JP2004259178A - コード読み取りシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】2、3本のマイクロチューブの場合であっても、ラックに収容された多数のマイクロチューブの場合であっても、必要最小限の読み取り時間により、識別コードを読み取ることが可能なコード読み取りシステムを提供すること。
【解決手段】複数の容器の底面に付与された識別用コード220を、フラットベッド型スキャナ300の水平往復動作により一括読み取りするために、フラットベッド型スキャナのスキャナ面320上に載置して使用されるコード読み取りフレーム10であって、複数の容器を縦立収容するラック180を少なくとも1つ保持するラックガイドと、このラックガイドに穿孔され 、前記容器の少なくとも1本を縦立保持する容器保持部を有する構造をしている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、創薬研究や化学物質の分析等において、多数の試料を識別・管理するために使用されるコード読み取りシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、創薬研究や化学物質の分析等においては、試料を溶解した溶液を封入したマイクロチューブと呼ばれる長尺状容器をラックに複数本、並び立てて収容し、保管や搬送を行っている。そして、それぞれのマイクロチューブにどのような試料を封入したのかを識別するために、各マイクロチューブの底面にデータマトリックスやQRコードと呼ばれる二次元コードを付与していた。さらに、その二次元コードをフラットベッド型スキャナを用いて、複数のマイクロチューブをラックに収容したまま一括して読み取り、その結果をコンピュータに取り込み管理するコード読み取りシステムについても、本発明の発明者らによって、既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特願2003−004528号
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、先に提案したコード読み取りシステムは、図3に示すように、読み取り対象となるマイクロチューブ200を必ずラック180に収容してフラットベッド型スキャナ300のスキャナ面320上に載置する必要があった。そしてラック180をスキャナ面320上の所定の位置に載置するために、合成樹脂などで成形され、ラック180を保持する複数のラック保持部120、140、160を有するコード読み取りフレーム100が使用されていた。そのため、2、3本のマイクロチューブ200の識別コードを読み取る場合にも、スキャナは、ラック180が載置された全領域、すなわち、図3でAと示した距離を水平往復する必要があり、読み取り時間長期化の一因になっていた。
【0005】
そこで、本発明の目的は、2、3本のマイクロチューブの場合であっても、ラックに収容された多数のマイクロチューブの場合であっても、必要最小限の読み取り時間により、識別コードを読み取ることが可能なコード読み取りシステムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するため、請求項1に係る発明は、複数の容器の底面に付与された識別用コードを、フラットベッド型スキャナの水平往復動作により一括読み取りするために、フラットベッド型スキャナのスキャナ面上に載置して使用されるコード読み取りフレームであって、複数の容器を縦立収容するラックを少なくとも1つ保持するラックガイドと、このラックガイドに穿孔され 、前記容器の少なくとも1本を縦立保持する容器保持部を有していることを特徴としている。
【0007】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係るコード読み取りフレームを用いて、フラットベッド型スキャナの水平往復動作により、複数の容器の底面に付与された識別用コードを一括読み取りするコード読み取りシステムであって、コード読み取りフレームに保持されたラックおよび/または容器の有無を検出するセンサーを備え、このセンサーの出力信号に基づき、フラットベッド型スキャナの水平往復動作の移動距離を決定することを特徴としている。
【0008】
なお、本発明における容器は、化合物等の試料を溶媒液に溶解したものを保管するマイクロチューブと呼ばれる小型長尺状容器や、粉末状の試料を収納するバイアル瓶と呼ばれる容器や試験管等、用途に応じて適宜選択することができる。
【0009】
【作用】
請求項1に係る発明は、複数の容器の底面に付与された識別用コードを、フラットベッド型スキャナの水平往復動作により一括読み取りするために、フラットベッド型スキャナのスキャナ面上に載置して使用されるコード読み取りフレームであって、複数の容器を縦立収容するラックを少なくとも1つ保持するラックガイドと、このラックガイドに穿孔され、前記容器の少なくとも1本を縦立保持する容器保持部を有している構成にしたことによって、ラックを使用することなく、少数(例えば、2、3本)の容器を確実にスキャナ面上に縦立保持する。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係るコード読み取りフレームを用いて、フラットベッド型スキャナの水平往復動作により、複数の容器の底面に付与された識別用コードを一括読み取りするコード読み取りシステムであって、コード読み取りフレームに保持されたラックおよび/または容器の有無を検出するセンサーを備え、このセンサーの出力信号に基づき、フラットベッド型スキャナの水平往復動作の移動距離を決定するため、必要最小限のスキャンにより、識別用コードを読み取る。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態の一例について図1及び図2に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施例であるコード読み取りフレーム10を用いたコード読み取りシステムによりマイクロチューブ200の底面に付与された識別コード220を読み取る概念図を示している。このコード読み取りシステムは、薬品や化合物等の試料を封入した複数のマイクロチューブ200と、これらのマイクロチューブ200を縦立収容するラック180と、マイクロチューブ200の底面に付与された識別コード220を読み取るフラットベッド型スキャナ300とを有している。そして、ラック180は、下記に詳述するコード読み取りフレーム10により保持されてフラットベッド型スキャナ300のスキャナ面上に載置される。
【0013】
マイクロチューブ200の底面に付与される識別コード220は、非常に小さな面積で膨大な情報量を有する二次元コードが適しており、例えば、データマトリックスや、マキシコード、QRコード、アズテックコード等、規格登録された種々のコードを使用することができる。これらの二次元コードは、図1に示したように、縦・横方向でデータを表現しているため、バーコードと同じ情報量であれば、10分の1程度の面積で表示可能である。したがって、マイクロチューブ底面の狭い面積に設置された二次元コードにより、膨大な量のマイクロチューブを識別することが可能である。
【0014】
次に、図2に基づき、本発明のコード読み取りフレーム10の一実施例について詳述する。
【0015】
図2に示されたコード読み取りフレーム10は、ラックを保持するラック保持部12、14、16を有するラックガイド20が、合成樹脂により一体成形されている。図2に図示した例では、3つのラックを1列に保持するようにラック保持部12、14、16を配列してラックガイド20を成形しているが、フラットベッド型スキャナのスキャナ面上に載置可能な大きさであれば、さらに多くのラックを保持可能なように2列以上にラック保持部を配列してラックガイドを成形することも可能である。
【0016】
さらに、このコード読み取りフレーム10は、ラックガイド20の最外辺に、マイクロチューブ200を縦立保持する容器保持部18が複数個(図2では、3個)穿孔されている。この容器保持部18は、マイクロチューブの側面形状より僅かに大きな形状で、ラックガイド20の最外辺に垂直に穿設されている。マイクロチューブ200は、図1に示したように先端(底面)に行くほど細くなるようにテーパー状に形成されているため、容器保持部18に立てられたマイクロチューブ200は、容器保持部18を挿通することなく、底面が、ちょうどフラットベッド型スキャナのスキャナ面に載置される。
【0017】
次に、上述したコード読み取りフレーム10を用いたコード読み取りシステムによる識別コードの読み取り方法について説明する。
【0018】
ラックに縦立収容された多数のマイクロチューブに付与された識別コードの読み取りを行う場合には、図3に示した従来のコード読み取りシステムと同様、ラックをコード読み取りフレーム10のラック保持部12、14、16に収容し、フラットベッド型スキャナのスキャナ面に載置する。そして、操作端末(図1におけるパソコン400)から、ラック保持部に収容したラックの数を指定して、読み取り開始を指示する。読み取り開始指示を受けたフラットベッド型スキャナは、指定されたラックの数に応じて水平往復動作の移動距離を決定し、スキャンを実行する。図2に示した例では、ラック数が1つの時は、スキャン距離はA1となる。同様に、ラックの数が2つあるいは3つとなった場合は、スキャン距離はA2あるいはA3となる。
【0019】
一方、1〜3本のマイクロチューブ200のみの識別コード読み取りを行う場合には、そのマイクロチューブ200をコード読み取りフレーム10のラックガイド20最外辺に穿孔した容器保持部18に収容する。そして、操作端末(パソコン)から少数マイクロチューブの読み取りを指定して、読み取り開始を指示する。読み取り開始指示を受けたフラットベッド型スキャナは、ラックガイド20の最外辺のみをスキャンして(図2に示した例では、B)、マイクロチューブ底面に付与された識別コードの読み取りを行う。
【0020】
上述した例では、コード読み取りを行う対象が、ラックに収容された多数のマイクロチューブであるのか、1〜3本の個別のマイクロチューブであるのかについては、フラットベッド型スキャナに接続した操作端末(パソコン)から人手により入力しているが、コード読み取りフレームのラック保持部にラックが保持されているか否か、あるいは、容器保持部にマイクロチューブが保持されているかを検出するセンサーをフラットベッド型スキャナのスキャナ面近傍に設置し、このセンサーの出力に基づきフラットベッド型スキャナの水平往復動作の移動距離を自動的に決定することも可能である。
【0021】
このとき使用するセンサーの具体例としては、例えば、発光素子と受光素子をスキャナ面のラックガイドの最外辺、および、ラック保持部に対応する位置に、コード読み取りフレームを挟んで対峙させて、設置することによって構成することが可能である。また、マイクロチューブがラックに保持された場合のピッチにあわせて複数のセンサをスキャナ面近傍に設置して、ラックのどの列までマイクロチューブが収容されているかを検出することにより、ラックに収容されたマイクロチューブの数に応じてフラットベッド型スキャナの水平往復動作の移動距離を自動的に決定することも可能である。
【0022】
本発明のコード読み取りシステムに使用されるラック180は、少なくともその底面を透明の材料で構成するか、あるいは、底面に個々のマイクロチューブの底面と嵌合する貫通孔が設けられている。それにより、ラック180に収容された各マイクロチューブ200の底面に設けられた識別用コード220を、図1に示すように一括してスキャナ読取面320を介して読み込むことが可能になっている。
【0023】
本発明に用いたフラットベッド型スキャナは、CCDラインセンサを用いた読み取りヘッド移動型原稿固定読み取り方式の汎用の卓上フラットベット型スキャナをそのまま利用することが可能である。そして、このスキャナにより読み取られたデータは、USBやIEEE1394シリアルインターフェイス等の通常のインターフェイスを介して、画像データとしてパソコン400に転送され、所定の画像処理が施される。例えば、画像データから各マイクロチューブの識別コードを切り出し、その識別コードのコードデータと、予めパソコンに記憶しておいたマスタデータベースの情報とを比較参照することにより、各マイクロチューブの収容物(例えば、薬品名)をパソコンのディスプレー上に表示させたり、プリンターによる印字出力を行うことが可能である。
【0024】
【発明の効果】
請求項1に係る発明は、複数の容器の底面に付与された識別用コードを、フラットベッド型スキャナの水平往復動作により一括読み取りするために、フラットベッド型スキャナのスキャナ面上に載置して使用されるコード読み取りフレームであって、複数の容器を縦立収容するラックを少なくとも1つ保持するラックガイドと、このラックガイドに穿孔され 、前記容器の少なくとも1本を縦立保持する容器保持部と有している構成にしたことによって、少数(例えば、1〜3本)の容器について識別コードを読み取る場合に、高価な1本読み専用のスキャナを必要とすることなく、汎用のフラットベット型スキャナをそのまま利用することができる。さらに、容器保持部をラックガイドの最外辺に設けたことにより、少数の容器のみを読み取る場合には、スキャナのわずかな水平往復動作で識別コードを読み取ることが可能になり、読み取り処理時間を大幅に短縮することができる。
【0025】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に係るコード読み取りフレームを用いて、フラットベッド型スキャナの水平往復動作により、複数の容器の底面に付与された識別用コードを一括読み取りするコード読み取りシステムであって、コード読み取りフレームに保持されたラックおよび/または容器の有無を検出するセンサーを備え、このセンサーの出力信号に基づき、フラットベッド型スキャナの水平往復動作の移動距離を決定するため、自動的に必要最小限のスキャンが行われ、識別用コードの読み取りに要する時間と手間が大幅に削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による識別コード読み取りの概念図である。
【図2】本発明のコード読み取りフレームの斜視図である。
【図3】従来のコード読み取り本発明のコード読み取りシステムによる読み取り機構の概念図である。
【符号の説明】
10、100 ・・・ コード読み取りフレーム
12、14、16 ・・・ ラック保持部
18 ・・・ 容器保持部
20 ・・・ ラックガイド
120、140、160 ・・・ ラック保持部
180 ・・・ ラック
200 ・・・ マイクロチューブ
220 ・・・ 識別用コード(二次元コード)
300 ・・・ フラットベッド型スキャナ
320 ・・・ スキャナ面
400 ・・・ パソコン

Claims (2)

  1. 複数の容器の底面に付与された識別用コードを、フラットベッド型スキャナにより一括読み取りするために使用されるコード読み取りフレームであって、
    該コード読み取りフレームは、前記複数の容器を縦立収容するラックを少なくとも1つ保持するラックガイドと、該ラックガイドに穿孔され、前記容器の少なくとも1本を縦立保持する容器保持部とを有すること
    を特徴とするコード読み取りフレーム。
  2. 前記コード読み取りフレームを用いて、フラットベッド型スキャナにより、複数の容器の底面に付与された識別用コードを一括読み取りするコード読み取りシステムであって、
    前記コード読み取りフレームに保持された前記ラックおよび/または容器の有無を検出するセンサーを備え、
    当該センサーの出力信号に基づき、前記フラットベッド型スキャナのスキャン距離を決定することを特徴とする請求項1に記載のコード読み取りフレームを用いたコード読み取りシステム。
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