JP2004257489A - 電磁弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プランジャ16を付勢して弁口14aを閉塞するコイルばね19は、プランジャ16の固定鉄芯側端面16bの中央部に開口する連通孔27(大径部29)に配置される。弁口14aを閉塞する閉塞部31と、固定鉄芯20側との衝突を緩衝する緩衝部32とは、プランジャ16の両端面16a,16b間を連絡する連通孔27を通じて繋がる1つの弾性部材30によって形成されている。緩衝部32は、コイルばね19の外周側に設けられている。このため、固定鉄芯20と直接対向するプランジャ16の固定鉄芯側端面16bの面積をより大きくすることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プランジャが動作するときの騒音を低減する緩衝部をプランジャに備えた電磁弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の電磁弁には、付勢ばね(コイルばね)で付勢したプランジャを当接させることで弁口(弁座)を閉じ、また、コイルで発生させた磁力によりプランジャを吸引子(固定鉄芯)に磁気吸引することで弁口を開くものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
この電磁弁では、弁口の密封を、プランジャの弁口側端面に設けたシール部で行う。また、プランジャを電磁吸引したときの衝突音の発生を、吸引子のプランジャ側端面に設けたスペーサ(防音ゴム)で防止する。
【0004】
また、プランジャの中心軸線方向に貫通する孔に充填形成したゴム部材によって、プランジャの弁口側端面に弁部(シール部)を形成し、また、そのコア(固定鉄芯)側端面に緩衝部を形成したものがある(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特許第2971745号公報(図4)
【特許文献2】
実開平5−96656号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1に記載の電磁弁では、プランジャが吸引子に衝突するときの衝突音の発生を防止するためのスペーサをわざわざ設けているので、その分だけ部品点数及び組付工数が多くなっている。
【0007】
また、上記特許文献2に記載の電磁弁では、プランジャの孔に充填されたゴムが弁部及び緩衝部を形成するので、緩衝部を設けても部品点数及び組付工数は増えない。しかしながら、この場合には、ゴム部材を充填するための孔をプランジャの中央軸線上に設けていることから、プランジャを付勢するスプリング(コイルばね)はプランジャとほぼ同径とされ、緩衝部の外周側でプランジャを付勢するようになっている。この結果、上記特許文献1に記載される電磁弁の構成と比較して、コアと直接対向するコア側端面の面積が小さくなり、コアからプランジャに加わる電磁吸引力が弱くなる。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、部品点数及び組付工数を増やすことなくプランジャが衝突するときの衝突音の発生を防止することができ、しかも、固定鉄芯がプランジャに及ぼす電磁吸引力を弱め難い電磁弁を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための手段及びその作用・効果を記載する。
請求項1に記載の発明は、コイルばねで付勢されたプランジャで弁口を閉じるとともに、電磁コイルで発生させた磁力により、前記コイルばねの付勢力に抗して前記プランジャを前記弁口から離間させて固定鉄芯側に保持するように構成され、前記プランジャの固定鉄芯側端面には、前記弁口を閉塞する閉塞部が設けられ、同じく弁口側端面には、前記固定鉄芯側との衝突を緩衝する緩衝部が設けられている電磁弁において、前記コイルばねは、前記固定鉄芯側端面に開口を有する前記プランジャの収容部に配置され、前記閉塞部と前記緩衝部とは、前記固定鉄芯側端面と弁口側端面との間を連絡する連通孔を通じて繋がる1つの弾性部材によって形成され、前記緩衝部は、前記コイルばねの外周側に設けられていることを要旨とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、プランジャの固定鉄芯側端面においてコイルばねの外周側に緩衝部が位置するので、固定鉄芯側端面の外周部にコイルばねが位置する場合に比較して、固定鉄芯と直接対向する固定鉄芯側端面の面積をより大きくすることができる。従って、固定鉄芯からプランジャに作用する電磁吸引力をより大きくすることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記収容部は、前記連通孔の一部を形成し、前記弾性部材は、前記収容部を通じて繋がることを要旨とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、収容部と独立して連通孔を設けた場合と異なり、プランジャの構造がより簡単となる。従って、プランジャの製造工数が少なくなる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記収容部は、前記プランジャの移動方向と平行な中心軸線を有する円柱状に形成され、前記弾性部材は、前記収容部の内周面全体を覆う状態で繋がるように形成されていることを要旨とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて、円形の断面形状を持つ収容部の断面積を、コイルばねを収容するために必要なだけの大きさとすることができ、また、収容部の内周面全体を覆う状態で繋がる弾性部材の緩衝部を固定鉄芯側端面のより中央寄りに配置することができる。従って、収容部及び緩衝部が固定鉄芯側端面において占める面積をより小さくし、固定鉄芯に直接対向する面積をより大きくすることができる。その結果、固定鉄芯からプランジャに作用する電磁吸引力をより一層大きくすることができる。また、収容部の内周面全体を覆う弾性部材の部分が、その制振作用によって、プランジャと固定鉄芯との衝突によるプランジャの振動を抑制する。従って、プランジャと固定鉄芯との衝突で発生する騒音がより一層抑制される。さらに、収容部の内周面全体を覆う弾性部材の部分が、プランジャとコイルばねとの衝突を緩衝し、衝突で発生する騒音を抑制する。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記収容部は、前記プランジャの移動方向と平行な中心軸線を有する円柱状に形成され、前記弾性部材は、前記収容部の内周面において少なくともその中心軸線方向に延びるように設けられた溝に沿って繋がるように形成されていることを要旨とする。
【0016】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の作用に加えて、円形の断面形状を持つ収容部の断面積を、コイルばねを収容するために必要なだけの大きさとすることができ、また、収容部の内周面において少なくともその中心軸線方向に延びる溝に沿って繋がる弾性部材の緩衝部を固定鉄芯側端面のより中央寄りに配置することができる。従って、収容部及び緩衝部が固定鉄芯側端面において占める面積をより小さくし、固定鉄芯に直接対向する面積をより大きくすることができる。その結果、固定鉄芯からプランジャに作用する電磁吸引力をより一層大きくすることができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記収容部には、前記コイルばねを所定位置に保持するように支持する支持部が設けられていることを要旨とする。
【0018】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明の作用に加えて、支持部がコイルばねを所定位置に保持するので、プランジャの往復移動に伴ってコイルばねが繰り返し伸縮動作してもコイルばねが弾性部材に干渉し難い。従って、コイルばねによって弾性部材が損傷し難く、電磁弁の耐久性が向上する。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1及び図2に従って説明する。
【0020】
図1に示すように、電磁弁10は、弁胴11及び電磁開閉機構12からなり、弁胴11及び電磁開閉機構12の間に弁室13が形成されている。弁室13に設けられた弁座14は、電磁開閉機構12によって開閉される弁口14aを備えている。
【0021】
弁胴11には、弁室13を通じて連通可能な流路15a,15bが設けられている。両流路15a,15bは、弁口14aが開かれることで弁室13を通じて連通し、また、弁口14aが閉じられることで弁室13を通じた連通が遮断される。
【0022】
電磁開閉機構12は、プランジャ16、取付板17、ガイド部材18、コイルばね19、固定鉄芯20、ボビン21、電磁コイル22、ケース23、コネクタ部24、端子25を備えている。
【0023】
プランジャ16は、弁胴11と共に取付板17に固定されたハット状のガイド部材18に収容され、弁胴11及びガイド部材18と共に弁室13を区画形成する。弁室13は、弁胴11とガイド部材18との間に設けられたOリング26によって機密状態に保持可能となる。
【0024】
ガイド部材18に収容されたプランジャ16は、弁口14aを閉塞する位置と、ガイド部材18の底壁に当接して弁口14aを開口する位置との間で移動可能となっている。そして、プランジャ16は、弁口14aを閉塞したときには弁室13を通じた両流路15a,15bの連通を遮断し、また、弁口14aを開口したときには弁室13を通じて両流路15a,15bを連通させる。
【0025】
コイルばね19は円筒形であって、プランジャ16とガイド部材18との間に配置されている。コイルばね19は、プランジャ16を付勢して弁座14に当接させる。
【0026】
固定鉄芯20は、ガイド部材18の底壁に密接するように設けられている。また、固定鉄芯20には、ボビン21に巻回された電磁コイル22が外嵌されている。
【0027】
固定鉄芯20及び電磁コイル22は、取付板17に固定されたケース23によって取付板17に保持されている。また、取付板17とケース23とによって、電磁コイル22に給電するためのコネクタ部24が保持され、このコネクタ部24に設けられた端子25が電磁コイル22に接続されている。
【0028】
この電磁弁10では、電磁コイル22に通電されないときには、コイルばね19の付勢力によって、弁口14aを閉塞する位置にプランジャ16を保持する。また、電磁コイル22に通電されるときには、プランジャ16、取付板17、固定鉄芯20及びケース23が形成する磁気回路を通じて、電磁コイル22が発生する磁束を通す。そして、コイルばね19の付勢力に抗してプランジャ16を固定鉄芯20側に磁気吸引し、弁口14aを開口する位置に保持する。
【0029】
次に、プランジャ16について詳述する。
図2に示すように、プランジャ16には、その弁口側端面16aと固定鉄芯側端面16bとの間を連絡する連通孔27が設けられている。連通孔27は、両端面16a,16bの中央部を、プランジャ16の中心軸線方向に貫通するように設けられている。なお、プランジャ16は略円柱状に形成され、連通孔27は2段の円柱状に形成されている。
【0030】
連通孔27は、弁口側端面16a上に開口する小径部28と、固定鉄芯側端面16b上に開口する大径部29とからなる。小径部28と大径部29とは共に円柱状に形成され、同一の中心軸線上に設けられている。大径部29内には、コイルばね19が配置されている。本実施形態では、大径部29が収容部である。
【0031】
コイルばね19は、大径部29と小径部28とが形成する段差面と、ガイド部材18の底壁との間に圧縮状態で配置されている。
プランジャ16には、その弁口側端面16aと固定鉄芯側端面16bとの間で連通孔27を通じて繋がる1つの弾性部材30が設けられている。本実施形態での弾性部材30は合成ゴムからなる。弾性部材30は、プランジャ16の弁口側端面16aと固定鉄芯側端面16bとの間で連通孔27を通じて繋がるように形成されている。
【0032】
次に、弾性部材30について詳述する。
図2に示すように、プランジャ16の弁口側端面16aには、弁座14に当接して弁口14aを閉塞する閉塞部31が、弾性部材30によって形成されている。また、固定鉄芯側端面16bには、ガイド部材18を介した固定鉄芯20への衝突を緩衝するための緩衝部32が、弾性部材30によって形成されている。緩衝部32は、固定鉄芯側端面16bにおける大径部29の開口部周縁部、すなわち、コイルばね19の外周側に設けられている。
【0033】
閉塞部31及び緩衝部32は、連通孔27を通じて両端面16a,16b間を連絡する接続部33によって繋がっている。接続部33は、小径部28を充填するとともに、大径部29の内周面全体を均一の厚さで覆うように形成されている。
【0034】
なお、閉塞部31、緩衝部32及び接続部33は、射出成形によって一体成形される。
次に、以上のように構成された本実施形態の作用について説明する。
【0035】
電磁コイル22に通電されないときには、コイルばね19によってプランジャ16が付勢され、弾性部材30の閉塞部31が弁座14に押しつけられた状態で保持される。このため、弁口14aが閉塞され、両流路15a,15b同士の弁室13を通じた連通が遮断される。このとき、合成ゴムで形成された閉塞部31の弾性変形により、弁口14aが確実に閉塞される。
【0036】
電磁コイル22に通電されると、電磁コイル22の電磁吸引力により、コイルばね19の付勢力に抗してプランジャ16が固定鉄芯20に引き付けられ、ガイド部材18の底壁に当接した状態で保持される。このため、弁口14aが開口され、両流路15a,15b同士が弁室13を通じて連通される。このとき、合成ゴムで形成された緩衝部32の緩衝作用により、プランジャ16がガイド部材18の底壁に対する衝突音の発生が防止される。
【0037】
以上詳述した本実施形態は、下記(1)〜(5)に記載の各効果を有する。
(1)コイルばね19は、プランジャ16の固定鉄芯側端面16bの中央部に設けられた大径部(収容部)29内に配置されている。また、閉塞部31と緩衝部32は、弁口側端面16aと固定鉄芯側端面16bとの間を連絡する連通孔27を通じて繋がる1つの弾性部材30によって形成されている。そして、緩衝部32は、コイルばね19の外周側に設けられている。従って、部品点数及び組付工数を増やすことなくプランジャ16の衝突音の発生を防止することができる。
【0038】
(2)コイルばね19が、上記特許文献2に記載された電磁弁のスプリングのようにプランジャの外周縁部を占めないので、固定鉄芯20と直接対向する固定鉄芯側端面16bの面積をより大きくすることができる。従って、固定鉄芯20からプランジャ16に作用する電磁吸引力がより大きくなるので、固定鉄芯20がプランジャ16に及ぼす電磁吸引力を弱めない。
【0039】
(3)連通孔27の一部が大径部(収容部)29によって形成されている。そして、弾性部材30は、大径部29を通じて繋がる。このため、プランジャ16の両端面16a,16b間を連絡する連通孔を、コイルばね19を収容する収容部と別に設けた場合と較べて、プランジャ16の構造がより簡単となる。従って、例えば、プランジャ16の製造工数が少なくなり、製造コストを低減することができる。
【0040】
(4)大径部29は、プランジャ16の移動方向と平行な中心軸線を有する円柱状に形成され、弾性部材30は、大径部29の内周面全体を覆うように形成されている。このため、円形な断面形状を持つ大径部29の断面積を、コイルばね19を収容するために必要なだけの大きさとすることができ、また、大径部29の内周面全体を覆う状態で繋がる弾性部材30の緩衝部32を固定鉄芯側端面16bのより中央寄りに配置することができる。従って、大径部29及び緩衝部32が固定鉄芯側端面16bにおいて占める面積をより小さくし、固定鉄芯20に直接対向する面積をより大きくすることができる。その結果、固定鉄芯20からプランジャ16に作用する磁気吸引力をより一層大きくすることができる。
【0041】
(5)大径部29の内周面全体を覆う接続部33が、その制振作用によって、固定鉄芯20との衝突に伴うプランジャ16の振動を抑制する。従って、プランジャ16と固定鉄芯20との衝突で発生する騒音がより一層抑制される。
【0042】
また、接続部33が、プランジャ16とコイルばね19との衝突を緩衝し、衝突で発生する騒音を抑制する。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図3に従って説明する。尚、本実施形態は、前記第1実施形態における弾性部材30を、弾性部材40に変更したことのみが第1実施形態と異なる。従って、第1実施形態と同じ構成については、符号を同じにしてその説明を省略し、弾性部材40のみについて詳述する。
【0043】
図3に示すように、本実施形態の弾性部材40は、前記第1実施形態の弾性部材30の構成に加え、プランジャ16の大径部29内で、小径部28側から大径部29内に突出する突起部41を備えている。本実施形態では、突起部41が支持部である。
【0044】
突起部41には、コイルばね19の端部が外嵌されている。そして、突起部41は、コイルばね19の端部を保持して、コイルばね19を大径部29の径方向中央に保持する。本実施形態では、大径部29の径方向中央がコイルばね19の所定位置である。
【0045】
以上のように構成された本実施形態には、前記第1実施形態の作用に加えて次の作用がある。
大径部29内に設けられた突起部41が、コイルばね19を大径部29の径方向中央に保持するので、プランジャ16の往復動作によりコイルばね19が繰り返し伸縮動作してもコイルばね19が弾性部材40に干渉し難い。
【0046】
本実施形態は、前記第1実施形態の(1)〜(5)に記載の各効果に加え、下記(6)に記載した効果を有する。
(6)大径部29内に設けられた突起部41がコイルばね19を大径部29の径方向中央(所定位置)に保持するので、コイルばね19によって弾性部材40が損傷し難く、電磁弁10の耐久性が向上する。
【0047】
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を図4(a),(b)に従って説明する。尚、本実施形態は、前記第1実施形態におけるプランジャ16をプランジャ42に変更したことと、弾性部材30を弾性部材43に変更したことのみが第1実施形態と異なる。従って、第1実施形態と同じ構成については、符号を同じにしてその説明を省略し、プランジャ42及び弾性部材43のみについて詳述する。
【0048】
図4(a),(b)に示すように、本実施形態のプランジャ42は、前記第1実施形態のプランジャ16の構成に加え、大径部29の内周面においてその中心軸線方向に延びる3つの溝44を備えている。
【0049】
各溝44はいずれも同一形状であって、同一断面形状で延びるように形成され、大径部29の周方向で等角度間隔に設けられている。
本実施形態の弾性部材43も、プランジャ42の弁口側端面42aと固定鉄芯側端面42bとの間で連通孔27を通じて繋がるように形成されている。
【0050】
弁口側端面42aには、弁口14aを閉塞する閉塞部31が弾性部材43によって形成されている。また、固定鉄芯側端面42bには、ガイド部材18を介した固定鉄芯20との衝突を緩衝するための緩衝部32が弾性部材43によって形成されている。閉塞部31と緩衝部32とは、連通孔27を通じて両端面42a,42b間を連絡する接続部45によって繋がっている。接続部45は、小径部28を充填するように形成されている。また、接続部45は、大径部29内において、小径部28側の端部を除いて各溝44に沿って延びるように形成されている。接続部45は、各溝44において、大径部29の内周面より内周側に配置されないように形成されている。
【0051】
以上のように構成された本実施形態には、前記第1実施形態の作用に加えて次の作用がある。
弾性部材43が大径部29の内周面に設けられた各溝44に沿って繋がるように設けられているので、プランジャ16の往復動作に伴ってコイルばね19が大径部29の中央から移動しても、大径部29の内周面に摺接するだけで接続部45や緩衝部32に干渉しない。
【0052】
本実施形態は、前記第1実施形態の(1)〜(3)に記載の各効果に加え、下記(7),(8)の各効果を有する。
(7)大径部(収容部)29は、プランジャ16の移動方向と平行な中心軸線を有する円柱状に形成され、弾性部材30は、大径部29の内周面において中心軸線方向に延びるように設けられた各溝44に沿って繋がるように形成されている。このため、円形の断面形状を持つ大径部29の断面積を、コイルばね19を収容するために必要なだけの大きさとすることができ、また、大径部29の内周面においてその中心軸線方向に延びる各溝44に沿って繋がる弾性部材43の緩衝部32を固定鉄芯側端面42bのより中央寄りに配置することができる。従って、大径部29及び緩衝部32が固定鉄芯側端面16bにおいて占める面積をより小さくし、固定鉄芯20に直接対向する面積をより大きくすることができる。その結果、固定鉄芯20からプランジャ16に作用する磁気吸引力がより一層大きくなる。
【0053】
(8)大径部29の内周面に設けられた溝44に沿って繋がるように弾性部材43が形成されているので、コイルばね19が弾性部材43に干渉しない。従って、コイルばね19によって弾性部材40が損傷し難く、電磁弁10の耐久性が向上する。
【0054】
なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
・前記第3実施形態で、弾性部材43に、前記第2実施形態の弾性部材40と同様の突起部(支持部)41を設けた構成とする。
【0055】
・前記第2実施形態で、支持部としての突起部41に代えて、大径部29の小径部28側の端部に設けられ、コイルばね19の端部が内嵌する中径部とした構成とする。また、大径部29に設けた前記中径部と、突起部41とによって、コイルばね19の端部を支持する構成とする。この場合には、小径部及び突起部41が支持部を構成する。このいずれの構成においても、前記第2実施形態の(6)に記載した効果がある。
【0056】
・前記第3実施形態で、収容部としての大径部29を、小径部28側端部を形成する中径部と、固定鉄芯側端面側の残りの部分を形成する大径部との2段に形成する。なお、中径部における各溝44の深さを深くし、全ての溝44に外接する円弧の外径が中心軸線方向に一定となるようにする。そして、コイルばね19の端部を中径部に内嵌させることでその姿勢を保持する構成とする。この場合には、中径部が支持部である。このような構成でも、前記第2実施形態の(6)に記載した効果がある。
【0057】
・前記第1実施形態で、大径部29の内周面に、その中心軸線方向に延びる複数の凸条を、その周方向に等角度間隔で設ける。そして、この各凸条にコイルばね19の外周面を摺接させることで、コイルばね19を大径部29の中央(所定位置)に保持する構成とする。このような構成においても、前記第2実施形態の(6)に記載した効果がある。
【0058】
・前記第1及び第2実施形態で、大径部29の中心軸線と直交する平面における断面形状を、三角形、四角形等の多角形、楕円形、長円形等の非正円形とした構成とする。このような構成でも、前記第1実施形態の(4)に記載した効果がある。
【0059】
・前記第1、第2及び第3実施形態で、コイルばね19は、円筒形に限らず、その他、円錐形、鼓形、放射線形、あるいは、この内のいずれか複数が複合された形であってもよい。
【0060】
また、大径のコイルばねと、このコイルばねの内側に配置される小径のコイルばねとを組み合わせた構成でもよい。
・前記第1、第2及び第3実施形態で、弾性部材を、合成ゴムに代えて合成樹脂からなる構成とする。
【0061】
・前記第1、第2及び第3実施形態で、プランジャ16の固定鉄芯側端面16bの中央部に開口する収容穴にコイルばね19を配置し、両端面16a,16b間で連続するように該収容穴の外周側に透磁率して設けた複数の連通孔を通じて繋がる1つの弾性部材によって閉塞部及び緩衝部を形成する構成とする。このような構成においても、前記第1実施形態の(1),(2)に記載した各効果がある。
【0062】
以下、前記各実施形態から把握される技術的思想を列記する。
(1)前記支持部(突起部41)は、前記弾性部材(弾性部材40)によって形成されている請求項5に記載の電磁弁。
【0063】
(2)前記支持部は、前記プランジャに形成されている請求項5に記載の電磁弁。
(3)前記コイルばねは円筒形である請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の電磁弁。
【0064】
(4)請求項1〜請求項5のいずれか一項、又は、上記技術的思想の(1)〜(3)のいずれか一項に記載の電磁弁に使用する弾性部材(30,40,43)。
【0065】
【発明の効果】
請求項1〜請求項5に記載の発明によれば、部品点数及び組付工数を増やすことなくプランジャの衝突音の発生を防止することができ、しかも、固定鉄芯がプランジャに及ぼす電磁吸引力を弱め難い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の電磁弁を示す模式縦断面図。
【図2】プランジャを示す模式縦断面図。
【図3】第2実施形態のプランジャを示す模式縦断面図。
【図4】(a)第3実施形態のプランジャを示す模式縦断面図、(b)同じく(a)におけるA−A線断面図。
【符号の説明】
10 電磁弁
14a 弁口
16 プランジャ
16a 弁口側端面
16b 固定鉄芯側端面
19 コイルばね
20 固定鉄芯
22 電磁コイル
27 連通孔
29 収容部としての大径部
30 弾性部材
31 閉塞部
32 緩衝部
40 弾性部材
41 支持部としての突起部
42 プランジャ
42a 弁口側端面
42b 固定鉄芯側端面
43 弾性部材
44 溝
Claims (5)
- コイルばねで付勢されたプランジャで弁口を閉じるとともに、電磁コイルで発生させた磁力により、前記コイルばねの付勢力に抗して前記プランジャを前記弁口から離間させて固定鉄芯側に保持するように構成され、
前記プランジャの弁口側端面には、前記弁口を閉塞する閉塞部が設けられ、同じく固定鉄芯側端面には、前記固定鉄芯側との衝突を緩衝する緩衝部が設けられている電磁弁において、
前記コイルばねは、前記固定鉄芯側端面に開口を有する前記プランジャの収容部に配置され、
前記閉塞部と前記緩衝部とは、前記固定鉄芯側端面と弁口側端面との間を連絡する連通孔を通じて繋がる1つの弾性部材によって形成され、
前記緩衝部は、前記コイルばねの外周側に設けられていることを特徴とする電磁弁。 - 前記収容部は、前記連通孔の一部を形成し、
前記弾性部材は、前記収容部を通じて繋がることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。 - 前記収容部は、前記プランジャの移動方向と平行な中心軸線を有する円柱状に形成され、
前記弾性部材は、前記収容部の内周面全体を覆う状態で繋がるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電磁弁。 - 前記収容部は、前記プランジャの移動方向と平行な中心軸線を有する円柱状に形成され、
前記弾性部材は、前記収容部の内周面において少なくともその中心軸線方向に延びるように設けられた溝に沿って繋がるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の電磁弁。 - 前記収容部には、前記コイルばねを所定位置に保持するように支持する支持部が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電磁弁。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104141819A (zh) * | 2014-08-10 | 2014-11-12 | 安徽省宁国新鼎汽车零部件有限公司 | 一种快速响应电磁开关阀 |
CN104214403A (zh) * | 2014-08-10 | 2014-12-17 | 安徽省宁国新鼎汽车零部件有限公司 | 一种高速响应直动式电磁开关阀 |
-
2003
- 2003-02-26 JP JP2003049578A patent/JP2004257489A/ja active Pending
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