JP2004260421A - 輪郭補正回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】レターボックス版の黒帯部分と実映像部分との境界のみ輪郭補正が行われないようにすること。
【解決手段】1Hずつ遅延量の異なる2n+1個(nは自然数)の映像信号を出力するライン遅延部と、この2n+1個の映像信号のうち中心ラインを着目ラインとして、この着目ラインに対する垂直方向の輪郭成分を抽出する垂直輪郭抽出部と、この輪郭成分を着目ラインに加算して出力する加算器と、着目ラインとその1H前のライン及び着目ラインとその1H後のラインとでそれぞれ、2値化した信号を対応する画素毎に大小を比較し、着目ラインの方が大きいと判断された画素数をカウントし、カウント値とそのラインNo.を記憶し、1フレーム間でカウント値が最大のラインとその周辺ラインには垂直方向の輪郭補正を行わないためのディゼーブル信号を出力する垂直輪郭制御部とを具備した。
【選択図】 図1
【解決手段】1Hずつ遅延量の異なる2n+1個(nは自然数)の映像信号を出力するライン遅延部と、この2n+1個の映像信号のうち中心ラインを着目ラインとして、この着目ラインに対する垂直方向の輪郭成分を抽出する垂直輪郭抽出部と、この輪郭成分を着目ラインに加算して出力する加算器と、着目ラインとその1H前のライン及び着目ラインとその1H後のラインとでそれぞれ、2値化した信号を対応する画素毎に大小を比較し、着目ラインの方が大きいと判断された画素数をカウントし、カウント値とそのラインNo.を記憶し、1フレーム間でカウント値が最大のラインとその周辺ラインには垂直方向の輪郭補正を行わないためのディゼーブル信号を出力する垂直輪郭制御部とを具備した。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レターボックス版と呼ばれる原映像の上下に黒い帯部分を設けた映像において、その黒帯部分と実映像部分との境界では輪郭補正が行われないようにした輪郭補正回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フィルム映画の規格としてビスタサイズとシネスコサイズが使用されており、ビスタサイズは縦横の長さの比率が1:1.66、又は、1:1.85の規格であり、シネスコサイズは縦横の長さの比率が1:2.35の規格である。これらの規格のフィルム映画をビデオ化する場合には、原映像をトリミングによって縦横の比率を調整して画面全体に映像が表示されるように拡大したものと、原映像の上下に黒い帯部分を設けることによってノートリミングで映像を収録したものとがあり、特に後者はレターボックス版と呼ばれている。
【0003】
レターボックス版は、フィルム映画をそのままの比率で収録することができるものであるが、上下に黒帯部分を有するので、垂直方向に輪郭補正を行うと、この上下に設けた黒帯部分と実映像部分との境界部分が不自然に強調されてしまうという問題があった。この問題を解決するための技術として、例えば特許文献1記載の発明が挙げられる。
【0004】
特許文献1記載の発明は、レターボックス版における黒帯部分と実映像部分との境界部分に輪郭補正を行わないようにするため、入力された映像信号の各ライン毎に信号レベルの平均値を求め、着目ラインの平均値とその上下のラインの平均値を比較する構成となっていて、着目ラインと上ライン、又は、着目ラインと下ラインとの間で平均値を比較し、ライン毎に平均値が異なる場合には映像部分と判断して輪郭補正を行い、上下のラインと比較した結果平均値の差が無かった場合には無画像部分と判断して輪郭補正を行わないようにしたものである。この様な構成とすることにより、黒帯部分と実映像部分との境界部分において不自然な輪郭強調が行われてしまうことを避けることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−315098号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1記載の発明によれば、黒帯部分と実映像部分との境界部分において不自然な輪郭強調が行われてしまうことを避けることができる。
しかし、レターボックス版の黒帯部分に字幕が入っている場合、上記特許文献1記載の発明による方法でこの字幕部分に輪郭強調を行うには、字幕部分の信号レベルの平均値がライン毎に異なるという比較結果を得なければならないが、字幕部分のライン毎の平均値の差はほとんど無いため、字幕が入っているにもかかわらず、無画像部分と判断されて輪郭強調が行われない可能性がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、レターボックス版の黒帯部分と実映像部分との境界を正確に検出し、この境界部分のみ垂直方向の輪郭補正が行われないように処理する輪郭補正回路を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1Hずつ遅延量の異なる2n+1個(nは自然数)の映像信号を出力するライン遅延部と、この2n+1個の遅延信号のうち中心のラインを着目ラインとして、この着目ラインに対する垂直方向の輪郭成分を抽出する垂直輪郭抽出部と、抽出した輪郭成分を前記中心のラインに加算して出力する加算器と、前記垂直輪郭抽出部からの垂直輪郭成分を加算器に加算するか否かを決定する垂直輪郭制御部とを具備し、この垂直輪郭制御部は、着目ラインとその1H前のライン、及び、着目ラインとその1H後のラインとでそれぞれ、2値化した信号を対応する画素毎に大小を比較し、着目ラインの方が大きいと判断された画素数をカウントし、カウント値とそのラインNo.を記憶し、これを1フレーム間行った結果、カウント値が最大となったラインとその周辺ラインには垂直方向の輪郭補正を行わないためのディゼーブル信号を出力するように構成したことを特徴とする輪郭補正回路である。
【0009】
このような構成とすることで、レターボックス版における黒帯部分と実映像部分との境界を的確に判別し、境界部分に該当する数ラインのみ垂直輪郭補正を行わないようにできるため、黒帯部分に字幕が入っている場合でも、字幕に垂直輪郭補正処理を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明は、レターボックス版における黒帯部分と実映像部分との境界を的確に判別し、境界部分に該当する数ラインのみ垂直輪郭補正を行わないようにし、他の部分では垂直輪郭補正を行うようにした点が特徴であり、特に、レターボックス版における黒帯部分と実映像部分との境界を判別するための回路構成に特徴を持つものである。
【0011】
図1は、本発明による輪郭補正回路を示したブロック図である。図1において、映像信号入力端子11からの映像信号はライン遅延部12に入力され、このライン遅延部12では、入力信号をそのまま出力した0Hディレイ信号と、1H前の入力信号を1ライン遅延させて出力した1Hディレイ信号と、2H前の入力信号を2ライン遅延させて出力した2Hディレイ信号と、3H前の入力信号を3ライン遅延させて出力した3Hディレイ信号と、4H前の入力信号を4ライン遅延させて出力した4Hディレイ信号とがそれぞれラインメモリを用いて生成される。これらの0H、1H、2H、3H、4Hのそれぞれの信号は、後段の垂直輪郭抽出部14に出力され、また、前記2Hディレイ信号は遅延調整部13に、1Hディレイ信号、2Hディレイ信号、3Hディレイ信号は垂直輪郭制御部15にそれぞれ出力される。前記垂直輪郭抽出部14の出力は、輪郭成分加算部19内部のAND回路17に入力され、同様に、垂直輪郭制御部15の出力も反転回路16を介してAND回路17に入力される。遅延調整部13の出力は、輪郭成分加算部19内部の加算器18において前記AND回路17の出力と加算されて、後段の映像信号出力端子20から出力される。
【0012】
垂直輪郭抽出部14は、例えば、図3に示すように、5タップのFIRフィルタで構成されている。この図3において、0Hディレイ信号は乗算器21に入力されて−1/4倍された後、加算回路26に入力される。同様に、1Hディレイ信号は乗算器22で0倍、2Hディレイ信号は乗算器23で1/2倍、3Hディレイ信号は乗算器24で0倍、4Hディレイ信号は乗算器25で−1/4倍された後、加算回路26に入力される。加算回路26ではこれらの入力された信号を加算したものを垂直輪郭成分27としてAND回路17に出力する。
【0013】
垂直輪郭制御部15は、現在の着目ラインが、映像信号における黒帯部分と実映像部分との境界部分に該当するかどうかを判断し、境界部分ではない場合には、輪郭強調を行うために垂直輪郭抽出部14で生成された垂直輪郭成分をAND回路17から加算器18に出力し、境界部分に該当する場合には、輪郭強調を行いたくないので、垂直輪郭成分をAND回路17から加算器18に出力しないようにする構成とした。
つまり、垂直輪郭制御部15では、現在の着目ラインが境界部分ではない場合には、信号“0”を出力、即ち、反転回路16を介してAND回路17に信号“1”を出力し、現在の着目ラインが境界部分である場合には、信号“1”を出力、即ち、反転回路16を介してAND回路17に信号“0”を出力する構成とした。
【0014】
図4は、垂直輪郭制御部15の構成を詳しく説明したブロック図である。図4において、28、29、30は、それぞれ3Hディレイ信号入力端子、2Hディレイ信号入力端子、1Hディレイ信号入力端子であり、これらの入力端子からの3Hディレイ信号、2Hディレイ信号、1Hディレイ信号は、2値化変換部32に入力されて、それぞれ2値化処理される。このとき2値化変換部32では、2値化スレッショルドレベル入力端子31から入力されるスレッショルドレベルを基準として2値化処理を行うが、例えば8ビット映像の場合には、0から255まであるレベルのうち、16、32等を基準レベルとして2値化処理を行う。3Hディレイ信号を2値化処理した出力は比較器33のB入力に入力され、2Hディレイ信号を2値化処理した出力は比較器33のA入力、及び、比較器34のA入力に入力され、1Hディレイ信号を2値化処理した出力は比較器34のB入力に入力される。
【0015】
比較器33では、2Hディレイ信号を2値化処理したA入力と3Hディレイ信号を2値化処理したB入力とで、それぞれ垂直方向で対応する画素を比較して、A入力の方が大きい場合には後段の比較結果積算部35に“1”を出力し、同じかB入力の方が大きい場合には後段の比較結果積算部35に“0”を出力する。同様に、比較器34では、2Hディレイ信号を2値化処理したA入力と1Hディレイ信号を2値化処理したB入力とで、それぞれ垂直方向で対応する画素を比較して、A入力の方が大きい場合には後段の比較結果積算部36に“1”を出力し、同じかB入力の方が大きい場合には後段の比較結果積算部36に“0”を出力する。
【0016】
比較結果積算部35は、前記比較器33からの比較結果の出力を1ラインの間カウントして、そのカウント値を後段の最大値検出部45の最大カウント値検出部41に出力する。この比較結果積算部35には、映像有効範囲入力端子37から映像有効範囲信号が入力され、これをカウントイネーブル信号として用い、また、映像有効範囲信号を微分回路39で立上り微分した信号が入力され、これをカウントリセット信号として用いている。同様に、比較結果積算部36は、前記比較器34からの比較結果の出力を1ラインの間カウントして、そのカウント値を後段の最大値検出部45の最大カウント値検出部42に出力する。この比較結果積算部36にも、映像有効範囲入力端子37から映像有効範囲信号が入力され、これをカウントイネーブル信号として用い、また、映像有効範囲信号を微分回路39で立上り微分した信号が入力され、これをカウントリセット信号として用いている。
【0017】
最大値検出部45は、最大カウント値検出部41、最大カウント値検出部42、最大値ラインNo.記憶部43、及び、最大値ラインNo.記憶部44からなり、1フレーム中において最大のカウント値となるラインNo.を記憶/更新するとともに、これをフレーム単位で記憶/更新する構成となっている。
【0018】
このうち、最大カウント値検出部41は、先ず、前記比較結果積算部35から入力される1フレーム中の最初にカウントしたラインのカウント値とそのラインNo.を記憶し、次に、この最初にカウントのラインのカウント値と入力されてきたカウント値を比較して、記憶したカウント値を上回る値のカウント値が入力された場合はそのラインNo.とカウント値を更新して記憶し、これを繰り返して1フレーム分行った後、最大のカウント値であったラインNo.を後段の最大値ラインNo.記憶部43に出力する。
同様に、最大カウント値検出部42は、先ず、前記比較結果積算部36から入力される1フレーム中の最初にカウントしたラインのカウント値とそのラインNo.を記憶し、次に、この最初にカウントのラインのカウント値と入力されてきたカウント値を比較して、記憶したカウント値を上回る値のカウント値が入力された場合はそのラインNo.とカウント値を更新して記憶し、これを繰り返して1フレーム分行った後、最大のカウント値であったラインNo.を後段の最大値ラインNo.記憶部44に出力する。
【0019】
これらの最大カウント値検出部41、最大カウント値検出部42には、映像有効範囲入力端子37からの映像有効範囲信号を微分回路39で立下り微分した信号が入力され、この信号が入力されるタイミングで、記憶したカウント値を上回る値のカウント値が入力された場合はラインNo.とカウント値を更新する。
また、最大カウント値検出部41、最大カウント値検出部42には、フレーム先頭信号入力端子38からのフレーム先頭信号が入力され、この信号が入力されるタイミングで、1フレーム分として記憶された最大カウント値とラインNo.をクリアするとともに、後段の最大値ラインNo.記憶部43、最大値ラインNo.記憶部44に最大カウント値であったラインNo.をそれぞれ出力する構成となっている。
【0020】
最大値ラインNo.記憶部43は、前記最大カウント値検出部41から入力されたラインNo.を既存のデータに上書きし、また、フレーム先頭信号入力端子38からフレーム先頭信号が入力されると記憶しているラインNo.を後段の輪郭補正制御部46における輪郭補正ディゼーブルライン算出部47に出力する。同様に、最大値ラインNo.記憶部44は、前記最大カウント値検出部42から入力されたラインNo.を既存のデータに上書きし、また、フレーム先頭信号入力端子38からフレーム先頭信号が入力されると記憶しているラインNo.を後段の輪郭補正制御部46における輪郭補正ディゼーブルライン算出部48に出力する。
【0021】
輪郭補正制御部46は、輪郭補正ディゼーブルライン算出部47、輪郭補正ディゼーブルライン算出部48、一致検出部49、一致検出部50、及び、OR回路51からなり、前記最大値検出部45において検出した黒帯部分と実映像部分との境界に該当するラインNo.に基づいて、その該当ライン及びその周辺ラインに対して垂直方向の輪郭補正が行われないようにディゼーブル信号を生成して出力する構成となっている。
【0022】
輪郭補正ディゼーブルライン算出部47は、前記最大値ラインNo.記憶部43から入力されたラインNo.とその周辺のラインに垂直方向の輪郭補正が行われないように、その入力されたラインNo.及びその周辺ラインNo.を一致検出部49に出力する。例えば、図2に示すように、レターボックス版の上側の境界部分におけるカウント値最大ラインのラインNo.を(A)とすると、この輪郭補正ディゼーブルライン算出部47では、輪郭補正を行わないラインNo.として、(A−2)、(A−1)、(A)、(A+1)の4ラインを後段の一致検出部49に出力する。ここで、輪郭補正を行わないライン数を4ラインとしているのは、垂直輪郭成分の抽出を着目ラインとその上下2ラインずつの計5ラインを用いて行っているからであり、レターボックス版の黒帯部分と実映像部分との境界を含まない垂直輪郭成分の抽出を行うには、この4ラインに輪郭補正を行わないようにすればよい。
【0023】
同様に、輪郭補正ディゼーブルライン算出部48は、前記最大値ラインNo.記憶部44から入力されたラインNo.とその周辺のラインに垂直方向の輪郭補正が行われないように、その入力されたラインNo.及びその周辺ラインNo.を一致検出部50に出力する。例えば、図2に示すように、レターボックス版の下側の境界部分におけるカウント値最大ラインのラインNo.を(B)とすると、この輪郭補正ディゼーブルライン算出部47では、輪郭補正を行わないラインNo.として、(B−1)、(B)、(B+1)、(B+2)の4ラインを後段の一致検出部49に出力する。
【0024】
一致検出部49は、ラインカウンタ40から入力されるラインNo.と前記輪郭補正ディゼーブルライン算出部47で指定された輪郭補正を行わないラインNo.とを比較して一致又は不一致を判断するものであり、不一致の場合は“0”を後段のOR回路51に出力し、一致の場合には“1”を後段のOR回路51に出力する。同様に、一致検出部50は、ラインカウンタ40から入力されるラインNo.と前記輪郭補正ディゼーブルライン算出部48で指定された輪郭補正を行わないラインNo.とを比較して一致又は不一致を判断するものであり、不一致の場合は“0”を後段のOR回路51に出力し、一致の場合には“1”を後段のOR回路51に出力する。
なお、ラインカウンタ40は、映像有効範囲入力端子37から映像有効範囲信号が入力され、これをカウントイネーブル信号として用いる構成となっており、また、フレーム先頭信号入力端子38からのフレーム先頭信号をカウントリセット信号として用いることで、1フレームの先頭で累積のカウント数をリセットして、それぞれのフレーム毎にライン数をカウントする構成となっている。
【0025】
OR回路51は、一致検出部49からの“0”又は“1”の出力と一致検出部50からの“0”又は“1”の出力とが入力され、この両者の入力の論理和をとって出力する回路である。つまり、一致検出部49又は一致検出部50の何れか一方の出力が“1”のとき、OR回路51の出力は“1”となり、一致検出部49と一致検出部50との両方の出力が共に“0”のとき、OR回路51の出力は“0”となる。このOR回路51の出力は、図1に示すブロック図の輪郭成分加算部19において、輪郭補正ディゼーブル信号52として反転回路16を介してAND回路17に入力される。
【0026】
上記のような構成における作用を説明する。図1において、ライン遅延部12でそれぞれ遅延された5ライン分の信号は、垂直輪郭抽出部14に入力されて垂直輪郭成分が抽出される。また、ライン遅延部12でそれぞれ遅延された5ライン分の信号のうち、1Hディレイ信号、2Hディレイ信号及び3Hディレイ信号が垂直輪郭制御部15に入力されて、垂直方向の輪郭補正を行わないラインが検出される。この垂直輪郭制御部15では、図4に示すように、1Hディレイ信号、2Hディレイ信号、3Hディレイ信号をそれぞれ2値化処理した後、着目ラインとしての2Hディレイ信号と、その上下のラインとしての3Hディレイ信号、1Hディレイ信号をそれぞれ比較して着目ラインの方が大きい画素数を積算し、その積算値が最大となるラインをレターボックス版の黒帯部分と実映像部分との境界部分と判断して、その部分には垂直方向の輪郭補正を行わないようにしている。
【0027】
図2の例で説明すると、上側の黒帯部分と実映像部分との境界は、着目ライン(A)と1ライン前の(A−1)ラインとを比較したときに積算値が最大となる場合である。つまり、上側の黒帯部分と実映像部分との境界は、着目ラインとその1ライン前のラインを比較したときに検出できるものであり、これは比較器33で検出できることになる。逆に、下側の黒帯部分と実映像部分との境界は、着目ライン(B)と1ライン前の(B+1)ラインとを比較したときに積算値が最大となる場合である。つまり、下側の黒帯部分と実映像部分との境界は、着目ラインとその1ライン後のラインを比較したときに検出できるものであり、これは比較器34で検出できることになる。このようにして検出した黒帯部分と実映像部分との境界の前後2ラインの計4ライン、つまり、上側と下側で4ラインずつについてのみ垂直方向の輪郭補正を行わないようにしている。
【0028】
このように、境界部分のみに輪郭補正を行えるようにしたことにより、従来技術において問題点であった、上下に設けた黒帯部分と実映像部分との境界部分が不自然に強調されてしまうという問題は解消され、また、上下に設けた黒帯部分と実映像部分との境界部分には輪郭補正を行わず、黒帯部分には輪郭補正を行うことができるため、例えば、黒帯部分に字幕が入っているような映像においては、字幕部分に輪郭強調を行うことが出来る構成となっている。
【0029】
前記実施例において、垂直輪郭抽出部14は、図3に示すように、5タップのFIRフィルタとし、係数の組合せとして(−1/4,0,1/2,0,−1/4)を設定しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、係数の組合せが(−1/4,1/2,−1/4)である3タップのFIRフィルタを用いて垂直輪郭成分を抽出するようにしてもよい。
【0030】
前記実施例では、2値化変換部32では、2値化スレッショルドレベル入力端子31から入力されるスレッショルドレベルを輝度レベルが0から255まであるうちの16、32等を基準レベルとして2値化処理を行うようにした。これは、前記実施例の場合、入力映像信号が8ビット信号で輝度レベルが0から255まであるとすると、レターボックス版の黒帯部分の輝度レベルは15程度であり、これを2値化処理したときに“0”と判断させるために、16、32等を基準レベルとして2値化処理を行うようにしたものである。この様に、2値化スレッショルドレベルは、ビット数や黒帯部分の輝度レベル等によって調整すべき値であり、前記実施例の16、32に限定されるものではない。よって、任意のスレッショルドレベルを設定できるものであるが、実映像部分の多くが“0”と判断される状況は好ましくなく、スレッショルドレベルは黒帯部分と実映像部分を区別できる程度のあまり大きくない基準レベルを設けることが好ましい。
【0031】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、1Hずつ遅延量の異なる2n+1個(nは自然数)の映像信号を出力するライン遅延部と、この2n+1個の遅延信号のうち中心のラインを着目ラインとして、この着目ラインに対する垂直方向の輪郭成分を抽出する垂直輪郭抽出部と、抽出した輪郭成分を前記中心のラインに加算して出力する加算器と、前記垂直輪郭抽出部からの垂直輪郭成分を加算器に加算するか否かを決定する垂直輪郭制御部とを具備し、この垂直輪郭制御部は、着目ラインとその1H前のライン、及び、着目ラインとその1H後のラインとでそれぞれ、2値化した信号を対応する画素毎に大小を比較し、着目ラインの方が大きいと判断された画素数をカウントし、カウント値とそのラインNo.を記憶し、これを1フレーム間行った結果、カウント値が最大となったラインとその周辺ラインには垂直方向の輪郭補正を行わないためのディゼーブル信号を出力するようにしたので、境界部分に該当する数ラインのみ垂直輪郭補正を行わないようにでき、黒帯部分に字幕が入っている場合でも、字幕に垂直輪郭補正を行うことができる。
【0032】
請求項2記載の発明によれば、1Hずつ遅延量の異なる2n+1個(nは自然数)の映像信号を出力するライン遅延部と、この2n+1個の遅延信号のうち中心のラインを着目ラインとして、この着目ラインに対する垂直方向の輪郭成分を抽出する垂直輪郭抽出部と、抽出した輪郭成分を前記中心のラインに加算して出力する加算器と、前記垂直輪郭抽出部からの垂直輪郭成分を加算器に加算するか否かを決定する垂直輪郭制御部とを具備し、前記垂直輪郭制御部は、着目ライン、着目ラインの1H前のライン及び着目ラインの1H後のラインについてそれぞれ2値化スレッショルドレベルに基づいて2値化処理を行う2値化変換部と、着目ラインとその1H前のラインとで垂直方向に対応した画素の2値化処理後の値を比較して着目ラインの方が大きい画素については“1”を出力する一方の比較器と、着目ラインとその1H後のラインとで垂直方向に対応した画素の2値化処理後の値を比較して着目ラインの方が大きい画素については“1”を出力する他方の比較器と、一方の比較器の出力を積算してカウントする一方の比較結果積算部と、他方の比較器の出力を積算してカウントする他方の比較結果積算部と、それぞれの比較結果積算部からのカウント値が過去ラインのカウント値よりも大きい場合にそのカウント値とラインNo.を一方側と他方側でそれぞれ記憶して1フレーム間でカウント値が最大であったラインNo.を一方側と他方側でそれぞれ出力する最大値検出部と、カウント値が最大であったラインNo.を一方側と他方側でそれぞれ(A)、(B)としたときに、ラインNo.が(A−n)、・・・、(A−1)、(A)、・・・、(A+n−1)の2n個のラインと、(B−(n−1))、・・・、(B)、(B+1)、・・・、(B+n)の2n個のラインに輪郭補正を行わないためのディゼーブル信号を出力する輪郭補正制御部とからなるようにしたので、レターボックス版における黒帯部分と実映像部分との境界を的確に判別することができる。
【0033】
請求項3記載の発明によれば、入力映像信号と1Hずつ遅延量の異なる4つの遅延信号とからなる5つの信号を出力するライン遅延部と、この5つの信号のうち中心のラインとなる2H遅延信号を着目ラインとして、この着目ラインに対する垂直方向の輪郭成分を抽出する垂直輪郭抽出部と、抽出した輪郭成分を前記中心となる着目ラインに加算して出力する加算器と、前記垂直輪郭抽出部からの垂直輪郭成分を加算器に加算するか否かを決定する垂直輪郭制御部とを具備し、この垂直輪郭制御部は、着目ラインとその1H前のライン、及び、着目ラインとその1H後のラインとでそれぞれ、2値化した信号を対応する画素毎に大小を比較し、着目ラインの方が大きいと判断された画素数をカウントし、カウント値とそのラインNo.を記憶し、これを1フレーム間行った結果、カウント値が最大となったラインとその周辺ラインには垂直方向の輪郭補正を行わないためのディゼーブル信号を出力するようにしたので、境界部分に該当する数ラインのみ垂直輪郭補正を行わないようにでき、黒帯部分に字幕が入っている場合でも、字幕に垂直輪郭補正を行うことができる。
【0034】
請求項4記載の発明によれば、入力映像信号と1Hずつ遅延量の異なる4つの遅延信号とからなる5つの信号を出力するライン遅延部と、この5つの信号のうち中心のラインとなる2H遅延信号を着目ラインとして、この着目ラインに対する垂直方向の輪郭成分を抽出する垂直輪郭抽出部と、抽出した輪郭成分を前記中心となる着目ラインに加算して出力する加算器と、前記垂直輪郭抽出部からの垂直輪郭成分を加算器に加算するか否かを決定する垂直輪郭制御部とを具備し、前記垂直輪郭制御部は、着目ライン、着目ラインの1H前のライン及び着目ラインの1H後のラインについてそれぞれ2値化スレッショルドレベルに基づいて2値化処理を行う2値化変換部と、着目ラインとその1H前のラインとで垂直方向に対応した画素の2値化処理後の値を比較して着目ラインの方が大きい画素については“1”を出力する一方の比較器と、着目ラインとその1H後のラインとで垂直方向に対応した画素の2値化処理後の値を比較して着目ラインの方が大きい画素については“1”を出力する他方の比較器と、一方の比較器の出力を積算してカウントする一方の比較結果積算部と、他方の比較器の出力を積算してカウントする他方の比較結果積算部と、それぞれの比較結果積算部からのカウント値が過去ラインのカウント値よりも大きい場合にそのカウント値とラインNo.を一方側と他方側でそれぞれ記憶して1フレーム間でカウント値が最大であったラインNo.を一方側と他方側でそれぞれ出力する最大値検出部と、カウント値が最大であったラインNo.を一方側と他方側でそれぞれ(A)、(B)としたときに、ラインNo.が(A−2)、(A−1)、(A)、(A+1)の4ラインと、(B−1)、(B)、(B+1)、(B+2)の4ラインに輪郭補正を行わないためのディゼーブル信号を出力する輪郭補正制御部とからなるようにしたので、レターボックス版における黒帯部分と実映像部分との境界を的確に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による輪郭補正回路の構成を示したブロック図である。
【図2】図1の輪郭補正回路における垂直輪郭制御部15を用いてレターボックス版の上下の黒帯部分と実映像部分との境界を検出するための最大値ライン、及び、輪郭補正を行わない4ラインを示した模式図である。
【図3】図1の輪郭補正回路における垂直輪郭抽出部14の構成を示したブロック図である。
【図4】図1の輪郭補正回路における垂直輪郭制御部15の詳細な構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
11…映像信号入力端子、12…ライン遅延部、13…遅延調整部、14…垂直輪郭抽出部、15…垂直輪郭制御部、16…反転回路、17…AND回路、18…加算器、19…輪郭成分加算部、20…映像信号出力端子、21…乗算器、22…乗算器、23…乗算器、24…乗算器、25…乗算器、26…加算回路、27…垂直輪郭成分、28…3Hディレイ信号入力端子、29…2Hディレイ信号入力端子、30…1Hディレイ信号入力端子、31…2値化スレッショルドレベル入力端子、32…2値化変換部、33…比較器、34…比較器、35…比較結果積算部、36…比較結果積算部、37…映像有効範囲入力端子、38…フレーム先頭信号入力端子、39…微分回路、40…ラインカウンタ、41…最大カウント値検出部、42…最大カウント値検出部、43…最大値ラインNo.記憶部、44…最大値ラインNo.記憶部、45…最大値検出部、46…輪郭補正制御部、47…輪郭補正ディゼーブルライン算出部、48…輪郭補正ディゼーブルライン算出部、49…一致検出部、50…一致検出部、51…OR回路、52…輪郭補正ディゼーブル信号。
【発明の属する技術分野】
本発明は、レターボックス版と呼ばれる原映像の上下に黒い帯部分を設けた映像において、その黒帯部分と実映像部分との境界では輪郭補正が行われないようにした輪郭補正回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フィルム映画の規格としてビスタサイズとシネスコサイズが使用されており、ビスタサイズは縦横の長さの比率が1:1.66、又は、1:1.85の規格であり、シネスコサイズは縦横の長さの比率が1:2.35の規格である。これらの規格のフィルム映画をビデオ化する場合には、原映像をトリミングによって縦横の比率を調整して画面全体に映像が表示されるように拡大したものと、原映像の上下に黒い帯部分を設けることによってノートリミングで映像を収録したものとがあり、特に後者はレターボックス版と呼ばれている。
【0003】
レターボックス版は、フィルム映画をそのままの比率で収録することができるものであるが、上下に黒帯部分を有するので、垂直方向に輪郭補正を行うと、この上下に設けた黒帯部分と実映像部分との境界部分が不自然に強調されてしまうという問題があった。この問題を解決するための技術として、例えば特許文献1記載の発明が挙げられる。
【0004】
特許文献1記載の発明は、レターボックス版における黒帯部分と実映像部分との境界部分に輪郭補正を行わないようにするため、入力された映像信号の各ライン毎に信号レベルの平均値を求め、着目ラインの平均値とその上下のラインの平均値を比較する構成となっていて、着目ラインと上ライン、又は、着目ラインと下ラインとの間で平均値を比較し、ライン毎に平均値が異なる場合には映像部分と判断して輪郭補正を行い、上下のラインと比較した結果平均値の差が無かった場合には無画像部分と判断して輪郭補正を行わないようにしたものである。この様な構成とすることにより、黒帯部分と実映像部分との境界部分において不自然な輪郭強調が行われてしまうことを避けることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−315098号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1記載の発明によれば、黒帯部分と実映像部分との境界部分において不自然な輪郭強調が行われてしまうことを避けることができる。
しかし、レターボックス版の黒帯部分に字幕が入っている場合、上記特許文献1記載の発明による方法でこの字幕部分に輪郭強調を行うには、字幕部分の信号レベルの平均値がライン毎に異なるという比較結果を得なければならないが、字幕部分のライン毎の平均値の差はほとんど無いため、字幕が入っているにもかかわらず、無画像部分と判断されて輪郭強調が行われない可能性がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、レターボックス版の黒帯部分と実映像部分との境界を正確に検出し、この境界部分のみ垂直方向の輪郭補正が行われないように処理する輪郭補正回路を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1Hずつ遅延量の異なる2n+1個(nは自然数)の映像信号を出力するライン遅延部と、この2n+1個の遅延信号のうち中心のラインを着目ラインとして、この着目ラインに対する垂直方向の輪郭成分を抽出する垂直輪郭抽出部と、抽出した輪郭成分を前記中心のラインに加算して出力する加算器と、前記垂直輪郭抽出部からの垂直輪郭成分を加算器に加算するか否かを決定する垂直輪郭制御部とを具備し、この垂直輪郭制御部は、着目ラインとその1H前のライン、及び、着目ラインとその1H後のラインとでそれぞれ、2値化した信号を対応する画素毎に大小を比較し、着目ラインの方が大きいと判断された画素数をカウントし、カウント値とそのラインNo.を記憶し、これを1フレーム間行った結果、カウント値が最大となったラインとその周辺ラインには垂直方向の輪郭補正を行わないためのディゼーブル信号を出力するように構成したことを特徴とする輪郭補正回路である。
【0009】
このような構成とすることで、レターボックス版における黒帯部分と実映像部分との境界を的確に判別し、境界部分に該当する数ラインのみ垂直輪郭補正を行わないようにできるため、黒帯部分に字幕が入っている場合でも、字幕に垂直輪郭補正処理を行うことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明は、レターボックス版における黒帯部分と実映像部分との境界を的確に判別し、境界部分に該当する数ラインのみ垂直輪郭補正を行わないようにし、他の部分では垂直輪郭補正を行うようにした点が特徴であり、特に、レターボックス版における黒帯部分と実映像部分との境界を判別するための回路構成に特徴を持つものである。
【0011】
図1は、本発明による輪郭補正回路を示したブロック図である。図1において、映像信号入力端子11からの映像信号はライン遅延部12に入力され、このライン遅延部12では、入力信号をそのまま出力した0Hディレイ信号と、1H前の入力信号を1ライン遅延させて出力した1Hディレイ信号と、2H前の入力信号を2ライン遅延させて出力した2Hディレイ信号と、3H前の入力信号を3ライン遅延させて出力した3Hディレイ信号と、4H前の入力信号を4ライン遅延させて出力した4Hディレイ信号とがそれぞれラインメモリを用いて生成される。これらの0H、1H、2H、3H、4Hのそれぞれの信号は、後段の垂直輪郭抽出部14に出力され、また、前記2Hディレイ信号は遅延調整部13に、1Hディレイ信号、2Hディレイ信号、3Hディレイ信号は垂直輪郭制御部15にそれぞれ出力される。前記垂直輪郭抽出部14の出力は、輪郭成分加算部19内部のAND回路17に入力され、同様に、垂直輪郭制御部15の出力も反転回路16を介してAND回路17に入力される。遅延調整部13の出力は、輪郭成分加算部19内部の加算器18において前記AND回路17の出力と加算されて、後段の映像信号出力端子20から出力される。
【0012】
垂直輪郭抽出部14は、例えば、図3に示すように、5タップのFIRフィルタで構成されている。この図3において、0Hディレイ信号は乗算器21に入力されて−1/4倍された後、加算回路26に入力される。同様に、1Hディレイ信号は乗算器22で0倍、2Hディレイ信号は乗算器23で1/2倍、3Hディレイ信号は乗算器24で0倍、4Hディレイ信号は乗算器25で−1/4倍された後、加算回路26に入力される。加算回路26ではこれらの入力された信号を加算したものを垂直輪郭成分27としてAND回路17に出力する。
【0013】
垂直輪郭制御部15は、現在の着目ラインが、映像信号における黒帯部分と実映像部分との境界部分に該当するかどうかを判断し、境界部分ではない場合には、輪郭強調を行うために垂直輪郭抽出部14で生成された垂直輪郭成分をAND回路17から加算器18に出力し、境界部分に該当する場合には、輪郭強調を行いたくないので、垂直輪郭成分をAND回路17から加算器18に出力しないようにする構成とした。
つまり、垂直輪郭制御部15では、現在の着目ラインが境界部分ではない場合には、信号“0”を出力、即ち、反転回路16を介してAND回路17に信号“1”を出力し、現在の着目ラインが境界部分である場合には、信号“1”を出力、即ち、反転回路16を介してAND回路17に信号“0”を出力する構成とした。
【0014】
図4は、垂直輪郭制御部15の構成を詳しく説明したブロック図である。図4において、28、29、30は、それぞれ3Hディレイ信号入力端子、2Hディレイ信号入力端子、1Hディレイ信号入力端子であり、これらの入力端子からの3Hディレイ信号、2Hディレイ信号、1Hディレイ信号は、2値化変換部32に入力されて、それぞれ2値化処理される。このとき2値化変換部32では、2値化スレッショルドレベル入力端子31から入力されるスレッショルドレベルを基準として2値化処理を行うが、例えば8ビット映像の場合には、0から255まであるレベルのうち、16、32等を基準レベルとして2値化処理を行う。3Hディレイ信号を2値化処理した出力は比較器33のB入力に入力され、2Hディレイ信号を2値化処理した出力は比較器33のA入力、及び、比較器34のA入力に入力され、1Hディレイ信号を2値化処理した出力は比較器34のB入力に入力される。
【0015】
比較器33では、2Hディレイ信号を2値化処理したA入力と3Hディレイ信号を2値化処理したB入力とで、それぞれ垂直方向で対応する画素を比較して、A入力の方が大きい場合には後段の比較結果積算部35に“1”を出力し、同じかB入力の方が大きい場合には後段の比較結果積算部35に“0”を出力する。同様に、比較器34では、2Hディレイ信号を2値化処理したA入力と1Hディレイ信号を2値化処理したB入力とで、それぞれ垂直方向で対応する画素を比較して、A入力の方が大きい場合には後段の比較結果積算部36に“1”を出力し、同じかB入力の方が大きい場合には後段の比較結果積算部36に“0”を出力する。
【0016】
比較結果積算部35は、前記比較器33からの比較結果の出力を1ラインの間カウントして、そのカウント値を後段の最大値検出部45の最大カウント値検出部41に出力する。この比較結果積算部35には、映像有効範囲入力端子37から映像有効範囲信号が入力され、これをカウントイネーブル信号として用い、また、映像有効範囲信号を微分回路39で立上り微分した信号が入力され、これをカウントリセット信号として用いている。同様に、比較結果積算部36は、前記比較器34からの比較結果の出力を1ラインの間カウントして、そのカウント値を後段の最大値検出部45の最大カウント値検出部42に出力する。この比較結果積算部36にも、映像有効範囲入力端子37から映像有効範囲信号が入力され、これをカウントイネーブル信号として用い、また、映像有効範囲信号を微分回路39で立上り微分した信号が入力され、これをカウントリセット信号として用いている。
【0017】
最大値検出部45は、最大カウント値検出部41、最大カウント値検出部42、最大値ラインNo.記憶部43、及び、最大値ラインNo.記憶部44からなり、1フレーム中において最大のカウント値となるラインNo.を記憶/更新するとともに、これをフレーム単位で記憶/更新する構成となっている。
【0018】
このうち、最大カウント値検出部41は、先ず、前記比較結果積算部35から入力される1フレーム中の最初にカウントしたラインのカウント値とそのラインNo.を記憶し、次に、この最初にカウントのラインのカウント値と入力されてきたカウント値を比較して、記憶したカウント値を上回る値のカウント値が入力された場合はそのラインNo.とカウント値を更新して記憶し、これを繰り返して1フレーム分行った後、最大のカウント値であったラインNo.を後段の最大値ラインNo.記憶部43に出力する。
同様に、最大カウント値検出部42は、先ず、前記比較結果積算部36から入力される1フレーム中の最初にカウントしたラインのカウント値とそのラインNo.を記憶し、次に、この最初にカウントのラインのカウント値と入力されてきたカウント値を比較して、記憶したカウント値を上回る値のカウント値が入力された場合はそのラインNo.とカウント値を更新して記憶し、これを繰り返して1フレーム分行った後、最大のカウント値であったラインNo.を後段の最大値ラインNo.記憶部44に出力する。
【0019】
これらの最大カウント値検出部41、最大カウント値検出部42には、映像有効範囲入力端子37からの映像有効範囲信号を微分回路39で立下り微分した信号が入力され、この信号が入力されるタイミングで、記憶したカウント値を上回る値のカウント値が入力された場合はラインNo.とカウント値を更新する。
また、最大カウント値検出部41、最大カウント値検出部42には、フレーム先頭信号入力端子38からのフレーム先頭信号が入力され、この信号が入力されるタイミングで、1フレーム分として記憶された最大カウント値とラインNo.をクリアするとともに、後段の最大値ラインNo.記憶部43、最大値ラインNo.記憶部44に最大カウント値であったラインNo.をそれぞれ出力する構成となっている。
【0020】
最大値ラインNo.記憶部43は、前記最大カウント値検出部41から入力されたラインNo.を既存のデータに上書きし、また、フレーム先頭信号入力端子38からフレーム先頭信号が入力されると記憶しているラインNo.を後段の輪郭補正制御部46における輪郭補正ディゼーブルライン算出部47に出力する。同様に、最大値ラインNo.記憶部44は、前記最大カウント値検出部42から入力されたラインNo.を既存のデータに上書きし、また、フレーム先頭信号入力端子38からフレーム先頭信号が入力されると記憶しているラインNo.を後段の輪郭補正制御部46における輪郭補正ディゼーブルライン算出部48に出力する。
【0021】
輪郭補正制御部46は、輪郭補正ディゼーブルライン算出部47、輪郭補正ディゼーブルライン算出部48、一致検出部49、一致検出部50、及び、OR回路51からなり、前記最大値検出部45において検出した黒帯部分と実映像部分との境界に該当するラインNo.に基づいて、その該当ライン及びその周辺ラインに対して垂直方向の輪郭補正が行われないようにディゼーブル信号を生成して出力する構成となっている。
【0022】
輪郭補正ディゼーブルライン算出部47は、前記最大値ラインNo.記憶部43から入力されたラインNo.とその周辺のラインに垂直方向の輪郭補正が行われないように、その入力されたラインNo.及びその周辺ラインNo.を一致検出部49に出力する。例えば、図2に示すように、レターボックス版の上側の境界部分におけるカウント値最大ラインのラインNo.を(A)とすると、この輪郭補正ディゼーブルライン算出部47では、輪郭補正を行わないラインNo.として、(A−2)、(A−1)、(A)、(A+1)の4ラインを後段の一致検出部49に出力する。ここで、輪郭補正を行わないライン数を4ラインとしているのは、垂直輪郭成分の抽出を着目ラインとその上下2ラインずつの計5ラインを用いて行っているからであり、レターボックス版の黒帯部分と実映像部分との境界を含まない垂直輪郭成分の抽出を行うには、この4ラインに輪郭補正を行わないようにすればよい。
【0023】
同様に、輪郭補正ディゼーブルライン算出部48は、前記最大値ラインNo.記憶部44から入力されたラインNo.とその周辺のラインに垂直方向の輪郭補正が行われないように、その入力されたラインNo.及びその周辺ラインNo.を一致検出部50に出力する。例えば、図2に示すように、レターボックス版の下側の境界部分におけるカウント値最大ラインのラインNo.を(B)とすると、この輪郭補正ディゼーブルライン算出部47では、輪郭補正を行わないラインNo.として、(B−1)、(B)、(B+1)、(B+2)の4ラインを後段の一致検出部49に出力する。
【0024】
一致検出部49は、ラインカウンタ40から入力されるラインNo.と前記輪郭補正ディゼーブルライン算出部47で指定された輪郭補正を行わないラインNo.とを比較して一致又は不一致を判断するものであり、不一致の場合は“0”を後段のOR回路51に出力し、一致の場合には“1”を後段のOR回路51に出力する。同様に、一致検出部50は、ラインカウンタ40から入力されるラインNo.と前記輪郭補正ディゼーブルライン算出部48で指定された輪郭補正を行わないラインNo.とを比較して一致又は不一致を判断するものであり、不一致の場合は“0”を後段のOR回路51に出力し、一致の場合には“1”を後段のOR回路51に出力する。
なお、ラインカウンタ40は、映像有効範囲入力端子37から映像有効範囲信号が入力され、これをカウントイネーブル信号として用いる構成となっており、また、フレーム先頭信号入力端子38からのフレーム先頭信号をカウントリセット信号として用いることで、1フレームの先頭で累積のカウント数をリセットして、それぞれのフレーム毎にライン数をカウントする構成となっている。
【0025】
OR回路51は、一致検出部49からの“0”又は“1”の出力と一致検出部50からの“0”又は“1”の出力とが入力され、この両者の入力の論理和をとって出力する回路である。つまり、一致検出部49又は一致検出部50の何れか一方の出力が“1”のとき、OR回路51の出力は“1”となり、一致検出部49と一致検出部50との両方の出力が共に“0”のとき、OR回路51の出力は“0”となる。このOR回路51の出力は、図1に示すブロック図の輪郭成分加算部19において、輪郭補正ディゼーブル信号52として反転回路16を介してAND回路17に入力される。
【0026】
上記のような構成における作用を説明する。図1において、ライン遅延部12でそれぞれ遅延された5ライン分の信号は、垂直輪郭抽出部14に入力されて垂直輪郭成分が抽出される。また、ライン遅延部12でそれぞれ遅延された5ライン分の信号のうち、1Hディレイ信号、2Hディレイ信号及び3Hディレイ信号が垂直輪郭制御部15に入力されて、垂直方向の輪郭補正を行わないラインが検出される。この垂直輪郭制御部15では、図4に示すように、1Hディレイ信号、2Hディレイ信号、3Hディレイ信号をそれぞれ2値化処理した後、着目ラインとしての2Hディレイ信号と、その上下のラインとしての3Hディレイ信号、1Hディレイ信号をそれぞれ比較して着目ラインの方が大きい画素数を積算し、その積算値が最大となるラインをレターボックス版の黒帯部分と実映像部分との境界部分と判断して、その部分には垂直方向の輪郭補正を行わないようにしている。
【0027】
図2の例で説明すると、上側の黒帯部分と実映像部分との境界は、着目ライン(A)と1ライン前の(A−1)ラインとを比較したときに積算値が最大となる場合である。つまり、上側の黒帯部分と実映像部分との境界は、着目ラインとその1ライン前のラインを比較したときに検出できるものであり、これは比較器33で検出できることになる。逆に、下側の黒帯部分と実映像部分との境界は、着目ライン(B)と1ライン前の(B+1)ラインとを比較したときに積算値が最大となる場合である。つまり、下側の黒帯部分と実映像部分との境界は、着目ラインとその1ライン後のラインを比較したときに検出できるものであり、これは比較器34で検出できることになる。このようにして検出した黒帯部分と実映像部分との境界の前後2ラインの計4ライン、つまり、上側と下側で4ラインずつについてのみ垂直方向の輪郭補正を行わないようにしている。
【0028】
このように、境界部分のみに輪郭補正を行えるようにしたことにより、従来技術において問題点であった、上下に設けた黒帯部分と実映像部分との境界部分が不自然に強調されてしまうという問題は解消され、また、上下に設けた黒帯部分と実映像部分との境界部分には輪郭補正を行わず、黒帯部分には輪郭補正を行うことができるため、例えば、黒帯部分に字幕が入っているような映像においては、字幕部分に輪郭強調を行うことが出来る構成となっている。
【0029】
前記実施例において、垂直輪郭抽出部14は、図3に示すように、5タップのFIRフィルタとし、係数の組合せとして(−1/4,0,1/2,0,−1/4)を設定しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、係数の組合せが(−1/4,1/2,−1/4)である3タップのFIRフィルタを用いて垂直輪郭成分を抽出するようにしてもよい。
【0030】
前記実施例では、2値化変換部32では、2値化スレッショルドレベル入力端子31から入力されるスレッショルドレベルを輝度レベルが0から255まであるうちの16、32等を基準レベルとして2値化処理を行うようにした。これは、前記実施例の場合、入力映像信号が8ビット信号で輝度レベルが0から255まであるとすると、レターボックス版の黒帯部分の輝度レベルは15程度であり、これを2値化処理したときに“0”と判断させるために、16、32等を基準レベルとして2値化処理を行うようにしたものである。この様に、2値化スレッショルドレベルは、ビット数や黒帯部分の輝度レベル等によって調整すべき値であり、前記実施例の16、32に限定されるものではない。よって、任意のスレッショルドレベルを設定できるものであるが、実映像部分の多くが“0”と判断される状況は好ましくなく、スレッショルドレベルは黒帯部分と実映像部分を区別できる程度のあまり大きくない基準レベルを設けることが好ましい。
【0031】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、1Hずつ遅延量の異なる2n+1個(nは自然数)の映像信号を出力するライン遅延部と、この2n+1個の遅延信号のうち中心のラインを着目ラインとして、この着目ラインに対する垂直方向の輪郭成分を抽出する垂直輪郭抽出部と、抽出した輪郭成分を前記中心のラインに加算して出力する加算器と、前記垂直輪郭抽出部からの垂直輪郭成分を加算器に加算するか否かを決定する垂直輪郭制御部とを具備し、この垂直輪郭制御部は、着目ラインとその1H前のライン、及び、着目ラインとその1H後のラインとでそれぞれ、2値化した信号を対応する画素毎に大小を比較し、着目ラインの方が大きいと判断された画素数をカウントし、カウント値とそのラインNo.を記憶し、これを1フレーム間行った結果、カウント値が最大となったラインとその周辺ラインには垂直方向の輪郭補正を行わないためのディゼーブル信号を出力するようにしたので、境界部分に該当する数ラインのみ垂直輪郭補正を行わないようにでき、黒帯部分に字幕が入っている場合でも、字幕に垂直輪郭補正を行うことができる。
【0032】
請求項2記載の発明によれば、1Hずつ遅延量の異なる2n+1個(nは自然数)の映像信号を出力するライン遅延部と、この2n+1個の遅延信号のうち中心のラインを着目ラインとして、この着目ラインに対する垂直方向の輪郭成分を抽出する垂直輪郭抽出部と、抽出した輪郭成分を前記中心のラインに加算して出力する加算器と、前記垂直輪郭抽出部からの垂直輪郭成分を加算器に加算するか否かを決定する垂直輪郭制御部とを具備し、前記垂直輪郭制御部は、着目ライン、着目ラインの1H前のライン及び着目ラインの1H後のラインについてそれぞれ2値化スレッショルドレベルに基づいて2値化処理を行う2値化変換部と、着目ラインとその1H前のラインとで垂直方向に対応した画素の2値化処理後の値を比較して着目ラインの方が大きい画素については“1”を出力する一方の比較器と、着目ラインとその1H後のラインとで垂直方向に対応した画素の2値化処理後の値を比較して着目ラインの方が大きい画素については“1”を出力する他方の比較器と、一方の比較器の出力を積算してカウントする一方の比較結果積算部と、他方の比較器の出力を積算してカウントする他方の比較結果積算部と、それぞれの比較結果積算部からのカウント値が過去ラインのカウント値よりも大きい場合にそのカウント値とラインNo.を一方側と他方側でそれぞれ記憶して1フレーム間でカウント値が最大であったラインNo.を一方側と他方側でそれぞれ出力する最大値検出部と、カウント値が最大であったラインNo.を一方側と他方側でそれぞれ(A)、(B)としたときに、ラインNo.が(A−n)、・・・、(A−1)、(A)、・・・、(A+n−1)の2n個のラインと、(B−(n−1))、・・・、(B)、(B+1)、・・・、(B+n)の2n個のラインに輪郭補正を行わないためのディゼーブル信号を出力する輪郭補正制御部とからなるようにしたので、レターボックス版における黒帯部分と実映像部分との境界を的確に判別することができる。
【0033】
請求項3記載の発明によれば、入力映像信号と1Hずつ遅延量の異なる4つの遅延信号とからなる5つの信号を出力するライン遅延部と、この5つの信号のうち中心のラインとなる2H遅延信号を着目ラインとして、この着目ラインに対する垂直方向の輪郭成分を抽出する垂直輪郭抽出部と、抽出した輪郭成分を前記中心となる着目ラインに加算して出力する加算器と、前記垂直輪郭抽出部からの垂直輪郭成分を加算器に加算するか否かを決定する垂直輪郭制御部とを具備し、この垂直輪郭制御部は、着目ラインとその1H前のライン、及び、着目ラインとその1H後のラインとでそれぞれ、2値化した信号を対応する画素毎に大小を比較し、着目ラインの方が大きいと判断された画素数をカウントし、カウント値とそのラインNo.を記憶し、これを1フレーム間行った結果、カウント値が最大となったラインとその周辺ラインには垂直方向の輪郭補正を行わないためのディゼーブル信号を出力するようにしたので、境界部分に該当する数ラインのみ垂直輪郭補正を行わないようにでき、黒帯部分に字幕が入っている場合でも、字幕に垂直輪郭補正を行うことができる。
【0034】
請求項4記載の発明によれば、入力映像信号と1Hずつ遅延量の異なる4つの遅延信号とからなる5つの信号を出力するライン遅延部と、この5つの信号のうち中心のラインとなる2H遅延信号を着目ラインとして、この着目ラインに対する垂直方向の輪郭成分を抽出する垂直輪郭抽出部と、抽出した輪郭成分を前記中心となる着目ラインに加算して出力する加算器と、前記垂直輪郭抽出部からの垂直輪郭成分を加算器に加算するか否かを決定する垂直輪郭制御部とを具備し、前記垂直輪郭制御部は、着目ライン、着目ラインの1H前のライン及び着目ラインの1H後のラインについてそれぞれ2値化スレッショルドレベルに基づいて2値化処理を行う2値化変換部と、着目ラインとその1H前のラインとで垂直方向に対応した画素の2値化処理後の値を比較して着目ラインの方が大きい画素については“1”を出力する一方の比較器と、着目ラインとその1H後のラインとで垂直方向に対応した画素の2値化処理後の値を比較して着目ラインの方が大きい画素については“1”を出力する他方の比較器と、一方の比較器の出力を積算してカウントする一方の比較結果積算部と、他方の比較器の出力を積算してカウントする他方の比較結果積算部と、それぞれの比較結果積算部からのカウント値が過去ラインのカウント値よりも大きい場合にそのカウント値とラインNo.を一方側と他方側でそれぞれ記憶して1フレーム間でカウント値が最大であったラインNo.を一方側と他方側でそれぞれ出力する最大値検出部と、カウント値が最大であったラインNo.を一方側と他方側でそれぞれ(A)、(B)としたときに、ラインNo.が(A−2)、(A−1)、(A)、(A+1)の4ラインと、(B−1)、(B)、(B+1)、(B+2)の4ラインに輪郭補正を行わないためのディゼーブル信号を出力する輪郭補正制御部とからなるようにしたので、レターボックス版における黒帯部分と実映像部分との境界を的確に判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による輪郭補正回路の構成を示したブロック図である。
【図2】図1の輪郭補正回路における垂直輪郭制御部15を用いてレターボックス版の上下の黒帯部分と実映像部分との境界を検出するための最大値ライン、及び、輪郭補正を行わない4ラインを示した模式図である。
【図3】図1の輪郭補正回路における垂直輪郭抽出部14の構成を示したブロック図である。
【図4】図1の輪郭補正回路における垂直輪郭制御部15の詳細な構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
11…映像信号入力端子、12…ライン遅延部、13…遅延調整部、14…垂直輪郭抽出部、15…垂直輪郭制御部、16…反転回路、17…AND回路、18…加算器、19…輪郭成分加算部、20…映像信号出力端子、21…乗算器、22…乗算器、23…乗算器、24…乗算器、25…乗算器、26…加算回路、27…垂直輪郭成分、28…3Hディレイ信号入力端子、29…2Hディレイ信号入力端子、30…1Hディレイ信号入力端子、31…2値化スレッショルドレベル入力端子、32…2値化変換部、33…比較器、34…比較器、35…比較結果積算部、36…比較結果積算部、37…映像有効範囲入力端子、38…フレーム先頭信号入力端子、39…微分回路、40…ラインカウンタ、41…最大カウント値検出部、42…最大カウント値検出部、43…最大値ラインNo.記憶部、44…最大値ラインNo.記憶部、45…最大値検出部、46…輪郭補正制御部、47…輪郭補正ディゼーブルライン算出部、48…輪郭補正ディゼーブルライン算出部、49…一致検出部、50…一致検出部、51…OR回路、52…輪郭補正ディゼーブル信号。
Claims (4)
- 1Hずつ遅延量の異なる2n+1個(nは自然数)の映像信号を出力するライン遅延部と、この2n+1個の遅延信号のうち中心のラインを着目ラインとして、この着目ラインに対する垂直方向の輪郭成分を抽出する垂直輪郭抽出部と、抽出した輪郭成分を前記中心のラインに加算して出力する加算器と、前記垂直輪郭抽出部からの垂直輪郭成分を加算器に加算するか否かを決定する垂直輪郭制御部とを具備し、この垂直輪郭制御部は、着目ラインとその1H前のライン、及び、着目ラインとその1H後のラインとでそれぞれ、2値化した信号を対応する画素毎に大小を比較し、着目ラインの方が大きいと判断された画素数をカウントし、カウント値とそのラインNo.を記憶し、これを1フレーム間行った結果、カウント値が最大となったラインとその周辺ラインには垂直方向の輪郭補正を行わないためのディゼーブル信号を出力するように構成したことを特徴とする輪郭補正回路。
- 1Hずつ遅延量の異なる2n+1個(nは自然数)の映像信号を出力するライン遅延部と、この2n+1個の遅延信号のうち中心のラインを着目ラインとして、この着目ラインに対する垂直方向の輪郭成分を抽出する垂直輪郭抽出部と、抽出した輪郭成分を前記中心のラインに加算して出力する加算器と、前記垂直輪郭抽出部からの垂直輪郭成分を加算器に加算するか否かを決定する垂直輪郭制御部とを具備し、前記垂直輪郭制御部は、着目ライン、着目ラインの1H前のライン及び着目ラインの1H後のラインについてそれぞれ2値化スレッショルドレベルに基づいて2値化処理を行う2値化変換部と、着目ラインとその1H前のラインとで垂直方向に対応した画素の2値化処理後の値を比較して着目ラインの方が大きい画素については“1”を出力する一方の比較器と、着目ラインとその1H後のラインとで垂直方向に対応した画素の2値化処理後の値を比較して着目ラインの方が大きい画素については“1”を出力する他方の比較器と、一方の比較器の出力を積算してカウントする一方の比較結果積算部と、他方の比較器の出力を積算してカウントする他方の比較結果積算部と、それぞれの比較結果積算部からのカウント値が過去ラインのカウント値よりも大きい場合にそのカウント値とラインNo.を一方側と他方側でそれぞれ記憶して1フレーム間でカウント値が最大であったラインNo.を一方側と他方側でそれぞれ出力する最大値検出部と、カウント値が最大であったラインNo.を一方側と他方側でそれぞれ(A)、(B)としたときに、ラインNo.が(A−n)、・・・、(A−1)、(A)、・・・、(A+n−1)の2n個のラインと、(B−(n−1))、・・・、(B)、(B+1)、・・・、(B+n)の2n個のラインに輪郭補正を行わないためのディゼーブル信号を出力する輪郭補正制御部とからなることを特徴とする輪郭補正回路。
- 入力映像信号と1Hずつ遅延量の異なる4つの遅延信号とからなる5つの信号を出力するライン遅延部と、この5つの信号のうち中心のラインとなる2H遅延信号を着目ラインとして、この着目ラインに対する垂直方向の輪郭成分を抽出する垂直輪郭抽出部と、抽出した輪郭成分を前記中心となる着目ラインに加算して出力する加算器と、前記垂直輪郭抽出部からの垂直輪郭成分を加算器に加算するか否かを決定する垂直輪郭制御部とを具備し、この垂直輪郭制御部は、着目ラインとその1H前のライン、及び、着目ラインとその1H後のラインとでそれぞれ、2値化した信号を対応する画素毎に大小を比較し、着目ラインの方が大きいと判断された画素数をカウントし、カウント値とそのラインNo.を記憶し、これを1フレーム間行った結果、カウント値が最大となったラインとその周辺ラインには垂直方向の輪郭補正を行わないためのディゼーブル信号を出力するようにしたことを特徴とする輪郭補正回路。
- 入力映像信号と1Hずつ遅延量の異なる4つの遅延信号とからなる5つの信号を出力するライン遅延部と、この5つの信号のうち中心のラインとなる2H遅延信号を着目ラインとして、この着目ラインに対する垂直方向の輪郭成分を抽出する垂直輪郭抽出部と、抽出した輪郭成分を前記中心となる着目ラインに加算して出力する加算器と、前記垂直輪郭抽出部からの垂直輪郭成分を加算器に加算するか否かを決定する垂直輪郭制御部とを具備し、前記垂直輪郭制御部は、着目ライン、着目ラインの1H前のライン及び着目ラインの1H後のラインについてそれぞれ2値化スレッショルドレベルに基づいて2値化処理を行う2値化変換部と、着目ラインとその1H前のラインとで垂直方向に対応した画素の2値化処理後の値を比較して着目ラインの方が大きい画素については“1”を出力する一方の比較器と、着目ラインとその1H後のラインとで垂直方向に対応した画素の2値化処理後の値を比較して着目ラインの方が大きい画素については“1”を出力する他方の比較器と、一方の比較器の出力を積算してカウントする一方の比較結果積算部と、他方の比較器の出力を積算してカウントする他方の比較結果積算部と、それぞれの比較結果積算部からのカウント値が過去ラインのカウント値よりも大きい場合にそのカウント値とラインNo.を一方側と他方側でそれぞれ記憶して1フレーム間でカウント値が最大であったラインNo.を一方側と他方側でそれぞれ出力する最大値検出部と、カウント値が最大であったラインNo.を一方側と他方側でそれぞれ(A)、(B)としたときに、ラインNo.が(A−2)、(A−1)、(A)、(A+1)の4ラインと、(B−1)、(B)、(B+1)、(B+2)の4ラインに輪郭補正を行わないためのディゼーブル信号を出力する輪郭補正制御部とからなることを特徴とする輪郭補正回路。
Priority Applications (1)
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JP2003047478A JP2004260421A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | 輪郭補正回路 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007053539A (ja) * | 2005-08-17 | 2007-03-01 | Pentax Corp | 輪郭強調処理ユニット |
WO2019058980A1 (ja) * | 2017-09-25 | 2019-03-28 | 株式会社日立国際電気 | 撮像装置 |
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2003
- 2003-02-25 JP JP2003047478A patent/JP2004260421A/ja active Pending
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