【符号の説明】
1 粘着テープロール、12 粘着テープ、14 粘着面、16 切込み、18 中心軸、20 帯状シート材料、22 一方のロール芯、24 他方のロール芯、26、32 矢印、28粘着材料、30 切断切込み。

Claims (4)

  1. 帯状のシート材料の片面側に粘着面が形成された粘着テープを、前記粘着面が外側に向くように巻回してある粘着テープロールであって、
    前記粘着テープには、ロールの一周以上の長さを単位として、ロールの軸方向一端側から他端側に達する切込みが形成され、
    前記切り込みは、隣り合う巻回層位置で周方向に沿って異なる角度位置に形成されていることを特徴とする粘着テープロール。
  2. 請求項1に記載の粘着テープロールにおいて、
    ロールの隣り合う巻回層位置に形成された前記切込みは、ロールの中心軸の周りに5°から180°の角度をなすように配置されていることを特徴とする粘着テープロール。
  3. 請求項1または請求項2に記載の粘着テープロールにおいて、
    前記粘着テープにおける粘着面が形成してある表面には、前記切込みに沿って少なくとも一部に、他の部分とは異なる色が着色してあることを特徴とする粘着テープロール。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の粘着テープロールの製造方法であって、
    帯状シート材料を一方のロール芯から他方のロール芯に巻取りつつ、前記帯状シート材料の、巻取られる際に外側となる片面の一定の幅に粘着材料を塗布して粘着テープを構成し、
    帯状シート材料の巻取り方向に直交する方向または直交方向に対して斜めになる方向に、前記粘着材料を塗布した部分を含み、かつ粘着テープロールの軸方向の長さより長く、しかも帯状シート材料の幅より短くなるように所定の長さの切込みを入れ、
    他方のロールに所定の長さ巻取った後、粘着テープロールの軸方向の長さ毎に裁断することを特徴とする粘着テープロールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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