JP2004260196A - 回路形成基板用材料とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】プリプレグシートの片面もしくは両面に離型性フィルムを貼り付ける工程を有する回路形成基板の製造方法において、プリプレグシートと離型性フィルムの界面に隙間が形成されるのを阻止した回路形成基板用材料を提供する。
【解決手段】繊維シートと、繊維シートに含浸された樹脂材料と、前記繊維シート上に形成された前記樹脂材料と同一の材料によりなる平滑な表層を有する樹脂層とを備えたプリプレグシートを用い、その両面に離型性フィルムを貼り付ける。
【選択図】図1
【解決手段】繊維シートと、繊維シートに含浸された樹脂材料と、前記繊維シート上に形成された前記樹脂材料と同一の材料によりなる平滑な表層を有する樹脂層とを備えたプリプレグシートを用い、その両面に離型性フィルムを貼り付ける。
【選択図】図1
Description
本発明は、回路形成基板の製造、あるいは回路形成基板に用いる回路形成基板用材料とその製造方法に関するものである。
近年の電子機器の小型化・高密度化に伴って、電子部品を搭載する回路形成基板も従来の片面基板から両面、多層基板の採用が進み、より多くの回路を基板上に集積可能な高密度回路形成基板の開発が行われている。回路基板では、高密度化を妨げる要因となっていたメッキスルーホールに代わって、導電ペーストによるインナービアホール接続による回路基板の製造方法が提案されている(例えば特開平6−268345号公報)。
この回路基板の製造方法は、両面に離型性を有する高分子フィルム(以下離型性フィルムと称する)を備えた被圧縮性で多孔質のプリプレグシートに貫通孔をあけ、その孔に導電ペーストを充填し、離型性フィルムを剥離した後、プリプレグシートの両面に金属箔を貼り付けて加熱圧接することで基板の両面を電気接続し、さらに金属箔をエッチングによってパターニングして回路形成するものである。
以下従来の回路基板の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図5(a)〜(f)は従来の回路基板の製造工程を示す工程断面図である。
まず、図5(a)に示すように、厚さ約20μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)等の高分子フィルム片面にシリコーン系の離型層を形成した離型性フィルム2を両面に備えた、寸法が□500mm、厚さt1mmの多孔質のプリプレグシート1が準備される。多孔質のプリプレグシート1としては、例えば芳香族ポリアミド繊維の不織布に熱硬化性エポキシ樹脂を含浸させた複合材が用いられる。
次に図5(b)に示すように、プリプレグシート1の所定の位置にレーザなどのエネルギービームを利用して貫通孔3が形成される。さらにプリプレグシート1を印刷機(図示せず)のテーブル上に設置し、図5(c)に示すように、導電ペースト4が離型性フィルム2の上から印刷され、貫通孔3に充填される。この時、上面の離型性フィルム2は印刷マスクとプリプレグシート1の汚染防止の役割を果たしている。
次に図5(d)に示すように、プリプレグシート1の両面の離型性フィルム2が剥離される。そして、図5(e)に示すようにプリプレグシート1の両面に銅箔などの金属箔5を貼り付け、この状態で加熱加圧することにより、図5(f)に示すようにプリプレグシート1と金属箔5とが接着されると同時に、プリプレグシート1が厚さt2mmまで圧縮(t1>t2)して両面の金属箔5が導電ペースト4によって電気的に接続される。この時、プリプレグシート1の一構成成分であるエポキシ樹脂および導電ペースト4は硬化する。その後、両面の金属箔5を選択的にエッチングして回路パターン(図示せず)を形成することで両面の回路基板が得られる。
しかしながら、上記従来の構成では以下の課題があった。
離型性フィルムは、例えば特許登録番号2768236に開示されているように、ラミネート工法によりプリプレグシート両面に貼り付け形成される。このとき、図6に示すようにプリプレグシート1表面において含浸樹脂7がなく不織布6の露出している部分が点在していたり、不織布6が露出していなくても表層の樹脂面に大きな凹凸があると、図7に示すようにプリプレグシート1と離型性フィルム2が密着せずに界面に微細な隙間10が形成されてしまう。このようなプリプレグシート1に貫通孔3を形成し導電ペースト4を充填すると、特に隙間10のあるところに貫通孔3がある場合には、導電ペースト4がその隙間10にも充填される。その結果、後工程である回路形成工程において隣接するパターンと接触してショート不良が発生する、あるいは配線間絶縁信頼性の劣化が起こるという課題があった。この課題は、配線パターンが高密度になるほど顕著になってくる。
本発明は、プリプレグシートと離型性フィルムの界面に発生した隙間に起因する配線回路のショートおよび絶縁信頼性の低下を防止するもので、歩留まりの向上を図り、高品質で高信頼性の回路基板を実現するための回路形成基板用材料を提供することを目的とする。
この発明によれば、プリプレグシートと離型性フィルムの界面に発生した隙間に起因する配線回路のショートおよび絶縁信頼性の低下を防止するもので、歩留まりの向上を図り、高品質で高信頼性の回路基板を実現するための回路形成基板用材料とその製造方法を提供するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、繊維シートと、繊維シートに含浸された樹脂材料と、前記繊維シート上に形成された前記樹脂材料と同一の材料よりなる平滑な表層を有する樹脂層とを備えた回路形成基板用材料としたものであり、プリプレグシートと離型性フィルムの界面に隙間が発生するのを抑制し、配線回路のショートおよび絶縁信頼性の低下を防止して、歩留まりの向上を図り、高品質で高信頼性の回路形成基板が得られるという作用を有する。
本発明の請求項2に記載の発明は、前記樹脂層は、前記繊維シートに前記樹脂材料を含浸した時に形成された、請求項1に記載の回路形成基板用材料としたものであり、樹脂層が容易に形成できるため生産性が高く、また含浸樹脂と同一材料の一体構造なので機械強度上、絶縁信頼性上安定した回路形成基板が得られるという作用を有する。
本発明の請求項3に記載の発明は、前記樹脂層の厚さは、1μmから30μmの範囲である、請求項1に記載の回路形成基板用材料としたものであり、孔加工時の加工熱による樹脂層の後退がなく、かつ離型性フィルムへの密着性が向上した、導電ペーストによるショート不良のない絶縁信頼性の高い回路形成基板が得られるという作用を有する。
本発明の請求項4に記載の発明は、繊維シートは、密度が700〜1000kg/m3の範囲である請求項1に記載の回路形成基板用材料としたものであり、樹脂含浸時に同時に表面の樹脂層が形成できるため生産性の高い、またプリプレグシートと離型性フィルムの界面に隙間が発生するのを抑制し、配線回路のショートおよび絶縁信頼性の低下を防止した、更には含浸樹脂と同一材料の一体構造なので機械強度上、絶縁信頼性上安定した高品質で高信頼性の回路形成基板が得られるという作用を有する。
本発明の請求項5に記載の発明は、繊維シートは、前記繊維シートに含まれた前記繊維シートの表層付近に密度が700〜1000kg/m3の範囲である第1の層と、前記第1の層より密度の低い第2の層とからなる請求項1に記載の回路形成基板用材料としたものであり、プリプレグシートの高い圧縮率を確保し安定した接続抵抗を実現しつつ、樹脂含浸時に同時に表面の樹脂層が形成できるため生産性の高い、またプリプレグシートと離型性フィルムの界面に隙間が発生するのを抑制し、配線回路のショートおよび絶縁信頼性の低下を防止した、更には含浸樹脂と同一材料の一体構造なので機械強度上、絶縁信頼性上安定した高品質で高信頼性の回路形成基板が得られるという作用を有する。
本発明の請求項6に記載の発明は、第1の層の密度が700〜1000kg/m3の範囲である請求項5に記載の回路形成基板用材料としたものであり、密度構成の異なる織布あるいは不織布を容易に作製することが可能であり、プリプレグシートの高い圧縮率を確保し安定した接続抵抗を実現しつつ、樹脂含浸時に同時に表面の樹脂層が形成できるため生産性の高い、またプリプレグシートと離型性フィルムの界面に隙間が発生するのを抑制し、配線回路のショートおよび絶縁信頼性の低下を防止した、更には含浸樹脂と同一材料の一体構造なので機械強度上、絶縁信頼性上安定した高品質で高信頼性の回路形成基板が得られるという作用を有する。
本発明の請求項7に記載の発明は、前記第2の層の密度が500〜700kg/m3の範囲である、請求項6に記載の回路形成基板用材料としたものであり、導電ペーストが孔内壁よりプリプレグシート内部ににじみ出す不良、および基材中への導電ペーストも抑制し絶縁信頼性の高い回路形成基板が得られるという作用を有する。
本発明の請求項8に記載の発明は、繊維シートは、最外側の密度が700〜1000kg/m3の範囲である第1と第2の層と、前記第1と第2の層に挟まれた前記第1と第2の層より密度が低い第3の層とからなる請求項1に記載の回路形成基板用材料としたものであり、密度構成の異なる織布あるいは不織布を容易に作製することが可能であり、プリプレグシートの高い圧縮率を確保し安定した接続抵抗を実現しつつ、樹脂含浸時に同時に表面の樹脂層が形成できるため生産性の高い、またプリプレグシートと離型性フィルムの界面に隙間が発生するのを抑制し、配線回路のショートおよび絶縁信頼性の低下を防止した、更には含浸樹脂と同一材料の一体構造なので機械強度上、絶縁信頼性上安定した高品質で高信頼性の回路形成基板が得られるという作用を有する。
本発明の請求項9に記載の発明は、前記第3の層の密度が500〜700kg/m3の範囲である、請求項8に記載の回路形成基板用材料としたものであり、導電ペーストが孔内壁よりプリプレグシート内部ににじみ出す不良も抑制して絶縁信頼性の高い回路形成基板が得られるという作用を有する。
本発明の請求項10に記載の発明は、樹脂層の表面粗さは、最大高さ10μm以下である請求項1に記載の回路形成基板用材料としたものであり、プリプレグシートと離型性フィルムを隙間なくより確実に貼り付けて隙間の形成を防止し、導電ペーストによるショート不良のない絶縁信頼性の高い回路形成基板が得られるという作用を有する。
本発明の請求項11に記載の発明は、繊維シートに樹脂材料を含浸する工程と、繊維シート上に平滑化手段を用いて平滑な表層を有する樹脂層を形成する工程と備えた回路形成基板用材料の製造方法としたものであり、表面凹凸の大きいあるいは表面樹脂厚の適当でないプリプレグシートの表面を平滑にし、また適当な樹脂厚に成形することによって、プリプレグシートと離型性フィルムの界面に隙間が発生するのを抑制し、配線回路のショートおよび絶縁信頼性の低下を防止して、歩留まりの向上を図り、高品質で高信頼性の回路形成基板が得られるという作用を有する。
本発明の請求項12に記載の発明は、平滑化手段は、刃状またはロール状または平板状の手段を繊維シートに含浸された樹脂材料の表面に当てて、相対的に移動させる請求項11に記載の回路形成基板用材料の製造方法としたものであり、プリプレグシート表面の凹凸の平滑化や樹脂厚の制御が容易にでき、また樹脂不足部分への供給も行って平滑性が一層向上する。
本発明の請求項13に記載の発明は、平滑化手段の温度は、樹脂材料の軟化開始温度以上に設定される請求項12に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、プリプレグシート表面の凹凸の平滑化や樹脂厚の制御が容易にでき、また樹脂不足部分への供給も行って平滑性が一層向上するという作用を有する。
本発明の請求項14に記載の発明は、繊維シートに樹脂材料を含浸する工程の後、樹脂材料の軟化開始温度以上の温度で加熱する工程を含む請求項11に記載の回路形成基板の製造方法としたものであり、プリプレグシート表面の凹凸の平滑化や樹脂厚の制御が容易にでき、また樹脂不足部分への供給も行って平滑性が一層向上するという作用を有する。
なお、本発明は、熱硬化性樹脂としてエポキシ系樹脂を用いることにより樹脂の耐湿性が向上するという作用を有する。
また、本発明は、織布あるいは不職布が、有機繊維材料を主体とすることにより樹脂と比較的物性の近い有機繊維を用いることにより、エネルギービームによる孔加工が容易に行え生産性が向上するという作用を有する。
また、本発明は、有機繊維材料として芳香族ポリアミド繊維を主体として用いることにより、エネルギービームによる孔加工が容易に行え、回路形成基板の軽量化、高信頼性化等が図れるという作用を有する。
さらに、本発明は、織布あるいは不織布をガラス繊維材料を主体として用いることにより、耐熱性、機械的剛性の高い回路形成基板が得られるという作用を有する。
以上のように本発明によれば、片面もしくは両面の全面が平滑であるプリプレグシートとしての回路形成基板用材料を用いることにより、プリプレグシートと離型性フィルムの界面に発生した隙間に起因する配線回路のショートおよび絶縁信頼性の低下を防止して、歩留まりの向上を図り、高品質で高信頼性の回路基板を実現できるという有利な効果が得られる。特に、高密度配線回路基板においては有効な手段となる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図1から図4を用いて説明する。
以下、本発明の実施の形態1について、図1から図4を用いて説明する。
図4は、本発明の第1の実施の形態における回路形成基板の製造方法を示す工程断面図である。工程は、離型性フィルム貼り付け工程、孔加工工程、導電ペースト充填工程、離型性フィルム剥離工程、加熱加圧工程および回路形成工程の順序で構成される。
プリプレグシート1は、含浸樹脂7(例えばエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂)と芳香族ポリアミド繊維(以下アラミド繊維)の不織布6の複合材料となっている。含浸樹脂7は完全に硬化したものではなく、未硬化分を含むいわゆるBステージ状態である。
また、離型性フィルム2は、厚さ約20μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)等の高分子フィルムに、膜厚が100オングストローム程度のシリコーン系の離型層を片面に形成した離型性フィルム2であり、プリプレグシート1の両面にはこの離型層面が接するような構成で、例えば図4(a)に示すように2本の加熱ロールの間を通して加熱・加圧によりプリプレグシート1の両面に離型性フィルム2が貼り付けされる。
図4(b)に示すように厚さ約150μmのプリプレグシート1は、レーザ加工機により炭酸ガスレーザビームなどのエネルギービームをプリプレグシート1上に照射して、孔径が約200μmの貫通孔3を形成する。更に、図4(c)に示すように導電性粒子とエポキシ系樹脂を主体とする導電ペースト4を印刷法等により貫通孔3に充填した後、図4(d)に示すように上下面の離型性フィルム2を剥離する。
そして、図4(e)に示すように金属箔5をプリプレグシート1の両面に重ね合わせて加熱加圧することにより、図4(f)に示すようにプリプレグシート1は厚み方向に圧縮成形され、導電ペースト4によってプリプレグシート1の両面に重ね合わせた金属箔5は電気的に接合される。最後に、両面の金属箔5を選択的にエッチングして回路パターンを形成することで両面の回路形成基板が得られる(図示せず)。
それでは、本実施の形態における回路形成基板用材料の特徴部分について説明する。
離型性フィルム貼り付け工程に用いるプリプレグシート1は、図1に示すようにその両面全面が含浸樹脂により覆われ、厚さ1μm〜30μmの範囲、好ましくは5μm〜20μmの範囲で含浸樹脂7主体の平滑な樹脂層8が形成されている(樹脂層厚が30μmを超えると、炭酸ガスレーザビームなどのエネルギービームで孔加工した時、樹脂層8が大きく後退して不織布6の孔径より大きくなるため)。この樹脂層8は、例えばプリプレグシート1の含浸樹脂量を増やす、不織布密度を増やす、あるいは樹脂含浸条件を調整することにより、不織布6への含浸時に同時に形成することができる。
このようなプリプレグシート1を挟むように離型性フィルム2を両面に配し、2つの加熱ローラ間を同時に通して加熱加圧することにより、離型性フィルム2はプリプレグシート1の両面に形成される。このとき、プリプレグシート1表面の含浸樹脂7主体の平滑な樹脂層8が加熱によりわずかに溶融し、加圧により隙間を形成することなく離型性フィルム2に密着して貼り付けが行われる。
ここで重要なことはプリプレグシート1表面すなわち樹脂層8表面の凹凸性であり、平滑なほど離型性フィルムの貼り付け性はよくなるので、その凹凸の最大高さは10μm以下、好ましくは5μm以下に抑えるのがより良い。その結果、後工程で導電ペースト4を印刷充填しても、導電ペースト4は貫通孔内にのみ留まり、貫通孔3より外周方向ににじみ出すことはなく、両面において隣接する回路パターンとのショートを防止することができる。このような製造方法でできた回路形成基板は、基板表層付近の含浸樹脂7が多いため金属箔5との密着力が高まり、回路パターンの密着強度も向上する。
(実施の形態2)
工程は、基本的に実施の形態1と同じ構成なので、詳細な説明は省略する。
工程は、基本的に実施の形態1と同じ構成なので、詳細な説明は省略する。
それでは、本実施の形態における特徴部分について説明する。
プリプレグシート1は、例えばエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂(以下含浸樹脂7)を芳香族ポリアミド繊維(以下アラミド繊維)の不織布6に含浸させた複合材料となっている。含浸樹脂7は完全に硬化したものではなく、未硬化分を含むいわゆるBステージ状態である。従来用いていたプリプレグシート1のアラミド繊維不織布6の密度は500〜700kg/m3の範囲であり、このような密度の不織布6は、樹脂含浸すると特に不織布6の内部に含浸されやすいため、表層付近では樹脂が少なく不織布6の繊維が表面で部分的に露出していた(図6)。
しかし、今回用いたアラミド繊維不織布6の密度は700〜1000/m3の範囲である。このような密度の不織布6は、樹脂含浸すると特に不織布6の内部は含浸されにくく、両面の表層付近では樹脂が多く付き、その結果、厚みの薄い含浸樹脂7主体の平滑な樹脂層8が表面に形成される。
更にここで重要なことは、含浸樹脂量を大きくすることなく従来プリプレグシート1と同等の含浸樹脂量(プリプレグシート1中重量比51〜54%程度)で樹脂層8が実現できる点である。導電ペースト圧縮により層間接続する場合、不織布密度を大きくすること、含浸樹脂量を大きくすることはいずれもプリプレグシート1の圧縮率が小さくなる方向にあるため、いずれも導電ペースト圧縮上不利な方向にある。
しかし、含浸樹脂量を大きくする場合(例えばプリプレグシート1中重量比55%以上)の方が、プリプレグシート1圧縮率低下に与える影響度が大きいため、接続抵抗上不利であり、含浸樹脂量を大きくせず樹脂層8を形成できることは、接続抵抗も考慮すれば有効な手段である。
また、不織布6はカレンダー処理などで密度を制御することが可能であるから、従来の不織布と同じ不織布重量で700〜1000kg/m3の密度が実現できる。そのため、含浸樹脂量を大きくしないことは回路形成基板の軽量化の点からも有効な手段である。
離型性フィルム貼り付け工程にて、このようなプリプレグシート1を挟むように離型性フィルム2を両面に配し、加熱ローラ間を同時に通して加熱加圧することにより、離型性フィルム2はプリプレグシート1の両面に形成される。このとき、両面の含浸樹脂7主体の平滑な樹脂層8が加熱によりわずかに溶融し、加圧により隙間を形成することなく離型性フィルム2に密着して貼り付けが行われる。
ここで、プリプレグシート1表面すなわち樹脂層8の凹凸は平滑なほど離型性フィルム2の貼り付け性はよくなり、その凹凸の最大高さは10μm以下、好ましくは5μm以下に抑えるのがより良い。その結果、後工程で導電ペースト4を印刷充填しても、導電ペースト4は貫通孔3内にのみ留まり、貫通孔3より外周方向ににじみ出すことはなく、両面において隣接する回路パターンとのショートを防止することができる。また、このような製造方法でできた回路形成基板は、基板表層付近の含浸樹脂7が多いため金属箔5との密着力が高まり、回路パターンの密着強度も向上する。
(実施の形態3)
工程は、基本的に実施の形態1と同じ構成なので、詳細な説明は省略する。
工程は、基本的に実施の形態1と同じ構成なので、詳細な説明は省略する。
それでは、本実施の形態における特徴部分について説明する。
プリプレグシート1は、例えばエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂(以下含浸樹脂7)を芳香族ポリアミド繊維(以下アラミド繊維)の不織布6に含浸させた複合材料となっている。
含浸樹脂7は完全に硬化したものではなく、未硬化分を含むいわゆるBステージ状態である。ここで、アラミド繊維不織布6の密度は、図2(a)に示すようにその両面表層付近の第1の層が700〜1000kg/m3の範囲であり、内部の第2の層の密度は表層付近の第1の層の密度より低く、好ましくは500〜700kg/m3の範囲である(密度がこれ以上小さくなるとプリプレグシート1内の空隙が多くなり、導電ペースト4が貫通孔3内壁からプリプレグシート中へ浸み出しやすくなり絶縁信頼性が低下する)。
このような組成のプリプレグシート1では、実施の形態2と同様に樹脂含浸すると特に不織布6の内部は含浸されにくく、両面の表層付近では樹脂が多く付き、その結果、厚みの薄い含浸樹脂7主体の平滑な樹脂層8が表面に形成される。
離型性フィルム貼り付け工程にて、このようなプリプレグシート1を挟むように離型性フィルム2を両面に配し、加熱ローラ間を同時に通して加熱加圧することにより、離型性フィルム2はプリプレグシート1の両面に形成される。このとき、両面の含浸樹脂7主体の平滑な樹脂層8が加熱によりわずかに溶融し、加圧により隙間を形成することなく離型性フィルム2に密着して貼り付けが行われる。
ここで、プリプレグシート1表面すなわち樹脂層8の凹凸は平滑なほど離型性フィルム2の貼り付け性はよくなり、その凹凸の最大高さは10μm以下、好ましくは5μm以下に抑えるのがより良い。その結果、後工程で導電ペースト4を印刷充填しても、導電ペースト4は貫通孔3内にのみ留まり、貫通孔3より外周方向ににじみ出すことはなく、両面において隣接する回路パターンとのショートを防止することができる。
このような製造方法でできた回路形成基板は、基板表層付近の含浸樹脂7が多いため金属箔との密着力が高まり、回路パターンの密着強度も向上する。この効果は実施の形態2と同じだが、以上のように内部の密度が低い密度構成とすることにより、加熱・加圧工程においてプリプレグシート1のより高い圧縮が可能となり、より安定した接続抵抗が得られる。
以上のようなアラミド不織布6の密度構成は、図2(b)に示すように密度700〜1000kg/m3の範囲の不織布2枚が第1、第2の層として、また密度がそれより低い、好ましくは500〜700kg/m3の範囲の不織布が第3の層として少なくとも一枚挟んだ組み合わせである多層構造の不織布6で構成しても、同様の効果は得られる。
なお、上記実施の形態では不織布6の両面が700〜1000kg/m3の範囲の密度であったが、どちらか一方の片面が700〜1000kg/m3の範囲の密度であっても、その面において同じ効果が得られることは言うまでもない。
(実施の形態4)
プリプレグシート1の表面に不織布の露出する部分が点在し、あるいは表面に含浸樹脂を主体とする樹脂層が形成されているが表面凹凸が大きい場合に、プリプレグシート1の両面に含浸樹脂7による平滑な樹脂層8を形成する別の方法について説明する。
プリプレグシート1の表面に不織布の露出する部分が点在し、あるいは表面に含浸樹脂を主体とする樹脂層が形成されているが表面凹凸が大きい場合に、プリプレグシート1の両面に含浸樹脂7による平滑な樹脂層8を形成する別の方法について説明する。
図3に示すように、例えば金属などでできた板状あるいは棒状の先端が鋭利な刃状を有した手段9を用意する。次にその刃状の先端をプリプレグシート1の表面に当てて、相対的に移動させることにより、大きな突出部を削り落とすことや表面樹脂を最適な厚みに削り落とすことができる。
さらに、プリプレグシート1を含浸樹脂7の溶融開始温度以上に予備加熱を行う、あるいはこの刃状を有した手段9を含浸樹脂7の溶融開始温度以上に加熱することにより、表面樹脂の溶融で表面凹凸の平滑化は容易になるばかりか、不織布6の露出する部分がある場合や樹脂層8の厚さが相対的に小さい部分にも含浸樹脂7を供給することが可能となり、より均一な樹脂厚の樹脂層8を有したプリプレグシート1が得られ、離型性フィルム2の貼り付け性が向上する。
なお、上記実施の形態では刃状を有した手段9を用いたが、ロール状もしくは平板状の形状を有した手段を用いることでも同様の効果が得られる。また、プリプレグシート1に離型性フィルム2をより確実に隙間形成なく貼り付けるには、樹脂層8の厚さ1μm〜30μmの範囲、好ましくは5μm〜20μmの範囲で、更には樹脂層8の表面凹凸が最大高さ10μm以下、好ましくは5μm以下に抑えるのがより良い。
(実施の形態5)
工程は、基本的に実施の形態1と同じ構成なので、詳細な説明は省略する。
工程は、基本的に実施の形態1と同じ構成なので、詳細な説明は省略する。
それでは、本実施の形態における特徴部分について説明する。
プリプレグシート1の表面凹凸が大きいと、離型性フィルム貼り付け工程において離型性フィルム2が表面凹凸に追従しなくなるため、図7に示すようにプリプレグシート1と離型性フィルム2の界面に隙間10が形成される。
また、孔加工工程においては、例えば炭酸ガスレーザビームなどのエネルギービームを用いると、加工孔周辺は加工熱の影響を受けるため、プリプレグシート1材料の一部が熱変形、熱収縮や昇華などによって、加工孔周辺のプリプレグシート1と離型性フィルム2の界面に隙間10が形成される。
ここで、導電ペースト4中の導電性粒子(例えば銅を主体としたもの)は、少なくともその長径が、好ましくは短径も離型性フィルム貼り付け工程や孔加工工程においてプリプレグシート1と離型性フィルム2の界面に形成された隙間10の厚み方向の大きさより大きい粒子を主体としている。また、貫通孔3への充填性を考慮して孔径より小さい粒径となっている。
このような導電ペースト4を用いて貫通孔3に充填すると、離型性フィルム貼り付け工程や孔加工工程において形成された隙間ににじむことはない、あるいは激減する。その結果、貫通孔3より外周方向ににじみ出すことはなく、両面において隣接する回路パターンとのショートを防止することができる。発明者の実験では、導電性粒子の粒径が10μmを超えると、導電ペースト4のにじみはほとんどなくなった。
なお、非球状の導電性粒子を主体とした導電ペースト4を用いても、そのペーストの流動性は落ちるため隙間10ににじみにくくなる。更に少なくともその長径が、好ましくは短径も離型性フィルム貼り付け工程や孔加工工程においてプリプレグシート1と離型性フィルムの界面に形成された隙間10の厚み方向の大きさより大きい粒子を主体とすることで、上記実施の形態と同等あるいはそれ以上の効果が得られる。
また、導電性粒子が非球状の場合、粒子接点が増えて小さい圧縮率でも安定した接続抵抗が得られるので、特に実施の形態2、3で述べたような不織布密度が高いプリプレグシート1と併用することで、貫通孔3より外周方向へのにじみ出しをより確実になくしつつ、かつ安定した接続抵抗が得られるという効果が生まれる。ここで、導電ペースト4の孔充填性を確保するためには導電ペースト4の低粘度化が必要になるが、球状粒子を非球状粒子に加工したもの(例えば球状粒子を機械的に外力を加えて変形させて扁平化処理した扁平導電性粒子)を用いれば低粘度を有した導電ペースト4が得られ、特に溶剤添加による低粘度化が制限される導電ペーストには有効な手段である。
なお、以上4つの実施の形態では離型性フィルム2の貼り付け方法として加熱ロールによる加熱加圧方法を例に挙げたが、2枚の平板による他の加熱加圧方法や、離型性フィルムに備えた接着層によりプリプレグシート1に貼り付けるなど他の貼り付け方法でも同様の効果は得られる。また、ここでは貫通孔としたが、一方のみが開口した未貫通孔でも同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、孔加工方法として炭酸ガスレーザを用いて説明したが、その他の気体レーザおよびYAGレーザ等の固体レーザ、エキシマレーザ、あるいはレーザ以外のエネルギービームの使用、そしてエネルギービーム以外にドリル加工、プラズマエッチング、パンチングも可能である。また、両面回路形成基板について記載したが、工程を繰り返すことにより多層回路形成基板が得られることは言うまでもない。
更に、高分子フィルムにはPET以外に、PI(ポリイミド)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイト)、PP(ポリプロピレン)、PPO(ポリフェニレンオキサイド)等を用いても良い。また、不織布の代わりに織布を使用すること、および織布あるいは不織布を構成する繊維としてアラミド以外の有機繊維材料あるいはガラスなどの無機繊維材料を使用すること、熱硬化性樹脂に代えて熱可塑性樹脂を用いることも可能である。
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではない。
1 プリプレグシート
2 離型性フィルム
3 貫通孔
4 導電ペースト
5 金属箔
6 不織布
7 含浸樹脂
8 樹脂層
9 刃状を有した手段
2 離型性フィルム
3 貫通孔
4 導電ペースト
5 金属箔
6 不織布
7 含浸樹脂
8 樹脂層
9 刃状を有した手段
Claims (14)
- 繊維シートと、繊維シートに含浸された樹脂材料と、前記繊維シート上に形成された前記樹脂材料と同一の材料よりなる平滑な表層を有する樹脂層とを備えた回路形成基板用材料。
- 前記樹脂層は、前記繊維シートに前記樹脂材料を含浸した時に形成された請求項1に記載の回路形成基板用材料。
- 前記樹脂層の厚さは、1μm〜30μmの範囲である、請求項1に記載の回路形成基板用材料。
- 繊維シートは、密度が700〜1000kg/m3の範囲である請求項1に記載の回路形成基板用材料。
- 繊維シートは、前記繊維シートに含まれた前記繊維シートの表層付近に密度が700〜1000kg/m3の範囲である第1の層と、前記第1の層より密度の低い第2の層とからなる請求項1に記載の回路形成基板用材料。
- 第1の層の密度が700〜1000kg/m3の範囲である請求項5に記載の回路形成基板用材料。
- 前記第2の層の密度が500〜700kg/m3の範囲である、請求項6に記載の回路形成基板用材料。
- 繊維シートは、最外側の密度が700〜1000kg/m3の範囲である第1と第2の層と、前記第1と第2の層に挟まれた前記第1と第2の層より密度が低い第3の層とからなる請求項1項に記載の回路形成基板用材料。
- 前記第3の層の密度が500〜700kg/m3の範囲である、請求項8に記載の回路形成基板用材料。
- 樹脂層の表面粗さは、最大高さ10μm以下である請求項1に記載の回路形成基板用材料。
- 繊維シートに樹脂材料を含浸する工程と、繊維シート上に平滑化手段を用いて平滑な表層を有する樹脂層を形成する工程を備えた回路形成基板用材料の製造方法。
- 平滑化手段は、刃状またはロール状または平板状の手段を繊維シートに含浸された樹脂材料の表面に当てて、相対的に移動させる請求項11に記載の回路形成基板用材料の製造方法。
- 平滑化手段の温度は、樹脂材料の軟化開始温度以上に設定される請求項12に記載の回路形成基板の製造方法。
- 繊維シートに樹脂材料を含浸する工程の後、樹脂材料の軟化開始温度以上の温度で加熱する工程を含む請求項11に記載の回路形成基板の製造方法。
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