JP2004257280A - 内燃機関の可変動弁装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】直列4気筒内燃機関の各気筒の吸気弁に可変動弁機構が設けられており、偏心カム部を備えた共通の制御軸の角度をアクチュエータにより変更することにより、各気筒のバルブリフト特性が一斉に変化する。低速でかつ低リフト・作動角のときは、バルブリフト特性の変形による吸入空気量の変化が大であるので、燃料噴射開始t1から吸気弁閉時期までの制限期間では、アクチュエータを非駆動とし、制御軸の角度を一定に保持する。制限期間外において制御軸が駆動される。これにより、燃料噴射後の吸入空気量の変化が抑制される。
【選択図】 図6
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、内燃機関の吸気弁のバルブリフト特性を可変制御する可変動弁装置、特に、一つのアクチュエータでもって複数気筒のバルブリフト特性を一斉に変化させる形式の可変動弁装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1は、本出願人が先に提案したものであって、吸気弁のバルブリフト特性を連続的に可変制御する可変動弁装置を用いて、内燃機関の吸気量ひいてはその出力を制御するようにした構成が開示されている。そして、上記可変動弁装置は、各気筒の吸気弁に可変動弁機構が設けられるとともに、偏心カム部を備えた1本の制御軸が複数気筒の可変動弁機構に連係し、アクチュエータの動作により上記制御軸の角度位置を変更すると、複数気筒の吸気弁のバルブリフト特性が一斉に変化する構成となっている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−256905号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような構成においては、例えば運転条件が変化したときに目標とするバルブリフト特性が変化するので、その目標のバルブリフト特性となるように制御軸がアクチュエータの駆動により回転することになるが、いずれかの気筒の吸気弁がリフトしている間に、上記アクチュエータが駆動されたとすると、リフトの途中でバルブリフト特性が変化しようとすることから、バルブリフト特性が変形し、シリンダ内に流入する空気量が所期の値からずれてしまうことがある。特に、燃料噴射量としてあるタイミングで適正量を噴射した後に、バルブリフト特性が変形して実際の吸入空気量に過不足を生じると、空燃比が変化することになり、好ましくない。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、各気筒の吸気弁に可変動弁機構を備えるとともに、一つのアクチュエータが複数気筒の可変動弁機構に連係し、該アクチュエータの動作により複数気筒の吸気弁のバルブリフト特性が変化する内燃機関の可変動弁装置を対象としている。
【0006】
そして、特に、本発明では、例えば、クランク角に基づいてアクチュエータ駆動速度を制限するなどにより、吸気弁のリフト中におけるアクチュエータ駆動速度を、リフトしていない期間のアクチュエータ駆動速度よりも減少させたことを特徴としている。つまり、運転条件の変化等に伴い、ある制御状態から異なる制御状態へとアクチュエータが駆動される場合に、吸気弁がリフトしている間は、アクチュエータは停止もしくは低い速度で動く。これにより、リフトの初期と終期とでバルブリフト特性が大きく異なることがなく、バルブリフト特性の変形が抑制される。
【0007】
【発明の効果】
この発明によれば、実際のバルブリフト中のアクチュエータの駆動によるバルブリフト特性の変形が抑制され、シリンダ内に吸入される空気量を、所期の値により精度よく制御することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明を、例えば直列4気筒内燃機関の可変動弁装置に適用した実施の形態について説明する。
【0009】
図1は、内燃機関の吸気弁側に設けられた可変動弁装置の構成を示す構成説明図であり、この可変動弁装置は、吸気弁のリフト・作動角を変化させるリフト・作動角可変機構1と、そのリフトの中心角の位相(図示せぬクランクシャフトに対する位相)を進角もしくは遅角させる位相可変機構21と、が組み合わされて構成されている。
【0010】
まず、リフト・作動角可変機構1を説明する。なお、このリフト・作動角可変機構1は、本出願人が先に提案したものであるが、例えば前述の特開2002−256905号公報等によって既に公知となっているので、その概要のみを説明する。
【0011】
リフト・作動角可変機構1は、シリンダヘッド(図示せず)に摺動自在に設けられた吸気弁11と、シリンダヘッド上部のカムブラケット(図示せず)に回転自在に支持された駆動軸2と、この駆動軸2に、圧入等により固定された偏心カム3と、上記駆動軸2の上方位置に同じカムブラケットによって回転自在に支持されるとともに駆動軸2と平行に配置された制御軸12と、この制御軸12の偏心カム部18に揺動自在に支持されたロッカアーム6と、各吸気弁11の上端部に配置されたタペット10に当接する揺動カム9と、を備えている。上記偏心カム3とロッカアーム6とはリンクアーム4によって連係されており、ロッカアーム6と揺動カム9とは、リンク部材8によって連係されている。
【0012】
上記駆動軸2は、後述するように、タイミングチェーンないしはタイミングベルトを介して機関のクランクシャフトによって駆動されるものである。
【0013】
上記偏心カム3は、円形外周面を有し、該外周面の中心が駆動軸2の軸心から所定量だけオフセットしているとともに、この外周面に、リンクアーム4の環状部が回転可能に嵌合している。
【0014】
上記ロッカアーム6は、略中央部が上記偏心カム部18によって揺動可能に支持されており、その一端部に、連結ピン5を介して上記リンクアーム4のアーム部が連係しているとともに、他端部に、連結ピン7を介して上記リンク部材8の上端部が連係している。上記偏心カム部18は、制御軸12の軸心から偏心しており、従って、制御軸12の角度位置に応じてロッカアーム6の揺動中心は変化する。
【0015】
上記揺動カム9は、駆動軸2の外周に嵌合して回転自在に支持されており、側方へ延びた端部に、連結ピン17を介して上記リンク部材8の下端部が連係している。この揺動カム9の下面には、駆動軸2と同心状の円弧をなす基円面と、該基円面から所定の曲線を描いて延びるカム面と、が連続して形成されており、これらの基円面ならびにカム面が、揺動カム9の揺動位置に応じてタペット10の上面に当接するようになっている。
【0016】
すなわち、上記基円面はベースサークル区間として、リフト量が0となる区間であり、揺動カム9が揺動してカム面がタペット10に接触すると、徐々にリフトしていくことになる。なお、ベースサークル区間とリフト区間との間には若干のランプ区間が設けられている。
【0017】
上記制御軸12は、図1に示すように、一端部に設けられたリフト・作動角制御用アクチュエータ13によって所定角度範囲内で回転するように構成されている。このリフト・作動角制御用アクチュエータ13は、例えばウォームギア15を介して制御軸12を駆動するサーボモータ等からなり、エンジンコントロールユニット19からの制御信号によって制御されている。なお、制御軸12の回転角度は、制御軸センサ14によって検出される。
【0018】
このリフト・作動角可変機構1の作用を説明すると、駆動軸2が回転すると、偏心カム3のカム作用によってリンクアーム4が上下動し、これに伴ってロッカアーム6が揺動する。このロッカアーム6の揺動は、リンク部材8を介して揺動カム9へ伝達され、該揺動カム9が揺動する。この揺動カム9のカム作用によって、タペット10が押圧され、吸気弁11がリフトする。
【0019】
ここで、リフト・作動角制御用アクチュエータ13を介して制御軸12の角度が変化すると、ロッカアーム6の初期位置が変化し、ひいては揺動カム9の初期揺動位置が変化する。
【0020】
例えば偏心カム部18が図の上方へ位置しているとすると、ロッカアーム6は全体として上方へ位置し、揺動カム9の連結ピン17側の端部が相対的に上方へ引き上げられた状態となる。つまり、揺動カム9の初期位置は、そのカム面がタペット10から離れる方向に傾く。従って、駆動軸2の回転に伴って揺動カム9が揺動した際に、基円面が長くタペット10に接触し続け、カム面がタペット10に接触する期間は短い。従って、リフト量が全体として小さくなり、かつその開時期から閉時期までの角度範囲つまり作動角も縮小する。
【0021】
逆に、偏心カム部18が図の下方へ位置しているとすると、ロッカアーム6は全体として下方へ位置し、揺動カム9の連結ピン17側の端部が相対的に下方へ押し下げられた状態となる。つまり、揺動カム9の初期位置は、そのカム面がタペット10に近付く方向に傾く。従って、駆動軸2の回転に伴って揺動カム9が揺動した際に、タペット10と接触する部位が基円面からカム面へと直ちに移行する。従って、リフト量が全体として大きくなり、かつその作動角も拡大する。
【0022】
上記の偏心カム部18の初期位置は連続的に変化させ得るので、これに伴って、バルブリフト特性は、連続的に変化する。つまり、リフトならびに作動角を、両者同時に、連続的に拡大,縮小させることができる。各部のレイアウトによるが、例えば、リフト・作動角の大小変化に伴い、吸気弁11の開時期と閉時期とがほぼ対称に変化する。
【0023】
次に、位相可変機構21は、図1に示すように、上記駆動軸2の前端部に設けられたスプロケット22と、このスプロケット22と上記駆動軸2とを、所定の角度範囲内において相対的に回転させる位相制御用アクチュエータ23と、から構成されている。上記スプロケット22は、図示せぬタイミングチェーンもしくはタイミングベルトを介して、クランクシャフトに連動している。上記位相制御用アクチュエータ23は、例えば油圧式、電磁式などの回転型アクチュエータからなり、エンジンコントロールユニット19からの制御信号によって制御されている。この位相制御用アクチュエータ23の作用によって、スプロケット22と駆動軸2とが相対的に回転し、バルブリフトにおけるリフト中心角が遅進する。つまり、リフト特性の曲線自体は変わらずに、全体が進角もしくは遅角する。また、この変化も、連続的に得ることができる。この位相可変機構21の制御状態は、駆動軸2の回転位置に応答する駆動軸センサ16によって検出される。
【0024】
なお、リフト・作動角可変機構1ならびに位相可変機構21の制御としては、各センサ14,16の検出に基づくクローズドループ制御に限らず、運転条件に応じて単にオープンループ制御するようにしても良い。
【0025】
上記の駆動軸2および制御軸12は、直列に配置された4つの気筒に亘って連続した共通のものであり、これに対し、偏心カム3、偏心カム部18、ロッカアーム6、揺動カム9、リンクアーム4、リンク部材8、等からなる可変動弁機構は、各気筒毎に設けられている。図1では、上記の可変動弁機構を1気筒分のみ代表的に示している。
【0026】
このような可変動弁装置を吸気弁側に備えた本発明の内燃機関は、スロットル弁に依存せず、吸気弁11の可変制御によって吸気量ひいては機関の出力が制御される。なお、実用機関では、ブローバイガスの還流等のために吸気系に若干の負圧が存在していることが好ましいので、吸気通路の上流側に、スロットル弁に代えて、後述する負圧制御弁32のような負圧生成用の適宜な絞り機構を設けることが望ましい。
【0027】
次に、図2は、代表的な運転条件における吸気弁のバルブリフト特性を示したもので、図示するように、アイドル等の極低負荷域においては、主にリフト量に着目して吸入空気量の制御を行うことから、リフト量が極小リフトとなる。これは特に、リフト中心角の位相が吸気量に影響しない程度にまで小さなリフト量となる。そして、位相可変機構21によるリフト中心角の位相は、最も遅角した位置となり、これによって、閉時期は、下死点直前位置となる。
【0028】
このように極小リフトとすることによって、吸気流が吸気弁11の間隙においてチョークした状態となり、極低負荷域で必要な微小流量が安定的に得られる。そして、閉時期が下死点近傍となることから、有効圧縮比は十分に高くなり、極小リフトによるガス流動の向上と相俟って、比較的良好な燃焼を確保できる。
【0029】
一方、アイドル等の極低負荷域よりも負荷の大きな低負荷領域(補機負荷が加わっているアイドル状態を含む)においては、リフト・作動角が大きくなり、かつリフト中心角は進角した位置となる。このときには、バルブタイミングをも考慮して吸気量制御が行われることになり、吸気弁閉時期を早めることで、吸気量が比較的少量に制御される。この結果、リフト・作動角はある程度大きなものとなり、吸気弁11によるポンピングロスが低減する。
【0030】
さらに負荷が増加し、燃焼が安定してくる中負荷域では、図2に示すように、リフト・作動角をさらに拡大しつつ、リフト中心角の位相を進角させる。リフト中心角の位相は、中負荷域のある点で、最も進角した状態となる。これにより、内部EGRが利用され、一層のポンピングロス低減が図れる。
【0031】
また、最大負荷時には、さらにリフト・作動角を拡大し、かつ最適なバルブタイミングとなるように位相可変機構21を制御する。なお、図示するように、機関回転数によっても最適なバルブリフト特性は異なるものとなる。
【0032】
上記のようにアイドル等の極低負荷域では、バルブリフト制御域として主にリフト量による微小流量の制御が行われるのであるが、バルブタイミング制御域となる低負荷域との境界つまり制御の切換点は、実際の燃焼安定状態に応じて補正することが好ましい。あるいは、制御の簡略化のために、機関温度を検出し、これに応じて補正することも可能である。このように補正することで、燃焼の悪化を来さない範囲でバルブタイミング制御域を拡大することができ、ポンピングロス低減の上で有利となる。
【0033】
図3は、内燃機関全体のシステム構成を示しており、図示するように、吸気コレクタ31の入口部に、スロットル弁と同様のバタフライバルブからなる負圧制御弁32が設けられている。この負圧制御弁32は、前述したように、実用機関としてブローバイガスの還流などに必要な適宜な負圧を生成するための絞り機構であり、機関出力を制御するためのものではない。この負圧制御弁32は、例えばDCモータ等からなるアクチュエータ33によって開度制御される。上記吸気コレクタ31には、吸気状態を検知するために、圧力センサ34および吸気温度センサ35が配置されている。また、36は、クランクシャフトの回転位置(クランク角)を検出するクランク角センサ、37は、排気空燃比に応答する空燃比センサ(広域型空燃比センサもしくは酸素センサ)である。これらのセンサ類の検出信号は、エンジンコントロールユニット19に入力されている。また、このほか、要求負荷を示す信号として、例えば運転者に操作されるアクセルペダル(図示せず)の踏込量を示す信号等が入力されている。
【0034】
上記のような構成においては、リフト・作動角制御用アクチュエータ13によって制御軸12が回転方向に駆動されると、各気筒の吸気弁11のバルブリフト特性が一斉に変化する。つまり、リフト・作動角が増減変化する。ここで、図4に示すように、ある気筒の吸気弁11がリフト中である間に、アクチュエータ13が動作して制御軸12の角度が変化していくと、バルブリフト特性が変形する。図4の例は、リフト中に、制御軸12がリフト・作動角の拡大方向に回転していったときの様子を示しており、初期の制御軸12の位置では破線のようになるべきバルブリフト特性が、実線で示すように変形してしまう。そして、このバルブリフト特性の変形による影響は、リフト期間の実時間が相対的に長くなる低回転時、および、同一のリフト・作動角変化であっても空気量変化割合が大となる低リフト・作動角時に、特に大きなものとなる。そこで、この実施例では、低回転でかつ低リフト・作動角に制御される図5に示す低速低負荷領域において、リフト期間中のリフト・作動角制御用アクチュエータ13の駆動速度を制限する。
【0035】
図6は、クランク角に基づいてリフト・作動角制御用アクチュエータ13の駆動速度を制限するようにした一実施例を示す特性図であって、斜線を施して示す期間(クランク角範囲)が、吸気弁リフト中を含む制限期間となる。図示例は、♯1−♯3−♯4−♯2の点火順のものであり、低リフト・作動角に制御されている状態であるから、図示するように、各気筒の吸気弁リフト期間は、互いに重複していない。また、吸気弁リフトの直前のt1〜t2の期間がそれぞれの気筒の燃料噴射期間を示しており、上記制限期間は、燃料噴射開始t1から吸気弁閉時期までの期間として設定されている。なお、図5に示した駆動速度制限を行う所定の運転条件のときに、燃料噴射時期を通常時よりも遅角させて、吸気弁閉時期に近付けるようにしてもよい。
【0036】
そして、この図6の実施例では、上記の制限期間においては、リフト・作動角制御用アクチュエータ13を非駆動とし、制御軸12の角度を一定位置に保持するようにしている。つまり、運転条件の変化等により目標のリフト・作動角が例えば拡大したときに、制御軸12の角度は、図示するように、制限期間外でのみ一定速度で変化し、制限期間内では、変化しない。そのため、各気筒の吸気弁11のバルブリフト特性は変形せず、点火順に従って、徐々に拡大していく。なお、この実施例では、リフト・作動角制御用アクチュエータ13の駆動開始は、制限期間外の時期となる。従って、燃料噴射後の吸入空気量の変化は生じない。
【0037】
図7は、第2の実施例を示す特性であって、やはり燃料噴射開始から吸気弁閉時期までが制限期間となっている。そして、この実施例では、制限期間内のリフト・作動角制御用アクチュエータ13の駆動速度が、制限期間外の駆動速度よりも小さな一定速度に制限されている。つまり、運転条件の変化等により目標のリフト・作動角が例えば拡大したときに、アクチュエータ13は連続的に動作するが、その速度が増減変化することになる。そのため、吸気弁11のバルブリフト特性の変形は小さく、燃料噴射開始後に生じる吸入空気量の誤差は相対的に小さなものとなる。なお、リフト・作動角制御用アクチュエータ13の駆動トルクを変更することで、上記のような駆動速度の変化を得ることが可能である。
【0038】
次に図8は、第3の実施例を示す特性図であって、この実施例では、制限期間におけるリフト・作動角制御用アクチュエータ13の駆動速度が、一定速度となっており、かつそれぞれ吸気弁11のリフトが小さいほど低い駆動速度に制限されている。また、この実施例では、燃料噴射開始t1が吸気上死点より前となっており、リフト期間と比較的離れているので、バルブリフト特性の変形を予測して燃料噴射量を補正することが望ましい。
【0039】
図9は、上記のような駆動速度の制限を行うようにしたリフト・作動角制御用アクチュエータ13の制御の流れを示すフローチャートである。まず、機関運転条件を示すアクセル開度および機関回転数を読み込み(ステップ1)、これらから要求トルク(要求空気量)を算出(ステップ2)し、かつ目標バルブリフト特性を求める(ステップ3)。そして、リフト・作動角制御用アクチュエータ13の必要な駆動量を算出する(ステップ4)。次に、ステップ5において、運転条件が前述した図5の所定の制限領域内であるか否か判定する。制限領域内でなければ、アクチュエータ13の通常の駆動を許容する(ステップ6)。制限領域内であれば、ステップ7において、アクチュエータ13の駆動量が所定のしきい値以上であるか否か判定する。アクチュエータ13の駆動量が少なければ、制限領域内であっても駆動速度の制限を行わないものとし、アクチュエータ13の通常の駆動を許容する(ステップ8)。アクチュエータ13の駆動量が所定のしきい値以上であれば、ステップ9へ進んで駆動速度の制限を設定した上で、アクチュエータ13を駆動する(ステップ10)。駆動速度の制限の具体的な態様は、上述した各実施例の通りである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る内燃機関の可変動弁装置の構成説明図。
【図2】代表的な運転条件でのバルブリフト特性を示す特性図。
【図3】内燃機関全体のシステム構成図。
【図4】リフト中の制御軸の角度変化に伴うバルブリフト特性の変形を示す特性図。
【図5】駆動速度の制限を行う運転領域を示す特性図。
【図6】駆動速度の制限の第1の実施例を示すタイムチャート。
【図7】駆動速度の制限の第2の実施例を示すタイムチャート。
【図8】駆動速度の制限の第3の実施例を示すタイムチャート。
【図9】リフト・作動角制御用アクチュエータの制御の流れを示すフローチャート。
【符号の説明】
1…リフト・作動角可変機構
2…駆動軸
3…偏心カム
6…ロッカアーム
8…リンク部材
9…揺動カム
11…吸気弁
12…制御軸
19…エンジンコントロールユニット
Claims (13)
- 各気筒の吸気弁に可変動弁機構を備えるとともに、一つのアクチュエータが複数気筒の可変動弁機構に連係し、該アクチュエータの動作により複数気筒の吸気弁のバルブリフト特性が変化する内燃機関の可変動弁装置において、
吸気弁のリフト中におけるアクチュエータ駆動速度を、リフトしていない期間のアクチュエータ駆動速度よりも減少させたことを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。 - クランク角に基づいてアクチュエータ駆動速度を制限することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 内燃機関が所定の低速域にあるときに、アクチュエータ駆動速度の制限を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 吸気弁のバルブリフト特性が低リフトに制御されているときに、アクチュエータ駆動速度の制限を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 燃料噴射開始から吸気弁閉時期までの期間、アクチュエータ駆動速度を制限することを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
- アクチュエータ駆動速度の制限期間中は、アクチュエータを非駆動として一定位置に保持することを特徴とする請求項2または5に記載の内燃機関の可変動弁装置。
- アクチュエータ駆動速度の制限期間中は、制限期間外の駆動速度より低い速度でもってアクチュエータを駆動させることを特徴とする請求項2または5に記載の内燃機関の可変動弁装置。
- アクチュエータ駆動開始時期を、燃料噴射開始から吸気弁閉時期までの期間外とすることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 複数気筒の可変動弁機構に連係する制御軸を有し、この制御軸の角度をアクチュエータで変更することにより、バルブリフト特性が変化するように構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
- アクチュエータ駆動速度の制限を行う条件のときには、各気筒の燃料噴射時期を、吸気弁閉時期に近付くように補正することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 吸気弁のリフトが小さいほどアクチュエータ駆動速度を低く制限することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
- アクチュエータの駆動トルクの変更により、吸気弁のリフト中におけるアクチュエータ駆動速度を、リフトしていない期間のアクチュエータ駆動速度よりも減少させることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
- 上記吸気弁のバルブリフト特性によって内燃機関の出力が制御されることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の内燃機関の可変動弁装置。
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