JP2004259067A - カップ式自動販売機、及びカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カップ飲料における希釈度の不均一性を抑制するカップ式自動販売機、及びカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法を提供すること。
【解決手段】希釈液の販売期間(C及びD)中にシロップを販売して(A1、A2、A3、B1、B2、及びB3)カップ飲料を調理するカップ式自動販売機において、希釈液の所定量を販売した(T1)後、シロップを一定期間(T2乃至T5)間隔をもって間欠的に販売する販売手段を備えてなる。
【選択図】 図5
【解決手段】希釈液の販売期間(C及びD)中にシロップを販売して(A1、A2、A3、B1、B2、及びB3)カップ飲料を調理するカップ式自動販売機において、希釈液の所定量を販売した(T1)後、シロップを一定期間(T2乃至T5)間隔をもって間欠的に販売する販売手段を備えてなる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定されたカップに飲料を販売するのに好適なカップ式自動販売機、及びこのようなカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、カップ式自動販売機は、飲料の原料(濃縮液体原料、粉末原料等)を水や炭酸水等の希釈液により所定の比率で希釈して飲料を調理して販売する。特に、固定されたカップの中で、濃縮液体原料(以下、シロップと称する)を用いて調理するカップ式自動販売機では、この希釈比率を適切なものとするために、従来は、シロップをカップに供給するための供給ラインと、希釈液をカップに供給するための供給ラインとに、電磁弁とともにフローレギュレータや流量計等が設けられ、それぞれの流量が管理されつつカップ内で混合されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
より具体的には、従来のカップ式自動販売機は、ポンプ等によって希釈液を希釈液用供給ラインを通じてカップに供給すると同時に、炭酸ガスボンベに封入された炭酸ガスの圧力等によってシロップをシロップ用供給ラインを通じてカップに供給していた。ここで、従来は、前記の希釈比率は以下に述べる方法で調整されてきた。
【0004】
シロップ用供給ライン及び希釈液用供給ラインのそれぞれにはフローレギュレータ及び電磁弁が設けられている。この電磁弁を所定のタイミングにて所定の時間だけ開放することによって、カップに供給するシロップ及び希釈液それぞれの量が調整される。ここで、それぞれの供給ラインにおいて、フローレギュレータによって、シロップ及び希釈液の流量を所定の値に保持することができる。このようにすれば、シロップ及び希釈液の供給量は、それぞれの供給ラインに設けられた電磁弁を開放している時間や、ポンプを運転している時間等に一義的に対応することとなる。このような電磁弁の開閉や、ポンプのON/OFF等は、例えば、電磁弁を開放する時間を計測するためのタイマを備えたマイクロコンピュータからなる適宜な販売制御部によって制御される。
【0005】
【特許文献1】
特開昭57−211691号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、シロップ飲料におけるシロップは、当該シロップより量の多い希釈液によって希釈され、シロップ飲料が調理されるために、シロップの販売量に比べて希釈液の販売量が多く設定される。一方、従来は、シロップと希釈液との販売が同時に開始され、その後両者とも継続して販売されていた。従って、販売時におけるシロップと希釈液との流量に大きな相違がない場合には、シロップの販売が希釈液の販売よりも先に終了し、その後も希釈液の販売が継続されていた。
【0007】
しかしながら、シロップと希釈液とが同時に販売されると、カップの底部に直接粘着するシロップが少なからずあった。このようなシロップは、その粘性が希釈液の粘性よりも高いために、その後供給される希釈液によって十分に希釈されず、カップ飲料の底部に溜まる傾向にあった。また、希釈液の販売がシロップの販売後も継続された場合は、カップ飲料の下部よりも上部がより希釈される傾向にあった。これらのことから、カップ飲料全体のシロップの希釈が不均一になる恐れがあった。
【0008】
そこで、本発明は、カップ飲料における希釈度の不均一性を抑制するカップ式自動販売機、及びカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための発明は、希釈液の販売期間中に濃縮液体原料を販売してカップ飲料を調理するカップ式自動販売機において、前記希釈液の所定量を販売した後、前記濃縮液体原料を一定期間間隔をもって間欠的に販売する販売手段を備えたものである。このカップ式自動販売機によれば、所定量の希釈液が供給されたカップの中に、希釈液の例えば継続的な販売に対して均一なタイミングで濃縮液体原料が販売されることとなる。よって、希釈液に比べて粘性の高い濃縮液体原料がカップの底部に直接供給されて当該底部に粘着し、当該濃縮液体原料が希釈されにくくなる恐れが回避される。また、濃縮液体原料は、カップの上下方向において、前記タイミングの数だけ分散して供給される。従って、カップの上下部における濃縮液体原料の希釈度の不均一性を抑制し、カップ中の濃縮液体原料の希釈度をより均一にできるという作用効果を有する。
【0010】
また、かかるカップ式自動販売機において、前記販売手段は、前記希釈液の販売終了前に、前記濃縮液体原料の最後の前記間欠的な販売を終了するものである。このカップ式自動販売機によれば、カップ飲料の調理は、希釈液の販売を最後に終了する。よって、希釈液に比べて粘性の高い濃縮液体原料がカップの上部に局在し希釈されにくくなる恐れが回避される。従って、カップの上下部における濃縮液体原料の希釈度の不均一性が抑制されるという作用効果を有する。
【0011】
また、かかるカップ式自動販売機において、前記一定期間は、前記希釈液の全販売期間をX、前記希釈液の前記所定量の販売期間をY、前記濃縮液体原料の全販売量を前記濃縮液体原料の前記間欠的に販売される略一定販売量で割って得られる商をZとした時、(X−Y)/(Z+1)に基づいて決定されるものである。このカップ式自動販売機によれば、希釈液の例えば継続的な販売期間であるX−Y中に、一定期間である(X−Y)/(Z+1)間隔でZ回分の略一定販売量の濃縮液体原料が販売される。よって、カップ中の濃縮液体原料の希釈度をより均一にできるという作用効果を有する。また、遅くともZ+1回目で、前記割り算により得られる余りの量の販売が終了する。よって、希釈液に比べて粘性の高い濃縮液体原料がカップの上部に局在し希釈されにくくなる恐れが回避される。従って、カップの上下部における濃縮液体原料の希釈度の不均一性がより効果的に抑制されるという作用効果を有する。
【0012】
また、前記課題を解決するための発明は、希釈液の販売期間中に濃縮液体原料を販売してカップ飲料を調理するカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法において、前記希釈液を所定量販売する工程と、前記工程の後、前記濃縮液体原料を一定期間間隔をもって間欠的に販売する工程と、を備えたものである。このカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法によれば、濃縮液体原料の希釈度が均一なカップ飲料を提供できるという作用効果を有する。
【0013】
また、かかるカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法は、前記希釈液の販売終了前に、前記濃縮液体原料の最後の前記間欠的な販売を終了する工程を更に備えたものである。このカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法によれば、濃縮液体原料の希釈度がより均一なカップ飲料を提供できるという作用効果を有する。
【0014】
【発明の実施の形態】
===カップ式自動販売機の概要===
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
図1は、本発明を適用するカップ式自動販売機の正面図の一例である。
図1において、前扉1は、カップ式自動販売機の右側面端を支軸として開閉するものであり、カップ飲料を調理するときに必要となる、希釈水(希釈液)、炭酸水(希釈液)、濃縮液体原料等を混合したり、砂糖、クリーム等を添加したりするためのデータ設定や、販売機構のメンテナンスを行なうときは解錠して開き、通常販売を行なうときは施錠して閉じておくものである。パネル2は、透明な樹脂板であり、内部に陳列されている複数種類のカップ飲料サンプル3を確認するためのものである。つまり、利用者は、パネル2を通して複数種類のカップ飲料サンプル3を見渡すことにより、購入したいカップ飲料を選択できる。尚、複数種類のカップ飲料の写真又は絵柄をパネル2に印刷してもよい。硬貨投入口4は、利用者が硬貨を投入する部分であり、投入硬貨はカップ式自動販売機内部の硬貨識別装置に供給される。紙幣挿入口5は、利用者が紙幣を挿入する部分であり、挿入紙幣はカップ式自動販売機内部の紙幣識別装置に供給される。表示部6は、投入硬貨金額、挿入紙幣金額等を表示するものである。値段ラベル7は、カップ飲料サンプル3の下部に1対1に対応して配置されるものである。
【0015】
商品選択釦8は、販売可ランプおよび売り切れランプを内蔵し、カップ飲料サンプル3の下部に1対1に対応して配置されるものである。販売可ランプは、利用者が少なくとも1杯のカップ飲料を購入できる硬貨投入又は紙幣挿入を行なうと、カップ式自動販売機内部の希釈水タンク、炭酸水タンク、濃縮液体原料タンクが中味を有する場合のみ、このカップ飲料に対応するものが点灯する。売り切れランプは、希釈水タンクが空になると、希釈水を使用するカップ飲料に対応するものが常時点灯し、炭酸水タンクが空になると、炭酸水を使用するカップ飲料に対応するものが常時点灯し、何れかの濃縮液体原料タンクが空になると、この濃縮液体原料を使用するカップ飲料に対応するものが常時点灯する。増量釦9、10、11は、1杯のコーヒー飲料を調理する際にコーヒー原料、砂糖、クリームの増量を希望するとき、商品選択釦8を押下する前に押下するものである。同様に、減量釦12、13、14は、1杯のコーヒー飲料を調理する際にコーヒー原料、砂糖、クリームの減量を希望するとき、商品選択釦8を押下する前に押下するものである。表示部15は、コーヒー原料、砂糖、クリームの増減の度合を表示するものである。増量釦9、10、11、減量釦12、13、14を必要に応じて押下し、その後、販売可ランプが点灯している商品選択釦8を押下すると、このカップ飲料サンプル3に対応するカップ飲料が調理され、商品取出口17から取り出し可能となる。返却レバー18は、投入硬貨を返却口19から返却したり、投入硬貨又は挿入紙幣からカップ飲料購入金額を差し引いた釣銭を返却口19から返却したりするためのものである。販売中ランプ20は、カップ飲料が正常販売されるときに点灯するものである。販売中止ランプ21は、全カップ飲料が売り切れとなったとき、或いは、カップ飲料を調理するための販売機構が故障したとき、点灯するものである。釣銭切れランプ22は、硬貨識別装置内部の釣銭用硬貨の合計金額が一定金額以下のときに点灯する。尚、販売中ランプ20、販売中止ランプ21、釣銭切れランプ22は、表示部6の基板上に配設される。
【0016】
図2は、本発明を適用するカップ式自動販売機の販売機構(販売手段)の第1例を説明するための図である。尚、本発明の実施の形態においては、前記の販売機構とともに、後述する主制御部、及び販売制御部は、販売手段を構成する。
【0017】
図2において、希釈水タンク101(シスターン)は、水道水を貯水するものである。水電磁弁102は、水道の蛇口と希釈水タンク101の入口との間に配設され、希釈水タンク101の貯水量に応じて開放又は遮断するものである。詳述すると、水電磁弁102は、希釈水タンク101の貯水量を検出するためのフロートスイッチ(図示せず)の出力に応じて開放又は遮断し、希釈水タンク101の貯水量を一定容積範囲内とする。水ポンプ103は、ポンプモータ104の駆動力を用いて、希釈水タンク101の出口からの水を一定量ずつ放出するものである。水冷却コイル105は、水ポンプ103からの水を冷却するものである。水フローレギュレータ106は、水冷却コイル105からの冷却水を、流量調整した後に水電磁弁107を介して水供給ライン108に供給するものである。
【0018】
炭酸水タンク109(カーボネータ)は、炭酸水を貯水するものである。水電磁弁110は、水冷却コイル105の出口と炭酸水タンク109の入口との間に配設され、炭酸水タンク109の貯水量に応じて開放又は遮断するものである。詳述すると、水電磁弁110は、炭酸水タンク109の貯水量を検出するためのフロートスイッチ(図示せず)の出力に応じて開放又は遮断し、炭酸水タンク109の貯水量を一定容積範囲内とする。炭酸水タンク109内部は、水電磁弁110からの冷却水と炭酸ガスボンベ111からの炭酸ガスとが混合されて炭酸水が生成され、一定圧力(例えば0.6MPa)がかかる。炭酸水タンク109内部の炭酸水は、炭酸ガスボンベ111からのガス圧力で下流側に放出される。尚、水電磁弁110は、水電磁弁107が開放している間は、炭酸水タンク109のためのフロートスイッチの出力に関わらず遮断したままとなる。これより、水供給ライン108の供給圧力が低下するのを防止できる。炭酸水フローレギュレータ112は、炭酸水タンク109からの炭酸水を流量調整するものである。炭酸水冷却コイル113は、炭酸水フローレギュレータ112からの炭酸水を冷却した後に炭酸水電磁弁114を介して炭酸水供給ライン115に供給するものである。
【0019】
シロップタンク116は、飲料の元となる濃縮液体原料を貯蔵するものである。シロップタンク116内部の濃縮液体原料は、炭酸ガスボンベ111からのガス圧力で下流側に放出される。シロップ冷却コイル117は、シロップタンク116からの濃縮液体原料を冷却するものである。シロップフローレギュレータ118は、シロップ冷却コイル117からの冷却シロップを、流量調整した後にシロップ電磁弁119を介してシロップ供給ライン120に供給するものである。尚、シロップタンク116からシロップ供給ライン120までの経路は、カップ飲料の種類に応じた数だけ設けられる。本発明の実施の形態においては、後述するように、二種類のシロップ(濃縮液体原料)を混合してなるシロップを希釈してカップ飲料とする。従って、本発明の実施の形態においては、図2に示されるように、第1シロップ及び第2シロップに対応して、シロップタンク116a、116bと、シロップ冷却コイル117a、117bと、フローレギュレータ118a、118bとが設けられ、更に、第1シロップ電磁弁119a、及び第2シロップ電磁弁119bと、第1シロップ供給ライン120a、及び第2シロップ供給ライン120bとが設けられている。尚、本発明の実施の形態においては、2種類のシロップからなるシロップを販売するとしているが、これに限定されるものではない。例えば、1種類のシロップからなるシロップを販売するとしてもよいし、3種類以上のシロップからなるシロップを販売するとしてもよい。
【0020】
希釈水供給ライン108、炭酸水供給ライン115、シロップ供給ライン120は、カップ121の開口面と対向する位置に集中して配設される。
【0021】
尚、図2における販売機構は、後述するように、フローレギュレータ106、112、118a、118bを制御して希釈水、炭酸水、第1シロップ、及び第2シロップの流量をそれぞれの所定の値に保持しつつ、各電磁弁107、114、119a、119bを開放する時間、及びポンプモータ104の運転時間をそれぞれ制御することによって、希釈水、炭酸水、第1シロップ、及び第2シロップの販売量を調整するものである。この際、後述する販売制御部が前記の時間を計測するタイマを、各電磁弁107、114、119a、119bごとに備えている。
【0022】
図3は、本発明を適用するカップ式自動販売機の販売機構(販売手段)の第2例を説明するための図である。
図3において、図2におけるフローレギュレータ106、112、118a、118bの替わりに、流量計140、141、142a、142bが設けられている。本発明の実施の形態における流量計140、141、142a、142bは、希釈水、炭酸水、第1シロップ、及び第2シロップの流量と同期して回転するパドル型の回転子を有し、回転子の回転数をカウンタによって計測して流量に対応した所定の数のパルス信号を出力する構成及び機能を有する。
【0023】
よって、図3における販売機構は、後述するように、各電磁弁107、114、119a、119bを開放、又はポンプモータ104の運転を開始した後、各流量計140、141、142a、142bの出力するパルス数が予めそれぞれ設定しておいたパルス数に達すると、前記電磁弁を閉じる、又は前記モータの運転を停止することによって、希釈水、炭酸水、第1シロップ、及び第2シロップの販売量を調整するものである。この際、後述する販売制御部が前記流量計の回転子の回転数を計測するカウンタを、各流量計140、141、142a、142bごとに備えている。また、後述する販売制御部には、第1シロップ及び第2シロップの販売開始のタイミングを計数するシロップ専用カウンタが、前記の回転数を計測するカウンタとは別に備えられている。
【0024】
図4において、主制御部201は、カップ式自動販売機の制御を統括するものであり、ROM、CPU、RAM、周辺回路(例えば、I/O、タイマ、カウンタ等)から成るものである。換言すると、主制御部201は、マイクロコンピュータを中心として動作するものである。詳述すると、ROMは、後述する複数の従制御部を統括制御するためのプログラムデータが予め格納されたものであり、CPUは、ROMから読み出されたプログラムデータの解読結果に従って複数の従制御部を統括制御するものであり、RAMは、CPUによる演算結果、複数の従制御部からの各種データ等の書き込み又は読み出しを行なうものである。ハードウエア面では、ROMは、データを製造工程で焼き付け固定するマスクROM、データを紫外線消去することによりデータを繰り返し書き込み読み出しできるEPROM、又はデータを電気消去することによりデータを繰り返し書き込み読み出しできるEEPROM(フラッシュROMを含む)等の不揮発性メモリである。CPUは、ROMの実行アドレスを指定するプログラムカウンタ、ROMからの読み出し内容を解読するインストラクションデコーダ、論理演算を行なう演算論理ユニット、演算データを一時格納するアキュムレータ等を内蔵する。RAMは、SRAM等の不揮発性メモリであり、バックアップ電源を用いてデータを保持する。
【0025】
硬貨処理制御部202、紙幣処理制御部203、接客制御部204、販売制御部205、入出力制御部206は、複数の従制御部に相当し、ハードウエア面において、主制御部201と同様のROM、CPU、RAMとを内蔵する。硬貨挿入機構207は、釣銭切れを検出する釣銭切れセンサを備え、硬貨投入口4からの投入硬貨を受け取り、必要に応じて釣銭を返却口19から返却するものである。硬貨処理制御部202は、硬貨投入機構207を制御し、投入硬貨の金種、正偽等の判別、金種別枚数の計算、金庫への余剰硬貨の収容、釣銭払い出し等を行なわせるものである。紙幣挿入機構208は、硬貨投入機構207と同様に、釣札切れを検出する釣札切れセンサを備え、紙幣挿入口5からの挿入紙幣を受け取り、必要に応じて釣札を紙幣挿入口5から返却するものである。紙幣処理制御部203は、紙幣挿入機構208を制御し、挿入紙幣の金種、正偽等の判別、金種別枚数の計算、釣札払い出し等を行なわせるものである。硬貨処理制御部202および紙幣処理制御部203は、硬貨投入および紙幣挿入が行なわれるその都度、処理動作を実行する。尚、硬貨処理制御部202および硬貨投入機構207は硬貨識別装置を構成し、紙幣処理制御部203および紙幣挿入機構208は紙幣識別装置を構成するが、硬貨識別装置および紙幣識別装置の代わりに、先払いカード又は後払いカードを挿入するカード読み取り装置(図示せず)を設けることによって、カップ飲料を販売できるようにしてもよい。接客面209は、表示部6、商品選択釦8、増量釦9、10、11、減量釦12、13、14、表示部15、販売中ランプ20、販売中止ランプ21、釣銭切れランプ22から成るものである。接客制御部204は、接客面209を制御する。つまり、接客制御部204は、主制御部201からのカップ飲料販売に関する接客指示に従って、販売中ランプ20、販売中止ランプ21、釣銭切れランプ22を点灯させたり、販売飲料別の販売可ランプ又は売り切れランプを点灯させたり、更には、複数の商品選択釦8の何れが押下されたのかを検出し、このときの検出信号を主制御部201に送信したりする。
【0026】
販売機構210は、図2及び図3に示すものである。販売制御部205は、販売機構210を制御し、接客制御部204からの前記検出信号に応答した主制御部201からの販売指示に従って、利用者が希望するカップ飲料を調理して商品取出口17で取り出し可能とするものである。尚、本発明の実施の形態においては、販売制御部205は、販売機構210、及び主制御部201とともに、販売手段を構成する。
【0027】
キーボード211は、テンキーおよびファンクションキーと、これらのキーの操作に関する内容を表示する有機EL、LCD等の表示部と、ブザーとを、前面に備えたものである。キーボード211は、入出力制御部206と有線で接続されるとともに、前扉1の裏面に着脱自在に配設され、カップ飲料を調理するためのデータ設定、金額設定、メンテナンス等を行なう際に操作するものである。入出力制御部206は、キーボード211からの入力情報を主制御部201に送信する。主制御部201は、この入力情報に基づいて、硬貨処理制御部202、紙幣処理制御部203、接客制御部204、販売制御部205に対して、それぞれの指示を行なう。尚、主制御部201と従制御部202〜206との間の通信は、主制御部201が優先的な送信権を有するポーリング方式、或いは、主制御部201および従制御部202〜206が対等な送信権を有するコンテンション方式の何れであってもよい。
【0028】
===シロップ飲料の調理動作===
本発明のカップ式自動販売機における、図3に示される販売機構が、シロップ飲料を調理する動作を説明する。
先ず、利用者は、シロップ飲料を購入するために、図1に示される硬貨投入口4に硬貨を投入するか、紙幣挿入口5に紙幣を挿入し、図4に示される接客面209において第1シロップ及び第2シロップからなるシロップ飲料に対応する商品選択釦8を押下する。接客制御部204は、この釦の押下に応答して、シロップ飲料に対応付けられた検出信号を主制御部201に送信する。主制御部201は、シロップ飲料に対応付けられた検出信号を割り込み要求として受信し、硬貨処理制御部202、紙幣処理制御部203等から既に受信した検出信号に対応する投入額が当該シロップ飲料の設定価格以上であることを確認すると、販売制御部205にシロップ飲料に対応付けられた販売指示信号を送信する。
【0029】
シロップ飲料に対応付けられた販売指示信号を受信した販売制御部205は、当該販売制御部205の有するメモリ(図示せず)に記憶しているデータに基づいて、電磁弁107、114、119a、119b、水ポンプ103のポンプモータ104等に信号を送信し、図5のタイミングチャートに従って、シロップ飲料の調理を開始する。
【0030】
図5には、図3に示される販売機構がシロップ飲料を調理する動作を説明するためのタイミングチャートが示されている。以後、このタイミングチャートの詳細を説明する。
【0031】
<<<炭酸水の販売>>>
本発明の実施の形態においては、シロップ飲料は炭酸水で希釈されて調理されるものとする。また、図5に示されるように、本発明の実施の形態においては、炭酸水電磁弁114が開く時刻を、シロップ飲料の販売開始時刻とする。
【0032】
ここで、図5の炭酸水電磁弁114に対応するタイミングチャートについて詳述する。本発明の実施の形態においては、流量計141の回転に基づいて、例えば83個のパルスが発生するパルス発生期間(C)の幅に相当する時間だけ、炭酸水電磁弁114が開放される。また、83個のパルスの内の1つ目のパルスにおける立ち上がりの位置、即ち図5におけるパルス発生期間Cの立ち上がり位置によって、炭酸水電磁弁114を開ける相対的な時刻が示されている。このパルスは、炭酸水供給ライン115に設けられた流量計141の有する回転子が炭酸水の流量と同期して回転し、この回転数がカウンタ(図示せず)によって計測されて所定の数のパルス信号として出力されるものである。このパルス数が設定値(83)に達した時、炭酸水電磁弁114が閉じられる。このような設定値(83)は、図4における販売制御部205の備えるメモリ(図示せず)に記憶され、カウンタは、当該販売制御部205に、炭酸水専用のカウンタ(図示せず)として備えられている。更に、回転子の回転数をカウンタによって計測を開始する動作や、パルス数が設定値(83)に達したと判断し炭酸水電磁弁114を閉じる動作等は、販売制御部205の備えるメモリ(図示せず)に格納された所定のプログラムに沿って実施される。
【0033】
尚、本発明の実施の形態においては、比較的濃度の高い炭酸水(以後、単に、炭酸水と言う)と希釈水とを別々にしている。この炭酸水と希釈水との希釈比率を適宜な値に設定することによって、弱乃至強炭酸シロップ飲料が販売される。炭酸水と希釈水との希釈比率は、例えば、前記のパルス発生期間Cの時間幅と後述するパルス発生期間Dの時間幅との比に相当する。また、本発明の実施の形態におけるカップ式自動販売機は、炭酸水を希釈せずに販売することもできる。この場合、パルス発生期間Cは、後述するパルス発生期間Dの分まで延長される。
【0034】
前記のパルス発生期間(C)の示す炭酸水電磁弁114の開放時間に相当する量の炭酸水が、炭酸水タンク109からカップ121内に販売される。尚、前記のパルス発生期間Cの場合と同様に、後述するパルス発生期間A1、A2、及びA3は、それぞれの立ち上がりの位置によって第1シロップ電磁弁119aを開ける相対的な時刻を示し、それぞれの幅によって当該第1シロップ電磁弁119aを開放する時間を示している。また、後述するパルス発生期間B1、B2、及びB3は、それぞれの立ち上がりの位置によって第2シロップ電磁弁119bを開ける相対的な時刻を示し、それぞれの幅によって当該第2シロップ電磁弁119bを開放する時間を示している。更に、後述するパルス発生期間Dは、その立ち上がりの位置によって水電磁弁107を開ける相対的な時刻を示し、その幅によって当該水電磁弁107を開放する時間を示している。
【0035】
尚、後述する時間パターンEは、その立ち上がりの位置によってポンプモータ104を運転開始する相対的な時刻を示し、その幅によって当該ポンプモータ104の運転時間を示している。
【0036】
<<<第1シロップの販売(第1回目)>>>
図5に示されるように、前記の炭酸水の販売(C)が開始されてから、例えば6個のパルスからなるパルス発生期間(T1)をおいて第1シロップ電磁弁119aが開き、例えば10個のパルスからなるパルス発生期間(A1)の幅に相当する時間だけ開放される。ここで、遅延時間をなすパルス発生期間T1を構成する6個のパルスは、炭酸水供給ライン115に設けられた流量計141における回転数が、炭酸水専用のカウンタ(図示せず)によって計測されたものである。また、パルス発生期間A1を構成する10個のパルスは、第1シロップ供給ライン120aに設けられた流量計142aにおける回転数が、第1シロップ専用のカウンタ(図示せず)によって計測されたものである。
尚、本発明の実施の形態においては、パルス発生期間A1を構成するパルスの個数を説明の便宜上10としたが、これは9であってもよい。
【0037】
<<<第1シロップの販売(第2回目)>>>
図5に示されるように、前記の第1シロップの第1回目の販売(A1)が開始されてから、30個(後述する)のパルスからなるパルス発生期間(T2)をおいて第1シロップ電磁弁119aが再度開き、例えば10個のパルスからなるパルス発生期間(A2)の幅に相当する時間だけ開放される。ここで、パルス発生期間T2を構成する30個のパルスは、後述するように、図6に示されるシロップ専用カウンタ301cによって計数されたものである。即ち、本発明の実施の形態においては、第1シロップの第2回目の販売(A2)が開始されるタイミング(T2)は、シロップ専用カウンタ301cによって与えられる。また、パルス発生期間A2を構成する10個のパルスは、第1シロップ供給ライン120aに設けられた流量計142aにおける回転数が、第1シロップ専用のカウンタ(図示せず)によって計測されたものである。
【0038】
図6のブロック図に示されるように、販売制御部205は、第1シロップ電磁弁119a及び第2シロップ電磁弁119bを開けるタイミングを設定するための構成を備えている。図6における比較回路301aは、RAM301bのアドレスに記憶されているパルス発生期間(T2及び後述するT3乃至T5)に相当するパルス数のテーブルデータと、シロップ専用カウンタ301cが計数するパルス数とを比較し、当該テーブルデータ及び当該パルス数が一致した時、販売制御部205に備えられたメモリ(図示せず)に格納された所定のプログラムに沿って、第1シロップ電磁弁119a又は第2シロップ電磁弁119bを開くための制御信号を出力する。また、本発明の実施の形態におけるシロップ専用カウンタ301cは、第1シロップ供給ライン120aに設けられた流量計142aにおける回転子の回転数を計測する第1シロップ専用のカウンタ(図示せず)と同時に計数を開始して、当該第1シロップ専用のカウンタ(図示せず)と同期して継続的にパルスを発生する機能を有する。ここで、シロップ専用カウンタ301cは、第1シロップ専用のカウンタ(図示せず)であってもよい。この場合、シロップ専用カウンタ301cは、例えば主制御部201から、パルス発生期間T2及び後述するT3乃至T5をそれぞれ構成するパルス数のデータを受け取り、1から当該パルス数まで計数する。
【0039】
シロップ専用カウンタ301cが計数を開始してから例えば第1シロップ電磁弁119aが開放されるまでの具体的な動作について説明する。シロップ専用カウンタ301cが1から例えば30まで計数し比較回路301aに当該30を送出した時点で、比較回路301aは、当該30とRAM301bのアドレスAに記憶されているテーブルデータである30とが一致することを確認するとともに、第1シロップ電磁弁119aを開けるための信号を出力する。このような信号の出力により、第1シロップ電磁弁119aは、シロップ専用カウンタ301cが30パルスを計数した直後に開放される。ところで、前記のテーブルデータである30は、前述したパルス発生期間T2を構成するパルスの個数に相当する。図6に示されるように、更に他のテーブルデータとして、RAM301bのアドレスBに61、アドレスCに91、アドレスDに122が記憶されている。後述するように、これらの値に基づいたタイミングをもって、各電磁弁119a、119bが開放される。
【0040】
<<<第1シロップの販売(第3回目)>>>
図5に示されるように、前記の第1シロップの第1回目の販売(A1)が開始されてから、61個(後述する)のパルスからなるパルス発生期間(T3)をおいて、第1シロップ電磁弁119aが再度開き、例えば5個のパルスからなるパルス発生期間(A3)の幅に相当する時間だけ開放される。ここで、パルス発生期間T3を構成する61個のパルスは、図6に示されるRAM301bのアドレスBのテーブルデータである61に相当する。即ち、本発明の実施の形態においては、第1シロップの第3回目の販売(A3)が開始されるタイミング(T3)は、シロップ専用カウンタ301cによって計数されたテーブルデータ(61)に相当するパルス数によって与えられる。また、パルス発生期間A3を構成する5個のパルスは、第1シロップ供給ライン120aに設けられた流量計142aにおける回転数が、第1シロップ専用のカウンタ(図示せず)によって計測されたものである。
【0041】
<<<第2シロップの販売(第1回目)>>>
図5に示されるように、前記の第1シロップの第3回目の販売(A3)が終了すると同時に第2シロップ電磁弁119bが開き、例えば5個のパルスからなるパルス発生期間(B1)の幅に相当する時間だけ開放される。ここで、パルス発生期間B1を構成する5個のパルスは、第2シロップ供給ライン120bに設けられた流量計142bにおける回転数が、第2シロップ専用のカウンタ(図示せず)によって計測されたものである。尚、パルス発生期間B1を構成する前記の5個のパルス数は、当該パルス発生期間B1と第1シロップの第3回目の販売に相当するパルス発生期間A3とを合わせた期間を構成するパルスの個数が例えば10個となるように決定されている。
【0042】
<<<希釈水の販売>>>
図5に示されるように、炭酸水の販売(C)が終了すると同時に、水電磁弁107が開き、且つ、ポンプモータ103の運転、即ち水ポンプ104の運転が開始し、当該水電磁弁107は、図5の例えば76個のパルスからなるパルス発生期間(D)の幅に相当する時間だけ開放される。これにより、水供給ライン108において水流が発生し、カップ121に希釈水が販売される。本発明の実施の形態においては、炭酸水を販売した(C)後に希釈水を販売する(D)。これにより、カップ121中での炭酸水の泡立ちが抑制される。もし、希釈水の次に炭酸水を販売すれば、カップ121中で炭酸ガスの発生による泡立ちが必要以上に発生し、カップ飲料の所望の味わいが得られない恐れがある。
【0043】
水供給ライン108に設けられた流量計140の備える回転子の回転数を計測するカウンタは、図4における販売制御部205に、希釈水専用のカウンタ(図示せず)として備えられている。また、本発明の実施の形態においては、ポンプモータ104の運転時間に相当する時間パターンEは、水供給ライン108の流量計140からのパルス出力として例えば66個分に相当する。前記の回転子の回転数をカウンタによって計測を開始する動作や、パルス数が販売制御部205の備えるメモリ(図示せず)に記憶された設定値(76)に達したと判断し水電磁弁107を閉じる動作等は、当該販売制御部205の備えるメモリ(図示せず)に格納された所定のプログラムに沿って実施される。尚、水供給ライン108を構成する、水ポンプ103の出力部、水電磁弁107の入力部、当該出力部と当該入力部との間における配管やフローレギュレータ108等がウォータハンマに基づく必要以上の圧力等によって損傷を受けることを回避するために、ポンプモータ104の運転を、前記のパルス発生期間Dに相当する希釈水の量を見込んで水電磁弁107を閉じるよりも適宜な時間(TD)だけ早く終了している。本発明の実施の形態においては、TDはおよそ0.5秒間であるが、このTDは、水供給ライン108に設けられた流量計140から出力されるパルス数(例えば10パルス)を基に算出される。
【0044】
<<<第2シロップの販売(第2回目)>>>
図5に示されるように、前記の第1シロップの第1回目の販売(A1)が開始されてから、91個(後述する)のパルスからなるパルス発生期間(T4)をおいて、第2シロップ電磁弁119bが再度開き、例えば10個のパルスからなるパルス発生期間(B2)の幅に相当する時間だけ開放される。ここで、パルス発生期間T4を構成する91個のパルスは、図6に示されるRAM301bのアドレスCのテーブルデータである91に相当する。即ち、本発明の実施の形態においては、第2シロップの第2回目の販売(B2)が開始されるタイミング(T4)は、シロップ専用カウンタ301cによって計数されたテーブルデータ(91)に相当するパルス数によって与えられる。また、パルス発生期間B2を構成する10個のパルスは、第2シロップ供給ライン120bに設けられた流量計142bにおける回転数が、第2シロップ専用のカウンタ(図示せず)によって計測されたものである。
【0045】
<<<第2シロップの販売(第3回目)>>>
図5に示されるように、前記の第1シロップの第1回目の販売(A1)が開始されてから、122個(後述する)のパルスからなるパルス発生期間(T5)をおいて、第2シロップ電磁弁119bが再度開き、例えば6個のパルスからなるパルス発生期間(B3)の幅に相当する時間だけ開放される。ここで、パルス発生期間T5を構成する122個のパルスは、図6に示されるRAM301bのアドレスDのテーブルデータである122に相当する。即ち、本発明の実施の形態においては、第2シロップの第3回目の販売(B3)が開始されるタイミング(T5)は、シロップ専用カウンタ301cによって計数されたテーブルデータ(122)に相当するパルス数によって与えられる。また、パルス発生期間B3を構成する6個のパルスは、第2シロップ供給ライン120bに設けられた流量計142bにおける回転数が、第2シロップ専用のカウンタ(図示せず)によって計測されたものである。
ここで、本発明の実施の形態においては、シロップ専用カウンタ301cは、前記のテーブルデータである122に相当するパルス数を計数した時点でリセットされ、次販売に備える。
また、図5に示されるように、本発明の実施の形態におけるシロップ飲料の調理は、希釈水の販売(D)を最後に終了する。
【0046】
===パルス発生期間T2乃至T5の設定===
本実施の形態においては、前述したパルス発生期間A1、A2、A3、B1、B2、B3、C、D、T1乃至T5、及びTDをそれぞれ構成するパルスの個数は、図4に示される販売制御部205に備えられたメモリ(図示せず)や、当該販売制御部205に備えられたRAM301b(図6)に記憶されている。但し、これらパルス数のデータは、図4に示される主制御部201の例えばRAM、ROM等に記憶され、カップ飲料の販売時に主制御部201から販売制御部205に送出されてもよい。
【0047】
特に、前述したパルス発生期間T2乃至T5をそれぞれ構成するパルス数の設定値(30、61、91、122)は、図6に示されるRAM301bのアドレスA、B、C、Dに対してテーブルデータとして記憶されている。これらの値は、以下の条件を満たすように設定される。
【0048】
先ず、本発明の実施の形態において炭酸水及び希釈水から構成される希釈液の全販売期間(X)は、前述した、炭酸水のパルス発生期間Cを構成するパルス数(83)と、希釈水のパルス発生期間Dを構成するパルス数(76)とを合計して、159個のパルスから構成されている。
【0049】
本発明の実施の形態においては、第1シロップ及び第2シロップが間欠的に販売される期間とは、希釈液の全販売期間Xから、最初に販売する所定量の希釈液に相当するパルス発生期間T1(Y)を差し引いた期間と考えられる。
【0050】
一方、第1シロップ及び第2シロップからなるシロップの全販売量は、前述したパルス発生期間A1、A2、A3、B1、B2、B3をそれぞれ構成するパルス数である10、10、5、5、10、6を合計して得られる46個のパルスに相当する。ここで、本発明の実施の形態においては、シロップを間欠的に一定量ずつ販売する場合の当該一定量をパルス10個分としている。即ち、パルス発生期間A1と、パルス発生期間A2と、パルス発生期間A3及びB3を合わせた期間と、パルス発生期間B2とは、それぞれ10個のパルスから構成されている。そして、最後のパルス発生期間B3のみが6個のパルスから構成される。これらの4回分のパルス10個と、1回分のパルス6個とは、シロップが間欠的に販売される場合の略一定販売量に相当する。
【0051】
尚、前記の4回とは、シロップの全販売量に相当するように予め設定されたパルス46個を、シロップの略一定販売量に相当するように予め設定されたパルス10個で割って得られる商としての4(Z)とすることもできる。
希釈液の全販売期間(X)のうちで、シロップが間欠的に販売される期間(X−Y)を、前記のZに1を加えて割って((X−Y)/(Z+1))得られる値は、30.6である。この値に基づいて、以下具体的に述べるように、シロップを一定期間間隔をもって間欠的に販売する際の当該一定期間が決定される。
【0052】
図6のRAM301bのアドレスAに記憶されているテーブルデータは、シロップの第2回目の販売(第1シロップの第2回目の販売、A2)を開始するタイミング(T2)を決める。当該テーブルデータは、前記の30.6の小数点以下を切り捨てて30と得られる。
【0053】
図6のRAM301bのアドレスBに記憶されているテーブルデータは、シロップの第3回目の販売(第1シロップの第3回目の販売、A3)を開始するタイミング(T3)を決める。当該テーブルデータは、前記の30.6に2を乗じて得られた61.2の小数点以下を切り捨てて、61と得られる。
図6のRAM301bのアドレスCに記憶されているテーブルデータは、シロップの第4回目(Z回目)の販売(第2シロップの第2回目の販売、B2)を開始するタイミング(T4)を決める。当該テーブルデータは、前記の30.6に3を乗じて得られた91.8の小数点以下を切り捨てて、91と得られる。
図6のRAM301bのアドレスDに記憶されているテーブルデータは、シロップの第5回目(Z+1回目)の販売(第2シロップの第3回目の販売、B3)を開始するタイミング(T5)を決める。当該テーブルデータは、前記の30.6に4を乗じて得られた122.4の小数点以下を切り捨てて、122と得られる。
【0054】
前述した、T2を構成するパルス数(30)と、T3及びT2をそれぞれ構成するパルス数の差(31)と、T4及びT3をそれぞれ構成するパルス数の差(30)と、T5及びT4をそれぞれ構成するパルス数の差(31)と、C及びDを構成するパルス数の合計からT1及びT5を構成するパルス数の合計を差し引いたパルス数(31)とが、一定期間間隔をもって間欠的に販売されるシロップの当該一定期間に相当し、前述の(X−Y)/(Z+1)なる演算によって得られた30.6の少数点以下を切り捨てた30、又は、当該少数点以下を切り上げた31のパルスから構成される期間に相当する。
【0055】
前述したように、T3乃至T5は、前記の(X−Y)/(Z+1)の値30.6に対して2乃至4を乗じた後に、当該乗じて得られた結果の少数点以下を切り捨てることによって得られている。これにより、前述したように、一定期間間隔をもって間欠的に販売されるシロップの当該一定期間が30又は31個のパルスに相当することとなる。もし、例えば、前記の30.6の少数点以下を予め切り捨てて得た30に2乃至4を乗じて、それぞれT3乃至T5を得る場合、当該T3乃至T5はそれぞれ60、90、120に相当する。よって、初めの4回分の前記一定期間は30に相当することとなるが、C及びDを構成するパルス数の合計からT1及びT5を構成するパルス数の合計を差し引いて得られる最後(5回目)の前記一定期間のパルス数は33となり、前記4回分の一定期間である30とは3パルス分異なる。従って、(X−Y)/(Z+1)の小数点以下を予め切り捨てて整数値を得る方法によっては、本発明の実施の形態における前記一定期間を得ることはできない。
【0056】
尚、本発明の実施の形態においては、前記の一定期間を与える(X−Y)/(Z+1)等の演算は、図4に示される主制御部201の例えばROMに記憶された所定のプログラムに沿って、主制御部201のCPUによって予め行なわれている。
【0057】
===シロップ飲料の希釈度の均一性===
前述した調理動作においては、図5に示されるように、炭酸水のパルス発生期間T1(6個分のパルス)に相当する所定量の炭酸水が最初に供給されたカップ121の中に、炭酸水及び希釈水の継続的な販売(C及びD)に対して均一なタイミング(T2乃至T5)でシロップが販売されている。よって、炭酸水や希釈水に比べて粘性の高いシロップがカップ121の底部に直接供給されて当該底部に粘着し、希釈されにくくなる恐れが回避される。また、シロップは、カップ121の上下方向において、前記タイミングの数だけ分散して供給される。従って、本発明の実施の形態においては、ブリックス差の少ない、即ち甘さの度合が均一なシロップ飲料を提供できる。
【0058】
また、前述した調理動作においては、図5に示されるように、パルス発生期間B3に相当する最後のシロップの販売の後に希釈水が販売される。本発明の実施の形態におけるこのような希釈水の販売期間は、例えば25個分のパルスからなる期間(C及びDの159個からT1の6個、T5の122個、及びB3の6個を差し引いて得られる)である。よって、希釈水に比べて粘性の高いシロップがカップ121の上部に局在し希釈されにくくなる恐れが回避される。従って、本発明の実施の形態においては、ブリックス差の少ない、即ち甘さの度合が均一なシロップ飲料を提供できる。
【0059】
更に、前述した調理動作においては、図5に示されるように、炭酸水及び希釈水の継続的なパルス発生期間(C及びDからT1を差し引いた153個のパルス)中に、一定なパルス発生期間(30又は31個のパルス)間隔で、5回分の略一定なパルス発生期間(A1、A2、A3及びB1、並びにB2として、10個分のパルスが4回、B3の6個分のパルスが1回)に相当するシロップが販売される。よって、カップ121中のシロップの希釈度をより均一にできる。従って、本発明の実施の形態においては、ブリックス差の少ない、即ち甘さの度合が均一なシロップ飲料を提供できる。
【0060】
===その他の実施の形態===
前述した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0061】
前述した調理動作においては、パルス発生期間A1、A2、A3、B1、B2、B3、C、D、T1乃至T5、及びTDを構成する具体的なパルスの個数を挙げたが、これに限定されるものではない。例えば、シロップの全販売量、希釈液の全販売量、最初に販売する希釈液の所定量、間欠的に販売するシロップの略一定販売量等に対応するパルス発生期間を様々に設定し、これに応じて、前記のパルス発生期間A1、A2、A3、B1、B2、B3、C、D、T1乃至T5、及びTDを構成するパルスの個数を設定してもよい。
【0062】
また、前述した調理動作は図3に示される販売機構の動作であるが、これに限定されるものではない。例えば、図2に示される販売機構によってカップ飲料を調理してもよい。前述した調理動作において、図3に示される例えば各電磁弁107、114、119a、119bの開放は、図5に示されるパルス数で制御されている。これに対して、図2に示される各電磁弁107、114、119a、119bの開放は、当該パルス数に相当する時間で制御される。但し、図3に示される販売機構によってカップ飲料を調理する場合には、以下の利点が生じる。図3に示されるように、流量計140、141、142a、142bは、シロップ又は希釈液が流れることによってパルスが発生するものである。例えば、もし、水電磁弁102が動作しないことにより希釈水タンク101に水道水が供給されず、希釈水が流量計140中を流れない状況が発生した場合、図5におけるパルス発生期間Dを構成するパルスは発生しない。この時点で販売機構の動作を停止する等の適宜なプログラムが動作するようにすれば、例えばシロップ及び炭酸水のみで調理されたカップ飲料が完成し利用者に提供してしまうことを防止できる。尚、パルス発生期間A1、A2、A3、B1、B2、B3、及びCに基づいて電磁弁119a、119b、114を開閉したり、時間パターンEに基づいてポンプモータ104のON/OFFを行なったりすることについても、シロップ又は希釈液がそれぞれの供給ライン108、115、120a、120bの中を流れなければ、販売機構に対して前記と同様の防止動作をさせることができる。
【0063】
更に、前述した実施の形態は、カップ式自動販売機を用いるものであるが、これに限定されるものではない。例えば、本発明の実施の形態として、レストラン等の店舗用ディスペンサを用いてもよい。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、カップ飲料における希釈度の不均一性を抑制するカップ式自動販売機、及びカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するカップ式自動販売機の正面図の一例である。
【図2】本発明を適用するカップ式自動販売機の販売機構の一つの例を示す図である。
【図3】本発明を適用するカップ式自動販売機の販売機構のもう一つの例を示す図である。
【図4】本発明の機能を説明するためのブロック図である。
【図5】図3に示される販売機構によるシロップ飲料の調理動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】第1及び第2シロップ電磁弁を開ける制御を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
104 ポンプモータ
107 水電磁弁
114 炭酸水電磁弁
119a 第1シロップ電磁弁
119b 第2シロップ電磁弁
140、141、142a、142b 流量計
201 主制御部
205 販売制御部
210 販売機構
301a 比較回路
301b RAM
301c シロップ専用カウンタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定されたカップに飲料を販売するのに好適なカップ式自動販売機、及びこのようなカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、カップ式自動販売機は、飲料の原料(濃縮液体原料、粉末原料等)を水や炭酸水等の希釈液により所定の比率で希釈して飲料を調理して販売する。特に、固定されたカップの中で、濃縮液体原料(以下、シロップと称する)を用いて調理するカップ式自動販売機では、この希釈比率を適切なものとするために、従来は、シロップをカップに供給するための供給ラインと、希釈液をカップに供給するための供給ラインとに、電磁弁とともにフローレギュレータや流量計等が設けられ、それぞれの流量が管理されつつカップ内で混合されていた(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
より具体的には、従来のカップ式自動販売機は、ポンプ等によって希釈液を希釈液用供給ラインを通じてカップに供給すると同時に、炭酸ガスボンベに封入された炭酸ガスの圧力等によってシロップをシロップ用供給ラインを通じてカップに供給していた。ここで、従来は、前記の希釈比率は以下に述べる方法で調整されてきた。
【0004】
シロップ用供給ライン及び希釈液用供給ラインのそれぞれにはフローレギュレータ及び電磁弁が設けられている。この電磁弁を所定のタイミングにて所定の時間だけ開放することによって、カップに供給するシロップ及び希釈液それぞれの量が調整される。ここで、それぞれの供給ラインにおいて、フローレギュレータによって、シロップ及び希釈液の流量を所定の値に保持することができる。このようにすれば、シロップ及び希釈液の供給量は、それぞれの供給ラインに設けられた電磁弁を開放している時間や、ポンプを運転している時間等に一義的に対応することとなる。このような電磁弁の開閉や、ポンプのON/OFF等は、例えば、電磁弁を開放する時間を計測するためのタイマを備えたマイクロコンピュータからなる適宜な販売制御部によって制御される。
【0005】
【特許文献1】
特開昭57−211691号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、シロップ飲料におけるシロップは、当該シロップより量の多い希釈液によって希釈され、シロップ飲料が調理されるために、シロップの販売量に比べて希釈液の販売量が多く設定される。一方、従来は、シロップと希釈液との販売が同時に開始され、その後両者とも継続して販売されていた。従って、販売時におけるシロップと希釈液との流量に大きな相違がない場合には、シロップの販売が希釈液の販売よりも先に終了し、その後も希釈液の販売が継続されていた。
【0007】
しかしながら、シロップと希釈液とが同時に販売されると、カップの底部に直接粘着するシロップが少なからずあった。このようなシロップは、その粘性が希釈液の粘性よりも高いために、その後供給される希釈液によって十分に希釈されず、カップ飲料の底部に溜まる傾向にあった。また、希釈液の販売がシロップの販売後も継続された場合は、カップ飲料の下部よりも上部がより希釈される傾向にあった。これらのことから、カップ飲料全体のシロップの希釈が不均一になる恐れがあった。
【0008】
そこで、本発明は、カップ飲料における希釈度の不均一性を抑制するカップ式自動販売機、及びカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための発明は、希釈液の販売期間中に濃縮液体原料を販売してカップ飲料を調理するカップ式自動販売機において、前記希釈液の所定量を販売した後、前記濃縮液体原料を一定期間間隔をもって間欠的に販売する販売手段を備えたものである。このカップ式自動販売機によれば、所定量の希釈液が供給されたカップの中に、希釈液の例えば継続的な販売に対して均一なタイミングで濃縮液体原料が販売されることとなる。よって、希釈液に比べて粘性の高い濃縮液体原料がカップの底部に直接供給されて当該底部に粘着し、当該濃縮液体原料が希釈されにくくなる恐れが回避される。また、濃縮液体原料は、カップの上下方向において、前記タイミングの数だけ分散して供給される。従って、カップの上下部における濃縮液体原料の希釈度の不均一性を抑制し、カップ中の濃縮液体原料の希釈度をより均一にできるという作用効果を有する。
【0010】
また、かかるカップ式自動販売機において、前記販売手段は、前記希釈液の販売終了前に、前記濃縮液体原料の最後の前記間欠的な販売を終了するものである。このカップ式自動販売機によれば、カップ飲料の調理は、希釈液の販売を最後に終了する。よって、希釈液に比べて粘性の高い濃縮液体原料がカップの上部に局在し希釈されにくくなる恐れが回避される。従って、カップの上下部における濃縮液体原料の希釈度の不均一性が抑制されるという作用効果を有する。
【0011】
また、かかるカップ式自動販売機において、前記一定期間は、前記希釈液の全販売期間をX、前記希釈液の前記所定量の販売期間をY、前記濃縮液体原料の全販売量を前記濃縮液体原料の前記間欠的に販売される略一定販売量で割って得られる商をZとした時、(X−Y)/(Z+1)に基づいて決定されるものである。このカップ式自動販売機によれば、希釈液の例えば継続的な販売期間であるX−Y中に、一定期間である(X−Y)/(Z+1)間隔でZ回分の略一定販売量の濃縮液体原料が販売される。よって、カップ中の濃縮液体原料の希釈度をより均一にできるという作用効果を有する。また、遅くともZ+1回目で、前記割り算により得られる余りの量の販売が終了する。よって、希釈液に比べて粘性の高い濃縮液体原料がカップの上部に局在し希釈されにくくなる恐れが回避される。従って、カップの上下部における濃縮液体原料の希釈度の不均一性がより効果的に抑制されるという作用効果を有する。
【0012】
また、前記課題を解決するための発明は、希釈液の販売期間中に濃縮液体原料を販売してカップ飲料を調理するカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法において、前記希釈液を所定量販売する工程と、前記工程の後、前記濃縮液体原料を一定期間間隔をもって間欠的に販売する工程と、を備えたものである。このカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法によれば、濃縮液体原料の希釈度が均一なカップ飲料を提供できるという作用効果を有する。
【0013】
また、かかるカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法は、前記希釈液の販売終了前に、前記濃縮液体原料の最後の前記間欠的な販売を終了する工程を更に備えたものである。このカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法によれば、濃縮液体原料の希釈度がより均一なカップ飲料を提供できるという作用効果を有する。
【0014】
【発明の実施の形態】
===カップ式自動販売機の概要===
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
図1は、本発明を適用するカップ式自動販売機の正面図の一例である。
図1において、前扉1は、カップ式自動販売機の右側面端を支軸として開閉するものであり、カップ飲料を調理するときに必要となる、希釈水(希釈液)、炭酸水(希釈液)、濃縮液体原料等を混合したり、砂糖、クリーム等を添加したりするためのデータ設定や、販売機構のメンテナンスを行なうときは解錠して開き、通常販売を行なうときは施錠して閉じておくものである。パネル2は、透明な樹脂板であり、内部に陳列されている複数種類のカップ飲料サンプル3を確認するためのものである。つまり、利用者は、パネル2を通して複数種類のカップ飲料サンプル3を見渡すことにより、購入したいカップ飲料を選択できる。尚、複数種類のカップ飲料の写真又は絵柄をパネル2に印刷してもよい。硬貨投入口4は、利用者が硬貨を投入する部分であり、投入硬貨はカップ式自動販売機内部の硬貨識別装置に供給される。紙幣挿入口5は、利用者が紙幣を挿入する部分であり、挿入紙幣はカップ式自動販売機内部の紙幣識別装置に供給される。表示部6は、投入硬貨金額、挿入紙幣金額等を表示するものである。値段ラベル7は、カップ飲料サンプル3の下部に1対1に対応して配置されるものである。
【0015】
商品選択釦8は、販売可ランプおよび売り切れランプを内蔵し、カップ飲料サンプル3の下部に1対1に対応して配置されるものである。販売可ランプは、利用者が少なくとも1杯のカップ飲料を購入できる硬貨投入又は紙幣挿入を行なうと、カップ式自動販売機内部の希釈水タンク、炭酸水タンク、濃縮液体原料タンクが中味を有する場合のみ、このカップ飲料に対応するものが点灯する。売り切れランプは、希釈水タンクが空になると、希釈水を使用するカップ飲料に対応するものが常時点灯し、炭酸水タンクが空になると、炭酸水を使用するカップ飲料に対応するものが常時点灯し、何れかの濃縮液体原料タンクが空になると、この濃縮液体原料を使用するカップ飲料に対応するものが常時点灯する。増量釦9、10、11は、1杯のコーヒー飲料を調理する際にコーヒー原料、砂糖、クリームの増量を希望するとき、商品選択釦8を押下する前に押下するものである。同様に、減量釦12、13、14は、1杯のコーヒー飲料を調理する際にコーヒー原料、砂糖、クリームの減量を希望するとき、商品選択釦8を押下する前に押下するものである。表示部15は、コーヒー原料、砂糖、クリームの増減の度合を表示するものである。増量釦9、10、11、減量釦12、13、14を必要に応じて押下し、その後、販売可ランプが点灯している商品選択釦8を押下すると、このカップ飲料サンプル3に対応するカップ飲料が調理され、商品取出口17から取り出し可能となる。返却レバー18は、投入硬貨を返却口19から返却したり、投入硬貨又は挿入紙幣からカップ飲料購入金額を差し引いた釣銭を返却口19から返却したりするためのものである。販売中ランプ20は、カップ飲料が正常販売されるときに点灯するものである。販売中止ランプ21は、全カップ飲料が売り切れとなったとき、或いは、カップ飲料を調理するための販売機構が故障したとき、点灯するものである。釣銭切れランプ22は、硬貨識別装置内部の釣銭用硬貨の合計金額が一定金額以下のときに点灯する。尚、販売中ランプ20、販売中止ランプ21、釣銭切れランプ22は、表示部6の基板上に配設される。
【0016】
図2は、本発明を適用するカップ式自動販売機の販売機構(販売手段)の第1例を説明するための図である。尚、本発明の実施の形態においては、前記の販売機構とともに、後述する主制御部、及び販売制御部は、販売手段を構成する。
【0017】
図2において、希釈水タンク101(シスターン)は、水道水を貯水するものである。水電磁弁102は、水道の蛇口と希釈水タンク101の入口との間に配設され、希釈水タンク101の貯水量に応じて開放又は遮断するものである。詳述すると、水電磁弁102は、希釈水タンク101の貯水量を検出するためのフロートスイッチ(図示せず)の出力に応じて開放又は遮断し、希釈水タンク101の貯水量を一定容積範囲内とする。水ポンプ103は、ポンプモータ104の駆動力を用いて、希釈水タンク101の出口からの水を一定量ずつ放出するものである。水冷却コイル105は、水ポンプ103からの水を冷却するものである。水フローレギュレータ106は、水冷却コイル105からの冷却水を、流量調整した後に水電磁弁107を介して水供給ライン108に供給するものである。
【0018】
炭酸水タンク109(カーボネータ)は、炭酸水を貯水するものである。水電磁弁110は、水冷却コイル105の出口と炭酸水タンク109の入口との間に配設され、炭酸水タンク109の貯水量に応じて開放又は遮断するものである。詳述すると、水電磁弁110は、炭酸水タンク109の貯水量を検出するためのフロートスイッチ(図示せず)の出力に応じて開放又は遮断し、炭酸水タンク109の貯水量を一定容積範囲内とする。炭酸水タンク109内部は、水電磁弁110からの冷却水と炭酸ガスボンベ111からの炭酸ガスとが混合されて炭酸水が生成され、一定圧力(例えば0.6MPa)がかかる。炭酸水タンク109内部の炭酸水は、炭酸ガスボンベ111からのガス圧力で下流側に放出される。尚、水電磁弁110は、水電磁弁107が開放している間は、炭酸水タンク109のためのフロートスイッチの出力に関わらず遮断したままとなる。これより、水供給ライン108の供給圧力が低下するのを防止できる。炭酸水フローレギュレータ112は、炭酸水タンク109からの炭酸水を流量調整するものである。炭酸水冷却コイル113は、炭酸水フローレギュレータ112からの炭酸水を冷却した後に炭酸水電磁弁114を介して炭酸水供給ライン115に供給するものである。
【0019】
シロップタンク116は、飲料の元となる濃縮液体原料を貯蔵するものである。シロップタンク116内部の濃縮液体原料は、炭酸ガスボンベ111からのガス圧力で下流側に放出される。シロップ冷却コイル117は、シロップタンク116からの濃縮液体原料を冷却するものである。シロップフローレギュレータ118は、シロップ冷却コイル117からの冷却シロップを、流量調整した後にシロップ電磁弁119を介してシロップ供給ライン120に供給するものである。尚、シロップタンク116からシロップ供給ライン120までの経路は、カップ飲料の種類に応じた数だけ設けられる。本発明の実施の形態においては、後述するように、二種類のシロップ(濃縮液体原料)を混合してなるシロップを希釈してカップ飲料とする。従って、本発明の実施の形態においては、図2に示されるように、第1シロップ及び第2シロップに対応して、シロップタンク116a、116bと、シロップ冷却コイル117a、117bと、フローレギュレータ118a、118bとが設けられ、更に、第1シロップ電磁弁119a、及び第2シロップ電磁弁119bと、第1シロップ供給ライン120a、及び第2シロップ供給ライン120bとが設けられている。尚、本発明の実施の形態においては、2種類のシロップからなるシロップを販売するとしているが、これに限定されるものではない。例えば、1種類のシロップからなるシロップを販売するとしてもよいし、3種類以上のシロップからなるシロップを販売するとしてもよい。
【0020】
希釈水供給ライン108、炭酸水供給ライン115、シロップ供給ライン120は、カップ121の開口面と対向する位置に集中して配設される。
【0021】
尚、図2における販売機構は、後述するように、フローレギュレータ106、112、118a、118bを制御して希釈水、炭酸水、第1シロップ、及び第2シロップの流量をそれぞれの所定の値に保持しつつ、各電磁弁107、114、119a、119bを開放する時間、及びポンプモータ104の運転時間をそれぞれ制御することによって、希釈水、炭酸水、第1シロップ、及び第2シロップの販売量を調整するものである。この際、後述する販売制御部が前記の時間を計測するタイマを、各電磁弁107、114、119a、119bごとに備えている。
【0022】
図3は、本発明を適用するカップ式自動販売機の販売機構(販売手段)の第2例を説明するための図である。
図3において、図2におけるフローレギュレータ106、112、118a、118bの替わりに、流量計140、141、142a、142bが設けられている。本発明の実施の形態における流量計140、141、142a、142bは、希釈水、炭酸水、第1シロップ、及び第2シロップの流量と同期して回転するパドル型の回転子を有し、回転子の回転数をカウンタによって計測して流量に対応した所定の数のパルス信号を出力する構成及び機能を有する。
【0023】
よって、図3における販売機構は、後述するように、各電磁弁107、114、119a、119bを開放、又はポンプモータ104の運転を開始した後、各流量計140、141、142a、142bの出力するパルス数が予めそれぞれ設定しておいたパルス数に達すると、前記電磁弁を閉じる、又は前記モータの運転を停止することによって、希釈水、炭酸水、第1シロップ、及び第2シロップの販売量を調整するものである。この際、後述する販売制御部が前記流量計の回転子の回転数を計測するカウンタを、各流量計140、141、142a、142bごとに備えている。また、後述する販売制御部には、第1シロップ及び第2シロップの販売開始のタイミングを計数するシロップ専用カウンタが、前記の回転数を計測するカウンタとは別に備えられている。
【0024】
図4において、主制御部201は、カップ式自動販売機の制御を統括するものであり、ROM、CPU、RAM、周辺回路(例えば、I/O、タイマ、カウンタ等)から成るものである。換言すると、主制御部201は、マイクロコンピュータを中心として動作するものである。詳述すると、ROMは、後述する複数の従制御部を統括制御するためのプログラムデータが予め格納されたものであり、CPUは、ROMから読み出されたプログラムデータの解読結果に従って複数の従制御部を統括制御するものであり、RAMは、CPUによる演算結果、複数の従制御部からの各種データ等の書き込み又は読み出しを行なうものである。ハードウエア面では、ROMは、データを製造工程で焼き付け固定するマスクROM、データを紫外線消去することによりデータを繰り返し書き込み読み出しできるEPROM、又はデータを電気消去することによりデータを繰り返し書き込み読み出しできるEEPROM(フラッシュROMを含む)等の不揮発性メモリである。CPUは、ROMの実行アドレスを指定するプログラムカウンタ、ROMからの読み出し内容を解読するインストラクションデコーダ、論理演算を行なう演算論理ユニット、演算データを一時格納するアキュムレータ等を内蔵する。RAMは、SRAM等の不揮発性メモリであり、バックアップ電源を用いてデータを保持する。
【0025】
硬貨処理制御部202、紙幣処理制御部203、接客制御部204、販売制御部205、入出力制御部206は、複数の従制御部に相当し、ハードウエア面において、主制御部201と同様のROM、CPU、RAMとを内蔵する。硬貨挿入機構207は、釣銭切れを検出する釣銭切れセンサを備え、硬貨投入口4からの投入硬貨を受け取り、必要に応じて釣銭を返却口19から返却するものである。硬貨処理制御部202は、硬貨投入機構207を制御し、投入硬貨の金種、正偽等の判別、金種別枚数の計算、金庫への余剰硬貨の収容、釣銭払い出し等を行なわせるものである。紙幣挿入機構208は、硬貨投入機構207と同様に、釣札切れを検出する釣札切れセンサを備え、紙幣挿入口5からの挿入紙幣を受け取り、必要に応じて釣札を紙幣挿入口5から返却するものである。紙幣処理制御部203は、紙幣挿入機構208を制御し、挿入紙幣の金種、正偽等の判別、金種別枚数の計算、釣札払い出し等を行なわせるものである。硬貨処理制御部202および紙幣処理制御部203は、硬貨投入および紙幣挿入が行なわれるその都度、処理動作を実行する。尚、硬貨処理制御部202および硬貨投入機構207は硬貨識別装置を構成し、紙幣処理制御部203および紙幣挿入機構208は紙幣識別装置を構成するが、硬貨識別装置および紙幣識別装置の代わりに、先払いカード又は後払いカードを挿入するカード読み取り装置(図示せず)を設けることによって、カップ飲料を販売できるようにしてもよい。接客面209は、表示部6、商品選択釦8、増量釦9、10、11、減量釦12、13、14、表示部15、販売中ランプ20、販売中止ランプ21、釣銭切れランプ22から成るものである。接客制御部204は、接客面209を制御する。つまり、接客制御部204は、主制御部201からのカップ飲料販売に関する接客指示に従って、販売中ランプ20、販売中止ランプ21、釣銭切れランプ22を点灯させたり、販売飲料別の販売可ランプ又は売り切れランプを点灯させたり、更には、複数の商品選択釦8の何れが押下されたのかを検出し、このときの検出信号を主制御部201に送信したりする。
【0026】
販売機構210は、図2及び図3に示すものである。販売制御部205は、販売機構210を制御し、接客制御部204からの前記検出信号に応答した主制御部201からの販売指示に従って、利用者が希望するカップ飲料を調理して商品取出口17で取り出し可能とするものである。尚、本発明の実施の形態においては、販売制御部205は、販売機構210、及び主制御部201とともに、販売手段を構成する。
【0027】
キーボード211は、テンキーおよびファンクションキーと、これらのキーの操作に関する内容を表示する有機EL、LCD等の表示部と、ブザーとを、前面に備えたものである。キーボード211は、入出力制御部206と有線で接続されるとともに、前扉1の裏面に着脱自在に配設され、カップ飲料を調理するためのデータ設定、金額設定、メンテナンス等を行なう際に操作するものである。入出力制御部206は、キーボード211からの入力情報を主制御部201に送信する。主制御部201は、この入力情報に基づいて、硬貨処理制御部202、紙幣処理制御部203、接客制御部204、販売制御部205に対して、それぞれの指示を行なう。尚、主制御部201と従制御部202〜206との間の通信は、主制御部201が優先的な送信権を有するポーリング方式、或いは、主制御部201および従制御部202〜206が対等な送信権を有するコンテンション方式の何れであってもよい。
【0028】
===シロップ飲料の調理動作===
本発明のカップ式自動販売機における、図3に示される販売機構が、シロップ飲料を調理する動作を説明する。
先ず、利用者は、シロップ飲料を購入するために、図1に示される硬貨投入口4に硬貨を投入するか、紙幣挿入口5に紙幣を挿入し、図4に示される接客面209において第1シロップ及び第2シロップからなるシロップ飲料に対応する商品選択釦8を押下する。接客制御部204は、この釦の押下に応答して、シロップ飲料に対応付けられた検出信号を主制御部201に送信する。主制御部201は、シロップ飲料に対応付けられた検出信号を割り込み要求として受信し、硬貨処理制御部202、紙幣処理制御部203等から既に受信した検出信号に対応する投入額が当該シロップ飲料の設定価格以上であることを確認すると、販売制御部205にシロップ飲料に対応付けられた販売指示信号を送信する。
【0029】
シロップ飲料に対応付けられた販売指示信号を受信した販売制御部205は、当該販売制御部205の有するメモリ(図示せず)に記憶しているデータに基づいて、電磁弁107、114、119a、119b、水ポンプ103のポンプモータ104等に信号を送信し、図5のタイミングチャートに従って、シロップ飲料の調理を開始する。
【0030】
図5には、図3に示される販売機構がシロップ飲料を調理する動作を説明するためのタイミングチャートが示されている。以後、このタイミングチャートの詳細を説明する。
【0031】
<<<炭酸水の販売>>>
本発明の実施の形態においては、シロップ飲料は炭酸水で希釈されて調理されるものとする。また、図5に示されるように、本発明の実施の形態においては、炭酸水電磁弁114が開く時刻を、シロップ飲料の販売開始時刻とする。
【0032】
ここで、図5の炭酸水電磁弁114に対応するタイミングチャートについて詳述する。本発明の実施の形態においては、流量計141の回転に基づいて、例えば83個のパルスが発生するパルス発生期間(C)の幅に相当する時間だけ、炭酸水電磁弁114が開放される。また、83個のパルスの内の1つ目のパルスにおける立ち上がりの位置、即ち図5におけるパルス発生期間Cの立ち上がり位置によって、炭酸水電磁弁114を開ける相対的な時刻が示されている。このパルスは、炭酸水供給ライン115に設けられた流量計141の有する回転子が炭酸水の流量と同期して回転し、この回転数がカウンタ(図示せず)によって計測されて所定の数のパルス信号として出力されるものである。このパルス数が設定値(83)に達した時、炭酸水電磁弁114が閉じられる。このような設定値(83)は、図4における販売制御部205の備えるメモリ(図示せず)に記憶され、カウンタは、当該販売制御部205に、炭酸水専用のカウンタ(図示せず)として備えられている。更に、回転子の回転数をカウンタによって計測を開始する動作や、パルス数が設定値(83)に達したと判断し炭酸水電磁弁114を閉じる動作等は、販売制御部205の備えるメモリ(図示せず)に格納された所定のプログラムに沿って実施される。
【0033】
尚、本発明の実施の形態においては、比較的濃度の高い炭酸水(以後、単に、炭酸水と言う)と希釈水とを別々にしている。この炭酸水と希釈水との希釈比率を適宜な値に設定することによって、弱乃至強炭酸シロップ飲料が販売される。炭酸水と希釈水との希釈比率は、例えば、前記のパルス発生期間Cの時間幅と後述するパルス発生期間Dの時間幅との比に相当する。また、本発明の実施の形態におけるカップ式自動販売機は、炭酸水を希釈せずに販売することもできる。この場合、パルス発生期間Cは、後述するパルス発生期間Dの分まで延長される。
【0034】
前記のパルス発生期間(C)の示す炭酸水電磁弁114の開放時間に相当する量の炭酸水が、炭酸水タンク109からカップ121内に販売される。尚、前記のパルス発生期間Cの場合と同様に、後述するパルス発生期間A1、A2、及びA3は、それぞれの立ち上がりの位置によって第1シロップ電磁弁119aを開ける相対的な時刻を示し、それぞれの幅によって当該第1シロップ電磁弁119aを開放する時間を示している。また、後述するパルス発生期間B1、B2、及びB3は、それぞれの立ち上がりの位置によって第2シロップ電磁弁119bを開ける相対的な時刻を示し、それぞれの幅によって当該第2シロップ電磁弁119bを開放する時間を示している。更に、後述するパルス発生期間Dは、その立ち上がりの位置によって水電磁弁107を開ける相対的な時刻を示し、その幅によって当該水電磁弁107を開放する時間を示している。
【0035】
尚、後述する時間パターンEは、その立ち上がりの位置によってポンプモータ104を運転開始する相対的な時刻を示し、その幅によって当該ポンプモータ104の運転時間を示している。
【0036】
<<<第1シロップの販売(第1回目)>>>
図5に示されるように、前記の炭酸水の販売(C)が開始されてから、例えば6個のパルスからなるパルス発生期間(T1)をおいて第1シロップ電磁弁119aが開き、例えば10個のパルスからなるパルス発生期間(A1)の幅に相当する時間だけ開放される。ここで、遅延時間をなすパルス発生期間T1を構成する6個のパルスは、炭酸水供給ライン115に設けられた流量計141における回転数が、炭酸水専用のカウンタ(図示せず)によって計測されたものである。また、パルス発生期間A1を構成する10個のパルスは、第1シロップ供給ライン120aに設けられた流量計142aにおける回転数が、第1シロップ専用のカウンタ(図示せず)によって計測されたものである。
尚、本発明の実施の形態においては、パルス発生期間A1を構成するパルスの個数を説明の便宜上10としたが、これは9であってもよい。
【0037】
<<<第1シロップの販売(第2回目)>>>
図5に示されるように、前記の第1シロップの第1回目の販売(A1)が開始されてから、30個(後述する)のパルスからなるパルス発生期間(T2)をおいて第1シロップ電磁弁119aが再度開き、例えば10個のパルスからなるパルス発生期間(A2)の幅に相当する時間だけ開放される。ここで、パルス発生期間T2を構成する30個のパルスは、後述するように、図6に示されるシロップ専用カウンタ301cによって計数されたものである。即ち、本発明の実施の形態においては、第1シロップの第2回目の販売(A2)が開始されるタイミング(T2)は、シロップ専用カウンタ301cによって与えられる。また、パルス発生期間A2を構成する10個のパルスは、第1シロップ供給ライン120aに設けられた流量計142aにおける回転数が、第1シロップ専用のカウンタ(図示せず)によって計測されたものである。
【0038】
図6のブロック図に示されるように、販売制御部205は、第1シロップ電磁弁119a及び第2シロップ電磁弁119bを開けるタイミングを設定するための構成を備えている。図6における比較回路301aは、RAM301bのアドレスに記憶されているパルス発生期間(T2及び後述するT3乃至T5)に相当するパルス数のテーブルデータと、シロップ専用カウンタ301cが計数するパルス数とを比較し、当該テーブルデータ及び当該パルス数が一致した時、販売制御部205に備えられたメモリ(図示せず)に格納された所定のプログラムに沿って、第1シロップ電磁弁119a又は第2シロップ電磁弁119bを開くための制御信号を出力する。また、本発明の実施の形態におけるシロップ専用カウンタ301cは、第1シロップ供給ライン120aに設けられた流量計142aにおける回転子の回転数を計測する第1シロップ専用のカウンタ(図示せず)と同時に計数を開始して、当該第1シロップ専用のカウンタ(図示せず)と同期して継続的にパルスを発生する機能を有する。ここで、シロップ専用カウンタ301cは、第1シロップ専用のカウンタ(図示せず)であってもよい。この場合、シロップ専用カウンタ301cは、例えば主制御部201から、パルス発生期間T2及び後述するT3乃至T5をそれぞれ構成するパルス数のデータを受け取り、1から当該パルス数まで計数する。
【0039】
シロップ専用カウンタ301cが計数を開始してから例えば第1シロップ電磁弁119aが開放されるまでの具体的な動作について説明する。シロップ専用カウンタ301cが1から例えば30まで計数し比較回路301aに当該30を送出した時点で、比較回路301aは、当該30とRAM301bのアドレスAに記憶されているテーブルデータである30とが一致することを確認するとともに、第1シロップ電磁弁119aを開けるための信号を出力する。このような信号の出力により、第1シロップ電磁弁119aは、シロップ専用カウンタ301cが30パルスを計数した直後に開放される。ところで、前記のテーブルデータである30は、前述したパルス発生期間T2を構成するパルスの個数に相当する。図6に示されるように、更に他のテーブルデータとして、RAM301bのアドレスBに61、アドレスCに91、アドレスDに122が記憶されている。後述するように、これらの値に基づいたタイミングをもって、各電磁弁119a、119bが開放される。
【0040】
<<<第1シロップの販売(第3回目)>>>
図5に示されるように、前記の第1シロップの第1回目の販売(A1)が開始されてから、61個(後述する)のパルスからなるパルス発生期間(T3)をおいて、第1シロップ電磁弁119aが再度開き、例えば5個のパルスからなるパルス発生期間(A3)の幅に相当する時間だけ開放される。ここで、パルス発生期間T3を構成する61個のパルスは、図6に示されるRAM301bのアドレスBのテーブルデータである61に相当する。即ち、本発明の実施の形態においては、第1シロップの第3回目の販売(A3)が開始されるタイミング(T3)は、シロップ専用カウンタ301cによって計数されたテーブルデータ(61)に相当するパルス数によって与えられる。また、パルス発生期間A3を構成する5個のパルスは、第1シロップ供給ライン120aに設けられた流量計142aにおける回転数が、第1シロップ専用のカウンタ(図示せず)によって計測されたものである。
【0041】
<<<第2シロップの販売(第1回目)>>>
図5に示されるように、前記の第1シロップの第3回目の販売(A3)が終了すると同時に第2シロップ電磁弁119bが開き、例えば5個のパルスからなるパルス発生期間(B1)の幅に相当する時間だけ開放される。ここで、パルス発生期間B1を構成する5個のパルスは、第2シロップ供給ライン120bに設けられた流量計142bにおける回転数が、第2シロップ専用のカウンタ(図示せず)によって計測されたものである。尚、パルス発生期間B1を構成する前記の5個のパルス数は、当該パルス発生期間B1と第1シロップの第3回目の販売に相当するパルス発生期間A3とを合わせた期間を構成するパルスの個数が例えば10個となるように決定されている。
【0042】
<<<希釈水の販売>>>
図5に示されるように、炭酸水の販売(C)が終了すると同時に、水電磁弁107が開き、且つ、ポンプモータ103の運転、即ち水ポンプ104の運転が開始し、当該水電磁弁107は、図5の例えば76個のパルスからなるパルス発生期間(D)の幅に相当する時間だけ開放される。これにより、水供給ライン108において水流が発生し、カップ121に希釈水が販売される。本発明の実施の形態においては、炭酸水を販売した(C)後に希釈水を販売する(D)。これにより、カップ121中での炭酸水の泡立ちが抑制される。もし、希釈水の次に炭酸水を販売すれば、カップ121中で炭酸ガスの発生による泡立ちが必要以上に発生し、カップ飲料の所望の味わいが得られない恐れがある。
【0043】
水供給ライン108に設けられた流量計140の備える回転子の回転数を計測するカウンタは、図4における販売制御部205に、希釈水専用のカウンタ(図示せず)として備えられている。また、本発明の実施の形態においては、ポンプモータ104の運転時間に相当する時間パターンEは、水供給ライン108の流量計140からのパルス出力として例えば66個分に相当する。前記の回転子の回転数をカウンタによって計測を開始する動作や、パルス数が販売制御部205の備えるメモリ(図示せず)に記憶された設定値(76)に達したと判断し水電磁弁107を閉じる動作等は、当該販売制御部205の備えるメモリ(図示せず)に格納された所定のプログラムに沿って実施される。尚、水供給ライン108を構成する、水ポンプ103の出力部、水電磁弁107の入力部、当該出力部と当該入力部との間における配管やフローレギュレータ108等がウォータハンマに基づく必要以上の圧力等によって損傷を受けることを回避するために、ポンプモータ104の運転を、前記のパルス発生期間Dに相当する希釈水の量を見込んで水電磁弁107を閉じるよりも適宜な時間(TD)だけ早く終了している。本発明の実施の形態においては、TDはおよそ0.5秒間であるが、このTDは、水供給ライン108に設けられた流量計140から出力されるパルス数(例えば10パルス)を基に算出される。
【0044】
<<<第2シロップの販売(第2回目)>>>
図5に示されるように、前記の第1シロップの第1回目の販売(A1)が開始されてから、91個(後述する)のパルスからなるパルス発生期間(T4)をおいて、第2シロップ電磁弁119bが再度開き、例えば10個のパルスからなるパルス発生期間(B2)の幅に相当する時間だけ開放される。ここで、パルス発生期間T4を構成する91個のパルスは、図6に示されるRAM301bのアドレスCのテーブルデータである91に相当する。即ち、本発明の実施の形態においては、第2シロップの第2回目の販売(B2)が開始されるタイミング(T4)は、シロップ専用カウンタ301cによって計数されたテーブルデータ(91)に相当するパルス数によって与えられる。また、パルス発生期間B2を構成する10個のパルスは、第2シロップ供給ライン120bに設けられた流量計142bにおける回転数が、第2シロップ専用のカウンタ(図示せず)によって計測されたものである。
【0045】
<<<第2シロップの販売(第3回目)>>>
図5に示されるように、前記の第1シロップの第1回目の販売(A1)が開始されてから、122個(後述する)のパルスからなるパルス発生期間(T5)をおいて、第2シロップ電磁弁119bが再度開き、例えば6個のパルスからなるパルス発生期間(B3)の幅に相当する時間だけ開放される。ここで、パルス発生期間T5を構成する122個のパルスは、図6に示されるRAM301bのアドレスDのテーブルデータである122に相当する。即ち、本発明の実施の形態においては、第2シロップの第3回目の販売(B3)が開始されるタイミング(T5)は、シロップ専用カウンタ301cによって計数されたテーブルデータ(122)に相当するパルス数によって与えられる。また、パルス発生期間B3を構成する6個のパルスは、第2シロップ供給ライン120bに設けられた流量計142bにおける回転数が、第2シロップ専用のカウンタ(図示せず)によって計測されたものである。
ここで、本発明の実施の形態においては、シロップ専用カウンタ301cは、前記のテーブルデータである122に相当するパルス数を計数した時点でリセットされ、次販売に備える。
また、図5に示されるように、本発明の実施の形態におけるシロップ飲料の調理は、希釈水の販売(D)を最後に終了する。
【0046】
===パルス発生期間T2乃至T5の設定===
本実施の形態においては、前述したパルス発生期間A1、A2、A3、B1、B2、B3、C、D、T1乃至T5、及びTDをそれぞれ構成するパルスの個数は、図4に示される販売制御部205に備えられたメモリ(図示せず)や、当該販売制御部205に備えられたRAM301b(図6)に記憶されている。但し、これらパルス数のデータは、図4に示される主制御部201の例えばRAM、ROM等に記憶され、カップ飲料の販売時に主制御部201から販売制御部205に送出されてもよい。
【0047】
特に、前述したパルス発生期間T2乃至T5をそれぞれ構成するパルス数の設定値(30、61、91、122)は、図6に示されるRAM301bのアドレスA、B、C、Dに対してテーブルデータとして記憶されている。これらの値は、以下の条件を満たすように設定される。
【0048】
先ず、本発明の実施の形態において炭酸水及び希釈水から構成される希釈液の全販売期間(X)は、前述した、炭酸水のパルス発生期間Cを構成するパルス数(83)と、希釈水のパルス発生期間Dを構成するパルス数(76)とを合計して、159個のパルスから構成されている。
【0049】
本発明の実施の形態においては、第1シロップ及び第2シロップが間欠的に販売される期間とは、希釈液の全販売期間Xから、最初に販売する所定量の希釈液に相当するパルス発生期間T1(Y)を差し引いた期間と考えられる。
【0050】
一方、第1シロップ及び第2シロップからなるシロップの全販売量は、前述したパルス発生期間A1、A2、A3、B1、B2、B3をそれぞれ構成するパルス数である10、10、5、5、10、6を合計して得られる46個のパルスに相当する。ここで、本発明の実施の形態においては、シロップを間欠的に一定量ずつ販売する場合の当該一定量をパルス10個分としている。即ち、パルス発生期間A1と、パルス発生期間A2と、パルス発生期間A3及びB3を合わせた期間と、パルス発生期間B2とは、それぞれ10個のパルスから構成されている。そして、最後のパルス発生期間B3のみが6個のパルスから構成される。これらの4回分のパルス10個と、1回分のパルス6個とは、シロップが間欠的に販売される場合の略一定販売量に相当する。
【0051】
尚、前記の4回とは、シロップの全販売量に相当するように予め設定されたパルス46個を、シロップの略一定販売量に相当するように予め設定されたパルス10個で割って得られる商としての4(Z)とすることもできる。
希釈液の全販売期間(X)のうちで、シロップが間欠的に販売される期間(X−Y)を、前記のZに1を加えて割って((X−Y)/(Z+1))得られる値は、30.6である。この値に基づいて、以下具体的に述べるように、シロップを一定期間間隔をもって間欠的に販売する際の当該一定期間が決定される。
【0052】
図6のRAM301bのアドレスAに記憶されているテーブルデータは、シロップの第2回目の販売(第1シロップの第2回目の販売、A2)を開始するタイミング(T2)を決める。当該テーブルデータは、前記の30.6の小数点以下を切り捨てて30と得られる。
【0053】
図6のRAM301bのアドレスBに記憶されているテーブルデータは、シロップの第3回目の販売(第1シロップの第3回目の販売、A3)を開始するタイミング(T3)を決める。当該テーブルデータは、前記の30.6に2を乗じて得られた61.2の小数点以下を切り捨てて、61と得られる。
図6のRAM301bのアドレスCに記憶されているテーブルデータは、シロップの第4回目(Z回目)の販売(第2シロップの第2回目の販売、B2)を開始するタイミング(T4)を決める。当該テーブルデータは、前記の30.6に3を乗じて得られた91.8の小数点以下を切り捨てて、91と得られる。
図6のRAM301bのアドレスDに記憶されているテーブルデータは、シロップの第5回目(Z+1回目)の販売(第2シロップの第3回目の販売、B3)を開始するタイミング(T5)を決める。当該テーブルデータは、前記の30.6に4を乗じて得られた122.4の小数点以下を切り捨てて、122と得られる。
【0054】
前述した、T2を構成するパルス数(30)と、T3及びT2をそれぞれ構成するパルス数の差(31)と、T4及びT3をそれぞれ構成するパルス数の差(30)と、T5及びT4をそれぞれ構成するパルス数の差(31)と、C及びDを構成するパルス数の合計からT1及びT5を構成するパルス数の合計を差し引いたパルス数(31)とが、一定期間間隔をもって間欠的に販売されるシロップの当該一定期間に相当し、前述の(X−Y)/(Z+1)なる演算によって得られた30.6の少数点以下を切り捨てた30、又は、当該少数点以下を切り上げた31のパルスから構成される期間に相当する。
【0055】
前述したように、T3乃至T5は、前記の(X−Y)/(Z+1)の値30.6に対して2乃至4を乗じた後に、当該乗じて得られた結果の少数点以下を切り捨てることによって得られている。これにより、前述したように、一定期間間隔をもって間欠的に販売されるシロップの当該一定期間が30又は31個のパルスに相当することとなる。もし、例えば、前記の30.6の少数点以下を予め切り捨てて得た30に2乃至4を乗じて、それぞれT3乃至T5を得る場合、当該T3乃至T5はそれぞれ60、90、120に相当する。よって、初めの4回分の前記一定期間は30に相当することとなるが、C及びDを構成するパルス数の合計からT1及びT5を構成するパルス数の合計を差し引いて得られる最後(5回目)の前記一定期間のパルス数は33となり、前記4回分の一定期間である30とは3パルス分異なる。従って、(X−Y)/(Z+1)の小数点以下を予め切り捨てて整数値を得る方法によっては、本発明の実施の形態における前記一定期間を得ることはできない。
【0056】
尚、本発明の実施の形態においては、前記の一定期間を与える(X−Y)/(Z+1)等の演算は、図4に示される主制御部201の例えばROMに記憶された所定のプログラムに沿って、主制御部201のCPUによって予め行なわれている。
【0057】
===シロップ飲料の希釈度の均一性===
前述した調理動作においては、図5に示されるように、炭酸水のパルス発生期間T1(6個分のパルス)に相当する所定量の炭酸水が最初に供給されたカップ121の中に、炭酸水及び希釈水の継続的な販売(C及びD)に対して均一なタイミング(T2乃至T5)でシロップが販売されている。よって、炭酸水や希釈水に比べて粘性の高いシロップがカップ121の底部に直接供給されて当該底部に粘着し、希釈されにくくなる恐れが回避される。また、シロップは、カップ121の上下方向において、前記タイミングの数だけ分散して供給される。従って、本発明の実施の形態においては、ブリックス差の少ない、即ち甘さの度合が均一なシロップ飲料を提供できる。
【0058】
また、前述した調理動作においては、図5に示されるように、パルス発生期間B3に相当する最後のシロップの販売の後に希釈水が販売される。本発明の実施の形態におけるこのような希釈水の販売期間は、例えば25個分のパルスからなる期間(C及びDの159個からT1の6個、T5の122個、及びB3の6個を差し引いて得られる)である。よって、希釈水に比べて粘性の高いシロップがカップ121の上部に局在し希釈されにくくなる恐れが回避される。従って、本発明の実施の形態においては、ブリックス差の少ない、即ち甘さの度合が均一なシロップ飲料を提供できる。
【0059】
更に、前述した調理動作においては、図5に示されるように、炭酸水及び希釈水の継続的なパルス発生期間(C及びDからT1を差し引いた153個のパルス)中に、一定なパルス発生期間(30又は31個のパルス)間隔で、5回分の略一定なパルス発生期間(A1、A2、A3及びB1、並びにB2として、10個分のパルスが4回、B3の6個分のパルスが1回)に相当するシロップが販売される。よって、カップ121中のシロップの希釈度をより均一にできる。従って、本発明の実施の形態においては、ブリックス差の少ない、即ち甘さの度合が均一なシロップ飲料を提供できる。
【0060】
===その他の実施の形態===
前述した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0061】
前述した調理動作においては、パルス発生期間A1、A2、A3、B1、B2、B3、C、D、T1乃至T5、及びTDを構成する具体的なパルスの個数を挙げたが、これに限定されるものではない。例えば、シロップの全販売量、希釈液の全販売量、最初に販売する希釈液の所定量、間欠的に販売するシロップの略一定販売量等に対応するパルス発生期間を様々に設定し、これに応じて、前記のパルス発生期間A1、A2、A3、B1、B2、B3、C、D、T1乃至T5、及びTDを構成するパルスの個数を設定してもよい。
【0062】
また、前述した調理動作は図3に示される販売機構の動作であるが、これに限定されるものではない。例えば、図2に示される販売機構によってカップ飲料を調理してもよい。前述した調理動作において、図3に示される例えば各電磁弁107、114、119a、119bの開放は、図5に示されるパルス数で制御されている。これに対して、図2に示される各電磁弁107、114、119a、119bの開放は、当該パルス数に相当する時間で制御される。但し、図3に示される販売機構によってカップ飲料を調理する場合には、以下の利点が生じる。図3に示されるように、流量計140、141、142a、142bは、シロップ又は希釈液が流れることによってパルスが発生するものである。例えば、もし、水電磁弁102が動作しないことにより希釈水タンク101に水道水が供給されず、希釈水が流量計140中を流れない状況が発生した場合、図5におけるパルス発生期間Dを構成するパルスは発生しない。この時点で販売機構の動作を停止する等の適宜なプログラムが動作するようにすれば、例えばシロップ及び炭酸水のみで調理されたカップ飲料が完成し利用者に提供してしまうことを防止できる。尚、パルス発生期間A1、A2、A3、B1、B2、B3、及びCに基づいて電磁弁119a、119b、114を開閉したり、時間パターンEに基づいてポンプモータ104のON/OFFを行なったりすることについても、シロップ又は希釈液がそれぞれの供給ライン108、115、120a、120bの中を流れなければ、販売機構に対して前記と同様の防止動作をさせることができる。
【0063】
更に、前述した実施の形態は、カップ式自動販売機を用いるものであるが、これに限定されるものではない。例えば、本発明の実施の形態として、レストラン等の店舗用ディスペンサを用いてもよい。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、カップ飲料における希釈度の不均一性を抑制するカップ式自動販売機、及びカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するカップ式自動販売機の正面図の一例である。
【図2】本発明を適用するカップ式自動販売機の販売機構の一つの例を示す図である。
【図3】本発明を適用するカップ式自動販売機の販売機構のもう一つの例を示す図である。
【図4】本発明の機能を説明するためのブロック図である。
【図5】図3に示される販売機構によるシロップ飲料の調理動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】第1及び第2シロップ電磁弁を開ける制御を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
104 ポンプモータ
107 水電磁弁
114 炭酸水電磁弁
119a 第1シロップ電磁弁
119b 第2シロップ電磁弁
140、141、142a、142b 流量計
201 主制御部
205 販売制御部
210 販売機構
301a 比較回路
301b RAM
301c シロップ専用カウンタ
Claims (5)
- 希釈液の販売期間中に濃縮液体原料を販売してカップ飲料を調理するカップ式自動販売機において、
前記希釈液の所定量を販売した後、前記濃縮液体原料を一定期間間隔をもって間欠的に販売する販売手段を備えたことを特徴とするカップ式自動販売機。 - 前記販売手段は、前記希釈液の販売終了前に、前記濃縮液体原料の最後の前記間欠的な販売を終了することを特徴とする請求項1に記載のカップ式自動販売機。
- 前記一定期間は、前記希釈液の全販売期間をX、前記希釈液の前記所定量の販売期間をY、前記濃縮液体原料の全販売量を前記濃縮液体原料の前記間欠的に販売される略一定販売量で割って得られる商をZとした時、(X−Y)/(Z+1)に基づいて決定されることを特徴とする請求項1又は2に記載のカップ式自動販売機。
- 希釈液の販売期間中に濃縮液体原料を販売してカップ飲料を調理するカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法において、
前記希釈液を所定量販売する工程と、
前記工程の後、前記濃縮液体原料を一定期間間隔をもって間欠的に販売する工程と、
を備えたことを特徴とするカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法。 - 前記希釈液の販売終了前に、前記濃縮液体原料の最後の前記間欠的な販売を終了する工程を更に備えたことを特徴とする請求項4に記載のカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003050109A JP2004259067A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | カップ式自動販売機、及びカップ式自動販売機によるカップ飲料の販売方法 |
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JP2015042555A (ja) * | 2013-08-26 | 2015-03-05 | ツインバード工業株式会社 | 味噌汁供給装置 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001225899A (ja) * | 2000-02-16 | 2001-08-21 | Ckd Corp | 液体混合装置 |
-
2003
- 2003-02-26 JP JP2003050109A patent/JP2004259067A/ja active Pending
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