JP4736200B2 - カップ式自動販売機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カップ式自動販売機にかかり、特に、コーヒー、紅茶、ジュースなどをカップに供給して販売するカップ式自動販売機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の自動販売機としては、コーヒー、紅茶、ジュースなどの粉末原料を装填したタンクや該粉末原料を溶解して飲料を調理するための水やお湯を装填したタンク等を複数備え、これらのタンクの下方が各種飲料を調理するためのステージとされ、各ステージにカップを移動し、各粉末原料、水、お湯等をカップに供給することによって粉末原料からコーヒー、紅茶、ジュースなどの飲料を調理するカップ式自動販売機が提案されている。
【0003】
このようなカップ式自動販売機において、上述のように各ステージにカップを移動させる移動機構としては、販売する飲料の種類に応じて、予め設定されたルートで各ステージをカップが移動するように構成されている。
【0004】
カップ式自動販売機の一般的な動作は、コインや紙幣が所定の位置に投下されて、飲料を選択するボタンが押下されると、カップを保持するカップ保持装置にカップが供給される。そして、カップ保持装置を移動する移動装置によって、原料を供給する位置まで移動させて原料を供給し、お湯等を供給する位置まで移動してお湯等を供給し、飲料を攪拌する攪拌装置まで移動して攪拌を行ない、商品取り出し口までカップ保持装置を移動することによって飲料をカップ販売するように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のカップ式自動販売機では、上述のようにしてカップで飲料を販売するので、飲料を調理するための販売時間が発生してしまい、少しでも販売時間を短縮することが望まれるが、カップ式自動販売機の機構上の制約もあり、機能を削らずに販売時間を短縮することは難しい、という問題がある。
【0006】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、販売時間を短縮することが可能なカップ式自動販売機の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、カップが予め定められた複数の位置を移動することによって飲料を調理するカップ式自動販売機において、カップを前記複数の位置へ移動させる移動手段と、複数種類のカップを収納すると共に、前記複数種類のカップのうち何れかの種類のカップを前記移動手段に供給するカップ供給手段と、前記カップ供給手段に収納するカップの種類、及び単一種類のカップが収納されているときに行うカップ事前取り出しを含む設定を行う設定手段と、前記飲料の調理の指示以前に、前記飲料の対価の入力がなされたことを検出する検出手段と、前記設定手段により単一種類のカップが設定され、かつ前記カップ事前取り出しが設定されている場合に、前記検出手段が前記入力を検出したときの検出出力に基づいて、前記カップ供給手段から前記移動手段へカップを供給する位置へ移動するように前記移動手段を制御して前記カップ供給手段から前記移動手段へ設定された種類のカップを1つ供給するように前記カップ供給手段を制御する制御手段と、を備えることを特徴としている。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、飲料を供給するカップは、カップ供給手段によって移動手段に供給され、飲料を調理するための複数の位置(例えば、コーヒー原料をカップに供給する位置、お湯をカップに吐出する位置など)に移動手段によって移動される。これによって、飲料の調理を行なうと共に、利用者に飲料をカップ販売することができる。また、カップ供給手段には、複数種類のカップを収納することができ、複数種類のカップのうち何れかのカップを移動手段に提供することが可能とされている。例えば、販売する飲料がホット飲料かコールド飲料かを表す指示に基づいて、異なるカップで飲料を販売することが可能とされている。
【0014】
検出手段では、飲料の調理の指示以前、すなわち飲料を選択する選択ボタン等の操作が行なわれる以前に、飲料の対価の入力がなされたことが検出される。例えば検出手段は、飲料の対価の入力として、飲料の料金に相当する硬貨投入や紙幣挿入、飲料の料金に相当するプリペードカード、飲料の料金に相当するコインやカードなどを検出する。
【0015】
また、設定手段では、カップ供給手段に収納するカップの種類、及び単一種類のカップが収納されているときに行うカップ事前取り出しを含む設定が可能とされている。例えば、カップ供給手段から供給されるカップが複数種類のカップであるか単一種類のカップであるかの設定が可能であり、単一種類のカップが設定される場合には、事前取り出し設定を行うか否かが設定可能である。
【0016】
そして、制御手段では、設定手段により単一のカップが設定され、かつカップ事前取り出しが設定されている場合に、検出手段により前記入力が検出された検出出力に基づいて、カップ供給手段から移動手段へカップを供給するための制御が行なわれる。例えば、移動手段の初期位置がカップ供給される位置ではない場合には、移動手段にカップが供給されるように、カップ供給手段及び移動手段が制御される。すなわち、移動手段は、カップ供給手段からカップを供給されるべく、カップ供給手段からカップが供給される位置に移動され、カップ供給手段によって移動手段にカップが供給される。
【0017】
従って、複数種類のカップで飲料販売を行なうことが可能なカップ式自動販売機において、飲料の対価の入力と同時にカップ供給までの動作を行うので、飲料の調理の指示(例えば、利用者による商品を選択する選択ボタン等の操作など)までの時間を有効に利用することができ、販売時間を短縮することができる。
【0018】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記制御手段は、前記飲料の調理の指示が所定時間なされない場合に、前記移動手段に供給されたカップを廃棄するように更に制御することを特徴としている。
【0019】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明において、制御手段が飲料の調理の指示(例えば、利用者による商品を選択する選択ボタン等の操作によって購入する飲料を選択する指示)が所定時間なされない場合に、移動手段に供給されたカップを廃棄するように更に制御するので、カップが長時間報知されて、カップにゴミ等が混入するのを防止することができる。なお、この時制御手段が更に、再びカップを移動手段に供給するように制御するか、または料金を返却するように制御するようにしてもよい。このようにすることによって、飲料の販売を再び行なうことが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係るカップ式自動販売機の斜視図である。
【0021】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係るカップ式自動販売機10は従来周知のカップ式自動販売機と同様に、接客面に扉12によりカバーすることのできる商品取出口14が硬貨投入口16や紙幣挿入口18や商品選択ボタン20などと共に設けられており、硬貨投入口16や紙幣挿入口18に硬貨又は紙幣を投入して、商品選択ボタン20を操作することによって、コーヒー、紅茶、ジュースなど所望の飲料を自在に選択できるのはもちろん、砂糖や氷などの添加も容易に選択できるように構成されている。
【0022】
扉12は、カップ式自動販売機10の左側両端を支軸として開閉し、設置時の動作テストや飲料用の原料の補充等を行なうときは開錠して開き、通常販売を行なうときは施錠して閉じておくものである。扉12には、透明な樹脂板からなるパネル22が設けられており、販売する飲料のサンプルを陳列し、パネルを介して確認することができるようになっている。硬貨投入口16は、利用者が硬貨(コイン)を投入する部分であり、投入硬貨はカップ式自動販売機10内部のコインメカに供給される。紙幣挿入口18は、利用者が紙幣を挿入する部分であり、挿入紙幣はカップ式自動販売機10内部のビリバリに供給される。また、表示部24も設けられており、投入硬貨金額、挿入紙幣金額等を表示することが可能とされている。さらに、返却レバー26が設けられており、返却レバー26を操作することにより、投入硬貨や挿入紙幣を飲料購入前に返却口28より返却することが可能なように構成されている。
【0023】
商品選択ボタン20は、販売可ランプ及び売り切れランプを内臓し、飲料のサンプルに対応して扉12に設けられている。販売可ランプは、利用者が少なくとも1つの飲料を購入できる硬貨投入又は紙幣挿入を行なうと、カップ式自動販売機10内部に装填されている飲料の原料に対応するものが点灯する。売り切れランプは、カップ式自動販売機10内部に装填されている飲料の原料又はカップが空になると、この飲料に対応するもの又は全てのものが常時点灯する。販売可能ランプが点灯している商品選択ボタン20を押下すると、この飲料に対応する飲料がカップに注ぎ込まれて、商品取出口14に案内される。
【0024】
また、本発明の実施の形態に係るカップ式自動販売機10の内部には、図2に示すように、カップ供給装置30、原料供給装置32、希釈液供給装置34、攪拌装置36、カップ保持装置38、及び該カップ保持装置38を水平方向に移動させる移動装置40が配設されている。なお、カップ供給装置30は、本発明のカップ供給手段に相当し、移動装置40は本発明の移動手段に相当する。
【0025】
カップ供給装置30は、紙などからなるカップCを多数収納する複数のディスペンサ30a、30b、30cからなり、それぞれのディスペンサ30a、30b、30cの底面に設けられた供給口から後述する制御装置の指示に基づいて、1個づつ下方に送出するように構成されている。なお、本実施の形態では、それぞれのディスペンサ30a、30b、30cにはそれぞれ異なるサイズのカップが収納され、所定の指示に応じてそれぞれのサイズのカップが供給されるが、単一のカップを収納することも可能とされ、単一のカップを供給する設定は制御装置で行なうことが可能とされている。図2では、異なるサイズのカップが収納されている例を示す。
【0026】
原料供給装置32は、粉末状とされたクリーム、コーヒー、砂糖などを収納する複数のタンク32a〜32gと、各タンク32a〜32gの原料送出口下方に設けられてタンク32a〜32gの下方に移動されたカップCへ原料を案内するシュータ33a〜33gと、とから構成されている。各タンクの内部には原料を送出するための周知のオーガ機構が設けられており、該オーガ機構を一定時間駆動することで、タンク32a〜32g内から所望の原料を所定量だけ送出するようになっている。
【0027】
希釈液供給装置34は、所定の温度に過熱されたお湯を収納するタンク34aとバルブ34bとノズル34cとから構成され、制御装置の指示に基づいてバルブ34bを開閉し、所定量のお湯がノズル34cの先端から吐出するようになっている。
【0028】
攪拌装置36を構成する攪拌モータ36aは、羽根車36bを回転させるためのものであり、腕部材36cを介して箱体内部のベルト36dに連結されている(図3参照)。このベルト36dは、箱体内上部側に配置された駆動プーリー36eと下部側に設置された従動プーリー36fとの間に巻きかけられて、駆動プーリー36eに連結されたモータ36gの駆動により上下方向に回動できる構成とされている。
【0029】
駆動プーリー36eと連結されているモータ36gは、正逆回転が可能なモータであり、回転量は制御装置からの指示、例えば制御装置が発信するパルス数によって決定され、回転方向も制御装置からの信号により決定される。また、攪拌モータ36aも制御装置が発信する信号によって運転/停止が制御装置によって自在に制御される。
【0030】
カップ保持装置38は、カップCを挟持するための保持腕L、Rを有し、この保持腕L,RでカップCのカール下を保持するようになっている。また、カップ保持装置38の下面にはローラユニット38aが設けられており、水平方向に力が作用すると平面上を滑らかに移動することができるように構成されている。
【0031】
なお、保持腕L、Rは対向距離を変化させることができるようになっており、制御装置の指示により、カップCを保持するときには対向距離を狭め、カップCを放すときには広げることができるようになっている。
【0032】
移動装置40は本発明の実施の形態では、カップ保持装置38を縦、横の方向に移動可能なように、縦方向移動手段40a及び横方向移動手段40bとから構成されている。図4に示すように、縦方向移動手段40aは従動プーリー40a1とモータ40a2の回転によって回転力が付与される駆動プーリー40a3との間に巻きかけられたベルト40a4の所定位置にカップ保持装置38を連結することができるようになっており、ベルト40a4の回動に伴ってカップ保持装置38に水平方向の駆動力が伝達され、ローラユニット38aが回転することにより、カップ保持装置38が箱体40a5の上面を滑らかに移動できるように構成されている。なお、モータ40a2の制御方式はモータ36gと同様に、回転量が制御装置からの指示、例えば制御装置が発信するパルス数によって決定され、回転方向も制御装置からの信号により決定される。すなわち、モータ40a2の回転方向と回転量とを制御することによって、駆動プーリー40a3とベルト40a2とを介してカップ保持装置38の縦方向移動手段40aに対する位置が制御される。
【0033】
また、横方向移動手段40bは、図4に示すように、1本のガイドレール40b1とこれに平行に設置された駆動部材40b2とから構成され、この駆動部材40b2は従動プーリー40b3とモータ40b4から回転力が付与される駆動プーリー40b5との間に巻き掛けられたベルト40b6を有し、このベルト40b6の所定位置に前記縦方向移動手段40aの箱体40a5を連結することができるように構成され、ローラユニット40a6がガイドレール40b1の上面を走行し、ローラユニット40a7が駆動部材40b2の箱体上面を走行するように位置調整がなされている。
【0034】
なお、ガイドレール40b1と駆動部材40b2の箱体は、カップ式自動販売機10の箱体に構成されている。
【0035】
このモータ40b4も、上述のモータ36g、40a2と同様に、回転量が制御装置からの指示、例えば制御装置が発信するパルス数によって決定され、回転方向も制御装置からの信号により決定される。すなわち、モータ40b4の回転方向と回転量とを制御することによって、駆動プーリー40b5とベルト40b6とを介して縦方向移動手段40aの横方向移動手段40bに対する位置が制御される。
【0036】
すなわち、移動装置40の縦方向移動手段40a及び横方向移動手段40bを制御装置によって制御することにより、カップ保持装置38が保持するカップCの水平位置を自在に制御することができるようになっている。
【0037】
なお、移動装置40には、センサ41が設けられており、該センサ41によってカップ保持装置38の基準位置となる原点位置を検出し、原点位置を基準に移動装置40の移動制御が行なわれる構成とされている。
【0038】
図5は、カップ式自動販売機10の基本動作を説明するためのブロック図である。制御装置42は、カップ式自動販売機10の制御を統括するものであり、CPU44、ROM46、RAM48、及び周辺回路(タイマ、I/Oポート等)を内臓している。詳しくは、ROM46は後述する複数の従制御部を統括制御するためのプログラムが予め記憶されたものであり、RAM48はCPU44による演算結果、複数の従制御部からの各種データ等の書き込み又は読み出しを行なうものであり、それぞれバス50を介して接続されている。なお、制御装置42は本発明の制御手段に相当する。
【0039】
ハードウエア的にはROM46は、マスクROM、EPROM、又はEEPROM(フラッシュROMを含む)等の不揮発性メモリである。CPU44は、ROMの実行アドレスを指定するプログラムカウンタ、ROMからの読み出し内容を解読するインストラクションデコーダ、論理演算を行なう演算論理ユニット、演算データを一時格納するアキュームレータ等を内蔵する。RAM48は、SRAM等の揮発性メモリであり、バックアップ電源によって記憶内容が保持されるものである。
【0040】
さらに、バス50には、カップ式自動販売機10の出荷検査時や設置時の動作確認等で上述の移動装置40等の動作確認等を行なうための表示装置52及び入力装置54が接続され、CPU44の制御によって入力装置54に入力された指示に応じて表示装置52に表示がなされると共に、カップ式自動販売機10の各種制御が行なわれるようになっている。また、入力装置54は本発明の設定手段に相当する。
【0041】
なお、制御装置42は、図6に示すように、上述の表示装置52と入力装置54が配列された構成とされており、入力装置54は、各種コマンドを実行するためのコマンドキー(例えば、選択キー54a、飲料キー54b、タイマーキー54c、動作キー54dなど)、表示装置52に表示されるカーソル等の移動を行なうための矢印キー54f、数字等を入力するためのテンキー54gや各種コマンドの実行等を決定する設定キー54e等から構成されている。また、表示装置52は、本実施の形態では液晶表示装置が用いられる。
【0042】
制御装置42は、本実施の形態ではカップ式自動販売機10における各種設定を入力装置54を操作することによって可能とされており、各種設定としては例えば、販売する飲料の料金設定、原料の調合割合、上述のカップ供給装置30に収納されるカップの種類(サイズ)、カップ供給装置30に単一のカップが収納されているときに行なうカップ事前取り出し(詳細は後述)、カップ事前取り出しが設定されている時に所定時間後にカップを廃棄するカップ廃棄設定、(詳細は後述)等の設定が可能とされている。なお、設定内容は、制御装置42のRAM48に書き込まれるようになっている。
【0043】
また、図5に示すように、複数の従制御部として、硬貨処理制御部56、紙幣処理制御部58、接客制御部60、販売制御部62が制御装置42に接続され、ハードウエア的には、制御装置42と同様のCPU、ROM、RAMを内臓する。コインメカ64は、釣銭切れを検出する釣銭切れセンサを備え、硬貨投入口16からの投入硬貨を受け取り、必要に応じて釣銭を返却口28から返却するものである。硬貨処理制御部56は、コインメカ64を制御し、投入硬貨の金種、正偽等の判別、金種別枚数の計算、金庫への余剰硬貨の収容、釣銭払い出し等を行なわせるものである。ビリバリ66は、コインメカ64と同様に、釣札切れを検出する釣札切れセンサを備え、紙幣挿入口18から返却するものである。紙幣処理制御部58は、ビリバリ66を制御し、挿入紙幣の金種、正偽等の判別、金種別枚数の計算、釣札払い出し等を行なわせるものである。なお、硬貨処理制御部56及び紙幣処理制御部58は、硬貨投入及び紙幣挿入が行なわれるその都度、処理動作を実行する。また、硬貨処理制御部56及び紙幣処理制御部58は、本発明の検出手段に相当する。
【0044】
接客部68は、表示部24と、複数種類の飲料サンプルに対して設けられた複数の商品選択ボタン20と、販売中、販売中止、釣銭切れを表すランプと、を備えたものである。接客制御部60は、接客部68を制御する。つまり、接客制御部60は、制御装置42からの飲料販売に関する接客指示に従って、販売中、販売中止、釣銭切れを表すランプを点灯させたり、販売飲料別の販売可ランプ又は売切れランプを点灯させたり、更には、複数の商品選択ボタン20の何れが押下されたかを検出し、このときの検出信号を制御装置42に送信したりする。販売制御部62は、接客制御部60からの前記検出信号に応答した制御装置42からの販売指示に従って、利用者の希望の飲料を調理するべく、上述した移動装置40における縦方向移動手段40a及び横方向移動手段40bを制御すると共に、カップ供給装置30、原料供給装置32、希釈液供給装置34、攪拌装置36、及びカップ保持装置38を制御する。
【0045】
飲料を販売するための各種プログラムは、上述の制御装置42のROM46に記憶されており、該プログラムに従ってカップ式自動販売機10の制御がなされる。また、ROM46には、各種飲料を販売する際の移動装置40によるカップ販売する飲料に応じた移動パターン、及び該移動パターン上における各種装置の動作パターンが記憶されている。
【0046】
なお、本実施の形態に係るカップ式自動販売機10における移動装置40によるカップ保持装置38の移動位置は、販売する飲料毎に移動するステージが予め定められており、それぞれの飲料毎に移動装置40の移動パターンが定められている。それぞれのステージは、図7に示すように、複数定められている。詳細には、原点位置Gをステージ座標(0、0)として、X軸、Y軸がそれぞれ図8のようになっており、X軸は横方向移動手段40bによる移動方向距離を示し、Y軸は縦方向移動手段40aによる移動方向距離を示す。各ステージはそれぞれ原点位置G、トッピング受け取り位置TP、砂糖受け取り位置S、クリーム受け取り位置CR、ホイップ受け取り位置WH、コーヒー受け取り位置CO、ミックス3(例えば、ココアなど)受け取り位置M2、ミッスク2(例えば、紅茶など)受け取り位置M3、コールド調理位置A1、ホット調理位置A2、PIX1吐出位置P1、ミックス4(例えば、お茶など)受け取り位置M4、PIX1吐出前位置RP1、MIX4受け取り前位置RM4、ミックス5(例えば、ジュースなど)受け取り位置M5、MIX5受け取り前位置RM5、PXT吐出位置P2、PXT2吐出前位置RP2、カップ1受け取り位置C1、カップ2受け取り位置C2、カップ3受け取り位置C3、カップ捨て前通過位置D1、カップ捨て位置前D2、カップ捨て位置後D3、カップ捨て位置後通過位置D4、販売口カップ位置前E1、販売口カップ位置E2とされている。
【0047】
また、上述の各種飲料を販売する際の移動装置40によるカップ販売する飲料に応じた移動パターンは、例えば、コールドシロップ、ホットシロップ、ホットインスタントコーヒー(砂糖・クリーム入り)、ホットインスタントコーヒー(砂糖入り)、ホットインスタントコーヒー(クリーム入り)、ホットインスタントコーヒー(ブラック)、コールドインスタントコーヒー(砂糖・クリーム入り)、コールドインスタントコーヒー(砂糖入り)、コールドインスタントコーヒー(クリーム入り)、コールドインスタントコーヒー(ブラック)、ホットミックス、コールドミックスなどの飲料の種類に応じた移動パターンがある。例えば、ホットインスタントコーヒー(砂糖・クリーム入り)の移動パターンを例に挙げると、図7に示す移動パターンとなっている。すなわち、ホットインスタントコーヒーを調理する場合の移動パターンは、原点位置Gよりカップ受け取り位置C1に移動し(▲1▼)、続いてコーヒー受け取り位置CO(▲2▼)、クリーム受け取り位置CR(▲3▼)、砂糖受け取り位置S(▲4▼)、ホット調理位置A2(▲5▼)の順に移動して、販売口カップ位置前E1(▲6▼)、販売口カップ位置E2(▲7▼)、販売口カップ位置前E1(▲8▼)に戻ってから原点位置G(▲9▼)に移動する。
【0048】
次に本発明の実施の形態に係るカップ式自動販売機10の動作を図9のフローチャートを参照して説明する。なお、図9に示すフローチャートは、制御装置42で行なわれる処理の流れを示す。
【0049】
ステップ100で料金受取されたか否か判定される。すなわち、利用者により硬貨投入口や紙幣挿入口から金銭が投入され、硬貨処理制御部56や紙幣処理制御部58によりコインメカ64やビリバリ66が制御され、投入コインや挿入紙幣の金種、正偽等の判別、金種枚数の計算等が行なわれ、接客制御部60によって接客部68が制御され、販売飲料別の販売可ランプや売切れランプの点灯がなされたか否か判定される。該判定が否定された場合には、肯定されるまで待機し、判定が肯定された場合には、ステップ102へ移行する。
【0050】
ステップ102では、ディスペンサ30a、30bに収納されるカップが同一設定か否か判定される。該判定はRAM48に記憶された内容を読み出し、入力装置54によってカップ設定が同一設定とされたか否かを判定することによって行なわれる。なお、カップ種類の設定は、予め入力装置54を操作することによって設定(RAM48に記憶)する。
【0051】
ステップ102の判定が肯定された場合には、ステップ104へ移行して、カップ事前取り出し設定か否か判定される。該判定もステップ102と同様に、RAM48に記憶された内容を読み出し、入力装置54によってカップが事前に取り出されるように設定されているか否かを判定することによって行なわれる。ステップ104の判定が肯定された場合には、ステップ108へ移行する。なお、カップ事前取り出し設定は、カップ種類の設定と同様に、予め入力装置54を操作することによって設定(RAM48に記憶)する。
【0052】
一方、ステップ102及びステップ104の判定が否定された場合には、ステップ106へ移行して、通常動作が行なわれる。
【0053】
ここで、通常の販売動作を説明する。通常の販売動作では、利用者によって商品選択ボタン20が押下されたか否かを検出し、商品選択ボタン20が押下された場合には、その検出信号を制御装置42に送信し、該検出信号に応答した販売指示が制御装置42から販売制御部62に出力される。そして、販売制御部62では利用者の希望の飲料を調理すべく、移動装置40における縦方向移動手段40a及び横方向移動手段40bの制御を行なうと共に、カップ供給装置30、原料供給装置32、希釈液供給装置34、攪拌装置36、及びカップ保持装置38の制御を行なう。なお、これらの複数の装置の制御は、ROM46に記憶された飲料の販売を行なうプログラムに従って制御される。すなわち、利用者によって商品選択ボタンあるが押下されて購入商品が選択されると、制御装置42から販売指令が出力され、移動装置40が駆動してカップ保持装置38がカップ供給装置30の下方に移動する。
【0054】
カップ保持装置38がカップCの送出位置の直下位置に達すると選択された飲料に応じたカップCが選択的に1個送出されてカップ保持装置38の保持腕L、Rによって保持される。
【0055】
カップCを保持したカップ保持装置38は、移動装置40によって所要のシュータの下方に移動する。例えば、選択された商品が砂糖入りコーヒーであれば、先ず、シュータ33cの直下にカップCを位置させて停止し、タンク32cの原料送出口より所要量のコーヒーが供給される。次いで、シュータ33fの直下にカップCを位置させて停止し、タンク32fから所要量の砂糖が同様に供給される。次いで、羽根車36bとノズル34cの直下にカップCを位置させて停止し、カップCに羽部車36bを降下挿入させ、バルブ34bを開いてノズル34cの先端からお湯を所要量注入し、羽根車36bを回転させてコーヒーと砂糖を完全に溶解させる。羽根車36bは、一定時間回転したのちカップCから引き上げられる。羽根車36bの引き上げが完了すると、調合済飲料の入ったカップCを保持したカップ保持装置38は移動装置40によって商品取出口14の位置まで移動される。そして、利用者が商品取出口14よりカップCを取り出すことにより販売が完了する。
【0056】
一方、上述のステップ102及びステップ104の判定が肯定されてステップ108へ移行すると、カップ保持装置38を原点位置に移動する指示が販売制御部62に出力され、販売制御部62によって移動装置40の縦方向移動手段40a及び横方向移動手段40bが制御されて、カップ保持装置38が原点位置に移動される。
【0057】
続いて、ステップ110では、カップ保持装置38をカップ供給位置に移動する指示がなされる。すなわち、販売制御部62によって移動装置40の縦方向移動手段40a及び横方向移動手段40bが制御されて、カップ保持装置38がカップ供給装置30の直下位置に移動される。
【0058】
ステップ112では、カップ供給が指示され、カップ供給装置30からカップ保持装置38にカップCが供給される。なお、このとき、ディスペンサ30a、30bには同一カップが収納されているので、カップの供給は何れのディスペンサ30a、30bからでもよい。
【0059】
このように、ディスペンサ30a、30bに収納されるカップの種類が同一設定でかつ、カップ事前取り出し設定がなされている場合には、料金の受け取り(硬貨投入又は紙幣挿入)と共に、カップ保持装置がカップ供給位置まで移動されて、カップがカップ供給装置30より供給されるように制御するので、従来のカップ式自動販売機のように、商品選択ボタン20が押下されてからカップを供給する制御を行なう場合と比べて、カップ式自動販売機10の販売動作時間を短縮することができる。
【0060】
ステップ114では、カップ廃棄設定ありか否か判定される。該判定はRAM48に記憶された内容を読み出し、入力装置54によってカップ廃棄設定がなされているか否かによって判定される。なお、カップ廃棄設定は所定時間が経過した場合には、カップ保持装置38に供給したカップを廃棄する設定をいい、該カップ廃棄設定は、予め入力装置54を操作することによって設定(RAM48に記憶)する。
【0061】
ステップ114の判定が肯定された場合には、ステップ116へ移行して、予め入力装置54で設定された設定時間経過したか否か判定される。該判定が否定された場合には、ステップ118へ移行して、返却レバー26が操作されたか否か判定される。ステップ118の判定が否定された場合には、再びステップ116に戻って、設定時間経過したか否か判定される。
【0062】
そして、ステップ116の判定又はステップ118の判定が肯定された場合には、ステップ120へ移行して、料金返却指示が硬貨処理制御部56や紙幣処理制御部58に出力され、料金が返却口に返却される。
【0063】
そして、ステップ122では、カップを廃棄する指示がなされる。すなわち、販売制御部62によって移動装置40の縦方向移動手段40a及び横方向移動手段40bが制御されて、カップ保持装置38がカップ廃棄位置(図7に示すD1とD2の間の位置)に移動されてカップが廃棄され、一連の処理が終了される。
【0064】
硬貨や紙幣がカップ式自動販売機10に投入され、カップがカップ保持装置38に供給された後、長時間カップが放置されることによりゴミ等の混入が懸念されるが、本発明の実施の形態に係るカップ式自動販売機10では、カップ廃棄設定がなされている場合には、設定時間経過又は返却レバー26の操作が行なわれることにより、カップを廃棄するので、ゴミ等が飲料に混入するのを防止することができる。
【0065】
一方、ステップ114の判定が否定された場合には、ステップ124へ移行して、返却レバー26が操作されたか否か判定される。該判定が否定された場合には、ステップ126へ移行して、料金返却指示が硬貨処理制御部56や紙幣処理制御部58に出力され、料金が返却口に返却され、一連の処理が終了される。
【0066】
ステップ124の判定が否定された場合には、ステップ128へ移行して、商品選択ボタン20オンされたか否か判定される。すなわち、利用者によって希望の商品選択ボタン20が押下されたか否か判定される。該判定が否定された場合には、再びステップ124に戻って返却レバー26が操作されたか否かの判定が行なわれる。
【0067】
また、ステップ128の判定が肯定された場合、すなわち、利用者によって希望の商品選択ボタン20が押下された場合には、その検出信号が制御装置42に送出され、該検出信号に応答した販売支持が制御装置42から販売制御部62に出力される。そして、販売制御部62では利用者の希望の飲料を調理すべく、移動装置40における縦方向移動手段40a及び横方向移動手段40bの制御が行なわれると共に、カップ供給装置30、原料供給装置32、希釈液供給装置34、攪拌装置36、及びカップ保持装置38の制御が行なわれ、希望の商品がカップに調理されて、商品取出口14までカップが移動されることによって、販売動作が行なわれて、一連の処理が終了される。
【0068】
なお、上記の実施の形態では、硬貨投入又は紙幣挿入によりカップをカップ保持装置38に供給するように制御するようにしたが、販売終了時にカップをカップ保持装置38に供給しておくようにしても販売動作を短縮することが可能であり、入力装置54によって何れかに設定可能としてもよい。
【0069】
また、上記の実施の形態では、カップ廃棄設定がなされ、硬貨投入又は紙幣挿入が行なわれて、所定時間商品選択ボタン20が押下されない場合には、カップを廃棄して、投入硬貨や挿入紙幣を返却するようにしたが、カップを再び供給すべく、移動装置40及びカップ供給装置30を制御するようにしてもよい。
【0070】
また、上記の実施の形態では、硬貨や紙幣によって飲料を購入する構成としたが、これに限るものではなく、例えば、飲料の料金に相当するプリペードカード、飲料の料金に相当するコインやカードなどで飲料を購入又は供給する構成としてもよい。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、飲料を購入するための料金を受け取ったことを検出する料金受取検出手段により料金を受け取ったことが検出された時に、カップ供給手段から移動手段へカップを供給するための制御を行なうので、利用者が商品を選択する選択ボタン等を操作するまでの時間を有効に利用することができ、販売時間を短縮することができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るカップ式自動販売機の概観を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るカップ式自動販売機の内部機構を示す斜視図である。
【図3】攪拌装置を示す斜視図である。
【図4】移動装置の概略構成を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係るカップ式自動販売機の基本動作を説明するためのブロック図である。
【図6】入力装置と表示装置を配列した制御装置を示す図である。
【図7】カップ保持装置の移動位置及び飲料に応じた移動パターンの例を示す図である。
【図8】カップ保持装置の移動位置の座標位置の例を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態に係るカップ式自動販売機における制御装置で行なわれる処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 カップ式自動販売機
30 カップ供給装置
30a、30b、30c ディスペンサ
40 移動装置
40a 縦方向移動手段
40b 横方向移動手段
42 制御装置
44 CPU
46 ROM
48 RAM
54 入力装置
56 硬貨処理制御部
58 紙幣処理制御部
62 販売制御部
Claims (2)
- カップが予め定められた複数の位置を移動することによって飲料を調理するカップ式自動販売機において、
カップを前記複数の位置へ移動させる移動手段と、
複数種類のカップを収納すると共に、前記複数種類のカップのうち何れかの種類のカップを前記移動手段に供給するカップ供給手段と、
前記カップ供給手段に収納するカップの種類、及び単一種類のカップが収納されているときに行うカップ事前取り出しを含む設定を行う設定手段と、
前記飲料の調理の指示以前に、前記飲料の対価の入力がなされたことを検出する検出手段と、
前記設定手段により単一種類のカップが設定され、かつ前記カップ事前取り出しが設定されている場合に、前記検出手段が前記入力を検出したときの検出出力に基づいて、前記カップ供給手段から前記移動手段へカップを供給する位置へ移動するように前記移動手段を制御して前記カップ供給手段から前記移動手段へ設定された種類のカップを1つ供給するように前記カップ供給手段を制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするカップ式自動販売機。 - 前記制御手段は、前記飲料の調理の指示が所定時間なされない場合に、前記移動手段に供給されたカップを廃棄するように更に制御することを特徴とする請求項1に記載のカップ式自動販売機。
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