JP2004257464A - トルクコンバータ - Google Patents
トルクコンバータ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004257464A JP2004257464A JP2003048686A JP2003048686A JP2004257464A JP 2004257464 A JP2004257464 A JP 2004257464A JP 2003048686 A JP2003048686 A JP 2003048686A JP 2003048686 A JP2003048686 A JP 2003048686A JP 2004257464 A JP2004257464 A JP 2004257464A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rotation
- flywheel
- unit
- swing
- torque converter
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Transmission Devices (AREA)
Abstract
【課題】簡単な構造にすることにより、小型化を可能にし、イニシャルコストやランニングコストを低減できるようにするとともに、騒音も少ない静粛なトルクコンバータを提供できるようにする。
【解決手段】回転入力部と、回転入力部の回転を往復揺動に変換する往復揺動変換部と、フライホィールが回転することにより静止慣性力を維持している静止慣性部と、前記往復揺動変換部の往復揺動を静止慣性部に伝達する揺動伝達部と、揺動伝達部から伝えられた往復揺動に抗するフライホィールの静止慣性力により揺動する揺動部と、揺動部の揺動運動を出力軸の回転に変換する回転変換部とを備えて構成した。
【選択図】 図2
【解決手段】回転入力部と、回転入力部の回転を往復揺動に変換する往復揺動変換部と、フライホィールが回転することにより静止慣性力を維持している静止慣性部と、前記往復揺動変換部の往復揺動を静止慣性部に伝達する揺動伝達部と、揺動伝達部から伝えられた往復揺動に抗するフライホィールの静止慣性力により揺動する揺動部と、揺動部の揺動運動を出力軸の回転に変換する回転変換部とを備えて構成した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトルクコンバータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トルクコンバータとしては一般に流体継ぎ手が知られている。この種のトルクコンバータは回転駆動軸の羽根車で掻きあがられたオイルを従動軸の羽根車で受けることにより回転が伝えられる、即ちオイル等の液体をトルクの伝達手段とするものである。(例えば(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のオイル等の液体をトルクの伝達手段とするトルクコンバータでは、先ず液体を循環させるので、その液体が周囲に飛散しないように周囲をケース等で密閉しなくてはならず、装置が大型化、重量化してしまい、イニシャルコストが高くなるとともに、液体も定期的に交換する必要がありランニングコストも高価になってしまうという問題もあった。
【0005】
また、出力軸に掛かる負荷が大きく、入力軸が回転している状態で出力軸が停止しているような場合が長く続いたり、斯かる状況が頻繁に生じるような環境下の使用では、従動軸の羽根車に打ちつけられるオイル等の液体の温度が上昇する。従って、液体の冷却装置も必要になり、装置が更に大型化、重量化してしまうだけでなく、イニシャルコストも高くなることから小型のものに実施することが難しいという問題もあった。
【0006】
更に、従来のトルクコンバータでは、回転駆動軸の羽根車で掻きあがられたオイルが従動軸の羽根車に打ちつけられる構造であることから、オイルが泡立つのを防止する手段を必要とする上、オイルが従動軸の羽根車に打ちつけられるときに発生する騒音の防止構造も必要とする問題もある。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑み提案されたもので、簡単な構造にすることにより、小型化を可能にし、イニシャルコストやランニングコストを低減できるようにするとともに、騒音も少ない静粛なトルクコンバータを提供できるようにすることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にかかるトルクコンバータは、回転入力部と、回転入力部の回転を往復揺動に変換する往復揺動変換部と、フライホィールが回転することにより静止慣性力を維持している静止慣性部と、前記往復揺動変換部の往復揺動を静止慣性部に伝達する揺動伝達部と、揺動伝達部から伝えられた往復揺動に抗するフライホィールの静止慣性力により揺動する揺動部と、揺動部の揺動運動を出力軸の回転に変換する回転変換部とを備えて構成したことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明にかかるトルクコンバータでは、往復揺動変換部で変換された往復揺動に連動する支持アームを設け、この支持アームに回転可能に枢支したフライホィールブラケットの一端に回転するフライホィールを支持させるとともに、このフライホィールブラケットの他端を揺動部に連結して静止慣性部を形成したことも特徴とするものである。
【0010】
更に、本発明にかかるトルクコンバータでは、回転変換部が、支持アームを支持する支柱にブラケットを取付けるとともに、出力軸にワンウエイクラッチを設け、ブラケットとワンウエイクラッチとを連動可能に連結して構成したことも特徴の1つである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトルクコンバータにかかる実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明にかかるトルクコンバータの斜視図であり図2はその伝動系統を示す分解斜視図であって、図中符号1はトルクコンバータを全体的に示す。
このトルクコンバータ1は、フレーム2に、回転入力部3と、回転入力部3の回転を往復揺動に変換する往復揺動変換部4と、フライホィール5が回転することにより静止慣性力を維持している静止慣性部6と、往復揺動変換部4の往復揺動を前記静止慣性部6に伝達する往復揺動伝達部7と、この往復揺動伝達部7から伝えられた往復揺動に抗するフライホィール5の静止慣性力により揺動する揺動部8と、この揺動部8の揺動を出力軸9の回転に変換する回転変換部10とを設けて構成してある。
【0012】
上記回転入力部3は、フレーム2の天板11に入力軸12を回転自在に枢支し、入力軸12の上端に手回しハンドル式の入力具13が取付けられ、下端部には後述する往復揺動変換部4の小径の歯車14に噛み合う大径の歯車15が取付けてある。
往復揺動変換部4はフレーム2の天板11部分に枢支された軸部16の上端に回転用円盤17を固定し、当該軸部16の下端には上記回転入力部3の大径の歯車15に噛み合う小径の歯車14を取付ける。
一方、軸部16の近傍には揺動用プレート19が揺動可能に配設され、当該揺動プレート19と前記回転用円盤が17とはリンクプレート20で連結されて構成されている。
【0013】
静止慣性部6は、横部材部分23と縦部材部分24とで略L字型に形成された支持アーム25と、この支持アーム25の縦部材部分24を貫通し、回動可能に枢支されたフライホィールブラケット26と、フライホィールブラケット26に回転可能に支持されたフライホィール5とからの中心なる。このフライホィール5はモータ27により高速で回転されるようになっている。
支持アーム25は横部材部分23の中央下面を、揺動プレート19と同行揺動する駆動用かさ歯車21を貫通させた支柱32に支持されており、上記フライホィール5の中心は支持アーム25を支持する支柱32の軸心上に位置させてある。上記往復揺動伝達部7は、前記往復揺動変換部4の揺動プレート19と同行揺動する駆動用かさ歯車21と、この駆動用かさ歯車21に噛み合う従動用かさ歯車22とからなる。
【0014】
この従動用かさ歯車22は、静止慣性部6の支持アーム25の横部材部分23を貫通した状態でに回転可能に支持された回動軸28の一端部に取付けられている。
揺動部8は、上記回動軸28の他端側に取付けられた小径の平歯車30とこれに噛み合う大径の平歯車31とで形成されている。
この大径の平歯車31は静止慣性部6のフライホィールブラケット26の端部に取付けられている。
揺動部8の揺動を出力軸9の回転に変換する上記回転変換部10は、支持アーム25を支持する支柱32に平面視において支柱32の軸心周りに略90度位相を異ならせて二つのブラケット33・34を取付けるとともに、この支柱32と平行に配設された出力軸9の前記ブラケット33・34に対応する部分にワンウエイクラッチ35・36を設け、ブラケット33・34とワンウエイクラッチ35・36とをそれぞれロッド37・38で連結して構成してある。
尚、ワンウエイクラッチ35・36は1つにすることができるのは言うまでもないし、その機構ならびに構造は限定されない。
【0015】
上記のように構成された本発明にかかるトルクコンバータ1の作用を次に説明する。
先ず、回転入力部3の手回しハンドル式の入力部13を回転させると、この回転は入力軸12を介して大径の歯車15が回転され、これに噛み合う小径の歯車14が歯車15/歯車14の比により増速されて回転される。
この小径歯車14の回転は往復揺動変換部4の回転用円盤17を回転させ、リンクプレート20で連結された揺動プレート19を往復揺動させる。
揺動プレート19が往復揺動されると、これと同行揺動する駆動用かさ歯車21が回動し、これに噛み合う従動用かさ歯車22が駆動される。
【0016】
従動用かさ歯車21の回動は、静止慣性部6の支持アーム25に回転可能に支持された回動軸28を介して揺動部8の小径の平歯車30に伝えられ、この小径の平歯車30を回動させる。
このとき、この小径の平歯車30に噛み合っている大径の平歯車31はフライホィールブラケット26の端部に取付けられて高速で回転しているフライホィール5の静止慣性力により、フライホィール5がフライホィールブラケット26の軸心周りX(図2参照)に回転するのを抑制されているので、小径の平歯車30の回動力は支持アーム25を支柱32の軸心周りY(図2参照)に揺動させることになる。
斯くして支持アーム25が揺動駆動されると、支持アーム25を支持する支柱32からブラケット33・34、ロッド37・38、ワンウエイクラッチ35・36を介して出力軸9を回転させるので、この回転を出力として取出すことができる。
【0017】
次に、出力軸9に大きな負荷が作用すると、上述したのとは逆の伝動により静止慣性部6の支持アーム25に伝えられる。
出力軸9に作用した大きな負荷は、ワンウエイクラッチ35・36、ロッド37・38、揺動プレート33・34及び支柱32を順に介して支持アーム25に伝えられ、回転入力部3の手回しハンドル式の入力具13の回転操作による揺動部8の小径の平歯車30の回動力と競合することになる。
そして、出力軸9に作用した大きな負荷の方が、小径の平歯車30の回動力による支持アーム25を回動させようとする力よりも大きい場合、即ち、静止慣性力が小さい時にはフライホィール5の静止慣性力が負けてフライホィール5がフライホィールブラケット26の軸心周りXに揺動し、出力軸9に作用する負荷が減少すると、フライホィールブラケット26の軸心周りXの回転が少なくなり、支持アーム25が支柱32の軸心周りYに揺動し始めるので、出力軸9は徐々に回転するようになる。
【0018】
因みに、図面に示す上記実施の形態ではフライホィール5をモータ27で回転させるようにしてあるが、このモータ27はフライホィール5の回転を維持させるだけの極めて小形で電力の少ないものですむ。
また、出力軸9の出力を大きくするためにはフライホィール5の静止慣性力を大きくすることが必要であり、回転速度を高めるか、フライホィール5の質量を大きくすることが望ましい。
【0019】
【発明の効果】
本発明にかかるトルクコンバータは以上に説明したように、回転入力部と、回転入力部の回転を往復揺動に変換する往復揺動変換部と、フライホィールが回転することにより静止慣性力を維持している静止慣性部と、前記往復揺動変換部の往復揺動を静止慣性部に伝達する揺動伝達部と、揺動伝達部から伝えられた往復揺動に抗するフライホィールの静止慣性力により揺動する揺動部と、揺動部の揺動運動を出力軸の回転に変換する回転変換部とを備えて構成し、フライホィールの静止慣性力を利用するようにしてあるので、先ず、構造がいたって簡単であることから、小型化が可能になる利点がある。
【0020】
次に、フライホィールの静止慣性力を利用するので、従来のオイル等の液体をトルクの伝達手段とするトルクコンバータのように、液体が周囲に飛散しないようにするために周囲をケース等で密閉しなくても済み、その分更に装置を小型化するとともに、軽量化を図り、イニシャルコストも低減することができる利点もある。
【0021】
更に、フライホィールの静止慣性力を利用するので、従来のオイル等の液体をトルクの伝達手段とするトルクコンバータのように、液体を定期的に交換する必要がなくその分、ランニングコストを低減することができる利点もある。
【0022】
また、フライホィールの静止慣性力を利用するので、出力軸に掛かる負荷が大きく、入力軸が回転している状態で出力軸が停止しているような場合が長く続いたり、斯かる状況が頻繁に生じたりするような環境下の使用でも、従来のオイル等の液体をトルクの伝達手段とするトルクコンバータのように、従動軸の羽根車に打ちつけられるオイル等の液体の温度が上昇することがない。
従って、液体の冷却装置も不要で、装置の更なる小型化、軽量化が図れ、イニシャルコストも少なく、小型のものにも充分に実施することができるという利点もある。
【0023】
加えて、フライホィールの静止慣性力を利用するので、従来のオイル等の液体をトルクの伝達手段とするトルクコンバータのように、回転駆動軸の羽根車で掻きあがられたオイルが従動軸の羽根車に打ちつけられた時に生じるオイルの泡立ちがなく、消泡手段必要とせず、構造が簡単であることとも相俟って、メンテナンスも用意であり、オイルが従動軸の羽根車に打ちつけられるときに発生する騒音もないので、その汎用性が格段に向上できる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明にかかるトルクコンバータの斜視図である。
【図2】は本発明にかかるトルクコンバータの伝動系統を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1・・・トルクコンバータ
3・・・回転入力部
4・・・往復揺動変換部
5・・・フライホィール
6・・・静止慣性部
7・・・揺動伝達部
8・・・揺動部
9・・・出力軸
10・・・回転変換部
25・・・支持アーム
32・・・支柱
33・34・・・ブラケット
35・36・・・ワンウエイクラッチ
【発明の属する技術分野】
本発明はトルクコンバータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トルクコンバータとしては一般に流体継ぎ手が知られている。この種のトルクコンバータは回転駆動軸の羽根車で掻きあがられたオイルを従動軸の羽根車で受けることにより回転が伝えられる、即ちオイル等の液体をトルクの伝達手段とするものである。(例えば(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のオイル等の液体をトルクの伝達手段とするトルクコンバータでは、先ず液体を循環させるので、その液体が周囲に飛散しないように周囲をケース等で密閉しなくてはならず、装置が大型化、重量化してしまい、イニシャルコストが高くなるとともに、液体も定期的に交換する必要がありランニングコストも高価になってしまうという問題もあった。
【0005】
また、出力軸に掛かる負荷が大きく、入力軸が回転している状態で出力軸が停止しているような場合が長く続いたり、斯かる状況が頻繁に生じるような環境下の使用では、従動軸の羽根車に打ちつけられるオイル等の液体の温度が上昇する。従って、液体の冷却装置も必要になり、装置が更に大型化、重量化してしまうだけでなく、イニシャルコストも高くなることから小型のものに実施することが難しいという問題もあった。
【0006】
更に、従来のトルクコンバータでは、回転駆動軸の羽根車で掻きあがられたオイルが従動軸の羽根車に打ちつけられる構造であることから、オイルが泡立つのを防止する手段を必要とする上、オイルが従動軸の羽根車に打ちつけられるときに発生する騒音の防止構造も必要とする問題もある。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑み提案されたもので、簡単な構造にすることにより、小型化を可能にし、イニシャルコストやランニングコストを低減できるようにするとともに、騒音も少ない静粛なトルクコンバータを提供できるようにすることを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にかかるトルクコンバータは、回転入力部と、回転入力部の回転を往復揺動に変換する往復揺動変換部と、フライホィールが回転することにより静止慣性力を維持している静止慣性部と、前記往復揺動変換部の往復揺動を静止慣性部に伝達する揺動伝達部と、揺動伝達部から伝えられた往復揺動に抗するフライホィールの静止慣性力により揺動する揺動部と、揺動部の揺動運動を出力軸の回転に変換する回転変換部とを備えて構成したことを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明にかかるトルクコンバータでは、往復揺動変換部で変換された往復揺動に連動する支持アームを設け、この支持アームに回転可能に枢支したフライホィールブラケットの一端に回転するフライホィールを支持させるとともに、このフライホィールブラケットの他端を揺動部に連結して静止慣性部を形成したことも特徴とするものである。
【0010】
更に、本発明にかかるトルクコンバータでは、回転変換部が、支持アームを支持する支柱にブラケットを取付けるとともに、出力軸にワンウエイクラッチを設け、ブラケットとワンウエイクラッチとを連動可能に連結して構成したことも特徴の1つである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のトルクコンバータにかかる実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明にかかるトルクコンバータの斜視図であり図2はその伝動系統を示す分解斜視図であって、図中符号1はトルクコンバータを全体的に示す。
このトルクコンバータ1は、フレーム2に、回転入力部3と、回転入力部3の回転を往復揺動に変換する往復揺動変換部4と、フライホィール5が回転することにより静止慣性力を維持している静止慣性部6と、往復揺動変換部4の往復揺動を前記静止慣性部6に伝達する往復揺動伝達部7と、この往復揺動伝達部7から伝えられた往復揺動に抗するフライホィール5の静止慣性力により揺動する揺動部8と、この揺動部8の揺動を出力軸9の回転に変換する回転変換部10とを設けて構成してある。
【0012】
上記回転入力部3は、フレーム2の天板11に入力軸12を回転自在に枢支し、入力軸12の上端に手回しハンドル式の入力具13が取付けられ、下端部には後述する往復揺動変換部4の小径の歯車14に噛み合う大径の歯車15が取付けてある。
往復揺動変換部4はフレーム2の天板11部分に枢支された軸部16の上端に回転用円盤17を固定し、当該軸部16の下端には上記回転入力部3の大径の歯車15に噛み合う小径の歯車14を取付ける。
一方、軸部16の近傍には揺動用プレート19が揺動可能に配設され、当該揺動プレート19と前記回転用円盤が17とはリンクプレート20で連結されて構成されている。
【0013】
静止慣性部6は、横部材部分23と縦部材部分24とで略L字型に形成された支持アーム25と、この支持アーム25の縦部材部分24を貫通し、回動可能に枢支されたフライホィールブラケット26と、フライホィールブラケット26に回転可能に支持されたフライホィール5とからの中心なる。このフライホィール5はモータ27により高速で回転されるようになっている。
支持アーム25は横部材部分23の中央下面を、揺動プレート19と同行揺動する駆動用かさ歯車21を貫通させた支柱32に支持されており、上記フライホィール5の中心は支持アーム25を支持する支柱32の軸心上に位置させてある。上記往復揺動伝達部7は、前記往復揺動変換部4の揺動プレート19と同行揺動する駆動用かさ歯車21と、この駆動用かさ歯車21に噛み合う従動用かさ歯車22とからなる。
【0014】
この従動用かさ歯車22は、静止慣性部6の支持アーム25の横部材部分23を貫通した状態でに回転可能に支持された回動軸28の一端部に取付けられている。
揺動部8は、上記回動軸28の他端側に取付けられた小径の平歯車30とこれに噛み合う大径の平歯車31とで形成されている。
この大径の平歯車31は静止慣性部6のフライホィールブラケット26の端部に取付けられている。
揺動部8の揺動を出力軸9の回転に変換する上記回転変換部10は、支持アーム25を支持する支柱32に平面視において支柱32の軸心周りに略90度位相を異ならせて二つのブラケット33・34を取付けるとともに、この支柱32と平行に配設された出力軸9の前記ブラケット33・34に対応する部分にワンウエイクラッチ35・36を設け、ブラケット33・34とワンウエイクラッチ35・36とをそれぞれロッド37・38で連結して構成してある。
尚、ワンウエイクラッチ35・36は1つにすることができるのは言うまでもないし、その機構ならびに構造は限定されない。
【0015】
上記のように構成された本発明にかかるトルクコンバータ1の作用を次に説明する。
先ず、回転入力部3の手回しハンドル式の入力部13を回転させると、この回転は入力軸12を介して大径の歯車15が回転され、これに噛み合う小径の歯車14が歯車15/歯車14の比により増速されて回転される。
この小径歯車14の回転は往復揺動変換部4の回転用円盤17を回転させ、リンクプレート20で連結された揺動プレート19を往復揺動させる。
揺動プレート19が往復揺動されると、これと同行揺動する駆動用かさ歯車21が回動し、これに噛み合う従動用かさ歯車22が駆動される。
【0016】
従動用かさ歯車21の回動は、静止慣性部6の支持アーム25に回転可能に支持された回動軸28を介して揺動部8の小径の平歯車30に伝えられ、この小径の平歯車30を回動させる。
このとき、この小径の平歯車30に噛み合っている大径の平歯車31はフライホィールブラケット26の端部に取付けられて高速で回転しているフライホィール5の静止慣性力により、フライホィール5がフライホィールブラケット26の軸心周りX(図2参照)に回転するのを抑制されているので、小径の平歯車30の回動力は支持アーム25を支柱32の軸心周りY(図2参照)に揺動させることになる。
斯くして支持アーム25が揺動駆動されると、支持アーム25を支持する支柱32からブラケット33・34、ロッド37・38、ワンウエイクラッチ35・36を介して出力軸9を回転させるので、この回転を出力として取出すことができる。
【0017】
次に、出力軸9に大きな負荷が作用すると、上述したのとは逆の伝動により静止慣性部6の支持アーム25に伝えられる。
出力軸9に作用した大きな負荷は、ワンウエイクラッチ35・36、ロッド37・38、揺動プレート33・34及び支柱32を順に介して支持アーム25に伝えられ、回転入力部3の手回しハンドル式の入力具13の回転操作による揺動部8の小径の平歯車30の回動力と競合することになる。
そして、出力軸9に作用した大きな負荷の方が、小径の平歯車30の回動力による支持アーム25を回動させようとする力よりも大きい場合、即ち、静止慣性力が小さい時にはフライホィール5の静止慣性力が負けてフライホィール5がフライホィールブラケット26の軸心周りXに揺動し、出力軸9に作用する負荷が減少すると、フライホィールブラケット26の軸心周りXの回転が少なくなり、支持アーム25が支柱32の軸心周りYに揺動し始めるので、出力軸9は徐々に回転するようになる。
【0018】
因みに、図面に示す上記実施の形態ではフライホィール5をモータ27で回転させるようにしてあるが、このモータ27はフライホィール5の回転を維持させるだけの極めて小形で電力の少ないものですむ。
また、出力軸9の出力を大きくするためにはフライホィール5の静止慣性力を大きくすることが必要であり、回転速度を高めるか、フライホィール5の質量を大きくすることが望ましい。
【0019】
【発明の効果】
本発明にかかるトルクコンバータは以上に説明したように、回転入力部と、回転入力部の回転を往復揺動に変換する往復揺動変換部と、フライホィールが回転することにより静止慣性力を維持している静止慣性部と、前記往復揺動変換部の往復揺動を静止慣性部に伝達する揺動伝達部と、揺動伝達部から伝えられた往復揺動に抗するフライホィールの静止慣性力により揺動する揺動部と、揺動部の揺動運動を出力軸の回転に変換する回転変換部とを備えて構成し、フライホィールの静止慣性力を利用するようにしてあるので、先ず、構造がいたって簡単であることから、小型化が可能になる利点がある。
【0020】
次に、フライホィールの静止慣性力を利用するので、従来のオイル等の液体をトルクの伝達手段とするトルクコンバータのように、液体が周囲に飛散しないようにするために周囲をケース等で密閉しなくても済み、その分更に装置を小型化するとともに、軽量化を図り、イニシャルコストも低減することができる利点もある。
【0021】
更に、フライホィールの静止慣性力を利用するので、従来のオイル等の液体をトルクの伝達手段とするトルクコンバータのように、液体を定期的に交換する必要がなくその分、ランニングコストを低減することができる利点もある。
【0022】
また、フライホィールの静止慣性力を利用するので、出力軸に掛かる負荷が大きく、入力軸が回転している状態で出力軸が停止しているような場合が長く続いたり、斯かる状況が頻繁に生じたりするような環境下の使用でも、従来のオイル等の液体をトルクの伝達手段とするトルクコンバータのように、従動軸の羽根車に打ちつけられるオイル等の液体の温度が上昇することがない。
従って、液体の冷却装置も不要で、装置の更なる小型化、軽量化が図れ、イニシャルコストも少なく、小型のものにも充分に実施することができるという利点もある。
【0023】
加えて、フライホィールの静止慣性力を利用するので、従来のオイル等の液体をトルクの伝達手段とするトルクコンバータのように、回転駆動軸の羽根車で掻きあがられたオイルが従動軸の羽根車に打ちつけられた時に生じるオイルの泡立ちがなく、消泡手段必要とせず、構造が簡単であることとも相俟って、メンテナンスも用意であり、オイルが従動軸の羽根車に打ちつけられるときに発生する騒音もないので、その汎用性が格段に向上できる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明にかかるトルクコンバータの斜視図である。
【図2】は本発明にかかるトルクコンバータの伝動系統を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1・・・トルクコンバータ
3・・・回転入力部
4・・・往復揺動変換部
5・・・フライホィール
6・・・静止慣性部
7・・・揺動伝達部
8・・・揺動部
9・・・出力軸
10・・・回転変換部
25・・・支持アーム
32・・・支柱
33・34・・・ブラケット
35・36・・・ワンウエイクラッチ
Claims (3)
- 回転入力部と、回転入力部の回転を往復揺動に変換する往復揺動変換部と、フライホィールが回転することにより静止慣性力を維持している静止慣性部と、前記往復揺動変換部の往復揺動を静止慣性部に伝達する揺動伝達部と、揺動伝達部から伝えられた往復揺動に抗するフライホィールの静止慣性力により揺動する揺動部と、揺動部の揺動運動を出力軸の回転に変換する回転変換部とを備えてなるトルクコンバータ。
- 往復揺動変換部で変換された往復揺動に連動する支持アームを設け、この支持アームに回転可能に枢支したフライホィールブラケットの一端に回転するフライホィールを支持させるとともに、このフライホィールブラケットの他端を揺動部に連結して静止慣性部を形成したことを特徴とする請求項1に記載のトルクコンバータ。
- 回転変換部が、支持アームを支持する支柱にブラケットを取付けるとともに、出力軸にワンウエイクラッチを設け、ブラケットとワンウエイクラッチとを連動可能に連結して構成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトルクコンバータ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003048686A JP2004257464A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | トルクコンバータ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003048686A JP2004257464A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | トルクコンバータ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004257464A true JP2004257464A (ja) | 2004-09-16 |
Family
ID=33114582
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003048686A Pending JP2004257464A (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | トルクコンバータ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004257464A (ja) |
-
2003
- 2003-02-26 JP JP2003048686A patent/JP2004257464A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2631233B2 (ja) | 往復回転運動を1方向回転運動に変換して取り出す装置 | |
JP2004257464A (ja) | トルクコンバータ | |
US4161889A (en) | Gyroscopic power transmission system | |
KR20010101776A (ko) | 연속 가변 트랜스미션 | |
JPH11226375A (ja) | 混合脱泡装置における揺動機構 | |
CN111662775A (zh) | 一种芝麻油的震荡搅拌装置 | |
JP4658204B2 (ja) | 動力伝動装置 | |
JP2601261Y2 (ja) | 混合脱泡装置 | |
JP2006251133A5 (ja) | ||
JPH0611438Y2 (ja) | 波の不規則往復動を連続回転運動に変換するための装置 | |
CN201324609Y (zh) | 双导杆正反摆动旋转搅拌机 | |
KR100486942B1 (ko) | 교반 및 탈포 장치 | |
CN209757734U (zh) | 一种驱动组件及配方机 | |
JP3221493U (ja) | 歯科材料用混合装置 | |
KR100509203B1 (ko) | 교반 및 탈포 장치 | |
CN218786515U (zh) | 一种灌装用摇瓶装置 | |
JP2849806B2 (ja) | 脱泡、混合機 | |
JP3206931U (ja) | ファンヘッドが内方に回転して俯仰運動するファン | |
JP3768363B2 (ja) | 撹拌機 | |
CN216935778U (zh) | 一种利用物料阻尼转动的搅拌装置 | |
JP2005002960A (ja) | 発電装置 | |
CN219615419U (zh) | 涡旋混合装置 | |
CN218236020U (zh) | 一种防止晃动的磁铁转动机构及胶囊式内窥镜控制器 | |
KR200263371Y1 (ko) | 상·하 왕복운동하는 자전거의 페달 | |
JP5933430B2 (ja) | モータ装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20051202 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20081201 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090120 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090526 |